ヘアケア装置
【課題】還元成分による効果のばらつきを低減することのできるヘアケア装置を得る。
【解決手段】ヘアケア装置は、少なくとも一対の電極2で液体を電気分解して還元成分を含んだ還元水を生成する還元水生成部3と、還元水生成部3に液体を供給する液体供給部4と、還元水生成部3に供給される液量を検知する検知部21と、還元水生成部3により生成された還元水を霧化して還元水ミストを生成する霧化装置1と、霧化装置1により生成された還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように、検知部21により検知された液量に応じて液体供給部4と還元水生成部3のうちの少なくともいずれかを制御する制御部5とを備える。
【解決手段】ヘアケア装置は、少なくとも一対の電極2で液体を電気分解して還元成分を含んだ還元水を生成する還元水生成部3と、還元水生成部3に液体を供給する液体供給部4と、還元水生成部3に供給される液量を検知する検知部21と、還元水生成部3により生成された還元水を霧化して還元水ミストを生成する霧化装置1と、霧化装置1により生成された還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように、検知部21により検知された液量に応じて液体供給部4と還元水生成部3のうちの少なくともいずれかを制御する制御部5とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪や頭皮に還元成分を付与し、その還元力により抗酸化作用を得、活性酸素を除去し、健康な状態に保つためのヘアケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭髪や頭皮をケアするために還元成分を含んだミストを付与する方法がある(例えば、特許文献1参照)。このヘアケア装置では、酸性成分が水中でイオン化して発生した陽イオンを還元して還元成分を得、その還元成分が溶解された還元水を生成する。そして、生成した還元水を霧化させて髪や頭皮に付与するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−82213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記のような従来のヘアケア装置では、放出される還元成分量をフィードバックさせておらず、使用者に対して常に一定の効果を与えられない可能性があった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、還元成分による効果のばらつきを低減することのできるヘアケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ヘアケア装置であって、少なくとも一対の電極で液体を電気分解して還元成分を含んだ還元水を生成する還元水生成部と、前記還元水生成部に液体を供給する液体供給部と、前記還元水生成部に供給される液量を検知する検知部と、前記還元水生成部により生成された還元水を霧化して還元水ミストを生成するミスト生成部と、前記ミスト生成部により生成された還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように、前記検知部により検知された液量に応じて前記液体供給部と前記還元水生成部のうちの少なくともいずれかを制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明において、前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記還元水生成部に供給される電力を増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記還元水生成部に供給される電力を減少させてもよい。
【0008】
また、本発明において、前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記液体供給部の液体供給量を増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記液体供給部の液体供給量を減少させてもよい。
【0009】
また、本発明において、前記液体供給部は、空気中に含まれる液体を冷却して結露させる冷却部を備え、前記制御部は、前記冷却部に供給される電力により前記液体供給部を制御してもよい。
【0010】
また、本発明において、前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記冷却部の駆動エネルギーを増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記冷却部の駆動エネルギーを減少させてもよい。
【0011】
また、本発明において、前記制御部は、前記液体供給部が駆動されてから所定の間、前記冷却部に供給される電力を増加させてもよい。
【0012】
また、本発明において、前記冷却部の冷却面上に前記一対の電極を配置し、その電極間の中心部に液体を保持する液体保持部を設けてもよい。
【0013】
また、本発明において、前記制御部は、前記検知部により検知された液量が所定の値以下の場合は、前記電極間の中心部の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給し、前記検知部により検知された液量が所定の値を超えた場合は、前記電極間の中心部の冷却面と中心部以外の冷却面とが等しく冷却されるように前記冷却部に電力を供給してもよい。
【0014】
また、本発明において、前記制御部は、前記検知部により検知された液量が所定の値以下の場合は、前記電極間の中心部の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給し、前記検知部により検知された液量が所定の値を超えた場合は、前記電極間の中心部以外の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように制御しているので、還元成分による効果のばらつきを低減することのできるヘアケア装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、第1の実施形態におけるヘアケア装置の内部構造を示す側断面図である。
【図2】図2は、第1の実施形態におけるヘケア装置の検知部の構成図であって、(a)は上面図、(b)は側断面図である。
【図3】図3は、第1の実施形態におけるヘケア装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、第2の実施形態におけるヘアケア装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、第2の実施形態におけるヘケア装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、第3の実施形態におけるヘアケア装置の機能構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、第3の実施形態におけるヘケア装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第4の実施形態におけるヘアケア装置の内部構造を示す側断面図である。
【図9】図9は、第4の実施形態におけるヘアケア装置の液体供給部・還元水生成部・霧化装置・液体保持部の構造を示す側断面図である。
【図10】図10は、第4の実施形態におけるヘアケア装置の液体供給部・還元水生成部・霧化装置・液体保持部の構造を示す斜面図である。
【図11】図11は、第5の実施形態におけるヘアケア装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第6の実施形態におけるヘアケア装置の液体供給部・還元水生成部・霧化装置・液体保持部の構造を示す側断面図である。
【図13】図13は、第6の実施形態におけるヘアケア装置の液体供給部・還元水生成部・霧化装置・液体保持部の構造を示す斜面図である。
【図14】図14は、第7の実施形態におけるヘアケア装置の冷却部の構造と制御範囲を示す上面図である。
【図15】図15は、第7の実施形態におけるヘアケア装置の冷却部の構造と制御範囲を示す側断面図である。
【図16】図16は、第7の実施形態におけるヘケア装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】図17は、第8の実施形態におけるヘアケア装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるヘアケア装置の内部構造を示す側断面図である。このヘアケア装置は例えばドライヤーであって、図1に示すように、筒状に形成されるハウジング6の下部にグリップ部7が折り畳み可能に取り付けられている。グリップ部7の前面中央に配されたスイッチ13を操作することで本ヘアケア装置をオンオフすることができる。ハウジング6の後端部には吸い込み部8が形成され、ハウジング6の先端部には吐き出し部9が形成されている。モータ10によりファン11が回転駆動されると、吸い込み部8から空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、空気流路12を流れる際に適宜加熱されて吐き出し部9から吹き出される。このような熱風を送風する機能は省略しても構わない。
【0019】
ここで、第1の実施形態におけるヘアケア装置は、少なくとも一対の電極2を備え、液体を電気分解して還元成分を含んだ還元水を生成する還元水生成部3を備えている。電極2は線形でも板状でもよく、また3つ以上設けたり、極性を変化させても構わない。電極2には電源が電気的に接続され、電極2間に液体が存在しないときは絶縁され、液体が存在するときは通電するよう配置されている。還元水生成部3にはタンク等の液体供給部4が接続され、そのタンクの水が還元水生成部3に供給されるようになっている。
【0020】
また、図2に示すように、還元水生成部3に供給される液量を検知する検知部21を備えている。この検知部21としては、MEMSフローセンサ等の微量液体流量センサを採用することができる。図2中の符号22は液体流路であり、符号23は微小ヒータである。電極2間に流れる電流が液量に比例する特性を利用し、電極間電流を液量の指標としても構わない。
【0021】
また、図1に示すように、還元水生成部3により生成された還元水を霧化して還元水ミストを生成する霧化装置(ミスト生成部)1を備えている。この霧化装置1は、超音波や弾性表面波等の振動によるもの、高電圧を与え静電霧化させるもの、風圧により飛散させるもの等で構成される。本例では、振動により霧化させる手法を採用している。制御部5は、霧化装置1により生成された還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように、検知部21により検知された液量に応じて液体供給部4と還元水生成部3のうちの少なくともいずれかを制御する。
【0022】
以下、第1の実施形態におけるヘアケア装置の動作を図3を用いて説明する。
【0023】
まず、スイッチ13が使用者によりオン操作されると(ステップS1)、液体供給部4から還元水生成部3に液体が供給される(ステップS2)。このとき、還元水生成部3に供給される液量を検知部21が検知する(ステップS3)。詳しくは、液体中を通電させるとき、電極間距離、液体の導電率を一定とすると、液体の電気抵抗はその断面積に反比例する。すなわち、断面積が小さいほど電気抵抗は大きく、断面積が大きいほど電気抵抗は小さくなる。したがって、液量と通電電流値は比例する。この電流値に応じて制御部5は還元成分濃度が一定となるよう、液体供給部4または還元水生成部3を制御する(ステップS4)。この一定の還元成分濃度は、例えば水素濃度が0.8ppm〜10000ppmの範囲で定められることが望ましい。その後、還元水生成部3により還元水が生成されると、霧化装置1により還元水が霧化されて使用者に付与される(ステップS5→S6→S7)。
【0024】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置によれば、還元成分による効果のばらつきを低減することができる。すなわち、還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように制御しているので、環境が変わっても常に一定の抗酸化や還元作用を発揮することができ、頭髪や頭皮を健康にケアすることが可能である。
【0025】
また、塩基性および酸性成分を含有する液体を同時に生成し、これを霧化して使用者に付与するようにしてもよい。これにより、塩基性成分の効果(膨潤等)や酸性成分の効果(収れん等)の効果を得ることができる。
【0026】
(第2の実施形態)
以下、図4〜図5を用いて第2の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1の実施形態の説明を援用する。
【0027】
第2の実施形態が前記第1の実施形態と異なる部分は、図4に示すように、検知部21が検知した液量に応じて還元水生成部3を制御する点である。詳しくは、図5のフローチャートに示すように、制御部5は、検知部21により検知された液量に応じて還元水濃度を制御する。すなわち、液体供給量が少ないほど、霧化される還元水ミスト量も少なくなる。そこで、検知部21により検知された液量が少なくなるほど、還元水生成部3の電極間電圧を上昇させ、生成される還元成分濃度を高める(ステップS14→S15)。逆に、液体供給量が多いほど、霧化される還元水ミスト量も多くなる。そこで、検知部21により検知された液量が多くなるほど、還元水生成部3の電極間電圧を減少させ、生成される還元成分濃度を低下させる(ステップS14→S16)。その結果、使用者に与えられる還元成分量が一定となる。
【0028】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、検知部21により検知された液量が少ないほど、還元水生成部3に供給される電力を増加させ、検知部21により検知された液量が多いほど、還元水生成部3に供給される電力を減少させるようにしている。これにより、還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるので、環境が変わっても常に一定の抗酸化や還元作用を発揮することができ、頭髪や頭皮を健康にケアすることが可能である。
【0029】
(第3の実施形態)
以下、図6〜図7を用いて第3の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第2の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第2の実施形態の説明を援用する。
【0030】
第3の実施形態が前記第1〜第2の実施形態と異なる部分は、図6に示すように、検知部21が検知した液量に応じて液体供給部4を制御する点である。詳しくは、図7のフローチャートに示すように、制御部5は、検知部21により検知された液量に応じて液体供給部4の液体供給量を制御する。すなわち、検知部21により検知された液量が少ないほど、液体供給部4の液体供給量を増加させる(ステップS24→S25)。逆に、検知部21により検知された液量が多いほど、液体供給部4の液体供給量を減少させる(ステップS24→S26)。その結果、使用者に与えられる還元成分量が一定となる。
【0031】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、検知部21により検知された液量が少ないほど、液体供給部4の液体供給量を増加させ、検知部21により検知された液量が多いほど、液体供給部4の液体供給量を減少させるようにしている。これにより、還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるので、環境が変わっても常に一定の抗酸化や還元作用を発揮することができ、頭髪や頭皮を健康にケアすることが可能である。
【0032】
(第4の実施形態)
以下、図8〜図10を用いて第4の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第3の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第3の実施形態の説明を援用する。
【0033】
第4の実施形態が前記第1〜第3の実施形態と異なる部分は、図8に示すように、液体供給部4が、空気中に含まれる液体32を冷却して結露させる冷却部31を備え、制御部5が、冷却部31に供給される電力により液体供給部4を制御する点である。具体的には、図9及び図10に示すように、放熱面と吸熱面を持つ熱交換器(ペルチェ素子41等)の吸熱面が冷却部31に該当する。放熱面には、その効果を高めるため、放熱用のフィン42を設けておく。
【0034】
以下、第4の実施形態におけるヘアケア装置の動作を説明する。
【0035】
まず、スイッチ13が使用者によりオン操作されると、冷却部31であるペルチェ素子41に電力が供給され、吸熱が開始される。冷却面の表面温度が環境の露点温度を下回ると表面に結露水が発生し、結露水が還元水生成部3に供給される。供給される結露水量は検知部21により検知され、その量に応じて冷却部31の駆動エネルギーが制御される。詳しくは、検知部21により検知された液量が少ないほど、冷却部31の駆動エネルギーを増加させ、検知部21により検知された液量が多いほど、冷却部31の駆動エネルギーを減少させる。その結果、使用者に与えられる還元成分量が一定となる。
【0036】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、液体供給部4が、空気中に含まれる液体32を冷却して結露させる冷却部31を備え、制御部5が、冷却部31に供給される電力により液体供給部4を制御するようにしている。これにより、液体を補給することなく還元水ミストを生成することができ、利便性が向上する。
【0037】
(第5の実施形態)
以下、図11を用いて第5の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第4の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第4の実施形態の説明を援用する。
【0038】
第5の実施形態が前記第1〜第4の実施形態と異なる部分は、図11に示すように、制御部5が初期駆動時に液体供給部4の駆動エネルギーが所定の期間大きくなるよう制御する点である。所定の期間とは、液体供給部4から供給される液体が還元水生成部3の電極2間を導通させることのできる量が供給されるまでの期間である。その間、液体供給部4の駆動エネルギーを多く投入する(ステップS34→S35)。例えば、液体供給部4は、初期駆動時定格電流から安全率分を控除して得られる入力限界値程度または冷却温度が凍結開始する0度以上になるまで駆動エネルギーを多く投入する。そして、入力限界値が5Vであるペルチェ素子に安全率20%と仮定した分を差し引いた4Vを入力し、液量が電極2間を導通させることができる量になるまで継続させる。“液量が電極2間を導通させることができる量になるまで”とは、例えば、電極2間が通電するまでである。環境室温25度、湿度50%で120秒以下であることが望ましい。その後、液量が一定となるよう液量に応じた制御を行う。
【0039】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、制御部5が、液体供給部4が駆動されてから所定の間、冷却部31に供給される電力を増加させるようにしている。これにより、冷却部31がすばやく冷却開始され、結露水がすばやく得られるため、ミスト発生までの時間を短縮することができる。
【0040】
(第6の実施形態)
以下、図12〜図13を用いて第6の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第5の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第5の実施形態の説明を援用する。
【0041】
第6の実施形態が前記第1〜第5の実施形態と異なる部分は、図12〜図13に示すように、冷却部31の冷却面が板状に形成され、その上部に電極2を配置し、その電極2間の中心部(後述する。)に液体32を保持する液体保持部51を設けた点である。詳しくは、液体保持部51は、冷却面上に配置された電極2に対向するよう配置された板状の成型物であり、電極2間の中心の真上に一定距離を持って配置されることが望ましい。
【0042】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、冷却部31の冷却面上に一対の電極2を配置し、その電極2間の中心部に液体32を保持する液体保持部51を設けるようにしている。これにより、液体保持部51と電極2との間の表面張力および毛細管現象により液体32が電極2間の中心に保持される。そのため、電極2間の導通が更にすばやく行われ、また、本体を使用中に傾けても液体32の位置を保持することができ、安定してミストを生成することが可能となる。
【0043】
(第7の実施形態)
以下、図14〜図16を用いて第7の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第6の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第6の実施形態の説明を援用する。
【0044】
第7の実施形態が前記第1〜第6の実施形態と異なる部分は、図14〜図16に示すように、使用者が電源をオン操作すると、まず電極2間の中心部61の冷却面に外周部よりも多くの駆動エネルギーが供給されるようにした点である。ここでは、図14及び図15に点線で示すように、電極2間の中心線で二分される直方体が中心部61に相当する。もちろん、中心部61の決め方はこれに限定されるものではない。制御部5は、図16に示すように、検知部21により検知された液量が所定の値以下の場合は、電極2間の中心部61の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給する(ステップS44→S46)。逆に、検知部21により検知された液量が所定の値を超えた場合は、電極2間の中心部61の冷却面と中心部61以外の冷却面とが等しく冷却されるように冷却部31に電力を供給する(ステップS44→S45)。詳しくは、冷却部31は、図14及び図15に示すように、電極2間の中心部61の冷却面とその外周の最低2つに分割してそれぞれを制御できるよう独立した素子構成とする。そして、検知部21により検知された液量が所定の値を超えるまで電極2間の中心部61が冷却される。“検知部21により検知された液量が所定の値を超えるまで”とは、例えば、電極2間が通電するまでである。環境室温25度、湿度50%で120秒以下であることが望ましい。液量が所定の値を越えた場合は、冷却面の電極2間の中心部61と中心部61以外の冷却面とが等しく冷却される。
【0045】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、制御部5は、検知部21により検知された液量が所定の値以下の場合は、電極2の中心部61の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給するようにしている。逆に、検知部21により検知された液量が所定の値を超えた場合は、電極2間の中心部61の冷却面と中心部61以外の冷却面とが等しく冷却されるように冷却部31に電力を供給するようにしている。その結果、電極2間の中心部61の冷却面が優先的に冷却され、結露水を電極2間に集中して集めることができ、還元水生成開始までの時間を短縮することが可能となる。
【0046】
(第8の実施形態)
以下、図17を用いて第8の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第7の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第7の実施形態の説明を援用する。
【0047】
第8の実施形態が前記第1〜第7の実施形態と異なる部分は、図17に示すように、電極2間の中心部61の冷却面に一定量以上の液体が付着した場合は、電極2間の中心部61以外を冷却する点である。すなわち、制御部5は、検知部21により検知された液量が所定の値以下の場合は、電極2間の中心部61の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給する(ステップS54→S56)。逆に、検知部21により検知された液量が所定の値を超えた場合は、電極2間の中心部61以外の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給する(ステップS54→S55)。詳しくは、検知部21により検知された液量が所定の値を超えるまで電極2間の中心部61が冷却される。“検知部21により検知された液量が所定の値を超えるまで”とは、例えば、電極2間が通電するまでである。環境室温25度、湿度50%で120秒以下であることが望ましい。検知部21により検知された液量が所定の値を越えた場合は、冷却面の電極2間の中心部61以外の冷却面が冷却される。
【0048】
このように構成されたヘアケア装置では、スイッチ13が使用者によりオン操作されると、まずは電極2間の中心部61の冷却面に他の部位よりも多くの駆動エネルギーが供給される。その結果、電極2間の中心部61の冷却面が優先的に冷却され、結露水を電極2間に集中して集めることができ、還元水生成開始までの時間を短縮することができる。結露水が電極2間の中心部61の冷却面に充分(最低限、電極2間導通が開始されるまで)供給されると、中心部61以外の駆動エネルギーを大きくする。電極2間の中心部61の冷却面が既に充分な量の液体を得ている場合、中心部61の駆動エネルギーは外周部より低くするほうが望ましい。このように制御することで、既に結露水が付着している部分より未だ付着していない部分にエネルギーが投入され、優先的に冷却されるため、結露水の収集効率を向上させることが可能である。
【0049】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、制御部5が、検知部21により検知された液量が所定の値以下の場合は、電極2間の中心部61の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給するようにしている。逆に、検知部21により検知された液量が所定の値を超えた場合は、電極2間の中心部61以外の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給するようにしている。これにより、電極2間の中心部61の冷却面に一定量以上の液体が付着した場合は、電極2間の中心部61以外を冷却することで集水効率が高まる。そのため、より安定的に液体を供給することができ、安定的な霧化が実施されるようになる。
【0050】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、ヘアケア装置としてドライヤーを例示したが、ヘアブラシやヘアアイロン等の他のヘアケア装置に本発明を適用してもよい。また、電極2、還元水生成部3、液体供給部4、検知部21、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 霧化装置(ミスト生成部)
2 電極
3 還元水生成部
4 液体供給部
5 制御部
21 検知部
51 液体保持部
61 電極間の中心部
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪や頭皮に還元成分を付与し、その還元力により抗酸化作用を得、活性酸素を除去し、健康な状態に保つためのヘアケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭髪や頭皮をケアするために還元成分を含んだミストを付与する方法がある(例えば、特許文献1参照)。このヘアケア装置では、酸性成分が水中でイオン化して発生した陽イオンを還元して還元成分を得、その還元成分が溶解された還元水を生成する。そして、生成した還元水を霧化させて髪や頭皮に付与するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−82213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記のような従来のヘアケア装置では、放出される還元成分量をフィードバックさせておらず、使用者に対して常に一定の効果を与えられない可能性があった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、還元成分による効果のばらつきを低減することのできるヘアケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ヘアケア装置であって、少なくとも一対の電極で液体を電気分解して還元成分を含んだ還元水を生成する還元水生成部と、前記還元水生成部に液体を供給する液体供給部と、前記還元水生成部に供給される液量を検知する検知部と、前記還元水生成部により生成された還元水を霧化して還元水ミストを生成するミスト生成部と、前記ミスト生成部により生成された還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように、前記検知部により検知された液量に応じて前記液体供給部と前記還元水生成部のうちの少なくともいずれかを制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明において、前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記還元水生成部に供給される電力を増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記還元水生成部に供給される電力を減少させてもよい。
【0008】
また、本発明において、前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記液体供給部の液体供給量を増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記液体供給部の液体供給量を減少させてもよい。
【0009】
また、本発明において、前記液体供給部は、空気中に含まれる液体を冷却して結露させる冷却部を備え、前記制御部は、前記冷却部に供給される電力により前記液体供給部を制御してもよい。
【0010】
また、本発明において、前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記冷却部の駆動エネルギーを増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記冷却部の駆動エネルギーを減少させてもよい。
【0011】
また、本発明において、前記制御部は、前記液体供給部が駆動されてから所定の間、前記冷却部に供給される電力を増加させてもよい。
【0012】
また、本発明において、前記冷却部の冷却面上に前記一対の電極を配置し、その電極間の中心部に液体を保持する液体保持部を設けてもよい。
【0013】
また、本発明において、前記制御部は、前記検知部により検知された液量が所定の値以下の場合は、前記電極間の中心部の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給し、前記検知部により検知された液量が所定の値を超えた場合は、前記電極間の中心部の冷却面と中心部以外の冷却面とが等しく冷却されるように前記冷却部に電力を供給してもよい。
【0014】
また、本発明において、前記制御部は、前記検知部により検知された液量が所定の値以下の場合は、前記電極間の中心部の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給し、前記検知部により検知された液量が所定の値を超えた場合は、前記電極間の中心部以外の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように制御しているので、還元成分による効果のばらつきを低減することのできるヘアケア装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、第1の実施形態におけるヘアケア装置の内部構造を示す側断面図である。
【図2】図2は、第1の実施形態におけるヘケア装置の検知部の構成図であって、(a)は上面図、(b)は側断面図である。
【図3】図3は、第1の実施形態におけるヘケア装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、第2の実施形態におけるヘアケア装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、第2の実施形態におけるヘケア装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、第3の実施形態におけるヘアケア装置の機能構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、第3の実施形態におけるヘケア装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第4の実施形態におけるヘアケア装置の内部構造を示す側断面図である。
【図9】図9は、第4の実施形態におけるヘアケア装置の液体供給部・還元水生成部・霧化装置・液体保持部の構造を示す側断面図である。
【図10】図10は、第4の実施形態におけるヘアケア装置の液体供給部・還元水生成部・霧化装置・液体保持部の構造を示す斜面図である。
【図11】図11は、第5の実施形態におけるヘアケア装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第6の実施形態におけるヘアケア装置の液体供給部・還元水生成部・霧化装置・液体保持部の構造を示す側断面図である。
【図13】図13は、第6の実施形態におけるヘアケア装置の液体供給部・還元水生成部・霧化装置・液体保持部の構造を示す斜面図である。
【図14】図14は、第7の実施形態におけるヘアケア装置の冷却部の構造と制御範囲を示す上面図である。
【図15】図15は、第7の実施形態におけるヘアケア装置の冷却部の構造と制御範囲を示す側断面図である。
【図16】図16は、第7の実施形態におけるヘケア装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】図17は、第8の実施形態におけるヘアケア装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるヘアケア装置の内部構造を示す側断面図である。このヘアケア装置は例えばドライヤーであって、図1に示すように、筒状に形成されるハウジング6の下部にグリップ部7が折り畳み可能に取り付けられている。グリップ部7の前面中央に配されたスイッチ13を操作することで本ヘアケア装置をオンオフすることができる。ハウジング6の後端部には吸い込み部8が形成され、ハウジング6の先端部には吐き出し部9が形成されている。モータ10によりファン11が回転駆動されると、吸い込み部8から空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、空気流路12を流れる際に適宜加熱されて吐き出し部9から吹き出される。このような熱風を送風する機能は省略しても構わない。
【0019】
ここで、第1の実施形態におけるヘアケア装置は、少なくとも一対の電極2を備え、液体を電気分解して還元成分を含んだ還元水を生成する還元水生成部3を備えている。電極2は線形でも板状でもよく、また3つ以上設けたり、極性を変化させても構わない。電極2には電源が電気的に接続され、電極2間に液体が存在しないときは絶縁され、液体が存在するときは通電するよう配置されている。還元水生成部3にはタンク等の液体供給部4が接続され、そのタンクの水が還元水生成部3に供給されるようになっている。
【0020】
また、図2に示すように、還元水生成部3に供給される液量を検知する検知部21を備えている。この検知部21としては、MEMSフローセンサ等の微量液体流量センサを採用することができる。図2中の符号22は液体流路であり、符号23は微小ヒータである。電極2間に流れる電流が液量に比例する特性を利用し、電極間電流を液量の指標としても構わない。
【0021】
また、図1に示すように、還元水生成部3により生成された還元水を霧化して還元水ミストを生成する霧化装置(ミスト生成部)1を備えている。この霧化装置1は、超音波や弾性表面波等の振動によるもの、高電圧を与え静電霧化させるもの、風圧により飛散させるもの等で構成される。本例では、振動により霧化させる手法を採用している。制御部5は、霧化装置1により生成された還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように、検知部21により検知された液量に応じて液体供給部4と還元水生成部3のうちの少なくともいずれかを制御する。
【0022】
以下、第1の実施形態におけるヘアケア装置の動作を図3を用いて説明する。
【0023】
まず、スイッチ13が使用者によりオン操作されると(ステップS1)、液体供給部4から還元水生成部3に液体が供給される(ステップS2)。このとき、還元水生成部3に供給される液量を検知部21が検知する(ステップS3)。詳しくは、液体中を通電させるとき、電極間距離、液体の導電率を一定とすると、液体の電気抵抗はその断面積に反比例する。すなわち、断面積が小さいほど電気抵抗は大きく、断面積が大きいほど電気抵抗は小さくなる。したがって、液量と通電電流値は比例する。この電流値に応じて制御部5は還元成分濃度が一定となるよう、液体供給部4または還元水生成部3を制御する(ステップS4)。この一定の還元成分濃度は、例えば水素濃度が0.8ppm〜10000ppmの範囲で定められることが望ましい。その後、還元水生成部3により還元水が生成されると、霧化装置1により還元水が霧化されて使用者に付与される(ステップS5→S6→S7)。
【0024】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置によれば、還元成分による効果のばらつきを低減することができる。すなわち、還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように制御しているので、環境が変わっても常に一定の抗酸化や還元作用を発揮することができ、頭髪や頭皮を健康にケアすることが可能である。
【0025】
また、塩基性および酸性成分を含有する液体を同時に生成し、これを霧化して使用者に付与するようにしてもよい。これにより、塩基性成分の効果(膨潤等)や酸性成分の効果(収れん等)の効果を得ることができる。
【0026】
(第2の実施形態)
以下、図4〜図5を用いて第2の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1の実施形態の説明を援用する。
【0027】
第2の実施形態が前記第1の実施形態と異なる部分は、図4に示すように、検知部21が検知した液量に応じて還元水生成部3を制御する点である。詳しくは、図5のフローチャートに示すように、制御部5は、検知部21により検知された液量に応じて還元水濃度を制御する。すなわち、液体供給量が少ないほど、霧化される還元水ミスト量も少なくなる。そこで、検知部21により検知された液量が少なくなるほど、還元水生成部3の電極間電圧を上昇させ、生成される還元成分濃度を高める(ステップS14→S15)。逆に、液体供給量が多いほど、霧化される還元水ミスト量も多くなる。そこで、検知部21により検知された液量が多くなるほど、還元水生成部3の電極間電圧を減少させ、生成される還元成分濃度を低下させる(ステップS14→S16)。その結果、使用者に与えられる還元成分量が一定となる。
【0028】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、検知部21により検知された液量が少ないほど、還元水生成部3に供給される電力を増加させ、検知部21により検知された液量が多いほど、還元水生成部3に供給される電力を減少させるようにしている。これにより、還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるので、環境が変わっても常に一定の抗酸化や還元作用を発揮することができ、頭髪や頭皮を健康にケアすることが可能である。
【0029】
(第3の実施形態)
以下、図6〜図7を用いて第3の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第2の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第2の実施形態の説明を援用する。
【0030】
第3の実施形態が前記第1〜第2の実施形態と異なる部分は、図6に示すように、検知部21が検知した液量に応じて液体供給部4を制御する点である。詳しくは、図7のフローチャートに示すように、制御部5は、検知部21により検知された液量に応じて液体供給部4の液体供給量を制御する。すなわち、検知部21により検知された液量が少ないほど、液体供給部4の液体供給量を増加させる(ステップS24→S25)。逆に、検知部21により検知された液量が多いほど、液体供給部4の液体供給量を減少させる(ステップS24→S26)。その結果、使用者に与えられる還元成分量が一定となる。
【0031】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、検知部21により検知された液量が少ないほど、液体供給部4の液体供給量を増加させ、検知部21により検知された液量が多いほど、液体供給部4の液体供給量を減少させるようにしている。これにより、還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるので、環境が変わっても常に一定の抗酸化や還元作用を発揮することができ、頭髪や頭皮を健康にケアすることが可能である。
【0032】
(第4の実施形態)
以下、図8〜図10を用いて第4の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第3の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第3の実施形態の説明を援用する。
【0033】
第4の実施形態が前記第1〜第3の実施形態と異なる部分は、図8に示すように、液体供給部4が、空気中に含まれる液体32を冷却して結露させる冷却部31を備え、制御部5が、冷却部31に供給される電力により液体供給部4を制御する点である。具体的には、図9及び図10に示すように、放熱面と吸熱面を持つ熱交換器(ペルチェ素子41等)の吸熱面が冷却部31に該当する。放熱面には、その効果を高めるため、放熱用のフィン42を設けておく。
【0034】
以下、第4の実施形態におけるヘアケア装置の動作を説明する。
【0035】
まず、スイッチ13が使用者によりオン操作されると、冷却部31であるペルチェ素子41に電力が供給され、吸熱が開始される。冷却面の表面温度が環境の露点温度を下回ると表面に結露水が発生し、結露水が還元水生成部3に供給される。供給される結露水量は検知部21により検知され、その量に応じて冷却部31の駆動エネルギーが制御される。詳しくは、検知部21により検知された液量が少ないほど、冷却部31の駆動エネルギーを増加させ、検知部21により検知された液量が多いほど、冷却部31の駆動エネルギーを減少させる。その結果、使用者に与えられる還元成分量が一定となる。
【0036】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、液体供給部4が、空気中に含まれる液体32を冷却して結露させる冷却部31を備え、制御部5が、冷却部31に供給される電力により液体供給部4を制御するようにしている。これにより、液体を補給することなく還元水ミストを生成することができ、利便性が向上する。
【0037】
(第5の実施形態)
以下、図11を用いて第5の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第4の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第4の実施形態の説明を援用する。
【0038】
第5の実施形態が前記第1〜第4の実施形態と異なる部分は、図11に示すように、制御部5が初期駆動時に液体供給部4の駆動エネルギーが所定の期間大きくなるよう制御する点である。所定の期間とは、液体供給部4から供給される液体が還元水生成部3の電極2間を導通させることのできる量が供給されるまでの期間である。その間、液体供給部4の駆動エネルギーを多く投入する(ステップS34→S35)。例えば、液体供給部4は、初期駆動時定格電流から安全率分を控除して得られる入力限界値程度または冷却温度が凍結開始する0度以上になるまで駆動エネルギーを多く投入する。そして、入力限界値が5Vであるペルチェ素子に安全率20%と仮定した分を差し引いた4Vを入力し、液量が電極2間を導通させることができる量になるまで継続させる。“液量が電極2間を導通させることができる量になるまで”とは、例えば、電極2間が通電するまでである。環境室温25度、湿度50%で120秒以下であることが望ましい。その後、液量が一定となるよう液量に応じた制御を行う。
【0039】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、制御部5が、液体供給部4が駆動されてから所定の間、冷却部31に供給される電力を増加させるようにしている。これにより、冷却部31がすばやく冷却開始され、結露水がすばやく得られるため、ミスト発生までの時間を短縮することができる。
【0040】
(第6の実施形態)
以下、図12〜図13を用いて第6の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第5の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第5の実施形態の説明を援用する。
【0041】
第6の実施形態が前記第1〜第5の実施形態と異なる部分は、図12〜図13に示すように、冷却部31の冷却面が板状に形成され、その上部に電極2を配置し、その電極2間の中心部(後述する。)に液体32を保持する液体保持部51を設けた点である。詳しくは、液体保持部51は、冷却面上に配置された電極2に対向するよう配置された板状の成型物であり、電極2間の中心の真上に一定距離を持って配置されることが望ましい。
【0042】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、冷却部31の冷却面上に一対の電極2を配置し、その電極2間の中心部に液体32を保持する液体保持部51を設けるようにしている。これにより、液体保持部51と電極2との間の表面張力および毛細管現象により液体32が電極2間の中心に保持される。そのため、電極2間の導通が更にすばやく行われ、また、本体を使用中に傾けても液体32の位置を保持することができ、安定してミストを生成することが可能となる。
【0043】
(第7の実施形態)
以下、図14〜図16を用いて第7の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第6の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第6の実施形態の説明を援用する。
【0044】
第7の実施形態が前記第1〜第6の実施形態と異なる部分は、図14〜図16に示すように、使用者が電源をオン操作すると、まず電極2間の中心部61の冷却面に外周部よりも多くの駆動エネルギーが供給されるようにした点である。ここでは、図14及び図15に点線で示すように、電極2間の中心線で二分される直方体が中心部61に相当する。もちろん、中心部61の決め方はこれに限定されるものではない。制御部5は、図16に示すように、検知部21により検知された液量が所定の値以下の場合は、電極2間の中心部61の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給する(ステップS44→S46)。逆に、検知部21により検知された液量が所定の値を超えた場合は、電極2間の中心部61の冷却面と中心部61以外の冷却面とが等しく冷却されるように冷却部31に電力を供給する(ステップS44→S45)。詳しくは、冷却部31は、図14及び図15に示すように、電極2間の中心部61の冷却面とその外周の最低2つに分割してそれぞれを制御できるよう独立した素子構成とする。そして、検知部21により検知された液量が所定の値を超えるまで電極2間の中心部61が冷却される。“検知部21により検知された液量が所定の値を超えるまで”とは、例えば、電極2間が通電するまでである。環境室温25度、湿度50%で120秒以下であることが望ましい。液量が所定の値を越えた場合は、冷却面の電極2間の中心部61と中心部61以外の冷却面とが等しく冷却される。
【0045】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、制御部5は、検知部21により検知された液量が所定の値以下の場合は、電極2の中心部61の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給するようにしている。逆に、検知部21により検知された液量が所定の値を超えた場合は、電極2間の中心部61の冷却面と中心部61以外の冷却面とが等しく冷却されるように冷却部31に電力を供給するようにしている。その結果、電極2間の中心部61の冷却面が優先的に冷却され、結露水を電極2間に集中して集めることができ、還元水生成開始までの時間を短縮することが可能となる。
【0046】
(第8の実施形態)
以下、図17を用いて第8の実施形態におけるヘアケア装置について説明する。ここでは、前記第1〜第7の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、同様の構成や作用効果等を有するものについては前記第1〜第7の実施形態の説明を援用する。
【0047】
第8の実施形態が前記第1〜第7の実施形態と異なる部分は、図17に示すように、電極2間の中心部61の冷却面に一定量以上の液体が付着した場合は、電極2間の中心部61以外を冷却する点である。すなわち、制御部5は、検知部21により検知された液量が所定の値以下の場合は、電極2間の中心部61の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給する(ステップS54→S56)。逆に、検知部21により検知された液量が所定の値を超えた場合は、電極2間の中心部61以外の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給する(ステップS54→S55)。詳しくは、検知部21により検知された液量が所定の値を超えるまで電極2間の中心部61が冷却される。“検知部21により検知された液量が所定の値を超えるまで”とは、例えば、電極2間が通電するまでである。環境室温25度、湿度50%で120秒以下であることが望ましい。検知部21により検知された液量が所定の値を越えた場合は、冷却面の電極2間の中心部61以外の冷却面が冷却される。
【0048】
このように構成されたヘアケア装置では、スイッチ13が使用者によりオン操作されると、まずは電極2間の中心部61の冷却面に他の部位よりも多くの駆動エネルギーが供給される。その結果、電極2間の中心部61の冷却面が優先的に冷却され、結露水を電極2間に集中して集めることができ、還元水生成開始までの時間を短縮することができる。結露水が電極2間の中心部61の冷却面に充分(最低限、電極2間導通が開始されるまで)供給されると、中心部61以外の駆動エネルギーを大きくする。電極2間の中心部61の冷却面が既に充分な量の液体を得ている場合、中心部61の駆動エネルギーは外周部より低くするほうが望ましい。このように制御することで、既に結露水が付着している部分より未だ付着していない部分にエネルギーが投入され、優先的に冷却されるため、結露水の収集効率を向上させることが可能である。
【0049】
以上のように、本実施形態におけるヘアケア装置では、制御部5が、検知部21により検知された液量が所定の値以下の場合は、電極2間の中心部61の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給するようにしている。逆に、検知部21により検知された液量が所定の値を超えた場合は、電極2間の中心部61以外の冷却面が冷却されるように冷却部31に電力を供給するようにしている。これにより、電極2間の中心部61の冷却面に一定量以上の液体が付着した場合は、電極2間の中心部61以外を冷却することで集水効率が高まる。そのため、より安定的に液体を供給することができ、安定的な霧化が実施されるようになる。
【0050】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、ヘアケア装置としてドライヤーを例示したが、ヘアブラシやヘアアイロン等の他のヘアケア装置に本発明を適用してもよい。また、電極2、還元水生成部3、液体供給部4、検知部21、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 霧化装置(ミスト生成部)
2 電極
3 還元水生成部
4 液体供給部
5 制御部
21 検知部
51 液体保持部
61 電極間の中心部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一対の電極で液体を電気分解して還元成分を含んだ還元水を生成する還元水生成部と、
前記還元水生成部に液体を供給する液体供給部と、
前記還元水生成部に供給される液量を検知する検知部と、
前記還元水生成部により生成された還元水を霧化して還元水ミストを生成するミスト生成部と、
前記ミスト生成部により生成された還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように、前記検知部により検知された液量に応じて前記液体供給部と前記還元水生成部のうちの少なくともいずれかを制御する制御部と
を備えることを特徴とするヘアケア装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記還元水生成部に供給される電力を増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記還元水生成部に供給される電力を減少させることを特徴とする請求項1記載のヘアケア装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記液体供給部の液体供給量を増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記液体供給部の液体供給量を減少させることを特徴とする請求項1または2記載のヘアケア装置。
【請求項4】
前記液体供給部は、空気中に含まれる液体を冷却して結露させる冷却部を備え、前記制御部は、前記冷却部に供給される電力により前記液体供給部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記冷却部の駆動エネルギーを増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記冷却部の駆動エネルギーを減少させることを特徴とする請求項4記載のヘアケア装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記液体供給部が駆動されてから所定の間、前記冷却部に供給される電力を増加させることを特徴とする請求項4または5に記載のヘアケア装置。
【請求項7】
前記冷却部の冷却面上に前記一対の電極を配置し、その電極間の中心部に液体を保持する液体保持部を設けたことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記検知部により検知された液量が所定の値以下の場合は、前記電極間の中心部の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給し、前記検知部により検知された液量が所定の値を超えた場合は、前記電極間の中心部の冷却面と中心部以外の冷却面とが等しく冷却されるように前記冷却部に電力を供給することを特徴とする請求項7記載のヘアケア装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記検知部により検知された液量が所定の値以下の場合は、前記電極間の中心部の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給し、前記検知部により検知された液量が所定の値を超えた場合は、前記電極間の中心部以外の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給することを特徴とする請求項7記載のヘアケア装置。
【請求項1】
少なくとも一対の電極で液体を電気分解して還元成分を含んだ還元水を生成する還元水生成部と、
前記還元水生成部に液体を供給する液体供給部と、
前記還元水生成部に供給される液量を検知する検知部と、
前記還元水生成部により生成された還元水を霧化して還元水ミストを生成するミスト生成部と、
前記ミスト生成部により生成された還元水ミストに含まれる還元成分量が一定となるように、前記検知部により検知された液量に応じて前記液体供給部と前記還元水生成部のうちの少なくともいずれかを制御する制御部と
を備えることを特徴とするヘアケア装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記還元水生成部に供給される電力を増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記還元水生成部に供給される電力を減少させることを特徴とする請求項1記載のヘアケア装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記液体供給部の液体供給量を増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記液体供給部の液体供給量を減少させることを特徴とする請求項1または2記載のヘアケア装置。
【請求項4】
前記液体供給部は、空気中に含まれる液体を冷却して結露させる冷却部を備え、前記制御部は、前記冷却部に供給される電力により前記液体供給部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記検知部により検知された液量が少ないほど、前記冷却部の駆動エネルギーを増加させ、前記検知部により検知された液量が多いほど、前記冷却部の駆動エネルギーを減少させることを特徴とする請求項4記載のヘアケア装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記液体供給部が駆動されてから所定の間、前記冷却部に供給される電力を増加させることを特徴とする請求項4または5に記載のヘアケア装置。
【請求項7】
前記冷却部の冷却面上に前記一対の電極を配置し、その電極間の中心部に液体を保持する液体保持部を設けたことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記検知部により検知された液量が所定の値以下の場合は、前記電極間の中心部の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給し、前記検知部により検知された液量が所定の値を超えた場合は、前記電極間の中心部の冷却面と中心部以外の冷却面とが等しく冷却されるように前記冷却部に電力を供給することを特徴とする請求項7記載のヘアケア装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記検知部により検知された液量が所定の値以下の場合は、前記電極間の中心部の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給し、前記検知部により検知された液量が所定の値を超えた場合は、前記電極間の中心部以外の冷却面が冷却されるように前記冷却部に電力を供給することを特徴とする請求項7記載のヘアケア装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−103060(P2013−103060A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250444(P2011−250444)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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