説明

ヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリーム

【課題】天然物で人体に安全であることが分かっており且つ有効性の高い、メカブ粉末をさらに有効にヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームの原料として利用する。
【解決手段】皮膚に有効なミネラル分やフコイダンを多く含むと同時に高い安全性を有し、さらに皮膚を滑らかにし毛髪を保護する作用を有し、育毛作用を奏するように製造したメカブ粉末を配合するヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームの発明である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はわかめの茎からメカブを分離させ、水でメカブを流し洗いをして、不純物を除去したメカブを熱湯に湯どうしして塩分を除去した後、そのメカブを冷水に侵漬させ、その後メカブを乾燥させ、乾燥したメカブを粉砕して粉末にして製造したメカブ粉末を配合するヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料、化粧クリームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
海藻類の粉末はヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームの原料として既に広く利用されている。コンブ属は褐藻植物、異形世代網こんぶ目こんぶ科に属する海藻であり、マコンブ(Laminariajaponica)、ホソメコンブ(Laminaria religiosa)、ミツイシコンブ(Laminaria angusta)、エンドウコンブ(Laminaria yendoana)、ゴヘイコンブ(Laminaria yezoensis)などがある。
【0003】
キリンサイ属は紅藻植物、真正紅藻網、すぎのり目みりん科の海藻であり、トゲキリンサイ(Eucheuma serra)、キリンサイ(Eucheuma muricatum)、アマクサキリンサイ(Eucheuma amakusaensis)などがある。
【0004】
アオサ属は緑藻植物、緑藻網、あおさ目、あおさ科の海藻であり、アナアオサ(Ulva pertusa)、リボンアオサ(Ulva fasciata)、アミアオサ(Ulva reticulata)、オオアオサ(Ulva sublittoralis)、ボタンアオサ(Ulva conglobata)、などがある。
【0005】
イギス属は紅藻植物、真正紅藻網、いぎす目いぎす科の海藻であり、ケイギス(Ceramium tenerrimun)、ハリイギス(Ceramium paniculatum)、ハネイギス(Ceramium japonicum)、イギス(Ceramium kondoi)などがある。
【0006】
また、褐藻植物類、紅藻植物類、緑藻植物類の水、一価アルコール、多価アルコールの単独もしくは混合溶媒で抽出して得られる抽出物も、ヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームの原料として広く利用されている。
【0007】
また成熟したワカメの茎の下方に形成される生殖体であるメカブの抽出液が粘性が適度で、清澄濾過,除菌濾過を容易に行うことができ、しかも保湿力が優れ、このものを用いたメカブ抽出液は、成熟したメカブを水で抽出して得られる黄褐色の液体であり、これを化粧料に配合する技術はすでに利用されている。
【0008】
しかしながら抽出液の場合はゴミ、または不純物が混入しやすく、また、塩分も混入しやすく、ヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームには配合しにくい。
【0009】
一方、わかめの茎からメカブを分離させ、水でメカブを流し洗いをして、不純物を除去したメカブを熱湯に湯どうしして塩分を除去した後、そのメカブを冷水に侵漬させ、その後メカブを乾燥させ、乾燥したメカブを粉砕して粉末にして製造したメカブ粉末の場合、熱湯で加熱することにより、美しい緑色になり、冷水に浸すことにより、更に緑色が鮮明になり、外観上もヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームには有利であることがわかった。
【0010】
また、上記メカブ粉末を配合したヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームは前例が無く、又従来のヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームに上記製造方法のメカブ粉末を配合すると格段の効果が得られることが分かった。抽出液ではなく粉末そのものを配合するのは画期的なことである。
【0011】
【特許文献1】特許番号第2909960号
【特許文献2】特開2003−104834(P2003−104834A)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、天然物で人体に安全であることが分かっており且つ有効性の高い、上記製造方法のメカブ粉末をさらに有効にヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームの原料として利用することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、メカブ粉末は、皮膚に有効なミネラル分やフコイダンを多く含むと同時に高い安全性を有し、さらに皮膚を滑らかにし毛髪を保護する作用を有し育毛作用も有することを見出した。これらメカブ粉末を単独または両者を配合するヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームを発明するに至った。
【0014】
本発明のメカブ粉末を配合することを特徴とする、ヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームに併用して配合可能な成分としては、ヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームで一般に使用される基材や薬剤であれば特に限定はされないし、メカブ粉末の配合量としても、0.001〜100%であれば特に限定はされない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施例により説明するが、本実施例によって、本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
ヘアシャンプーとして下記配合量にて作成した。

【実施例2】
【0017】
ヘアトリートメントとして下記配合量にて作成した。

【実施例3】
【0018】
化粧クリームとして下記配合量にて作成した。

【実施例4】
【0019】
育毛料として下記配合量にて作成した。

【0020】
上記3種実施例の有効性を確認するために、以下の使用テストを行った。実施例品とメカブ粉末未配合品との比較を、パネラー10名の協力を得てアンケート調査し、テスト項目毎について5点評価し、有効性を確認した。
【0021】

【0022】
パネラー評価結果(評価結果は10名の評価点の平均点とした)。

【0023】
以上の結果から明らかなように、メカブ粉末を配合したヘアシャンプー、ヘアトリートメント、育毛料及び化粧クリームはメカブ粉末を配合していないものと比較すると、化粧料の基本である使用時の肌の突っ張り感や刺激性を改良し、しっとり感やシワの減少や肌のハリに対しても有効であった。また、頭皮にたいしても同様に有効であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
わかめの茎からメカブを分離させ、水でメカブを流し洗いをして、不純物を除去したメカブを熱湯に湯どうしして塩分を除去した後、そのメカブを冷水に侵漬させ、その後メカブを乾燥させ、乾燥したメカブを粉砕して粉末にして製造したメカブ粉末を配合したヘアシャンプー。
【請求項2】
わかめの茎からメカブを分離させ、水でメカブを流し洗いをして、不純物を除去したメカブを熱湯に湯どうしして塩分を除去した後、そのメカブを冷水に侵漬させ、その後メカブを乾燥させ、乾燥したメカブを粉砕して粉末にして製造したメカブ粉末を配合したヘアトリートメント。
【請求項3】
わかめの茎からメカブを分離させ、水でメカブを流し洗いをして、不純物を除去したメカブを熱湯に湯どうしして塩分を除去した後、そのメカブを冷水に侵漬させ、その後メカブを乾燥させ、乾燥したメカブを粉砕して粉末にして製造したメカブ粉末を配合した育毛料。
【請求項4】
わかめの茎からメカブを分離させ、水でメカブを流し洗いをして、不純物を除去したメカブを熱湯に湯どうしして塩分を除去した後、そのメカブを冷水に侵漬させ、その後メカブを乾燥させ、乾燥したメカブを粉砕して粉末にして製造したメカブ粉末を配合した化粧クリーム。

【公開番号】特開2006−8599(P2006−8599A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188170(P2004−188170)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(502439669)株式会社サコ (2)
【Fターム(参考)】