説明

ヘアスタイリング補助具

本発明は、とくには髪をカールさせるためのヘアスタイリング補助具(1)に関する。ヘアスタイリング補助具(1)は、スタイリング対象の髪を受け入れるための案内手段(16)と、回転可能部材(20)とを備えている。使用時、回転可能部材(20)が案内手段(16)に対して回転し、髪の一部を片側へと押して、中央の突起(36)の周囲に巻き付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアスタイリング補助具に関し、とくには、これに限られるわけではないが、髪にカールを与えるための家庭用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
美容室または家庭環境において、ユーザが自分の髪をカールさせることを可能にする装置が、広く知られている。カール用アイロンまたはカール用トングとして典型的に知られている家庭用の装置は、一般に、ハンドルから突き出している円柱形の被加熱部材を備えている。ばねクランプ部材が、ハンドルへと枢支され、被加熱部材に沿って延びている。使用時、カール用アイロンのスイッチがオンにされ、高温になることができる。ひとたび動作温度になると、ユーザが、髪の一部分を選択し、その端部を、被加熱部材を横切って配置し、髪をばねクランプ部材によって所定の位置に固定する。次いで、カール用アイロンが回転させられ、選択された髪の一部分の残りの部分が被加熱部材に巻き付けられる。短時間の後に、カール用アイロンが髪から取り外される。装置の熱が、髪を「軟化」させ、所望の形状への成形を可能にするように機能する。ひとたび髪が冷却されると、髪の元の特性が回復し、スタイルがセットされる。
【0003】
カール用アイロンおよび同様の装置によって生成される熱が、ユーザの髪にとって有害となる可能性がある。近年の進歩が、この問題を軽減しているものの、依然として、加熱式のスタイリング補助具を使用する前に髪に熱保護剤を塗布することが忠告されている。この忠告にもかかわらず、この前処理手段に必要な余分な時間ゆえ、カール用アイロンのユーザの多くが、自身の髪をカールさせるときにいかなる製品も使用していない。
【0004】
スタイリングのプロセスにおいて、髪を固定してねじることによって、髪をさらに傷める可能性もある。
【0005】
さらには、カール用アイロンを使用するとき、1回の適用において髪のわずかな部分についてしかスタイリングを施すことができない。頭部全体の髪をスタイリングするために、ユーザは、髪の個々の部位について装置を繰り返し使用しなければならず、時間がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、スタイリングのプロセスをユーザにとって簡単にするとともに、スタイリング対象の髪の損傷も少ないヘアスタイリング補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、スタイリング対象の髪を受け入れるための案内手段と、前記案内手段に対して回転することができる回転可能部材と、使用時に髪が前記回転部材によって周囲に巻き付けられる細長部材と、を備えているヘアスタイリング補助具が提供される。案内手段が回転可能部材に対して静止しているという性質ゆえ、装置によって受け入れられた髪が細長部材の周囲に巻き付けられ、カールが生成される。好都合なことに、伝統的な方法と対照的に、髪のカールが、根元または根元付近から出発し、先端に向かって移動する。
【0008】
好ましくは、髪のスタイリングを助けるために、前記細長部材が加熱される。装置は、前記細長部材の少なくとも一部分の周囲にハウジングをさらに備えることができ、ハウジングの壁と前記細長部材との間に、スタイリング対象の髪が収容される例えば環状のチャンバが形成される。ハウジングの壁は、装置のハンドルから延ばすことができ、好ましくはスタイリングのプロセスの際に両側から髪へと熱を加えるために加熱される。
【0009】
前記チャンバのサイズは、好ましくは可変である。これは、調節可能な断面を有する細長部材を取り入れることによって実現でき、さらには/あるいは調節式、おそらくは、ばねまたは同様の弾性部材を取り入れている、のハウジングの壁を設けることによって実現できる。この1つの利点は、より多くの髪が装置へと引き込まれるときに、ハウジングの壁と処理対象の髪との間の間隔を一定に保つことができる点にある。この特徴は、請求項に記載の本発明の技術的範囲の外にも用途を見つけることができる。チャンバおよび/または細長部材の長さも、おそらくは伸縮可能部を取り入れることによって可変であってよい。
【0010】
本発明による装置にハウジングが設けられる場合には、ハウジングが、案内手段を備えることができる。案内手段は、例えばハウジングの壁にスロットまたは開口を含むことができる。さらにハウジングが、使用時にカールさせるべき髪を通過させてチャンバへと配置することができる閉鎖可能な開口を備えてもよい。好ましくは、この閉鎖可能な開口が、装置における髪の位置決めを助けるためのガイドを提供するようなやり方で開く。あるいは、髪を、使用時に、静止の案内手段も形成してよい単純なスロットまたは開口を通ってチャンバに進入させることができる。この場合、スロットにおける髪の位置決めを助けるための案内手段が設けられると好ましい。例えば、「V」字を形成する一対のフィンを、付け根にハウジングのスロットが位置するように設けることができる。
【0011】
回転可能部材は、いずれかの方向に回転することができ、細長部材から突き出している単純な半径方向の突起や、らせん部材など、使用時に装置への髪の引き込みを助けるための任意の適切な形態をとることができる。好ましくは、回転可能部材は、使用時に髪が配置される開口または他の切り欠き部を回転中心からずらして有している平板ディスクを備えている。切り欠き/開口内への髪の保持を助けるために、弾性フラップまたはドアを備えることができる。
【0012】
回転可能部材が、細長部材とともに回転でき、あるいは細長部材から独立して回転することできる。ハウジングが設けられる場合には、回転可能部材を、ハウジングとともに回転するように構成してもよい。回転可能部材が、細長部材に対して回転することが好ましい。
【0013】
ヘアスタイリング補助具は、使用時に髪へと適用するためのヘアトリートメント製品を送出するための手段をさらに備えることができる。そのような製品を、おそらくは装置のハンドルに配置することができるキャニスタまたは補充可能なチャンバにて、すぐに適用できるように装置内に保持することができる。装置による製品の塗布は、装置の使用時に髪を保護するために製品を適用するようにユーザに働きかける。特定の実施の形態においては、装置内に充分な製品が存在しない場合に、装置の動作を停止させることができる。これは、これに限られるわけではないが電気式のセンサの形態など、いくつかの手段によって実現することができる。例えば、センサが、コンピュータのプリンタにおいてインクのレベルを測定するために使用されるものと同様の形態をとることができ、あるいは装置の重量を記録し、重量が特定のしきい値を下回る場合にユーザに警報し、さらには/あるいは装置を無効にするように設計された敏感な重量測定装置の形態をとることができる。あるいは、透明なキャニスタ/補充可能なチャンバを、光ビームおよび光センサと組み合わせて使用することができる。これにより、装置の動作を、製品を通過する光の量にもとづいて決定することができる。
【0014】
ヘアトリートメント製品は、好ましくは、スタイリング/固定製品および/またはコンディショニング製品および/または髪を例えば装置の熱から保護するように設計された製品であるが、任意の適切なヘア製品が適用可能である。
【0015】
装置が、使用時に、処理対象の髪へと空気を送ることができる。これは、単純に回転可能部材の回転の結果として実現することができ、あるいは装置内に、おそらくは、ハンドルに、ファンなどの装置を取り入れることによって実現することができる。ヘアドライヤの機能をもたらすために、加熱素子を取り入れることも可能である。ファンが使用される場合、ファンは、回転可能部材を回転させるためにも機能することができる。一つの実施の形態においては、装置を、ヘアドライヤへと取り付けられるように構成することができる。その場合、回転可能部材へと接続されたインペラを、ヘアドライヤからの気流によって回転させることができ、結果として回転可能部材を回転させることができる。ヘアトリートメント製品を、装置によって供給することができ、あるいはヘアドライヤの気流へと注入することができる。
【0016】
代案として、回転可能部材を、別途のモータによって回転させることができ、あるいは手動で回転させることさえ可能である。
【0017】
カールのプロセスにおいて髪が装置によって固定されることがないという事実ゆえ、カールの段階の完了後に回転可能部材の回転を続けても、ユーザの髪を傷めることがない。したがって、回転可能部材を、所定の出発位置へと戻るまで回転させ続けることができる。これは、単純にユーザの判断によって実現でき、あるいは電気的なまたは機械的な制御手段によって実現することができる。例えば、装置を、回転可能部材の完全な回転(あるいは、その所定の部分)にてのみ動作するように構成することができ、あるいはリセット機能を組み込むことができる。リセット機能を、ハウジングにドアが設けられる場合には、ドアの開放に組み合わせることができる。
【0018】
さらに、装置とユーザの頭部との間の距離を設定するためにユーザの頭部に対して配置することができる調節可能な延長部、おそらくは伸縮式のスペーサを、ヘアスタイリング補助具にさらに設けることが可能である。調節可能な延長部が、前記細長部材またはハウジングの継続を形成することができ、あるいは両者とは別であってよい。
【0019】
本発明による装置は、従来技術に対していくつかの利点を有している。使用の容易さが、髪のスタイリングのプロセスを簡単化および高速化する一方で、いかなる固定も存在しないことで、髪へのストレスが少なくなり、髪を傷めにくくなる。また、ヘア製品を送出できるという装置の能力も、とくにはヘア製品の供給が装置の動作にとって不可欠にされる場合に、スタイリングの際の髪の保護を助ける。
【0020】
特定の実施の形態においては、チャンバを設けることによって、髪を両側から加熱して、より一様な温度をもたらすことができる。チャンバの外面に熱絶縁表面を設けることによって、装置のより大きな部分が、動作中に触れても安全である。実際、チャンバによれば、別途の支持を必要とせずに加熱時に装置を表面に平置きすることを可能にできる。
【0021】
さらに、使用時に装置が動かされないという性質が、髪のスタイリングにおける制御性を高めることができる。これを、ユーザの頭部に対する装置の正確かつ一貫した位置決めを可能にするための調節式の延長部またはスペーサを設けることによって、さらに改善することができる。
【0022】
本発明のより良好な理解が、以下の詳細な説明から得られるであろう。説明は、添付の図面を参照し、あくまでも例として提示される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるヘアスタイリング装置の斜視図である。
【図2】図1の装置の平面図である。
【図3】図1の装置の端面図である。
【図4】図1の装置の断面の斜視図である。
【図5A】動作中の図1の装置を示している一連の斜視図である。
【図5B】動作中の図1の装置を示している一連の斜視図である。
【図5C】動作中の図1の装置を示している一連の斜視図である。
【図6】図1に示した装置と同様の装置の分解斜視図であり、随意による追加の特徴が示されている。
【図6A】図1の装置のための別の回転可能部材の斜視図である。
【図7】図1のヘアスタイリング装置のための調節可能なハウジング部の斜視図である。
【図8】図1に示した装置の変種の斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態によるヘアスタイリング装置の斜視図である。
【図10】図9のヘアスタイリング装置の断面図である。
【図11A】本発明の第3の実施の形態によるヘアスタイリング装置の斜視図であり、動作中の装置を示している。
【図11B】本発明の第3の実施の形態によるヘアスタイリング装置の斜視図であり、動作中の装置を示している。
【図11C】本発明の第3の実施の形態によるヘアスタイリング装置の斜視図であり、動作中の装置を示している。
【図11D】本発明の第3の実施の形態によるヘアスタイリング装置の斜視図であり、動作中の装置を示している。
【図12】本発明の第4の実施の形態による装置によってスタイリングされている髪の頭部の斜視図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態によるヘアスタイリング装置のハンドルの斜視図である。
【図14】図13のヘアスタイリング装置のチャンバの斜視図である。
【図15】図7の拡大可能なチャンバのさらなる動作を示す斜視図である。
【図15A】図15のチャンバにおいて処理された髪を概略的に示している。
【図16】図1の装置のための延長可能なチャンバの斜視図である。
【図16A】図16のチャンバにおいて処理された髪を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一態様によるヘアスタイリング装置1を示している。図1に示されている装置1は、装置1を動作させるための制御部4を備えている細長いハンドル2と、髪がスタイリングのために収容されるハウジング部6とを有している。ハウジング6は、回転可能部材(図示されていない)によって隔てられた前部チャンバ8および後部チャンバ10を備えている。前部および後部チャンバ8、10の両者は、おむね円筒形であり、同様の直径である。後部チャンバ10が、装置1のハンドル2へと接合されており、前部チャンバ8が、平坦な端面12によって装置1のハンドル2から遠い端部に囲まれている。前部および後部チャンバ8、10の間には、ハウジング6のさらなる円筒部14が位置しており、このさらなる円筒部14は、前部および後部チャンバ8、10よりも大きな直径であって、内部に回転可能部材を囲んでいる。図1の装置1において、細長いハンドル2の軸は、装置1が直線的な「棒状」の構成を有するよう、ハウジングの部位8、10、14の各々の軸に一致している。
【0025】
さらにハウジング6は、使用時に髪をハウジング6へと進入させることができるスロット16を備えている。スロット16は、ハウジング6の側面に設けられ、装置1の軸に平行に延びている。一対の案内フィン18が、ハウジングの一部として設けられており、各々のフィンが、スロット16を通ってハウジング6の中へと配置される髪を案内するために、スロット16の各側から離れるように「V」字形に延びている。図示のとおり、各々の案内フィン18の外縁の形状は、ほぼハウジング6の輪郭に沿っているが、これは必須ではない。
【0026】
図2の上面図が、スロット16および案内フィン18、ならびにハウジング6の大径部分14を、よりわかりやすく示している。案内フィン18およびスロット16は、図3の正面/端面図にも示されている。さらに図3は、ハウジング6の大径部分14の内側の位置の回転可能部材20も、破線にて示している。回転可能部材20は、後の図にさらにわかりやすく示されているが、切り欠き部を有する平板ディスクを備えており、ハウジング6の大径部分14の内側に回転可能に取り付けられている。
【0027】
図4が、図1に示した装置1の縦断面図である。断面が、ハウジング6のスロット16を通過して装置1を垂直に通って得られており、装置の内部の機構の表示をもたらしている。
【0028】
装置1のハンドル2の内側に、回転可能部材20を回転させるためのモータ22が収容されている。さらにハンドル2は、電源24および装置1の使用時に適用されるヘア製品26のための空間ももたらしている。種々の構成要素が、概略的にのみ示されており、それらの正確な位置および構成は、図示の位置および構成と異なってもよい。さらに重要なことに、使用時にスタイリング対象の髪が保持されるハウジング6の内部も、図4に示されている。
【0029】
回転可能部材20は、(図3に示されているように)カップ状部分30へと融合している平板ディスク部28を備えており、カップ状部分30は、平坦な端面32によってディスク部28から遠い方の端部において閉じられているおおむね円筒形の側壁を有している。平坦な端面32には、回転可能部材20をモータ22の出力へとねじりに関して固定できるようにする開口34が設けられている。直接的な接続が図示されているが、何らかの形態の歯車機構を、モータ22と回転可能部材20との間に設けることも可能である。回転可能部材20のカップ状部分30は、ハウジング6の後部チャンバ10内に位置しており、ディスク部28が、大径部分14内に位置している。ハウジング6の前部チャンバ8は、平坦な端面12からハウジング6の中へと延び、前部チャンバ8を通過し、回転可能部材20のカップ状部分30の内側に終端を有しているおおむね円柱形の細長部材36を収容している。細長部材36の外表面38およびハウジング6の前部チャンバ8の内壁40の両方が、加熱される。
【0030】
装置1の動作が、図5A〜図5Cに示されている。ヘアスタイリング装置1のスイッチをオンして、ヘアスタイリング装置1を、従来からのヘアスタイリング装置と同じやり方で加熱することができ、次いでヘアスタイリング装置1が、ハウジング6をスタイリング対象の髪の先端に隣接させて配置される。図5Aに示されるように、髪42の一部がユーザによって選択され、案内フィン18の助けによってスロット16へと配置される。回転可能部材20が、ディスク28の切り欠き部21がハウジング6の上部のスロット16に整列させられるように構成されている。したがって、髪42の一部が、スロット16を通って回転可能部材20のディスク28の切り欠き部21へと通過する。髪42の一部の自由端44が、装置1のハンドル2の方向に、おそらくは装置1のハンドル2よりもさらに延びている。市販の大部分のスタイリング装置と対照的に、髪が装置1のいずれかの部位によって機械的に把持されることがない。
【0031】
図5Bが、動作時の装置1を示している。モータ(図示されていない)が、回転可能部材20を矢印46の方向に回転させる。髪42の全長のうち、回転可能部材20のディスク28の切り欠き部21を通過している部分が、回転するディスク28の切り欠き部21の壁との相互作用によって片側へと押される一方で、髪42の全長のうちの根元へと向かうさらなる部分は、溝16の一端に位置するがゆえに回転することができない。これにより、髪42が細長部材36の周囲に巻き付けられると同時に、髪の自由端44が、矢印48によって示されるとおり、溝16の他端を通ってハウジング6へと引き込まれる。結果として、カールが、最初に髪42の根元または根元付近に付与され、その後に、自由端44に向かって延びている残りの部分へと付与される。最初に、図5Bに示されるとおり、髪42が回転可能部材20の回転によって後部チャンバ10へと引き込まれるかもしれないが、これは、髪が把持されていないため、問題にならない。ディスク28がさらに回転すると、単純に後部チャンバ10の自由な髪が前部チャンバ8へと押し込まれ、先ほどと同様に細長部材36の周囲に巻き付けられる。
【0032】
ひとたび髪42の全長が、図5Cに示されるように細長部材36の周囲に巻き付けられると、スタイリングおよび/またはトリートメント製品を、カールをセットすべく適用することができる。これを、前部チャンバ8における加熱面38、40からの熱の印加に代えることができ、あるいはそのような熱の印加に追加することができる。
【0033】
髪42がカールの際に把持されず、装置1を通って自由に延びているため、スタイリングのプロセスにおいて髪42に加わるストレスがきわめてわずかである。回転可能部材20は、単純に、髪の自由端44を過ぎてチャンバ14内を自由に回転する。髪42が装置1のいかなる部位によっても把持されないため、回転可能部材20の回転を続けても、スタイリング対象の髪を決して傷めることがないことにも注意すべきである。したがって、回転可能部材20を、髪を引っ張ったり、あるいは他のかたちで傷めたりする恐れなく、再び図示の位置へと回転させることができる。髪42の特定の部位のカールが完了した後で、装置1を単純にユーザの頭部から引き離し、髪42がスロット案内手段16を通過して、ハウジング6の閉じた端部を過ぎることができるようにすることで、装置1を取り去ることができる。
【0034】
ハウジング6の外壁、および装置1の他の露出部分は、好ましくは、装置1の動作時に触れても熱くないように、熱絶縁材料で覆われる。加熱中に装置1を平坦な表面に置くことができるよう、ハウジング6の外面において、スロット16およびフィン18の反対側に、平坦部(図示されていない)を設けてもよい。案内フィン18は、平坦な表面に置かれたときに装置1が転がらないようにするためにも機能する。
【0035】
図6が、上述した装置と同様の装置1の分解図を示している。図6の図は、1つの図にて、本発明の別々の実施の形態へと適用することができるいくつかの特徴を示している。例えば、ハンドル部2が、電源ケーブル50および電池52の両方、ならびにキャニスタ54および補給バルブ56の両方を備えて図示されているが、そのいずれかが、装置1を動作させるためのガスを供給するためのものであってよく、あるいは使用時に適用されるヘア製品のためのものであってよい。
【0036】
ハウジング部分6が、2つの部品へと分割されており、すなわち前部チャンバ8および大径部分14を含んでいる部品と、後部チャンバ10を含んでいる部品とに分割されている。これらの間に、カップ状部分30のディスク部28から遠い方の端部にフランジ58が設けられている点を除き、先の図に関して説明したとおりの回転可能部材20が配置されている。図6Aが、切り欠き部21の開口を横切って延びる弾性フラップ/ドア62を備えている別の回転可能部材60を示している。これは、装置1の動作時に髪が切り欠き部21に保持されることを保証するうえで、好都合である。さらに、細長部材36を備えた端部キャップ64が、ハウジング6のさらなる別部品として図示されているが、すでに述べたように、端面12および細長部材36を前部チャンバ8に一体に設けることも可能である。
【0037】
好ましくは、本発明による装置は、さまざまなサイズのカールを形成することができ、さらには/あるいは髪のさまざまなサイズの部分を処理のために収容することができる。これは、前部チャンバ8の壁と細長部材36との間の環状の空間のサイズが調節可能である場合に、実現可能である。これは、細長部材36または前部チャンバ8のいずれかの直径を変えることによって実現可能である。図7が、前部チャンバ8の直径を変更するための1つの選択肢を示しており、細長部材36と前部チャンバ8の壁との間の空間を小さくすべく圧縮することができるばね66が、チャンバ8の2つの半分の間に設けられている。他の弾性部材も、同様に適している。
【0038】
図7に示したチャンバの1つの動作が、図15に示されている。図7においては、矢印67がチャンバ8の直径の減少を示している一方で、図15においては、矢印69がチャンバの直径の拡大を示している。すでに述べたように、チャンバ8のサイズの調節を、装置1の使用前に行うことができる。しかしながら、チャンバ8の直径を、装置1の使用中に増加させることも可能である。これは、とくには長い髪を処理しようとする場合に、新たな髪がすでにカールさせられた髪の上へと巻き付けられる結果となることが多いため、好都合である。この機能が存在しないと、髪がすでにカールさせられた髪の上へと巻き付けられることで、髪が盛り上がって、チャンバ8の壁と干渉し、髪にもつれを生じさせ、したがって髪を傷める可能性が生じる。チャンバ8の拡大は、単純に髪のカールが大きくなることによってチャンバ8の壁に接触し、チャンバ8の半分の間のばね66または他の弾性部材の力に打ち勝って、これら半分を互いに離れるように付勢することによって、生じることができる。しかしながら、カールした最も外側の髪とチャンバ8の壁との間にすき間が維持されるように、拡大のための他の何らかの手段を使用することが好ましい。これは、おそらくは回転可能部材20を回転させるための手段から一種の歯車機構および/またはリンクによって駆動される何らかの付勢手段または拡大機構によって実現可能である。
【0039】
装置1が、多くの場合に、スロット16または単なる開口の形態の静止した案内手段を備える点に鑑み、1回の動作において装置1へと通して処理することができる髪の部分の量に、制限が存在する。このことを、回転可能部材20が回転するときの装置1における髪の蓄積の速度を推定するために使用することができ、歯車機構を、チャンバ8がカールさせられた髪から常に離れているように、チャンバ8の拡大の速度を制御するように選択することができる。
【0040】
チャンバ8のサイズを変化させる別の手段が、図16に示されている。チャンバ8の直径を拡大(または、減少)させるのではなくて、図16は、チャンバ8が伸縮式であって、長さを伸ばすことができる変種を示している。やはり、これを、装置1の使用の前または最中に行うことができ、回転可能部材20の駆動手段に組み合わせる/接続することができる。装置の動作の最中にチャンバ8を長くすることは、処理されている髪とチャンバ8の壁との間に一定のすき間を維持する目的にも機能する。或る長さの髪42が処理されるときに、ハウジング8の長さを、細長部材36をハウジング8とともに引っ張って、延長することができる。その結果、髪が、プロセスにおいてすでにカール済みの髪に重なることがなく、代わりに、細長部材36の新しい部分の周囲に巻き付けられる。上述のように、チャンバ8の長さの延長の速度を、静止の案内手段によって決定される髪の処理対象部の最大厚さに関連付けることができる。
【0041】
チャンバ8が延びるとき、髪42を巻き付けることができる利用可能部位が常に細長部材に存在することをユーザが確信できるように、細長部材36も延ばす必要があり得る。しかしながら、図4に示されるとおり、細長部材36を、端部が回転可能部材20のディスク部28を超えるように回転可能部材20の中へと延ばすことができる。この実施の形態が使用されるとき、細長部材36を延長可能にする必要はないかもしれない。代わりに、回転可能部材20のディスク部28を超えて延びている固定長の細長部材36の余剰分に頼ることが可能である。髪の重なり合いが存在しないため、ユーザは、図16に示したような延長可能なチャンバ8を有する装置1によって髪42に形成されるカールが、図16Aに示されるように一定のサイズであることを確信できる。対照的に、髪42がすでにカールされた髪に重なる場合に形成されるカールは、図15Aに示されるとおり、髪42の長さに沿って自由端44に向かうにつれて大きくなる可能性がある。
【0042】
装置1は、これまでのスタイリング補助具に対していくつかの利点を有している。カールの際に髪を装置によって固定または把持する必要がない。これにより、スタイリングのプロセスにおいて髪に加わる緊張が少なくなる。使用時に装置によってヘア製品が適用されることで、ユーザがより頻繁に製品を使用するように働きかけられ、やはりユーザの髪の健康に有益である。実際、製品のカートリッジが存在せず、あるいは使い尽くされている場合に装置の使用を禁ずる何らかの手段を備えることも可能であろう。
【0043】
例えば、敏感な重量測定装置(図示されていない)を、装置1のハンドル2に組み込むことができる。装置1がオンにされ、暖機のために表面に配置されたときに、重量測定装置が、ハンドル2内に収容された製品のキャニスタ54の重量を測定する。重量が特定のしきい値を下回る場合、このことは、キャニスタ54が装置1に存在しておらず、あるいはキャニスタ54が存在しているが、空またはほぼ空であることを示している。このような状況下において、適用のための充分な量の製品が存在しないため、装置1の作動を阻止することができる。代案として、残りの製品の量を割り出し、必要に応じて装置の動作を防止するために、好ましくは電気式の検出手段、インクジェットプリンタのカートリッジのインクの量を割り出すために使用される検出手段など、光センサ、などを使用することも可能である。これに加え、あるいはこれに代えて、聴覚または視覚による警告を、ユーザへと伝えることができる。
【0044】
従来からのスタイリング装置は、処理対象の髪に対して直角に使用されるように設計されている。髪の一部が、ひとたび選択されたならば、装置を横切るように置かれ、次いで所望のカールを生成するために装置に巻き付けられる。髪の根元の付近にはカールが必要でない場合、ユーザは、一致する点まで髪の各部をカールさせるために、自身の技能および判断を使用しなければならない。これは、髪をスタイリング装置の周囲に手作業で巻き付ける必要があるため、困難でありうる。
【0045】
対照的に、本発明による装置1は、使用時にカールさせるべき髪に平行になるように向けられる。装置1が、髪42の一部の全長に沿った所定の点に配置される。ハウジング6と自由端44との間の髪の長さが、ユーザが装置1を移動させるまでもなく、回転可能部材20の回転によってハウジング6へと自動的に引き込まれ、中央の突起36の周囲でカールされる。ハウジング6内に保持された髪だけが、装置1によってカールさせられ、根元とハウジング6の端面12との間の髪は、影響を受けない。髪が根元から先端へとカールさせられるため、装置1の位置は、使用の際に変化しない。したがって、そこから先は髪をカールさせない一貫した点を維持することが、ユーザにとってより容易である。
【0046】
図8が、前部チャンバ8の端部から延びるスペーサ68が設けられている装置1のさらなる変種を示している。スペーサ68を矢印70の方向に伸ばすことが可能であり、ひとたび所定の長さへと調節されたならば、スペーサ68の遠位端72を、スタイリングのプロセスの各段階において、処理対象の髪42の各々が一貫した点までカールさせられるように保証するために、ユーザの頭部に当接させて保持することができる。伸縮式であってよいスペーサ68が、図8においては、前部チャンバ8にほぼ等しい直径を有するものとして示されている。あるいは、伸ばされていない状態においては細長い突起36の内側に収容されるスペーサ68を、前部チャンバ8の端面12の中心から伸ばすこともできる。あるいは、スペーサ68を、ハウジング6の外部に別途設けてもよい。
【0047】
本発明のさらなる実施の形態が、図9に示されている。図9の装置101は、大まかにはすでに述べた装置と同様であるが、先の装置1のハンドル部が省略されており、後部チャンバ110が、ヘアドライヤ176への装着のための開いた大径部174を備えるように構成されている。この第2の実施の形態の仕組みは、図10の断面図により明確に示されている。モータによって駆動される代わりに、この実施の形態の回転可能部材120には、ヘアドライヤ176から出る空気の流れによって駆動されるインペラ178が備えられている。髪の保護/スタイリングに適した製品を、ヘアドライヤ176からの気流へと注入することができ、前部チャンバ108および細長部材136の壁を、上述のように加熱することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、ヘアドライヤ176から吐き出される空気を、ハウジング406の前部チャンバ408へと通過できるようにしてもよい。その結果、装置401は、濡れた髪を乾燥させるときにカールをセットする際の使用に適すると考えられる。
【0048】
異なる回転可能部材20、120を回転させる手段の他には、装置101の動作は、第1の実施の形態の装置1の動作と基本的に同じであり、ここでは繰り返さない。
【0049】
図11A〜図11Dが、本発明の別の実施の形態を示している。図11Cおよび図11Dに示されるとおり、動作において、装置201は、先の実施の形態の装置1、101と同じである。重要な物理的相違を、以下で説明する。
【0050】
図11A〜図11Dに示されている装置201は、ピストル状の構成であって、ハウジング206の軸がハンドル202に対して直角に配置されており、装置を動作させるためのトリガ式の制御部204を備えている。ハウジング206は、先の実施の形態に比べて簡略化されており、一方の端部212において閉じられた緩やかな先細りまたは円筒形のチューブの形態をとっており、明確に区別される前部および後部チャンバを備えていない。また、ハウジング206は、先の実施の形態のスロットを欠いており、代わりに、閉じられた端部212の開口280ならびに装置201のハンドル202を貫いて延びるさらなる開口282に依存している。さらに、回転可能部材220が、髪を通すための完全に閉じられた開口284をディスク部228に有するものとして示されているが、装置201は、ディスク228が単に上述のような切り欠き部21を備える場合でも、同様に上手く機能すると考えられる。
【0051】
この実施の形態のハウジング206にはスロットが存在しないため、図11Aおよび図11Bに明確に示されるとおり、フック工具286を、髪42の一部分を選択して、装置201を通って引っ張るために使用しなければならない。フック工具286は、理髪の分野において周知であり、ここではさらなる説明は省略する。別個の前部および後部チャンバを有していないにもかかわらず、使用時に、髪42は、依然として先の実施の形態の場合のように、ディスク228の装置201のハンドル202から遠い方の片側に位置する細長部材236に巻き付けられる。髪42の長さのうち、回転可能部材220のディスク228の開口284を通過している部分が、ハウジング206に対して回転させられる一方で、髪42の長さのうちのさらなる部分は、ハウジング206の閉じた端部212の静止の開口280によって回転しないようにされている。これにより、髪42が細長部材236の周囲に巻き付けられると同時に、髪の自由端44が、装置201のハンドル202の開口282を通ってハウジング206へと引き込まれる。
【0052】
本発明の1つの特定の実施の形態においては、ハウジング6、106、206またはハウジング6、106、206の少なくとも一部分を、装置1、101、201の残りの部分から取り外し可能にすべきであると考えられる。これにより、髪42の第1の部分を突起36、136、236の周囲に巻き付けて、スタイルの「セット」を可能にすべく放置しつつ、ユーザが髪42の他の部分の処理へと移ることができ、スタイリングのプロセスが高速化される。図12に示されているこの実施の形態は、美容室環境において装置1、101、201を使用する専門のヘアスタイリストにとってとくに興味深いと考えられるが、家庭のユーザにとっても興味深いと考えられる。図12に示されている装置301は、上述した第1の実施の形態と同様の棒状の構成を有しているが、ピストル式の装置201を同じやり方で構成できない理由はない。
【0053】
図12に示されるとおり、ハウジング部306は、図11A〜図11Dの実施の形態のハウジング部206と同様であり、ハウジングのスロットではなくて、髪が通される開口を備えている。これは、使用時に、装置301のハンドル302が取り去られた後も髪をハウジング306内に保持するために、髪42の自由端44をハウジング306の遠位端から外へと延びたままにしておくことができるという利点をもたらす。同様の効果を、ハウジング6にスロット16を備えている変種においても実現できるが、髪をハウジング部6に保持する別途の手段を備える必要があり得る。
【0054】
例として、図6の分解図を参照すると、ハンドル2が、解除可能な接続手段によって装置1のハウジング6から取り外し可能であってよい。次いで、例えば細長い突起36またはハウジング6に把持手段(図示されていない)を組み込むことで、ハウジングをユーザの髪の一部分へと残しつつ、ハンドル2を髪の他の部分のスタイリングのためのさらなるハウジング部へと接続することができると考えられる。あるいは、カールの後のユーザの髪が回転可能部材20のハンドル2から遠い方の側に保持されるため、装置1を、解除可能な接続手段がハンドル2と回転可能部材20との間の任意の地点、前部大径部分14と後部チャンバ10との間の地点など、に配置されるように構成することができる。しかしながら、おそらくは、解除可能な接続は、ハンドル2または回転可能部材20のいずれかの付近に位置するであろう。
【0055】
取り外し可能なハウジングの特徴が備えられる場合、解除可能な接続を、ハンドル2から回転可能部材20へと回転運動を伝達するように設けるべきである。
【0056】
これは、装置1の解除可能な接続手段の位置またはその付近に設けられる適切なねじり固定継手を有する分割シャフトの形態をとることができる。分割シャフトの2つの部分の間の継手を、例えば、第2の部分の端部に設けられる十字形のソケットと係合するようにシャフトの第1の部分の端部に形成されるクロスヘッドによって形成することができる。あるいは、同様に構成される六角形または正方形のヘッドおよびソケットの構成や、任意の他の適切な耐ねじりの継手を、使用することが可能である。再び図12を参照すると、装置301のハウジング部306が、ハンドル302の出力からのねじりを伝達できるように、十字形のソケット388を備えて示されている。
【0057】
本発明のさらなる実施の形態が、図12に示されている。この実施の形態においては、装置401が、装置401のハンドル402から延びる実質的に円柱形の棒状の突起として構成された細長部材436を備えている。実質的に管状のハウジング406が、細長部材436の周囲に設けられており、ハウジング406の壁と細長部材436との間に環状のチャンバ408が形成されている。ハウジング406の第1の端部が、細長部材436のハンドル402から遠い方の端部の付近に位置している。このハウジング406の第1の端部は、実質的に平坦な端壁412によって大部分が閉じられている。壁412の扇形領域が、端壁412を通ってのチャンバ408内へのアクセスを可能にする開口480をもたらすために除去されている。
【0058】
チャンバ406の円筒形の側壁は、細長いハンドル402に向かって細長部材436の全長の一部に沿って延びている。装置401のハンドル402に隣接する第2の端部において、ハウジング406は、全周にわたって開いている。ハウジング406が、細長部材436に沿って装置401のハンドル402から離れて示されているが、ハウジング406は、ハンドル402から延びていてもよく、ハンドル402と一体に形成されてもよい。
【0059】
ハウジング406をハウジング406の端壁412の開口480から延びる線に沿って開くことができるようにするドア490が、ハウジング406の全長にわたって設けられている。ドア490は、細長部材436に平行な一方の縁に沿って、ヒンジで固定されている。ハウジング406の内部には、らせん部材の形態の回転部材420が設けられている。らせん部材420は、細長部材436およびハウジング406の両方から独立して回転するように構成されている。
【0060】
ユーザの髪の固定および/または調整および/または保護のために設計された製品が、使用時に装置401によって適用される。製品は、チャンバ406内の細長部材436に設けられた複数の開口492を通って放出される。装置401の熱ゆえに、あらゆる製品がチャンバ406において迅速に気化し、製品の髪への良好な分布を保証する。また、おおむね囲まれているというチャンバ406の性質も、使用される製品の大部分が、伝統的な方法においてしばしば見られるように大気へと失われるのではなく、髪へと達することを可能にする。これは、装置401の使用時に、危険であるかもしれない製品をユーザが吸引してしまう可能性も少なくする。
【0061】
図13の装置401のカールのプロセスは、図1の装置1のカールのプロセスと同様である。ひとたび適切な温度になると、ハウジング406の円筒形の壁のドア490が開かれ、髪(図示されていない)が、もたらされた開口の中へと装置401の細長部材436と平行に配置される。開いたドア490が、髪を装置401へと案内して、らせん部材420に設けられたすき間421に位置させるうえで役に立つ傾斜面を、好都合に提供する。次いで、ドア490が、髪の一部分をハウジング406の内部に囲むために閉じられる。装置401が作動させられると、らせん部材420が、ハンドル402およびチャンバ406に対して回転させられ、他の実施の形態に関して説明したやり方と同様のやり方で、髪の自由端をチャンバ406へと引き込み、らせん部材420の髪の自由端から遠い方の側において、細長部材436の周囲に巻き付ける。髪がらせん部材420と一緒に単純に自由に回転してしまうことが、ハウジング406の端面412に固定の開口480を設けることによって防止される。髪が細長部材436の周囲に巻き付けられる一方で、ヘアスタイリングまたはトリートメント製品が、複数の開口492を通って放出される。カールが完成すると、装置401が単純に髪から引き抜かれ、髪は開口480を通過することができる。ドア490を開く必要はない。その後に、髪のさらなる部分を受け入れる準備として、装置1のドア490を再び開くことができる。
【0062】
すでに述べたように、髪の全長をカールさせた後にらせん部材420の回転を続けても、髪へのストレスは生じない。
【0063】
装置401によってユーザの髪へと形成されたカールをセットするためには、装置401を取り除く前に髪を冷ますことが好ましい。回転の速度が充分に高いのであれば、らせん部材420の回転によって装置401へと空気を引き込むことができる。あるいは、ファンまたは類似の何かを、装置401がユーザの頭部から取り除かれる前にチャンバ408へと冷たい空気を吹き込むために、ハウジング406に隣接するハンドル402の端部494に設けることができる。ハンドル402が、吐き出される空気を加熱するための加熱素子を備えてもよい。これにより、装置401を、濡れた髪について、髪を乾燥させつつ髪にカールをセットするために使用することができる。
【0064】
図14は、図13の装置401のハウジング部406の閉じた端部412から伸びる別の伸縮式のスペーサ468を示している。伸縮式のスペーサ468が、細長部材436の続きを形成し、図8に示したスペーサ68と同じやり方で使用される。
【0065】
本発明は、上述した具体的な実施の形態には限られないと考えられる。特定の実施の形態のみに関連して説明された特徴を、矛盾しないのであれば、上述した他の実施の形態にも適用することが可能である。
【0066】
さらに、図面のうちのいくつかは、回転部材220、420の詳細を明確に見て取ることができるよう、装置201、401のハウジング206、406を透明であるものとして図示している。実際には、ハウジング206、406が透明である必要はない。実際には、装置201、401の外表面が、触れられたときに冷たくなければならない点に鑑み、ハウジング206、406は、おそらくは不透明な熱絶縁材料で製作される可能性がより高い。
【0067】
上述の実施の形態において、ヘア製品は、カールのプロセスの最中に送出される。製品の送出を、カールの作用の完了後に行うことも、可能であると考えられる。送出を、回転可能部材が回転させられるときに自動的に行うことができ、あるいは製品を、別途のユーザの入力にもとづいて選択的に送出することができる。実際に、装置を、ヘア製品の送出を行うことなく動作させることが可能であるが、明細書において述べたこの特徴の利点は、当然ながら失われるであろう。
【0068】
回転可能部材を、時計方向または反時計方向のいずれかに回転するように構成することができ、あるいは回転可能部材が、時計方向または反時計方向のカールの形成を可能にするために、いずれかの方向に選択的に回転させることが可能であってよい。回転可能部材を、切り欠き/開口を有するディスク20、210、220またはらせん部材420のいずれかを備えるものとして説明したが、代案として、例えば単純な半径方向の突起の形態など、他の任意の適切な形態をとることができる。また、回転可能部材を、特定の実施の形態においては、細長部材またはハウジングへと接続することができ、さらには/あるいは細長部材またはハウジングの回転によって回転させることができる。しかしながら、回転可能部材は、静止の案内手段、図示の実施の形態の場合においてはハウジングの造作によってもたらされているが、他の適切な手段をとることができ、例えば静止の細長部材へと取り付けられてもよい、に対して回転しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタイリング対象の髪を受け入れるための案内手段と、
前記案内手段に対して回転することができる回転可能部材と、
使用時に髪が前記回転部材によって周囲に巻き付けられる細長部材と、
を備えている、ヘアスタイリング補助具。
【請求項2】
前記細長部材が加熱される、請求項1に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項3】
前記細長部材のサイズが調節可能である、請求項1または2に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項4】
前記細長部材の一部分を囲むハウジングをさらに備えており、該ハウジングの壁と前記細長部材との間にチャンバが形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項5】
前記チャンバが環状である、請求項4に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項6】
前記ハウジングのサイズが調節可能である、請求項4または5に記載のヘアスタイリング装置。
【請求項7】
前記ハウジングの壁が加熱される、請求項4から6のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項8】
前記ハウジングが前記案内手段を備えている、請求項4から7のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項9】
前記案内手段が前記ハウジングの開口を含んでいる、請求項8に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項10】
前記案内手段が前記ハウジングの壁のスロットを含んでいる、請求項8に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項11】
前記チャンバへの髪の案内を助けるために、前記スロットから延びるフィンが設けられている、請求項10に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項12】
前記フィンが「V」字形の構成にて設けられている、請求項11に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項13】
前記ハウジングが、使用時にカールさせるべき髪を通過させて前記チャンバへと配置することができる閉鎖可能な開口を備えている、請求項4から10のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項14】
前記閉鎖可能な開口が、髪を前記装置へと案内するように機能する、請求項13に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項15】
装置をヘアドライヤへと取り付けるための手段をさらに備えている、先行する請求項のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項16】
前記回転可能部材へと取り付けられたインペラをさらに備えている、請求項15に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項17】
前記ハウジングが装置のハンドルから延びている、請求項4から14のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項18】
前記ハウジングが前記ハンドルと一体である、請求項17に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項19】
前記ハウジングが、前記ハンドルへと開放可能に接続される、請求項17に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項20】
前記回転可能部材が、前記ハウジングとともに回転する、請求項4から19のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項21】
前記回転可能部材が前記細長部材に対して回転する、請求項1から20のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項22】
前記回転可能部材が前記細長部材とともに回転する、請求項1から19のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項23】
使用時に髪へと適用するためのヘアトリートメント製品を送出するための手段をさらに備えている、先行する請求項のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項24】
前記ヘアトリートメント製品が装置の内部に保持される、請求項23に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項25】
装置内に充分な製品が存在しない場合に、装置の動作を阻止するための手段が設けられている、請求項24に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項26】
前記手段が電気式センサを含んでいる、請求項25に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項27】
前記ヘアトリートメント製品がスタイリング/固定製品である、請求項23から26のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項28】
前記ヘアトリートメント製品がコンディショニング製品である、請求項23から27のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項29】
前記ヘアトリートメント製品が保護製品である、請求項23から28のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項30】
使用時に処理対象の髪へと空気を送るための手段をさらに備えている、先行する請求項のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項31】
前記髪へと空気を送るための手段が装置のハンドルに収容されている、請求項30に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項32】
前記髪へと空気を送るための手段がファンを含んでいる、請求項30または31に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項33】
前記ファンが、さらに前記回転可能部材を回転させるためにも機能する、請求項32に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項34】
前記空気を加熱するための加熱素子をさらに備えている、請求項30から33のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項35】
前記加熱素子が装置のハンドルに収容されている、請求項34に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項36】
前記髪へと空気を送るための手段が前記回転可能部材を含んでいる、請求項30に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項37】
前記回転可能部材が、使用後に所定の出発位置へと自動的に復帰する、先行する請求項のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項38】
装置とユーザの頭部との間の距離を設定するために、ユーザの頭部に対して配置することができる調節可能な延長部をさらに備えている、先行する請求項のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項39】
前記調節可能な延長部が前記細長部材の継続を形成している、請求項38に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項40】
前記調節可能な延長部が前記ハウジングの壁の継続を形成している、請求項38に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項41】
前記回転可能部材が、切り欠き部を有するディスクを備えている、先行する請求項のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項42】
前記切り欠き部を閉じるために、弾性フラップが設けられている、請求項41に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項43】
前記回転可能部材が、中心外に位置する開口を備えているディスクを備えている、請求項1から40のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項44】
前記回転可能部材がらせん部材である、請求項1から40のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項45】
装置のうちの前記回転可能部材を含んでいる部分が、装置のうちのハンドルを含んでいる部分へと開放可能に取り付けられる、先行する請求項のいずれか1項に記載のヘアスタイリング補助具。
【請求項46】
実質的に添付の図面を参照して本明細書において説明されたとおりのヘアスタイリング補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図15A】
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【図16】
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【図16A】
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【公表番号】特表2011−506021(P2011−506021A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538887(P2010−538887)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【国際出願番号】PCT/GB2008/004146
【国際公開番号】WO2009/077747
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(510168601)ティーエフスリー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】