説明

ヘアトリートメント組成物

【課題】毛髪の引張特性を増大させる組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】脂質及びクレアチンを含むヘアトリートメント組成物により、上記の課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアトリートメント組成物及びそのような組成物を用いて毛髪の引張特性(tensile properties)を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪は、損傷及び苛酷な作用因子に日常的に付されることがよく知られている。このような作用因子の例は、ヘアスプレー、ジェル及び染髪(coloring)、脱色(bleaching)、直毛化(straightening)及びカール化製剤に見出される化学薬品;スタイリング、及び/又は毛髪の乾燥、カール化若しくは直毛化の間に適用される機械的及び熱的エネルギー;並びに太陽への曝露により与えられる熱及びストレスを含む。実際に、毎日の生活の苛酷な作用因子は、しばしば毛髪に損傷を与える。このような損傷により、毛髪が破壊されたり又は裂けたりし得る。これに加えて、このような作用因子により、毛髪の所望の柔軟性及び魅力が失われ得る。つまり、毎日の生活で適用される上記の作用因子及びストレスは、しばしば、毛髪の引張特性、例えば毛髪の弾性及び強度に負の影響を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の観点から、毛髪の引張特性を増大させる組成物への必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のある実施形態は、(a)組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%の脂質と(b)組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%のクレアチンとを含むヘアトリートメント組成物である。
【0005】
本発明の別の実施形態は、毛髪の引張特性を改善する方法である。この方法は、毛髪に、(a)組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%の脂質と(b)組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%のクレアチンとを含む組成物を適用することを含む。
【0006】
本発明のさらなる実施形態は、組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%の脂質と、組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%のクレアチンとを組み合わせて組成物をつくることを含む方法により製造されたヘアトリートメント組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、概して、ヘアトリートメント組成物に関する。本発明のある実施形態において、ヘアトリートメント組成物は、(a)組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%の脂質と(b)組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%のクレアチンとを含むものとして提供される。好ましくは、脂質及びクレアチンは、約1:10〜10:1の間のモル比で組成物中に存在する。脂質とクレアチンとが、それぞれ、組成物の全重量に基づいて、約0.01〜3.0重量%の間で組成物中に存在することも好ましい。より好ましくは、脂質とクレアチンとが、それぞれ、組成物の全重量に基づいて、約1.0〜3.0重量%の間で組成物中に存在する。
【0008】
本明細書において用いられるように、「クレアチン」は、(α−メチルグアニド)酢酸
N−アミジノサルコシンのことをいい、そのホスフェートの形、並びにその誘導体、塩及び前駆体を含む。このようなクレアチン化合物は、次の一般構造で表される。
【0009】
【化1】

【0010】
ある別の実施形態において、ヘアトリートメント組成物は、その他の遊離のアミノ酸(すなわち、クレアチンの他に)をさらに含み得る。本明細書において用いられるように、「遊離のアミノ酸」の用語は、アミノ酸がアミド結合によりいずれの他の分子に共有結合していないことを意味する。さらに、本発明の組成物は、(i)他の「遊離のアミノ酸」及び/又は(ii)アミド結合により互いに結合したアミノ酸残基(すなわちタンパク質を規定するアミノ酸)を含むタンパク質との組み合わせでクレアチンを含み得る。
【0011】
本発明において任意に用いられ得る遊離のアミノ酸は、天然に存在するか又は天然に存在しないかのいずれかであり得る。本明細書において用いられるように、「天然に存在するアミノ酸」は、
【化2】

の一般的なコア構造を有しかつ天然で合成されるものである。「天然に存在しないアミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸のアナログ、誘導体及び/又はエナンチオマーである。
【0012】
本発明において用い得る天然に存在するアミノ酸の限定しない例は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、カルニチン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン及びそれらの誘導体、アナログ及び組み合わせを含む。本発明は、このようなアミノ酸の右旋性(D)及び左旋性(L)立体異性体、並びにこれらの混合物、例えばD−及びL−アミノ酸の50:50混合物を含む。
【0013】
本発明の組成物は、脂質をも含む。本明細書において用いられるように、「脂質」は、脂肪酸及びその誘導体、並びにこのような化合物に生合成的又は機能的に関係する物質を
意味する。本発明の組成物において用いるのに適する脂質の限定しない例は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、アンテイソメチル分岐脂肪酸(anteiso methyl-branched fatty acids)、例えば18−メチル−エイコサン酸、プロスタグランジン、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、ホスホグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質、ステロイド並びにこれらの組み合わせを含む。好ましくは、該脂質は、次の構造:
【0014】
【化3】

【0015】
により表される化学骨格を有するステロイドである。
本発明において有用な好ましいステロイドの例は、コレステロールである。本発明によるコレステロールの限定しない例であるC2746Oは、次に示す一般構造:
【化4】

を有する。
【0016】
本発明において有用な脂質のその他の好ましい例は、スフィンゴ脂質である。本発明において、スフィンゴ脂質は、例えばセラミド、例えばセラミド2、セラミド3、グルコシルセラミド及びこれらの組み合わせを含む。本発明において用い得るセラミドは、天然に存在するか又は合成の分子であり得、一般式:
【0017】
【化5】

【0018】
(式中、R1は、C14〜C30脂肪酸に由来する飽和又は不飽和で直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、この基はα位又はω位において飽和又は不飽和のC16〜C30脂肪酸でエステル化されたヒドロキシル基で置換されることができ、
2は、水素原子又は(グリコシル)n、(ガラクトシル)m又はスルホガラクトシル基であり、ここでnは1〜4の範囲の整数であり、mは1〜8の範囲の整数であり;そして
3は、1又はそれより多いC1〜C14アルキル基で置換されていてもよいα位の飽和又は不飽和のC15〜C26炭化水素基である)
に相当する。天然のセラミド又はグリコセラミドの場合、R3は、ヒドロキシル基がC16〜C30α−ヒドロキシ酸で任意にエステル化されていてもよいC15〜C26α−ヒドロキシアルキル基でもあり得る。
【0019】
本発明において、1又はそれより多い次のセラミドを用いることができる。
【0020】
【化6】

【0021】
【化7】

【0022】
好ましくは、スフィンゴ脂質はセラミド2及び/又はセラミド3である。
【0023】
本発明の組成物は、1又はそれより多い化粧品的に許容される添加物、アジュバント、増粘剤(thickening agent)、品質改良剤(conditioning agent)及び溶剤をさらに含み得る。これらの化粧品的に許容される剤は、単独又は互いに組み合わせて用いて、所望によりシャンプー、コンディショナー又はシャンプー−コンディショナーの組み合わせを処方することができる。典型的には、このような剤は、組成物の全重量に基づいて約0〜99.99重量%で組成物中に存在する。好ましくは、該組成物は、組成物の全重量に基づいて約10〜90重量%、例えば約20〜約80重量%のこのような剤を含有する。
【0024】
本発明において、「化粧品的に許容される添加物」は、例えばモノアルコール、多価アルコール、グリコールエーテル、脂肪酸エステル、保存剤、金属イオン封鎖剤、柔軟剤、発泡剤、染料、粘度調節剤(viscosity-modifying agents)、真珠光沢剤(nacreous agents)、水和剤(hydrating agents)、ふけ防止剤(anti-dandruff agents)、抗脂漏症剤(antiseborrhoeic agents)、日焼け止め剤、界面活性剤、タンパク質、ビタミン、α−ヒドロキシ酸、塩、解毒剤(detoxifying agents)、抗炎症剤、香料及びそれらの組み合わせを含む。
【0025】
本発明において有用な化粧品的に許容されるアジュバントの限定しない例は、ポリエト
キシル化アミド、ポリプロポキシル化又はポリグリセロール化アルコール、α−ジオール、アルキルフェノール及び例えば8〜18の炭素原子を含有する脂肪鎖を有する脂肪酸から選択される非イオン界面活性剤を含む。
【0026】
化粧品的に許容される増粘剤の限定しない例は、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース)、グアーガム又はそれらの誘導体、キサンタンガム、スクレログルカン、架橋ポリアクリル酸、ポリウレタン、マレイン酸又はマレイン酸無水物に基づくコポリマー、天然若しくは非天然起源の脂肪鎖を有する会合性増粘剤(associative thickeners)を含む。このような増粘剤は、(i)ポリエチレングリコールとポリエチレングリコールステアレート又はジステアレートあるいは(ii)リン酸エステルとアミドを混合することにより得ることもできる。
【0027】
化粧品的に許容される溶剤の限定しない例は、水、モノアルコール、多価アルコール、グリコールエーテル又は脂肪酸エステルを含み、これらは単独又は混合物として用いられる。例えば、エタノール、イソプロパノール、例えばエチレングリコール及びジエチレングリコールのような多価アルコール、グリコールエーテル、グリコールアルキルエーテル又はジエチレングリコールアルキルエーテルを用いることができる。好ましくは、化粧品的に許容される溶剤は、水である。
【0028】
化粧品的に許容される品質改良剤の限定しない例は、直鎖状又は分岐鎖状で(飽和又は不飽和で)環状又は脂肪族の炭化水素(合成又は非合成)、水素化又は非水素化の天然油、可溶性又は不溶性で揮発性又は不揮発性のシリコーン(これは、任意に、有機的に修飾されたか、フッ素化されたか又はペルフルオロ化された油であってもよい)、ポリブテン及びポリイソブテン、液体、ペースト状又は固体の形態の脂肪酸エステル、多価アルコールのエステル、グリセリド、天然又は合成のワックス、シリコーンガム及び樹脂、又はこれらの混合物を含む。
【0029】
本発明の組成物は、別々のシャンプー組成物及びヘアコンディショナー組成物、又は組み合わせたシャンプー及びコンディショナー組成物に混合できる。
【0030】
ある好ましい実施形態において、本発明は、脂質及びクレアチンを含有するシャンプー又はヘアコンディショナー組成物である。この実施形態において、脂質及びクレアチンは、それぞれ、組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%の量で存在する。この実施形態のシャンプー組成物及びヘアコンディショナー組成物は、上記と同じ成分を同じ量で含有する。
【0031】
本発明の組成物は、当該技術において公知であり、以下の実施例においてさらに記載される方法を用いて製造できる。組成物は、例えば濃縮形態を含む種々の形態で製造でき、よって組成物は、好ましくは、水性媒体中で使用前に希釈される。あるいは、該組成物は、さらなる希釈なしに直ちに使用される濃度で処方できる。該組成物は、クリーム、ジェル又はフォームとして処方できる。このような組成物は、例えば加圧容器、ポンプ又は搾り出し(squeeze)容器に包装し、かつこれらと共に用いることができる。
【0032】
典型的には、本発明の組成物のpHは、約2〜約9の間である。好ましくは、本発明の組成物のpHは、約3〜約8の間である。本発明のシャンプー組成物は、好ましくは、約5〜約6.5の間のpHを有する。本発明のコンディショナー組成物は、好ましくは、約3〜約5の間のpHを有する。組成物のpHは、必要であれば、限定されないがそれぞれクエン酸及び水酸化ナトリウムのような化粧品的に許容される酸又は塩基を用いて調整で
きる。
【0033】
本発明の別の実施形態は、毛髪の引張特性を改善する方法である。この方法は、組成物の全重量に対して約0.01〜10.0重量%の脂質と組成物の全重量に対して約0.01〜10.0重量%のクレアチンとを含有する組成物を毛髪に適用することを含む。この方法において、脂質は、セラミド、グルコシルセラミド、コレステロール、脂肪酸(C10〜C22)及びこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、脂質は、セラミド2、セラミド3及び/又はコレステロールである。
【0034】
本明細書において用いられるように、「引張特性」とは、毛髪の相対的強度及び弾性のことをいう。本発明において、毛髪の相対的強度及び弾性を評価するのに種々のパラメータを用いることができる。このようなパラメータの一つは引張強さであり、これは、毛髪が破断するまで耐えることができる、単位断面積あたりの最大の力を意味する。引張強さの計算は当業者に公知であり、適切な装置、例えばDia-Stron MT600 Auto Sampler(Dia-Stron, Ltd., UK)を用いて行うことができる。「引張特性」に含まれる別のパラメータは、「破断伸び(Break Extension)」である。本明細書において用いられるように、「破断伸び」は、毛髪の破断の前の、元の長さからのパーセント伸びを意味する。破断伸びは、次のようにして計算される:
((破断時に伸びた毛髪の長さ)−(元の毛髪の長さ))/(元の毛髪の長さ)×100
【0035】
「引張特性」に含まれるさらに別のパラメータは、「破断仕事量(work-to-break)」の値であり、これは、毛髪が伸ばされた距離を掛けた、毛髪の破断に必要なエネルギーの量(ジュール)に関係する。破断仕事量は、次のようにして計算される:
仕事量=力×距離/断面積(又は、グラムでの破断のための力×毛髪が伸ばされた距離/断面積)
【0036】
驚くべきことにそして予期せぬことに、本発明による組成物、すなわち脂質とクレアチンの組み合わせを含有する組成物で処理した毛髪は、(a)脂質もクレアチンも含まない以外は同様の組成物又は(b)脂質又はクレアチンを含むが、両方は含まない組成物で処理した毛髪に比べて、引張特性が改善されている。
【0037】
本発明において、本発明の1又はそれより多い組成物で処理した後に、脂質とクレアチンの組み合わせ、例えばセラミド3とクレアチンを含有しない組成物での処理に比べて、少なくとも1つの引張特性のパラメータが改善されていれば、毛髪の引張特性が改善されている。好ましくは、この改善は、脂質とクレアチンとを組み合わせたときに、いずれかの成分単独の場合に比べた破断伸び又は毛髪の破断仕事量の増加として現れる。
【0038】
本発明において、本発明によるシャンプー組成物は、毛髪に適用され、次いで毛髪に手動でいきわたらせる(work into)。次いで、毛髪は、水で任意にリンスされる。任意に、このシャンプー工程は、1〜3回のように1又はそれより多い回数繰り返される。その後、本発明によるコンディショナー組成物を毛髪に任意に適用し、毛髪にいきわたらせることができる。コンディショナーは、毛髪に約0〜約5分間残すことができ、次いで水で任意にリンスされる。任意に、このヘアコンディショナーでのコンディショニング工程は、1〜3回のように1又はそれより多い回数繰り返すことができる。本発明において、「トリートメント」とは、本明細書において規定されるようなシャンプー及びコンディショナーのレジメ(regime)を、上記のような様式で適用することをいう。あるいは、本発明のシャンプー又はコンディショナー組成物のいずれか(又はシャンプー−コンディショナーの組み合わせ)を単独で用いて、改善された引張特性を達成することができる。
【0039】
本発明の別の実施形態は、組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%の脂
質と、組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%のクレアチンとを混合して組成物を作ることを含む方法により製造されたヘアトリートメント組成物である。このような製品は、任意に、上記のような1又はそれより多い化粧品的に許容される添加物、アジュバント、増粘剤、品質改良剤及び溶剤を含有できる。
【0040】
以下の実施例は、本発明の組成物の製造方法、及びこれらの物質のある物理的特性をさらに説明するために与えられる。これらの実施例は、説明のためだけであり、本発明の範囲をいずれの観点においても限定することを意図しない。
【実施例】
【0041】
実施例1:クレアチン及びセラミド製剤
本明細書において用いられるように、「ALS」は、アンモニウムラウリルサルフェートであり;「コカミドMEA」は、コカミドエタノールアミン(発泡促進剤)であり;「Kathon(商標)CG」(保存剤)は、メチルクロロイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノンとの混合物を含む市販の化学薬品であり;「Mackconditioner Brite」は、Mclntyre Group Ltd (University Park, Illinois)から提供される市販の濃縮ヘアコンディショナー組成物であり;「Fanning LIM-1」は、Fanning Corporation (Chicago, Illinois)から提供される市販のジメチコンコポリオールメドウフォーメート組成物である。次に記載されるようにして、以下のシャンプー及びコンディショナー製剤を製造した。
【0042】
【表1】

【0043】
表1に記載のシャンプーは、脱イオン水、ALS及びコカミドプロピルベタインを、中ぐらいの攪拌のミキサーに加えることにより準備した。上記の成分が完全に混合されたら、溶液を160°F(71.1℃)に加熱した。次いで、コカミドMEAを加え、これが融解するまで混合した。次いで、セラミド3を加えた。次いで、溶液を110°F(43.3℃)に冷却した。次いで、クレアチンを溶液に加えて混合した。最後に、クエン酸及びKathon CGを加えて混合した。
【0044】
【表2】

【0045】
表2に記載のコンディショナーは、Fanning LIM-1を中ぐらいの攪拌のミキサーに加え、次いでこれを160°F(71.1℃)に加熱することにより準備した。次いで、Mackconditioner Briteを加え、これが融解するまで混合した。次いで、セラミド3を加えた。溶液を110°F(43.3℃)に冷却した。その後、クレアチンを加えてよく混合した。最後に、Kathon CGを加えて混合した。
【0046】
実施例2:毛髪の弾性及び強度
実施例1に記載のシャンプー組成物及びコンディショナー組成物の、毛髪の引張特性に対する影響を調べた。それぞれ約7/8インチ(約2.2cm)の幅の3回脱色した白人の毛髪の束(swatch of hair)をシャンプーで、次いでコンディショナーで、表3及び以下にさらに記載するようにして処理した。
【0047】
【表3】

【0048】
本実施例において、各毛髪の束を脱イオン水でまずリンスした。次に、毛髪を、グループI、II又はIIIからのシャンプー4〜6グラムで1分間洗浄した。次いで、毛髪を、新鮮な脱イオン水500mLで10回リンスした。この洗浄及びリンスの工程を2回繰り返した。次に、各毛髪の束を、対応するコンディショナー、すなわちクループI、II又はIII中で1分間マッサージした。毛髪を、そのようなコンディショナー中に3分間そのままにした。次に、毛髪を脱イオン水500mL中で10回リンスした。
【0049】
毛髪を一晩乾燥させた。異なるグループの毛髪の束を、25℃、相対湿度65%の環境に設定された気候調節チャンバに24時間入れた。
【0050】
毛髪の束の断面積を、Mitutoyo LSM 3100を用いて測定した(そして、気候調節チャンバ中に少なくとも2時間戻した)。次に、Dia-Stron MTT600 Auto Sampler (UK)を用いて毛髪の束について張力試験を行った。張力試験は、各試験グループの毛髪の弾性を測定した。具体的には、各毛髪の束をそれが機能しなくなる(すなわち破断する)まで伸ばした。破断が観察されたときの毛髪の伸びのパーセンテージを、各毛髪の束について測定した(本明細書において「破断伸び」の値という)。さらに、各毛髪の束を破断させるのに必要な力の量(断面積あたり)を測定した。相対的な力の値(及び各毛髪の束の断面積)を、各毛髪の束を破断させるのに必要な仕事量を計算するのに用いた。全てのデータは、Statgraphics Version 2.0ソフトウェアを用いて分析した。
【0051】
セラミド3単独(グループI)又はクレアチン単独(グループII)を含有するシャンプー及びコンディショナーで処理した毛髪の束は、セラミド3及びクレアチンの両方(グループIII)を含有するシャンプー及びコンディショナーで処理した束よりも、より小さい破断伸びの値を生じた。よって、このような脂質とクレアチンとの組み合わせは、毛髪の張力(弾性)特性を増大させ、すなわち、これは相対的破断伸びの値を増大させた。図1は、セラミド3とクレアチンとの組み合わせが、毛髪の弾性特性に対して有する相乗効果を示す(3つのデータ点からつくられる三角形の頂点から分かるように)。
【0052】
セラミド3単独(グループI)又はクレアチン単独(グループII)を含有するシャンプー及びコンディショナーで処理した毛髪の束は、セラミド3及びクレアチンの両方(グループIII)を含有するシャンプー及びコンディショナーで処理した毛髪の束よりも、より少ない破断仕事量が必要であった。よって、このような脂質とクレアチンとの組み合わせは、毛髪の張力(強度)特性を増大させ、すなわち、これは毛髪を破断させるのに必要な仕事量を増大させた。図2は、セラミド3とクレアチンとの組み合わせが、毛髪の強度に対して有する相乗効果を示す(3つのデータ点からつくられる三角形の頂点から分かるように)。
【0053】
このような引張特性試験のデータを、次の表4にまとめる。
【表4】

【0054】
実施例3:クレアチン及びコレステロール製剤
以下の実施例は、本発明のヘアトリートメント組成物が提供する相乗効果をさらに証明する。この実施例では、3つの試験シャンプー及びコンディショナーを処方した。あるシャンプー及びコンディショナーは、2重量%のクレアチンを含み(コレステロールは含まない)、表1及び2に記載の組成物について記載したようにして製造した。第二のシャンプー及びコンディショナーは、2重量%のコレステロールを含み(クレアチンは含まない)、セラミド3をコレステロールで置き換えた以外は表1及び2に記載の組成物について記載したようにして製造した。
【0055】
第三のシャンプー及びコンディショナーは、1重量%のクレアチン及び1重量%のコレステロールを含有し、セラミド3(2%)をコレステロール(1%)で置き換えた以外は表1及び2に記載の組成物について記載したようにして製造した。本実施例において用い
たシャンプー及びコンディショナー製剤を、それぞれ表5及び6に示す。
【0056】
【表5】

【0057】
【表6】

【0058】
シャンプー及びコンディショナー製剤は、次の表7に従って、3つのグループの3回脱色した白人の毛髪の束に適用した。
【表7】

【0059】
製剤を、毛髪をさらに4回処理する以外は実施例2に記載の方法を用いて毛髪に適用した。
【0060】
その後、処理した毛髪の引張特性を、実施例2に記載のようにして評価した。1%クレアチンと1%コレステロールとを含むシャンプー(及びコンディショナー)で処理した毛髪は、2%クレアチン又は2%コレステロールを単独で含む製剤で処理した毛髪よりも、破断仕事量がより多く必要であった。このようなデータを次の表8にまとめる。図3及び4は、本発明の組成物が提供する毛髪強度及び弾性の利益をさらに証明する。
【0061】
【表8】

よって、本実施例は、脂質とクレアチンとを含むヘアトリートメントの、毛髪の引張特性に対する相乗効果をさらに証明する。
【0062】
実施例4:クレアチン及び脂質ブレンド製剤
クレアチンとともに、種々の脂質との組み合わせを含有するヘアトリートメント組成物を、本実施例で評価する。さらに、本実施例は、このような脂質及びクレアチン組成物がより低い濃度で提供する相乗効果を証明する。次の表9に示す脂質ブレンド組成を、本実施例で用いた。
【0063】
【表9】

【0064】
このクレアチンを含む脂質ブレンドを、表10及び11にそれぞれ示すシャンプー及びコンディショナー製剤に混合した。シャンプー及びコンディショナーは、表1及び2にそれぞれ記載された組成物に関して上述したようにして製造した。
【0065】
【表10】

【0066】
【表11】

【0067】
これらのシャンプー及びコンディショナーは、実施例2に記載の方法を用いて毛髪に適用した。これらの試験シャンプー及びコンディショナーの適用の後に、処理された毛髪の
引張特性を実施例2に記載のようにして調べた。0.05%クレアチン及び0.05%脂質ブレンドを含むシャンプー(及びコンディショナー)で処理した毛髪は、0.1%クレアチン又は0.1%脂質ブレンドを単独で含む製剤で処理した毛髪よりも、より多くの破断仕事量を必要とした。このようなデータを、表12及び図5にまとめる。
【0068】
【表12】

【0069】
本実施例は、本発明の組成物が提供する毛髪の強度及び弾性の利点、特に、より低いレベルでのこのような脂質ブレンド/クレアチンの組み合わせでさえ、毛髪の引張特性に相乗効果を有することをさらに説明する。
【0070】
本発明の説明のための実施形態を記載したが、本発明はこれらの限定されるものではなく、本発明の範囲及び意図を逸脱することなく、当業者が種々のその他の変更及び修飾を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、セラミド3及びクレアチンの両方を有するシャンプー/コンディショナー製剤で処理した毛髪(グループIII)が、予想される値(これは、セラミド3を含むがクレアチンを含まない(グループI)、及びクレアチンを含むがセラミド3を含まない(グループII)、同様のシャンプー/コンディショナー製剤で処理した毛髪について観察された値に基づく)に比べて優れた破断伸びの値を有することを示す線グラフである。
【図2】図2は、セラミド3及びクレアチンの両方を有するシャンプー/コンディショナー製剤で処理した毛髪の引張強さが、(予想される値に比べて)改善されたことを示す線グラフである。
【図3】図3は、1%クレアチン及び1%コレステロールを有するシャンプー/コンディショナー製剤で処理した毛髪(グループIII)が、予想される値(これは、2%クレアチンを含むがコレステロールを含まない(グループI)、及び2%コレステロールを含むがクレアチンを含まない(グループII)、同様のシャンプー/コンディショナー製剤で得られる引張強さ値に基づく)に比べて、引張強さの値が改善されたことを示す線グラフである。
【図4】図4は、クレアチン1%及びコレステロール1%を有するシャンプー/コンディショナー製剤で処理した毛髪の破断伸びの値が、(予想される値に比べて)より優れることを示す線グラフである。
【図5】図5は、0.05%クレアチン及び0.05%脂質ブレンド(実施例5に記載)を有するシャンプー/コンディショナー製剤で処理した毛髪が、予想される値(これは、0.1%クレアチンを含むが脂質ブレンドを含まない、及び0.1%脂質ブレンドを含むがクレアチンを含まない、同様のシャンプー/コンディショナー製剤で得られる引張強さ値に基づく)に比べて、引張強さの値が改善されたことを示す線グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%の脂質と
(b)組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%のクレアチンと
を含むヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
前記脂質とクレアチンとが、組成物中に約1:10〜約10:1のモル比で存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記脂質とクレアチンとがそれぞれ組成物中に、組成物の全重量に基づいて約1.0〜約3.0重量%存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
クレアチン以外の遊離アミノ酸をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記遊離アミノ酸が、天然に存在するもの、天然に存在しないもの又はそれらの組み合わせである請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記脂質が、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、アンテイソメチル分岐脂肪酸、プロスタグランジン、トリグリセリド、ホスホグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質、ステロイド及びこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記脂質がステロイドである請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記ステロイドがコレステロールである請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記脂質がスフィンゴ脂質である請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
前記スフィンゴ脂質が、セラミド、グルコシルセラミド及びこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記スフィンゴ脂質がセラミド3である請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
化粧品的に許容される添加物、アジュバント、増粘剤、品質改良剤、溶剤及びそれらの組み合わせをさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記添加物が、モノアルコール、多価アルコール、グリコールエーテル、脂肪酸エステル、保存剤、金属イオン封鎖剤、柔軟剤、発泡剤、染料、粘度調節剤、真珠光沢剤、水和剤、ふけ防止剤、抗脂漏症剤、日焼け止め剤、界面活性剤、タンパク質、ビタミン、α−ヒドロキシ酸、解毒剤、香料、それらの塩及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記アジュバントが、非イオン界面活性剤である請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記非イオン界面活性剤が、ポリエトキシル化アルコール、ポリプロポキシル化アルコール又はポリグリセロール化アルコール、α−ジオール、アルキルフェノール、脂肪酸及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記増粘剤が、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、セルロース誘導体、グアーガム、キサンタンガム、スクレログルカン、架橋ポリアクリル酸、ポリウレタン、マレイン酸又はマレイン酸無水物に基づくコポリマー、天然若しくは非天然起源の脂肪鎖を有する会
合性増粘剤、誘導体及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
前記溶剤が、水、モノアルコール、多価アルコール、グリコールエーテル、脂肪酸エステル及びこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項12に記載の組成物。
【請求項18】
前記品質改良剤が、合成又は非合成で直鎖状又は分岐鎖状で飽和又は不飽和の環状又は脂肪族炭化水素、水素化又は非水素化天然油、可溶性又は不溶性で揮発性又は不揮発性のシリコーン、ポリブテン、ポリイソブテン、液体、ペースト状又は固体の形態の脂肪酸エステル、多価アルコールのエステル、グリセリド、天然又は合成のワックス、シリコーンガム及び樹脂、並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項12に記載の組成物。
【請求項19】
シャンプーである請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
ヘアコンディショナーである請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
ヘアシャンプー−コンディショナーである請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
毛髪に、(a)組成物の全重量に対して約0.01〜10.0重量%の脂質と(b)組成物の全重量に対して約0.01〜10.0重量%のクレアチンとを含む組成物を適用することを含む、毛髪の引張特性を改善する方法。
【請求項23】
前記脂質が、セラミド、グルコシルセラミド、コレステロール及びこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記脂質がセラミド3である請求項22に記載の方法。
【請求項25】
組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%の脂質と、組成物の全重量に対して約0.01〜約10.0重量%のクレアチンとを組み合わせて組成物をつくることを含む方法により製造されたヘアトリートメント組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−145838(P2007−145838A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313345(P2006−313345)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(505416588)アクセス ビジネス グループ インターナショナル エルエルシー (14)
【氏名又は名称原語表記】ACCESS BUSINESS GROUP INTERNATIONAL LLC
【Fターム(参考)】