ヘアーアイロン
【課題】毛髪ストレスを抑制しながら簡便に毛髪施術をすることのできるヘアーアイロンを提供する。
【解決手段】第1の挟持部2bと第2の挟持部3bとで毛髪を挟持するヘアーアイロン1であって、第1の狭持部2bと第2の狭持部3bの少なくとも一方に毛髪を非接触で加熱する加熱部90を備え、加熱部90により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を保持する髪保持部91を備える。
【解決手段】第1の挟持部2bと第2の挟持部3bとで毛髪を挟持するヘアーアイロン1であって、第1の狭持部2bと第2の狭持部3bの少なくとも一方に毛髪を非接触で加熱する加熱部90を備え、加熱部90により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を保持する髪保持部91を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアーアイロンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘアーアイロンとして様々なものが提案されている。例えば、特許文献1に記載の携帯用ヘアマネジメント装置は、直流電源と熱伝達中空管、さらに中空管へ熱伝達する熱を発生させるための電球を内部に備えている。この電球はハロゲンであることが望ましく、さらに装置が所望の温度に到達・維持されるための制御回路を備えている。そして、熱源として提案されているハロゲンからの放射エネルギーを使用者の毛髪へ伝達させることを可能とするため、複数の穿孔を熱伝達中空管に備えている。このような携帯用ヘアマネジメント装置では、装置に電力を供給するために電池を利用することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2007−522874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の携帯用ヘアマネジメント装置には幾つかの課題がある。
【0005】
まず、根本的問題として、電池での駆動がほぼ不可能であると想定する。すなわち、熱源として提案されているハロゲンを電池電源によって所定の温度まで暖めようとすると、電池のもつ能力の限界以上での駆動が必要であり、電池が非常に高温化する。
【0006】
また、中空管内部に熱源としてハロゲンランプを設置した場合、ガラス破損などの影響から熱伝導部材との間に空気層を挟む形での設置が必要となる。この結果、伝導伝熱効率は大きく低下してしまい、実際には所望の温度まで熱伝導部材を暖めるために時間を多く要する。このことから、本来は穿孔のような小さな穴ではなく、積極的に光放射(輻射)加熱を使った方式にし、直接的に毛髪水分に働きかけて温度上昇と時間の大幅短縮を図るべきである。
【0007】
また、毛髪施術時に熱伝導母材による摩擦ストレスと熱ストレスを同時に受けるため、毛髪の損傷度合が大きくなるという課題も有している。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、毛髪ストレスを抑制しながら簡便に毛髪施術をすることのできるヘアーアイロンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1の挟持部と第2の挟持部とで毛髪を挟持するヘアーアイロンであって、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部の少なくとも一方に毛髪を非接触で加熱する加熱部を備え、前記加熱部により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を保持する髪保持部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明において、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部のうち前記加熱部と対向する側に光を反射する反射部を備えてもよい。
【0011】
また、本発明において、前記加熱部の外面に所定の波長に反応するコーティングが施されていてもよい。
【0012】
また、本発明において、前記加熱部の長手方向先端が髪狭持面側を向いていてもよい。
【0013】
また、本発明において、前記加熱部の外面ガラスに強化部材が挿入されていてもよい。
【0014】
また、本発明において、前記加熱部を保持する加熱部保持部が弾性構造を備えてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、毛髪を非接触で加熱する加熱部を備え、加熱部により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を保持する髪保持部を備えている。これにより、毛髪ストレスを抑制しながら簡便に毛髪施術をすることのできるヘアーアイロンを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、第1実施形態にかかるヘアーアイロンの斜視図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかるヘアーアイロンの側面図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかるヘアーアイロンの横断面図である。
【図4】図4は、第1実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【図5】図5は、第1実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【図6】図6は、第1実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【図7】図7は、第2実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【図8】図8は、第2実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【図9】図9は、第4実施形態にかかるヘアーアイロンの横断面図である。
【図10】図10は、第5実施形態にかかるヘアーアイロンの横断面図である。
【図11】図11は、第6実施形態にかかるヘアーアイロンの横断面図である。
【図12】図12は、第6実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
本実施形態にかかるヘアーアイロン1は、図1の斜視図および図2の側面図に示すように、回動連結部4を介して略V字状に拡開可能に連結された上側アーム部2および下側アーム部3を備えている。上側アーム部2と下側アーム部3とを回動連結部4を介して相対回動させることで、上側アーム部2および下側アーム部3の先端同士を接離できるようにしている。
【0020】
上側アーム部2および下側アーム部3の回動連結部4側(ヘアーアイロン1の後側)には、上側把持部(第1の把持部)2aおよび下側把持部(第2の把持部)3aがそれぞれ設けられている。一方、ヘアーアイロン1の先端側には、上側挟持部(第1の挟持部)2bおよび下側挟持部(第2の挟持部)3bがそれぞれ設けられている。上側アーム部2および下側アーム部3を閉じたときに当接可能な面を髪狭持面94と呼ぶことにする。
【0021】
上側挟持部2bおよび下側挟持部3bのそれぞれの背面側の外表面には、毛髪をカールさせるためのカール部2d,3dが設けられている。詳細については後述するが、上側挟持部2bおよび下側挟持部3bには、毛髪を非接触で加熱する加熱部90が設けられている。加熱部90により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を髪保持部91で挟み込み、圧縮や引っ張りを行うことで毛髪に癖付けを施す。
【0022】
上側アーム部2および下側アーム部3の内部には各種電気部品が収容されている。たとえば、加熱部90の温度等を制御する制御回路が収容されており、この制御回路に加熱部90がリード線を介して接続されている。また、下側把持部3a側には操作スイッチが設けられており、この操作スイッチを操作することで加熱部90に対する通電のオン・オフを切り換えることができるようになっている。その他、イオン発生装置や送風ファン、サーミスタなどの各種電気部品が収容されているが、ここでは詳しい説明を省略する。
【0023】
図3は、第1実施形態にかかるヘアーアイロン1の横断面図である。この図に示すように、上側狭持部2bと下側狭持部3bの略中央部に加熱部90を固定部93で固定している。加熱部90の両外側には髪保持部91が設けられ、この髪保持部91によって上下方向から毛髪を挟み込む構造になっている。加熱部90は、上側狭持部2bと下側狭持部3bの少なくとも一方にあればよい。髪保持部91は、髪狭持面94おいて対向する位置に一対以上あればよい。
【0024】
加熱部90は、毛髪を非接触で加熱する光ヒータやLED、PTCヒータなどである。「非接触で加熱する」とは、従来のような熱伝導部材を介さず直接的に加熱することを意味する。光ヒータは、所望の毛髪形状にするために必要な毛髪矯正エネルギー(たとえば毛髪分子間結合切断エネルギー)を毛髪に対して付加する。光ヒータとしては、毛髪矯正エネルギー波長を効率よく発現するハロゲンヒータが良いが、カーボンヒータや石英ヒータなど種種のヒータを採用することができる。その際、できるだけ遠赤や近赤側波長を発現することが重要である。
【0025】
毛髪矯正エネルギーを得る方法には大きく2つある。1つは、直接的に分子間結合切断に働きかける波長を得る方法である。もう1つは、毛髪内部水分など毛髪吸収波長に働きかけて熱エネルギー発生を促進し、分子間結合切断に間接的に働きかける方法である。どちらも赤外領域に働きかけるものが良い。これらの結合切断あるいは再結合促進波長を生み出すような特定波長バンドを効果的に出すことができるLEDなどは、安全性の面や構造面でも都合が良く使い勝手に優れている。
【0026】
赤外線は近赤外線〜中赤外線〜遠赤外線に大別されるが、各々の波長における優位な効果を利用すると高効率化が可能である。たとえば、皮膚などの内部浸透については、皮膚組織反応しやすい近赤外線が優位とされる。また、人体表面などへの作用については、水分吸光度が高く表面水分に反応しやすい遠赤外線が優位とされる。
【0027】
ハロゲン光は、近赤外線1.0μm〜遠赤外線30μmまで幅広くかつ光強度も高い特徴をもつので、毛髪水分や内部組織に働きかけるには都合がよい。局所的に毛髪のみへ作用させるために、ハロゲン光波長のうち特定の波長3μ〜30μmのみを取り出すようにすると更に効果的である。これにより、皮膚などへの作用を抑制することができ、毛髪のみへの作用を取り出すことが可能となる。特に、特定波長4μm、5.7μm、7μmのみを利用したLEDや光源カットは効果的である。
【0028】
図3では、上側狭持部2bと下側狭持部3bの両方に加熱部90を備える構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図4に示すように、上側狭持部2bだけに加熱部90を備えるようにしてもよい。あるいは、図5に示すように、下側狭持部3bに2列の加熱部90を備えることも可能である。この場合、2列の加熱部90間に髪保持部91を設けることで、毛髪が加熱部90に接触する不具合をより確実に回避することができる。また、図6に示すように、上側狭持部2bの外郭をなす外郭ハウジングと髪保持部91との間に弾性バネ95を設け、髪保持部91を弾性駆動させてもよい。更に、図示は省略するが、加熱部90の髪狭持面94側は透明カバーやメッシュで覆われていてもよい。
【0029】
髪保持部91は、毛髪矯正エネルギーを受けて矯正可能状態となった毛髪を保持する。髪保持部91の材料、形状、構造については、毛髪摩擦ストレスがかかりにくいものを採用するのが適当である。たとえば、弾性駆動する表面摩擦抵抗の小さい高摺動性材料(フッ素、テフロン(登録商標))、表面粗度の小さい材料やコーティングなどが挙げられる。また、できる限り伝導伝熱性の低い材料(木材、プラスチック性など)で構成するのがよい。
【0030】
髪保持部91は、光ヒータよりも髪狭持面94側に飛び出している形状とする。これにより、光ヒータに直接的に毛髪が触れる可能性を排除することができるので、毛髪に想定外の光ヒータ熱がかかることを抑制することが可能となる。また、髪保持部91が弾性駆動する場合もあることを想定して、弾性駆動下死点になったとしても光ヒータより髪保持部91の頂部が髪狭持面94側に飛び出している構造にしておく。髪保持部91の形状は突起状であるのがよい。面接触よりも線接触の方が同じ使用者の挟み力に対して単位面積当たりの応力は高くなり、毛髪形状矯正性能がよくなる。使用者が必要以上に挟み力をかけた際は、弾性駆動によって使用者不快を解消することができる。髪保持部91は冷却機能を備えてもよい。その場合、温付加と冷付加を実施できるため、急速温冷で毛髪施術効果がさらに向上する。また、髪保持部91を冷却した場合は、より毛髪の根元まで髪保持部91を近づけることが可能となる。
【0031】
このような構成のヘアーアイロン1を使用した場合の一連の動作を説明する。
【0032】
まず、髪狭持面94間に挿入された毛髪は、一対以上の髪保持部91によって挟み込まれる。このとき、髪保持部91以外の部分には光ヒータが設置されているため、その部分の毛髪が光ヒータから毛髪矯正エネルギーを受けて軟化矯正可能状態となる。そこで、毛髪をカール部2dまたはカール部3dに押し当て、ヘアーアイロン1を毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろすと、毛髪にカール状の癖付けが施される。ヘアーアイロン1を回転させず毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろせば、毛髪へストレート状の癖付けを施すことも可能である。このように、髪狭持面94間に挿入された毛髪は、施術を受け得る環境を光ヒータによって与えられ、また、形状矯正され得る環境を髪保持部91によって与えられる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態では、毛髪を非接触で加熱する加熱部90を備え、加熱部90により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を保持する髪保持部91を備えている。これにより、加熱部90の輻射エネルギーを効率よく利用することができるため、非接触式の毛髪矯正が可能となり、毛髪ストレス、特に熱ストレスと摩擦ストレスの同時負荷を抑制することができる。また、直接的に輻射エネルギーを利用して毛髪に働きかけるので、熱伝導母材の暖め時間が要らず、また施術時間も早くすることが可能である。
【0034】
更に、光ヒータの種類を適切に選定し、光ヒータのエネルギーを効率的に利用できるため、必要エネルギー効率も上がる。加えて、光ヒータの特徴である輻射を活かし、毛髪には吸収され、その他の部分(本体など)には吸収されないようにしているので、従来の髪加熱装置で問題となっていた本体温度上昇などを回避することができる。
【0035】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態にかかるヘアーアイロン1の横断面図である。このヘアーアイロン1は、図7に示すように、上側狭持部2bに加熱部90を備えるとともに、下側狭持部3bに反射部96を備えている。これにより、光放射エネルギーを効果的に毛髪に供給することが可能となり、光ヒータの低W化、エネルギー効率のアップを実現することができる。
【0036】
反射部96の機能を効果的に発揮するためには、できるだけ施術時に光の外部漏れを防ぐことが重要である。そこで、髪保持部91と髪狭持面94で囲まれた範囲に反射部96を設置するのがよい。どちらか一方に設置する場合は、集光効果あるいは拡散効果を効率よく反射部96に付加する。反射部96の構造としては、ファセット形状を用いたものがより効果的である。材料はSiO2、Al2O3などが適当である。
【0037】
光ヒータにおける配光の考慮は重要である。反射部96を設置することによって、より毛髪への光エネルギーを高めることができる。その際、集光と拡散のバランスが重要であり、光ヒータの設置方法、設置配置によって各々考慮する。上側狭持部2bと下側狭持部3bの一方に反射部96を設置する場合は、光ヒータ設置側と対向する側に設置する方がよい。光ヒータと対向する側の毛髪への光エネルギー供給に対して、直接的な光エネルギーを受けない対極側の毛髪への光エネルギー供給を確保するためである。もちろん、図8に示すように、上側狭持部2bと下側狭持部3bの両方に反射部96を備えてもよい。この場合、加熱部90の固定部93に反射機能を持たせることも可能である。
【0038】
以上説明したように、本実施形態では、加熱部90と対向する側に光を反射する反射部96を備えているため、毛髪に対して光エネルギー付加効率を高めることができる。これにより、効率的な光エネルギー供給が可能となり、また低W化が可能となる。
【0039】
(第3実施形態)
第3実施形態にかかるヘアーアイロン1では、加熱部90の外面に所定の波長に反応するコーティングを施している。コーティングに求める機能は、大きく二つのタイプに大別される。1つは、光ヒータの発現する波長に対して促進反応を示すタイプであり、もう1つは、光ヒータの発現する波長に対して必要としない波長をカットすることを目的とするタイプである。前者の場合は、主にトルマリン塗料など近赤外線や遠赤外線などに反応する特性を有しているものがよい。後者の場合は、一般的に人体吸収されやすいとされる遠赤〜近赤外線波長を透過し、その他の波長は外部へ透過しない特性を有するものがよい。もちろん、光ヒータ表面のみならず髪狭持面94全体にコーティングを施してもよい。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、加熱部90の外面に所定の波長に反応するコーティングを施している。そのため、光ヒータ固有の特性のみならず他の特性も毛髪に対して作用させることができるので、毛髪に対しての必要作用を拡大し、不必要作用を遮断することができる。すなわち、遠赤効果を更に高めたり、不必要な過度のストレス(熱ストレスなど)を防ぐことが可能となる。
【0041】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態にかかるヘアーアイロン1の横断面図である。このヘアーアイロン1では、図9に示すように、加熱部90の長手方向先端が髪狭持面94側を向いている。これにより、光ヒータ外郭を構成する石英ガラスなどの強度の一番高い側を露出する形になり、ハロゲンランプなどで危惧されるガラス破損などの影響を抑制することができる。発光作用については、内部フィラメント形状や反射鏡設定で高効率化を補うことが可能である。
【0042】
以上説明したように、本実施形態では、加熱部90の長手方向先端が髪狭持面94側を向いている。そのため、ガラス破損などのリスクに対して強度の高い部分を髪狭持面94側に設置することが可能である。
【0043】
(第5実施形態)
図10は、第5実施形態にかかるヘアーアイロン1の横断面図である。このヘアーアイロン1では、図10に示すように、加熱部90の外面ガラスに強化部材97が挿入されている。強化部材97としてワイヤなどの線状強化部材を採用すれば、光ヒータ配光や光強度などに影響を与えることなく光ヒータ部品強度を高めることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態では、加熱部90の外面ガラスに強化部材97が挿入されている。これにより、加熱部90の外面ガラスの破損リスクを低減し、また、破損時の飛散リスクを低減することが可能である。
【0045】
(第6実施形態)
図11は、第6実施形態にかかるヘアーアイロン1の横断面図である。このヘアーアイロン1では、図11に示すように、加熱部90を保持する加熱部保持部98が弾性構造を備えている。具体的には、光ヒータの電源接続コネクタに弾性機能としてスプリングやゴム素材を採用している。これにより、使用中の衝撃などを減衰することができる。このような減衰機構は、長手軸方向さらには短手軸方向にも対応できるような形で構成することが可能である。
【0046】
以上説明したように、本実施形態では、加熱部90を保持する加熱部保持部98が弾性構造を備えている。これにより、使用中の衝撃や振動あるいは落下などの過度の衝撃に対してガラス破損を抑制することができ、また、内部構造へのダメージも抑制することができる。
【0047】
なお、以上では好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、図1では、複数の加熱部90を縦置きで配列しているが、図12に示すように、円柱状の加熱部90を1つだけ横置きで設置するようにしてもよい。その他、加熱部90や髪保持部91のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)は適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 ヘアーアイロン
2b 上側挟持部(第1の挟持部)
3b 下側挟持部(第2の挟持部)
90 加熱部
91 髪保持部
94 髪狭持面
96 反射部
97 強化部材
98 加熱部保持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアーアイロンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘアーアイロンとして様々なものが提案されている。例えば、特許文献1に記載の携帯用ヘアマネジメント装置は、直流電源と熱伝達中空管、さらに中空管へ熱伝達する熱を発生させるための電球を内部に備えている。この電球はハロゲンであることが望ましく、さらに装置が所望の温度に到達・維持されるための制御回路を備えている。そして、熱源として提案されているハロゲンからの放射エネルギーを使用者の毛髪へ伝達させることを可能とするため、複数の穿孔を熱伝達中空管に備えている。このような携帯用ヘアマネジメント装置では、装置に電力を供給するために電池を利用することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2007−522874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の携帯用ヘアマネジメント装置には幾つかの課題がある。
【0005】
まず、根本的問題として、電池での駆動がほぼ不可能であると想定する。すなわち、熱源として提案されているハロゲンを電池電源によって所定の温度まで暖めようとすると、電池のもつ能力の限界以上での駆動が必要であり、電池が非常に高温化する。
【0006】
また、中空管内部に熱源としてハロゲンランプを設置した場合、ガラス破損などの影響から熱伝導部材との間に空気層を挟む形での設置が必要となる。この結果、伝導伝熱効率は大きく低下してしまい、実際には所望の温度まで熱伝導部材を暖めるために時間を多く要する。このことから、本来は穿孔のような小さな穴ではなく、積極的に光放射(輻射)加熱を使った方式にし、直接的に毛髪水分に働きかけて温度上昇と時間の大幅短縮を図るべきである。
【0007】
また、毛髪施術時に熱伝導母材による摩擦ストレスと熱ストレスを同時に受けるため、毛髪の損傷度合が大きくなるという課題も有している。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、毛髪ストレスを抑制しながら簡便に毛髪施術をすることのできるヘアーアイロンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1の挟持部と第2の挟持部とで毛髪を挟持するヘアーアイロンであって、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部の少なくとも一方に毛髪を非接触で加熱する加熱部を備え、前記加熱部により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を保持する髪保持部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明において、前記第1の狭持部と前記第2の狭持部のうち前記加熱部と対向する側に光を反射する反射部を備えてもよい。
【0011】
また、本発明において、前記加熱部の外面に所定の波長に反応するコーティングが施されていてもよい。
【0012】
また、本発明において、前記加熱部の長手方向先端が髪狭持面側を向いていてもよい。
【0013】
また、本発明において、前記加熱部の外面ガラスに強化部材が挿入されていてもよい。
【0014】
また、本発明において、前記加熱部を保持する加熱部保持部が弾性構造を備えてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、毛髪を非接触で加熱する加熱部を備え、加熱部により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を保持する髪保持部を備えている。これにより、毛髪ストレスを抑制しながら簡便に毛髪施術をすることのできるヘアーアイロンを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、第1実施形態にかかるヘアーアイロンの斜視図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかるヘアーアイロンの側面図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかるヘアーアイロンの横断面図である。
【図4】図4は、第1実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【図5】図5は、第1実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【図6】図6は、第1実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【図7】図7は、第2実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【図8】図8は、第2実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【図9】図9は、第4実施形態にかかるヘアーアイロンの横断面図である。
【図10】図10は、第5実施形態にかかるヘアーアイロンの横断面図である。
【図11】図11は、第6実施形態にかかるヘアーアイロンの横断面図である。
【図12】図12は、第6実施形態にかかる別のヘアーアイロンの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
本実施形態にかかるヘアーアイロン1は、図1の斜視図および図2の側面図に示すように、回動連結部4を介して略V字状に拡開可能に連結された上側アーム部2および下側アーム部3を備えている。上側アーム部2と下側アーム部3とを回動連結部4を介して相対回動させることで、上側アーム部2および下側アーム部3の先端同士を接離できるようにしている。
【0020】
上側アーム部2および下側アーム部3の回動連結部4側(ヘアーアイロン1の後側)には、上側把持部(第1の把持部)2aおよび下側把持部(第2の把持部)3aがそれぞれ設けられている。一方、ヘアーアイロン1の先端側には、上側挟持部(第1の挟持部)2bおよび下側挟持部(第2の挟持部)3bがそれぞれ設けられている。上側アーム部2および下側アーム部3を閉じたときに当接可能な面を髪狭持面94と呼ぶことにする。
【0021】
上側挟持部2bおよび下側挟持部3bのそれぞれの背面側の外表面には、毛髪をカールさせるためのカール部2d,3dが設けられている。詳細については後述するが、上側挟持部2bおよび下側挟持部3bには、毛髪を非接触で加熱する加熱部90が設けられている。加熱部90により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を髪保持部91で挟み込み、圧縮や引っ張りを行うことで毛髪に癖付けを施す。
【0022】
上側アーム部2および下側アーム部3の内部には各種電気部品が収容されている。たとえば、加熱部90の温度等を制御する制御回路が収容されており、この制御回路に加熱部90がリード線を介して接続されている。また、下側把持部3a側には操作スイッチが設けられており、この操作スイッチを操作することで加熱部90に対する通電のオン・オフを切り換えることができるようになっている。その他、イオン発生装置や送風ファン、サーミスタなどの各種電気部品が収容されているが、ここでは詳しい説明を省略する。
【0023】
図3は、第1実施形態にかかるヘアーアイロン1の横断面図である。この図に示すように、上側狭持部2bと下側狭持部3bの略中央部に加熱部90を固定部93で固定している。加熱部90の両外側には髪保持部91が設けられ、この髪保持部91によって上下方向から毛髪を挟み込む構造になっている。加熱部90は、上側狭持部2bと下側狭持部3bの少なくとも一方にあればよい。髪保持部91は、髪狭持面94おいて対向する位置に一対以上あればよい。
【0024】
加熱部90は、毛髪を非接触で加熱する光ヒータやLED、PTCヒータなどである。「非接触で加熱する」とは、従来のような熱伝導部材を介さず直接的に加熱することを意味する。光ヒータは、所望の毛髪形状にするために必要な毛髪矯正エネルギー(たとえば毛髪分子間結合切断エネルギー)を毛髪に対して付加する。光ヒータとしては、毛髪矯正エネルギー波長を効率よく発現するハロゲンヒータが良いが、カーボンヒータや石英ヒータなど種種のヒータを採用することができる。その際、できるだけ遠赤や近赤側波長を発現することが重要である。
【0025】
毛髪矯正エネルギーを得る方法には大きく2つある。1つは、直接的に分子間結合切断に働きかける波長を得る方法である。もう1つは、毛髪内部水分など毛髪吸収波長に働きかけて熱エネルギー発生を促進し、分子間結合切断に間接的に働きかける方法である。どちらも赤外領域に働きかけるものが良い。これらの結合切断あるいは再結合促進波長を生み出すような特定波長バンドを効果的に出すことができるLEDなどは、安全性の面や構造面でも都合が良く使い勝手に優れている。
【0026】
赤外線は近赤外線〜中赤外線〜遠赤外線に大別されるが、各々の波長における優位な効果を利用すると高効率化が可能である。たとえば、皮膚などの内部浸透については、皮膚組織反応しやすい近赤外線が優位とされる。また、人体表面などへの作用については、水分吸光度が高く表面水分に反応しやすい遠赤外線が優位とされる。
【0027】
ハロゲン光は、近赤外線1.0μm〜遠赤外線30μmまで幅広くかつ光強度も高い特徴をもつので、毛髪水分や内部組織に働きかけるには都合がよい。局所的に毛髪のみへ作用させるために、ハロゲン光波長のうち特定の波長3μ〜30μmのみを取り出すようにすると更に効果的である。これにより、皮膚などへの作用を抑制することができ、毛髪のみへの作用を取り出すことが可能となる。特に、特定波長4μm、5.7μm、7μmのみを利用したLEDや光源カットは効果的である。
【0028】
図3では、上側狭持部2bと下側狭持部3bの両方に加熱部90を備える構成を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図4に示すように、上側狭持部2bだけに加熱部90を備えるようにしてもよい。あるいは、図5に示すように、下側狭持部3bに2列の加熱部90を備えることも可能である。この場合、2列の加熱部90間に髪保持部91を設けることで、毛髪が加熱部90に接触する不具合をより確実に回避することができる。また、図6に示すように、上側狭持部2bの外郭をなす外郭ハウジングと髪保持部91との間に弾性バネ95を設け、髪保持部91を弾性駆動させてもよい。更に、図示は省略するが、加熱部90の髪狭持面94側は透明カバーやメッシュで覆われていてもよい。
【0029】
髪保持部91は、毛髪矯正エネルギーを受けて矯正可能状態となった毛髪を保持する。髪保持部91の材料、形状、構造については、毛髪摩擦ストレスがかかりにくいものを採用するのが適当である。たとえば、弾性駆動する表面摩擦抵抗の小さい高摺動性材料(フッ素、テフロン(登録商標))、表面粗度の小さい材料やコーティングなどが挙げられる。また、できる限り伝導伝熱性の低い材料(木材、プラスチック性など)で構成するのがよい。
【0030】
髪保持部91は、光ヒータよりも髪狭持面94側に飛び出している形状とする。これにより、光ヒータに直接的に毛髪が触れる可能性を排除することができるので、毛髪に想定外の光ヒータ熱がかかることを抑制することが可能となる。また、髪保持部91が弾性駆動する場合もあることを想定して、弾性駆動下死点になったとしても光ヒータより髪保持部91の頂部が髪狭持面94側に飛び出している構造にしておく。髪保持部91の形状は突起状であるのがよい。面接触よりも線接触の方が同じ使用者の挟み力に対して単位面積当たりの応力は高くなり、毛髪形状矯正性能がよくなる。使用者が必要以上に挟み力をかけた際は、弾性駆動によって使用者不快を解消することができる。髪保持部91は冷却機能を備えてもよい。その場合、温付加と冷付加を実施できるため、急速温冷で毛髪施術効果がさらに向上する。また、髪保持部91を冷却した場合は、より毛髪の根元まで髪保持部91を近づけることが可能となる。
【0031】
このような構成のヘアーアイロン1を使用した場合の一連の動作を説明する。
【0032】
まず、髪狭持面94間に挿入された毛髪は、一対以上の髪保持部91によって挟み込まれる。このとき、髪保持部91以外の部分には光ヒータが設置されているため、その部分の毛髪が光ヒータから毛髪矯正エネルギーを受けて軟化矯正可能状態となる。そこで、毛髪をカール部2dまたはカール部3dに押し当て、ヘアーアイロン1を毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろすと、毛髪にカール状の癖付けが施される。ヘアーアイロン1を回転させず毛髪に沿って滑らせながら毛先に向けて引き下ろせば、毛髪へストレート状の癖付けを施すことも可能である。このように、髪狭持面94間に挿入された毛髪は、施術を受け得る環境を光ヒータによって与えられ、また、形状矯正され得る環境を髪保持部91によって与えられる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態では、毛髪を非接触で加熱する加熱部90を備え、加熱部90により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を保持する髪保持部91を備えている。これにより、加熱部90の輻射エネルギーを効率よく利用することができるため、非接触式の毛髪矯正が可能となり、毛髪ストレス、特に熱ストレスと摩擦ストレスの同時負荷を抑制することができる。また、直接的に輻射エネルギーを利用して毛髪に働きかけるので、熱伝導母材の暖め時間が要らず、また施術時間も早くすることが可能である。
【0034】
更に、光ヒータの種類を適切に選定し、光ヒータのエネルギーを効率的に利用できるため、必要エネルギー効率も上がる。加えて、光ヒータの特徴である輻射を活かし、毛髪には吸収され、その他の部分(本体など)には吸収されないようにしているので、従来の髪加熱装置で問題となっていた本体温度上昇などを回避することができる。
【0035】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態にかかるヘアーアイロン1の横断面図である。このヘアーアイロン1は、図7に示すように、上側狭持部2bに加熱部90を備えるとともに、下側狭持部3bに反射部96を備えている。これにより、光放射エネルギーを効果的に毛髪に供給することが可能となり、光ヒータの低W化、エネルギー効率のアップを実現することができる。
【0036】
反射部96の機能を効果的に発揮するためには、できるだけ施術時に光の外部漏れを防ぐことが重要である。そこで、髪保持部91と髪狭持面94で囲まれた範囲に反射部96を設置するのがよい。どちらか一方に設置する場合は、集光効果あるいは拡散効果を効率よく反射部96に付加する。反射部96の構造としては、ファセット形状を用いたものがより効果的である。材料はSiO2、Al2O3などが適当である。
【0037】
光ヒータにおける配光の考慮は重要である。反射部96を設置することによって、より毛髪への光エネルギーを高めることができる。その際、集光と拡散のバランスが重要であり、光ヒータの設置方法、設置配置によって各々考慮する。上側狭持部2bと下側狭持部3bの一方に反射部96を設置する場合は、光ヒータ設置側と対向する側に設置する方がよい。光ヒータと対向する側の毛髪への光エネルギー供給に対して、直接的な光エネルギーを受けない対極側の毛髪への光エネルギー供給を確保するためである。もちろん、図8に示すように、上側狭持部2bと下側狭持部3bの両方に反射部96を備えてもよい。この場合、加熱部90の固定部93に反射機能を持たせることも可能である。
【0038】
以上説明したように、本実施形態では、加熱部90と対向する側に光を反射する反射部96を備えているため、毛髪に対して光エネルギー付加効率を高めることができる。これにより、効率的な光エネルギー供給が可能となり、また低W化が可能となる。
【0039】
(第3実施形態)
第3実施形態にかかるヘアーアイロン1では、加熱部90の外面に所定の波長に反応するコーティングを施している。コーティングに求める機能は、大きく二つのタイプに大別される。1つは、光ヒータの発現する波長に対して促進反応を示すタイプであり、もう1つは、光ヒータの発現する波長に対して必要としない波長をカットすることを目的とするタイプである。前者の場合は、主にトルマリン塗料など近赤外線や遠赤外線などに反応する特性を有しているものがよい。後者の場合は、一般的に人体吸収されやすいとされる遠赤〜近赤外線波長を透過し、その他の波長は外部へ透過しない特性を有するものがよい。もちろん、光ヒータ表面のみならず髪狭持面94全体にコーティングを施してもよい。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、加熱部90の外面に所定の波長に反応するコーティングを施している。そのため、光ヒータ固有の特性のみならず他の特性も毛髪に対して作用させることができるので、毛髪に対しての必要作用を拡大し、不必要作用を遮断することができる。すなわち、遠赤効果を更に高めたり、不必要な過度のストレス(熱ストレスなど)を防ぐことが可能となる。
【0041】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態にかかるヘアーアイロン1の横断面図である。このヘアーアイロン1では、図9に示すように、加熱部90の長手方向先端が髪狭持面94側を向いている。これにより、光ヒータ外郭を構成する石英ガラスなどの強度の一番高い側を露出する形になり、ハロゲンランプなどで危惧されるガラス破損などの影響を抑制することができる。発光作用については、内部フィラメント形状や反射鏡設定で高効率化を補うことが可能である。
【0042】
以上説明したように、本実施形態では、加熱部90の長手方向先端が髪狭持面94側を向いている。そのため、ガラス破損などのリスクに対して強度の高い部分を髪狭持面94側に設置することが可能である。
【0043】
(第5実施形態)
図10は、第5実施形態にかかるヘアーアイロン1の横断面図である。このヘアーアイロン1では、図10に示すように、加熱部90の外面ガラスに強化部材97が挿入されている。強化部材97としてワイヤなどの線状強化部材を採用すれば、光ヒータ配光や光強度などに影響を与えることなく光ヒータ部品強度を高めることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態では、加熱部90の外面ガラスに強化部材97が挿入されている。これにより、加熱部90の外面ガラスの破損リスクを低減し、また、破損時の飛散リスクを低減することが可能である。
【0045】
(第6実施形態)
図11は、第6実施形態にかかるヘアーアイロン1の横断面図である。このヘアーアイロン1では、図11に示すように、加熱部90を保持する加熱部保持部98が弾性構造を備えている。具体的には、光ヒータの電源接続コネクタに弾性機能としてスプリングやゴム素材を採用している。これにより、使用中の衝撃などを減衰することができる。このような減衰機構は、長手軸方向さらには短手軸方向にも対応できるような形で構成することが可能である。
【0046】
以上説明したように、本実施形態では、加熱部90を保持する加熱部保持部98が弾性構造を備えている。これにより、使用中の衝撃や振動あるいは落下などの過度の衝撃に対してガラス破損を抑制することができ、また、内部構造へのダメージも抑制することができる。
【0047】
なお、以上では好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、図1では、複数の加熱部90を縦置きで配列しているが、図12に示すように、円柱状の加熱部90を1つだけ横置きで設置するようにしてもよい。その他、加熱部90や髪保持部91のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)は適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 ヘアーアイロン
2b 上側挟持部(第1の挟持部)
3b 下側挟持部(第2の挟持部)
90 加熱部
91 髪保持部
94 髪狭持面
96 反射部
97 強化部材
98 加熱部保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の挟持部と第2の挟持部とで毛髪を挟持するヘアーアイロンであって、
前記第1の狭持部と前記第2の狭持部の少なくとも一方に毛髪を非接触で加熱する加熱部を備え、前記加熱部により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を保持する髪保持部を備えることを特徴とするヘアーアイロン。
【請求項2】
前記第1の狭持部と前記第2の狭持部のうち前記加熱部と対向する側に光を反射する反射部を備えることを特徴とする請求項1記載のヘアーアイロン。
【請求項3】
前記加熱部の外面に所定の波長に反応するコーティングが施されていることを特徴とする請求項1記載のヘアーアイロン。
【請求項4】
前記加熱部の長手方向先端が髪狭持面側を向いていることを特徴とする請求項1記載のヘアーアイロン。
【請求項5】
前記加熱部の外面ガラスに強化部材が挿入されていることを特徴とする請求項1記載のヘアーアイロン。
【請求項6】
前記加熱部を保持する加熱部保持部が弾性構造を備えることを特徴とする請求項1記載のヘアーアイロン。
【請求項1】
第1の挟持部と第2の挟持部とで毛髪を挟持するヘアーアイロンであって、
前記第1の狭持部と前記第2の狭持部の少なくとも一方に毛髪を非接触で加熱する加熱部を備え、前記加熱部により非接触で加熱されて矯正可能状態となった毛髪を保持する髪保持部を備えることを特徴とするヘアーアイロン。
【請求項2】
前記第1の狭持部と前記第2の狭持部のうち前記加熱部と対向する側に光を反射する反射部を備えることを特徴とする請求項1記載のヘアーアイロン。
【請求項3】
前記加熱部の外面に所定の波長に反応するコーティングが施されていることを特徴とする請求項1記載のヘアーアイロン。
【請求項4】
前記加熱部の長手方向先端が髪狭持面側を向いていることを特徴とする請求項1記載のヘアーアイロン。
【請求項5】
前記加熱部の外面ガラスに強化部材が挿入されていることを特徴とする請求項1記載のヘアーアイロン。
【請求項6】
前記加熱部を保持する加熱部保持部が弾性構造を備えることを特徴とする請求項1記載のヘアーアイロン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−56023(P2013−56023A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195838(P2011−195838)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
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