説明

ヘアードライヤ

【課題】頭髪を直接照明することにより、整髪等をし易くするとともに、頭皮を効果的に暖めることができるようにしたヘアードライヤを提供する。
【解決手段】空気吹出口1と空気吸引口2を有する本体ケース3内に、ヒータ7と送風ファン6とを収容してなるヘアードライヤにおいて、本体ケース3における空気吹出口1の近傍に、該空気吹出口1よりの送風方向に向かって光を照射する光源11を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風方向に向かって光を照射するようにしたヘアードライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のヘアードライヤとしては、例えば特許文献1及び2に記載されているように、マイナスイオンを放出するものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2004−222751号公報
【特許文献2】特開2005−349139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1及び2に記載されているヘアードライヤは、いずれも、マイナスイオンによる頭髪のトリートメント効果は期待できるものの、送風方向の頭髪を直接照明することができないため、薄暗い室内で髪を乾かしたり、整髪したりする際に不便である。
【0005】
また、マイナスイオンでは、赤外線のような暖かさを感じないので、頭皮を暖めて細胞を活性化させるという効果は期待できない。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、頭髪を直接照明することにより、整髪等をし易くするとともに、頭皮を効果的に暖めることができるようにしたヘアードライヤを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のヘアードライヤは、
空気吹出口と空気吸引口を有する本体ケース内に、ヒータと送風ファンとを収容してなるヘアードライヤにおいて、
前記本体ケースにおける空気吹出口の近傍に、該空気吹出口よりの送風方向に向かって光を照射する光源を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、頭髪を直接照明することができるので、薄暗い室内でも、整髪等を容易に行うことができる。また、光源からの光により、頭皮が暖められるので、細胞が活性化し、血行等が良くなる。
【0008】
本発明の請求項2に記載のヘアードライヤは、請求項1に記載のヘアードライヤであって、
光源を、空気吹出口を囲むようにして複数設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、頭髪における風があたる部分に、光が広範囲に照射されるので、請求項1の効果が大となる。
【0009】
本発明の請求項3に記載のヘアードライヤは、請求項1または2に記載のヘアードライヤであって、
光源を、赤外線発光ダイオードとしてなることを特徴としている。
この特徴によれば、光源を小型化しうるので、本体ケースに容易に組み付けることができるとともに、消費電力も小さくて済む。また、赤外線効果により、頭皮をより効果的に暖めることができる。
【0010】
本発明の請求項4に記載のヘアードライヤは、請求項3に記載のヘアードライヤであって、
赤外線発光ダイオードにおける光の照射方向側に、光拡散レンズを設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、点光源である発光ダイオードの光を、光拡散レンズにより拡散して照射しうるので、最小限の数の発光ダイオードで頭髪を広範囲に照明することができる。
【0011】
本発明の請求項5に記載のヘアードライヤは、請求項2ないし4のいずれかに記載のヘアードライヤであって、
本体ケースの空気吹出口部に、この空気吹出口と連通する第2の空気吹出口を有するヘアーブラシを取付けてなるブラシ付きのヘアードライヤにおいて、前記ヘアーブラシのケースに、前記第2の空気吹出口よりの送風方向に向かって光を照射する光源を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、ヘアーブラシ付きのヘアードライヤであっても、上記請求項1ないし4と同様の効果を得ることができる。また、ヘアーブラシで髪をとかしながら、光源の光を至近距離から頭皮に直接照射しうるので、特に、光源に赤外線発光ダイオードを使用した際に、その光量が少なくても頭皮を効果的に暖めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明のヘアードライヤの第1の実施形態を示す中央縦断側面図、図2は、同じく拡大正面図である。
【0014】
この実施形態のヘアードライヤは、前面(以下、図1の左方を前として説明する)に空気吹出口1を有するとともに、後面に空気吸引口2を有する円筒状の本体ケース3と、そのやや後方寄りの下面に折り畳み可能に取り付けられた把手部4とを備えている。
【0015】
本体ケース3内には、モータ5と、このモータ5により回転させられる送風ファン6と、モータ5及び送風ファン6の前方にヒータユニット7とが収納され、把手部4に設けた切換スイッチ8を押動操作すると、モータ5及び送風ファン6が回転し、かつヒータユニット7がオンまたはオフとなることにより、空気吹出口1より、冷風または温風が吹き出されるようになっている。
【0016】
本体ケース3における空気吹出口1と近接する外周面には、環状の光源取付部材9が取付けられ、この光源取付部材9には、複数(本実施形態では4個)の前方に開口する楕円形の取付孔10が、円周方向に等間隔おきに設けられている。
【0017】
各取付孔10内には、例えば赤色系の赤外線発光ダイオード(以下、LEDと略称する)11が、光が前方に向かって、すなわち空気吹出口1よりの送風方向に向かって照射されるように設けられている。
【0018】
各LED11には、波長が0.75〜1000ミクロンの赤外線、好ましくは、3〜20ミクロンの遠赤外線が放射されるものが用いられている。
【0019】
各LED11は、本体ケース3内に設けた直流電源変換器12に接続され、上記切換スイッチ8を操作することにより、直流電源変換器12より給電されて点灯するようになっている。
【0020】
各取付孔10におけるLED11よりも前方の開口部には、凸レンズ状の光拡散レンズ13が嵌合されている。この光拡散レンズ13は、前面を鋸歯状の凹凸面としたものであってもよい。
【0021】
このような光拡散レンズ13を設けると、点光源であるLED11の欠点を解消し、その光を広範囲に拡散して前方に照射することができる。
【0022】
以上説明したように、上記第1の実施形態のヘアードライヤにおいては、本体ケース3における空気吹出口1と近接する外周面に、赤外線を放射する複数のLED11を、空気吹出口1を囲むように、かつ前方に光が照射されるように設けたことにより、ヘアードライヤの使用時に、頭髪を円形状に直接照明することができ、薄暗い室内でも、整髪等を容易に行うことができる。
【0023】
また、頭皮がLED11の光、特に赤外線により暖められるので、細胞が活性化し、血行等が良くなる。
【0024】
図3ないし図6は、本発明の第2の実施形態、すなわちブラシ付きのヘアードライヤを示す。
【0025】
この実施形態のヘアードライヤの本体ケース14は、前後方向に細長い円筒状をなし、前端と後端には、上記と同様の空気吹出口と空気吸引口が、また内部には、モータ、送風ファン、ヒータユニット、直流電源変換器(いずれも上記実施形態と同部材につき図示略)が設けられている。
【0026】
本体ケース14の前端部外周面には、ヘアーブラシ15における前端が閉塞されたケース16の後端部が取り付けられている。
【0027】
ケース16における多数のピン17が植設されたブラシ面18の中央部には、前後方向を向くとともに、本体ケース14の空気吹出口と連通する第2の空気吹出口19が設けられている。
【0028】
ケース16の両側面には、光源取付部20、20が、長手方向に沿って一体的に形成され、両光源取付部20には、図6に示すように、前後方向に長い、第2の空気吹出口19と同じ開口方向に開口する複数の取付孔21が設けられている。
【0029】
各取付孔21内には、上記第1の実施形態と同様の赤外線発光ダイオードすなわちLED11が、光が空気吹出口19よりの空気の吹出し方向と同方向に照射されるように収納されている。このLED11の前方における取付孔21の開口部には、上記と同様、凸レンズ状の光拡散レンズ22が嵌合されている。
【0030】
各LED11は、ヘアードライヤの本体ケース14に設けた切換スイッチ23を押動操作することにより、本体ケース14より吹き出される冷風又は温風と共に点灯するようになっている。
【0031】
この第2の実施形態のヘアードライヤにおいても、頭髪をヘアーブラシ15によりとかしながら、LED11の光により頭髪を照明しうるので、薄暗い室内での整髪が容易となる。
【0032】
また、ヘアーブラシ15で髪をとかしながら、LED11の光を至近距離から頭皮に直接照射しうるので、赤外線効果により、頭皮をより効果的に暖めることができ、細胞が活性化して血行等が良くなる。
【0033】
なお、ヘアーブラシ15は、ヘアードライヤの本体ケース14に、着脱式に取り付けるものであってもよい。この際には、本体ケース14とヘアーブラシ15との取付部に、LED11に給電するための接続端子等を設けたり、ヘアーブラシ15のケース16内に蓄電池や充電式の電池を収容するなどして、LED11を点灯させるようにすればよい。
【0034】
また、LED11をピン17が植設されたブラシ面18の直下に設け、さらにピン17を透明材にて形成することで、ピン17の先端部(端面)から照射されるLED11の光にて頭髪を照明するとともに、頭皮に直接照射するようにしてもよい。
【0035】
上記実施形態では、光源にLED11を用いたが、通常の赤外線ランプを使用することもある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施形態のヘアードライヤを示す中央縦断側面図である。
【図2】同じく、拡大正面図である。
【図3】同じく、第2の実施形態のヘアードライヤの側面図である。
【図4】同じく、ブラシ部を拡大して見た側面図である。
【図5】同じく、正面図である。
【図6】図5のVI−VI線の拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 空気吹出口
2 空気吸引口
3 本体ケース
4 把手部
5 モータ
6 送風ファン
7 ヒータユニット
8 切換スイッチ
9 光源取付部材
10 取付孔
11 赤外線発光ダイオード(光源)
12 直流電源変換器
13 光拡散レンズ
14 本体ケース
15 ヘアーブラシ
16 ケース
17 ピン
18 ブラシ面
19 第2の空気吹出口
20 光源取付部
21 取付孔
22 光拡散レンズ
23 切換スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気吹出口と空気吸引口を有する本体ケース内に、ヒータと送風ファンとを収容してなるヘアードライヤにおいて、
前記本体ケースにおける空気吹出口の近傍に、該空気吹出口よりの送風方向に向かって光を照射する光源を設けたことを特徴とするヘアードライヤ。
【請求項2】
光源を、空気吹出口を囲むようにして複数設けたことを特徴とする請求項1に記載のヘアードライヤ。
【請求項3】
光源を、赤外線発光ダイオードとしてなることを特徴とする請求項1または2に記載のヘアードライヤ。
【請求項4】
赤外線発光ダイオードにおける光の照射方向側に、光拡散レンズを設けたことを特徴とする請求項3に記載のヘアードライヤ。
【請求項5】
本体ケースの空気吹出口部に、この空気吹出口と連通する第2の空気吹出口を有するヘアーブラシを取付けてなるブラシ付きのヘアードライヤにおいて、前記ヘアーブラシのケースに、前記第2の空気吹出口よりの送風方向に向かって光を照射する光源を設けてなることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のヘアードライヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−229176(P2008−229176A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−75357(P2007−75357)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(503284729)千代田紡織株式会社 (2)
【Fターム(参考)】