説明

ヘスペリジン含有組成物

【課題】ヘスペリジンが安定に配合された組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)ヘスペリジン、(B)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、及び3−メチル−1,3−ブタンジオールからなる群より選択される少なくとも1種の二価アルコール、及び(C)糖アルコール、を含有する組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘスペリジンを安定に含有する組成物に関する。より詳細には、本発明はヘスペリジン、特定の二価アルコール、及び糖アルコールを含有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘスペリジンは次式に示す化学構造を有する物質である。
【0003】
【化1】

【0004】
ヘスペリジンには、毛細血管を強化して血管透過性を抑える働き、血中コレステロール値を改善する働き、血流を改善する働き、抗アレルギー作用、発ガン抑制作用等があることが報告されており、例えば塗布したり経口摂取することでこのような優れた効果を得られることが知られている。
【0005】
しかしながら、ヘスペリジンを含有する組成物において、ヘスペリジンは非常に不安定であり、徐々に分解してしまうという問題があった。
【0006】
またさらに、ヘスペリジンは非常に溶解性の低い物質であり、pH11以上の強アルカリ性溶液には溶解するものの、中性〜酸性溶液にはほとんど溶解しない。このため、ヘスペリジンを溶解した強アルカリ性ではない組成物を得、当該組成物を食品や医薬品等として用いること、又は当該組成物から食品や医薬品等を製造することは非常に困難であった。また、たとえ強アルカリ性溶液にヘスペリジンを溶解したとしても、ヘスペリジンは不安定であり、長期(例えば数週間)保存する間にヘスペリジンが分解するなど、その安定性は非常に悪かった。
【0007】
特に、例えばヘスペリジンを含有する口腔用組成物は、口腔組織の血行を促進することで口腔組織の健康を保つ効果が期待できるが、強アルカリ性溶液あるいは強アルカリ性物質を口腔内に適用すると口腔内組織を損傷してしまうため、ヘスペリジンを安定に含有する口腔用組成物を工業スケールで生産し供給することは困難であった。
【0008】
このため、これまでにもヘスペリジン組成物中のヘスペリジンの安定性を高めるため検討がされている。また、弱アルカリ性〜酸性溶液(例えばpH約3〜10)ヘのヘスペリジンの溶解性を高めるため、様々な工夫がなされている。
【0009】
例えば、ヘスペリジンにD−グルコースを結合させ、α−グリコシルヘスペリジンとして溶解性を高める方法や、あるいは、ヘスペリジンとヘスペリジン糖付加物(ヘスペリジンに糖を結合したもの)とを特定の比率で含有するアモルファス状態の組成物とすることで、ヘスペリジンの水溶性を向上させる方法が報告されている(特許文献1、2)。しかしながら、ヘスペリジンを糖付加物とするには製造コストが高く、コストがかさむという問題がある。
【0010】
また、強アルカリ溶液で一旦ヘスペリジンを溶解させた後、増粘多糖類溶液を添加し、pHを調製する方法も報告されている(特許文献3)。しかしながら、アルカリ側のpHではヘスペリジンは、特に光や酸素に対して極めて不安定であり、pHを中性に戻すと徐々に濁りや結晶が析出する等、安定性が悪いという問題がある。さらには、たとえ強アルカリにヘスペリジンを溶解させたとしても、ヘスペリジンが保存中に分解するという問題もある。
【0011】
このように、今のところ、ヘスペリジン含有組成物において、ヘスペリジンの分解を抑制することは難しい。特に、ヘスペリジン糖付加物を利用することなく、強アルカリ性ではない溶液(例えば約pH3〜10)にヘスペリジンの分解を抑制して安定に含有させることは難しく、また、溶解させることも困難な状況である。また、このため、ヘスペリジン含有組成物を工業スケールで生産し供給することも難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平11−346792号公報
【特許文献2】特開2007−308414号公報
【特許文献3】特開平10−101705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、ヘスペリジンが安定に配合されたヘスペリジン組成物を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、驚くべき事に、ヘスペリジン、特定の二価アルコール、及び糖アルコールを含有する組成物においては、ヘスペリジンの分解が抑制され、安定にヘスペリジンが含有されることを見出した。さらに、ヘスペリジン、特定の二価アルコール、及び糖アルコールを特に溶液に含有させることで、ヘスペリジンを強アルカリ性でない溶液(pH11未満の溶液)にも安定に溶解させ得ることを見出した。本発明者らは、これらの知見を基にさらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0015】
すなわち、本発明は例えば以下の項の組成物に係るものである。
項1.
(A)ヘスペリジン、
(B)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、及び3−メチル−1,3−ブタンジオールからなる群より選択される少なくとも1種の二価アルコール、及び
(C)糖アルコール
を含有する組成物。
項2.
(C)糖アルコールが、還元パラチノース、キシリトール、ソルビトール、マルチトール及びエリスリトールからなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の組成物。
項3.
(B)二価アルコールが、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種である、項1又は2に記載の組成物。
項4.
(A)、(B)、及び(C)を溶解して含有する液状組成物である、項1〜3のいずれかに記載の組成物。
項5.
pHが3〜10である、項4に記載の組成物。
項6.
口腔用組成物である、項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ヘスペリジンの分解が抑制され、ヘスペリジンを安定に含有する組成物が提供される。さらに、本発明によれば、特に、強アルカリ性でない溶液(pH11未満の溶液)にヘスペリジンを安定に溶解させた組成物も提供される。つまり、本発明によれば、ヘスペリジンをpH11未満の溶液に溶解させてヘスペリジン組成物(例えば液状組成物又はゲル状組成物)を得ることができる。しかも、当該ヘスペリジン組成物中のヘスペリジンの分解は抑制されており、組成物のヘスペリジン含有量の減少が抑えられる。
【0017】
当該ヘスペリジン組成物は、そのまま医薬組成物、食品組成物、口腔用組成物等として用いることができる。さらに、当該ヘスペリジン組成物を用いて、例えばヘスペリジンを安定に含有する医薬組成物、食品組成物、口腔用組成物等を簡便に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
【0019】
本発明は、ヘスペリジン、特定の二価アルコール、及び糖アルコールを含有するヘスペリジン組成物に係る。
【0020】
本発明のヘスペリジン組成物に含有されるヘスペリジンとしては、例えば公知の方法によりミカン果皮から抽出したものを用いることができる。また、和光純薬工業株式会社、浜理薬品工業株式会社、アルプス薬品工業株式会社等から購入することもできる。また、精製されたヘスペリジンを用いなくとも、ミカン果皮等の原料から精製する途中の粗精製品を用いてもよい。
【0021】
本発明に用いる特定の二価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリブチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオールが挙げられ、中でもポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール(PG)が好ましい。なお、二価アルコールは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
本発明に用いるPEGとしては、特に制限されるものではないが、重量平均分子量が約2000以下が好ましく、約200〜1500がより好ましく、約400〜1500がさらに好ましい。なお、重量平均分子量はマトリックス支援レーザー脱着イオン化−飛行時間型質量分析装置により求めた値である。
【0023】
本発明に用いる糖アルコールとしては、特に制限されるものではないが、好ましい糖アルコールとして例えば、パラチノース、還元パラチノース、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、トレハロース、ラクチトール等が例示でき、中でも還元パラチノース、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトールが好ましい。なお、糖アルコールは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
本発明のヘスペリジン組成物は、ヘスペリジン、特定の二価アルコール、及び糖アルコールを含有することにより、ヘスペリジンの分解が抑制され、ヘスペリジンを安定に含有することができる。
【0025】
本発明のヘスペリジン組成物におけるヘスペリジンの配合量は、特に制限されるものではないが、通常0.0001〜0.3重量%、好ましくは0.0001〜0.1重量%、より好ましくは0.001〜0.1重量%、さらに好ましくは0.001〜0.05重量%、よりさらに好ましくは0.001〜0.01重量%である。また、二価アルコールの配合量は、組成物に対して1〜10重量%であることが好ましく、2〜6重量%であることがより好ましい。また、糖アルコールの配合量は、組成物に対して1〜30重量%であることが好ましく、1〜20重量%であることがより好ましく、5〜15重量%であることがさらに好ましい。
【0026】
また、本発明のヘスペリジン組成物においては、ヘスペリジン1重量部に対して、二価アルコールを30〜34000重量部配合することが好ましく、50〜7500重量部配合することがより好ましく、100〜4000重量部配合することがさらに好ましい。また、ヘスペリジン1重量部に対して、糖アルコールを50〜13000重量部配合することが好ましく、50〜10000重量部配合することがより好ましく、100〜5000重量部配合することがさらに好ましい。
【0027】
さらに、本発明のヘスペリジン組成物においては、糖アルコールを10重量部配合する場合、二価アルコールを3〜10重量部配合することがより好ましく、4〜9重量部配合することがさらに好ましい。
【0028】
特に制限するものではないが、本発明のヘスペリジン組成物の好ましい形態は、ヘスペリジンを含有した液状組成物又はゲル状組成物(より好ましくはpH10以下の弱アルカリ性から弱酸性の液状組成物)である。液状組成物の中でも、水溶液組成物が好ましい。ヘスペリジン組成物のpHは、通常pH3〜10、好ましくはpH4〜9、より好ましくはpH5〜8である。本明細書におけるpH値は25℃でのpHメーターによる測定値である。なお、粘性を有していても、pHメーターでpHを測定可能な組成物は液状組成物とする。
【0029】
なお、本発明のヘスペリジン組成物には、ヘスペリジン、特定の二価アルコール、及び糖アルコール以外にも、本発明の効果(特に組成物中のヘスペリジンの安定性)を損なわない限り、任意成分を適宜配合させてもよい。
【0030】
本発明のヘスペリジン組成物は、ヘスペリジン、特定の二価アルコール、及び糖アルコール、並びに必要に応じて任意成分を、溶媒とともに適宜混合することで製造することができる。溶媒としては、水が好ましい。
【0031】
本発明のヘスペリジン組成物は、例えば食品組成物、医薬品組成物、化粧品組成物、口腔用組成物として好適に用いることができ、中でも食品組成物、医薬品組成物、口腔用組成物として用いるのが好適である。
【0032】
上述のように、ヘスペリジンには毛細血管を強化して血管透過性を抑える働き、血中コレステロール値を改善する働き、血流を改善する働き、抗アレルギー作用、発ガン抑制作用等のほか、優れた抗う蝕作用(特に象牙質う蝕の防止作用)があるため、ヘスペリジンを安定に含有させた組成物は、特にこれらの効果を得るための食品組成物、医薬品組成物、又は口腔用組成物等として用いることが好適である。中でも抗う蝕用の食品組成物、医薬品組成物、又は口腔用組成物が好ましい。
【0033】
本発明のヘスペリジン組成物を医薬品組成物として用いる場合、当該組成物(以下「本発明に係る医薬品組成物」と記載することがある)は、本発明の効果(組成物中のヘスペリジンの安定性)を損なわない限り、任意成分として、例えば、ヘスペリジン以外の他の薬理活性成分、薬学的に許容される基剤、担体、添加剤(例えば溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等)等を必要に応じて配合することができる。また、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等の医薬製剤に調製してもよく、中でも口腔用の医薬品とすることが好ましく、特に、口中剤、局所塗布剤、液剤の剤形とする事がもっとも好ましい。このような本発明に係る医薬組成物は、特に経口投与されて用いられる。なお、本発明に係る医薬組成物の投与量は、適宜設定することが出来る。また、本発明に係る医薬組成物の投与対象としては、高コレステロール血症患者、アレルギー性疾患(例えばアトピー性皮膚炎)患者、癌患者のほか、象牙質う蝕のリスクが高い患者、例えば自身で口腔ケアができない状態の人や歯周病患者等が例示できる。
【0034】
本発明のヘスペリジン組成物を食品組成物として用いる場合、当該組成物(以下「本発明に係る食品組成物」と記載することがある)には、本発明の効果(組成物中のヘスペリジンの安定性)を損なわない限り、任意成分として、例えば、食品衛生学上許容される基剤、担体、添加剤や、その他食品として利用され得る成分・材料等を適宜配合することができる。このような任意成分を配合して、加工食品、飲料、健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品等)、サプリメント、病者用食品(病院食、病人食又は介護食等)等として用いることができる。また、菓子類(例えばチューインガム、チョコレート、キャンディー、タブレット、ビスケット、クッキー、おかき、煎餅、プリン、杏仁豆腐等)、パン類、スープ類(粉末スープ等を含む)、加工食品等の各種飲食品に含有させたものであってもよい。
【0035】
健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品等)、サプリメントとする場合は、継続的な摂取が行いやすいように、例えばチューイングガム、キャンディ、顆粒、カプセル、タブレット、錠剤(チュアブル剤等を含む)、飲料(ドリンク剤)等の形態で調製することが好ましく、なかでもチューイングガム、キャンディ、カプセル、タブレット、錠剤の形態が摂取の簡便さの点からは好ましいく、特に、チューイングガム、キャンディ、タブレットなど口中に長く存在させる形態が好ましい。これらの形態の本発明に係る食品組成物は、薬学的及び/又は食品衛生学的に許容される担体等を用いて、常法に従って適宜調製することができる。
【0036】
本発明に係る食品組成物の摂取量及び摂取対象は特に制限されないが、例えば上述した本発明に係る医薬品組成物と同様であることが好ましい。
【0037】
なお、病院食とは病院に入院した際に供される食事であり、病人食は病人用の食事であり、介護食とは被介護者用の食事である。
【0038】
本発明のヘスペリジン組成物を口腔用組成物として用いる場合、当該組成物(以下「本発明に係る口腔用組成物」と記載することがある)は、歯磨剤(練歯磨、液体歯磨、液状歯磨等)、洗口剤、スプレー製剤、塗布剤、バーニッシュ剤、フォーム剤、クリーム剤、パスタ剤、ゲル剤、貼付剤、分散系ペースト外用剤、液体外用剤等の外用剤組成物として提供でき、また、液剤、シロップ、ドライシロップ等の内服組成物としても提供することができる。これらの中でも、特にゲル剤、液体製剤又は液体から簡便に製造できる製剤であることが好ましく、液体歯磨や洗口剤、又は塗布剤であることが好ましい。
【0039】
また、上述のような本発明に係る口腔用組成物には、さらに組成物の形態に応じた以下のような適当な任意成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0040】
例えば、界面活性剤として、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等を配合できる。例えば、ノニオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド等、両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤等、アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、N−アシルアミノ酸塩等、カチオン界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩型カチオン界面活性剤、アルキルベンジルアンモニウム塩型カチオン界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤等を配合することができる。これらの界面活性剤は、1種または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0041】
また、香味剤(香料)として、例えばメントール、カルボン酸、アネトール、オイゲノール、サリチル酸メチル、リモネン、メチルアセテート、メチルオイゲノール、シネオール、リナロール、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油等を、1種または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0042】
また、甘味剤として、例えばサッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、ステビオサイド、グリチルリチン、グリセリン等を、1種または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0043】
また、口腔用組成物において、使用感を損なわない程度の粘性を持たせるために、例えば、増粘剤としてメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ビーガム、カラギーナン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、シリカゲル、セラック、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸コポリマー分散液、アミノアルキルメタクリル酸コポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ゼイン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物等を、1種又は2種以上を組み合わせて配合することができる。なお、増粘剤の中にはゲル化剤として用い得るものもあり、ゲル化のために用いることもできる。ゲル化剤として用いる場合、ゲル化助剤としてイオンを必要とするものについては、適宜適当なゲル化助剤を組み合わせて用いることができる。例えば、アルギン酸ナトリウムをゲル化剤として用いる場合、ゲル化助剤として例えば塩化カルシウムを用いることができる。また、カラギーナンをゲル化剤として用いる場合、例えば乳酸カルシウムをゲル化助剤として用いることができる。
【0044】
また、薬効成分として、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム等のカチオン性殺菌剤、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸トコフェロール、またはニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤、デキストラナーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)等の酵素、トラネキサム酸やイプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、グリチルリチン塩類(例えばグリチルリチン酸ジカリウム)、グリチルレチン酸、クロロフィル、塩化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第一錫等のフッ化物、カロペプタイド、アラントイン、カルバゾクロム、ヒノキチオール、硝酸カリウム等を、1種または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0045】
また、研磨剤として、例えば、第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水和物、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂等を用いることができる。これらの研磨剤は1種または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0046】
また、防腐剤として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等を用いることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0047】
また、着色剤として、例えば、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等の鉱物系色素、酸化チタン等を用いることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0048】
他にも、口腔用組成物に通常配合し得る成分であれば、任意成分として配合してもよい。なお、任意成分のうち、食品に配合するのに適した成分については、適宜本発明の食品組成物へも配合してもよい。
【0049】
本発明のヘスペリジン組成物のうち、特に、ヘスペリジンを安定に溶解した液状組成物(好ましくはpH3〜10)を調製するには、例えば、まずヘスペリジンをアルカリ性溶液(例えばpH11以上)に溶解させてpHを調整した後、当該溶液に特定の二価アルコール及び糖アルコールを溶解させればよい。また、例えば、ヘスペリジン、二価アルコール及び糖アルコールをアルカリ性溶液に溶解させ、得られた溶液のpHを調製してもよい。二価アルコール及び糖アルコールを上述の配合量、溶解させることにより、pHを中性付近に戻したとしても濁りが生じたり結晶が析出する等といった問題が起こらない。さらには、組成物中のヘスペリジンの分解を抑制することができる。このように、ヘスペリジン、特定の二価アルコール、及び糖アルコールを溶解して含有する液状組成物には、ヘスペリジンは非常に安定に溶解する。なお、例えば当該液状組成物をそのまま食品組成物、医薬品組成物又は口腔用組成物として用いる場合は、ヘスペリジンをアルカリ性溶液に溶解した後、当該溶液のpHは通常pH3〜10、好ましくはpH4〜9、より好ましくはpH5〜8へ、pH調整剤を用いて調整するのが好ましい。
【0050】
本発明は、ヘスペリジンを安定に溶解した液状組成物を製造する方法も提供する。つまり、本願発明は、ヘスペリジン、特定の二価アルコール、及び糖アルコールを溶媒(好ましくは水又は水溶液)に溶解させる工程を含む、ヘスペリジンを溶解した液状組成物(通常pH3〜10、好ましくはpH4〜9、より好ましくはpH5〜8)を製造する方法も提供する。より詳細には、本発明は、(α)ヘスペリジンをアルカリ性溶液(好ましくはpH11以上)に溶解させる工程、(β)二価アルコールを溶液に溶解させる工程、(γ)糖アルコールを溶液に溶解させる工程、(δ)溶液のpHを3〜10(好ましくはpH4〜9、より好ましくはpH5〜8)に調整する工程、の4工程を含むヘスペリジンを溶解して含有する液状組成物を製造する方法も提供する。これら(α)〜(δ)の工程は、(α)の後に(δ)がある限り、行う順序は特に制限されない。また、(α)〜(γ)の工程のうち2工程又は3工程を同時に行ってもよい。好ましくは、(α)〜(δ)の工程のうち(α)を最初に行う。なお、(α)〜(γ)工程を終えた段階で、溶液のpHが3〜10(好ましくはpH4〜9、より好ましくはpH5〜8)である場合には、(δ)工程は省くこともできる。
【0051】
ここで用いるアルカリ性溶液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、リン酸水素二ナトリウム無水物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、リン酸三ナトリウム12水和物、酢酸ナトリウム3水和物、乳酸カルシウム5水和物、炭酸水素ナトリウム無水物、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム等の溶液が例示でき、より好ましくは水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの溶液であり、最も好ましくは炭酸ナトリウムの溶液である。これらの溶液は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、これらの溶液は水溶液であることが好ましい。また、これらの溶液のpHは、ヘスペリジンが溶解するのであれば、特に制限されないが、好ましくはpH11以上である。
【0052】
pH調整剤としては、例えば、無機酸としては塩酸、硫酸、炭酸、リン酸等が挙げられ、また有機酸としてはクエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、ピルビン酸、グルコン酸、酒石酸、ギ酸、酢酸、乳酸およびこれらの塩類等が例示できる。なかでも、クエン酸が好ましい。これらのpH調整剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0053】
また、本発明の効果(特に組成物中のヘスペリジンの安定性及び溶解性)を損なわない限り、ヘスペリジンを安定に含有した液状組成物にも、例えば上述した任意成分を適宜配合することができる。
【0054】
このようにして得られる、ヘスペリジンを安定に溶解した液状組成物も、そのまま例えば食品組成物、医薬品組成物、又は口腔用組成物等として好適に用いることができる。また、当該液状組成物を用いて、食品及び医薬品(食品組成物及び医薬品組成物)等の製造に好適に利用することができる。また、口腔用組成物の製造に好適に利用できる。ヘスペリジンが安定に溶解した液状組成物を用いることで、これらの組成物製造時の作業性を大幅に改善することができる。
【0055】
なお、本明細書では、ヘスペリジン組成物において、ヘスペリジンを安定に含有するとは、組成物中でのヘスペリジンの分解が抑制されており、長期間保存した後の組成物中のヘスペリジン含有量が、製造直後の組成物中のスペリジン含有量と比べて大きく変わらないことをいう。具体的には、保存温度が低温〜高温(例えば5〜55℃)であっても含有量が減少しないものが好ましい。例えば、5〜55℃で製造から3週間保存したときのヘスペリジン含有量の減少割合が30%以下である組成物が好ましい。また、当該条件を満たし、かつ、5℃で製造から3週間保存したときのヘスペリジン含有量減少割合が10%以下である組成物が、より好ましい。
【0056】
ヘスペリジン含有量の減少割合は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で製造直後及び保存後の組成物を解析し、各組成物中のヘスペリジン量を求めて比較することにより求めることができる。HPLC解析にあたり、ヘスペリジンを含有した組成物をフィルターで処理してから解析してもよい。当該フィルターとしては、孔径0.45μmのものを使用すればよい。また、フィルター処理前に、例えば適当な希釈溶液により当該組成物を希釈してもよい。このような希釈溶液としては例えば水、アルコール、又は水とアルコールとの混合溶液が挙げられる。具体的には、例えばメタノール・水の混合液(1:1(重量比))を用い得る。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
【0058】
製造例1
以下の手順により、各例(ヘスペリジンを溶解して含有する液状組成物)を製造した。
【0059】
まず、約180mLの0.05M炭酸ナトリウム水溶液に、ヘスペリジン40mg(和光純薬工業株式会社)を溶解させ、これに無水クエン酸水溶液を添加してpHを7.0とした。そして、蒸留水にて200mLにメスアップし、ヘスペリジン溶液を調製した。
【0060】
次に、約50mLの蒸留水と、表1に記載の各種添加物を入れた100mLのメスフラスコに、上記のようにして調製したヘスペリジン溶液を10mL添加した。そして、蒸留水にて100mLにメスアップし、各実施例(#1〜#7)及び各比較例(#8〜#15)を調製した。なお、表1に記載のヘスペリジン及び各種添加物の値は、各例における重量%を示す。
【0061】
また、添加物としてポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(HCO−60)を加えたものも検討した。これはHCO−60が食品製造等によく用いられる界面活性剤であり、界面活性剤がヘスペリジンの溶解性を高めるのに寄与する可能性を検討したものである。
【0062】
このようにして得られた各実施例(#1〜#7)及び各比較例(#8〜#15)は、いずれもpH7であった。
【0063】
安定性試験1
上記製造例で調製した各実施例及び各比較例を、それぞれ80mLづつ透明ボトルに入れ、5℃又は55℃で3週間暗室で放置した。また、これとは別に、各実施例及び各比較例を調製した直後、これらをフィルターで濾過した後HPLCで解析を行い、各例のヘスペリジンを示すピークを測定した。当該ピークを調製初期ピークとする。
【0064】
さらに、暗室で放置した後、ボトル内の溶液について、フィルターで濾過した後HPLCで解析を行い、各例のヘスペリジンを示すピークを測定した。
【0065】
そして、当該ピークの面積が、調製初期ピークの面積を100%とした場合に対して何%であるかを、各例ごとに検討した。結果を表1の「安定性」欄に示す。ピーク面積は各例溶液中に溶解したヘスペリジン量を示しており、当該値(%)が高いほど、ヘスペリジンが析出したり分解したりせず、安定に溶解していることを示す。
【0066】
なお、HPLC解析は、具体的には、各実施例及び比較例を、メタノール・水の混合液(1:1(重量比))により適宜希釈を行った後マイクロフィルターにてろ過し、その溶液を各々10μLをとり、HPLCに供することで行った。本試験で用いたHPLC解析条件は、次の通りである。
<フィルター>
使用濾過フィルター:ミニザルトRC15(孔径0.45μm;膜材質はセルロースアセテート)(ザルトリウス・メカトロニクス・ジャパン株式会社)
<HPLC>
使用HPLC機器:LC-10AS(島津製作所)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:284nm)
カラム:内径約5mm、長さ約15cmのステンレス管に約5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填したもの(GL Sciences社製、Inertsil(登録商標) ODS-2 5μm 4.6×150mm)。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:0.03mol/Lリン酸二水素カリウム試薬/メタノール/アセトニトリル混液(7:2:1)。
流量:ヘスペリジンの保持時間が約10分になるように調整(約1mL/分)。
【0067】
【表1】

【0068】
表1に示すように、二価アルコール又は糖アルコールのいずれか一方しか添加されていないか、又は両方とも添加されていないヘスペリジン組成物(各比較例)では、いずれも特に55℃保存後のヘスペリジン量が調製初期に比べて著しく減少しており、不安定であることがわかった。
【0069】
一方、二価アルコール及び糖アルコールを含有するヘスペリジン組成物(各実施例)では、いずれも5℃保存後のヘスペリジン量はほぼ調製初期と同等であり、さらに55℃保存後のヘスペリジン量も調製初期の少なくとも70%以上であることがわかった。
【0070】
以上のことから、二価アルコール及び糖アルコールの両者を加えることによって初めて、ヘスペリジンの安定性を高めることができることが確認できた。
【0071】
また、比較例#9〜#11、#13〜#15の結果から、HCO−60はヘスペリジンの安定を向上させる効果は有していないと考えられた。
【0072】
製造例2
表2に記載される成分を混合し、各組成物(実施例#16、#17、及び比較例#18、#19)を製造した。#18及び#19については、表2に記載される成分を一度に混合して各組成物を製造した。ただし、#18のみ、精製水の代わりに0.05M炭酸ナトリウム水溶液を用いた。#16及び#17については、以下のようにして製造した。
【0073】
(i)仕掛品1:グリセリンにキサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウムを撹拌しながら徐々に添加し、均一にした。
【0074】
(ii)仕掛品2:精製水に水溶性成分(還元パラチノース、フッ化ナトリウム、硝酸カリウム)及びヘスペリジンを順次加えて撹拌し、均一にした。
【0075】
(iii)仕掛品1に仕掛品2を撹拌しながら投入し、さらに撹拌して均一にした。
【0076】
(iv)さらに、ソルビトールを投入後、残りの成分を投入して撹拌し、均一にした後脱泡してヘスペリジン含有組成物とした。
【0077】
#16、#17、及び#19には増粘剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム)が配合されており、高い粘性を有する液状組成物となっており、ヘスペリジンは当該組成物中に均一に分散しているものと考えられた。
【0078】
安定性試験2
実施例#16、#17、及び比較例#18、#19につき、安定性試験1と同様にしてHPLC解析を行った。また、検量線作成用標準溶液を調製し、これも同様にHPLC解析を行って、ヘスペリジンの濃度(mg/L)を横軸に、それぞれのヘスペリジン濃度に対応するピーク面積(μV・sec)を縦軸にプロットして検量線を作成した。次に、測定した各実施例及び比較例の溶液のピーク面積(μV・sec)から、検量線の直線回帰式を用いて各実施例及び比較例溶液のヘスペリジン濃度(mg/L)を算出した。なお、検量線作成用標準溶液は、超音波照射により、ヘスペリジンをメタノールに溶解させた溶液であり、これを順次希釈して検量線作成に用いた。
【0079】
さらに、算出したヘスペリジン濃度を用いて、製造直後の各例の組成物に含まれるヘスペリジン量を100%としたときの、3週間保存(5℃又は55℃)後に各例の組成物に含まれるヘスペリジン量の割合を算出した。結果を表2の「安定性」の欄に示す。また、各例の組成物のpHも表2に併せて示す。
【0080】
【表2】

【0081】
#16、#17、及び#19の各例を比較することにより、ヘスペリジンが分散されて含有される、粘性を有する液状組成物においても、特定の二価アルコール及び糖アルコールを含有することで、ヘスペリジンの分解を抑制でき、ヘスペリジンが安定に含有されることが確認できた。
【0082】
また、#18より、アルカリ性溶液であればヘスペリジンを容易に溶解させることはできるが、溶解後のヘスペリジンの安定性は悪いことがわかった。
【0083】
以下に、本発明の口腔用組成物の処方例を示す。なお、以下の配合量はいずれも重量%を示す。
【0084】
処方例1:塗布剤
成分 配合量
セラック 10.0
ソルビトール 10.0
エチルアルコール 40.0
ポリエチレングリコール 4.0
炭酸ナトリウム 0.2
ヘスペリジン 0.002
香料 1.5
クエン酸 適量
精製水 残部
合計 100.0
【0085】
処方例2:洗口液
成分 配合量
エタノール 10.0
還元パラチノース 10.0
ポリエチレングリコール 3.0
グリセリン 5.0
炭酸ナトリウム 0.2
クエン酸ナトリウム 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ビタミンE 0.05
ビタミンC 0.01
ヘスペリジン 0.002
香料 0.2
クエン酸 適量
精製水 残部
合計 100.0
【0086】
処方例3:口腔用ゲル
成分 配合量
グリセリン 30.0
ソルビトール 13.0
プロピレングリコール 4.0
カルボキシメチルセルロース 0.2
ビタミンE 0.05
ヘスペリジン 0.001
香料 0.2
水酸化ナトリウム 適量
クエン酸 適量
精製水 残部
合計 100.0
【0087】
処方例4:マウススプレー
成分 配合量
グリセリン 10.0
還元パラチノース 5.0
エタノール 10.0
トレハロース 5.0
ポリエチレングリコール 5.0
塩化セチルピリジニウム 0.3
ステビアエキス 0.1
ヘスペリジン 0.002
香料 0.2
水酸化ナトリウム 適量
クエン酸 適量
精製水 残部
合計 100.0
【0088】
処方例5 歯磨剤
成分 配合量
還元パラチノース 5.0
第2リン酸カルシウム・2水和物 20.0
カルボキシメチルセルロース 3.0
硝酸カリウム 5.0
フッ化ナトリウム 1.05
プロピレングリコール 5.0
ヘスペリジン 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.4
香料 0.3
サッカリンナトリウム 0.1
リン酸2水素ナトリウム 適量
リン酸水素2ナトリウム 適量
精製水 残部
合計 100.0
【0089】
処方例6 ジェル状歯磨剤
成分 配合量
還元パラチノース 10.0
ソルビトール 10.0
カルボキシメチルセルロース 2.0
キサンタンガム 1.0
硝酸カリウム 5.0
フッ化ナトリウム 0.21
プロピレングリコール 0.2
ヘスペリジン 0.002
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.4
香料 0.3
リン酸2水素ナトリウム 適量
リン酸水素2ナトリウム 適量
精製水 残部
合計 100.0
【0090】
処方例7 洗口液
成分 配合量
ソルビトール 10.0
還元パラチノース 10.0
グリセリン 1.0
グルコン酸カルシウム 0.15
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7
プロピレングリコール 3.0
ヘスペリジン 0.02
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
香料 1.0
炭酸水素ナトリウム 適量
炭酸2ナトリウム 適量
精製水 残部
合計 100.0
【0091】
処方例8 洗口液
成分 配合量
グリセリン 10.0
ソルビトール 10.0
フッ化ナトリウム 0.3
プロピレングリコール 2.0
ヘスペリジン 0.02
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
香料 0.1
グリシン 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 残部
合計 100.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(α)ヘスペリジンをアルカリ性溶液に溶解させる工程、
(β)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、及び3−メチル−1,3−ブタンジオールからなる群より選択される少なくとも1種の二価アルコールを溶液に溶解させる工程、及び
(γ)糖アルコールを溶液に溶解させる工程、
を含む、ヘスペリジンを溶解したpH3〜10の液状組成物の製造方法。
【請求項2】
(α)〜(γ)工程後に、
(δ)溶液のpHを3〜10に調整する工程
をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ヘスペリジンを溶解させるアルカリ性溶液のpHが11以上である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
糖アルコールが、還元パラチノース、キシリトール、ソルビトール、マルチトール及びエリスリトールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
二価アルコールが、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
液状組成物が口腔用組成物である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
口腔用組成物が液状歯磨又は洗口剤である、請求項6に記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−41352(P2012−41352A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214034(P2011−214034)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【分割の表示】特願2010−549500(P2010−549500)の分割
【原出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000106324)サンスター株式会社 (200)
【Fターム(参考)】