説明

ヘッジホッグ経路モジュレーターとしての化合物および組成物

本発明は、ヘッジホッグシグナル伝達経路の活性を調節する方法を提供する。特に、本発明は、細胞と十分量の式Iの化合物を接触させることを含む、Ptc機能喪失型、ヘッジホッグ機能獲得型、スムーゼンド機能獲得型またはGli機能獲得型のような表現型に由来する異常増殖状態を阻害する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年7月25日出願の米国仮出願番号60/833,318および2007年6月7日出願の米国仮出願番号60/942,650に対する優先権の利益を主張する。これらの出願の全部の記載は、引用により、その全体として、かつすべての目的に関して、本明細書に包含される。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、ヘッジホッグシグナル伝達経路の活性を調節する方法を提供する。特に、本発明は、細胞と十分量の式Iの化合物を接触させることを含む、Ptc機能喪失型、ヘッジホッグ機能獲得型、スムーゼンド(smoothened)機能獲得型またはGli機能獲得型のような表現型に由来する異常増殖状態を阻止する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
胚発育中、ヘッジホッグシグナル伝達経路は、細胞増殖、分化および組織パターニングのような多くの工程に必須である。例えば、増強された活性化の結果としての、ヘッジホッグシグナル伝達経路の異常活性は、しかしながら病的結果を有し得る。これに関して、成体組織におけるヘッジホッグ経路の活性化は、乾癬および悪性リンパ腫(LM)、多発性骨髄腫(MM)、脳、筋肉および皮膚、前立腺の癌、髄芽腫、膵臓腺癌および小細胞肺癌腫を含み、これに限定されない特定のタイプの癌のような疾患に至り得る。ヘッジホッグシグナル伝達経路の増強された活性化は、多くの疾患の病状および/または症状に関与する。従って、ヘッジホッグシグナル伝達経路の活性を調節する分子が、このような疾患の処置における治療剤として有用である。
【発明の概要】
【0004】
発明の要約
一つの局面において、本発明は、式I:
【化1】

〔式中:
nは、0、1および2から選択され;
は、結合およびC(O)から選択され;
は、結合、C(O)およびS(O)から選択され;
は、水素、ハロ、シアノ、C1−2アルキルおよびハロ−置換−C1−2アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、シアノ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロ−置換−C1−3アルキル、ハロ−置換−C1−3アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C1−10ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルおよびフェノキシから選択され;
ここで、Rの該アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはフェノキシは、所望により、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C1−10ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから独立して選択される1〜3個のラジカルで置換されていてよく;
ここで、Rの該アリール−アルキル置換基は、所望により、ハロ、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシおよびメチル−ピペラジニルから独立して選択される1〜3個のラジカルで置換されていてよく;
は、水素、ハロ、シアノ、C1−2アルキル、C1−3アルコキシおよびハロ−置換−C1−2アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、シアノ、C1−2アルキル、C1−3アルコキシおよびハロ−置換−C1−2アルキルから選択され;
は、水素およびC1−3アルキルから選択され;
Lは:
【化2】

から選択される二価ラジカルであり、ここで、アスタリスクはYとRの結合点を示し;ここで、任意のLの二価ラジカルは、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルキル−カルボニル−アミノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシ−カルボニル、ハロ−置換−C1−4アルキル、C1−3アルキル−スルホニル、C1−3アルキル−スルホニル−アミノ、シアノ−置換−C1−4アルキルおよびハロ−置換−C1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個のラジカルでさらに置換されていてよい。〕
の化合物;およびそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護された誘導体、個々の異性体および異性体混合物およびこのような化合物の薬学的に許容される塩および溶媒和物(例えば水和物)を提供する。
【0005】
第二の局面において、本発明は、式Iの化合物またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体混合物;またはその薬学的に許容される塩を、1個以上の適当な賦形剤と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0006】
第三の局面において、本発明は、動物に治療的有効量の式Iの化合物またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体混合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、動物における、ヘッジホッグ経路活性の調節が疾患の病状および/または症状を予防、阻止または軽減できる疾患を処置する方法を提供する。
【0007】
第四の局面において、本発明は、動物における、ヘッジホッグ経路活性が疾患の病状および/または症状に関与する疾患の処置用医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0008】
第五の局面において、本発明は、式Iの化合物およびそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護された誘導体、個々の異性体および異性体混合物、およびその薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
【0009】
定義
特記しない限り、ここで使用する全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されているものと同じ意味を有する。以下の参考文献は、当業者に本発明において使用されている用語の多くの一般的な定義を提供する:Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology, Smith et al. (eds.), Oxford University Press (revised ed., 2000); Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, Singleton et al. (Eds.), John Wiley & Sons (3rd ed., 2002); and A Dictionary of Biology (Oxford Paperback Reference), Martin and Hine (Eds.), Oxford University Press (4th ed., 2000)。加えて、以下の定義を、本発明の実施に際して読み手の助けとなるよう提供する。
【0010】
用語“エージェント”または“試験薬剤”は、全ての物質、分子、元素、化合物、物、またはそれらの組合せを含む。それは、例えば、タンパク質、ポリペプチド、小有機分子、ポリサッカライド、ポリヌクレオチド等を含み、これに限定されない。それは天然産物、合成化合物、または化学化合物、または2種以上の物質の組合せであり得る。特記されない限り、用語“エージェント”、“物質”、および“化合物”は交換可能に使用され得る。
【0011】
基または他の基、例えばハロ−置換−アルキルおよびアルコキシの構成要素としての“アルキル”は、直鎖でも分枝鎖でもよい。C1−4−アルコキシは、メトキシ、エトキシ等を含む。ハロ−置換アルキルはトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル等を含む。
【0012】
“アリール”は、6〜10個の環炭素原子を含む、単環式または縮合二環式芳香環集合体を意味する。例えば、アリールはフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。“アリーレン”は、アリール基由来の二価ラジカルを意味する。
【0013】
ここで使用する“接触”は、その一般的な意味を有し、2個以上の分子を組合せること(例えば、小分子有機化合物およびポリペプチド)または分子と細胞を組合せること(例えば、化合物および細胞)を意味する。接触は、インビトロで起こり得て、例えば、2種以上のエージェントを組み合わせることにより、または化合物と細胞または細胞溶解物を試験管または他の容器中で組み合わせる。接触はまた細胞内またはインサイチュで起こり得て、例えば、細胞内の2種のポリペプチドを、この2種のポリペプチドをコードする組み換えポリヌクレオチドの細胞内での共発現により、または細胞溶解物内で組み合わせる。
【0014】
“シクロアルキル”は、示す数の環原子を含む、飽和のまたは部分的に不飽和の、単環式、縮合二環式または架橋多環集合体を意味する。例えば、C3−10シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を含む。
【0015】
“ヘテロアリール”は、上記で定義したアリールの通りであり、ここで、環員の1個以上がヘテロ原子である。例えばC5−10ヘテロアリールは、炭素原子により示される最小5員であるが、これらの炭素原子はヘテロ原子に置き換えられ得る。その結果、C5−10ヘテロアリールはピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニル等を含む。
【0016】
“ヘテロシクロアルキル”は、示される環炭素の1個以上が−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−(ここで、Rは水素、C1−4アルキルまたは窒素保護基である)から選択される分子で置換されているならば、本明細書で定義のシクロアルキルを意味する。例えば、本発明の化合物を記載するために本明細書で使用するC3−8ヘテロシクロアルキルは、モルホリノ、ピロリジニル、ピロリジニル−2−オン、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デク−8−イル、チオモルホリノ、スルファノモルホリノ、スルホノモルホリノ等を含む。
【0017】
“ハロゲン”(またはハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロであるが、ブロモまたはヨードであってもよい。
【0018】
用語“ヘッジホッグ”は、一般的に、ソニック、インディアン、デザートおよびティギーウィンクルを含む、ヘッジホッグファミリーの全てのメンバーを言及するために使用する。本用語は、タンパク質または遺伝子を示すために使用し得る。本用語はまた異なる動物種のホモログ/オルソログ配列を述べるためにも使用する。
【0019】
用語“ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達経路”および“ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達”は交換可能に使用し、通常、ヘッジホッグ、パッチド(patched)(Ptch)、スムーゼンド(Smo)、およびGliのようなシグナル伝達カスケードの種々のメンバーにより仲介される連鎖事象を意味する。ヘッジホッグ経路は、ヘッジホッグタンパク質が存在しなくてさえ、下流要素の活性化により活性化できる。例えば、Smoの過剰発現は、ヘッジホッグ非存在下で本経路を活性化する。
【0020】
Hhシグナル伝達要素またはHhシグナル伝達経路のメンバーは、Hhシグナル伝達経路に関与する遺伝子産物と呼ぶ。Hhシグナル伝達要素は、頻繁に、細胞/組織におけるHhシグナルの伝達に著しくまたは実質的に作用し、典型的に下流遺伝子発現レベルの程度の変化および/または表現型変化をもたらす。Hhシグナル伝達要素は、その生物学的機能および下流遺伝子活性化/発現の最終結果に対する影響に依存して、正および負のレギュレーターに分け得る。正のレギュレーターは、Hhシグナルの伝達に正に影響する、すなわち、Hhが存在するとき下流生物学的事象を刺激するHhシグナル伝達要素である。例は、ヘッジホッグ、Smo、およびGliを含む。負のレギュレーターは、Hhシグナルの伝達に負に影響する、すなわち、Hhが存在するとき下流生物学的事象を阻害するHhシグナル伝達要素である。例はPtchおよびSuFuを含む(しかし、これに限定されない)。
【0021】
ヘッジホッグシグナル伝達アンタゴニスト、Hhシグナル伝達アンタゴニストまたはHhシグナル伝達経路阻害剤は、正のHhシグナル伝達要素(例えばヘッジホッグ、Ptch、またはGli)の生理活性を阻害するまたはHhシグナル伝達要素の発現を下方制御するエージェントを意味する。それはまた、Hhシグナル伝達要素の負のレギュレーターを上方制御するエージェントも含む。ヘッジホッグシグナル伝達アンタゴニストは、ソニック、インディアンまたはデザートヘッジホッグ、スムーゼンド、ptch−1、ptch−2、gli−1、gli−2、gli−3等を含む(しかし、これに限定されない)ヘッジホッグ経路における任意の遺伝子によりコードされるタンパク質を指向してよい。
【0022】
“ヘッジホッグ機能獲得型”は、Ptc遺伝子、ヘッジホッグ遺伝子、またはスムーゼンド遺伝子の異常修飾または変異、またはこのような遺伝子発現レベルの低下(または喪失)を意味し、これは、細胞とヘッジホッグタンパク質の接触を模した表現型、例えば、ヘッジホッグ経路の異常活性化をもたらす。本機能獲得型は、Ptc遺伝子産物がGli遺伝子、例えば、Gli1、Gli2、およびGli3の発現レベルを制御する能力の損失を含み得る。用語‘ヘッジホッグ機能獲得型’はまた、ここでは、ヘッジホッグ自体の修飾または変異を含み、これに限定されないヘッジホッグシグナル伝達経路におけるどこかの変化により起こる、類似の細胞表現型(例えば、過剰増殖を示す)を言及するためにも使用する。例えば、ヘッジホッグシグナル伝達経路の活性化により異常に高い増殖速度の腫瘍細胞は、ヘッジホッグがその細胞で変異していなくてさえ、‘ヘッジホッグ機能獲得型’表現型を有する。
【0023】
“パッチド機能喪失型”は、Ptc遺伝子の異常修飾または変異、または本遺伝子発現レベルの低下を意味し、これは、細胞とヘッジホッグタンパク質の接触を模した表現型、例えば、ヘッジホッグ経路の異常活性化をもたらす。本機能喪失型は、Ptc遺伝子産物がGli遺伝子、例えば、Gli1、Gli2、およびGli3の発現レベルを制御する能力の損失を含み得る。
【0024】
“Gli機能獲得型”は、Gli遺伝子の異常修飾または変異、または本遺伝子発現レベルの上昇を意味し、これは、細胞とヘッジホッグタンパク質の接触を模した表現型、例えば、ヘッジホッグ経路の異常活性化をもたらす。
【0025】
腫瘍増殖または腫瘍細胞増殖の文脈における用語“阻害する”または“阻害”は、原発性または二次性腫瘍の出現の遅延、原発性または二次性腫瘍の発達の遅延、原発性または二次性腫瘍発生頻度の低下、疾患の二次的な影響の遅延または重症度の低下、または腫瘍増殖停止および腫瘍緩解を意味する。用語“予防”または“予防する”は、原発性または二次性腫瘍の発達または疾患の全ての二次的な影響の完全な阻害を意味する。酵素活性の調節の文脈において、阻害は、競合的、不競合的および非競合的阻害を含む、酵素活性の可逆性抑制または減少に関する。これは、酵素の反応動力学に対する阻害剤の作用と実験的に区別でき、これは基本的ミカエリスメンテン速度式の観点で分析できる。競合的阻害は、阻害剤が、活性部位での結合について通常の基質と競合するような方法で遊離酵素と結合できるときに起こる。競合的阻害剤は酵素と可逆性に反応して、酵素−基質複合体と同様に酵素−阻害剤複合体[EI]を形成する。
【0026】
“スムーゼンド機能獲得型”は、Smo遺伝子の異常修飾または変異、または本遺伝子発現レベルの上昇を意味し、これは、細胞とヘッジホッグタンパク質の接触を模した表現型、例えば、ヘッジホッグ経路の異常活性化をもたらす。
【0027】
用語“対象”は、哺乳動物、とりわけヒトを含む。それはまた、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サルのような他の非ヒト動物も包含する。
【0028】
用語“処置する”または“処置”は、腫瘍増殖の停止、および腫瘍の部分的または完全な緩解を意味する。用語“処置する”はまた、症状、合併症、または疾患の生化学兆候(例えば、リンパ腫および骨髄腫)の予防または発症遅延、症状の軽減または疾患、状態、または障害のさらなる発展の停止または阻害のための化合物またはエージェントを含む。処置は、(疾患の発症を予防するまたは遅らせるため、またはその臨床的または無症状性症状の顕在化を予防するための)予防的、または治療的抑制または疾患顕在化後の症状の軽減であり得る。
【0029】
本発明は、ヘッジホッグ、パッチド(Ptc)、gliおよび/またはスムーゼンドにより制御されるシグナル伝達経路が、式Iの化合物により調節できるとの発見に関する。
【0030】
好ましい態様の開示
本発明の治療方法は、非黒色腫皮膚癌、骨髄腫、リンパ腫、乾癬、膵臓癌、前立腺癌、髄芽腫、基底細胞癌腫および小細胞肺癌の成長および増殖を阻害するために、ヘッジホッグシグナル伝達経路のアンタゴニストを用いる。これらの方法は、このような腫瘍細胞(インビトロまたはインビボ)と、Hhシグナル伝達経路の阻害剤、式Iの化合物の接触を含む。一つの態様において、式Iの化合物に関して:
nは0および1から選択され;
は結合およびC(O)から選択され;
は結合、C(O)およびS(O)から選択され;
は水素、ハロおよびC1−2アルキルから選択され;
【0031】
は水素、ハロ、シアノ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロ−置換−C1−3アルキル、ハロ−置換−C1−3アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C1−10ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルおよびフェノキシから選択され;
ここで、Rの該アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはフェノキシは、所望により、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1〜3個のラジカルで置換されていてよく;
【0032】
は水素、ハロ、シアノ、C1−2アルキル、C1−3アルコキシ、ハロ−置換−C1−2アルキルおよび−NR6a6bから選択され;ここで、R6aおよびR6bは、独立して水素およびC1−4アルキルから選択され;
は水素、ハロ、シアノ、C1−2アルキルおよびハロ−置換−C1−2アルキルから選択され;
は水素およびC1−3アルキルから選択され;
【0033】
Lは:
【化3】

から選択される二価ラジカルであり、ここで、アスタリスクはYとRの結合点を示し;ここで、任意のLの二価ラジカルは、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルキル、C1−3アルキル−スルホニル、C1−3アルキル−スルホニル−アミノ、C1−3アルキル−カルボニル−アミノ、C1−3アルコキシ、C1−3アルコキシ−カルボニル、ハロ−置換−C1−3アルキル、シアノ−置換−C1−3アルキルおよびハロ−置換−C1−3アルコキシから独立して選択される1〜3個のラジカルでさらに置換されていてよい。
【0034】
他の態様において、nは0および1から選択され;Yは結合およびC(O)から選択され;Yは結合、C(O)およびS(O)から選択され;そしてRは水素、クロロおよびメチルから選択される。
【0035】
他の態様において、Rは水素、ハロ、メチル、エチル、シアノ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、モルホリノ、モルホリノ−メチル、シクロヘキシル、チオモルホリノ、1H−テトラゾール−1−イル、ピペリジニルおよびアゼパン−1−イルから選択され;ここで、Rの該フェノキシ、モルホリノ、モルホリノ−メチル、シクロヘキシル、チオモルホリノ、1H−テトラゾール−1−イル、ピペリジニルまたはアゼパン−1−イルは、所望により1〜3個のメチルラジカルで置換されていてよく;ここで、該チオモルホリノの硫黄は、0個、1個または2個の酸素原子と結合してよい。
【0036】
他の態様において、Rは水素、クロロ、フルオロ、シアノ、トリフルオロメチル、メトキシおよびジエチルアミノから選択され;Rは水素およびクロロから選択され;Rは水素およびメチルから選択され;そしてLは:
【化4】

から選択される二価ラジカルであり、ここで、アスタリスクはYとRの結合点を示し;ここで、任意のLの二価ラジカルは、ヒドロキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、メチル、エチル、シアノ、メチル−カルボニル−アミノ、ブチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロエトキシ、2−シアノプロパン−2−イル、トリフルオロメトキシ、メトキシ−カルボニル、プロポキシ、メチル−スルホニル、メチル−スルホニル−アミノ、エチル−スルホニル、プロピル−スルホニル、イソプロピル−スルホニル、イソプロポキシおよびエトキシから独立して選択される1〜3個のラジカルでさらに置換されていてよい。
【0037】
好ましい式Iの化合物は、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−イソキノリン−1−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−キノリン−5−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[6−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−イソキノリン−1−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(6−モルホリン−4−イル−イソキノリン−1−イル)−アミン、
N−[4−クロロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
N−[4−クロロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−4−シクロヘキシル−ベンズアミド、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(2−モルホリン−4−イル−キノリン−5−イル)−アミン、
[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(6−ピペリジン−1−イル−イソキノリン−1−イル)−アミン、
(6−アゼパン−1−イル−イソキノリン−1−イル)−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、
N−[4−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
4−シクロヘキシル−N−[4−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、
N−{3−[5−(4−クロロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(2−モルホリン−4−イル−[1,6]ナフチリジン−5−イル)−アミン、
(6−アゼパン−1−イル−イソキノリン−1−イル)−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(7−モルホリン−4−イル−イソキノリン−1−イル)−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(6−ピペリジン−1−イル−イソキノリン−1−イル)−アミン、
3,5−ジメトキシ−N−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、
N−{3−[4−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
N−{4−クロロ−3−[4−(4−クロロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
(6−モルホリン−4−イル−イソキノリン−1−イル)−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、
N−{3−[5−(4−フルオロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
(6−モルホリン−4−イル−イソキノリン−1−イル)−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、
(2−モルホリン−4−イル−キノリン−5−イル)−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、
【0038】
6−モルホリン−4−イル−N−[3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ニコチンアミド、
N−{3−[5−(3−クロロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
4−シクロヘキシル−N−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、
4−モルホリン−4−イル−N−[3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、
N−{3−[5−(2−クロロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
4−シクロヘキシル−N−{3−[4−(4−フルオロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−フェニル}−ベンズアミド、
N−{3−[5−(4−シアノ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−3,5−ジメトキシ−ベンズアミド、
6−アゼパン−1−イル−N−[3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ニコチンアミド、
4−モルホリン−4−イル−N−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、
N−{4−メチル−3−[5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−イソキノリン−1−イル−アミン、
4−シクロヘキシル−N−{3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−フェニル}−ベンズアミド、
3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2']ビピリジニル−5'−カルボン酸[3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミド、
6−アゼパン−1−イル−N−[2−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ニコチンアミド、
N−{3−[4−(4−シアノ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−フェニル}−4−シクロヘキシル−ベンズアミド、
4−モルホリン−4−イル−N−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド、
[2−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(6−モルホリン−4−イル−イソキノリン−1−イル)−アミン、
N−[4−クロロ−3−(5−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
N−[4−メチル−3−(5−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、
N−(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンズアミド、
N−[2−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−6−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド、
3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2']ビピリジニル−5'−カルボン酸[2−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミド、
4−シクロヘキシル−N−[2−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−キノリン−5−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−アミン、
【0039】
N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−2−メトキシ−イソニコチンアミド、
2−クロロ−N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−6−メチル−イソニコチンアミド、
2,6−ジクロロ−N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−イソニコチンアミド、
N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−2−メトキシ−イソニコチンアミド、
6−クロロ−N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ニコチンアミド、
N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−6−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
2−クロロ−N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−6−メトキシ−イソニコチンアミド、
キノリン−3−カルボン酸[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミド、
N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ニコチンアミド、
N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−5−メトキシ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ベンズアミド、
N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−3,4−ジエトキシ−ベンズアミド、
N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−3−メトキシ−4−メチル−ベンズアミド、
4−クロロ−N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−3−メトキシ−ベンズアミド、
2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−カルボン酸[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミド、
N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−3−メトキシ−2−メチル−ベンズアミド、
N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−2,5−ジメトキシ−ベンズアミド、
N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−3,5−ジメトキシ−4−メチル−ベンズアミド、
6−メチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミド、
[4−クロロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[7−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−キノリン−4−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[8−メチル−2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−キノリン−5−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−キナゾリン−5−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−キナゾリン−5−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−キノキサリン−5−イル]−アミン、
[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−キノキサリン−5−イル]−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[3−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル]−アミン、
【0040】
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾオキサゾール−4−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−イル]−アミン、
[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾチアゾール−4−イル]−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、
[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾチアゾール−7−イル]−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[3−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾ[d]イソキサゾール−5−イル]−アミン、
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾオキサゾール−5−イル]−アミン、
[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−イル]−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−メトキシベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メチルベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2,3−ジメトキシベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−ヒドロキシニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−ヒドロキシ−6−メチルニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メトキシイソニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−メチルピコリンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−エトキシ−2−メチルベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ニコチンアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、
6−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、
【0041】
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−シアノニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メチルニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−ヒドロキシニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メトキシニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−5−メチルニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−5−フルオロニコチンアミド、
5−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−エトキシニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−エチル−3−メトキシベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メトキシニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−フルオロニコチンアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メチルニコチンアミド、
5,6−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メチルニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−エトキシイソニコチンアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、
6−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニルカルバモイル)ニコチン酸メチル、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−(2−シアノプロパン−2−イル)イソニコチンアミド、
2−tert−ブチル−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、
4'−シアノ−2−メチル−N−(6−チオモルホリノピリジン−3−イル)ビフェニル−3−カルボキサミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−フルオロイソニコチンアミド、
2−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、
3−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−フルオロベンズアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3,4−ジメトキシベンズアミド、
【0042】
3−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メチルイソニコチンアミド、
4−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、
2,5−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−(1H−テトラゾール−1−イル)イソニコチンアミド、
4−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、
2,6−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−メチルニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、
2−アセトアミド−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、
3−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メチルベンズアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メチルベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−(モルホリノメチル)ピリジン−2−アミン、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−ヒドロキシピコリンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−ヒドロキシピコリンアミド、
6−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メチルピコリンアミド、
5−ブチル−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、
4−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2,6−ジメトキシニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−フェノキシニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2,6−ジメトキシイソニコチンアミド、
6−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−フルオロイソニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−エトキシニコチンアミド、
【0043】
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)イソニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−イソプロポキシニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−プロポキシニコチンアミド、
2,3−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−ヒドロキシ−6−メチルイソニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−プロポキシイソニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、
5−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メトキシイソニコチンアミド、
3−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メトキシイソニコチンアミド、
3,5−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、
2,6−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(メチルスルホニル)ベンズアミド、
2,3−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−イソプロポキシ−2−メチルベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−イソプロポキシ−2−メチルベンズアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−イソプロポキシイソニコチンアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メトキシニコチンアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−エトキシベンズアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−イソプロポキシベンズアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−イソプロポキシニコチンアミド、
N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メトキシ−2−メチルニコチンアミド、
2,3−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(エチルスルホニル)ベンズアミド、
2−((2S,6R)−2,6−ジメチルモルホリノ)−N−(4−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)チアゾール−5−カルボキサミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(エチルスルホニル)ベンズアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(イソプロピルスルホニル)ベンズアミド、
2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(プロピルスルホニル)ベンズアミド、
および2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(メチルスルホンアミド)−ベンズアミドから選択される。
【0044】
従って、ヘッジホッグ、Ptc、またはスムーゼンドシグナル伝達活性の状況を干渉する式Iの化合物が、同様に、正常細胞および/またはパッチド機能喪失型表現型、ヘッジホッグ機能獲得型表現型、スムーゼンド機能獲得型表現型またはGli機能獲得型表現型を有する細胞における増殖(または他の生物学的結果)を阻害できることを意図する。それ故、ある態様において、これらの化合物は、例えば、ヘッジホッグ経路を活性化する遺伝変異を有しない、正常細胞におけるヘッジホッグ活性の阻害に有用であり得る。好ましい態様において、本化合物は、好ましくは特に標的細胞において、ヘッジホッグタンパク質の生物学的活性の少なくともいくつかを阻害できる。
【0045】
それ故に、本発明の方法は、ヘッジホッグシグナル伝達のPtc阻害を、例えば、スムーゼンド活性化または該シグナル経路の下流要素の阻害によりアゴナイズする式Iの化合物の、正常細胞、組織、および臓器、ならびにPtc機能喪失型、ヘッジホッグ機能獲得型、スムーゼンド機能獲得型またはGli機能獲得型の表現型を有するものを含む、広範囲の細胞、組織および臓器の修復および/または機能的性能の制御における使用を含む。例えば、対象の方法は、神経組織、骨および軟骨形成および修復の制御、精子形成の制御、平滑筋の制御、肺、肝臓および原腸由来の他の臓器の制御、造血機能の制御、皮膚および毛髪増殖の制御等の範囲の治療的および美容的適用を有する。さらに、対象の方法は、培養で提供された細胞(インビトロ)、または全動物における細胞(インビボ)で実施できる。
【0046】
他の態様において、対象の方法は、Ptc機能喪失型、ヘッジホッグ機能獲得型、スムーゼンド機能獲得型、Gli機能獲得型の表現型、またはヘッジホッグリガンド表現型の過剰発現を有する上皮性細胞の処理であり得る。例えば、対象の方法は、基底細胞癌腫または他のヘッジホッグ経路関連障害の処置または予防に使用できる。
【0047】
ある態様において、式Iの化合物は、スムーゼンドまたはその下流タンパク質に結合することにより、ヘッジホッグ経路の活性化を阻害できる。ある態様において、対象アンタゴニストは、パッチドへの結合により、ヘッジホッグ経路の活性化を阻害し得る。
【0048】
他の好ましい態様において、対象の方法は、悪性髄芽腫および他の原発性CNS悪性神経外胚葉性腫瘍の処置レジメンの一部として使用できる。
【0049】
他の局面において、本発明は、活性成分として、インビボで、Ptc機能喪失型、ヘッジホッグ機能獲得型、スムーゼンド機能獲得型またはGli機能獲得型の増殖または他の生物学的結果を阻害するのに十分量の式Iの化合物のようなヘッジホッグシグナル伝達モジュレーター、ここに記載のもののようなPtcアゴニスト、スムーゼンドアンタゴニスト、または下流ヘッジホッグ経路タンパク質アンタゴニストを含む、医薬製剤を提供する。
【0050】
式Iの化合物、パッチドアゴニスト、スムーゼンドアンタゴニスト、または下流ヘッジホッグ経路タンパク質アンタゴニストを使用する対象の処置は、ヒトおよび動物対象両方に有効であり得る。本発明を適用できる動物対象は、ペットとしてまたは商業的目的のいずれかとして育てられている家用動物および家畜に及ぶ。例は、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、およびヤギである。
【0051】
薬理学および有用性
本発明は、ヘッジホッグシグナル伝達経路の活性化を阻害するための、例えば、Ptc機能喪失型、ヘッジホッグ機能獲得型、スムーゼンド機能獲得型またはGli機能獲得型のような表現型に由来する異常増殖状態を阻害するための方法および化合物を利用可能とし、細胞と、式Iの化合物を、例えば異常増殖状態を逆転または制御するために、正常Ptc活性に拮抗する、正常ヘッジホッグ活性に拮抗する、スムーゼンド活性に拮抗する、またはGli活性に拮抗する量で接触させることを含む。
【0052】
シグナル伝達分子のヘッジホッグファミリーのメンバーは、脊椎動物発育中の多くの重要な短および長距離パターニング過程を仲介する。パターン形成は、胚細胞が分化組織の規則正しい空間配置を形成する活性である。高等生物の身体的複雑さは、細胞内因性分化系列および細胞外因性シグナル伝達の相互作用を介した胚形成中に起こる。誘導性相互作用は、ボディープランの初期の確立からの脊椎動物発育における胚パターニング、臓器系のパターニング、組織分化中の種々の細胞型の産生に必須である。発生細胞相互作用の影響は種々である:応答性細胞は、細胞分化の一つの経路を、応答性細胞の非誘導および誘導状態の両方で異なる細胞を誘導することにより、他の経路にそらす(誘導)。時々、細胞は、それらの近隣を自分自身のように分化するように誘導する(同種生成性誘導(homeogenetic induction));他の場合、細胞は、それらの近隣を自分と同様に分化することを阻止する。初期発育における細胞相互作用は、2種の細胞型間の最初の誘導が多様性の進行性の増幅を導くように、連続的であり得る。さらに、誘導性相互作用は胚だけでなく、成体細胞でも同様に起こり、形態形成パターンの確立および維持ならびに分化の誘導に作用できる。
【0053】
ヘッジホッグ遺伝子の脊椎動物ファミリーは、デザート(Dhh)、ソニック(Shh)およびインディアン(Ihh)ヘッジホッグとして知られる哺乳動物に存在する3種のメンバーを含み、これら全て分泌型タンパク質をコードする。これら種々のヘッジホッグタンパク質は、シグナルペプチド、高度に保存されたN末端領域、およびより多岐にわたるC末端ドメインを含む。生化学試験は、Hh前駆体タンパク質の自己タンパク分解性開裂が、内部チオエステル中間体を介して進行し、これは続いて求核性置換により開裂することを示す。求核試薬は小親油性分子であり、それがN−ペプチドのC末端と共有結合し、それを細胞表面につなぎ止める可能性がある。生物学的関連は深淵である。つなぎ止めた結果、N末端ヘッジホッグペプチドの非常に高い局所濃度が、ヘッジホッグ産生細胞の表面に生じる。短および長距離ヘッジホッグシグナル伝達活性に必須かつ十分であるのは、このN末端ペプチドである。
【0054】
不活性ヘッジホッグシグナル伝達経路は、膜貫通型タンパク質受容体パッチド(Ptc)が、7回膜貫通型タンパク質、スムーゼンド(Smo)の活性を阻害する場所である。Hhシグナル伝達の下流要素である転写因子Gliは、融合(Fused)および融合抑制因子(Supressor of Fused)(Sufu)を含む細胞質タンパク質との相互作用を介して核に入るのを阻止される。その結果、ヘッジホッグ標的遺伝子の転写活性化が抑制される。この経路の活性化は、3種の哺乳動物リガンド(Dhh、ShhまたはIhh)いずれかのPtcへの結合を介して開始する。リガンド結合はSmo抑制を反転させ、それにより、転写因子Gliの活性化形態の核への転座に至るカスケードを活性化する。核Gliは、PtcおよびGli自体を含む標的遺伝子発現を活性化する。
【0055】
ヘッジホッグシグナル伝達のレベルの増加は、癌形成の開始に十分であり、腫瘍生存に必要である。これらの癌は、前立腺癌(“Hedgehog signalling in prostate regeneration, neoplasia and metastasis”, Karhadkar SS, Bova GS, Abdallah N, Dhara S, Gardner D, Maitra A, Isaacs JT, Berman DM, Beachy PA., Nature. 2004 Oct 7;431(7009):707-12; “Inhibition of prostate cancer proliferation by interference with SONIC HEDGEHOG-GLI1 signaling”, Sanchez P, Hernandez AM, Stecca B, Kahler AJ, DeGueme AM, Barrett A, Beyna M, Datta MW, Datta S, Ruiz i Altaba A., Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 Aug 24;101(34):12561-6)、乳癌(“Hedgehog signaling pathway is a new therapeutic target for patients with breast cancer”, Kubo M, Nakamura M, Tasaki A, Yamanaka N, Nakashima H, Nomura M, Kuroki S, Katano M., Cancer Res. 2004 Sep 1;64(17):6071-4)、髄芽腫(“Medulloblastoma growth inhibition by hedgehog pathway blockade”, Berman DM, Karhadkar SS, Hallahan AR, Pritchard JI, Eberhart CG, Watkins DN, Chen JK, Cooper MK, Taipale J, Olson JM, Beachy PA., Science. 2002 Aug 30;297(5586):1559-61)、基底細胞癌腫(“Identification of a small molecule inhibitor of the hedgehog signaling pathway: effects on basal cell carcinoma-like lesions”, Williams JA, Guicherit OM, Zaharian BI, Xu Y, Chai L, Wichterle H, Kon C, Gatchalian C, Porter JA, Rubin LL, Wang FY., Proc Natl Acad Sci U S A. 2003 Apr 15;100(8):4616-21; “Activating Smoothened mutations in sporadic basal-cell carcinoma”, Xie J, Murone M, Luoh SM, Ryan A, Gu Q, Zhang C, Bonifas JM, Lam CW, Hynes M, Goddard A, Rosenthal A, Epstein EH Jr, de Sauvage FJ., Nature. 1998 Jan 1;391(6662):90-2)、膵臓癌(“Hedgehog is an early and late mediator of pancreatic cancer tumorigenesis”, Thayer SP, di Magliano MP, Heiser PW, Nielsen CM, Roberts DJ, Lauwers GY, Qi YP, Gysin S, Fernandez-del Castillo C, Yajnik V, Antoniu B, McMahon M, Warshaw AL, Hebrok M., Nature. 2003 Oct 23;425(6960):851-6; “Widespread requirement for Hedgehog ligand stimulation in growth of digestive tract tumours”, Berman DM, Karhadkar SS, Maitra A, Montes De Oca R, Gerstenblith MR, Briggs K, Parker AR, Shimada Y, Eshleman JR, Watkins DN, Beachy PA., Nature. 2003 Oct 23;425(6960):846-51)、および小細胞肺癌(“Hedgehog signalling within airway epithelial progenitors and in small-cell lung cancer”, Watkins DN, Berman DM, Burkholder SG, Wang B, Beachy PA, Baylin SB., Nature. 2003 Mar 20;422(6929):313-7)を含み、これに限定されない。
【0056】
ヘッジホッグ経路阻害剤(例えばシクロパミン)は、乾癬の処置に有用であることが示されている(Cyclopamine: inhibiting hedgehog in the treatment of psoriasis” Cutis, 2006, 78(3):185-8; Br. J. Dermatology, 2006 Apr;154(4):619-23, “Psoriatic skin expresses the transcription factor Gli1: possible contribution of decreased neurofibromin expression”, Endo H, Momota Y, Oikawa A, Shinkai H.)。
【0057】
悪性リンパ腫(ML)は、リンパ系の細胞を含み、米国で5番目に多い癌である。MLは、ホジキン病、および非ホジキン病を含み、これらはリンパ系増殖性疾患の異種性のグループである。ホジキン病は、全悪性リンパ腫の約14%を占める。非ホジキンリンパ腫は、主にB細胞起源の悪性腫瘍の多岐にわたるグループである。Working Formulation分類スキームにおいて、これらのリンパ腫は、自然経過の観点から、低悪性度、中悪性度、および高悪性度カテゴリーに分類されている(“The Non-Hodgkin's Lymphoma Pathologic Classification Project,” Cancer 49:2112-2135, 1982)。低悪性度リンパ腫は無活動であり、5〜10年間の中間生存期間を有する(Horning and Rosenberg, N. Engl. J. Med. 311:1471-1475, 1984)。化学療法が、無活動リンパ腫の大部分の寛解を誘発できるが、治癒は稀であり、ほとんどの患者が最終的に再発し、さらなる治療を必要とする。中悪性度および高悪性度リンパ腫は、より攻撃的な腫瘍であるが、それらは化学療法で治癒する大きな機会を有する。しかしながら、これらの患者の相当な割合が再発し、さらに処置を必要とする。
【0058】
多発性骨髄腫(MM)は、通常骨髄に見られるタイプの血漿細胞から成る悪性腫瘍である。これらの悪性血漿細胞は骨髄に蓄積され、典型的にモノクローナルIgGまたはIgA分子を生じる。悪性血漿細胞は骨髄に帰巣し、広がり、正常造血の損失により貧血および免疫抑制を引き起こす。多発性骨髄腫に罹患する個体は、しばしば貧血、溶骨性病変、腎不全、高カルシウム血症、および再発性細菌感染を経験する。MMは、2番目に一般的な造血悪性腫瘍である。
【0059】
本発明は、トランスジェニックEμ−MycマウスおよびCdkn2aノックアウトマウスから単離したリンパ腫および形質細胞腫細胞を使用した、リンパ腫および多発性骨髄腫疾患がヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達経路に依存しているとの本発明者らによる発見に、およびヘッジホッグリガンドが間質およびリンパ腫細胞の相互作用を仲介するとの発見に一部基づく。同様のことを、骨(多発性骨髄腫)または非ホジキンリンパ腫(NHL)患者のリンパ節、骨髄または脾臓からの患者サンプルから単離したリンパ腫および多発性骨髄腫サンプルおよびまた慢性リンパ性白血病(CLL)サンプルについても発見した。加えて、Hhシグナル伝達経路の阻害は、間質依存性リンパ腫細胞のアポトーシスを誘発し、そして、ヘッジホッグ経路メンバーの過剰発現は、インビトロでリンパ腫細胞のシクロパミン誘発アポトーシスを阻害することを発見した。さらに、本発明者らはマウスのヘッジホッグ経路阻害剤での処置が、インビボでリンパ腫を抑止することを発見した。最後に、本発明者らは、脾臓B細胞およびシクロパミン応答性リンパ腫の大多数においてGli3発現はないが、全シクロパミン耐性リンパ腫において優勢に発現されていることを発見した。
【0060】
これらのデータは、Hhシグナル伝達が、c−Mycによる形質転換の開始段階の重要な抗アポトーシスシグナルを提供し、リンパ腫維持に重要な役割を有することを示す。それ故に、Hhシグナル伝達経路の破壊は、リンパ腫(例えば、NHL)、多発性骨髄腫、CLLおよび他の造血器腫瘍の処置のための新規手段を提供する。加えて、リンパ腫でのGli3発現は、Hh阻害に対する応答の負の予測因子を提供し、患者層化の重要な手段である。
【0061】
これらの開示に従い、本発明は、腫瘍細胞、例えば、リンパ腫および骨髄腫細胞の増殖を阻害する方法を提供する。本発明は、腫瘍細胞の増殖を阻害することによる、対象におけるリンパ腫または骨髄腫を処置するための方法および組成物を提供する。本方法はまた対象における腫瘍形成の予防にも有用である。本方法のいくつかは、脾臓B細胞に比してGli3の顕著な発現を有しないリンパ腫の処置に関する。本方法は、処置を必要とする対象に、Hhシグナル伝達の拮抗剤(例えば、式Iの化合物)を含む医薬組成物を投与することを含む。本発明の化合物は、Hhシグナル伝達経路メンバーの細胞レベルを下方制御するか、または生物学的活性を阻害する。
【0062】
本発明は、リンパ腫、白血病、および骨髄腫を含む血液およびリンパ系の癌の予防的または治療的処置の方法を提供する。本方法は、リンパ腫細胞、白血病細胞、または骨髄腫細胞の成長および増殖を阻害するためにヘッジホッグシグナル伝達経路のアンタゴニストを用いる。リンパ腫は、Bリンパ球由来リンパ芽球の悪性腫瘍である。骨髄腫は、通常骨髄に見られるタイプの血漿細胞から成る悪性腫瘍である。白血病は、血液形成臓器が関与する急性または慢性疾患である。NHLは、身体組織中の白血球数の、循環している血液中の相当する増加を伴うまたは伴わない異常な増加により特徴付けられ、最も顕著に関与している白血球のタイプによって分類される。
【0063】
一例として、リンパ腫(例えば、例えば、B細胞リンパ腫、形質芽球腫(plasmoblastoma)、形質細胞腫またはCLL)を患う、またはその発症のリスクのある対象を、本発明の方法で処置できる。好ましくは、対象はヒトである。本方法は、該対象に、ヘッジホッグシグナル伝達経路を阻害するために有効量の式Iの化合物を含む、医薬組成物を投与することを必要とする。本対象は、転移がある、または無い、全ての疾患段階(例えば、ステージI〜IV、Ann Arbor Staging System)のリンパ腫と診断された対象であり得る。本発明の方法で処置するのに適当なリンパ腫は、ホジキン病および非ホジキン病を含み、これに限定されない。ホジキン病は、特定のリンパ節に起源を有し、後に脾臓、肝臓および骨髄に広がると考えられるリンパ組織のヒト悪性障害(リンパ腫)である。それはほとんど15〜35歳の個体において起こる。それは、進行性の、無痛のリンパ節、脾臓および全身リンパ組織の拡大により特徴付けられる。古典的ホジキン病は4つのサブタイプに分類される:(1)結節硬化型ホジキン病(NSHD);(2)混合細胞型ホジキン病(MCHD);(3)リンパ球涸渇ホジキン病(LDHD);および(4)富リンパ球古典的ホジキン病(cLRHD)。
【0064】
ある好ましい態様において、本方法は、非ホジキンリンパ腫(NHL)の処置に使用する。非ホジキン病はまたリンパ肉腫とも呼ばれ、ホジキン病と重要な点で異なるリンパ腫のグループを呼び、癌細胞の顕微鏡的見かけに従い分類される。非ホジキンリンパ腫は(1)遅延増殖型リンパ腫およびリンパ系白血病(例えば、慢性リンパ性白血病、小リンパ性白血病、リンパ形質細胞様リンパ腫、濾胞中心リンパ腫、小切れ込み核細胞型濾胞性、濾胞性混合細胞型、辺縁帯B細胞リンパ腫、ヘアリー細胞白血病、形質細胞腫、骨髄腫、大顆粒リンパ球白血病、菌状息肉腫、セザリー(szary)症候群);(2)中程度に攻撃性のリンパ腫およびリンパ系白血病(例えば、前リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞中心リンパ腫、小切れ込み核細胞型濾胞性、濾胞中心リンパ腫、慢性リンパ性白血病/前リンパ球性白血病、血管中心性リンパ腫、血管免疫芽細胞性リンパ腫);(3)攻撃的リンパ腫(例えば、大B細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、腸管T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫);および(4)非常に攻撃的なリンパ腫およびリンパ系白血病(例えば、B細胞前駆体B−リンパ性白血病/リンパ腫、バーキットリンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、バーキット様T細胞前駆Tリンパ性白血病/リンパ腫)。本発明の方法は、リンパ腫の成体および小児形態、ならびに全てのステージ、例えば、ステージI、II、III、またはIVのリンパ腫に使用できる。ここに記載の方法はまた他の形態の白血病、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)の処置に使用できる。
【0065】
本発明の治療方法のいくつかは、特に、Gli3を発現しないリンパ腫または骨髄腫に関する。下記の実施例に記載の通り、Gli1およびGli2は全リンパ腫で発現されたが、検出可能なGli3発現は、主にシクロパミンによるHh経路阻害に耐性であるリンパ腫に存在することが観察された。正常脾臓B細胞およびシクロパミン応答性リンパ腫の大部分にGli3発現はなかった。それ故に、Hhアンタゴニストでの処置前に、リンパ腫の対象を、該対象から得たリンパ腫細胞サンプルにおけるGli3発現について試験してよい。該サンプル中のGli3発現レベルを、該対象から得た正常脾臓B細胞のGli3発現レベルと比較し得る。リンパ腫または骨髄腫サンプルおよびコントロール細胞におけるGli3発現レベルを、例えば、以下の実施例に記載のような、当分野で既知の方法を使用して決定できる。ここに記載のHhアンタゴニストでの処置に対する応答の可能性を、リンパ腫または骨髄腫サンプルにおける検出可能なGli3発現の欠損、または正常B細胞におけるGli3発現レベルよりも顕著に高くない(例えば、25%、50%、または100%を超えて高くない)発現レベルにより示される。本発明の治療方法の付加的工程として以外に、Gli3発現の欠損の前スクリーニングは、患者層化の方法として独立して使用できる。
【0066】
リンパ腫に加えて、上記の方法および組成物は骨髄腫の処置にも適する。多発性骨髄腫は、血漿細胞のクローンの蓄積により特徴付けられ、しばしばIg鎖の分泌を伴う、致死的新生物である。この腫瘍による骨髄侵襲は貧血、低ガンマグロブリン症(hypogammaglobinemia)、および顆粒球減少症と付随する細菌感染と関連する。異常なサイトカイン環境、主としてIL−6およびIL−1βレベル上昇が、破骨(osteoclasis)をもたらし、骨痛、骨折、および高カルシウム血症に至る。積極的な化学療法および移植にも関わらず、多発性骨髄腫は、例外なく致死的な血漿増殖性障害である。
【0067】
前記によって、本発明は、さらに、処置を必要とする対象における上記の疾患または障害のいずれかの予防または処置方法をさらに提供し、該方法は、該対象に治療的有効量(下記“投与および医薬組成物”参照)の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。上記の使用のすべてについて、必要な投与量は、投与形式、処置すべき特定の状態および所望の効果により変わる。
【0068】
投与および医薬組成物:
一般に、本発明の化合物は、治療的有効量で、当分野で既知の一般的なおよび許容される方式で、単独で、または1個以上の治療剤と組み合わせて投与する。治療的有効量は疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、使用する化合物の有効性および他の因子によって広く代わり得る。一般に、満足いく結果が、約0.03〜2.5mg/kg体重の1日投与量で全身的に得られることが示される。大型哺乳動物、例えばヒトにおける指示される1日量は、約0.5mg〜約100mgの範囲であり、例えば1日4回までの分割量でまたは遅延形態で簡便に投与する。経口投与用の適当な単位投与形態は、約1〜50mg活性成分を含む。
【0069】
本発明の化合物は、医薬組成物として、任意の簡便な経路で、特に経腸的に、例えば、経口で、例えば、錠剤またはカプセル剤の形で、または非経腸的に、例えば、注射可能溶液または懸濁液の形で、局所的に、例えば、ローション剤、ゲル剤、軟膏またはクリーム剤の形で、または経鼻または坐薬形態で投与してよい。遊離形または薬学的に許容される塩形態の本発明の化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、混合、造粒またはコーティング法による慣用の手段で製造できる。例えば、経口組成物は、活性成分をa)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)平滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまたc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびまたはポリビニルピロリドン;望むならばd)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と共に含む、錠剤またはゼラチンカプセルであり得る。注射可能組成物は水性等張溶液または懸濁液であり得て、坐薬は脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造し得る。本組成物は滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩/または緩衝剤を含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値ある物質も含み得る。経皮適用のための適当な製剤は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。担体は、宿主の皮膚を介した通過を助けるための吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、所望により化合物を宿主の皮膚に制御されたおよび予定された速度で長時間にわたり送達するための速度制御バリア、および該デバイスを皮膚に固定するための手段を含むバンデージの形である。マトリックス経皮製剤も使用してよい。例えば、皮膚および眼への局所適用に適当な製剤は、好ましくは当分野で既知の水性溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。これらは可溶化剤、安定化剤、張性増加剤、緩衝剤および防腐剤を含んでよい。
【0070】
本発明の化合物は、治療的有効量で、放射線治療、骨髄移植またはホルモン治療のような他の治療と組み合わせて投与できる。
【0071】
本発明の化合物は、治療的有効量で1個以上の治療剤と組み合わせて投与できる(医薬組合せ剤)。例えば、相乗効果が免疫調節剤、抗炎症性物質、他の抗腫瘍治療剤、化学療法剤、アブレーションまたは他の治療ホルモン、リンパ腫または骨髄腫に有効な抗新生物剤および/またはモノクローナル抗体と共に起こり得る。既知の抗癌剤のいくつかが文献に、例えば、Cancer Therapeutics: Experimental and Clinical Agents, Teicher (Ed.), Humana Press (1st ed., 1997); and Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, Hardman et al. (Eds.), McGraw-Hill Professional (10th ed., 2001)に記載されている。適当な抗癌剤の例は、5−フルオロウラシル、硫酸ビンブラスチン、リン酸エストラムスチン、スラミンおよびストロンチウム−89を含む。適当な化学療法剤の例は、アスパラギナーゼ、硫酸ブレオマイシン、シスプラチン、シタラビン、リン酸フルダラビン、マイトマイシンおよびストレプトゾシンを含む。
【0072】
本発明の化合物を他の治療剤と組み合わせて投与するとき、併用投与する化合物の投与量は、もちろん、用いる併用剤のタイプ、用いる具体的医薬、処置する状態などにより変わる。
【0073】
本発明はまた、a)遊離形または薬学的に許容される塩形のここに記載の本発明の化合物である第一剤、およびb)少なくとも1個の併用剤を含む、医薬組合せ剤、例えばキットも提供する。本キットは、その投与のための指示書を含み得る。
【0074】
ここで使用する用語“併用投与”または“組合せ投与”等は、選択した複数治療剤の単一患者への投与を包含することを意図し、複数医薬を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与するものではないレジメンを含むことを意図する。
【0075】
ここで使用する用語“医薬組合せ剤”は、1個を超える活性成分の混合または組合せに由来する製品を意味し、複数活性成分の固定されたまたは固定されていない組合せ両方を含む。用語“固定された組合せ”は、複数活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤両方を、患者に、一つの物または投与量の形で同時に投与することを意味する。用語“固定されていない組合せ”は、複数活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤両方を、患者に、別々の物として、同時に、一緒にまたは具体的時間制限なしに連続して投与することを意味し、ここで、このような投与は、患者体内で2化合物の治療的有効レベルを提供する。後者はまたカクテル療法、例えば3個以上の活性成分の投与にも適用される。
【0076】
本発明の化合物の製造方法
本発明はまた本発明の化合物の製造方法も含む。記載の反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を、これらが最終産物において望まれるとき、それらの反応への望ましくない参加を避けるために保護する必要があるかもしれない。慣用の保護基を、標準的な技術に従い使用できる、例えば、T.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991参照。
【0077】
式Iの化合物を、以下の反応スキームにおける通りに進行して製造できる:
反応スキームI:
【化5】

反応スキームII
【化6】

【0078】
ここで、L、n、Y、Y、R、R、R、RおよびRは、発明の要約において式Iについて定義の通りである。反応スキームIにおいて、式Iの化合物を、式2の化合物と式3(または3’)の化合物を、適当な触媒(例えば、酢酸パラジウム等)およびリガンド(例えば、トリフェニルホスフィン等)の存在下または非存在下、適当な溶媒(例えば、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルミド等)中、約−20〜約180℃の範囲の温度で反応させることにより製造できる。本反応は完了まで約48時間かかり得る。反応スキームIIにおいて、式Iの化合物を、式4の化合物と式5の化合物を、塩基(例えば、トリエチルアミン等)の存在下、適当な溶媒(例えば、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルミド等)中、約−20〜約100℃の範囲の温度で反応させることにより製造できる。本反応は完了まで約48時間かかり得る。
【0079】
式Iの化合物の合成の詳細な例は、以下の実施例に見ることができる。
【0080】
本発明の化合物の製造のための付加的方法
本発明の化合物を、遊離塩基形態の本化合物と薬学的に許容される無機または有機酸を反応させることにより、薬学的に許容される酸付加塩として製造できる。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を、遊離酸形態の本化合物と薬学的に許容される無機または有機塩基の反応により製造できる。
【0081】
あるいは、本発明の化合物の塩形態を、出発物質または中間体の塩を使用して製造できる。
【0082】
遊離酸または遊離塩基形態の本発明の化合物を、対応する塩基付加塩または酸付加塩形態から各々製造できる。例えば酸付加塩形態の本発明の化合物を、対応する遊離塩基に適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウム等)での処理により変換できる。塩基付加塩形態の本発明の化合物を、対応する遊離酸に、適当な酸(例えば、塩酸等)での処理により変換できる。
【0083】
酸化されていない形態の本発明の化合物を、本発明の化合物のN−オキシドから、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、リチウムボロハイドライド、水素化ホウ素ナトリウム、リントリクロライド、トリブロマイド等)で、適当な不活性有機溶媒(例えばアセトニトリル、エタノール、水性ジオキサン等)中、0〜80℃で処理することにより製造できる。
【0084】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に既知の方法により製造できる(例えば、さらなる詳細についてはSaulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985を参照のこと)。例えば、適当なプロドラッグを、誘導体化されていない本発明の化合物と適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネート等)と反応させることにより製造できる。
【0085】
本発明の化合物の保護された誘導体は当業者に既知の手段により製造できる。保護基の創成およびその除去に適用できる技術の詳細な記載は、T. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見ることができる。
【0086】
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば、水和物)として簡便に製造でき、または本発明の方法中に形成される。本発明の化合物の水和物は、水性/有機溶媒混合物からの再結晶により、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を使用して簡便に製造できる。
【0087】
本発明の化合物は、それらの個々の立体異性体として、本化合物のラセミ混合物と、光学活性分割剤を反応させてジアステレオ異性化合物のペアを形成し、ジアステレオマーを分割し、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより製造できる。エナンチオマーの分割は本発明の化合物の共有結合性のジアステレオマー誘導体でも実施できるが、解離可能な複合体(例えば、結晶性ジアステレオマー塩)が好ましい。ジアステレオマーは異なる物理特性(例えば、融点、沸点、溶解性、反応性等)を有し、これらの差異を利用して容易に分割できる。ジアステレオマーは、クロマトグラフィーにより、または好ましくは、溶解性の差異に基づく分離/分割技術により分割できる。次いで、光学的に純粋なエナンチオマーを、ラセミ化をもたらさないであろう任意の実際的な手段により、分割剤と共に回収する。ラセミ混合物からの化合物の立体異性体の分割に適用できる技術のより詳細な記載は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981に見ることができる。
【0088】
要約すると、式Iの化合物は、以下を含む方法により製造できる:
(a) 反応スキームIおよびIIのもの;および
(b) 所望により本発明の化合物の薬学的に許容される塩への変換;
(c) 所望により塩形態の本発明の化合物の非塩形態への変換;
(d) 所望により酸化されていない形態の本発明の化合物の薬学的に許容されるN−オキシドへの変換;
(e) 所望によりN−オキシド形態の本発明の化合物のその酸化されていない形態への変換;
(f) 所望により本発明の化合物の個々の異性体の異性体混合物からの分割;
(g) 所望により誘導体化されていない本発明の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体への変換;および
(h) 所望により本発明の化合物のプロドラッグ誘導体の、その誘導体化されていない形態への変換。
【0089】
出発物質の製造が特に記載されていない限り、その化合物は既知であるか、または当分野で既知の方法に準じて、または以下の実施例に記載の通り製造できる。
【0090】
当業者は、上記の変換が本発明の化合物の製造方法の単なる代表であって、他の既知の方法を同様に使用できることを認識しよう。
【実施例】
【0091】
実施例
本発明を、本発明に従う式Iの化合物の製造を説明する以下の実施例によりさらに例示するが、これに限定しない。
【0092】
実施例1
R−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−イソキノリン−1−イル]−アミン
【化7】

【0093】
工程1。R−2−メチルモルホリンヒドロクロライド:
【化8】

N−ベンジルエタノールアミン(9.06g、60mmol)を(R)−(+)−プロピレンオキシド(6.96g、99%、120mmol)を密閉チューブ中で45℃で一晩撹拌する。過剰のプロピレンオキシドの真空での蒸発によりジオール残渣を得て、それを直接次工程に使用する。
【0094】
ジオールをジオキサン(60mL、無水)に溶解する。KOH(10.08g、180mmol、粉末)およびトリス(3,6−ジオキサヘプチル)アミン(200mg、0.62mmol)を添加し、混合物を0℃に冷却し、その後トシルクロライド(12.58g、66mmol、60mL 無水ジオキサン中)を滴下する。反応混合物を0℃で45分間撹拌し、その後それを室温に温め、さらに4時間撹拌する。反応混合物を濾過し(不溶性物質、KCl、KOH除去のため)、濾液を真空で蒸発させる。HCl(2N、200mL)を生成物に添加し、得られた酸性水性溶液を酢酸エチル(150mLx2)で洗浄し、溶液を0℃に冷却し、NaOH添加により中和する(pHをpH試験紙でモニター)。次いで生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相をNaSOで乾燥させ、次いで蒸発させる。残渣をクロマトグラフ(5〜20%酢酸エチルのDCM溶液)して、環化生成物を得る。
【0095】
以下の通り遊離塩基をHCl塩に変換し、再結晶する:上記で得られた遊離塩基をHCl(エーテル中2M、50mL)で処理し、蒸発させてHCl塩を得る。塩(6.0g)を酢酸エチル(120mL)と混合し、加熱還流する。EtOHを、全固体が溶解するまで注意深く滴下する。次いでそれを室温に冷却し、冷蔵庫に一晩静置する。得られた沈殿を濾過して、純粋生成物を得る。
【0096】
再結晶塩(1.35g、5.94mmole)のエタノール(30mL)溶液を、10%Pd/C(0.20g)で圧力(55psi)下、室温で一晩水素化する。混合物をセライトを通して濾過し(EtOHで洗浄)、濾液を蒸発させて、油状物を得る。エーテルの添加および続く蒸発により、R−2−メチルモルホリンヒドロクロライドを固体として得る。1H NMR 400 MHz(MeOD)δ 4.08-4.01(m, 1H), 3.90-3.78(m, 2H), 3.35-3.21(m, 2H), 3.17-3.06(m, 1H), 2.86-2.77(m, 1H), 1.22(d, J = 6.4 Hz, 3H)。
【0097】
工程2。4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニルアミン
【化9】

2−クロロ−5−ニトロ−ベンゾニトリル(913mg、5.00mmol)のMeOH(10ml)溶液を、粉末化ナトリウムメトキシド(135mg、2.50mmol)に室温で添加する。溶液を65℃で1日撹拌する。次いで、塩化アンモニウム(294mg、5.5mmol)を添加し、混合物をさらに1日還流する。混合物を室温に冷却し、溶媒を真空で除去して、粗2−クロロ−5−ニトロ−ベンズアミジンヒドロクロライドを得て、それをTHF(20ml)および水(2ml)に溶解する。この溶液を石英反応容器(20ml)に移し、2−ブロモアセトフェノン(800mg、4mmol)および炭酸水素カリウム(1.5g、15mmol)を添加する。次いで、反応容器をマイクロ波リアクター(Emrys optimizer)の空洞部に入れ、15分間、120℃で照射する。混合物を室温に冷却した後、溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc(50ml)に溶解する。有機溶液を水(30ml)および塩水(30ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮して、粗暗色油状物を得て、それをクロマトグラフ(EtOAc/DCM=1/50)して、2−(2−クロロ−5−ニトロ−フェニル)−5−フェニル−1H−イミダゾールを赤色固体として得る。
【0098】
2−(2−クロロ−5−ニトロ−フェニル)−5−フェニル−1H−イミダゾール(430mg、1.43mmol)および塩化錫(II)二水和物(1.15g、5.02mmol)のEtOH(15ml)中の混合物を3時間加熱還流する。混合物を室温に冷却し、溶媒を真空で除去する。得られた残渣を酢酸エチル(80ml)で処理し、1N NaOH溶液をpHが約12に上がるまで添加する。懸濁液を10分間撹拌し続け、次いでセライトケーキを通して濾過する。得られた溶液を濃縮して、4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニルアミンを、暗赤色泡状固体として得る。
【0099】
工程3。R−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−イソキノリン−1−イル]−アミン
【化10】

文献法[1]により製造した1−クロロ−6−ブロモ−イソキノリン(242mg、1.00mmol)、R−2−メチルモルホリンヒドロクロライド(138mg、1.00mmol)、Pd(dba)(18.3mg、0.02mmol)、キサントホス(34.7mg、0.06mmol)、およびt−BuONa(288mg、3.00mmol)の混合物を、真空に付し、アルゴンで再充填する。次いでトルエン(1.8mL)を添加し、混合物を100℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、それを直接シリカゲルカラムにのせ、クロマトグラフ(DCM:EtOAC=100:3)して、1−クロロ−6−(2−R−メチル−モルホリン−4−イル)−イソキノリンを油状物として得る。
【0100】
1−クロロ−6−(2−R−メチル−モルホリン−4−イル)−イソキノリン(26.3mg、0.1mmol)、4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニルアミン(27.0mg、0.1mmol)、Pd(dba)(9mg、0.01mmol)、キサントホス(17mg、0.03mmol)、およびKPO(64mg、0.3mmol)の混合物を真空に付し、アルゴンで再充填する。次いで1,4−ジオキサン(0.4mL)を添加し、混合物を撹拌下、96℃で一晩撹拌する。それを室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチル(30mL)および塩化アンモニウム飽和溶液(30mL)に再分配する。有機相を分離し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて、残渣を得て、それを逆相分取LC−MS(アセトニトリル/水/TFA勾配10−90%CHCNを7.5分間、Ultro 120 5uM C18Q、75x30mmID)に付す。回収した生成物のTFA塩の水/MeCN溶液を蒸発させて、アセトニトリルを除去する。NaHCOの飽和水性溶液を添加して、pHを8〜9に上げる。次いで酢酸エチルを使用して生成物を抽出し、有機相をNaSOで乾燥させる。溶媒の蒸発により、遊離塩基のR−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−イソキノリン−1−イル]−アミンを得る。1H NMR 400 MHz(MeOD)δ 8.19(d, J=9.2 Hz, 1H), 7.97-7.91(m, 1H), 7.79-7.71(m, 1H), 7.50(s, 1H), 7.44(d, J=8.8 Hz, 1H), 7.40-7.31(m, 1H), 7.26-7.18(m, 1H), 7.05-7.01(m, 1H), 4.03-3.97(m, 1H), 3.90-3.64(m, 4H), 2.92-2.81(m, 1H), 2.58-2.50(m, 1H), 1.24(d, J=6.0 Hz, 3H). LRMS m/z 496.3(MH+)。
【0101】
実施例2
R−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−キノリン−5−イル]−アミン
【化11】

工程1。5−ヨードキノリン(1.02g、4.00mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、0℃で3−クロロペルオキシ安息香酸(1.35g、最大77%、〜1.5当量)を添加し、混合物を反応が完了するまで撹拌する(LC−MSでモニター)。次いで混合物をDCM(100mL)およびNaCOの10%溶液(2x50mL)に分配する。有機相をさらにHCl(1N、50mL)で洗浄して、小量の未酸化キノリン誘導体を抽出し、NaSOで乾燥させる。
【0102】
工程2。得られたN−オキシドを無水DCM(15mL)に溶解し、次いでPOCl(920mg、1.5当量)を添加する。混合物を1時間還流し、室温に冷却し、その後それをNaCOの溶液(10%水性、80mL)に0℃で注ぐ。30分後、それをDCM(50mL)で乾燥させ、有機相を分離し、NaSOで乾燥させる。蒸発後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:ヘキサン=1:1)に付して、所望の生成物2−クロロ−5−ヨードキノリンを得る(異性体4−クロロ−ヨードキノリンが検出され、単離する)。
【0103】
工程3。次いで2−クロロ−5−ヨードキノリン(460mg、1.59mmol)をR−2−メチルモルホリンヒドロクロライド(262mg、1.90mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(328mg、2.54mmol)と共に溶媒としてのエチレングリコール(3.0mL)と共に118℃で一晩加熱する。反応混合物を酢酸エチル(60mL)および塩化アンモニウム飽和溶液(40mL)に分配する。有機相をさらに1回水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させる。蒸発により粗生成物(518mg、92%)を得て、それを直接次工程に使用した。
【0104】
工程4。5−ヨード−2−(2−R−メチル−モルホリン−4−イル)−キノリン(35.4mg、0.1mmol)、4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニルアミン(27.0mg、0.1mmol)、Pd(dba)(18mg、0.02mmol)、キサントホス(34mg、0.03mmol)、およびKPO(64mg、0.3mmol)の混合物を真空に付し、アルゴンで再充填する。次いで1,4−ジオキサン(0.4mL)を添加し、混合物を96℃で一晩撹拌下に加熱する。それを室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチル(30mL)および塩化アンモニウム飽和溶液(30mL)に再分配する。有機相を分離し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて残渣を得て、それを逆相分取LC−MS(アセトニトリル/水/TFA勾配10−70%CHCNを7.5分間、Ultro 120 5uM C18Q、75x30mmID)に付す。回収した生成物のTFA塩の水/MeCN溶液を蒸発させて、アセトニトリルを除去する。NaHCOの飽和水性溶液を添加して、pHを8〜9に上げる。次いで酢酸エチルを使用して生成物を抽出し、有機相をNaSOで乾燥させる。溶媒の蒸発により、遊離塩基のR−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−キノリン−5−イル]−アミンを得る。1H NMR 400 MHz(MeOD)δ 8.25(d, J=9.2 Hz, 1H), 7.75-7.70(m, 2H), 7.50-6.95(m, 11H), 4.38-4.33(m, 1H), 4.30-4.24(m, 1H), 4.04-3.96(m, 1H), 3.72-3.65(m, 2H), 3.07-2.98(m, 1H), 2.72-2.64(m, 1H), 1.25(d, J=6.0 Hz, 3H). LRMS m/z 496.3(MH+)。
【0105】
実施例3
R−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−アミン
【化12】

工程1。6−メチル−6H−[1,6]ナフチリジン−5−オン(文献[3]に従い製造、2.40g、15.0mmol)のDCM(50mL)溶液に、0℃で3−クロロペルオキシ安息香酸(5.50g、最大77%、〜1.6当量)を添加する。1時間、0℃で撹拌後、反応混合物を蒸発させ、残渣を短シリカゲルカラムに乾燥充填し、クロマトグラフ(DCM:メタノール(methonal)=100:6)して、6−メチル−1−オキシ−6H−[1,6]ナフチリジン−5−オンを得る。
【0106】
工程2。得られたN−オキシド(2.20g、12.5mmol)を、POCl(8.0mL)と共に、105−110℃で全N−オキシド固体が溶解するまで加熱する。次いでそれを60℃に冷却し、週末にわたりその温度に維持する。それを室温に冷却後、それをNaCO溶液(10%水性、700mL)に0℃で注ぐ。30分後、それをDCM(250mLx2)で抽出し、有機相を分離し、NaSOで乾燥させる。蒸発後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:メタノール=100:3)に付して、所望の2−クロロ−6−メチル−6H−[1,6]ナフチリジン−5−オンを得る。異性体4−クロロ−6−メチル−6H−[1,6]ナフチリジン−5−オンも得られる。
【0107】
工程3。次いで2−クロロ−6−メチル−6H−[1,6]ナフチリジン−5−オン(424mg、2.18mmol)をR−2−メチルモルホリンヒドロクロライド(316mg、2.30mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(664mg、2.5当量)および溶媒としてのエチレングリコール(2.0mL)と共に110℃で一晩加熱する。反応混合物を酢酸エチル(60mL)および塩化アンモニウム飽和溶液(40mL)に分配する。有機相をNaSOで乾燥させる。蒸発後得られた残渣をクロマトグラフ(DCM:メタノール=100:1)して、R−6−メチル−2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−6H−[1,6]ナフチリジン−5−オンを得る。
【0108】
工程4。R−6−メチル−2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−6H−[1,6]ナフチリジン−5−オン(172mg、0.66mmol)をPOCl(2.0mL)と共に、密閉チューブ中で165℃で18時間加熱し、その後それを室温に冷却し、NaCO溶液(10%、100mL)に0℃で注ぐ。30分後、それを酢酸エチル(40mLx2)で抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、蒸発に付して粗R−5−クロロ−2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−[1,6]−ナフチリジンを得て、それを次工程に直接使用する。
【0109】
工程5。R−5−クロロ−2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−[1,6]ナフチリジン(26.3mg、0.1mmol)、4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニルアミン(27.0mg、0.1mmol)、Pd(dba)(18mg、0.02mmol)、キサントホス34mg、0.03mmol)、およびKPO(64mg、0.3mmol)の混合物を真空に付し、アルゴンで再充填する。次いで1,4−ジオキサン(0.4mL)を添加し、混合物を、撹拌下、96℃で一晩加熱する。それを室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチル(30mL)および塩化アンモニウム飽和溶液(30mL)に再分配する。有機相を分離し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて、残渣を得て、それを逆相分取LC−MS(アセトニトリル/水/TFA勾配10−70%CHCNを7.5分間、Ultro 120 5uM C18Q、75x30mmID)に付す。回収した生成物のTFA塩の水/MeCN溶液を蒸発させて、アセトニトリルを除去する。NaHCOの飽和水性溶液を添加して、pHを8〜9に上げる。次いで酢酸エチルを使用して生成物を抽出し、有機相をNaSOで乾燥させる。溶媒の蒸発により、遊離塩基のR−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−アミンを得る。1H NMR 400 MHz(CDCl3)δ 8.14-8.00(m, 3H), 7.77-7.70(m, 3H), 7.42-7.34(m, 3H), 7.30-7.24(m, 2H), 7.21(d, J=8.8 Hz, 1H), 6.97(d, J=6.0 Hz, 1H), 6.76(d, J=9.2 Hz, 1H), 4.38-4.20(m, 2H), 4.03-3.98(m, 1H), 3.72-3.58(m, 2H), 3.15-3.04(m, 1H), 2.77-2.68(m, 1H), 1.27(d, J=6.0 Hz, 3H). LRMS m/z 497.2(MH+)。
【0110】
上記実施例に記載の方法を繰り返し、適当な出発物質を使用することにより、表1に同定する以下の式Iの化合物を得る。
【表1】

【表2】

【0111】
【表3】

【表4】

【0112】
【表5】

【表6】

【0113】
【表7】

【表8】

【0114】
【表9】

【表10】

【0115】
【表11】

【表12】

【0116】
【表13】

【表14】

【0117】
【表15】

【表16】

【0118】
【表17】

【表18】

【0119】
【表19】

【表20】

【0120】
【表21】

【表22】

【0121】
【表23】

【表24】

【0122】
【表25】

【表26】

【0123】
【表27】

【表28】

【0124】
【表29】

【表30】

【0125】
【表31】

【表32】

【0126】
本発明の化合物の分析のための一般的材料および方法は、PCT出願番号PCT/US2007/038171、“リンパ腫および骨髄腫の処置のための化合物および組成物”;DierksおよびWarmuthに記載されている。その出願の完全な記載は、引用により、その全体として、かつすべての目的に関して、本明細書に包含される。本発明の化合物を、ヘッジホッグシグナル伝達経路を阻害するそれらの能力についてアッセイする。
【0127】
Hh経路阻害についてのGli−Lucレポーターアッセイ
マウスTM3細胞(American Type Culture Collection, ATCC, Manassas, VAから得た)を、5%熱不活性化ウマ血清および2.5%FBS(Gibco/Invitrogen, Carlsbad, CA)、50単位/mL ペニシリンおよび50μg/mLのストレプトマイシン(Gibco/Invitrogen, Carlsbad, CA)を補ったDMEM/F12培地(Gibco/Invitrogen, Carlsbad, CA)中、37℃で空気中5%CO雰囲気下培養する。TM3細胞をpTA−8xGli−Lucレポータープラスミドでトランスフェクトした。TMHh−12と名付けた、安定にトランスフェクトされた細胞を選択した。TMHh−12クローンはShh−N刺激に対して良好な応答を示した。アンタゴニストのIC50を評価するために、8000個のTMHh−12細胞を、384ウェルプレートの各ウェルに、2%FBSを補った50%DMEM/F12培地中で播種した。12時間後、Hh経路を組み換えマウスShhタンパク質(E. coliで発現、8μg/mL)またはSmoアゴニストの添加により活性化する。試験化合物を、種々の濃度でプレートに添加する。48時間後、蛍ルシフェラーゼ活性をBright-GloTM Luciferase Assay System(Promega, Madison, WI)でアッセイする。IC50を、化合物の効果が発光シグナルを50%低下させたときに測定した。これらの化合物の毒性を、CellTiter Gloアッセイを使用してTM3細胞において、またはTM3−Luc細胞株(構成的ルシフェラーゼ発現ベクターで安定にトランスフェクトされたTM3細胞)により評価した。
【0128】
式Iの化合物は、好ましくは、500nM未満、より好ましくは200nM未満のEC50を有する。
【0129】
Hh経路の阻害は、インビボでリンパ腫拡大を無くす
間質産生ヘッジホッグリガンドは、インビトロ培養条件下で、原発性リンパ腫細胞の重要な増殖および生存因子である。リンパ腫細胞のインビボでの増殖および拡大もまたHhシグナル伝達に依存する。ルシフェラーゼを発現する1e6リンパ腫細胞を、同系C57BL/6マウスに注射した。注射2日後、マウスを媒体コントロールまたは本発明の化合物(50、25、10および5mg/kg/bid)いずれかで、10日間経口投与により処理した。ルシフェラーゼレベルを、週に3回の生物発光造影により測定した。注射10日後、コントロール群は、全ての注射したマウスのリンパ節および脾臓において高い発光を示した。本発明の化合物で50、25および10mg/kg/bidで処理したマウスは、コントロール群と比較して10%未満まで減少した発光シグナルを示した(T/Cが10%未満)。5mg/kg bid投与群は、40%からのT/Cの部分的応答を示した。それ故、我々は、ヘッジホッグ経路阻害はマウスにおけるリンパ腫増殖を阻害すると結論付ける。
【0130】
胚皮膚パンチアッセイ
本発明の化合物を、皮膚パンチアッセイを使用した、非黒色腫皮膚癌、すなわち基底細胞癌腫病巣を処置するそれらの能力について試験する。Ptch+/−−LacZマウスからのマウス胚を集め、妊娠後期(胚日17.5)に殺し、皮膚を摘出する。サーキュラー・パンチ(直径4mm)をコラーゲン被覆Transwell(BIOCOAT cell Culture Insert, Becton Dickinson Labware, Bedford, MA)に入れ、空気−液体界面で、表皮面を上にして培養する。培養培地は、上皮細胞増殖因子、インスリン、およびヒドロコルチゾンを添加した、DMEM/F12(3:1)中に5%FBSを含む。類基底ネスト(basaloid nest)形成を誘発するために、パンチを1−2μg/ml Shhの存在下、4日間以上増殖させる。本発明の化合物の効果を、Shh添加時またはShh前処理6日後に添加することにより試験する。本発明の化合物は、1μM以下の濃度で完全な阻害(病巣形成防止)を示す。
【0131】
式Iの化合物は、類基底形成の遮断について好ましくは500nM未満、より好ましくは200nM未満のEC50を有する。
【0132】
乾癬アッセイ
本発明の化合物を、Tas & Avci, Pharmacology and Treatment, Dermatology 2004; 209:126-131に記載のアッセイに従い、乾癬性皮膚病巣の処置に対する能力を試験する。
【0133】
ここに記載の実施例および態様は説明の目的のためのみであり、それに照らした種々の修飾または変化が当業者には示唆され、本発明および添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれることは理解されるべきである。ここに引用する全ての刊行物、特許および特許出願は、すべての目的に関して、本明細書に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

〔式中:
nは、0、1および2から選択され;
は、結合およびC(O)から選択され;
は、から選択され結合、C(O)およびS(O)
は、から選択され水素、ハロ、シアノ、C1−2アルキルおよびハロ−置換−C1−2アルキル;
は、から選択され水素、ハロ、シアノ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロ−置換−C1−3アルキル、ハロ−置換−C1−3アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C1−10ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルおよびフェノキシ;
ここで、Rの該アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはフェノキシは、所望により、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C1−10ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから独立して選択される1〜3個のラジカルで置換されていてよく;
ここで、Rの該アリール−アルキル置換基は、所望により、ハロ、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシおよびメチル−ピペラジニルから独立して選択される1〜3個のラジカルで置換されていてよく;
は、水素、ハロ、シアノ、C1−2アルキル、C1−3アルコキシおよびハロ−置換−C1−2アルキルから選択され;
は、水素、ハロ、シアノ、C1−2アルキル、C1−3アルコキシおよびハロ−置換−C1−2アルキルから選択され;
は、水素およびC1−3アルキルから選択され;
Lは:
【化2】

から選択される二価ラジカルであり、ここで、アスタリスクはYとRの結合点を示し;ここで、任意のLの二価ラジカルは、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルキル−カルボニル−アミノ、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシ−カルボニル、ハロ−置換−C1−4アルキル、C1−3アルキル−スルホニル、C1−3アルキル−スルホニル−アミノ、シアノ−置換−C1−4アルキルおよびハロ−置換−C1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個のラジカルでさらに置換されていてよい。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
nが、0および1から選択され;
が、結合およびC(O)から選択され;
が、結合、C(O)およびS(O)から選択され;
が、水素、ハロおよびC1−2アルキルから選択され;
が、水素、ハロ、シアノ、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロ−置換−C1−3アルキル、ハロ−置換−C1−3アルコキシ、C6−10アリール−C0−4アルキル、C1−10ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−12シクロアルキル−C0−4アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル−C0−4アルキルおよびフェノキシから選択され;
ここで、Rの該アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルまたはフェノキシが、所望により、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1〜3個のラジカルで置換されていてよく;
が、水素、ハロ、シアノ、C1−2アルキル、C1−3アルコキシ、ハロ−置換−C1−2アルキルおよび−NR6a6bから選択され;ここで、R6aおよびR6bが、独立して水素およびC1−4アルキルから選択され;
が、水素、ハロ、シアノ、C1−2アルキルおよびハロ−置換−C1−2アルキルから選択され;
が水素およびC1−3アルキル、から選択され;
Lが:
【化3】

から選択される二価ラジカルであり、ここで、アスタリスクがYとRの結合点を示し;ここで、任意のLの二価ラジカルが、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルキル、C1−3アルキル−スルホニル、C1−3アルキル−スルホニル−アミノ、C1−3アルキル−カルボニル−アミノ、C1−3アルコキシ、C1−3アルコキシ−カルボニル、ハロ−置換−C1−3アルキル、シアノ−置換−C1−3アルキルおよびハロ−置換−C1−3アルコキシから独立して選択される1〜3個のラジカルでさらに置換されていてよい、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが、0および1から選択され;Yが結合およびC(O)から選択され;Yが結合、C(O)およびS(O)から選択され;そしてRが水素、クロロおよびメチルから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が水素、ハロ、メチル、エチル、シアノ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、モルホリノ、モルホリノ−メチル、シクロヘキシル、チオモルホリノ、1H−テトラゾール−1−イル、ピペリジニルおよびアゼパン−1−イルから選択され;ここで、Rの該フェノキシ、モルホリノ、モルホリノ−メチル、シクロヘキシル、チオモルホリノ、1H−テトラゾール−1−イル、ピペリジニルまたはアゼパン−1−イルが、所望により1〜3個のメチルラジカルで置換されていてよく;ここで、該チオモルホリノの硫黄が0個、1個または2個の酸素原子に結合できる、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が水素、クロロ、フルオロ、シアノ、トリフルオロメチル、メトキシおよびジエチルアミノから選択され;Rが水素およびクロロから選択され;Rが水素およびメチルから選択され;そしてLが:
【化4】

から選択される二価基であり、ここで、アスタリスクがYとRの結合点を示し;ここで、任意のLの二価ラジカルが、ヒドロキシ、ブロモ、クロロ、フルオロ、メチル、エチル、シアノ、メチル−カルボニル−アミノ、ブチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロエトキシ、2−シアノプロパン−2−イル、トリフルオロメトキシ、メトキシ−カルボニル、プロポキシ、メチル−スルホニル、メチル−スルホニル−アミノ、エチル−スルホニル、プロピル−スルホニル、イソプロピル−スルホニル、イソプロポキシおよびエトキシから独立して選択される1〜3個のラジカルでさらに置換されていてよい、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−イソキノリン−1−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−キノリン−5−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[6−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−イソキノリン−1−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(6−モルホリン−4−イル−イソキノリン−1−イル)−アミン、N−[4−クロロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、N−[4−クロロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−4−シクロヘキシル−ベンズアミド、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(2−モルホリン−4−イル−キノリン−5−イル)−アミン、[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(6−ピペリジン−1−イル−イソキノリン−1−イル)−アミン、(6−アゼパン−1−イル−イソキノリン−1−イル)−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、N−[4−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、4−シクロヘキシル−N−[4−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、N−{3−[5−(4−クロロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(2−モルホリン−4−イル−[1,6]ナフチリジン−5−イル)−アミン、(6−アゼパン−1−イル−イソキノリン−1−イル)−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(7−モルホリン−4−イル−イソキノリン−1−イル)−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(6−ピペリジン−1−イル−イソキノリン−1−イル)−アミン、3,5−ジメトキシ−N−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、N−{3−[4−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、N−{4−クロロ−3−[4−(4−クロロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、(6−モルホリン−4−イル−イソキノリン−1−イル)−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、N−{3−[5−(4−フルオロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、(6−モルホリン−4−イル−イソキノリン−1−イル)−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、(2−モルホリン−4−イル−キノリン−5−イル)−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、6−モルホリン−4−イル−N−[3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ニコチンアミド、N−{3−[5−(3−クロロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、4−シクロヘキシル−N−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、4−モルホリン−4−イル−N−[3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、N−{3−[5−(2−クロロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、4−シクロヘキシル−N−{3−[4−(4−フルオロ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−フェニル}−ベンズアミド、N−{3−[5−(4−シアノ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル−フェニル}−3,5−ジメトキシ−ベンズアミド、6−アゼパン−1−イル−N−[3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ニコチンアミド、4−モルホリン−4−イル−N−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、N−{4−メチル−3−[5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−フェニル}−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−イソキノリン−1−イル−アミン、4−シクロヘキシル−N−{3−[4−(4−メトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−フェニル}−ベンズアミド、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2']ビピリジニル−5'−カルボン酸[3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミド、6−アゼパン−1−イル−N−[2−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ニコチンアミド、N−{3−[4−(4−シアノ−フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−フェニル}−4−シクロヘキシル−ベンズアミド、4−モルホリン−4−イル−N−[3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド、[2−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−(6−モルホリン−4−イル−イソキノリン−1−イル)−アミン、N−[4−クロロ−3−(5−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、N−[4−メチル−3−(5−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−4−モルホリン−4−イル−ベンズアミド、N−(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−3−イル)−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンズアミド、N−[2−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−6−モルホリン−4−イル−ニコチンアミド、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2']ビピリジニル−5'−カルボン酸[2−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミド、4−シクロヘキシル−N−[2−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ベンズアミド、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−キノリン−5−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−アミン、N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−2−メトキシ−イソニコチンアミド、2−クロロ−N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−6−メチル−イソニコチンアミド、2,6−ジクロロ−N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−イソニコチンアミド、N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−2−メトキシ−イソニコチンアミド、6−クロロ−N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ニコチンアミド、N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−6−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、2−クロロ−N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−6−メトキシ−イソニコチンアミド、キノリン−3−カルボン酸[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミド、N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−ニコチンアミド、N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−5−メトキシ−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ベンズアミド、N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−3,4−ジエトキシ−ベンズアミド、N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−3−メトキシ−4−メチル−ベンズアミド、4−クロロ−N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−3−メトキシ−ベンズアミド、2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−カルボン酸[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミド、N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−3−メトキシ−2−メチル−ベンズアミド、N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−2,5−ジメトキシ−ベンズアミド、N−[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−3,5−ジメトキシ−4−メチル−ベンズアミド、6−メチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミド、[4−クロロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[7−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−キノリン−4−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[8−メチル−2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−キノリン−5−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−キナゾリン−5−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−キナゾリン−5−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−キノキサリン−5−イル]−アミン、[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−キノキサリン−5−イル]−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[3−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[6−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾオキサゾール−4−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−イル]−アミン、[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾチアゾール−4−イル]−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾチアゾール−7−イル]−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニ
ル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[3−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾ[d]イソキサゾール−5−イル]−アミン、[4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−[2−(2−メチル−モルホリン−4−イル)−ベンゾオキサゾール−5−イル]−アミン、[2−(2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−4−イル]−[4−メチル−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−フェニル]−アミン、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−メトキシベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メチルベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2,3−ジメトキシベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−メトキシ−2−メチルベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−ヒドロキシニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−ヒドロキシ−6−メチルニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メトキシイソニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−メチルピコリンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−エトキシ−2−メチルベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ニコチンアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、6−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−シアノニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メチルニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−ヒドロキシニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メトキシニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−5−メチルニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−5−フルオロニコチンアミド、5−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−エトキシニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−エチル−3−メトキシベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メトキシニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−フルオロニコチンアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メチルニコチンアミド、5,6−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メチルニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−エトキシイソニコチンアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、6−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニルカルバモイル)ニコチン酸メチル、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−(2−シアノプロパン−2−イル)イソニコチンアミド、2−tert−ブチル−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、4'−シアノ−2−メチル−N−(6−チオモルホリノピリジン−3−イル)ビフェニル−3−カルボキサミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−フルオロイソニコチンアミド、2−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、3−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−フルオロベンズアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3,4−ジメトキシベンズアミド、3−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メチルイソニコチンアミド、4−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、2,5−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−(1H−テトラゾール−1−イル)イソニコチンアミド、4−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、2,6−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−メチルニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、2−アセトアミド−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、3−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メチルベンズアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メチルベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−(モルホリノメチル)ピリジン−2−アミン、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−ヒドロキシピコリンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−ヒドロキシピコリンアミド、6−ブロモ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メチルピコリンアミド、5−ブチル−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、4−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2,6−ジメトキシニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−フェノキシニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2,6−ジメトキシイソニコチンアミド、6−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ピコリンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−フルオロイソニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−エトキシニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)イソニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−イソプロポキシニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−プロポキシニコチンアミド、2,3−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−ヒドロキシ−6−メチルイソニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−プロポキシイソニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド、5−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メトキシイソニコチンアミド、3−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−メトキシイソニコチンアミド、3,5−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)イソニコチンアミド、2,6−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ニコチンアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(メチルスルホニル)ベンズアミド、2,3−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)ベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−イソプロポキシ−2−メチルベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−3−イソプロポキシ−2−メチルベンズアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−2−イソプロポキシイソニコチンアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メトキシニコチンアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−エトキシベンズアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−イソプロポキシベンズアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−イソプロポキシニコチンアミド、N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−6−メ
トキシ−2−メチルニコチンアミド、2,3−ジクロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(エチルスルホニル)ベンズアミド、2−((2S,6R)−2,6−ジメチルモルホリノ)−N−(4−メチル−3−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)チアゾール−5−カルボキサミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(エチルスルホニル)ベンズアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(イソプロピルスルホニル)ベンズアミド、2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(プロピルスルホニル)ベンズアミド、および2−クロロ−N−(4−クロロ−3−(5−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−4−(メチルスルホンアミド)ベンズアミドから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
細胞と請求項1に記載の化合物を接触させることを含む、該細胞におけるヘッジホッグ経路を阻害する方法。
【請求項8】
細胞がPtc機能喪失型、ヘッジホッグ機能獲得型、スムーゼンド機能獲得型、Gli機能獲得型またはヘッジホッグリガンドの過剰発現の表現型を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
細胞をヘッジホッグアンタゴニストとインビボまたはインビトロで接触させる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
化合物を、動物に治療的適用の一部として投与する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
治療的適用が非黒色腫皮膚癌、骨髄腫、リンパ腫、乾癬、膵臓癌、前立腺癌、髄芽腫、基底細胞癌腫および小細胞肺癌から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
細胞と請求項1に記載の化合物を接触させることを含む、該細胞の望まない増殖を阻害する方法。
【請求項13】
細胞が非黒色腫皮膚癌、骨髄腫、リンパ腫、乾癬、膵臓癌、前立腺癌、髄芽腫、基底細胞癌腫および小細胞肺癌から選択される、請求項12に記載の方法。

【公表番号】特表2009−544730(P2009−544730A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521969(P2009−521969)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/074268
【国際公開番号】WO2008/014291
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】