説明

ヘッドスキューの補償を伴うマルチトラック記録のためのパターン化磁気記録ディスクと、同ディスクをナノインプリントするためのマスタテンプレート

【課題】ヘッドスキューの補償を伴うマルチトラック記録のためのパターン化磁気記録ディスクと、同ディスクをナノインプリントするためのマスタテンプレートとを提供する。
【解決手段】本発明は、マスタテンプレートからナノインプリントすることにより作製され、ヘッドスキューを補償するためのパターンで配置されたデータアイランドを有するマルチトラック記録用パターン化メディアディスクである。アイランドは、マルチトラック記録に必要なように、ディスク半径方向線に対して鋭角だけ傾斜された線に沿って配置される。但し、この角度はすべての帯に対して同じでないが、ヘッドスキューを補償するために帯毎に変化する。傾斜された帯内の線の角度はヘッドスキューの量だけ減じられる。角度が放射状線からの一方向であるディスク内径(ID)と中径(MD)間の複数の帯と、角度が放射状線から反対方向であるディスクMDと外径(OD)間の複数の帯とが、存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、各データビットがディスク上の磁気的に絶縁されたデータアイランド内に格納されるパターン化メディア磁気記録ディスク(patterned−media magnetic recording disk)に関し、より具体的にはマルチトラック記録のためのパターン化メディアディスク(patterned−media disk)関する。
【背景技術】
【0002】
パターン化磁気記憶メディア(patterned magnetic recording media)を有する磁気記録ハードディスク駆動装置はデータ密度を増加するために提案された。パターン化メディアでは、ディスク上の磁気記録層は、非磁性スペースにより分離され同心データトラック内に配置された小さな離散的磁気データアイランドにパターン化される。パターン化データアイランド同士の必要な磁気絶縁を得るためには、アイランド間のスペースの磁気モーメントはこれらのスペースを実質的に非磁性にするように消失されるかあるいは大幅に低減されなければならない。
【0003】
パターン化メディアディスクを作製するための1つの提案方法は、地形的表面パターンを有するディスクまたはテンプレート(時には「スタンパ」とも呼ばれる)によりナノインプリントすることによる。この方法では、その表面上に重合体膜を有する磁気記録ディスク基板がテンプレートに押し付けられる。重合体膜は、テンプレートパターンの反転像を受け取り、ディスク上に柱を形成するためのディスク基板の後続のエッチング用のマスクになる。1つのタイプのパターン化メディアでは、磁気記録ディスクに必要な磁性体層と他の層が最初に、平らなディスク基板上に堆積される。次に、ナノインプリンティングに関連して使用される重合体膜が、これらの層の上に押し付けられる。重合体膜は、成形型パターンの反転像を受け取り、下地層を後続の切削、エッチング、またはイオン衝撃するためのマスクになる。別のタイプのパターン化メディアでは、磁気記録ディスクに必要な磁性体層と他の層はエッチング済みディスク基板上と柱の上部に堆積され、パターン化メディアディスクを形成する。テンプレートは、ディスクを直接インプリントするためのマスタテンプレートであってもよい。しかしながら、より可能性の高い手法は、ディスクに望まれる柱のパターンに対応する柱のパターンを有するマスタテンプレートを作製し、このマスタテンプレートを使用してレプリカテンプレートを作製することである。したがってレプリカテンプレートはマスタテンプレート上の柱のパターンに対応する凹部または穴のパターンを有することになる。レプリカテンプレートは次に、ディスクを直接インプリントするために使用される。
【0004】
提案されたパターン化ディスクでは、データアイランドは、半径またはトラック間方向に均等に離間されたデータトラックの単一データトラックに沿って均等に離間される。読み取り書き込みヘッドは、単一トラック上のデータアイランドを読み取り書き込むので、データアイランドの大きさは通常、ヘッドの横方向またはトラック間方向の幅にほぼ合致するように作られる。データアイランドはビットアスペクト比(BAR:bit aspect ratio)を定義するように離間される。BARは、半径またはトラック間方向のトラック間隔(TS:track spacing)またはピッチと、円周方向またはトラックに沿う方向のアイランド間隔(IS:island spacing)またはピッチと、の比である。この比は、トラックに沿う方向のインチ当たりビット(BPI:bits per inch)の線形アイランド密度と、トラック間方向のインチ当たりのトラック(TPI:tracks per inch)のトラック密度との比と同じである。アイランドを作製するための分解能要件を最少化するためには、アイランドのアレイが低いBAR(約1)を有することが好ましい。しかしながらこの低いBARを有するデータアイランドを有する極めて狭いトラックに対し適切な性能を有する読み取り/書き込みヘッドを作製するのは困難である。また、単一データトラックがあまりに接近して配置されると、書き込み中のトラックに隣接するトラック内のアイランドはまた、書き込みヘッドからの漏れ磁場により書き込まれることがあり、また読み取り中のデータトラックからのリードバック信号が隣接トラック内に記録されたデータから干渉を受けることがある。
【0005】
これらの問題に対処するために、マルチトラック記録用パターン化メディアディスク駆動装置が提案された。これによりヘッドをより広くすることができ、ヘッドの作製が容易になり、また駆動装置が一度に2つのトラックを読み取り書き込むことができるようになり、これによりデータ速度を2倍にし、従来のディスク駆動装置に近い性能を得る。2トラック記録ディスク駆動装置に関し、各トラック内のアイランドは、隣接トラック内のアイランドからアイランド間隔(IS)の1/2だけトラックに沿う方向にシフトされる。読み取り書き込みヘッドは、書き込みまたは読み取り中のペアトラックの向こう側のトラックからの過剰な干渉無しに一度に2つのトラックを書き込み読み取ることができるように横方向またはトラック間方向の幅を有する。ヘッドは、トラックのそれぞれからアイランドを連続して交互に読み取るまたは書き込むことにより2つのトラック内のすべてのデータアイランドを読み取るまたは書き込む。このタイプのパターン化メディアマルチトラック記録ディスク駆動装置は(特許文献1)と(特許文献2)に記載されている。
【0006】
マルチトラック記録のために提案されたパターン化メディアディスクは、六方最密充填(hcp:hexagonal−close−packed)パターンで配置された円形のアイランドを有する。これにより0.87の低いARが得られ、リソグラフィと作製の容易性のために好ましい。しかしながら低いBARは、読み取り書き込みヘッドの作製を困難にする極めて狭いトラックピッチまたは間隔(TS)をもたらす。低いBARはまた、極めて狭いトラックのためにトラック追随サーボ系に負荷をかけ、比較的低い線形(トラックに沿う)ビット密度のためにデータ速度を低下させる。マルチトラック記録に伴う(特にhcpパターン内の円形アイランドに伴う)さらなる問題がヘッド「スキュー」のために生じる。読み取りヘッドは回転アクチュエータの先端に固定されるので、読み取りヘッドはトラックに対し常に直交であるとは限らないが、ディスク全体にわたる弧状経路内で移動するので読み取りヘッドはトラックと角度をなす。これにより、読み取りヘッドは、マルチトラック記録に必要なように、交互にというよりむしろ同時に隣接トラックからアイランドを読み取ることができるようになる。
【0007】
必要なのは、マルチトラック記録に関連する問題に対処するデータアイランドパターンを有するマルチトラック記録のためのパターン化メディアディスクである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,937,421号明細書
【特許文献2】米国特許第7,782,561号明細書
【特許文献3】米国特許第7,466,506 B1号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0308837 A1号明細書
【特許文献5】米国特許第7,758,981 B2号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、マスタテンプレートからナノインプリントすることにより作製されるマルチトラック記録のためのパターン化メディアディスクに関する。ディスクは、アイランドが基板に対し垂直に磁化可能であるように垂直磁気記録ディスクが好ましい。アイランドは0.87より大きなBAR(hcpアイランドパターンのBAR)を有するように配置され、マルチトラック記録に必要なように、ディスク半径方向線に対し鋭角だけ傾斜された線に沿って配置される。但し、この角度はすべての帯に対して同じではなく、ヘッドスキューを補償するために帯毎に変化する。帯内の傾斜線の角度はヘッドスキューの量だけ減じられる。これによりトラック内のアイランドを若干の追加量だけシフトさせ、1つのトラックおよびその隣接トラック内のアイランドの相対位置を、2つのトラックが読み取り素子に対し逆相となるように改善し、これにより読み取りヘッドが、マルチトラック記録に必要なように、連続的に交互に2つのトラック内のアイランドからの磁束の上を通過し感知できるようにする。ヘッドスキューはディスク半径に応じて変化するので、ディスクの中央径(MD:mid−diameter)近く(通常はディスクの中部3分の1以内)にヘッドスキューが零である点が存在する。したがって角度が放射状線からの一方向であるディスク内径(ID:inside−diameter)とMD間に複数の帯が、そして角度が放射状線から反対方向であるディスクMDと外径(OD:outside−diameter)間に複数の帯が、存在する。
【0010】
上述のアイランドパターンを有するパターン化メディアディスクはマスタテンプレートからナノインプリントすることにより作製される。マスタテンプレートは、ディスクを直接ナノインプリントするために使用されてもよいが、むしろレプリカテンプレートを作製するために使用され、このレプリカテンプレートが次にディスクを直接ナノインプリントするために使用される可能性が高い。したがって本発明はまた、上述のアイランドのパターンを有するパターン化メディアディスクをナノインプリントするためのマスタまたはレプリカのテンプレートである。
【0011】
本発明の性質と利点をより十分に理解するためには、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術において説明したようなパターン化メディアタイプの磁気記録ディスクを有するディスクドライブの上面図である。
【図2A】ディスク基板の表面上の帯の1つの中のデータアイランドの詳細な配置を示すパターン化メディアタイプの磁気記録ディスクの拡大部分の上面図である。
【図2B】図2Aのパターンと異なるデータアイランドのパターンを示すパターン化メディアタイプの磁気記録ディスクの拡大部分の上面図である。
【図3】柱間に溝を有するディスク基板表面の上に延在する隆起かつ離間された柱としてのデータアイランドを示す1つのタイプのパターン化メディアディスクの側面断面図である。
【図4】ディスク内径(ID)とディスク外径(OD)近くのヘッドスキューを示すための誇張図である。
【図5A】ヘッドスキューの補償の無い2のビットアスペクト比(BAR)を有する本発明によるマルチトラック記録のためのパターン化メディアディスクの一部分を示す。
【図5B】2のBARを有しかつヘッドスキューの補償が有る本発明によるマルチトラック記録のためのパターン化メディアディスクの半径方向内側の帯と半径方向外側の帯の一部分を示す。
【図6A】マスタテンプレートを作製する従来技術の方法の連続的段階におけるマスタテンプレートの一環状帯の小部分の図である。
【図6B】マスタテンプレートを作製する従来技術の方法の連続的段階におけるマスタテンプレートの一環状帯の小部分の図である。
【図6C】マスタテンプレートを作製する従来技術の方法の連続的段階におけるマスタテンプレートの一環状帯の小部分の図である。
【図7A】本発明によるアイランドパターンを有する磁気記録ディスクをナノインプリントするために使用されるマスタテンプレートを作製する方法の連続的段階におけるマスタテンプレートの一環状帯の小部分の図である。
【図7B】本発明によるアイランドパターンを有する磁気記録ディスクをナノインプリントするために使用されるマスタテンプレートを作製する方法の連続的段階におけるマスタテンプレートの一環状帯の小部分の図である。
【図7C】本発明によるアイランドパターンを有する磁気記録ディスクをナノインプリントするために使用されるマスタテンプレートを作製する方法の連続的段階におけるマスタテンプレートの一環状帯の小部分の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、従来技術において説明したようなパターン化磁気記録ディスク10を有するディスク駆動装置100の上面図である。駆動装置100は、アクチュエータ130を支持する筐体または基部112と、磁気記録ディスク10をその中心13の周りで回転させるための駆動モータと、を有する。アクチュエータ130は、硬質アーム134を有し、矢印124により示すようにピボット132を中心として回転するボイスコイルモータ(VCM)回転アクチュエータであってよい。ヘッドサスペンションアセンブリは、アクチュエータアーム134の端に取り付けられた一端を有するサスペンション121と、サスペンション121の他端に取り付けられた空気軸受スライダなどのヘッドキャリヤ122と、を含む。サスペンション121は、ヘッドキャリヤ122をディスク10の表面の極近くに維持できるようにする。磁気抵抗読み取りヘッド(図示せず)と誘導性書き込みヘッド(図示せず)は通常、当該技術領域でよく知られているように、ヘッドキャリヤ122の後続表面(trailing surface)上にパターン化された読み取り/書き込み一体化ヘッドとして形成される。アクチュエータ130はピボット132を中心として回転するので、ヘッドキャリヤ122と取り付けられた読み取り/書き込みヘッドとはディスク10の表面全体にわたる弧状経路133を作る。
【0014】
パターン化メディア磁気記録ディスク10は、ディスク基板11と、ディスク基板11上の磁化可能材料の離散データアイランド30と、を含む。データアイランド30はデータ格納用離散磁気ビットとして機能し、半径方向に離間された円形トラック118内に配置され、トラック118は環状帯119a、119b、119cにグループ化される。データトラックの環状帯へのグループ分けにより帯状記録を可能にする。データアイランドの角度間隔としたがってデータ速度は各帯で異なる。図1では、いくつかのアイランド30と代表的トラック118だけが内側帯119aと外側帯119c内に示される。ディスク10が矢印20の方向にその中心13の周りを回転するので、アクチュエータ130の移動により、ヘッドキャリヤ122の後端部上の読み取り/書き込みヘッドがディスク10上の異なるデータトラック118にアクセスできるようになる。
【0015】
図2Aは、従来技術によるディスク基板11の表面上の帯の1つの中のデータアイランド30の詳細な配置を示すディスク10の拡大部分の上面図である。アイランド30は円状に成形されて示されているが、ほぼ長方形またはほぼ楕円などの他の形状を有してもよい。アイランド30は、磁化可能記録材料を含み、トラック118a〜118eにより示されるように半径またはトラック間方向に離間されたトラック内に配置される。トラックは通常、固定のトラックピッチまたは間隔TSにより均等に離間される。各トラック118a−118e内では、典型的なアイランド30a、30bにより示されるように、アイランド30は固定のトラック沿いのアイランドピッチまたは間隔ISにより均等に離間される。ここでISは、トラック内の2つの隣接アイランドの中心間の間隔である。図2Aでは、ISとTSは等しいものとして描写されるのでBARは1である。アイランド30はまた、ディスク中心13(図1)から延在する放射状線129a、129b、129cにより示されるようにほぼ放射状の線内に配置される。図2Aはデータアイランドのいくつかだけを有するディスク基板11の非常に小さい部分だけを示すので、アイランド30のパターンは2組の垂直線であるように見える。しかしながらトラック118a〜118eはディスク10の中心13を中心とした同心リングであり、線129a、129b、129cは平行線ではなくディスク10の中心13から延在する放射状線である。したがって半径方向の内側トラック(トラック118eのような)内の線129a、129b内の隣接アイランドのディスクの中心13から測定される隣接アイランド間の角度間隔は、半径方向の外側トラック(トラック118aのような)内の線129a、129b内の隣接アイランドの角度間隔と同じである。
【0016】
放射状線(線129a、129b、129cのような)は、完全に直線の放射状線であってもよいが、回転アクチュエータ130上の読み取り/書き込みヘッドの弧状経路133を複製する弓形または弧状の放射状線であることが好ましい。このような弧状の放射状線は、ヘッドがデータトラックを横切って掃引するのでデータアイランドの一定な位相位置を提供する。読み取りヘッドと書き込みヘッド間に非常に小さな半径方向オフセットがあり、したがってトラック上の書き込みに使用される同期フィールドは実際には異なるトラックから読み取られる。2つのトラック間のアイランドが一致すれば(これは放射状線が弧状である場合)、書き込みは著しく単純化される。
【0017】
図2Bに、マルチトラック記録のためのデータアイランド30のパターンを有するディスク10の拡大部分を示す。各トラック118a’〜118e’内では、アイランド30は、典型的なアイランド30aと30bにより示されるように、固定のトラックに沿うアイランド間隔ISにより均等に離間される、ここでISは、トラック内の2つの隣接アイランドの中心間の間隔である。しかしながら各トラック内のアイランドは、隣接トラック内のアイランドからアイランド間隔の1/2(IS/2)だけトラックに沿う方向にシフトされる。例えば、トラック118b’内のアイランドは、隣接トラック118a’と118c’内のアイランドから距離IS/2だけシフトされる。その結果、アイランド30はまた、線129a’、129b’、129c’により示されるように、純粋に半径方向ではなくほぼ半径方向である放射状線で配置される。線129a’、129b’、129c’は純粋に放射状の線135と鋭角θをなす。線129a’、129b’、129c’は平行線ではなく一定の角度間隔を有する線である、すなわち半径方向の内側トラック(トラック118e’のような)内の線129a’と129b’における隣接ビットのディスクの中心13から測定される角度間隔は、半径方向の外側トラック(トラック118a’のような)内の線129a’と129b’における隣接ビットの角度間隔と同じである。
【0018】
図2Bはまた、トラック118b’、118c’の上に位置合わせされたマルチトラックヘッド素子60(読み取りヘッドまたは書き込みヘッドのいずれかを表してよい)を示す。ヘッド素子60は、書き込み中または読み取り中のトラックに隣接するトラックからの過度の干渉の無い書き込みと読み取りを可能にする横方向またはトラック間方向の幅を有する。したがってヘッド素子60のトラック間方向の幅は、2TP未満であり、通常、書き込みヘッドでは約0.75×(2TP)、読み取りヘッドでは約0.60×(2TP)である。ヘッド素子60は、2つのトラックのそれぞれからアイランドを連続して交互に読み取ることまたは書き込むことにより両方のトラック118b’、118c’内のすべてのデータアイランドを読み取るかまたは書き込む。素子60が読み取りヘッドである場合、ディスクは矢印20の方向に回転し、トラック118b’、118c’内の帯磁データアイランドはヘッド素子60を通過し、個々のアイランドの磁化方向に依存して特定のリードバック信号を生成することになる。しかしながら隣接トラック118a’、118c’内のアイランドは、トラック118b’内のアイランドから距離IS/2だけトラックに沿う方向にシフトされ、トラック118b’、118c’からのリードバック信号は互いに逆相になる。
【0019】
図2Aのパターンに関して上に説明したのと同じ理由のために、図2Bのパターンにおいてはアイランドを有し弧状線で配置されることが望ましいかもしれない。しかしながらこの場合、交互トラック内のアイランドは半径方向に弧状線を形成する。したがって交互列118a’、118c’、118e’内のアイランドと交差する線135は、回転アクチュエータがトラック全体にわたってヘッドを移動させるので読み取り/書き込みヘッドの経路133を複製する所望の弧状形状を有するだろう。したがって線129a’、129b’、129c’は完全には直線にはならないが、所望の弧状線を形成する交互トラック内のアイランドとなる形状を有するだろう。
【0020】
図2Bに描写されたものと同様なパターン化メディアは、マスタディスクまたはテンプレートからナノインプリントすることにより作製されてもよい。マスタテンプレートからナノインプリントすることにより作製される1つのタイプのパターン化メディアでは、磁気記録ディスクに必要とされる磁性体層および他の層が最初に、平らなディスク基板上に堆積される。次に、ナノインプリンティングに関連して使用される重合体膜が、これらの層の上に押し付けられる。重合体膜は、テンプレートパターンの反転像を受け取り、下地層を後続の切削、エッチング、またはイオン衝撃するためのマスクになる。ナノインプリントにより作製される別のタイプのパターン化メディアでは、データアイランドは、柱間の基板表面上に谷(trough)または溝(trench)を画定するようにディスク基板表面の上に延在する隆起および離間された柱である。このタイプのパターン化メディアを図3の断面図に示す。このタイプのパターン化メディアでは、基板11は、柱31と溝または柱間領域とのパターンをナノインプリントおよびエッチングすることにより作製される。磁気記録層材料は垂直記録材料が好ましい。磁気記録層材料は、プリエッチされた基板の全表面上に堆積されて柱31の両端と柱31間の溝の両方を覆い、磁気記録層材料のデータアイランド30と磁気記録層材料の溝32を生成する。記録層材料の溝32は、アイランド30内の記録層材料に対する読み取りまたは書き込みに悪影響を及ぼさないように読み取り/書き込みヘッドから十分に遠くに離間されてもよいし、あるいは、溝はSiのような材料で「無力化(poisoning)」することにより非磁性にされてもよい。
【0021】
図2Bのマルチトラック記録の例のアイランドは六方最密充填(hcp)パターンで配置された円形のアイランドであり、2つのトラック内の3つの最近接アイランドの中心は正三角形を形成する。これにより、アイランドは、放射状線135から角度θ=30°だけ傾斜され、0.87のBARを有する線129a’、129b’、129c’に配置されることになる。この30°の角度は、ディスク全体にわたるhcpアイランドパターンを保証するためにすべての帯に関し固定される。hcpパターンと0.87の低いBARを有する円形のアイランドはリソグラフィと作製の容易性のために好ましい。しかしながら低いBARは、読み取り書き込みヘッドの作製を困難にする極めて狭いトラックピッチまたは間隔(TS)をもたらす。低いBARはまた、極めて狭いトラックのためにトラック追随サーボ系に負荷をかけ、比較的低い線形(トラックに沿う)ビット密度のためにデータ速度を低下させる。
【0022】
マルチトラック記録に伴う(特にhcpパターン内の円形アイランドに伴う)さらなる問題がヘッド「スキュー」のために生じる。読み取りヘッドまたは素子は回転アクチュエータの先端に固定されるので、弧状経路133(図1を参照)に沿って移動するにつれてトラックと角度をなす。この角度はトラック半径の関数として変化する。図4は、ヘッド素子60がディスクODとディスクID近くのディスク半径(本明細書ではスキュー角度αとして定義される)となす角度を示すための誇張図である。したがってスキュー角度は、ディスクODからディスクIDまで+αから−αまで変化し、ディスク中央径(MD)近くではα=0である。スキュー角度αは、例えば(特許文献3)に記載されるように、公知のディスク駆動装置ジオメトリから計算されるディスク半径のよく知られた数学関数である。従来のディスク駆動装置のヘッドスキューの典型的最大値は10°〜20°である。したがって高い絶対値のαでは、ヘッド素子60は図2Bに描写された「トラックに対し直交な位置」から歪められる(skewed)ことが図2Bから理解できる。これにより、読み取り素子60は、マルチトラック記録に必要なように交互にというよりむしろ同時に隣接トラックからアイランドを読み取ることができるようになる。
【0023】
本発明では、マルチトラック記録のためのパターン化メディアディスクはマスタテンプレートからナノインプリントすることにより作製される。ディスクは、アイランドが基板に対して垂直に磁化可能であるように垂直磁気記録ディスクが好ましい。アイランドは0.87より大きなBAR(hcpアイランドパターンのBAR)を有するように配置され、固定されないがヘッドスキューを補償するように変化する角度だけディスク半径に対して傾斜された線に沿って配置される。図5Aは、ヘッドスキューの補償の無い2のBAR(TS/IS=2)を有する本発明によるマルチトラック記録のパターン化メディアディスクの一部分を示す。トラック220a、220b、220c、220d内のほぼ楕円形状のデータアイランドは、放射状線200と角度θ=tan−1(IS/(2×TS))をなす線201a、201bのような線に沿って配置される。各トラック内のアイランドは隣接トラック内のアイランドからIS/2だけシフトされる。BAR=2であるので、比TS/IS=2、したがって角度θ=14°である。アイランドは、特定のヘッド設計のTSを最適化するために「高い」(すなわち、好ましくは1より大きな)BARの所望値でパターン化されることができる。
【0024】
図5Bは、2のBARを有しかつヘッドスキューの補償が有る本発明によるマルチトラック記録のパターン化メディアディスクの一部分を示す。この例では、示された2つの帯、すなわちディスクID近くの帯250とディスクOD近くの帯260の一部分がある。帯250内のトラック230a、230b、230c、230d内のアイランドは、角度+θ=tan−1(IS/(2×TS))−ABS(α)をなすように放射状線200に対し傾斜された線202a、202bのような線に沿って配置される。ここで+θは時計回りとして表される。したがって傾斜線202a、202bの角度は、図5Aに示される角度から、この例では約10°であるヘッドスキューαの量だけ減じられた。図5Bに示すように、これは、アイランドが図5Aと同様にIS/2だけ正確にシフトされないようにトラック内のアイランドを若干の追加量だけシフトする。しかしながらこれは、2つのトラックが読み取り素子60に対して逆相となるように、トラック230bなどの1つのトラック内のアイランドとトラック230cなどのその隣接トラックとの相対位置を改善する。したがって読み取り素子60は、2つのトラック内のアイランドからの磁束の上を連続的に交互に通過し感知する。これは、図5Aの読み取り素子60が図5Bに示すスキューを有すれば読み取り素子60は1つのトラック上のアイランドの上にだけでなくトラック220bと220cの両方内のアイランドの上にも配置されるであろうということに注意することにより理解することができる。
【0025】
ディスクOD近くの帯260内のトラック240a、240b、240c、240d内のアイランドは、角度−θ=tan−1(IS/(2×TS))−ABS(α)をなすように放射状線200に対し傾斜された線204a、204bのような線に沿って配置される。ここで−θは反時計回りとして表される。ディスクIDとOD近くの帯250と260はそれぞれディスクの領域であり、ここでABS(α)は最大である。ディスク中央径(MD)近く(通常はディスクの中三分の一内)のいくつか点において、スキューは最小であり実質的にゼロである。したがって本発明では、MD近くのいくつかのディスク径において、角度θは、帯260内の線204a、204bのようなこのMDの片側上の帯内の傾斜線が、帯250内の線202a、202bのようなこのMDの反対側の線が傾斜される方向の反対方向に傾斜されるように、正から負に切り替わることになる。したがって角度θが放射状線からの1つの方向(例えば、時計回り)となるディスクIDとMD間に複数の帯が、そして角度θが放射状線とは反対方向(例えば、反時計回り)となるディスクMDとOD間に複数の帯が存在することになる。BAR=2でありかつ、ヘッドスキューαがディスクIDにおける−10°からディスクODにおける+10°まで変化する例では、角度θはIDにおける+4°からMD近くの+14°まで増加し、次にMD近くの−14°からODにおける−4°まで低下するだろう。
【0026】
したがって図5Bに示すように、ヘッドスキューαを補償するために、角度θの絶対値はαの絶対値だけ減じられる。角度θはID近くの帯内で正でありOD近くの帯内では負である。角度θは帯毎に変化することが好ましい。角度θの絶対値を絶対スキューαだけ増加することにより、加工可能アイランドパターンを作製することは概念的に可能であるが、これは一般的にはより大きな角度θとなり、したがってマスタテンプレートの作製をより困難にする。マスタテンプレートを作製する方法を簡単にするために、好ましいアイランドパターンは、単一帯域に対して単一の固定値のθを有し、ヘッドスキューαがディスク半径の関数である結果として異なる帯に対して異なる値のθを有することである。所望角度θに到達するように選択されるヘッドスキューαの値は、帯の平均スキュー値であってよい。θの値はまた、2つ以上の隣接帯に対し同じであるように選択されることができる。θの値はまた、帯内で変化するように選択されることができるが、これはマスタテンプレートのより複雑な製造工程を生じる。
【0027】
上述のアイランドパターンを有するパターン化メディアディスクはマスタテンプレートからナノインプリントすることにより作製される。マスタテンプレートは、ディスクを直接ナノインプリントするために使用されてもよいが、むしろレプリカテンプレートを作るために使用され、このレプリカテンプレートが次にディスクを直接ナノインプリントするために使用される可能性が高い。マスタテンプレートは公知のテンプレート製造工程の変形を利用して作製される。
【0028】
マスタテンプレートを作製するための従来技術の方法のハイレベル表現を図6A〜図6Cに示す。ここでは、半径またはトラック間方向が垂直であり円周またはトラック沿い方向が水平であるマスタテンプレートの1つの環状帯の小部分を示している。図6Aにおいて、第1番目の工程は、従来の電子ビームまたは他のリソグラフィにより実現可能な密度で基板300上に放射状の縞308を作成することである。基板300は、限定するものではないが単結晶Si、多結晶Si、シリカ、石英、ガラスおよびニッケル等の任意の好適な材料である。次に、図6Bでは、放射状縞の密度は2倍にされる。一手法では、放射状縞308の2倍化は、その成分中へのブロック共重合体材料の誘導自己組織化によって達成することができ、その結果ブロック共重合体成分の1つを表すほぼ放射状の線312を生じる。この手法は、本出願と同じ譲受人に委譲された(特許文献4)に記載されている。別の手法では、放射状縞308の2倍化は側壁のリソグラフィにより達成することができる。側壁のリソグラフィ処理は、隆起リッジの除去後ほぼ平行な線312が隆起リッジの代わりに残るように縞308の両側壁上へ隆起リッジである材料を堆積させる。この手法は、本出願と同じ譲受人に委譲された(特許文献5)に記載されている。
【0029】
次に、放射状線312は基板300内の放射状線をエッチングするためのエッチマスクとして使用され、第2の従来の電子ビームまたは他のリソグラフィ工程は、基板材料の放射状線を、円周同心状セグメント313に切り込むように実行され、図6Cに示すように特徴328を生じる。特徴328はデータアイランドに対応し、セグメント313はナノインプリントされるディスク上のデータトラックに対応する。したがってセグメント313はTSに等しいセグメント間間隔を有し、各セグメント内の特徴は円周方向間隔ISを有する。各セグメント313内の円周方向特徴間隔ISは電子ビームリソグラフィの分解能で実現するのは困難である。特徴328は、基板300をエッチングするためのエッチマスクとして役立つ隆起柱328であってよく、したがって柱328が除去された後、基板300は、ナノインプリントされるディスク上の個々のデータアイランドに対応する基板材料の隆起柱を有することになる。テンプレートはまた、エッチング後、得られた基板300が柱の代わりに特徴328に対応する凹部のパターンを有するように作製されてもよい。
【0030】
本発明によるアイランドパターンを有するパターン化メディアディスクをナノインプリントするために使用されるマスタテンプレートを作製する本方法を、図7A〜図7Cのハイレベル表現で示す。本方法は、放射状縞308を作製するための図6Aに示す工程を除いて図6A〜図6Cに説明された従来技術の方法と同様である。図7Aでは、縞408は従来の電子ビームまたは他のリソグラフィにより実現可能な密度で基板400上に形成され、放射状ではなく、放射状線402に対し角度θで傾斜される。角度θは帯に対して同じであることが好ましいが、上に説明したように、ヘッドスキューαの変化を補償するために帯毎に変化する。傾斜縞408の円周方向間隔はほぼ2×ISである。ここで、ISはその後ナノインプリントされるディスクの所望のアイランド間隔である。次に、図7Bでは、傾斜縞408の密度は、ISの円周方向間隔で傾斜線412を生成するために上述の手法の1つを使用して2倍にされる。ブロック共重合体の限界寸法は縞に垂直な方向の縞408の周期、すなわち傾斜縞408間の実際の距離である。したがってISはSS/cos(θ)に等しい。ここでSSは、角度θで傾斜された縞に垂直な方内の縞間隔またはピッチである。このことの実際的影響は、ISがθの増加に伴って大きくなるということであり、したがってISは異なる帯内ではわずかに異なる。しかしながらこの変化は比較的小さい。例えばθが4°から14°へ変化する上の例では、これは約3%だけのISの変化を生じるだろう。
【0031】
次に、図7Cでは、傾斜線412は基板400内の傾斜線をエッチングするためのエッチマスクとして使用され、第2の従来の電子ビームまたは他のリソグラフィ工程は、基板材料の傾斜線を円周方向セグメント413に切り込み、特徴428を生じるように実行される。第2の電子ビームまたは他のリソグラフィ工程は、その後ナノインプリントされるディスク内のデータトラックのトラック間隔を決定する。特徴428は傾斜線412の結果としてほぼ平行四辺形形状を有するが、後続のディスク上のナノインプリンティングおよびエッチング工程は概して丸みを帯びた角を生じ、その結果データアイランドは図5Bに示すようにほぼ楕円形状を有する。したがって図7Cは、基板400内の柱または凹部であってよい特徴428のパターンを有し、この特徴がナノインプリントディスク中に所望のアイランドパターンとして複製されることになる。したがってセグメント413はTSに等しいセグメント間間隔を有し、1つのセグメント内の特徴は、半径方向の隣接セグメント内の特徴に対し約IS/2だけ半径方向にシフトされる。図7Cのパターン化基板400は、ディスクを直接ナノインプリントするためのマスタテンプレートとして、あるいはディスクを直接ナノインプリントするために使用されるレプリカテンプレートを作製するためのマスタテンプレートとして、役立つことができる。本発明はまた、アイランドが上記パターンとなるパターン化メディアディスクに複製される特徴のパターンを有するマスタテンプレートまたはレプリカテンプレートであってよいテンプレートである。
【0032】
本発明は好ましい実施形態を参照し具体的に示され説明されたが、形式と詳細の様々な変更が本発明の精神および範囲を逸脱することなくなされ得ることは当業者により理解されるだろう。したがって、開示された発明は、単に例示的であり、そして添付の特許請求範囲に規定される範囲内においてのみ限定されるものと考えるべきである。
【符号の説明】
【0033】
10 磁気記録ディスク
11 ディスク基板
13 中心
20 矢印
30、30a、30b データアイランド
31 柱
32 溝
60 マルチトラックヘッド素子
100 ディスク駆動装置
112 基部
118、118a〜118e、118a’〜118e’ トラック
119a、119b、119c 環状帯
121 サスペンション
122 ヘッドキャリヤ
124 矢印
129a、129b、129c、129a’、129b’、129c’ 放射状線
130 アクチュエータ
132 ピボット
133 弧状経路
134 アクチュエータアーム
135 放射状線
200 放射状線
201a、201b、202a、202b、204a、204b 線
220a、220b、220c、220d、230a、230b、230c、230d、240a、240b、240c、240d トラック
250、260 帯
300 基板
308 放射状縞
312 放射状線
313 セグメント
328 特徴
400 基板
402 放射状線
408 傾斜縞
412 傾斜線
413 セグメント
428 特徴
ID ディスク内径
IS アイランド間隔
MD ディスク中央径
OD ディスク外径
TS トラック間間隔
SS 縞間隔
θ 鋭角
α スキュー角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に離散的に配置され、かつ、複数の円形の同心トラック中に配置される複数の磁化可能アイランドであって、前記トラックは複数の環状帯中に配置される、磁化可能アイランドと
を有し、
前記複数の環状帯のそれぞれの中の前記磁化可能アイランドは、前記トラックに沿うアイランド間隔ISを有し、
前記トラックは、0.87×ISより大きなトラック間間隔TSを有し、
前記トラック内の前記磁化可能アイランドは、半径方向の隣接トラック内の前記磁化可能アイランドから前記トラックに沿ってシフトされ、
前記複数の環状帯のそれぞれの中の前記磁化可能アイランドは、前記環状帯の前記トラック全体にわたって傾斜線上に配置され、
前記傾斜線は、放射状線と鋭角θ(θは前記複数の環状帯のそれぞれにおいて異なる値である)をなす
パターン化磁気記録ディスク。
【請求項2】
ディスク内径(ID)近くの前記環状帯内の前記θの値は、ディスク中央径(MD)近くの前記環状帯内の前記θの値より小さい、請求項1に記載のパターン化磁気記録ディスク。
【請求項3】
前記θの値は、tan−1(IS/(2×TS))の関数である、請求項1に記載のパターン化磁気記録ディスク。
【請求項4】
前記θの値は、前記環状帯の半径方向位置の関数である、請求項1に記載のパターン化磁気記録ディスク。
【請求項5】
前記θの値は、前記環状帯内の異なるトラックに対して異なり、かつ、前記環状帯内の前記トラックの半径の関数である、請求項1に記載のパターン化磁気記録ディスク。
【請求項6】
前記トラック内の前記磁化可能アイランドは、半径方向の隣接トラック内の前記磁化可能アイランドからトラックに沿って約IS/2だけシフトされる、請求項1に記載のパターン化磁気記録ディスク。
【請求項7】
前記鋭角θは、ディスク内径(ID)とディスク中央径(MD)間の複数の環状帯の放射状線からの1つの方向、および、前記ディスク中央径(MD)とディスク外径(OD)間の複数の環状帯の放射状線から前記方向の反対方向である、請求項1に記載のパターン化磁気記録ディスク。
【請求項8】
前記磁化可能アイランドは、前記基板にほぼ垂直な方向に磁化可能である、請求項1に記載のパターン化磁気記録ディスク。
【請求項9】
前記磁化可能アイランドは、ほぼ楕円形状を有する、請求項1に記載のパターン化磁気記録ディスク。
【請求項10】
前記磁化可能アイランドは、前記基板からほぼ垂直に延在する柱であってその上に磁化可能材料を有する柱である、請求項1に記載のパターン化磁気記録ディスク。
【請求項11】
請求項1に記載のパターン化磁気記録ディスクと、
トラック間方向の移動無しに少なくとも2つの半径方向隣接トラック内のすべてのアイランドを読み取るための、TSより大きなトラック間幅を有する読み取りヘッドと、
異なるトラックに読み取りヘッドを移動させるための、前記読み取りヘッドに接続された回転アクチュエータであって、これにより、前記読み取りヘッドはディスク半径に対するスキュー角度をなし、前記スキュー角度は前記読み取りヘッドが置かれる前記トラックの半径方向位置の関数である、回転アクチュエータと、
を有する磁気記録ディスク駆動装置。
【請求項12】
前記θの値は、前記スキュー角度の関数である、請求項11に記載の磁気記録ディスク駆動装置。
【請求項13】
前記環状帯のほぼ中央の半径における前記スキュー角度はαであり、前記環状帯の前記θの値は約tan−1(IS/(2×TS))−ABS(α)である、請求項11に記載の磁気記録ディスク駆動装置。
【請求項14】
中心を有する基板と、
前記基板上に離散的に配置され、かつ、前記中心の周囲の複数の円形の同心状セグメント内に配置される複数の特徴であって、前記同心状セグメントは複数の環状帯内に配置される、特徴と
を有し、
前記複数の環状帯のそれぞれの中の前記特徴は、前記同心状セグメントに沿った特徴間隔を有し、
前記同心状セグメントは、当該同心状セグメントに沿った特徴間隔の0.87倍より大きなセグメント間間隔を有し、
1つの同心状セグメント内の前記特徴は、半径方向に隣接する同心状セグメント内の前記特徴から前記同心状セグメントに沿ってシフトされ、
前記複数の環状帯のそれぞれの中の前記特徴は、前記環状帯の前記同心状セグメント全体にわたって傾斜線上に配置され、
前記傾斜線は、前記放射状線と鋭角θ(θは前記複数の帯のそれぞれにおいて異なる値である)をなす
磁気記録ディスクをナノインプリントするためのテンプレート。
【請求項15】
前記鋭角θは、テンプレート内径(ID)とテンプレート中央径(MD)間の複数の環状帯の放射状線からの1つの方向、および、前記テンプレート中央径(MD)とテンプレート外径(OD)間の複数の環状帯の放射状線から前記方向の反対方向である、請求項14に記載のテンプレート。
【請求項16】
前記特徴は、前記基板の表面の上の隆起された柱である、請求項14に記載のテンプレート。
【請求項17】
前記特徴は、前記基板の上面より下の凹部である、請求項14に記載のテンプレート。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公開番号】特開2013−114743(P2013−114743A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−260726(P2012−260726)
【出願日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【出願人】(503116280)エイチジーエスティーネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】