説明

ヘテロフェーズ重合技術によって製造された光安定剤の水性濃厚生成物形態

【課題】高い光安定剤含量を有する水性分散液の製造法を提供する。
【解決手段】有機光安定剤の存在下におけるエチレン性不飽和単量体のヘテロフェーズラジカル重合によって製造された、1000nm未満の粒度を有する有機光安定剤の濃厚水性分散液であって、光安定剤対重合体キャリヤの重量比が50/100よりも大きい濃厚水性分散液。製造された水性分散液は、接着剤、天然または合成ゴムの水性エマルジョン、水性インク、または水性コーチング組成物の有用な成分である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機光安定剤の存在下におけるエチレン性不飽和単量体のヘテロフェーズラジカル重合によって製造された、有機光安定剤を含有する1000nm未満の平均粒度を有する濃厚水性重合体分散液であって、光安定剤対重合体キャリヤの重量比が重合体キャリヤ100部当り光安定剤50部よりも大きい濃厚水性重合体分散液に関する。本発明の別の態様は、高い光安定剤含量を有するかかる水性分散液の製造法に関する。この方法によって製造された水性分散液は、接着剤、天然または合成ゴムの水性エマルジョン、水性インク、または水性コーチング組成物に有用な成分であり、従って、これらは、また本発明の主題でもある。
【0002】
有機UV−吸収剤(UVA)または立体障害アミン(HALS)のような無極性光安定剤は周知の添加剤であり、そしてコーチングを特に屋外暴露に対して分解から保護するのに使用される場合が多い。厳しい用途のための塗料またはコーチングは、典型的には、総バインダー固形分を基にして5重量%までの有機光安定剤を含有する。しかし、溶液型コーチングにおけるとは異なって、現代の水性コーチングでは、十分に確証された無極性光安定剤の多くは、水性コーチングまたは塗料配合物との不溶性および/または不適合性のために組み込むのが困難である。コーチングまたは塗料配合物のタイプ、および光安定剤のタイプによっては、安定な均質混合物を生成するのが不可能である場合がある。その他の場合には、初期の均質な配合物は貯蔵時に不安定性を示し、光安定剤および/または他の成分の分離に至ることが起こりうる。従って、フローティング、沈降、セラム形成、ゲル化などのような典型的な望まれない現象が起こりうる。光安定剤の不適合性によって引き起こされるこのような現象は、例えば、コーチングの性能には有害である。従って、上に述べた不適合性問題を解消するために幾つかの試みがなされてきた。
【0003】
UV−吸収剤のような無極性光安定剤は、水への溶解度/適合性を向上させるために、かつ、光安定剤分子に水中での自己乳化性を与えるために極性基で化学的に改質されてきた。この手法は、化学的改質が通常複雑であり、やや費用がかかり、そして極性改質光安定剤の界面活性剤様の挙動が環境問題、ならびに、湿潤状態および屋外暴露下での光安定剤の洗い出しによる性能の低下原因になりうるという欠点を有している。
【0004】
また、バインダー原料中に既に入れられた光安定剤の均一な分布を達成するために、バインダー重合体の製造段階でバインダー重合体中に光安定剤を既に組み込む試みもなされている。しかし、この手法は、極めて適応性がない。何故ならば、光安定剤は、バインダー重合体の製造間のいかなるプロセス段階にも干渉しないことが要求されるからである。光安定剤の目標量はバインダー重合体で既に固定され、そして塗料の配合中またはその後に光安定剤レベルを調製または増すための自由度は残されてない。いろいろなバインダーならびに光安定剤の種々のタイプおよび/または量でより広い範囲のコーチング配合物を網羅するために、光安定剤改質バインダー樹脂の長い貯蔵が必要である。これは、通常、塗料製造業者には極めて非実用的である。
【0005】
無極性光安定剤は、比較的多量の乳化剤または界面活性剤の使用によって、典型的には有効なUVAに対して10−20%よりも多くの乳化剤または界面活性剤を用いて濃厚な安定の水性エマルジョンまたは分散液に処方することができる。このような濃厚な光安定剤エマルジョンまたは分散液は種々の水性配合物で使用することができるが、しかし、相対的に多い量の界面活性剤は最終コーチングの感水性または基質に対する接着力の不足に害を及ぼす可能性がある。
【0006】
EP0942037には、重合体安定剤を組み込んだ重合体相を含有する重合体分散液が開示されている。安定剤の組込みは、最終の水性重合体分散液を安定剤が溶解された有機溶媒で膨潤させることによって実施される。光安定剤の存在下での重合工程が伴われていない。この手法は、ある種の光安定剤/重合体組み合わせに制限される。何故ならば、多かれ少なかれ膨潤した重合体にあらゆる光安定剤が容易に浸透するわけではないからである。
【0007】
最近、EP1191041には、染料、UV−吸収剤または蛍光増白剤を溶解したエチレン性不飽和単量体のラジカルミニエマルジョン重合によって製造された水性重合体分散液が開示された。重合は、非イオン型界面活性化合物および両親媒性重合体の存在下に実施される。染料、UV−吸収剤または蛍光増白剤の量は、最終重合体マトリックスの重量を基にして0.5〜50重量%の範囲である。水性分散液は、化粧料用途の成分として有用である。
【0008】
先に述べたように、EP1191041に開示される重合体分散液は、重合体マトリックスを基にして0.5〜50重量%の濃度で所望の添加剤を提供する。換言すれば、所望の効果に寄与しない重合体が添加剤よりもはるかに多い量で存在する。単量体の重量を基にして20%よりも少ないUV−吸収剤が例示されている。これは化粧品配合物には受け入れ可能であるけれども、コーチング、インクおよびプラスチック用途についての要件は異なる。
【0009】
例えば、キャリヤとして働く重合体マトリックス中の光安定剤の濃度は、耐候性に悪影響を及ぼす可能性がある望まれない物質をコーチング、インクまたはプラスチック組成物の添加をできるだけ少なくするためには、できるだけ高くすべきである。
【0010】
今、1000nm未満の粒度を有する濃厚水性重合体分散液は、光安定剤の存在下におけるエチレン性不飽和単量体のヘテロフェーズラジカル重合によって製造することができ、ここで光安定剤と重合体キャリヤとの間の重量比が重合体キャリヤ100部当り光安定剤50部よりも大きいことが分かった。
【0011】
本発明の1つの態様は、1000nm未満の平均粒度を有する濃厚水性重合体分散液であって、
a)少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体をb)無極性有機光安定剤の存在下にヘテロフェーズラジカル重合することによって製造された重合体キャリヤを含み、
ここで、無極性有機光安定剤対重合体キャリヤの重量比が重合体キャリヤ100部当り光安定剤50部よりも大きい、
濃厚水性重合体分散液である。
【0012】
場合によっては、非イオン性、陽イオン性または陰イオン性界面活性剤、好ましくは、非イオン性または陽イオン性界面活性剤を加えることができる。
【0013】
好ましくは、1種よりも多くのエチレン性不飽和単量体が使用される。重合を2種以上の単量体で実施するときには、少なくとも1種は、ある架橋度を提供するために2個の不飽和官能基を有することができる。例えば、二官能性単量体の量は、単量体混合物の総重量を基にして0.5〜20重量%で変えることができる。
【0014】
好ましいものは、無極性有機光安定剤対重合体キャリヤの重量比が100部当り80部以上である濃厚水性重合体分散液であリ、より好ましいものは100部当り100部よりも大きく、そして最も好ましいものは100部当り120部よりも大きい。
【0015】
本発明の特定の態様では、光安定剤対重合体キャリヤの重量比は、重合体キャリヤ100部当り光安定剤120部〜重合体キャリヤ100部当り光安定剤200部である。
【0016】
好ましくは、平均粒度は、500nm未満、より好ましくは250nm未満である。
【0017】
液滴(油/水エマルジョン)、ならびに粒子(重合体分散液)の寸法は、動的光散乱(DLS)技術(ホトン相関分光法(DLS)または準弾性光散乱(QELS)としても知られる)を使用することによって測定することができる。この種の測定では、例えば、90°の固定散乱角度を有するNICOMP粒度計(NICOMP Model 380,Particle Sizing System,Santa Barbara,CA,USA)を使用することができる。測定は、平均直径DINT(重み付けした強さ)になる。
【0018】
濃厚水性重合体分散液の全固形分は、例えば、水性分散液の総重量を基にして20重量%よりも多く、例えば30重量%よりも多く、そして好ましくは40重量%よりも多い。特に好ましい態様では、全固形分は、水性分散液の総重量を基にして50重量%よりも多い。
【0019】
例えば、無極性有機光安定剤は、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールUV−吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジンUV−吸収剤、ヒドロキシベンゾフェノンUV−吸収剤、シュウ酸アニリドUV−吸収剤、および立体障害アミン光安定剤またはこれらの混合物からなる群より選ばれる。
【0020】
好ましい態様では、無極性有機光安定剤は、室温および大気圧で1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、そして最も好ましくは0.01重量%未満の水への溶解度を有する。
【0021】
水への溶解度と単量体液滴への溶解度との間の正確なバランスは、重合結果に強く影響を及ぼす。従って、無極性有機光安定剤の極性は、log pによって表すこともできる。
【0022】
分配係数log p(オクタノール/水)は、例えば、化学化合物の環境影響を評価する際に広く使用されるパラメーターである。その計算は、J.Pharmaceutical Sciences 84,(1995),83-92においてW.M.Meylan,P.H.Howardによって記載されている。本発明との関連では、無極性有機光安定剤は、好ましくは、log p=2よりも大きいlog p値を有する。
【0023】
例えば、エチレン性不飽和単量体は、スチレン、置換スチレン、共役ジエン、アクロレイン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、マレイン酸無水物、(アルキル)アクリル酸無水物、(アルキル)アクリル酸塩、(アルキル)アクリル酸エステル、(アルキル)アクリロニトリル、(アルキル)アクリルアミド、ビニルハライド、またはビニリデンハライドからなる群より選ばれる。
【0024】
例えば、エチレン性不飽和単量体は、式:CH=C(R)−(C=Z)−R(ここで、ZはOまたはSであり;Rは水素またはC−Cアルキルであり、RはNH、O(Me)、グリシジル、非置換C−C18アルコキシ、少なくとも1個のNおよび/またはO原子によって中断されるC−C100アルコキシ、またはヒドロキシ置換C−C18アルコキシ、非置換C−C18アルキルアミノ、ジ(C−C18アルキル)アミノ、ヒドロキシ置換C−C18アルキルアミノ、ヒドロキシ置換ジ(C−C18アルキル)アミノ、−O−CH−CH−N(CH、または−O−CH−CH−NH(CHAnであり;
Anは、一価有機または無機酸の陰イオンであり;
Meは一価金属原子またはアンモニウムイオンである)の化合物である。
【0025】
具体的なエチレン性不飽和単量体の例は、スチレン、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ビニルトルエン、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ヘキシルアクリレート、またはヒドロキシエチルアクリレートである。
【0026】
特に適した単量体混合物は、ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ビニルトルエン、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレートの混合物である。
【0027】
陰イオンAnが誘導される酸の例は、C−C12カルボン酸、CFSOHもしくはCHSOHのような有機スルホン酸、HCl、HBrもしくはHlのような鉱酸、HClOのようなオキソ酸、またはHPFもしくはHBFのような錯体酸である。
【0028】
少なくとも1個のO原子によって中断されるC−C100アルコキシとしてのRの例は、式:
【0029】
【化1】

【0030】
(式中、RはC−C25アルキル、フェニル、またはC−C18アルキルによって置換されるフェニルであり、Rは水素またはメチルであり、そしてvは1〜50の数である)
を有する。これらの単量体は、例えば、相当するアルコキシ化アルコールまたはフェノールのアシル化によって非イオン性界面活性剤から誘導される。反復単位は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたは両者の混合物から誘導することができる。
【0031】
適したアクリレートまたはメタクリレート単量体の更なる例を以下に挙げる。
【0032】
【化2】

【0033】
(式中、AnおよびRは先に規定した通りの意味を有し、そしてRはメチルまたはベンジルである)。Anは、好ましくは、Cl、BrまたはS−CHである。
【0034】
更なるアクリレート単量体は、
【0035】
【化3】

【0036】
である。
【0037】
アクリレート以外の適した単量体の例は、
【0038】
【化4】

【0039】
である。
【0040】
好ましくは、Rは水素またはメチルであり、RはNH、グリシジル、非置換またはヒドロキシ置換C−Cアルコキシ、非置換C−Cアルキルアミノ、ジ(C−Cアルキル)アミノ、ヒドロキシ置換C−Cアルキルアミノ、またはヒドロキシ置換ジ(C−Cアルキル)アミノであり;そしてZは酸素である。
【0041】
アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルは、典型的には、C−C18アルキルエステルである。
【0042】
好ましいものは、エチレン性不飽和単量体が、C−C18アクリレート、C−C18メタクリレート、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシ−官能性アクリレートもしくは(メタ)アクリレート、アルコキシル化アルコールから誘導されるアクリレートもしくは(メタ)アクリレート、および多官能性アクリレートもしくは(メタ)アクリレート、またはこれらの混合物からなる群より選ばれる濃厚水性重合体分散液である。
【0043】
特に有用なメタクリレートは、イソ−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートである。
【0044】
特定の態様では、濃厚水性重合体分散液は、架橋重合体が得られるように上記単量体のうちの少なくとも2種と二官能性である少なくとも1種の単量体との混合物から製造される。二官能性単量体の量は、例えば、単量体の合計の重量を基にして0.5〜20重量%である。
【0045】
二官能性単量体の典型的な例は、ジビニル−ベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、またはジエチレングリコールジアクリレートである。
【0046】
単量体または単量体混合物は、好ましくは5重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、そして最も好ましくは0.1重量%未満である低い水への溶解度を有する。
【0047】
好ましくは、濃厚水性重合体分散液では、ヒドロキシベンゾフェノンは、式I:
【0048】
【化5】

【0049】
を有し;
2−ヒドロキシフェニルベンソトリアゾールは、式IIa、IIbまたはIIc:
【0050】
【化6】

【0051】
を有し;
2−ヒドロキシフェニルトリアジンは、式III:
【0052】
【化7】

【0053】
を有し;そして
オキサアニリドは、式(IV):
【0054】
【化8】

【0055】
を有し;ここで、
式(I)の化合物において、vは1〜3の整数であり、wは1または2であり、そして置換基Zは、互いに独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、または1〜12個の炭素原子を有するアルコキシであり;
式(IIa)の化合物において、
は、水素、1〜24個の炭素原子を有するアルキル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、または式:
【0056】
【化9】

【0057】
(式中、RおよびRは、互いに独立して、各場合に1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり、またはRは、基C2n+1−mと一緒になって、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基を形成し、
mは1または2であり、nは2〜20の整数であり、そして
Mは、式−COOR(ここで、Rは、水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、各場合にアルキル部分およびアルコキシ部分に1〜20個の炭素原子を有するアルコキシアルキル、またはアルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルである)の基であり、
は、水素、ハロゲン、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、およびアルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、そして
は、水素、塩素、各場合に1〜4個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ、または−COOR(ここで、Rは先に規定される通りである)であり、そして基RおよびRのうちの少なくとも1つは、水素以外であり;
式(IIb)の化合物において、
Tは、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、
は、水素、塩素、または各場合に1〜4個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシであり、
nは1または2であり、そして
もしnが1であるならば、Tは、塩素、または式−OTもしくは
【0058】
【化10】

【0059】
の基であり、そして
もしnが2であるならば、Tは、式:
【0060】
【化11】

【0061】
、または−O−T−O−の基であり;
ここで、
は、水素、1〜18個の炭素原子を有しそして非置換であるか、または1〜3個のヒドロキシル基によってもしくは−OCOTによって置換されるアルキル、3〜18個の炭素原子を有し、−O−または−NT−によって1回または数回中断され、そして非置換であるか、またはドロキシルもしくは−OCOTによって置換されるアルキル、5〜12個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはドロキシルおよび/または1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるシクロアルキル、2〜18個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはヒドロキシルによって置換されるアルケニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または、式−CHCH(OH)−Tもしくは
【0062】
【化12】

【0063】
の基であり、
およびTは、互いに独立して、水素、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜18個の炭素原子を有しそして−O−または−NT−によって1回または数回中断されるアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または2〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルであり、
は、水素、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
は、水素、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、非置換であるか、またはヒドロキシルによって置換されるフェニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または−CHOTであり、
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、または、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
は、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン、4〜8個の炭素原子を有するアルケニレン、4個の炭素原子を有するアルキニレン、シクロヘキシレン、2〜8個の炭素原子を有しそして−O−によって1回または数回中断されるアルキレン、または式−CHCH(OH)CHOT11OCHCH(OH)CH−、もしくは−CH−C(CHOH)−CH−の基であり、
10は、2〜20個の炭素原子を有しそして−O−によって1回もしくは数回中断されることができるアルキレン、またはシクロヘキシレンであり、
11は、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン、2〜18個の炭素原子を有しそして−O−によって1回もしくは数回中断されるアルキレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−フェニレン、もしくは1,4−フェニレンであり、または、
10、およびTは、2個の窒素原子と一緒になって、ピペラジン環になり;
式(IIc)の化合物において、
R’は、C−C12アルキルであり、そしてkは1〜4の数であり;
式(III)の化合物において、
uは1または2であり、そしてrは1〜3の整数であり、
置換基Yは、互いに独立して、水素、ヒドロキシル、フェニルもしくはハロゲン、ハロゲノメチル、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、1〜18個の炭素原子を有するアルコキシ、基−COO(C−C18アルキル)によって置換される1〜18個の炭素原子を有するアルコキシであり;
もしuが1であるならば、
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、非置換であるか、またはヒドロキシル、ハロゲン、1〜18個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシによって置換されるフェニル;
1〜12個の炭素原子を有しそして−COOH、−COOY、−CONH、−CONHY、−CONY10、−NH、−NHY、−NY10、−NHCOY11、−CN、および/または−OCOY11によって置換されるアルキル;
4〜20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素原子によって中断されそして非置換であるか、またはヒドロキシルもしくは1〜12個の炭素原子を有するアルコキシによって置換されるアルキル、3〜6個の炭素原子を有するアルケニル、グリシジル、非置換であるか、またはヒドロキシル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルおよび/または−OCOY11によって置換されるシクロヘキシル、アルキル部分に1〜5個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはヒドロキシル、塩素および/またはメチルによって置換されるフェニルアルキル、−COY12もしくは−SO13であり、または
もしuが2であるならば、
は、2〜16個の炭素原子を有するアルキレン、4〜12個の炭素原子を有するアルケニレン、キシリレン、3〜20個の炭素原子を有し、1個以上の−O−原子によって中断され、および/またはヒドロキシルによって置換されるアルキレン、−CHCH(OH)CH−O−Y15−OCHCH(OH)CH、−CO−Y16−CO−、−CO−NH−Y17−NH−CO−、または−(CH−CO−Y18−OCO−(CHであり、ここで、
mは、1、2または3であり、
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜18個の炭素原子を有するアルケニル、3〜20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素もしくは硫黄原子または−NT−によって中断され、および/またはヒドロキシルによって置換されるアルキル、1〜4個の炭素原子を有しそして−P(O)(OY14、−NY10、もしくは−OCOY11および/またはヒドロキシルによって置換されるアルキル、3〜18個の炭素原子を有するアルケニル、グリシジル、またはアルキル部分に1〜5個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
およびY10は、互いに独立して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、3〜12個の炭素原子を有するアルコキシアルキル、4〜16個の炭素原子を有するジアルキルアミノアルキル、もしくは5〜12個の炭素原子を有するシクロヘキシルであり、または、YおよびY10は、一緒になって、各場合に3〜9個の炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンまたはアザアルキレンであり、
11は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、2〜18個の炭素原子を有するアルケニル、またはフェニルであり、
12は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、2〜18個の炭素原子を有するアルケニル、フェニル、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ、フェノキシ、1〜12個の炭素原子を有するアルキルアミノ、またはフェニルアミノであり、
13は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、またはアルキル基に1〜8個の炭素原子を有するアルキルフェニルであり、
14は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、またはフェニルであり、
15は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレン、または基−フェニレン−M−フェニレン−(ここで、Mは、−O−、−S−、−SO−、−CH−または−C(CH−である)であり、
16は、各場合に2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンまたはチアアルキレン、フェニレン、または2〜6個の炭素原子を有するアルケニレンであり、
17は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレン、またはアルキル部分に1〜11個の炭素原子を有するアルキルフェニレンであり、そして
18は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、または4〜20個の炭素原子を有しそして酸素によって1回もしくは数回中断されるアルキレンであり;
式(IV)の化合物において、xは1〜3の整数であり、そして置換基Lは、互いに独立して、水素、各場合に1〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシもしくはアルキルチオ、フェノキシまたはフェニルチオである。
【0064】
−C18アルキルは、線状または分枝状であってよい。18個までの炭素原子を有するアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルフェニル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルおよびオクタデシルである。
【0065】
式(IIa)の化合物では、Rは、水素または1〜24個の炭素原子を有するアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ノナデシル、およびエイコシル、ならびに対応する分枝状異性体になることができる。更に、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル,例えば、ベンジルの他に、Rは、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチル、または式:
【0066】
【化13】

【0067】
(式中、RおよびRは互いに独立して、各場合に1〜5個の炭素原子を有するアルキル、特にメチルであり、またはRはC2n+1−m基と一緒になって、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロオクチルおよびシクロデシルを形成する)
の基になることもできる。Mは、式−COOR(式中、Rは、水素のみならず、また1〜12個の炭素原子を有するアルキル、またはアルキルおよびアルコキシ部分の各々に1〜20個の炭素原子を有するアルコキシアルキルでもある)の基である。適したアルキル基Rは、Rについて列挙したものである。適したアルコキシアルキル基の例は、−COC、−COC17、および−COCである。1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルとして、Rは、例えば、ベンジル、クミル、α−メチルベンジルまたはフェニルブチルである。
【0068】
水素およびハロゲン、例えば塩素および臭素の他に、Rは、1〜18個の炭素原子を有するアルキルになることもできる。かかるアルキル基の例は、Rの規定に示されている。Rは、また、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、例えば、ベンジル、a−メチルベンジルおよびクミルになることもできる。
【0069】
置換基としてのハロゲンは、すべての場合に、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素または臭素、より好ましくは塩素を意味する。
【0070】
基RおよびRのうちの少なくとも1つは、水素以外でなければならない。
【0071】
水素または塩素の他に、Rは、各場合に1〜4個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ、例えば、メチル、ブチル、メトキシおよびエトキシ、そして−COORでもある。
【0072】
式(IIb)の化合物では、Tは、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキル、例えばメチルおよびブチルであり、Tは水素または塩素のみならず、また各場合に1〜4個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ、例えば、メチル、メトキシおよびブトキシでもあり、そしてもしnが1であるならば、Tは塩素または式−OTもしくは−NTの基である。ここで、Tは、水素または1〜18個の炭素原子を有するアルキルである(Rの規定と比較)。これらのアルキル基は、1〜3個のヒドロキシル基によってまたは基−OCOTによって置換されることができる。更に、Tは、−O−または−NT−によって1回または数回中断されそして非置換であるか、またはヒドロキシルもしくは−OCOTによって置換される3〜18個の炭素原子を有するアルキルであってよい(Rの規定と比較)。シクロアルキルとしてのTの例は、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロオクチルである。Tは、また、2〜18個の炭素原子を有するアルケニルになることもできる。
【0073】
適したアルケニル基は、Rの規定で列挙したアルキル基から誘導される。これらのアルケニル基は、ヒドロキシルによって置換されることができる。フェニルアルキルとしてのTの例は、ベンジル、フェニルエチル、クミル、α−メチルベンジル、またはベンジルである。また、Tは、式:
【0074】
【化14】

【0075】
の基になることもできる。
【0076】
のように、TおよびTは、互いに独立して、水素のみならず、また、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、または3〜18個の炭素原子を有しそして−O−もしくは−NT−によって1回もしくは数回中断されるアルキルになることもできる。また、TおよびTは、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチルになることもできる。アルケニル基としてのTおよびTの例は、Tの例示に見い出すことができる。アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルとしてのTおよびTの例は、ベンジルまたはフェニルブチルである。最後に、これらの置換基は、、また、1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルになることもできる。
【0077】
もしnが2であるならば、Tは、式:
【0078】
【化15】

【0079】
の二価基である。
【0080】
水素の他に、T(上記も参照)は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールまたはフェニルアルキルであり;かかる基の例は、上に既に挙げられている。
【0081】
水素、ならびに上に述べたフェニルアルキル基および長鎖アルキル基の他に、Tは、フェニルまたはヒドロキシフェニル、およびまた−CHOT(ここで、Tは、列挙したアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはフェニルアルキル基のうちの1つになることができる)になることができる。
【0082】
二価基Tは2〜8個の炭素原子を有するアルキレンになることができ、そしてかかる基は、また分枝状になることもできる。このことは、また、アルケニレンおよびアルキニレン基Tにも当てはまる。シクロヘキシレンの他に、Tは、また、式−CHCH(OH)CHOT11OCHCH(OH)CH−、または−CH−C(CHOH)−CH−の基になることもできる。
【0083】
10は二価基であり、そしてシクロヘキシレンの他に、2〜20個の炭素原子を有しそして−O−によって1回または数回中断されることができるアルキレンでもある。適したアルキレン基は、Rの規定で述べたアルキル基から誘導される。
【0084】
また、T11は、アルキレン基でもある。それは、2〜8個の炭素原子を含有し、またはそれが−O−によって1回もしくは数回中断されるならば、4〜10個の炭素原子を含有する。また、T11は、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−フェニレンまたは1,4−フェニレンである。
【0085】
2個の窒素原子と一緒になって、TおよびT10は、ピペラジン環にもなりうる。
【0086】
式(I)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(III)および(IV)の化合物におけるアルキル、アルコキシ、フェニルアルキル、アルキレン、アルケニレン、アルコキシアルキルおよびシクロアルキル基、ならびにアルキルチオ、オキサアルキレン、またはアゾアルキレン基の例は上記から推測することができる。
【0087】
ベンゾトリアゾールUV−吸収剤のうちでは、式IIaに従うものが一般に好ましい。
【0088】
式(I)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(III)および(IV)のUV吸収剤はそれ自体知られており、そして、それらの製造法と一緒に、例えば、WO96/28431、EP−A−323408、EP−A−57160、US5736597(EP−A−434608)、US−A−4619956、DE−A−3135810、およびGB−A−1336391に記載されている。置換基および個々の化合物の好ましい意味は、上に述べた文献から推測することができる。
【0089】
他の態様では、ヒドロキシフェニルトリアジンの群のUV−吸収剤は、式(IIIa):
【0090】
【化16】

【0091】
(式中、
nは1または2であり;
301、R’301、R302およびR’302は、互いに独立して、H、OH、C−C12アルキル;C−Cアルケニル;C−C12アルコキシ;C−C18アルケノキシ;ハロゲン;トリフルオロメチル;C−C11フェニルアルキル;フェニル;C−C18アルキル、C−C18アルコキシまたはハロゲンによって置換されるフェニル;フェノキシ;または、C−C18アルキル、C−C18アルコキシもしくはハロゲンによって置換されるフェノキシであり;
303およびR304は、互いに独立して、H、C−C12アルキル;OR’307;C−Cアルケニル;C−C18アルケノキシ;ハロゲン;トリフルオロメチル;C−C11フェニルアルキル;フェニル;C−C18アルキル、C−C18アルコキシもしくはハロゲンによって置換されるフェニル;フェノキシ;または、C−C18アルキル、C−C18アルコキシまたはハロゲンによって置換されるフェノキシであり;
306は、水素、C−C24アルキル、C−C12シクロアルキル、またはC−C15フェニルアルキルであり;
n=1の場合におけるR307、およびR’307は、互いに独立して、水素またはC−C18アルキルであり;または、OH、C−C18アルコキシ、アリルオキシ、ハロゲンによって置換されるC−C12アルキル、−COOH、−COOR308、−CONH、−CONHR309、−CON(R309)(R310)、−NH、−NHR309、−N(R309)(R310)、−NHCOR311、−CN、−OCOR311、フェノキシ、および/またはC−C18アルキル、C−C18アルコキシまたはハロゲンによって置換されるフェノキシであり;または、R307は、−O−によって中断されそしてOHによって置換されることができるC−C50アルキルであり;または、Rは、C−Cアルケニル;グリシジル;OH、C−Cアルキルまたは−OCOR311によって置換されるC−C12シクロアルキル;非置換であるか、またはOH、ClもしくはCHによって置換されるC−C11フェニルアルキル;−CO−R312または−SO−R313であり;
n=2の場合におけるR307は、C−C16アルキレン、C−C12アルケニレン、キシリレン、Oによって中断され、および/またはOHによって置換されるC−C20アルキレンであり、または式−CHCH(OH)CHO−R320−OCHCH(OH)CH−、−CO−R321−CO−、−CO−NH−R322−NH−CO−、もしくは−(CH−COO−R323−OOC−(CH−(ここで、mは1〜3の範囲の数である)の基であり、または
【0092】
【化17】

【0093】
であり;
308はC−C18アルキル;C−C18アルケニル;ヒドロキシエチル;O、NH、NR309もしくはSによって中断され、および/またはOHによって置換されるC−C50アルキル;−P(O)(OR314、−N(R309)(R310)または−OCOR311、および/またはOHによって置換されるC−Cアルキル;グリシジル;C−C12シクロアルキル;フェニル;C−C14アルキルフェニル、またはC−C11フェニルアルキルであり;
309およびR310は、互いに独立して、C−C12アルキル;C−C12アルコキシアルキル;C−C16ジアルキルアミノアルキルもしくはC−C12シクロアルキルであり、または、R309およびR310は、一緒になって、C−Cアルキレン、または−オキサアルキレンもしくは−アザアルキレンであり;
311は、C−C18アルキル;C−C18アルケニルまたはフェニル;C−C12ヒドロキシアルキル;シクロヘキシルであり;または、−O−によって中断されそしてOHによって置換されてもよいC−C50アルキルであり;
312は、C−C18アルキル;C−C18アルケニル;フェニル;C−C18アルコキシ;C−C18アルケニルオキシ;O、HN、NR309もしくはSによって中断され、および/またはOHによって置換されるC−C50アルコキシ;シクロヘキシルオキシ;C−C14アルキルフェノキシ;C−C11フェニルアルコキシ;フェノキシ;C−C12アルキルアミノ;フェニルアミノ;トリルアミノまたはナフチルアミノであり;
313は、C−C12アルキル;フェニル;ナフチルまたはC−C14アルキルフェニルであり;
314は、C−C12アルキル、メチルフェニルまたはフェニルであり;
320は、C−C10アルキレン;O、フェニレンまたは−フェニレン−X−フェニレン−基(ここで、Xは−O−、−S−、−SO−、−CH−、または−C(CH−である)によって中断されるC−C50アルキレンであり;
321は、C−C10アルキレン、C−C10オキサアルキレン、C−C10チアアルキレン、C−C12アリーレン、またはC−Cアルケニレンであり;
322は、C−C10アルキレン、フェニレン、トリレン、ジフェニレンメタン、または
【0094】
【化18】

【0095】
の基であり;そして
323は、C−C10アルキレン、またはOによって中断されるC−C20アルキレンである)
を有する。
【0096】
ハロゲンは、すべての場合に、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0097】
アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルフェニル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシルである。
【0098】
12個までの炭素原子を有するアルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシである。
【0099】
アルケノキシの例は、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、および
ヘキセニルオキシである。
【0100】
−C12シクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、およびシクロドデシルである。C−Cシクロアルキル、特にシクロヘキシルが好ましい。
【0101】
−Cアルキル−置換C−C12シクロアルキルは、例えば、メチルシクロヘキシルまたはジメチルシクロヘキシルである。
【0102】
OH−および/またはC−C10アルキル−置換フェニルは、例えば、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、t−ブチルフェニル、または3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルである。
【0103】
アルコキシ−置換フェニルは、例えば、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、またはトリメトキシフェニルである。
【0104】
−Cフェニルアルキルの例は、ベンジルおよびフェニルエチルである。
【0105】
−OHによって、及び/または10個までの炭素原子を有するアルキルによってフェニル基上で置換されたC−Cフェニルアルキルは、例えば、メチルベンジル、ジメチルベンジル、トリメチルベンジル、t−ブチルベンジル、または3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルである。
【0106】
アルケニルの例は、アリル、2−メタリル、ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニルである。アリルが好ましい。1位置における炭素原子は好ましくは飽和されている。
【0107】
アルキレンの例は、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、トリメチルヘキサメチレン、オクタメチレン、およびデカメチレンである。
【0108】
アルケニレンの例は、ブテニレン、ペンテニレン、およびヘキセニレンである。
【0109】
−C12アリーレンは、好ましくは、フェニレンである。
【0110】
Oによって中断されるアルキルは、例えば−CH−CH−O−CH−CH、−CH−CH−O−CH−、または−CH−CH−O−CH−CH−CH−O−CH−CH−である。それは、好ましくは、ポリエチレングリコールから誘導される。一般的な種類は、−((CH−O)−H/CH(ここで、aは1〜6の数であり、そしてbは2〜10の数である)である。
【0111】
−C10オキサアルキレンおよびC−C10チアアルキレンは、上に述べたアルキレン基から、1個以上の炭素原子を酸素原子または硫黄原子によって置き換えることによって推測することができる。
【0112】
2−ヒドロキシベンゾフェノンの具体例は、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体である。
【0113】
2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールの具体例は、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチルレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【0114】
【化19】

【0115】
(式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾールである。
【0116】
2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの具体例は、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシ−プロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2−(2−ヒドロキシ−4−(2−エチル−ヘキシル)オキシ)フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジンである。
【0117】
例えば、ヒドロキシフェニルトリアジンUV−吸収剤は、下記式のものである:
【0118】
【化20】









【0119】
ヒドロキシフェニルトリアジンUV−吸収剤は知られており、一部は市販用品目などである。これらは先の文献によって調製されることができる。
【0120】
オキサミドの具体例は、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリド、およびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−2置換オキサニリドの混合物、およびo−およびp−エトキシ−2置換オキサニリドの混合物である。
【0121】
先に述べたUV−吸収剤は大体市販用品目であり、例えばTinuvin(登録商標)109、171、326、327、328、350、360、384,400、405,411、またはチマソルブ(Chimassorb)(登録商標)81(Ciba Specialty Chemicals製)またはCyasorb(登録商標) 1164(CytechInc.製)として知られている。
【0122】
多くの場合において、例えばベンゾフェノンUV−吸収剤とベンゾトリアゾールUV−吸収剤の組み合わせ、またはヒドロキシフェニルトリアジンUV−吸収剤とベンゾトリアゾールUV−吸収剤との組み合わせのような、異なる部類のUV−吸収剤等の組み合わせを使用するのが有利である場合がある。これらの組み合わせを使用する場合、両UV−吸収剤間の重量比は、例えば1:5〜5:1、例えば1:3〜3:1、特に1:1.5〜1.5:1である。
【0123】
立体障害アミンは、下記式の少なくとも1つの基を含有する:
【0124】
【化21】

【0125】
(式中、Rは、水素またはメチルである。)。
【0126】
本発明に有用な立体障害アミン光安定剤は、好ましく式(A−1)〜(A−10)または式(B−1)〜(B−10)の化合物である;
【0127】
(α−1)式(A−1)の化合物
【0128】
【化22】

【0129】
(式中、
は、水素、C−Cアルキル、O−、−OH、−CHCN、C−C18アルコキシ、C−C12シクロロアルコキシ、C−Cアルケニル、フェニルが1、2、または3個のC−Cアルキルで置換されたまたは置換されないC−Cフェニルアルキル;またはC−Cアシルであり、
は、1、2、または4であり、
が1の場合、Eは、C−C25アルキルであり、
が2の場合、Eは、C−C14アルキレンまたは式(a−I):
【0130】
【化23】

【0131】
(式中、Eは、C−C10アルキルまたはC−C10アルケニルであり、Eは、C−C10アルキレンであり、
およびEは、互いに独立してC−Cアルキル、シクロヘキシル、またはメチルシクロヘキシルである。)の基であり、
が4であれば、Eは、C−C10アルカンテトライルである。);
(α−2)式(A−2)の化合物:
【0132】
【化24】

【0133】
(式中、
基Eの2個は、−COO−(C−C20アルキル)であり、
基Eの2個は、式(a−II):
【0134】
【化25】

【0135】
の基であり、この場合Eは、Eの意味の1つを有する);
(α−3)式(A−3)の化合物:
【0136】
【化26】

【0137】
(式中、
およびE10は、一緒にC−C14アルキレンを形成し、
11は、水素または−Z−COO−Zの基であり、
は、C−C14アルキレンであり、そして
は、C−C24アルキルであり、
12は、Eの意味の1つを有する);
(α−4)式(A−4)の化合物:
【0138】
【化27】

【0139】
(式中、
基E13は、互いに独立してEの意味の1つを有し、
基E14は、互いに独立して水素またはC−C12アルキルであり、そして
15は、C−C10アルキレンまたはC−C10アルキリデンである。);
(α−5)式(A−5)の化合物:
【0140】
【化28】

【0141】
(式中、
基E16は、互いに独立してEの意味の1つを有する);
(α−6)式(A−6)の化合物:
【0142】
【化29】

【0143】
(式中、
17は、C−C24アルキルであり、
18は、Eの意味の1つを有する);
(α−7)式(A−7)の化合物:
【0144】
【化30】

【0145】
(式中、
19、E20、およびE21は、互いに独立して式(a−III):
【0146】
【化31】

【0147】
(式中、E22は、Eの意味の1つを有する)の基である。);
(α−8)式(A−8)の化合物:
【0148】
【化32】

【0149】
(式中、
基E23は、互いに独立してEの意味の1つを有し、そして
24は、水素、C−C12アルキル、またはC−C12アルコキシである。);
(α−9)式(A−9)の化合物:
【0150】
【化33】

【0151】
(式中、
は、1、2、または3であり、
25は、Eの意味の1つを有し、
が1の場合、E26は、基:
【0152】
【化34】

【0153】
であり、
が2の場合、E26は、C−C22アルキレンであり、そして
が3の場合、E26は、式(a−IV):
【0154】
【化35】

【0155】
(式中、基E27は、互いに独立してC−C12アルキレンであり、
基E28は、互いに独立してC−C12アルキルまたはC−C12シクロアルキルである。)の基である。);
(α−10)式(A−10)の化合物:
【0156】
【化36】

【0157】
(式中、
基E29は、互いに独立してEの意味の1つを有し、
30は、C−C22アルキレン、C−Cシクロアルキレン、C−Cアルキレンジ(C−Cシクロアルキレン)、フェニレン、またはフェニレンジ(C−Cアルキレン)である。);
(β−1)式(B−1)の化合物:
【0158】
【化37】

【0159】
(式中、
201、R203、R204、およびR205は、互いに独立して水素、C−C12アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C−アルキル−置換されたC−C12シクロアルキル、フェニル、−OHおよび/またはC−C10アルキルで置換されたフェニル;C−Cフェニルアルキル、フェニル基上で−OHおよび/またはC−C10アルキルによって置換されたC−Cフェニルアルキル;または式(b−I):
【0160】
【化38】

【0161】
の基であり、
202は、C−C18アルキレン、C−CシクロアルキレンまたはC−Cアルキレンジ(B−Cシクロアルキレン)であり、
あるいは
基R201、R202、およびR203は、これらが結合される窒素原子と共に5−〜10−員の複素環を形成するか、または
204およびR205は、これらが結合される窒素原子と共に5−〜10−員の複素環を形成し、
206は、水素、C−Cアルキル、O−、−OH、−CHCN、C−C18アルコキシ、C−C12シクロアルコキシ、C−Cアルケニル、フェニル上で1、2、または3個のC−Cアルキルによって置換されたまたは置換されないC−Cフェニルアルキル;またはC−Cアシルであり、そして
は、2〜50の数であり、
但し、基R201、R203、R204、およびR205中の少なくとも1つは式(b−I)の基である。);
(β−2)式(B−2)の化合物:
【0162】
【化39】

【0163】
(式中、
207およびR211は、互いに独立して水素またはC−C12アルキルであり、
208、R209、およびR210は、互いに独立してC−C10アルキレンであり、そして
、X、X、X、X、X、X、およびXは、互いに独立して式(b−II):
【0164】
【化40】

【0165】
(式中、R212は、水素、C−C12アルキル、C−C12シクロアルキル、C−Cアルキル−置換されたC−C12シクロアルキル、フェニル、−OH−および/またはC−C10アルキル−置換されたフェニル、C−Cフェニルアルキル、フェニル基上に−OHおよび/またはC−C10アルキルに置換されたC−Cフェニルアルキル;または先に規定したような式(b−I)の基であり、
213はR206の意味の1つを有する)の基である。);
(β−3)式(B−3)の化合物:
【0166】
【化41】

【0167】
(式中、
214は、C−C10アルキル、C−C12シクロアルキル、C−Cアルキル−置換されたC−C12シクロアルキル、フェニルまたはC−C10アルキル−置換されたフェニルであり、
215は、C−C10アルキレンであり、
216は、R206の意味の1つを有し、そして
は、2〜50の数である。);
(β−4)式(B−4)の化合物:
【0168】
【化42】

【0169】
(式中、
217およびR221は、互いに独立して直接的結合または−N(X)−CO−X10−CO−N(X11)−基(式中、XおよびX11は、互いに独立して水素、C−Cアルキル、C−C12シクロアルキル、フェニル、C−Cフェニルアルキル、または式(b−I)の基であり、
10は、直接的結合またはC−Cアルキレンである。)であり、
218は、R206の意味の1つを有し、
219、R220、R223、およびR224は、互いに独立して水素、C−C30アルキル、C−C12シクロアルキル、またはフェニルであり、
222は、水素、C−C39アルキル、C−C12シクロアルキル、フェニル、C−Cフェニルアルキル、または式(b−I)の基であり、
は、1〜50の数である。);
(β−5)式(B−5)の化合物:
【0170】
【化43】

【0171】
(式中、
225、R226、R227、R228、およびR229は、互いに独立して直接的結合またはC−C10アルキレンであり、
230は、R206の意味の1つを有し、
は、1〜50の数である。);
(β−6)式(B−6−1)のポリアミンを塩化シアンと反応させて得られた生成物を式(B−6−2)の化合物と反応させて得られる生成物(B−6)
【0172】
【化44】

【0173】
【化45】

【0174】
(式中
b’、b”およびb’’’は、互いに独立して2〜12の数であり、
231は、水素、C−C12アルキル、C−C12シクロアルキル、フェニル、またはC−Cフェニルアルキルであり、そして
232は、R205の意味の1つを有する);
(β−7)式(B−7)の化合物:
【0175】
【化46】

【0176】
(式中、
は、水素またはC−Cアルキルであり、
は、直接的結合またはC−C10アルキレンであり、
は、2〜50の数である。);
(β−8)式(B−8−a)および(B−8−b)の少なくとも1つの化合物:
【0177】
【化47】

【0178】
【化48】

【0179】
(式中、
およびnは、2〜50の数である。);
(β−9)式(B−9)の化合物:
【0180】
【化49】

【0181】
(式中、
およびAは、互いに独立して水素またはC−Cアルキルであり、またはAおよびAは一緒になってC−C14アルキレン基を形成し、
変数nは、互いに独立して1〜50の数である。);
(β−10)式(B−10)の化合物:
【0182】
【化50】

【0183】
(式中、
は、2〜50の数であり、
は、水素またはC−Cアルキルであり、
基AおよびAは、互いに独立してC−Cアルキル、または式(b−1)の基であり、但し、基Aの少なくとも50%が式(b−1)の基である。)。
【0184】
30個までの炭素原子を有するアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチル−ブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘブチル、イソヘブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラジシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシルおよびトリアコンチルである。E、E、E12、E13、E16、E18、E22、E23、E25、E29、R206、R213、R216、R218、R230およびR232の好ましい規定の中の1つは、C−Cアルキル、特にメチルである。R231は、好ましくはブチルである。
【0185】
18個までの炭素原子を有するアルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ヘキソキシ、ヘブトキシ、オクトキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、およびオクタデシルオキシである。Eの好ましい意味の1つは、オクトキシである。E24は、好ましくはC−Cアルコキシであり、R206の好ましい意味の1つは、プロポキシである。
【0186】
−C12シクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、およびシクロドデシルである。C−Cシクロアルキル、特にシクロヘキシルが好ましい。
【0187】
−Cアルキル−置換されたC−C12シクロアルキルは、例えばメチルシクロヘキシルまたはジメチルシクロヘキシルである。
【0188】
−C12シクロアルコキシの例は、シクロペントキシ、シクロヘキソキシ、シクロヘブトキシ、シクロオクトキシ、シクロデシルオキシ、およびシクロドデシルオキシである。C−Cシクロアルコキシ、特にシクロペントキシおよびシクロヘキソキシが好ましい。
【0189】
−OH−および/またはC−C10アルキル−置換されたフェニルは、例えばメチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、tert−ブチルフェニル、または3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルである。
【0190】
−Cフェニルアルキルの例は、ベンジルおよびフェニルエチルである。
【0191】
フェニル基上に−OHおよび/または10個までの炭素原子を有するアルキルによって置換されたC−Cフェニルアルキルは、例えばメチルベンジル、ジメチルベンジル、トリメチルベンジル、tert−ブチルベンジル、または3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルである。
【0192】
10個までの炭素原子を有するアルケニルの例は、アリル、2−メトアリル、ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニルである。アリルが好ましい。1位の炭素原子が置換されることが好ましい。
【0193】
8個以下の炭素原子を含有するアシルの例は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、およびベンゾイルである。
【0194】
−Cアルカノイル、C−Cアルケニル、およびベンゾイルが好ましい。アセチルおよびアクリロイルが特に好ましい。
【0195】
22個までの炭素原子を有するアルキレンの例は、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、トリメチルヘキサメチレン、オクタメチレン、およびデカメチレンである。
【0196】
−C10アルキリデンの一例は、
【0197】
【化51】

【0198】
の基である。
【0199】
−C10アルカンテトライルの一例は、1,2,3,4−ブタンテトライルである。
【0200】
−Cシクロアルキレンの一例は、シクロヘキシレンである。
【0201】
−Cアルキレンジ(C−Cシクロアルキレン)の一例は、メチレンジシクロヘキシレンである。
【0202】
フェニレンジ(C−Cアルキレン)の一例は、メチレンフェニレン−メチレンまたはエチレン−フェニレン−エチレンである。
【0203】
基R201、R202、およびR203が、これらが結合される窒素原子と共に5−〜10−員の複素環を形成する場合、この環は、例えば
【0204】
【化52】

【0205】
である。
【0206】
6−員の複素環が好ましい。
【0207】
基R204およびR205がこれらが結合される窒素原子と共に5−〜10−員の複素環を形成する場合、この環は、例えば、1−ピロリジル、ピペリジノ、モルホリノ、1−ピペラジニル,4−メチル−1−ピペラジニル,1−ヘキサヒドロアゼピニル、5,5,7−トリメチル−1−ホモピペラジニル、または4,5,5,7−テトラメチル−1−ホモピペラジニルである。モルホリノが特に好ましい。
【0208】
219およびR223の好ましい規定の中1つは、フェニルである。
【0209】
226は、好ましくは直接的結合である。
【0210】
、n、n、およびnは、好ましくは2〜25、特に2〜20の数である。
【0211】
は、好ましくは1〜25、特に1〜20の数である。
【0212】
およびbは、好ましくは2〜25、特に2〜20の数である。
【0213】
およびbは、好ましくは1〜25、特に1〜20の数である。
【0214】
b’およびb’’’は、好ましくは3であり、b”は、好ましくは2である。
【0215】
先に記載した化合物は本質的に知られており、市販されている。これら全ては公知の方法によって調製されることができる。
【0216】
化合物の調製は、例えば、
US−A−5,679,733、US−A−3,640,928、US−A−4,198,334、US−A−5,204,473、US−A−4,619,958、US−A−4,110,306、US−A−4,110,334、US−A−4,689,416、US−A−4,408,051、SU−A−768,175(Derwent 88−138,751/20)、US−A−5,049,604、US−A−4,769,457、US−A−4,356,307、US−A−4,619,956、US−A−5,182,390、GB−A−2,269,819、US−A−4,292,240、US−A−5,026,849、US−A−5,071,981、US−A−4,547,538、US−A−4,976,889、US−A−4,086,204、US−A−6,046,304、US−A−4,331,586、US−A−4,108,829、US−A−5,051,458、WO−A−94/12,544(Derwent 94−177,274/22)、DD−A−262,439(Derwent 89−122,983/17)、US−A−4,857,595、US−A−4,529,760、US−A−4,477,615、CAS 136,504−96−6、US−A−4,233,412、US−A−4,340,534、WO−A−98/51,690、およびEP−A−1,803に開示されている。
【0217】
生成物(B−6)は、公知の方法と同様に、例えば2〜8時間、−20〜+10℃、好ましくは−10〜+10℃、特に0〜+10℃の温度で、1,2−ジクロロエタン、トルエン、キシレン、ベンゼン、ジオキサン、またはtert−アミルアルコールのような有機溶媒中で、無水炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、または炭酸カリウムの存在下で、式(B−6−1)のポリアミンを塩化シアンと1:2〜1:4のモル比で反応させた後、得られた生成物を式(B−6−2)の2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミンと反応させることで調製されることができる。使用される2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミン:式(B−6−1)のポリアミンのモル比は、例えば4:1〜8:1である。2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミンの量は1回で、あるいは数時間の間隔に1を超える回数で添加されることができる。
【0218】
式(B−6−1)のポリアミン:塩化シアン:式(B−6−2)の2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミンのモル比は、好ましくは1:3:5〜1:3:6である。
【0219】
下記実施例は、好ましい生成物(B−6−a)の1つの調製方式を表わす。
【実施例】
【0220】
23.6g(0.128mol)の塩化シアン、7.43g(0.0426mol)のN,N’−ビス[3−アミノプロピル]エチレンジアミン、および18g(0.13mol)の無水炭酸カリウムを250mlの1,2−ジクロロエタン中で、3時間、5℃で撹拌しながら反応させる。混合物を更に4時間室温で加温させる。27.2g(0.128mol)のN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンを添加して、生成された混合物を60℃で2時間加温させる。更に無水炭酸カリウム18g(0.13mol)を添加して、混合物を更に6時間60℃で加温させる。溶媒をわずかな真空(200mbar)の下で留去し、キシレンに代える。18.2g(0.085mol)のN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンおよび5.2g(0.13mol)の粉砕水酸化ナトリウムを添加し、混合物を2時間還流で加熱し、更に12時間、反応中に形成された水を共沸蒸溜によって除去する。混合物を濾過する。溶液を水洗し、NaSOで乾燥する。溶媒を蒸発し、残渣を真空(0.1mbar)中で120〜130℃で乾燥する。所望の生成物を無色樹脂として得る。
【0221】
一般的に、生成物(B−6)は、例えば式(B−6−α)、(B−6−β)、または(B−6−γ)の化合物によって表示されることができる。それはまた、これら3種の化合物の混合物の形態になることもできる。
【0222】
【化53】

【0223】
式(B−6−α)の好ましい意味は、
【0224】
【化54】

【0225】
である。
【0226】
式(B−6−β)の好ましい意味は、
【0227】
【化55】

【0228】
である。
【0229】
式(B−6−γ)の好ましい意味は、
【0230】
【化56】

【0231】
である。
【0232】
上記の式(B−6−α)〜式(B−6−γ)において、bは、好ましくは2〜20、特に2〜10である。
【0233】
成分(c)の立体障害アミン化合物は、好ましくは下記の市販製品からなる群より選択される:
DASTIB 845 (RTM)、TINUVIN 770 (RTM)、TINUVIN NOR 371 (RTM)、TINUVIN 765 (RTM)、TINUVIN144 (RTM)、TINUVIN123 (RTM)、TINUVIN111 (RTM)、TINUVIN783 (RTM)、TINUVIN791 (RTM)、MARK LA52 (RTM)、MARK LA 57 (RTM)、MARK LA 62 (RTM)、MARK LA 67 (RTM)、HOSTAVIN N 20 (RTM)、HOSTAVIN N 24 (RTM)、SANDUVOR 3050 (RTM)、SANDUVOR 3053 (RTM)、SANDUVOR3058 (RTM)、DIACETAM 5 (RTM)、SUMISORB TM 61 (RTM)、UVINUL 4049 (RTM)、SANDUVOR PR 31 (RTM)、GOODRITE UV 3034 (RTM)、GOODRITE UV 3150 (RTM)、GOODRITE UV 3159 (RTM)、GOODRITE3110x128 (RTM)、UVINUL 4050 H (RTM)、CHIMASSORB 944 (RTM)、CHIMASSORB 2020 (RTM)、CYASORB UV 3346 (RTM)、CYASORB UV 3529 (RTM)、DASTIB 1082 (RTM)、CHIMASSORB 119 (RTM)、UVASIL299 (RTM)、UVASIL 125 (RTM)、UVASIL2000 (RTM)、UVINUL5050 H (RTM)、LICHTSCHUTZSTOFF UV 31 (RTM)、LUCHEM HA B 18 (RTM)、MARK LA 63 (RTM)、MARK LA 68 (RTM)、UVASORB HA 88 (RTM)、TINUVIN 622 (RTM)、HOSTAVIN N 30 (RTM)、およびFERRO AM 806 (RTM)。
【0234】
TINUVIN 770 (RTM)、TINUVIN NOR 371 (RTM)、TINUVIN 791 (RTM)、TINUVIN 622 (RTM)、TINUVIN 783 (RTM)、CHIMASSORB 944 (RTM)、CHIMASSORB 2020 (RTM)、およびCHIMASSORB 119 (RTM)が特に好ましい。
【0235】
TINUVIN 770 (RTM)、TINUVIN 292 (RTM)、TINUVIN 123 (RTM)、TINUVIN 152 (RTM)、TINUVIN NOR 371 (RTM)、およびTINUVIN 791 (RTM)が最も好ましい。
【0236】
式(B−1)、(B−3)、(B−4)、(B−5)、(B−6−α)、(B−6−β)、(B−6−γ)、(B−7)、(B−8−a)、(B−8−b)、および(B−10)の化合物において自由原子価を飽和させる末端基の意味は、それらの調製に使われる方法に依存する。末端基はまた、化合物の調製後に修飾されることができる。
【0237】
式(B−1)の化合物は、式
【0238】
【化57】

【0239】
(式中、Xは、例えば、ハロゲン、特に塩素であり、R204およびR205は、先に規定したとおりである。)の化合物を、式:
【0240】
【化58】

【0241】
(式中、
201、R202、およびR203は、先に記載したとおりであり、ジアミノ基に結合された末端基は、水素または
【0242】
【化59】

【0243】
であり、トリアジン基に結合された末端基は、X、または
【0244】
【化60】

【0245】
である。)の化合物と反応させることで調製される。
【0246】
Xがハロゲンの場合、反応が完了する時に、これを例えば、−OHまたはアミノ基に代えるのが有利である。アミノ基の例として、ピロリジン−1−イル、モルホリノ、−NH、−N(C−C)アルキル)、および−NR(C−Cアルキル)(式中、Rは、水素または式(b−1)の基である。)が挙げられる。
【0247】
式(B−1)の化合物は、また、式:
【0248】
【化61】

【0249】
(式中、
201、R202、R203、R204、R205、およびbは、先に規定したとおりであり、R204は、R204の意味の1つを有し、R205は、R205の意味の1つを有する)の化合物も包括する。
【0250】
式(B−1)の特に好ましい化合物の中の1つは、
【0251】
【化62】

【0252】
である。
【0253】
この化合物の調製は、US−A−6,046,304の実施例10に記載されている。
【0254】
式(B−3)の化合物において、珪素原子に結合された末端基は、例えば、(R14Si−O−になることができ、酸素に結合された末端基は、例えば、−Si(R14−になることができる。
【0255】
式(B−3)の化合物はまた、bが3〜10の数の場合、環化合物の形態になることができ、即ち構造式で示されている自由原子価が直接結合を形成する。
【0256】
式(B−4)の化合物において、2,5−ジオキソピロリジン環に結合された末端基は、例えば、水素であり、−C(R223)(R224)−基に結合された末端基は、例えば、
【0257】
【化63】

【0258】
である。
【0259】
式(B−5)の化合物において、カルボニル基に結合された末端基は、例えば、
【0260】
【化64】

【0261】
であり、酸素基に結合された末端基は、例えば、
【0262】
【化65】

【0263】
である。
【0264】
式(B−6−α)、(B−6−β)および(B−6−γ)の化合物において、トリアジン基に結合された末端基は、例えば、Clまたは
【0265】
【化66】

【0266】
の基であり、アミノ基に結合された末端基は、例えば、水素又は基:
【0267】
【化67】

【0268】
である。
【0269】
式(B−7)の化合物を例えば、式:
【0270】
【化68】

【0271】
(式中、Aは、水素またはメチルである。)の化合物を、式Y−OOC−A−COO−Y(式中、Yは、例えば、メチル、エチルまたはプロピルであり、Aは、先に規定したとおりである。)のジカルボン酸ジエステルと反応させることで調製する場合には、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキシピペリジン−1−イル基に結合された末端基は、水素または−CO−A−COO−Yであり、ジアシル基に結合された末端基は−O−Y、または
【0272】
【化69】

【0273】
である。
【0274】
式(B−8−a)の化合物において、窒素に結合された末端基は、例えば、水素にすることができ、2−ヒドロキシプロピレン基に結合された末端基は、例えば、
【0275】
【化70】

【0276】
の基にすることもできる。
【0277】
式(B−8−b)の化合物において、ジメチレン基に結合された末端基は、例えば、−OHにすることができ、酸素に結合された末端基は、例えば水素にすることができる。末端基はまた、ポリエーテル基にすることもできる。
【0278】
式(B−10)の化合物において、−CH−残基に結合された末端基は、例えば、水素であってもよく、−CH(C0)残基に結合された末端基は、例えば、−CH=CH−COOAにすることができる。
【0279】
立体障害アミンの具体例は、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状または環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]ジカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状または環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]−ジカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−卜リクロロ−1,3,5−トリアジンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[136504−96−6])との縮合生成物;N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]ジカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]ジカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシ−メチレン−マロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、およびマレイン酸無水物−α−オレフイン−共重合体と2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジン、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3、3,5−トリメチル−2−モルホリノンまたはU.S.特許第6,117,995号の実施例2に開示された、
【0280】
【化71】

【0281】
(式中、nは、1〜15である。)の化合物との反応生成物である。
【0282】
先に述べた立体障害アミンは知られており、殆ど市販用品目である。
【0283】
本発明のそれ以上の態様は、不均一相ラジカル重合によって無極性有機光安定剤の存在下で少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体を重合する工程を含む、1000nm未満の平均粒径を有する濃厚水性重合体分散液の調製方法であり、エチレン性不飽和単量体から形成された重合体キャリヤに対する無極性有機光安定剤の重量比が、重合体キャリヤ100部当り、光安定剤50部よりも大きい方法である。
【0284】
本発明の特定の実施態様において、濃厚水性重合体分散液の調製方法は、
a)無極性有機光安定剤を少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体中に溶解、乳化または分散させ;
b)少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体中に溶解、乳化、または分散した、該有機光安定剤の通常の水中油エマルジョンを調製し;
c)通常のエマルジョンをミニエマルジョンに均質化し、ここで、有機相の液滴は1000nmよりも小さい平均直径を有し;
d)重合開始剤を添加することによってミニエマルジョンを重合させる;
各工程を含み、
ここでエチレン性不飽和単量体から形成される重合体キャリヤに対する無極性有機光安定剤の重量比は、重合体キャリヤ100部当り光安定剤50部よりも大きい。
【0285】
工程b)において、好ましくはノニオン性、カチオン性、またはアニオン性界面活性剤が更に存在する。
【0286】
一般的に、アニオン性およびノニオン性界面活性剤が好ましい。
【0287】
場合によっては、他の水混和性溶媒が通常水含量基準で10重量%未満で存在してもよい。本発明に有用な例示的な共溶媒は脂肪族アルコール、グリコール、エーテル、グリコールエーテル、ピロリジン、N−アルキルピロリジノン、N−アルキルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、カルボン酸およびそれらの塩、エステル、有機スルフィッド、スルホキシド、スルホン、アルコール誘導体、ヒドロキシエーテル誘導体、例えばブチルカルビトールまたはセロソルブ、アミノアルコール、ケトンなど、およびこれらの誘導体およびこれらの混合物からなる群より選択されることができる。具体例は、メタノール、エタノール、プロパノール、ジオキサン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコール、テトラヒドロフラン、およびその他水溶性または水混和性物質、およびこれらの混合物が含まれる。
【0288】
水、水アルコール混合物、水エチレングリコール、またはプロピレングリコール混合物、水アセトン、水テトラヒドロフラン、または水ジメチルホルムアミド混合物が好ましい。
【0289】
添加され得る適した界面活性剤または界面活性化合物は、当分野において知られている。使用される量は、典型的に単量体に基づいて、0.01〜10重量%の範囲である。
【0290】
本発明に有用な典型的な界面活性剤は、ノニオン性、カチオン性、またはアニオン性タイプのものである。
【0291】
アニオン性界面活性剤の例は、C12−C18アルキルスルホン酸のアルカリおよびアンモニウム塩、コハク酸のジアルキルエステル、またはエトキシル化アルカノールの硫酸の半エステルである。これらの化合物は、例えばUS4,269,749から知られており、殆ど市販用品目であり、例えばDowfax(登録商標) 2A1(ダウケミカルカンパニー(Dow Chemical Company))の商品名で市販される。
ノニオン性界面活性剤は、例えば脂肪族またはアル脂肪族(araliphatic)化合物、例えば3〜50のエトキシル化度、およびC−C範囲のアルキル基を有するエトキシル化フェノール(モノ、ジ、トリ)、エトキシル化長鎖アルコールまたはポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体である。
【0292】
その上に、保護性コロイド、例えばポリビニルアルコール、澱粉、セルロース誘導体、またはビニルピロリドンを含有する共重合体を添加して、工程b)によって通常の水中油エマルジョンを形成してもよい。それ以上の例は、“Houben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie,Band XIV/1,Makromolekulare Stoffe,G. Thieme Verlag Stuttgart 1961,411−420”に挙げられている。
【0293】
均質化工程b)およびc)は、機械的撹拌(動静翼デスペンサー)を適用した後、例えば超音波装置(J. Dispersion Sci. Technology 2002,23(1−3),333−349)または高圧ホモジナイザー(APV Gaulin Homogenizer; Microfluidizer)のような高力分散装置を使用することによって実施するのが普通である。乳化/均質化は、連続的にまたはバッチ式に実施することができる。この目的のための装置は、当分野において知られている。これは、例えばUS5,108,654に記載されている。
【0294】
重合工程d)は、遊離基重合開始剤を添加することによって実施する。
【0295】
好ましくは遊離基開始剤は単量体または単量体混合物に基づいて、0.01〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%、最も好ましくは0.2〜5重量%の量で存在する。
【0296】
重合開始剤は、反応混合物にバッチ式または連続的に添加されることができる。
【0297】
好ましくは、成分b)の遊離基開始剤は、ビス−アゾ化合物、パーオキシド、またはヒドロパーオキシドである。
【0298】
具体的な好ましいラジカル源は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、遊離塩基またはヒドロクロロライド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、遊離塩基またはヒドロクロロライド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}または2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド;アセチルシクロヘキサンスルホニルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−アミルパーネオデカノエート、t−ブチルパーネオデカノエート、t−ブチルパーピバレート、t−アミルパーピバレート、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキシド、ジイソノナノイルパーオキシド、ジデカノイルパーオキシド、ジオクタノイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジコハク酸パーオキシド、ジアセチルパーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパー2−エチルヘキサノエート、ビス−(4−クロロベンゾイル)−パーオキシド、t−ブチルパーイソブチレート、t−ブチルパーマレイネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーイソノナオエート、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジベンゾエート、t−ブチルパーアセテート、t−アミルパーベンゾエート、t−ブチルパーベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)プロパン、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシド、3−t−ブチルパーオキシ3−フェニルフタライド、ジ−t−アミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、3,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,5−ジメチル1,2−ジオキソラン、ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチルヘキシン−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシド、3,3,6,6,9,9−ヘキサメチル1,2,4,5−テトラオキサシクロノナン、p−メタンヒドロパーオキシド、ピナンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンモノ−α−ヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシドまたはt−ブチルヒドロパーオキシドである。
【0299】
また、Fe−化合物またはCo−化合物とパーオキソ塩または、ビスルフィットまたはヒドロスルフィットの塩との組み合わせを使用することも可能である。これらの組み合わせは酸化還元系として知られている。
【0300】
重合温度は、使用する開始剤に依存する。通常、重合温度は、5〜95℃の範囲、好ましくは30〜90℃の範囲である。圧力が印加される場合、温度は120℃まで昇温することができるが、常圧下での重合が通常の方法である。
【0301】
代わりに、光開始剤および電磁線、特に化学線によって重合が開始されることができる。
【0302】
本発明による方法に使用するのに適した光開始剤は、原則的に、電磁波を照射する時、1つ以上の遊離基を形成する任意の化合物および混合物である。これらには、複数個の開始剤からなる開始剤系、および互いに独立してまたはシナジー效果的に機能する系が含まれる。共開始剤、例えばアミン、チオール、ボレート、エノラート、ホスフィン、カルボキシレート、およびイミダゾールに加えて、増感剤、例えばアクリジン、キサンテン、チアゼン、クマリン、チオキサントン、トリアジン、および染料を使用することもまた可能である。このような化合物および開始剤系の記載は、例えば、Crivello J.V., Dietliker K.K.,(1999):Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings,Inks & Paints、およびBradley G.(著)、第3巻:Photo−initiators for Free Radical and Cationic Polymerisation、第2版、John Wiley & Son Ltd.に見ることができる。工程b)で本発明による方法に適した光開始剤は不飽和基を有する開始剤、またはこのような基を持たない開始剤のいずれであってもよい。そのような化合物および誘導体は、例えば下記のクラスの化合物に由来される:ベンゾイル、ベンジルケタール、アセトフェノン、ヒドロキシアルキルフェノン、アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイド、アシルホスフィンスルフィッド、アシルオキシイミノケトン、アルキルアミノ−置換ケトン、ミヒラーのケトン、パーオキシ化合物、ジニトリル化合物、ハロゲン化アセトフェノン、フェニルグリオキシレート、二量体性フェニルグリオキサレート、ベンゾフェノン、オキシムおよびオキシムエステル、チオキサントン、クマリン、フェロセン、チタノセン、オニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、ボレート、トリアジン、ビスイミダゾール、ポリシラン、および染料である。前記クラスからの化合物と相互との組み合わせ、および対応する共開始剤系および/または増感剤との組み合わせを使用することもまた可能である。
【0303】
驚くべきことに、重合が完了した後に、揮発性成分、主に水が粒子の凝集なしに除去され得ることが分かった。そのため、所望の場合、重合体粒子がすぐ再分散されることができる。
【0304】
揮発性成分の気化を標準方法、例えば噴霧乾燥を利用して実施することができる。
【0305】
よって、本発明の別の態様は、先に記載した通りの濃厚水性重合体分散液の揮発性成分を気化させることによって得られる重合体粉末である。
【0306】
高度に濃縮された光安定剤を含有する重合体粉末を、例えば粉末コーチングの配合、または成形、ブロー成形または押出工程でのプラスチック用途のために使用することができる。
【0307】
本発明は更に、熱、酸化、または光誘導分解に対して安定化した組成物であって、
(a)熱、酸化、または光誘導分解されやすい有機物質、および
(b)先に記載した通りの濃厚水性重合体分散液
を含む組成物に関するのである。
【0308】
例えば、有機物質は、記録物質である。
【0309】
例えば、記録物質は、写真物質またはインクジェット物質である。
【0310】
本発明の別の実施態様において、記録物質は、オーバープリントワニス内に濃厚水性重合体分散液を含有する印刷物質である。
【0311】
本新規重合体分散液で安定化される物質は、例えば記録物質である。このような物質は、例えば写真再生およびその他コピー技術に関するResearch Disclosure 1990,31429(第474−480頁)に記載されるものを意味する。
【0312】
記録物質は、例えば、感圧性コピーシステム、マイクロカプセル写真コピー機システム、感熱性コピー機システム、写真物質、およびインクジェット印刷を含む。
【0313】
記録物質は、特にその光安全性の点から、予期されない程に高い品質を特徴とする。
【0314】
記録物質は、それ自体知られ、用途に対応する構造を有する。それらは、基材、例えば1枚以上のコーチングが適用される紙またはプラスチックフィルムからなる。物質のタイプに応じて、これらのコートは、要求される適した成分を含有しており、写真物質の場合には、例えばハロゲン化銀エマルジョン、色カプラー、染料などを含む。特にインクジェット印刷用に意図する物質は、インクに適した吸収層が上にある通常の基材を有する。コーチングされていない紙も同様にインクジェット印刷に用いられることができるし;この場合に、紙は基材として同時に機能し、インク用の吸収剤を有する。インクジェット印刷に適した物質は、中でも特にU.S.特許第5,073,448号に記載されており、その特許の開示内容は本明細書の一部と見なされる。
【0315】
記録物質はまた、例えば透写フィルムの場合に、透明であることもある。
【0316】
重合体分散液は、製造過程においてさえ物質内に組み込むことができ、製紙時には、例えばパルプに添加することによって組み込むことができる。別の使用方法は、物質の噴霧、またはそのコーチングへの添加である。
【0317】
透写のための透明な記録物質のためのコーチングは、顔料または充填剤のような光散乱粒子を全く含有してはいけない。
【0318】
色結合コーチングは、更なる添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、粘度増進剤、漂白剤、殺生剤、および/または静電防止剤を含有することができる。
【0319】
コーチングは、通常下記の通りに調製される:
【0320】
水溶性成分、例えば結合剤を水中に溶解させて混合する。固体成分、例えば充填剤および既に記載したようなその他の添加剤をこの水性媒体内に分散させる。超音波装置、タービン撹拌器、ホモジナイザー、コロイドミル、ビーズミル、サンドミル、高速撹拌器のような器具を利用して分散をもたらすのが有利である。本重合体分散液の特別な利点は、コーチングに組み込むのが容易ということである。
【0321】
先に述べたように、記録物質は、広範囲な使用分野に及ぶ。重合体分散液は、例えば、感圧性コピー機システムに用いられることができる。それらは紙に添加されて、マイクロカプセル化された染料前駆体を光から保護するか、または現像層の結合剤に添加されて、その中に形成される染料を保護することができる。
【0322】
圧力によって現像される感光性マイクロカプセルを有する写真コピー機システムは、中でもU.S.特許第4,416,966号;第4,483,912号;第4,352,200号;第4,535,050号;第4,5365,463号;第4,551,407号;第4,562,137号および第4,608,330号;およびEP−A−139,479;EP−A−162,664;EP−A−164,931;EP−A−237,024;EP−A−237,025およびEP−A−260,129に記載されている。これらの全てのシステムにおいて、重合体分散液は色受理層に添加されることができる。代わりに、それらはドナー層に添加されて、光形成体を光から保護することができる。
【0323】
重合体分散液はまた、光重合、光軟化、またはマイクロカプセルの崩壊の原理に基づくか、または感熱性もしくは感光性ジアゾニウム塩、ロイコ染料が酸化剤と共に、または色ラクトンがルイス酸と共に使用される時に、記録物質に用いられることができる。
【0324】
感熱性記録物質は、無色ベース染料もしくは弱着色染料と有機もしくは無機発色剤との間の色付与反応を利用し、両物質の熱誘導接触によって、記録された画像が生成される。このタイプの感熱性記録物質は、ファックス、コンピューターなどのための記録媒体としてだけでなく、また多くの他の分野、例えばラベル印刷で非常に広く広がっている。
【0325】
感熱性記録物質は、基材、この基材上の感熱性色形成性記録層、および場合によっては感熱性色形成性記録層上の保護層で構成される。感熱性色形成性記録層は、その主要成分として色付与性化合物および発色性化合物、およびまた本発明による重合体分散液を含有する。該保護層が存在する場合、重合体分散液をまた保護層内に組み込むことができる。
【0326】
感熱性記録物質は、例えば、JP−A8−267915に記載されている。
【0327】
更なる使用分野は、染料拡散転写、熱ワックス転写印刷、およびドットマトリックス印刷用、および静電機、電子写真、電気永動、磁気写真、およびレーザー電子写真印刷機、レコーダーまたはプロッタで用いるための記録物質である。先に述べた物質中で、例えばEP−A−507,734に記載されているような、染料拡散転写印刷用記録物質が好ましい。
【0328】
重合体分散液はまた、好ましくはインクジェット印刷のためのインク、例えばU.S.特許第5,098,477に記載される通りのものに用いられることもでき、同特許の開示内容を本記載の一部と見なす。特にインクジェット印刷のためのインクは、好ましくは水を含有する。インクは、重合体分散液を通常0.01〜20重量%、特に0.5〜10重量%の濃度で含有する。
【0329】
カラー写真物質の例は、カラーネガチブフィルム、カラーリバーサルフィルム、カラーポジチブフィルム、カラー印画紙、カラーリバーサル印画紙、染料拡散転写工程、または銀染料漂白工程のためのカラー感応性物質である。
【0330】
カラー写真物質の生産のために適した基材の例は、半合性および合成重合体、例えば、セルロースニトレート、セルロースアセテート、セルロースブチレート、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、およびポリカーボネートのフィルムおよびシート、およびバライト層またはα−オレフイン重合体層(例えばポリエチレン)が積層された紙である。これらの基材は、染料または顔料、例えば二酸化チタンで着色されていることができる。それらは、また、遮光のために黒色に着色されていることもできる。基材の表面に、通常写真乳化層の層の接着を向上させるための処理、例えばコロナ放電、およびそれに後続する下塗層の塗布を施す。
【0331】
記録物質は、好ましくは基材から出発して順に青色感応性、緑−感応性および赤−感応性層に、ハロゲン化銀エマルジョン層を含む。カラー写真物質において、重合体分散液は、好ましくは緑−感応性層上の層、特に好ましくはハロゲン化銀エマルジョン層の上の層にある。
【0332】
重合体分散液は、好ましくは0.001〜10g/m、例えば0.1〜8g/m、特に0.005〜6g/m、特に0.01〜4g/mの量で写真物質中に存在する。
【0333】
ハロゲン化銀エマルジョン層の上の層に重合体分散液を含む写真記録物質が一般的に好ましい。また、赤−感応性および緑−感応性ハロゲン化銀エマルジョン層の各々を少なくとも1つ及びそれらの間に中問層を含み、本重合体分散液の少なくとも1種が赤−感応性および緑−感応性ハロゲン化銀エマルジョン層の間の中問層中に存在する写真記録物質も好ましい。非常に特に好ましい写真記録物質は、赤−感応性、緑−感応性および青−感応性ハロゲン化銀エマルジョン層の各々を少なくとも1つ、およびまた先に述べた層と保護層との間に少なくとも2つのの中問層を含み、本重合体分散液の少なくとも1種が緑−感応性ハロゲン化銀エマルジョン層の上の少なくとも1つの層中に存在し、ハロゲン化銀エマルジョン層は暗−保存安定剤および/または光安定剤を含有するものである。
【0334】
カラー写真エマルジョン層の必須構成要素は、結合剤、ハロゲン化銀粒子、およびカラーカプラーである。
【0335】
特に興味のあるものは、例えば基材上に、少なくとも1つの黄色カプラーを含有する少なくとも1つの青−感応性ハロゲン化銀エマルジョン層、少なくとも1つのマゼンタカプラーを含有する少なくとも1つの緑−感応性ハロゲン化銀エマルジョン層、少なくとも1つのシアンカプラーを含有する少なくとも1つの赤−感応性ハロゲン化銀エマルジョン層、および通常最上層および中問層を含み、層の中の少なくとも1つは本発明による重合体分散液を含むカラー写真記録物質である。
【0336】
写真エマルジョンは、メチン染料またはその他染料を使用してスペクトル的に増感されることができる。特に適した染料は、シアニン染料およびメロシアニン染料であり、複合メロシアニン染料を含む。
【0337】
スペクトル増減剤として適したポリメチン染料、それらの適切な組合せ、および超増感性組合せの概要がResearch Disclosure 17643(1978年12月)、第IV章に挙げられている。
【0338】
異なって増感されたエマルジョン層を、非拡散性単量体性または重合体性カラーカプラーに振り分け、これらを同じ層もしくは隣接した層内に位置させてよい。シアンカプラーを赤−感応性層に割り当て、マゼンタカプラーを緑−感応性層に割り当て、黄色カプラーを青−感応性層に割り当てるのが通常である。
【0339】
有機物質が、接着剤、天然または合成ゴムの水性エマルジョン、水性インクまたは水性コーチングである組成物が好ましい。
【0340】
工程(ii)において、好ましくはノニオン性、カチオン性、またはアニオン性界面活性剤が存在する。
【0341】
好ましくは、成分b)の量は、成分a)の固形分含量の重量に基づいて、0.1〜40重量%、特に0.1〜20重量%、特に0.1〜10重量%である。
【0342】
極薄フィルム適用のために、成分b)の量は、成分a)の固形分含量の重量に基づいて、60重量%程に高くすることができる。
【0343】
接着剤は、好ましくはポリウレタン、ポリアクリル、エポキシ、フェノリック、ポリイミド、ポリ(ビニルブチラール)、ポリシアノアクリレート、ポリアクリレート、エチレン/アクリル酸共重合体、およびそれらの塩(イオノマー)、珪素重合体、ポリ(エチレン/ビニルアセテート)、アタクチックポリプロピレン、スチレン−ジエン共重合体、ポリアミド、ヒドロキシル−末端のポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリ(ビニルアセテート)、カルボキシル化スチレン/ブタジエン共重合体、およびポリ(ビニルアルコール)からなる群より選択される。
【0344】
天然または合成ゴムの水性エマルジョンは、例えば天然ラテックスまたはカルボキシル化スチレン/ブタジエン共重合体のラテックスである。
【0345】
濃厚水性重合体分散液はまた、インク、好ましくはインクジェット印刷のためのインクに用いられることもできる。
【0346】
水溶性、水混和性、または水分散性コーチングが所望される場合、酸性基のアンモニウム塩が、樹脂骨格内に存在する。
【0347】
コーチングは、物理的に乾燥するシステムまたは架橋された重合体にすることができる。例えば架橋された重合体は、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、ウレア/ホルムアルデヒド樹脂、およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂のように、一方でアルデヒドから、他方でフェノール、ウレア、およびメラミンに由来される。
【0348】
乾燥および非乾燥性アルキド樹脂も可能である。
【0349】
飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールおよび架橋剤としてのビニル化合物とのコポリエステルに由来される不飽和ポリエステル樹脂およびまた低引火性のそれらのハロゲン含有改質物が使用されることができる。置換されたアクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、またはポリエステルアクリレートに由来された架橋性アクリル系樹脂が好ましい。
【0350】
メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリイソシアネート、またはエポキシ樹脂と架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、およびアクリレート樹脂。
【0351】
また、例えばビスグリシジルエーテルから、または脂環式ジエポキシドから、ポリエポキシドに由来された架橋されたエポキシ樹脂もまた配合されることができる。
【0352】
アルキド樹脂ラッカーは、特に自動車をコーチングするのに使用される通常の焼き付けラッカー(自動車フィニッシュングラッカー)、例えばアルキド/メラミン樹脂およびアルキド/アクリル/メラミン樹脂をベースにしたラッカーである。(H. WagnerおよびH. F. Sarx,“Lackkunstharze”(1977)、第99−123頁を参照)。その他の架橋剤は、グリコウリル樹脂、ブロックトイソシアネートまたはエポキシ樹脂を含む。
【0353】
ラッカーは、金属フィニッシュコーチングおよび固体色フィニッシュの両方に適しており、特にレタッチフィニッシュ並びに各種のコイルコーチング用途の場合に適している。本発明によって安定化されるラッカーは、好ましくは2つのの方法によって、即ち、1−コート方法、または2−コート方法によって、通常の方式で適用される。後者の方法では、顔料−含有のベースコートを初めに適用し、次いで、清浄なラッカーのカバーコートをその上に適用する。
【0354】
コーチングはまた、木材が脱色されることを防止するために木材基板上に塗布されることもできる。
【0355】
水性コーチング物質は水溶性、水−希釈性重合体、または重合体分散液をベースにすることができる。極性の高い有機膜形成物質、例えば酸価が極めて高いポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、セルロース誘導体、アクリレートおよびポリエステルは、水溶性重合体の例である。水−希薄性膜形成物質は、側鎖に組み込まれた、塩形成可能な酸性または塩基性基を有する比較的短鎖の重合体からなる。それらは膜形成中に蒸発して不溶性重合体になる、適した塩基または酸で中和される。それらの例は、短および中油カルボン酸アルキド樹脂、水−希釈性メラミン樹脂、乳化性エポキシ樹脂またはシリコーンベースのエマルジョンである。いくつかの重合体タイプが水−希釈可能な膜形成物質として使用される。これらの中で最も重要なものは、ジブチルマレイネートとのビニルアセテート共重合体、バーサチック酸のビニルエステル、アクリルエステル酸、エチレンおよびビニルクロロライドとの三元重合体、ビニルプロピオネート、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートからなる純アクリレート、スチレンとのアクリレート共重合体およびスチレン−ブタジエン共重合体である。
コーチング物質はまた、光重合性化合物の水系放射線硬化性配合物であってもよい。
【0356】
コーチング物質はまた、顔料または染料、充填剤、凝集剤としての溶媒、結合剤、ワックスまたはその他疎水性製剤のための加速化剤(硬化剤)、消泡剤、均染剤、湿潤剤、流動学的添加剤(増粘剤またはチキソトロープ剤)、アミン、pH調整のための基材、光開始剤、殺生剤、保存剤、殺ダニ剤、または殺昆虫剤のような成分を更に含有することができる。
【0357】
コーチング物質は、焼き付けまたは放射によって、室温で物理的に乾燥させてもまたは化学的に硬化させてもよい。結合剤が硬化性結合剤の場合、それらは硬化剤および/または加速化剤と共に使用するのが普通である。
【0358】
木材または木材ベースの物質のコーチングに適した任意のコーチング組成物が水性木材コーチング物質として使用されることができる。木材または木材ベースの物質の例は、家具、パーケット、窓枠、パネル、門、木材コアベニヤ板、チップボード、およびファイヤーボードである。木材コーチング物質は、それらの機能または透明度に応じて、プライマー/含浸ステイン、ステインブロッキングプライマー、および例えば木材ステインおよび不透明コーチングのような外装トップコーチングにすることもできる。今日好ましい結合剤は、ストレートアクリル系分散液であり、多くの場合においてそれらの混合物としての自己架橋性アクリル系分散液またはアルキド樹脂エマルジョンまたはハイブリッドコーチングである。大部分自己架橋するアクリル系分散液をベースとする、家具およびパーケット水性ラッカーのようなインテリア用途のために、ポリウレタン分散液、アクリル系ポリウレタン共重合体分散液が好ましく使用される。フィルム特性が高い要件を満たすべき時は、放射線−硬化性重合体分散液、またはヒドロキシル−官能性重合体分散液および水分散性ポリイソシアネートからなる2−パックシステムが好ましい。
【0359】
従来の技術によって、例えば含浸(impregnating)、展着(spreading)、ブラッシング(brushing)、ディッピング(dipping)、デラギング(deluging)、噴霧によるか、またはローラーやカーテン機器を使用して、水性木材コーチング物質を木材に適用することができる。また、高圧または真空下での含浸も可能である。
【0360】
一般的に、成分a)が、水性コーチングである組成物が好ましい。
【0361】
本発明の特定の一実施態様は、熱、酸化、または光誘導分解に対して安定化された粉末コーチング組成物であって、
a)固体結合剤物質;および
b)先に記載した通りの光安定剤を含有する重合体粉末
を含む粉末コーチング組成物である。
【0362】
「粉末コーチング組成物」または「粉末コーチング」とは、「Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、完全改訂版、第A18巻」、第438−444頁(1991)、セクション3.4に記載される通りの定義を意味する。粉末コーチングとは、主に金属性基材に粉末形態で適用される、熱可塑性または焼付可能な架橋性重合体を意味する。粉末を、コーチングすべき加工物と接触させる方式は、静電気粉末噴霧、静電気流動床焼結、固定床焼結、流動床焼結、回転焼結、または遠心焼結のような種々の適用技術が典型となる。
【0363】
本発明の粉末コーチング組成物のための好ましい有機膜形成性結合剤は、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル−ヒドロキシアルキルアミド、ポリエステル−グリコールウリル、エポキシ−ポリエステル樹脂、ポリエステル−トリグリシジルイソシアヌレート、ヒドロキシ−官能性ポリエステル−ブロックトポリイソシアネート、ヒドロキシ−官能性ポリエステル−ウレトジオン、硬化剤を有するアクリレート樹脂、またはこのような樹脂の混合物をベースにする焼き付けシステムである。
【0364】
ポリエステルは、一般的にヒドロキシ−またはカルボキシ−官能性であり、ジオールとジカルボン酸との縮合によって調製されるのが普通である。ポリオールおよび/またはポリ酸を添加することにより、分岐型ポリ−エステルが得られ、これらは更に架橋剤の存在下で焼き付ける過程中に、コーチングに耐スクラッチ性、耐衝撃性および屈曲強度のような所望の物性をもたらすネットワーク構造を起こす。多官能性酸の代りに、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、テレフタル酸無水物、ヘキサヒドロテレフタル酸無水物、トリメリト酸無水物、ピロメリト酸二無水物、コハク酸無水物のような無水物または酸クロライドを使用することも可能である。また、例えば、ジメチルテレフタレートのような単純エステルを使用することも可能であり、この場合に重合は揮発性アルコールが除去されながらエステル交換によって進行される。同様に、エステル交換および縮合の組み合わせによって調製することも行うことが可能である。その上に、ポリエステルは12−ヒドロキシ−ステアリン酸およびヒドロキシピバル酸のようなヒドロキシカルボン酸、または、例えばε−カプロラクトンのような対応するラクトンの重縮合によっても調製されることができる。ジカルボン酸およびポリ酸の例には、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンニ酸、ピロメリト酸、3,6−ジクロロフタル酸、コハク酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が含まれる。ジオールおよびポリオールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ヘキサントリオール、ヘキサン−2,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリス−1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチルペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパン−ジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、エステルジオール204(ヒドロキシピバル酸およびネオ−ペンチルグリコールのエステル)、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA、ヒドロキシピバル酸、ヒドロキシピバレートエステル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオールまたは2−メチル−1,3−プロパンジオールが含まれる。
【0365】
カルボキシ−官能性ポリエステルのための適した架橋剤は、エポキシ化合物、例えばNovolac(登録商標)−エポキシ樹脂、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA、および例えば、脂肪族ジカルボン酸との反応によって改質されたビスフェノールAである。また、反応性エポキシ化合物、例えば、トリグリシジルトリアゾリジン−3,5−ジオン、ポリ酸のグリシジルエステル、例えばジグリシジルテレフタレートおよびジグリシジルヘキサヒドロテレフタレート、ヒダントインエポキシド(U.S.4,402,983)および、特に;トリグリシジルイソシアヌレート、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル(例えばUranox(登録商標)、DSM製)およびAraldit(登録商標) PT910(Ciba Spezialitaten−chemie AG)も適している。更に、カルボキシ−官能性ポリエステルのための架橋剤は、例えばβ−ヒドロキシアルキルアミド(U.S.4,076,917)、例えば主にアジピン酸の4官能性β−ヒドロキシアルキルアミド誘導体(Primid(登録商標) XL 552、Rohm & Haas製)である。低分子量のアルコールでアルキル化されたメラミン、ベンゾグアニミンおよびグリコールウリルの誘導体も適したものと立証された。例は、テトラメチルメトキシグリコールウリル(Powderlink(登録商標) 1174、American Cyanamid製)である。加えて、例えば、1,4−ビスオキサゾリジノベンゼンのようなビス−およびトリスオキサゾリジンも架橋剤として知られている。
【0366】
化学的に結合されたエポキシ基を含有しており、それら自体で架橋されることができるカルボキシ−官能性ポリエステルが一層最近のものである(Molhoekら、第22版、Fatipec Congress、15−19.5.95、Budapest、第1巻、119−132)。
【0367】
エポキシ基またはグリシジル基が架橋反応でカルボキシル基または無水物と反応する全てのシステムにおいて、触媒を用いるのが可能である。その例は、例えば、アミンまたは金属化合物、例えばアルミニウムアセチルアセトネートまたは錫オクトエートである。
【0368】
ポリイソシアネート架橋剤がヒドロキシ官能性ポリエステルのための架橋剤として特に重要である。早期架橋を防止するため、イソシアネートの高い反応性によって、かつ溶融粉末の良好なレベリングを得るために、ポリイソシアネートがブロックされる(内部的にウレチドンの形態であるか、またはブロッキング剤との付加物として)。最も一般的に使用されるブロッキング剤は、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトオキシムまたはブタノンオキシムである。イソシアネートのための他の適したブロッキング剤は、刊行物G.B.Guise, G.N.FreelandおよびG.C.Smithの、J. Applied Polymer Science、23、353(1979)、およびM.BockおよびH.−U.Maier−Westhuesの“Progress in Product Development for Powder Coating Technology、第XIX版Int. Conf. On Organic Coatings、Science and Technol.,Athens、7月12−16日”、1993に記載されている。ブロックされたおよびブロックされないポリイソシアネートの例には、2−メチルペンタン1,5−ジソシアネート、2−エチルブタン1,4−ジソシアネート、3(4)−イソシアネートメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンジソシアネート、トリス(イソシアナトメチル)ベンゼン、4,4’−ジソシアナトジシクロヘキシルメタン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m−テトラメチルキシレンジソシアネート、p−テトラメチルキシレンジソシアネート、および特に、イソホロンジソシアネートが含まれる。脱ブロックのために、例えば錫オクトエート、ジブチル錫オキサイド、またはジブチル錫ジラウレートなどの金属性触媒を、ポリイソシアネート配合物に添加するのが一般的である。
【0369】
ヒドロキシ官能性ポリエステルのための更に適した架橋剤は、トリメリト酸無水物のような無水物、およびそのジオールおよびジアミンとの反応生成物である。このような架橋剤の更なる例は、T. A. Misevの“Powder Coatings: Chemistry and Technology”、J. Wiley & Sons発行、Chichester、第123および124頁に記載されている。
【0370】
通常、ヒドロキシル、カルボキシル、またはグリシジル官能基を有するポリアクリレートも粉末コーチング用結合剤として用いられる。それらは、慣用の方法によって、主にスチレンおよびアクリル酸またはメタクリル酸の線状または分岐状C−Cアルキルエステルのような単量体から調製される。加えて、ジビニルベンゼン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ブタジエン、などの他のエチレン性不飽和化合物が、添加されて共重合されることができる。ヒドロキシル官能基は、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートのようなヒドロキシ−官能性単量体の共重合によって確保される。カルボキシル官能基のために、アクリル、メタクリル、イタコン酸、およびクロトン酸、およびマレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、またはメタクリル酸無水物(US−A−3,836,604)のようなエチレン性不飽和酸および無水物が使用される。EP−A−O 256 369およびUS−A−3,876,578に教示されたように、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートのような単量体の共重合によって、グリシジル官能基が供される。ヒドロキシルまたはカルボキシル官能基を有するポリアクリレートのための架橋剤として、主にヒドロキシルまたはカルボキシル官能基を有するポリエステルについて既に記載したのと同一の化合物を使用するのが可能である。更なる適した架橋剤は、US−A−0,045,040のエポキシ化合物である。グリシジル官能基を有するポリアクリレートの適した架橋剤は、セバシン酸および1,12−ドデカンジカルボン酸のようなジカルボン酸、およびその例えばビストリメリト酸無水物のような無水物、およびUS−A−3,880,946に記載される化合物である。DE−A−3 310 545は、その上に、自己架橋性ポリアクリレートを開示する。
【0371】
粉末コーチングのためのエポキシ樹脂は、通常Novolac(登録商標)−エポキシ樹脂または、特に、芳香族ポリオールをベースにしたもの、特にビスフェノールAのようなビスフェノールをベースにしたものである。また、JP−A−58 187 464(1982)から、改質されたビスフェノールエポキシ樹脂も知られている。エポキシ樹脂は、固体脂肪族アミン、固体芳香族アミン、アミン付加物、フェノール系樹脂、ポリ酸、および既に記載したカルボキシ−官能性ポリエステルのクラスからの架橋剤と組み合わされて用いられる。極めて特に述べるに値する硬化剤は、ジシアンジアミドであり、これらは触媒と共によく使用され、触媒の例は、ルイス酸、三フッ化ホウ素−アミン錯体、金属錯体、3級または4級アミン、および2−メチルイミダゾリンのようなイミダゾリン誘導体である。
【0372】
本発明の更なる一態様は、熱、酸化、または光誘発劣化に対して安定化された組成物であって、
a)熱可塑性重合体および
b)先に記載した通りの重合体粉末
を含む組成物である。
熱可塑性重合体は、例えばポリオレフイン、および例えばポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、またはポリカーボネートのような工学処理プラスチックという用語に要約されるすべての重合体である。
【0373】
本発明のなお更なる態様は、熱、酸化、または光誘発劣化を受けやすい、有機物質の熱、酸化、または光誘発劣化に対する安定剤としての、先に記載した通りの濃厚水性重合体分散液の使用、および粉末コーチングの熱、酸化、または光誘発劣化に対する安定剤としての、先に記載した通りの重合体粉末の使用である。
【0374】
濃厚水性重合体分散液について述べた好ましいものは、また、本発明の安定化された組成物、および他の全ての主題についても適用される。
【0375】
先に記載した熱、酸化、または光誘発劣化に対して安定化された組成物は、更なる添加剤、例えば、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、蛍光増白剤、防炎剤、または帯電防止剤を含むことができる。
【0376】
それらは、また、従来の生成物形態で添加された光または熱安定剤も含むことができる。更なるUV−吸収剤または立体障害アミン(HALS)が添加される場合、それらは先に述べた生成物から選択されることができる。
【0377】
更なる添加剤は、下記に挙げるものである。
【0378】
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチル−フェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖で線状または分岐状のノニルフェノール、例えば2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノールおよびこれらの混合物。
【0379】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0380】
1.3.ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,6−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0381】
1.4.トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE)。
【0382】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−ジスルフィッド。
【0383】
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカブトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシル2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカブトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0384】
1.7.O−、N−およびS−ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカブトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカブトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィッド、イソオクチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカブトアセテート。
【0385】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えばジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジ−ドデシルメルカブトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0386】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0387】
1.10.トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカブト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカブト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカブト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2、3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0388】
1.11.ベンジルホスホネート、例えばジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0389】
1.12.アシルアミノフェノール、例えば4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0390】
1.13.1価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロール−プロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸とのエステル。
【0391】
1.14.1価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカンとβ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸とのエステル。
【0392】
1.15.1価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとβ−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸とのエステル
【0393】
1.16.1価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンと3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸とのエステル。
【0394】
1.17.β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)−XL−1、Uniroyal供給)。
【0395】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
1.19.アミン系酸化防止剤、例えばN,N’−ジソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−およびジアルキル化tert−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブタ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール。
【0396】
2.金属活性低化剤、例えばN,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0397】
3.ホスファイトおよびホスホナイト、例えばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル6−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0398】
下記のホスフィットが特に好ましい:
【0399】
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット(Irgafos(登録商標)168、Ciba−Geigy)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【0400】
【化72】

【0401】
4.ヒドロキシルアミン、例えばN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水添タロウアミンに由来するN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0402】
5.ニトロン、例えばN−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水添タロウアミンに由来するN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン由来のニトロン。
【0403】
6.チオシナージスト、例えばジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネート。
【0404】
7.パーオキシドスカベンジャー、例えばβ−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカブトベンズイミダゾールまたは2−メルカブト−ベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィッド、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルメルカブト)プロピオネート。
【0405】
8.ポリアミド安定剤、例えばヨード化物および/または燐化合物と組み合わせられた銅塩および二価マンガンの塩。
【0406】
9.塩基性共安定剤、例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、ウレア誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム、およびパルミチン酸カリウム、アンチモンピロカテコレートまたは亜鉛ピロカテコレート。
【0407】
10.核剤、例えば無機物質、例えばタルク、金属オキサイド、例えば二酸化チタンまたは酸化マグネシウム、好ましくは、アルカリ土類金属の燐酸塩、炭酸塩または硫酸塩;有機化合物、例えばモノ−またはポリカルボン酸およびこれらの塩、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウムまたは安息香酸ナトリウム;重合体性化合物、例えばイオン性共重合体(イオノマ)。1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、および1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールが特に好ましい。
【0408】
11.充填剤および補強剤、例えば炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラスファイバー、ガラス球、アスベスト、滑石、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉および、他の天然生成物の粉または纎維、合成纎維。
【0409】
12.その他添加剤、例えば可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、流動学的添加剤、触媒、流動調節剤、蛍光増白剤、防炎剤、帯電防止剤および発泡剤。
【0410】
13.ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えばU.S. 4,325,863; U.S. 4,338,244; U.S. 5,175,312; U.S. 5,216,052; U.S. 5,252,643; DE−A−4316611; DE−A−4316622; DE−A−4316876; EP−A−0589839またはEP−A−0591102に開示されたもの、または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバルロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン。
先に記載した成分の他にも、本発明のコーチング組成物は、スリップ剤および均染剤、湿潤剤、顔料、顔料分散剤、消泡剤、艶消剤、ワックス、皮張り防止剤、接着促進剤、インカン(in can)安定剤、合体剤、流動学的改質剤、垂れ調節剤、およびチックソトロープ剤のような、塗料およびラッカーに典型的に使用される更なる添加剤を含有してもよい。
【0411】
下記実施例は、本発明を例示する。
【0412】
全般
動的光散乱(DLS、90℃散乱角、Nicompモデール380、粒度測定システム、アメリカカリフォニア州サンタババラ)によって粒度分布を測定して、平均強度直径(DINT)を求める。
【0413】
SONOPLUS HD 2200(BANDELINエレクトロニックGmbH&Co.KGの市販用装備、超音波コンバータ UW 2200を有するジェネレーターGM 2200、ブースターホーン(booster horn)SH 213 Gおよびチタンフラットチップ TT19)を用いて、超音波処理を実施する。典型的には、60%電力で3分の処理を500ml油/水エマルジョンに適用する。
【0414】
単量体は、受け入れたままで更なる精製なしに使用される。
【0415】
下記疎水性UV−吸収剤の水性製品形態を調製する。
【0416】
【化73】

【0417】
A 調製実施例
実施例A1
安定した油/水エマルジョンの調製のために、化合物101 20gをメチルメタクリレート(MMA)20g、ステアリルメタクリレート(SMA)1.6gおよびブタンジオールジアクリレート(BDDA)0.06gに溶解させる。オイル相を脱イオン水56.5g中ナトリウムドデシルスルフェート1.6gの撹拌溶液に滴加する。30分間の撹拌および超音波転換の後に、250nm未満の平均液滴径を有する動力学的に安定したエマルジョンを得る。エマルジョンを55℃まで加熱して、酸化還元開始剤(脱イオン水3g中に溶解された0.06gアスコルビン酸;脱イオン水0.5g中に希釈されたH 0.25ml(35%))を引き続き反応混合物に添加する。反応混合物を機械的撹拌器で連続撹拌して、3時間55℃で維持させた後、室温(RT)に冷却させて、20μmのフィルターで濾過する。生成される粒度DINTは141nmである。化合物101の有効分含量は、エマルジョンの全重量に基づいて20重量%である。
【0418】
実施例A2
安定した油/水エマルジョンの調製のために、化合物101 24gをメチルメタクリレート(MMA)16g、ステアリルメタクリレート(SMA)1.6gおよびブタンジオールジアクリレート(BDDA)0.05gに溶解させる。オイル相を脱イオン水56.5g中のナトリウムドデシルスルフェート1.6gの撹拌溶液に滴加する。30分間の撹拌および超音波転換の後に、250nm未満の平均液滴径を有する動力学的に安定したエマルジョンを得る。エマルジョンを55℃まで加熱して、酸化還元開始剤(脱イオン水3g中に溶解されたアスコルビン酸0.08g;脱イオン水0.5g中に希釈されたH 0.32ml(35%))を続けて反応混合物に添加する。反応混合物を機械的撹拌器で連続撹拌して、3時間55℃で維持させた後、室温に冷却させて、20μmのフィルターで濾過する。生成される粒度DINTは182nmである。化合物101の有効分含量は、エマルジョンの全重量に基づいて24重量%である。
【0419】
実施例A3
安定した油/水エマルジョンの調製のために、化合物101 20gをエチルアクリレート(EA)20g、ステアリルメタクリレート(SMA)1.6gおよびブタンジオールジアクリレート(BDDA)0.06gに溶解させる。オイル相を脱イオン水56.5g中のナトリウムドデシルスルフェート1.6gの撹拌溶液に滴加する。30分間の撹拌および超音波転換の後に、250nm未満の平均液滴径を有する動力学的に安定したエマルジョンを得る。エマルジョンを55℃まで加熱して、酸化還元開始剤(脱イオン水3g中に溶解されたアスコルビン酸0.06g;脱イオン水0.5g中に希釈されたH 0.25ml (35%))を続けて反応混合物に添加する。反応混合物を機械的撹拌器で連続撹拌して、3時間55℃で維持させた後、室温に冷却させて、20μmのフィルターで濾過する。生成される粒度DINTは156nmである。化合物101の有効分含量は、エマルジョンの全重量に基づいて20重量%である。
【0420】
実施例A4
安定した油/水エマルジョンの調製のために、化合物101 24gをエチルアクリレート(EA)16g、ステアリルメタクリレート(SMA)1.6gおよびブタンジオールジアクリレート(BDDA)0.05gに溶解させる。オイル相を脱イオン水56.5g中のナトリウムドデシルスルフェート1.6gの撹拌溶液に滴加する。30分間の撹拌および超音波転換の後に、250nm未満の平均液滴径を有する動力学的に安定したエマルジョンを得る。エマルジョンを55℃まで加熱して、酸化還元開始剤(脱イオン水3g中に溶解されたアスコルビン酸0.08g;脱イオン水0.5g中に希釈されたH 0.32ml(35%))を続けて反応混合物に添加する。反応混合物を機械的撹拌器で連続撹拌して、3時間55℃で維持させた後、室温に冷却させて、20μmのフィルターで濾過する。生成される粒度DINTは199nmである。化合物101の有効分含量は、エマルジョンの全重量に基づいて24重量%である。
【0421】
実施例A5
安定した油/水エマルジョンの調製のために、化合物101 40gをメチルメタクリレート(MMA)40g、ステアリルメタクリレート(SMA)4.8gおよびブタンジオールジアクリレート(BDDA)0.12gに溶解させる。オイル相を脱イオン水115g中のDisponil(登録商標) FES 32 IS10.3g(31重量%有効分、CognisドイツGmbH&Co.KG)の撹拌液に滴加する。30分間の撹拌および超音波転換の後に、250nm未満の平均液滴径を有する動力学的に安定したエマルジョンを得る。エマルジョンを55℃まで加熱して、酸化還元開始剤(脱イオン水3g中に溶解されたアスコルビン酸0.2g;脱イオン水2.0g中に希釈されたH 0.81ml(35%))を続けて反応混合物に添加する。反応混合物を機械的撹拌器で連続撹拌して、3時間55℃で維持させた後、室温に冷却させて、20μmのフィルターで濾過する。生成される粒度DINTは170nmである。化合物101の有効分含量は、エマルジョンの全重量に基づいて20重量%である。
【0422】
実施例A6
11%ヒドロキシエチルメタクリレート、15%ビニルトルオール、15%シクロヘキシルメタクリレート、28%メチルメタクリレートおよび31%イソブチルメタクリレートを含有する単量体混合物(Mix I)で下記のサンプルを調製した。安定した油/水エマルジョンの調製のために、化合物102 40gをMix I 40g、ステアリルメタクリレート(SMA)3.2gおよびブタンジオールジアクリレート(BDDA)0.12gに溶解させる。オイル相を脱イオン水110g中のDisponil(登録商標) FES 32 IS 10.3g(31重量%有効分、CognisドイツGmbH&Co.KG)の撹拌溶液に滴加する。30分間の撹拌および超音波転換の後に、250nm未満の平均液滴径を有する動力学的に安定したエマルジョンを得る。エマルジョンを55℃まで加熱して、酸化還元開始剤(脱イオン水5g中に溶解されたアスコルビン酸0.2g;脱イオン水5.0g中に希釈されたH 0.81ml(35%))を続けて反応混合物に添加する。反応混合物を機械的撹拌器で連続撹拌して、3時間55℃で維持させた後、室温に冷却させて、20μmのフィルターで濾過する。生成される粒度DINTは198nmである。化合物102の最終有効分含量は、エマルジョンの全重量に基づいて20重量%である。
【0423】
実施例A7
安定した油/水エマルジョンの調製のために、化合物102 40gをMix I 40gおよびステアリルメタクリレート(SMA)3.2gに溶解させる。オイル相を脱イオン水110g中のDisponil(登録商標) FES 32 IS 10.3g(31重量%有効分、CognisドイツGmbH&Co.KG)の撹拌溶液に滴加する。30分間の撹拌および超音波転換の後に、250nm未満の平均液滴径を有する動力学的に安定したエマルジョンを得る。エマルジョンを55℃まで加熱して、酸化還元開始剤(脱イオン水5g中に溶解されたアスコルビン酸0.2g;脱イオン水5.0g中に希釈されたH 0.81ml(35%))を続けて反応混合物に添加する。反応混合物を機械的撹拌器で連続撹拌して、3時間55℃で維持させた後、室温に冷却させて、20μmのフィルターで濾過する。生成される粒度DINTは198nmである。化合物102の最終有効分含量は、エマルジョンの全重量に基づいて20重量%である。
【0424】
実施例A8
安定した油/水エマルジョンの調製のために、化合物102 40gをMix I 40g、ステアリルメタクリレート(SMA)3.2gおよびドデシルメルカブタン(DDM)0.06gに溶解させる。オイル相を脱イオン水110g中のDisponil(登録商標) FES 32 IS 10.3g(31重量%有効分、CognisドイツGmbH&Co.KG)の撹拌溶液に滴加する。30分間の撹拌および超音波転換の後に、250nm未満の平均液滴径を有する動力学的に安定したエマルジョンを得る。エマルジョンを55℃まで加熱して、酸化還元開始剤(脱イオン水5g中に溶解されたアスコルビン酸0.2g;脱イオン水5.0g中に希釈されたH 0.81ml(35%))を続けて反応混合物に添加する。反応混合物を機械的撹拌器で連続撹拌して、3時間55℃で維持させた後、室温に冷却させて、20μmのフィルターで濾過する。生成される粒度DINTは198nmである。化合物102の最終有効分含量は、エマルジョンの全重量に基づいて20重量%である。
【0425】
B コーチング適用実施例
実施例B1
清浄な水系透過性木材コーチングでの光安定剤の試験
試験配合物は、疎水性成分(スイスBohme製、プロピコナゾールを有するウードケアーQS(Woodcare QS)、〜12%固形分含量)によってコーチングされた木材に撥水性を与える市販用水系木材コーチングである。異なるUV−吸収剤生成物を2時間撹拌することにより配合物に添加する。完全配合された塗料を異なる時間間隔の後に配合物の均質性を等級付けすることで、閉じた瓶内で室温での保存安全性について評価する(表1参照)。加えて、非熟成塗料をもみの木パネルに適用し(ブラッシュで1コート)、速進耐候性装備(QパネルコンパニーからのQUVテスター:UV−A340nmQUV蛍光ランプ;試験サイクル:5h光58℃、1hダークウォーター噴霧22℃)で試験を行う。
【0426】
【表1】

【0427】
耐候性能は、対応する初期の未暴露サンプルに対する分光計で測定された色変化ΔE(Din6174)に従って等級付けする。リグニン分解によって木材灰色化が始まる時に、木材ΔE測定を停止する。
【0428】
LIGNOSTAB(登録商標) 1198は、UV吸収剤と共にリグニン分解を防止するために使用される、Ciba Specialty Chemicals製の商用立体障害アミンである。
【0429】
Tinuvin(登録商標) 1130はCiba Specialty Chemicals製の商用UV−吸収剤である。
【0430】
実施例B2
清浄な水系膜形成性木材コーチングでの光安定剤の試験
試験配合物として、下記組成を有するアクリル系分散液をベースにした清浄な水系木材コーチングを使用する(固形分含量略43重量%):
Neocryl(登録商標) XK 90(NeoResins製)
91.2部
水 4.7部
エチルジグリコール 3.4部
Borchigel(登録商標) L75 N(Borchers製)/水(1/1)
0.4部
Dehydran(登録商標) 1293(Cognis製) 0.3部
計: 100.0部
表2に挙げる添加剤を2時間撹拌下に配合物に添加する。配合物をブラシでもみの木パネルに適用する。各コートの間に一日の乾燥時間を置いて、計3回のコートを適用する(コート当たり、略100g/m)。完全配合された塗料を異なる時間の間隔後に配合物の均質性を等級付けすることで、閉じた瓶内で室温での保存安全性について評価する。コーチングされた木材パネルを速進暴露装備(QパネルコンパニーのQUVテスター:UV−A 340nm QUV蛍光ランプ;試験サイクル:5h光58℃、1hダーク・ウォータースプレー22℃)で試験を行う。
初期色(暴露前)に比べる木材色変化、および顕微鏡を使用した亀裂形成の開始によって暴露性能を等級付けする。
【0431】
【表2】

【0432】
表2の結果は、本発明による生成物形態が大部分の場合において、耐候性能有意の向上(耐久性の長期化)と共に良好な相容性および配合安全性を示すということを立証する。
【0433】
実施例B3
水系、わずかに顔料着色された透過性木材コーチングでの光安定剤の試験
コーチングシステムとして、Behr(USA)製の市販されている生成物(Deckplus木材色の防水木材フィニッシュ、天然の清浄)を使用する。異なるUV−吸収剤生成物を2時間撹拌によって配合物に添加する。配合物をもみの木パネルに適用して(1コート)および速進暴露装備(QパネルコンパニーのQUVテスター:UV−A 340nm QUV蛍光ランプ;試験サイクル:5h光58℃、1hダーク・ウォータースプレー22℃)で試験する。リグニン分解による木材灰色化の程度によって視覚的に耐候性能を等級付けする。LIGNOSTAB1198を更に使用して、木材安定化を向上する。試験生成物は配合物の保存安全性にいかなるマイナスの影響も示さなかった。
【0434】
【表3】

【0435】
本発明による生成物は、配合物中の有効成分のずっと低い処理レベル(重量%)でも耐久性の向上(木材灰色化の開始のおくれ)を示す。
【0436】
実施例B4
水系1pおよび2pアクリル系/イソシアネート工業用コーチングでの光安定剤の試験
実施例A6、A7およびA8の光安定剤生成物形態を、水系1−パックのアクリル系/ブロックトポリイソシアネート、および2種の異なる水系2−パックのアクリル系/ポリイソシアネートコーチング配合物でTinuvin1130と比べて試験する。
光安定剤(1%のTin292および2%の有効UVA−両者は、塗料システムの全結合剤固体含量を基にする)を完全配合された塗料に添加して、均質取込み、室温および40℃での保存性、ポットライフ(2p配合物の場合)および耐久性(UVCONおよびCAM180暴露)について試験した。
2p配合物の場合、硬化剤成分を使用せずに対応する配合物において、保存性を試験する。光安定剤を使用しない配合物に対して常に比べる。
【0437】
テストシリーズB4.1:水系1p配合物での光安定剤の配合(Joncryl−結合剤)
【0438】
【表4】

【0439】
テストシリーズB4.2:水系2p配合物での光安定剤の配合(Macrynal−結合剤)
【0440】
【表5】

【0441】
テストシリーズ4.3:水系2p配合物での光安定剤の配合(Setalux−結合剤)
【0442】
【表6】

【0443】
全テストシリーズ4.1、4.2および4.3において、実施例A6、A7、およびA8の生成物形態は、Tin 1130関連の比較例と同一方式で、単純混合によって塗料に容易にかつ均一に取り込まれることができる。対照的に、そのまま生成物形態CG43−0365、CG43−0366、およびCG43−0367に使用されるUVAである102はこれらの配合物に均一に取り込まれることができない。
【0444】
室温並びに40℃での4週間の保存後に、LSのない対照を含む全ての試験塗料は、非相容性の微候を示さなかった(即ち、初期値の20%より大きな粘度の低下または上昇がない)。
【0445】
テストシリーズ4.4:配合物4.2の保存性試験、4週間の保存後の配合物の粘度
【0446】
【表7】

【0447】
テストシリーズ4.5:配合物4.3の保存性試験、4週間の保存後の配合物の粘度
【0448】
【表8】

【0449】
(硬化剤が非添加)塗料配合物は保存時に粘度の有意な上昇を示さない(表4.4および4.5参照)。このことは、新生成物形態がそのような2p塗料配合物の保存性を損わないことを立証する。
【0450】
テストシリーズ4.6:配合物4.3による塗膜の外観
“Distinction Of Image、short and long wavelength”に関する硬化された清浄なコートの外観の一般的な特徴は、実施例A6、AB、およびA8によるUVA製品形態の存在下で変更されない。
【0451】
【表9】

【0452】
テストシリーズ4.7:配合物シリーズ4.2のUVCON耐久性試験
【0453】
【表10】

【0454】
【表11】

【0455】
【表12】

【0456】
【表13】

【0457】
テストシリーズ4.8:配合物シリーズ4.3のUVCON耐久性試験
【0458】
【表14】

【0459】
【表15】

【0460】
【表16】

【0461】
【表17】

【0462】
非安定化サンプルおよびTinuvin(登録商標) 1130(Tin 1130)に比べて、速進暴露時のΔEの増大は、実施例A6、A7およびA8の生成物を使用する時にかなり低減される。また、塗料が本発明による生成物形態で安定化される時は、光沢の保留も向上する。
【0463】
C インクジェット塗布実施例
実施例C1
下記組成のゼラチンコート
成分: 量(m当たり)
ゼラチン 1200mg
湿潤剤 100mg
実施例1の生成物300mg(有効分)
を、HP 970Cxi、Lexmark Z65、Canon BJC 8200、およびEpson Stylus890インクジェット印刷機を使用して、膨脹性及びナノ多孔性インクジェット印刷紙上に作られたシアン、マゼンタ、および黄色階段画像に適用する。トップコートの乾燥後に、オーバーコーチングされた印刷物をアトラスCi−35耐候性装置で照射して、対照コーチング(UV吸収剤非含有)によって保護された印刷物に対する耐光性をチェックする。CGL362を含有するオーバーコートは、インクシステムまたは印刷媒体と関係なく、対照コーチングに比べて印刷物のフォトフェードを明らかに防止する。
【0464】
D.写真実施例
実施例D1
ゼラチン層への取込み、およびUV吸収剤としての作用
下記組成(m当たり)のゼラチンコートを通常の方式によりポリエステル基材に適用する。実施例A1の重合体分散液を穏やかに混合しながら、ゼラチンキャスチング溶液に組み込む(乳化工程は必要ない)。
成分: 量(m当たり)
ゼラチン 1200mg
硬化剤 40mg
湿潤剤 100mg
実施例A1の製品 320mg(有効分)
【0465】
硬化剤は、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンのカリウム塩である。湿潤剤は、ナトリウム4,8−ジイソブチルナフタレン−2−スルホネートである。
【0466】
ゼラチンコートを2日間20℃で乾燥させる。
【0467】
写真記録物質用に、例えばUVフィルターコートとして適した透明なUV吸収層が得られる。
【0468】
Perkin Elmer Lambda15分光計を使用して、層のUV吸収スペクトラムを記録する。最大吸収の波長(λmax)並びにλmaxでの光学密度(ODmax)が下記表に記録されている。
【0469】
【表18】

【0470】
実施例D2
ポリエチレンでコーチングされた基材物質に臭化銀、および式:
【0471】
【化74】

【0472】
のマゼンタカプラー(M−9)を含むゼラチンコートをコーチングする。
【0473】
ゼラチンコートは、下記成分を含む(基材物質1m当たり):
【0474】
【表19】

【0475】
使用した硬化剤は2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシトリアジンのカリウム塩であり、使用した湿潤剤はジイソブチルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩である。
【0476】
段階当たり0.3logEの密度差を有するステップウェッジを生成されたサンプルに暴露させて、次いでこれをカラーネガチブ紙についてAgfa GevaertのP94プロセッシング工程で製造業社の使用説明に従って処理する。
【0477】
暴露しおよび処理した後に、緑領域での反射密度をウェッジの0.9〜1.1の密度で測定する。
【0478】
実施例A1の生成物を含むゼラチン層を実施例1に記載する通りの透明な基材物質上に調製する。UV吸収剤がない対照層を同一方式で調製する。
【0479】
続けてマゼンタステップウェッジをアトラス(Atlas)暴露機器において15kJ/cmで実施例A1の製品を含有する層および対照層の背後に暴露して、反射密度を再び測定する。マゼンタ染料損失(−ΔD)が、対照層に比べてCGL362層によって大きく低減される。
【0480】
実施例D3
下記層構造を有する写真物質を調製する:
【0481】
【表20】

【0482】
ゼラチン層は、(基材物質1m当たり)下記成分からなる:
【0483】
青−感応性層
α−(3−ベンジル−4−エトキシヒダントイン−1−イル)−α−ピバロイル−2−クロロ−5−[α−(2,4−ジ−t−タミルフェノキシ)ブタンアミド]アセトアニリド(400mg)
α−(1−ブチルフェニルウラゾール−4−イル)−α−ピバロイル−5−(3−ドデカンスルホニル−2−メチルプロパンアミド)−2−メトキシアセトアミド(400mg)
ジブチルフタレート(130mg)
ジノニルフタレート(130mg)
ゼラチン(1200mg)
1,5−ジオキサ−3−エチル−3−[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]−8,10−ジフェニル−9−チア[5,5]スピロウンデカン(150mg)
ビス(1−アクリロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート(150mg)
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ(2,4−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾエート(150mg)
ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)(50mg)
青−感応性塩化臭化銀エマルジョン(240mg)
【0484】
第1ゼラチン中問層
ゼラチン(1000mg)
2,5−ジ−t−オクチルヒドロキノン(100mg)
ヘキシル5−[2,5−ジヒドロキシ−4−(4−ヘキシルオキシカルボニル−1,1−ジメチルブチル)フェニル]−5−メチルヘキサノエート(100mg)
ジブチルフタレート(200mg)
ジイソデシルフタレート(200mg)
【0485】
緑−感応性層
7−クロロ−2−{2−[2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)オクタンアミド]−1−メチルエチル}−6−メチル−1H−ピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリアゾール(100mg)
6−t−ブチル−7−クロロ−3−(3−ドデカンスルホニルプロピル)−1H−ピラゾロ[5,1−o][1,2,4]トリアゾール(100mg)
ジブチルフタレート(100mg)
ジクレシルホスフェート(100mg)
トリオクチルホスフェート(100mg)
ゼラチン(1400mg)
3,3,3’,3’−テトラメチル−5,5’,6,6’−テトラプロポキシ−1,1’−スピロビインダン(100mg)
4−(i−トリデシルオキシフェニル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(100mg)
4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(50mg)
2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)(10mg)
3,5−ジクロロ−4−(ヘキサデシルオキシカルボニルオキシ)エチルベンゾエート(20mg)
3,5−ビス[3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピルカルバモイル]ナトリウムベンゼンスルフィナート(20mg)
緑−感応性塩化臭化銀エマルジョン(150mg)
【0486】
第2ゼラチン中問層
ゼラチン(1000mg)
5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ−1,2,3−トリアゾール(200mg)
2−(3−ドデシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾ−1,2,3−トリアゾール(200mg)
トリノニルホスフェート(300mg)
2,5−ジ−t−オクチルヒドロキノン(50mg)
ヘキシル5−[2,5−ジヒドロキシ−4−(4−ヘキシルオキシカルボニル−1,1−ジメチルブチル)フェニル]−5−メチルヘキサノエート(50mg)
【0487】
赤−感応性層
2−[α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド]−4,6−ジ−クロロ−5−エチルフェノール(150mg)
2,4−ジクロロ−3−エチル−6−ヘキサドデカンアミドフェノール(150mg)
4−クロロ−2−(1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンズアミド)−5−[2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)−3−メチル−ブタンアミド]フェノール(100mg)
ジオクチルフタレート(100mg)
ジシクロヘキシルフタレート(100mg)
ゼラチン(1200mg)
5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ−1,2,3−トリアゾール(100mg)
2−(3−ドデシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾ−1,2,3−トリアゾール(100mg)
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ(2,4−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾエート(50mg)
ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)(300mg)
N,N−ジエチル−2,4−ジ−t−アミルフェノキシアセトアミド(100mg)
2,5−ジ−t−オクチルヒドロキノン(50mg)
赤−感応性塩化臭化銀エマルジョン(200mg)
【0488】
UV吸収剤の添加および非添加下で、最上端層を調製する;
【0489】
UV吸収剤添加
2,5−ジ−t−オクチルヒドロキノン(20mg)
ヘキシル5−[2,5−ジヒドロキシ−4−(4−ヘキシルオキシカルボニル−1,1−ジメチルブチル)フェニル]−5−メチルヘキサノエート(20mg)
ゼラチン(400mg)
トリノニルホスフェート(120mg)
UV吸収剤:実施例A1の生成物(385mg有効分)
【0490】
UV吸収剤非添加:
ゼラチン(800mg)
【0491】
使用した硬化剤は、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシトリアジンK塩溶液であり、湿潤剤はジイソブチルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩である。
【0492】
段階当たり0.3logEの密度差を有する3ステップウェッジをサンプルの各々に暴露させる(それぞれ青、緑、および赤光を有する)。次いで、カラー紙のためのプロセッシング工程RA−4(コダック(Kodak))を実施する。
【0493】
暴露およびプロセッシング後に、シアン段階については赤での反射密度、マゼンタ段階については緑での反射密度、及び黄段階については青での反射密度を、ウェッジの0.9〜1.1の密度で測定する。次いで、ウェッジをアトラス暴露機器において総15kJ/cmで暴露して、反射密度を再び測定する。
【0494】
マゼンタウェッジの場合でも、暴露の前および後に黄色化について青色で反射密度を測定する。
【0495】
実施例A1の生成物の存在は、シアン、マゼンタ、および黄色画像染料の染料濃度損失を減少させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1000nm未満の平均粒度を有する濃厚水性重合体分散液であって、
a)少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体をb)無極性有機光安定剤の存在下にヘテロフェーズラジカル重合することによって製造された重合体キャリヤを含み、ここで、無極性有機光安定剤対重合体キャリヤの重量比がキャリヤ100部当り光安定剤50部よりも大きい、濃厚水性重合体分散液。
【請求項2】
追加として、非イオン性、陽イオン性または陰イオン性界面活性剤を含む、請求項1記載の濃厚水性重合体分散液。
【請求項3】
無極性有機光安定剤対重合体キャリヤの重量比が100部当り80部以上である、請求項1記載の濃厚水性重合体分散液。
【請求項4】
平均粒度が500nm未満である、請求項1記載の濃厚水性重合体分散液。
【請求項5】
無極性有機光安定剤が、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールUV−吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジンUV−吸収剤、ヒドロキシベンゾフェノンUV−吸収剤、シュウ酸アニリドUV−吸収剤、および立体障害アミン光安定剤またはそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1記載の濃厚水性重合体分散液。
【請求項6】
無極性有機光安定剤が、室温および大気圧で1重量%未満の水への溶解度を有する、請求項1記載の濃厚水性重合体分散液。
【請求項7】
エチレン性不飽和単量体が、C−C18アクリレート、C−C18メタクリレート、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシ−官能性アクリレートもしくは(メタ)アクリレート、アルコキシル化アルコールから誘導されるアクリレートもしくは(メタ)アクリレート、および多官能性アクリレートもしくは(メタ)アクリレート、またはこれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1記載の濃厚水性重合体分散液。
【請求項8】
ヒドロキシベンゾフェノンが、式I:
【化75】


を有し;
2−ヒドロキシフェニルベンソトリアゾールが、式IIa、IIbまたはIIc:
【化76】


を有し;
2−ヒドロキシフェニルトリアジンが、式III:
【化77】


を有し;そして
オキサアニリドが、式(IV):
【化78】


を有し;ここで、
式(I)の化合物において、vは1〜3の整数であり、wは1または2であり、そして置換基Zは、互いに独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、または1〜12個の炭素原子を有するアルコキシであり;
式(IIa)の化合物において、
は、水素、1〜24個の炭素原子を有するアルキル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、または式:
【化79】


(式中、RおよびRは、互いに独立して、各場合に1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり、またはRは、基C2n+1−mと一緒になって、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基を形成し、
mは1または2であり、nは2〜20の整数であり、そして
Mは、式−COOR(ここで、Rは、水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、各場合にアルキル部分およびアルコキシ部分に1〜20個の炭素原子を有するアルコキシアルキル、またはアルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルである)の基であり、
は、水素、ハロゲン、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、およびアルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、そして
は、水素、塩素、各場合に1〜4個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシ、または−COOR(ここで、Rは先に規定される)であり、そして基RおよびRのうちの少なくとも1つは、水素以外であり;
式(IIb)の化合物において、
Tは、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、
は、水素、塩素、または各場合に1〜4個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシであり、
nは1または2であり、そして
もしnが1であるならば、Tは、塩素、または式−OTもしくは
【化80】


の基であり、そして
もしnが2であるならば、Tは、式:
【化81】


、または−O−T−O−の基であり;
ここで、
は、水素、1〜18個の炭素原子を有しそして非置換であるか、または1〜3個のヒドロキシル基によってもしくは−OCOTによって置換されるアルキル、3〜18個の炭素原子を有し、−O−または−NT−によって1回または数回中断され、そして非置換であるか、またはドロキシルもしくは−OCOTによって置換されるアルキル、5〜12個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはドロキシルおよび/または1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるシクロアルキル、2〜18個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはヒドロキシルによって置換されるアルケニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または、式−CHCH(OH)−Tもしくは
【化82】


の基であり、
およびTは、互いに独立して、水素、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜18個の炭素原子を有しそして−O−または−NT−によって1回または数回中断されるアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または2〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルであり、
は、水素、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
は、水素、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、非置換であるか、またはヒドロキシルによって置換されるフェニル、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキル、または−CHOTであり、
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜8個の炭素原子を有するアルケニル、5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルによって置換されるフェニル、または、アルキル部分に1〜4個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
は、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン、4〜8個の炭素原子を有するアルケニレン、4個の炭素原子を有するアルキニレン、シクロヘキシレン、2〜8個の炭素原子を有しそして−O−によって1回または数回中断されるアルキレン、または式−CHCH(OH)CHOT11OCHCH(OH)CH−、もしくは−CH−C(CHOH)−CH−の基であり、
10は、2〜20個の炭素原子を有しそして−O−によって1回もしくは数回中断されることができるアルキレン、またはシクロヘキシレンであり、
11は、2〜8個の炭素原子を有するアルキレン、2〜18個の炭素原子を有しそして−O−によって1回もしくは数回中断されるアルキレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−フェニレン、もしくは1,4−フェニレンであり、または、
10、およびTは、2個の窒素原子と一緒になって、ピペラジン環になり;
式(IIc)の化合物において、
R’は、C−C12アルキルであり、そしてkは1〜4の数であり;
式(III)の化合物において、
uは1または2であり、そしてrは1〜3の整数であり、
置換基Yは、互いに独立して、水素、ヒドロキシル、フェニルもしくはハロゲン、ハロゲノメチル、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、1〜18個の炭素原子を有するアルコキシ、基−COO(C−C18アルキル)によって置換される1〜18個の炭素原子を有するアルコキシであり;
もしuが1であるならば、
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、非置換であるか、またはヒドロキシル、ハロゲン、1〜18個の炭素原子を有するアルキルもしくはアルコキシによって置換されるフェニル;
1〜12個の炭素原子を有しそして−COOH、−COOY、−CONH、−CONHY、−CONY10、−NH、−NHY、−NY10、−NHCOY11、−CN、および/または−OCOY11によって置換されるアルキル;
4〜20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素原子によって中断されそして非置換であるか、またはヒドロキシルもしくは1〜12個の炭素原子を有するアルコキシによって置換されるアルキル、3〜6個の炭素原子を有するアルケニル、グリシジル、非置換であるか、またはヒドロキシル、1〜4個の炭素原子を有するアルキルおよび/または−OCOY11によって置換されるシクロヘキシル、アルキル部分に1〜5個の炭素原子を有しそして非置換であるか、またはヒドロキシル、塩素および/またはメチルによって置換されるフェニルアルキル、−COY12もしくは−SO13であり、または
もしuが2であるならば、
は、2〜16個の炭素原子を有するアルキレン、4〜12個の炭素原子を有するアルケニレン、キシリレン、3〜20個の炭素原子を有し、1個以上の−O−原子によって中断され、および/またはヒドロキシルによって置換されるアルキレン、−CHCH(OH)CH−O−Y15−OCHCH(OH)CH、−CO−Y16−CO−、−CO−NH−Y17−NH−CO−、または−(CH−CO−Y18−OCO−(CHであり、ここで、
mは、1、2または3であり、
は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、3〜18個の炭素原子を有するアルケニル、3〜20個の炭素原子を有し、1個以上の酸素もしくは硫黄原子または−NT−によって中断され、および/またはヒドロキシルによって置換されるアルキル、1〜4個の炭素原子を有しそして−P(O)(OY14、−NY10、もしくは−OCOY11および/またはヒドロキシルによって置換されるアルキル、3〜18個の炭素原子を有するアルケニル、グリシジル、またはアルキル部分に1〜5個の炭素原子を有するフェニルアルキルであり、
およびY10は、互いに独立して、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、3〜12個の炭素原子を有するアルコキシアルキル、4〜16個の炭素原子を有するジアルキルアミノアルキル、もしくは5〜12個の炭素原子を有するシクロヘキシルであり、または、YおよびY10は、一緒になって、各場合に3〜9個の炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンまたはアザアルキレンであり、
11は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、2〜18個の炭素原子を有するアルケニル、またはフェニルであり、
12は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、2〜18個の炭素原子を有するアルケニル、フェニル、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ、フェノキシ、1〜12個の炭素原子を有するアルキルアミノ、またはフェニルアミノであり、
13は、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、フェニル、またはアルキル基に1〜8個の炭素原子を有するアルキルフェニルであり、
14は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、またはフェニルであり、
15は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレン、または基−フェニレン−M−フェニレン−(ここで、Mは、−O−、−S−、−SO−、−CH−または−C(CH−である)であり、
16は、各場合に2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンまたはチアアルキレン、フェニレン、または2〜6個の炭素原子を有するアルケニレンであり、
17は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレン、またはアルキル部分に1〜11個の炭素原子を有するアルキルフェニレンであり、そして
18は、2〜10個の炭素原子を有するアルキレン、または4〜20個の炭素原子を有しそして酸素によって1回もしくは数回中断されるアルキレンであり;
式(IV)の化合物において、xは1〜3の整数であり、そして置換基Lは、互いに独立して、水素、各場合に1〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシもしくはアルキルチオ、フェノキシまたはフェニルチオである、
請求項1記載の濃厚水性重合体分散液。
【請求項9】
立体障害アミンが、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−t−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状または環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状または環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]−デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、ならびに、4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS Reg.No.[136504−96−6]);N− (2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシ−メチレン−マロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、および、マレイン酸無水物−α−オレフィン−共重合体と、2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジン、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチル−アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、または
【化83】


(式中、nは1〜15である)
の化合物との反応性生物からなる群より選ばれる、請求項5記載の濃厚水性重合体分散液。
【請求項10】
1000nm未満の平均粒度を有する濃厚水性重合体分散液の製造法であって、少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体を無極性有機光安定剤の存在下にヘテロフェーズラジカル重合によって重合させる工程を含み;
ここで、エチレン性不飽和単量体から形成される重合体キャリヤに対する無極性有機光安定剤の重量比が重合体キャリヤ100部当り光安定剤50部よりも大きい、製造法。
【請求項11】
a)無極性有機光安定剤を少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体中に溶解、乳化または分散させ;
b)少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体中に溶解、乳化または分散した該有機光安定剤の水分散液中で普通の油を調製し;
c)普通のエマルジョンをミニエマルジョンに均質化し、ここで有機相の液滴は1000nmよりも小さい平均直径を有し;
d)重合開始剤を添加することによってミニエマルジョンを重合させる;
各工程を含み、
ここで、エチレン性不飽和単量体から形成される重合体キャリヤに対する無極性有機光安定剤の重量比が重合体キャリヤ100部当り光安定剤50部よりも大きい、請求項10記載の方法。
【請求項12】
請求項1記載の濃厚水性重合体分散液の揮発性成分を蒸発させることによって得られる重合体粉末。
【請求項13】
(a)熱、酸化または光誘発分解を受けやすい有機物質、および
(b)請求項1記載の濃厚水性重合体分散液、
を含む、熱、酸化または光誘発分解に対して安定化された組成物。
【請求項14】
成分b)の量が、成分a)の固形分の重量を基にして0.1〜40重量%である、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
有機物質が記録材料である、請求項13記載の組成物。
【請求項16】
記録材料が写真材料またはインクジェット材料である、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
記録材料が、オーバープリントワニス中の濃厚水性重合体分散液を含有するプリント材料である、請求項15記載の組成物。
【請求項18】
有機材料が、接着剤、天然または合成ゴムの水性エマルジョン、水性インク、または水性コーチングである、請求項13記載の組成物。
【請求項19】
成分a)が水性コーチングである、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
a)固体バインダー物質、および
b)請求項12記載の重合体粉末、
を含む、熱、酸化または光誘発分解に対して安定化された粉末コーチング組成物。
【請求項21】
a)熱可塑性重合体、および
b)請求項12記載の重合体粉末、
を含む、熱、酸化または光誘発分解に対して安定化された組成物。
【請求項22】
熱、酸化または光誘発分解を受けやすい有機物質の熱、酸化または光誘発分解に対する安定剤としての、請求項1記載の濃厚水性重合体分散液の使用。
【請求項23】
粉末コーチングの熱、酸化または光誘発分解に対する安定剤としての、請求項12記載の重合体粉末の使用。

【公開番号】特開2011−241400(P2011−241400A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−116741(P2011−116741)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【分割の表示】特願2006−525812(P2006−525812)の分割
【原出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】