説明

ヘテロ環式スルホンアミド誘導体

本発明は、式(I)


の化合物および薬学的に許容されるそれらの塩に関する。本化合物は、MEKの阻害剤であることが証明され、それ故、過増殖性疾患(例えば、癌および炎症)の処置に有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ヘテロ環式スルホンアミド化合物およびその医薬組成物、特にMEKのキナーゼ活性の特異的阻害剤であるヘテロ環式スルホンアミド化合物に関する。本発明はまた癌および炎症のような過増殖性疾患の管理における該化合物およびその組成物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
背景
癌および炎症のような過増殖性疾患は、科学界で高い関心を集めており、過増殖性疾患の処置に関して治療的利益をもたらす化合物の発見が強く望まれている。これに関して、疾患の増殖に関与する特異的機構の解明および標的化の努力がなされている。
【0003】
一つの興味深い標的は、細胞増殖および分化に重要な役割を有することが知られているマイトージェン−活性化タンパク質(MAP)キナーゼカスケードの過活性化である。この経路は、増殖因子がその受容体であるチロシンキナーゼに結合したときに活性化され得る。この相互作用は、RASのRAFとの結合を促進し、MEK(MAPキナーゼ)からERKへのリン酸化カスケードを開始させる。この経路の阻害が過増殖性疾患の処置に有用であることは知られている。MEKは、MEKリン酸化のための基質がMAPキナーゼ類、ERK1およびERK2しか知られていないため、魅力的な治療標的である。MEK/ERKの構成的活性化は膵臓、結腸、肺、腎臓および卵巣原発腫瘍サンプルで見られている。
【0004】
MEKのリン酸化は、ERKに対するその親和性およびその触媒活性ならびにATPに対する親和性を高めるように見える。本発明は、競合的および/またはアロステリックおよび/または非競合的機構により、ATP結合、MEKとERKの結合を調節することによりMEK活性を阻害する化合物に関する。
【0005】
MEK活性化は多くの疾患モデルで証明されており、それ故に、MEKの阻害が多様な疾患、例えば疼痛(例えば、J. Neurosci. 22:478, 2002; Acta Pharmacol Sin. 26:789 2005; Expert Opin Ther Targets. 9:699, 2005;およびMol. Pain. 2:2, 2006に記載されている疼痛モデルにおける効果の証拠参照):卒中(例えば、J. Pharmacol. Exp. Ther. 304:172, 2003;およびBrain Res. 996:55, 2004に記載されているMEKの阻害による虚血性脳傷害に対する顕著な神経保護の卒中モデルにおける効果の証拠参照);糖尿病(例えば、Am. J. Physiol. Renal.286, F120 2004に記載されている糖尿病合併症における証拠参照);炎症(例えば、Biochem Biophy. Res. Com. 268:647, 2000に記載されている炎症モデルにおける効果の証拠参照);および関節炎(例えば、J. Clin. Invest. 116:163. 2006に記載されている実験的骨関節症および関節炎における効果の証拠参照)に治療的利益を有する可能性がある。
【0006】
MEKの阻害が治療的利益を有する可能性が数種の試験で示されているが、実用化可能な化合物を探索する必要がまだある。
【発明の概要】
【0007】
要約
本発明は、式(I)
【化1】

〔式中、
XはNまたはC(H)であり;
は場合によりリスト1から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
はHまたは(C1−)アルキルであり;
はH、(C1−)アルキル、ハロ置換(C1−)アルキルまたはヒドロキシ置換(C1−)アルキルであり;
はH、ハロゲン、(C1−)アルキルまたはハロ置換(C1−)アルキルであり;
はH、ハロゲン、(C1−)アルキルまたはハロ置換(C1−)アルキルであり;
はHまたは(C1−)アルキルであり;
は(C1−)アルキル、(C2−)アルケニル、(C2−)アルキニル、(C1−)アルキルアミノ、ジ−((C1−)アルキル)アミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールからなる群から選択される化学基であり、ここで該化学基は、場合によりハロゲン、シアノ、(C2−)アルケニル、ヒドロキシル、(C1−)アルコキシ、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、(C1−)アルキルチオ、ハロ置換(C1−)アルキル、アミノ、(C1−)アルキルアミノ、ジ−((C1−)アルキル)アミノ、(C1−)アシルアミノ、(C1−)アシル(C1−)アルキルアミノ、(C3−)シクロアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、ここで該シクロアルキルおよび該ヘテロシクロアルキルは場合によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、(C2−)アルケニル、(C1−)アルコキシ、(C2−)アルケニルオキシ、(C2−)アルキニルオキシ、ベンジルオキシ(C−C)アルキル、(C1−)アルキルチオ、ハロ置換(C1−)アルキル、アミノ、(C1−)アルキルアミノ、ジ−((C1−)アルキル)アミノ、(C1−)アシルアミノまたは(C1−)アシル(C1−)アルキルアミノから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよく;
リスト1はヒドロキシル、シアノ、ニトロ、(C1−)アルキル、(C2−)アルケニル、(C2−)アルキニル、(C1−)アルコキシ、(C2−)アルケニルオキシ、(C2−)アルキニルオキシ、ハロゲン、(C1−)アルキルカルボニル、カルボキシ、(C1−)アルコキシカルボニル、アミノ、(C1−)アルキルアミノ、ジ−((C1−))アルキルアミノ、(C1−)アルキルアミノカルボニル、ジ−((C1−)アルキル)アミノカルボニル、(C1−)アルキルカルボニルアミノ、(C1−)アルキルカルボニル((C1−)アルキル)アミノ、(C1−)アルキルスルホニルアミノ、(C1−)アルキルスルホニル((C1−)アルキル)アミノ、(C1−)アルキル−S−、(C1−)アルキルS(O)−、(C1−)アルキル−SO−、NH−SO−、(C1−)アルキルN(H)−SO−およびジ−((C1−)アルキル)N−SO−から選択され、ここで、上記炭化水素結合のいずれも、場合によりハロゲン、ヒドロキシル、(C1−)アルコキシ、アミノ、(C1−)アルキルアミノ、ジ−((C1−)アルキル)アミノまたはシアノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよい。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0008】
式(I)についての次の特異的な別の代表的基を、式(I)の定義に取り込み、任意の数の適当な方法で組み合わせて本発明のさらなる態様を提供し得る。
【0009】
本発明の一面において、XはNである。
本発明の他の一面において、XはC(H)である。
【0010】
特定の態様において、Rは場合により置換されていてよいフェニル、より具体的に、Rは場合によりハロゲン(例えばフルオロ、ブロモまたはヨード)、(C1−)アルキル、(C2−)アルキニル、ハロ置換(C1−)アルキルおよび(C1−)アルキルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいフェニルである。
【0011】
他の特定の態様において、Rは、2位、4位および場合により6位、好ましくは2位および4位を置換されているフェニルである。適当な置換フェニル基は2−フルオロ−4−ブロモフェニルまたは2−フルオロ−4−ヨードフェニルである。
【0012】
好ましくは、RはHである。
好ましくは、RはHまたは(C1−)アルキル(例えばメチル)である。
好ましくは、RはHまたはハロゲン(例えばフルオロ)、より好ましくはハロゲン(例えば、フルオロ)である。
【0013】
好ましくは、RはHまたはハロゲン(例えばフルオロ)、より好ましくはハロゲン(例えば、フルオロ)である。
好ましくは、RはHである。
【0014】
好ましくは、Rはジ−((C1−)アルキル)アミノ(例えばジメチルアミノ)、(C3−)シクロアルキル(例えばシクロプロピル)、置換(C3−)シクロアルキル((例えば、場合により1個または2個のヒドロキシル基で置換されていてよい(C2−)アルケニルまたは(C1−)アルキル(例えば2,3−ジヒドロキシプロピル)で置換されたシクロプロピル、例えば、1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−シクロプロピル)である。より好ましくは、Rはシクロプロピル、1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−シクロプロピルまたはN,N−ジメチルアミノである。
【0015】
一つの態様において、式(Ia)
【化2】

〔式中、
XはNまたはC(H)であり;
1aはハロゲンであり;
1bはハロゲンであり;
はHまたは(C1−)アルキルであり;
はハロゲンであり;
はハロゲンであり;

(i) 3〜6員シクロアルキルであり、ここで該シクロアルキルは場合によりヒドロキシル、(C−C)アルキル、(C2−)アルケニルまたは(C2−)アルキニルで置換されていてよく、ここで該(C−C)アルキル、該(C2−)アルケニルおよび該(C2−)アルキニルは、場合によりベンジルオキシでまたは1〜3個のヒドロキシルで置換されていてよいか、
(ii) 単環式3〜6員シクロアルキルでまたはO、SもしくはNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環式3〜6員ヘテロシクロアルキルで置換されている(C1−)アルキルであって、ここで該置換アルキルは、場合によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、(C1−)アルコキシ、(C1−)アルキル−S−、ハロ置換(C1−)アルキル、アミノ、(C1−)アルキル−NH−、ジ−((C1−)アルキル)−N−および(C1−)アルキルC(O)−NH−からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいか、
(iii) 単環式3〜6員シクロアルキルでまたはO、SもしくはNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環式3〜6員ヘテロシクロアルキルで置換されている(C2−)アルケニルであって、ここで該置換アルケニルは、場合によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、(C1−)アルコキシ、(C1−)アルキル−S−、ハロ置換(C1−)アルキル、アミノ、(C1−)アルキル−NH−、ジ−((C1−)アルキル)−N−および(C1−)アルキルC(O)−NH−からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいか、
(iv) 単環式3〜6員シクロアルキルでまたはO、SもしくはNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環式3〜6員ヘテロシクロアルキルで置換されている(C2−)アルキニルであって、ここで該置換アルキニルは、場合によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、(C1−)アルコキシ、(C1−)アルキル−S−、ハロ置換(C1−)アルキル、アミノ、(C1−)アルキル−NH−、ジ−((C1−)アルキル)−N−および(C1−)アルキルC(O)−NH−からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいかまたは
(v) ジ((C−C)アルキル)アミンである。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0016】
好ましくは、R1aはフルオロであり、R1bはブロモまたはヨードであり、Rはフルオロであり、Rはフルオロであり、Rはジ−((C1−)アルキル)アミノまたは(C3−)シクロアルキルであり、ここで(C3−)シクロアルキルは、場合によりハロゲンまたはヒドロキシルから独立して選択される1個以上の置換基(好ましくは1個または2個のヒドロキシル基)で置換されていてよい(C2−)アルケニルまたは(C1−)アルキルで場合により置換されていてよい。
【0017】
一つの好ましい態様において、XはNである。XがNである代表的な式(Ia)の化合物は:シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;ジメチルスルファミン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−2−メチル−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;ジメチルスルファミン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−2−メチル−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;ジメチルスルファミン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ブロモ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;N−(6−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−4,5−ジフルオロベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパンスルホンアミド;N−(6−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−4,5−ジフルオロ−2−メチルベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパンスルホンアミド;1−アリル−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;2−(ベンジルオキシメチル)−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;1−(ベンジルオキシメチル)−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;およびN−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)−1−(ヒドロキシメチル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0018】
他の好ましい態様において、XはC(H)である。XがC(H)である代表的式(Ia)の化合物は:シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]−アミド;1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]アミド;1−(2−ヒドロキシ−エチル)−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]アミド;および2−ヒドロキシメチル−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]−アミド;またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0019】
本発明は他の一面において、上に記載する化合物のいずれかまたはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される添加物を含む医薬組成物が提供される。
【0020】
定義
ここで使用する用語“アルキル”は、一般式C2n+1の炭化水素基を意味する。アルカン基は直鎖でも分枝鎖でもよい。例えば、用語“(C−C)アルキル”は、1〜6個の炭素原子を含む一価の、直鎖または分枝鎖脂肪族基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、3,3−ジメチルプロピル、ヘキシル、2−メチルペンチルなど)を意味する。同様に、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシル(すなわち、アルキル−C(O)−またはアルキルカルボニル)、アルキルアミド(すなわち、アルキル−C(O)−NH−、アルキル−C(O)−N(アルキル)(H)−)、アルキルチオ(すなわち、アルキル−S−)、アルキルスルフィニル(すなわち、アルキル−S(O)−)、アルキルスルホニル(すなわち、アルキル−S(O)−)、アルキルスルファミル(アルキル−NH−SO−)、アルキルスルホンアミド(アルキル−SO−NH−)などのアルキル部分(すなわち、アルキル基)は上と同じ定義を有する。“場合により置換されていてよい”と示されているとき、アルカン基またはアルキル基は非置換であるかまたは1個以上の置換基(一般に、ハロゲン置換基、例えばペルクロロアルキルまたはペルフルオロアルキルの場合以外、1〜3個の置換基)で置換されている。“ハロ置換アルキル”は、少なくとも1個のハロゲン置換を有するアルキル基を意味する。
【0021】
用語“アルケニル”は、アルキル基内に少なくとも1個の不飽和を含むアルキル基を意味する。アルケニル基は直鎖でも分枝鎖でもよい。例えば、ビニル、プロプ−1−エニル、プロプ−2−エニル、2−メチルプロプ−2−エニル、3−メチルブト−2−エニルなど。
【0022】
用語“アリール”は、単環(例えば、フェニル)または縮合環系(例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンなど)を有する芳香族基を意味する。典型的アリール基は6〜14員芳香族性炭素環である。縮合芳香環系は、一部または完全に飽和されたシクロアルキルに縮合したフェニルを含み得る。例えば、2,3−ジヒドロインデニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、1,2−ジヒドロナフタレニル、2,3−ジヒドロナフタレニル、9,10−ジヒドロアントラセニル、フルオレニルなど。好ましいアリールはフェニルである。
【0023】
用語“シクロアルキル”または“一部または完全に飽和されたシクロアルキル”は、完全に水素化された(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなど)または一部水素化された(例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンタ−1,3−ジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサ−1,3−ジエニル、シクロヘキサ−1,4−ジエニルなど)炭素環を意味する。特にことわらない限り、シクロアルキル環は、一般に、単環(上に記載するとおり)、二環(例えば、オクタヒドロペンタレニル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシ−2−エニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、ビシクロ[2.2.2]オクト−2−エニル、ビシクロ[2.2.2]オクト−2,5−ジエニルなど)またはスピロ環(例えば、スピロ[2.2]ペンタニルなど)などであり得る3〜12員環である。
“ハロゲン”または“ハロ”はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり得る。
【0024】
用語“ヘテロ環”または“一部または完全に飽和されたヘテロ環”は、一部または完全に水素化されており、単環、二環(縮合環を含む)またはスピロ環であり得る非芳香環を意味する。特にことわらない限り、ヘテロ環は、一般に、硫黄、酸素および/または窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子(好ましくは1個または2個のヘテロ原子)を含む3〜12員環である。一部飽和されたまたは完全に飽和されたヘテロ環は、エポキシ、アジリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、1H−ジヒドロイミダゾリル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラゾリジニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、2H−クロメニル、オキサジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル1,1−ジオキシド、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2−b]ピロリルなどのような基を含む。一部飽和されたヘテロ環はまた、ヘテロ環がアリール環またはヘテロアリール環に縮合している(例えば、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル(または2,3−ジヒドロインドリル)、2,3−ジヒドロベンゾチオフェニル、2,3−ジヒドロベンゾチアゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド[3,4−b]ピラジニルなど)基も含む。スピロ環の例は、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、3−アザスピロ[5.5]ウンデカニル、3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカニルなどを含む。
【0025】
用語“ヘテロアリール”は、5〜10員芳香環内に少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素またはそれらの組合せ)を含む芳香族基(例えば、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、インドリル、インダゾリル、チエニル、フラニル、ベンゾフラニル、オキサゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、ピリミジル、ピラジニル、チアゾリル、プリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾリルなど)を意味する。ヘテロ芳香族基は、単環または縮合環系を構成し得る。典型的単ヘテロアリール環は、1〜3個の酸素、硫黄および窒素から独立して選択されるヘテロ原子を含む5〜6員環であり、典型的縮合ヘテロアリール環系は、1〜4個の酸素、硫黄および窒素から独立して選択されるヘテロ原子を含む9〜10員環系である。縮合ヘテロアリール環系は、互いに縮合した2個のヘテロアリール環またはアリール(一般に、フェニル)に縮合したヘテロアリールから成り得る。
【0026】
特にことわらない限り、用語“本発明の化合物”は、式(I)、(Ia)、(I−A)および(I−B)の化合物およびそれらの塩、ならびに全立体異性体(ジアステレオ異性体およびエナンチオマーを含む)、互変異性体、同位体で標識された化合物(重水素置換を含む)および必然的に形成される同等物(例えば、多形、溶媒和物および/または水和物)を意味する。
【0027】
詳細な記載
本発明は、MEKキナーゼ活性の阻害により調節される疾患、状態および/または障害の処置に有用な化合物およびその医薬組成物を低級する。
【0028】
本発明の化合物は、特に本明細書に含まれる記載を考慮して、化学分野で既知のものに準じる工程を含む合成経路により合成し得る。出発物質は一般に供給業者、例えばAldrich Chemicals(Milwaukee, Wis.)から入手可能であるかまたは当業者に既知の方法を使用して容易に製造される(例えば、一般にLouis F. Fieser and Mary Fieser, Reagents for Organic Synthesis, v. 1-19, Wiley, New York (1967-1999 ed.)または補遺を含むBeilsteins Handbuch der organischen Chemie, 4, Aufl. ed. Springer-Verlag, Berlin(Beilsteinオンラインデータベースを介しても入手可能)に記載されている方法により製造)。
【0029】
下に記載する反応スキームは、本発明の化合物ならびに重要な中間体の合成のための可能な経路を提供する。個々の反応工程のさらに詳細な説明については、下の実施例の項を参照のこと。当業者には、当然であるが、本発明の化合物を合成するために他の合成経路も使用し得る。具体的な出発物質および反応材を下に記載するが、当業者には、多様な誘導体および/または反応条件を提供するために他の出発物質および反応材に容易に置き換え得ることは当然である。加えて、本明細書の記載に照らして、下に記載する方法で製造される化合物の多くを、当業者に既知の慣用的化学反応を使用してさらに修飾できる。
【0030】
スキーム1は、RおよびRが両方ともHであり、XがNである本発明の化合物(以下では、“化合物I−A”と呼ぶ)をどのように製造できるかを説明する。
【化3】

【0031】
中間体I(a)は、Z’が適当な脱離基、例えばFである出発物質(SM−1)と、所望のアミノ化合物(例えば、R−NH)から、適当な条件下、例えばリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)で適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中、低温で処理し、その後適当な金属アルコキシド(例えばナトリウムアルコキシド、例えばRがメチルであるとき、ナトリウムメトキシド)で低温で処理することにより製造し得る。好ましくは、その後の工程でのR基はO保護基として機能する。
【0032】
中間体I(b)を、当業者に周知の標準的還元条件を使用する、例えばZnおよび塩酸を用いる中間体I(a)の還元により製造し得る。
【0033】
中間体I(c)は、中間体I(b)から、適当なカルボニル化剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾールで、適当な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中処理することにより製造し得る。2個のアミノ基の間のカルボニル架橋は、その後の反応工程における2個のアミノ基の保護を提供する。
【0034】
中間体I(d)は、中間体I(c)から、適当なニトロ化剤(例えば、発煙硝酸)で、低温で処理し、その後ニトロ基を標準還元条件下(例えば、Znおよび塩酸)で還元することにより製造し得る。
【0035】
中間体I(e)を得るための環形成は、中間体I(d)の酸素の脱保護(例えば、Rがアルキルであるならば、三臭化ホウ素での処理)と、所望の反応材R−C(OR)(反応材のORは脱離基として作用する)の環形成により達成できる。
【0036】
中間体I(f)は、中間体I(e)と、所望のスルホニル化剤(例えば、RSOXであって、Xは適当な脱離基(例えば、Cl)である)との反応により製造できる。
【0037】
およびRがHであり、XがNである本発明の化合物(I−A)は、使用する特定のアミノ保護基(例えば、カリウムトリメチルシロノラート)に対して適当な反応材を使用して、先に導入されたアミノ保護基を除去することにより製造し得る。
【0038】
下のスキームIIは、XがC(H)である本発明の化合物(以下では、“化合物I−B)”と呼ぶ)をどのように製造できるかを説明する。
【化4】

【0039】
中間体2(a)は、Z’が適当な脱離基(例えば、F)である出発物質SM−2と所望のアミン(R−NH)から、適当な条件下、例えばリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)で、適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中、低温で処理することにより製造できる。
【0040】
中間体2(b)は、中間体2(a)から適当な条件下に製造できる。例えば、中間体2(a)を、アセタールまたはケタール保護ヒドロキシルアセトアルデヒドで、塩基(例えば、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウム)の存在下、用いる脱離基(Z)に適する適当な条件下で処理して、中間体2(b)に変換し得る。
【0041】
中間体2(c)を、例えば、中間体2(b)を、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートで、適当な酸反応材(例えば、酢酸)の存在下に処理して、中間体2(b)に環化することにより製造できる。あるいは、中間体2(c)を、適当な条件下、トリフルオロ酢酸(TFA)中またはポリリン酸仲介環化により製造できる。
【0042】
中間体2(d)を、中間体2(c)の、適当な条件下、例えばZnおよび塩酸での還元により製造できる。
【0043】
中間体2(e)を、中間体2(d)から、適当なカルボニル化剤(例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール)で、適当な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中処理することにより製造できる。2個のアミノ基の間のカルボニル架橋は、その後の反応工程における2個のアミノ基の保護を提供する。
【0044】
中間体2(f)を、中間体2(e)と所望のスルホニル化剤(RSOXであって、Xは適当な脱離基(例えば、Cl)である)と反応させることにより製造できる。
【0045】
XがC(H)であり、Rであり、RがHである本発明の化合物I−Bは、使用する特定のアミノ保護基(例えば、カリウムトリメチルシロノラート)に対して適当な反応材を使用して、先に導入されたアミノ保護基を除去することにより製造し得る。
【0046】
出発物質(SM−2およびSM−2)および反応材(R−C(OR)、R−CH(OH)CH(OR)、であり、R−NH)は既知であるか、当業者に周知の方法により製造できる。式(I)の化合物を、上の方法の反応の順番を変えて製造でき、そして誘導体を上に記載する式(I−A)および(I−B)の化合物から製造できることは認識されよう。
【0047】
上のスキームに記載する化合物および中間体は、それ自体でまたはその対応する塩類として単離できる。例えば、式(I)および(Ia)((I−A)および(I−B)を含む)で表される化合物の多くは、酸付加塩類、特に薬学的に許容される酸付加塩類を形成できる。式(I)の化合物の薬学的に許容される酸付加塩類は、無機酸類、例えば、ハロゲン化水素酸類、例えば塩酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸;および有機酸類、例えば脂肪族モノカルボン酸類、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸および酪酸、脂肪族ヒドロキシ酸類、例えば乳酸、クエン酸、酒石酸またはリンゴ酸、ジカルボン酸類、例えばマレイン酸またはコハク酸、芳香族性カルボン酸類、例えば安息香酸、p−クロロ安息香酸、ジフェニル酢酸またはトリフェニル酢酸、芳香族性ヒドロキシ酸類、例えばo−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸または3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸およびスルホン酸類、例えばメタンスルホン酸またはベンゼンスルホン酸のものを含む。これらの塩類は、既知の塩形成法により製造できる。
【0048】
式(I)および(Ia)((I−A)および(I−B)を含む)の化合物はまた塩基類、特に薬学的に許容される塩基類、例えば当業者に既知のものと塩基を形成できる;適当なかかる塩類は、金属塩類、特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩類、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩またはアンモニアまたは薬学的に許容される有機アミン類またはヘテロ環式塩基類との塩類、例えばエタノールアミン類、ベンジルアミン類またはピリジンを含む。これらの塩類は、既知の塩形成法により製造できる。
【0049】
不斉炭素原子が存在する化合物について、化合物は個々の光学活性異性形態でまたはその混合物として、例えばラセミまたはジアステレオマー混合物として存在し得る。本発明は個々の光学活性RおよびS異性体ならびにその混合物、例えばラセミまたはジアステレオマー混合物を包含する。
【0050】
本発明は、同位体標識されたまたは富化された本発明の化合物を含む。本発明の化合物に統合するのに適当な同位体の代表例は、水素の同位体、例えばHおよびH、炭素の同位体、例えば11C、13Cおよび14C、塩素の同位体、例えば36Cl、フッ素の同位体、例えば18F、ヨウ素の同位体、例えば123Iおよび125I、窒素の同位体、例えば13Nおよび15N、酸素の同位体、例えば15O、17Oおよび18O、リンの同位体、例えば32Pおよび硫黄の同位体、例えば35Sを含む。
【0051】
重い同位体、例えば重水素、すなわちHでの置換は、大きな代謝安定性に起因するある種の治療的利益、例えば、インビボ半減期延長または必要投与量低減をもたらし得て、それ故にある状況下では好ましい。
【0052】
同位体標識された本発明の化合物は、一般に当業者に既知の方法でまたは添付する実施例および製造の項に記載の方法に準じて、先に用いた非標識反応材の代わりに適当な同位体標識された反応材を用いて製造できる。
【0053】
本発明の化合物は溶媒和されていないおよび薬学的に許容される溶媒、例えば水、エタノールなどで溶媒和された形態で存在でき、そして本発明は溶媒和物されたおよび溶媒和されていない形態の両方を含むことを意図する。本発明の目的で、溶媒和物(水和物を含む)は医薬組成物、例えば、溶媒である添加物と組み合わさった本発明の化合物と見なされる。
【0054】
本発明はまた本発明の化合物および薬学的に許容される添加物を含む、医薬組成物に関する。
【0055】
適当な添加物は、一般に結合剤、抗固着剤、崩壊剤、増量剤、希釈剤、香味剤、着色剤、流動促進剤、滑剤、防腐剤、吸収剤および甘味剤またはそれらの組合せを含む。
【0056】
典型的製剤は、本発明の化合物と担体、希釈剤または添加物の混合により製造する。適当な担体、希釈剤および添加物は当業者に既知であり、炭水化物、蝋、水可溶性および/または膨潤性ポリマー、親水性または疎水性物質、ゼラチン、油、溶媒、水などのような物質を含む。使用する特定の担体、希釈剤または添加物は、本発明の化合物を適用する手段および目的による。溶媒は、一般に哺乳動物への投与に対して当業者が安全であると認識している溶媒(GRAS)に基づき選択される。一般に、安全な溶媒は非毒性水性溶媒、例えば水および水に可溶性であるかまたは混和性である他の非毒性溶媒である。適当な水性溶媒は水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール類(例えば、PEG400、PEG300)などおよびそれらの混合物を含む。製剤はまた1種以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、不透明化剤、流動促進剤、処理助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、風味剤および薬物(すなわち、本発明の化合物またはその医薬組成物)の洗練された見かけを提供するためのまたは医薬品(すなわち、医薬)の製造を助けるための他の既知の添加物も含み得る。
【0057】
製剤慣用の溶解および混合法を使用して製造し得る。例えば、医薬原体(すなわち、本発明の化合物または本化合物の安定化された形態(例えば、シクロデキストリン誘導体または他の既知の錯体化剤(complexation agent)との錯体として))を、適当な溶媒に、添加物の1種以上の存在下で溶解する。本発明の化合物を、典型的に薬物の投与量の制御を容易にし、患者に洗練され、容易に取り扱い可能な製品を提供するために医薬投与形態に製剤する。
【0058】
本組成物は、一般に、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性または油性懸濁液、軟膏剤、パッチ剤、ゲル剤、ローション剤、磨歯剤、カプセル剤、エマルジョン剤、クリーム剤、噴霧剤、液滴剤、分散性粉末または顆粒、硬または軟ゲルカプセル剤中のエマルジョン、シロップ剤およびエリキシル剤を含む群から選択される多様な投与形に製剤される。
【0059】
投与用の医薬組成物(または製剤)は、薬物の投与に用いる方法によって種々の方法で包装され得る。一般に、流通品(article for distribution)は、適当な形態の医薬製剤が入れられた容器を含む。適当な容器は当業者に既知であり、ビン(プラスチックおよびガラス)、サシェット、アンプル、ビニール袋、金属シリンダーなどのような物質を含む。容器はまた、無分別な包装の内容物の利用を阻止するための不正開封防止も含み得る。加えて、容器はまた容器の内容物について記載するラベルを貼付されている。ラベルはまた適当な警告も含み得る。
【0060】
本発明の化合物は、MEKの過活性に関連する疾患または状態、ならびにRaf/Ras/Mek経路により調節される疾患または状態の予防的および治療的処置に有用である。
【0061】
それ故に、さらなる局面として、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を投与することを含む、MEKの過活性に関連する疾患または状態またはMEKカスケードにより調節される疾患または状態の処置方法に関する。
【0062】
さらなる局面として、本発明は、有効量の本発明の化合物を投与することを含む、増殖性疾患、例えば癌の処置方法に関する。
【0063】
癌の例は:血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、奇形腫;気管支原性癌、扁平上皮細胞癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、食道扁平上皮細胞癌、平滑筋肉腫、導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、ビポーマ、胃および小腸カルチノイド腫瘍、腺癌、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、ウィルムス腫瘍[腎芽腫、白血病、膀胱および尿道扁平上皮細胞癌、移行細胞癌、腺癌、精上皮腫、奇形腫、胚性癌、奇形癌、絨毛癌、間質性細胞癌、線維腺腫、腺腫様腫瘍、肝細胞腫(肝細胞性癌)、胆管細胞癌、肝芽腫、肝細胞性腺腫、血管腫、骨原性肉腫(骨肉腫)、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫(chondromyxofibroma)、類骨腫および巨細胞腫瘍、骨腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎、髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症、星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、シュワン腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、子宮内膜癌、子宮頚癌、前腫瘍子宮頚部異形成(pre-tumor cervical dysplasia)、卵巣癌、重度嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、顆粒膜/莢膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫、上皮内癌、腺癌、黒色腫)、膣明細胞癌、ブドウ状肉腫(胚性横紋筋肉腫)、ファロピウス管癌、急性および慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、基底細胞癌、黒子、異形成母斑、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬および神経芽腫を含む。
【0064】
本発明の化合物はまた他のMEKの過活性に関連する疾患または状態の処置にも有用であり得る。それ故に、さらなる局面として、本発明は、異種移植(細胞(cellos)、皮膚、肢、臓器または骨髄移植片)拒絶反応;骨関節症;リウマチ性関節炎;嚢胞性線維症;糖尿病合併症(糖尿病性網膜症および糖尿病性腎症を含む);肝腫大;心拡大;卒中(例えば急性限局性虚血性卒中および全脳虚血);心不全;敗血症性ショック;喘息;慢性閉塞性肺障害;アルツハイマー病;および慢性または神経障害性疼痛から選択される障害の処置方法に関連する。
【0065】
本発明での用語“慢性疼痛”は、特発性疼痛および慢性アルコール依存症、ビタミン欠乏症、尿毒症または甲状腺機能低下症に関連する疼痛を含むが、これらに限定されない。慢性疼痛は、炎症および術後疼痛を含むがこれらに限定されない多くの状態と関連する。
【0066】
ここで使用する用語“神経障害性疼痛”は、炎症、術後疼痛、幻肢痛、熱傷疼痛、痛風、三叉神経痛、急性ヘルペス性疼痛およびヘルペス後疼痛、灼熱痛、糖尿病性ニューロパシー、神経叢裂離、神経腫、脈管炎、ウイルス感染、挫滅、狭窄傷害、組織傷害、肢切断および末梢神経系と中枢神経系の間の神経障害を含むが、これらに限定されない多くの状態と関連する。
【0067】
本発明の化合物は、抗ウイルス剤としてウイルス感染症、例えばHIV、B型肝炎ウイルス(HBV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)およびエプスタイン・バーウイルス(EBV)の処置にも有用であり得る。
【0068】
本発明の化合物はまた再狭窄、乾癬、アレルギー性接触性皮膚炎、自己免疫性疾患、アテローム性動脈硬化症および炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎の処置にも有用であり得る。
【0069】
本発明のMEK阻害剤は、特に癌の処置において、他の1種または複数種の薬理学的活性化合物と有用に組み合わせ得る。例えば、上に定義する本発明の化合物を、化学療法剤、例えば有糸分裂阻害剤、例えばタキサン類、ビンカアルカロイド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンまたはビンフルニンおよび他の抗癌剤、例えばシスプラチン、5−フルオロウラシルまたは5−フルオロ−2−4(1H,3H)−ピリミジンジオン(5FU)、フルタミドまたはゲムシタビンから選択される1種以上の薬剤と組み合わせて、同時に、逐次的にまたは別々に投与してよい。
かかる組合せは、治療において、相乗活性を含む顕著な利益をもたらし得る。
【0070】
本発明の化合物はまた他の抗増殖性化合物と組み合わせて有利に使用し得る。かかる抗増殖性化合物は、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化合物;アルキル化化合物;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、例えばLBH589;細胞分化過程を誘発する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤、例えばRAD001;抗新生物代謝拮抗剤;プラチン化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的/低下する化合物およびさらなる抗血管形成化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;ビスホスホネート類;生物学的応答修飾剤;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発癌性アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;造血器腫瘍の処置に使用される化合物;Flt−3の活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物、例えばPKC412;Hsp90阻害剤、例えば17-AAG(17−アリルアミノゲルダナマイシン、NSC330507)、17-DMAG(17−ジメチルアミノエチルアミノ−17−デメトキシ−ゲルダナマイシン、NSC707545)、IPI-504、CNF1010、CNF2024、CNF1010(Conforma Therapeutics)およびAUY922;テモゾロミド(TEMODAL);キネシン紡錘体タンパク質阻害剤、例えばGlaxoSmithKlineのSB715992またはSB743921またはCombinatoRxのペンタミジン/クロルプロマジン;PI3K阻害剤、例えばBEZ235;RAF阻害剤、例えばRAF265;EDG結合剤、抗白血病化合物、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、S−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤、抗増殖性抗体または他の化学療法化合物を含むが、これらに限定されない。さらに、それらに代えてまたはそれらに加えて、手術、電離放射線、光線力学的治療、例えばコルチコステロイドを伴うインプラント、ホルモン類を含む他の腫瘍治療法と組み合わせて使用してよくまたは放射線増感剤としても使用し得る。また、抗炎症および/または抗増殖処置において、抗炎症剤との組合せが含まれる。抗ヒスタミン医薬物質、気管支拡張剤、NSAIDまたはケモカイン受容体のアンタゴニストとの組合せも可能である。
【0071】
ここで使用する用語“アロマターゼ阻害剤”は、エストロゲン産生を阻害する、すなわち基質アンドロステンジオンおよびテストステロンからそれぞれエストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害する化合物に関する。本用語は、ステロイド、特にアタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタンおよび特に非ステロイド、特にアミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールを含むが、これらに限定されない。エキセメスタンは、例えば、商品名AROMASINの下に販売されている形で投与できる。フォルメスタンは、例えば、商品名LENTARONの下に販売されている形で投与できる。ファドロゾールは、例えば、商品名AFEMAの下に販売されている形で投与できる。アナストロゾールは、例えば、商品名ARIMIDEXの下に販売されている形で投与できる。レトロゾールは、例えば、商品名フェマーラまたはFEMARの下に販売されている形で投与できる。アミノグルテチミドは、例えば、商品名ORIMETENの下に販売されている形で、投与できる。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含む本発明の組合せは、特にホルモン受容体陽性腫瘍、例えば、乳腫瘍の処置に有用である。
【0072】
ここで使用する用語“抗エストロゲン”は、エストロゲン受容体レベルでエストロゲンの作用に拮抗する化合物に関する。本用語は、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよび塩酸ラロキシフェンを含むが、これらに限定されない。タモキシフェンは、例えば、商品名NOLVADEXの下に販売されている形で投与できる。塩酸ラロキシフェンは、例えば、商品名EVISTAの下に販売されている形で投与できる。フルベストラントはUS4,659,516に開示の通りに製剤できまたはそれは、例えば、商品名FASLODEXの下に販売されている形で投与できる。抗エストロゲンである化学療法剤を含む本発明の組合せは、特にエストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば乳腫瘍の処置に有用である。
【0073】
ここで使用する用語“抗アンドロゲン”は、男性ホルモンの生物学的作用を阻害できる任意の物質に関し、例えばUS4,636,505に開示の通りに製剤できるビカルタミド(CASODEX)を含むが、これに限定されない。
【0074】
ここで使用する用語“ゴナドレリンアゴニスト”は、アバレリクス、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンを含むが、これらに限定されない。ゴセレリンはUS4,100,274に開示され、例えば、商品名ZOLADEXの下に販売されている形で投与できる。アバレリクスは、例えばUS5,843,901に開示の通りに製剤できる。
【0075】
ここで使用する用語“トポイソメラーゼI阻害剤”は、トポテカン、ギマテカン(gimatecan)、イリノテカン、カンプトテシンおよびその類似体、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトテシンコンジュゲートPNU−166148(WO99/17804の化合物A1)を含むが、これらに限定されない。イリノテカンは、例えば、商品名CAMPTOSARの下に販売されている形で投与できる。トポテカンは、例えば、商品名HYCAMTINの下に販売されている形で投与できる。
【0076】
ここで使用する用語“トポイソメラーゼII阻害剤”は、アントラサイクリン系、例えばドキソルビシン(リポソーム製剤、例えばCAELYXを含む)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン(nemorubicin)、アントラキノン系ミトキサントロンおよびロソキサントロンおよびポドフィロトキシン系エトポシドおよびテニポシドを含むが、これらに限定されない。エトポシドは、例えば、商品名ETOPOPHOSの下に販売されている形で投与できる。テニポシドは、例えば、商品名VM 26-BRISTOLの下に販売されている形で投与できる。ドキソルビシンは、例えば、商品名ADRIBLASTINまたはアドリアマイシンの下に販売されている形で投与できる。エピルビシンは、例えば、商品名FARMORUBICINの下に販売されている形で投与できる。イダルビシンは、例えば、商品名ZAVEDOSの下に販売されている形で投与できる。ミトキサントロンは、例えば、商品名NOVANTRONの下に販売されている形で投与できる。
【0077】
ここで使用する用語“微小管活性化合物”は、タキサン類、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、特に硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、特に硫酸ビンクリスチンおよびビノレルビン、ディスコデルモライド類、コルヒチン(cochicine)およびエポチロン類およびその誘導体、例えばエポチロンBまたはDまたはその誘導体を含むが、これらに限定されない微小管安定化、微小管脱安定化化合物および微小管重合化阻害剤に関する。パクリタキセルは販売されている形態で、例えばタキソールで投与できる。ドセタキセルは、例えば、商品名タキソテールの下に販売されている形で投与できる。硫酸ビンブラスチンは、例えば、商品名VINBLASTIN R.Pの下に販売されている形で投与できる。硫酸ビンクリスチンは、例えば、商品名FARMISTINの下に販売されている形で投与できる。ディスコデルモライドは、例えば、US5,010,099に開示の通りに得ることができる。WO98/10121、US6,194,181、WO98/25929、WO98/08849、WO99/43653、WO98/22461およびWO00/31247に開示されているエポチロン誘導体も包含される。特に好ましいのはエポチロンAおよび/またはBである。
【0078】
ここで使用する用語“アルキル化化合物”は、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソウレア(BCNUまたはグリアデル)を含むが、これらに限定されない。シクロホスファミドは、例えば、商品名CYCLOSTINの下に販売されている形で投与できる。イホスファミドは、例えば、商品名HOLOXANの下に販売されている形で投与できる。
【0079】
ここで使用する用語“ヒストンデアセチラーゼ阻害剤”または“HDAC阻害剤”は、ヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖性活性を有する化合物に関する。これは、酪酸ナトリウム、WO02/22577に開示のLDH589、特にN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよび薬学的に許容されるそれらの塩、特に乳酸塩のような化合物を含む。さらに特にスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、MS275、FK228(以前はFR901228)、トリコスタチンAおよびUS6,552,065に開示の化合物、特に、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドまたはその薬学的に許容される塩を含む。
【0080】
ここで使用する用語“抗新生物代謝拮抗剤”は、5−フルオロウラシルまたは5−FU、カペシタビン、ゲムシタビン、DNAデメチル化化合物、例えば5−アザシチジンおよびデシタビン、メトトレキサートおよびエダトレキサートおよび葉酸アンタゴニスト、例えばペメトレキセドを含むが、これらに限定されない。カペシタビンは、例えば、商品名XELODAの下に販売されている形で投与できる。ゲムシタビンは、例えば、商品名GEMZARの下に販売されている形で投与できる。
【0081】
ここで使用する用語“プラチン化合物”は、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラスチンおよびオキサリプラチンを含むが、これらに限定されない。カルボプラチンは、例えば、商品名CARBOPLATの下に販売されている形で投与できる。オキサリプラチンは、例えば、商品名ELOXATINの下に販売されている形で投与できる。
【0082】
ここで使用する用語“タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的/低下する化合物”;または“タンパク質または脂質ホスファターゼ活性”;または“さらなる抗血管形成化合物”は、タンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリンおよび/またはスレオニンキナーゼ阻害剤または脂質キナーゼ阻害剤、例えば、次のa)からl)に記載するものを含むが、これらに限定されない:
a) 血小板由来増殖因子−受容体(PDGFR)の活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物、例えばPDGFRの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物、特にPDGF受容体を阻害する化合物、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、SU101、SU6668およびGFB-111;
b) 線維芽細胞増殖因子−受容体(FGFR)の活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物;
c) インシュリン様増殖因子受容体I(IGF−IR)の活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物、例えばIGF−IRの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物、特にIGF−I受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物、例えばWO02/092599に開示の化合物またはIGF−I受容体の細胞外ドメインまたはその増殖因子を標的とする抗体;
d) Trk受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物またはエフリンB4阻害剤;
e) Axl受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物;
f) Ret受容体チロシンキナーゼの活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物;
g) Kit/SCFR受容体チロシンキナーゼ、すなわちC−kit受容体チロシンキナーゼ類 − (PDGFRファミリーの一部)の活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物、例えばc−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物、特にc−Kit受容体を阻害する化合物、例えばイマチニブ;
h) c−Ablファミリーのメンバー、それらの遺伝子融合産物(例えばBCR−Ablキナーゼ)および変異体の活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物、例えばc−AbIファミリーメンバーおよびそれらに遺伝子融合産物の活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブまたはニロチニブ(AMN107);PD180970;AG957;NSC 680410;ParkeDavisのPD173955;またはダサチニブ(BMS-354825);
【0083】
i) タンパク質キナーゼC(PKC)のメンバー、セリン/スレオニンキナーゼ類のRafファミリー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDK1、PKB/AktおよびRas/MAPKファミリーメンバーおよび/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物、特にUS5,093,330に開示のスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン;さらなる化合物の例は、例えばUCN-01、サフィンゴール、BAY 43-9006、ブリオスタチン1、ペリホシン;イルモホシン;RO 318220およびRO 320432;GO 6976;Isis 3521;LY333531/LY379196;イソキノリン(isochinoline)化合物、例えばWO00/09495に開示のもの;FTIs;BEZ235(P13K阻害剤)またはAT7519(CDK阻害剤)を含む;
j) タンパク質−チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物、例えばメシル酸イマチニブ(GLEEVEC)またはチロホスチンを含む、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物。チロホスチンは好ましくは低分子量(mw<1500)化合物またはその薬学的に許容される塩、特にベンジリデンマロニトリル群またはS−アリールベンゼンマロニトリルまたは二基質キノリン群の化合物からなる群から選択される化合物、より具体的にチロホスチンA23/RG-50810;AG 99;チロホスチンAG 213;チロホスチンAG 1748;チロホスチンAG 490;チロホスチンB44;チロホスチンB44(+)エナンチオマー;チロホスチンAG 555;AG 494;チロホスチンAG 556、AG957およびアダフォスチン(4−{[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}−安息香酸アダマンチルエステル;NSC 680410、アダフォスチン)からなる群から選択される化合物;
k) 受容体チロシンキナーゼ類の上皮細胞増殖因子ファミリー(ホモまたはヘテロ二量体としてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)およびそれらの変異体の活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物、例えば上皮細胞増殖因子受容体ファミリーの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物は、特にEGF受容体チロシンキナーゼファミリー、例えばEGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4のメンバーを阻害するまたはEGFまたはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体であり、特にWO97/02266(例えば実施例39の化合物)またはEP0564409、WO99/03854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5,747,498、WO98/10767、WO97/30034、WO97/49688、WO97/38983および特に、WO96/30347(例えばCP 358774として既知の化合物)、WO96/33980(例えば化合物ZD 1839)およびWO95/03283(例えば化合物ZM105180)に一般的におよび具体的に開示の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;例えばトラスツマブ(Herceptin)、セツキシマブ(Erbitux)、Iressa、Tarceva、OSI-774、CI-1033、EKB-569、GW-2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3およびWO03/013541に開示の7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体;および
l) c−Met受容体の活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物、例えばc−Metの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物、特にc−Met受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物またはc−Metの細胞外ドメインを標的とするまたはHGFに結合する抗体。
【0084】
さらなる抗血管形成化合物は、活性について他の、例えばタンパク質または脂質キナーゼ阻害に無関係の機構を有する化合物、例えばサリドマイド(THALOMID)およびTNP-470を含む。
【0085】
タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物は、例えば、ホスファターゼ1、ホスファターゼ2AまたはCDC25の阻害剤、例えばオカダ酸またはその誘導体である。
【0086】
細胞分化過程を誘発する化合物は、例えばレチノイン酸またはトコフェロールまたはトコトリエノールである。
【0087】
ここで使用する用語シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、例えばCox−2阻害剤、5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えばセレコキシブ(CELEBREX)、ロフェコキシブ(VIOXX)、エトリコキシブ、バルデコキシブまたは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブを含むが、これらに限定されない。
【0088】
ここで使用する用語“ビスホスホネート類”は、エチドロン、クロドロン、チルドロン、パミドロン、アレンドロン、イバンドロン、リセドロンおよびゾレドロン酸を含むが、これらに限定されない。“エチドロン酸”は、例えば、商品名DIDRONELの下に販売されている形で投与できる。“クロドロン酸”は、例えば、商品名BONEFOSの下に販売されている形で投与できる。“チルドロン酸”は、例えば、商品名SKELIDの下に販売されている形で投与できる。“パミドロン酸”は、例えば、商品名AREDIAの下に販売されている形で投与できる。“アレンドロン酸”は、例えば、商品名FOSAMAXの下に販売されている形で投与できる。“イバンドロン酸”は、例えば、商品名BONDRANATの下に販売されている形で投与できる。“リセドロン酸”は、例えば、商品名ACTONELの下に販売されている形で投与できる。“ゾレドロン酸”は、例えば、商品名ZOMETAの下に販売されている形で投与できる。
【0089】
ここで使用する用語“mTOR阻害剤”は、ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)を阻害し、抗増殖性活性を有する化合物、例えばシロリムス(Rapamune)、エベロリムス(CerticanO)、CCI-779およびABT578を意味する。
【0090】
ここで使用する用語“ヘパラナーゼ阻害剤”は、ヘパリン硫酸分解を標的し、低下しまたは阻害する化合物に関する。本用語はPI−88を含むが、これに限定されない。
【0091】
ここで使用する用語“生物学的応答修飾剤”は、リンホカインまたはインターフェロン類、例えばインターフェロンを意味する。
【0092】
ここで使用する用語“Ras発癌性アイソフォームの阻害剤”、例えばH−Ras、K−RasまたはN−Rasの阻害剤は、Rasの発癌性活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物、例えば“ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤”、例えばL-744832、DK8G557またはR115777(Zarnestra)を意味する。
【0093】
ここで使用する用語“テロメラーゼ阻害剤”は、テロメラーゼの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物を意味する。テロメラーゼの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物は、特にテロメラーゼ受容体を阻害する、例えばテロメスタチンである。
【0094】
ここで使用する用語“メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤”は、メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物を意味する。メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物は、例えばベンガミドまたはその誘導体である。
【0095】
ここで使用する用語“プロテアソーム阻害剤”は、プロテアソームの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物を意味する。プロテアソームの活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物は、例えばBortezomid(ベルケイド)およびMLN 341を含む。
【0096】
ここで使用する用語“マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤”または(“MMP”阻害剤)は、コラーゲンペプチド模倣性および非ペプチド模倣性阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサメートペプチド模倣性阻害剤バチマスタットおよびその経口生体利用可能アナログマリマスタット(BB−2516)、プリノマスタット(AG3340)、メタスタット(NSC 683551)、BMS-279251、BAY 12-9566、TAA211、MMI270BまたはAAJ996を含むが、これらに限定されない。
【0097】
ここで使用する用語“造血器腫瘍の処置に使用される化合物”は、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤、例えばFMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt−3R)の活性を標的し、低下させまたは阻害する化合物;インターフェロン、1−b−D−アラビノフラノシルシトシン(ara−c)およびビスルファン;およびALK阻害剤、例えば未分化リンパ腫キナーゼを標的し、低下させまたは阻害する化合物を含むが、これらに限定されない。
【0098】
FMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt−3R)の活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物は、特にFlt−3R受容体キナーゼファミリーのメンバーを阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えばPKC412、TKI258、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518である。
【0099】
ここで使用する用語“HSP90阻害剤”は、HSP90の内因性ATPase活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物;ユビキチンプロテオソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解し、標的しまたは阻害する化合物を含むが、これらに限定できない。HSP90の内因性ATPase活性を標的し、低下しまたは阻害する化合物は、特にHSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば、17−アリルアミノ,17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物およびラジシコールである。
【0100】
ここで使用する用語“抗増殖性抗体“は、トラスツマブ(Herceptin)、トラスツマブ−DM1、アービタックス、ベバシズマブ(Avastin)、リツキシマブ(リツキサン)、PRO64553(抗CD40)および2C4抗体を含むが、これらに限定されない。抗体により、例えば完全なモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2個の完全な抗体から形成される多特異的抗体および所望の生物学的活性を示す限り抗体フラグメントを意味する。
【0101】
急性骨髄性白血病(AML)の処置のために、式(I)の化合物を標準白血病治療と組み合わせて、特にAMLの処置に使用される処置と組み合わせて使用できる。特に、式(I)の化合物は、例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはAMLの処置に有用な他の薬物、例えばダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara-C、VP-16、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、カルボプラチンおよびPKC412と組み合わせて投与できる。
【0102】
ここで使用する用語“抗白血病化合物”は、例えば、デオキシシチジンの2−アルファ−ヒドロキシリボース(アラビノシド)誘導体であるピリミジンアナログであるAra-Cを含む。ヒポキサンチンのプリンアナログ、6−メルカプトプリン(6−MP)およびリン酸フルダラビンもまた含まれる。
【0103】
ここで使用するソマトスタチン受容体アンタゴニストは、ソマトスタチン受容体を標的し、低下しまたは阻害する化合物、例えばオクトレオチドおよびSOM230(パシレオチド)を意味する。
【0104】
腫瘍細胞損傷術は、電離放射線のような技術を意味する。上におよび下に記載する用語“電離放射線”は、電磁波(例えばX線およびガンマ線)または粒子(例えばアルファおよびベータ粒子)のいずれかとして発生する電離放射線を意味する。電離放射線は、放射線治療において提供されるものを含むが、これに限定されず、当分野で既知である。Hellman, Principles of Radiation Therapy, Cancer, in Principles and Practice of Oncology, Devita et al., Eds., 4th Edition, Vol. 1, pp. 248-275 (1993)参照。
【0105】
ここで使用する用語“EDG結合剤”は、リンパ球再循環を調節する免疫抑制剤群、例えばFTY720を意味する。
【0106】
用語“リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤”は、フルダラビンおよび/またはシトシンアラビノシド(ara−C)、6−チオグアニン、5−フルオロウラシル、クラドリビン、6−メルカプトプリン(特にALLに対してara-Cとの組合せ)および/またはペントスタチンを含むが、これらに限定されないピリミジンアナログまたはプリンヌクレオシドアナログを意味する。リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤は、特にヒドロキシウレアまたは2−ヒドロキシ−1H−イソインドール−1,3−ジオン誘導体、例えばNandy et al., Acta Oncologica, Vol. 33, No. 8, pp. 953-961 (1994)に述べられたPL−1、PL−2、PL−3、PL−4、PL−5、PL−6、PL−7またはPL−8である。
【0107】
ここで使用する用語“S−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤”は、US5,461,076に開示された化合物を含むが、これらに限定されない。
【0108】
また包含されるのは、特にWO98/35958(例えば1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその薬学的に許容される塩、例えばコハク酸塩)またはWO00/09495、WO00/27820、WO00/59509、WO98/11223、WO00/27819およびEP0769947に開示されている化合物、タンパク質またはVEGFのモノクローナル抗体;Prewett et al, Cancer Res, Vol. 59, pp. 5209-5218 (1999);Yuan et al., Proc Natl Acad Sci USA, Vol. 93, pp. 14765-14770 (1996);Zhu et al., Cancer Res, Vol. 58, pp. 3209-3214 (1998);およびMordenti et al., Toxicol Pathol, Vol. 27, No. 1, pp. 14-21 (1999)に開示のもの;WO00/37502およびWO94/10202に開示のもの;O'Reilly et al., Cell, Vol. 79, pp. 315-328 (1994)により記載されたアンジオスタチン;O'Reilly et al., Cell, Vol. 88, pp. 277-285 (1997)により記載されたエンドスタチン;アントラニル酸アミド類;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;ベバシズマブ;または抗VEGF抗体または抗VEGF受容体抗体、例えばrhuMAbおよびRHUFab、VEGFアプタマー、例えばMacugon;FLT−4阻害剤、FLT−3阻害剤、VEGFR−2 IgG1抗体、Angiozyme(RPI 4610)およびベバシズマブ(Avastin)である。
【0109】
ここで使用する光力学的治療は、癌を処置または予防するために光感作性化合物として知られるある種の化学物質を使用する治療を意味する。光力学的治療の例は、例えばVISUDYNEおよびポルフィマーナトリウムのような化合物での処置を含む。
【0110】
ここで使用する血管新生抑制ステロイドは、例えば、アネコルタブ、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11−エピヒドロコルチゾール、コルテクソロン、17−ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロンおよびデキサメサゾンのような血管形成を遮断または阻止する化合物を意味する。
【0111】
コルチコステロイド含有インプラントは、例えばフルオシノロン、デキサメサゾンのような化合物を意味する。
【0112】
“他の化学療法化合物”は、植物アルカロイド類、ホルモン化合物およびアンタゴニスト;生物学的応答修飾剤、好ましくはリンホカイン類またはインターフェロン類;アンチセンスオリゴヌクレオチド類またはオリゴヌクレオチド誘導体;shRNAまたはsiRNA;または種々の化合物または他のもしくは未知の作用機序を有する化合物を含むが、これらに限定されない。
【0113】
コード番号、一般名または商品名により特定している活性剤の構造は、標準的概説書“The Merck Index”の現行版またはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)から取り得る。
【0114】
本明細書における文献の引用は、これらの文献が本発明の特許性に負に影響する先行技術文献であると認めるものではないと解釈すべきである。
【0115】
本発明の化合物はまた、次の群の薬物から選択される1種以上の他の適当な活性剤と組合わせて、同時に、別々にまたは逐次的に投与してよい:抗IL−1剤、例えば:アナキンラ;抗サイトカインおよび抗サイトカイン受容体剤、例えば抗IL−6RAb、抗IL−15Ab、抗IL−17Ab、抗IL−12Ab;B細胞およびT細胞調節剤、例えば抗CD20Ab;CTL4−Ig、疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARD)、例えばメトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジン;金塩類、ペニシラミン、ヒドロキシクロロキンおよびクロロキン、アザチオプリン、グルココルチコイド類および非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、例えばシクロオキシゲナーゼ阻害剤、選択的COX−2阻害剤、免疫細胞の遊走を調節する薬物、例えばケモカイン受容体アンタゴニスト、接着分子のモジュレーター、例えばLFA−1、VLA−4の阻害剤。
【0116】
本発明の医薬組成物または組合せ剤は、約50〜70kgの対象に対して約1〜1000mgの有効成分の単位投与量でまたは約1〜500mgまたは約1〜250mgまたは約1〜150mgまたは約0.5〜100mgまたは約1〜50mgの有効成分の単位投与量で投与できる。一般に、経口投与のための適当な1日量は約0.1〜約10mg/kgである。しかしながら、当業者には当然であるが、化合物、医薬組成物またはそれらの組合せの治療的有効投与量は対象の種、体重、年齢および個々の状態、処置する障害または疾患またはその重症度による。通常の技術の医師、臨床医または獣医は、障害または疾患を予防する、処置するまたは阻止するのに必要な各有効成分の有効量を容易に決定できる。
【0117】
上記の投与特性は、有利に哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたは単離臓器、組織およびそれらの調製物を使用したインビトロおよびインビボ試験で証明できる。本発明の化合物は、インビトロで溶液、例えば、水溶液の形でおよびインビボで、経腸的に、非経腸的に、有利には静脈内に、例えば、懸濁液または水溶液として適用できる。インビトロでの投与量は、約10−3〜10−9モル濃度の範囲であり得る。インビボでの治療有効量は投与経路により、約0.1〜500mg/kgまたは約1〜100mg/kgの範囲であり得る。
【0118】
一般に、治療的有効量の本発明の化合物を、処置を必要とする患者に投与する。本発明の化合物の“治療有効量”なる用語は、対象に生物学的または医学的応答、例えば、酵素またはタンパク質活性の低下もしくは阻害または症状の緩和、状態の軽減、疾患進行の減速または遅延または疾患の予防などを誘発する本発明の化合物の量を意味する。
【0119】
さらに別の態様において、哺乳動物における癌の処置方法であって、かかる処置を必要とする哺乳動物に有効量の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0120】
ここで使用する用語“対象”は動物を意味する。典型的に、動物は哺乳動物である。対象はまた、例えば、霊長類(例えば、ヒト、男性または女性)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類なども意味する。ある態様において、対象は霊長類である。好ましくは、対象はヒトである。
【0121】
ここで使用する用語“阻害”、“阻害する”または“阻害し”は、ある状態、症状または障害または疾患の減少または抑制または生物学的活性または過程のベースライン活性の顕著な減少を意味する。
【0122】
ここで使用するある疾患または障害を“処置”、“処置する”または“処置し”なる用語は、(i)疾患または障害を軽減する(すなわち、疾患またはその臨床症状の少なくとも一つの発症の遅延または阻止または軽減);(ii)患者により識別可能ではないかもしれないものを含む物理的パラメータの少なくとも一つの軽減または寛解;または(iii)疾患または障害の発病または発症または進行の予防または遅延を意味する。一般に、用語“処置”または“処置する”は、疾患、状態または障害と闘う目的での患者の管理およびケアを意味し、症状または合併症の発生を予防するため、症状または合併症を軽減するためまたは疾患、状態または障害を排除するための本発明の化合物の投与を含む。
【0123】
ここで使用する対象は、かかる対象が処置により生物学的に、医学的にまたはクオリティ・オブ・ライフにおいて利益を受けるならば、かかる処置の“必要がある”(好ましくは、ヒト)。
【0124】
本発明の他の局面は、本発明の化合物および少なくとも1種の治療剤(または医薬品)を、アポトーシスを亢進するための治療において同時に、別々にまたは逐次使用するための組合せ製剤として含む、製品である。
【0125】
本発明の組合せ治療において、本発明の化合物および治療剤は、同一のまたは異なる製造者により製造および/または製剤されてよい。さらに、本発明の化合物および他の治療剤(または医薬品)を:(i)組合せ治療の医師への提供前に(例えば本発明の化合物および他の治療剤を含むキットの場合);(ii)投与直前に医師自身により(または医師の指導の下に);(iii)例えば本発明の化合物および他の治療剤の逐次投与中に患者自身により一緒にして、組合せ治療にしてよい。
【0126】
従って、本発明は、MAPキナーゼ経路の阻害による疾患または状態の処置のための本発明の化合物の使用を提供し、ここで、医薬は、他の治療剤と投与するために製造される。本発明はまた他の治療剤の使用も提供し、ここで、医薬は本発明の化合物と他の治療剤の組合せとして投与される。
【0127】
本発明の態様を次の実施例により説明する。しかしながら、当業者には他の変法が既知であるかまたは本開示に照らして明らかであるため、本発明の態様がこれらの実施例の具体的な詳細事項に限定されないと解釈すべきである。
【実施例】
【0128】
下で使用する次の略語は、対応する意味を有する:
【表1】

【0129】
重要な中間体の製造
中間体(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロ−フェニル)−アミン(I−1a)の製造:
【化5】

1.0M LHMDSのヘキサン溶液(153mL、153mol)を、2−フルオロ−4−ヨードアニリン(30.0g、128mol)の乾燥THF(600mL)溶液に、−78℃で、30分間かけて滴下し、得られた混合物を−78℃で30分間撹拌した。その後2,3,4,6−テトラフルオロニトロベンゼン(25g、128mol)の乾燥THF(150mL)溶液を添加し、撹拌をさらに1時間、室温で続けた。TLC(10%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応混合物を2N HCl(100mL)で反応停止させ、濃縮し、濃縮物を水(500mL)および酢酸エチル(300mL)に分配した。水層を酢酸エチル(2×200mL)で洗浄した。合わせた有機相を水、塩水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、38gの粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜5%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、31gの生成物を得た(58.8%収率)。LCMS: 95.5%, m/z = 410.9 (M-1)。
【0130】
中間体(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロ−フェニル)−アミン(I−2a)の製造:
【化6】

中間体I−2aを、2,3,4,6−テトラフルオロニトロベンゼン(25g、128mol)および2−フルオロ−4−ブロモアニリン(24.36g、128mol)から、中間体(I−1a)の製造のために記載した上記の方法に準じる方法を使用して製造し、25gの生成物を得た(64%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 8.84 (s, 1H), 7.70-7.60 (m, 1H), 7.56 (dd, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.04 (t, 1H). LCMS: 99.02 %, m/z = 366.9 (M+2)。
【0131】
中間体(2,3−ジフルオロ−5−メトキシ−6−ニトロ−フェニル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(I−3a)の製造:
【化7】

ナトリウムメトキシド(32.0g、600mmol)の乾燥THF(500mL)中の混合物を、−78℃で、(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロ−フェニル)−アミン(25g、60mmol)に添加し、得られた混合物を室温で一夜撹拌した。TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応混合物を200mLの水で反応停止させ、濃縮した。濃縮物を冷2N HCl(pH=2)で酸性化し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1〜5%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、18gの生成物を得た(70.6%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 7.42 (dd, 1H), 7.34 (d, 1H), 6.9 (s, 1H), 6.64-6.54 (m, 2H), 3.92 (s, 3H). LCMS: 94.1%, m/z = 422.9 (M-1). HPLC: 98.8%。
【0132】
中間体(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−(2,3−ジフルオロ−5−メトキシ−6−ニトロ−フェニル)−アミン(I−4a)の製造:
【化8】

中間体I−4aを、(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロ−フェニル)−アミン(25g、0.069mol)およびナトリウムメトキシド(18.6g、0.344mol)から、上の中間体(I−3a)に準じた方法を使用して製造して、生成物を得た(81%収率)。
【0133】
中間体3,4−ジフルオロ−N2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6−メトキシ−ベンゼン−1,2−ジアミン(I−5a)の製造:
【化9】

濃HCl(20mL)を、(2,3−ジフルオロ−5−メトキシ−6−ニトロ−フェニル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(I−3a:8.0g、17mmol)のTHF(160mL)溶液に添加し、得られた混合物を5分間撹拌した。その後亜鉛末(6.8g、103mmol)を30分間かけて少しずつ添加し、撹拌をさらに30分間、室温で続けた。TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、濃縮物を水で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、濃縮した。粗生成物をエーテルで摩砕し、濾過した。残留物を乾燥させて、6.3gの生成物を得た(85%収率)。
【0134】
中間体N2−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3,4−ジフルオロ−6−メトキシ−ベンゼン−1,2−ジアミン(I−6a)の製造:
【化10】

中間体I−6aを、(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−(2,3−ジフルオロ−5−メトキシ−6−ニトロ−フェニル)−アミン(I−4a:16g、0.0425mol)、亜鉛末(19.6g、0.298mmol)および濃HCl(45mL)から、中間体(I−5a)の製造法に準じた方法を使用して製造して、生成物を得た(85%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.24 (dd, 1H), 7.06 (dt, 1H), 6.66-6.58 (m, 1H), 6.36 (t, 1H), 5.36 (s, 1H), 3.82 (s, 3H)。
【0135】
中間体6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−メトキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−7a)の製造:
【化11】

1,1’−カルボニルジイミダゾール(4.68g、288mmol)を、3,4−ジフルオロ−N2−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6−メトキシ−ベンゼン−1,2−ジアミン(I−5a:6.3g、144mmol)のDCM(60mL)溶液に少しずつ添加し、得られた混合物を室温で一夜撹拌した。TLC(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応混合物を濾過し、残留物をDCMで洗浄し、減圧下乾燥させて、6.0gの生成物を得た(89.5%収率)。
【0136】
1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−4−メトキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−8a)の製造:
【化12】

中間体I−8aを、N2−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−3,4−ジフルオロ−6−メトキシ−ベンゼン−1,2−ジアミン(I−6a:12.5g、0.036mol)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(14.6g、0.0900mol)から、上の中間体(I−7a)の製造法に準じた方法を使用して製造して、10gの生成物を得た(74%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 11.72 (s, 1H), 7.86 (dd, 1H), 7.68-7.58 (m, 2H), 7.02-6.92 (m, 1H), 3.88 (s, 3H)。
【0137】
中間体6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−メトキシ−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−9a)の製造:
【化13】

6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−メトキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(3.0g、7.14mmol)を、発煙硝酸に、−78℃で1分間かけて少しずつ添加し、得られた混合物を室温で5分間撹拌した。TLC(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応混合物を冷水で反応停止させた。形成した固体を回収し、水で洗浄し、乾燥させて、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10〜40%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、1.6gの生成物を得た(48.2%収率)。
【0138】
中間体1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−4−メトキシ−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−10a)の製造:
【化14】

中間体I−10aを、1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−4−メトキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(4g、0.010mol)および発煙硝酸(6mL)から、上の中間体(I−9a)の製造法に準じた方法を使用して製造して、2gの生成物を得た(41.6%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 12.47 (s, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.72-7.60 (m, 2H), 4.0 (s, 3H). LCMS: 71.0 %, m/z = 415.9 (M-2)。
【0139】
中間体5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−メトキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−11a)の製造:
【化15】

濃HCl(2.5mL)を、6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−メトキシ−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(1.6g、3.4mmol)のTHF(35mL)溶液に添加し、得られた混合物を5分間撹拌した。その後亜鉛末(2.2g、34mmol)を30分間かけて少しずつ添加し、撹拌をさらに30分間、室温で続けた。TLC(60%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、濃縮物を水で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、濃縮した。粗生成物をエーテルで摩砕し、濾過し、残留物を乾燥させて、1.4gの生成物を得た(94.5%収率)。
【0140】
中間体5−アミノ−1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−4−メトキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−12a)の製造:
【化16】

中間体I−12aを、1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−4−メトキシ−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(2g、0.00478mol)および亜鉛末(1.9g、0.0287mol)から、中間体(I−11a)の製造について上に記載した方法に準じた方法を使用して製造して、1.7gの生成物を得た(95%収率)。
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 11.52 (s, 1H), 7.83 (dd, 1H), 7.62-7.55 (m, 2H), 4.99 (s, 2H), 3.75 (s, 3H)。
【0141】
中間体5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−13a)の製造:
【化17】

DCM中三臭化ホウ素の1.0M溶液(6.4mL、6.4mmol)を、5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−メトキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−11a:1.4g、3.2mmol)のDCM(50mL)溶液に0℃で添加し、得られた混合物を室温で一夜撹拌した。TLC(80%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応混合物を水で反応停止させ、1時間撹拌した。水層を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、1.15gの生成物を得た(85.1%収率)。
【0142】
中間体5−アミノ−1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−14a)の製造:
【化18】

中間体I−14aを、5−アミノ−1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−4−メトキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−12a:1.7g、0.00438mol)および三臭化ホウ素から、中間体I−13aの製造法に準じる方法を使用して製造して、850mgの生成物を得た(88%収率)。
【0143】
中間体4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−15a)の製造:
【化19】

5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−13a:550mg、1.3mmol)のオルトギ酸トリエチル(5mL)およびp−トルエンスルホン酸(20mg、0.13mmol)中の混合物をフラスコに仕込み、フラスコを120℃で30分間加熱還流した。TLC(70%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応混合物を減圧下濃縮し、濃縮物をジエチルエーテルで摩砕し、濾過した。残留物をジエチルエーテルで洗浄し、減圧下乾燥させて、300mgの生成物を得た(54.5%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ 12.50 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 7.97 (dd, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.50 (t, 1H). LCMS: 92.2%, m/z = 431.9 (M+1)。
【0144】
中間体6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4,5−ジフルオロ−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−16a)の製造:
【化20】

中間体I−16aを、5−アミノ−1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−14a:800mg、2.14mmol)、オルトギ酸トリエチル(3.7mL)およびp−トルエンスルホン酸(80mg)から、上の中間体I−15aの製造に使用した方法に準じた方法を使用して製造して、550mgの生成物を得た(65%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 12.50 (s, 1H), 8.80 (s 1H), 7.97 (d, 1H), 7.65-7.55 (m, 2H). HPLC: 95.7%
【0145】
中間体6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4,5−ジフルオロ−2−メチル−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−17a)の製造:
【化21】

中間体I−17aを、5−アミノ−1−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−14a:600mg、1.6mmol)、1,1,1−トリエトキシ−エタン(5mL)およびp−トルエンスルホン酸(100mg)から、上の中間体I−16aのために記載した方法に準じた方法を使用して製造して、350mgの生成物を得た(54.68%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 12.40 (s, 1H), 7.90 (dd, 1H), 7.72-7.60 (m, 2H), 2.68 (s, 3H)。
【0146】
中間体4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−メチル−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−18a)の製造:
【化22】

中間体I−18aを、5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(I−13a:550mg、1.3mmol)の1,1,1−トリエトキシ−エタン(5mL)およびp−トルエンスルホン酸(20mg、0.13mmol)溶液から、上の中間体I−16aのために記載した方法に準じた方法を使用して製造して、310mgの生成物を得た(53.6%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300MHz):δ 12.39 (s, 1H), 7.96 (dd, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.48 (t, 1H), 2.67 (s, 3H). LCMS: 92.6%, m/z = 445.9 (M+1)。
【0147】
中間体8−シクロプロパンスルホニル−4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−19a)の製造:
【化23】

TEA(78mg、0.55mmol)およびDMAP(10mg)を、4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−15a:80mg、0.178mmol)の乾燥DCM(5mL)溶液に0℃で添加し、得られた混合物を15分間撹拌した。その後、シクロプロパンスルホニルクロライド(39mg、0.27mmol)を添加し、撹拌をさらに3時間、室温で続けた。TLC(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応混合物を水(50mL)および酢酸エチル(50mL)に分配した。有機層を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20〜30%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、65mgの生成物を得た(65%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.14 (s, 1H), 7.72-7.65 (m, 2H), 7.28-7.24 (m, 1H), 3.35-3.25 (m, 1H), 1.75-1.60 (m, 2H), 1.35-1.25 (m, 2H)。
【0148】
中間体4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−8−スルホン酸ジメチルアミド(I−20a)の製造:
【化24】

中間体I−20aを、4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−15a:80mg、0.185mmol)、N,N−ジメチルアミノスルホニルクロライド(41mg、0.277mmol)、TEA(78mg、0.55mmol)およびDMAP(10mg)から、上の中間体I−19aについて記載した方法に準じて製造して、60mgの生成物を得た(60%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.16 (s, 1H), 7.72-7.69 (m, 1H), 7.68-7.65 (m, 1H), 7.29-7.22 (m, 1H), 3.2 (s, 6H)。
【0149】
中間体8−(1−アリル−シクロプロパンスルホニル)−4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−21a)の製造:
【化25】

中間体I−21aを、4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−15a:250mg、0.561mmol)、1−アリル−シクロプロパンスルホニルクロライド(202mg、1.12mmol)、TEA(228mL、1.68mmol)およびDMAP(25mg)から、上の中間体I−19aについて記載した方法に準じて製造して、180mgの生成物を得た(55.3%収率)。
1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.16 (s, 1H), 7.72-7.63 (m, 2H), 7.30-7.24 (m, 1H), 5.75-5.58 (m, 1H), 5.97-4.82 (m, 2H), 2.90-2.80 (m, 1H), 2.75-2.65 (m, 1H), 2.10-2.00 (m, 1H), 1.95-1.86 (m, 1H), 1.25-1.10 (m, 2H)。
【0150】
中間体8−シクロプロパンスルホニル−4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−メチル−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−22a)の製造:
【化26】

中間体I−22aを、4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−メチル−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−18a:80mg、0.178mmol)、シクロプロパンスルホニルクロライド(37.75mg、0.269mmol)、TEA(54.46mg、0.534mmol)およびDMAP(10mg)から、上の中間体I−19aについて記載した方法に準じて製造して、55mgの生成物を得た(56.3%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 7.72-7.64 (m, 2H), 7.30-7.22 (m, 1H), 3.34-3.24 (m, 1H), 2.74 (s, 3H), 1.74-1.60 (m, 2H), 1.34-1.20 (m, 2H). LCMS: 81.9%;549.9 (M+1)。
【0151】
中間体4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−8−スルホン酸ジメチルアミド(I−23a)の製造:
【化27】

中間体I−23aを、4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−メチル−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−18a:80mg、0.178mmol)、N,N−ジメチルアミノスルホニルクロライド(38.5mg、0.269mmol)、TEA(54.5mg、0.534mmol)およびDMAP(10mg)から、上の中間体I−19aについて記載した方法に準じて製造して、60mgの生成物を得た(61.2%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 7.70-7.64 (m, 2H), 7.30-7.22 (m, 1H), 3.20 (s, 6H), 2.72 (s, 3H). LCMS: 70.3 %, m/z = 552.9 (M+1). HPLC: 81.3 %。
【0152】
中間体6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4,5−ジフルオロ−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−8−スルホン酸ジメチルアミド(I−24a)の製造:
【化28】

中間体I−24aを、6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4,5−ジフルオロ−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−16a:350mg、0.911mmol)、N,N−ジメチルアミノスルホニルクロライド(196.32mg、1.36mmol)およびNaH(54.4mg、1.36mmol)から、上の中間体I−19aについて記載した方法に準じて製造して、65mgの生成物を得た(14.5%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 8.96 (s, 1H), 7.95 (dd, 1H), 7.79 (t, 1H), 7.69 (dd, 1H), 3.08 (s, 6H). HPLC: 95.7%
【0153】
中間体6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−8−シクロプロパンスルホニル−4,5−ジフルオロ−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−25a)の製造:
【化29】

中間体I−25aを、6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4,5−ジフルオロ−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−16a:220mg、0.57mmol)、シクロプロパンスルホニルクロライド(120mg、0.86mmol)およびNaH(34mg、0.86mmol)から、上の中間体I−19aについて記載した方法に準じて製造して、135mgの生成物を得た(48.5%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 8.97 (s, 1H), 7.97 (dd, 1H), 7.80 (t, 1H), 7.70 (dd, 1H), 3.54-3.44 (m, 1H), 1.48-1.39 (m, 2H), 1.34-1.26 (m, 2H). HPLC: 94.1%
【0154】
中間体6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−8−シクロプロパンスルホニル−4,5−ジフルオロ−2−メチル−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−26a)の製造:
【化30】

中間体I−26aを、6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4,5−ジフルオロ−2−メチル−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−17a:200mg、0.52mmol)、シクロプロパンスルホニルクロライド(111mg、0.781mmol)およびNaH(31.2mg、0.781mmol)から、上の中間体I−19aについて記載した方法に準じて製造して、110mgの生成物を得た(42.1%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.52-7.39 (m, 3H), 3.35-3.24 (m, 1H), 2.72 (s, 3H), 1.75-1.60 (m, 2H), 1.35-1.25 (m, 2H)。
【0155】
中間体8−(2−ベンジルオキシメチル−シクロプロパンスルホニル)−4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’,3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−27a)の製造:
【化31】

中間体I−27aを、4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−15a:400mg、0.925mmol)のDCM(10mL)から、2−(ベンジルオキシメチル)シクロプロパン−1−スルホニルクロライド(330mg、1.378mmol)、TEA(377.4mg、2.775mmol)およびDMAP(20mg)と反応させることにより、上の中間体I−19aについて記載した方法に準じて製造して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10〜20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、500mgの生成物を得た(83.8%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.2 (s, 1H), 7.7-7.6 (m, 2H), 7.3-7.1 (m, 6H), 4.5-4.4 (m, 2H), 3.7-3.6 (m, 1H), 3.5-3.4 (m, 1H), 3.3-3.2 (m, 1H), 1.9-1.7 (m, 1H), 1.4-1.2 (m, 2H). LCMS: 91.7%, m/z = 653.9 (M+H). HPLC: 93.3%
【0156】
中間体8−(1−ベンジルオキシメチル−シクロプロパンスルホニル)−4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’,3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−28a)の製造:
【化32】

4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−15a:300mg、0.694mmol)のDCM(10mL)溶液を1−(ベンジルオキシメチル)シクロプロパン−1−スルホニルクロライド(247mg、1.041mmol)、TEA(283μL、2.082mmol)およびDMAP(10mg)を、上の中間体I−19aについて記載した方法に準じて反応させて、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10〜20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、380mgの生成物を得た(83.7%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.1 (s, 1H), 7.7-7.6 (m, 2H), 7.2-7.1 (m, 3H), 6.9 (t, 1H), 6.7 (d, 2H), 4.2-4.0 (m, 2H), 4.0-3.9 (m, 1H), 3.8 (d, 1H), 2.2-2.0 (m, 2H), 1.4-1.3 (m, 2H)。
【0157】
中間体3−(2,2−ジエトキシエトキシ)−5,6−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−ニトロアニリン(I−29a)の製造:
【化33】

2,2−ジエトキシ−エタノール(0.209g、1.2135mmol)を、冷却中のNaH(0.034g、1.456mmol)のTHF(5mL)懸濁液に0℃で添加し、得られた混合物を30分間、20〜40℃で撹拌した。2−フルオロ−4−ヨード−フェニル−(2,3,5−トリフルオロ−6−ニトロ−フェニル)−アミン(0.5g、1.2135mmol)のTHF(10mL)溶液を、反応塊に0℃でゆっくり添加し、撹拌をさらに15分間続けた。反応塊を一夜、室温で撹拌した。TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊を減圧下濃縮し、濃縮物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮して、粗化合物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、0.3gの生成物を得た(47%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.42 (d, 1H), 7.35 (d, 1H), 6.90 (bs, 1H), 6.58-6.68 (m, 2H), 4.58 (t, 1H), 4.15 (d, 2H), 3.51-3.80 (m, 4H), 1.22 (t, 6H)。
【0158】
中間体(4,5−ジフルオロ−N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−7−ニトロベンゾフラン−6−アミン(I−30a)の製造:
【化34】

[3−(2,2−ジエトキシ−エトキシ)−5,6−ジフルオロ−2−ニトロ−フェニル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミンメタン(1g、1.9011mmol)を氷酢酸(10mL)に溶解し、減圧下に濃縮した。得られた残留物を乾燥DCM(10mL)に溶解し、0℃に冷却した。その後BF.エーテラート(2.04g、14.476mmol)を添加した。反応塊を12〜16時間、20〜40℃で撹拌した。TLC(10%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊を2N NaOH溶液(15mL)で反応停止させ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮して、粗化合物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチルのヘキサン溶液)での精製により、0.260gの生成物を得た(31%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 8.95 (bs, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.38-7.50 (1dd, 1d, 2H), 6.99 (d, 1H), 6.70-6.82 (m, 1H)。
【0159】
中間体4,5−ジフルオロ−N6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−ベンゾフラン−6,7−ジアミン(I−31a)の製造:
【化35】

濃HCl(1mL)を、(4,5−ジフルオロ−7−ニトロ−ベンゾフラン−6−イル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(0.260g、0.599mmol)のTHF(5mL)溶液に0℃で添加した。その後亜鉛末(0.179g、5.99mmol)を0℃で添加した。反応塊を1時間、20〜40℃で撹拌した。TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊を減圧下濃縮し、濃縮物を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮して、0.240gの粗化合物を得て、それを次工程にさらに精製せずに使用した。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.53 (d, 1H), 7.49 (dd, 1H), 7.20 (d, 1H), 6.00 (d, 1H), 6.20 (t, 1H), 5.42 (bs, 1H), 4.10 (bs, 2H)。
【0160】
中間体4,5−ジフルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1H−ベンゾフロ[6,7−d]イミダゾール−2(3H)−オン(I−32a)の製造:
【化36】

CDI(0.144g、0.891mmol)を、4,5−ジフルオロ−N6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−ベンゾフラン−6,7−ジアミン(I−31a:0.240g、0.5940mmol)の乾燥DCM(5mL)溶液に添加した。反応塊を12〜16時間、20〜40℃で撹拌した。TLC(30%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊を減圧下濃縮し、濃縮物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮して、粗化合物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、0.180gの生成物を得た(70%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 12.15 (bs, 1H), 8.12 (d, 1H), 7.95 (dd, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.50 (t, 1H), 7.21 (d, 1H)。
【0161】
中間体1−(シクロプロピルスルホニル)−4,5−ジフルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1H−ベンゾフロ[6,7−d]イミダゾール−2(3H)−オン(I−33a)の製造:
【化37】

TEA(0.062mL、0.4465mmol)を、4,5−ジフルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1H−ベンゾフロ[6,7−d]イミダゾール−2(3H)−オン(I−32a:0.064g、0.1488mmol)の乾燥DCM(5mL)溶液に0℃で添加した。その後、シクロプロパンスルホニルクロライド(0.0331g、0.222mmol)および触媒量のDMAPを添加した。反応塊を3時間、20〜40℃で撹拌した。TLC(25%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊を減圧下濃縮し、濃縮物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮して、粗化合物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、40mgの生成物を得た(50%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.77 (t, 2H), 7.65 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 6.99 (d, 1H), 3.31-3.38 (m, 1H), 1.62-1.74 (dd, 2H), 1.23- 1.30 (m, 2H). LCMS: 93.99%, m/z = 534.6(M+1). HPLC: 96.34%
【0162】
中間体1−(1−アリルシクロプロピルスルホニル)−4,5−ジフルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1H−ベンゾフロ[6,7−d]イミダゾール−2(3H)−オン(I−34a)の製造:
【化38】

TEA(0.2611g、2.581mmol)を、4,5−ジフルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1H−ベンゾフロ[6,7−d]イミダゾール−2(3H)−オン(I−32a:0.37g、0.8604mmol)の乾燥DCM(20mL)溶液に0℃で添加した。その後、1−アリル−シクロプロパンスルホニルクロライド(0.229g、1.89mmol)および触媒量のDMAP(10mg)を添加した。反応塊を12時間、20〜40℃で撹拌した。TLC(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊をDCM(50mL)で希釈し、水およびDCMに分配した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、減圧下濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、0.228gの生成物を得た(46%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.71 (dd, 3H), 7.30 (t, 1H), 7.00 (s, 1H), 5.56-5.57 (m, 1H), 4.90 (t, 2H), 2.70-2.80 (q, 2H), 1.90-2.05 (m, 2H), 1.10- 1.19 (m, 2H). LCMS: 98.85%, m/z = 574.4 (M+1). HPLC: 97.1%
【0163】
中間体1−アリル−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾフラン−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(I−35a)の製造:
【化39】

カリウムトリメチルシラノレート(0.105g、0.82mmol)を、1−(1−アリルシクロプロピルスルホニル)−4,5−ジフルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1H−ベンゾフロ[6,7−d]イミダゾール−2(3H)−オン(I−34a:0.230g、0.4108mmol)のTHF(5mL)溶液に0℃で添加した。反応塊を4時間、20〜40℃で撹拌した。TLC(10%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊を減圧下濃縮し、濃縮物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下濃縮して、粗化合物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、0.177gの生成物を得た(78%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.54 (d, 1H), 7.40 (dd, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.05 (bs, 1H), 6.99 (d, 1H), 6.32-6.39 (m, 1H), 6.22 (s, 1H), 5.65-5.75 (m, 1H), 5.19 (s, 1H), 5.10 (d, 1H), 2.88 (d, 2H), 1.15 (t, 2H), 0.75 (t, 2H). LCMS: 96.32%, m/z = 548.8 (M+1). HPLC: 97.19%
【0164】
中間体N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾフラン−7−イル)−1−(2−オキソエチル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(I−36a)の製造:
【化40】

2,6−ルチジン(0.077g、0.7188mmol)およびNaIO(0.307g、1.4376mmol)を、1−アリル−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾフラン−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(I−35a:0.190g、0.3594mmol)のジオキサン(10mL)溶液に添加した。その後四酸化オスミウム(0.0045g、0.0179mmol)の水(2mL)溶液を添加した。反応塊を12〜16時間、20〜40℃で撹拌した。TLC(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊をDCM(50mL)で希釈し、水およびDCMに分配した。有機層を2N HCl(20mL)、水、塩水溶液で洗浄し、減圧下濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)での精製により、0.086gの生成物を得た(43%収率)。LCMS: 74%, m/z = 548.9 (M-1)。
【0165】
中間体1−(2−(ベンジルオキシメチル)シクロプロピルスルホニル)−4,5−ジフルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1H−ベンゾフロ[6,7−d]イミダゾール−2(3H)−オン(I−37a)の製造:
【化41】

TEA(0.0941g、0.930mmol)を、4,5−ジフルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1H−ベンゾフロ[6,7−d]イミダゾール−2(3H)−オン(I−32a:0.2g、0.4651mmol)の乾燥DCM(5mL)溶液に0℃で添加した。その後、2−ベンジルオキシメチル−シクロプロパンスルホニルクロライド(0.181g、0.6976mmol)および触媒量のDMAP(0.010g)を添加した。反応塊を12時間、20〜40℃で撹拌した。TLC(30%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊をDCM(50mL)で希釈し、水およびDCMに分配した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、減圧下濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、0.180gの生成物を得た(60%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.71 (d, 1H), 7.59-7.65 (m, 2H), 7.24-7.28 (m, 3H), 7.12-7.18 (m, 3H), 6.98 (d, 1H), 4.48 (s, 2H), 3.56 (dd, 1H), 3.38-3.48 (m, 1H), 3.25-3-35(m, 1H), 2.28-2.38 (m, 1H), 1.56-1.58 (m, 1H), 1.38-1.48 (m,1H). LCMS: 98.72%, m/z = 654.9(M+1)
【0166】
中間体2−(ベンジルオキシメチル)−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾフラン−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(I−38a)の製造:
【化42】

カリウムトリメチルシラノレート(0.105g、0.8256mmol)を、1−(2−(ベンジルオキシメチル)シクロプロピルスルホニル)−4,5−ジフルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1H−ベンゾフロ[6,7−d]イミダゾール−2(3H)−オン(I−37a:0.180g、0.2752mmol)のTHF(5mL)溶液に、0℃で添加した。反応塊を2時間、20〜40℃で撹拌した。TLC(30%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊をDCM(50mL)で希釈し、水およびDCMに分配した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、減圧下濃縮して、0.160gの粗生成物を得て、それをさらに精製せずに次工程に使用した。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.52 (d, 1H), 7.40 (d, 1H),7.32(t, 1H), 7.20-7.26 (m, 5H), 7.20 (bs, 1H), 6.92 (d, 1H), 6.32-6.39 (m, 2H), 4.48 (s, 2H), 3.25 (q, 2H), 2.52 (q, 1H), 1.52-1.53 (m, 1H), 1.20-1.23 (m, 1H), 0.90-1.01 (m,1H). LCMS: 93.86%, m/z = 627.9 (M-1). HPLC: 95.59%
【0167】
実施例1
シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド(1A)の製造:
【化43】

カリウムトリメチルシロノラート(29mg、0.182mmol)を、8−シクロプロパンスルホニル−4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−19a:65mg、0.121mmol)のTHF(5mL)溶液に添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。TLC(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応混合物を濃縮し、濃縮物を水に溶解し、2N HClで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(25−35%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、18mgの生成物を得た(29.5%収率)。
1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.14 (s, 1H), 7.40 (dd, 1H), 7.32-7.24 (m, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.65 (s, 1H), 6.55-6.45 (m, 1H), 2.70-2.60 (m, 1H), 1.20-1.12 (m, 2H), 1.02-0.92 (m, 2H). LCMS: 84.5%, m/z = 509.5 (M+1). HPLC: 92.8%。
【0168】
ジメチルスルファミン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−2−メチル−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド(1B)の製造:
【化44】

化合物2Bを、4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−8−スルホン酸ジメチルアミド(I−23a:60mg、0.12mmol)およびカリウムトリメチルシロノラート(30mg、0.18mmol)から、化合物1Aについて上に記載した方法に準じる方法を使用して製造して、20mgの生成物を得た(31.7%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 7.42 (dd, 1H), 7.29 (d, 1H), 6.68 (s, 1H), 6.38-6.30 (m, 1H), 6.12 (s, 1H), 2.90 (s, 6H), 2.72 (s, 3H). LCMS: 92.3%, m/z = 526.9 (M+1). HPLC: 91.02 %。
【0169】
ジメチルスルファミン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド(1C)の製造:
【化45】

化合物1Cを、4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−8−スルホン酸ジメチルアミド(60mg、0.12mmol)およびカリウムトリメチルシロノラート(30mg、0.18mmol)から、化合物1Aについて上に記載した方法に準じる方法を使用して製造して、30mgの生成物を得た(49%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.15 (s, 1H), 7.44 (dd, 1H), 7.29 (d, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.45-6.35 (m, 1H), 6.19 (s, 1H), 2.88 (s, 6H). LCMS: 81.2%, m/z = 510.9 (M-1). HPLC: 80.5%。
【0170】
1−アリル−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド(1D)の製造:
【化46】

化合物1Dを、8−(1−アリル−シクロプロパンスルホニル)−4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−21a:210mg、0.365mmol)およびカリウムトリメチルシロノラート(50mg、0.390mmol)から、化合物1Aについて上に記載した方法に準じる方法を使用して製造して、150mgの生成物を得た(75%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.13 (s, 1H), 7.42 (dd, 1H), 7.31-7.25 (m, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.43-6.35 (m, 1H), 6.21 (s, 1H), 5.85-5.70 (m, 1H), 5.22-5.14 (m, 2H), 2.83 (d, 2H), 1.28-1.20 (m, 2H), 0.87-0.80 (m, 2H). LCMS: 97.9%, m/z = 548.0 (M-1). HPLC: 86.29%。
【0171】
シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−2−メチル−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド(1E)の製造:
【化47】

化合物1Eを、8−シクロプロパンスルホニル−4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−メチル−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−22a:55mg、0.12mmol)およびカリウムトリメチルシロノラート(30mg、0.18mmol)から、化合物1Aについて上に記載した方法に準じる方法を使用して製造して、3mgの生成物を得た(5.66%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 7.40 (d, 1H), 7.30-7.22 (m, 1H), 6.59 (s, 1H), 6.49 (s, 1H), 6.40-6.30 (m, 1H), 2.70 (s, 3H), 2.66-2.58 (m, 1H), 1.22-1.14 (m, 2H), 1.04-0.94 (m, 2H). LCMS: 82.6%, m/z = 523.6 (M+1). HPLC: 99.35%。
【0172】
ジメチルスルファミン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ブロモ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド(1F)の製造:
【化48】

化合物1Fを、6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4,5−ジフルオロ−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−8−スルホン酸ジメチルアミド(I−24a:100mg、0.203mmol)およびカリウムトリメチルシロノラート(39mg、0.305mmol)から、化合物1Aについて上に記載した方法に準じる方法を使用して製造して、30mgの生成物を得た(29%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 8.14 (s, 1H), 7.11-7.24 (m, 2H), 7.12 (dt, 1H), 6.79 (s, 1H), 6.58-6.48 (m, 1H), 2.90 (s, 6H). LCMS: 95.77 %, m/z = 462.9 (M-2). HPLC: 96.26%
【0173】
シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ブロモ−フェニルアミノ)−2−メチル−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド(1G)の製造:
【化49】

化合物1Gを、6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−8−シクロプロパンスルホニル−4,5−ジフルオロ−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−25a:120mg、0.245mmol)およびカリウムトリメチルシロノラート(46mg、0.368mmol)から、化合物1Aについて上に記載した方法に準じる方法を使用して製造して、20mgの生成物を得た(17.8%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 9.75 (s, 1H), 8.90 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.52 (dd, 1H), 7.17 (d, 1H), 6.80-6.68 (m, 1H), 2.68-2.60 (m, 1H), 0.90-0.82 (m, 2H), 0.80-0.70 (m, 2H). LCMS: 96.25%, m/z = 460.0 (M-2). HPLC: 96.94%
【0174】
シクロプロパンスルホン酸[6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−4,5−ジフルオロ−2−メチル−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド(1H)の製造:
【化50】

化合物1Hを、6−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−8−シクロプロパンスルホニル−4,5−ジフルオロ−2−メチル−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’:3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(I−26a:100mg、0.2mmol)およびLiOH(50mg、1.25mmol)の水(2mL)溶液から、化合物1Aについて上に記載した方法に準じる方法を使用して製造して、30mgの生成物を得た(31.57%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.30-7.24 (m, 1H), 7.11 (dt, 1H), 6.56 (s, 1H), 6.54-6.46 (m, 1H), 6.33 (s, 1H), 2.70 (s, 3H), 2.68-2.60 (m, 1H), 1.24-1.16 (m, 2H), 1.04-0.96 (m, 2H). LCMS: 95.35 %, m/z = 474.0 (M-2). HPLC: 93.89%
【0175】
1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド(1I)の製造:
【化51】

N−メチルモルホリン−N−オキシド(34mg、0.290mmol)を、1−アリル−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド(1D:160mg、0.290mmol)のTHF(10mL)溶液に添加した。その後、四酸化オスミウム(7.3mg、0.0287mmol)および水(0.5mL)を添加した。得られた混合物を室温で一夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルで希釈した。有機層を水、飽和NaHCO、塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、150mgの粗生成物を得た。分取HPLC、分取TLCで精製して、8mgの生成物を得た(17.7%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.14 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.46-7.36 (m, 1H), 7.3-7.2 (m, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.45-6.34 (m, 1H), 4.40-4.26 (m, 2H), 4.20-4.10 (m, 1H), 3.75-3.65 (m, 1H), 3.60-3.50 (m, 1H), 2.62-2.50 (m, 2H), 0.92-0.80 (m, 4H). LCMS: 96.11%, m/z = 581.9 (M-1). HPLC: 94.29%。
【0176】
N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(1J−異性体1および(1J−異性体2)の製造:
【化52】

実施例1Iに記載の方法に従い、1−アリル−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)ベンズオキサゾール−7−イル]−アミド(7g、0.0127mol)のTHF(150mL)溶液をN−メチルモルホリン−N−オキシド(2.23g、0.019mol)、四酸化オスミウム(0.32g、0.00127mol)および水(15mL)と反応させて、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜2.5%メタノールのDCM溶液)で精製し、キラルHPLCを使用して光学異性体を分離して、1gの生成物を得た。
【0177】
(異性体−1):(26.9%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.14 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.46-7.36 (m, 1H), 7.3-7.2 (m, 1H), 6.9 (s, 1H), 6.5-6.3 (m, 1H), 4.4-4.3 (m, 2H), 4.2-4.1 (m, 1H), 3.8-3.7 (m, 1H), 3.6-3.5 (m, 1H), 2.6-2.5 (m, 2H), 1.02-0.8 (m, 4H)
LCMS: 100%, m/z:583.9 (M+H). HPLC: 98.6%
(異性体−2):(26.9%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.14 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.46-7.36 (m, 1H), 7.3-7.2 (m, 1H), 6.9 (s, 1H), 6.5-6.3 (m, 1H), 4.4-4.3 (m, 2H), 4.2-4.1 (m, 1H), 3.8-3.7 (m, 1H), 3.6-3.5 (m, 1H), 2.6-2.5 (m, 2H), 1.02-0.8 (m, 4H)
LCMS: 100%, m/z:583.8 (M+H). HPLC: 98.7%
【0178】
2−(ベンジルオキシメチル)−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(1K)の製造:
【化53】

化合物1Kを、8−(2−ベンジルオキシメチル−シクロプロパンスルホニル)−4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’,3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(500mg、0.77mmol)のTHF(10mL)をカリウムトリメチルシロノラート(198mg、1.55mmol)反応させて、粗生成物を得ることにより製造した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20−30%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、210mgの生成物を得た(43%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.0 (s, 1H), 7.5-7.2 (m, 7H), 6.9 (s, 1H), 6.5 (s, 1H), 6.3 (td, 1H), 4.5-4.4 (m, 2H), 3.5-3.4 (m, 1H), 3.2-3.1 (m, 1H), 2.7-2.6 (m, 1H), 1.8-1.7 (m, 1H), 1.4-1.3 (m, 1H), 1.1-1.0 (m, 1H). LCMS: 95.6%, m/z = 629.8 (M+H). HPLC: 93.7%
【0179】
N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(1L)の製造:
【化54】

化合物1Lを、2−(ベンジルオキシメチル)−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(150mg、0.238mmol)のDCM(10mL)をBClのDCM中1.0M溶液(0.9mL、0.952mmol)と反応させて、粗生成物を得ることにより製造した。反応混合物をメタノール(0.5mL)で反応停止させ、水および酢酸エチルに分配した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(60〜100%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、65mgの生成物を得た(54%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 7.7-7.6 (bs, 1H), 7.4-7.3 (m, 1H), 7.3-7.2 (m, 1H), 6.6 (s, 1H), 6.2 (s, 1H), 6.2-6.0 (m, 1H), 3.1-3.0 (t, 1H), 4.2-4.0 (m, 2H), 2.6-2.5 (m, 1H), 1.5-1.4 (m, 1H), 1.0-0.9 (m, 2H). LCMS: 100%, m/z = 539.6 (M+H). HPLC: 83.1%
【0180】
1−(ベンジルオキシメチル)−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(1M)の製造:
【化55】

8−(1−ベンジルオキシメチル−シクロプロパンスルホニル)−4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−6,8−ジヒドロ−イミダゾ[4’,5’,3,4]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−7−オン(380mg、0.580mmol)のTHF(10mL)をカリウムトリメチルシロノラート(222mg、1.74mmol)と反応させて、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(15〜20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、230mgの生成物を得た(54.7%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.0 (s, 1H), 7.4 (dd, 1H), 7.3-7.2 (m, 6H), 6.9 (s, 1H), 6.4-6.3 (m, 1H), 4.6 (s, 2H), 3.9 (s, 2H), 1.4 (t, 2H), 1.0 (t, 2H). LCMS: 100%, m/z = 629.9 (M+H)
【0181】
N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)−1−(ヒドロキシメチル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(1N)の製造:
【化56】

1−(ベンジルオキシメチル)−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(100mg、0.158mmol)のDCM(10mL)を、BClのDCM中1.0M溶液(0.476mL、0.476mmol)と反応させて、粗生成物を得た。反応混合物を氷で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。分取TLC(70%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、35mgの生成物を得た(42%収率)。1H NMR (CDCl3, 300MHz):δ 8.1 (s, 1H), 7.4 (d, 1H), 7.3-7.2 (m, 1H), 7.1 (s, 1H), 6.8 (s, 1H), 6.5-6.4 (m, 1H), 4.1 (s, 2H), 2.7 (s, 1H), 1.4 (t, 2H), 1.0 (t, 2H). LCMS: 97.25%, m/z = 537.8 (M-H). HPLC: 95.5%
【0182】
実施例2
シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]−アミド(2A)の製造:
【化57】

カリウムトリメチルシラノレート(0.019g、0.1498mmol)を、1−(シクロプロピルスルホニル)−4,5−ジフルオロ−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1H−ベンゾフロ[6,7−d]イミダゾール−2(3H)−オン(0.04g、0.0749mmol)のTHF(5mL)溶液に、0℃で添加した。反応塊を4時間、20〜35℃で撹拌した。TLC(25%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊をDCM(50mL)で希釈し、水およびDCMに分配した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、減圧下濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、0.025gの生成物を得た(66%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.72 (d, 1H), 7.40 (dd, 1H), 7.28 (d, 1H), 6.99 (d, 1H), 6.95 (bs, 1H), 6.38-6.6.41 (t, bs, 2H), 2.58-2.62 (m, 1H), 1.11-1.19 (m, 2H), 0.83- 0.98 (m, 2H). LCMS: 96.54%, m/z = 506.7 (M-1). HPLC: 96.31%
【0183】
1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]アミド(2B)の製造:
【化58】

N−メチルモルホリンオキシド(0.035g、0.3041mmol)を、1−アリル−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]−アミド(0.167g、0.3041mmol)のTHF(5mL)溶液に添加した。その後、四酸化オスミウム(0.0077g、0.03041mmol)の水(1mL)溶液を添加した。反応塊を、16時間、30〜40℃で撹拌した。TLC(10%メタノールのクロロホルム溶液)で反応をモニターした。反応塊を酢酸エチル(50mL)および水に分配した。有機層を水(3×50mL)、塩水溶液で洗浄し、減圧下濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%メタノールのクロロホルム溶液)で精製して、0.090gの生成物を得た(50%収率)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz):δ 7.69 (d, 2H), 7.40 (dd, 1H), 7.25 (s, 1H), 6.99 (d, 1H), 6.98 (bs, 1H), 6.38-6.40 (m, 1H), 4.25 (bs, 1H), 3.62 (dd, 2H), 3.32 (d, 1H), 2.55 (q, 1H), 2.22 (bs, 1H), 1.75 (t, 2H), 1.38-1.40 (m, 2H). LCMS: 99.49%, m/z = 582.9 (M+1). HPLC: 95.29%
【0184】
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]アミド(2C)の製造:
【化59】

NaBH(0.117g、0.82mmol)を、1−(2−オキソ−エチル)−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]−アミド(0.086g、0.1557mmol)の乾燥THF(10mL)溶液に、0℃で添加した。その後、メタノール(2mL)を10分間かけて、0℃で滴下した。反応塊を0分間、10℃で撹拌した。TLC(60%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊を酢酸エチル(50mL)および水に分配した。有機層を水、塩水溶液で洗浄し、減圧下濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、0.040gの生成物を得た(46%収率)。
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 9.56 (bs, 1H), 8.34 (d, 1H), 7.77 (bs, 1H), 7.56 (dd, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.22 (d, 1H), 6.48-6.52 (m, 1H), 4.52 (bs, 1H), 3.51 (t, 2H), 2.20 (t, 2H), 0.85 (t, 2H), 0.55 (t, 2H). LCMS: 100%, m/z = 550.8 (M-1). HPLC: 96.79%
【0185】
2−ヒドロキシメチル−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]−アミド(2D)の製造:
【化60】

1M BClのDCM溶液(0.477mL、0.4777mmol)を、2−ベンジルオキシメチル−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]−アミド(0.150g、0.2388mmol)の乾燥DCM(5mL)溶液に−75℃で滴下し、1時間、−75℃で撹拌した。反応塊を20〜35℃にし、撹拌を2時間、同温度で続けた。TLC(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)で反応をモニターした。反応塊を飽和重炭酸ナトリウム溶液で反応停止させ、DCM(50mL)で希釈した。有機層を分離し、水、塩水溶液で洗浄し、減圧下濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチルのヘキサン溶液)での精製により、0.070gの生成物を得た(55%収率)。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ 9.38 (s, 1H), 8.19 (d, 1H), 7.77 (bs. 1H), 7.52 (dd, 1H), 7.33(d, 1H), 7.22 (d, 1H), 6.42-6.44 (m, 1H), 4.53 (t, 1H), 3.21-3.31 (m, 1H), 3.02-3.10 (m, 1H), 1.41-1.46 (m, 1H), 1.20 (m, 1H) 0.85-0.90 (m, 1H), 0.75-0.79 (m, 1H). LCMS: 96.82%, m/z = 536.9 (M-1). HPLC: 94.75%
【0186】
薬理学的データ
本発明の化合物の阻害特性を、次の試験方法のいずれか一つを使用して証明し得る:
BRAF−MEK−ERKカスケードアッセイを使用して、これらの化合物のMAPキナーゼ経路阻害剤としての効果を評価する。酵素的カスケードアッセイを、Upstateから得た組み換えヒト活性化BRAF(V599E)キナーゼ(Cat No. 14-557)、ヒト完全長不活性MEK1キナーゼ(Cat No. 14-706)およびヒト完全長不活性MAPキナーゼ2/ERK2(Cat No. 14-536)酵素を使用して設定する。TR−FRET(時間分解蛍光共鳴エネルギー転移法)検出技術を読み出しに使用する。アッセイ緩衝液は、50mM Tris pH7.5、10mM MgCl、1mM DTT、0.01%Tween 20、0.1nM 活性化BRAF、2nM 不活性MEK1、10nM 不活性ERK2、100μM ATPおよび500nM 長鎖ビオチン−ペプチド基質(LCB-FFKNIVTPRTPPP)を384ウェル形式で含む。90分間後、キナーゼ反応を10mM EDTAで停止させ、Lance検出混合物(2nM Eu標識ホスホ−セリン/スレオニン抗体(Cat. No. AD0176 - Perkin Elmer)、20nM SA−APC(Cat No. CR130-100 - Perkin Elmer)を添加する。TR−FRETシグナル(励起340nm、放出615nmおよび665nm)を、50μs遅延時間でVictor3 V蛍光光度計で読む。データを665nm対615nmの読み取り値の比を使用して計算する。DMSOの最終濃度はアッセイ中2.5%である。化合物を、10μM濃度で、45分間、試験化合物の存在下に酵素とプレインキュベーションして、スクリーニングする。
【0187】
各IC50を、シグモイド型用量応答(可変の傾斜)に対する非線形回帰曲線フィットを使用して、GraphPad Prism software Version 4 (San Diego, California, USA)により作成した10点用量応答曲線を使用して決定する。
【0188】
インビトロMAPキナーゼアッセイを、Upstateから得た活性化MAPキナーゼ2/ERK2(Cat. No. 14-550)を使用して決定する。TR−FRET検出技術を読み出しに使用する。
【0189】
アッセイ緩衝液は、50mM Tris pH7.5、10mM MgCl、1mM DTT、0.01%Tween 20、1nM 活性化ERK2、100μM ATPおよび500nM 長鎖ビオチン−ペプチド基質(LCB−FFKNIVTPRTPPP)を384ウェル形式で含む。90分間後、キナーゼ反応を10mM EDTAで停止させ、Lance検出混合物(2nM Eu標識ホスホ−セリン/スレオニン抗体(Cat. No. AD0176 - Perkin Elmer)、20nM SA−APC(Cat. No. CR130-100 - Perkin Elmer)を添加する。TR−FRETシグナル(励起340nm、放出615nmおよび665nm)を、50μs遅延時間でVictor3 V蛍光光度計で読む。データを665nm対615nmの読み取り値の比を使用して計算する。DMSOの最終濃度はアッセイ中2.5%である。化合物を、10μM濃度で、45分間、試験化合物の存在下に酵素とプレインキュベーションして、スクリーニングする。
【0190】
放射活性フィルター結合アッセイを、Upstateから得た組み換えヒト活性化BRAF(V599E)キナーゼ(Cat No. 14-557)およびキナーゼ死滅MEK1(K97R)(Cat. No. 14-737)を使用して標準化する。BRAF(V599E)による32PのMEK1(K97R)への取り込みを、50mM Tris pH7.5、10mM MgCl、1mM DTT、100mM スクロース、100μM オルトバナジン酸ナトリウム、5μM ATPおよび2μCi[γ32P]ATPおよび500mg MEK1キナーゼ死滅基質の最終アッセイ緩衝液条件で測定する。120分間後、酵素反応を8N HCl(塩酸)および1mM ATPで停止させる。溶液をP81濾紙にスポットし、0.75%オルトリン酸で4回、最後にアセトンで洗浄する。乾燥させたP81濾紙を、Micro-beta Triluxシンチレーションカウンターで読む。DMSOの最終濃度はアッセイ中1%である。化合物を、10μM濃度で、45分間、試験化合物の存在下に酵素とプレインキュベーションして、スクリーニングする。
【0191】
上に記載したこれらのアッセイは、Han, Shulin, et. al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2005) 15, 5467-5473およびYeh, et. al., Clin Cancer Res (2007) 13 (5), 1576-1583に完全に記載されている。
【0192】
A375細胞での細胞生存能アッセイを、XTTを使用して96ウェルプレート形式で設定する。XTTは、代謝が活性な細胞のミトコンドリアにより橙色ホルマザン色素に開裂される、黄色テトラゾリウム塩である。この方法は、再現性があり、感受性の結果を得るための、マイクロタイタープレートでの速い測定を可能にする。
【0193】
A375細胞を、10%FBSおよび1mM ピルビン酸ナトリウム含有DMEM培地で増殖させる。細胞をトリプシン処理し、1000細胞/ウェルで播種する。細胞を一夜付着させた後、化合物を、次の最終濃度でウェルに添加する:10μM、3μM、1μM、0.3μM、0.1μM、0.03μM、0.01μM、0.001μMおよび0.0001μM。アッセイを各濃度についてトリプリケートで設定する。DMSO濃度を0.5%/ウェルに維持する。化合物添加3日後、XTTアッセイを行う。ウェルをPBSで1回洗浄する。フェノールレットまたはFBSなしの100μLのDMEMを各ウェルに添加する。1mg/ml XTTおよび5mlあたり100μLのPMS(原液濃度0.383mg/ml)を含むXTTの作業溶液を調製する。50μLのXTTの作業溶液を各ウェルに添加する。プレートの吸光度を、465nmで、Spectramax 190(Molecular Devices)を使用して読む。培地およびXTTのみを含み、細胞がないウェルの吸光度をブランクと見なし、全ウェルの読み取り値から引く。
【0194】
生存能のパーセンテージを、100%生存可能としてDMSOのみで処理したウェルからの、ブランクを引いた値を考慮して計算する。GI50値を、シグモイド型用量応答(可変の傾斜)に対する非線形回帰曲線フィットを使用して、Graphpad Prismを使用して計算する。
【0195】
細胞生存能アッセイは、Scudiero, et. al., Cancer Research (1988) 48, 4827-4833; Weislow, et. al., J. Natl. Cancer Institute, (1989) 81, 577-586; およびRoehm, et. al., J. Immunol.Methods [1991]142:257-265にさらに記載されている。
【0196】
上記実施例化合物を、BRAF−MEK−ERK酵素カスケードアッセイにおけるMAPキナーゼ経路の阻害剤としておよび細胞生存能アッセイにおいて評価し、その結果を下の表1にまとめる。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
XはNまたはC(H)であり;
は場合によりリスト1から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよいアリールまたはヘテロアリールであり;
はHまたは(C1−)アルキルであり;
はH、(C1−)アルキル、ハロ置換(C1−)アルキルまたはヒドロキシ置換(C1−)アルキルであり;
はH、ハロゲン、(C1−)アルキルまたはハロ置換(C1−)アルキルであり;
はH、ハロゲン、(C1−)アルキルまたはハロ置換(C1−)アルキルであり;
はHまたは(C1−)アルキルであり;
は(C1−)アルキル、(C2−)アルケニル、(C2−)アルキニル、(C1−)アルキルアミノ、ジ−((C1−)アルキル)アミノ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールからなる群から選択される化学基であり、ここで該化学基は、場合によりハロゲン、シアノ、(C2−)アルケニル、ヒドロキシル、(C1−)アルコキシ、(C−C)アルケニルオキシ、(C−C)アルキニルオキシ、(C1−)アルキルチオ、ハロ置換(C1−)アルキル、アミノ、(C1−)アルキルアミノ、ジ−((C1−)アルキル)アミノ、(C1−)アシルアミノ、(C1−)アシル(C1−)アルキルアミノ、(C3−)シクロアルキルまたは3〜7員ヘテロシクロアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、ここで該シクロアルキルおよび該ヘテロシクロアルキルは場合によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、(C2−)アルケニル、(C1−)アルコキシ、(C2−)アルケニルオキシ、(C2−)アルキニルオキシ、ベンジルオキシ(C−C)アルキル、(C1−)アルキルチオ、ハロ置換(C1−)アルキル、アミノ、(C1−)アルキルアミノ、ジ−((C1−)アルキル)アミノ、(C1−)アシルアミノまたは(C1−)アシル(C1−)アルキルアミノから独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてよく;
リスト1はヒドロキシル、シアノ、ニトロ、(C1−)アルキル、(C2−)アルケニル、(C2−)アルキニル、(C1−)アルコキシ、(C2−)アルケニルオキシ、(C2−)アルキニルオキシ、ハロゲン、(C1−)アルキルカルボニル、カルボキシ、(C1−)アルコキシカルボニル、アミノ、(C1−)アルキルアミノ、ジ−((C1−))アルキルアミノ、(C1−)アルキルアミノカルボニル、ジ−((C1−)アルキル)アミノカルボニル、(C1−)アルキルカルボニルアミノ、(C1−)アルキルカルボニル((C1−)アルキル)アミノ、(C1−)アルキルスルホニルアミノ、(C1−)アルキルスルホニル((C1−)アルキル)アミノ、(C1−)アルキル−S−、(C1−)アルキルS(O)−、(C1−)アルキル−SO−、NH−SO−、(C1−)アルキルN(H)−SO−およびジ−((C1−)アルキル)N−SO−から選択され、ここで、上記炭化水素結合のいずれも、場合によりハロゲン、ヒドロキシル、(C1−)アルコキシ、アミノ、(C1−)アルキルアミノ、ジ−((C1−)アルキル)アミノまたはシアノから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよい。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
XがNである、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
XがC(H)である、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
が、場合によりフルオロ、ブロモまたはヨードから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいフェニルである、請求項1、2または3記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
がHである、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
がHまたはメチルである、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
およびRがフルオロである、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
がHである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
がジ−((C−C)アルキル)アミノ、(C3−)シクロアルキルまたは置換(C3−)シクロアルキルである、請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
がシクロプロピル、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピルまたはN,N−ジメチルアミノである、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
式(Ia)
【化2】

〔式中、
XはNまたはC(H)であり;
1aはハロゲンであり;
1bはハロゲンであり;
はHまたは(C1−)アルキルであり;
はハロゲンであり;
はハロゲンであり;

(i) 3〜6員シクロアルキルであり、ここで該シクロアルキルは場合によりヒドロキシル、(C−C)アルキル、(C2−)アルケニルまたは(C2−)アルキニルで置換されていてよく、ここで該(C−C)アルキル、該(C2−)アルケニルおよび該(C2−)アルキニルは、場合によりベンジルオキシでまたは1〜3個のヒドロキシルで置換されていてよいか、
(ii) 単環式3〜6員シクロアルキルでまたはO、SもしくはNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環式3〜6員ヘテロシクロアルキルで置換されている(C1−)アルキルであって、ここで該置換アルキルは、場合によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、(C1−)アルコキシ、(C1−)アルキル−S−、ハロ置換(C1−)アルキル、アミノ、(C1−)アルキル−NH−、ジ−((C1−)アルキル)−N−および(C1−)アルキルC(O)−NH−からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいか、
(iii) 単環式3〜6員シクロアルキルでまたはO、SもしくはNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環式3〜6員ヘテロシクロアルキルで置換されている(C2−)アルケニルであって、ここで該置換アルケニルは、場合によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、(C1−)アルコキシ、(C1−)アルキル−S−、ハロ置換(C1−)アルキル、アミノ、(C1−)アルキル−NH−、ジ−((C1−)アルキル)−N−および(C1−)アルキルC(O)−NH−からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいか、
(iv) 単環式3〜6員シクロアルキルでまたはO、SもしくはNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環式3〜6員ヘテロシクロアルキルで置換されている(C2−)アルキニルであって、ここで該置換アルキニルは、場合によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、(C1−)アルコキシ、(C1−)アルキル−S−、ハロ置換(C1−)アルキル、アミノ、(C1−)アルキル−NH−、ジ−((C1−)アルキル)−N−および(C1−)アルキルC(O)−NH−からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてよいかまたは
(v) ジ((C−C)アルキル)アミンである。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
がジ−((C1−)アルキル)アミノまたは(C3−)シクロアルキルであり、ここで、該(C3−)シクロアルキルが、場合によりハロゲンまたはヒドロキシルから独立して選択される1個以上の置換基で置換されていてよい(C2−)アルケニルまたは(C1−)アルキルで場合により置換されていてよい、請求項11記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
XがNである、請求項11または12記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
XがC(H)である、請求項11または12記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
次のものからなる群から選択される、化合物:
シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;
ジメチルスルファミン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−2−メチル−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;
ジメチルスルファミン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;
シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−2−メチル−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;
ジメチルスルファミン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ブロモ−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;
N−(6−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−4,5−ジフルオロベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(6−(4−ブロモ−2−フルオロフェニルアミノ)−4,5−ジフルオロ−2−メチルベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
1−アリル−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;
1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾオキサゾール−7−イル]−アミド;
N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
2−(ベンジルオキシメチル)−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
1−(ベンジルオキシメチル)−N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;および
N−(4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル)−1−(ヒドロキシメチル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
次のものからなる群から選択される、化合物:
シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]−アミド;
1−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]アミド;
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]アミド;and
2−ヒドロキシメチル−シクロプロパンスルホン酸[4,5−ジフルオロ−6−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ベンゾフラン−7−イル]−アミド;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される添加物を含む、医薬組成物。

【公表番号】特表2013−512941(P2013−512941A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542525(P2012−542525)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069099
【国際公開番号】WO2011/070030
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】