説明

ヘテロ芳香環化合物およびその有害生物防除用途

【課題】本発明は、有害生物に対して防除活性を有する新規な化合物を提供する。
【解決手段】式(1)


〔式中、Hetは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる1個以上の原子を含む5または6員へテロ芳香環を表し、Jはtert−ブチル基等を表し、Lは単結合、C1−C3アルキレン基等を表し、Aは単結合等を表し、Qはメチレン基等を表し、Gは、水素原子、ハロゲン原子等を表し、Dは−N=または−CH=を表し、mは0または1を表す。〕で示されるヘテロ芳香環化合物、その製造方法、並びに該ヘテロ芳香環化合物を含有する有害生物防除剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘテロ芳香環化合物およびその有害生物防除用途に関する。
【背景技術】
【0002】
有害生物に対して防除活性を有する化合物が有害生物防除剤の有効成分として見出され、開発されている。
【0003】
非特許文献1には、分子内にチオフェン環とピリジン環とを有する化合物が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Journal of Heterocyclic Chemistry(1972),9(3),725−728
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、有害生物に対して防除活性を有する新規な化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、有害生物に対して防除活性を有する化合物を見出すべく検討した結果、下記式(1)で示される化合物が有害生物に対して防除効力を有することを見出し、更に検討を重ねた結果本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は以下のものである。
[項1] 式(1)
【0008】
【化1】

【0009】
〔式中、
Hetは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる1個以上のヘテロ原子を含む5または6員へテロ芳香環を表し(ここで、AおよびQはそれぞれ、該5または6員へテロ芳香環を構成する炭素原子または窒素原子に結合し、Aが結合した原子とQが結合した原子とが該5または6員へテロ芳香環上で互いに隣接することはない。該5または6員へテロ芳香環は、A及びQが結合した原子と共に、−CE=、−N=、−O−、−S−および−NE−からなる群より選ばれる3もしくは4個の原子または基から構成され、Eは1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基、水素原子またはハロゲン原子を表し、Eは1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基を表す。)、
Jは、下式J1またはJ2:
【0010】
【化2】

【0011】
(式中、
1およびR2は、同一または相異なり、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C3アルキル基を表し、
3は、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を表し、
4およびR5は、同一または相異なり、C1−C3アルキル基を表し、
6は、水素原子またはC1−C6鎖式炭化水素基を表す。)で示される基を表し、
Lは、単結合または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C3アルキレン基を表し、
Aは、AがHetで表される該5または6員へテロ芳香環を構成する炭素原子に結合する場合には、単結合、−O−、または−S(O)x−を表し(ここで、xは、0、1または2を表す。)、AがHetで表される該5または6員へテロ芳香環を構成する窒素原子に結合する場合には、単結合を表し、
Qは、QがHetで表される該5または6員へテロ芳香環を構成する炭素原子に結合する場合には、下式Q1、Q2、Q3またはQ4:
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、
xおよびRyは、同一または相異なり、<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、水素原子またはシクロプロピル基を表し、
yは0、1または2を表し、
zは、<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、−C(O)−T1、−S(O)2−T2、水素原子またはシクロプロピル基を表し、
1は、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルコキシ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキルアミノ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C12ジアルキルアミノ基、水酸基、アミノ基、水素原子またはシクロプロピル基を表し、
2は、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基を表す。)で示される基を表し、
QがHetで表される該5または6員へテロ芳香環を構成する窒素原子に結合する場合には、Qは式Q1で示される基を表し、
Gは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、メルカプト基もしくはアミノ基を表すか、または、下式G1、G2、G3もしくはG4:
【0014】
【化4】

【0015】
{式中、
aは、<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、シクロプロピル基または−C(O)−T1を表し、
bは、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、−C(O)−T1、−S(O)2−T2、C3−C9トリアルキルシリル基またはシクロプロピル基を表し、
cは、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、−C(O)−T1またはシクロプロピル基を表し、
zは0、1または2を表し、
dは、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、−C(O)−T1、−S(O)2−T2またはシクロプロピル基を表し、
eは、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、水素原子またはシクロプロピル基を表す。
(ここで、T1およびT2は前述と同義であるが、Gが式G2、G3またはG4で示される基の場合には、T1は、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルコキシ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキルアミノ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C12ジアルキルアミノ基、アミノ基、水素原子またはシクロプロピル基を表す。)}で示される基を表し、
Dは−N=または−CH=を表し、
mは0または1を表す。
<群α>:ハロゲン原子、シアノ基およびシクロプロピル基からなる群、
<群β>:1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルコキシ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルチオ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルスルフィニル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルスルホニル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルアミノ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C8ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、C3−C9トリアルキルシリル基およびシクロプロピル基からなる群、
<群γ>:1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルコキシ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルチオ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルスルフィニル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルスルホニル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルアミノ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C8ジアルキルアミノ基、フェニル基(該フェニル基は、メチル基、メトキシ基、塩素原子およびニトロ基からなる群より選ばれる1個以上の基を有していてもよい。)、ハロゲン原子、シアノ基、C3−C9トリアルキルシリル基およびシクロプロピル基からなる群。〕
で示されるヘテロ芳香環化合物。(以下、本発明化合物と記す。)。
[項2] Hetが下式H1またはH2:
【0016】
【化5】

【0017】
(式中、
、X、XおよびXは、同一または相異なり、−CE=または−N=を表す。
【0018】
但し、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは−N=を表す。)
で示される基である[項1]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項3] X、X、XおよびXのうちの1つが−N=であり、それ以外が、同一または相異なり、−CE=である[項2]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項4] Hetが式H1で示される基である[項3]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項5] Hetが下式H3、H4またはH5:
【0019】
【化6】

【0020】
(式中、
、YおよびYのうちの1つは、−O−、−S−または−NE−を表し、残りの2つは、同一または相異なり、−CE=または−N=を表し、
、ZおよびZは、同一または相異なり、−CE=または−N=を表す。)
で示される基である[項1]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項6] Hetが式H3で示される基である[項5]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項7] Y、YおよびYのうちの1つが−S−である[項6]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項8] Y、YおよびYのうちの1つが−S−であり、それ以外が、同一または相異なり、−CE=である[項7]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項9] Yが−S−である[項7]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項10] Yが−S−であり、YおよびYが、同一または相異なり、−CE=である[項9]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項11] Hetが式H4で示される基である[項5]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項12] Zが−N=であり、Zが−CE=であり、かつ、Zが−CE=または−N=であるか、あるいは、Zが−CE=であり、Zが−N=であり、かつ、Zが−CE=である[項11]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項13] Zが−N=であり、ZおよびZが同一または相異なり−CE=であるか、あるいは、Zが−N=であり、ZおよびZが同一または相異なり−CE=である[項12]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項14] Hetが式H5で示される基である[項5]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項15] Zが−N=であり、Zが−CE=であり、かつ、Zが−CE=または−N=であるか、あるいは、Zが−CE=であり、Zが−N=であり、かつ、Zが−CE=である[項14]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項16] Zが−N=であり、ZおよびZが同一または相異なり−CE=であるか、あるいは、Zが−N=であり、ZおよびZが同一または相異なり−CE=である[項15]に記載のヘテロ芳香環化合物。
[項17] Hetが、窒素原子、および硫黄原子からなる群より選ばれる1個以上のヘテロ原子を含む5または6員へテロ芳香環であり(ここで、AおよびQはそれぞれ、該5または6員へテロ芳香環を構成する炭素原子または窒素原子に結合し、Aが結合した原子とQが結合した原子とが該5または6員へテロ芳香環上で互いに隣接することはない。該5または6員へテロ芳香環は、A及びQが結合した原子と共に、−CE=、−N=および−S−からなる群より選ばれる3もしくは4個の原子または基から構成され、Eは1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基、水素原子またはハロゲン原子である。)、
Jが、式J1またはJ2(R1およびR2が、同一または相異なり、C1−C3アルキル基であり、R3が、C1−C6鎖式炭化水素基であり、R4およびR5が、同一または相異なり、C1−C3アルキル基であり、R6が、C1−C6鎖式炭化水素基である。)で示される基であり、
Lが、単結合またはC1−C3アルキレン基であり、
Aが単結合であり、
Qが式Q1(RxおよびRyが、水素原子である。)で示される基であり、
Gが、水素原子、ハロゲン原子、または、式G1、G2、G3もしくはG4{Raは、C1−C6鎖式炭化水素基であり、Rbは、C1−C6鎖式炭化水素基であり、Rcは、C1−C6鎖式炭化水素基であり、zが0、1または2であり、Rdが、C1−C6鎖式炭化水素基であり、Reが、C1−C6鎖式炭化水素基である。}で示される基であり、
Dが−CH=であり、
mが0である[項1]記載のヘテロ芳香環化合物。
[項18] Hetが、窒素原子、および硫黄原子からなる群より選ばれる1個以上のヘテロ原子を含む5員へテロ芳香環であり(ここで、AおよびQはそれぞれ、該5員へテロ芳香環を構成する炭素原子または窒素原子に結合し、Aが結合した原子とQが結合した原子とが該5員へテロ芳香環上で互いに隣接することはない。該5員へテロ芳香環は、A及びQが結合した原子と共に、−CE=、−N=および−S−からなる群より選ばれる3個の原子または基から構成され、Eは1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基、水素原子またはハロゲン原子である。)、
Jが、式J1(R1およびR2が、同一または相異なり、C1−C3アルキル基であり、R3が、C1−C6鎖式炭化水素基である。)で示される基であり、
Lが、単結合またはC1−C3アルキレン基であり、
Aが単結合であり、
Qが式Q1(RxおよびRyが、水素原子である。)で示される基であり、
Gが、水素原子、ハロゲン原子、または、式G2もしくはG3{Rbは、C1−C6鎖式炭化水素基であり、Rcは、C1−C6鎖式炭化水素基であり、zが0である。}で示される基であり、
Dが−CH=であり、
mが0である[項1]記載のヘテロ芳香環化合物。
[項19] [項1]〜[項18]のいずれか一項に記載のヘテロ芳香環化合物と不活性担体とを含有する有害生物防除剤。
[項20] 有害生物を防除するための[項1]〜[項18]のいずれか一項に記載のヘテロ芳香環化合物の使用。
[項21] [項1]〜[項18]のいずれか一項に記載のヘテロ芳香環化合物の有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用する工程を含む有害生物の防除方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明化合物は、有害生物の防除に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書において用いられる用語について、以下に例を挙げて説明する。
【0023】
本発明化合物において「ハロゲン原子」とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を意味する。
【0024】
本発明化合物において、Eで表される「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、およびジフルオロメチル基等が挙げられる。
【0025】
本発明化合物において、Eで表される「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、および2,2−ジフルオロエチル基等が挙げられる。
【0026】
本発明化合物において「C1−C3アルキル基」としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基が挙げられる。
【0027】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C3アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびトリフルオロメチル基が挙げられる。
【0028】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基およびトリフルオロメチル基が挙げられる。
【0029】
本発明化合物において「C1−C6鎖式炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基およびヘキシル基等のC1−C6アルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基および1−ヘキセニル基等のC2−C6アルケニル基;並びに
エチニル基、プロパルギル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、1−ペンチニル基および1−ヘキシニル基等のC2−C6アルキニル基が挙げられる。
【0030】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基ヘキシル基およびトリフルオロメチル基等の1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基および1−ヘキセニル基等のC2−C6アルケニル基および2,2−ジフルオロビニル基等の1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C6アルケニル基;並びに
エチニル基、プロパルギル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキシニル基および2−クロロエチニル基等の1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C6アルキニル基が挙げられる。
【0031】
本発明化合物において「<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、シアノメチル基およびシクロプロピルメチル基等の<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6アルキル基;
2−プロペニル基等の<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC2−C6アルケニル基;並びに
プロパルギル基および2−ブチニル基等の<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC2−C6アルキニル基が挙げられる。
【0032】
本発明化合物において「<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のC1−C6アルキル基;
トリフルオロメチル基、シアノメチル基、シクロプロピルメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基およびメチルチオメチル基等の<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有するC1−C6アルキル基;
ビニル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基および2,2−ジフルオロビニル基等の<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC2−C6アルケニル基;並びに
エチニル基、1−プロピニル基、2−クロロエチニル基、2−フルオロエチニル基および2−(トリメチルシリル)エチニル基等の<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC2−C6アルキニル基が挙げられる。
【0033】
本発明化合物において「<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等のC1−C6アルキル基;
ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、シクロプロピルメチル基、1−(シクロプロピル)エチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、メチルチオメチル基、メチルスルフィニルメチル基、メチルスルホニルメチル基、2−(メチルチオ)エチル基、2−(メチルスルフィニル)エチル基、2−(メチルスルホニル)エチル基、2−(メチルアミノ)エチル基、2−(ジメチルアミノ)エチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基および4−ニトロベンジル基等の<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有するC1−C6アルキル基;
2−プロペニル基、2−ブテニル基および3−メチル−2−ブテニル基等の<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC3−C6アルケニル基;並びに
プロパルギル基、2−ブチニル基および3−ブチニル基等の<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC2−C6アルキニル基が挙げられる。
【0034】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C3アルキレン基」としては、例えば−CH2−、−CHCl−、−CHF−、−CF2−、−CH2CH2−および−CH2CH2CH2−が挙げられる。
【0035】
本発明化合物において「C3−C9トリアルキルシリル基」は、アルキル部分の炭素の総数が3〜9のトリアルキルシリル基を意味し、各アルキル基は同一または異なっていてもよく、例えばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基が挙げられる。
【0036】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルコキシ基」としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基および2,2,2−トリフルオロエトキシが挙げられる。
【0037】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキルアミノ基」としては、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基および2,2,2−トリフルオロエチルアミノ基が挙げられる。
【0038】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C12ジアルキルアミノ基」は、アルキル部分の炭素の総数が2〜12である1個以上のハロゲン原子を有していてもよいジアルキルアミノ基を意味し、各アルキル基は同一または異なっていてもよく、例えばN,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−イソプロピル−N−メチルアミノ基、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ基およびN−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基が挙げられる。
【0039】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルコキシ基」としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基および2,2,2−トリフルオロエトキシ基が挙げられる。
【0040】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルチオ基」としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基および2,2,2−トリフルオロエチルチオ基が挙げられる。
【0041】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルスルフィニル基」としては、例えばメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、イソブチルスルフィニル基、sec−ブチルスルフィニル基、tert−ブチルスルフィニル基および2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル基が挙げられる。
【0042】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルスルホニル基」としては、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基および2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル基が挙げられる。
【0043】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルアミノ基」としては、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基および2,2,2−トリフルオロエチルアミノ基が挙げられる。
【0044】
本発明化合物において「1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C8ジアルキルアミノ基」は、アルキル部分の炭素の総数が2〜8である1個以上のハロゲン原子を有していてもよいジアルキルアミノ基を意味し、各アルキル基は同一または異なっていてもよく、例えばN,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−イソプロピル−N−メチルアミノ基、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ基およびN−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基が挙げられる。
【0045】
本発明化合物において「フェニル基(該フェニル基は、メチル基、メトキシ基、塩素原子およびニトロ基からなる群より選ばれる1個以上の基を有してもよい。)」は、メチル基、メトキシ基、塩素原子およびニトロ基からなる群から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、例えばフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基および4−メチルフェニル基が挙げられる。
【0046】
本発明化合物において、Hetは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる1個以上(特に1〜4個)のヘテロ原子を含む5または6員へテロ芳香環を表す。ここで、AおよびQはそれぞれ、該5または6員へテロ芳香環を構成する炭素原子または窒素原子に結合し、Aが結合した原子とQが結合した原子とが該5または6員へテロ芳香環上で互いに隣接することはない。
【0047】
具体的には、下図で示すように、Hetが該6員へテロ芳香環の場合には、AおよびQが1,3位または1,4位の関係にあって1,2位の関係にはなく、また、Hetが該5員へテロ芳香環の場合にAおよびQが1,3位の関係にあって1,2位の関係にはないことを意味する。
【0048】
【化7】

【0049】
(式中、AおよびQはは前記と同じ意味を表す。)
Hetで表される5または6員へテロ芳香環は、AおよびQが結合した原子と共に、−CE=、−N=、−O−、−S−および−NE−からなる群より選ばれる3もしくは4個の原子または基から構成され、Eは1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基、水素原子またはハロゲン原子を表し、Eは1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基を表す。)、
本発明化合物において、Hetで表される前記5または6員へテロ芳香環が−CE=を2個以上含む場合に、各E基は同一でも相異なっていてもよい。
【0050】
本発明化合物において、Hetで表される前記6員へテロ芳香環としては、式H1およびH2で示される環が挙げられる。以下、構造式の左側の「・」印がAと結合する位置を表し、構造式の右側の「・」印がQと結合する位置を表す。
【0051】
【化8】

【0052】
(式中、X、X、XおよびXは前記と同じ意味を表す。)
本発明化合物における6員へテロ芳香環の具体例を以下に示す。
【0053】
【化9】

【0054】
(式中、Eは前記と同じ意味を表す。)
本発明化合物において、Hetで表される5員へテロ芳香環としては、式H3、H4およびH5で示される環が挙げられる。
【0055】
【化10】

【0056】
(式中、Y、Y、Y、Z、ZおよびZは前記と同じ意味を表す。)
式H3における環の内側の“○”の表記は、5員へテロ芳香環を構成する2つの二重結合と2つの一重結合の配置として、下記に示す3つの配置を全て含んでいることを示している。
【0057】
【化11】

【0058】
(式中、Y、Y及びYは前記と同じ意味を表す。
【0059】
本発明化合物において、式H3で表される5員へテロ芳香環の具体例を以下に示す。
【0060】
【化12−1】

【0061】
【化12−2】

【0062】
(式中、E及びEは前記と同じ意味を表す。)
本発明化合物において、式H4で表される5員へテロ芳香環の具体例を以下に示す。
【0063】
【化13】

【0064】
(式中、Eは前記と同じ意味を表す。)
本発明化合物において、式H5で表される5員へテロ芳香環の具体例を以下に示す。
【0065】
【化14】

【0066】
(式中、Eは前記と同じ意味を表す。)
本発明化合物としては、例えば以下のヘテロ芳香環化合物が挙げられる。
[態様A]
式(1)において、Hetが式H1またはH2で表される6員へテロ芳香環である化合物。
[態様B]
式(1)において、Hetが式H1またはH2で示される環であり、X、X、XおよびXのうちの1つまたは2つが−N=であり、それ以外が−CE=である化合物。
[態様C]
式(1)において、Hetが式H1またはH2で示される環であり、X、X、XおよびXのうちの1つが−N=であり、それ以外が−CE=である化合物。
[態様D]
式(1)において、Hetが式H1で示される環であり、X、X、XおよびXのうちの1つまたは2つが−N=であり、それ以外が−CE=である化合物。
[態様E]
式(1)において、Hetが式H1で示される環であり、X、X、XおよびXのうちの1つが−N=であり、それ以外が−CE=である化合物。
[態様F]
式(1)において、Hetが式H1で示される環であり、XまたはXのいずれか一方が−N=であり、他方が−CE=または−N=であり、XおよびXが−CE=である化合物。
[態様G]
式(1)において、Hetが式H1で示される環であり、Xが−N=であり、X、XおよびXが−CE=である化合物。
[態様H]
式(1)において、Hetが式H1で示される環であり、Xが−N=であり、X、XおよびXが−CE=である化合物。
[態様I]
式(1)において、Hetが式H3、H4またはH5で表される5員へテロ芳香環である化合物。
[態様J]
式(1)において、Hetが式H3で示される環である化合物。
[態様K]
式(1)において、Hetが式H3で示される環であり、Y、YおよびYのうちの1つが−O−または−S−である化合物。
[態様L]
式(1)において、Hetが式H3で示される環であり、Y、YおよびYのうちの1つが−S−である化合物。
[態様M]
式(1)において、Hetが式H3で示される環であり、Yが−O−、−S−または−NE−である化合物。
[態様N]
式(1)において、Hetが式H3で示される環であり、Yが−O−または−S−である化合物。
[態様O]
式(1)において、Hetが式H3で示される環であり、Yが−S−である化合物。
[態様P]
式(1)において、Hetが式H3で示される環であり、Yが−S−であり、YおよびYのいずれか一方が−CE=であり、他方がCE=または−N=である化合物。
[態様Q]
式(1)において、Hetが式H3で示される環であり、Yが−S−であり、YおよびYが−CE=である化合物。
[態様R]
式(1)において、Hetが式H4で示される環である化合物。
[態様S]
式(1)において、Hetが式H4で示される環であり、Z、ZおよびZのうちの1つまたは2つが−N=であり、それ以外が−CE=である化合物。
[態様T]
式(1)において、Hetが式H4で示される環であり、Z、ZおよびZのうちの1つが−N=であり、それ以外が−CE=である化合物。
[態様U]
式(1)において、Hetが式H4で示される環であり、Zが−N=であり、Zが−CE=であり、かつ、Zが−CE=または−N=であるか、あるいは、Zが−CE=であり、Zが−N=であり、かつ、Zが−CE=である化合物。
[態様V]
式(1)において、Hetが式H4で示される環であり、Zが−N=であり、Zが−CE=であり、Zが−CE=または−N=である化合物。
[態様W]
式(1)において、Hetが式H4で示される環であり、ZおよびZのいずれか一方が−N=であり、他方が−CE=であり、Zが−CE=である化合物。
[態様X]
式(1)において、Hetが式H4で示される環であり、Zが−N=であり、ZおよびZがCE=である化合物。
[態様Y]
式(1)において、Hetが式H4で示される環であり、Zが−N=であり、ZおよびZがCE=である化合物。
[態様Z]
式(1)において、Hetが式H5で示される環である化合物。
[態様AA]
式(1)において、Hetが式H5で示される環であり、Z、ZおよびZのうちの1つまたは2つが−N=であり、それ以外が−CE=であ化合物。
[態様AB]
式(1)において、Hetが式H5で示される環であり、Z、ZおよびZのうちの1つが−N=であり、それ以外が−CE=である化合物。
[態様AC]
式(1)において、Hetが式H5で示される環であり、Zが−N=であり、Zが−CE=であり、かつ、Zが−CE=または−N=であるか、あるいは、Zが−CE=であり、Zが−N=であり、かつ、Zが−CE=である化合物。
[態様AD]
式(1)において、Hetが式H5で示される環であり、Zが−N=であり、Zが−CE=であり、Zが−CE=または−N=である化合物。
[態様AE]
式(1)において、Hetが式H5で示される環であり、ZおよびZのいずれか一方が−N=であり、他方が−CE=であり、Zが−CE=である化合物。
[態様AF]
式(1)において、Hetが式H5で示される環であり、Zが−N=であり、ZおよびZがCE=である化合物。
[態様AG]
式(1)において、Hetが式H5で示される環であり、Zが−N=であり、ZおよびZがCE=である化合物。
[態様AH]
下式で示される[項1]記載のヘテロ芳香環化合物。
【0067】
【化15】

【0068】
(式中、各記号は前記と同じ意味を表す。)
[態様AI]
下式で示される[項1]記載のヘテロ芳香環化合物。
【0069】
【化16−1】

【0070】
【化16−2】

【0071】
(式中、各記号は前記と同じ意味を表す。)
また、本発明化合物としては、例えば以下のヘテロ芳香環化合物も挙げられる。
[態様1]
式(1)において、Qが式Q1で示される基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]および[態様AA]〜[態様AI]のいずれかに記載のヘテロ芳香環化合物。
[態様2]
式(1)において、Qが式Q2、Q3またはQ4で示される基である[項1]、[態様A]〜[態様Y]および[態様AH]〜[態様AI]のいずれかに記載のヘテロ芳香環化合物。
[態様3]
式(1)において、Qが式Q2で示される基である[項1]、[態様A]〜[態様Y]および[態様AH]〜[態様AI]のいずれかに記載のヘテロ芳香環化合物。
[態様4]
式(1)において、Qが式Q3で示される基である[項1]、[態様A]〜[態様Y]および[態様AH]〜[態様AI]のいずれかに記載のヘテロ芳香環化合物。
[態様5]
式(1)において、Qが式Q4で示される基である[項1]、[態様A]〜[態様Y]および[態様AH]〜[態様AI]のいずれかに記載のヘテロ芳香環化合物。
[態様6]〜[態様143]
式(1)において、QとGとが〔表1〕〜〔表6〕の組み合わせである[項1]、[態様A]〜[態様Y]および[態様AH]〜[態様AI]のいずれかに記載のヘテロ芳香環化合物;あるいは、式(1)において、QとGとが〔表1〕または〔表2〕の組み合わせである[態様Z]および[態様AA]〜[態様AG]のいずれかに記載のヘテロ芳香環化合物。
【0072】
なお、例えば、[態様6]は、「式(1)において、Qが式Q1、Q2、Q3またはQ4で示される基であり、Gが水素原子、ハロゲン原子、式G1、G2、G3、またはG4で示される基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]および[態様AA]〜[態様AI]のいずれかに記載のヘテロ芳香環化合物。」を表し、また、例えば、[態様52]は、「式(1)において、Qが式Q2、Q3またはQ4で示される基であり、Gが水素原子、ハロゲン原子、式G1、G2、G3、またはG4で示される基である[項1]、[態様A]〜[態様Y]および[態様AH]〜[態様AI]のいずれかに記載のヘテロ芳香環化合物。」を表す。
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
【表4】

【0077】
【表5】

【0078】
【表6】

【0079】
また、本発明化合物として、例えば、以下のヘテロ芳香環化合物も挙げられる。
【0080】
式(1)において、Dが−CH=である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様143]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Dが−N=である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様143]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Lが単結合または−CH2−であり、Aが単結合または−O−であり、Jが式J1またはJ2で示される基である、[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様143]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Lが単結合または−CH2−であり、Aが単結合または−O−であり、Jが式J1で示される基(Jが式J1で示される基の場合に、R1およびR2はいずれもメチル基であり、R3は水素原子、メチル基、またはエチル基である。)または式J2で示される基(Jが式J2で示される基の場合に、R4、R5およびR6はいずれもメチル基である。)である、[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様143]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Lが単結合であり、Aが単結合であり、Jが式J1で示される基(Jが式J1で示される基の場合に、R1およびR2はいずれもメチル基であり、R3は水素原子、メチル基、またはエチル基である。)または式J2で示される基(Jが式J2で示される基の場合に、R4、R5およびR6はいずれもメチル基である。)である、[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様143]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、J−L−Aがtert−ブチル基である、[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様143]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Qが式Q1で示される基であり、かつ、RxおよびRyが同一または相異なり<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基または水素原子であるか、
Qが式Q2で示される基であるか、
Qが式Q3で示される基であるか、あるいは、
Qが式Q4で示される基であり、かつ、Rzが<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様6]〜[態様28]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Qが式Q1で示される基であり、かつ、RxおよびRyが同一または相異なりメチル基または水素原子であるか、
Qが式Q2で示される基であるか、
Qが式Q3で示される基であり、かつ、yが0であるか、あるいは、
Qが式Q4で示される基であり、かつ、Rzがメチル基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様6]〜[態様28]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Qが式Q1で示される基であり、かつ、RxおよびRyが同一または相異なり<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]、[態様1]および[態様29]〜[態様51]のいずれかに記載のヘテロ環化合物;
式(1)において、Qが式Q1で示される基であり、かつ、RxおよびRyが同一または相異なりメチル基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]、[態様1]および[態様29]〜[態様51]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Qが式Q2で示される基であるか、
Qが式Q3で示される基であるか、あるいは、
Qが式Q4で示される基であり、かつ、Rzが<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Y]、[態様AH]〜[態様AI]、[態様2]および[態様52]〜[態様74]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Qが式Q2で示される基であるか、
Qが式Q3で示される基であり、かつ、yが0であるか、あるいは、
Qが式Q4で示される基であり、かつ、Rzがメチル基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Y]、[態様AH]〜[態様AI]、[態様2]および[態様52]〜[態様74]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Qが式Q3で示される基であり、かつ、yが0である[項1]、[態様A]〜[態様Y]、[態様AH]〜[態様AI]、[態様4]および[態様98]〜[態様120]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Qが式Q4で示される基であり、かつ、Rzが<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Y]、[態様AH]〜[態様AI]、[態様5]および[態様121]〜[態様143]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Qが式Q4で示される基であり、かつ、Rzがメチル基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Y]、[態様AH]〜[態様AI]、[態様5]および[態様121]〜[態様143]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが水素原子またはハロゲン原子であるか、
Gが式G1で示される基であり、かつ、Raが<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、
Gが式G2で示される基であり、かつ、Rbが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、
Gが式G3で示される基であり、かつ、Rcが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、あるいは、
Gが式G4で示される基であり、Rdが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であり、かつ、Reが、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gがハロゲン原子であるか、
Gが式G1で示される基であり、かつ、Raが<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、
Gが式G2で示される基であり、かつ、Rbが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、
Gが式G3で示される基であり、かつ、Rcが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、あるいは、
Gが式G4で示される基であり、Rdが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であり、かつ、Reが、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが式G1で示される基であり、かつ、Raが<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、
Gが式G2で示される基であり、かつ、Rbが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、
Gが式G3で示される基であり、かつ、Rcが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、あるいは、
Gが式G4で示される基であり、Rdが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であり、かつ、Reが、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチルチオ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−イソプロピル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基またはN−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチルチオ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−イソプロピル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基またはN−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチルチオ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−イソプロピル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基またはN−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが式G2で示される基であり、かつ、Rbが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、あるいは
Gが式G3で示される基であり、かつ、Rcが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AH]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載のヘテロ環化合物;
式(1)において、Gが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基または2,2,2−トリフルオロエチルチオ基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが式G1で示される基であり、かつ、Raが<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であるか、あるいは、
Gが式G4で示される基であり、Rdが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であり、かつ、Reが、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−イソプロピル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基またはN−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが式G1で示される基であり、かつ、Raが<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが、メチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが式G2で示される基であり、かつ、Rbが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基または2,2,2−トリフルオロエトキシ基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが式G3で示される基であり、かつ、Rcが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基または2,2,2−トリフルオロエチルチオ基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが式G4で示される基であり、Rdが<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基であり、かつ、Reが、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基または水素原子である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物;
式(1)において、Gが、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N−イソプロピル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基またはN−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基である[項1]、[態様A]〜[態様Z]、[態様AA]〜[態様AI]および[態様1]〜[態様5]のいずれかに記載の化合物。
【0081】
また、本発明化合物として、例えば、以下のヘテロ芳香環化合物も挙げられる。
【0082】
式(1x)
【0083】
【化17】

【0084】
〔式中、
zは、水素原子、C1−C3アルキル基(メチル基、エチル基等)、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基等)、C1−C6アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、C2〜C8ジアルキルアミノ基(N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)を表し、
Dは−N=または−CH=(好ましくは、−CH=)を表し、
mは0または1(好ましくは0)を表す。〕
で示される[項1]記載のヘテロ芳香環化合物;
式(1x)において、Dが−CH=であり、mが0である[項1]記載のヘテロ芳香環化合物;
式(1y)
【0085】
【化18】

【0086】
〔式中、
zは、水素原子、C1−C3アルキル基(メチル基、エチル基等)、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基等)、C1−C6アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、C2〜C8ジアルキルアミノ基(N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)を表し、
Dは−N=または−CH=(好ましくは、−CH=)を表し、
mは0または1(好ましくは0)を表す。〕
で示される[項1]記載のヘテロ芳香環化合物;
式(1y)において、Dが−CH=であり、mが0である[項1]記載のヘテロ芳香環化合物;
式(1z)
【0087】
【化19】

【0088】
〔式中、
zは、水素原子、C1−C3アルキル基(メチル基、エチル基等)、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基等)、C1−C6アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、C2〜C8ジアルキルアミノ基(N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)を表し、
Dは−N=または−CH=(好ましくは、−CH=)を表し、
mは0または1(好ましくは0)を表す。〕
で示される[項1]記載のヘテロ芳香環化合物;
式(1z)において、Dが−CH=であり、mが0である[項1]記載のヘテロ芳香環化合物。
【0089】
次に本発明化合物の製造法について説明する。
【0090】
本発明化合物は、例えば、以下の(製造法1)〜(製造法10)にしたがって製造することができる。
(製造法1)
本発明化合物のうち、Hetが式H1、H2、H3またはH4で示される環であり、Qが式Q1で示される基である化合物は、例えば、下記のスキームにしたがって製造することができる。
【0091】
【化20】

【0092】
〔式中、J、L、A、D、G、Rxおよびmは前記と同じ意味を表し、Het1は式H1、H2、H3またはH4で示される環を表し、Ry1は、<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基またはシクロプロピル基を表し、Lgは、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Lgは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基、または、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。〕
・(5a)→(3)
化合物(5a)と金属マグネシウムとを反応させることによって生成するグリニャール反応剤を、式(2)で示されるアミド化合物と反応させることにより化合物(3)を製造することができる。
【0093】
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。
【0094】
化合物(5a)1モルに対して、金属マグネシウムは通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。また、必要に応じて触媒量の活性化剤を加えて、金属マグネシウムを活性化させることができる。該活性化剤としては、例えば、ヨウ素、1,2−ジブロモエタンが挙げられる。
【0095】
化合物(5a)と金属マグネシウムとの反応における反応温度は、通常室温から用いる溶媒の沸点の範囲であり、反応時間は、通常瞬時から1時間の範囲である。
【0096】
化合物(5a)1モルに対して化合物(2)は通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0097】
生成したグリニャール反応剤と化合物(2)との反応における反応温度は、通常−78℃から溶媒の沸点の範囲であり、反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0098】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、化合物(3)を単離することができる。
・(3)→(7)
化合物(3)を還元することにより、化合物(7)を製造することができる。
【0099】
還元方法としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウムを用いる還元反応が挙げらる。化合物(3)1モルに対して、水素化ホウ素ナトリウムは通常0.25モル〜1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0100】
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
【0101】
該反応における反応温度は、通常0℃から溶媒の沸点の範囲である。
【0102】
該反応における反応時間は、通常瞬時から24時間の範囲である。
【0103】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、化合物(7)を単離することができる。
・(5a)→(7)
化合物(5a)をアルキルリチウム化合物と反応させた後に、生成する反応中間体と式(6)で示されるカルボニル化合物と反応させることにより、化合物(7)を製造することができる。
【0104】
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。
【0105】
該反応に用いられるアルキルリチウム化合物としては、例えば、ブチルリチウムが挙げられる。化合物(5a)1モルに対して、アルキルリチウム化合物は通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0106】
化合物(5a)とアルキルリチウム化合物との反応における反応温度は、通常−78℃から−50℃の範囲であり、反応時間は、通常瞬時から1時間の範囲である。
【0107】
化合物(5a)1モルに対して化合物(6)は通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0108】
該反応中間体と化合物(6)との反応における反応温度は、通常−78℃から30℃の範囲であり、反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0109】
反応終了後は、反応混合物に水または塩化アンモニウム水溶液等を注加した後、有機溶媒で抽出し、通常の後処理操作を行うことにより、化合物(7)を単離することができる。
・(4)→(7)
化合物(4)をリチオ化した後に、生成する反応中間体と式(16)で示されるカルボニル化合物と反応させることにより、化合物(7)を製造することができる。
【0110】
リチオ化に用いられるリチウム化合物としては、例えば、ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム化合物、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムテトラメチルピペリジド等のリチウムジアルキルアミド化合物が挙げられる。
【0111】
中でも、化合物(4)のうち、Gが−NHC(O)t−Buである化合物のリチオ化は、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)の存在下、ブチルリチウムを用いて行うことができる。
【0112】
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類が挙げられる。
【0113】
化合物(4)1モルに対して、ブチルリチウムおよびTMEDAはそれぞれ通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0114】
化合物(4)とブチルリチウムとの反応における反応温度は、通常−78℃から30℃の範囲であり、反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0115】
該反応中間体と化合物(16)との反応における反応温度は、通常−78℃から30℃の範囲であり、反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0116】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、化合物(7)を単離することができる。
・(7)→(1a)
本発明化合物(1a)は、化合物(7)を脱ヒドロキシ化することにより製造することができる。脱ヒドロキシ化の方法としては、例えば、接触水素還元反応などが挙げられる。
【0117】
接触水素還元反応は、溶媒および触媒の存在下、水素と反応させて行う。
【0118】
該反応に用いられる溶媒としては、例えば酢酸が挙げられる。また必要に応じて硫酸等の鉱酸を加えることができ、その場合のモル比は化合物(7)1モルに対して、通常0.01モル〜10モルである。
【0119】
該反応に用いられる触媒としては、例えば、パラジウム炭素等が挙げられる。
【0120】
該反応における、水素圧は通常1気圧から5気圧である。
【0121】
該反応における反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0122】
反応終了後は、ろ過によって触媒を除去した後、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1a)を単離することができる。
・(1a)→(1b)
さらに、本発明化合物(1a)とリチウムジイソプロピルアミド(以下、LDAと記す。)等の塩基とを反応させた後、Ry1−Lgで示される化合物と反応させることにより、本発明化合物(1b)を製造することもできる。
(製造法2)
本発明化合物のうち、Hetが式H1、H2、H3またはH4で示される環であり、Qが式Q2で示される基である化合物は、例えば、下記のスキームにしたがって製造することができる。
【0123】
【化21】

【0124】
〔式中、J、L、A、Het1、D、Gおよびmは前記と同じ意味を表し、Lgは、ハロゲン原子を表す。〕
本発明化合物(1c)は、化合物(8)と、化合物(9)とを、塩基、および、必要に応じて銅化合物の存在下反応させることにより製造することができる。
(1)銅化合物を用いない場合:
Lgとしては塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
【0125】
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0126】
該反応において用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert−ブトキシド等が挙げる。化合物(8)1モルに対して、塩基は通常1モル〜10モルの割合で用いられる。
【0127】
化合物(8)1モルに対して化合物(9)は通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0128】
該反応における反応温度は、通常20℃から200℃あるいは溶媒の沸点の範囲である。
【0129】
該反応における反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0130】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1c)を単離することができる。
(2)銅化合物を用いる場合:
Lgとしては臭素原子またはヨウ素原子が好ましい。
【0131】
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0132】
該反応において用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert−ブトキシド等が挙げる。化合物(8)1モルに対して、塩基は通常1モル〜10モルの割合で用いられる。
【0133】
銅化合物としては、銅粉末、酸化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)等が挙げられる。化合物(8)1モルに対して、銅化合物は通常0.01モル〜10モルの割合で用いられる。
【0134】
化合物(8)1モルに対して化合物(9)は通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0135】
該反応における反応温度は、通常50℃から200℃あるいは溶媒の沸点の範囲である。
【0136】
該反応における反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1c)を単離することができる。
(製造法3)
本発明化合物のうち、Hetが式H1、H2、H3またはH4で示される環であり、Qが式Q3で示される基である化合物は、例えば、下記のスキームにしたがって製造することができる。
【0137】
【化22】

【0138】
〔式中、J、L、A、Het1、D、Gおよびmは前記と同じ意味を表し、Lgは、ハロゲン原子を表し、y1は1または2を表す。〕
本発明化合物(1d)は、化合物(10)と、化合物(9)とを、塩基、および、必要に応じて銅化合物の存在下反応させるか、あるいは、化合物(5b)と、化合物(11)とを、塩基、および、必要に応じて銅化合物の存在下反応させることにより製造することができる。
・(1d)の製造
(1)銅化合物を用いない場合:
Lgとしては塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
【0139】
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0140】
該反応において用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert−ブトキシド等が挙げる。化合物(10)または化合物(11)1モルに対して、塩基は通常1モル〜10モルの割合で用いられる。
【0141】
化合物(10)または化合物(11)1モルに対して化合物(9)または化合物(5b)は通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0142】
該反応における反応温度は、通常20℃から200℃あるいは溶媒の沸点の範囲である。
【0143】
該反応における反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0144】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1d)を単離することができる。
(2)銅化合物を用いる場合:
Lgとしては臭素原子またはヨウ素原子が好ましい。
【0145】
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0146】
該反応において用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert−ブトキシド等が挙げられる。化合物(10)または化合物(11)1モルに対して、塩基は通常1モル〜10モルの割合で用いられる。
【0147】
銅化合物としては、銅粉末、酸化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)等が挙げられる。化合物(10)または化合物(11)1モルに対して、銅化合物は通常0.01モル〜10モルの割合で用いられる。
【0148】
化合物(10)または化合物(11)1モルに対して、化合物(9)または化合物(5b)は通常1モル用いられるが、適宜変更することができる。
【0149】
該反応における反応温度は、通常50℃から200℃あるいは溶媒の沸点の範囲である。
【0150】
該反応における反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0151】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1d)を単離することができる。
・(1d)→(1e)
さらに、本発明化合物(1d)を、過酸化水素、メタクロロ過安息香酸(以下、mCPBAと記す。)、過ヨウ素酸ナトリウム等の酸化剤と反応させることにより、本発明化合物(1e)を製造することもできる。
(製造法4)
本発明化合物のうち、Hetが式H1、H2、H3またはH4で示される環であり、Qが式Q4で示される基である化合物は、例えば、下記のスキームにしたがって製造することができる。
【0152】
【化23】

【0153】
〔式中、J、L、A、Het1、D、G、Rzおよびmは前記と同じ意味を表し、Lgは、ハロゲン原子を表し、Lgは、ハロゲン原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。〕
本発明化合物(1f)は、化合物(12)と、化合物(9)とを、塩基、および、必要に応じてパラジウム触媒の存在下反応させるか、あるいは、化合物(5c)と、化合物(13)とを、塩基、および、必要に応じてパラジウム触媒の存在下反応させることにより製造することができる。
(1)パラジウム触媒を用いない場合:
LgおよびLgとしては塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
【0154】
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0155】
該反応において用いられる塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。化合物(12)または化合物(13)1モルに対して、塩基は通常1モル〜10モルの割合で用いられる。
【0156】
化合物(12)または化合物(13)1モルに対して化合物(9)または化合物(5c)は通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0157】
該反応における反応温度は、通常20℃から、200℃または溶媒の沸点の範囲である。
【0158】
該反応における反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0159】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1f)を単離することができる。
(2)パラジウム触媒を用いる場合:
LgおよびLgとしては臭素原子、ヨウ素原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基が好ましい。
【0160】
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。
【0161】
該反応において用いられる塩基としては、例えば、ナトリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム等が挙げられる。化合物(12)または化合物(13)1モルに対して、塩基は通常1モル〜10モルの割合で用いられる。
【0162】
該反応において用いられるパラジウム触媒としては、たとえば、{1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(以下、Pd2(dba)3と記す。)と4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(以下、キサントホスと記す。)との組み合わせ、等が挙げられる。化合物(12)または化合物(13)1モルに対して、パラジウム触媒は通常0.01〜0.2モルの割合で用いられる。
【0163】
化合物(12)または化合物(13)1モルに対して化合物(9)または化合物(5c)は通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0164】
該反応における反応温度は、通常20℃から100℃の範囲である。
【0165】
該反応における反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0166】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1f)を単離することができる。
(製造法5)
本発明化合物のうち、Dが−N=であり、Hetが式H1、H2、H3またはH4で示される環であり、Qが式Q2、Q3またはQ4で示される基である化合物は、例えば、下記のスキームにしたがって製造することができる。
【0167】
【化24】

【0168】
〔式中、J、L、A、Het1、Gおよびmは前記と同じ意味を表し、Qaは、式Q2、Q3またはQ4で示される基を表し、Lgは、ハロゲン原子を表す。〕
・(15)の製造
化合物(15)は、化合物(14)とジハロピリミジン化合物(16)とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0169】
化合物(16)の2つのLgは相異なっていてもよいが、2つのLgがともに塩素原子である化合物が好ましい。
【0170】
該反応は、前記の製造法2(1)、製造法3(1)または製造法4(1)に準じて行うことができる。
・(15)→(1g)
本発明化合物(1g)は、化合物(15)を脱ハロゲン化することにより製造することができる。脱ハロゲン化の方法としては、例えば、接触水素還元反応などが挙げられる。
接触水素還元反応は、溶媒および触媒の存在下、水素と反応させて行う。
【0171】
該反応に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、酢酸等のカルボン酸類および水が挙げられる。
【0172】
また必要に応じて塩基または酸を加えることができる。その場合のモル比は化合物(15)1モルに対して、通常0.01モル〜10モルである。
【0173】
該反応に用いられる塩基としては、例えば、酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、トリエチルアミンが挙げられる。酸としては、例えば、硫酸、塩酸が挙げられる。
【0174】
該反応に用いられる触媒としては、例えば、パラジウム炭素が挙げられる。
【0175】
該反応における、水素圧は通常1気圧から5気圧である。
【0176】
該反応における反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0177】
反応終了後は、ろ過によって触媒を除去した後、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1g)を単離することができる。
(製造法6)
本発明化合物のうち、Hetが式H5で示される環である化合物は、例えば、下記のスキームにしたがって製造することができる。
【0178】
【化25】

【0179】
〔式中、J、L、A、Z、Z、Z、R、R、D、Gおよびmは前記と同じ意味を表し、Lgは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基、または、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下行われ、該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0180】
該反応において用いられる塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert−ブトキシド等が挙げられる。化合物(17)1モルに対して、塩基は通常1モル〜10モルの割合で用いられる。
【0181】
化合物(17)1モルに対して化合物(18)は通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0182】
該反応における反応温度は、通常20℃から200℃あるいは溶媒の沸点の範囲である。
【0183】
該反応における反応時間は、通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0184】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1h)を単離することができる。
(製造法7)
本発明化合物のうち、Gが式G2で示される基である化合物は、例えば、下記のスキームにしたがって製造することができる。
【0185】
【化26】

【0186】
〔式中、J、L、A、Het、Q、D、Rおよびmは前記と同じ意味を表し、Rb1は、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基を表し、Rb2は、OH基の保護基(例えば、メチル基、メトキシメチル基、ベンジル基等)を表し、Lgは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基、または、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。〕
・(1i)→(1j’)
本発明化合物(1j’)は、本発明化合物(1i)とRb1OHとを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0187】
該反応は、通常溶媒の存在下で行われるが、Rb1OHを溶媒量用いてもよい。
【0188】
該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0189】
該反応において用いられる塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert−ブトキシド等が挙げられる。
【0190】
本発明化合物(1i)1モルに対して、Rb1OHが通常1〜10モルの割合、塩基が通常1〜10モルの割合で用いられる。
【0191】
該反応の反応温度は、通常0℃〜溶媒の沸点の範囲であり、反応時間は通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0192】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1j’)を単離することができる。
・(1l)→(1k)
本発明化合物(1k)は、化合物(1l)を脱保護することにより製造することができる。
【0193】
保護基であるRb2としては、例えば、メチル基、メトキシメチル基およびベンジル基が挙げられ、当業者に公知の方法で脱保護することができる。
・(1k)→(1j)
本発明化合物(1j)は、本発明化合物(1k)とRbLgとを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0194】
該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0195】
該反応に用いられる塩基としては、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物類、炭酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩類等、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。本発明化合物(1k)1モルに対して、塩基は通常1モル〜10モルの割合で用いられる。
【0196】
本発明化合物(1k)1モルに対して、RbLgは通常1モルの割合で用いられるが、適宜変更することができる。
【0197】
該反応の反応温度は、通常0℃〜溶媒の沸点の範囲であり、反応時間は通常0.1時間から24時間である。
【0198】
反応終了後は、反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1j)を単離することができる。
【0199】
なお、本発明化合物(1j)は本発明化合物(1j’)を包含する。
(製造法8)
本発明化合物のうち、Gが式G3で示される基である化合物の一部は、例えば、下記のスキームにしたがって製造することができる。
【0200】
【化27】

【0201】
〔式中、J、L、A、Het、Q、Dおよびmは前記と同じ意味を表し、Rc1は、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基を表す。〕
本発明化合物(1m)は、本発明化合物(1i)とRc1SHとを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0202】
該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0203】
該反応において用いられる塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert−ブトキシド等が挙げられる。
【0204】
本発明化合物(1i)1モルに対して、Rc1SHが通常1〜10モルの割合、塩基が通常1〜10モルの割合で用いられる。
【0205】
該反応の反応温度は通常0℃〜溶媒の沸点の範囲であり、反応時間は通常0.1時間から24時間である。
【0206】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1m)を単離することができる。
【0207】
この反応終了後、本発明化合物(1m)に対して、更に当業者に公知の酸化反応を行うことにより、本発明化合物(1m)における−SRc1を−S(O)z1c1(この場合、z1は1または2を表す)に変換することもできる。
(製造法9)
本発明化合物のうち、Gが式G4で示される基である化合物は、例えば、下記のスキームにしたがって製造することができる。
【0208】
【化28】

【0209】
〔式中、J、L、A、Het、Q、D、R、Rおよびmは前記と同じ意味を表し、Lgは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基、または、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。〕
・(1n)→(1o)
本発明化合物(1o)は、本発明化合物(1n)とRLgとを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0210】
該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
【0211】
該反応に用いられる塩基としては、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物類、炭酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩類等、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。本発明化合物(1n)1モルに対して、塩基は通常1モル〜2モルの割合で用いられる。
【0212】
本発明化合物(1n)1モルに対して、RdLgが通常1モルの割合で用いられるが適宜変更することができる。
【0213】
該反応の反応温度は通常0℃〜溶媒の沸点の範囲であり、反応時間は通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0214】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1o)を単離することができる。
・(1o)→(1p)
さらに、本発明化合物(1o)に対して、上記に準じる方法でRLgを反応させることにより、本発明化合物(1p)を製造することができる。
【0215】
また、RまたはRが1級または2級アルキル基である場合には、上記の方法に代えて、本発明化合物(1n)または本発明化合物(1o)と、アルデヒドまたはケトン化合物とを還元剤の存在下反応させることにより、本発明化合物(1o)または本発明化合物(1p)を製造することもできる。
【0216】
該反応に用いられる還元剤としては、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。本発明化合物(1n)または本発明化合物(1o)1モルに対して、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムは1〜5モルの割合で用いられる。
【0217】
該反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合物が挙げられる。また、必要に応じて酢酸等のカルボン酸類を加えて反応を行う。
【0218】
本発明化合物(1n)または本発明化合物(1o)1モルに対して、アルデヒドまたはケトン化合物は通常1モルの割合で用いられるが適宜変更することができる。
【0219】
該反応の反応温度は通常0℃〜溶媒の沸点の範囲であり、反応時間は通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0220】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1o)または本発明化合物(1p)を単離することができる。
(製造法10)
本発明化合物のうち、mが1である化合物は、例えば、下記のスキームにしたがって製造することができる。
【0221】
【化29】

【0222】
〔式中、J、L、A、Het、Q、DおよびGは前記と同じ意味を表す。〕
本発明化合物(1r)は、本発明化合物(1q)を酸化剤と反応させることにより製造することができる。
【0223】
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
【0224】
該反応に用いられる溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、酢酸、水及びこれらの混合物が挙げられる。
【0225】
該反応に用いられる酸化剤としては、例えば3−クロロ過安息香酸等のカルボン酸の過酸化物、過酸化水素水等が挙げられる。
【0226】
本発明化合物(1q)1モルに対して、酸化剤が通常1〜3モルの割合で用いられる。
【0227】
該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1時間から24時間の範囲である。
【0228】
反応終了後は、通常の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1r)を単離することができる。
【0229】
本発明化合物中には、例えば塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩などの酸付加塩を形成させ得る化合物も存在する。それらの酸付加塩の製造も常法に従うことができ、本発明はこれらの酸付加塩をも包含する。
【0230】
本発明化合物が効力を有する有害生物としては、例えば、有害昆虫類や有害ダニ類等の有害節足動物、線形動物及び軟体動物が挙げられる。かかる有害生物としては、具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。
【0231】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavetus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kraunhiae)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus longispinis)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、トコジラミ(Cimex lectularius)等のトコジラミ類、及びキジラミ類等。
【0232】
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Tryporyza incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Pediasia teterrellus)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon),タマナギンウワバ(Plusia nigrisigna),トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella),アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai.)、チャハマキ(Homona magnanima)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella)のホソガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、及びイガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類等。
【0233】
アザミウマ目害虫:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips parmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)などのアザミウマ類等。
【0234】
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)等のイエカ類、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)等のエーデス属、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)等のアノフェレス属、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ類、タネバエ(Delia platura)、タマネギバエ(Delia antiqua)等のハナバエ類、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola)、トマトハモグリバエ、(Liriomyza sativae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)等のハモグリバエ類、イネキモグリバエ(Chlorops oryzae)等のキモグリバエ類、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)等のミバエ類、ショウジョウバエ類、オオキモンノミバエ(Megaselia spiracularis)等のノミバエ類、オオチョウバエ(Clogmia albipunctata)等のチョウバエ類、ブユ類、ウシアブ(Tabanus trigonus)等のアブ類、及びサシバエ類等。
【0235】
鞘翅目害虫:ウエスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera virgifera)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata howardi)等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、マメコガネ(Popillia japonica)等のコガネムシ類、メイズウィービル(Sitophilus zeamais)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、アズキゾウムシ(Callosobruchuys chienensis)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus)等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)等のハムシ類、ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、ハラジロカツオブシムシ(Dermestes maculates)等のカツオブシムシ類、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)等のシバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)等のエピラクナ類、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)等のキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、ヒョウホンムシ類、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)等のカミキリムシ類、コメツキムシ類(Agriotes spp.)、及びアオバアリガタハネカクシ(Paederus fuscipes)等。
【0236】
直翅目害虫:トノサマバッタ(Locusta migratoria)、ケラ(Gryllotalpa africana)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ハネナガイナゴ(Oxya japonica)、及びコオロギ類等。
【0237】
隠翅目害虫:ネコノミ(Ctenocephalides felis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ヒトノミ(Pulex irritans)、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)等。
【0238】
シラミ目害虫:コロモジラミ(Pediculus humanus corporis)、ケジラミ (Phthirus pubis)、ウシジラミ(Haematopinus eurysternus)、ヒツジジラミ(Dalmalinia ovis)、ブタジラミ(Haematopinus suis)等。
【0239】
膜翅目害虫: イエヒメアリ(Monomorium pharaosis)、クロヤマアリ(Formica fusca japonica)、ルリアリ(Ochetellus glaber)、アミメアリ(Pristomyrmex pungens)、オオズアリ(Pheidole noda)、ハキリアリ(Acromyrmex spp.)、ファイヤーアント(Solenopsis spp.)等のアリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ(Athalia rosae)、ニホンカブラバチ(Athalia japonica)等のハバチ類等。
【0240】
ゴキブリ目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等。
【0241】
シロアリ目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、アメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor)、ダイコクシロアリ(Cryptotermes domesticus)、タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)、コウシュンシロアリ(Neotermes koshunensis)、サツマシロアリ(Glyptotermes satsumensis)、ナカジマシロアリ(Glyptotermes nakajimai)、カタンシロアリ(Glyptotermes fuscus)、コダマシロアリ(Glyptotermes kodamai)、クシモトシロアリ(Glyptotermes kushimensis)、オオシロアリ(Hodotermopsis japonica)、コウシュウイエシロアリ(Coptotermes guangzhoensis)、アマミシロアリ(Reticulitermes miyatakei)、キアシシロアリ(Reticulitermes flaviceps amamianus)、カンモンシロアリ(Reticulitermes sp.)、タカサゴシロアリ(Nasutitermes takasagoensis)、ニトベシロアリ(Pericapritermes nitobei)、ムシャシロアリ(Sinocapritermes mushae)、Reticuliterumes flavipes、Reticulitermes hesperus、Reticulitermes virginicus、Reticulitermes tibialis、Heterotermes aureus、Zootermopsis nevadensis等。
【0242】
ダニ目害虫:ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、オリゴニカス属等のハダニ類、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、リュウキュウミカンサビダニ(Phyllocoptruta citri)、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)、チャノナガサビダニ(Acaphylla theavagrans)、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)等のフシダニ類、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)等のホコリダニ類、ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)等のヒメハダニ類、ケナガハダニ類、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、ヤマトチマダニ(Haemaphysalis flava)、タイワンカクマダニ(Dermacentor taiwanicus)、ヤマトマダニ(Ixodes ovatus)、シュルツマダニ(Ixodes persulcatus)、ブラックレッグドチック(Ixodes scapularis)、オウシマダニ(Boophilus microplus)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)等のマダニ類、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ホウレンソウケナガコナダニ(Tyrophagus similis)等のコナダニ類、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides ptrenyssnus)等のヒョウヒダニ類、ホソツメダニ(Cheyletus eruditus)、クワガタツメダニ(Cheyletus malaccensis)、ミナミツメダニ(Cheyletus moorei)等のツメダニ類、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)、トリサシダニ(Ornithonyssus sylvairum)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)等のワクモ類、アオツツガムシ(Leptotrombidium akamushi)等のツツガムシ類、及びカバキコマチグモ(Chiracanthium japonicum)、セアカゴケグモ(Latrodectus hasseltii)等のクモ類等。
【0243】
唇脚綱類:ゲジ(Thereuonema hilgendorfi)、トビズムカデ(Scolopendra subspinipes)等。
【0244】
倍脚綱類:ヤケヤスデ(Oxidus gracilis)、アカヤスデ(Nedyopus tambanus)等。
【0245】
等脚目類:オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)等。
【0246】
腹足綱類:チャコウラナメクジ(Limax marginatus)、キイロコウラナメクジ(Limax flavus)等。
【0247】
線虫類:イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、イチゴメセンチュウ(Nothotylenchus acris)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、ジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、ムギネグサレセンチュウ(Pratylenchus neglectus)等。
【0248】
本発明の有害生物防除剤は、本発明化合物と不活性担体とを含有する。本発明の有害生物防除剤は、通常、本発明化合物と固体担体、液体担体、ガス状担体等の不活性担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加して、乳剤、油剤、粉剤、粒剤、水和剤、フロアブル剤、マイクロカプセル剤、エアゾール剤、燻煙剤、毒餌剤、樹脂製剤等に製剤化されている。
【0249】
本発明の有害生物防除剤は、本発明化合物を通常0.01〜95重量%含有する。
【0250】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末及び粒状物等があげられる。
【0251】
液体担体としては、例えば水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノキシエタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、炭酸プロピレン及び植物油(大豆油、綿実油等)が挙げられる。
【0252】
ガス状担体としては、例えばフルオロカーボン、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテル及び炭酸ガスが挙げられる。
【0253】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、等の非イオン界面活性剤、及びアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等の陰イオン界面活性剤が挙げられる。
【0254】
その他の製剤用補助剤としては、固着剤、分散剤、着色剤及び安定剤等、具体的には例えばカゼイン、ゼラチン、糖類(でんぷん、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)が挙げられる。
【0255】
本発明の有害生物防除方法は、本発明化合物の有効量を有害生物に直接、及び/又は、有害生物の生息場所(植物体、土壌、家屋内、動物体等)に施用することにより行われる。本発明の有害生物防除方法には、本発明化合物が通常本発明の有害生物防除剤の形態で用いられる。
【0256】
本発明の有害生物防除剤を農業分野の有害生物防除に用いる場合、その施用量は10000m2あたりの本発明化合物量で1〜10000gである。本発明の有害生物防除剤が乳剤、水和剤、フロアブル剤等に製剤化されている場合は、通常、本発明化合物の濃度が0.01〜10000ppmとなるように水で希釈して施用し、粒剤、粉剤等は、通常、そのまま施用する。
【0257】
これらの製剤や製剤の水希釈液は、有害生物または有害生物から保護すべき作物等の植物に直接散布処理してもよく、また耕作地の土壌に生息する有害生物を防除するために、該土壌に処理してもよい。
【0258】
また、シート状やひも状に加工した樹脂製剤を作物に巻き付ける、作物近傍に張り渡す、株元土壌に敷く等の方法により処理することもできる。
【0259】
本発明の有害生物防除剤を家屋内に生息する有害生物の防除に用いる場合、その施用量は、面上に処理する場合は処理面積1m2あたりの本発明化合物量で、通常、0.01〜1000mgであり、空間に処理する場合は処理空間1m3あたりの本発明化合物量で、通常、0.01〜500mgである。本発明の有害生物防除剤が乳剤、水和剤、フロアブル剤等に製剤化されている場合は、通常本発明化合物の濃度が0.1〜1000ppmとなるように水で希釈して施用し、油剤、エアゾール剤、燻煙剤、毒餌剤等はそのまま施用する。
【0260】
本発明の有害生物防除剤は、下記「作物」が栽培されている農地で使用することができる。
【0261】
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等。
【0262】
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等。
【0263】
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等。
【0264】
果樹以外の樹木:チャ、クワ、花木類(サツキ、ツバキ、アジサイ、サザンカ、シキミ、サクラ、ユリノキ、サルスベリ、キンモクセイ等)、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ、ニレ、トチノキ等)、サンゴジュ、イヌマキ、スギ、ヒノキ、クロトン、マサキ、カナメモチ、等。
【0265】
芝生:シバ類(ノシバ、コウライシバ等)、バミューダグラス類(ギョウギシバ等)、ベントグラス類(コヌカグサ、ハイコヌカグサ、イトコヌカグサ等)、ブルーグラス類(ナガハグサ、オオスズメノカタビラ等)、フェスク類(オニウシノケグサ、イトウシノケグサ、ハイウシノケグサ等)、ライグラス類(ネズミムギ、 ホソムギ等)、カモガヤ、オオアワガエリ等。
【0266】
その他:花卉類(バラ、カーネーション、キク、トルコギキョウ、カスミソウ、ガーベラ、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、バーベナ、チューリップ、アスター、リンドウ、ユリ、パンジー、シクラメン、ラン、スズラン、ラベンダー、ストック、ハボタン、プリムラ、ポインセチア、グラジオラス、カトレア、デージー、シンビジューム、ベゴニア等)、バイオ燃料植物(ヤトロファ、クルカス、ベニバナ、アマナズナ類、スイッチグラス、ミスカンサス、クサヨシ、ダンチク、ケナフ、キャッサバ、ヤナギ、藻類等)、観葉植物等。
【0267】
「作物」には、遺伝子組換え作物も含まれる。
【0268】
本発明の有害生物防除剤は、他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、植物成長調節剤、除草剤及び共力剤と混用又は併用することができる。かかる殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、除草剤及び共力剤の有効成分の例を以下に示す。
【0269】
殺虫剤の有効成分
(1)カーバメート系化合物
アラニカルブ(Alanycarb)、アルジカルブ(Aldicarb)、ベンダイオカルブ(Bendiocarb)、ベンフラカルブ(Benfuracarb)、ブトカルボキシム(Butocarboxim)、ブトキシカルボキシム(Butoxycarboxim)、カルバリル(Carbaryl=NAC)、カルボフラン(Carbofuran)、カルボスルファン(Carbosulfan)、クロエトカルブ(Cloethocarb)、エチオフェンカルブ(Ethiofencarb)、フェノブカルブ(Fenobucarb=BPMC)、フェノチオカルブ(Fenothiocarb)、フォルメタネート(Formetanate)、フラチオカルブ(Furathiocarb)、イソプロカルブ(Isoprocarb=MIPC)、メチオカルブ(Methiocarb)、メソミル(Methomyl)、メトルカルブ(Metolcarb)、オキサミル(Oxamyl)、ピリミカーブ(Pirimicarb)、プロポキスル(Propoxur:PHC)、チオジカルブ(Thiodicarb)、チオファノクス(Thiofanox)、トリアザメート(Triazamate)、トリメサカルブ(Trimethacarb)、XMC、及びキシリルカルブ(Xylylcarb)。
(2)有機リン系化合物
アセフェート(Acephate)、アザメチホス(Azamethiphos)、アジンホスエチル(Azinphos−ethyl)、アジンホスメチル(Azinphos−methyl)、カズサホス(Cadusafos)、クロルエトキシホス(Chlorethoxyfos)、クロルフェンビンホス(Ch1orfenvinphos)、クロルメフォス(Chlormephos)、クロルピリホス(Chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(Chlorpyrifos−methyl)、クマフォス(Coumaphos)、シアノホス(Cyanophos=CYAP)、デメトン−S−メチル(Demeton−S−methyl)、ダイアジノン(Diazinon)、ジクロルボス(Dichlorvos=DDVP)、ジクロトホス(Dicrotophos)、ジメトエート(Dimethoate)、ジメチルビンホス(Dimethylvinphos)、ジスルホトン(Disulfoton)、EPN、エチオン(Ethion)、エトプロホス(Ethoprophos)、エトリムホス(Etrimfos)、ファムファー(Famphur)、フェナミホス(Fenamiphos)、フエニトロチオン(Fenitrothion=MEP)、フェンチオン(Fenthion=MPP)、ホスチアゼート(Fosthiazate)、ヘプテノホス(Heptenophos)、イミサイホス(Imicyfos)、イソフェンホス(Isofenphos)、Isopropyl O−(methoxyaminothio−phosphoryl)salicylate、イソキサチオン(Isoxathion)、マラチオン(Malathion)、メカルバム(Mecarbam)、メスルフェンホス(Mesulfenfos)、メタミドホス(Methamidophos)、メチダチオン(Methidathion=DMTP)、メビンホス(Mevinphos)、モノクロトホス(Monocrotophos)、ナレッド(Naled:BRP)、オメトエート(Omethoate)、オキシデメトンメチル(Oxydemeton−methyl)、パラチオン(Parathion)、メチルパラチオン(Parathion−methyl)、フェントエート(Phenthoate=PAP)、フォレート(Phorate)、ホサロン(Phosalone)、ホスメット(Phosmet=PMP)、フォスファミドン(Phosphamidon)、ホキシム(Phoxim)、ピリミホスメチル(Pirimiphos−methy1)、プロフェノホス(Profenofos)、プロペタムホス(Propetamphos)、プロチオホス(Prothiofos)、ピラクロホス(Pyraclorfos)、ピリダフェンチオン(Pyridafenthion)、キナルホス(Quinalphos)、スルフォテップ(Sulfotep)、テブピリムホス(Tebupirimfos)、テメホス(Temephos)、テルブホス(Terbufos)、テトラクロルビンホス(Tetrach1orvinphos)、チオメトン(Thiometon)、トリアゾホス(Triazophos)、トリクロルホン(Trichlorphon=DEP)、バミドチオン(Vamidothion)、リン化アルミニウム(Aluminium phosphide)、ブタチオホス(Butathiofos)、DCIP(Dichlorodiisopropyl ether)、ジクロフェンチオン(Dichlofenthion=ECP)、ホルモチオン(Formothion)、リン化水素(Hydrogen phosphide)、オキシデプロホス(Oxydeprofos=ESP)、プロパホス(Propaphos)、サリチオン(Salithion)、及びスルプロホス(Sulprofos)。
(3)ピレスロイド化合物
アクリナトリン(Acrinathrin)、アレスリン(Allethrin)、ベンフルスリン(Benfluthrin)、ベータ−シフルトリン(Beta−Cyfluthrin)、ビフェントリン(Bifenthrin)、シクロプロトリン(Cycloprothrin)、シフルトリン(Cyfluthrin)、シハロトリン(Cyhalothrin)、シペルメトリン(Cypermethrin)、デルタメトリン(Deltamethrin)、エスフェンバレレート(Esfenvalerate)、エトフェンプロックス(Ethofenprox)、フェンプロパトリン(Fenpropathrin)、フェンバレレート(Fenvalerate)、フルシトリネート(Flucythrinate)、フルフェンプロックス(Flufenoprox)、フルメスリン(Flumethrin)、フルバリネート(Fluvalinate)、ハルフェンプロックス(Halfenprox)、イミプロトリン(Imiprothrin)、ペルメトリン(Permethrin)、プラレトリン(Prallethrin)、ピレトリン(Pyrethrins)、レスメトリン(Resmethrin)、シグマ−サイパーメスリン(sigma−Cypermethrin)、シラフルオフェン(Silafluofen)、テフルトリン(Tefluthrin)、トラロメトリン(Tralomethrin)、トランスフルトリン(Transfluthrin)、テトラメトリン(Tetramethrin)、フェノトリン(Phenothrin)、シフェノトリン(Cyphenothrin)、アルファシペルメトリン(alpha−Cypermethrin)、ゼータシペルメトリン(zeta−Cypermethrin)、ラムダシハロトリン(lambda−Cyhalothrin)、ガンマシハロトリン(gamma−Cyhalothrin)、フラメトリン(Furamethrin)、タウフルバリネート(tau−Fluvalinate)、メトフルトリン(Metofluthrin)、プロフルトリン(Profluthrin)、ジメフルトリン(Dimefluthrin)、プロトリフェンビュート(Protrifenbute)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル (EZ)−(1RS,3RS;1RS,3SR)−2,2−ジメチル−3−プロプ−1−エニルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (EZ)−(1RS,3RS;1RS,3SR)−2,2−ジメチル−3−プロプ−1−エニルシクロプロパンカルボキシレート、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル (1RS,3RS;1RS,3SR)−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート等。
(4)ネライストキシン化合物
カルタップ(Cartap)、ベンスルタップ(Bensu1tap)、チオシクラム(Thiocyclam)、チオスルタップ(Thisultap)、モノスルタップ(Monosultap)、及びビスルタップ(Bisultap)。
(5)ネオニコチノイド化合物
イミダクロプリド(Imidac1oprid)、ニテンピラム(Nitenpyram)、アセタミプリド(Acetamiprid)、チアメトキサム(Thiamethoxam)、チアクロプリド(Thiacloprid)、ジノテフラン(Dinotefuran)、及びクロチアニジン(Clothianidin)。
(6)ベンゾイル尿素化合物
ビストリフルロン(Bistrifluron)、クロルフルアズロン(Chlorfluazuron)、ジフルベンズロン(Diflubenzuron)、フルシクロクスロン(Flucycloxuron)、フルフェノクスロン(Flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(Hexaflumuron)、ルフェヌロン(Lufenuron)、ノバルロン(Novaluron)、ノビフルムロン(Noviflumuron)、テフルベンズロン(Teflubenzuron)、トリフルムロン(Triflumuron)、及びフルアズロン(fluazuron)。
(7)フェニルピラゾール化合物
アセトプロール(Acetoprole)、エチプロール(Ethiprole)、フィプロニル(Fiproni1)、バニリプロール(Vaniliprole)、ピリプロール(Pyriprole)、及びピラフルプロール(Pyrafluprole)。
(8)Btトキシン殺虫剤
バチルス・チューリンゲンシス菌由来の生芽胞および産生結晶毒素、並びにそれらの混合物。
(9)ヒドラジン化合物
クロマフェノジド(Chromafenozide)、ハロフェノジド(Halofenozide)、メトキシフェノジド(Methoxyfenozide)、及びテブフェノジド(Tebufenozide)。
(10)有機塩素化合物
アルドリン(Aldrin)、ディルドリン(Dieldrin)、ジエノクロル(Dienochlor)、エンドスルファン(Endosulfan)、メトキシクロル(Methoxychlor)、クロルデン(Chlordane)、及びDDT。
(11)その他の殺虫剤有効成分
マシン油(Machine oil)、硫酸ニコチン(Nicotine−sulfate)、ニコチン(Nicotine)、アバメクチン(Abamectin)、エマメクチン安息香酸塩(Emamectin−benzoate)、ミルベメクチン(Milbemectin)、レピメクチン(Lepimectin)、スピノサッド(Spinosad)、スピネトラム(Spinetoram)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、メタフルミゾン(Metaflumizone)、ブプロフェジン(Buprofezin)、シロマジン(Cyromazine)、ハイドロプレン(Hydroprene)、メトプレン(Methoprene)、キノプレン(Kinoprene)、ピリプロキシフェン(Pyriproxyfen)、フェノキシカルブ(Fenoxycarb)、クロルフェナピル(Chlorphenapyr)、DNOC、ジアフェンチウロン(Diafenthiuron)、ピメトロジン(Pymetrozine)、フロニカミド(Flonicamid)、ピリフルキナゾン(Pyrifluquinazone)、ピリダリル(Pyridalyl)、トルフェンピラド(Tolfenpyrad)、フルリムフェン(Flurimfen)、フルフェネリム(Flufenerim)、スピロテトラマット(Spirotetramat)、スピロメシフェン(Spiromesifen)、スルフォキサフロール(sulfoxaflor)、クロラントラニリプロール(Chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(Cyantraniliprole)、フルベンジアミド(Flubendiamide)、
下記式(K):
【0270】
【化30】

【0271】
〔式中、
100は塩素原子、臭素原子またはトリフルオロメチル基を表し、
200は塩素原子、臭素原子またはメチル基を表し、
300は塩素原子、臭素原子またはシアノ基を表す。〕
で示される化合物、
下記式(L):
【0272】
【化31】

【0273】
〔式中、
1000は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。〕
で示される化合物、メトキサジアゾン(Metoxadiazone)、スルフラミド(Sulfluramid)、亜ヒ酸(Arsenic acid)、ベンクロチアズ(Benclothiaz)、石灰窒素(Calcium cyanamide)、石灰硫黄合剤(Calcium polysulfide)、メタム・アンモニウム(Metam−ammonium)、メタム・ナトリウム(Metam−sodium)、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、硫黄(Sulfur)、及びトラロピリル(Tralopyril)。
【0274】
殺ダニ剤の有効成分
アセキノシル(Acequinocyl)、アミトラズ(Amitraz)、ベンゾキシメート(Benzoximate)、ビフェナゼート(Bifenaate)、ブロモプロピレート(Bromopropylate)、キノメチオネート(Chinomethionat)、クロルベンジレート(Chlorobenzilate)、CPCBS(Chlorfenson)、クロフェンテジン(Clofentezine)、シフルメトフェン(Cyflumetofen)、ジコホル(Dicofol)、エトキサゾール(Etoxazole)、フェナザキン(Fenazaquin)、酸化フェンブタスズ(Fenbutatin oxide)、フェノチオカルブ(Fenothiocarb)、フェンピロキシメート(Fenpyroximate)、フルアクリピリム(Fluacrypyrim)、ヘキシチアゾクス(Hexythiazox)、プロパルギット(Propargite=BPPS)、ポリナクチン複合体(Polynactins)、ピリダベン(Pyridaben)、ピリミジフェン(Pyrimidifen)、テブフェンピラド(Tebufenpyrad)、テトラジホン(Tetradifon)、スピロジクロフェン(Spirodiclofen)、アミドフルメット(Amidoflumet)、及びシエノピラフェン(cyenopyrafen)。
【0275】
殺線虫剤の有効成分
臭化メチル(Methyl bromide)、D−D(1,3−Dichloropropene)、DCIP、フォスチアゼート(Fosthiazate)、塩酸レバミゾール(Levamisol)、メチルイソチオシアネート(Methyisothiocyanate)、酒石酸モランテル(Morantel tartarate)、及びイミシアホス(Imicyafos)。
【0276】
殺菌剤の有効成分
アザコナゾール(Azaconazole)、ビテルタノール(Bitertanol)、ブロムコナゾール(Bromuconazole)、シプロコナゾール(Cyproconazole)、ジフェノコナゾール(Difenoconazole)、ジニコナゾールM(Diniconazole−M)、エポキシコナゾール(Epoxiconazole)、フェナリモル(Fenarimol)フェンブコナゾール(Fenbuconazole)、フルシラゾール(Flusilazole)、フルキンコナゾール(Fluquinconazole)、フルトリアホール(Flutriafol)、ヘキサコナゾール(Hexaconazole)、イマザリル(Imazalil)、イミベンコナゾール(Imibenconazole)、イプコナゾール(Ipconazole)、メトコナゾール(Metconazole)、ミクロブタニル(Myclobutanil)、ヌアリモル(Nuarimol)、オキスポコナゾール(Oxpoconazole)、ペフラゾエート(Pefurazoate)、ペンコナゾール(Penconazole)、プロクロラズ(Prochloraz)、プロピコナゾール(Propiconazole)、プロチオコナゾール(Prothioconazole)、ピリフェノクス(Pyrifenox)、シメコナゾール(Simeconazole)、テブコナゾール(Tebuconazole)、テトラコナゾール(Tetraconazole)、トリアジメホン(Triadimefon)、トリアジメノール(Triadimenol)、トリフルミゾール(Triflumizole)、トリホリン(Trifolin)、トリティコナゾール(Triticonazole)、アルジモルフ(Aldimorph)、ドデモルフ(Dodemorph)、フェンプロピモルフ(Fenpropimorph)、トリデモルフ(Tridemorph)、フェンプロピジン(Fenpropidin)、ピペラリン(Piperalin)、スピロキサミン(Spiroxamine)、フェンヘキサミド(Fenhexamide)、ピリブチカルブ(Pyributicarb)、ナフチフィン(Naphtifine)、テルビナフィン(Terbinafine)等のステロール生合成阻害化合物;
ベノミル(Benomyl)、カルベンダジム(Carbendezim)、フベリダゾール(Fuberidazole)、チアベンダゾール(Thiabendazole)、チオファネート(Thiphanate)、チオファネートメチル(thiophanate−methyl)、ジエトフェンカルブ(Diethofencarb)、ゾキサミド(Zoxamide)ペンシクロン(Pencycuron)、フルオピコリド(Fluopicolide)等の細胞分裂阻害殺菌化合物;
クロゾリネート(Chlozolinate)、イプロジオン(Iprodione)、プロシミドン(Procymidone)、ビンクロゾリン(Vinclozolin)、キノキシフェン(Quinoxyfen)、プロキナジド(Proquinazid)、フェンピクロニル(Fenpiclonil)、フルジオキソニル(Fludioxonil)等のシグナル伝達系阻害殺菌化合物;
シプロジニル(cyprodinil)、ピリメタニル(pyrimethanil)、メパニピリム(Mepanipyrim)等のアミノ酸生合成阻害殺菌化合物;
メタラキシル(Metalaxyl)、ベナラキシル(Benalaxyl)、オキソリニック酸(Oxolinic acid)等の核酸生合成阻害殺菌化合物;
イソプロチオラン(Isoprothiolane)、イプロベンホス(Iprobenfos)、トルクロホスメチル(Tolclofos−methyl)、プロチオカルブ(Prothiocarb)、ジメトモルフ(Dimethomorph)、ベンチアバリカルブイソプロピル(Benthiavalicarb−isopropyl)、イプロバリカルブ(Iprovalicarb)、マンジプロパミド(Mandipropamid)等の脂質・膜合成阻害殺菌化合物;
ジクロシメット(Diclocymet)、カルプロパミド(Carpropamid)、フェノキサニル(Fenoxanil)、フサライド(Fthalide)、トリシクラゾール(Tricyclazole)、ピロキロン(Pyroquilon)等のメラニン生合成阻害殺菌化合物;
アゾキシストロビン(Azoxystrobin)、ジモキシストロビン(Dimoxystrobin)、エネストロビン(Enestrobin)、フルオキサストロビン(Fluoxastrobin)、クレソキシムメチル(Kresoxim−methyl)、メトミノストロビン(Metominostrobin)、オリサストロビン(Orysastrobin)、ピコキシストロビン(Picoxystrobin)、ピラクロストロビン(Pyraclostrobin)、ピリベンカルブ(Pyribencarb)トリフロキシストロビン(Trifloxystrobin)等のストロビルリン殺菌化合物;
カルボキシン(Carboxin)、オキシカルボキシン(Oxycarboxin)、メプロニル(Mepronil)、フルトラニル(Flutoranil)、フラメトピル(Furametopyr)、チフルザミド(Thifluzamide)、ボスカリド(Boscalid)、ペンチオピラド(Penthiopyrad)、フルオピラム(Fluopyram)、ビキサフェン(Bixafen)、イソピラザム(Isopyrazam)、ペンフルフェン(Penflufen)、セダキサン(Sedaxan)、フルキサピロキサド(Fluxapyroxad)等のアニリド系殺菌化合物;
アシベンゾラールSメチル(Acibenzolar−S−methyl)、プロベナゾール(Probenazole)、チアジニル(Tiadinil)、イソチアニル(Isotianil)等の抵抗性誘導化合物;
バリダマイシンA(Validamycin A)、ポリオキシンB(Polyoxin B)等のグルカン合成阻害殺菌化合物;
ブラストサイジンS(Blastcidin−S)、カスガマイシン(Kasugamycin)、ストレプトマイシン(Streptomycin)等のタンパク質生合成阻害殺菌化合物;
チウラム(Thiuram)、マンコゼブ(Mancozeb)、クロロタロニル(Chlorothalonil)、キャプタン(Captan)、ジクロフルアニド(Dichlofluanid)、フォルペット(Folpet)、イミノクタジン(Iminoctadine)、ジラム(Ziram)等のマルチサイト接触活性の殺菌化合物;
アミスルブロム(Amisulbrom);シアゾファミド(Cyazofamid);フェリムゾン(Ferimzone);フルアジナム(Fluazinam);ビナパクリル(Binapacryl);ジノカップ(Dinocap);ファモキサドン(Famoxadone);フェナミドン(Fenamidone);エタボキサム(Ethaboxam);メトラフェノン(Metrafenone);シフルフェナミド(Cyflufenamid)等。
【0277】
除草剤の有効成分
(1)フェノキシ脂肪酸除草性化合物
2,4−PA、MCP、MCPB、フェノチオール(Phenothio1)、メコプロップ(Mecoprop)、フルロキシピル(Fluroxypyr)、トリクロピル(Triclopyr)、クロメプロップ(Clomeprop)、及びナプロアニリド(Naproanilide)。
(2)安息香酸除草性化合物
2,3,6−TBA、ジカンバ(Dicamba)、クロピラリド(Clopyralid)、ピクロラム(Picloram)、アミノピラリド(Aminopyralid)、キンクロラック(Quinclorac)、及びキンメラック(Quinmerac)。
(3)尿素除草性化合物
ジウロン(Diuron)、リニュロン(Linuron)、クロルトルロン(Chlortoluron)、イソプロツロン(Isoproturon)、フルオメツロン(Fluometuron)、イソウロン(Isouron)、テブチウロン(Tebuthiuron)、メタベンズチアズロン(Methabenzthiazuron)、クミルロン(Cumy1uron)、ダイムロン(Daimuron)、及びメチルダイムロン(Methyl−daimuron)。
(4)トリアジン除草性化合物
アトラジン(Atrazine)、アメトリン(Ametoryn)、シアナジン(Cyanazine)、シマジン(Simazine)、プロパジン(Propazine)、シメトリン(Simetryn)、ジメタメトリン(Dimethametryn)、プロメトリン(Prometryn)、メトリブジン(Metribuzin)、トリアジフラム(Triaziflam)、及びインダジフラム(Indaziflam)。
(5)ビピリジニウム除草性化合物
パラコート(Paraquat)、及びジクワット(Diquat)。
(6)ヒドロキシベンゾニトリル除草性化合物
ブロモキシニル(Bromoxynil)、及びアイオキシニル(Ioxynil)。
(7)ジニトロアニリン除草性化合物
ペンディメタリン(Pendimethalin)、プロジアミン(Prodiamine)、及びトリフルラリン(Trifluralin)。
(8)有機リン除草性化合物
アミプロホスメチル(Amiprofos−methyl)、ブタミホス(Butamifos)、ベンスリド(Bensu1ide)、ピペロホス(Piperophos)、アニロホス(Anilofos)、グリホサート(Glyphosate)、グルホシネート(Glufosinate)、グルホシネート−P(Glufosinate−P)、及びビアラホス(Bialaphos)。
(9)カーバメート除草性化合物
ジアレート(Di−allate)、トリアレート(Tri−allate)、EPTC、ブチレート(Butylate)、ベンチオカーブ(Benthiocarb)、エスプロカルブ(Esprocarb)、モリネート(Molinate)、ジメピペレート(Dimepiperate)、スエップ(Swep)、クロルプロファム(Chlorpropham)、フェンメディファム(Phenmedipham)、フェニソファム(Phenisopham)、ピリブチカルブ(Pyributicarb)、及びアシュラム(Asulam)。
(10)酸アミド除草性化合物
プロパニル(Propanil)、プロピザミド(Propyzamide)、ブロモブチド(Bromobutide)、及びエトベンザニド(Etobenzanid)。
(11)クロロアセトアニリド除草性化合物
アセトクロール(Acetochlor)、アラクロール(Alachlor)、ブタクロール(Butachlor)、ジメテナミド(Dimethenamid)、プロパクロール(Propachlor)、メタザクロール(Metazachlor)、メトラクロール(Metolachlor)、プレチラクロール(Pretilachlor)、テニルクロール(Theny1ch1or)、及びペトキサミド(Pethoxamid)。
(12)ジフェニルエーテル除草性化合物
アシフルオルフェン(Acifluorfen−sodium)、ビフェノックス(Bifenox)、オキシフルオルフェン(Oxyfluorfen)、ラクトフェン(Lactofen)、フォメサフェン(Fomesafen)、クロメトキシニル(Chlomethoxyni1)、及びアクロニフェン(Aclonifen)。
(13)環状イミド除草性化合物
オキサジアゾン(Oxadiazon)、シニドンエチル(Cinidon−ethyl)、カルフェントラゾンエチル(Carfentrazone−ethyl)、スルフェントラゾン(Surfentrazone)、フルミクロラックペンチル(Flumiclorac−pentyl)、フルミオキサジン(Flumioxazin)、ピラフルフェンエチル(Pyraflufen−ethyl)、オキサジアルギル(Oxadiargy1)、ペントキサゾン(Pentoxazone)、フルチアセットメチル(Fluthiacet−methyl)、ブタフェナシル(Butafenacil)、ベンズフェンジゾン(Benzfendizone)、ベンカルバゾン(Bencarbazone)、及びサフルフェナシル(Saflufenacil)。
(14)ピラゾール除草性化合物
ベンゾフェナップ(Benzofenap)、ピラゾレート(Pyrazo1ate)、ピラゾキシフェン(Pyrazoxyfen)、トプラメゾン(Topramezone)、及びピラスルホトール(Pyrasulfotole)。
(15)トリケトン除草性化合物
イソキサフルトール(Isoxaflutole)、ベンゾビシクロン(Benzobicyclon)、スルコトリオン(Sulcotrione)、メソトリオン(Mesotrione)、テンボトリオン(Tembotrione)、及びテフリルトリオン(Tefuryltrione)。
(16)アリールオキシフェノキシプロピオン酸除草性化合物
クロジナホッププロパルギル(Clodinafop−propargyl)、シハロホップブチル(Cyhalofop−butyl)、ジクロホップメチル(Diclofop−methyl)、フェノキサプロップエチル(Fenoxaprop−ethyl)、フルアジホップブチル(Fluazifop−butyl)、ハロキシホップメチル(Haloxyfop−methyl)、キザロホップエチル(Quizalofop−ethyl)、及びメタミホップ(Metamifop)。
(17)トリオンオキシム除草性化合物
アロキシジム(Alloxydim−sodium)、セトキシジム(Sethoxydim)、ブトロキシジム(Butroxydim)、クレソジム(Clethodim)、クロプロキシジム(Cloproxydim)、シクロキシジム(Cycloxydim)、テプラロキシジム(Tepraloxydim)、トラルコキシジム(Tralkoxydim)、及びプロフォキシジム(Profoxydim)。
(18)スルホニル尿素除草性化合物
クロルスルフロン(Chlorsulfuron)、スルホメツロンメチル(Sulfometuron−methyl)、メトスルフロンメチル(Metsu1furon−methy1)、クロリムロンエチル(Chlorimuron−ethyl)、トリベニュロンメチル(Tribenuron−methyl)、トリアスルフロン(Triasulfuron)、ベンスルフロンメチル(Bensulfuron−methy1)、チフェンスルフロンメチル(Thifensulfuron−methyl)、ピラゾスルフロンエチル(Pyrazosulfuron−ethy1)、プリミスルフロンメチル(Primisulfuron−methyl)、ニコスルフロン(Nicosulfuron)、アミドスルフロン(Amidosulfuron)、シノスルフロン(Cinosulfuron)、イマゾスルフロン(Imazosulfuron)、リムスルフロン(Rimsulfuron)、ハロスルフロンメチル(Ha1osulfuron−methy1)、プロスルフロン(Prosulfuron)、エタメトスルフロンメチル(Ethametsulfuron−methyl)、トリフルスルフロンメチル(Triflusulfuron−methyl)、フラザスルフロン(Flazasulfuron)、シクロスルファムロン(Cyc1osulfamuron)、フルピルスルフロン(Flupyrsulfuron)、スルホスルフロン(Sulfosu1furon)、アジムスルフロン(Azimsulfuron)、エトキシスルフロン(Ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(Oxasulfuron)、ヨードスルフロンメチルナトリウム(Iodosulfuron−methyl−sodium)、フォラムスルフロン(Foramsulfuron)、メソスルフロンメチル(Mesosulfuron−methyl)、トリフロキシスルフロン(Trifloxysulfuron)、トリトスルフロン(Tritosulfuron)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron),フルセトスルフロン(Flucetosulfuron)、及びプロピリスルフロン(Propyrisulfuron)。
(19)イミダゾリノン除草性化合物
イマザメタベンズメチル(Imazamethabenz−methyl)、イマザメタピル(Imazamethapyr)、イマザモックス(Imazamox)、イマザピル(Imazapyr)、イマザキン(Imazaquin)、イマゼタピル(Imazethapyr)等。
(20)スルホンアミド除草性化合物
フルメトスラム(Flumetsulam)、メトスラム(Metosulam)、ジクロスラム(Diclosulam)、フロラスラム(Florasulam)、クロランスラムメチル(Cloransulam−methyl)、ペノキススラム(Penoxsulam)、及びピロキススラム(Pyroxsulam)。
(21)ピリミジニルオキシ安息香酸除草性化合物
ピリチオバックナトリウム(Pyrithiobac−sodium)、ビスピリバックナトリウム(Bispyribac−sodium)、ピリミノバックメチル(Pyriminobac−methy1)、ピリベンゾキシム(Pyribenzoxim)、ピリフタリド(Pyriftalid)、及びピリミスルファン(Pyrimisulfan)。
(22)その他の除草性化合物
ベンタゾン(Bentazon)、ブロマシル(Bromacil)、ターバシル(Terbacil)、クロルチアミド(Chlorthiamid)、イソキサベン(Isoxaben)、ジノセブ(Dinoseb)、アミトロール(Amitrole)、シンメチリン(Cinmethylin)、トリジファン(Tridiphane)、ダラポン(Da1apon)、ジフルフェンゾピルナトリウム(Diflufenzopyr−sodium)、ジチオピル(Dithiopyr)、チアゾピル(Thiazopyr)、フルカルバゾンナトリウム(Flucarbazone−sodium)、プロポキシカルバゾンナトリウム(Propoxycarbazone−sodium)、メフェナセット(Mefenacet)、フルフェナセット(Flufenacet)、フェントラザミド(Fentrazamide)、カフェンストロール(Cafenstrole)、インダノファン(Indanofan)、オキサジクロメホン(Oxaziclomefone)、ベンフレセート(Benfuresate)、ACN、ピリデート(Pyridate)、クロリダゾン(Chloridazon)、ノルフルラゾン(Norflurazon)、フルルタモン(Flurtamone)、ジフルフェニカン(Diflufenican)、ピコリナフェン(Picolinafen)、ベフルブタミド(Beflubutamid)、クロマゾン(Clomazone)、アミカルバゾン(Amicarbazone)、ピノキサデン(Pinoxaden)、ピラクロニル(Pyraclonil)、ピロキサスルホン(Pyroxasulfone)、チエンカルバゾンメチル(Thiencarbazone−methyl)、アミノシクロピラクロール(Aminocyclopyrachlor)、イプフェンカルバゾン(Ipfencarbazone)、及びメチオゾリン(Methiozolin)。
共力剤の有効成分
ピペロニル ブトキサイド(Piperonyl butoxide)、 セサメックス(Sesamex)、スルホキシド(Sulfoxide)、N−(2−エチルへキシル)−8,9,10−トリノルボルン−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(MGK 264)、N−デクリイミダゾール(N−Declyimidazole)、WARF−アンチレジスタント(WARF−antiresistant)、TBPT、TPP、IBP、PSCP、ヨウ化メチル(CH3I)、t−フェニルブテノン(t−Phenylbutenone)、ジエチルマレエート(Diethylmaleate)、DMC、FDMC、ETP、及びETN。
上記の混用または併用できる有効成分のうち、特に好ましい例として、カルタップ塩酸塩、フィプロニル、メトキシフェノジド、テブフェノジド、クロチアニジン、スピノサド、スピネトラム、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロールなどの殺虫剤の有効成分、ジクロシメット、フサライド、トリシクラゾール、ピロキロン、アゾキシストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビン、フルトラニル、フラメトピル、チフルザミド、プロベナゾール、チアジニル、イソチアニル、バリダマイシン,カスガマイシン、フェリムゾンなどの殺菌剤の有効成分が挙げられる。
【実施例】
【0278】
以下、製造例、製剤例、試験例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0279】
まず、本発明化合物の製造例を以下に示す。
【0280】
製造例1
4−(5−tert−ブチルチオフェン−2−イルメチル)ピリジン(化合物2−1)の製造
【0281】
【化32】

【0282】
2−ブロモ−5−tert−ブチルチオフェン1.00gとテトラヒドロフラン50mlとの混合物に、−78℃で、n−ブチルリチウム(1.6Mのヘキサン溶液)3.13mlを滴下し、−78℃で1時間攪拌した。次に、−78℃で、イソニコチンアルデヒド0.52mlを滴下した。−78℃で10分間攪拌した後、0℃まで昇温し、飽和炭酸水素ナトリウムを注加した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、(5−tert−ブチルチオフェン−2−イル)(ピリジン−4−イル)メタノール0.71gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 5.97 (1H, s), 6.66 (1H, d), 6.73-6.74 (1H, m), 7.38-7.39 (2H, m), 8.58 (2H, dd).
(5−tert−ブチルチオフェン−2−イル)(ピリジン−4−イル)メタノール0.71g、硫酸0.3ml、酢酸9.0mlおよびPd炭素(触媒量)を混合し、約1気圧の水素雰囲気下、室温で2.5時間攪拌した。反応混合物を濾過した後、濾液に水酸化ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−(5−tert−ブチルチオフェン−2−イルメチル)ピリジン0.32gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 4.07 (2H, s), 6.60 (1H, d), 6.64 (1H, d), 7.18 (2H, dd), 8.52 (2H, dd).
製造例2
4−(5−tert−ブチルチオフェン−2−イルメチル)−3−フルオロピリジン(化合物2−2)の製造
【0283】
【化33】

【0284】
2−ブロモ−5−tert−ブチルチオフェン1.95gとテトラヒドロフラン70mlとの混合物に、−78℃で、n−ブチルリチウム(1.6Mのヘキサン溶液)6.12mlを滴下し、−78℃で1時間攪拌した。次に、−78℃で、3−フルオロイソニコチンアルデヒド0.98mlを滴下した。−78℃で10分間攪拌した後、0℃まで昇温し、飽和炭酸水素ナトリウムを注加した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、(5−tert−ブチルチオフェン−2−イル)(3−フルオロピリジン−4−イル)メタノール2.06gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 6.28 (1H, s), 6.66 (1H, d), 6.76 (1H, d), 7.65 (1H, t), 8.40 (1H, s), 8.46 (1H, d).
(5−tert−ブチルチオフェン−2−イル)(3−フルオロピリジン−4−イル)メタノール0.78g、硫酸1.0ml、酢酸20mlおよびPd炭素(触媒量)を混合し、約1気圧の水素雰囲気下、室温で3時間攪拌した。反応混合物を濾過した後、濾液に水酸化ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−(5−tert−ブチルチオフェン−2−イルメチル)−3−フルオロピリジン0.66gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.35 (9H, s), 4.13 (2H, s), 6.64 (2H, s), 7.17 (1H, t), 8.33 (1H, d), 8.41 (1H, d).
製造例3
4−(5−tert−ブチルチオフェン−2−イルメチル)−3−メトキシピリジン(化合物2−7)の製造
【0285】
【化34】

【0286】
4−(5−tert−ブチルチオフェン−2−イルメチル)−3−フルオロピリジン0.21g、ナトリウムメトキシド(28%のメタノール溶液)1.63g、およびN,N−ジメチルホルムアミド2.0mlの混合物を、120℃で、3時間攪拌した。反応混合物に水を注加した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−(5−tert−ブチルチオフェン−2−イルメチル)−3−メトキシピリジン0.14gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 3.95 (3H, s), 4.07 (2H, s), 6.60 (1H, d), 6.63 (1H, d), 7.07 (1H, d), 8.17 (1H, d), 8.23 (1H, s).
製造例4
4−(5−tert−ブチルチオフェン−2−イルメチル)−3−(メチルチオ)ピリジン(化合物2−10)の製造
【0287】
【化35】

【0288】
4−(5−tert−ブチルチオフェン−2−イルメチル)−3−フルオロピリジン0.21g、ナトリウムチオメトキシド0.12g、およびN,N−ジメチルホルムアミド2.0mlの混合物を、室温で3時間攪拌した。反応混合物に水を注加した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−(5−tert−ブチルチオフェン−2−イルメチル)−3−(メチルチオ)ピリジン0.13gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.34 (9H, s), 2.52 (3H, s), 4.16 (2H, s), 6.61 (1H, d), 6.64 (1H, d), 7.08 (1H, d), 8.34 (1H, d), 8.46 (1H, s).
製造例5
4−(1−tert−ブチルピラゾール−4−イルメチル)ピリジン(化合物3−35)の製造
【0289】
【化36】

【0290】
4−ブロモ−1−tert−ブチルピラゾール0.40gとジエチルエーテル20mlとの混合物に、−70℃で、n−ブチルリチウム(1.6Mのヘキサン溶液)1.48mlを滴下した。次に、−70℃で、イソニコチンアルデヒド0.25gを滴下した。−70℃で45分間攪拌した後、室温まで昇温し、水を反応液に注加した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、(1−tert−ブチルピラゾール−4−イル)(ピリジン−4−イル)メタノール83mgを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.55 (9H, s), 5.83 (1H, s), 7.33-7.43 (3H, m), 7.43 (1H, s), 8.55 (2H, dd).
(1−tert−ブチルピラゾール−4−イル)(ピリジン−4−イル)メタノール82mg、硫酸0.5ml、酢酸7.0mlおよびPd炭素(触媒量)を混合し、約1気圧の水素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。反応混合物を濾過した後、濾液ろ液に水酸化ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮し、4−(1−tert−ブチルピラゾール−4−イルメチル)ピリジン75mgを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.57 (9H, s), 3.82 (2H, s), 7.13 (2H, dd), 7.28 (1H, s), 7.37 (1H, s), 8.50 (2H, dd).
製造例6
4−(3−tert−ブチルピラゾール−1−イルメチル)ピリジン(化合物5−1)の製造
【0291】
【化37】

【0292】
水素化ナトリウム0.32gとN,N−ジメチルホルムアミド1.5mlの混合物に3−tert−ブチルピラゾール0.40gとN,N−ジメチルホルムアミド3.5mlの混合物を0℃で滴下し、室温で5分間攪拌した。次に4−クロロメチルピリジン塩酸塩0.53gを0℃で加え、50℃で40分間攪拌した。放冷した反応混合物に水を注加した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−(3−tert−ブチルピラゾール−1−イルメチル)ピリジン0.56gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.33 (9H, s), 5.30 (2H, s), 6.18 (1H, d), 6.97 (2H, d), 7.29 (1H, d), 8.55 (2H, d).
製造例7
4−[3−(2,2−ジメチルプロピル)−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル]ピリジン(化合物6−18)の製造
【0293】
【化38】

【0294】
水素化ナトリウム0.22gとN,N−ジメチルホルムアミド4.0mlの混合物に3−(2,2−ジメチルプロピル)−1H−1,2,4−トリアゾール0.30gを0℃で加え、室温で5分間攪拌した。次に4−クロロメチルピリジン塩酸塩0.35gを0℃で加え、50℃で10分間攪拌した。放冷した反応混合物に水を注加した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−[3−(2,2−ジメチルプロピル)−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル]ピリジン0.29gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.00 (9H, s), 2.65 (2H, s), 5.33 (2H, s), 7.07 (2H, dd), 8.05 (1H, s), 8.60 (2H, dd).
以下、前述の実施製造例に記載の方法に準じた製造方法により製造される化合物を例示する。
【0295】
表中、Meはメチル基(CH3−)、Etはエチル基(CH3CH2−)、Prはプロピル基(CH3CH2CH2−)、i−Prはイソプロピル基((CH32CH−)、t−Buはtert−ブチル基((CH33C−)を表し、sec−Buはsec−ブチル基(CH3CH2CH(CH3)−)を表す。
【0296】
表中、「(En」の列において、nが1である場合は、例えば「3−Me」のように示し、これは、EがHetで表されるヘテロ芳香環の3位に置換したメチル基であることを意味し、nが0である場合は、「−」のように示し、無置換であることを意味する。
【0297】
式(A−1)で表される化合物。
【0298】
【化39】

【0299】
式中のJ−L−A基、(En、Q、D、G及びmは、下記の〔表7〕〜〔表10〕に記載の組み合わせを表す。
【0300】
【表7】

【0301】
【表8】

【0302】
【表9】

【0303】
【表10】

【0304】
式(A−2)で表される化合物。
【0305】
【化40】

【0306】
式中のJ−L−A基、(En、Q、D、G及びmは、下記の〔表11〕〜〔表12〕に記載の組み合わせを表す。
【0307】
【表11】

【0308】
【表12】

【0309】
式(A−3)で表される化合物。
【0310】
【化41】

【0311】
式中のJ−L基、(En、Q、D、G及びmは、下記の〔表13〕〜〔表16〕に記載の組み合わせを表す。
【0312】
【表13】

【0313】
【表14】

【0314】
【表15】

【0315】
【表16】

【0316】
式(A−4)で表される化合物。
【0317】
【化42】

【0318】
式中のJ−L基、E、Q、D、G及びmは、下記の〔表17〕〜〔表18〕に記載の組み合わせを表す。
【0319】
【表17】

【0320】
【表18】

【0321】
式(A−5)で表される化合物。
【0322】
【化43】

【0323】
式中のJ−L−A基、(En、R、R、D、G及びmは、下記の〔表19〕〜〔表22〕に記載の組み合わせを表す。
【0324】
【表19】

【0325】
【表20】

【0326】
【表21】

【0327】
【表22】

【0328】
式(A−6)で表される化合物。
【0329】
【化44】

【0330】
式中のJ−L−A基、E、R、R、D、G及びmは、下記の〔表23〕〜〔表24〕に記載の組み合わせを表す。
【0331】
【表23】

【0332】
【表24】

【0333】
〔表7〕〜〔表24〕に記載した本発明化合物の物性値を下記の〔表25〕に示す。
【0334】
【表25】

【0335】
次に本発明化合物の製剤例を示す。なお、部は重量部を表す。
【0336】
製剤例1
上述の化合物1−1から1−68、化合物2−1から2−34、化合物3−1から3−68、化合物4−1から4−34、化合物5−1から5−102および化合物6−1から6−34のいずれか1種 10部を、キシレン35部とN,N−ジメチルホルムアミド35部との混合物に溶解し、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部を加え、混合して各々の乳剤を得る。
【0337】
製剤例2
ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土54部を混合し、更に上述の化合物1−1から1−68、化合物2−1から2−34、化合物3−1から3−68、化合物4−1から4−34、化合物5−1から5−102および化合物6−1から6−34のいずれか1種 20部を加え、混合して各々の水和剤を得る。
【0338】
製剤例3
上述の化合物1−1から1−68、化合物2−1から2−34、化合物3−1から3−68、化合物4−1から4−34、化合物5−1から5−102および化合物6−1から6−34のいずれか1種 2部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー65部を加え混合する。ついで、この混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、造粒機で製粒し、通風乾燥して各々の粒剤を得る。
【0339】
製剤例4
上述の化合物1−1から1−68、化合物2−1から2−34、化合物3−1から3−68、化合物4−1から4−34、化合物5−1から5−102および化合物6−1から6−34のいずれか1種 1部を適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー93.7部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の粉剤を得る。
【0340】
製剤例5
ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩およびホワイトカーボンの混合物(重量比1:1)35部と、上述の化合物1−1から1−68、化合物2−1から2−34、化合物3−1から3−68、化合物4−1から4−34、化合物5−1から5−102および化合物6−1から6−34のいずれか1種 10部と、水55部とを混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の製剤を得る。
【0341】
製剤例6
上述の化合物1−1から1−68、化合物2−1から2−34、化合物3−1から3−68、化合物4−1から4−34、化合物5−1から5−102および化合物6−1から6−34のいずれか1種 0.1部をキシレン5部およびトリクロロエタン5部に溶解し、これを脱臭灯油89.9部に混合して各々の油剤を得る。
【0342】
製剤例7
上述の化合物1−1から1−68、化合物2−1から2−34、化合物3−1から3−68、化合物4−1から4−34、化合物5−1から5−102および化合物6−1から6−34のいずれか1種 10mgをアセトン0.5mlに溶解し、この溶液を、動物用固形飼料粉末(飼育繁殖用固形飼料粉末CE−2、日本クレア株式会社商品)5gに処理し、均一に混合する。ついでアセトンを蒸発乾燥させて各々の毒餌を得る。
【0343】
製剤例8
上述の化合物1−1から1−68、化合物2−1から2−34、化合物3−1から3−68、化合物4−1から4−34、化合物5−1から5−102および化合物6−1から6−34のいずれか1種 0.1部、ネオチオゾール(中央化成株式会社)49.9部をエアゾール缶に入れ、エアゾールバルブを装着した後、ジメチルエーテル25部、LPG25部を充填し振とうを加え、アクチュエータを装着することで油剤エアゾールを得る。
【0344】
製剤例9
上述の化合物1−1から1−68、化合物2−1から2−34、化合物3−1から3−68、化合物4−1から4−34、化合物5−1から5−102および化合物6−1から6−34のいずれか1種 0.6部、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)0.01部、キシレン5部、脱臭灯油3.39部および乳化剤{アトモス300(アトモスケミカル社登録商標名)}1部を混合溶解したものと、蒸留水50部とをエアゾール容器に充填し、バルブを装着した後、該バルブを通じて噴射剤(LPG)40部を加圧充填して水性エアゾールを得る。
製剤例10
上述の化合物1−1から1−68、化合物2−1から2−34、化合物3−1から3−68、化合物4−1から4−34、化合物5−1から5−102および化合物6−1から6−34のいずれか1種を5部及びフェリムゾン5部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土残部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤100部を得る。
製剤例11〜25
フェリムゾン5部に代えて、[表26]記載のそれぞれの化合物及び使用量で適用した以外は製剤例10と同様の操作を行い、それぞれの水和剤100部を得る。
【0345】
【表26】

【0346】
次に、本発明化合物の有害生物防除効力を試験例により示す。
【0347】
試験例1
製剤例5により得られた本発明化合物の製剤を本発明化合物の濃度が500ppmとなるように水で希釈し、試験用薬液を調製した。
【0348】
ポリエチレンカップに植えた第2葉展開期のイネ幼苗に、上記試験用薬液10mlを散布した。風乾後、トビイロウンカの3〜4齢幼虫を20頭放して、25℃の温室内に保管した。6日後イネに寄生したトビイロウンカの数を調査し、下式により防除価を求めた。
【0349】
防除価(%)={1−(Cb×Tai)/(Cai×Tb)}×100
なお、式中の文字は以下の意味を表す。
【0350】
Cb:無処理区の処理前の虫数
Cai:無処理区の観察時の虫数
Tb:処理区の処理前の虫数
Tai:処理区の観察時の虫数
その結果、下記の本発明化合物の試験用散布液の処理区が、防除価90%以上を示した。
化合物2−1、2−7、2−8、2−10、5−1、5−18。
【0351】
試験例2
製剤例5により得られた本発明化合物の製剤を本発明化合物の濃度が500ppmとなるように水で希釈し、試験用散布液を調製した。
【0352】
一方、プラスチックカップに植えたキュウリ幼苗(第1本葉展開期)にワタアブラムシ約30頭を接種し、1日間放置した。この幼苗に、前記希釈液20mlを各々散布した。
【0353】
散布6日後に該キュウリの葉上に寄生したワタアブラムシ生存虫数を調査し、以下の式により防除価を求めた。
【0354】
防除価(%)={1−(Cb×Tai)/(Cai×Tb)}×100
なお、式中の文字は以下の意味を表す。
【0355】
Cb:無処理区の処理前の虫数
Cai:無処理区の観察時の虫数
Tb:処理区の処理前の虫数
Tai:処理区の観察時の虫数
その結果、下記の本発明化合物の試験用散布液の処理区が、防除価90%以上を示した。
化合物2−1、2−2、2−7、2−10、5−1。
【0356】
試験例3
製剤例5により得られた本発明化合物の製剤を本発明化合物の濃度が200ppmとなるように水で希釈し、試験用薬液を調製した。
【0357】
ポリエチレンカップに植えた第2葉展開期のイネ幼苗に、上記試験用薬液10mlを散布した。風乾後、トビイロウンカの3〜4齢幼虫を20頭放して、25℃の温室内に保管した。6日後イネに寄生したトビイロウンカの数を調査し、下式により防除価を求めた。
【0358】
防除価(%)={1−(Cb×Tai)/(Cai×Tb)}×100
なお、式中の文字は以下の意味を表す。
【0359】
Cb:無処理区の処理前の虫数
Cai:無処理区の観察時の虫数
Tb:処理区の処理前の虫数
Tai:処理区の観察時の虫数
その結果、下記の本発明化合物の試験用散布液の処理区が、防除価90%以上を示した。
【0360】
化合物3−35。
【0361】
試験例4
製剤例5により得られた本発明化合物の製剤を本発明化合物の濃度が200ppmとなるように水で希釈し、試験用散布液を調製した。
【0362】
一方、プラスチックカップに植えたキュウリ幼苗(第1本葉展開期)にワタアブラムシ約30頭を接種し、1日間放置した。この幼苗に、前記希釈液20mlを各々散布した。
【0363】
散布6日後に該キュウリの葉上に寄生したワタアブラムシ生存虫数を調査し、以下の式により防除価を求めた。
【0364】
防除価(%)={1−(Cb×Tai)/(Cai×Tb)}×100
なお、式中の文字は以下の意味を表す。
【0365】
Cb:無処理区の処理前の虫数
Cai:無処理区の観察時の虫数
Tb:処理区の処理前の虫数
Tai:処理区の観察時の虫数
その結果、下記の本発明化合物の試験用散布液の処理区が、防除価90%以上を示した。
【0366】
化合物3−35。
【産業上の利用可能性】
【0367】
本発明化合物は、有害生物の防除に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

〔式中、
Hetは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選ばれる1個以上のヘテロ原子を含む5または6員へテロ芳香環を表し(ここで、AおよびQはそれぞれ、該5または6員へテロ芳香環を構成する炭素原子または窒素原子に結合し、Aが結合した原子とQが結合した原子とが該5または6員へテロ芳香環上で互いに隣接することはない。該5または6員へテロ芳香環は、A及びQが結合した原子と共に、−CE=、−N=、−O−、−S−および−NE−からなる群より選ばれる3もしくは4個の原子または基から構成され、Eは1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基、水素原子またはハロゲン原子を表し、Eは1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基を表す。)、
Jは、下式J1またはJ2:
【化2】

(式中、
1およびR2は、同一または相異なり、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C3アルキル基を表し、
3は、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、ハロゲン原子または水素原子を表し、
4およびR5は、同一または相異なり、C1−C3アルキル基を表し、
6は、水素原子またはC1−C6鎖式炭化水素基を表す。)で示される基を表し、
Lは、単結合または1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C3アルキレン基を表し、
Aは、AがHetで表される該5または6員へテロ芳香環を構成する炭素原子に結合する場合には、単結合、−O−、または−S(O)x−を表し(ここで、xは、0、1または2を表す。)、AがHetで表される該5または6員へテロ芳香環を構成する窒素原子に結合する場合には、単結合を表し、
Qは、QがHetで表される該5または6員へテロ芳香環を構成する炭素原子に結合する場合には、下式Q1、Q2、Q3またはQ4:
【化3】

(式中、
xおよびRyは、同一または相異なり、<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、水素原子またはシクロプロピル基を表し、
yは0、1または2を表し、
zは、<群α>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、−C(O)−T1、−S(O)2−T2、水素原子またはシクロプロピル基を表し、
1は、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルコキシ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキルアミノ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C12ジアルキルアミノ基、水酸基、アミノ基、水素原子またはシクロプロピル基を表し、
2は、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基を表す。)で示される基を表し、
QがHetで表される該5または6員へテロ芳香環を構成する窒素原子に結合する場合には、Qは式Q1で示される基を表し、
Gは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、メルカプト基もしくはアミノ基を表すか、または、下式G1、G2、G3もしくはG4:
【化4】

{式中、
aは、<群β>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、シクロプロピル基または−C(O)−T1を表し、
bは、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、−C(O)−T1、−S(O)2−T2、C3−C9トリアルキルシリル基またはシクロプロピル基を表し、
cは、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、−C(O)−T1またはシクロプロピル基を表し、
zは0、1または2を表し、
dは、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、−C(O)−T1、−S(O)2−T2またはシクロプロピル基を表し、
eは、<群γ>より選ばれる1個以上の原子もしくは基を有していてもよいC1−C6鎖式炭化水素基、水素原子またはシクロプロピル基を表す。
(ここで、T1およびT2は前述と同義であるが、Gが式G2、G3またはG4で示される基の場合には、T1は、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルコキシ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C6アルキルアミノ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C12ジアルキルアミノ基、アミノ基、水素原子またはシクロプロピル基を表す。)}で示される基を表し、
Dは−N=または−CH=を表し、
mは0または1を表す。
<群α>:ハロゲン原子、シアノ基およびシクロプロピル基からなる群、
<群β>:1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルコキシ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルチオ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルスルフィニル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルスルホニル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルアミノ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C8ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、C3−C9トリアルキルシリル基およびシクロプロピル基からなる群、
<群γ>:1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルコキシ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルチオ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルスルフィニル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルスルホニル基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C4アルキルアミノ基、1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC2−C8ジアルキルアミノ基、フェニル基(該フェニル基は、メチル基、メトキシ基、塩素原子およびニトロ基からなる群より選ばれる1個以上の基を有していてもよい。)、ハロゲン原子、シアノ基、C3−C9トリアルキルシリル基およびシクロプロピル基からなる群。〕
で示されるヘテロ芳香環化合物。
【請求項2】
Hetが下式H1またはH2:
【化5】

(式中、
、X、XおよびXは、同一または相異なり、−CE=または−N=を表す。
但し、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは−N=を表す。)
で示される環である請求項1に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項3】
、X、XおよびXのうちの1つが−N=であり、それ以外が、同一または相異なり、−CE=である請求項2に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項4】
Hetが式H1で示される環である請求項3に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項5】
Hetが下式H3、H4またはH5:
【化6】

(式中、
、YおよびYのうちの1つは、−O−、−S−または−NE−を表し、残りの2つは、同一または相異なり、−CE=または−N=を表し、
、ZおよびZは、同一または相異なり、−CE=または−N=を表す。)
で示される環である請求項1に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項6】
Hetが式H3で示される環である請求項5に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項7】
、YおよびYのうちの1つが−S−である請求項6に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項8】
、YおよびYのうちの1つが−S−であり、それ以外が、同一または相異なり、−CE=である請求項7に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項9】
が−S−である請求項7に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項10】
が−S−であり、YおよびYが、同一または相異なり、−CE=である請求項9に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項11】
Hetが式H4で示される環である請求項5に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項12】
が−N=であり、Zが−CE=であり、かつ、Zが−CE=または−N=であるか、あるいは、Zが−CE=であり、Zが−N=であり、かつ、Zが−CE=である請求項11に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項13】
が−N=であり、ZおよびZが同一または相異なり−CE=であるか、あるいは、Zが−N=であり、ZおよびZが同一または相異なり−CE=である請求項12に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項14】
Hetが式H5で示される環である請求項5に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項15】
が−N=であり、Zが−CE=であり、かつ、Zが−CE=または−N=であるか、あるいは、Zが−CE=であり、Zが−N=であり、かつ、Zが−CE=である請求項14に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項16】
が−N=であり、ZおよびZが同一または相異なり−CE=であるか、あるいは、Zが−N=であり、ZおよびZが同一または相異なり−CE=である請求項15に記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項17】
Hetが、窒素原子、および硫黄原子からなる群より選ばれる1個以上のヘテロ原子を含む5または6員へテロ芳香環であり(ここで、AおよびQはそれぞれ、該5または6員へテロ芳香環を構成する炭素原子または窒素原子に結合し、Aが結合した原子とQが結合した原子とが該5または6員へテロ芳香環上で互いに隣接することはない。該5または6員へテロ芳香環は、A及びQが結合した原子と共に、−CE=、−N=および−S−からなる群より選ばれる3もしくは4個の原子または基から構成され、Eは1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基、水素原子またはハロゲン原子である。)、
Jが、式J1またはJ2(R1およびR2が、同一または相異なり、C1−C3アルキル基であり、R3が、C1−C6鎖式炭化水素基であり、R4およびR5が、同一または相異なり、C1−C3アルキル基であり、R6が、C1−C6鎖式炭化水素基である。)で示される基であり、
Lが、単結合またはC1−C3アルキレン基であり、
Aが単結合であり、
Qが式Q1(RxおよびRyが、水素原子である。)で示される基であり、
Gが、水素原子、ハロゲン原子、または、式G1、G2、G3もしくはG4{Raは、C1−C6鎖式炭化水素基であり、Rbは、C1−C6鎖式炭化水素基であり、Rcは、C1−C6鎖式炭化水素基であり、zが0、1または2であり、Rdが、C1−C6鎖式炭化水素基であり、Reが、C1−C6鎖式炭化水素基である。}で示される基であり、
Dが−CH=であり、
mが0である請求項1記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項18】
Hetが、窒素原子、および硫黄原子からなる群より選ばれる1個以上のヘテロ原子を含む5員へテロ芳香環であり(ここで、AおよびQはそれぞれ、該5員へテロ芳香環を構成する炭素原子または窒素原子に結合し、Aが結合した原子とQが結合した原子とが該5員へテロ芳香環上で互いに隣接することはない。該5員へテロ芳香環は、A及びQが結合した原子と共に、−CE=、−N=および−S−からなる群より選ばれる3個の原子または基から構成され、Eは1個以上のハロゲン原子を有していてもよいC1−C2アルキル基、水素原子またはハロゲン原子である。)、
Jが、式J1(R1およびR2が、同一または相異なり、C1−C3アルキル基であり、R3が、C1−C6鎖式炭化水素基である。)で示される基であり、
Lが、単結合またはC1−C3アルキレン基であり、
Aが単結合であり、
Qが式Q1(RxおよびRyが、水素原子である。)で示される基であり、
Gが、水素原子、ハロゲン原子、または、式G2もしくはG3{Rbは、C1−C6鎖式炭化水素基であり、Rcは、C1−C6鎖式炭化水素基であり、zが0である。}で示される基であり、
Dが−CH=であり、
mが0である請求項1記載のヘテロ芳香環化合物。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載のヘテロ芳香環化合物と不活性担体とを含有する有害生物防除剤。
【請求項20】
有害生物を防除するための請求項1〜18のいずれか一項に記載のヘテロ芳香環化合物の使用。
【請求項21】
請求項1〜18のいずれか一項に記載のヘテロ芳香環化合物の有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用する工程を含む有害生物の防除方法。

【公開番号】特開2012−102088(P2012−102088A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224892(P2011−224892)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】