ヘリコバクタ−・ピロリ(H.pylori)を除菌する医薬組成物及びその製造方法
【課題】ヘリコバクタ−・ピロリを除菌する医薬組成物及びその製造方法の提供。
【解決手段】ヘリコバクタ−・ピロリを除菌する発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、粉剤タイプの医薬組成物及びその製造方法。前記発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、粉剤タイプの医薬組成物は、有効用量のβ-ラクタム系抗生物質、有効用量のマクロライド系抗生物質、例えばプロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーの有効用量の制酸剤、及び例えば賦形剤、矯味剤、発泡剤、流動化剤、抗菌剤、懸濁化剤、崩壊剤、潤滑剤等のような薬学上許容可能な担体を含む。
【解決手段】ヘリコバクタ−・ピロリを除菌する発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、粉剤タイプの医薬組成物及びその製造方法。前記発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、粉剤タイプの医薬組成物は、有効用量のβ-ラクタム系抗生物質、有効用量のマクロライド系抗生物質、例えばプロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーの有効用量の制酸剤、及び例えば賦形剤、矯味剤、発泡剤、流動化剤、抗菌剤、懸濁化剤、崩壊剤、潤滑剤等のような薬学上許容可能な担体を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘリコバクタ−・ピロリを抑制する薬物と製造方法に関し、特にヘリコバクタ−・ピロリを除菌する発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、粉剤タイプの医薬組成物及びその製造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
ヘリコバクタ−・ピロリ(Helicobacter pylori、以下H. pyloriと簡略)は、微好気性のグラム陰性(Gram-negative)細菌であり、主にヒト或いはその他の動物の胃の粘膜表層、即ち胃上皮細胞と胃粘液層(gastric mucus layer)間に生息する。ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の感染は一般によく見られ、世界の凡そ半分以上の人がヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)に感染したことがある。研究では、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)に持続的に感染すると上消火器の病変を引き起こすことが指摘されており、細菌感染では、慢性の活動性胃炎(chronic active gastritis)、消化性潰瘍(peptic ulcer)、非潰瘍性消化不良(non-ulcer dyspepsia)、胃食道逆流症(GERD)、胃潰瘍(gastric ulcer)、十二指腸潰瘍(duodenal ulcer)等の疾病を引き起こす可能性があることが現在既に知られており、並びに、胃癌(gastric carcinoma)、胃腺癌(gastric adenocarcinoma)及び胃粘膜関連組織のリンパ腫(maltoma)の発生と非常に密切な関係を持つ故、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)は癌を引き起こす(carcinogen)細菌であると考えられている。
【0003】
また、研究ではヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)感染後、効果的にヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌していない場合、各種の胃腸道潰瘍の反再発作を引き起こすだけでなく、以後、胃癌に罹る発生率が顕著に増加することが示された。ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)感染後の消化性潰瘍を例に挙げると、菌体を徹底的に取り除いていない場合、薬停止後の再発率は60%〜95%にも高まるが、それに対し、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌した場合の潰瘍再発率は20%以下にまで落ちている。よって、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌は、前述した上消火器の疾病治療及び予後における重大要素となり、臨床上ではヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)感染が確定した患者は皆、徹底的な除菌療法を必要とする。また、ヒトがヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)に感染すると終生保菌状態となり、適当な治療を施さない限りは、自動的に除菌されることはない。
【0004】
現在、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の効果的な除菌治療方法は主に、二種の抗生物質に一種のH2ブロッカー(H2 Blocker)またはプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor, PPI)等の制酸剤を加えた三剤併用療法を採用しており、前記抗生物質は、アモキシシリン(amoxicillin)等のペニシリン系抗生物質、メトロニダゾール(metronidazole)、クラリスロマイシン(clarithromycin)等のマクロライド系(macrolides)抗生物質、及びテトロサイクリン(tetracycline)等の四種を含む。制酸剤はH2ブロッカー(H2 Blocker)またはプロトンポンプ阻害薬(PPI)で、前者は胃内水素イオン濃度指数(intragastric pH value)を高め、それに対し後者は、効果的に胃酸分泌を抑制する。抗生物質、例えばクラリスロマイシンは、弱酸性からアルカリ性に至る環境中で比較的安定する為、前記抗生物質を服用後、人体の胃酸による破壊を受け易く、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌効果を低下させる。そこで、制酸剤を添加して胃内水素イオン濃度指数(pH値)を高める。全治療過程は7日或いは10〜14日間継続する。患者が医師の指示を守り治療期間、全ての治療の為の薬を時間通りに服用したなら、除菌治療効果は約85%以上に達する。
【0005】
研究では、三剤併用療法は、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に効果を有するものの、臨床で療法をしヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌の実際の成功率は予期には至らない。次の原因が推測される。
1.患者の薬服用において医師の指示に従っていない。現在の国内臨床における三剤併用治療を例にとると、一つの治療方法では毎回5錠の薬を服用する。20 mgのオメプラゾール(omeprazole)一錠、500 mgのアモキシシリン二錠、及び250 mgのクラリスロマイシン二錠である。これらの錠剤を朝、晩、それぞれ一回、7〜14日間継続して服用する。また、別の治療方法ではPYLERA(登録商標)三剤併用薬物を包み込んで一日三回服用し、他に朝晩、20 mgのオメプラゾール(omeprazole)一錠を服用する。前記二種の治療方法の欠点は、服用数量が多すぎる、服用する量または薬品種類を誤り易い、携帯が不便で飲み込む難い等の問題にある。また、二つ目の治療法の患者は、オメプラゾール(omeprazole)の追加服用を忘れ易い為、時間通りの定量服用ができず、結果として、医師の指示に従えなくなってしまう。
2.全治療期間の薬物量が不十分。これもまた医師の指示した量を服用しないことによる。
3.薬物の胃内安定性不良等により、薬物の吸収不良を引き起こし治療効果を達成できない。
4.患者の特異体質とアレルギー反応により予定以前に薬を停止。
5.ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)が薬物に対して抗薬性を有する為、三剤併用療法で用いた抗生物質メトロニダゾールの薬物投与に失敗した患者は二次抗薬性を生じさせ易い。よって、前記薬物を使用する場合は、用量、治療過程、及び患者の適応度などを考慮しなければならない。また、特許文献1で開示されたヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)による胃炎及び胃・十二指腸潰瘍等消化器系疾患の治療方法では、ビスマス化合物(bismuth)、ペニシリン系、及びテトロサイクリン系抗生物質を投与し、並びに、一日三種類の錠剤(それぞれの有効成分は一種)を数回与えるが、この治療方法は複雑である。
【0006】
また、制酸剤において、例えばオメプラゾール(omeprazole)の安定性はそれが存在する環境のペーハー(pH)値によって変化し、アルカリ性環境では安定性を維持し、酸性環境では迅速に分解する。よって、オメプラゾール(omeprazole)は胃液内では安定存在できず、極端に分解され易いため、通常は腸溶性皮膜タイプで被覆してオメプラゾール(omeprazole)を腸で吸収されるようにし、体内の循環系統を経て胃腺細胞の分泌する胃酸を抑制する。よって、オメプラゾール(omeprazole)が直接胃内の胃酸環境中で作用するなら、オメプラゾール(omeprazole)は効果的に胃酸分泌を抑えることはできず、抗生物質は依然として胃内の酸性環境中で作用する為、抗生物質がヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除去する効果を低下させる。
【0007】
特許文献2に開示された二層カプセルタイプ薬剤は、内カプセルを外カプセル内に入れたもので、前記外カプセルは次クエン酸ビスマス(bismuth subcitrate)とメトロニダゾールを含み、内カプセルはテトロサイクリンとオメプラゾールを含み、これらの有効成分は適当な時間間隔をあけて作用を発揮し、ヘリコバクタ−・ピロリを除菌する。特許文献3に開示された現有する製剤に比べ重量の比較的軽い複合製剤は、アモキシシリンとクラブラン酸カリウム(potassium clavulanate)を含み、しかも、錠剤、カプセル、粉剤等形状を製作可能で、細菌感染治療に用いる。
【0008】
前述した通り、現在ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する薬物には前記欠点がある。患者の医師の指示に従う度合いを高める、例えば使用が便利であるとか、老人や子供等の飲み込むのが困難な者でも簡単に服用できる、並びに、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌するような薬物が開発されたのなら、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)による消火器疾病の治療及び胃癌予防に大きな助けとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許公示第5,196,205号明細書
【特許文献2】米国特許公示第6,350,468号明細書
【特許文献3】米国特許公示第6,977,086号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
公知のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)治療の三剤併用療法における問題点及び欠点を解決すべく、本発明は、ヘリコバクタ−・ピロリを除菌する医薬組成物及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記本発明の開示するヘリコバクタ−・ピロリを除菌する医薬組成物は、有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、有効用量の制酸剤、及び薬学上許容可能な担体を含み、前記医薬組成物は懸濁剤タイプ、粉剤タイプ、発泡錠剤タイプとする。
【0012】
前記懸濁剤タイプ医薬組成物、粉剤タイプ医薬組成物、発泡錠剤タイプ医薬組成物を更に水に溶かして溶液製剤形態の医薬組成物を生成する。
【0013】
また、本発明の提供するヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に用いる医薬組成物の製造方法におけるステップは次の通りである。:有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成する。;有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質及び薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成する。;前記第一混合物及び前記第二混合物を混合後、制酸剤を加えて混合し、第三混合物を生成する。;更に、流動化剤(glidant)、抗菌剤、潤滑剤(lubricants)、懸濁化剤、及び前記第三混合物を混合して懸濁剤タイプの医薬組成物を生成する。
【0014】
本発明が更に提供するヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に用いる医薬組成物の製造方法におけるステップは次の通りである。:制酸剤と懸濁化剤、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成する。;β-ラクタム系抗生物質及び潤滑剤を含む薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成する。;前記第一混合物と前記第二混合物を混合して均等化した後粉剤タイプの医薬組成物を生成する。
【0015】
また、本発明が他に提供するヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に用いる医薬組成物の製造方法におけるステップは次の通りである。:有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成する。;有効用量の制酸剤、抗菌剤、薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成する。;発泡剤、前記第一混合物、前記第二混合物を混合して造粒する。;更に造粒後、流動化剤(glidant)を加えて錠剤を圧縮して発泡錠剤タイプの医薬組成物を生成する。前記懸濁剤タイプ医薬組成物、粉剤タイプ医薬組成物、発泡錠剤タイプ医薬組成物の製造方法において、更に懸濁剤タイプ医薬組成物、粉剤タイプ医薬組成物、発泡錠剤タイプ医薬組成物を水に溶かし、溶液製剤形態の医薬組成物を生成する。
【0016】
前記医薬組成物及びその製造方法と用途における制酸剤はH2ブロッカー(H2 Blocker)もしくはプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor, PPI)とし、前記プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、オメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、エソメプラゾール(esomeprazole)、パントプラゾール(pantoprazole)、テナトプラゾール(tenatoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)の何れかとする。;前記H2ブロッカーは、シメチジン(cimetidine)、ラニチジン(ranitidine)、ファモチジン(famotidine)、ニザチジン(nizatidine)の何れかとする。また、前記制酸剤をプロトンポンプ阻害薬とした場合、有効用量のアルカリ性物質を添加可能であり、前記アルカリ性物質は、炭酸塩(carbonate)もしくは炭酸水素塩(bicarbonate)、例えば炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)、炭酸マグネシウム(magnesium carbonate)等とし、これによって胃酸のペーハー値(pH)を高くする。
【0017】
β-ラクタム系(β-lactams)抗生物質は、ペニシリン(penicillins)、フェノキシペニシリン(phenoxypenicillins)、オキサシリン(oxacillin)、クロキサシリン(cloxacillin)、ジクロキサシリン(dicloxacillin)、フルクロキサシリン(flucloxacillin)、ナフシリン(nafcillin)、アンピシリン(ampicillin)、バカンピシリン(bacampicillin)、アモキシシリン(amoxicillin)、カルベニシリン(carbenicillin)、チカルシリン(ticarcillin)、フルブシリン(furbucillin)、ピペラシリン(piperacillin)、セファロチン(cefalotin)、セファロリジン(cefaloridin)、セファレキシン(cefalexin)、セファゾリン(cefazolin)、セフラジン(cefradine)、セファドロキシル(cefadroxil)、セファマンドール(cefamandole)、セフロキシム(cefuroxime)、セフォキシチン(cefoxitin)、セフォタキシム(cefotaxime)、セフォペラゾン(cefoperazone)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、セフタジジム(ceftazidime)、ラタモキセフ(latamoxef)、セフェピム(cefepime)、セフピロム(cefpirome)、セフクリジン(cefclidin)、アズトレオナム(aztreonam)、イミペネム(imipenem)、メロペネム(meropenem)の何れかとする。;マクロライド系(macrolides)抗生物質は、エリスロマイシン(erythromycin)、スピラマイシン(spiramycin)、キタサマイシン(kitasamycin)、ミデカマイシン(midecamycin)、ジョサマイシン(josamycin)、ロキシスロマイシン (roxithromycin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、アジスロマイシン(azithromycin)、テトロサイクリン(Tetracycline)、オキシテトラサイクリン(Oxytetracycline)、デメクロサイクリン(Demeclocycline)、クロルテトラサイクリン(Chlortetracycline)、デオキシサイクリン(Doxycycline)、ライムサイクリン(Lymecycline)、メクロサイクリン(Meclocycline)、メタサイクリン(Methacycline)、ミノサイクリン(Minocycline)、ロリテトラサイクリン(Rolitetracycline)の何れかとする。;前記薬学上許容可能な担体は、賦形剤、矯味剤、流動化剤(glidant)、抗菌剤、懸濁剤(suspending agent)、崩壊剤(disintegrant)、潤滑剤(lubricants)、充填剤、粘着剤、希釈剤、吸収促進剤の何れかとする。
【0018】
懸濁剤タイプの医薬組成物とその製造方法において、前記組成物は、ラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、及びアモキシシリン(amoxicillin)を含み、前記各組成物の最適用量は290ミリグラム(mg)のラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)、500ミリグラム(mg)のクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び1グラム(g)のアモキシシリン(amoxicillin)である。;最適であるのはアモキシシリン(amoxicillin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、及びファモチジン(famotidine)を含むもので、前記各組成物の最適用量は1グラム(g)のアモキシシリン(amoxicillin)、500ミリグラム(mg)のクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び20ミリグラム(mg)のファモチジン(famotidine)である。
【0019】
また、薬学上許容可能な担体は、矯味剤、流動化剤(glidant)、抗菌剤、懸濁化剤(suspending agent)、崩壊剤(disintegrant)、及び潤滑剤(lubricants)より組成されるグループから選択する。前記矯味剤は、マンニトール(mannitol)、フルクトース(fructose)、キシリトール(xylitol)、右旋糖(dextrose)、ラクトース(lactose)、蔗糖(sucrose)、及びブドウ糖(glucose)により組成されるグループとする。;前記懸濁化剤は、キサンタンガム(xanthan gum)、アラビアガム(Acacia)、寒天(Agar)、カルボマー(Carbomer)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(Carboxymethylcellulose Calcium)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Carboxymethylcellulose Sodium)、カラギーナン(Carrageenan)、水晶セルロース(microcrystalline cellulose)、セラトニア(Ceratonia)、ゼラチン(Gelatin)、ヒドロキシエチルセルロース(Hydroxyethyl cellulose)、メチルヒドロキシエチルセルロース(Hydroxyethylmethyl cellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose)、ヒプロメロース(Hypromellose)、メチルセルロース(Methylcellulose)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropylmethyl cellulose)より組成されるグループから選択する。;前記流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicon dioxide)、及び滑石(talc)より組成されるグループから選択する。;前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate)、及び滑石(talc)より組成されるグループから選択する。;前記崩壊剤は、ポビドン(Povidone)、及びクロスポビドン(crospovidone)より組成されるグループから選択する。
【0020】
発泡錠剤タイプまたは粉剤タイプの医薬組成物とその製造方法において、最良の前記組成物は、アモキシシリン(amoxicillin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、及びオメプラゾール(omeprazole)を含み、前記の各組成物の最良用量は、1グラム(g)のアモキシシリン(amoxicillin)、500ミリグラム(mg)のクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び20ミリグラム(mg)のオメプラゾール(omeprazole)である。;前記アルカリ性物質は、炭酸塩(carbonate)または炭酸水素塩(bicarbonate)とする。また、薬学上許容可能な担体は、賦形剤、発泡剤、矯味剤、流動化剤(glidant)、及び抗菌剤により組成されるグループから選択する。前記矯味剤は、マンニトール(mannitol)、フルクトース(fructose)、キシリトール(xylitol)、右旋糖(dextrose)、ラクトース(lactose)、蔗糖(sucrose)、及びブドウ糖(glucose)により組成されるグループから選択する。;前記賦形剤は、超微粒セルロース(microfine cellulose)、水晶セルロース(microcrystalline cellulose)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(Carboxymethylcellulose Calcium)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Carboxymethyl Cellulose Sodium)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose)、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone)、及びグリコール酸でん粉ナトリウム(sodium starch glycollate)により組成されるグループから選択する。;前記発泡剤は、アルカリ性物質と有機酸(organic acid)で共に組成され、前記アルカリ性物質は、炭酸塩(carbonate)または炭酸水素塩(bicarbonate)とし、有機酸は、モノアルカリ金属クエン酸塩(monoalkali metal citrate)とし、例えば無水クエン酸(anhydrous citric acid)及びリンゴ酸(malic acid)等である。;前記流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicon dioxide)及び滑石(talc)により組成されるグループから選択する。
【0021】
また、本発明は、プロトンポンプ阻害薬を制酸剤とする医薬組成物において、例えば炭酸塩類のアルカリ性物質の添加により、直接、胃内のペーハー(pH)値を高くしてアルカリ性に近い環境を作り、酸不安定の抗生物質またはプロトンポンプ阻害薬が強酸環境下で不安定となり分解するのを防ぎ、薬物は胃内で作用を発揮して体内の生物学的利用能を高め、連続数日、本発明の医薬組成物を服用するとヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を効果的に除菌可能である。
【0022】
本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物の製造方法では、β-ラクタム系抗生物質とマクロライド系抗生物質をそれぞれ薬学上許容可能な担体と混合後、第一混合物と第二混合物を生成し、更に制酸剤と混合する。第一混合物と第二混合物中の薬学上許容可能な担体は隔離作用を起こす為、β-ラクタム系抗生物質、マクロライド系抗生物質とH2ブロッカーの各成分は混合後、直接相互に接触することなく医薬組成物の安定性を高める。;同様に本発明は、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する粉剤タイプ医薬組成物の製造方法では、先ず、制酸剤と懸濁化剤、マクロライド系抗生物質及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成後、更に、β-ラクタム系抗生物質と潤滑剤を含む薬学上許容可能な担体の混合物を混合して、前記抗生物質が制酸剤に直接接触して不安定となるのを防ぐ。;また、本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ医薬組成物の製造方法では、先ず、β-ラクタム系抗生物質、マクロライド系抗生物質、及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成した後、更に制酸剤と混合して、抗生物質が制酸剤と直接接触して不安定となるのを防ぐ。
【発明の効果】
【0023】
本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する医薬組成物及びその製造方法は、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する薬物で発泡錠剤、懸濁剤、粉剤の薬剤タイプを作り、公知の三剤併用療法で服用すべき多種薬物を合わせて一つとする他、携帯に便利で、且つ、発泡錠剤、粉剤、及び懸濁剤は液態形式で服用する為、患者が薬を服用する場合、たくさんの錠剤を飲み込む必要がなく、これによって、医師の指示に基づいた薬服用率を高め、服用後は薬物は迅速吸収され、胃腸に対する耐性も良好で、矯味可能であり(良くない味を改善し飲み易くする)、大量の薬品に使用可能で、吸収面は安定し、治療効果も簡単に予測可能である等の特徴を持つ。;同時に、前記製造方法は薬物に良好な安定性を持たせ、薬物の体内における生物学的利用能を高める。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物中のファモチジン安定性分析結果である。
【図2】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物中のアモキシシリン安定性分析結果である。
【図3】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物中のクラリスロマイシン安定性分析結果である。
【図4】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ医薬組成物中におけるアモキシシリンの動物(犬)血中濃度分析結果である。
【図5】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ医薬組成物中におけるクラリスロマイシンの動物(犬)血中濃度分析結果である。
【図6】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ医薬組成物中におけるオメプラゾールの動物(犬)血中濃度分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を組み合わせて本発明の実施形態を説明する。下記に列挙した実施例は、本発明の発明の特徴及び応用を闡明にするものであり、本発明の範囲を限定するものではない。当該技術に熟知する何れの者が本発明の精神と範囲を逸脱せずに若干の変更や修飾を行うことは可能である故、本発明の保護範囲は下記の特許登録請求の範囲を基準とする。
【0026】
本発明の実施例は、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する薬物で発泡錠剤、懸濁剤、粉剤等の薬剤タイプに製造し、公知の三剤併用療法で服用する必要のある多種薬物を合わせて一つとし、並びに、薬物を溶液製剤形式で服用する故、患者が薬を服用する場合、指示に基づいた薬服用率を高められ、例えば炭酸塩(carbonate)や炭酸水素塩(bicarbonate)等のアルカリ性物質の添加によって、直接、胃内のぺーハー(pH)値を高くしてアルカリ性に近い環境を作り、酸不安定の抗生物質やプロトンポンプ阻害薬が強酸環境下で不安定となり分解するのを防ぐ為、薬物は胃内で作用を発揮して薬物が体内の生物学的利用能を高め、連続数日間、本発明の医薬組成物を使用すると効果的にヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除去できる。
【0027】
前記医薬組成物は、有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、有効用量の制酸剤、及び薬学上許容可能な担体を含み、前記医薬組成物は、懸濁剤タイプ、粉剤タイプ、発泡錠剤タイプの何れかとする。
【0028】
その中、制酸剤は、H2ブロッカー(H2 Blocker)或いはプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor, PPI)とし、前記プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、オメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、エソメプラゾール(esomeprazole)、パントプラゾール(pantoprazole)、テナトプラゾール(tenatoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)の何れかとする。;前記H2ブロッカーは、シメチジン(cimetidine)、ラニチジン(ranitidine)、ファモチジン(famotidine)、ニザチジン(nizatidine)の何れかとする。また、前記制酸剤をプロトンポンプ阻害薬とする場合、有効用量のアルカリ性物質を添加可能で、胃酸のペーハー(pH)値を高めることによりプロトンポンプ阻害薬を胃内で作用させる。
【0029】
前記β-ラクタム系(β-lactams)抗生物質は、ペニシリン(penicillins)、フェノキシペニシリン(phenoxypenicillins)、オキサシリン(oxacillin)、クロキサシリン(cloxacillin)、ジクロキサシリン(dicloxacillin)、フルクロキサシリン(flucloxacillin)、ナフシリン(nafcillin)、アンピシリン(ampicillin)、バカンピシリン(bacampicillin)、アモキシシリン(amoxicillin)、カルベニシリン(carbenicillin)、チカルシリン(ticarcillin)、フルブシリン(furbucillin)、ピペラシリン(piperacillin)、セファロチン(cefalotin)、セファロリジン(cefaloridin)、セファレキシン(cefalexin)、セファゾリン(cefazolin)、セフラジン(cefradine)、セファドロキシル(cefadroxil)、セファマンドール(cefamandole)、セフロキシム(cefuroxime)、セフォキシチン(cefoxitin)、セフォタキシム(cefotaxime)、セフォペラゾン(cefoperazone)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、セフタジジム(ceftazidime)、ラタモキセフ(latamoxef)、セフェピム(cefepime)、セフピロム(cefpirome)、セフクリジン(cefclidin)、ラタモキセフ(latamoxe)、アズトレオナム(aztreonam)、イミペネム(imipenem)、メロペネム(meropenem)の何れかとする。;前記マクロライド系(macrolides)抗生物質は、エリスロマイシン(erythromycin)、スピラマイシン(spiramycin)、キタサマイシン(kitasamycin)、ミデカマイシン(midecamycin)、ジョサマイシン(josamycin)、ロキシスロマイシン (roxithromycin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、アジスロマイシン(azithromycin)、テトロサイクリン(Tetracycline)、オキシテトラサイクリン(Oxytetracycline)、デメクロサイクリン(Demeclocycline)、クロルテトラサイクリン(Chlortetracycline)、デオキシサイクリン(Doxycycline)、ライムサイクリン(Lymecycline)、メクロサイクリン(Meclocycline)、メタサイクリン(Methacycline)、ミノサイクリン(Minocycline)、ロリテトラサイクリン(Rolitetracycline)の何れかとする。;前記アルカリ性物質は炭酸塩(carbonate)または炭酸水素塩(bicarbonate)とし、例えば炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)、炭酸マグネシウム(magnesium carbonate)である。;前記薬学上許容可能な担体は、賦形剤、発泡剤、矯味剤、流動化剤(glidant)、抗菌剤、懸濁化剤(suspending agent)、崩壊剤(disintegrant)、潤滑剤(lubricants)、充填剤、粘着剤、希釈剤、吸収促進剤の何れかとするが、これに制限されない。本発明の実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、及び粉剤タイプの医薬組成物に関する製造方法を次に述べる。
【実施例1】
【0030】
ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に用いる懸濁剤タイプ医薬組成物の製造方法を次に示す。
【0031】
本発明の実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物の有効成分には、20 mgのファモチジン(famotidine)、500 mgのクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び1gのアモキシシリン(amoxicillin)を含む。;前記20 mgのファモチジン(famotidine)は、290 mgのラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)によって代替可能である。前記ファモチジン(famotidine)或いはラニチジン(ranitidine)は何れもH2ブロッカー(H2 Blocker)である。本発明の実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物の製造方法は、ファモチジン(famotidine)を含む医薬組成物の製造方法を例として示す。前記薬物組成には、20 mgのファモチジン(famotidine)、500 mgのクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び1gのアモキシシリン(amoxicillin)、崩壊剤とするアクジゾル(Ac-Di-Sol)、流動化剤とするコロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicon dioxide)、懸濁化剤とするキサンタンガム(xanthan gum)、懸濁化剤とするカルボキシメチルセルロースナトリウム(Carboxymethylcellulose Sodium)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose)、抗菌剤とするナトリウム安息香酸塩、並びに、潤滑剤とするステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate)を含む。その成分表と製造方法は次の通りである。
【0032】
【表1】
【0033】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のアモキシシリンの混合顆粒内に加えてアモキシシリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)ファモチジンをアモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、並びに、60号の篩網にかけて、ファモチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれ、ファモチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて、均等に混合し、並びに60号の篩網にかけると、ファモチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシンの懸濁剤ができあがる。
【0034】
前記懸濁剤タイプ医薬組成物に含まれる添加物は、前記物質に制限されず、その他種類の懸濁剤、流動化剤、潤滑剤、及び崩壊剤を含むことも可能である。前記懸濁剤は、アラビアガム(Acacia)、寒天(Agar)、カルボマー(Carbomer)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(Carboxymethylcellulose Calcium)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Carboxymethylcellulose Sodium)、カラギーナン(Carrageenan)、水晶セルロース(microcrystalline cellulose)、セラトニア(Ceratonia)、ゼラチン(Gelatin)、ヒドロキシエチルセルロース(Hydroxyethyl cellulose)、メチルヒドロキシエチルセルロース(Hydroxyethylmethyl cellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose)、ヒプロメロース(Hypromellose)、メチルセルロース(Methylcellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropylmethyl cellulose)の何れかを含み、前記流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicon dioxide)及び滑石(talc)等を含む。;前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate)及び滑石(talc)等を含み、前記崩壊剤は、ポビドン(Povidone)或いはクロスポビドン(crospovidone)等とするが、これに制限されることはない。ここでは更に、その他の異なる成分を含む懸濁剤タイプ医薬組成物及びその製造方法についてを次に示す。
【0035】
1.クラリスロマイシン(clarithromycin)、アモキシシリン(amoxicillin)を抗生物質とし、オメプラゾール(omeprazole)をプロトンポンプ阻害薬(PPI)とする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法は次の通りである。
【0036】
【表2】
【0037】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えて、アモキシシリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)オメプラゾールをアモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、並びに、60号の篩網にかけてオメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれオメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、並びに、60号の篩網にかけると、オメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【0038】
2.アモキシシリン(amoxicillin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)を抗生物質とし、ラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合してから60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えて、アモキシシリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)ラニチジン/クエン酸ビスマスをアモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網に通してラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけると、ラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【0041】
3.アモキシシリン(amoxicillin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)を抗生物質とし、シメチジン(cimetidine)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えて、アモキシシリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)シメチジンをアモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけてシメチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれシメチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけると、シメチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【0044】
4.アモキシシリン(amoxicillin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、オメプラゾール(omeprazole)をプロトンポンプ阻害薬(PPI)とする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のテトロサイクリンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えて、アモキシシリン顆粒とテトロサイクリン顆粒を均等に混合する。
(4)オメプラゾールをアモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し60号の篩網にかけて、オメプラゾール/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれオメプラゾール/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し60号の篩網にかけると、オメプラゾール/アモキシシリン/テトロサイクリンの懸濁剤が得られる。
【0047】
5.クラリスロマイシン(clarithromycin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、オメプラゾール(omeprazole)をプロトンポンプ阻害薬(PPI)とする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0048】
【表6】
【0049】
(1)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のテトロサイクリン混合顆粒内に加えてテトロサイクリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)オメプラゾールをテトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し60号の篩網にかけて、オメプラゾール/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれオメプラゾール/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加え均等に混合し60号の篩網にかけると、オメプラゾール/テトロサイクリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【0050】
6.アモキシシリン(amoxicillin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、ファモチジン(famotidine)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0051】
【表7】
【0052】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のテトロサイクリンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えてアモキシシリン顆粒とテトロサイクリン顆粒を均等に混合する。
(4)ファモチジンをアモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網に通して、ファモチジン/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれファモチジン/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網に通すと、ファモチジン/アモキシシリン/テトロサイクリンの懸濁剤が得られる。
【0053】
7.アモキシシリン(amoxicillin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、ファモチジン(famotidine)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0054】
【表8】
【0055】
(1)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースに加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のテトロサイクリン混合顆粒内に加えてテトロサイクリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)ファモチジンをテトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけてファモチジン/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれファモチジン/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけると、ファモチジン/テトロサイクリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【0056】
8.アモキシシリン(amoxicillin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、ラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0057】
【表9】
【0058】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度、60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のテトロサイクリンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えてアモキシシリン顆粒とテトロサイクリン顆粒を均等に混合する。
(4)ラニチジン/クエン酸ビスマスをアモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網に通してラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけると、ラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/テトロサイクリンの懸濁剤が得られる。
【0059】
9.アモキシシリン(amoxicillin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、ラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0060】
【表10】
【0061】
(1)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度、60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のテトロサイクリン混合顆粒内に加えてテトロサイクリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)ラニチジン/クエン酸ビスマスをテトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけて、ラニチジン/クエン酸ビスマス/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれラニチジン/クエン酸ビスマス/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけると、ラニチジン/クエン酸ビスマス/テトロサイクリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【実施例2】
【0062】
ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる発泡錠剤タイプ医薬組成物の製造方法を次に示す。
【0063】
本発明実施例のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ医薬組成物の有効成分は、20 mgのオメプラゾール(omeprazole)、500 mgのクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び1 gのアモキシシリン(amoxicillin)、発泡剤とする炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)と無水クエン酸(anhydrous citric acid)、抗菌剤とするナトリウム安息香酸塩(sodium benzoate)、流動化剤とするコロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicon dioxide) 、懸濁剤とするカルボキシメチルセルロースナトリウム(Carboxymethylcellulose Sodium)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose)、及び矯味剤を含む。その成分表と製造過程は次の通りである。
【0064】
【表11】
【0065】
(1)500 mgのクラリスロマイシン(clarithromycin)及び1 gのアモキシシリン(amoxicillin)をそれぞれ60号の篩網にかけた後、マンニトールを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)20mgのオメプラゾールとヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropylmethylcellulose)を均等に混合した後、60号の篩網にかける。
(3)炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)と無水クエン酸(anhydrous citric acid)を均等に混合した後、40号の篩網にかける。
(4)ステップ(1)、ステップ(2)とステップ(3)の顆粒を均等に混合後、40号の篩網にかける。
(5)ポリビニルピロリドン(PVP)を25mlの95%エチルアルコール内に溶かして均等に攪拌する。
(6)PVP溶液をステップ(4)の混合顆粒内に加えて造粒する。
(7)40℃で乾燥後、ステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate)と疏水性コロイダルシリカ(Hydrophobic colloidal silica)を加え、更に20号の篩網にかけて粒を整えた後、一錠一錠にして、アモキシシリン/クラリスロマイシン/オメプラゾールの発泡錠剤を作る。
【0066】
前記発泡錠剤タイプ医薬組成物に含む添加物は、前記物質に制限されず、例えば矯味剤、発泡剤、及び賦形剤を含めることも可能である。前記矯味剤は、マンニトール(mannitol)、フルクトース(fructose)、キシリトール(xylitol)、右旋糖(dextrose)、ラクトース(lactose)、蔗糖(sucrose)、ブドウ糖(glucose)の何れかとすることも可能で、発泡剤成分は、炭酸塩または炭酸水素塩(bicarbonate)とすることも可能で、例えば、炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)、炭酸マグネシウム(magnesium carbonate)とモノアルカリ金属クエン酸塩(monoalkali metal citrate)、無水クエン酸(anhydrous citric acid)及びリンゴ酸(malic acid)等の有機酸(organic acid)により組成される。前記賦形剤は、超微粒セルロース(microfine cellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose)、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone)、グリコール酸でん粉ナトリウム(sodium starch glycollate)の何れかとすることも可能であるが、これに制限されることはない。
【実施例3】
【0067】
ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる粉剤タイプ医薬組成物の製造方法を次に示す。
【0068】
【表12】
【0069】
(1)オメプラゾールを60号の篩網にかけた後、ヒドロキシプロピルメチルセルロースに加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、マンニトールを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のオメプラゾール混合顆粒内に加えてオメプラゾール顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)アモキシシリンをオメプラゾール/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけてオメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、矯味剤、ポリビニルピロリドン、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれオメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加え、均等に混合して60号の篩網にかけると、オメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシンの粉剤が得られる。
【実施例4】
【0070】
ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる懸濁剤タイプ医薬組成物の安定性分析を次に示す。
【0071】
一般の懸濁剤タイプ薬物を服用する場合、特定の水量を加えて粉末顆粒を溶解して懸濁液を作ってから数回に分けて指示用量に基づき服用し、服用していない懸濁液は4℃下で保存し、数日以内に飲みきらなければならない。本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる懸濁剤タイプ医薬組成物の保存安定性を確認する為に、試験では2.024グラムのファモチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシンの懸濁剤に20mlの水を加えて均等に混合後、4℃下で光を避けて八日間保存し、保存期間、ファモチジン、アモキシシリン及びクラリスロマイシンの安定性をそれぞれ測定した。その結果は、図1乃至図3に示す通りである。
【0072】
図1乃至図3に示したグラフは、それぞれ、ファモチジン、アモキシシリン、及びクラリスロマイシンの安定性測定測試結果である。これらの結果から、ファモチジン、アモキシシリン、及びクラリスロマイシンの保存第一日目と第八日目の濃度には何れも顕著な差異は見られず、ファモチジン、アモキシシリン、及びクラリスロマイシンの八日間の保存期間での安定性が良好であることが理解される。即ち、本発明実施例の懸濁剤タイプ医薬組成物を用いた製造過程で加えられる薬学上許容可能な担体は、隔離作用を起こし、これによってβ-ラクタム系抗生物質、マクロライド系抗生物質とH2ブロッカーの各成分は混合後、直接相互に接触することなく、確実に懸濁剤タイプ医薬組成物に含まれる各成分を安定的に存在させる目的を達成する。
【実施例5】
【0073】
ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる発泡錠剤タイプ医薬組成物の生物学的利用能分析を次に示す。
【0074】
この試験は、発泡錠剤タイプ医薬組成物が動物体内に入った後の薬物の動物体における血中濃度を分析するものであり、これは動物の生物学的利用能を示す。動物試験には年齢1〜3歳、体重10〜12キログラムのビーグル(beagle)犬を使用する。
【0075】
500 mgのアモキシシリン(Amoxicillin)、250 mgのクラリスロマイシン(Claritharmycin)と20mgのオメプラゾール(Omeprazole)を含む発泡錠剤タイプ医薬組成物を15 mLの水中に入れて発泡させた後、動物(犬)に与える。それとは別に、市販されている500 mgのアモキシシリン(Amoxicillin)を含むカプセル(capsule)、20mgのオメプラゾール(Omeprazole)を含むカプセル(capsule)、及び250 mgのクラリスロマイシン(Claritharmycin)を含む薬錠を与える。これを対照群とする。犬に与えてから、0、0.33、0.66、1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、10、24時間目に採血し、薬物濃度を測定する。結果は、図4乃至図6に示す通りである。
【0076】
図4乃至図6はそれぞれ、アモキシシリン、クラリスロマイシン、オメプラゾールの動物(犬)血中濃度測定結果である。図に示す通り、アモキシシリンカプセル、オメプラゾールカプセル、及びクラリスロマイシン(Claritharmycin)薬錠を服用した対照群の動物(犬)血中放出濃度と比較すると、本発明のアモキシシリン/クラリスロマイシン/オメプラゾールを含む発泡錠剤タイプ医薬組成物は、同等もしくは市販カプセルや薬錠の生物学的利用能より優位となる。これは、本発明の発泡錠剤タイプ医薬組成物に含まれるアルカリ性物質、例えば炭酸塩類の添加が直接、胃内のペーハー(pH)値を高くしてアルカリ性に近い環境を作り、抗生物質またはプロトンポンプ阻害薬が強酸環境での不安定によって分解を引き起こすのを防ぎ、薬物が胃内で作用を起こし、更に薬物の体内での生物学的利用能を高めることを示す。
【0077】
本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に用いる発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、及び粉剤タイプ医薬組成物は、簡便な製造方法によって現在市販されているカプセルや薬錠と同様もしくは更に良好な生物学的利用能を達成し、薬物安定性が良好で、その長所は、迅速な崩壊と吸収、液態での吸収により顆粒を飲み込む必要がなく、胃腸に対する耐性が良好、携帯に便利で、矯味可能(良くない味を改善し飲み易くする)で、比較的大量の薬品等に使用でき、良好な吸収安定性、治療効果が簡単に予測できることにある。また、アルカリ性物質の添加によって、胃内のペーハー値を高めてアルカリ性に近い環境を作り、プロトンポンプ阻害薬(PPI)にその薬効を発揮させる為、クラリスロマイシン(clarithromycin)及びアモキシシリン(amoxicillin)等抗生物質が胃内の胃酸による分解から治療効果が消失するのを防ぎ、効果的にヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する目的を達成する。
【0078】
また、前述した本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、及び粉剤タイプ医薬組成物の製造過程において、医薬組成物に含まれる各成分は、適当に混合する前後順序に基づいて製造され、適合する賦形剤を加える為、各成分間には交互作用を起こさせることなく、製造された医薬組成物は安定性を備える。また、製造方法は本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡剤タイプ、懸濁剤タイプ、及び粉剤タイプの医薬組成物に限らず、その他のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する医薬組成物に応用することも可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明はヘリコバクタ−・ピロリを抑制する薬物と製造方法に関し、特にヘリコバクタ−・ピロリを除菌する発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、粉剤タイプの医薬組成物及びその製造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
ヘリコバクタ−・ピロリ(Helicobacter pylori、以下H. pyloriと簡略)は、微好気性のグラム陰性(Gram-negative)細菌であり、主にヒト或いはその他の動物の胃の粘膜表層、即ち胃上皮細胞と胃粘液層(gastric mucus layer)間に生息する。ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の感染は一般によく見られ、世界の凡そ半分以上の人がヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)に感染したことがある。研究では、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)に持続的に感染すると上消火器の病変を引き起こすことが指摘されており、細菌感染では、慢性の活動性胃炎(chronic active gastritis)、消化性潰瘍(peptic ulcer)、非潰瘍性消化不良(non-ulcer dyspepsia)、胃食道逆流症(GERD)、胃潰瘍(gastric ulcer)、十二指腸潰瘍(duodenal ulcer)等の疾病を引き起こす可能性があることが現在既に知られており、並びに、胃癌(gastric carcinoma)、胃腺癌(gastric adenocarcinoma)及び胃粘膜関連組織のリンパ腫(maltoma)の発生と非常に密切な関係を持つ故、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)は癌を引き起こす(carcinogen)細菌であると考えられている。
【0003】
また、研究ではヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)感染後、効果的にヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌していない場合、各種の胃腸道潰瘍の反再発作を引き起こすだけでなく、以後、胃癌に罹る発生率が顕著に増加することが示された。ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)感染後の消化性潰瘍を例に挙げると、菌体を徹底的に取り除いていない場合、薬停止後の再発率は60%〜95%にも高まるが、それに対し、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌した場合の潰瘍再発率は20%以下にまで落ちている。よって、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌は、前述した上消火器の疾病治療及び予後における重大要素となり、臨床上ではヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)感染が確定した患者は皆、徹底的な除菌療法を必要とする。また、ヒトがヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)に感染すると終生保菌状態となり、適当な治療を施さない限りは、自動的に除菌されることはない。
【0004】
現在、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の効果的な除菌治療方法は主に、二種の抗生物質に一種のH2ブロッカー(H2 Blocker)またはプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor, PPI)等の制酸剤を加えた三剤併用療法を採用しており、前記抗生物質は、アモキシシリン(amoxicillin)等のペニシリン系抗生物質、メトロニダゾール(metronidazole)、クラリスロマイシン(clarithromycin)等のマクロライド系(macrolides)抗生物質、及びテトロサイクリン(tetracycline)等の四種を含む。制酸剤はH2ブロッカー(H2 Blocker)またはプロトンポンプ阻害薬(PPI)で、前者は胃内水素イオン濃度指数(intragastric pH value)を高め、それに対し後者は、効果的に胃酸分泌を抑制する。抗生物質、例えばクラリスロマイシンは、弱酸性からアルカリ性に至る環境中で比較的安定する為、前記抗生物質を服用後、人体の胃酸による破壊を受け易く、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌効果を低下させる。そこで、制酸剤を添加して胃内水素イオン濃度指数(pH値)を高める。全治療過程は7日或いは10〜14日間継続する。患者が医師の指示を守り治療期間、全ての治療の為の薬を時間通りに服用したなら、除菌治療効果は約85%以上に達する。
【0005】
研究では、三剤併用療法は、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に効果を有するものの、臨床で療法をしヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌の実際の成功率は予期には至らない。次の原因が推測される。
1.患者の薬服用において医師の指示に従っていない。現在の国内臨床における三剤併用治療を例にとると、一つの治療方法では毎回5錠の薬を服用する。20 mgのオメプラゾール(omeprazole)一錠、500 mgのアモキシシリン二錠、及び250 mgのクラリスロマイシン二錠である。これらの錠剤を朝、晩、それぞれ一回、7〜14日間継続して服用する。また、別の治療方法ではPYLERA(登録商標)三剤併用薬物を包み込んで一日三回服用し、他に朝晩、20 mgのオメプラゾール(omeprazole)一錠を服用する。前記二種の治療方法の欠点は、服用数量が多すぎる、服用する量または薬品種類を誤り易い、携帯が不便で飲み込む難い等の問題にある。また、二つ目の治療法の患者は、オメプラゾール(omeprazole)の追加服用を忘れ易い為、時間通りの定量服用ができず、結果として、医師の指示に従えなくなってしまう。
2.全治療期間の薬物量が不十分。これもまた医師の指示した量を服用しないことによる。
3.薬物の胃内安定性不良等により、薬物の吸収不良を引き起こし治療効果を達成できない。
4.患者の特異体質とアレルギー反応により予定以前に薬を停止。
5.ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)が薬物に対して抗薬性を有する為、三剤併用療法で用いた抗生物質メトロニダゾールの薬物投与に失敗した患者は二次抗薬性を生じさせ易い。よって、前記薬物を使用する場合は、用量、治療過程、及び患者の適応度などを考慮しなければならない。また、特許文献1で開示されたヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)による胃炎及び胃・十二指腸潰瘍等消化器系疾患の治療方法では、ビスマス化合物(bismuth)、ペニシリン系、及びテトロサイクリン系抗生物質を投与し、並びに、一日三種類の錠剤(それぞれの有効成分は一種)を数回与えるが、この治療方法は複雑である。
【0006】
また、制酸剤において、例えばオメプラゾール(omeprazole)の安定性はそれが存在する環境のペーハー(pH)値によって変化し、アルカリ性環境では安定性を維持し、酸性環境では迅速に分解する。よって、オメプラゾール(omeprazole)は胃液内では安定存在できず、極端に分解され易いため、通常は腸溶性皮膜タイプで被覆してオメプラゾール(omeprazole)を腸で吸収されるようにし、体内の循環系統を経て胃腺細胞の分泌する胃酸を抑制する。よって、オメプラゾール(omeprazole)が直接胃内の胃酸環境中で作用するなら、オメプラゾール(omeprazole)は効果的に胃酸分泌を抑えることはできず、抗生物質は依然として胃内の酸性環境中で作用する為、抗生物質がヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除去する効果を低下させる。
【0007】
特許文献2に開示された二層カプセルタイプ薬剤は、内カプセルを外カプセル内に入れたもので、前記外カプセルは次クエン酸ビスマス(bismuth subcitrate)とメトロニダゾールを含み、内カプセルはテトロサイクリンとオメプラゾールを含み、これらの有効成分は適当な時間間隔をあけて作用を発揮し、ヘリコバクタ−・ピロリを除菌する。特許文献3に開示された現有する製剤に比べ重量の比較的軽い複合製剤は、アモキシシリンとクラブラン酸カリウム(potassium clavulanate)を含み、しかも、錠剤、カプセル、粉剤等形状を製作可能で、細菌感染治療に用いる。
【0008】
前述した通り、現在ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する薬物には前記欠点がある。患者の医師の指示に従う度合いを高める、例えば使用が便利であるとか、老人や子供等の飲み込むのが困難な者でも簡単に服用できる、並びに、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌するような薬物が開発されたのなら、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)による消火器疾病の治療及び胃癌予防に大きな助けとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許公示第5,196,205号明細書
【特許文献2】米国特許公示第6,350,468号明細書
【特許文献3】米国特許公示第6,977,086号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
公知のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)治療の三剤併用療法における問題点及び欠点を解決すべく、本発明は、ヘリコバクタ−・ピロリを除菌する医薬組成物及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記本発明の開示するヘリコバクタ−・ピロリを除菌する医薬組成物は、有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、有効用量の制酸剤、及び薬学上許容可能な担体を含み、前記医薬組成物は懸濁剤タイプ、粉剤タイプ、発泡錠剤タイプとする。
【0012】
前記懸濁剤タイプ医薬組成物、粉剤タイプ医薬組成物、発泡錠剤タイプ医薬組成物を更に水に溶かして溶液製剤形態の医薬組成物を生成する。
【0013】
また、本発明の提供するヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に用いる医薬組成物の製造方法におけるステップは次の通りである。:有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成する。;有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質及び薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成する。;前記第一混合物及び前記第二混合物を混合後、制酸剤を加えて混合し、第三混合物を生成する。;更に、流動化剤(glidant)、抗菌剤、潤滑剤(lubricants)、懸濁化剤、及び前記第三混合物を混合して懸濁剤タイプの医薬組成物を生成する。
【0014】
本発明が更に提供するヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に用いる医薬組成物の製造方法におけるステップは次の通りである。:制酸剤と懸濁化剤、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成する。;β-ラクタム系抗生物質及び潤滑剤を含む薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成する。;前記第一混合物と前記第二混合物を混合して均等化した後粉剤タイプの医薬組成物を生成する。
【0015】
また、本発明が他に提供するヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に用いる医薬組成物の製造方法におけるステップは次の通りである。:有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成する。;有効用量の制酸剤、抗菌剤、薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成する。;発泡剤、前記第一混合物、前記第二混合物を混合して造粒する。;更に造粒後、流動化剤(glidant)を加えて錠剤を圧縮して発泡錠剤タイプの医薬組成物を生成する。前記懸濁剤タイプ医薬組成物、粉剤タイプ医薬組成物、発泡錠剤タイプ医薬組成物の製造方法において、更に懸濁剤タイプ医薬組成物、粉剤タイプ医薬組成物、発泡錠剤タイプ医薬組成物を水に溶かし、溶液製剤形態の医薬組成物を生成する。
【0016】
前記医薬組成物及びその製造方法と用途における制酸剤はH2ブロッカー(H2 Blocker)もしくはプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor, PPI)とし、前記プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、オメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、エソメプラゾール(esomeprazole)、パントプラゾール(pantoprazole)、テナトプラゾール(tenatoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)の何れかとする。;前記H2ブロッカーは、シメチジン(cimetidine)、ラニチジン(ranitidine)、ファモチジン(famotidine)、ニザチジン(nizatidine)の何れかとする。また、前記制酸剤をプロトンポンプ阻害薬とした場合、有効用量のアルカリ性物質を添加可能であり、前記アルカリ性物質は、炭酸塩(carbonate)もしくは炭酸水素塩(bicarbonate)、例えば炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)、炭酸マグネシウム(magnesium carbonate)等とし、これによって胃酸のペーハー値(pH)を高くする。
【0017】
β-ラクタム系(β-lactams)抗生物質は、ペニシリン(penicillins)、フェノキシペニシリン(phenoxypenicillins)、オキサシリン(oxacillin)、クロキサシリン(cloxacillin)、ジクロキサシリン(dicloxacillin)、フルクロキサシリン(flucloxacillin)、ナフシリン(nafcillin)、アンピシリン(ampicillin)、バカンピシリン(bacampicillin)、アモキシシリン(amoxicillin)、カルベニシリン(carbenicillin)、チカルシリン(ticarcillin)、フルブシリン(furbucillin)、ピペラシリン(piperacillin)、セファロチン(cefalotin)、セファロリジン(cefaloridin)、セファレキシン(cefalexin)、セファゾリン(cefazolin)、セフラジン(cefradine)、セファドロキシル(cefadroxil)、セファマンドール(cefamandole)、セフロキシム(cefuroxime)、セフォキシチン(cefoxitin)、セフォタキシム(cefotaxime)、セフォペラゾン(cefoperazone)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、セフタジジム(ceftazidime)、ラタモキセフ(latamoxef)、セフェピム(cefepime)、セフピロム(cefpirome)、セフクリジン(cefclidin)、アズトレオナム(aztreonam)、イミペネム(imipenem)、メロペネム(meropenem)の何れかとする。;マクロライド系(macrolides)抗生物質は、エリスロマイシン(erythromycin)、スピラマイシン(spiramycin)、キタサマイシン(kitasamycin)、ミデカマイシン(midecamycin)、ジョサマイシン(josamycin)、ロキシスロマイシン (roxithromycin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、アジスロマイシン(azithromycin)、テトロサイクリン(Tetracycline)、オキシテトラサイクリン(Oxytetracycline)、デメクロサイクリン(Demeclocycline)、クロルテトラサイクリン(Chlortetracycline)、デオキシサイクリン(Doxycycline)、ライムサイクリン(Lymecycline)、メクロサイクリン(Meclocycline)、メタサイクリン(Methacycline)、ミノサイクリン(Minocycline)、ロリテトラサイクリン(Rolitetracycline)の何れかとする。;前記薬学上許容可能な担体は、賦形剤、矯味剤、流動化剤(glidant)、抗菌剤、懸濁剤(suspending agent)、崩壊剤(disintegrant)、潤滑剤(lubricants)、充填剤、粘着剤、希釈剤、吸収促進剤の何れかとする。
【0018】
懸濁剤タイプの医薬組成物とその製造方法において、前記組成物は、ラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、及びアモキシシリン(amoxicillin)を含み、前記各組成物の最適用量は290ミリグラム(mg)のラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)、500ミリグラム(mg)のクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び1グラム(g)のアモキシシリン(amoxicillin)である。;最適であるのはアモキシシリン(amoxicillin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、及びファモチジン(famotidine)を含むもので、前記各組成物の最適用量は1グラム(g)のアモキシシリン(amoxicillin)、500ミリグラム(mg)のクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び20ミリグラム(mg)のファモチジン(famotidine)である。
【0019】
また、薬学上許容可能な担体は、矯味剤、流動化剤(glidant)、抗菌剤、懸濁化剤(suspending agent)、崩壊剤(disintegrant)、及び潤滑剤(lubricants)より組成されるグループから選択する。前記矯味剤は、マンニトール(mannitol)、フルクトース(fructose)、キシリトール(xylitol)、右旋糖(dextrose)、ラクトース(lactose)、蔗糖(sucrose)、及びブドウ糖(glucose)により組成されるグループとする。;前記懸濁化剤は、キサンタンガム(xanthan gum)、アラビアガム(Acacia)、寒天(Agar)、カルボマー(Carbomer)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(Carboxymethylcellulose Calcium)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Carboxymethylcellulose Sodium)、カラギーナン(Carrageenan)、水晶セルロース(microcrystalline cellulose)、セラトニア(Ceratonia)、ゼラチン(Gelatin)、ヒドロキシエチルセルロース(Hydroxyethyl cellulose)、メチルヒドロキシエチルセルロース(Hydroxyethylmethyl cellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose)、ヒプロメロース(Hypromellose)、メチルセルロース(Methylcellulose)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropylmethyl cellulose)より組成されるグループから選択する。;前記流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicon dioxide)、及び滑石(talc)より組成されるグループから選択する。;前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate)、及び滑石(talc)より組成されるグループから選択する。;前記崩壊剤は、ポビドン(Povidone)、及びクロスポビドン(crospovidone)より組成されるグループから選択する。
【0020】
発泡錠剤タイプまたは粉剤タイプの医薬組成物とその製造方法において、最良の前記組成物は、アモキシシリン(amoxicillin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、及びオメプラゾール(omeprazole)を含み、前記の各組成物の最良用量は、1グラム(g)のアモキシシリン(amoxicillin)、500ミリグラム(mg)のクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び20ミリグラム(mg)のオメプラゾール(omeprazole)である。;前記アルカリ性物質は、炭酸塩(carbonate)または炭酸水素塩(bicarbonate)とする。また、薬学上許容可能な担体は、賦形剤、発泡剤、矯味剤、流動化剤(glidant)、及び抗菌剤により組成されるグループから選択する。前記矯味剤は、マンニトール(mannitol)、フルクトース(fructose)、キシリトール(xylitol)、右旋糖(dextrose)、ラクトース(lactose)、蔗糖(sucrose)、及びブドウ糖(glucose)により組成されるグループから選択する。;前記賦形剤は、超微粒セルロース(microfine cellulose)、水晶セルロース(microcrystalline cellulose)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(Carboxymethylcellulose Calcium)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Carboxymethyl Cellulose Sodium)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose)、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone)、及びグリコール酸でん粉ナトリウム(sodium starch glycollate)により組成されるグループから選択する。;前記発泡剤は、アルカリ性物質と有機酸(organic acid)で共に組成され、前記アルカリ性物質は、炭酸塩(carbonate)または炭酸水素塩(bicarbonate)とし、有機酸は、モノアルカリ金属クエン酸塩(monoalkali metal citrate)とし、例えば無水クエン酸(anhydrous citric acid)及びリンゴ酸(malic acid)等である。;前記流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicon dioxide)及び滑石(talc)により組成されるグループから選択する。
【0021】
また、本発明は、プロトンポンプ阻害薬を制酸剤とする医薬組成物において、例えば炭酸塩類のアルカリ性物質の添加により、直接、胃内のペーハー(pH)値を高くしてアルカリ性に近い環境を作り、酸不安定の抗生物質またはプロトンポンプ阻害薬が強酸環境下で不安定となり分解するのを防ぎ、薬物は胃内で作用を発揮して体内の生物学的利用能を高め、連続数日、本発明の医薬組成物を服用するとヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を効果的に除菌可能である。
【0022】
本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物の製造方法では、β-ラクタム系抗生物質とマクロライド系抗生物質をそれぞれ薬学上許容可能な担体と混合後、第一混合物と第二混合物を生成し、更に制酸剤と混合する。第一混合物と第二混合物中の薬学上許容可能な担体は隔離作用を起こす為、β-ラクタム系抗生物質、マクロライド系抗生物質とH2ブロッカーの各成分は混合後、直接相互に接触することなく医薬組成物の安定性を高める。;同様に本発明は、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する粉剤タイプ医薬組成物の製造方法では、先ず、制酸剤と懸濁化剤、マクロライド系抗生物質及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成後、更に、β-ラクタム系抗生物質と潤滑剤を含む薬学上許容可能な担体の混合物を混合して、前記抗生物質が制酸剤に直接接触して不安定となるのを防ぐ。;また、本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ医薬組成物の製造方法では、先ず、β-ラクタム系抗生物質、マクロライド系抗生物質、及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成した後、更に制酸剤と混合して、抗生物質が制酸剤と直接接触して不安定となるのを防ぐ。
【発明の効果】
【0023】
本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する医薬組成物及びその製造方法は、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する薬物で発泡錠剤、懸濁剤、粉剤の薬剤タイプを作り、公知の三剤併用療法で服用すべき多種薬物を合わせて一つとする他、携帯に便利で、且つ、発泡錠剤、粉剤、及び懸濁剤は液態形式で服用する為、患者が薬を服用する場合、たくさんの錠剤を飲み込む必要がなく、これによって、医師の指示に基づいた薬服用率を高め、服用後は薬物は迅速吸収され、胃腸に対する耐性も良好で、矯味可能であり(良くない味を改善し飲み易くする)、大量の薬品に使用可能で、吸収面は安定し、治療効果も簡単に予測可能である等の特徴を持つ。;同時に、前記製造方法は薬物に良好な安定性を持たせ、薬物の体内における生物学的利用能を高める。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物中のファモチジン安定性分析結果である。
【図2】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物中のアモキシシリン安定性分析結果である。
【図3】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物中のクラリスロマイシン安定性分析結果である。
【図4】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ医薬組成物中におけるアモキシシリンの動物(犬)血中濃度分析結果である。
【図5】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ医薬組成物中におけるクラリスロマイシンの動物(犬)血中濃度分析結果である。
【図6】本発明実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ医薬組成物中におけるオメプラゾールの動物(犬)血中濃度分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を組み合わせて本発明の実施形態を説明する。下記に列挙した実施例は、本発明の発明の特徴及び応用を闡明にするものであり、本発明の範囲を限定するものではない。当該技術に熟知する何れの者が本発明の精神と範囲を逸脱せずに若干の変更や修飾を行うことは可能である故、本発明の保護範囲は下記の特許登録請求の範囲を基準とする。
【0026】
本発明の実施例は、ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する薬物で発泡錠剤、懸濁剤、粉剤等の薬剤タイプに製造し、公知の三剤併用療法で服用する必要のある多種薬物を合わせて一つとし、並びに、薬物を溶液製剤形式で服用する故、患者が薬を服用する場合、指示に基づいた薬服用率を高められ、例えば炭酸塩(carbonate)や炭酸水素塩(bicarbonate)等のアルカリ性物質の添加によって、直接、胃内のぺーハー(pH)値を高くしてアルカリ性に近い環境を作り、酸不安定の抗生物質やプロトンポンプ阻害薬が強酸環境下で不安定となり分解するのを防ぐ為、薬物は胃内で作用を発揮して薬物が体内の生物学的利用能を高め、連続数日間、本発明の医薬組成物を使用すると効果的にヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除去できる。
【0027】
前記医薬組成物は、有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、有効用量の制酸剤、及び薬学上許容可能な担体を含み、前記医薬組成物は、懸濁剤タイプ、粉剤タイプ、発泡錠剤タイプの何れかとする。
【0028】
その中、制酸剤は、H2ブロッカー(H2 Blocker)或いはプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor, PPI)とし、前記プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、オメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、エソメプラゾール(esomeprazole)、パントプラゾール(pantoprazole)、テナトプラゾール(tenatoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)の何れかとする。;前記H2ブロッカーは、シメチジン(cimetidine)、ラニチジン(ranitidine)、ファモチジン(famotidine)、ニザチジン(nizatidine)の何れかとする。また、前記制酸剤をプロトンポンプ阻害薬とする場合、有効用量のアルカリ性物質を添加可能で、胃酸のペーハー(pH)値を高めることによりプロトンポンプ阻害薬を胃内で作用させる。
【0029】
前記β-ラクタム系(β-lactams)抗生物質は、ペニシリン(penicillins)、フェノキシペニシリン(phenoxypenicillins)、オキサシリン(oxacillin)、クロキサシリン(cloxacillin)、ジクロキサシリン(dicloxacillin)、フルクロキサシリン(flucloxacillin)、ナフシリン(nafcillin)、アンピシリン(ampicillin)、バカンピシリン(bacampicillin)、アモキシシリン(amoxicillin)、カルベニシリン(carbenicillin)、チカルシリン(ticarcillin)、フルブシリン(furbucillin)、ピペラシリン(piperacillin)、セファロチン(cefalotin)、セファロリジン(cefaloridin)、セファレキシン(cefalexin)、セファゾリン(cefazolin)、セフラジン(cefradine)、セファドロキシル(cefadroxil)、セファマンドール(cefamandole)、セフロキシム(cefuroxime)、セフォキシチン(cefoxitin)、セフォタキシム(cefotaxime)、セフォペラゾン(cefoperazone)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、セフタジジム(ceftazidime)、ラタモキセフ(latamoxef)、セフェピム(cefepime)、セフピロム(cefpirome)、セフクリジン(cefclidin)、ラタモキセフ(latamoxe)、アズトレオナム(aztreonam)、イミペネム(imipenem)、メロペネム(meropenem)の何れかとする。;前記マクロライド系(macrolides)抗生物質は、エリスロマイシン(erythromycin)、スピラマイシン(spiramycin)、キタサマイシン(kitasamycin)、ミデカマイシン(midecamycin)、ジョサマイシン(josamycin)、ロキシスロマイシン (roxithromycin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、アジスロマイシン(azithromycin)、テトロサイクリン(Tetracycline)、オキシテトラサイクリン(Oxytetracycline)、デメクロサイクリン(Demeclocycline)、クロルテトラサイクリン(Chlortetracycline)、デオキシサイクリン(Doxycycline)、ライムサイクリン(Lymecycline)、メクロサイクリン(Meclocycline)、メタサイクリン(Methacycline)、ミノサイクリン(Minocycline)、ロリテトラサイクリン(Rolitetracycline)の何れかとする。;前記アルカリ性物質は炭酸塩(carbonate)または炭酸水素塩(bicarbonate)とし、例えば炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)、炭酸マグネシウム(magnesium carbonate)である。;前記薬学上許容可能な担体は、賦形剤、発泡剤、矯味剤、流動化剤(glidant)、抗菌剤、懸濁化剤(suspending agent)、崩壊剤(disintegrant)、潤滑剤(lubricants)、充填剤、粘着剤、希釈剤、吸収促進剤の何れかとするが、これに制限されない。本発明の実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、及び粉剤タイプの医薬組成物に関する製造方法を次に述べる。
【実施例1】
【0030】
ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に用いる懸濁剤タイプ医薬組成物の製造方法を次に示す。
【0031】
本発明の実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物の有効成分には、20 mgのファモチジン(famotidine)、500 mgのクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び1gのアモキシシリン(amoxicillin)を含む。;前記20 mgのファモチジン(famotidine)は、290 mgのラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)によって代替可能である。前記ファモチジン(famotidine)或いはラニチジン(ranitidine)は何れもH2ブロッカー(H2 Blocker)である。本発明の実施例でのヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する懸濁剤タイプ医薬組成物の製造方法は、ファモチジン(famotidine)を含む医薬組成物の製造方法を例として示す。前記薬物組成には、20 mgのファモチジン(famotidine)、500 mgのクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び1gのアモキシシリン(amoxicillin)、崩壊剤とするアクジゾル(Ac-Di-Sol)、流動化剤とするコロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicon dioxide)、懸濁化剤とするキサンタンガム(xanthan gum)、懸濁化剤とするカルボキシメチルセルロースナトリウム(Carboxymethylcellulose Sodium)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose)、抗菌剤とするナトリウム安息香酸塩、並びに、潤滑剤とするステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate)を含む。その成分表と製造方法は次の通りである。
【0032】
【表1】
【0033】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のアモキシシリンの混合顆粒内に加えてアモキシシリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)ファモチジンをアモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、並びに、60号の篩網にかけて、ファモチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれ、ファモチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて、均等に混合し、並びに60号の篩網にかけると、ファモチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシンの懸濁剤ができあがる。
【0034】
前記懸濁剤タイプ医薬組成物に含まれる添加物は、前記物質に制限されず、その他種類の懸濁剤、流動化剤、潤滑剤、及び崩壊剤を含むことも可能である。前記懸濁剤は、アラビアガム(Acacia)、寒天(Agar)、カルボマー(Carbomer)、カルボキシメチルセルロースカルシウム(Carboxymethylcellulose Calcium)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Carboxymethylcellulose Sodium)、カラギーナン(Carrageenan)、水晶セルロース(microcrystalline cellulose)、セラトニア(Ceratonia)、ゼラチン(Gelatin)、ヒドロキシエチルセルロース(Hydroxyethyl cellulose)、メチルヒドロキシエチルセルロース(Hydroxyethylmethyl cellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose)、ヒプロメロース(Hypromellose)、メチルセルロース(Methylcellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropylmethyl cellulose)の何れかを含み、前記流動化剤は、コロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicon dioxide)及び滑石(talc)等を含む。;前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate)及び滑石(talc)等を含み、前記崩壊剤は、ポビドン(Povidone)或いはクロスポビドン(crospovidone)等とするが、これに制限されることはない。ここでは更に、その他の異なる成分を含む懸濁剤タイプ医薬組成物及びその製造方法についてを次に示す。
【0035】
1.クラリスロマイシン(clarithromycin)、アモキシシリン(amoxicillin)を抗生物質とし、オメプラゾール(omeprazole)をプロトンポンプ阻害薬(PPI)とする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法は次の通りである。
【0036】
【表2】
【0037】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えて、アモキシシリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)オメプラゾールをアモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、並びに、60号の篩網にかけてオメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれオメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、並びに、60号の篩網にかけると、オメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【0038】
2.アモキシシリン(amoxicillin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)を抗生物質とし、ラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合してから60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えて、アモキシシリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)ラニチジン/クエン酸ビスマスをアモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網に通してラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけると、ラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【0041】
3.アモキシシリン(amoxicillin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)を抗生物質とし、シメチジン(cimetidine)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えて、アモキシシリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)シメチジンをアモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけてシメチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれシメチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけると、シメチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【0044】
4.アモキシシリン(amoxicillin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、オメプラゾール(omeprazole)をプロトンポンプ阻害薬(PPI)とする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のテトロサイクリンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えて、アモキシシリン顆粒とテトロサイクリン顆粒を均等に混合する。
(4)オメプラゾールをアモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し60号の篩網にかけて、オメプラゾール/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれオメプラゾール/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し60号の篩網にかけると、オメプラゾール/アモキシシリン/テトロサイクリンの懸濁剤が得られる。
【0047】
5.クラリスロマイシン(clarithromycin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、オメプラゾール(omeprazole)をプロトンポンプ阻害薬(PPI)とする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0048】
【表6】
【0049】
(1)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のテトロサイクリン混合顆粒内に加えてテトロサイクリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)オメプラゾールをテトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し60号の篩網にかけて、オメプラゾール/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれオメプラゾール/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加え均等に混合し60号の篩網にかけると、オメプラゾール/テトロサイクリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【0050】
6.アモキシシリン(amoxicillin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、ファモチジン(famotidine)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0051】
【表7】
【0052】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のテトロサイクリンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えてアモキシシリン顆粒とテトロサイクリン顆粒を均等に混合する。
(4)ファモチジンをアモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網に通して、ファモチジン/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれファモチジン/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網に通すと、ファモチジン/アモキシシリン/テトロサイクリンの懸濁剤が得られる。
【0053】
7.アモキシシリン(amoxicillin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、ファモチジン(famotidine)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0054】
【表8】
【0055】
(1)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースに加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のテトロサイクリン混合顆粒内に加えてテトロサイクリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)ファモチジンをテトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけてファモチジン/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれファモチジン/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけると、ファモチジン/テトロサイクリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【0056】
8.アモキシシリン(amoxicillin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、ラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0057】
【表9】
【0058】
(1)アモキシシリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度、60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のテトロサイクリンをステップ(1)のアモキシシリン混合顆粒内に加えてアモキシシリン顆粒とテトロサイクリン顆粒を均等に混合する。
(4)ラニチジン/クエン酸ビスマスをアモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網に通してラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/テトロサイクリン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけると、ラニチジン/クエン酸ビスマス/アモキシシリン/テトロサイクリンの懸濁剤が得られる。
【0059】
9.アモキシシリン(amoxicillin)、テトロサイクリン(tetracycline)を抗生物質とし、ラニチジン(ranitidine)/クエン酸ビスマス(bismuth citrate)をH2ブロッカーとする懸濁剤タイプ医薬組成物の成分表と製造方法を次に示す。
【0060】
【表10】
【0061】
(1)テトロサイクリンを60号の篩網にかけた後、アクジゾル(Ac-Di-Sol)を均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えて均等に混合し、再度、60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のテトロサイクリン混合顆粒内に加えてテトロサイクリン顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)ラニチジン/クエン酸ビスマスをテトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけて、ラニチジン/クエン酸ビスマス/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)コロイド状二酸化ケイ素、キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれラニチジン/クエン酸ビスマス/テトロサイクリン/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけると、ラニチジン/クエン酸ビスマス/テトロサイクリン/クラリスロマイシンの懸濁剤が得られる。
【実施例2】
【0062】
ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる発泡錠剤タイプ医薬組成物の製造方法を次に示す。
【0063】
本発明実施例のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ医薬組成物の有効成分は、20 mgのオメプラゾール(omeprazole)、500 mgのクラリスロマイシン(clarithromycin)、及び1 gのアモキシシリン(amoxicillin)、発泡剤とする炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)と無水クエン酸(anhydrous citric acid)、抗菌剤とするナトリウム安息香酸塩(sodium benzoate)、流動化剤とするコロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicon dioxide) 、懸濁剤とするカルボキシメチルセルロースナトリウム(Carboxymethylcellulose Sodium)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose)、及び矯味剤を含む。その成分表と製造過程は次の通りである。
【0064】
【表11】
【0065】
(1)500 mgのクラリスロマイシン(clarithromycin)及び1 gのアモキシシリン(amoxicillin)をそれぞれ60号の篩網にかけた後、マンニトールを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)20mgのオメプラゾールとヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropylmethylcellulose)を均等に混合した後、60号の篩網にかける。
(3)炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)と無水クエン酸(anhydrous citric acid)を均等に混合した後、40号の篩網にかける。
(4)ステップ(1)、ステップ(2)とステップ(3)の顆粒を均等に混合後、40号の篩網にかける。
(5)ポリビニルピロリドン(PVP)を25mlの95%エチルアルコール内に溶かして均等に攪拌する。
(6)PVP溶液をステップ(4)の混合顆粒内に加えて造粒する。
(7)40℃で乾燥後、ステアリン酸マグネシウム(Magnesium stearate)と疏水性コロイダルシリカ(Hydrophobic colloidal silica)を加え、更に20号の篩網にかけて粒を整えた後、一錠一錠にして、アモキシシリン/クラリスロマイシン/オメプラゾールの発泡錠剤を作る。
【0066】
前記発泡錠剤タイプ医薬組成物に含む添加物は、前記物質に制限されず、例えば矯味剤、発泡剤、及び賦形剤を含めることも可能である。前記矯味剤は、マンニトール(mannitol)、フルクトース(fructose)、キシリトール(xylitol)、右旋糖(dextrose)、ラクトース(lactose)、蔗糖(sucrose)、ブドウ糖(glucose)の何れかとすることも可能で、発泡剤成分は、炭酸塩または炭酸水素塩(bicarbonate)とすることも可能で、例えば、炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)、炭酸マグネシウム(magnesium carbonate)とモノアルカリ金属クエン酸塩(monoalkali metal citrate)、無水クエン酸(anhydrous citric acid)及びリンゴ酸(malic acid)等の有機酸(organic acid)により組成される。前記賦形剤は、超微粒セルロース(microfine cellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose)、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone)、グリコール酸でん粉ナトリウム(sodium starch glycollate)の何れかとすることも可能であるが、これに制限されることはない。
【実施例3】
【0067】
ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる粉剤タイプ医薬組成物の製造方法を次に示す。
【0068】
【表12】
【0069】
(1)オメプラゾールを60号の篩網にかけた後、ヒドロキシプロピルメチルセルロースに加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(2)クラリスロマイシンを60号の篩網にかけた後、マンニトールを加えて均等に混合し、再度60号の篩網に通す。
(3)ステップ(2)のクラリスロマイシンをステップ(1)のオメプラゾール混合顆粒内に加えてオメプラゾール顆粒とクラリスロマイシン顆粒を均等に混合する。
(4)アモキシシリンをオメプラゾール/クラリスロマイシン顆粒内に加えて均等に混合し、60号の篩網にかけてオメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒を作る。
(5)キサンタンガム、ナトリウム安息香酸塩、矯味剤、ポリビニルピロリドン、及びステアリン酸マグネシウムをそれぞれオメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシン顆粒内に加え、均等に混合して60号の篩網にかけると、オメプラゾール/アモキシシリン/クラリスロマイシンの粉剤が得られる。
【実施例4】
【0070】
ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる懸濁剤タイプ医薬組成物の安定性分析を次に示す。
【0071】
一般の懸濁剤タイプ薬物を服用する場合、特定の水量を加えて粉末顆粒を溶解して懸濁液を作ってから数回に分けて指示用量に基づき服用し、服用していない懸濁液は4℃下で保存し、数日以内に飲みきらなければならない。本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる懸濁剤タイプ医薬組成物の保存安定性を確認する為に、試験では2.024グラムのファモチジン/アモキシシリン/クラリスロマイシンの懸濁剤に20mlの水を加えて均等に混合後、4℃下で光を避けて八日間保存し、保存期間、ファモチジン、アモキシシリン及びクラリスロマイシンの安定性をそれぞれ測定した。その結果は、図1乃至図3に示す通りである。
【0072】
図1乃至図3に示したグラフは、それぞれ、ファモチジン、アモキシシリン、及びクラリスロマイシンの安定性測定測試結果である。これらの結果から、ファモチジン、アモキシシリン、及びクラリスロマイシンの保存第一日目と第八日目の濃度には何れも顕著な差異は見られず、ファモチジン、アモキシシリン、及びクラリスロマイシンの八日間の保存期間での安定性が良好であることが理解される。即ち、本発明実施例の懸濁剤タイプ医薬組成物を用いた製造過程で加えられる薬学上許容可能な担体は、隔離作用を起こし、これによってβ-ラクタム系抗生物質、マクロライド系抗生物質とH2ブロッカーの各成分は混合後、直接相互に接触することなく、確実に懸濁剤タイプ医薬組成物に含まれる各成分を安定的に存在させる目的を達成する。
【実施例5】
【0073】
ヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる発泡錠剤タイプ医薬組成物の生物学的利用能分析を次に示す。
【0074】
この試験は、発泡錠剤タイプ医薬組成物が動物体内に入った後の薬物の動物体における血中濃度を分析するものであり、これは動物の生物学的利用能を示す。動物試験には年齢1〜3歳、体重10〜12キログラムのビーグル(beagle)犬を使用する。
【0075】
500 mgのアモキシシリン(Amoxicillin)、250 mgのクラリスロマイシン(Claritharmycin)と20mgのオメプラゾール(Omeprazole)を含む発泡錠剤タイプ医薬組成物を15 mLの水中に入れて発泡させた後、動物(犬)に与える。それとは別に、市販されている500 mgのアモキシシリン(Amoxicillin)を含むカプセル(capsule)、20mgのオメプラゾール(Omeprazole)を含むカプセル(capsule)、及び250 mgのクラリスロマイシン(Claritharmycin)を含む薬錠を与える。これを対照群とする。犬に与えてから、0、0.33、0.66、1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、10、24時間目に採血し、薬物濃度を測定する。結果は、図4乃至図6に示す通りである。
【0076】
図4乃至図6はそれぞれ、アモキシシリン、クラリスロマイシン、オメプラゾールの動物(犬)血中濃度測定結果である。図に示す通り、アモキシシリンカプセル、オメプラゾールカプセル、及びクラリスロマイシン(Claritharmycin)薬錠を服用した対照群の動物(犬)血中放出濃度と比較すると、本発明のアモキシシリン/クラリスロマイシン/オメプラゾールを含む発泡錠剤タイプ医薬組成物は、同等もしくは市販カプセルや薬錠の生物学的利用能より優位となる。これは、本発明の発泡錠剤タイプ医薬組成物に含まれるアルカリ性物質、例えば炭酸塩類の添加が直接、胃内のペーハー(pH)値を高くしてアルカリ性に近い環境を作り、抗生物質またはプロトンポンプ阻害薬が強酸環境での不安定によって分解を引き起こすのを防ぎ、薬物が胃内で作用を起こし、更に薬物の体内での生物学的利用能を高めることを示す。
【0077】
本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)除菌に用いる発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、及び粉剤タイプ医薬組成物は、簡便な製造方法によって現在市販されているカプセルや薬錠と同様もしくは更に良好な生物学的利用能を達成し、薬物安定性が良好で、その長所は、迅速な崩壊と吸収、液態での吸収により顆粒を飲み込む必要がなく、胃腸に対する耐性が良好、携帯に便利で、矯味可能(良くない味を改善し飲み易くする)で、比較的大量の薬品等に使用でき、良好な吸収安定性、治療効果が簡単に予測できることにある。また、アルカリ性物質の添加によって、胃内のペーハー値を高めてアルカリ性に近い環境を作り、プロトンポンプ阻害薬(PPI)にその薬効を発揮させる為、クラリスロマイシン(clarithromycin)及びアモキシシリン(amoxicillin)等抗生物質が胃内の胃酸による分解から治療効果が消失するのを防ぎ、効果的にヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する目的を達成する。
【0078】
また、前述した本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡錠剤タイプ、懸濁剤タイプ、及び粉剤タイプ医薬組成物の製造過程において、医薬組成物に含まれる各成分は、適当に混合する前後順序に基づいて製造され、適合する賦形剤を加える為、各成分間には交互作用を起こさせることなく、製造された医薬組成物は安定性を備える。また、製造方法は本発明のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する発泡剤タイプ、懸濁剤タイプ、及び粉剤タイプの医薬組成物に限らず、その他のヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)を除菌する医薬組成物に応用することも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、有効用量の制酸剤、及び薬学上許容可能な担体を含み、粉剤タイプ、懸濁剤タイプ、発泡錠剤タイプの何れかであることを特徴とするヘリコバクタ−・ピロリ(Helicobacter pylori)を除菌する医薬組成物。
【請求項2】
前記β-ラクタム系(β-lactams)抗生物質は、ペニシリン(penicillins)、フェノキシペニシリン(phenoxypenicillins)、オキサシリン(oxacillin)、クロキサシリン(cloxacillin)、ジクロキサシリン(dicloxacillin)、フルクロキサシリン(flucloxacillin)、ナフシリン(nafcillin)、アンピシリン(ampicillin)、バカンピシリン(bacampicillin)、アモキシシリン(amoxicillin)、カルベニシリン(carbenicillin)、チカルシリン(ticarcillin)、フルブシリン(furbucillin)、ピペラシリン(piperacillin)、セファロチン(cefalotin)、セファロリジン(cefaloridin)、セファレキシン(cefalexin)、セファゾリン(cefazolin)、セフラジン(cefradine)、セファドロキシル(cefadroxil)、セファマンドール(cefamandole)、セフロキシム(cefuroxime)、セフォキシチン(cefoxitin)、セフォタキシム(cefotaxime)、セフォペラゾン(cefoperazone)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、セフタジジム(ceftazidime)、ラタモキセフ(latamoxef)、セフェピム(cefepime)、セフピロム(cefpirome)、セフクリジン(cefclidin)、アズトレオナム(aztreonam) 、イミペネム(imipenem)、メロペネム(meropenem)の何れかとすることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記マクロライド系(macrolides)抗生物質は、エリスロマイシン(erythromycin)、スピラマイシン(spiramycin)、キタサマイシン(kitasamycin)、ミデカマイシン(midecamycin、ジョサマイシン(josamycin)、ロキシスロマイシン (roxithromycin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、アジスロマイシン(azithromycin)、テトロサイクリン(Tetracycline)、オキシテトラサイクリン(Oxytetracycline)、デメクロサイクリン(Demeclocycline)、クロルテトラサイクリン(Chlortetracycline)、デオキシサイクリン(Doxycycline)、ライムサイクリン(Lymecycline)、メクロサイクリン(Meclocycline)、メタサイクリン(Methacycline)、ミノサイクリン(Minocycline)、ロリテトラサイクリン(Rolitetracycline)の何れかとすることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記制酸剤は、H2ブロッカー(H2 Blocker)またはプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor, PPI)とすることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記制酸剤をプロトンポンプ阻害薬とする場合、胃酸のペーハー(pH)値を高める為の有効用量のアルカリ性物質を添加することを特徴とする請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記プロトンポンプ阻害薬はオメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、エソメプラゾール(esomeprazole)、パントプラゾール(pantoprazole)、テナトプラゾール(tenatoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)の何れかとすることを特徴とする請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記H2ブロッカーはシメチジン(cimetidine)、ラニチジン(ranitidine)、ファモチジン(famotidine)、ニザチジン(nizatidine)の何れかとすることを特徴とする請求項4記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記アルカリ性物質は炭酸塩(carbonate)または炭酸水素塩(bicarbonate)とすることを特徴とする請求項5記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記医薬組成物は水に溶かして溶液製剤とすることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記薬学上許容可能な担体は賦形剤、矯味剤、発泡剤、流動化剤(glidant)、抗菌剤、懸濁化剤(suspending agent)、崩壊剤(disintegrant)、潤滑剤(lubricant)、充填剤、粘着剤、希釈剤、吸収促進剤の何れかとすることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成し、
有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質及び薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成し、
前記第一混合物及び前記第二混合物を混合後、制酸剤を加えて混合し、第三混合物を生成し、
流動化剤(glidant)、抗菌剤、潤滑剤(lubricants)、懸濁化剤、及び前記第三混合物を混合して懸濁剤タイプの医薬組成物を生成するステップを含むことを特徴とするヘリコバクタ−・ピロリ(Helicobacter pylori)の除菌に用いる医薬組成物の製造方法。
【請求項12】
制酸剤と懸濁化剤、有効用量のマクロライド系抗生物質、及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成し、
β-ラクタム系抗生物質及び潤滑剤を含む薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成し、
前記第一混合物と前記第二混合物を均等に混合した後、粉剤タイプの医薬組成物を生成するステップを含むことを特徴とするヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる医薬組成物の製造方法。
【請求項13】
有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成し、
有効用量の制酸剤、抗菌剤、及び薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成し、発泡剤、前記第一混合物、及び前記第二混合物を混合して造粒し、
造粒後、流動化剤(glidant)を加えて錠剤を圧縮して発泡錠剤タイプの医薬組成物を生成することを特徴とするヘリコバクタ−・ピロリ(Helicobacter pylori)の除菌に用いる医薬組成物の製造方法。
【請求項14】
前記β-ラクタム系(β-lactams)抗生物質は、ペニシリン(penicillins)、フェノキシペニシリン(phenoxypenicillins)、オキサシリン(oxacillin)、クロキサシリン(cloxacillin)、ジクロキサシリン(dicloxacillin)、フルクロキサシリン(flucloxacillin)、ナフシリン(nafcillin)、アンピシリン(ampicillin)、バカンピシリン(bacampicillin)、アモキシシリン(amoxicillin)、カルベニシリン(carbenicillin)、チカルシリン(ticarcillin)、フルブシリン(furbucillin)、ピペラシリン(piperacillin)、セファロチン(cefalotin)、セファロリジン(cefaloridin)、セファレキシン(cefalexin)、セファゾリン(cefazolin)、セフラジン(cefradine)、セファドロキシル(cefadroxil)、セファマンドール(cefamandole)、セフロキシム(cefuroxime)、セフォキシチン(cefoxitin)、セフォタキシム(cefotaxime)、セフォペラゾン(cefoperazone)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、セフタジジム(ceftazidime)、ラタモキセフ(latamoxef)、セフェピム(cefepime)、セフピロム(cefpirome)、セフクリジン(cefclidin)、アズトレオナム(aztreonam)、イミペネム(imipenem)、メロペネム(meropenem)の何れかとすることを特徴とする請求項11、12、13の何れか一項記載の製造方法。
【請求項15】
前記マクロライド系抗生物質は、エリスロマイシン(erythromycin)、スピラマイシン(spiramycin)、キタサマイシン(kitasamycin)、ミデカマイシン(midecamycin)、ジョサマイシン(josamycin)、ロキシスロマイシン (roxithromycin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、アジスロマイシン(azithromycin)、テトロサイクリン(Tetracycline)、オキシテトラサイクリン(Oxytetracycline)、デメクロサイクリン(Demeclocycline)、クロルテトラサイクリン(Chlortetracycline)、デオキシサイクリン(Doxycycline)、ライムサイクリン(Lymecycline)、メクロサイクリン(Meclocycline)、メタサイクリン(Methacycline)、ミノサイクリン(Minocycline)、ロリテトラサイクリン(Rolitetracycline)の何れかとすることを特徴とする請求項11、12、13の何れか一項記載の製造方法。
【請求項16】
前記制酸剤はH2ブロッカーまたはプロトンポンプ阻害薬とすることを特徴とする請求項11、12、13記載の製造方法。
【請求項17】
前記制酸剤をプロトンポンプ阻害薬とする場合、胃酸のペーハー(pH)値を高める為の有効用量のアルカリ性物質を添加することを特徴とする請求項16記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記プロトンポンプ阻害薬は、オメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、エソメプラゾール(esomeprazole)、パントプラゾール(pantoprazole)、テナトプラゾール(tenatoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)の何れかとすることを特徴とする請求項17記載の製造方法。
【請求項19】
前記H2ブロッカーは、シメチジン(cimetidine)、ラニチジン(ranitidine)、ファモチジン(famotidine)、ニザチジン(nizatidine)の何れかとすることを特徴とする請求項16記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記薬学上許容可能な担体は、賦形剤、矯味剤、流動化剤(glidant)、抗菌剤、懸濁化剤(suspending agent)、崩壊剤(disintegrant)、潤滑剤(lubricant)、充填剤、粘着剤、希釈剤、吸収促進剤の何れかとすることを特徴とする請求項11または12記載の製造方法。
【請求項21】
前記薬学上許容可能な担体は、賦形剤、矯味剤、発泡剤、流動化剤、抗菌剤、懸濁化剤、崩壊剤、潤滑剤、充填剤、粘着剤、希釈剤、吸収促進剤の何れかとすることを特徴とする請求項13記載の製造方法。
【請求項22】
前記発泡剤はアルカリ性物質及び有機酸(organic acid)を含むことを特徴とする請求項21記載の製造方法。
【請求項23】
前記医薬組成物は、更に水に溶かして溶液製剤を生成することを特徴とする請求項11、12、13の何れか一項記載の製造方法。
【請求項1】
有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、有効用量の制酸剤、及び薬学上許容可能な担体を含み、粉剤タイプ、懸濁剤タイプ、発泡錠剤タイプの何れかであることを特徴とするヘリコバクタ−・ピロリ(Helicobacter pylori)を除菌する医薬組成物。
【請求項2】
前記β-ラクタム系(β-lactams)抗生物質は、ペニシリン(penicillins)、フェノキシペニシリン(phenoxypenicillins)、オキサシリン(oxacillin)、クロキサシリン(cloxacillin)、ジクロキサシリン(dicloxacillin)、フルクロキサシリン(flucloxacillin)、ナフシリン(nafcillin)、アンピシリン(ampicillin)、バカンピシリン(bacampicillin)、アモキシシリン(amoxicillin)、カルベニシリン(carbenicillin)、チカルシリン(ticarcillin)、フルブシリン(furbucillin)、ピペラシリン(piperacillin)、セファロチン(cefalotin)、セファロリジン(cefaloridin)、セファレキシン(cefalexin)、セファゾリン(cefazolin)、セフラジン(cefradine)、セファドロキシル(cefadroxil)、セファマンドール(cefamandole)、セフロキシム(cefuroxime)、セフォキシチン(cefoxitin)、セフォタキシム(cefotaxime)、セフォペラゾン(cefoperazone)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、セフタジジム(ceftazidime)、ラタモキセフ(latamoxef)、セフェピム(cefepime)、セフピロム(cefpirome)、セフクリジン(cefclidin)、アズトレオナム(aztreonam) 、イミペネム(imipenem)、メロペネム(meropenem)の何れかとすることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記マクロライド系(macrolides)抗生物質は、エリスロマイシン(erythromycin)、スピラマイシン(spiramycin)、キタサマイシン(kitasamycin)、ミデカマイシン(midecamycin、ジョサマイシン(josamycin)、ロキシスロマイシン (roxithromycin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、アジスロマイシン(azithromycin)、テトロサイクリン(Tetracycline)、オキシテトラサイクリン(Oxytetracycline)、デメクロサイクリン(Demeclocycline)、クロルテトラサイクリン(Chlortetracycline)、デオキシサイクリン(Doxycycline)、ライムサイクリン(Lymecycline)、メクロサイクリン(Meclocycline)、メタサイクリン(Methacycline)、ミノサイクリン(Minocycline)、ロリテトラサイクリン(Rolitetracycline)の何れかとすることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記制酸剤は、H2ブロッカー(H2 Blocker)またはプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor, PPI)とすることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記制酸剤をプロトンポンプ阻害薬とする場合、胃酸のペーハー(pH)値を高める為の有効用量のアルカリ性物質を添加することを特徴とする請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記プロトンポンプ阻害薬はオメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、エソメプラゾール(esomeprazole)、パントプラゾール(pantoprazole)、テナトプラゾール(tenatoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)の何れかとすることを特徴とする請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記H2ブロッカーはシメチジン(cimetidine)、ラニチジン(ranitidine)、ファモチジン(famotidine)、ニザチジン(nizatidine)の何れかとすることを特徴とする請求項4記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記アルカリ性物質は炭酸塩(carbonate)または炭酸水素塩(bicarbonate)とすることを特徴とする請求項5記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記医薬組成物は水に溶かして溶液製剤とすることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記薬学上許容可能な担体は賦形剤、矯味剤、発泡剤、流動化剤(glidant)、抗菌剤、懸濁化剤(suspending agent)、崩壊剤(disintegrant)、潤滑剤(lubricant)、充填剤、粘着剤、希釈剤、吸収促進剤の何れかとすることを特徴とする請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成し、
有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質及び薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成し、
前記第一混合物及び前記第二混合物を混合後、制酸剤を加えて混合し、第三混合物を生成し、
流動化剤(glidant)、抗菌剤、潤滑剤(lubricants)、懸濁化剤、及び前記第三混合物を混合して懸濁剤タイプの医薬組成物を生成するステップを含むことを特徴とするヘリコバクタ−・ピロリ(Helicobacter pylori)の除菌に用いる医薬組成物の製造方法。
【請求項12】
制酸剤と懸濁化剤、有効用量のマクロライド系抗生物質、及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成し、
β-ラクタム系抗生物質及び潤滑剤を含む薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成し、
前記第一混合物と前記第二混合物を均等に混合した後、粉剤タイプの医薬組成物を生成するステップを含むことを特徴とするヘリコバクタ−・ピロリ(H. pylori)の除菌に用いる医薬組成物の製造方法。
【請求項13】
有効用量のβ-ラクタム系(β-lactams)抗生物質、有効用量のマクロライド系(macrolides)抗生物質、及び薬学上許容可能な担体を混合して第一混合物を生成し、
有効用量の制酸剤、抗菌剤、及び薬学上許容可能な担体を混合して第二混合物を生成し、発泡剤、前記第一混合物、及び前記第二混合物を混合して造粒し、
造粒後、流動化剤(glidant)を加えて錠剤を圧縮して発泡錠剤タイプの医薬組成物を生成することを特徴とするヘリコバクタ−・ピロリ(Helicobacter pylori)の除菌に用いる医薬組成物の製造方法。
【請求項14】
前記β-ラクタム系(β-lactams)抗生物質は、ペニシリン(penicillins)、フェノキシペニシリン(phenoxypenicillins)、オキサシリン(oxacillin)、クロキサシリン(cloxacillin)、ジクロキサシリン(dicloxacillin)、フルクロキサシリン(flucloxacillin)、ナフシリン(nafcillin)、アンピシリン(ampicillin)、バカンピシリン(bacampicillin)、アモキシシリン(amoxicillin)、カルベニシリン(carbenicillin)、チカルシリン(ticarcillin)、フルブシリン(furbucillin)、ピペラシリン(piperacillin)、セファロチン(cefalotin)、セファロリジン(cefaloridin)、セファレキシン(cefalexin)、セファゾリン(cefazolin)、セフラジン(cefradine)、セファドロキシル(cefadroxil)、セファマンドール(cefamandole)、セフロキシム(cefuroxime)、セフォキシチン(cefoxitin)、セフォタキシム(cefotaxime)、セフォペラゾン(cefoperazone)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、セフタジジム(ceftazidime)、ラタモキセフ(latamoxef)、セフェピム(cefepime)、セフピロム(cefpirome)、セフクリジン(cefclidin)、アズトレオナム(aztreonam)、イミペネム(imipenem)、メロペネム(meropenem)の何れかとすることを特徴とする請求項11、12、13の何れか一項記載の製造方法。
【請求項15】
前記マクロライド系抗生物質は、エリスロマイシン(erythromycin)、スピラマイシン(spiramycin)、キタサマイシン(kitasamycin)、ミデカマイシン(midecamycin)、ジョサマイシン(josamycin)、ロキシスロマイシン (roxithromycin)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、アジスロマイシン(azithromycin)、テトロサイクリン(Tetracycline)、オキシテトラサイクリン(Oxytetracycline)、デメクロサイクリン(Demeclocycline)、クロルテトラサイクリン(Chlortetracycline)、デオキシサイクリン(Doxycycline)、ライムサイクリン(Lymecycline)、メクロサイクリン(Meclocycline)、メタサイクリン(Methacycline)、ミノサイクリン(Minocycline)、ロリテトラサイクリン(Rolitetracycline)の何れかとすることを特徴とする請求項11、12、13の何れか一項記載の製造方法。
【請求項16】
前記制酸剤はH2ブロッカーまたはプロトンポンプ阻害薬とすることを特徴とする請求項11、12、13記載の製造方法。
【請求項17】
前記制酸剤をプロトンポンプ阻害薬とする場合、胃酸のペーハー(pH)値を高める為の有効用量のアルカリ性物質を添加することを特徴とする請求項16記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記プロトンポンプ阻害薬は、オメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、エソメプラゾール(esomeprazole)、パントプラゾール(pantoprazole)、テナトプラゾール(tenatoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)の何れかとすることを特徴とする請求項17記載の製造方法。
【請求項19】
前記H2ブロッカーは、シメチジン(cimetidine)、ラニチジン(ranitidine)、ファモチジン(famotidine)、ニザチジン(nizatidine)の何れかとすることを特徴とする請求項16記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記薬学上許容可能な担体は、賦形剤、矯味剤、流動化剤(glidant)、抗菌剤、懸濁化剤(suspending agent)、崩壊剤(disintegrant)、潤滑剤(lubricant)、充填剤、粘着剤、希釈剤、吸収促進剤の何れかとすることを特徴とする請求項11または12記載の製造方法。
【請求項21】
前記薬学上許容可能な担体は、賦形剤、矯味剤、発泡剤、流動化剤、抗菌剤、懸濁化剤、崩壊剤、潤滑剤、充填剤、粘着剤、希釈剤、吸収促進剤の何れかとすることを特徴とする請求項13記載の製造方法。
【請求項22】
前記発泡剤はアルカリ性物質及び有機酸(organic acid)を含むことを特徴とする請求項21記載の製造方法。
【請求項23】
前記医薬組成物は、更に水に溶かして溶液製剤を生成することを特徴とする請求項11、12、13の何れか一項記載の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2011−178722(P2011−178722A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44658(P2010−44658)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(510056906)健喬信元醫薬生技股▲ふん▼有限公司 (1)
【出願人】(510056917)
【出願人】(510056928)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(510056906)健喬信元醫薬生技股▲ふん▼有限公司 (1)
【出願人】(510056917)
【出願人】(510056928)
【Fターム(参考)】
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