説明

ヘルメット

【課題】 各種の照明形態の変更が正確、迅速に行える実用価値に優れた照明器具付ヘルメットを提供する。
【解決手段】 ヘルメット本体2の前部2aに、複数のLED光源11を備えた投光器10と照明形態切換スイッチ部40を設置し、ヘルメット本体2の後部2cに電池ボックス20と充電端子部50を設置して、これらをヘルメット本体2内のヘルメット内装体3に装着した配線部30で配線する。切換スイッチ部40を手動で操作、あるいは、音声入力で制御して、投光器10の複数のLED光源11を選択的に点滅させ、発光色を適宜に変更させることで、投光器10に予め設定された異なる複数種類の照明形態を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具を装備したヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
夜間の道路工事やパトロール、登山、釣りなどで使用される照明器具付ヘルメットは、硬質樹脂製のヘルメット本体の前部外面に投光器を取り付け、ヘルメット本体内にオンオフ手動式の点滅スイッチと電池ボックスを取り付けたものが公知である(例えば、特許文献1参照)。この照明器具付ヘルメットは、ヘルメットを頭部に被った人が必要時に点滅スイッチを手動でオン操作することで、投光器の光源が点灯してヘルメットの前方を照明する。
【0003】
照明器具付ヘルメットの投光器は、円筒や矩形箱形のケース内に光源(白熱ランプ、LED)や反射板、レンズを格納した構造であり、光源を点灯させる電池は充電式が一般的である。投光器と電池ボックス、点滅スイッチの各部品がヘルメット本体の内外に設置されて、配線コードで接続される。
【特許文献1】特開平8−311712号公報(図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明器具付ヘルメットは夜間の作業に便利であるが、多くの改善の余地が残されている。
【0005】
例えば、照明器具付ヘルメットは、ヘルメット本体に取り付けた投光器と電池ボックスを接続する配線コードの一部がヘルメット本体の内外で垂れ下がるなどして、ヘルメットを見栄えの悪いものにしたり、人が頭部にヘルメットを着脱する際の操作の邪魔をすることがある。
【0006】
また、投光器からの投射光でヘルメット前方を照明しているが、そのヘルメット前方の照明形態が単一で、ヘルメット近くをスポットライト的に照明するといった照明形態の変更が難しい。また、ヘルメット本体に投光器を上下や左右に首振り式に回動可能に取り付けたり、投光器にレンズや光源を可動に取り付けてズーム機能を持たせることで、照明形態を手動で変更させることができるが、このような照明形態の変更のための手動操作が面倒である。さらに、投光器をヘルメット本体に可動に取り付けるとなると、その取付構造が複雑となり、故障し易くなる。また、投光器にズーム機能を持た場合は、投光器が複雑で高価になると共に、故障する要因が多くなる。
【0007】
また、夜間において投光器でカラー図面や多数のカラーコードを使用した配線盤を単一的な照明形態で照明しているが、カラー図面や配線盤のカラーコードの色によってはハレーション現象で見づらくなるものが出てくることがある。このような見づらいカラー図面やカラーコードは、ヘルメットを被った作業者の経験や、照明器具を異なる他の種類に代えることで対処している。しかし、経験に頼る対処は信頼性に劣り、他の照明器具に切り替える対処は面倒であり、複数種類の照明器具を用意しておく必要があって実用的でない。
【0008】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多種多様で実用的な照明形態が自在に選択できる実用価値に優れた照明器具付ヘルメットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的を達成する技術的手段は、ヘルメット本体の前部にLED光源を一体に組み込み、ヘルメット本体の全部を除く部分にLED光源を点灯させる電池を一体に組み込むと共に、LED光源と電池を配線部で電気的に接続したことを特徴とする。
【0010】
ここで、ヘルメット本体は硬質樹脂製で、ヘルメット本体の内側に人の頭部を保護するヘルメット内装体(ヘッドベルト、発泡スチロールの衝撃吸収ライナーなど)を装備する。このようなヘルメットには前後があり、その前部にLED光源を設置する。LED光源は、単色発光するLEDの他、赤色発光LEDや緑色発光LEDなどの複数種類のLEDをユニット化して任意の色で発光するようにした点光源あるいは線光源を含む。本発明は複数のLED光源を横一列に並べたLED光源群を含んでLED光源と称する。このLED光源を、例えばプリント基板に組み込み、扁平なケースに収容して投光器を製作し、この投光器をヘルメット本体の前部の内外面に固着、あるいは、ヘルメット本体の前部に形成した投光器取付用ポケットに差し込み式に取り付ける。ヘルメット本体の前部につば部がある場合は、このつば部にポケットを形成して投光器を取り付けることができる。
【0011】
また、LED光源を点灯させる電池は、市販の乾電池、フィルム電池、太陽電池の他、充電式電池が適用できる。この電池をヘルメット本体の前部を除く後部や側部に簡易取付具などを介して着脱可能に取り付ける。この場合、電池を小形のケースに収容した電池ボックスの形でヘルメット本体に一体的に取り付けることができる。あるいは、ヘルメット本体の後部や側部に一体に形成したポケットに電池ボックスを差し込み式に取り付けるようにしてもよい。ヘルメット本体の前部にLED光源を取り付け、ヘルメット本体の後部に電池を取り付けると、ヘルメットの重量バランスが良くなり、ヘルメットの形状設計がし易くなる。
【0012】
本発明においては、ヘルメット本体のLED光源と電池を電気的接続する配線部を、ヘルメット本体の内側に装着したヘルメット内装体に一体に組み付けた構造とすることができる。さらに、配線部を、ヘルメット本体の内面にプリント配線パターンで一体に形成することができる。
【0013】
このように配線部を、ヘルメット内装体に一体に組み付けた構造にしたり、ヘルメット本体の内面にプリント配線パターンで一体に形成することにより、ヘルメットの内外で配線コードが垂れ下がるといったことがなくなり、ヘルメットの外観がスッキリした良好なものになり、ヘルメットの着脱操作が容易になる。また、配線部は、フレキシブルな絶縁シートに配線パターンをプリントしたプリント配線シートで構成することができ、このフレキシブルな薄いプリント配線シートは量産が容易で安価となり、また、ヘルメット内装体のヘッドベルトの外面に縫合や接着したり、ヘルメット本体の内面に接着してプリント配線パターンとすることができる。
【0014】
また、本発明においては、LED光源が、輝度、発光色の異なる複数種類の照明形態のいずれかで点灯することを特徴とする。このLED光源の複数種類の照明形態は、全LED光源が消灯する消灯状態の照明形態を含む。さらに、本発明においては、ヘルメット側方に光を投射する側方視認照明形態を含むようにすることができる。また、配線部に、LED光源の複数種類の照明形態を選択する切換スイッチ部を組み込むことができる。
【0015】
LED光源を選択的に点灯させて、複数種類の照明形態が選択できるようにすることで、従来の照明器具付ヘルメットのように投光器を首振りさせたりレンズ系をズーム動作させるといった動作が不要となり、機械的故障が発生し難い。また、LED光源の点滅制御による照明形態の変更は、電気的スイッチング操作だけで正確、迅速に行える。LED光源は発光色の異なるLEDの選択的な点滅で、白色発光や黄色発光、赤色発光などの発光色が自在に選択でき、発光色の選択だけでも照明形態が多様に変更できる。さらに、LED光源の輝度を選択すればより多様な照明形態が得られ、この多様な照明形態からいずれかの形態が選択できる。例えば、カラー図面やカラーコードを使用した配線盤を照明する場合、カラー図面や配線盤のカラーコードの色によってハレーション現象を避ける照明形態が経験に基づいて容易に選択できるようになり、カラー図面やカラーコードの視認ミスといったトラブルが解消できる。また、ヘルメット前部に横一列に複数のLED光源を配置して、その両端のLED光源をヘルメット側方に光投射する側方視認用光源とすることができ、この側方視認光源を点灯あるいは点滅させると、遠方からヘルメットを装着した作業員の存在が視認できて便利である。
【0016】
また、本発明においては、LED光源を点灯させる電池が充電式電池で、この充電式電池を充電する充電端子部をヘルメット本体またはヘルメット内装体に一体に組み込むことができる。
【0017】
ここでの充電式電池は、市販されている充電器で充電できる市販品が適用でき、この充電式電池を充電する充電端子部をヘルメットに取り付ける。例えば、建物などのヘルメット保管場所に上記充電器を配備し、ヘルメット保管場所にヘルメットを置いて保管する際に、ヘルメットの充電端子部をヘルメット保管場所の充電器に電気的接続させると、ヘルメット保管と同時に電池充電が開始されて、充電忘れがなくなる。また、ヘルメット保管場所が室内の壁で、この壁にヘルメットを引っ掛けて保持する保管具を設けた場合、この保管具に充電器機能を持たせて、保管具にヘルメットを掛けたときに充電端子部を保管具に電気的接続して電池を充電することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のヘルメットによれば、ヘルメット本体の前部に取り付けたLED光源の選択的な点灯で複数種類の照明形態が自在に選択できる実用価値に優れたヘルメットが提供できる。また、複数種類の照明形態が機械的動作の制御を一切行わずに電気的スイッチング操作だけで正確、迅速に行えるため、故障発生の虞のほとんど無い商品価値に優れたヘルメットが提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図9を参照して説明する。
【0020】
図1及び図2に示されるヘルメット1は、硬質樹脂製のヘルメット本体2の内側にヘッドベルトなどのヘルメット内装体3を配備したもので、ヘルメット1を人の頭部上で安定させる顎ひも類は省略している。ヘルメット内装体3は、例えば図3に示すようなハンモック3aとヘッドバンド3bを有する。ヘルメット本体2の形状は様々で、図1では前部2aにつば部2bを一体に有する。この実施の形態は、つば部2bにLED光源11を内蔵する扁平な投光器10と、手動式の照明形態切換スイッチ部40を一体に取り付け、図2に示すようにヘルメット本体2の後部2cの内側に電池ボックス20と充電端子部50を一体的に取り付けている。
【0021】
図3に示すように、ヘルメット本体2のつば部2bは上下二重つば構造で、二重つばの間に横長扁平な前端開口のポケット4を形成し、このポケット4に投光器10を挿脱可能に取り付けている。図2に示す電池ボックス20は扁平な箱で、電池21を収納する。また、投光器10と電池ボックス20及び切換スイッチ部40を電気的接続する配線部30を、ヘルメット本体2の内側に配設する。配線部30は、フレキシブルな絶縁シートに配線パターンをプリントした長尺なプリント配線シート31を有する。プリント配線シート31は、図3に示すようにつば部2bの内面からヘルメット内装体3のヘッドベルト3bの外周に延在して、ヘルメット本体2の後部2cの電池ボックス20まで延びる。プリント配線シート31をヘッドベルト3bの外周に接着や縫合して一体化することで、配線部30が目立たず、ヘルメットの外観を良好にすると共に、配線部30は人がヘルメット1の着脱する作業の邪魔をしない。
【0022】
なお、つば部2bの内面のプリント配線シート31は、つば部2bの内面に直接に印刷したプリント配線パターンとすることも可能である。このようなプリント配線パターンはつば部2bの内面から前部2aの内面、ヘルメット本体2の側部内面から後部2cの内面に一連に形成して電池ボックス20と電気的接続するようにしてもよい。
【0023】
投光器10の具体例を、図4と図5に示す。投光器10は、横長矩形箱形の扁平なケース12の中に横一列に複数のLED光源11を収納する。複数の各LED光源11の各々は、光の三原色などの異なる色で発光する複数種類のLEDを1ユニット化した点光源で、全LEDを点灯させると白色発光する。各LEDをそれぞれの発光色で選択的に発光させ、発光する各LEDの輝度を制御することで、投光器10が多種多様な任意の色、輝度で発光する。この複数のLED光源11を共通の配線基板13の前面に横一列に支持することで、投光器10が量産性良く安価に製作できる。ケース12は防水型ケースであり、ケース12上に切換スイッチ部40が一体に取り付けられる。切換スイッチ部40は、投光器10の多種多様の照明形態を記憶し、指示するICチップ(図示せず)を組み込んだIC回路基板で、つば部2bの上面に露呈し、この露呈部分に照明形態を手動で切り換えるためのスイッチ操作部41を配備している。投光器10の拡散板15は、LED光源11の光を適度な拡散角度で前方へ投射するレンズ機能と防水機能を兼備する。
【0024】
投光器10は、複数のLED光源11を選択させて点灯させたときの輝度、発光色、光投射角で決まる照明形態が複数種類あるように設計される。例えば、図5と図6に示すように、LED光源11が横一列に並ぶ6個で、同図で左からLED光源を11a〜11fとすると、左右2個ずつのLED光源11a、11bと11e、11fが共に点灯するとヘルメット前方遠くを比較的大きな投射角度で照明する遠方照明形態となるように設定され、残りの中央2個のLED光源11c、11dが共に点灯するとヘルメット前方近くで下方に向けて比較的小さな投射角度で照明するスポットライト的照明形態となるように設定される。このような二種類の照明形態の設定は、各LED光源11の輝度、発光色の選択と、拡散板15による光拡散率の選択などで決定できる。このような照明形態は二種類以上に設定することも任意に可能であり、各照明形態で発光色を白色から赤色、青色などと変更することも任意に可能である。このようなLED光源11の輝度、発光色の選択は、照明形態切換スイッチ部40のICチップに組み込んだ制御回路で行うことができる。
【0025】
また、ヘルメット本体2のつば部2bの先端縁は凸状円弧を描き、この凸状円弧に合わせて投光器10の複数のLED光源11を円弧状に並べて、両端のLED光源11a、11fが点灯すると、その光の一部がヘルメット1の側方に投射するように設定する。例えば、図7に示すように、両端のLED光源11a、11fに反射板16を添設して、ヘルメット側方に光を積極的に投射するようにする。このヘルメット側方の光投射による照明形態は、ヘルメット側方での遠方からヘルメット1の存在を視認する側方視認効果に優れる。この側方照明形態においては、側方照明する光を点滅させると、側方視認がより効果的に行える。
【0026】
電池ボックス20は、市販の複数本の充電式電池21を横一列に整列させて収納する扁平な防水型ケースで、図2に示すように、ヘルメット本体2の後部2c内面とヘルメット内装体3の間の隙間に挿入されて、後部2cに面ファスナーなどの簡易取付具を介して取り付けられ、ヘッドベルト3bから延在するプリント配線シート31に電気的接続される。充電式電池21は、電池ボックス20から取り出されて図示しない既存の充電器で充電される他、ヘルメット本体2の後部2cに取り付けた充電端子部50からも充電できるようにしてある。充電端子部50は、既存の充電器の充電端子と適宜に接続される充電端子を有し、この充電端子部50による電池充電は、例えば図8に示すように行われ、この充電動作は後述する。
【0027】
次に、以上の実施の形態のヘルメット1の使い方を説明する。
【0028】
人がヘルメット1を頭部に被り、照明が必要なときに照明形態切換スイッチ部40のスイッチ操作部41を片手操作する。図6に示すように、スイッチ操作部41は例えば2つのスイッチング素子41a、41bを備え、このスイッチング素子41a、41bを予め決められた手順でスイッチング操作することで、投光器10の多種多様の照明形態が切り換えられる。この照明形態は、投光器10の全てのLED光源11が消灯状態にある非照明形態、全てのLED光源11が点灯する全灯照明形態、左右2個ずつのLED光源11a、11b、11e、11fが点灯する遠方照明形態、中央2個のLED光源11c、11dが点灯するスポットライト的照明形態であり、これら各種の照明形態に発光色や輝度を変更した照明形態であり、これら多種多様の照明形態が手動で変更される。このような照明形態の変更は、スイッチ操作部41のワンタッチ的な手動操作のみで簡単、確実に、しかも、瞬時にして行うことができる。また、照明形態変更のための機械的動作部が無いので、故障が発生する確率が極端に低く、照明器具付ヘルメットの信頼性がよくなる。
【0029】
また、夜間において作業員がヘルメット1を被り、投光器10を点灯させてカラー図面を見る場合、投光器10の発光色をカラー図面に適応した色(ハレーション現象を生じない色)に選択することで、カラー図面が鮮明に見えるようになる。また、カラーコードのある配線盤を点検修理するような場合も、発光色の選択でカラーコードが鮮明に色分けでき、作業の配線ミスといったトラブルが無くなる。また、光ファイバーを点検修理などする場合、発光色を白色に設定すれば、光ファイバーが浮き上がるように鮮明に見えて、作業ミスが無くなる。
【0030】
以上のような夜間作業時に、投光器10の側方にLED光源11a、11fの光の一部を点滅させてヘルメット側方に投射すると、遠方からヘルメット1の存在が視認され、この視認で作業員が作業現場に居ることが視認されて、現場の人員管理などが正確にして便利に行えるようになる。
【0031】
電池ボックス20の充電式電池21は、定期的、又は、必要時に充電器を使って充電する他、図8に示すようにヘルメット1を保管する際に充電することができる。図8は、室内に設置されたヘルメット保管場所にヘルメット1を保管した状態を示す。保管場所の例えば壁53にヘルメット1を引っ掛けて保管するフック52を突設し、フック52に充電器51を一体に組み込む。フック52にヘルメット本体2の後部2cを引っ掛けるときに、充電端子部50をフック52を介して充電器51に電気的接続し、電池ボックス20の電池21を充電する。このようにヘルメット保管時に自動的に電池充電を行うようにすると、充電忘れが回避されると共に、ヘルメット1から電池ボックス20を取り外して電池充電するといった手間が省ける。
【0032】
次に、他の実施の形態を図9と図10に基づき説明する。
【0033】
図9は、ヘルメット本体2の後部2cに一体に形成したポケット6に電池ボックス20を挿脱可能に取り付けている。ポケット6は下向きで、その下端開口から薄型の電池ボックス20が差し込み式に嵌挿される。ヘルメット本体2の後部2cを二重壁構造にしてポケット6を形成することで、後部2cの強度がポケット6の二重壁で増大する。
【0034】
図10のヘルメット1は、つば無しヘルメット本体2に適用したもので、前部2aの全面に横長箱形の膨出部2dを一体に突設し、この膨出部2dに投光器10を挿入して一体化する。また、図10のヘルメット1は、配線部30の一部に音声ICを内蔵した照明形態切換スイッチ部40を配備し、この切換スイッチ部40にマイク42を連接している。マイク42に投光器10の照明形態を選択する音声を入れると、この音声を切換スイッチ部40の音声ICが識別して投光器10の照明形態を切換制御する。マイク42に入れる音声は、「遠方照明」、「スポット照明」、「白色点灯」、「赤色点灯」などであり、ヘルメット1を被った作業員が音声を発するだけで照明形態が任意に切り換えられるので、作業員は両手を使った作業ができて、作業能率が上がる。図10に示すマイク42は、ヘルメット本体2から下方に延びるアーム43の先端に取り付けているが、ヘルメット本体2の一部に固定した高性能のボタン状小形マイクであってもよい。
【0035】
なお、本発明のヘルメットは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すヘルメットの斜視図である。
【図2】図1ヘルメットの一部省略部分を含む背面斜視図である。
【図3】図1ヘルメットの前部拡大断面図である。
【図4】図3ヘルメットにおける投光器の断面図である。
【図5】図3ヘルメットの部分正面図である。
【図6】図5ヘルメットにおける投光器の照明形態を説明するための平面図である。
【図7】図5ヘルメットにおける投光器の他の照明形態の概要を説明するための平面図である。
【図8】図1ヘルメットの保管かつ電池充電時の側面図である。
【図9】第2の実施の形態を示すヘルメットの部分断面を含む側面図である。
【図10】第3の実施の形態を示すヘルメットの斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ヘルメット
2 ヘルメット本体
2a 前部
2b つば部
2c 後部
3 ヘルメット内装体
4、6 ポケット
10 投光器
11 LED光源
11a〜11f LED光源
20 電池ボックス
21 電池
30 配線部
31 プリント配線シート
40 切換スイッチ部
41 スイッチ操作部
42 マイク
50 充電端子部
51 充電器
52 フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメット本体の前部にLED光源を一体に組み込み、前記ヘルメット本体の前部を除く部分に前記LED光源を点灯させる電池を一体に組み込むと共に、前記LED光源と電池を配線部で電気的に接続したことを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
前記配線部を、前記ヘルメット本体の内側に装着したヘルメット内装体に一体に組み付けたことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
前記配線部を、前記ヘルメット本体の内面にプリント配線パターンで一体に形成したことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項4】
前記LED光源が、輝度、発光色の異なる複数種類の照明形態のいずれかで点灯することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項5】
前記LED光源の複数種類の照明形態が、ヘルメット側方に光を投射する側方視認照明形態を含むことを特徴とする請求項4に記載のヘルメット。
【請求項6】
前記配線部に、前記LED光源の複数種類の照明形態を選択する切換スイッチ部を組み込んだことを特徴とする請求項4または5に記載のヘルメット。
【請求項7】
前記電池が充電式電池で、この充電式電池を充電する充電端子部を前記ヘルメット本体またはヘルメット内装体に一体に組み込んだことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のヘルメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−97156(P2006−97156A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282229(P2004−282229)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000214560)長谷川電機工業株式会社 (25)
【出願人】(000107619)スターライト工業株式会社 (62)
【Fターム(参考)】