ベアリングユニット
【課題】プランマブロックの軸受座内径面と、カートリッジユニットの外径面との間の相互間の移動性を良好にし、ベアリングユニットに支持される無駆動ロールの回転トルクの増大を抑制することを目的とする。
【解決手段】内輪16、外輪17、保持器18、及び転動体19から構成されるユニット玉軸受15及び円環状のカートリッジ14からなるカートリッジユニット12、並びにプランマブロック13から構成されるベアリングユニット11において、プランマブロック13を、ステンレス鋼によって形成する。
【解決手段】内輪16、外輪17、保持器18、及び転動体19から構成されるユニット玉軸受15及び円環状のカートリッジ14からなるカートリッジユニット12、並びにプランマブロック13から構成されるベアリングユニット11において、プランマブロック13を、ステンレス鋼によって形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ベアリングユニットに関し、より詳細には、回転トルクの増大を抑制したベアリングユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルム生産設備等の高温・クリーン環境で使用される無駆動ロールを支持する部材として、ベアリングユニットが知られている。このベアリングユニットとしては、特許文献1、特許文献2等に示されるようなプランマブロックに、ユニット玉軸受及び円筒状のカートリッジからなるカートリッジユニットを組み込んだベアリングユニットが知られている。
【0003】
ところで、フィルム生産設備等の高温・クリーン環境で使用されるベアリングユニットとしては、フィルムのしわ防止や膜厚のバラツキを抑えるため、低トルク仕様と、錆や汚れに対する対策が求められる。このため、錆や汚れに対する対策として、上記ベアリングユニットのプランマブロックとしては、鋳鉄製で、カニゼンメッキ等を施したものが用いられている。また、低トルクに対する対策として、カートリッジユニットとしてシールが施されていないものを用い、かつ、潤滑油が用いられている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−101253号公報
【特許文献2】実開平6−47733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記プランマブロックは、メッキの膜厚にバラツキがあり、このバラツキが上記カートリッジユニットの外径面と相対する上記プランマブロックの軸受座内径面の面粗さの悪化や、円筒度の粗さの原因となることがある。これにより、上記プランマブロックの軸受座内径面に対する上記カートリッジユニットの外径面の移動に影響が出て、その結果として、アキシャル荷重の負荷が大きくなり、ベアリングユニットに支持される無駆動ロールの回転トルク増大の一因となる場合がある。
【0006】
また、このベアリングユニットに支持される無駆動ロールは、そこにのる製品の荷重によって、撓みが生じる場合がある。この場合、上記プランマブロックの軸受座内径面と、上記カートリッジユニットの外径面との間の相互間の移動性に問題があると、回転トルクの増大につながるおそれがある。
【0007】
さらに、使用される潤滑油の量によっては、回転トルクに影響を与える。
【0008】
そこで、この発明は、プランマブロックの軸受座内径面と、カートリッジユニットの外径面との間の相互間の移動性を良好にし、ベアリングユニットに支持される無駆動ロールの回転トルクの増大を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明にかかるベアリングユニットは、用いられるプランマブロックを、ステンレス鋼によって形成することにより上記課題を解決したのである。また、静止状態における潤滑油の上面を、保持器外径の最下端と外輪内径面との間となるようにすることによっても、上記課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によると、用いられるプランマブロックを、ステンレス鋼によって形成するので、その表面に防錆用のメッキを施す必要がなくなる。このため、メッキの膜厚によって生じていた、プランマブロックの軸受座内径面と、カートリッジユニットの外径面との間の相互間の移動性の難点を克服し、両者間の移動性を良好にすることができる。また、静止状態における潤滑油の上面を、従来の最下端の転動体の中心から、保持器外径の最下端と外輪内径面との間となるように減少させるので、より適切な潤滑油の潤滑が可能となる。これらにより、回転トルクの増加を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明について、図1(a)(b)を用いて説明する。
この発明にかかるベアリングユニット11は、図1(a)(b)に示すように、カートリッジユニット12、及びこのカートリッジユニット12を組み込むプランマブロック13から構成される。このカートリッジユニット12は、ユニット玉軸受15、及びこのユニット玉軸受15の外輪外径面と摺動面を有するカートリッジ14から構成される。そして、このユニット玉軸受15は、内輪16、外輪17、保持器18及び玉からなる転動体19から構成される。
【0012】
上記プランマブロック13は、図1(a)(b)に示すように、上部プランマブロック13aと下部プランマブロック13bとの2つに上下分割される。この分割は、このプランマブロック13にカートリッジユニット12を組み込み、無駆動ロール21を組み込んだとき、この無駆動ロール21の軸心を通る水平面で行われるのが好ましい。この位置で分割することにより、カートリッジユニット12を下部プランマブロック13bに組込み、次いで、上部プランマブロック13aをかぶせて、蓋をすることが可能となる。
【0013】
上記プランマブロック13は、ステンレス鋼によって形成される。ステンレス鋼で形成することにより、防錆未処理の状態でも防錆効果を発揮し得る。このため、メッキ処理を施す必要がなくなり、メッキの膜厚のばらつきにより生じる、プランマブロック13の軸受座内径面と、カートリッジユニット12の外径面との間の移動の障害がなくなり、両者間は移動自在となる。
【0014】
上記カートリッジユニット12は、図1(b)に示すように、カートリッジ14とユニット玉軸受15とからなり、カートリッジ14の軸受座内径面に、ユニット玉軸受15の外輪17の外径面とが摺動自在となるように組み込んだものである。この外輪17の外径面は、カートリッジ14の軸受座内径面と摺動性を有すればよいが、球面加工を施してもよい。球面加工を施すと、上記ユニット玉軸受15を、上下左右に少し回動させることができ、ここに配される無駆動ロール21が、上記ユニット玉軸受15の軸心に対して少しずれが生じても調整することができ、無駆動ロール21の回転トルクを軽減させることができる。
【0015】
上記プランマブロック13の内部には、上記カートリッジユニット12を組み込む空間部22を有する。この空間部22の外周壁は、上記カートリッジ14の外径面を受ける軸受座内径面を形成しており、上記カートリッジ14の外径面とゆるみばめの状態にある。このため、プランマブロック13の軸受座内径面と、カートリッジユニット12の外径面とは互いに移動自在となる。また、このプランマブロック13の空間部22は、図1(b)に示すように、無駆動ロール21の軸方向と平行な方向に、上記カートリッジユニット12が移動可能な空間を有する。
【0016】
このため、上記カートリッジユニット12は、上記プランマブロック13の空間部22内において、無駆動ロール21の軸を中心に回転自在であり、かつ、無駆動ロール21の軸方向と平行に、上記空間部22内を平行移動可能である。
【0017】
ところで、上記無駆動ロール21は、図1(b)に示すように、地面と平行に配されて使用される。このため、上記カートリッジユニット12の下端部は、上記プランマブロック13と接触する。このまま上記カートリッジユニット12の移動がおこると、抵抗が大きくなるため、このプランマブロック13の空間部22には潤滑油が供給される。
【0018】
この潤滑油の供給量は、静止状態における潤滑油の上面が、上記保持器外径の最下端と外輪内径面との間、すなわち、図1(b)で、Xで示される範囲内となるようにするのが好ましい。
【0019】
この範囲内とすると、潤滑油の量は、少なすぎることがないので、転走面の油切れによる無駆動ロール21の回転トルクの増大を防止することができ、カートリッジユニット12の寿命を延ばすことができる。さらに、カートリッジユニット12の回転による温度の上昇を低減させることができ、潤滑油の劣化を抑制することができる。そして、転走面の油ぎれや潤滑油の劣化を抑制することができるので、ユニット玉軸受15における錆や汚れの発生、潤滑油の劣化による汚れの発生等を抑制することができる。
【0020】
また、この範囲内とすると、従来の潤滑油の量、すなわち、カートリッジユニット12の最下端の転動体の中心付近を潤滑油の上面とする場合に比べて、潤滑油の使用量を低減することができるので、無駆動ロール21の回転トルクを低減させることができる。
【0021】
ところで、この発明にかかるベアリングユニット11は、無駆動ロールの端部を受けるユニットである。このため、上記無駆動ロールが挿入される側面と反対側の側面に、上記潤滑油の上面を監視する油面計23を設けることが可能である。この油面計23とプランマブロック13の空間部22との間に設けられる障壁を、透明な材料を用いて構成することにより、この油面計23から、上記空間部内部の潤滑油の量を、目視で確認することができる。
【0022】
上記潤滑油としては、高温で低蒸発の油を用いることが好ましい。潤滑油の好ましい上面の位置は、上記したとおりであるが、その条件でベアリングユニット11を回転させると、潤滑油は、上記空間部22内の全体に行き渡るので、この空間部22の底部に残る潤滑油の上面は、静止状態より低下するものの、その位置を目視で確認することができる。
【0023】
一方、ベアリングユニット11の回転が続くと、熱が発生するため、上記空間部22内部は高温となる。このとき、潤滑油の蒸発が大きいと、油面計23を用いて潤滑油の上面を観察しても、温度によって潤滑油の上面が変化してしまうので、潤滑油の管理上、好ましくない。
【0024】
これに対し、高温で低蒸発の油を用いることにより、温度の変化によって生じる潤滑油の上面の位置の変化が小さくなるので、回転時の潤滑油の上面の位置を目視で確認することができ、潤滑油の量、液性等を目視で確認することが可能となる。
【0025】
このような潤滑油としては、フッ素オイルをあげることができる。このフッ素オイルを用いると、上記の潤滑油の管理が容易になるという特徴を発揮すると共に、フッ素オイルは高温で安定であることから、潤滑油の劣化による錆や汚れの発生を抑制することができ、より好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)この発明にかかるベアリングユニットの例を示す正面図、(b)(a)のA−A一部切り欠き断面図
【符号の説明】
【0027】
11 ベアリングユニット
12 カートリッジユニット
13 プランマブロック
13a 上部プランマブロック
13b 下部プランマブロック
14 カートリッジ
15 ユニット玉軸受
16 内輪
17 外輪
18 保持器
19 転動体
21 無駆動ロール
22 空間部
23 油面計
【技術分野】
【0001】
この発明は、ベアリングユニットに関し、より詳細には、回転トルクの増大を抑制したベアリングユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルム生産設備等の高温・クリーン環境で使用される無駆動ロールを支持する部材として、ベアリングユニットが知られている。このベアリングユニットとしては、特許文献1、特許文献2等に示されるようなプランマブロックに、ユニット玉軸受及び円筒状のカートリッジからなるカートリッジユニットを組み込んだベアリングユニットが知られている。
【0003】
ところで、フィルム生産設備等の高温・クリーン環境で使用されるベアリングユニットとしては、フィルムのしわ防止や膜厚のバラツキを抑えるため、低トルク仕様と、錆や汚れに対する対策が求められる。このため、錆や汚れに対する対策として、上記ベアリングユニットのプランマブロックとしては、鋳鉄製で、カニゼンメッキ等を施したものが用いられている。また、低トルクに対する対策として、カートリッジユニットとしてシールが施されていないものを用い、かつ、潤滑油が用いられている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−101253号公報
【特許文献2】実開平6−47733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記プランマブロックは、メッキの膜厚にバラツキがあり、このバラツキが上記カートリッジユニットの外径面と相対する上記プランマブロックの軸受座内径面の面粗さの悪化や、円筒度の粗さの原因となることがある。これにより、上記プランマブロックの軸受座内径面に対する上記カートリッジユニットの外径面の移動に影響が出て、その結果として、アキシャル荷重の負荷が大きくなり、ベアリングユニットに支持される無駆動ロールの回転トルク増大の一因となる場合がある。
【0006】
また、このベアリングユニットに支持される無駆動ロールは、そこにのる製品の荷重によって、撓みが生じる場合がある。この場合、上記プランマブロックの軸受座内径面と、上記カートリッジユニットの外径面との間の相互間の移動性に問題があると、回転トルクの増大につながるおそれがある。
【0007】
さらに、使用される潤滑油の量によっては、回転トルクに影響を与える。
【0008】
そこで、この発明は、プランマブロックの軸受座内径面と、カートリッジユニットの外径面との間の相互間の移動性を良好にし、ベアリングユニットに支持される無駆動ロールの回転トルクの増大を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明にかかるベアリングユニットは、用いられるプランマブロックを、ステンレス鋼によって形成することにより上記課題を解決したのである。また、静止状態における潤滑油の上面を、保持器外径の最下端と外輪内径面との間となるようにすることによっても、上記課題を解決することができる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によると、用いられるプランマブロックを、ステンレス鋼によって形成するので、その表面に防錆用のメッキを施す必要がなくなる。このため、メッキの膜厚によって生じていた、プランマブロックの軸受座内径面と、カートリッジユニットの外径面との間の相互間の移動性の難点を克服し、両者間の移動性を良好にすることができる。また、静止状態における潤滑油の上面を、従来の最下端の転動体の中心から、保持器外径の最下端と外輪内径面との間となるように減少させるので、より適切な潤滑油の潤滑が可能となる。これらにより、回転トルクの増加を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明について、図1(a)(b)を用いて説明する。
この発明にかかるベアリングユニット11は、図1(a)(b)に示すように、カートリッジユニット12、及びこのカートリッジユニット12を組み込むプランマブロック13から構成される。このカートリッジユニット12は、ユニット玉軸受15、及びこのユニット玉軸受15の外輪外径面と摺動面を有するカートリッジ14から構成される。そして、このユニット玉軸受15は、内輪16、外輪17、保持器18及び玉からなる転動体19から構成される。
【0012】
上記プランマブロック13は、図1(a)(b)に示すように、上部プランマブロック13aと下部プランマブロック13bとの2つに上下分割される。この分割は、このプランマブロック13にカートリッジユニット12を組み込み、無駆動ロール21を組み込んだとき、この無駆動ロール21の軸心を通る水平面で行われるのが好ましい。この位置で分割することにより、カートリッジユニット12を下部プランマブロック13bに組込み、次いで、上部プランマブロック13aをかぶせて、蓋をすることが可能となる。
【0013】
上記プランマブロック13は、ステンレス鋼によって形成される。ステンレス鋼で形成することにより、防錆未処理の状態でも防錆効果を発揮し得る。このため、メッキ処理を施す必要がなくなり、メッキの膜厚のばらつきにより生じる、プランマブロック13の軸受座内径面と、カートリッジユニット12の外径面との間の移動の障害がなくなり、両者間は移動自在となる。
【0014】
上記カートリッジユニット12は、図1(b)に示すように、カートリッジ14とユニット玉軸受15とからなり、カートリッジ14の軸受座内径面に、ユニット玉軸受15の外輪17の外径面とが摺動自在となるように組み込んだものである。この外輪17の外径面は、カートリッジ14の軸受座内径面と摺動性を有すればよいが、球面加工を施してもよい。球面加工を施すと、上記ユニット玉軸受15を、上下左右に少し回動させることができ、ここに配される無駆動ロール21が、上記ユニット玉軸受15の軸心に対して少しずれが生じても調整することができ、無駆動ロール21の回転トルクを軽減させることができる。
【0015】
上記プランマブロック13の内部には、上記カートリッジユニット12を組み込む空間部22を有する。この空間部22の外周壁は、上記カートリッジ14の外径面を受ける軸受座内径面を形成しており、上記カートリッジ14の外径面とゆるみばめの状態にある。このため、プランマブロック13の軸受座内径面と、カートリッジユニット12の外径面とは互いに移動自在となる。また、このプランマブロック13の空間部22は、図1(b)に示すように、無駆動ロール21の軸方向と平行な方向に、上記カートリッジユニット12が移動可能な空間を有する。
【0016】
このため、上記カートリッジユニット12は、上記プランマブロック13の空間部22内において、無駆動ロール21の軸を中心に回転自在であり、かつ、無駆動ロール21の軸方向と平行に、上記空間部22内を平行移動可能である。
【0017】
ところで、上記無駆動ロール21は、図1(b)に示すように、地面と平行に配されて使用される。このため、上記カートリッジユニット12の下端部は、上記プランマブロック13と接触する。このまま上記カートリッジユニット12の移動がおこると、抵抗が大きくなるため、このプランマブロック13の空間部22には潤滑油が供給される。
【0018】
この潤滑油の供給量は、静止状態における潤滑油の上面が、上記保持器外径の最下端と外輪内径面との間、すなわち、図1(b)で、Xで示される範囲内となるようにするのが好ましい。
【0019】
この範囲内とすると、潤滑油の量は、少なすぎることがないので、転走面の油切れによる無駆動ロール21の回転トルクの増大を防止することができ、カートリッジユニット12の寿命を延ばすことができる。さらに、カートリッジユニット12の回転による温度の上昇を低減させることができ、潤滑油の劣化を抑制することができる。そして、転走面の油ぎれや潤滑油の劣化を抑制することができるので、ユニット玉軸受15における錆や汚れの発生、潤滑油の劣化による汚れの発生等を抑制することができる。
【0020】
また、この範囲内とすると、従来の潤滑油の量、すなわち、カートリッジユニット12の最下端の転動体の中心付近を潤滑油の上面とする場合に比べて、潤滑油の使用量を低減することができるので、無駆動ロール21の回転トルクを低減させることができる。
【0021】
ところで、この発明にかかるベアリングユニット11は、無駆動ロールの端部を受けるユニットである。このため、上記無駆動ロールが挿入される側面と反対側の側面に、上記潤滑油の上面を監視する油面計23を設けることが可能である。この油面計23とプランマブロック13の空間部22との間に設けられる障壁を、透明な材料を用いて構成することにより、この油面計23から、上記空間部内部の潤滑油の量を、目視で確認することができる。
【0022】
上記潤滑油としては、高温で低蒸発の油を用いることが好ましい。潤滑油の好ましい上面の位置は、上記したとおりであるが、その条件でベアリングユニット11を回転させると、潤滑油は、上記空間部22内の全体に行き渡るので、この空間部22の底部に残る潤滑油の上面は、静止状態より低下するものの、その位置を目視で確認することができる。
【0023】
一方、ベアリングユニット11の回転が続くと、熱が発生するため、上記空間部22内部は高温となる。このとき、潤滑油の蒸発が大きいと、油面計23を用いて潤滑油の上面を観察しても、温度によって潤滑油の上面が変化してしまうので、潤滑油の管理上、好ましくない。
【0024】
これに対し、高温で低蒸発の油を用いることにより、温度の変化によって生じる潤滑油の上面の位置の変化が小さくなるので、回転時の潤滑油の上面の位置を目視で確認することができ、潤滑油の量、液性等を目視で確認することが可能となる。
【0025】
このような潤滑油としては、フッ素オイルをあげることができる。このフッ素オイルを用いると、上記の潤滑油の管理が容易になるという特徴を発揮すると共に、フッ素オイルは高温で安定であることから、潤滑油の劣化による錆や汚れの発生を抑制することができ、より好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)この発明にかかるベアリングユニットの例を示す正面図、(b)(a)のA−A一部切り欠き断面図
【符号の説明】
【0027】
11 ベアリングユニット
12 カートリッジユニット
13 プランマブロック
13a 上部プランマブロック
13b 下部プランマブロック
14 カートリッジ
15 ユニット玉軸受
16 内輪
17 外輪
18 保持器
19 転動体
21 無駆動ロール
22 空間部
23 油面計
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪、外輪、保持器、及び転動体から構成されるユニット玉軸受及び円環状のカートリッジからなるカートリッジユニット、並びにプランマブロックから構成されるベアリングユニットにおいて、
上記プランマブロックは、ステンレス鋼によって形成されることを特徴とするベアリングユニット。
【請求項2】
静止状態における潤滑油の上面を、上記保持器外径の最下端と外輪内径面との間となるように上記潤滑油を供給することを特徴とする請求項1に記載のベアリングユニット。
【請求項3】
上記潤滑油として、フッ素オイルを使用することを特徴とする請求項2に記載のベアリングユニット。
【請求項4】
上記ベアリングユニットは、無駆動ロールの端部を受けるユニットであり、上記無駆動ロールが挿入される側と反対側に、上記潤滑油の上面を監視する油面計を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載のベアリングユニット。
【請求項1】
内輪、外輪、保持器、及び転動体から構成されるユニット玉軸受及び円環状のカートリッジからなるカートリッジユニット、並びにプランマブロックから構成されるベアリングユニットにおいて、
上記プランマブロックは、ステンレス鋼によって形成されることを特徴とするベアリングユニット。
【請求項2】
静止状態における潤滑油の上面を、上記保持器外径の最下端と外輪内径面との間となるように上記潤滑油を供給することを特徴とする請求項1に記載のベアリングユニット。
【請求項3】
上記潤滑油として、フッ素オイルを使用することを特徴とする請求項2に記載のベアリングユニット。
【請求項4】
上記ベアリングユニットは、無駆動ロールの端部を受けるユニットであり、上記無駆動ロールが挿入される側と反対側に、上記潤滑油の上面を監視する油面計を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載のベアリングユニット。
【図1】
【公開番号】特開2009−79693(P2009−79693A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249697(P2007−249697)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【出願人】(507320937)ミヤコ機工株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【出願人】(507320937)ミヤコ機工株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]