説明

ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。

【課題】
ベタ基礎を形成させるに際し、立ち上り部の型枠内から生コンの打設を可能とすると共に、立ち上り部下端とスラブ間に打ち継ぎ面が形成されないベタ基礎を得る。
【解決手段】
複数の接続した下側溝外形体1bの左右の縦溝壁25に上端側を開放溝孔とした縦長状の補強鉄筋縦溝貫通孔26を所定の寸法の間隔を用いて複数開孔してスラブ用補強鉄筋27を挿入し下側溝外形体1bの凹溝内に、溝流れ方向に直交させて開口幅固定大溝付上蓋支持台29を複数台立設し、下側溝外形体1bと該支持台29とを固定棒52で地盤に固定し、該支持台29内の補強鉄筋載置溝31上に、立ち上り部用補強鉄筋33を配設して抜取り支持鋼棒53で支持させ、該支持台29に該支持台29上に載置する、上側蓋溝外形体2上に立設する立ち上り部用型枠32を支持させ、立ち上り部用補強鉄筋33とスラブ用補強鉄筋27とを連結する。生コンの打設後に抜取り支持鋼棒53を抜き去る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベタ基礎の立ち上り部の形成に関し、詳細には従来技術の布基礎用PCa底盤外形キットをベタ基礎の立ち上り部の形成用に用いるにおいて、該布基礎用PCa底盤外形キット内の布基礎用縦強鉄筋とスラブ用補強鉄筋とが、縦溝壁で隔絶され連結できない問題点を、該縦溝壁に補強鉄筋貫通孔または補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔することで連結可能として解決し、該外形キットの有する特長を生かして、立ち上り部とスラブとのL状接続部や逆T状接続部に打ち継ぎ面が生じないベタ基礎が得られると共に、問題点である該縦溝壁を、生コンクリートの流出防止壁として逆に機能させて活用することにより、立ち上り部から生コンクリートを打設しても生コンクリートがスラブ内に流出せず、作業効率高くベタ基礎が得られる、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の基礎としてベタ基礎が広く採用されている。ところで、立ち上り部とスラブとでなるベタ基礎を形成させるとき、立ち上り部の型枠内に生コンクリートを打設終了してから、引き続いてスラブへ生コンクリートを打設することができると、作業効率高くベタ基礎が得られる。しかし従来技術におけるベタ基礎工法では、立ち上り部の型枠下端側がスラブ側に開放状であるため、立ち上り部の型枠内より生コンクリートを打設すると、生コンクリートがスラブ側に流出し、立ち上り部の型枠内に生コンクリートが停留できず、立ち上り部が形成できないため、立ち上り部の型枠内から生コンクリートを打設することは困難である。
【0003】
従来技術でベタ基礎を得る工法としては、第一工程としてベタ基礎のスラブに生コンクリートを打設し、硬化したスラブコンクリート上に、第二工程として立ち上り部の生コンクリートを打設する二工程打設工法が一般的に用いられている。しかし、第一工程の硬化時間待ち後の再打設は作業効率が低い。
【0004】
また、該二工程打設工法を行なうと、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部とスラブ間のL状接続部や、スラブ内の立ち上り部とスラブ間との逆T状接続部に打ち継ぎ面が生じることになる。該打ち継ぎ面位置は、水平せん断力への抵抗力が弱い位置であり、更にベタ基礎の外周縁の立ち上り部のL状接続部の該打ち継ぎ面位置は、外周側面から雨水の流入し易い個所であり、その上に、立ち上り部用型枠の幅決め鋼製部材等が該打ち継ぎ面間を貫通して存在する場合や、生コンの締め固め不足や、打ち継ぎ面間に微粒物が存在する等の作業不良が加わると、打ち継ぎ面間に水や空気がより浸入しやすく、補強鉄筋の腐蝕の問題を惹起させると共に、水平せん断力への抵抗力が更に低下する。
【0005】
上記の該二工程打設工法の問題点を改善するための従来技術として、ベタ基礎のスラブに生コンクリートを打設する以前に、第一工程として立ち上り部の型枠下端側となるスラブに生コンクリートを打設し、第二工程として該生コンクリートの半硬化中に、立ち上り部の型枠内に生コンクリートを打設することで、立ち上り部とスラブ間に打ち継ぎ面が生じることを防止できるとされる工法が用いられている。しかし、半硬化中の短時間内に二回目の該打設をする作業工程は時間的な余裕が少なく、往々にして全硬化後の打設作業となりやすく、結果として二工程打設となり、水平せん断力への抵抗力が弱い打ち継ぎ面が生じやすく、また作業効率は良好ではない。
【0006】
従来技術に布基礎用PCa底盤外形キットが提案されている。(特許文献1ご参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4798810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の、布基礎用PCa底盤外形キットを、ベタ基礎の立ち上り部の形成に用いるにおいて、布基礎下端と底盤上面間に、打ち継ぎ面が生じない特長を備えているため、ベタ基礎の立ち上り部(布基礎に相当する。)とスラブ(底盤に相当する。)間の、最も水平せん断力への抵抗力が弱いL状接続部や逆T状接続部に打ち継ぎ面が生じないベタ基礎が得られる。
【0009】
しかしながら、該布基礎用PCa底盤外形キットは、下側溝外形体と上側蓋溝外形体の縦溝壁が立設される構成であるため、該外形キットの底盤とベタ基礎のスラブ側面間に縦溝壁が存在することになり、布基礎用縦補強鉄筋とスラブ用補強鉄筋とが連結できず、連結しないとベタ基礎の所定の配筋仕様に適合しない問題点がある。
【0010】
本発明は、前記の従来技術のベタ基礎工法における、生コンクリートの二工程打設による問題点に鑑み、その上で、該布基礎用PCa底盤外形キットの有する上記の特長と問題点を踏まえ、該布基礎用PCa底盤外形キット内の布基礎用縦補強鉄筋(立ち上り部用補強鉄筋)とスラブ用補強鉄筋とが縦溝壁で隔絶され連結できない問題点を、該縦溝壁に補強鉄筋貫通孔または補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔することで連結可能として解決し、該外形キットの有する特長を生かして、立ち上り部とスラブとのL状接続部や逆T状接続部に打ち継ぎ面が生じないベタ基礎が得られると共に、問題点である該縦溝壁を、生コンクリートの流出防止壁として逆に機能させて活用することにより、立ち上り部から生コンクリートを打設しても生コンクリートがスラブ内に流出せず、作業効率高くベタ基礎が得られる、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記及び以下に記載のPCaとは、プレキャストコンクリートの略称である。所定の寸法とは、建築基準法及びそれに基づく告示等、更に建設関係団体等の規定に基づく寸法である。
【0012】
本発明の第1の解決手段は、布基礎用PCa底盤外形キットにおいて、凹溝状の下側溝外形体の溝流れ方向の長さと、下側溝外形体の外底面から縦溝壁の上端までの高と左右縦溝壁間の外幅とに適宜な値を用いて下側溝外形体となし、下側溝外形体の左右の縦溝壁に、補強鉄筋貫通孔を、縦溝壁の溝流れ方向に、スラブ用補強鉄筋の所定の寸法の間隔を用い、縦溝壁高方向に適宜数を用い、適宜な孔径で複数個を開孔し、上側蓋溝外形体の左右の蓋壁の下端高を、補強鉄筋貫通孔の上端側に近接させた位置となし、下側溝外形体の凹溝内底面上に、逆T形状でなり、下側溝外形体の左右の縦溝壁内壁に近接して納まる横幅で、縦溝壁の上端高と同高のPCaでなる開口幅固定大溝付上蓋支持台を、下側溝外形体の溝流れ方向に直交させて、適宜間隔で複数台を移動自在状に立設し、開口幅固定大溝付上蓋支持台の上端面から、適宜な深さ(高さ)と、ベタ基礎の立ち上り部の所定の寸法の横幅を、横幅に用いた開口幅固定大溝を、該支持台の横幅中心線に合わせて開溝し、更に開口幅固定大溝内に、適宜な深さと幅の補強鉄筋載置溝を横幅中心線を合わせて開溝し、2本のL状体でなる上側蓋溝外形体の長さに適宜な長さ値を用い、該上側蓋溝外形体として、布基礎用型枠ストッパー部を備えた上側蓋溝外形体を用い、該布基礎用型枠ストッパー部の下端側を下方向に適宜に延幅して突出させて上側蓋溝外形体固定板を形成させ、該開口幅固定大溝の左右のそれぞれの上端角部に、突出させた上側蓋溝外形体固定板の内壁側を当接させて、2本のそれぞれの上側蓋溝外形体の下面を、配設した複数台の補強鉄筋載置溝付型枠支持台の上端面に当接させ、更に下側溝外形体の縦溝壁の外壁に上側蓋溝外形体の縦溝壁の内壁をそれぞれ当接させて載置してなる、ベタ基礎のスラブ内の立ち上り部に用いることを特長とする、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットの構成である。
【0013】
第1の解決手段では、下側溝外形体の溝流れ方向の長さには、適宜な値を用いることができるが、建設する建築物に用いる基準寸法に適合する寸法を用い、その上に取り扱いが容易な適宜な長さを用い、接続して基準寸法に適合する複数の長さを用いることができる。縦溝壁の高さや左右縦溝壁間の外幅は、ベタ基礎の所定の寸法を基準にして必要な適宜な値を用いる。なお、2本のL状体でなる上側蓋溝外形体の長さも、適宜な長さ値を用いることができるが、上記同様に建設する建築物に用いる基準寸法に適合する寸法を用いることができる。
【0014】
下側溝外形体の左右の縦溝壁に開孔する補強鉄筋貫通孔の適宜な孔径としては、用いるスラブ用補強鉄筋の必要な本数が容易に挿入でき、且つ生コンクリートが多量に流出しない適宜で適度な孔径を用いる。生コンクリートが適度に流出する孔径を用いことにより、縦溝壁を中間に挟んで生コンクリート相互が強固に結合する。
【0015】
下側溝外形体の凹溝内底面上に、逆T形状でなり、PCaでなる適宜な厚さの開口幅固定大溝付上蓋支持台を、下側溝外形体の溝流れ方向に直交させて、適宜間隔で複数台を移動自在状に立設することにより、開口幅固定大溝付上蓋支持台は上側蓋溝外形体を支持し、更に上側蓋溝外形体を中間にして立ち上り部用の型枠を確実に支持する。尚更に、開口幅固定大溝付上蓋支持台の上端側に、溝幅にベタ基礎の立ち上り部の所定の寸法の横幅を用いた開口幅固定大溝を開溝し、布基礎用型枠ストッパー部の下端側を下方向に適宜に延幅して突出させて上側蓋溝外形体固定板を形成させ、該補強鉄筋載置溝の左右のそれぞれの上端角部に、突出させた上側蓋溝外形体固定板の内壁側を当接させることで、立ち上り部の横幅が確定できると共に、上側蓋溝外形体を複数台の開口幅固定大溝付上蓋支持台上に安定させて載置支持できる。
【0016】
開口幅固定大溝内に、補強鉄筋載置溝を、双方の溝幅中心線を合わせて開溝することにより、立ち上り部用補強鉄筋の配設が容易となる。補強鉄筋載置溝の溝幅は、立ち上り部用補強鉄筋の重ね継手が容易に納まる溝幅とし、溝高は該補強鉄筋が納まる適宜高を用いる。
【0017】
補強鉄筋貫通孔を左右の縦溝壁に開孔することにより、立ち上り部用補強鉄筋とスラブ用補強鉄筋とを連結させることができると共に、生コンクリートが適度に流出する孔径を用いることにより、縦溝壁を中間に挟んで生コンクリート相互が強固に結合する。更に下側溝外形体の縦溝壁が生コンクリートの流出防止壁として機能し、生コンクリートがスラブ側に流出することを阻止するため、生コンクリートを布基礎用型枠内より打設することが可能となり、水平せん断力への抵抗力が弱い位置に打ち継ぎ面が形成されないベタ基礎が作業効率高く得ることができる、ベタ基礎のスラブ内の立ち上り部形成用に用いるのに適する、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットが得られる。
【0018】
本発明の第2の解決手段は、補強鉄筋貫通孔を複数個開孔するに代えて、縦溝壁の上端側を開放溝孔とした縦長状の適宜な縦溝高と溝幅の補強鉄筋縦溝貫通孔を、縦溝壁の溝流れ方向にスラブ用補強鉄筋の所定の寸法の間隔を用いて、複数個を開孔してなることを特長とする、第1の解決手段のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットの構成である。
【0019】
第2の解決手段では、下側溝外形体の左右の縦溝壁の溝流れ方向に、縦溝壁の上端側を開放溝孔とした縦長状の適宜な縦溝高と溝幅の補強鉄筋縦溝貫通孔を所定の寸法の間隔を用いて開孔することにより、直線状のスラブ用補強鉄筋は勿論のこと、汎用の格子状溶接補強鉄筋の挿入が容易に行える。なお、適宜な溝幅は、用いる補強鉄筋の本数が容易に挿入でき、且つ生コンクリートが多量に流出しない適宜で適度な孔径を用いる。生コンクリートが適度に流出する溝幅を用いことにより、縦溝壁を中間に挟んで生コンクリート相互が強固に結合する。
【0020】
補強鉄筋縦溝貫通孔の所定の寸法の間隔としては、スラブ用補強鉄筋の所定の寸法の間隔範囲内であれば何れの間隔も用いられるが、汎用の格子状溶接補強鉄筋では、5センチの倍数の格子間隔が用いられており、よつて、縦溝幅中心線間隔に5センチまたは5センチの適宜な倍数の間隔を用いると、汎用の格子状溶接補強鉄筋に対応できる。なお、上記以外の異なる格子間隔の格子状溶接補強鉄筋を用いる場合では、適宜な間隔の寸法を用いる。
【0021】
上側蓋溝外形体の左右の蓋壁の下端が、強鉄筋縦溝貫通孔の上端側を覆うことにより、生コンクリートが多量に流出せず、生コンクリートが適度に流出して縦溝壁を中間に挟んで生コンクリート相互が強固に結合する。
【0022】
本発明の第3の解決手段は、下側溝外形体の左右の縦溝壁に、補強鉄筋貫通孔または補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔するに代えて、左右何れか一方の縦溝壁のみに補強鉄筋貫通孔または補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔し、ベタ基礎のスラブ外周縁の立ち上り部形成用に用いることを特長とする、第1の解決手段または2記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットの構成である。
【0023】
第3の解決手段では、下側溝外形体の左右の縦溝壁に、補強鉄筋貫通孔または補強鉄筋縦溝貫通孔が開孔されて在っても、該貫通孔から生コンクリートが過度に流出しないので、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成用としても、其の儘用いることができるが、左右何れか一方の縦溝壁のみに補強鉄筋貫通孔または補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔し、他方の縦溝壁を無開孔とし、ベタ基礎の外周縁側に該貫通孔の開孔していない他方の縦溝壁を用いることにより、ベタ基礎の外周縁側に生コンクリートが流出しない、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成用に適した該キットが得られる。
【0024】
本発明の第4の解決手段は、下側溝外形体の左右何れか一方の縦溝壁のみを適宜な高さまで短縮して支持用短壁となし、支持用短壁側となる開口幅固定大溝付上蓋支持台内の、該開口幅固定大溝の下端溝隅角部から、大溝壁に沿って鉛直に開口幅固定大溝付上蓋支持台の支持台縦壁のみを両断して、支持用短壁側となる支持台縦壁のみを除去し、補強鉄筋載置溝側となる他方側の該支持台縦壁の両断側面を、立ち上り部用型枠支持縦壁となし、立ち上り部用型枠の内側壁を立ち上り部用型枠支持縦壁に鉛直に当接させて、複数台の開口幅固定大溝付上蓋支持台の支持台底盤上に載置し、型枠支持用補助材を用いて支持用短壁に立ち上り部用型枠を支持させる、ベタ基礎のスラブ外周縁の立ち上り部形成用に用いることを特長とする、第1の解決手段または2記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットの構成である。
【0025】
第4の解決手段では、補強鉄筋載置溝側の該支持台縦壁の両断側面を、立ち上り部用型枠支持縦壁となし、立ち上り部用型枠の内側壁を立ち上り部用型枠支持縦壁に鉛直に当接させて、支持用短壁に立ち上り部用型枠の一方側を支持させることで、支持用短壁側の立ち上り部に補強鉄筋縦溝貫通孔が形成されない、ベタ基礎のスラブ外周縁の立ち上り部を形成させることができる。なお、開口幅固定大溝付上蓋支持台の支持台底盤の厚みを、生コンクリートが過度に流出しない適宜な薄さの厚みとして用いることにより、立ち上り部用型枠の下端面と下側溝外形体の底板上面間の間隙から生コンクリートが該底板面上に過度に流出することを防止することができる。
【0026】
本発明の第5の解決手段は、下側溝外形体の左右の溝流れ方向端側に、それぞれ幅方向の中心線上を頂点とする二等辺直角三角形状の基礎通り芯線合致切欠き窓を、左右同寸法を用いて開窓してなることを特長とする、第1の解決手段から4記載のうち何れか一記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットの構成である。
【0027】
第5の解決手段では、基礎通り芯線に基礎通り芯線合致窓の頂点を合致させて下側溝外形体を順次接続することで、下側溝外形体を容易に直線状に接続して地盤上に配設することができる。
【0028】
本発明の第6の解決手段は、下側溝外形体の左右の縦溝壁の内壁近辺の底板の適宜な位置に、溝流れ方向に縦長状の適宜な長さと溝幅の下側溝外形体固定長孔を複数個、溝流れ方向の全長間に分配して、表裏を貫通させて開孔し、該固定長孔上に当接する該開口幅固定大溝付上蓋支持台の支持台底盤の四隅辺に、該固定長孔と導通する支持台底盤固定孔を開孔し、適宜な長さと太さの剛体でなる固定棒を複数本用い、該固定長孔と導通する支持台底盤固定孔とを貫通させて地盤に打ち込み、支持台底盤と下側溝外形体とを固定することを特長とする、第1の解決手段から5記載のうち何れか一記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットの構成である。
【0029】
第6の解決手段では、適宜な長さと太さの剛体でなる固定棒としては、剛体であれば何れの材質も用いられ、合成樹脂や鋼材が適して用いられる。鋼材として該補強鉄筋が用いられ、該補強鉄筋の端材や残材が経済的に利用できる。下側溝外形体と開口幅固定大溝付上蓋支持台とを地盤に固定することにより、外力が作用しても下側溝外形体と開口幅固定大溝付上蓋支持台とは容易に移動できない。
【0030】
本発明の第7の解決手段は、下側溝外形体の底板の溝幅方向の中心線を挟んで適宜な間隔で左右側に、底板の溝流れ方向の全長間に適宜な間隔で、それぞれ支持棒孔を複数個ずつ、該底板を貫通させて開孔し、適宜な長さと太さの剛体でなる補強鉄筋支持棒を複数本用い、立ち上り部用補強鉄筋を中間に左右から挟むように補強鉄筋支持棒を、支持棒孔を貫通させて地盤に打ち込み立設することを特長とする、請求項1から6記載のうち何れか一記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットの構成である。
【0031】
第7の解決手段では、適宜な長さと太さの剛体でなる補強鉄筋支持棒としては、剛体であれば何れの材質も用いられ、合成樹脂や鋼材が適して用いられる。鋼材として該補強鉄筋が用いられ、該補強鉄筋の端材や残材が経済的に利用できる。
【0032】
適宜な長さとしては、地盤に鉛直に打ち込み立設した補強鉄筋支持棒が、立ち上り部用型枠内の立ち上り部用補強鉄筋を鉛直に保持できる長さである。なお、補強鉄筋支持棒に合成樹脂を用いるときは、結束線を用いて立ち上り部用補強鉄筋が鉛直となるよう保持結束し、最終的には合成樹脂製の補強鉄筋支持棒は生コンクリート内に埋没させて用いる。
【0033】
なお、補強鉄筋支持棒に該補強鉄筋や他の鋼棒を用いる場合では、地盤に打ち込み立設する該補強鉄筋でなる該支持棒と該補強用鉄筋とが接触し、該補強用鉄筋が間接的に地盤と接続することになり、該補強鉄筋の腐蝕の遠因となるため、該支持鋼棒を、抜取り支持鋼棒として用い、抜取り支持鋼棒の長さに、立ち上り部用補強鉄筋の上端を超える長さを用い、立ち上り部用補強鉄筋を中間に左右から挟んで地盤に打ち込み立設し、挟んだ左右の抜取り支持鋼棒の上端側を結束線で仮結束して鉛直に支持させ、立ち上り部の型枠内に生コンクリートを打設終了直後に、抜取り支持鋼棒を地盤から引抜き去ることで、該補強鉄筋の腐蝕する問題を未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0034】
第1の解決手段では、下側溝外形体の左右の縦溝壁に補強鉄筋貫通孔を開孔することにより、スラブ用補強鉄筋と立ち上り部用補強鉄筋とを一体的に連結させることが可能となり、ベタ基礎のスラブ内の立ち上り部を形成させることができる。
【0035】
下側溝外形体の凹溝内底面上に、開口幅固定大溝付上蓋支持台を複数台、移動自在状に立設することにより、開口幅固定大溝付上蓋支持台は上側蓋溝外形体を支持し、更に上側蓋溝外形体を中間にして立ち上り部用の型枠を確実に支持すると共に、補強鉄筋載置溝は立ち上り部用補強鉄筋の配設を容易とすることができる。
【0036】
該布基礎用型枠ストッパー部の下端側を下方向に適宜に延幅して突出させて上側蓋溝外形体固定板を形成させ、該補強鉄筋載置溝の左右のそれぞれの上端角部に、突出させた上側蓋溝外形体固定板の内壁側を当接させることで立ち上り部の横幅が確定し、更に下側溝外形体の縦溝壁の外壁に上側蓋溝外形体の縦溝壁の内壁をそれぞれ当接させることにより、上側蓋溝外形体を複数台の開口幅固定大溝付上蓋支持台上に安定させて載置支持できる。
【0037】
生コンクリートが多量に流出しない孔径で、且つ生コンクリートが適度に流出する孔径を用いることにより、縦溝壁を中間に挟んで生コンクリート相互が強固に結合する。更に下側溝外形体の縦溝壁が生コンクリートの流出防止壁として機能し、生コンクリートがスラブ側に流出することを阻止するため、生コンクリートを布基礎用型枠内より打設することが可能となり、水平せん断力への抵抗力が弱い位置に打ち継ぎ面が形成されないベタ基礎が作業効率高く得ることができる。
【0038】
第2の解決手段では、下側溝外形体の左右の縦溝壁の溝流れ方向に、縦溝壁の上端側を開放溝孔とした縦長状の補強鉄筋縦溝貫通孔を所定の寸法の間隔を用いて開孔することにより、直線状の補強鉄筋は勿論のこと、格子間隔の異なる汎用の格子状溶接補強鉄筋に対応して、容易に挿入して用いることができる。
【0039】
第3の解決手段では、左右何れか一方の縦溝壁のみに補強鉄筋貫通孔または補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔し、ベタ基礎の外周縁側に、該貫通孔の無開孔の縦溝壁を用いることにより、ベタ基礎の外周縁側に生コンクリートが流出せず、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成に用いることができる。
【0040】
第4の解決手段では、下側溝外形体の左右何れか一方の縦溝壁のみを適宜な高さまで低くして支持用短壁となし、補強鉄筋載置溝側となる他方の該縦壁切断側面を、立ち上り部用型枠の一方側の型枠支持縦壁となすことにより、ベタ基礎の外周縁側に該貫通孔が形成されないため、ベタ基礎の外周縁側に生コンクリートが流出せず、更に2本の上側蓋溝外形体のうち1本を削減して、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部を形成することができる。
【0041】
第5の解決手段では、基礎通り芯線に基礎通り芯線合致窓の頂点を合致させて下側溝外形体を順次接続することで、下側溝外形体を容易に直線状に正確に接続して地盤上に配設することができる。
【0042】
また、下側溝外形体を地盤上に配設するに際し、下側溝外形体が、捨てコンクリートの役目とする型枠の水平保持等を代替するため、捨てコンクリートの打設を不用とすることもできる。捨てコンクリート上面に基礎通り芯墨を墨打ちするのに代えて、地業を終えた水平な地盤上に、適宜な太さと引張り強度を備えた基礎通り芯綱糸を用いて緊張させて布設し、基礎通り芯綱糸に下側溝外形体の基礎通り芯線合致窓の頂点を合致させ順次接続することで、更に容易に下側溝外形体を直線状に地盤上に配設することができる。
【0043】
第6の解決手段では、固定棒を用いて下側溝外形体と開口幅固定大溝付上蓋支持台とを地盤に固定することにより、下側溝外形体と開口幅固定大溝付上蓋支持台とに、外力が作用しても容易に移動せず、作業効率が向上する。固定棒に該補強用鉄筋の端材や残材を用いることができる経済性がある。
【0044】
第7の解決手段では、補強鉄筋支持棒として、該補強鉄筋を用いて抜取り支持鋼棒として用いると、該補強鉄筋の端材や残材を用いることができる上に、再使用ができる経済性がある。また、補強鉄筋支持棒を用いることにより、立ち上り部用型枠内で、立ち上り部用補強鉄筋の所定の鉄筋かぶり厚を確保するための、使い捨てスぺーサーを不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a) 左右の縦溝壁に補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔した、ベタ基礎のスラブ内の立ち上り部の形成に用いる、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットAaの分解斜視図。(b)図1aの縦断面図。
【図2】(a) 左右何れか一方の縦溝壁のみに補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔した、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成用に用いる、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットAbの分解斜視図。(b)図2aの縦断面図。
【図3】(a) 一方の縦溝壁に補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔し、他方の縦溝壁を短縮して支持用短壁となし、開口幅固定大溝付上蓋支持台の支持台縦壁を両断して型枠支持縦壁を形成させて立ち上り部用型枠を支持させる、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成用に用いる、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットAcの分解斜視図。(b)図3aの縦断面図。
【図4】(a) 外周縁に用いる下側溝外形体に簡易切断溝を開溝した状態を説明する斜視図。(b)、(c)、(d)は簡易切断溝から切断した状態の下側溝外形体の平面図。 (e)は複数の下側溝外形体の基礎通り芯線合致窓の頂点を基礎通り芯綱糸に合致させて配設する状態を示す平面図。
【図5】下側溝外形体の底板の溝幅方向の中心線を挟んで開孔した支持棒孔に、立ち上り部用補強鉄筋を中間に左右から挟むように抜取り支持鋼棒を地盤に打ち込み立設する状態を説明する斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、図を用いて本発明の実施形態を説明する。図中の多数の大小混在の黒小丸は下側溝外形体と上側蓋溝外形体との接続方向の側断面を示し、点線枠内の点線山形状線は立ち上り部用型枠の所在位置を示し、点線枠内の点線斜線は型枠支持用補助材を示し、小円丸付き並行点線は立ち上り部用及びスラブ用補強鉄筋の所在位置を示し、点線はかくれ線を示し、太実線は該補強鉄筋を示し、鍵付き太実線は固定棒及び抜取り支持鋼棒を示す。全図を通し同一物に同一番号を付し、重複する説明を省略します。
【0047】
図1の(a)と(b)に基づいて、ベタ基礎のスラブ内の立ち上り部の形成用に用いる、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキットAaを説明すれば、従来技術の布基礎用PCa底盤外形キットAにおける下側溝外形体1の溝流れ方向の長さと、下側溝外形体1の外底面から縦溝壁25の上端までの高さと左右縦溝壁間の外幅とに適宜な値を用いて下側溝外形体1bを形成する。
【0048】
下側溝外形体1bの溝流れ方向の長さには、適宜な値を用いることができるが、建設する建築物に用いる基準寸法に適合する寸法を用い、その上に取り扱いが容易な適宜な長さを用い、接続して基準寸法に適合する複数の長さを用いることができる。縦溝壁25の高さや左右縦溝壁間の外幅は、ベタ基礎の所定の寸法を基準にして必要な適宜な値を用いる。
【0049】
下側溝外形体1bの左右の縦溝壁25に、縦溝壁25の上端側を開放溝孔とした縦長状の適宜な縦溝高の補強鉄筋縦溝貫通孔26を、縦溝幅には、用いるスラブ用補強鉄筋27の本数が容易に挿入でき、且つ生コンクリートが多量に流出しない適宜で適度な縦溝幅を用いる。生コンクリートが適度に流出する縦溝幅を用いことにより、縦溝壁25を中間に挟んで生コンクリート相互が強固に結合する。上側蓋溝外形体2の左右の蓋壁の下端側が、強鉄筋縦溝貫通孔26の上端側を覆うことにより、生コンクリートが多量に流出しない。
【0050】
補強鉄筋縦溝貫通孔26の所定の寸法の間隔としては、所定の寸法の間隔範囲内であれば何れの間隔も用いられるが、汎用の格子状溶接補強鉄筋では、5センチの倍数の格子間隔が用いられており、よつて、縦溝幅中心線間隔に5センチまたは5センチの適宜な倍数の間隔を用いると、汎用の格子状溶接補強鉄筋に対応できる。なお、上記以外の異なる格子間隔の格子状溶接補強鉄筋を用いる場合では、適宜な間隔の寸法を用いる。
【0051】
下側溝外形体1bの凹溝内底面上に、逆T形状でなり、下側溝外形体1bの左右の縦溝壁25内壁に近接して納まる横幅で、縦溝壁25の上端高と同高のPCaでなる開口幅固定大溝付上蓋支持台29を、下側溝外形体1bの溝流れ方向に直交させて、適宜間隔で複数台を移動自在状に立設し、開口幅固定大溝付上蓋支持台29の上端面から、適宜な深さ(高さ)と、ベタ基礎の立ち上り部の所定の寸法の横幅を、横幅に用いた開口幅固定大溝30を、該型枠支持台29の横幅中心線に合わせて開溝し、更に開口幅固定大溝30内に、横幅中心線を合わせて、適宜な深さと幅の補強鉄筋載置溝31を開溝する。
【0052】
適宜な深さと幅の補強鉄筋載置溝31の溝幅は、立ち上り部用補強鉄筋33の重ね継手が容易に納まる溝幅とし、溝高は該補強鉄筋33が納まる適宜高を用いる。
【0053】
2本のL状体でなる上側蓋溝外形体2の長さに適宜な長さ値を用い、該上側蓋溝外形体2として、布基礎用型枠ストッパー部20を備えた上側蓋溝外形体2を用い、該布基礎用型枠ストッパー部20の下端側を下方向に適宜に延幅して突出させて上側蓋溝外形体固定板34を形成させ、該開口幅固定大溝30の左右のそれぞれの上端角部35に、突出させた上側蓋溝外形体固定板34の内壁側を当接させて、2本のそれぞれの上側蓋溝外形体2の下面を、配設した複数台の開口幅固定大溝付上蓋支持台29の上端面に当接させて載置し、下側溝外形体1bの縦溝壁25の外壁に上側蓋溝外形体2の蓋壁28の内壁をそれぞれ当接させる。
【0054】
なお、2本のL状体でなる上側蓋溝外形体2の長さも、適宜な長さ値を用いることができるが、前記した下側溝外形体1bの溝流れ方向の長さと同様に、建設する建築物に用いる基準寸法に適合する寸法を用いる。なお、2本のそれぞれの上側蓋溝外形体2の下面を、配設した複数台の開口幅固定大溝付上蓋支持台29の上端面に当接させ、更に下側溝外形体1bの縦溝壁25の外壁に上側蓋溝外形体2の蓋壁28の内壁をそれぞれ当接させて載置するとき、下側溝外形体1bの接続個所と上側蓋溝外形体2の接続個所とが同一の個所とならないよう、ずらして載置することにより、下側溝外形体1bの直線接続を容易とすることができる。
【0055】
該布基礎用型枠ストッパー部20の下端側を下方向に適宜に延幅して突出させて上側蓋溝外形体固定板34を形成させる適宜な延幅は、突出させる上側蓋溝外形体固定板34の内壁側が該開口幅固定大溝30の左右のそれぞれの上端角部35に、確実に当接して上側蓋溝外形体2を開口幅固定大溝付上蓋支持台29の上端面に載置固定できる延幅である。
【0056】
開口幅固定大溝付上蓋支持台29を、下側溝外形体1bの溝流れ方向に直交させて、適宜間隔で複数台を移動自在状に立設し、該開口幅固定大溝30の左右のそれぞれの上端角部35に、突出させた上側蓋溝外形体固定板34の内壁側を当接させて、2本のそれぞれの上側蓋溝外形体2の下面を、配設した複数台の開口幅固定大溝付上蓋支持台29の上端面に当接させて載置し、下側溝外形体1bの縦溝壁25の外壁に上側蓋溝外形体2の蓋壁28の内壁をそれぞれ当接させることにより、上側蓋溝外形体2は開口幅固定大溝付上蓋支持台29と下側溝外形体1bとに確実に支持され、更に上側蓋溝外形体2は立ち上り部用型枠32を確実に支持する。
【0057】
なお、該補強鉄筋縦溝貫通孔26以外に、縦溝壁25に、該スラブ用補強鉄筋27を容易に挿入でき且つ生コンクリートが多量に流出しない適宜で適度な孔径を用いて適宜数の補助用の補強鉄筋貫通孔36を開孔し、補助用の補強鉄筋37を挿入し、縦溝壁25の外壁側に所定の寸法の定着の長さを用いることにより、該キット内のコンクリートとスラブ内のコンクリートとを縦溝壁25を中間にして、より強固に一体的とさせることができる。
【0058】
下側溝外形体1bの左右の縦溝壁25に補強鉄筋縦溝貫通孔26を開溝することにより、
スラブ用補強鉄筋27を挿入できることになり、挿入したスラブ用補強鉄筋27と立ち上り部用補強鉄筋33とを連結させることができると共に、生コンクリートが多量に流出せず、適度に流出する溝幅補強鉄筋縦溝貫通孔26から生コンクリートが適度に流出し、縦溝壁を中間に挟んで生コンクリート相互が強固に結合する。更に下側溝外形体1bの縦溝壁25が生コンクリートの流出防止壁として機能し、生コンクリートがスラブ側に流出することを阻止するため、最初から、立ち上り部用型枠32より生コンクリートを打設することが可能となる上に、立ち上り部下端とスラブ間に打ち継ぎ面が生じない、ベタ基礎が作業効率高く得ることができる。
【0059】
図2の(a)と(b)に基づいて、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成に用いる、ベタ基礎の立ち上り部形成に用いるPCaでなるキットAbを説明すれば、下側溝外形体1bの左右何れか一方の縦溝壁25のみに補強鉄筋縦溝貫通孔26を開孔する。
【0060】
下側溝外形体1bの左右の縦溝壁25に、補強鉄筋縦溝貫通孔26が開孔されて在っても、該貫通孔26から生コンクリートが過度に流出しないので、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成用として用いることができるが、左右何れか一方の縦溝壁25のみに補強鉄筋縦溝貫通孔26を開孔し、他方の縦溝壁25を無貫通孔とし、ベタ基礎の外周縁側に無貫通孔の他方の縦溝壁25を用いることにより、ベタ基礎の外周縁側に生コンクリートが流出しない、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成用に適した該キットが得られる。
【0061】
なお、ベタ基礎の立ち上り部の所定の寸法の横幅の中心線から、ベタ基礎の外周縁側に用いる無貫通孔の縦溝壁25の外壁間との幅を、支障の出ない範囲内で極力短縮して用いることができる。短縮して用いることにより外周縁外への縦溝壁25の突出量が減少し、突出による他に支障を及ぼすことを避けることができる。
【0062】
図3の(a)と(b)に基づいて、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成用に用いる、ベタ基礎の立ち上り部形成用のPCaでなるキットAcを説明すれば、下側溝外形体1bの左右何れか一方の縦溝壁25のみを適宜な高さまで短縮して支持用短壁38とする。
【0063】
支持用短壁38側となる開口幅固定大溝付上蓋支持台29内の、該開口幅固定大溝30の下端溝隅角部39から、大溝壁に沿って鉛直に開口幅固定大溝付上蓋支持台29の支持台縦壁40のみを両断して、支持用短壁38側となる支持台縦壁40のみを除去し、補強鉄筋載置溝31側となる他方側の該支持台縦壁40の両断側面を、立ち上り部用型枠支持縦壁41とする。
【0064】
立ち上り部用型枠32の内側壁を立ち上り部用型枠支持縦壁41に鉛直に当接させて、複数台の開口幅固定大溝付上蓋支持台29の支持台底盤42上に載置し、型枠支持用補助材43を用いて支持用短壁38に立ち上り部用型枠32を支持させる。
【0065】
なお、開口幅固定大溝付上蓋支持台29の支持台底盤42の厚みを、生コンクリートが過度に流出しない適宜な薄さの厚みとして用いることにより、立ち上り部用型枠32の下端面と下側溝外形体1bの底板上面間の間隙から生コンクリートが該底板面上に過度に流出することを防止することができる。過度に流出する恐れのある場合には、立ち上り部用型枠32の下端面と下側溝外形体1bの底板上面間の間隙に適宜な流出防止材を用いることができる。
【0066】
ベタ基礎の外周縁側に補強鉄筋縦溝貫通孔26が形成されず、生コンクリートが流出しない上に、支持用短壁38側の上側蓋溝外形体2を不要とする経済性が得られる。
【0067】
図4と図5に基づいて説明すれば、PCaでなる下側溝外形体1bは、PCa成形型を製作する段階で、適宜な位置で、適宜な切断形状の成形型を製作することで、各種の変形下側溝外形体1bを容易に得て用いられるが、下側溝外形体1bの適宜な位置の表裏に、対向するよう適宜な深さで簡易切断溝44を開溝して用いることにより、下側溝外形体1bを施工現場で容易に切断して用いることができる。
【0068】
図4(a)、(b)、(c)に示すように、1枚の下側溝外形体1bの外周縁側の左隅角部45から、他1枚の下側溝外形体1bの外周縁側の右隅角部46から簡易切断溝44をそれぞれ底板面の中央方向へ45度に、底板面の同位置の上下面に適宜の深さで開溝し、更に簡易切断溝44が突き当たる縦溝壁25にも連続させて簡易切断溝44を垂直に同様に開溝して用いることができる。
【0069】
簡易切断溝44を切断した左右の切断面を対向当接させることで、ベタ基礎の外周縁の直角の隅角部に下側溝外形体1bを用いることができる。なお、図示しないが、対向させる2本のそれぞれの上側蓋溝外形体2も同様に、同角度で簡易切断溝44を開溝して用いる。
【0070】
また、図4(d)に示すように、下側溝外形体1bの溝流れ方向に直交させて、適宜な位置に簡易切断溝44を開溝することにより、下側溝外形体1bの長さを調節して得られる。図示しないが、対向させる2本のそれぞれの上側蓋溝外形体2も同様に開溝することにより、長さを調節して得られる。またベタ基礎のスラブ内の立ち上り部の形成用に用いる下側溝外形体1bの溝流れ方向に直交させて開溝することにより、同様に長さを調節して得られる。
【0071】
下側溝外形体1bの左右の縦溝壁25の内壁近辺の底板の適宜な位置に、溝流れ方向に縦長状の適宜な長さと溝幅の下側溝外形体固定長孔47を複数個、溝流れ方向の全長間に分配して、表裏を貫通させて開孔し、該固定長孔47上に当接する該開口幅固定大溝付上蓋支持台29の支持台底盤42の四隅辺に、該固定長孔47と導通する支持台底盤固定孔48を開孔する。
【0072】
また、下側溝外形体1bの底板の溝幅方向の中心線を挟んで適宜な間隔で左右側に、底板の溝流れ方向の全長間に適宜な間隔で、それぞれ支持棒孔49を複数個ずつ、該底板を貫通させて開孔する。
【0073】
また、下側溝外形体1bの左右の溝流れ方向端に、それぞれ幅方向の中心線上を頂点とする二等辺直角三角形状の基礎通り芯線合致切欠き窓50を、左右同寸法を用いて開窓する。
【0074】
図4(e)に示すように、に示すように、ベタ基礎の外周縁の地業を終えた水平な地盤上に、適宜な太さと引張り強度を備えた基礎通り芯綱糸51を用い、直角な隅角で交叉させて緊張させて布設し、ベタ基礎の外周縁に用いる下側溝外形体1bの、それぞれ該左右の隅角部45、46からの簡易切断溝44の切断面を対向当接させて、基礎通り芯線合致窓50の頂点を基礎通り芯綱糸51に合致させてベタ基礎の外周縁の隅角部に配置し、双方の下側溝外形体1bの下側溝外形体固定長孔47に固定棒52を用いて地盤に打ち込み下側溝外形体1bを水平に固定する。
【0075】
適宜な長さと太さの剛体でなる固定棒52としては、剛体であれば何れの材質も用いられ、合成樹脂や鋼材が適して用いられる。鋼材として該補強鉄筋が用いられ、該補強鉄筋の端材や残材が経済的に利用できる。
【0076】
引き続いて次の下側溝外形体1bの基礎通り芯線合致窓50の頂点を基礎通り芯綱糸51に合致させて順次接続し、固定棒52を地盤に打ち込み下側溝外形体1bを水平に固定することにより、必要な長さの下側溝外形体1bを直線状に容易に配設することができる。なお、ベタ基礎のスラブ内の立ち上り部の形成に用いる下側溝外形体1bも同様に配設することができる。
【0077】
接続した複数のベタ基礎の外周縁に用いる下側溝外形体1bとスラブ内の立ち上り部に用いる下側溝外形体1bとの凹溝内底面上に、開口幅固定大溝付上蓋支持台29を、下側溝外形体1bの溝流れ方向に直交させて、適宜間隔で複数台を立設し、該固定長孔47上に当接する該開口幅固定大溝付上蓋支持台29の支持台底盤42の、導通する支持台底盤固定孔48から固定棒52を用いて地盤に打ち込み、支持台底盤42を固定する。
【0078】
なお、図示しないが、図3において、立ち上り部用型枠32の内側壁を立ち上り部用型枠支持縦壁41に鉛直に当接させて、複数台の開口幅固定大溝付上蓋支持台29の支持台底盤42上に載置すると、立ち上り部用型枠32の下端面と下側溝外形体1bの底板上面間に支持台底盤42の厚み分の間隙が生じ、厚みが大きいと間隙から生コンクリートが該底板面上に過度に流出する恐れがある。
【0079】
支持用短壁38側となる開口幅固定大溝付上蓋支持台29内の、該開口幅固定大溝30の下端溝隅角部39から、大溝壁に沿って鉛直に開口幅固定大溝付上蓋支持台29の支持台縦壁40のみを両断するに加えて支持台底盤42も共に両断し、下側溝外形体1bの支持用短壁38側近辺の底板の適宜な位置に、開孔する下側溝外形体固定長孔47を、該開口幅固定大溝30の下側の適宜な位置まで移動させて開孔し、該固定長孔47上に当接する該開口幅固定大溝付上蓋支持台29の支持台底盤42に、該固定長孔47と導通する支持台底盤固定孔48を開孔し、支持台底盤固定孔48から固定棒52を用いて地盤に打ち込み、支持台底盤42を固定することにより、立ち上り部用型枠32の下端面と下側溝外形体1bの底板上面間に間隙が生じず、生コンクリートが該底板面上に流出すること防止できる。
【0080】
下側溝外形体1bと開口幅固定大溝付上蓋支持台29とを地盤に固定することにより、外力が作用しても下側溝外形体1bと開口幅固定大溝付上蓋支持台29とは容易に移動できない。
【0081】
立ち上り部用補強鉄筋44を複数の補強鉄筋載置溝31上にわたるよう載置し、図5に示すように、立ち上り部用補強鉄筋33を中間に左右から挟み、立ち上り部用補強鉄筋33が垂直となるよう支持する補強鉄筋支持棒として、抜取り支持鋼棒53を、支持棒孔49を貫通させて地盤に打ち込み立設する。
【0082】
適宜な長さと太さの剛体でなる補強鉄筋支持棒としては、剛体であれば何れの材質も用いられ、合成樹脂や鋼材が適して用いられる。鋼材として該補強鉄筋が用いられ、該補強鉄筋の端材や残材が経済的に利用できる。
【0083】
なお、抜取り支持鋼棒53は、立ち上り部の型枠32内に生コンクリートを打設終了直後に、抜取る支持鋼棒であり、抜取る理由は、抜取り支持鋼棒53を地盤に打ち込み立設することにより、抜取り支持鋼棒53と立ち上り部用補強鉄筋33とが接触し、間接的に立ち上り部用補強鉄筋33が地盤と接続することになり、立ち上り部用補強鉄筋33の腐蝕の遠因となるためである。挟んだ左右の抜取り支持鋼棒53の上端高を、立ち上り部用補強鉄筋33高を超える高さとし、立ち上り部の型枠32内に生コンクリートを打設終了直後に、抜取り支持鋼棒53を地盤から引抜き去ることで、該補強鉄筋33の腐蝕する問題を未然に防止できる。合成樹脂製の補強鉄筋支持棒を用いる場合では支障はでない。
【0084】
なお、補強鉄筋支持棒に該補強鉄筋や適宜な鋼棒を用い、該補強鉄筋支持棒と立ち上り部用補強鉄筋33との間に合成樹脂等でなる絶縁材を用いて相互間を発錆絶縁させることにより、該補強鉄筋支持棒の適宜な長さとして、立ち上り部用補強鉄筋33の高さ以下として、該補強鉄筋支持棒を生コンクリート内に埋没させて用いることもできる。
【0085】
補強鉄筋支持棒として、該補強鉄筋を用いて抜取り支持鋼棒53として用いることにより、該補強鉄筋の端材や残材を用いることができる上に、再使用ができる経済性がある。また、補強鉄筋支持棒を用いることにより、立ち上り部用型枠32内で、立ち上り部用補強鉄筋33の所定の鉄筋かぶり厚を確保するための、使い捨てスぺーサーを不要とすることができる。
【0086】
下側溝外形体1bを地盤上に配設するに際し、下側溝外形体1bが、捨てコンクリートの役目とする、型枠の水平保持等を代替するため、捨てコンクリートの打設を不用とすることもできる。捨てコンクリート上面に基礎通り芯墨を墨打ちするのに代えて、基礎通り芯綱糸51を用い、基礎通り芯綱糸51に下側溝外形体1bの基礎通り芯線合致窓50の頂点を合致させ順次接続することにより、容易にベタ基礎の立ち上り部を作業効率高く形成させることができる。
【0087】
なお、上側蓋溝外形体固定板34に、結束線固定用穴54を上側蓋溝外形体2の長さ方向に適宜な間隔で複数開穴し、更に開口幅固定大溝付上蓋支持台29の適宜な位置にも結束線固定用穴54を開穴して、図示しないが結束鋼線を通し、対向する上側蓋溝外形体固定板34の結束線固定用穴54間や、開口幅固定大溝付上蓋支持台29の結束線固定用穴54間や立ち上り部用補強鉄筋33間を緊張結束することにより、上側蓋溝外形体2を確実に開口幅固定大溝付上蓋支持台29上に固定して載置支持することができると共に、立ち上り部用補強鉄筋33の鉛直立設と定位置を調整することができる。尚更に、固定棒52を流用して、未使用の下側溝外形体固定長孔47や支持棒孔49に打ち込み、固定棒52と上側蓋溝外形体固定板34の結束線固定用穴54とを緊張結束すると一層固定することができる。
【0088】
他の実施形態として、図示しないが、下側溝外形体1bの左右の縦溝壁25または左右何れか一方の縦溝壁25に、補強鉄筋縦溝貫通孔26を開孔して用いるのに代えて、縦溝壁25を適宜な高さまで短縮して支持用短壁38となし、支持用短壁38の内壁と開口幅固定大溝付上蓋支持台29の支持台縦壁40の側面壁間に、剛体でなる平板に補強鉄筋縦溝貫通孔26を開孔して、挿入して用いることができる。
【0089】
更に他の実施形態として、図示しないが、下側溝外形体1bの左右の縦溝壁25の双方共、補強鉄筋縦溝貫通孔26を開孔しない無貫通孔の縦溝壁25とすることにより、布基礎用の底盤を形成させることができる。
【0090】
上述以外でも、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、他の構成を用いることができる。
【符号の説明】
【0091】
Aa 左右の縦溝壁に補強鉄筋縦溝貫通孔開孔した、ベタ基礎のスラブ内の立ち上り部の形成用に用いる、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。
Ab 左右何れか一方の縦溝壁のみに補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔した、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成用に用いる、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。
Ac 一方の縦溝壁に補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔し、他方の縦溝壁を短縮して支持用短壁となし、開口幅固定大溝付上蓋支持台の支持台縦壁を両断して型枠支持縦壁を形成させて立ち上り部用型枠を支持させる、ベタ基礎の外周縁の立ち上り部の形成用に用いる、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。
1b 下側溝外形体。
2 上側蓋溝外形体。
25 縦溝壁。
26 補強鉄筋縦溝貫通孔。
27 スラブ用補強鉄筋。
28 上側蓋溝外形体2の左右の蓋壁。
29 開口幅固定大溝付上蓋支持台。
30 開口幅固定大溝。
31 補強鉄筋載置溝。
32 立ち上り部用型枠。
33 立ち上り部用補強鉄筋。
20 布基礎用型枠ストッパー部。
34 上側蓋溝外形体固定板。
35 左右のそれぞれの上端角部。
36 補助用の補強鉄筋貫通孔。
37 補助用の補強鉄筋。
38 支持用短壁。
39 下端溝隅角部。
40 支持台縦壁。
41 立ち上り部用型枠支持縦壁。
42 支持台底盤。
43 型枠支持用補助材。
44 簡易切断溝。
45 下側溝外形体1bの外周縁側の左隅角部。
46 下側溝外形体1bの外周縁側の右隅角部。
47 下側溝外形体固定長孔。
48 支持台底盤固定孔。
49 支持棒孔。
50 基礎通り芯線合致切欠き窓。
51 基礎通り芯綱糸。
52 固定棒。
53 抜取り支持鋼棒。
54 結束線固定用穴。




































【特許請求の範囲】
【請求項1】
布基礎用PCa底盤外形キットにおいて、凹溝状の下側溝外形体の溝流れ方向の長さと、下側溝外形体の外底面から縦溝壁の上端までの高と左右縦溝壁間の外幅とに適宜な値を用いて下側溝外形体となし、下側溝外形体の左右の縦溝壁に、補強鉄筋貫通孔を、縦溝壁の溝流れ方向に、スラブ用補強鉄筋の所定の寸法の間隔を用い、縦溝壁高方向に適宜数を用い、適宜な孔径で複数個を開孔し、上側蓋溝外形体の左右の蓋壁の下端高を、補強鉄筋貫通孔の上端側に近接させた位置となし、下側溝外形体の凹溝内底面上に、逆T形状でなり、下側溝外形体の左右の縦溝壁内壁に近接して納まる横幅で、縦溝壁の上端高と同高のPCaでなる開口幅固定大溝付上蓋支持台を、下側溝外形体の溝流れ方向に直交させて、適宜間隔で複数台を移動自在状に立設し、開口幅固定大溝付上蓋支持台の上端面から、適宜な深さ(高さ)と、ベタ基礎の立ち上り部の所定の寸法の横幅を、横幅に用いた開口幅固定大溝を、該型枠支持台の横幅中心線に合わせて開溝し、更に開口幅固定大溝内に、横幅中心線を合わせて、適宜な深さと幅の補強鉄筋載置溝を開溝し、2本のL状体でなる上側蓋溝外形体の長さに適宜な長さ値を用い、該上側蓋溝外形体として、布基礎用型枠ストッパー部を備えた上側蓋溝外形体を用い、該布基礎用型枠ストッパー部の下端側を下方向に適宜に延幅して突出させて上側蓋溝外形体固定板を形成させ、該開口幅固定大溝の左右のそれぞれの上端角部に、突出させた上側蓋溝外形体固定板の内壁側を当接させて、2本のそれぞれの上側蓋溝外形体の下面を、配設した複数台の開口幅固定大溝付上蓋支持台の上端面に当接させ、更に下側溝外形体の縦溝壁の外壁に上側蓋溝外形体の縦溝壁の内壁をそれぞれ当接させて載置してなる、ベタ基礎のスラブ内の立ち上り部に用いることを特長とする、ベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。
【請求項2】
補強鉄筋貫通孔を複数個を開孔するに代えて、縦溝壁の上端側を開放溝孔とした縦長状の適宜な縦溝高と溝幅の補強鉄筋縦溝貫通孔を、縦溝壁の溝流れ方向にスラブ用補強鉄筋の所定の寸法の間隔を用いて、複数個を開孔してなることを特長とする、請求項1記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。
【請求項3】
下側溝外形体の左右の縦溝壁に、補強鉄筋貫通孔または補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔するに代えて、左右何れか一方の縦溝壁のみに補強鉄筋貫通孔または補強鉄筋縦溝貫通孔を開孔し、ベタ基礎のスラブ外周縁の立ち上り部形成用に用いることを特長とする、請求項1または2記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。
【請求項4】
下側溝外形体の左右何れか一方の縦溝壁のみを適宜な高さまで短縮して支持用短壁となし、
支持用短壁側となる開口幅固定大溝付上蓋支持台内の、該開口幅固定大溝の下端溝隅角部から、大溝壁に沿つて鉛直に開口幅固定大溝付上蓋支持台の支持台縦壁のみを両断して、支持用短壁側となる支持台縦壁のみを除去し、補強鉄筋載置溝側となる他方側の該支持台縦壁の両断側面を、立ち上り部用型枠支持縦壁となし、立ち上り部用型枠の内側壁を立ち上り部用型枠支持縦壁に鉛直に当接させて、複数台の開口幅固定大溝付上蓋支持台の支持台底盤上に載置し、型枠支持用補助材を用いて支持用短壁に立ち上り部用型枠を支持させる、ベタ基礎のスラブ外周縁の立ち上り部形成用に用いることを特長とする、請求項1または2記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。
【請求項5】
下側溝外形体の左右の溝流れ方向端側に、それぞれ幅方向の中心線上を頂点とする二等辺直角三角形状の基礎通り芯線合致切欠き窓を、左右同寸法を用いて開窓してなることを特長とする、請求項1から4記載のうち何れか一項記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。
【請求項6】
下側溝外形体の左右の縦溝壁の内壁近辺の底板の適宜な位置に、溝流れ方向に縦長状の適宜な長さと溝幅の下側溝外形体固定用長孔を複数個、溝流れ方向の全長間に分配して、表裏を貫通させて開孔し、該固定用長孔上に当接する該開口幅固定大溝付上蓋支持台の支持台底盤の四隅辺に、該固定用長孔と導通する支持台底盤固定用孔を開孔し、適宜な長さと太さの剛体でなる固定用棒を複数本用い、該固定用長孔と導通する支持台底盤固定用孔とを貫通させて地盤に打ち込み、支持台底盤と下側溝外形体とを固定することを特長とする、請求項1から5記載のうち何れか一項記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。
【請求項7】
下側溝外形体の底板の溝幅方向の中心線を挟んで適宜な間隔で左右側に、底板の溝流れ方向の全長間に適宜な間隔で、それぞれ支持棒孔を複数個づつ、該底板を貫通させて開孔し、適宜な長さと太さの剛体でなる補強鉄筋支持棒を複数本用い、立ち上り部用補強鉄筋を中間に左右から挟むように補強鉄筋支持棒を、支持棒孔を貫通させて地盤に打ち込み立設することを特長とする、請求項1から6記載のうち何れか一項記載のベタ基礎の立ち上り部形成用PCaでなるキット。





























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−44209(P2013−44209A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184213(P2011−184213)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【特許番号】特許第4868627号(P4868627)
【特許公報発行日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【出願人】(000253466)
【Fターム(参考)】