ベッドとエアーコンディショナーとを備えた睡眠補助用エアコン装置及びその制御方法
【課題】低コストにして簡略化されたエアーコンディショナーの設計を採用して、頭部と脚部とに温度差のあるベッドとエアーコンディショナーとを備えた睡眠補助用エアコン装置を提供する。
【解決手段】ベッド設備に対して直交して連結されるエアーコンディショナーは吹出口を有する。吹出口からベッド設備の特定な領域に送風することができ、吹出口の相対的水力直径比の範囲は0.45−0.85の範囲にある。本発明は、個人用エアコンとベッドを統合して使用者の睡眠域の空気清浄及び冷房効果を提供する。
【解決手段】ベッド設備に対して直交して連結されるエアーコンディショナーは吹出口を有する。吹出口からベッド設備の特定な領域に送風することができ、吹出口の相対的水力直径比の範囲は0.45−0.85の範囲にある。本発明は、個人用エアコンとベッドを統合して使用者の睡眠域の空気清浄及び冷房効果を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドとエアーコンディショナーとを備えた睡眠補助用エアコン装置及びその制御方法に関する。本発明は、特に睡眠域の一部のみの冷房を行うことが可能な睡眠補助用エアコン装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアーコンディショナーは、既に現在生活に欠かせない家電製品である。しかし、エアーコンディショナーは、ある環境全体を冷房するためにて使用されるものであり、特別な設計がなければ、その環境の一部の特定区域のみを冷房とすることができない。従って、夜間睡眠時に、エアーコンディショナーの睡眠制御がそれぞれの使用者に適用することができず、睡眠不良の原因になる。睡眠は、一生の1/3を占めるものであり、現代人は生活上の圧力などの外的要因素により十分な睡眠がとれないこともある。したがって、良好なi睡眠環境は健康上重要である。
【0003】
そのため、個人用エアコンシステムは、近年来、重視されつつある。国際間では、環境保護及びエネルギーの節約などの関係で、それに対する多くの研究は、主に商業用のエアコンシステムの効能、室内空気の品質または生産力などの改善を重点として研究されている。しかし、個人用エアコンとは、使用者の周囲にのみ冷房域を提供し、それ以外の領域を冷房せず、エネルギーの無駄のないようにして、エネルギーの節約の目的を達成することをいう。AKIMOTO(T. Akimoto, M.Sasaki, T. Yanai, et al. Personalized HVAC systems in a sustainable office building-Field measurement of productiveity and air change effectiveness, Proceedings of Healthy Buildings 2006, 265-270)及びSASAKI(M. Sasaki, T. Yanai, T. Akimoto, et al. Personalized HVAC systems in a sustainable office building-Building design concept and HVAC system performance, Healthy Buildings 2006, 191-194)らは、作業環境エアコンシステム(Task air-conditioning system, TAC)を立案すると同時に、作業者の熱快適度及び生産力の研究及びアンケート調査を行った。
【0004】
他にも、Chiangら(H. C. Chiang, M. C. Yen, R. Hu, Numerical study of personal air-conditioning system composed of partition-type fan-coil units and a dedicated
outside air system, Room Vent 2002, Copenhagen, Denmark, 2002, 221-224;H.C. Chiang, C.C. Su, C.S. Pan, F.H. Tsau, Study of an innovative partition-type personal modulation air-conditioning system, Indoor Air 2003, Moterey, CA,USA, 2002, 289-294;C.S. Pan, H.C. Chiang, M.C. Yen, C.C. Wang, thermal comfort and energy saving of a personalized PFCU air-conditioning system, Energy and Buildings 37, 2005, 443-449)により、使用者により多くの自由度または利便さを提供して、所定区域内
における環境の快適な空気調節を制御する新しい隔離板型エアコンシステム(partition-type fan-coil unit, PFCU)を設計した。
【0005】
また、特許文献1は、ベッドに備えた頭部域及び脚部域の何れにもエアコン装置を設置することを開示している。このベッドの上方に開き、折り畳み自在なカバー部材を設け、さらに両エアコン装置を介して血液の循環を促進し、睡眠が速められる効果を発揮するとともに、頭部域及び脚部域のそれぞれにエアコン効果が働き、頭部を冷やし脚部を熱くする状態を達成する。
【0006】
以上の説明のように、個人的エアコンシステムと伝統的なエアコンシステムとを比較し
て個人的エアコンシステムは、以下の利点を有する。
【0007】
小区域における冷房は、その温度が各層に分けられ、上層からの熱を避け、エネルギー節約の目的を達成できる。
小区域において換気して通風換気効率を向上させ、空気品質の改善が可能である。
より小型な吹出口を使用者に近設して自由に調整することによって、快適性を向上することができる。
重要な設備の近傍に設けられ、熱量を取り除くように、最も適切な運転条件に保たれる。取付け自由度を十分に備え、吹出口の位置を何時でも変更することができるため、空間における新規的な配置も可能である。
【0008】
本発明は、以上の概念を基に、新しく、健康的かつ快適に眠れるためのエアコンシステムを開発して、清浄快適で、かつエネルギー節約可能な睡眠環境を営むことができる。
【特許文献1】特開2005-156031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、低コストにして簡略化されたエアーコンディショナーの設計を採用して、頭部と脚部とに温度差のあるベッドとエアーコンディショナーとを備えた睡眠補助用エアコン装置を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、システムの簡略化で、かつ空気流れの特性を利用して小区域的な冷房を達成できるベッドとエアーコンディショナーとを備えた睡眠補助用エアコン装置を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明は、カバー部材の必要なく、圧迫感の低減できるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置を提供する目的とする。
【0012】
前記の各目的を達成するためのベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置として、ベッド設備及びエアーコンディショナーを備え、該エアーコンディショナーは、ベッド設備に垂直に結合している。勿論、該ベッド設備は、該エアーコンディショナーと連結、または分離することも可能である。該エアーコンディショナーは、少なくとも一つの吹出口を備え、該吹出口は、ベッド設備に送風して特定な環境域を形成できる。前記吹出口の相対的な水力直径比の範囲は0.45−0.85の間にあることによって、個人/区域的なエアコン及び睡眠ベッドを統合して使用者に睡眠域の空気清浄または冷房効果を提供可能である。
【0013】
前記環境域は、使用者の頭部域及び脚部域を含み、該頭部域の周囲温度が第1の設定値より小さい。
【0014】
前記吹出口の相対的な水力直径比の範囲は、0.50−0.75の間にあった場合、前記頭部域の周囲温度は、第1の設定値より小さく、かつ頭部域の周りと前記脚部域の周りとの温度差が第2の設定値より大きい。その内、前記相対的な水力直径比は、吹出口の断面積の水力直径(DH、hydraulic diameter)と等しい円形状断面積の直径(D)の比率(DH/D)である。該水力直径は4A/Pで、Pは周長、Aは断面積である。
【0015】
前記吹出口には少なくとも一つの気流導板が設けられ、送風角度が回転可能に調整される。該エアーコンディショナーの一の特定位置には少なくとも一つの還気口が設けられる。該還気口は、気流の流れをより均一、かつ快適に分布するように前記吹出口の下方に位置される。
【0016】
本発明は、さらに、クールエネルギー供給機を備え、該エアーコンディショナーにクールエネルギーを提供するためのものである。さらに、エアーコンディショナーの内部には少なくとも吸熱端熱交換機が備えられ、該吸熱端熱交換器は、室外に設置された排熱端熱交換器と接続する。該吸熱端熱交換器と前記排熱端熱交換器との間は、流体の流動により熱量を吸熱端熱交換器から排熱端熱交換器へ排出するように伝送される。
【0017】
本発明は、さらに複数の温度センサおよび制御ユニットを備え、該複数の温度センサは、ベッドと当該環境域とに設置すると共に、検出された温度を前記制御ユニットに伝送することになる。当該複数の温度センサは、前記吹出口及び還気口に設置される。
【0018】
本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン制御方法は、エアーコンディショナーシステムを始動するステップと、
一般の制御モールドまたは快適睡眠制御モールドを選択するステップと、
一般の制御モールドを選択して使用者の頭部域の周囲温度は、第1の設定値より小さいか否かを判断し、該第1の設定値より大きい場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量または角度を調整するステップと、
快適睡眠モールドを選択して使用者の頭部域の周囲温度は、第1の設定値より小さく、かつ該使用者の頭部域と脚部域との温度差が第2の設定値より大きいか否かを判断し、前記の条件に符合しない場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量、または角度を調整するステップと、を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、個人用、即ち小区域的なエアコン及び睡眠用ベッドを備え、使用者に睡眠域の空気清浄及び冷房効果を提供することができる。睡眠域の局所的なエアコンシステムの設計により、睡眠域の空気品質を改善すると同時に、使用者の睡眠効率も向上し得る。さらに、本発明は、睡眠域のみを冷房することにより、全室の熱量を取り除くことなく、冷房負荷が従来のエアコンシステム(分離型エアコンディション/窓取付型機種)と比較して小さく、エネルギーの無駄が少なくすることができる。
【0020】
図1を参照するに、本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の斜視図である。本発明の睡眠補助用エアコン装置は、ベッド設備10及びエアーコンディショナー20を備え、エアーコンディショナー20がベッド設備10の一側に対して直交するように連結される。エアーコンディショナー20は、ベッドサイドカップボード(bedside cupboard)であっても良い。また、ベッド設備10は、中空状のベッドと、ベッドプレートと接続する4本の脚と、下方の空間とを備える。エアーコンディショナー20は、少なくとも一つの吹出口21を備え、該吹出口21により前記ベッド設備10の方向へ送風し、該吹出口21が送風してベッド設備10上に特定な環境域11を形成することができる。エアーコンディショナー20の特定位置には還気取入口22が設けられている。
【0021】
図2、図3はそれぞれ本発明の睡眠補助用エアコン装置に係るエアーコンディショナーの第1実施例の側面図及び第2実施例の側面図である。本発明は、さらにクールエネルギー供給機30が含まれ、該エアーコンディショナー20にクールエネルギーを提供するためのものである。図2に示すように、エアーコンディショナー20の内部は、少なくとも一つの吸熱端熱交換器23含み、該吸熱端熱交換器23は、室外に設置された排熱端熱交換器31に接続される。吸熱端熱交換器23及び排熱端熱交換器31との間における流体の移動により熱が吸熱端熱交換器23から排熱端熱交換器31に排出される。該吸熱端熱交換器23は、前記吹出口21の一側に位置し、吸熱端熱交換器23の他側にファン40が設けられている。従って、ファン40を始動すれば、空気流が吸熱端熱交換器23を経
過して冷風に換えて吹出口21から送風される。
【0022】
図3に示すように、本発明のエアーコンディショナーの第2実施例は、そのエアーコンディショナーの内部に吸熱端熱交換器(蒸発器)201、圧縮機202、膨張弁203及び排熱端熱交換器(凝縮器)204が含まれる。吸熱端熱交換器201と排熱端熱交換器204との間は、作動流体により吸熱端熱交換器201及び圧縮機202から排熱端熱交換器204まで放熱する。さらに、膨張弁203を介して吸熱端熱交換器201まで吸熱すると共に、流体を経過させ冷気を発生させ、該冷気を吹出口21から送出する。
【0023】
それと共に、図4は本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置における室内温度分布の説明図である。また、図5は従来型の分離式エアコンの室内温度分布の説明図である。コンピュータシミュレーション方式で本発明と従来型のエアコンシステムの冷房効果と比較して、図4及び図5においてシミュレーションの結果を示す。全体から見れば、睡眠者の周りの温度及び気流の分布については、いずれのエアコンでも快適性さ要求たすことができ、その温度の分布は、26℃の程度にある。また、図4から明らかなように、ベッド統合型エアーコンディショナーを使用する場合、室内温度は複数の温度領域が層状に発生しており、このシステムは、睡眠域のみに対して局所的な冷房を行う。従って、部屋全体の熱量を取り除く必要がないため、その冷房負荷は、従来のエアコンシステム(分離型エアーコン/窓型エアーコン)より少なく、エネルギーの節約にもなる。
【0024】
これをより明確にするために、表1に従来型と本発明におけるエアコンの比較を示す。
コンピュータシミュレーション結果の比較
【表1】
【0025】
表1は、両エアコンシステムが使用者の快適感に関する影響を詳しく比較して説明するものである。使用者の頭部、腹部及び脚部の上方の約1センチ部位の温度及び風速を分析
してそれに対応する快適度の指標PMV(Predicted Mean Vote)、PPD(Predicted Percentage of Dissatisfied)を計算する。その結果から、両システムは、何れもISO 7730(Moderate thermal environments-Determination of the PMV and PPD indices and specification of the conditions for thermal comfort, ISO 7730, 1994)中のエアコン快適度の要件を満たすことは、明らかにされている。PMVは±0.5の間、PPD≦10%である。ベッド統合型エアーコンディショナーの吹出位置は、使用者の頭部により近接しているので、使用者に気流速度がやや大きく感じされているが、頭部周りの風速は0.3m/sより小さいため、冷気流の問題で局部の熱による不適感を与えることがない。また、使用者の頭部、腹部、脚部の周囲温度は、一般の分離型エアコンを使用する場合、三部位の温度差があまり大きくない。それに、本願のベッド統合型エアーコンディショナーを使用する場合、脚部周りの温度は、頭部周りの温度より略3高くなっているので、所謂「頭冷えて、脚熱い」の効果が得られる。それに関する医学的な研究(Wen-Chun Liao, Effects of passive body heating on body temperature and sleep regulation in the elderly:a systematic review, Internation Journal of Nursing Studies 39(2002) 803-810;Wen-Clun Liao, Carol A. Landis, Martha J, Lentz, Ming-Jang Chiu, Effect of foot bathing on distal-proximal skin temperature gradient in elders, internation Journal of Nursing studies 42(2005)717-722)により、体の血液循環を促進して、就寝に必要な時間を短縮させ、睡眠効率の増加を達成することができる。以下の公式を利用して該エアコンシステムの冷房負荷を測定することができる。
【0026】
φ=Q?ρ?cp?ΔT
その内、
φ :冷房負荷、W;
Q :風量、m3/s;
ρ :空気密度、
cp:比熱(specific heat)、J/kgk;
ΔT:還気温度と吹出温度の差、k。
【0027】
一般の分離型エアコンを使用する冷房負荷は、略1518.85Wであるのに対して、ベッド統合型エアーコンディショナーを使用する冷房負荷は、略323.46Wである。そのエネルギーは、略78.7%を節約することができる。
【0028】
簡略化された実験により、コンピュータシミュレーションの信頼度を証明するために、ベッド統合型エアーコンディショナーを組み付け、その構造は、エアーコンディショナー20及びベッド設備10を連結するものである。本発明は、480個の温度センサ、例えば熱電対(thermal couples)を設置して室内の温度分布を測定する。さらに、感熱マネキ
ン(thermal Manikin)で実人をシミュレーションしてベッド統合型エアーコンディショナ
ーが提供するエアコン快適度を評価する。表2に示すそのエネルギーの節約または睡眠快適の効果を証明することができる。
【0029】
図6に示すように、感熱マネキンは、異なった吹出条件において環境の等効温度の変化を受ける。3種類の吹出条件が提供する温度低下の速度は、大きい差がなく、何れも20数分運転した後、温度バランスに達し得る。吹出温度は18℃の設定で、感熱マネキンが受けた環境の等効温度は、24.4℃の程度で、睡眠する利用者にとって低すぎる。吹出量113cfm、吹出温度20℃の条件の設定は、利用者にとってより快適な睡眠用空気調節環境を提供することができ、環境等効温度が26℃程度ではコンピュータシミュレーションで予測された結果と一致している。
【0030】
本発明は、480点の温度センサを利用して1時間運転した後の室内温度の分布を測定する。図7a、図7b及び図7cから、室内温度については、異なる温度の層が積層され
ている。本発明は、睡眠域の局所的冷房について、室内の上層からの高温負荷の導入が避けられるので、一般の分離型または窓取付型エアーコンディショナーが全空間を冷房とすることと比較すれば、エネルギーの節約が可能であることは明らかである。隔離型空気調節モジュール氷水機械での進出水の温度及び水量により冷房負荷を計算することができる。表2に示すように、一般の分離型エアーコンディショナーの冷房負荷は、1500W程度に達し、より快適な睡眠のための空気調節環境の設定条件は、吹出量が113cfm、温度20℃で、その冷房負荷は、僅か485W程度であるので、少なくとも65%以上節約することができる。
異なる吹出条件の冷房負荷
【表2】
以上の結果により、本発明は、エネルギーの節約及び空気調節快適さの要求に確実に満足し得る。
【0031】
図8は本発明のベッドとエアーコンディショナーとの備える睡眠補助用エアコン装置の吹出口と水力直径比とを参照して快適な睡眠の設計範囲を示すグラフである。図9は吹出口の斜視図、図10は導板の斜視図である。本発明のエアーコンディショナー20の吹出口21は、頭部側に位置し、エアーコンディショナー20のファン40は薄型ファンを採用することができる。該ファン40の送風量は、略100〜150cfmの範囲で、騒音値は低く、使用者が耐えうる範囲である。吹出口21の断面積が、0.04m2の場合、その吹出速度は、1.18m/sの程度である。この吹出速度による運動量は、送風気流をより遠距離に伝送可能であり、気流の循環短縮の発生が回避され、かつ周りの熱い空気と混合する。従って、使用者は気流速度が0.5m/sより小さく感じるため、冷たい流体による不快感を避けることができる。従って、騒音値が高すぎたり、流体が冷たすぎたりする不適感を避けるために吹出速度は大きくならないようにする。仮に、吹出速度が小さくなりすぎると、運動量は、送風気流をより遠いところに送ることが不十分であるため、その循環短縮の問題まで生じてくる。また、還気取入口22の断面積は大きければ、使用者の頭部域111の気流速度を低減することが可能で、実用的な使用、または美観的な設計に合わせて適宜な形状を設計すればよい。
【0032】
前記吹出口21の形状は、送風冷気流及び周りの熱い空気の混合に影響することができ、同じ断面積および吹出量の条件において、吹出口21の形状は円形状に近ければ、送風冷気流と周りの熱い空気との接触面積が小さく混合効果が低くなり、送風気流をより遠く送出することができる。しかし、冷気流の拡散効果が低く、使用者の周りの気温冷却効果が低くなり、即ち快適でなくなる。逆に、吹出口21の形状は、長条形に近ければ、送風冷気流と周りの熱い空気との接触面積が大きくなるため、混合効果が高くなり、循環を短縮する問題が生じてくる。従って、送風気流をより遠いところ、または使用者に風速または気温の快適な範囲内に感じさせるために、該吹出口21の形状は、理想的な範囲に設計する必要がある。それに対して、吹出口21の異なる形状は、使用者の周りの気温に対する影響を研究し、図8に示すように、該吹出口21の形状は、長方形を主とする。1)理想的な設計範囲は、使用者の頭部周りの温度は27℃より低く、吹出口21の相対的な水力直径比は0.45〜0.85の範囲でなければならない。2)睡眠快適の設計範囲は、使用者の脚部と頭部周りの温度差は3℃より大きく、または等しく、吹出口21の相対的な水力直径比は0.50〜0.75の範囲でなければならない。この相対的な水力直径比は、吹出口21の断面積の水力直径(DH:hydraulic diameter)と等しい円形状断面積の直
径(D)の比(DH/D)kを定義するものである。この水力直径は、4A/Pで、Pは吹出口21の周囲長、Aは、吹出口21の断面積を示す。
【0033】
従って、本発明の環境域11は、使用者の頭部域111および脚部域112を含む。頭部域111の周囲温度は、第1の設定値より小さい場合、該第1設定は27℃で、使用者の頭部域111の周囲温度に快適さを感じる理想的な値である。該吹出口21の相対的な水力直径比の範囲は、0.50−0.75の範囲間にある場合、該頭部域111と該脚部域112との周囲温度差は、第2の設定値より大きい。第2の設定値は3℃で、快適な睡眠の設計範囲であるため、使用者の頭部域111および脚部域112の周囲温度は、温度差が生じ、体の血液循環を促進させる上で、寝入りに必要な時間も短縮させ睡眠効率の増進効果まで向上され得る。
【0034】
図9に示すように、エアーコンディショナー20には吹出口21が設けられている。吹出口21は少なくとも導板24を有するとともに、該導板24を回転して送風角度を調整することができる。図10に示すように、導板24は、両側にピボット241を設置し、その一つのピボット241に歯車242が設置されている。各導板24は、吹出口21に取り付けられ、かつ、各導板24の歯車242にはチェーン243が掛け渡され、該チェーン243の移動に伴いは歯車242を介して導板24が回動される。また本実施例は、モータ25を利用してチェーン243を周回させ、該チェーン243が歯車242を回動させ、さらに導板24を回動させて、送風角度を調整することができる。その他の導板24を回動する伝動機構も本発明の範囲内に属するものである。該エアーコンディショナー20が還気しやすくするため、該エアーコンディショナー20の一特定位置に少なくとも一つの還気取入口が設けられる。特に該還気取入口22は吹出口21の下方に位置される。
【0035】
図11に示す本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の温度制御システムの説明図を参照する。本発明は、さらに複数の温度センサ121、122、123、124、125及び制御ユニット13を備える。これらの複数の温度センサ121、122、123、124、125は、ベッド10と環境域11に設置するとともに、検出された温度を前記制御ユニット13に伝送する。例えば、これらの頭部域111、脚部域112、腹部域、室内環境域、吹出口21または還気取入口22などの部位である。本発明は、僅かな環境調整に用いる少なくとも一つ以上の温度センサ121、122、123、124、125が含まれ、室内温度は、変化の際、送風気流が温度により浮力の違いが生じる。また、元の吹出口21の最も適切な投射距離から僅かに偏移した時、最も優れた環境制御を達するように、温度センサ121、122、123、124、125と制御ユニット13とを利用して送風温度または風量の微調整を行うことができる。
【0036】
図12における本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用空気調節装置の温度制御のフローチャートを参照する。本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の制御方法は、エアコンシステムを始動するステップと、一般の制御モールドまたは快適睡眠制御モールドを選択するステップと、一般の制御モールドを選択して使用者の頭部域の周囲温度が第1の設定値より小さいか否かを判断し、該第1の設定値より大きい場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量または角度を調整するステップとを含む。快適睡眠モールドを選択した場合には、使用者の頭部域の周囲温度が第1の設定値より小さく、かつ該使用者の頭部域及び脚部域の温度差が第2の設定値より大きいか否かを判断し、前記の条件に符合しない場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量または角度を調整するステップと、を備える。前記の第1の設定値は27℃で、前記の第2の設定値は3℃である。
【0037】
本発明は、前記の空気調節制御方法により一般の制御モールドまたは快適睡眠モールドを制御する。エアーコンディショナーシステムが始動された後、使用者は一般の制御モールドまたは快適睡眠モールドを選択することができる。一般の制御モールドを選択した場合、該制御ユニットは使用者の頭部域の周囲温度が第1の設定値、例えば27℃より小さいか否かを判断する。使用者の頭部域の周囲温度は第1の設定値より大きい場合、このエアーコンディショナーの送風温度、風量または送風角度を調整することによって、最も良い環境温度を微調整することができる。また、使用者の頭部域の周囲温度は、この第1の設定値より大きくならない場合、システムは理想的な範囲に作動しないことを示す。使用者は、快適睡眠制御モールドを選択した場合、使用者の頭部域の周囲温度が第1の設定値より小さく、かつ該使用者の頭部域及び脚部域の温度差が第2の設定値、例えば3℃より大きいか否かを判断する。前記の条件に符合しない場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量または送風角度を調整することによって最も良い環境温度を微調整する。前記の条件に符合する場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量または送風角度は作動しないようにする。
【0038】
以上詳述したように、本発明は従来のエアコンシステムに代わって、睡眠域に対して局所的な空気調節を行い、ベッドサイド カップボードとベッドを統合してベッドサイド カップボードの位置に適宜な吹出口および還気取入口を設置し、適切な吹出量または温度を調整することによって、睡眠域の空気調節を行い、睡眠快適度およびエネルギーの節約を効率よく実行する。
【0039】
本発明は、既に前記のより好ましい実施例により開示されているが、これにより本発明を制限するものではなく、当業者が本発明の要旨及び範囲から離脱しない限りでは、各種の変更が可能である。本願の保護対象とする範囲は、その特許請求の範囲による限定されるものある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の斜視図。
【図2】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置におけるエアーコンディショナーの第1の実施例の側面図。
【図3】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置におけるエアーコンディショナーの第2の実施例の側面図。
【図4】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の室内温度の分布状態を示す説明図。
【図5】従来の分離型エアコンを使用する室内温度の分布状態を示す説明図。
【図6】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置における感熱マネキンが異なった吹出条件において検出した環境の等効温度の変化を示す線図。
【図7a】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置が1時間運転した後の室内温度の分布を示す説明図。
【図7b】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置が1時間運転した後の室内温度の分布を示す説明図。
【図7c】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置が1時間運転した後の室内温度の分布を示す説明図。
【図8】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の吹出口の水力直径比に対する割合を示す線図。
【図9】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の吹出口の斜視図。
【図10】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の導板の斜視図。
【図11】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の温度制御システムの説明図。
【図12】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の温度制御のフローチャート。
【符号の説明】
【0041】
10…ベッド設備、11…環境域、11…頭部域、112…脚部域、121、122、123、124、125…温度センサ、13…制御ユニット、20…エアーコンディショナー、201…吸熱端熱交換器、 202…圧縮機、203…膨張弁、204…排熱端熱交換器、21…吹出口、22… 還気取入口、23…吸熱端熱交換器、24… 導板、241…ピボット、242…歯車、243…チェーン、25… モータ、30…クールエネルギー供給機、31…排熱端熱交換器、40…ファン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドとエアーコンディショナーとを備えた睡眠補助用エアコン装置及びその制御方法に関する。本発明は、特に睡眠域の一部のみの冷房を行うことが可能な睡眠補助用エアコン装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアーコンディショナーは、既に現在生活に欠かせない家電製品である。しかし、エアーコンディショナーは、ある環境全体を冷房するためにて使用されるものであり、特別な設計がなければ、その環境の一部の特定区域のみを冷房とすることができない。従って、夜間睡眠時に、エアーコンディショナーの睡眠制御がそれぞれの使用者に適用することができず、睡眠不良の原因になる。睡眠は、一生の1/3を占めるものであり、現代人は生活上の圧力などの外的要因素により十分な睡眠がとれないこともある。したがって、良好なi睡眠環境は健康上重要である。
【0003】
そのため、個人用エアコンシステムは、近年来、重視されつつある。国際間では、環境保護及びエネルギーの節約などの関係で、それに対する多くの研究は、主に商業用のエアコンシステムの効能、室内空気の品質または生産力などの改善を重点として研究されている。しかし、個人用エアコンとは、使用者の周囲にのみ冷房域を提供し、それ以外の領域を冷房せず、エネルギーの無駄のないようにして、エネルギーの節約の目的を達成することをいう。AKIMOTO(T. Akimoto, M.Sasaki, T. Yanai, et al. Personalized HVAC systems in a sustainable office building-Field measurement of productiveity and air change effectiveness, Proceedings of Healthy Buildings 2006, 265-270)及びSASAKI(M. Sasaki, T. Yanai, T. Akimoto, et al. Personalized HVAC systems in a sustainable office building-Building design concept and HVAC system performance, Healthy Buildings 2006, 191-194)らは、作業環境エアコンシステム(Task air-conditioning system, TAC)を立案すると同時に、作業者の熱快適度及び生産力の研究及びアンケート調査を行った。
【0004】
他にも、Chiangら(H. C. Chiang, M. C. Yen, R. Hu, Numerical study of personal air-conditioning system composed of partition-type fan-coil units and a dedicated
outside air system, Room Vent 2002, Copenhagen, Denmark, 2002, 221-224;H.C. Chiang, C.C. Su, C.S. Pan, F.H. Tsau, Study of an innovative partition-type personal modulation air-conditioning system, Indoor Air 2003, Moterey, CA,USA, 2002, 289-294;C.S. Pan, H.C. Chiang, M.C. Yen, C.C. Wang, thermal comfort and energy saving of a personalized PFCU air-conditioning system, Energy and Buildings 37, 2005, 443-449)により、使用者により多くの自由度または利便さを提供して、所定区域内
における環境の快適な空気調節を制御する新しい隔離板型エアコンシステム(partition-type fan-coil unit, PFCU)を設計した。
【0005】
また、特許文献1は、ベッドに備えた頭部域及び脚部域の何れにもエアコン装置を設置することを開示している。このベッドの上方に開き、折り畳み自在なカバー部材を設け、さらに両エアコン装置を介して血液の循環を促進し、睡眠が速められる効果を発揮するとともに、頭部域及び脚部域のそれぞれにエアコン効果が働き、頭部を冷やし脚部を熱くする状態を達成する。
【0006】
以上の説明のように、個人的エアコンシステムと伝統的なエアコンシステムとを比較し
て個人的エアコンシステムは、以下の利点を有する。
【0007】
小区域における冷房は、その温度が各層に分けられ、上層からの熱を避け、エネルギー節約の目的を達成できる。
小区域において換気して通風換気効率を向上させ、空気品質の改善が可能である。
より小型な吹出口を使用者に近設して自由に調整することによって、快適性を向上することができる。
重要な設備の近傍に設けられ、熱量を取り除くように、最も適切な運転条件に保たれる。取付け自由度を十分に備え、吹出口の位置を何時でも変更することができるため、空間における新規的な配置も可能である。
【0008】
本発明は、以上の概念を基に、新しく、健康的かつ快適に眠れるためのエアコンシステムを開発して、清浄快適で、かつエネルギー節約可能な睡眠環境を営むことができる。
【特許文献1】特開2005-156031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、低コストにして簡略化されたエアーコンディショナーの設計を採用して、頭部と脚部とに温度差のあるベッドとエアーコンディショナーとを備えた睡眠補助用エアコン装置を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、システムの簡略化で、かつ空気流れの特性を利用して小区域的な冷房を達成できるベッドとエアーコンディショナーとを備えた睡眠補助用エアコン装置を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明は、カバー部材の必要なく、圧迫感の低減できるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置を提供する目的とする。
【0012】
前記の各目的を達成するためのベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置として、ベッド設備及びエアーコンディショナーを備え、該エアーコンディショナーは、ベッド設備に垂直に結合している。勿論、該ベッド設備は、該エアーコンディショナーと連結、または分離することも可能である。該エアーコンディショナーは、少なくとも一つの吹出口を備え、該吹出口は、ベッド設備に送風して特定な環境域を形成できる。前記吹出口の相対的な水力直径比の範囲は0.45−0.85の間にあることによって、個人/区域的なエアコン及び睡眠ベッドを統合して使用者に睡眠域の空気清浄または冷房効果を提供可能である。
【0013】
前記環境域は、使用者の頭部域及び脚部域を含み、該頭部域の周囲温度が第1の設定値より小さい。
【0014】
前記吹出口の相対的な水力直径比の範囲は、0.50−0.75の間にあった場合、前記頭部域の周囲温度は、第1の設定値より小さく、かつ頭部域の周りと前記脚部域の周りとの温度差が第2の設定値より大きい。その内、前記相対的な水力直径比は、吹出口の断面積の水力直径(DH、hydraulic diameter)と等しい円形状断面積の直径(D)の比率(DH/D)である。該水力直径は4A/Pで、Pは周長、Aは断面積である。
【0015】
前記吹出口には少なくとも一つの気流導板が設けられ、送風角度が回転可能に調整される。該エアーコンディショナーの一の特定位置には少なくとも一つの還気口が設けられる。該還気口は、気流の流れをより均一、かつ快適に分布するように前記吹出口の下方に位置される。
【0016】
本発明は、さらに、クールエネルギー供給機を備え、該エアーコンディショナーにクールエネルギーを提供するためのものである。さらに、エアーコンディショナーの内部には少なくとも吸熱端熱交換機が備えられ、該吸熱端熱交換器は、室外に設置された排熱端熱交換器と接続する。該吸熱端熱交換器と前記排熱端熱交換器との間は、流体の流動により熱量を吸熱端熱交換器から排熱端熱交換器へ排出するように伝送される。
【0017】
本発明は、さらに複数の温度センサおよび制御ユニットを備え、該複数の温度センサは、ベッドと当該環境域とに設置すると共に、検出された温度を前記制御ユニットに伝送することになる。当該複数の温度センサは、前記吹出口及び還気口に設置される。
【0018】
本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン制御方法は、エアーコンディショナーシステムを始動するステップと、
一般の制御モールドまたは快適睡眠制御モールドを選択するステップと、
一般の制御モールドを選択して使用者の頭部域の周囲温度は、第1の設定値より小さいか否かを判断し、該第1の設定値より大きい場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量または角度を調整するステップと、
快適睡眠モールドを選択して使用者の頭部域の周囲温度は、第1の設定値より小さく、かつ該使用者の頭部域と脚部域との温度差が第2の設定値より大きいか否かを判断し、前記の条件に符合しない場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量、または角度を調整するステップと、を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、個人用、即ち小区域的なエアコン及び睡眠用ベッドを備え、使用者に睡眠域の空気清浄及び冷房効果を提供することができる。睡眠域の局所的なエアコンシステムの設計により、睡眠域の空気品質を改善すると同時に、使用者の睡眠効率も向上し得る。さらに、本発明は、睡眠域のみを冷房することにより、全室の熱量を取り除くことなく、冷房負荷が従来のエアコンシステム(分離型エアコンディション/窓取付型機種)と比較して小さく、エネルギーの無駄が少なくすることができる。
【0020】
図1を参照するに、本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の斜視図である。本発明の睡眠補助用エアコン装置は、ベッド設備10及びエアーコンディショナー20を備え、エアーコンディショナー20がベッド設備10の一側に対して直交するように連結される。エアーコンディショナー20は、ベッドサイドカップボード(bedside cupboard)であっても良い。また、ベッド設備10は、中空状のベッドと、ベッドプレートと接続する4本の脚と、下方の空間とを備える。エアーコンディショナー20は、少なくとも一つの吹出口21を備え、該吹出口21により前記ベッド設備10の方向へ送風し、該吹出口21が送風してベッド設備10上に特定な環境域11を形成することができる。エアーコンディショナー20の特定位置には還気取入口22が設けられている。
【0021】
図2、図3はそれぞれ本発明の睡眠補助用エアコン装置に係るエアーコンディショナーの第1実施例の側面図及び第2実施例の側面図である。本発明は、さらにクールエネルギー供給機30が含まれ、該エアーコンディショナー20にクールエネルギーを提供するためのものである。図2に示すように、エアーコンディショナー20の内部は、少なくとも一つの吸熱端熱交換器23含み、該吸熱端熱交換器23は、室外に設置された排熱端熱交換器31に接続される。吸熱端熱交換器23及び排熱端熱交換器31との間における流体の移動により熱が吸熱端熱交換器23から排熱端熱交換器31に排出される。該吸熱端熱交換器23は、前記吹出口21の一側に位置し、吸熱端熱交換器23の他側にファン40が設けられている。従って、ファン40を始動すれば、空気流が吸熱端熱交換器23を経
過して冷風に換えて吹出口21から送風される。
【0022】
図3に示すように、本発明のエアーコンディショナーの第2実施例は、そのエアーコンディショナーの内部に吸熱端熱交換器(蒸発器)201、圧縮機202、膨張弁203及び排熱端熱交換器(凝縮器)204が含まれる。吸熱端熱交換器201と排熱端熱交換器204との間は、作動流体により吸熱端熱交換器201及び圧縮機202から排熱端熱交換器204まで放熱する。さらに、膨張弁203を介して吸熱端熱交換器201まで吸熱すると共に、流体を経過させ冷気を発生させ、該冷気を吹出口21から送出する。
【0023】
それと共に、図4は本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置における室内温度分布の説明図である。また、図5は従来型の分離式エアコンの室内温度分布の説明図である。コンピュータシミュレーション方式で本発明と従来型のエアコンシステムの冷房効果と比較して、図4及び図5においてシミュレーションの結果を示す。全体から見れば、睡眠者の周りの温度及び気流の分布については、いずれのエアコンでも快適性さ要求たすことができ、その温度の分布は、26℃の程度にある。また、図4から明らかなように、ベッド統合型エアーコンディショナーを使用する場合、室内温度は複数の温度領域が層状に発生しており、このシステムは、睡眠域のみに対して局所的な冷房を行う。従って、部屋全体の熱量を取り除く必要がないため、その冷房負荷は、従来のエアコンシステム(分離型エアーコン/窓型エアーコン)より少なく、エネルギーの節約にもなる。
【0024】
これをより明確にするために、表1に従来型と本発明におけるエアコンの比較を示す。
コンピュータシミュレーション結果の比較
【表1】
【0025】
表1は、両エアコンシステムが使用者の快適感に関する影響を詳しく比較して説明するものである。使用者の頭部、腹部及び脚部の上方の約1センチ部位の温度及び風速を分析
してそれに対応する快適度の指標PMV(Predicted Mean Vote)、PPD(Predicted Percentage of Dissatisfied)を計算する。その結果から、両システムは、何れもISO 7730(Moderate thermal environments-Determination of the PMV and PPD indices and specification of the conditions for thermal comfort, ISO 7730, 1994)中のエアコン快適度の要件を満たすことは、明らかにされている。PMVは±0.5の間、PPD≦10%である。ベッド統合型エアーコンディショナーの吹出位置は、使用者の頭部により近接しているので、使用者に気流速度がやや大きく感じされているが、頭部周りの風速は0.3m/sより小さいため、冷気流の問題で局部の熱による不適感を与えることがない。また、使用者の頭部、腹部、脚部の周囲温度は、一般の分離型エアコンを使用する場合、三部位の温度差があまり大きくない。それに、本願のベッド統合型エアーコンディショナーを使用する場合、脚部周りの温度は、頭部周りの温度より略3高くなっているので、所謂「頭冷えて、脚熱い」の効果が得られる。それに関する医学的な研究(Wen-Chun Liao, Effects of passive body heating on body temperature and sleep regulation in the elderly:a systematic review, Internation Journal of Nursing Studies 39(2002) 803-810;Wen-Clun Liao, Carol A. Landis, Martha J, Lentz, Ming-Jang Chiu, Effect of foot bathing on distal-proximal skin temperature gradient in elders, internation Journal of Nursing studies 42(2005)717-722)により、体の血液循環を促進して、就寝に必要な時間を短縮させ、睡眠効率の増加を達成することができる。以下の公式を利用して該エアコンシステムの冷房負荷を測定することができる。
【0026】
φ=Q?ρ?cp?ΔT
その内、
φ :冷房負荷、W;
Q :風量、m3/s;
ρ :空気密度、
cp:比熱(specific heat)、J/kgk;
ΔT:還気温度と吹出温度の差、k。
【0027】
一般の分離型エアコンを使用する冷房負荷は、略1518.85Wであるのに対して、ベッド統合型エアーコンディショナーを使用する冷房負荷は、略323.46Wである。そのエネルギーは、略78.7%を節約することができる。
【0028】
簡略化された実験により、コンピュータシミュレーションの信頼度を証明するために、ベッド統合型エアーコンディショナーを組み付け、その構造は、エアーコンディショナー20及びベッド設備10を連結するものである。本発明は、480個の温度センサ、例えば熱電対(thermal couples)を設置して室内の温度分布を測定する。さらに、感熱マネキ
ン(thermal Manikin)で実人をシミュレーションしてベッド統合型エアーコンディショナ
ーが提供するエアコン快適度を評価する。表2に示すそのエネルギーの節約または睡眠快適の効果を証明することができる。
【0029】
図6に示すように、感熱マネキンは、異なった吹出条件において環境の等効温度の変化を受ける。3種類の吹出条件が提供する温度低下の速度は、大きい差がなく、何れも20数分運転した後、温度バランスに達し得る。吹出温度は18℃の設定で、感熱マネキンが受けた環境の等効温度は、24.4℃の程度で、睡眠する利用者にとって低すぎる。吹出量113cfm、吹出温度20℃の条件の設定は、利用者にとってより快適な睡眠用空気調節環境を提供することができ、環境等効温度が26℃程度ではコンピュータシミュレーションで予測された結果と一致している。
【0030】
本発明は、480点の温度センサを利用して1時間運転した後の室内温度の分布を測定する。図7a、図7b及び図7cから、室内温度については、異なる温度の層が積層され
ている。本発明は、睡眠域の局所的冷房について、室内の上層からの高温負荷の導入が避けられるので、一般の分離型または窓取付型エアーコンディショナーが全空間を冷房とすることと比較すれば、エネルギーの節約が可能であることは明らかである。隔離型空気調節モジュール氷水機械での進出水の温度及び水量により冷房負荷を計算することができる。表2に示すように、一般の分離型エアーコンディショナーの冷房負荷は、1500W程度に達し、より快適な睡眠のための空気調節環境の設定条件は、吹出量が113cfm、温度20℃で、その冷房負荷は、僅か485W程度であるので、少なくとも65%以上節約することができる。
異なる吹出条件の冷房負荷
【表2】
以上の結果により、本発明は、エネルギーの節約及び空気調節快適さの要求に確実に満足し得る。
【0031】
図8は本発明のベッドとエアーコンディショナーとの備える睡眠補助用エアコン装置の吹出口と水力直径比とを参照して快適な睡眠の設計範囲を示すグラフである。図9は吹出口の斜視図、図10は導板の斜視図である。本発明のエアーコンディショナー20の吹出口21は、頭部側に位置し、エアーコンディショナー20のファン40は薄型ファンを採用することができる。該ファン40の送風量は、略100〜150cfmの範囲で、騒音値は低く、使用者が耐えうる範囲である。吹出口21の断面積が、0.04m2の場合、その吹出速度は、1.18m/sの程度である。この吹出速度による運動量は、送風気流をより遠距離に伝送可能であり、気流の循環短縮の発生が回避され、かつ周りの熱い空気と混合する。従って、使用者は気流速度が0.5m/sより小さく感じるため、冷たい流体による不快感を避けることができる。従って、騒音値が高すぎたり、流体が冷たすぎたりする不適感を避けるために吹出速度は大きくならないようにする。仮に、吹出速度が小さくなりすぎると、運動量は、送風気流をより遠いところに送ることが不十分であるため、その循環短縮の問題まで生じてくる。また、還気取入口22の断面積は大きければ、使用者の頭部域111の気流速度を低減することが可能で、実用的な使用、または美観的な設計に合わせて適宜な形状を設計すればよい。
【0032】
前記吹出口21の形状は、送風冷気流及び周りの熱い空気の混合に影響することができ、同じ断面積および吹出量の条件において、吹出口21の形状は円形状に近ければ、送風冷気流と周りの熱い空気との接触面積が小さく混合効果が低くなり、送風気流をより遠く送出することができる。しかし、冷気流の拡散効果が低く、使用者の周りの気温冷却効果が低くなり、即ち快適でなくなる。逆に、吹出口21の形状は、長条形に近ければ、送風冷気流と周りの熱い空気との接触面積が大きくなるため、混合効果が高くなり、循環を短縮する問題が生じてくる。従って、送風気流をより遠いところ、または使用者に風速または気温の快適な範囲内に感じさせるために、該吹出口21の形状は、理想的な範囲に設計する必要がある。それに対して、吹出口21の異なる形状は、使用者の周りの気温に対する影響を研究し、図8に示すように、該吹出口21の形状は、長方形を主とする。1)理想的な設計範囲は、使用者の頭部周りの温度は27℃より低く、吹出口21の相対的な水力直径比は0.45〜0.85の範囲でなければならない。2)睡眠快適の設計範囲は、使用者の脚部と頭部周りの温度差は3℃より大きく、または等しく、吹出口21の相対的な水力直径比は0.50〜0.75の範囲でなければならない。この相対的な水力直径比は、吹出口21の断面積の水力直径(DH:hydraulic diameter)と等しい円形状断面積の直
径(D)の比(DH/D)kを定義するものである。この水力直径は、4A/Pで、Pは吹出口21の周囲長、Aは、吹出口21の断面積を示す。
【0033】
従って、本発明の環境域11は、使用者の頭部域111および脚部域112を含む。頭部域111の周囲温度は、第1の設定値より小さい場合、該第1設定は27℃で、使用者の頭部域111の周囲温度に快適さを感じる理想的な値である。該吹出口21の相対的な水力直径比の範囲は、0.50−0.75の範囲間にある場合、該頭部域111と該脚部域112との周囲温度差は、第2の設定値より大きい。第2の設定値は3℃で、快適な睡眠の設計範囲であるため、使用者の頭部域111および脚部域112の周囲温度は、温度差が生じ、体の血液循環を促進させる上で、寝入りに必要な時間も短縮させ睡眠効率の増進効果まで向上され得る。
【0034】
図9に示すように、エアーコンディショナー20には吹出口21が設けられている。吹出口21は少なくとも導板24を有するとともに、該導板24を回転して送風角度を調整することができる。図10に示すように、導板24は、両側にピボット241を設置し、その一つのピボット241に歯車242が設置されている。各導板24は、吹出口21に取り付けられ、かつ、各導板24の歯車242にはチェーン243が掛け渡され、該チェーン243の移動に伴いは歯車242を介して導板24が回動される。また本実施例は、モータ25を利用してチェーン243を周回させ、該チェーン243が歯車242を回動させ、さらに導板24を回動させて、送風角度を調整することができる。その他の導板24を回動する伝動機構も本発明の範囲内に属するものである。該エアーコンディショナー20が還気しやすくするため、該エアーコンディショナー20の一特定位置に少なくとも一つの還気取入口が設けられる。特に該還気取入口22は吹出口21の下方に位置される。
【0035】
図11に示す本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の温度制御システムの説明図を参照する。本発明は、さらに複数の温度センサ121、122、123、124、125及び制御ユニット13を備える。これらの複数の温度センサ121、122、123、124、125は、ベッド10と環境域11に設置するとともに、検出された温度を前記制御ユニット13に伝送する。例えば、これらの頭部域111、脚部域112、腹部域、室内環境域、吹出口21または還気取入口22などの部位である。本発明は、僅かな環境調整に用いる少なくとも一つ以上の温度センサ121、122、123、124、125が含まれ、室内温度は、変化の際、送風気流が温度により浮力の違いが生じる。また、元の吹出口21の最も適切な投射距離から僅かに偏移した時、最も優れた環境制御を達するように、温度センサ121、122、123、124、125と制御ユニット13とを利用して送風温度または風量の微調整を行うことができる。
【0036】
図12における本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用空気調節装置の温度制御のフローチャートを参照する。本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の制御方法は、エアコンシステムを始動するステップと、一般の制御モールドまたは快適睡眠制御モールドを選択するステップと、一般の制御モールドを選択して使用者の頭部域の周囲温度が第1の設定値より小さいか否かを判断し、該第1の設定値より大きい場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量または角度を調整するステップとを含む。快適睡眠モールドを選択した場合には、使用者の頭部域の周囲温度が第1の設定値より小さく、かつ該使用者の頭部域及び脚部域の温度差が第2の設定値より大きいか否かを判断し、前記の条件に符合しない場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量または角度を調整するステップと、を備える。前記の第1の設定値は27℃で、前記の第2の設定値は3℃である。
【0037】
本発明は、前記の空気調節制御方法により一般の制御モールドまたは快適睡眠モールドを制御する。エアーコンディショナーシステムが始動された後、使用者は一般の制御モールドまたは快適睡眠モールドを選択することができる。一般の制御モールドを選択した場合、該制御ユニットは使用者の頭部域の周囲温度が第1の設定値、例えば27℃より小さいか否かを判断する。使用者の頭部域の周囲温度は第1の設定値より大きい場合、このエアーコンディショナーの送風温度、風量または送風角度を調整することによって、最も良い環境温度を微調整することができる。また、使用者の頭部域の周囲温度は、この第1の設定値より大きくならない場合、システムは理想的な範囲に作動しないことを示す。使用者は、快適睡眠制御モールドを選択した場合、使用者の頭部域の周囲温度が第1の設定値より小さく、かつ該使用者の頭部域及び脚部域の温度差が第2の設定値、例えば3℃より大きいか否かを判断する。前記の条件に符合しない場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量または送風角度を調整することによって最も良い環境温度を微調整する。前記の条件に符合する場合、エアーコンディショナーの送風温度、風量または送風角度は作動しないようにする。
【0038】
以上詳述したように、本発明は従来のエアコンシステムに代わって、睡眠域に対して局所的な空気調節を行い、ベッドサイド カップボードとベッドを統合してベッドサイド カップボードの位置に適宜な吹出口および還気取入口を設置し、適切な吹出量または温度を調整することによって、睡眠域の空気調節を行い、睡眠快適度およびエネルギーの節約を効率よく実行する。
【0039】
本発明は、既に前記のより好ましい実施例により開示されているが、これにより本発明を制限するものではなく、当業者が本発明の要旨及び範囲から離脱しない限りでは、各種の変更が可能である。本願の保護対象とする範囲は、その特許請求の範囲による限定されるものある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の斜視図。
【図2】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置におけるエアーコンディショナーの第1の実施例の側面図。
【図3】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置におけるエアーコンディショナーの第2の実施例の側面図。
【図4】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の室内温度の分布状態を示す説明図。
【図5】従来の分離型エアコンを使用する室内温度の分布状態を示す説明図。
【図6】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置における感熱マネキンが異なった吹出条件において検出した環境の等効温度の変化を示す線図。
【図7a】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置が1時間運転した後の室内温度の分布を示す説明図。
【図7b】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置が1時間運転した後の室内温度の分布を示す説明図。
【図7c】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置が1時間運転した後の室内温度の分布を示す説明図。
【図8】本発明のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の吹出口の水力直径比に対する割合を示す線図。
【図9】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の吹出口の斜視図。
【図10】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の導板の斜視図。
【図11】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の温度制御システムの説明図。
【図12】本発明におけるベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の温度制御のフローチャート。
【符号の説明】
【0041】
10…ベッド設備、11…環境域、11…頭部域、112…脚部域、121、122、123、124、125…温度センサ、13…制御ユニット、20…エアーコンディショナー、201…吸熱端熱交換器、 202…圧縮機、203…膨張弁、204…排熱端熱交換器、21…吹出口、22… 還気取入口、23…吸熱端熱交換器、24… 導板、241…ピボット、242…歯車、243…チェーン、25… モータ、30…クールエネルギー供給機、31…排熱端熱交換器、40…ファン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド設備及びエアーコンディショナーを含み、
前記エアーコンディショナーは、前記ベッド設備に対して直交するように連結され、少なくとも一つの吹出口を備え、該吹出口が前記ベッド設備へ送風して特定の環境域を形成することによって、室内温度が明らかに分層現象を生じ、睡眠域のみ局所的な冷房として部屋全体の熱量を取り除く必要がなく、エネルギーを節約することを特徴とするベッドとエアーコンディショナーと備えた睡眠補助用エアコン装置。
【請求項2】
前記環境域は、ベッド設備の使用者の頭部域および脚部域を含み、理想的な範囲内で前記頭部域の周囲温度が第1の設定値より小さく、27℃であることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備えた睡眠補助用エアコン装置。
【請求項3】
前記理想的な設計範囲において、前記吹出口の相対的な水力直径比の範囲は、0.45−0.85の間であることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項4】
前記吹出口の相対的な水力直径比の範囲は、快適な設計範囲の0.45−0.75であることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項5】
前記快適な設計範囲において、前記環境域は、使用者の頭部域および脚部域が含まれ、前記頭部の周りの気温と脚部域の周りの温度差は、第2の設定値より大きく、3℃であることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項6】
前記吹出口は少なくとも一つの導板を設けることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項7】
前記エアーコンディショナーの一つの特定位置に少なくとも還気取入口が設けられ、該還気取入口は、前記吹出口の下方に位置することを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項8】
さらに、前記エアーコンディショナーにクールエネルギーを提供するクールエネルギー供給機が含まれ、エアコン器の内部には吸熱端熱交換器、圧縮機、膨張弁及び排熱端熱交換器が備えられ、前記吸熱端熱交換器と前記排熱端熱交換器との間に作動流体により、該吸熱端熱交換器、前記圧縮機から該排熱端熱交換器へ放熱を行い、さらに前記膨張弁を介して吸熱端熱交換器まで吸熱させると共に、気流を経過して冷気を生じさせることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項9】
前記エアーコンディショナーの内部は、さらに、少なくとも一つの吸熱端熱交換器を備え、該吸熱端熱交換器が室外に設置された排熱端熱交換器とを接続し、該吸熱端熱交換器と前記排熱端熱交換器との間は、流体の流動により熱量を吸熱端熱交換器から排熱端熱交換器に伝送して排出し、該吸熱端熱交換器が前記吹出口の一側に位置され、吸熱端熱交換器の一側にファンを設置することを特徴とする請求項8記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項10】
さらに、複数の温度センサと制御ユニットを含み、これらの複数の温度センサは、前記ベッドと前記環境域に設置され、検出された温度を制御ユニットに伝送することを特徴と
する請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項11】
エアーコンディショナーシステムを始動するステップと、
一般の制御モールドまたは快適睡眠制御モールドを選択するステップと、
一般の制御モールドを選択して使用者の頭部域の周囲温度は、第1の設定値より小さいか否かを判断し、該第1の設定値より大きい場合、前記エアーコンディショナーの送風温度、風量または角度を調整するステップと、
快適睡眠モールドを選択して使用者の頭部域の周囲温度は、第1の設定値より小さく、かつ該使用者の頭部域と脚部域との温度差が第2の設定値より大きいか否かを判断し、前記の条件に符合しない場合、前記エアーコンディショナーの送風温度、風量または角度を調整するステップと、を備えることを特徴とするベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の制御方法。
【請求項12】
前記第1の設定値は27℃で、前記第2の設定値は3℃であることを特徴とする請求項11記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の制御方法。
【請求項1】
ベッド設備及びエアーコンディショナーを含み、
前記エアーコンディショナーは、前記ベッド設備に対して直交するように連結され、少なくとも一つの吹出口を備え、該吹出口が前記ベッド設備へ送風して特定の環境域を形成することによって、室内温度が明らかに分層現象を生じ、睡眠域のみ局所的な冷房として部屋全体の熱量を取り除く必要がなく、エネルギーを節約することを特徴とするベッドとエアーコンディショナーと備えた睡眠補助用エアコン装置。
【請求項2】
前記環境域は、ベッド設備の使用者の頭部域および脚部域を含み、理想的な範囲内で前記頭部域の周囲温度が第1の設定値より小さく、27℃であることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備えた睡眠補助用エアコン装置。
【請求項3】
前記理想的な設計範囲において、前記吹出口の相対的な水力直径比の範囲は、0.45−0.85の間であることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項4】
前記吹出口の相対的な水力直径比の範囲は、快適な設計範囲の0.45−0.75であることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項5】
前記快適な設計範囲において、前記環境域は、使用者の頭部域および脚部域が含まれ、前記頭部の周りの気温と脚部域の周りの温度差は、第2の設定値より大きく、3℃であることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項6】
前記吹出口は少なくとも一つの導板を設けることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項7】
前記エアーコンディショナーの一つの特定位置に少なくとも還気取入口が設けられ、該還気取入口は、前記吹出口の下方に位置することを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項8】
さらに、前記エアーコンディショナーにクールエネルギーを提供するクールエネルギー供給機が含まれ、エアコン器の内部には吸熱端熱交換器、圧縮機、膨張弁及び排熱端熱交換器が備えられ、前記吸熱端熱交換器と前記排熱端熱交換器との間に作動流体により、該吸熱端熱交換器、前記圧縮機から該排熱端熱交換器へ放熱を行い、さらに前記膨張弁を介して吸熱端熱交換器まで吸熱させると共に、気流を経過して冷気を生じさせることを特徴とする請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項9】
前記エアーコンディショナーの内部は、さらに、少なくとも一つの吸熱端熱交換器を備え、該吸熱端熱交換器が室外に設置された排熱端熱交換器とを接続し、該吸熱端熱交換器と前記排熱端熱交換器との間は、流体の流動により熱量を吸熱端熱交換器から排熱端熱交換器に伝送して排出し、該吸熱端熱交換器が前記吹出口の一側に位置され、吸熱端熱交換器の一側にファンを設置することを特徴とする請求項8記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項10】
さらに、複数の温度センサと制御ユニットを含み、これらの複数の温度センサは、前記ベッドと前記環境域に設置され、検出された温度を制御ユニットに伝送することを特徴と
する請求項1記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置。
【請求項11】
エアーコンディショナーシステムを始動するステップと、
一般の制御モールドまたは快適睡眠制御モールドを選択するステップと、
一般の制御モールドを選択して使用者の頭部域の周囲温度は、第1の設定値より小さいか否かを判断し、該第1の設定値より大きい場合、前記エアーコンディショナーの送風温度、風量または角度を調整するステップと、
快適睡眠モールドを選択して使用者の頭部域の周囲温度は、第1の設定値より小さく、かつ該使用者の頭部域と脚部域との温度差が第2の設定値より大きいか否かを判断し、前記の条件に符合しない場合、前記エアーコンディショナーの送風温度、風量または角度を調整するステップと、を備えることを特徴とするベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の制御方法。
【請求項12】
前記第1の設定値は27℃で、前記第2の設定値は3℃であることを特徴とする請求項11記載のベッドとエアーコンディショナーとを備える睡眠補助用エアコン装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−142625(P2009−142625A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20695(P2008−20695)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(598132657)インダストリアル テクノロジー リサーチ インスティチュート (26)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(598132657)インダストリアル テクノロジー リサーチ インスティチュート (26)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]