説明

ベッドの在床状況計測方法

【課題】計測を開始する際に風袋値としてのベッドの重量を算出する必要のないベッドの在床状況計測方法を提供する。
【解決手段】計測方法は、ベッド30の下側に配置された荷重検出手段1から出力された荷重値を用いて、ベッド30上の被験者Hの離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定工程を含む。初期計測モードの離床関連判定工程S11〜S15は、離床に関する判定を、荷重値からベッド30の重量を減算処理していない値に基づいて行う。通常計測モードの離床関連判定工程は、初期計測モードの離床関連判定工程S11〜S15で被験者Hが離床したと判定された後で、離床に関する判定を、荷重値からベッド30の重量を減算処理した値に基づいて行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド上における被験者の離床等の在床状況を計測するベッドの在床状況計測方法、在床状況計測装置及び在床状況計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド上における被験者(例:高齢者、病人、健康人、乳幼児)の臥床、離床等の在床状況を計測する方法として、様々なものが知られており(例えば、特許文献1〜6参照)、その基本的な構成は次のとおりである。
【0003】
ベッドが設置される部屋としての寝室の床面上に、ベッドの4つの脚部間の間隔に対応して4つの荷重検出器を互いに離間して配置する。次いで、各荷重検出器の上面に設けられた荷重受け部上にベッドの各脚部を設置(載置)する。これにより、ベッドの荷重検出器への設置が完了する。そして、これらの荷重検出器から出力された荷重値を用いてベッド上における被験者の在床状況を計測する。この計測中に例えば被験者がベッド上から離床した場合、荷重検出器から出力された荷重値が離床判定の基準値よりも小さくなる結果、被験者の離床を知らせるアラームが発せられる。このアラームを聞いた介護者は、被験者の介護(介助を含む)等のため被験者の元へ向かうことができる。
【0004】
この計測方法では、被験者の在床状況の計測(特に被験者の離床判定)の精度を高くするため、計測は、これらの荷重検出器から出力された荷重値から風袋値としてのベッドの重量を減算処理した値(即ち、これらの荷重検出器から出力された荷重値を風袋処理した値)に基づいて行われるのが通常である(例えば、特許文献7、8参照)。ベッドの重量は、被験者がベッド上に在床(存在)していないときのこれらの荷重検出器からの出力荷重値に基づいて算出することができ、即ちこのときのこれらの荷重検出器からの出力荷重値を合計した総荷重値がベッドの重量となる。なお、ベッドの重量は、ベッドに落下防止柵等が取り付けられたりベッド上に荷物等が載置されたりすることで変化する値であり、つまり一定ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−305343号公報
【特許文献2】特開2007−175208号公報
【特許文献3】特開2007−330658号公報
【特許文献4】特開2007−330659号公報
【特許文献5】特開2008−264338号公報
【特許文献6】国際公開第2007/148638号パンフレット
【特許文献7】特開2003−79585号公報(段落[0020])
【特許文献8】特開2011−010915号公報(請求項5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
而して、従来の計測方法では、ベッドを荷重検出器に設置する前、即ち計測を開始する前に被験者がベッド上に臥床している場合には、荷重検出器でベッドの重量を算出するために介護者は被験者をベッド上から一旦降ろさなくてはならず、そしてベッドの重量の算出後に被験者を再度ベッド上に乗せなければならなかった。そのため、介護者は多大な負担を強いられていた。
【0007】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、計測を開始する際にベッドの重量を算出する必要のないベッドの在床状況計測方法、在床状況計測装置及び在床状況計測システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の手段を提供する。
【0009】
[1] ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定工程と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出工程と、を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出工程は、前記初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定工程は、前記初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された後で、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測方法。
【0010】
[2] ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定工程と、
前記初期計測モード及び前記通常測定モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択工程と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出工程と、を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定工程は、前記計測モード選択工程で初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出工程は、前記初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合、又は、前記計測モード選択工程で通常計測モードが選択された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定工程は、前記初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された後か、又は、前記計測モード選択工程で通常計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測方法。
【0011】
[3] 更に、被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力工程を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力工程で入力された被験者の体重とに基づいて行う前項1又は2記載のベッドの在床状況計測方法。
【0012】
[4] ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を第1初期計測モードと第2初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定工程と、
前記第1初期計測モード及び前記第2初期計測モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択工程と、
前記計測モード選択工程で第2初期計測モードが選択された場合に被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力工程と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出工程と、を含んでおり、
前記第1初期計測モードの離床関連判定工程は、前記計測モード選択工程で第1初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記第2初期計測モードの離床関連判定工程は、前記計測モード選択工程で第2初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力工程で入力された被験者の体重とに基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出工程は、前記第1初期計測モード又は前記第2初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定工程は、前記第1初期計測モード又は前記第2初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された後で、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測方法。
【0013】
[5] ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を第1初期計測モードと第2初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定工程と、
前記第1初期計測モード、前記第2初期計測モード及び前記通常計測モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択工程と、
前記計測モード選択工程で第2初期計測モードが選択された場合に被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力工程と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出工程と、を含んでおり、
前記第1初期計測モードの離床関連判定工程は、前記計測モード選択工程で第1初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記第2初期計測モードの離床関連判定工程は、前記計測モード選択工程で第2初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力工程で入力された被験者の体重とに基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出工程は、前記第1初期計測モード若しくは前記第2初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合、又は、前記計測モード選択工程で通常計測モードが選択された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定工程は、前記第1初期計測モード若しくは前記第2初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された後か、又は、前記計測モード選択工程で通常計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測方法。
【0014】
[6] 前記ベッド重量算出工程は、前記荷重検出手段から出力された荷重値が第1閾値以上であり且つ前記荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である場合、そのときの前記荷重値をベッドの重量として自動的に算出する前項1〜5のいずれかに記載のベッドの在床状況計測方法。
【0015】
[7] ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定手段と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出手段と、を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定手段は、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された後で、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出手段で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測装置。
【0016】
[8] ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定手段と、
前記初期計測モード及び前記通常測定モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択手段と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出手段と、を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定手段は、前記計測モード選択手段で初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された場合、又は、前記計測モード選択手段で通常計測モードが選択された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された後か、又は、前記計測モード選択手段で通常計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出手段で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測装置。
【0017】
[9] 更に、被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力手段を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定手段は、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力手段で入力された被験者の体重とに基づいて行う前項7又は8記載のベッドの在床状況計測装置。
【0018】
[10] ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を第1初期計測モードと第2初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定手段と、
前記第1初期計測モード及び前記第2初期計測モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択手段と、
前記計測モード選択手段で第2初期計測モードが選択された場合に被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力手段と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出手段と、を含んでおり、
前記第1初期計測モードの離床関連判定手段は、前記計測モード選択手段で第1初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記第2初期計測モードの離床関連判定手段は、前記計測モード選択手段で第2初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力手段で入力された被験者の体重とに基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出手段は、前記第1初期計測モード又は前記第2初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定手段は、前記第1初期計測モード又は前記第2初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された後で、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出手段で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測装置。
【0019】
[11] ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を第1初期計測モードと第2初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定手段と、
前記第1初期計測モード、前記第2初期計測モード及び前記通常計測モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択手段と、
前記計測モード選択手段で第2初期計測モードが選択された場合に被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力手段と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出手段と、を含んでおり、
前記第1初期計測モードの離床関連判定手段は、前記計測モード選択手段で第1初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記第2初期計測モードの離床関連判定手段は、前記計測モード選択手段で第2初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力手段で入力された被験者の体重とに基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出手段は、前記第1初期計測モード若しくは前記第2初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された場合、又は、前記計測モード選択手段で通常計測モードが選択された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定手段は、前記第1初期計測モード若しくは前記第2初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された後か、又は、前記計測モード選択手段で通常計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出手段で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測装置。
【0020】
[12] 前記ベッド重量算出手段は、前記荷重検出手段から出力された荷重値が第1閾値以上であり且つ前記荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である場合、そのときの前記荷重値をベッドの重量として自動的に算出する前項7〜11のいずれかに記載のベッドの在床状況計測装置。
【0021】
[13] ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定手段と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出手段と、を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定手段は、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された後で、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出手段で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測システム。
【発明の効果】
【0022】
本発明は以下の効果を奏する。
【0023】
[1]の計測方法によれば、初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであるから、計測を開始する際にベッドの重量を算出しなくても離床に関する判定を行うことができる。そのため、計測を開始する際に介護者は被験者をわざわざベッド上から降ろさなくてもよく、介護者の負担を軽減することができる。
【0024】
その上、ベッド重量算出工程は、初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合に行うものなので、ベッド重量算出工程でベッドの重量を算出する際には被験者はベッド上に在床(存在)していない。そのため、ベッドの重量を容易に算出することができる。
【0025】
さらに、通常計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、荷重検出手段から出力された荷重値からベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うものであるから、離床に関する判定を高い精度で行うことができる。
【0026】
[2]の計測方法によれば、初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであるから、計測を開始する際にベッドの重量を算出しなくても離床に関する判定を行うことができる。そのため、計測を開始する際に介護者は被験者をわざわざベッド上から降ろさなくてもよく、介護者の負担を軽減することができる。
【0027】
さらに、通常計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、荷重検出手段から出力された荷重値からベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うものであるから、離床に関する判定を高い精度で行うことができる。
【0028】
しかも、この計測方法は、初期計測モード及び通常計測モードの中から一つの計測モードを介護者等の操作者に選択させる計測モード選択工程を含んでいるので、操作者は計測を開始する際に被験者がベッド上に臥床しているか否かに応じて計測モードを選択することができる。すなわち、例えば、計測を開始する際に被験者がベッド上に臥床している場合には操作者は初期計測モードを選択することができ、一方、計測を開始する際に被験者がベッド上に臥床していない場合には操作者は通常計測モードを選択することができる。
【0029】
その上、ベッド重量算出工程は、初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合、又は、計測モード選択工程で通常計測モードが選択された場合に行うものなので、ベッド重量算出工程でベッドの重量を算出する際には被験者はベッド上に在床(存在)していない。そのため、ベッドの重量を容易に算出することができる。
【0030】
[3]の計測方法によれば、初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と被験者体重入力工程で入力された被験者の体重とに基づいて行うものなので、離床に関する判定を高い精度で行うことができる。
【0031】
[4]の計測方法によれば、第1初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであるから、計測を開始する際にベッドの重量を算出しなくても離床に関する判定を行うことができる。そのため、計測を開始する際に介護者は被験者をわざわざベッド上から降ろさなくてもよく、介護者の負担を軽減することができる。
【0032】
さらに、第2初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と被験者体重入力工程で入力された被験者の体重とに基づいて行うものなので、離床に関する判定を高い精度で行うことができる。
【0033】
さらに、通常計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、荷重検出手段から出力された荷重値からベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うものであるから、離床に関する判定を高い精度で行うことができる。
【0034】
しかも、この計測方法は、第1初期計測モード及び第2初期計測モードの中から一つの計測モードを介護者等の操作者に選択させる計測モード選択工程を含んでいるので、操作者は計測を開始する際に被験者の体重が既知であるか否かに応じて計測モードを選択することができる。すなわち、例えば、計測を開始する際に被験者がベッド上に臥床しており且つ被験者の体重が未知である場合には操作者は第1初期計測モードを選択することができ、一方、計測を開始する際に被験者がベッド上に臥床しており且つ被験者の体重が既知である場合には操作者は第2計測モードを選択することができる。
【0035】
その上、ベッド重量算出工程は、第1初期計測モード又は第2初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合に行うものなので、ベッド重量算出工程でベッドの重量を算出する際には被験者はベッド上に在床(存在)していない。そのため、ベッドの重量を容易に算出することができる。
【0036】
[5]の計測方法によれば、第1初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであるから、計測を開始する際にベッドの重量を算出しなくても離床に関する判定を行うことができる。そのため、計測を開始する際に介護者は被験者をわざわざベッド上から降ろさなくてもよく、介護者の負担を軽減することができる。
【0037】
さらに、第2初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と被験者体重入力工程で入力された被験者の体重とに基づいて行うものなので、離床に関する判定を高い精度で行うことができる。
【0038】
さらに、通常計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、荷重検出手段から出力された荷重値からベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うものであるから、離床に関する判定を更に高い精度で行うことができる。
【0039】
しかも、この計測方法は、第1初期計測モード、第2初期計測モード及び通常計測モードの中から一つの計測モードを介護者等の操作者に選択させる計測モード選択工程を含んでいるので、操作者は計測を開始する際に被験者がベッド上に臥床しているか否か及び被験者の体重が既知であるか否かに応じて計測モードを選択することができる。すなわち、例えば、計測を開始する際に被験者がベッド上に臥床しており且つ被験者の体重が未知である場合には操作者は第1初期計測モードを選択することができ、計測を開始する際に被験者がベッド上に臥床しており且つ被験者の体重が既知である場合には操作者は第2計測モードを選択することができ、一方、計測を開始する際に被験者がベッド上に臥床していない場合には操作者は通常計測モードを選択することができる。
【0040】
その上、ベッド重量算出工程は、第1初期計測モード若しくは第2初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合、又は、計測モード選択工程で通常計測モードが選択された場合に行うものなので、ベッド重量算出工程でベッドの重量を算出する際には被験者はベッド上に在床(存在)していない。そのため、ベッドの重量を容易に算出することができる。
【0041】
[6]の計測方法によれば、ベッド重量算出工程は、荷重検出手段から出力された荷重値が第1閾値以上であり且つ荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である場合、そのときの荷重値をベッドの重量として自動的に算出するので、ベッドの重量を更に容易に算出することができる。
【0042】
[7]〜[12]の計測装置は、それぞれ[1]〜[6]の計測方法の効果と同様の効果を奏する。
【0043】
[13]の計測システムは、[1]の計測方法の効果と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るベッドの在床状況計測装置を示す概略図である。
【図2】図2は、同計測装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、同計測装置の動作を、同計測装置を用いた計測方法と併せて示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0046】
図1において、20は本発明の一実施形態に係るベッドの在床状況計測装置、30はベッドである。また、21は本発明の一実施形態に係るベッドの在床状況計測システムであり、この計測システム21は本実施形態の計測装置20を具備している。
【0047】
ベッド30は、医療施設(例:病院)、高齢者施設、介護施設、一般家庭等で使用されるものであり、4つの脚部として、頭側左脚部31A、頭側右脚部31B、足側左脚部31C及び足側右脚部31Dを有している。各脚部の下端部には、ベッド30が床面35上をスムーズに移動できるようにするためのベッド移動用キャスタ32が固定状態に設けられている。ベッド30上には被験者Hとして病人、高齢者、健康人、乳幼児等が就寝等のために臥床する。本実施形態では、ベッド30は寝室(病室を含む)等の部屋内に配置されている。また、ベッド30には落下防止柵33が取外し可能に取り付けられている。
【0048】
本実施形態の計測装置20は、ベッド30上における被験者Hの在床状況を計測するものであり、特に、被験者Hの在床状況として、ベッド30上における被験者Hの離床を計測するものである。
【0049】
この計測装置20は、図1及び2に示すように、荷重検出手段1、制御手段2、遠隔制御手段10等を具備している。
【0050】
荷重検出手段1は、図1に示すように、ベッド30の下側に配置されるとともにベッド30に掛かる荷重を検出して当該荷重に対応する荷重値を所定時間(例:0.005〜10s)毎に連続して出力するものである。本実施形態では、荷重検出手段1の個数は4つであり、詳述すると荷重検出手段1は4つの荷重検出器1A〜1Dから構成されている。これらの荷重検出器1A〜1Dは、それぞれ、ベッド30における互いに離間した4つの部位に掛かる荷重として、ベッド30の頭側左脚部31A、頭側右脚部31B、足側左脚部31C及び足側右脚部31Dに掛かる荷重を検出するものである。各荷重検出器1A〜1Dは、公知のロードセル式のものであり、また特開2006−302266号公報、特開2007−167492号公報、特開2008−12202号公報などに開示されているものである。各荷重検出器1A〜1Dの上面には荷重受け部1aが設けられており、各荷重受け部1a上にベッド30の対応する脚部(詳述するとキャスタ32)が設置(載置)されることにより、各荷重検出器1A〜1Dでベッド30の各脚部31A〜31Dに掛かる荷重が検出される。これらの荷重検出器1A〜1Dは、床面35上に、ベッド30の4つの脚部31A〜31D間の間隔に対応して互いに離間して配置されている。
【0051】
ここで説明の便宜上、図2に示すように、これらの荷重検出器1A〜1Dにおいて、ベッド30の頭側左脚部31A、頭側右脚部31B、足側左脚部31C及び足側右脚部31Dに掛かる荷重を検出する荷重検出器を、それぞれ、「第1荷重検出器1A」、「第2荷重検出器1B」、「第3荷重検出器1C」及び「第4荷重検出器1D」という。各荷重検出器1A〜1Dから出力される荷重値は有線又は無線通信手段(図示せず)で制御手段2に所定時間(例:0.005〜10s)毎に連続して送信される。なお本実施形態では、ベッド30の左及び右とは、ベッド30上に被験者Hが仰向け姿勢で臥床している状態における被験者Hの右側及び左側をいう。
【0052】
制御手段2は、計測装置20の動作を制御するものであり、ROM、RAM、CPU等を有するマイクロコンピュータを搭載した制御器からなる。この制御手段2は、ベッド重量算出手段3、離床関連判定手段5、アラーム発生手段8等を備えている。マイクロコンピュータには、ベッド30上における被験者Hの在床状況の計測に必要な所定の判定、演算(計算)、制御などを実行するための所定のプログラムが予めインストールされており、更に、所定の判定、演算、制御などを実行するのに必要な閾値、割合等が変更可能に予め記憶設定されている。この制御手段2は、通常、ベッド30の近傍、介護者(看護師を含む)の詰め所等に設置される。
【0053】
離床関連判定手段5は、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値を用いて、ベッド30上に被験者Hが臥床している場合にベッド30上の被験者Hの離床に関する判定を、第1初期計測モード、第2初期計測モード及び通常計測モードで選択的に行うものである。さらに、離床関連判定手段5は、ベッド30上に被験者Hが臥床しているか否かを判定する臥床判定手段(図示せず)等を備えている。この離床関連判定手段5の詳細な構成については後述する。
【0054】
ベッド重量算出手段3は、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値に基づいてベッド30の重量Aを算出するものである。このベッド重量算出手段3の詳細な構成については後述する。
【0055】
遠隔制御手段10は、制御手段2に対して遠隔地から所定の指示をしたり所定の情報を送ったりするものであり、いわゆるリモコンからなるものである。この遠隔制御手段10は、計測モード選択手段11、被験者体重入力手段15等を備えている。
【0056】
計測モード選択手段11は、第1初期計測モード、第2初期計測モード及び通常計測モードの中から一つの計測モードを介護者等の操作者(図示せず)に選択させるためのものであり、タッチパネルで構成された表示部を有している。タッチパネルには、第1初期計測モード選択部12、第2初期計測モード選択部13及び通常計測モード選択部14として3つの計測モード選択用タッチボタンが表示されている。具体的に示すと、第1計測モード選択用タッチボタンには例えば「すぐに見守り」の文字が表示されており、第2初期計測モード選択用タッチボタンには例えば「体重入力後見守り」の文字が表示されており、通常計測モード選択用タッチボタンには例えば「風袋処理後見守り」の文字が表示されている。操作者は、計測を開始する際に被験者Hがベッド30上に臥床しているか否か及び被験者Hの体重Bが既知であるか否かに応じてこれらのタッチボタンの中から一つのタッチボタンをタッチ操作する。これにより、タッチ操作されたタッチボタンに対応する計測モードが選択されてその旨の情報が遠隔制御手段10から無線又は有線通信手段(図示せず)で制御手段2に送信される。制御手段2の離床関連判定手段5は、こうして制御手段2に送信されたその旨の情報(即ち選択された計測モード)に対応する計測モードで離床関連判定を行う。
【0057】
被験者体重入力手段15は、被験者Hの体重Bを介護者等の操作者に入力させるためのものであり、タッチパネルで構成された表示部を有しており、この表示部は計測モード選択手段11の表示部と共用のものである。タッチパネルには、数字ボタン等が表示されており、被験者Hの体重Bが既知である場合に操作者が被験者Hの体重Bに対応する数字ボタンをタッチ操作することにより、被験者Hの体重Bが入力されてその入力された被験者Hの体重Bが遠隔制御手段10から無線又は有線通信手段で制御手段2に送信される。制御手段2の第2初期計測モードの離床関連判定手段5は、こうして制御手段2に送信された被験者Hの体重Bを用いて離床関連判定を行う。
【0058】
離床関連判定手段5の構成について詳述すると、離床関連判定手段5は、ベッド30上の被験者Hの離床に関する判定を、第1初期計測モード、第2初期計測モード及び通常計測モードのうち計測モード選択手段11で選択された計測モードで行うものであり、離床予知判定手段6、離床判定手段7等を備えている。
【0059】
離床関連判定手段5の離床予知判定手段6は、被験者Hの離床に関する判定として被験者Hの離床を予知したか否かの判定を、計測モード選択手段11で選択された一つの計測モードで行うものである。
【0060】
離床関連判定手段5の離床判定手段7は、離床予知判定手段6で被験者Hの離床を予知したと判定された場合、及び、離床予知判定手段6で被験者Hの離床を予知しなかったと判定された場合に、被験者Hの離床に関する判定として被験者Hが離床したか否かの判定を、計測モード選択手段11で選択された計測モードで行うものである。
【0061】
ベッド重量算出手段3は、第1初期計測モード若しくは第2初期計測モードの離床関連判定手段5で被験者Hが離床したと判定された場合、又は、計測モード選択手段11で通常計測モードが選択された場合に、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値に基づいてベッド30の重量Aを算出するものである。詳述すると、このベッド重量算出手段3は、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値がいずれも第1閾値以上であり且つ各荷重値1A〜1Dの所定時間当たりの変動量がいずれも第2閾値以下である場合、そのときの各荷重値を合計した総荷重値をベッド30の重量Aとして自動的に算出するとともに、更に、そのときの各荷重値をベッド30の重量Aの成分値として自動的に算出するように構成されている。
【0062】
第1初期計測モードの離床関連判定手段5は、計測モード選択手段11で第1初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値からそれぞれ風袋値としてのベッド30の重量Aの成分値を減算処理していない値に基づいて行うものである。なお一般に、荷重値から風袋値を減算処理することを、荷重値を風袋処理するとか、荷重値から風袋値を風袋引き処理するとか呼ばれている。
【0063】
第2初期計測モードの離床関連判定手段5は、計測モード選択手段11で第2初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値からそれぞれベッド30の重量Aの成分値を減算処理していない値(即ち、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値を風袋処理していない値)と、被験者体重入力手段15で入力された被験者Hの体重Bとに基づいて行うものである。
【0064】
通常計測モードの離床関連判定手段5は、第1初期計測モード若しくは第2初期計測モードの離床関連判定手段5で被験者Hが離床したと判定された後か、又は、計測モード選択手段11で通常計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値からそれぞれベッド重量算出手段3で算出されたベッド30の重量Aの成分値を減算処理した値(即ち、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値を風袋処理した値)に基づいて行うものである。
【0065】
アラーム発生手段8は、スピーカを有するものであり、各計測モードの離床関連判定手段5の離床予知判定手段6で被験者Hの離床を予知したと判定された場合、及び、各計測モードの離床判定手段7で被験者Hが離床したと判定された場合にそれぞれアラームを発するものである。
【0066】
次に、本実施形態の計測装置20の動作及びこれを用いた計測方法について、図3に示した図を参照して以下に説明する。
【0067】
ここで説明の便宜上、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値をそれぞれW1〜W4、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4を合計した総荷重値をW、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4にそれぞれ含まれるベッド30の重量Aの成分値をA1〜A4とする。また、被験者Hの体重Bは例えば50kgfであるとする。W、Aはそれぞれ次のように表される。
【0068】
・W=W1+W2+W3+W4
・A=A1+A2+A3+A4
なお、1kgf=9.8Nとする。
【0069】
まず、図1に示すように、床面35上に、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dをベッド30の4つの脚部31A〜31D間の間隔に対応して互いに離間して配置する。次いで、ステップS1では、介護者等の操作者は、各荷重検出器1A〜1Dの荷重受け部1a上にベッド30の対応する脚部(詳述するとキャスタ32)を設置(載置)する。これにより、ベッド30の荷重検出器1A〜1Dへの設置が完了する。そして、各荷重検出器1A〜1Dの動作電源をONにする。これにより、計測が開始する。なお本発明では、その他に、各荷重検出器1A〜1Dの動作電源をONにした後でベッド30の荷重検出器1A〜1Dへの設置を行っても良い。
【0070】
次いで、ステップS2では、介護者等の操作者が、遠隔制御手段10の計測モード選択手段11で、被験者Hがベッド30上に臥床しているか否か及び被験者Hの体重Bが既知であるか否かに応じて計測モードを選択する。このステップS2を「計測モード選択工程S2」という。
【0071】
すなわち、計測を開始する際に被験者Hがベッド30上に臥床しており且つ被験者Hの体重Bが未知である場合には、操作者は計測モード選択手段11の第1初期計測モード選択部12をタッチ操作することにより、第1初期計測モードを選択する。計測を開始する際に被験者Hがベッド30上に臥床しており且つ被験者Hの体重Bが既知である場合には、操作者は計測モード選択手段11の第2初期計測モード選択部13をタッチ操作することにより、第2計測モードを選択する。計測を開始する際に被験者Hがベッド30上に臥床していない場合には、操作者は計測モード選択手段11の通常計測モード選択部14をタッチ操作することにより、通常計測モードを選択する。
【0072】
計測モード選択工程S2で第1初期計測モードが選択された場合、ステップS10に進む。そしてステップS11では、第1初期計測モードの離床関連判定が開始される。
【0073】
ステップS12では、離床予知判定手段6で、被験者Hの離床に関する判定として被験者Hの離床を予知したか否かの判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4からそれぞれベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理していない値に基づいて行う。このステップS12を第1初期計測モードの「離床予知判定工程S12」という。
【0074】
具体的に説明すると、第1初期計測モードの離床予知判定工程S12では、現在のW1とW3との合計荷重値W1+W3が計測モード選択工程S2で第1初期計測モードが選択されたときのW1'とW3'との合計荷重値W1'+W3'よりも所定の第3閾値(例えば20kgf)以上増加している場合、又は、現在のW2とW4との合計荷重値W2+W4が計測モード選択工程S2で第1初期計測モードが選択されたときのW2'とW4'との合計荷重値W2'+W4'よりも所定の第4閾値(例えば20kgf)以上増加している場合、ベッド30上の被験者Hが離床のためにベッド30の中央部ではなくベッド30の左右両端部のいずれか一方に位置しているとして被験者Hの離床を予知したと判定する。一方、そうではない場合、ベッド30上の被験者Hがベッド30の中央部に位置しており即ち被験者Hの離床を予知していないと判定する。あるいは、第1初期計測モードの離床予知判定工程S12では、現在のW1とW2との合計荷重値W1+W2が所定時間(例えば5sや15s)前のW1''とW2''との合計荷重値W1''+W2''に対して所定の第5閾値(例えば3kgf)以上減少している場合、ベッド30上の被験者Hが離床のためにその上体を起こしたとして被験者Hの離床を予知したと判定する。一方、そうではない場合、被験者Hの離床を予知していないと判定する。
【0075】
こうして被験者Hの離床を予知したと判定された場合(「YES」の場合)、ステップS13へ進んで、離床を予知したことを介護者等に知らせるアラーム(離床予知アラーム)をアラーム発生手段8で所定時間発する。このステップS13を第1初期計測モードの「離床予知アラーム発生工程S13」という。このアラームを聞いた介護者は、被験者Hへの介護(介助)のために被験者Hの元へ向かうことができる。そして、ステップS14へ進む。また、被験者Hの離床を予知していないと判定された場合(「NO」の場合)もステップS14へ進む。
【0076】
ステップS14では、離床判定手段7で、被験者Hの離床に関する判定として被験者Hが離床したか否かの判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4からそれぞれベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理していない値に基づいて行う。このステップS14を第1初期計測モードの「離床判定工程S14」という。
【0077】
具体的に説明すると、第1初期計測モードの離床判定工程S14では、現在のW1〜W4を合計した総荷重値W(即ちW1+W2+W3+W4)が、計測モード選択工程S2で第1初期計測モードが選択されたときのW1'〜W4'を合計した総荷重値W'(即ちW1'+W2'+W3'+W4')に対して所定の第6閾値(例えば20kgf)以上減少している場合、ベッド30上の被験者Hが離床したと判定する。そしてステップS15へ進む。一方、そうではない場合、ベッド30上の被験者Hは離床していないと判定し、ステップS11へ戻る。
【0078】
ステップS15では、被験者Hが離床したことを介護者等に知らせるアラーム(離床アラーム)をアラーム発生手段8で所定時間発する。このステップS15を第1初期計測モード(又は第2初期計測モード)の「離床アラーム発生工程S15」という。このアラームを聞いた介護者は、被験者Hへの介護(介助)のために被験者Hの元へ向かうことができる。そして、ステップS16へ進む。
【0079】
ステップS16では、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4に基づいてベッド30の重量Aをベッド重量算出手段3で算出する。具体的に説明すると、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4を合計した総荷重値W(即ちW1+W2+W3+W4)をベッド30の重量Aとして算出するとともに、各荷重値W1〜W4をベッド30の重量Aの成分値A1〜A4として算出する。このステップS16を、第1初期計測モード(又は第2初期計測モード)の離床判定工程S14で被験者Hが離床したと判定された場合に行う「ベッド重量算出工程S16」という。本実施形態では、このベッド重量算出工程S16は、具体的に説明すると、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4がいずれも第1閾値(例えば10kgf)以上であり且つ各荷重値W1〜W4の所定時間(例えば60s)当たりの変動量がいずれも第2閾値(例えば3kgf)以下である場合、そのときの各荷重値W1〜W4を合計した総荷重値W(即ちW1+W2+W3+W4)をベッド30の重量Aとして自動的に算出するとともに、更に、そのときの各荷重値W1〜W4をそれぞれベッド30の重量Aの成分値として自動的に算出する。次いで、ステップS17へ進む。
【0080】
ステップS17では、後述する通常計測モードの離床関連判定工程が離床関連判定手段5で行われる。
【0081】
計測モード選択工程S2で第2初期計測モードが選択された場合、ステップS20へ進む。そしてステップS21では、介護者等の操作者は被験者Hの体重Bを遠隔制御手段10の被験者体重入力手段15で入力する。このステップS21を「被験者体重入力工程S21」という。次いで、ステップS22へ進み、第2初期計測モードの離床関連判定が開始される。
【0082】
ステップS23では、離床予知判定手段6で、被験者Hの離床に関する判定として被験者Hの離床を予知したか否かの判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4からそれぞれベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理していない値と、被験者体重入力工程S21で入力された被験者Hの体重Bとに基づいて行う。このステップS23を第2初期計測モードの「離床予知判定工程S23」という。
【0083】
具体的に説明すると、第2初期計測モードの離床予知判定工程S23では、計測モード選択工程S2で第2初期計測モードが選択されたときのW1'とW3'との合計荷重値W1'+W3'に対する現在のW1とW3との合計荷重値W1+W3の増加量ΔW1+ΔW3が、被験者Hの体重Bに対する所定割合(例えば40%)よりも大きい場合、又は、計測モード選択工程で第2初期計測モードが選択されたときのW2'とW4'との合計荷重値W2'+W4'に対する現在のW2とW4との合計荷重値W2+W4の増加量ΔW2+ΔW4が、被験者の体重Bに対する所定割合(例えば40%)よりも大きい場合、ベッド30上の被験者Hが離床のためにベッド30の中央部ではなくベッド30の左右両端部のいずれか一方に位置しているとして被験者Hの離床を予知したと判定する。一方、そうではない場合、ベッド30上の被験者Hがベッド30の中央部に位置しており即ち被験者Hの離床を予知していないと判定する。あるいは、第2初期計測モードの離床予知判定工程S23では、現在のW1とW2との合計荷重値W1+W2が所定時間(例えば5sや15s)前のW1''とW2''との合計荷重値W1''+W2''に対して所定の第7閾値(例えば3kgf)以上減少している場合、ベッド30上の被験者Hが離床のためにその上体を起こしたとして被験者Hの離床を予知したと判定する。一方、そうではない場合、被験者Hの離床を予知していないと判定する。
【0084】
こうして被験者Hの離床を予知したと判定された場合(「YES」の場合)、ステップS24へ進んで、離床を予知したことを介護者等に知らせるアラーム(離床予知アラーム)をアラーム発生手段8で所定時間発する。このステップS24を第2初期計測モードの「離床予知アラーム発生工程S24」という。このアラームを聞いた介護者は、被験者Hへの介護(介助)のために被験者Hの元へ向かうことができる。そして、ステップS25へ進む。また、被験者Hの離床を予知していないと判定された場合(「NO」の場合)もステップS25へ進む。
【0085】
ステップS25では、離床判定手段7で、被験者Hの離床に関する判定として被験者Hが離床したか否かの判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4からそれぞれベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理していない値と、被験者体重入力工程S21で入力された被験者Hの体重Bとに基づいて行う。このステップS25を第2初期計測モードの「離床判定工程S25」という。
【0086】
具体的に説明すると、第2初期計測モードの離床判定工程S25では、現在のW1〜W4を合計した総荷重値W(即ちW1+W2+W3+W4)が、計測モード選択工程S2で第2初期計測モードが選択されたときのW1'〜W4'を合計した総荷重値W'(即ちW1'+W2'+W3'+W4')に対して、被験者Hの体重Bから所定の値(例えば5kgf)を減算した値以上減少した場合、ベッド30上の被験者Hが離床したと判定する。そしてステップS15へ進む。一方、そうではない場合、ベッド30上の被験者Hは離床していないと判定し、ステップS22へ戻る。
【0087】
計測モード選択工程S2で通常計測モードが選択された場合、ステップS30へ進む。そしてステップS31では、ベッド30の重量Aをベッド重量算出手段3で算出する。このステップS31を、計測モード選択工程S2で通常計測モードが選択された場合に行う「ベッド重量算出工程S31」という。本実施形態では、このベッド重量算出工程S31は、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4がいずれも第1閾値(例えば10kgf)以上であり且つ各荷重値W1〜W4の所定時間(例えば60s)当たりの変動量がいずれも第2閾値(例えば3kgf)以下である場合、そのときの各荷重値W1〜W4を合計した総荷重値W(即ちW1+W2+W3+W4)をベッド30の重量Aとして自動的に算出するとともに、更に、そのときの各荷重値W1〜W4をそれぞれベッド30の重量Aの成分値として自動的に算出する。次いで、ステップS32へ進み、通常計測モードの離床関連判定が開始される。
【0088】
すると、離床関連判定手段5の臥床判定手段で被験者Hがベッド30上に臥床しているか否かが判定され、ベッド30上に被験者Hが臥床していると判定された場合、ステップS33へ進む。この臥床判定は、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4からそれぞれベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理した値に基づいて行われる。具体的に説明すると、例えば、このように減算処理した値を合計した総荷重値が、所定の閾値(例えば20kgf)以上である場合、ベッド30上に被験者Hが臥床したと判定し、一方、そうではない場合には、ベッド30上に被験者Hは臥床してないと判定する。この臥床判定工程はベッド30上に被験者Hが臥床していると判定されるまで繰り返し行われる。なお、この臥床判定工程は、計測モード選択工程S2で第1初期計測モード及び第2初期計測モードが選択された場合には、臥床判定をする必要がないので行われない。
【0089】
ステップS33では、離床予知判定手段6で、被験者Hの離床に関する判定として被験者Hの離床を予知したか否かの判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4からそれぞれベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理した値に基づいて行う。このステップS33を通常計測モードの「離床予知判定工程S33」という。
【0090】
具体的に説明すると、通常計測モードの離床予知判定工程S33では、現在のW1〜W4からそれぞれベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理した値に基づいてベッド30上の被験者Hの重心位置を算出する。
【0091】
この重心位置の算出は、本発明の技術分野で通常用いられる方法で行われ、具体的には例えば次の式1、2に従って行われる。
【0092】
GX=(FW1+FW2−FW3−FW4)×(1/FW)×(BX/2) …(式1)
GY=(FW1+FW3−FW2−FW4)×(1/FW)×(BY/2) …(式2)。
【0093】
ただし、GX及びGYは、ベッド30の長さ方向をX軸、ベッド30の左右方向(幅方向)をY軸にした場合における重心位置GのX座標及びY座標である。FW1〜FW4は、W1〜W4からそれぞれベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理した値であり、即ちW1〜W4をそれぞれ風袋処理した値であり、具体的に示すとFW1=W1−A1、FW2=W2−A2、FW3=W3−A3、FW4=W4−A4である。FWは、FW1〜FW4を合計した総荷重値であり、即ちWを風袋処理した値であり、具体的に示すとFW=FW1+FW2+FW3+FW4=W−Aである。BXは、ベッド30の長さ方向に隣り合う脚部間の距離であり、即ち頭側左脚部31A(又は頭側右脚部31B)と足側左脚部31C(又は足側右脚部31D)との間の距離である。BYは、ベッド30の左右方向に隣り合う脚部間の距離であり、即ち頭側左脚部31A(又は足側左脚部31C)と頭側右脚部31B(又は足側右脚部31D)との間の距離である。
【0094】
そして、離床予知判定工程S33では、この重心位置がベッド30の中央部ではなくベッド30の左右両端部のいずれか一方に位置している場合、ベッド30上の被験者Hが離床のためにベッド30の左右両端部のいずれか一方に位置しているとして被験者Hの離床を予知したと判定する。一方、そうではない場合、ベッド30上の被験者Hがベッド30の中央部に位置しており即ち被験者Hの離床を予知していないと判定する。
【0095】
こうして被験者Hの離床を予知したと判定された場合(「YES」の場合)、ステップS34へ進んで、離床を予知したことを介護者等に知らせるアラーム(離床予知アラーム)をアラーム発生手段8で所定時間発する。このステップS34を通常計測モードの「離床予知アラーム発生工程S34」という。このアラームを聞いた介護者は、被験者Hへの介護(介助)のために被験者Hの元へ向かうことができる。そして、ステップS35へ進む。また、被験者Hの離床を予知していないと判定された場合(「NO」の場合)もステップS35へ進む。
【0096】
ステップS35では、離床判定手段7で、被験者Hの離床に関する判定として被験者Hが離床したか否かの判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4からそれぞれベッド重量算出工程S31で算出されたベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理した値に基づいて行う。このステップS35を通常計測モードの「離床判定工程S35」という。
【0097】
具体的に説明すると、通常計測モードの離床判定工程S35では、現在のW1〜W4を合計した総荷重値Wからベッド30の重量Aを減算処理した値W−Aが、ベッド30上に被験者Hが臥床したときの総荷重値W'''からベッド30の重量Aを減算処理した値W'''−Aに対して所定の割合(例えば50%)以上減少した場合、ベッド30上の被験者Hが離床したと判定する。そしてステップS36へ進む。一方、そうではない場合、ベッド30上の被験者Hは離床していないと判定し、ステップS32へ戻る。
【0098】
ステップS36では、被験者Hが離床したことを介護者等に知らせるアラーム(離床予知アラーム)をアラーム発生手段8で所定時間発する。このステップS36を通常計測モードの「離床アラーム発生工程S36」という。このアラームを聞いた介護者は、被験者Hへの介護(介助)のために被験者Hの元へ向かうことができる。次いでステップS17へ進む。
【0099】
ステップS17では、上述した通常計測モードの離床関連判定工程S32〜S36が行われる。
【0100】
本実施形態の計測方法では以下の利点がある。
【0101】
第1初期計測モードの離床関連判定工程S11〜S15は、離床に関する判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4からそれぞれベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理していない値に基づいて行うものであるから、計測を開始する際にベッド30の重量Aを算出しなくても離床に関する判定を行うことができる。そのため、計測を開始する際にベッド30上に被験者Hが臥床している場合であっても介護者は被験者Hをわざわざベッド30上から降ろさなくてもよく、介護者の負担を軽減することができる。
【0102】
さらに、第2初期計測モードの離床関連判定工程S22〜S25、S15は、離床に関する判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4からそれぞれベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理していない値と、被験者体重入力工程S21で入力された被験者Hの体重Bとに基づいて行うものなので、離床に関する判定を高い精度で行うことができる。
【0103】
さらに、通常計測モードの離床関連判定工程S32〜S36は、離床に関する判定を、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4からそれぞれベッド重量算出工程S31で算出されたベッド30の重量Aの成分値A1〜A4を減算処理した値に基づいて行うものであるから、離床に関する判定を更に高い精度で行うことができる。
【0104】
しかも、この計測方法は、第1初期計測モード、第2初期計測モード及び通常計測モードの中から一つの計測モードを介護者等の操作者に選択させる計測モード選択工程S2を含んでいるので、操作者は計測を開始する際に被験者Hがベッド30上に臥床しているか否か及び被験者Hの体重Bが既知であるか否かに応じて計測モードを選択することができる。すなわち、例えば、計測を開始する際に被験者Hがベッド30上に臥床しており且つ被験者Hの体重Bが未知である場合には操作者は第1初期計測モードを選択することができ、計測を開始する際に被験者Hがベッド30上に臥床しており且つ被験者Hの体重Bが既知である場合には操作者は第2計測モードを選択することができ、一方、計測を開始する際に被験者Hがベッド30上に臥床していない場合には操作者は通常計測モードを選択することができる。
【0105】
その上、ベッド重量算出工程S16、S31は、第1初期計測モード若しくは第2初期計測モードの離床判定工程S14で被験者Hが離床したと判定された後か、又は、計測モード選択工程S2で通常計測モードが選択された場合に行うものなので、ベッド重量算出工程S16、S31でベッド30の重量Aを算出する際には被験者Hはベッド30上に在床(存在)していない。そのため、ベッド30の重量Aを容易に算出することができる。
【0106】
加えて、ベッド重量算出工程S16、S31は、第1〜第4荷重検出器1A〜1Dから出力された荷重値W1〜W4がいずれも第1閾値以上であり且つ各荷重値W1〜W4の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である場合、そのときの各荷重値W1〜W4を合計した総荷重値W(即ちW1+W2+W3+W4)をベッド30の重量Aとして自動的に算出するとともに、更に、そのときの各荷重値W1〜W4をベッド30の重量Aの成分値として自動的に算出するので、ベッド30の重量Aを更に容易に算出することができる。
【0107】
以上で本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々に変更可能である。
【0108】
また、上記実施形態では荷重検出手段の個数は4つであるが、本発明では荷重検出手段の個数は4つであることに限定されず、その他に例えば、1つであっても良いし、2つや3つであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、ベッド上における被験者の離床等の在床状況を計測するベッドの在床状況計測方法、在床状況計測装置及び在床状況計測システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0110】
1:荷重検出手段
1A〜1D:荷重検出器
3:ベッド重量算出手段
5:離床関連判定手段
6:離床予知判定手段
7:離床判定手段
11:計測モード選択手段
15:被験者体重入力手段
30:ベッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定工程と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出工程と、を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出工程は、前記初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定工程は、前記初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された後で、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測方法。
【請求項2】
ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定工程と、
前記初期計測モード及び前記通常測定モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択工程と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出工程と、を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定工程は、前記計測モード選択工程で初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出工程は、前記初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合、又は、前記計測モード選択工程で通常計測モードが選択された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定工程は、前記初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された後か、又は、前記計測モード選択工程で通常計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測方法。
【請求項3】
更に、被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力工程を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定工程は、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力工程で入力された被験者の体重とに基づいて行う請求項1又は2記載のベッドの在床状況計測方法。
【請求項4】
ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を第1初期計測モードと第2初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定工程と、
前記第1初期計測モード及び前記第2初期計測モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択工程と、
前記計測モード選択工程で第2初期計測モードが選択された場合に被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力工程と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出工程と、を含んでおり、
前記第1初期計測モードの離床関連判定工程は、前記計測モード選択工程で第1初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記第2初期計測モードの離床関連判定工程は、前記計測モード選択工程で第2初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力工程で入力された被験者の体重とに基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出工程は、前記第1初期計測モード又は前記第2初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定工程は、前記第1初期計測モード又は前記第2初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された後で、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測方法。
【請求項5】
ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を第1初期計測モードと第2初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定工程と、
前記第1初期計測モード、前記第2初期計測モード及び前記通常計測モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択工程と、
前記計測モード選択工程で第2初期計測モードが選択された場合に被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力工程と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出工程と、を含んでおり、
前記第1初期計測モードの離床関連判定工程は、前記計測モード選択工程で第1初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記第2初期計測モードの離床関連判定工程は、前記計測モード選択工程で第2初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力工程で入力された被験者の体重とに基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出工程は、前記第1初期計測モード若しくは前記第2初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された場合、又は、前記計測モード選択工程で通常計測モードが選択された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定工程は、前記第1初期計測モード若しくは前記第2初期計測モードの離床関連判定工程で被験者が離床したと判定された後か、又は、前記計測モード選択工程で通常計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出工程で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測方法。
【請求項6】
前記ベッド重量算出工程は、前記荷重検出手段から出力された荷重値が第1閾値以上であり且つ前記荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である場合、そのときの前記荷重値をベッドの重量として自動的に算出する請求項1〜5のいずれかに記載のベッドの在床状況計測方法。
【請求項7】
ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定手段と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出手段と、を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定手段は、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された後で、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出手段で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測装置。
【請求項8】
ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定手段と、
前記初期計測モード及び前記通常測定モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択手段と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出手段と、を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定手段は、前記計測モード選択手段で初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された場合、又は、前記計測モード選択手段で通常計測モードが選択された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された後か、又は、前記計測モード選択手段で通常計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出手段で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測装置。
【請求項9】
更に、被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力手段を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定手段は、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力手段で入力された被験者の体重とに基づいて行う請求項7又は8記載のベッドの在床状況計測装置。
【請求項10】
ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を第1初期計測モードと第2初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定手段と、
前記第1初期計測モード及び前記第2初期計測モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択手段と、
前記計測モード選択手段で第2初期計測モードが選択された場合に被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力手段と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出手段と、を含んでおり、
前記第1初期計測モードの離床関連判定手段は、前記計測モード選択手段で第1初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記第2初期計測モードの離床関連判定手段は、前記計測モード選択手段で第2初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力手段で入力された被験者の体重とに基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出手段は、前記第1初期計測モード又は前記第2初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定手段は、前記第1初期計測モード又は前記第2初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された後で、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出手段で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測装置。
【請求項11】
ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を第1初期計測モードと第2初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定手段と、
前記第1初期計測モード、前記第2初期計測モード及び前記通常計測モードの中から一つの計測モードを操作者に選択させる計測モード選択手段と、
前記計測モード選択手段で第2初期計測モードが選択された場合に被験者の体重を操作者に入力させる被験者体重入力手段と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出手段と、を含んでおり、
前記第1初期計測モードの離床関連判定手段は、前記計測モード選択手段で第1初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記第2初期計測モードの離床関連判定手段は、前記計測モード選択手段で第2初期計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値と前記被験者体重入力手段で入力された被験者の体重とに基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出手段は、前記第1初期計測モード若しくは前記第2初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された場合、又は、前記計測モード選択手段で通常計測モードが選択された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定手段は、前記第1初期計測モード若しくは前記第2初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された後か、又は、前記計測モード選択手段で通常計測モードが選択された場合に、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出手段で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測装置。
【請求項12】
前記ベッド重量算出手段は、前記荷重検出手段から出力された荷重値が第1閾値以上であり且つ前記荷重値の所定時間当たりの変動量が第2閾値以下である場合、そのときの前記荷重値をベッドの重量として自動的に算出する請求項7〜11のいずれかに記載のベッドの在床状況計測装置。
【請求項13】
ベッドの下側に配置されるとともにベッドに掛かる荷重を検出する荷重検出手段から出力された荷重値を用いて、ベッド上の被験者の離床に関する判定を初期計測モードと通常計測モードで行う離床関連判定手段と、
前記荷重検出手段から出力された荷重値に基づいてベッドの重量を算出するベッド重量算出手段と、を含んでおり、
前記初期計測モードの離床関連判定手段は、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値からベッドの重量を減算処理していない値に基づいて行うものであり、
前記ベッド重量算出手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された場合に行うものであり、
前記通常計測モードの離床関連判定手段は、前記初期計測モードの離床関連判定手段で被験者が離床したと判定された後で、離床に関する判定を、前記荷重検出手段から出力された荷重値から前記ベッド重量算出手段で算出されたベッドの重量を減算処理した値に基づいて行うことを特徴とするベッドの在床状況計測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−111373(P2013−111373A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262276(P2011−262276)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】