説明

ベッドサイドキャビネット

【課題】従来のベッドサイドキャビネットでは、上部要素やディスプレイ支持具がいずれも片持式に支持される構成であり、強度を上げるために数々の不都合がある。
【解決手段】本発明では、ベッドサイドキャビネットの本体1の上部において、下側要素2の上方に、上側要素3を、本体の後側に構成した支持部4により間隔を置いて支持して、上側要素の下面と下側要素の上面の間にディスプレイの設置空間6を構成し、前記支持部よりも前方側において、前記上側要素の下面と前記下側要素の上面間に支柱14を設けると共に、この支柱に屈曲アーム式ディスプレイ支持具18を旋回角度調節可能に支持する構成としたベッドサイドキャビネットを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベッドサイドキャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院や介護施設等の病室等において、利用者がベッド上でテレビを視聴したり、院内情報端末を利用するために、液晶等の薄型のテレビやモニター等のディスプレイをベッドの近傍に設置することが多く行われている。
【0003】
ベッドの近傍にディスプレイを設置する方法としては、従来から、(a)天井や壁面に屈曲アーム式等のディスプレイ支持具を取り付けて支持する方法、(b)ベッドのヘッドボードやフットボードにディスプレイ支持具を取り付けて支持する方法、(c)ベッドサイドに置いて、ベッドの利用者が身の回りの小物類等の物品を収納するのに使用するベッドサイドキャビネットに載置部を構成して、そこにディスプレイを載置して支持する方法、(d)ベッドサイドキャビネットにディスプレイ支持具を取り付けて支持する方法等が行われている。
【0004】
本発明は、(d)のベッドサイドキャビネットにディスプレイ支持具を取り付けて支持する方法に関するもので、このような方法を採用している従来技術としては、例えば特許文献1〜特許文献3に記載されているようなものがある。
【0005】
まず特許文献1に記載されたベッドサイドキャビネットは、下側の収納部の上方にディスプレイ設置用の空間部を隔てて天井部が構成されており、この天井部の下面にディスプレイ支持具が取り付けられている。このディスプレイ支持具は、ディスプレイ取付体が縦軸の回りに回転可能に吊持された構成である。ディスプレイ支持具が取り付けられる天井部は、前方側から側面コ字状に切り欠かれている側板と後側の板体とにより片持式に支持されている。
【0006】
次に特許文献2に記載されたベッドサイドキャビネットは、特許文献1と同様に下側の収納部の上方にディスプレイ設置用の空間部を隔てて天井部が構成されており、この天井部の下面にディスプレイ支持具が取り付けられている。このディスプレイ支持具は、縦軸の回りに回転可能に吊持されたディスプレイ取付体がレールに沿ってベッドサイドキャビネットの前後方向に移動可能とされた構成である。この特許文献2においても、ディスプレイ支持具が取り付けられる天井部は、前方側から側面コ字状に切り欠かれている側板と後側の板体とにより片持式に支持されている。
【0007】
次に特許文献3に記載されたベッドサイドキャビネットは、下側の収納部の後側に左右2本の支柱を立設し、それらの支柱の上端は前方に向かって折り曲げられていて、それらには、図示されてはいないが、上側の収納部としての上部収納ボックスが取り付けられるようになっている。即ち、上側の収納部は、後側の支柱により、上述した特許文献1、2のベッドサイドキャビネットと同様に片持式に支持される構成である。そして、左右2本の支柱間を連結する梁部材の中央にディスプレイ支持具が取り付けられており、このディスプレイ支持具は後側から前方に突出したアームが縦軸の回りに回転可能に支持されると共に、アームの先端側にはディスプレイ取付用のブラケットが縦軸の回りに回転可能に連結されている構成である。
【0008】
また特許文献4に記載されたベッドサイドキャビネットは、特許文献1と同様に下側の収納部の上方にディスプレイ設置用の空間部を隔てて天井部が構成されており、下側の収納部のテーブル面の後側に一段高く形成された蓋板に沿って屈曲アーム式ディスプレイ支持具が回動移動可能に設けられ構成である。この特許文献4においても天井部は、前方側から側面コ字状に切り欠かれている側板と後側の板体とにより片持式に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−208834号公報
【特許文献2】特開2006−139215号公報
【特許文献3】特開2005−198923号公報
【特許文献4】特開2007−124024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1と特許文献2に示されるベッドサイドキャビネットでは、ディスプレイ支持具を介してディスプレイの荷重を支持する天井部が片持式に支持される構成であるため、側板は、前方側から側面コ字状に切り欠かれた構成ではあっても、荷重を支えるために縁が前方側に突出しており、この突出した側板の縁が、ベッドサイドキャビネットの横方向からのディスプレイの視聴の妨げになりやすい。また天井部は、ディスプレイの荷重を支えるため、その上に載せる物品の重量は軽いものに制限されてしまう。
【0011】
また特許文献3と特許文献4に示されるベッドサイドキャビネットでは、ディスプレイ支持具を構成する片持ちのアームが後側から前方側に突出する構成であり、アーム長が長いため、支持可能なディスプレイの重量が制限される。またディスプレイの設置空間よりも上方の上側の収納部や天井部は、特許文献1、特許文献2と同様に片持ちで支持されるため、収納または載置する重量が制限されてしまう。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明では、まず、ベッドサイドキャビネットの本体の上部において、下側要素の上方に、上側要素を、本体の後側に構成した支持部により間隔を置いて支持して、上側要素の下面と下側要素の上面の間にディスプレイの設置空間を構成し、前記支持部よりも前方側において、前記上側要素の下面と前記下側要素の上面間に支柱を設けると共に、この支柱に屈曲アーム式ディスプレイ支持具を旋回角度調節可能に支持する構成としたベッドサイドキャビネットを提案する。
【0014】
また本発明では、上記の構成において、屈曲アーム式ディスプレイ支持具は、支柱に旋回角度調節可能に支持する支持部材と、この支持部材に横方向に突設した第1のアームと、この第1のアームの先端側に縦軸の回りに回転可能に連結した第2のアームと、一端側を前記第2のアームの先端側に縦軸の回りに回転可能に連結すると共に、他端側にディスプレイ取付金具を横軸の回りに回転可能に連結した取付部材とから構成したベッドサイドキャビネットを提案する。
【0015】
また本発明では、上記の構成において、支持部材は、支柱に相対回転可能に嵌合した筒体として構成し、支持部材及び支柱には、支持部材の回転ストロークを規定する規定手段を構成すると共に、回転ストロークの両端側において回転を不能とするストッパー手段を構成したベッドサイドキャビネットを提案する。
【0016】
また本発明では、上記の構成において、回転ストロークの規定手段は、支持部材に回転ストロークに対応して回転方向に形成した溝と、支柱に形成して前記溝に係合する突出部とから構成したベッドサイドキャビネットを提案する。
【0017】
また本発明では、上記の構成において、ストッパー手段は、回転ストロークの両端側に対応して支柱に形成した嵌合孔と、第1のアームから支持部材の内側にバネの付勢により突出可能に設けたストッパーピンと、このストッパーピンを付勢に抗して後退させる操作レバーとから構成したベッドサイドキャビネットを提案する。
【0018】
また本発明では、上記の構成において、支柱に配線用孔を形成し、屈曲アーム式ディスプレイ支持具を構成する第1のアーム、第2のアーム及び配線用孔を介して支柱内を通して配線を行う構成としたベッドサイドキャビネットを提案する。
【0019】
また本発明では、上記の構成において、屈曲アーム式ディスプレイ支持具を構成する第1のアームと、本体の後側の支持部により載置板を支持可能としたベッドサイドキャビネットを提案する。
【0020】
また本発明では、上記の構成において、本体の後側に構成した支持部は板体として構成し、この板体から支柱の近傍まで仕切板を取付可能に構成したベッドサイドキャビネットを提案する。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、本体の上部において、下側要素の上方に、上側要素を、本体の後側に構成した支持部により間隔を置いて支持して、上側要素の下面と下側要素の上面の間にディスプレイの設置空間を構成したベッドサイドキャビネットにおいて、屈曲アーム式ディスプレイ支持具を旋回角度調節可能に支持する支柱を、前記支持部よりも前方側において、前記上側要素の下面と前記下側要素の上面間に設けたので、上側要素は、本体の後側の支持部と、それから距離を置いた支柱とにより、片持ちでなく強固に支持される。
【0022】
このため、本体の後側の支持部は、板体とすることができ、従来のように前方側に突出する側板を不要とすることができるため、ディスプレイの視聴の妨げにならない。
【0023】
屈曲アーム式ディスプレイ支持具は、本体の後側から前方側に寄った位置に支持されるため、横方向のアーム長を短くすることができ、ディスプレイの制限重量をより大きくすることができる。
【0024】
支柱に旋回角度調節可能に支持する支持部材と、この支持部材に横方向に突設した第1のアームと、この第1のアームの先端側に縦軸の回りに回転可能に連結した第2のアームと、一端側を前記第2のアームの先端側に縦軸の回りに回転可能に連結すると共に、他端側にディスプレイ取付金具を横軸の回りに回転可能に連結した取付部材とから構成した屈曲アーム式ディスプレイ支持具では、第2のアームを第1のアームの基部側に折り返すように屈曲させた状態でディスプレイを、その長手方向を前後方向に対応させて前記設置空間内に格納状態とすることができる。
【0025】
支柱に配線用孔を形成し、屈曲アーム式ディスプレイ支持具を構成する第1のアーム、第2のアーム及び配線用孔を介して支柱内を通して配線を行う構成とすることにより、配線が邪魔になったり、美観を損ねたりすることがない。
【0026】
本体の後側に構成した支持部は板体として構成し、この板体から支柱の近傍まで仕切板を取付ることにより、前記設置空間を区画することができ、一方の区画側を上述したディスプレイの格納空間とすると共に、他方の区画側を物品の収納空間とすることができる。この格納空間における物品の格納は、例えば、屈曲アーム式ディスプレイ支持具を構成する第1のアームと、本体の後側の支持部により載置板を支持し、この載置板に載置して物品を収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は本発明に係るベッドサイドキャビネットの第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図2は図1の状態のベッドサイドキャビネットに仕切板を取り付け、更に第1のアームと、本体の後側の支持部により載置板を支持した状態を示す斜視図である。
【図3】図3は図2の状態のベッドサイドキャビネットのディスプレイ支持具によりディスプレイを支持した状態を示す斜視図である。
【図4】図4はディスプレイ支持具によるディスプレイの支持状態を示す要部斜視図である。
【図5】図5はディスプレイ支持具によるディスプレイの支持状態を図4とは別の位置から見た状態を示す要部斜視図である。
【図6】図6はディスプレイ支持具によるディスプレイの支持状態を図4とは異なった角度に変更した状態の要部斜視図である。
【図7】図7は図4の状態の要部を切り欠いた説明的斜視図である。
【図8】図8は図7とは異なった局面で示す図4の状態の要部を切り欠いた説明的斜視図である。
【図9】図9はディスプレイの支持範囲を示す説明的平面図である。
【図10】図10はディスプレイの格納状態を示す正面側斜視図である。
【図11】図11はディスプレイの格納状態を示す側面側斜視図である。
【図12】図12はディスプレイの配線状態を示す要部斜視図である。
【図13】図13はディスプレイの配線状態を示す要部側面図である。
【図14】図14はディスプレイの配線状態を示す他の要部斜視図である。
【図15】図15はディスプレイ支持具を支柱に旋回角度調節可能に支持する支持部材の他の実施の形態を示すもので、(a)は拡散図、(b)は支持状態の横断面図である。
【図16】図16はディスプレイ支持具を支柱に旋回角度調節可能に支持する支持部材の更に他の実施の形態を示すもので、(a)は拡散図、(b)は支持状態の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に本発明のベッドサイドキャビネットの実施の形態を添付した図1〜図16を参照して説明する。
まず図1〜図14は第1の実施の形態に係るもので、これらの図において符号1はベッドサイドキャビネットの本体を概して示すもので、この本体1は、その上部において、下側要素2の上方に、上側要素3を、後側に構成した支持部4により間隔を置いて支持して、上側要素3の下面と下側要素2の上面の間にディスプレイ5の設置空間6を構成している。
【0029】
ここで図に示す実施の形態においては、下側要素2としては、正面側に扉を設けた収納部7と引出8等を設けた箱体として構成されており、その上部の後側には支持台部9により支持板10が一段高く支持されている。そして支持板10の下側空間は適宜の装置11等の設置空間として構成されている。
【0030】
一方、上側要素3としては、正面側に扉を設けた収納部12と、側面側に差込収納部13を設けた箱体として構成されており、この上側要素3は、支持部4としての板体により、下側要素2の上方に支持されている。
【0031】
そしてこの実施の形態では、前記上側要素3の下面と前記下側要素2の上面、この場合、支持板9の上面間に、板体の支持部4よりも前方側において、支柱14を設けている。この支柱14は支持部4から距離を置いており、その間には枠体15を設けている。この枠体15は後述するように配線16を通すダクトとして利用すると共に、仕切板17を装着して支持する手段として使用している。
【0032】
本発明では、支柱14に屈曲アーム式ディスプレイ支持具18を旋回角度調節可能に支持する構成としており、この実施の形態では、屈曲アーム式ディスプレイ支持具18は、支柱14に旋回角度調節可能に支持する支持部材19と、この支持部材19に横方向に突設した第1のアーム20と、この第1のアーム20の先端側に縦軸の回りに回転可能に連結した第2のアーム21と、一端側を前記第2のアーム21の先端側に縦軸の回りに回転可能に連結すると共に、他端側にディスプレイ取付金具22を横軸の回りに回転可能に連結した取付部材23とから構成している。このような構成のディスプレイ支持具と構成の異なる適宜のディスプレイ支持具を使用できることは勿論である。
【0033】
この実施の形態では支持部材19は、支柱14に相対回転可能に嵌合した筒体として構成しており、また支持部材19及び支柱14には、支持部材19の回転ストロークを規定する規定手段24を構成すると共に、回転ストロークの両端側において回転を不能とするストッパー手段25を構成している。
【0034】
ここで、回転ストロークの規定手段24は、回転ストロークに対応して支柱14に回転方向に形成した溝26と、前記支持部材19から突出させて前記溝26に係合する突出部27とから構成している。そしてストッパー手段25は、回転ストロークの両端側に対応して支柱14に形成した嵌合孔28a,28bと、第1のアーム20から支持部材19の内側にバネ29の付勢により突出可能に設けたストッパーピン30と、このストッパーピン30を付勢に抗して後退させる操作レバー31とから構成している。
【0035】
以上の構成において、図7に示されるように、ストッパーピン30がバネ29の付勢力により突出して支柱14に形成された嵌合孔28a(図7には図示省略)に嵌合している状態では、第1のアーム20は支柱14に対して上方からみて時計回りに回転したストロークの終端において支持されており、この状態ではディスプレイ5は図5及び図9の2点鎖線に示されるように、ベッドサイドキャビネット1の正面側から見て左側に支持されている。
【0036】
配置替え等によりベッドサイドキャビネット1の正面側から見て左側にディスプレイ5を支持しようとする場合には、図7において操作レバー31をバネ29の付勢力に抗して手前側に移動すると、図8に示されるようにストッパーピン30が嵌合孔28aから後退して嵌合が解除されるため、支持部材19が支柱14に対して回転可能となる。この状態において、支持部材19を支柱14に対して上方からみて反時計回りに回転すると、ストロークの終端においてストッパーピン30が嵌合孔28bに対応するので、操作レバー31から手を離すと、ストッパーピン30がバネ29の付勢力により前進して嵌合孔28bに嵌合する。
【0037】
この状態では、図1〜図4、図6及び図9の実線のように、第1のアーム20は上述したように支柱14に対して上方からみて反時計回りに回転したストロークの終端において支持され、従ってディスプレイ5は図3に示されるように、ベッドサイドキャビネット1の正面側から見て右側に支持されることになる。
【0038】
そしてこの実施の形態における屈曲アーム式ディスプレイ支持具18においては、第2のアーム21を第1のアーム20の基部側に折り返すように屈曲させた状態でディスプレイ5を、図10、図11に示されるように、その長手方向を前後方向に対応させて前記設置空間6内に格納状態とすることができる。
【0039】
尚、支持部材19を、それに加わる荷重に抗して支柱14の所定高さに支持する手段は、上記ストッパーピン30と嵌合孔28a,28b及び溝26と突出部27に加えて、適宜の支持手段を付加することができることは勿論であり、またこれらの支持手段により、支持部材19を、支柱14の適宜の高さに支持可能とすることもできる。
【0040】
一方、支柱14には配線用孔32が形成されており、これにより図12〜図14に示されるように、屈曲アーム式ディスプレイ支持具22を構成する第1のアーム20、第2のアーム21及び配線用孔32を介して支柱14内を通してベッドサイドキャビネット1の背面側に配線を行う構成としている。従って、配線が邪魔になったり、美観を損ねたりすることがない。
【0041】
上述したとおり、本発明のベッドサイドキャビネットでは、本体1の上部において、下側要素2の上方に、上側要素3を、本体1の後側に構成した支持部4により間隔を置いて支持して、上側要素3の下面と下側要素2の上面の間にディスプレイ5の設置空間6を構成しており、そして、屈曲アーム式ディスプレイ支持具18を旋回角度調節可能に支持する支柱14を、前記支持部4よりも前方側において、前記上側要素3の下面と前記下側要素2の上面間に設けたので、上側要素3は、本体1の後側の支持部4と、それから距離を置いた支柱14とにより、片持ちでなく強固に支持される。
【0042】
このため、本体1の後側の支持部4は、上述したとおり板体とすることができ、従来のように前方側に突出する側板を不要とすることができるため、ベッドサイドキャビネットの横側からのディスプレイ5の視聴の妨げにならない。また上側要素3は強固に支持されるため、重量物を載置したり、大容量の収納が可能な収納部として構成することができる。
【0043】
一方、屈曲アーム式ディスプレイ支持具18は、本体1の後側から前方側に寄った位置に支持されるため、横方向のアーム長を短くしても、ディスプレイ5をベッドからの視聴に適した位置に容易に調整することができると共に、不要時には上述したように設置空間6の片側に合理的に格納状態とすることができ、また必要によってはディスプレイの制限重量をより大きくすることができる。
【0044】
上述したように本体1の後側に構成した支持部4は板体として構成し、この板体4から支柱14の近傍まで仕切板17を取付ることにより、前記設置空間6を区画することができ、一方の区画側を上述したようにディスプレイ5の格納空間とすると共に、他方の区画側を物品の収納空間とすることもできる。
【0045】
この収納空間における物品の収納は、例えば屈曲アーム式ディスプレイ支持具18を構成する第1のアーム20と、本体1の後側の支持部14に設けた装着溝33により載置板34を載置し、この載置板34に物品を載置して収納することができる。尚、図示は省略しているが、載置板34の後側には、上記装着溝33に嵌合する突出部を設けている。
【0046】
尚、屈曲アーム式ディスプレイ支持具18を支柱14に対して旋回角度調整可能に支持する支持部材19としては、筒体以外にも図15又は図16に示されるように適宜の構成とすることができる。
【0047】
即ち、図15では支持部材19は、支柱14が通過可能な開口を有する包持部材35として形成し、雌ねじ部36に螺合した締付ねじ37により支柱14を包持部材35に圧接させることにより、包持部材35を支柱14に対して移動不能に支持すると共に、締付ねじ37を緩めることにより、支持位置を変更可能とする構成である。
【0048】
また図16では、支持部材19は、支柱14を係合させる凹部を設けた主挟持部材38と従挟持部材39を要素とし、主挟持部材38と従挟持部材39により支柱14を囲んで締付ねじ40により締め付けることにより、支持部材19を支柱14に対して移動不能に支持すると共に、締付ねじ37を緩めることにより、支持位置を変更可能とする構成である。
【0049】
図15や図16に示される支持部材19は、上述した筒体としての支持部材19に代えて屈曲アーム式ディスプレイ支持具18を支柱14に対して支持するようにする他、筒体としての支持部材19による屈曲アーム式ディスプレイ支持具18の支持と併用して、ディスプレイ5以外の物品を支持する用途に利用することもできる。
【符号の説明】
【0050】
1 ベッドサイドキャビネットの本体
2 下側要素
3 上側要素
4 支持部(板体)
5 ディスプレイ
6 設置空間
7 収納部
8 引出
9 支持台部
10 支持板
11 制御装置
12 収納部
13 差込収納部
14 支柱
15 枠体
16 配線
17 仕切板
18 屈曲アーム式ディスプレイ支持具
19 支持部材(筒体)
20 第1のアーム
21 第2のアーム
22 ディスプレイ取付金具
23 取付部材
24 回転ストロークの規定手段
25 ストッパー手段
26 溝
27 突出部
28a,28b 嵌合孔
29 バネ
30 ストッパーピン
31 操作レバー
32 配線用孔
33 装着溝
34 載置板
35 包持部材
36 雌ねじ部
37 締付ねじ
38 主挟持部材
39 従挟持部材
40 締付ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドサイドキャビネットの本体の上部において、下側要素の上方に、上側要素を、本体の後側に構成した支持部により間隔を置いて支持して、上側要素の下面と下側要素の上面の間にディスプレイの設置空間を構成し、前記支持部よりも前方側において、前記上側要素の下面と前記下側要素の上面間に支柱を設けると共に、この支柱に屈曲アーム式ディスプレイ支持具を旋回角度調節可能に支持する構成としたことを特徴とするベッドサイドキャビネット。
【請求項2】
屈曲アーム式ディスプレイ支持具は、支柱に旋回角度調節可能に支持する支持部材と、この支持部材に横方向に突設した第1のアームと、この第1のアームの先端側に縦軸の回りに回転可能に連結した第2のアームと、一端側を前記第2のアームの先端側に縦軸の回りに回転可能に連結すると共に、他端側にディスプレイ取付金具を横軸の回りに回転可能に連結した取付部材とから構成したことを特徴とする請求項1に記載のベッドサイドキャビネット。
【請求項3】
支持部材は、支柱に相対回転可能に嵌合した筒体として構成し、支持部材及び支柱には、支持部材の回転ストロークを規定する規定手段を構成すると共に、回転ストロークの両端側において回転を不能とするストッパー手段を構成したことを特徴とする請求項2に記載のベッドサイドキャビネット。
【請求項4】
回転ストロークの規定手段は、支持部材に回転ストロークに対応して回転方向に形成した溝と、支柱に形成して前記溝に係合する突出部とから構成したことを特徴とする請求項3に記載のベッドサイドキャビネット。
【請求項5】
ストッパー手段は、回転ストロークの両端側に対応して支柱に形成した嵌合孔と、第1のアームから支持部材の内側にバネの付勢により突出可能に設けたストッパーピンと、このストッパーピンを付勢に抗して後退させる操作レバーとから構成したことを特徴とする請求項3に記載のベッドサイドキャビネット。
【請求項6】
支柱に配線用孔を形成し、屈曲アーム式ディスプレイ支持具を構成する第1のアーム、第2のアーム及び配線用孔を介して支柱内を通して配線を行う構成としたことを特徴とする請求項2に記載のベッドサイドキャビネット。
【請求項7】
屈曲アーム式ディスプレイ支持具を構成する第1のアームと、本体の後側の支持部により載置板を支持可能としたことを特徴とする請求項2に記載のベッドサイドキャビネット。
【請求項8】
本体の後側に構成した支持部は板体として構成し、この板体から支柱の近傍まで仕切板を取付可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のベッドサイドキャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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