説明

ベッドマットレス用スプリング構造

【課題】ベッド用マットレスの使用時、スプリングによる接触騒音を防止し、連結端が本体スプリングの最上端巻線に反復的に摩擦接触することによるスプリング自体の変形を防止する。
【解決手段】コイル形態の本体スプリング10と、この本体スプリング10の上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリング18と、前記上端スプリング16の上部一体に形成された露出線スプリング20と、前記上端スプリング16と露出線スプリング20一体を結ぶ連結端24を含むベッドマットレス用スプリング構造において、前記連結端24に前記本体スプリング10の最上端巻線12の外側に位置された前記上端スプリング16の終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端30を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドマットレス用スプリング構造に関し、更に詳しくは、ベッドマットレス用本体スプリング及び露出線スプリングとを結ぶ連結端構造を本体スプリングの最上端巻線に触れない構造に改善し、接触時の騒音を防止すると共に摩擦接触によるスプリングの変形を防止することができ、スプリングの弾性強度を更に強化してスプリングの寿命を延ばしたベッドマットレス用スプリング構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ベッド用マットレスはベッドのフレーム上に搭載され、クッション力及び緩衝力を提供する手段として、基本的にスプリング組立体と、このスプリング組立体の上下面に積層、付着される中間部材と、スプリング組立体の周辺面に差し込まれて付着されるエッジフォーマーと、前記中間部材及びエッジフォーマーの表面を包むカバー部材などを含め製作されている。
【0003】
特に、前記スプリング組立体はマットレスの面積にわたり等間隔で配列されるスプリングと、このスプリングを結束させるらせんコイル(helical coil)で構成される。
【0004】
ここで、本発明の理解のためベッド用マットレスの製作工程を添付した図13を参照にして簡略に見てみると下記の通りである。
【0005】
多数のスプリング1をマットレス面積にわたり左右等間隔で配列させると同時に、らせんコイルで固定させて構成されるスプリング組立体2の製作段階と、前記スプリング組立体2の周辺面に支持手段として、エッジフォーマー3(edge former)を挿入、付着した後、前記スプリング組立体2の上下面に中間部材4として、フェルト及び不織布を含む数重のクッション手段を連続的に積層する段階と、前記中間部材4の上下面及び周辺面そしてエッジフォーマー3の外表面などをカバー5でかぶせた後、カバー5の継ぎ目を縫合手段6で縫合処理する段階を通してベッド用マットレス800の製作が行われる。
【0006】
したがって、使用者の就寝または休息時にマットレスに加えられる荷重が前記中間部材のクッション力及びスプリングの緩衝力により吸収及び緩衝され、使用者は便利さ及び快適感を感じるようになる。
【0007】
ここで、スプリング組立体を構成する従来のベッドマットレス用スプリング構造を見てみると下記の通りである。
【0008】
添付した図10a及び図10bは従来のスプリング構造についての一例を表す斜視図及び側面図である。
【0009】
図10a及び図10bに図示したように、従来のスプリング600は中央部から上下方向にその直径が次第に大きくなるコイル形態の本体スプリング10と、前記本体スプリング10の最上端巻線12の終端部分で水平に巻かれて延長された上端スプリング16と、前記本体スプリング10の最下端巻線14の終端部分で水平に巻かれて延長された下端スプリング18に分けることができる。
【0010】
この時、前記上端スプリング16の終端は前記本体スプリング10の最上端巻線12の終端部分にねじられる形で固定され、前記下端スプリング18の終端は前記本体スプリング10の最下端巻線14の終端部分にねじられる形で固定される。
【0011】
しかし、前記従来のスプリングを適用してベッド用マットレスを製作した時、下記のような短所を有する。
【0012】
マットレスに加えられる荷重はスプリングで最終緩衝して吸収されるため、大小全ての荷重をスプリングが最終的に緩衝して吸収する。
【0013】
このように互いに異なる荷重が不規則的に集中すると、スプリングの変形が早く進んでしまう憂慮があり、またスプリングの変形により隣り合うスプリング同士が接触して騒音発生の原因になる得る。
【0014】
このような点を勘案し、大小の荷重を別途に分散、緩衝させることができるようにした二重緩衝構造を有する異なる形態のスプリングが製作され、その形状は添付した図11a乃至図11cに図示した通りである。
【0015】
図11a乃至図11cに図示した通り、従来の異なる形態を有するスプリング700は、図10a及び図10bに図示されたスプリング構造のように中央部で上下方向にその直径が大きくなるコイル形態の本体スプリング10と、前記本体スプリング10の最上端巻線12の終端部分で水平に巻かれて延長された上端スプリング16と、前記本体スプリング10の最下端巻線14の終端部分で水平に巻かれて延長された下端スプリング18に分けることができ、前記上端スプリング16の上側一体に別途の露出線スプリング20が形成されている点に特徴がある。
【0016】
この時、前記上端スプリング16の終端は前記露出線スプリング20と一体に連結され、前記下端スプリング18の終端は前記本体スプリング10の最下端巻線14の終端部分にねじられる形で固定される。
【0017】
前記露出線スプリング20は本体スプリング10より小さい直径を持ちながらコイル形態に巻かれた形状を有し、前記本体スプリング10に比べて容易に圧縮変形される弾性力を有する。
【0018】
特に、前記上端スプリング16の終端から露出線スプリング20に延長された部分(以下、連結端と称す)が全体スプリングの垂直中心軸方向に向かってらせん型に伸びているため、上から見た時に前記連結端24とその真下に位置する前記本体スプリング10の最上端巻線12が互いに交差された状態になる。
【0019】
したがって、ベッドマットレスに小さい荷重(使用者が寝返る程度の荷重)が加えられる場合には前記露出線スプリング20でその衝撃を緩衝/吸収し、マットレスに大きな荷重(使用者が瞬間的に座るなどの荷重)が加えられる場合には前記本体スプリング10でその衝撃を緩衝/吸収する。
【0020】
このようにベッドマットレスに加えられる荷重の大きさにより、前記本体スプリングと露出線スプリングでその緩衝機能を別途に行うことで、スプリングの変形防止及び寿命延長効果を得ることができる。
【0021】
しかし、従来の異なる形態を有するスプリングは下記のような短所を有する。
【0022】
添付した図12に図示されたように、ベッドマットレスに荷重が加えられると共に露出線スプリング20の圧縮が行われ、同時に前記上端スプリング16の終端と前記露出線スプリング20を結んでいる連結端24にも圧縮荷重が加えられると、前述したように上から見た時に前記連結端24とその真下に位置する前記本体スプリング10の最上端巻線12が互いに交差された状態であるため、前記連結端24が下降しながらその真下に位置した前記本体スプリング10の最上端巻線12に触れて接触騒音を発生させるという短所がある。
【0023】
また、ベッドマットレスに大きな荷重が加えられる場合には、前記露出線スプリング20が圧縮されると同時に前記本体スプリング10が圧縮されるため、前記露出線スプリング20が圧縮される時に前記連結端24が同時に下降しながら前記本体スプリング10の最上端巻線12に更に大きな衝撃で触れ、結局騒音を更に大きく発生させてしまう。
【0024】
このように、ベッド用マットレスの使用時、スプリングによる接触騒音は使用者へ大きなストレスとなるため、ベッド用マットレス製品の致命的な短所になり得る。
【0025】
また、前記連結端が本体スプリングの最上端巻線に反復的に摩擦接触をすると、早いうちにスプリング自体の変形を招いたりもする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は、前述した短所を勘案して案出したもので、ベッドマットレス用本体スプリングと露出線スプリングとを結ぶ連結端構造を本体スプリングの最上端巻線に触れない構造に改造し、マットレスに加えられる荷重により露出線スプリングが圧縮される時に前記連結端が本体スプリングの巻線に全く触れないようにすることで、接触騒音を源泉的に防止することができ、摩擦接触によるスプリングの変形を防止することができ、スプリングの弾性強度を更に強化させてスプリングの寿命を延ばしたベッドマットレス用スプリング構造を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
前述した目的を達成するための本発明の一具現例は、
コイル形態の本体スプリングと、この本体スプリングの上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリングと、前記上端スプリングの上側一体に形成された露出線スプリングと、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端を含むベッドマットレス用スプリング構造において、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端に前記本体スプリングの最上端巻線の外側に位置された前記上端スプリングの終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端を形成することを特徴とするベッドマットレス用スプリング構造を提供する。
【0028】
前述した目的を達成するための本発明の別の具現例は、
コイル形態の本体スプリングと、この本体スプリングの上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリングと、前記上端スプリングの上側一体に形成された露出線スプリングと、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端を含むベッドマットレス用スプリング構造において、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端に前記本体スプリングの最上端巻線の外側に位置された前記上端スプリングの終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端を形成し、前記第1接触防止端の下側に位置された前記本体スプリングの最上端巻線に上方向へ斜めに折り曲げられた第2接触防止端を形成することを特徴とするベッドマットレス用スプリング構造を提供する。
【0029】
前述した目的を達成するための本発明のまた別の具現例は、
コイル形態の本体スプリングと、この本体スプリングの上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリングと、前記上端スプリングの上側一体に形成された露出線スプリングと、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端を含むベッドマットレス用スプリング構造において、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端に前記本体スプリングの最上端巻線の外側に位置された前記上端スプリングの終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端を形成し、前記下端スプリングの下側一体に露出線スプリングを更に形成しながら、前記下端スプリングと露出線スプリングの連結端に前記第1接触防止端を同様に形成することを特徴とするベッドマットレス用スプリング構造を提供する。
【0030】
前述した目的を達成するための本発明のまた別の具現例は、
コイル形態の本体スプリングと、この本体スプリングの上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリングと、前記上端スプリングの上側一体に形成された露出線スプリングと、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端を含むベッドマットレス用スプリング構造において、 前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端に前記本体スプリングの最上端巻線の外側に位置された前記上端スプリングの終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端を形成し、前記第1接触防止端の下側に位置された前記本体スプリングの最上端巻線に上方向へ斜めに折り曲げられた第2接触防止端を形成し、前記下端スプリングの下側一体に露出線スプリングを更に形成しながら前記下端スプリングと露出線スプリングの連結端に前記第1接触防止端を同様に更に形成すると同時に、前記下端スプリングで本体スプリングの最下端巻線に結ばれる部分に前記第2接触防止端を同様に更に形成することを特徴とするベッドマットレス用スプリング構造を提供する。
【0031】
前述した目的を達成するための本発明のまた別の具現例は、
コイル形態の本体スプリングと、この本体スプリングの上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリングと、前記上端スプリングの上側一体に形成された露出線スプリングと、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端を含むベッドマットレス用スプリング構造において、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端に前記本体スプリングの最上端巻線の外側に位置された前記上端スプリングの終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端を形成し、前記第1接触防止端の下側に位置された前記本体スプリングの最上端巻線に上方向へ斜めに折り曲げられた第2接触防止端を形成し、前記下端スプリングで本体スプリングの最下端巻線に結ばれる部分に前記第2接触防止端を同様に更に形成することを特徴とするベッドマットレス用スプリング構造を提供する。
【0032】
好ましい具現例として、前記第1及び第2接触防止端の高さは5〜40mmであることを特徴とする。
【0033】
また、前記本体スプリングの垂直軸に対する前記第1及び第2接触防止端の傾斜角は0°〜60°の範囲であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によるベッドマットレス用スプリング構造によると、ベッドマットレス用本体スプリングと露出線スプリングとを結ぶ連結端構造を本体スプリングの最上端巻線に触れない構造に改善し、下記のような長所を提供する。
【0035】
1)本体スプリングと露出線スプリングとを結ぶ連結端に第1接触防止端を形成し、マットレスに加えられる荷重により露出線スプリングが圧縮される時、前記第1接触防止端が下降しながら本体スプリングの最上端巻線に全く触れなくなるため接触騒音を源泉的に防止することができ、摩擦接触によるスプリングの変形を防止することができる。
【0036】
2)第1接触防止端以外に上端スプリングと本体スプリングとの間に第2接触防止端を更に形成し、前記第1接触防止端が下降しながら第2接触防止端の後方に位置されたり、更に下降しても本体スプリングの最上端巻線を接触なしに通り過ぎるため、接触騒音を更に源泉的に防止することができ、摩擦接触によるスプリングの変形を更に防止することができる。
【0037】
3)本体スプリングと露出線スプリングとを結ぶ連結端に第1接触防止端を形成することによりスプリングの弾性強度を更に増大させることができ、それによりスプリングの寿命を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の具現例を添付図面を参照にして更に詳しく説明する。
【0039】
添付した図1a、図1b、図1cは各々、本発明の具現例1によるベッドマットレス用スプリングを表す斜視図、正面図、側面図で、添付した図2a、図2b、図2cは具現例1によるスプリングをスプリング組立体に組み立てた状態を表す斜視図、正面図、側面図で、図3a及び図3bは具現例1によるスプリングの圧縮作用状態を説明する正面図及び側面図である。
【0040】
前述した通り、ベッドマットレスに加えられる荷重の大きさにより、その緩衝機能を別途に行うベッドマットレス用スプリングは、コイル形態の本体スプリング10と、この本体スプリング10の上下部に水平に巻かれた上端スプリング16及び下端スプリング18と、前記上端スプリング16の上側一体に形成された露出線スプリング20と、前記上端スプリング16と露出線スプリング20一体を結ぶ連結端24を含む構成である。
【0041】
特に、前記露出線スプリング20は本体スプリング10より小さい直径を持ちながら次第に直径が狭くなり、コイル形態に巻かれた形状を有する。
【0042】
前記本体スプリング10及び露出線スプリング20を含むベッドマットレス用スプリングの単品は、マットレス面積にわたり左右等間隔に配列されると同時に、互いに隣り合うベッドマットレス用スプリングの上端スプリング16及び下端スプリング18の一側端がらせんコイル26(helical coil)により互いに結合、固定され、添付した図2a乃至図2cに図示されたようにスプリング組立体28へと作られる。
【0043】
ここで、本発明の具現例1によるスプリング100は、前記連結端24に第1接触防止端30を形成した点に特徴があり、ベッドマットレスに荷重が加えられると共に露出線スプリング20が圧縮される時、前記第1接触防止端30は真下に位置する前記本体スプリング10の最上端巻線12に接触せずに下降移動をするため、接触騒音を防止する効果を提供する。
【0044】
より詳しくは、前記第1接触防止端30は、前記本体スプリング10の最上端巻線12の外側に位置された前記上端スプリング16の終端から上方向(垂直方向)へ斜めに折り曲げられて形成された区間である。
【0045】
更に詳しくは、上から見た時に前記第1接触防止端30は交差されたり重なることなく前記本体スプリング10の最上端巻線12の外側に位置された状態であるため、前記露出線スプリング20の圧縮時に同時に下降する第1接触防止端30は前記本体スプリング10の最上端巻線12を接触なしにそのまま下降し、従来のスプリングで発生していた接触現象及び騒音が防止される。
【0046】
従来のスプリング構造(図11a乃至図11c参照)によると、前記上端スプリング16の終端と露出線スプリング20との間一体を結ぶ連結端24がらせん型に延長されながら、上から見た時に真下に位置する前記本体スプリング10の最上端巻線12と互いに交差された状態になる。
【0047】
したがって、従来はベッドマットレスに荷重が加えられると、前記露出線スプリング20の圧縮と共に連結端24が下降しながら真下に位置する前記本体スプリング10の最上端巻線12に触れて騒音を発生させるという短所があった。
【0048】
しかし、本発明の具現例1によるスプリング構造、即ち前記連結端24に第1接触防止端30が具備されることで、図3a及び図3bで見られるように、ベッドマットレスに荷重が加えられると共に露出線スプリング20が圧縮される時、前記第1接触防止端30は真下に位置する前記本体スプリング10の最上端巻線12に接触せずにそのまま下降移動をするため、結局接触騒音自体を完全になくすことができる。
【0049】
ここで、本発明によるベッドマットレス用スプリング構造の具現例2を説明すると下記の通りである。
【0050】
添付した図4a、図4b、図4cは本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例2を表す斜視図で、図5a、図5b、図5cは具現例2によるスプリングをスプリング組立体に組み立てた状態を表す斜視図、正面図、側面図で、図6a及び図6bは具現例2によるスプリングの圧縮作用状態を説明する正面図及び側面図である。
【0051】
本発明の具現例2によるスプリング200は具現例1のスプリング100の構造と同一だが、前記本体スプリング10の最上端巻線12に第2接触防止端32を形成した点に特徴がある。
【0052】
より詳しくは、前記本体スプリング10の最上端巻線12の終端部分と前記上端スプリング16の始端部分との連結部位に第2接触防止端32が上方向へ斜めに折り曲げられて形成される。
【0053】
この時、図4bの側面図から見られるように、前記第2接触防止端32の後方空間(本体スプリングの最上端巻線の真上の空間)が接触防止空間34へと形成されるが、その理由はベッドマットレスに荷重が加えられると共に露出線スプリング20が圧縮される時、前記第1接触防止端30が下降しながら第2接触防止端32の後方空間に位置するため前記本体スプリング10の最上端巻線12との接触が全く起きなくなる。
【0054】
一方、図4dに図示された通り、前記第2接触防止端32を下端スプリング18の最下端巻線14にも第2接触防止端32を同様に形成するため、本体スプリング10の弾性強度をより補強することができる。
【0055】
即ち、添付した図4dそして図6a及び図6bから見られるように、ベッドマットレスに荷重が加えられると共に露出線スプリング20が圧縮される時、前記第1接触防止端30も下降をして前記第2接触防止端32の後方空間、即ち接触防止空間34に位置するため、結局前記第1接触防止端30と本体スプリング10の最上端巻線12との間の接触が全く起きなくなり、接触騒音の発生を源泉的に防止することができ、このような作動時に同時に得られる効果として、前記第1接触防止端30が下降する時に前記下端スプリング18の最下端巻線14に形成された第2接触防止端32が本体スプリング10を支持する役割をするため、前記本体スプリング10の弾性強度を更に増大させることができる。
【0056】
万一、ベッドマットレスにとても大きな荷重が加えられる場合には、前記第1接触防止端30は第2接触防止端32の接触防止空間34を通り過ぎて最上端巻線12の方に更に下降するが、この時前記第1接触防止端30は前記本体スプリング10の最上端巻線12の外側を通じて接触なしに下降移動をするため、結局大きな荷重が加えられても前記第1接触防止端30と本体スプリング10の最上端巻線12との間の接触自体が全く発生しなくなる。
【0057】
このように、本発明の具現例1及び具現例2によるスプリング構造によると、上記のような第1及び第2接触防止端30、32の接触防止機能により騒音発生を完全に防止することができるようになる。
【0058】
一方、前記第1及び第2接触防止端30、32の高さは5〜40mmの範囲で、高さを限定した理由は5mm以下だと第1及び第2接触防止端30、32の形成作業自体が難しく、40mm以上だとスプリング本来の能力を喪失するためである。
【0059】
また、前記本体スプリング10の垂直軸に対する前記第1及び第2接触防止端30、32の傾斜角は0°〜60°の範囲に限定するが、その理由は0°だと露出線スプリング20の剛性が最も良く、60°以上だと露出線スプリングの剛性が弱くなると共に露出線スプリング20の衝撃吸収機能が落ちるためである。
【0060】
添付した図7は、本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例3として、具現例1のスプリングと同一だが、その下端部に露出線スプリングが連結された状態を表す側面図である。
【0061】
図7に図示された具現例3のスプリング300の特徴は、前記露出線スプリング20を上端スプリング16の上側だけでなく下端スプリング18の下側一体にも連結した点にあり、もちろん前記下端スプリング18及び露出線スプリング20の間にも接触騒音防止のため第1接触防止端30が形成される。
【0062】
添付した図8は、本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例4として、実施例2のスプリングと同一だが、その下端部に露出線スプリングが連結された状態を表す側面図である。
【0063】
図8に図示した具現例4のスプリング400の特徴は、前記露出線スプリング20を上端スプリング16の上側だけでなく下端スプリング18の下側一体にも連結した点にあり、もちろん前記下端スプリング18及び露出線スプリング20との間に第1接触防止端30が形成されると同時に下端スプリング18と本体スプリング10の最下端巻線14との間に第2接触防止端32が形成される。
【0064】
添付した図9a及び図9bは、本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例5として、従来のコイルスプリングの上端部に露出線スプリングが連結された状態を表す斜視図である。
【0065】
図9a及び図9bに図示された具現例5のスプリング500の特徴は、従来のコイル形態のスプリング(図10a及び図10b参照)の上端スプリング16に、または上端及び下端スプリング18に前記露出線スプリング20一体を連結した点にあり、同じように前記上端及び下端の少なくとも一方のスプリングと前記露出線スプリング20との間の連結端に第1接触防止端30が形成される。
【0066】
このように、本発明によるとスプリングの種類に関係なく、本体スプリング10の上部に、または上部及び下部に露出線スプリング20を連結して使用することができ、この露出線スプリング20が連結された場合には、前述のように第1接触防止端30のみを、または第1及び第2接触防止端30、32を形成するため、スプリング間の接触及びその接触による騒音を防止させることができる。
【0067】
以上、説明した本発明の各具現例によるスプリングにおいて、
i)前記上端スプリング16とその上側の露出線スプリング20との間の連結部位に第1接触防止端30を形成したり、
ii)前記上端スプリング16とその上側の露出線スプリング20との間の連結部位に第1接触防止端30を形成すると同時に、前記本体スプリング10の最上端巻線12から上端スプリング16に延長された部分に第2接触防止端32を形成したり、
iii)前記上端スプリング16とその上側の露出線スプリング20との間の連結部位に第1接触防止端30を形成すると同時に、前記下端スプリング18とその下側の露出線スプリングとの間の連結部位に第1接触防止端30を同様に形成したり、
iv)前記上端スプリング16とその上側の露出線スプリング20との間の連結部位に第1接触防止端30を形成すると同時に、前記本体スプリング10の最上端巻線12から上端スプリング16に延長された部分に第2接触防止端32を形成し、前記下端スプリング18とその下側の露出線スプリング20との間の連結部位に前記第1接触防止端30を同様に形成すると同時に、下端スプリング18から本体スプリング10の最下端巻線14に結ばれる部分に前記第2接触防止端32を同様に形成したり、
v)前記上端スプリング16とその上側の露出線スプリング20との間の連結部位に第1接触防止端30を形成すると同時に、前記本体スプリング10の最上端巻線12から上端スプリング16に延長された部分に第2接触防止端32を形成し、前記下端スプリング18から本体スプリング10の最下端巻線14に結ばれる部分に前記第2接触防止端32を同様に形成し、
二重の緩衝構造を有するスプリングとして、ベッドマットレスに加えられる荷重の大きさにより前記本体スプリングと露出線スプリングでその緩衝機能を別途に行うことで、スプリングの変形防止及び寿命延長効果を得ることができ、特に第1接触防止端30または第1及び第2接触防止端30、32によりスプリングの剛性が増大されると共に接触騒音が源泉的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1a】図1aは、本発明によるベッドマットレス用スプリングの1具現例を表す斜視図である。
【図1b】図1bは、本発明によるベッドマットレス用スプリングの1具現例を表す正面図である。
【図1c】図1cは、本発明によるベッドマットレス用スプリングの1具現例を表す側面図である。
【図2a】図2aは、具現例1によるスプリングをスプリング組立体に組み立てた状態を表す斜視図である。
【図2b】図2bは、具現例1によるスプリングをスプリング組立体に組み立てた状態を表す正面図である。
【図2c】図2cは、具現例1によるスプリングをスプリング組立体に組み立てた状態を表す側面図である。
【図3a】図3aは、具現例1によるスプリングの圧縮作用を説明する正面図である。
【図3b】図3bは、具現例1によるスプリングの圧縮作用を説明する側面図である。
【図4a】図4aは、本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例2を表す斜視図である。
【図4b】図4bは、本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例2を表す正面図である。
【図4c】図4cは、本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例2を表す側面図である。
【図4d】図4dは図4cと類似するが、下端スプリングにも第2接触防止端が更に形成された状態を表す側面図である。
【図5a】図5aは、具現例2によるスプリングをスプリング組立体に組み立てた状態を表す斜視図である。
【図5b】図5bは、具現例2によるスプリングをスプリング組立体に組み立てた状態を表す正面図である。
【図5c】図5cは、具現例2によるスプリングをスプリング組立体に組み立てた状態を表す側面図である。
【図6a】図6aは、具現例2によるスプリングの圧縮作用を説明する正面図である。
【図6b】図6bは、具現例2によるスプリングの圧縮作用を説明する側面図である。
【図7】本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例3で、具現例1のスプリングと同一だが、その下端部に露出線スプリングが連結された状態を表す側面図である。
【図8】本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例4で、具現例2のスプリングと同一だが、その下端部に露出線スプリングが連結された状態を表す側面図である。
【図9a】図9aは、本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例5で、従来のコイルスプリングの上端部に露出線スプリングが連結された状態を表す斜視図であり、露出線スプリングが上部に形成された状態を表す。
【図9b】図9bは、本発明によるベッドマットレス用スプリングの具現例5で、従来のコイルスプリングの上端部に露出線スプリングが連結された状態を表す斜視図であり、露出線スプリングが上部及び下部に形成された状態を表す。
【図10a】図10aは、従来のスプリング構造を表す斜視図である。
【図10b】図10bは、従来のスプリング構造を表す側面図である。
【図11a】図11aは、別の形態を有する従来のスプリング構造を表す斜視図である。
【図11b】図11bは、別の形態を有する従来のスプリング構造を表す正面図である。
【図11c】図11cは、別の形態を有する従来のスプリング構造を表す側面図である。
【図12】図11a及び図11bのスプリングが有する短所を説明するために別の角度で表した斜視図である。
【図13】通常のベッドマットレス構造を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0069】
10 本体スプリング
12 最上端巻線
14 最下端巻線
16 上端スプリング
18 下端スプリング
20 露出線スプリング
24 連結線
26 らせんコイル
28 スプリング組立体
30 第1接触防止端
32 第2接触防止端
34 接触防止空間
100、200、300、400、500、600、700 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル形態の本体スプリングと、この本体スプリングの上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリングと、前記上端スプリングの上側一体に形成された露出線スプリングと、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端を含むベッドマットレス用スプリング構造において、
前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端に前記本体スプリングの最上端巻線の外側に位置された前記上端スプリングの終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端を形成することを特徴とするベッドマットレス用スプリング構造。
【請求項2】
コイル形態の本体スプリングと、この本体スプリングの上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリングと、前記上端スプリングの上側一体に形成された露出線スプリングと、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端を含むベッドマットレス用スプリング構造において、
前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端に前記本体スプリングの最上端巻線の外側に位置された前記上端スプリングの終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端を形成し、
前記第1接触防止端の下側に位置された前記本体スプリングの最上端巻線に上方向へ斜めに折り曲げられた第2接触防止端を形成することを特徴とするベッドマットレス用スプリング構造。
【請求項3】
コイル形態の本体スプリングと、この本体スプリングの上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリングと、前記上端スプリングの上側一体に形成された露出線スプリングと、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端を含むベッドマットレス用スプリング構造において、
前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端に前記本体スプリングの最上端巻線の外側に位置された前記上端スプリングの終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端を形成し、
前記下端スプリングの下側に露出線スプリング一体を形成しながら、前記下端スプリングと露出線スプリングとの間の連結端に前記第1接触防止端を同様に形成することを特徴とするベッドマットレス用スプリング構造。
【請求項4】
コイル形態の本体スプリングと、この本体スプリングの上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリングと、前記上端スプリングの上側一体に形成された露出線スプリングと、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端を含むベッドマットレス用スプリング構造において、
前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端に前記本体スプリングの最上端巻線の外側に位置された前記上端スプリングの終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端を形成し、
前記第1接触防止端の下側に位置された前記本体スプリングの最上端巻線に上方向へ斜めに折り曲げられた第2接触防止端を形成し、
前記下端スプリングの下側に露出線スプリング一体を形成しながら、前記下端スプリングと露出線スプリングとの間の連結端に前記第1接触防止端を同様に形成すると同時に、前記下端スプリングから本体スプリングの最下端巻線に結ばれる部分に前記第2接触防止端を同様に形成することを特徴とするベッドマットレス用スプリング構造。
【請求項5】
コイル形態の本体スプリングと、この本体スプリングの上下部に水平に巻かれた上端及び下端スプリングと、前記上端スプリングの上側一体に形成された露出線スプリングと、前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端を含むベッドマットレス用スプリング構造において、
前記上端スプリングと露出線スプリング一体を結ぶ連結端に前記本体スプリングの最上端巻線の外側に位置された前記上端スプリングの終端から上方向へ斜めに折り曲げられた第1接触防止端を形成し、
前記第1接触防止端の下側に位置された前記本体スプリングの最上端巻線に上方向へ斜めに折り曲げられた第2接触防止端を形成し、
前記下端スプリングから本体スプリングの最下端巻線に結ばれる部分に前記第2接触防止端を同様に形成することを特徴とするベッドマットレス用スプリング構造。
【請求項6】
前記第1及び第2接触防止端の高さが5〜40mmであることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれかに記載のベッドマットレス用スプリング構造。
【請求項7】
前記本体スプリングの垂直軸に対する前記第1及び第2接触防止端の傾斜角が0°〜60°の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれかに記載のベッドマットレス用スプリング構造。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図12】
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【図13】
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【図2a】
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【図5a】
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【公開番号】特開2007−244841(P2007−244841A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−168717(P2006−168717)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(504348482)エース ベッド カンパニー リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】ACE BED CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】142−6,Sangdaiwon 1−Dong Joongwon−Gu,462−121 Sungnam Kyunggi−Do, KOREA