説明

ベッド装置に用いられる床板装置及び床板の駆動制御方法

【課題】任意の角度で起上した背床部と第1の脚床部を容易な制御で初期状態に戻すことができるようにしたこと。
【解決手段】リモートコントローラの操作によって背床部を起伏駆動する第1の駆動源と脚床部を起伏駆動する第2の駆動源を制御する制御装置を具備し、制御装置は、背床部と脚床部とを所定の割合で連動させて起伏動作させる基本パターンと、背床部と脚床部とが途中の角度に起上した状態から上記背床部を上昇限の角度まで起上させる第1のパターンと、背床部と脚床部とが起上した状態から背床部を下降限の角度まで倒伏させる第2のパターンを有し、第1のパターンと第2のパターンは、基本パターンからずれた状態にある背床部と脚床部とを、基本パターンの所定の割合に基いて連動させて起伏動作させた後、基本パターンの初期状態に戻っていない背床部と脚床部を初期状態に戻すよう駆動するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は背床部と脚床部とが起伏駆動されるベッド装置に用いられる床板装置及び床板の駆動制御方法関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ベッド装置はベッド本体を有し、このベッド本体には床板装置が設けられる。とくに、医療や介護用のベッド装置においては、上記床板装置の床板をフレームの長手方向中途部に固定床部を固定して設け、この固定床部の一端に背床部、他端に脚床部をそれぞれ起伏可能に連結し、上記背床部と脚床部をそれぞれ駆動源によって起伏駆動させることができるようにしたものが知られている。
【0003】
上記構成のベッド装置においては、利用者が上記背床部を起上させ、上半身を起こして利用する場合、単に上記背床部だけを機構方向に駆動させたのでは、上記固定床部上に臀部を載置した利用者は上記背床部の上昇とともに身体が前方にずれ動くことになるということがある。
【0004】
そこで、そのような場合には上記背床部を上昇方向に駆動するとともに、上記脚床部も上昇方向に駆動することで、利用者の身体が前方にずれ動くのを阻止しながら上半身を起こすようにしている。その場合、上記背床部と脚床部との起上角度の和が一定の角度以上となると、利用者の身体が屈曲され過ぎて圧迫感を与えることになるから、上記背床部と脚床部との起上角度の和が一定の角度以上とならないよう、背床部の起上角度が所定の角度、たとえば45度に達し、それ以上に起上させる場合には、その起上に応じて脚床部を下降させるようにしている。
【0005】
同様に、起上した背床部を倒伏させる場合には、背床部を倒伏させる際、脚床部を起上させながら行い、上記背床部がたとえば45度の角度まで倒伏したならば、上記背床部の倒伏に脚床部を連動させ、これら床部を水平に倒伏させることで、利用者の身体がずれ動くのを防止するようにしている。
【0006】
通常の床板装置においては、上述した背床部と脚床部の起伏駆動は、予め設定された基本パターンとして組み込まれている。つまり、背床部と脚床部が水平の倒伏した状態から背床部を所定の角度まで起立させること、及び背床部が所定の角度に起立した状態から倒伏させることは通常行われている。
【0007】
しかしながら、利用者がベッド装置を利用する場合、利用者は背床部を所定の角度以外の角度に変更し、さらに脚床部を所望する角度で起上させて利用するということがある。つまり、背床部と脚床部を基本パターンに対してずれた角度にして使用するということがある。
【0008】
上記背床部と脚床部を基本パターンに対してずれた角度で使用している状態から、上記基本パターンによって背床部と脚床部を作動させる場合、背床部と脚床部の角度を基本パターンに合わせなければならないということがあった。
【0009】
しかしながら、そのような操作をしてから基本パターンに基いて背床部と脚床部を起伏駆動させるようにしたのでは、操作が複雑化するということがあるため、好ましくなかった。
【0010】
そこで、従来では上記背床部と脚床部が予め設定された基本パターンに対してずれた角度にある状態から、基本パターンに基いて駆動操作する際、まず、現在の背床部と脚床部の状態を把握し、その状態と上記基本パターンに基いて背床部と脚床部と起伏動作させた場合との状態を把握する。つまり、現在の背床部と脚床部の状態と、上記基本パターンに基いて背床部と脚床部と起伏動作させた場合の状態とを比較する。
【0011】
ついで、背床部と脚床部を現在の状態から、上記基本パターンに基く状態となるよう上記背床部と脚床部との状態を修正してから、上記基本パターンに基いて上記背床部と脚床部を起伏駆動させるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3818502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述したように、上記背床部と脚床部が予め設定された基本パターンに対してずれた角度にある状態から、基本パターンに基いて駆動操作する際、従来は背床部と脚床部を現在の状態から、上記基本パターンに基く状態となるよう上記背床部と脚床部との状態を修正してから、上記基本パターンに基いて上記背床部と脚床部を起伏駆動させるようにしていた。
【0014】
そのため、上記背床部と脚床部とを上記基本パターンに基いて起伏駆動させるためには現在の状態と基本パターンとを常に比較しながら駆動を制御しなければならないため、その制御が複雑化するということがあった。
【0015】
この発明は、背床部と脚床部との現在の状態が基本パターンからずれている場合、現在の状態と基本パターンとを比較することなく、背床部と脚床部とを所定の状態になるよう駆動制御することができるようにしたベッド装置に用いられる床板装置及び床板の駆動制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明は、フレームに設けられた背床部と脚床部が起伏駆動されるベッド装置に用いられる床板装置であって、
操作部と、
この操作部の操作によって上記背床部を起伏駆動する第1の駆動源と上記脚床部を起伏駆動する第2の駆動源を制御する制御装置を具備し、
上記制御装置は、
上記背床部と脚床部とを所定の割合で連動させて起伏動作させる基本パターンと、
上記背床部と脚床部とが途中の角度に起上した状態から上記背床部を上昇限の角度まで起上させる第1のパターンと、
上記背床部と脚床部とが起上した状態から上記背床部を下降限の角度まで倒伏させる第2のパターンを有し、
上記第1のパターンと上記第2のパターンは、上記基本パターンからずれた状態にある上記背床部と脚床部とを、上記基本パターンの上記所定の割合に基いて連動させて起伏動作させた後、上記基本パターンの初期状態に戻っていない上記背床部と脚床部を初期状態に戻すよう駆動するようになっている
ことを特徴とするベッド装置に用いられる床板装置にある。
【0017】
この発明は、フレームに設けられた背床部と脚床部が起伏駆動されるベッド装置に用いられる床板装置であって、
操作部と、
この操作部の操作によって上記背床部を起伏駆動する第1の駆動源と上記脚床部を起伏駆動する第2の駆動源を制御する制御装置を具備し、
上記制御装置は、
上記背床部と脚床部とを所定の割合で連動させて起伏動作させる基本パターンと、
上記背床部と脚床部とが途中の角度に起上した状態から上記背床部を上昇限の角度まで起上させる第1のパターンと、
上記背床部と脚床部とが起上した状態から上記背床部を下降限の角度まで倒伏させる第2のパターンを有し、
上記第1のパターンは、上記背床部と脚床部の起上角度を判定し、上記背床部の角度が所定の角度以下のときには上記背床部と上記脚床部を起上方向に上記所定の割合で上記背床部が上記所定の角度となるまで連動させ、上記背床部が所定の角度に達したならば上記背床部を上昇限まで起上させながら上記脚床部を倒伏方向に駆動するようになっていて、
上記第2のパターンは、上記背床部と脚床部の起上角度を判定し、上記背床部が上記所定の角度以下のときには上記背床部と上記脚床部をどちらか一方が下降限となる角度まで上記所定の割合で倒伏方向に駆動した後、他方を下降限まで倒伏駆動し、上記背床部の角度が所定角度以上のときには上記背床部と上記脚床部を上記所定の割合で上記背床部が上記所定の角度となるまで倒伏方向に駆動しながら上記脚床部を起上方向に駆動した後、上記背床部と上記脚床部をこれらが下降限となる角度まで上記所定の割合で倒伏方向に駆動するようになっている
ことを特徴とするベッド装置に用いられる床板装置にある。
【0018】
上記背床部と脚床部との起上角度の和が所定以上の角度となる排除領域が設定されていて、上記基本パターン、第1のパタンーン及び第2のパタンーンは上記排除領域を含まない作動領域で上記背床部と脚床部との起伏駆動が行われることが好ましい。
【0019】
上記背床部と脚床部は上昇限と下降限が設定されていて、上記第1のパターンと第2のパターンは上昇限と下降限の範囲内で起伏駆動されることが好ましい。
【0020】
この発明は、フレームに設けられた背床部と脚床部が起伏駆動されるベッド装置に用いられる床板の駆動制御方法であって、
上記背床部と脚床部とを所定の割合で連動させて起伏動作させる基本パターンと、
上記背床部と脚床部とが途中の角度に起上した状態から上記背床部を上昇限まで起上させる第1の動作パターンと、
上記背床部と脚床部とが起上した状態から上記背床部を下降限の角度まで倒伏させる第2の動作パターンとのいずれかによって上記背床部と脚床部を起伏駆動するようになっていて、
上記第1のパターンと上記第2のパターンは、上記基本パターンからずれた状態にある上記背床部と脚床部とを、上記基本パターンの上記所定の割合に基いて連動させて起伏動作させた後、上記基本パターンの初期状態に戻っていない上記背床部と脚床部を初期状態に戻すよう駆動する
ことを特徴とするベッド装置に用いられる床板の駆動制御方法にある。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、背床部と脚床部との現在の状態が基本パターンからずれている場合、上記背床部と脚床部を、所定の割合で連動させる上記基本パターンの動作に駆動した後、初期状態に戻っていない上記背床部と脚床部の少なくとも一方を初期状態に戻すよう駆動するようにした。
【0022】
そのため、上記背床部と脚床部の現在の状態と上記基本パターンに基く状態とを比較せずに、上記背床部と脚床部とを上記基本パターンの初期状態に戻すことができるから、上記背床部と脚床部との駆動制御を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)〜(d)はこの発明の一実施の形態のベッド装置の背床部を水平に倒伏した状態から最大角度で起立させる第1の初期状態にするときの動きを順次示した図。
【図2】図1に示す背床部と第1の脚床部の動きである第1の基本パターンを示す図。
【図3】(a)〜(d)はベッド装置の背床部が最大角度で起立した状態から水平に倒伏させる第2の初期状態にするときの動きを順次示した図。
【図4】図2に示す背床部と第1の脚床部の動きである第2の基本パターンを示す図。
【図5】床板装置の駆動制御を示すブロック図。
【図6】リモートコントローラを示す図。
【図7】(a)〜(c)は任意の角度で起立した背床部と第1の脚床部を第1の基本パターンの第1の初期状態に戻すときの動作を説明するための図。
【図8】(a)〜(c)は任意の角度で起立した背床部と第1の脚床部を第2の基本パターン第2の初期状態に戻すときの動作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1(a)〜(d)及び図3(a)〜(d)ベッド装置1を示し、このベッド装置1はフレーム2を備えている。詳細は図示しないが、上記フレーム2は上記ベッド装置1の基体に水平に支持されている。
【0026】
上記フレーム2には床板装置3が設けられている。この床板装置3は上記フレーム2の長手方向の中央部の上面に固定して設けられた固定床部4を有する。この固定床部4の一端には腰床部5と背床部6とが順次回動可能に連結されている。固定床部4の他端には第1の脚床部7と第2の脚床部8とが順次回動可能に連結されている。
【0027】
上記フレーム2の下面の長手方向の中央部には駆動制御部11が設けられている。この駆動制御部11には図5に示すように制御装置12が設けられている。この制御装置12は第1の駆動源13と第2の駆動源14、つまり上記背床部6と第1の脚床部7を予め設定されたプログラムに基いて後述するように駆動制御するようになっている。
【0028】
図1に示すように、上記第1の駆動源13の出力軸13aにはローラ15aを有する第1のアーム15が連結され、この第1のアーム15が上昇方向に駆動されると、上記背床部6が上記第1のアーム15に連動して上昇するようになっている。
【0029】
上記第2の駆動源14の出力軸14aには先端にローラ16aを有する第2のアーム16が連結され、この第2のアーム16が上昇方向に駆動されると、上記第1の脚床部7が上記第2のアーム16に連動して上昇するようになっている。
【0030】
上記第1のアーム15と第2のアーム16の回動角度、つまり上記背床部6と上記第1の脚床部7の回動角度は、たとえば上記第1、第2の駆動源13,13に設けられたエンコーダなどの第1の角度検出器17と第2の角度検出器18(図5に示す)によってそれぞれ検出されるようになっている。上記第1の角度検出器17と第2の角度検出器18によって検出された検出信号は上記制御装置12に出力されるようになっている。
【0031】
上記制御装置12には操作部としてのリモートコントローラ19が接続されている。このリモートコントローラ19には、図6に示すように液晶表示部21が設けられ、この液晶表示部21の下方には入/切釦22、設定釦23、あたま上げ釦24、同じく下げ釦25、あし上げ釦26、同じく下げ釦27、たかさ上げ釦28、同じく下げ釦29が設けられている。上記入/切釦22と設定釦23以外の釦は押しているときにときにだけ動作する、いわゆるモーメンタリスイッチが用いられている。
【0032】
なお、操作部としてリモートコントローラ19を例に上げて説明したが、リモートコントローラ19に限られず、ベッド装置1のフレーム2やヘッドボード、フットボードなどに操作パネルや操作ボックスなど設けて操作部としてもよい。
【0033】
上記入/切釦22の「入」を押した後、上記あたま上げ釦24を押せば、第1の駆動源13が作動して上記第1のアーム15を上昇方向に回動させられるから、上記背床部6が上昇方向に駆動される。上記あたま下げ釦25を押せば、第1の駆動源13が作動して上記第1のアーム15が下降方向に回動させられるから、上記背床部6が下降方向に駆動される。なお、上記腰床部5は上記背床部6の起伏動作に連動して起伏する。
【0034】
上記あし上げ釦26を押せば、第2の駆動源14が作動して上記第2のアーム16が上昇方向に回動させられるから、上記第1の脚床部7が上昇方向に駆動される。上記あし下げ釦27を押せば、第2の駆動源14が作動して上記第2のアーム16が下降方向に回動させられるから、上記第1の脚床部7が下降方向に駆動される。なお、上記第2の脚床部8は上記第1の脚床部7の起伏動作に連動して起伏するようになっていて、起伏したときにその位置で図示しない保持具によって保持されるようになっている。
【0035】
上記第1の駆動源13による上記背床部6の回動角度はたとえば0〜73度に設定され、上記第2の駆動源14による上記第1の脚床部7の回動角度はたとえば0〜45度に設定されている。
【0036】
上記たかさ上げ釦28を押すと、図示しない上昇駆動機構が作動して上記フレーム2が上昇方向に駆動され、上記たかさ下げ釦29を押すと、上記フレーム2が下降方向に駆動される。つまり、フレーム2の高さを設定できるようになっている。
【0037】
上記設定釦23を押すと、上記液晶表示部21に「連動」の図形又は文字が表示される。「連動」の文字が表示された状態で上記あたま上げ釦24或いはあたま下げ釦25を押せば、上記背床部6と上記第1の脚床部7を連動動作させることができるようになっている。
【0038】
図1(a)〜(d)は上記背床部6と上記第1の脚床部7が水平に倒伏した状態から、上記背床部6を最大起上角度まで上昇する第1の初期状態に駆動するときの、上記背床部6と第1の脚床部7を連動動作させたときの動きを順次示している。図2はそのときの上記背床部6と第1の脚床部7動き、つまり第1の基本パターンPの駆動線図を示している。
【0039】
上記背床部6と上記第1の脚床部7が図1(a)に示すように水平に倒伏した状態でこれらを連動動作、つまり設定釦23を押してあたま上げ釦24を押すと、その駆動信号がリモートコントローラ19から制御装置12に出力され、この制御装置12によって第1の駆動源13と第2の駆動源14が以下のように駆動される。
【0040】
まず、第1の駆動源13は図1(b)に示すように背床部6を所定の角度、この実施の形態では45の角度になるまで上昇方向に駆動し、上記第2の駆動源14は上記第1の脚床部7を上記背床部6の上昇速度に応じて所定の割合で上昇させる。
【0041】
つまり、上記第1の基本パターンPの上昇方向の傾斜角度に応じた単位時間当たりの駆動速度で上記背床部6と上記第1の脚床部7を上昇方向に駆動する。
【0042】
それによって、上記背床部6の起上角度と、脚床部7の起上角度の和が所定の角度以下に維持されながら上昇する。つまり、上記背床部6と脚床部7の上昇角度の和が大きくなり過ぎて、利用者の腹部が圧迫されることのないよう、上記背床部6と脚床部7の起上角度の和が所定の角度以上にならないよう保たれる。
このときの状態は図2のS1からS2に示す。
【0043】
S2で、上記背床部6の上昇角度が45度に達すると、図1(c)に示すように上記背床部6はさらに上昇方向に駆動され、上記第1の脚床部7は下降方向に駆動されることになる。このときも、上記背床部6と脚床部7の起上角度の和が所定の角度以上にならないよう保たれる。
【0044】
図1(b)から図1(c)に示す上記背床部6の上昇方向の動きと第1の脚床部7の下降方向の動きは図2のS2からS3に示す。
【0045】
その後、上記背床部6は図1(d)に示すようにさらに上昇方向に駆動され、図2にS4で示す時点では最大上昇角度である73度に上昇する。この間、上記第1の脚床部7は水平に倒伏するまで下降方向に駆動されることになる。
このときの背床部6の上昇方向の動きと第1の脚床部7の下降方向の動きは図2の第1の基本パターンPの駆動線図のS3からS4に示す。
【0046】
図2のS2からS4に沿って上記背床部6を上昇させながら、上記第1の脚床部7を下降させる際、上記第1の脚床部7と上記背床部6は、第1の脚床部7の単位時間当たりの上昇速度に対して背床部6の下降速度が所定の割合となるよう駆動される。つまり、図2に示すように予め設定された第1の基本パターンPの駆動線図の下降方向の傾斜角度に基いて上記背床部6と上記第1の脚床部7が所定の割合、つまり上記背床部6の起上角度と、第1の脚床部7の起上角度の単位時間の当りの回動角度が所定の割合となるよう駆動される。
【0047】
このように、背床部6が水平に倒伏した状態から、第1の初期状態である、最大角度の73度に起上させるとき、背床部6を単に起上させるだけでなく、背床部6の起上角度に応じて第1の脚床部7を所定の割合で起上或いは倒伏させるようにしたことで、床板装置3上に仰臥した利用者の身体が前後方向にずれ動かされることなく、上記背床部6を水平に倒伏した状態から、第1の初期状態である起上させた状態とすることができる。
【0048】
なお、図2から分かるように、第1の基本パターンPの駆動線図の上昇方向と下降方向の傾斜角度は異なるよう設定されている。つまり、背床部6が45度となる起立角度を境にして背床部6と第1の脚床部7との単位時間の当りの駆動速度が異なるよう設定されている。
【0049】
一方、図3(a)〜(d)は背床部6が最大角度に起立した状態から、上記背床部6を水平に倒伏させて第2の初期状態に戻す状態を順次示し、図4はそのときの第2の基本パターンPの駆動線図を示している。
【0050】
図3(a)は背床部6が最大角度である73度の角度で起立した状態を示し、この状態は図4のS1に示す。図3(b)は背床部6を倒伏方向に駆動しながら、第1の脚床部7を、上記背床部6の倒伏方向の駆動に対して所定の割合で起立方向に駆動している状態を示す。そして、この駆動状態は図4にS2で示すように上記背床部6が45度の角度になるまで継続される。
【0051】
上記背床部6が所定の角度である、45度の角度まで倒伏させられると、図3(c)に示す状態、つまり図4にS3で示す状態を経て上記背床部6はさらに下降方向に駆動さるとともに、第1の脚床部7も下降方向に駆動される。
【0052】
このとき、上記背床部6と上記第1の脚床部7は図4に示す第2の基本パターンPのS2からS3で示す傾斜角度に沿って下降方向に所定の割合で駆動される。
【0053】
上記背床部6と上記第1の脚床部7は、図3(c)から図3(d)に示すようにさらに所定の割合で下降方向に駆動される。この状態は図4のS3からS4に示す。それによって、上記背床部6と第1の脚床部7は水平に倒伏することになる。つまり、第2の初期状態に戻されることになる。
【0054】
このように、背床部6は最大角度で起上した状態から、第2の初期状態である、水平に倒伏させるときにも、背床部6を単に倒伏させるだけでなく、背床部6の倒伏角度に応じて第1の脚床部7を起上或いは倒伏させるようにしたことで、床板装置3上に仰臥した利用者の身体が前後方向にずれ動かされることなく、上記背床部6を水平に倒伏させることができる。
【0055】
図2と図4において、ゾーンAは背床部6の起上角度が所定の角度である、45度以下の範囲を示し、ゾーンBは45度以上の範囲を示している。ゾーンCは背床部6の起上角度が45度以上の範囲であって、しかも背床部6の起上角度に対して第1の脚部7の起上角度が所定の角度以上となる範囲、つまり背床部6と第1の脚部7の起立角度の和が利用者の腹部を圧迫することになる角度以上となる範囲である、排除領域を示している。ゾーンBとゾーンCの境界線をFで示す。
【0056】
そして、上記制御装置12は、上記背床部6と第1の脚床部7を手動或いは自動で起伏作動させたとき、上記背床部6と第1の脚床部7との起立角度の和が上記ゾーンCの範囲内にならず、しかも背床部6の上昇角度が73度で、第1の脚床部7の上昇角度が45度以下の範囲で上記背床部6と第1の脚床部7の駆動されるようになっている。つまり、背床部6と第1の脚床部7の駆動範囲が利用者に不快感を与えることのない範囲に設定されている。
【0057】
さらに、上記背床部6と第1の脚床部7は0〜最大上昇角度の範囲外では駆動させることができないようになっている。
【0058】
図2と図に示す第1の基本パターンPと第2の基本パターンPとの駆動線図の形状は同じであるが、背床部6を図1(d)に示す第1の初期状態に戻すときと、図3(d)に示す第2の初期状態に戻すときとでは逆方向に動作させるという点で相違している。
【0059】
上記背床部6と第1の脚床部7は、第1、第2の基本パターンPに基いて駆動されるだけでなく、上記背床部6や第1の脚床部7を第1、第2の基本パターンPの駆動線図から外れた任意の角度に変更して使用されることがある。
【0060】
上記背床部6や第1の脚床部7を任意の角度に変更して使用した状態から、上記背床部6を最大角度に起立した上記第1の基本パターンPの第1の初期状態に戻したい場合や、上記背床部6を水平に倒伏させる上記第2の基本パターンPの第2の初期状態に戻したい場合がある。その場合も、仰臥した利用者の身体がずれ動かないよう上記背床部6と第1の脚床部7を駆動することが要求される。
【0061】
第1の初期状態に戻したい場合には、上記リモートコントローラ19の設定釦23を押してから、あたま上げ釦24を押すことで動作させることができる。第2の初期状態に戻したい場合には、上記リモートコントローラ19の設定釦23を押してから、あたま下げ釦25を押すことで動作させることができる。
【0062】
上記あたま上げ釦24やあたま下げ釦25は、上述したように押しているときにのみ動作する構造のスイッチが用いられている。したがって、上記背床部6と第1の脚床部7を第1の初期状態や第2の初期状態に戻す連動操作の途中で、上記あたま上げ釦24やあたま下げ釦25の押圧操作を解除すれば、上記背床部6と第1の脚床部7をその時点の状態で停止させることができる。
【0063】
つまり、上記背床部6と第1の脚床部7を、第1の初期状態や第2の初期状態に戻す途中の角度で使用することができる。
【0064】
図7(a)〜(c)は、上記背床部6や第1の脚床部7を任意の角度に変更して使用した状態から、それぞれ上記背床部6と第1の脚床部7を上記基本パターンPの第1の初期状態、つまり背床部6を最大角度で起立させ、第1の脚床部7を水平に倒伏させるための、第1のパターンP1を示している。
【0065】
図7(a)は同図にS1示すように背床部6と第1の脚床部7がともに45度以下の角度で起立した状態から、背床部6を最大起立角度に上昇させ、背床部6を水平に倒伏させる、第1のパターンP1を示している。
【0066】
上述したように上記リモートコントローラ19を操作すると、背床部6と第1の脚床部7とは、図7(a)に破線で示す基本パターンPの駆動線図の上昇方向の傾き角度に倣う所定の割合でS2に示す状態までともに上昇方向に駆動される。
【0067】
つまり、傾き角度に倣う所定の割合とは、基本パターンPの駆動線図の上昇方向或いは傾斜方向の傾き角度によって、背床部6と第1の脚床部7との単位時間当たりの傾斜角度の変化量が設定されるから、その変化量に応じた割合で上記背床部6と第1の脚床部7が駆動されることである。
【0068】
S2の状態となることで、上記背床部6の上昇角度が45度であることが第1の角度検出器17によって検出されると、背床部6と第1の脚床部7は基本パターンPの駆動線図の下降方向の傾斜角度に倣って所定の割合で駆動される。つまり、背床部6は上昇方向に駆動され、第1の脚床部7は下降方向に駆動される。
【0069】
上記背床部6と第1の脚床部7の下降線が図7(a)にS3で示す位置で排除領域であるゾーンCに当たると、上記背床部6と第1の脚床部7は上記所定の割合による下降方向の駆動から、上記ゾーンC内に進入しない状態である、上記ゾーンCの境界線Fに沿って下降方向に駆動される。つまり、背床部6は上昇方向に駆動され、第1の脚床部7は下降方向に駆動される。
【0070】
それによって、図7(a)にS4で示すように上記背床部6が最大角度に起立させられ、上記第1の脚床部7が水平に倒伏させられた第1の初期状態に戻されることになる。このことは、上記第1の角度検出器17と第2の角度検出器18が検出する上記背床部6の角度が最大角度で、第1の脚床部7の角度が0度となったことによって判定される。
【0071】
図7(b)は同図にS1で示すように背床部6が倒伏しており、第1の脚床部7が所定の角度で起立した状態にある。この状態から、第1の初期状態に戻すには、まず、背床部6と第1の脚床部7が基本パターンPの駆動線図の上昇方向の傾斜角度に倣う所定の割合で上昇方向に駆動される。
【0072】
同図にS2で示すように上記第1の脚床部7の上昇角度が最大限に到達すると、上記第1の脚床部7の上昇方向への駆動が停止させられた状態で、上記背床部6だけが上昇方向に駆動される。
【0073】
上記背床部6の上昇角度が図7(b)にS3で示す45度に到達すると、このS3の状態は排除領域であるゾーンCとの境界位置になるから、上記背床部6と第1の脚床部7は基本パターンPの駆動線図の下降方向の傾斜角度に倣う所定の割合で起上方向と下降方向に駆動されず、ゾーンCの境界線Fに沿って駆動されることになる。つまり、上記背床部6が起上方向に駆動されながら、上記第1の脚床部7が下降方向に駆動される。
【0074】
そして、同図にS4で示す位置まで駆動されることで、上記背床部6が最大限である73度の角度で起上し、上記第1の脚床部7が水平に倒伏した第1の初期状態に戻されることになる。
【0075】
図7(c)は、同図にS1で示すように第1の脚床部7が水平に倒伏し、背床部6が45度以下の角度で起立した状態にある。この状態から、第1の初期状態に戻すには、まず、背床部6と第1の脚床部7を基本パターンPの駆動線図の上昇方向の傾斜角度に倣って所定の割合で上昇方向に駆動される。
【0076】
同図にS2で示すように、背床部6の上昇角度が45度になると、上記基本パターンPの駆動線図の下降方向の傾斜角度に倣って所定の割合で、上記背床部6を上昇方向に駆動しながら、上記第1の脚床部7を下降方向に駆動される。
【0077】
図7(c)にS3で示す時点では、上記背床部6が最大角度である73度には達しないが、45度以上の角度に起上し、上記第1の脚床部7が水平に倒伏した状態となる。
【0078】
S3の状態で、上記第1の脚床部7が水平に倒伏したことが第2の角度検出器18によって検出されると、上記背床部6だけが下降方向に駆動され、S4の状態となる。つまり、背床部6が第1の脚床部7と同様、水平に倒伏した第1の初期状態に戻されることになる。
【0079】
このように、背床部6と第1の脚床部7のうち、少なくとも背床部6が所定の角度で起立した状態から、この背床部6を最大角度である73度に上昇させ、上記第1の脚床部7を水平に倒伏させる第1の初期状態に戻す場合の制御は、基本パターンPの駆動線図の上昇方向或いは下降方向の傾斜角度に倣って上記背床部6と第1の脚床部7とを所定の割合で駆動するようにしている。
【0080】
そのため、第1のパターンP1の駆動制御は、基本的には基本パターンPの駆動線図の傾斜角度に倣った制御を利用して行われるから、第1のパターンP1専用の制御を行わずにすむ。そのため、任意の角度の駆動された背床部6と第1の脚床部7を第1の初期状態に戻すための制御を容易に行うことができる。
【0081】
その際、上記背床部6と第1の脚床部7との起立角度の和が利用者の身体を圧迫しない角度を維持しながら、上記背床部6を最大上昇角度以下(水平状態も含む)の状態から、最大起立角度となるまで駆動することができる。
【0082】
上記背床部6や第1の脚床部7を任意の角度に変更して使用していた状態から、第2の初期状態、つまり背床部6と第1の脚床部7が水平に倒伏した状態に戻したい場合には、上述したように上記リモートコントローラ19の設定釦23を押してから、あたま下げ釦24を押すことで、上記背床部6と第1の脚床部7を連動させることができる。
【0083】
図8(a)〜(c)はそれぞれ上記背床部6と第1の脚床部7が任意の角度で起立した状態から、上記基本パターンPの第2の初期状態、つまり背床部6と第1の脚床部7を水平に倒伏させる、第2のパターンP2を示している。
【0084】
図8(a)はS1で示すように、背床部6が45度以下の角度で起立し、第1の脚床部7が45度以下の所定の角度で起立した状態にある。このS1の状態から上記背床部6と第1の脚床部7を第2の初期状態に戻す制御は、上記背床部6と第1の脚床部7とが同図に破線で示す基本パターンPの駆動線図の下降方向の傾斜角度に倣って所定の割合でともに下降方向に駆動される。
【0085】
同図にS2で示す状態になると、背床部6は上昇角度が0となって水平に倒伏するが、第1の脚床部7はまだ起立した状態にある。したがって、S2の状態になって、背床部6の上昇角度が0度であることが第1の角度検出器17によって検出されると、背床部6の野駆動が停止され、第1の脚部7だけが倒伏方向に駆動される。それによって、S2の状態からS3の状態となる。つまり、第1の脚部7も背床部6と同様、水平に倒伏することになるから、上記背床部6と第1の脚床部7とが第2の初期状態に戻されることになる。
【0086】
図8(b)はS1で示すように、背床部6が45度以上の角度で起立し、第1の脚床部7が45度以下の所定の角度で起立した状態にある。このS1の状態から上記背床部6と第1の脚床部7を第2の初期状態に戻す制御は、上記背床部6と第1の脚床部7とが同図に破線で示す基本パターンPの駆動線図の上降方向の傾斜角度に倣って所定の割合で駆動される。つまり、背床部6は下降方向に駆動され、第1の脚床部7は上昇方向に駆動される。
【0087】
同図にS2で示すように背床部6が45度の角度まで下降すると、上記背床部6と第1の脚床部7とは同図に破線で示す基本パターンPの駆動線図の下降方向の傾斜角度に倣って所定の割合で駆動される。つまり、背床部6と第1の脚床部7はともに下降方向に駆動される。
【0088】
同図にS3で示すように第1の脚床部7が水平の倒伏し、そのことが第2の角度検出器18によって検出された時点では、上記背床部6はまだ上昇した状態にある。したがって、S3の状態になると、第1の脚床部7は駆動されず、背床部6だけが下降方向に駆動される。それによって、同図にS4で示すように背床部6と第1の脚床部7はともに下降方向に駆動される。
【0089】
それによって、背床部6も第1の脚部7と同様、水平に倒伏することになるから、上記背床部6と第1の脚床部7とが第2の初期状態に戻されることになる。
【0090】
図8(c)はS1で示すように、背床部6が45度以下の角度で起立し、第1の脚床部7が水平に倒伏した状態にある。つまり、図8(c)は他の例の場合のように背床部6と第1の脚床部7がともに起立している場合とは異なる例外的な例である。
【0091】
上記S1の状態から上記背床部6と第1の脚床部7を第2の初期状態に戻す制御は、背床部6だけを下降方向に駆動し、同図にS2で示す状態とする。それによって、背床部6と第1の脚床部7がともに水平に倒伏した第2の初期状態に戻されることになる。
【0092】
このように、背床部6と第1の脚床部7のうち、少なくとも背床部6が所定の角度で起立した状態から、この背床部6と第1の脚床部7がともに水平に倒伏する第2の初期状態に戻す場合の制御は、図8(c)の場合を除いて基本パターンPの駆動線図の上昇方向或いは下降方向の傾斜角度に倣って上記背床部6と第1の脚床部7とを所定の割合で駆動するようにしている。
【0093】
そのため、第2のパターンP2の駆動制御は、基本的には基本パターンPの駆動線図の傾斜角度に倣った制御を利用して行われるから、第2のパターンP2専用の制御を行わずにすむ。そのため、任意の角度の駆動された背床部6と第1の脚床部7を第2の初期状態に戻すための制御を容易に行うことができる。
【0094】
その際、上記背床部6と第1の脚床部7との起立角度の和が利用者の身体を圧迫しない角度を維持しながら、上記背床部6を最大上昇角度以下(水平状態も含む)の状態から、水平に倒伏する角度となるまで駆動することができる。
【0095】
上記基本パターンP、第1のパターンP1及び第2のパターンP2において、背床部6と第1の脚床部7の起上角度の和が排除領域であるゾーンC内になるのを防止している。
【0096】
そのため、背床部6と第1の脚床部7が任意の角度で起上した状態から、上述したように上記背床部6と第1の脚床部7を第1の初期状態或いは第2の初期状態に戻すとき、上記背床部6と第1の脚床部7との起上角度の和が所定以上となって、利用者の腹部を圧迫するのを防止することができる。
【0097】
つまり、背床部6と第1の脚床部7が任意の角度で起上した状態から、これらを第1の初期状態或いは第2の初期状態に戻す際、利用者に不快感を与えることなく行うことができる。
【0098】
この実施の形態では上記背床部6の駆動範囲を0〜73度、第1の脚床部の駆動範囲を0〜45度の制限している。そのため、そのことによっても、上記背床部6や第1の脚床部7の上昇角度が大きくなりすぎて利用者に不快感を与えるのを防止することができる。
【0099】
しかも、上記背床部6と第1の脚床部7の駆動範囲が制限されているため、背床部6と第1の脚床部7が任意の角度で起上した状態から、第1の初期状態或いは第2の初期状態に戻す際、上記背床部6と第1の脚床部7とが駆動範囲の上限或いは下限になったとき、それ以上に駆動されることがないから、そのことによっても、第1の初期状態或いは第2の初期状態に戻す制御を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0100】
2…フレーム、6…背床部、7…第1の脚床部、11…駆動制御部、12…制御装置、13…第1の駆動源、14…第2の駆動源、17…第1の角度検出器、18…第2の角度検出器、19…リモートコントローラ(操作部)、23…設定釦、24…あたま上げ釦、25…あたま下げ釦。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに設けられた背床部と脚床部が起伏駆動されるベッド装置に用いられる床板装置であって、
操作部と、
この操作部の操作によって上記背床部を起伏駆動する第1の駆動源と上記脚床部を起伏駆動する第2の駆動源を制御する制御装置を具備し、
上記制御装置は、
上記背床部と脚床部とを所定の割合で連動させて起伏動作させる基本パターンと、
上記背床部と脚床部とが途中の角度に起上した状態から上記背床部を上昇限の角度まで起上させる第1のパターンと、
上記背床部と脚床部とが起上した状態から上記背床部を下降限の角度まで倒伏させる第2のパターンを有し、
上記第1のパターンと上記第2のパターンは、上記基本パターンからずれた状態にある上記背床部と脚床部とを、上記基本パターンの上記所定の割合に基いて連動させて起伏動作させた後、上記基本パターンの初期状態に戻っていない上記背床部と脚床部を初期状態に戻すよう駆動するようになっている
ことを特徴とするベッド装置に用いられる床板装置。
【請求項2】
フレームに設けられた背床部と脚床部が起伏駆動されるベッド装置に用いられる床板装置であって、
操作部と、
この操作部の操作によって上記背床部を起伏駆動する第1の駆動源と上記脚床部を起伏駆動する第2の駆動源を制御する制御装置を具備し、
上記制御装置は、
上記背床部と脚床部とを所定の割合で連動させて起伏動作させる基本パターンと、
上記背床部と脚床部とが途中の角度に起上した状態から上記背床部を上昇限の角度まで起上させる第1のパターンと、
上記背床部と脚床部とが起上した状態から上記背床部を下降限の角度まで倒伏させる第2のパターンを有し、
上記第1のパターンは、上記背床部と脚床部の起上角度を判定し、上記背床部の角度が所定の角度以下のときには上記背床部と上記脚床部を起上方向に上記所定の割合で上記背床部が上記所定の角度となるまで連動させ、上記背床部が所定の角度に達したならば上記背床部を上昇限まで起上させながら上記脚床部を倒伏方向に駆動するようになっていて、
上記第2のパターンは、上記背床部と脚床部の起上角度を判定し、上記背床部が上記所定の角度以下のときには上記背床部と上記脚床部をどちらか一方が下降限となる角度まで上記所定の割合で倒伏方向に駆動した後、他方を下降限まで倒伏駆動し、上記背床部の角度が所定角度以上のときには上記背床部と上記脚床部を上記所定の割合で上記背床部が上記所定の角度となるまで倒伏方向に駆動しながら上記脚床部を起上方向に駆動した後、上記背床部と上記脚床部をこれらが下降限となる角度まで上記所定の割合で倒伏方向に駆動するようになっている
ことを特徴とするベッド装置に用いられる床板装置。
【請求項3】
上記背床部と脚床部との起上角度の和が所定以上の角度となる排除領域が設定されていて、上記基本パターン、第1のパタンーン及び第2のパタンーンは上記排除領域を含まない作動領域で上記背床部と脚床部との起伏駆動が行われることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベッド装置に用いられる床板装置。
【請求項4】
上記背床部と脚床部は上昇限と下降限が設定されていて、上記第1のパターンと第2のパターンは上昇限と下降限の範囲内で起伏駆動されることを請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のベッド装置に用いられる床板装置。
【請求項5】
フレームに設けられた背床部と脚床部が起伏駆動されるベッド装置に用いられる床板の駆動制御方法であって、
上記背床部と脚床部とを所定の割合で連動させて起伏動作させる基本パターンと、
上記背床部と脚床部とが途中の角度に起上した状態から上記背床部を上昇限まで起上させる第1の動作パターンと、
上記背床部と脚床部とが起上した状態から上記背床部を下降限の角度まで倒伏させる第2の動作パターンとのいずれかによって上記背床部と脚床部を起伏駆動するようになっていて、
上記第1のパターンと上記第2のパターンは、上記基本パターンからずれた状態にある上記背床部と脚床部とを、上記基本パターンの上記所定の割合に基いて連動させて起伏動作させた後、上記基本パターンの初期状態に戻っていない上記背床部と脚床部を初期状態に戻すよう駆動する
ことを特徴とするベッド装置に用いられる床板の駆動制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−94616(P2013−94616A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243188(P2011−243188)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)
【Fターム(参考)】