説明

ベッド装置

【課題】この発明はマットレスの支持高さを変えるために側板の高さ寸法を変えても、ヘッドボードを兼用できるようにしたベッド装置を提供することにある。
【解決手段】ベッド本体15は、ヘッドボード2と、ヘッドボードの幅方向両端に長手方向一端が連結された一対の側板16と、側板の長手方向他端に幅方向両端が連結されたフットボード4とを具備し、ヘッドボードとフットボードとの幅方向両端にはそれぞれナット11が設けられ、側板の長手方向両端部には連結金具8が設けられていて、側板の長手方向一端と他端へのヘッドボードとフットボードの連結は、側板の高さ寸法に応じて連結金具をナットに第1のおねじによって直接連結する第1の形態と、ナットにブラケット18の一辺を第2のおねじ25によって連結し、ブラケットの他辺に連結金具を第3のおねじ26によって連結する第2の形態のいずれかによって行なわれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はマットレスの厚さ寸法に応じてその支持高さを変えるようにしたベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にベッド装置はベッド本体を有する。このベッド本体はヘッドボードと、このヘッドボードの幅方向両端に長手方向一端が連結された一対の側板と、この側板の長手方向の他端に幅方向の両端が連結されたフットボードとによって構成されている。
一対の側板の内面には受け桟が設けられ、これら受け桟には床板が幅方向両端を係合させて架設される。そして、この床板上にマットレスが載置される。
【0003】
通常、上記マットレスは厚さ寸法が約200mm程度であるが、最近では寝心地の向上を図るために低反発ウレタンフォームを入れたマットレスが使用されることがあり、そのようなマットレスは厚さ寸法が300mm程度になることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記床板上に載置されるマットレスの厚さ寸法が変化すると、このマットレスの上面から突出するヘッドボードの高さ(高さ方向の面積)が変化してくる。マットレスの上面から突出するヘッドボードの高さ寸法はベッド装置の全体的なデザインを考慮して決定されている。
【0005】
そのため、マットレスの厚さ寸法の変化によってその上面から突出するヘッドボードの高さ寸法が変化すると、ベッド装置全体の外観が損なわれるということがある。しかも、マットレスの厚さ寸法が大きい場合には床面(フロアー面)からマットレスの上面までの高さが高くなるから、利用者がマットレスに乗り降りし難くなるなどのことが生じる。
【0006】
マットレスの厚さ寸法の変化に応じてその上面の高さ位置を変える場合、側板を異なる高さ寸法のものに交換し、床板の支持高さを変えることで対応することができる。すなわち、マットレスの厚さ寸法が厚くなった場合には高さ寸法の小さい側板を用いる。
【0007】
それによって、側板に支持される床板の高さを低くすることができるから、この床板上に載置されるマットレスの上面の高さを、厚さ寸法が小さいマットレスの場合と同じにすることができる。
【0008】
ところで、側板とヘッドボード及びフットボードとの連結は、側板の長手方向両端部に一辺を連結固定して設けられたL字状の連結金具の他辺を、各ボードの幅方向両端に設けられたナットにねじ込まれるおねじによって連結するということが行なわれている。
【0009】
各ボードの幅方向両端部に設けられるナットの高さ位置は一定である。そのため、たとえば厚さ寸法の大きなマットレスを使用するため、高さ寸法の小さな側板に交換してマットレスの支持高さを低くしようとしても、各ボードに設けられたナットの位置が一定であるから、側板の両端部に設けられた連結金具を上記ナットにねじ込まれるねじによって連結しても、上記側板の取付け位置を低くすることができない。
【0010】
つまり、各ボードに予め設定された高さ寸法とは異なる高さ寸法の側板を連結しようとしても、ナットが設けられた高さ位置が一定であるから、その側板を各ボードに対して異なる高さ位置となるよう連結することができない。
【0011】
したがって、厚さ寸法の大きなマットレスを使用するための高さ寸法の小さな側板を用いる場合には、側板だけでなく、ボードも異なる高さ位置にナットが設けられたものに交換しなければならないということが生じる。
【0012】
この発明は、マットレスの厚さ寸法が変化した場合、側板だけの交換によって対応することができるようにしたベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、マットレスが載置されるベッド本体を有するベッド装置であって、
上記ベッド本体は、ヘッドボードと、このヘッドボードの幅方向両端に長手方向一端が連結された一対の側板と、この側板の長手方向他端に幅方向両端が連結されたフットボードとを具備し、
上記ヘッドボードとフットボードとの幅方向両端にはそれぞれナットが設けられ、上記側板の長手方向両端部には連結金具が設けられていて、
上記側板の長手方向一端と他端への上記ヘッドボードとフットボードの連結は、上記側板の高さ寸法に応じて上記連結金具を上記ナットに第1のおねじによって直接連結する第1の形態と、上記ナットにブラケットの一辺を第2のおねじによって連結し、このブラケットの他辺に上記連結金具を第3のおねじによって連結する第2の形態のいずれかによって行なわれることを特徴とするベッド装置にある。
【0014】
上記ブラケットの一辺には上記ヘッドボード及びフットボードに設けられた上記ナットにねじ込まれる上記第1のおねじを通す複数の取付け孔が異なる高さ位置に設けられていることが好ましい。
【0015】
この発明は、ヘッドボードを備えたベッド装置であって、
四隅部に脚部材が設けられ上面にマットレスが載置される載置体と、
この載置体の長手方向一端に位置する一対の脚部材に一辺が連結される平面形状がL字状の第1のブラケットと、
上記ヘッドボードの幅方向両端に一辺が連結され他辺が上記第1のブラケットの他辺に連結される平面形状がL字状の第2のブラケットを具備し、
上記第2のブラケットには上記ヘッドボードとの連結高さの調整可能な複数の取付け孔が異なる高さ位置に設けられていることを特徴とするベッド装置にある。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、側板の高さ寸法に応じて側板の端部に設けられる連結金具とヘッドボード及びフットボードの間にブラケットを介在させるため、異なる高さ寸法の側板であっても、各ボードに高さ位置を変えて連結することが可能となる。
【0017】
請求項2の発明によれば、載置体とヘッドボードとの連結を第1、第2のブラケットを介して行なうとともに、第2のブラケットにはヘッドボードとの取付け高さの調整可能な複数の取付け部を設けたから、マットレスの厚さ寸法に応じて異なる高さの載置体を用いる場合であっても、その載置体に第1、第2のブラケットを介してヘッドボードを連結することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1乃至図9はこの発明の第1の実施の形態を示す。図1に示す第1のベッド装置B1はベッド本体1を備えている。このベッド本体1はヘッドボード2を有する。このヘッドボード2の幅方向両端部には一対の第1の側板3(一方のみ図示)の長手方向一端が後述するように着脱可能に連結固定される。一対の第1の側板3の長手方向他端にはフットボード4が後述するように着脱可能に連結固定される。
【0020】
一対の第1の側板3の内面には受け桟5が長手方向に沿って設けられていて、これら受け桟5には長手方向中途部で2つに分割された床板6が架設されている。この床板6の上面には図1に実線で示す第1のマットレスM1が載置される。この第1のマットレスM1は高さ寸法が約200mmの通常の厚さ寸法のものであって、同図に鎖線で示す厚さ寸法が約300mmの第2のマットレスM2に比べて厚さ寸法が小さくなっている。
【0021】
上記第1の側板3の長手方向両端部の上端部には、高さ寸法がこの側板3の高さ寸法の約半分で、平面形状がL字状の連結金具8の一辺が取付け固定されている。図4(b)に示すように、連結金具8の他辺には側方及び下方に向かって開放した一対の鉤部9が形成されている。
【0022】
一方、ヘッドボード2及びフットボード4の幅方向両端部の内面には、図2と図3に示すようにそれぞれ一端をその内面に露出させた一対のナット11が上下方向に所定間隔でインサートされている。
【0023】
図2に示すように、各ナット11には第1のおねじ12が螺合される。これら第1のおねじ12に上記連結金具8の鉤部9を係合させた後、その第1のおねじ12を締め込むことで、第1の側板3の一端にヘッドボード2、他端にフットボード4が連結固定される。
【0024】
上記第1の側板3は、床板6に載置される第1のマットレスM1を所定の高さで支持する高さ寸法に設定されている。すなわち、床板6上に第1のマットレスM1を載置すると、その上面から突出するヘッドボード2の高さ寸法は図1にHで示す寸法になるよう、上記第1の側板3の高さ寸法、つまり床板6の支持高さが設定されている。
【0025】
図5は第1のマットレスM1よりも厚さ寸法の大きな第2のマットレスM2を使用した第2のベッド装置B2を示す。第2のベッド装置B2のベッド本体21は、第1のベッド装置B1のベッド本体1と側板の高さ寸法が異なる。
【0026】
すなわち、第2のベッド装置B2のベッド本体15は、第1のベッド装置B1の第1の側板3よりも高さ寸法が小さい第2の側板16が用いられている。この第2の側板16の長手方向両端部には、第1の側板3に設けられたものと同じ大きさの連結金具8の一辺が取付け固定されている。
【0027】
図8に示すように、第2の側板16の高さ寸法は連結金具8の高さ寸法とほぼ同じになっている。つまり、第2の側板16の高さ寸法は、連結金具8の高さ寸法よりも高さ寸法が大きな第1の側板3の約半分の高さ寸法となっている。
【0028】
第2の側板16の長手方向両端部に設けられた連結金具8の他辺はブラケット18を介してヘッドボード2及びフットボード4に連結固定される。上記ブラケット18は、図9(a)〜(c)に示すように中間辺19aを介して平行に離間対向する第1の側辺19bと第2の側辺19cとを有する、断面形状がコ字状をなしている。第2の側辺19cは第1の側辺19bの半分の高さ寸法となっていて、第1の側辺19bの上下方向の下半分に対向している。
【0029】
上記第1の側辺19bには2つで対をなす第1の取付け孔21a及び第2の取付け孔21bが上下方向に所定間隔で形成されている。各一対の第1、第2の取付け孔21a,21bの上下方向の間隔は各ボード2,4の幅方向両端部に設けられた一対のナット11の間隔と同じに設定されている。
【0030】
第2の側辺19cの内面には一対のナット22が上下方向に所定間隔で設けられている。一対のナット22の間隔は、上記各ボード2,4の幅方向両端部に上下方向に所定間隔で設けられた一対のナット11と同じ間隔となっている。なお、第2の側辺19cの中途部には一対の第2の取付け孔21bの一方を露出させる切り欠き23が形成されている。
【0031】
図6と図7に示すように上記ブラケット18は、第1の側辺19bに形成された一対の第1の取付け孔21aに第2のおねじ25を通し、これらおねじを各ボード2,4の幅方向両端部に設けられた一対のナット11にねじ込む。
【0032】
それによって、ブラケット18は各ボード2,4の幅方向両端部に取付け固定される。なお、各ボード2,4の幅方向一端と他端に取付けられるブラケット18は対称な形状となっている。それによって、一対のブラケット18は開放した一側を各ボード2,4の幅方向内方に向けて取り付けられる。
【0033】
上記ブラケット18の第2の側辺19cに設けられた一対のナット22には第3のねじ26がねじ込まれる。一対の第3のおねじ26には第2の側板16の長手方向両端部に設けられた連結金具8の一対の鉤部9が係合される。第3のおねじ26に鉤部9を係合させたならば、この第3のおねじ26をねじ込む。
【0034】
それによって、ブラケット18の第2の側辺19cに上記第2の側板16が連結固定される。つまり、第2の側板16の長手方向一端にヘッドボード2、他端にフットボード4が連結されたベッド本体15が構成される。
【0035】
第2の側板16の内面には受け桟5が設けられ、一対の受け桟5には床板6が幅方向両端部を係合させて支持される。この床板6の上面には上記第2のマットレスM2が載置される。
【0036】
このように、第1のベッド装置B1の第1のマットレスM1よりも、厚さ寸法の大きな第2のマットレスM2を用いる場合、第1のベッド装置B1の第1の側板3よりも高さ寸法の小さな第2の側板16を用いるようにした。
【0037】
第2の側板16を用いることで、第2のマットレスM2の支持高さを低くし、その上面の高さを、第1のベッド装置B1に用いられた第1のマットレスM1の上面の高さとほぼ同じにすることができる。
【0038】
それによって、第2のマットレスM2の上面から突出するヘッドボード2の寸法を、図5に示すように第1のベッド装置B1の第1のマットレスM1の上面から突出するヘッドボード2の寸法Hとほぼ同じ高さ寸法Hとすることができるから、第2のベッド装置B2のヘッドボード4の外観が第1のベッド装置B1のヘッドボード4の外観と変わることがない。つまり、厚さ寸法の大きな第2のマットレスM2を用いても、ヘッドボード4の露出度合が一定に維持できるため、外観を損なうことがない。
【0039】
しかも、厚さ寸法の大きな第2のマットレスM2を用いても、そのマットレスM2の上面の床面からの高さ寸法が第1のベッド装置B1の第1のマットレスM1の場合とほとんど変わることがないため、利用者が第2のマットレスM2に乗り降りし難くなるということもない。
【0040】
第2のベッド装置B2の第2の側板16は、第1のベッド装置B1の第1の側板3と高さ寸法が異なる。そのため、各ボード2,4に対する連結高さも異なることになる。つまり、各ボード2,4の幅方向両端部に設けられたナット11に連結金具8を直接、連結したのでは、第1の側板3よりも高さ寸法が小さい第2の側板16を、各ボード2,4に対して第1の側板3よりも低い位置に連結することができなくなる。つまり、第2の側板16は第1のベッドB1の第1の側板3と同じ高さで連結されることになる。
【0041】
そこで、第2のベッド装置B2の第2の側板16を、ヘッドボード2及びフットボード4に連結する際、これらの間にブラケット18を介在させるようにした。つまり、第2の側板16を使用するときには、各ボード2,4の幅方向両端部に設けられたナット11に、上記ブラケット18の第1の側辺19bに設けられた一対の第1の取付け孔21aに第2のおねじ25を挿通し、その第2のおねじ25を各ボード2,4の幅方向両端部に設けられたナット11にねじ込むようにした。
【0042】
それによって、図7に示すように上記ブラケット18の連結金具8が連結される第2の側辺19cに設けられた一対のナット22を、各ボード2,4に設けられたナット11よりも低い位置にすることができるから、上記ナット22に第3のおねじ26によって連結される第2の側板16の高さを、第1の側板3に比べて高さ寸法が小さくなった分だけ低い位置にすることができる。
【0043】
つまり、第1のマットレスM1よりも厚さ寸法の大きな第2のマットレスM2を使用する第2のベッド装置B2の場合、ブラケット18を用いるようにしたことで、第1のベッド装置B1のヘッドボード2とフットボード4を兼用することができる。つまり、ヘッドボード2とフットボード4を共通化できるから、生産や在庫管理などが容易となり、コストの低減を図ることができる。
【0044】
図10乃至図12はこの発明の第2の実施の形態を示し、図10と図11はボックスタイプの第3のベッド装置B3である。つまり、ベッド本体27の一部には一対の引き出し28が出し入れ自在に設けられた箱体29が用いられている。図11に示すように、箱体29はベッド本体27のほぼ半分の幅寸法に形成されていて、この箱体29の背面に設けられた受け桟5と側板3の内面に設けられた受け桟5とに床板6aが架設される。それによって、上記箱体29の上面と、上記床板6aとで図10に示すように厚さ寸法の薄い第1のマットレスM1を載置する載置面を形成している。
【0045】
上記第3のベッド装置B3の場合、第1の実施の形態の第1のベッド装置B1とほぼ同じ高さ寸法の第1の側板3が用いられるが、ヘッドボード2A及びフットボード4Aは第3のベッド装置B3専用のものが用いられる。第3のベッド装置B3専用のヘッドボード2A及びフットボード4Aはその幅方向両端部に設けられた一対のナット11の高さ位置が第1の実施の形態のヘッドボード2の場合よりも低い位置になる。
【0046】
つまり、側板3Aの高さ寸法は第1のベッド装置B1の第1の側板3と同じ高さ寸法であるが、箱体29を用いることで、この箱体29を箱体29の上面板よりも低い位置でねじ30によってヘッドボード2A及びフットボード4Aと連結しなければならない。
【0047】
したがって、ナット11の高さ位置が第1のベッド装置B1のヘッドボード2の場合に比べて低くなるから、連結金具8は図12(a),(b)に示すように一辺が第1の側板3の長手方向両端部の高さ方向中途部に連結固定される。
【0048】
第3のベッド装置B3のヘッドボード2A及びフットボード4Aを利用して厚さ寸法の大きな第2のマットレスM2を使用する場合、図13に示すように側板3Aと箱体29を、これらの高さ寸法に比べて低い第2の側板16に交換する。第2の側板16は第1のベッド装置B1に用いられるものと同じものである。
【0049】
その場合、第1のベッド装置B1の場合と同様、図9(a)〜(c)に示すブラケット18を用いて側板16の両端にヘッドボード2Aとフットボード4Aを連結する。つまり、ヘッドボード2A及びフットボード4Aに形成されたナット11の高さ位置は、第1のベッド装置B1のヘッドボード2及びフットボード4に形成されたナット11の高さ位置よりも低い位置にある。
【0050】
そのため、ブラケット18に形成された一対の第2の取付け孔21bを利用して上記ブラケット18の第1の側辺19bを第2のおねじ25によって上記ヘッドボード2Aに取付け固定する。
【0051】
それによって、図13に示すように、上記ブラケット18の第2の側辺19cに設けられたナット22の高さ位置を第1の取付け孔21aと第2の取付け孔21bとの高さの差に応じて低い位置の第4のベッド装置B4にすることができるから、図13に示すように第2の側板16の一端と他端とに上記ブラケット18の第2の側辺19cを介してヘッドボード2Aとフットボード4Aを第3のおねじ26によって連結することができる。
【0052】
すなわち、この第2の実施の形態においても、厚さ寸法の異なる第1のマットレスM1或いは第2のマットレスM2のいずれを用いても、各マットレスM1、M2の上面の高さ位置を一定に維持して使用することができるばかりか、第3のベッド装置B3と第4のベッド装置B4において、ヘッドボード2Aとフットボード4Aを兼用することもできる。
【0053】
図14乃至図18はこの発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態の第4のベッド装置B5は載置体32を備えている。この載置体32は平面形状が矩形状であって、四隅部には角筒状の脚部材31が設けられている。載置体32の長手方向一端には連結手段33によってヘッドボード34が垂直に連結されている。なお、載置体32の上面には図示しないマットレスが載置される。
【0054】
上記連結手段33は第1のブラケット35と第2のブラケット36からなる。第1のブラケット35は図17(a)〜(c)に示すように第1の側辺37aと、この第1の側辺37aよりも幅寸法が小さい第2の側辺37bとによって断面L字状に形成されている。
【0055】
上記第1の側辺37aには、上方から第1の取付け孔38a、上下方向に所定間隔で離間した一対の第2の取付け孔38b、一対の第2の取付け孔38bの間に位置する長孔からなる共通孔38c及び下方の第2の取付け孔38bよりもさらに下方に位置する第3の取付け孔38dが形成されている。第1の取付け孔38a及び第3の取付け孔38dはそれぞれ共通孔38cと対をなしている。上記第1のブラケット35の第2の側辺37bには上下方向に所定間隔で一対のナット39が設けられている。
【0056】
上記ヘッドボード34の幅方向両端部には、共通孔38cとで対をなす第1、第3の取付け孔38a,38d及び一対の第2の取付け孔38bの間隔G(図17(a)に示す)とほぼ同じ間隔で上下方向に離間した一対のナット41(図15に示す)がインサートされている。
【0057】
上記ナット41には第1のおねじ40がねじ込まれる。この第1のおねじ40は上記第1のブラケット35の対をなす一対の取付け孔、たとえば一対の第2の取付け孔38bに挿通されて上記ナット41にねじ込まれる。それによって、第1のブラケット35はヘッドボード34の幅方向両端部に第2の取付け孔38bの高さ位置に応じた高さで取り付けられる。
【0058】
上記第2のブラケット36は、図18(a)〜(c)に示すように第1の側辺42a及びこの第1の側辺42aよりも幅寸法の狭い第2の側辺42bによって断面形状がL字状に形成されている。この第2のブラケット36の長さ寸法は上記第1のブラケット35の第2の側辺37bの高さ寸法よりもわずかに長く設定されている。また、各側辺42a,42bの上端には蓋部43が折り曲げ形成されている。
【0059】
上記第1の側辺42aには上下方向に所定間隔で離間した一対の第4の取付け孔44が形成され、第2の側辺42bには一対の連結孔45が上記第1のブラケット35の第2の側辺37bに設けられた一対のナット39と同じ間隔で形成されている。
【0060】
一対の第4の取付け孔44の間隔は、上記載置体32の長手方向一端側に位置する一対の脚部材31の一側面に上下方向に所定間隔で形成された一対の通孔46(図15に示す)と同じ間隔で形成されている。
【0061】
図15に示すように、上記第2のブラケット36の一対の第4の取付け孔44には第2のおねじ47が挿通される。この第2のおねじ47は上記脚部材31の通孔46に通され、脚部材31内に突出した端部にはナット48が螺合される。それによって、第2のブラケット35の第1の側辺42aが脚部材31に連結固定される。
【0062】
ヘッドボード34に第1の側辺37aが連結固定された第1のブラケット35の第2の側辺37bは、第1の側辺42aが脚部材31に連結固定された第2のブラケット36の第2の側辺42bの内面に重合される。
【0063】
そして、この重合部分の第2のブラケット36の第2の側辺42bの連結孔45から第3のおねじ49を挿通し、その第3のおねじ49を第1のブラケット35の第2の側辺37bに設けられたナット39に螺合することで、第1のブラケット35と第2のブラケット36が連結される。
【0064】
つまり、載置体32の長手方向一端側に位置する一対の脚部材31に、ヘッドボード34は一対の連結手段33によって連結固定される。なお、一対の連結手段33を構成する第1、第2のブラケット35,36はヘッドボード34の幅方向一端側と他端側とで対称な形状に形成されている。それによって、図16に示すように第1、第2のブラケット35,36のそれぞれの第2の側辺37b、42bがヘッドボード34の幅方向外方を向くことになる。
【0065】
このような構成の第4のベッド装置B4によれば、載置体32とヘッドボード34は連結手段33によって連結される。この連結手段33は第1のブラケット35と第2のブラケット36からなる。そして、第1のブラケット35のヘッドボード34に連結される第1の側辺37aには、共通孔38cとで対をなす第1、第3の取付け孔38a,38d及びを一対の第2の取付け孔38bがそれぞれ異なる高さ位置に形成されている。
【0066】
そのため、載置体32を異なる高さ寸法のものに変えても、第1のブラケット35の第1の側辺37aの異なる高さ位置に形成されたそれぞれ対をなす第1乃至第3の取付け孔38a〜38dのいずれかに、ヘッドボード34の幅方向両端部に設けられた一対のナット41の高さが一致すれば、その取付け孔を利用して載置体32とヘッドボード34を連結手段33を介して連結することができる。
【0067】
すなわち、使用するマットレスの厚さ寸法が異なり、そのマットレスの上面の高さを一定にするために、異なる高さの載置体32を用いるようにしても、その高さの載置体32に連結手段33によってヘッドボード34を連結することができるから、異なる高さの載置体32であってもヘッドボード34を共用することができ、経済的である。
【0068】
なお、第4のベッド装置B4の場合、第1のブラケット35の第1の側辺37aには、異なる高さ位置に共通孔38cを含めて3組の取付け孔38a〜38cが形成されているから、一対のナット41が異なる高さ位置に設けられたヘッドボード34であっても、そのナット41の高さ位置が3組の取付け孔38a〜38cのいずれかの組の取付け孔に一致すれば、そのヘッドボード34を載置体32に第1、第2のブラケット35,36を介して連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す第1のベッド装置の側面図。
【図2】ヘッドボードと第1の側板との連結部分の一部断面した拡大図。
【図3】ヘッドボードの左半分の正面図。
【図4】(a),(b)は第1の側板の端部に設けられた連結金具を示す図。
【図5】第1のベッド装置よりも厚さ寸法の大きなマットレスを使用した第2のベッド装置の側面図。
【図6】ブラケットが設けられたヘッドボードの左半分の正面図。
【図7】第2のベッド装置のヘッドボードと第2の側板のブラケットを介しての連結された部分の一部断面した拡大図。
【図8】(a)、(b)第2のベッド装置の第2の側板の端部に設けられた連結金具を示す図。
【図9】(a)〜(c)はブラケットを示す図。
【図10】この発明の第2の実施の形態を示すボックスタイプの第3のベッド装置の一部破断した側面図。
【図11】図10に示すボックスタイプの第3のベッド装置のベッド本体を断面した正面図。
【図12】(a),(b)は第3のベッド装置の第1の側板に設けられた連結金具を示す図。
【図13】厚さ寸法の大きな第2のマットレスM2を使用した第4のベッド装置の側面図。
【図14】この発明の第3の実施の形態を示す第5のベッド装置の側面図。
【図15】第5のベッド装置の載置体とヘッドボードの連結部分を示す断面図。
【図16】第5のベッド装置の載置体とヘッドボードの連結部分を一部鎖線で示す平面図。
【図17】(a)〜(c)は第4のベッド装置に用いられる第1のブラケットの図。
【図18】(a)〜(c)は第4のベッド装置に用いられる第2のブラケットの図。
【符号の説明】
【0070】
1,15,27…ベッド本体、2,34…ヘッドボード、3…第1の側板、4…フットボード、8…連結金具、11…ナット、12…第1のおねじ、18…ブラケット、25…第2のおねじ、26…第3のおねじ、31…脚部材、32…載置体、33…連結手段、35…第1のブラケット、36…第2のブラケット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マットレスが載置されるベッド本体を有するベッド装置であって、
上記ベッド本体は、ヘッドボードと、このヘッドボードの幅方向両端に長手方向一端が連結された一対の側板と、この側板の長手方向他端に幅方向両端が連結されたフットボードとを具備し、
上記ヘッドボードとフットボードとの幅方向両端にはそれぞれナットが設けられ、上記側板の長手方向両端部には連結金具が設けられていて、
上記側板の長手方向一端と他端への上記ヘッドボードとフットボードの連結は、上記側板の高さ寸法に応じて上記連結金具を上記ナットに第1のおねじによって直接連結する第1の形態と、上記ナットにブラケットの一辺を第2のおねじによって連結し、このブラケットの他辺に上記連結金具を第3のおねじによって連結する第2の形態のいずれかによって行なわれることを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
上記ブラケットの一辺には上記ヘッドボード及びフットボードに設けられた上記ナットにねじ込まれる上記第1のおねじを通す複数の取付け孔が異なる高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【請求項3】
ヘッドボードを備えたベッド装置であって、
四隅部に脚部材が設けられ上面にマットレスが載置される載置体と、
この載置体の長手方向一端に位置する一対の脚部材に一辺が連結される断面形状がL字状の第1のブラケットと、
上記ヘッドボードの幅方向両端に一辺が連結され他辺が上記第1のブラケットの他辺に連結される断面形状がL字状の第2のブラケットを具備し、
上記第2のブラケットには上記ヘッドボードとの連結高さの調整可能な複数の取付け孔が異なる高さ位置に設けられていることを特徴とするベッド装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2006−334156(P2006−334156A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162869(P2005−162869)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)