説明

ベッド装置

【課題】この発明は暗所で視認し易くしたベッド装置を提供することにある。
【解決手段】ボトムマットレスと、このボトムマットレスの上面に載置される上部マットレスとを備え、ボトムマットレスの外周面には、蓄光糸16bが織り込まれた飾り布14が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はボトムマットレス及びこのボトムマットレスの上面に上部マットレスが載置されるベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド装置には種々のタイプのものがあり、その1つにダブルクッションタイプのベッド装置が知られている。ダブルクッションタイプのベッド装置は長手方向の一端面にヘッドボードが立設されたボトムマットレスを有する。このボトムマットレスの上面には上部マットレスが載置される。
【0003】
このような構成のベッド装置は、上部マットレスの上面に仰臥した利用者を、上部マットレスだけでなく、ボトムマットレスによっても弾性的に支持する。そのため、利用者に与える寝心地が向上するという利点を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、利用者がベッド装置を利用して就寝する場合、通常、ベッド装置が設置された部屋は暗くしておくことが多い。そのため、その部屋に利用者或いは他の人が出入りする際、ベッド装置の周辺部を確実に視認できないことがあり、そのような場合にはボトムマットレスの外周面に足をぶつけたり、つまづいてしまうということがあった。
【0005】
この発明は、部屋が暗い場合であっても、ボトムマットレスを容易に視認できるようにしたベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、ボトムマットレスと、このボトムマットレスの上面に載置される上部マットレスとを備え、
上記ボトムマットレスの外周面には、蓄光糸が織り込まれた布地が設けられることを特徴とするベッド装置にある。
【0007】
上記ボトムマットレスの外周面には飾り布が着脱可能に設けられ、この飾り布に上記蓄光糸が織り込まれていることが好ましい。
【0008】
上記ボトムマットレスの長手方向一端にはヘッドボードが設けられ、上記飾り布は上記ボトムマットレスの外周面の上記ヘッドボードが設けられた一端面を除く他端面及び幅方向の両側面にわたって設けられていて、
上記蓄光糸は、上記飾り布の上記ボトムマットレスの他端面の幅方向一端部と、幅方向他端部に位置する一方の側面の長手方向他端部とに設けられていることが好ましい。
【0009】
上記飾り布には上記蓄光糸によって刺繍が施されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、ボトムマットレスの外周面に蓄光糸を織り込んだ布地を設けるようにしたから、暗所で上記蓄光糸が発光するため、その発光によってボトムマットレスを視認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図6はこの発明の一実施の形態を示す。図1はベッド装置の側面図で、図2は正面図である。このベッド装置はボトムマットレス1を備えている。このボトムマットレス1は図3と図4に示すように木枠2を有する。この木枠2の上面には図示しない板材を介してシート状の下部フェルト3が敷設され、この下部フェルト3上にはスプリングユニット4が設けられている。
【0012】
このスプリングユニット4は所定の厚さ寸法を有する矩形板状に形成されていて、その上下面の周縁部には枠線5がクリップ6によって取り付けられている。
上記スプリングユニット4の上面にはシート状の上部フェルト7が設けられている。この上部フェルト7の上面及び上記スプリングユニット4の外周面はウレタンフォームなどの弾性シート8によって覆われている。
【0013】
そして、この弾性シート8及び上記木枠2の下面は外装地9によって被覆されている。この外装地9は、図3と図4に示すようにボトムマットレス1の上下面を被覆する鏡部9a及び外周面及び上下面の周辺部を被覆するまち部9bからなり、このまち部9bはたとえばパイル地などの後述するベルベットファスナ15が係着可能な布地が用いられている。
【0014】
図1と図2に示すように、上記ボトムマットレス1の下面四隅部には脚体11が設けられ、長手方向の一端面には鎖線で示すようにヘッドボード12が立設されている。さらに、ボトムマットレス1の周辺部のうち、ヘッドボード12が設けられた、長手方向の一端面を除く3つの面には飾り布14が設けられている。
【0015】
この飾り布14は、図4と図5に示すように上記ボトムマットレス1の3つの辺がなす形状に対応するU字状の平面形状に形成されているとともに、断面形状は上記ボトムマットレス1の外周面及び上下面に沿う側辺14a及び上下辺14b、14cを有するコ字状に形成されている。
【0016】
上記飾り布14の上辺14b及び下辺14cの内面には、全長にわたってベルベットファスナ15が設けられている。そして、飾り布14は、ベルベットファスナ15をボトムマットレス1の周辺部に設けられたまち部9bに着脱可能に係着させて設けられる。それによって、飾り布14は、上記ボトムマットレス1のヘッドボード12が設けられた一端面を除く3つの側面を覆っている。
【0017】
図1と図2に示すように、上記飾り布14の側辺14aには、ボトムマットレス1の他端面の幅方向一端部と、この幅方向一端部と反対側に位置する幅方向の他側面で、この他側面の長手方向の他端部とに、それぞれ刺繍16が施されている。この刺繍16は、図6に示すように通常の刺繍糸16aと蓄光糸16bによって形成されている。
【0018】
つまり、図6において細い線が刺繍糸16aであり、太い糸が蓄光糸16bである。刺繍16の一部に蓄光糸16bを用いたことで、ベッド装置が設置された部屋が暗くなったときに、上記蓄光糸16bが発光する。
そして、上記構成のボトムマットレス1の上面には、図1と図2に鎖線で示すように上部マットレス18が載置される。
【0019】
このように、この発明のベッド装置は、ボトムマットレス1の外周面に飾り布14を設け、この飾り布14に刺繍16を施すとともに、その刺繍16の一部に蓄光糸16bを用いるようにした。
【0020】
刺繍16の一部に蓄光糸16bが用いられていれば、ベッド装置が設置された室内が暗い場合であっても、上記刺繍16の蓄光糸16bが発光する。したがって、利用者や他の人が室内に出入りする際、上記蓄光糸16bによってボトムマットレス1を視認することができるから、ボトムマットレス1の周辺に足をぶつけたり、つまづくのを防止することができる。
【0021】
ボトムマットレス1の外周面に設けられた飾り布14には、ボトムマットレス1の端面の幅方向一端部と、この一端部と反対側の側面の長手方向の端部に対応する部分とに刺繍16が設けられている。
【0022】
そのため、利用者などが暗い室内において、ヘッドボード12と反対側の足元側からベッド装置に近付いてくると、端面の幅方向一端部と、幅方向他端側に位置する側面の長手方向の端部との二箇所に設けられた刺繍16の蓄光糸16bが発光することで、ボトムマットレス1の足元側の幅方向全体の輪郭を確認することができる。つまり、飾り布14に刺繍16を部分的に設けるだけで、ボトムマットレス1の足元側の形状を確認できるから、全体に刺繍16を施す場合に比べて経済的である。
【0023】
また、刺繍16が施された飾り布14は装飾的効果を有するから、ボトムマットレス1の外観の向上を図ることができる。しかも、上記飾り布14はボトムマットレス1に着脱可能に設けられているから、不要な場合には取り外すこともできる。
【0024】
上記一実施の形態では、飾り布14に設けられる刺繍16の一部に蓄光糸16bを用いるようにしたが、図7(a)に示すように飾り布14の角部に蓄光糸によって形成された玉縁21を設けたり、図7(b)に示すように飾り布14の側辺14aと下辺14cとがなす角部の全長にわたって玉縁22を設けるようにしてもよい。
【0025】
また、ボトムマットレス1に飾り布を設ける代わりに、図示しないが、ボトムマットレス1の外装地9に、蓄光糸16bを直接、設けるようにしてもよい。その場合、蓄光糸16bによって刺繍をしてもよいが、刺繍せずに外装地9に単に織り込むようにしてもよく、どのように設けるかは限定されるものでない。
【0026】
また、飾り布はボトムマットレスのヘッドボードが設けられた一端面を除く三辺に設けたが、長手方向の他端面だけに設けたり、一方の側面だけに設けたり、或いは端面と一方の側面との二辺に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施の形態を示すベッド装置の側面図。
【図2】ベッド装置の正面図。
【図3】ボトムマットレスの一部破断した平面図。
【図4】ボトムマットレスの一部断面した側面図。
【図5】飾り布の斜視図。
【図6】飾り布に設けられる刺繍の拡大図。
【図7】(a),(b)はそれぞれこの発明の飾り布の変形例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0028】
1…ボトムマットレス、14…飾り布、16…刺繍、16a…刺繍糸、16b…蓄光糸、18…上部マットレス、21,22…玉縁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトムマットレスと、このボトムマットレスの上面に載置される上部マットレスとを備え、
上記ボトムマットレスの外周面には、蓄光糸が織り込まれた布地が設けられることを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
上記ボトムマットレスの外周面には飾り布が着脱可能に設けられ、この飾り布に上記蓄光糸が織り込まれていることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【請求項3】
上記ボトムマットレスの長手方向一端にはヘッドボードが設けられ、上記飾り布は上記ボトムマットレスの外周面の上記ヘッドボードが設けられた一端面を除く他端面及び幅方向の両側面にわたって設けられていて、
上記蓄光糸は、上記飾り布の上記ボトムマットレスの他端面の幅方向一端部と、幅方向他端部に位置する一方の側面の長手方向他端部とに設けられていることを特徴とする請求項2記載のマットレス装置。
【請求項4】
上記飾り布には上記蓄光糸によって刺繍が施されていることを特徴とする請求項3記載のマットレス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−34712(P2006−34712A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220568(P2004−220568)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)