説明

ベッド装置

【課題】この発明はベッドの側方に水平の保持されるテーブル板を不使用時に容易に片付けることができるベッド装置を提供することにある。
【解決手段】ヘッドボード3を有するベッド本体1と、ヘッドボードの背面の幅方向一端部に少なくとも上面及び幅方向の端面が開口して形成された収容部5と、収容部にヘッドボードの幅方向一端から出し入れ可能に設けられた支持板11と、支持板の上部に回動可能に連結され支持板が収容部に収容されたときには垂直に起立した状態にあるテーブル板14と、テーブル板に回動可能に設けられ支持板を収容部からヘッドボードの側方に引き出したときにテーブル板を水平に倒伏した状態で保持する脚部材とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はベッド本体の側方に小物類を載置するためのテーブル板を設けることができるベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド装置を利用する場合、たとえば水差し、照明スタンド或いは眼鏡などの種々の小物類を枕元に置くことができると便利である。そこで、ベッド装置の側方にナイトテーブルを設置し、このナイトテーブルの上面に上述した小物類を置くようにしている。
【0003】
ベッド装置の側方に設置されるナイトテーブルは、通常、利用者が利用し易い枕元、つまりヘッドボードの近くに置くことが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ナイトテーブルを使用しないときやヘッドボードの側方のスペースを有効に利用したい場合などには上記ナイトテーブルが邪魔になるから、邪魔にならない場所に移動させなければならないということがあり、不便であった。
【0005】
この発明は、ナイトテーブルとして使用することができるテーブル板を不使用時にはヘッドボードの背面側に格納できるようにしたベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、ヘッドボードを有するベッド本体と、
上記ヘッドボードの背面の幅方向一端部に少なくとも上面及び幅方向の端面が開口して形成された収容部と、
上記収容部に上記ヘッドボードの幅方向一端から出し入れ可能に設けられた支持板と、
この支持板の上部に回動可能に連結され支持板が上記収容部に収容されたときには垂直に起立した状態で保持されるテーブル板と、
このテーブル板に回動可能に設けられ上記支持板を上記収容部から上記ヘッドボードの側方に引き出したときに上記テーブル板を水平に倒伏した状態で保持する脚部材と
を具備したことを特徴とするベッド装置にある。
【0007】
上記脚部材はU字状であって、その開放端側には係止部材が幅方向に架設され、上記テーブル板の下面には先端に係合部を有する保持部材が基端を回動可能に連結して設けられていて、
上記保持部材の係合部を上記係止部材に係合させることで、上記脚部材は上記テーブル板を水平に保持した状態で倒伏不能に保持されることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ヘッドボードの背面の幅方向一端部に収容部を設け、この収容部にはテーブル板が回動可能に連結された支持板を出し入れできるように設けたから、上記テーブル板をヘッドボードの側方で水平に支持して利用したり、不使用時には支持板を収容部に格納することで、ベッド本体の側方から除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の第一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1はこの発明のベッド装置の斜視図であって、このベッド装置はベッド本体1を備えている。このベッド本体1は上面にマットレス2が設けられ、長手方向一端にはヘッドボード3が立設されている。
【0011】
図2に示すように、上記ヘッドボード3の背面の幅方向一端部には収容部5が設けられている。この収容部5は上記ヘッドボード3の背面と所定間隔で平行に離間対向した側板6を有する。この側板6は、上記ヘッドボード3の背面に下端が下部横部材7によって連結され、上端が上部横部材8によって連結されている。
【0012】
下部横部材7は側板6の幅寸法とほぼ同じ長さ寸法であって、上面にはガイド溝7aが形成されて断面L字状となっている。上記上部横部材8は上記側板6の幅寸法に比べて半分以下の長さ寸法に形成されていて、上記側板6の上記ヘッドボード3の幅方向内側に位置する一端部に設けられている。それによって、上記収容部5は幅方向の両端面及び上面の上記上部横部材8を除く部分である、上記ヘッドボード3の幅方向一端側の部分が開放している。
【0013】
上記収容部5には、上記側板6よりも幅寸法の大きな支持板11が下端を上記ガイド溝7aにスライド可能に係合させて設けられている。この支持板11は、図5に示すように幅方向一端部11aが他端部11bに比べて高さ寸法が大きく形成されている。
【0014】
支持板11の背面の高さ方向中途部には幅方向に沿ってスライド部材12が設けられている。このスライド部材12は、上記側板6の内面の高さ方向中途部に幅方向に沿って設けられた受け部材13にスライド可能に係合保持されている。
【0015】
それによって、上記支持板11は、図2に示すように幅方向の一端部11aが上記収容部5に収容された状態と、図3に示すように幅方向の一端部11aが上記収容部5からヘッドボード3の幅方向側方に引き出された状態との間でスライドさせることができるようになっている。
なお、支持板11はヘッドボード3の側方に引き出したとき、スライド部材12の端部が受け部材13に係合することで、収容部5から抜け出るのが阻止される。
【0016】
上記支持板11の幅方向一端部11aの上端にはテーブル板14の一端部が回動可能に連結されている。すなわち、テーブル板14は一端面を除く三方の端面にコ字状の飾り部材15が設けられている。この飾り部材15の両端部は上記テーブル板14の一端面から突出している。そして、一対の飾り部材15の両端部が上記支持板1の一端部11aの上部両側に一対の支軸16(図2に1つのみ図示)によって回動可能に連結されている。
【0017】
上記テーブル板14は図2と図3に示すように支持板11に対して起立した状態と、図4と図5に示すように支持板11に対してほぼ直角に倒伏した状態との間で回動可能となっている。
【0018】
図3に示すように、テーブル板14を起立させたときのヘッドボード3の前面側を向いた面(この面を下面とし、反対側の面を上面とする。)の幅方向両端部には取り付け部材17が幅方向と直交する方向に沿って設けられている。一対の取り付け部材17にはパイプ材をU字状に曲成した脚部材18の両端部が支軸19(一方のみ図示)によって回動可能に取り付けられている。この脚部材18の上部にはロッド状の係止部材21が幅方向に架設されている。
【0019】
上記一対の取り付け部材17の上記脚部材18の支軸19が連結された部分から所定寸法下方には取り付け軸22が回動可能に取り付けられている。この取り付け軸22の両端部には、上記脚部材18の幅寸法よりも小さな間隔で一対の保持部材23の基端が連結されている。
【0020】
上記保持部材23の先端部には、上記脚部材18を図3に示すようにテーブル板14の下面に対して平行に倒伏した状態から、支軸19を支点として図4に示すように起立方向にほぼ90度回動させたときに、上記取り付け軸22を支点として上記保持部材23を回動させることで、上記脚部材18の上部に架設された係止部材21に係合する凹状の係合部24が形成されている。
【0021】
したがって、テーブル板14がほぼ垂直に起立した状態で、脚部材18をテーブル板14の下面に対してほぼ直角に起立させてから、保持部材24を回動させて先端の係合部24を係止部材21に係合させれば、上記脚部材18がテーブル板14の下面に対してほぼ直角に起立した状態で倒伏不能に保持される。
【0022】
上記構成のベッド装置によれば、テーブル板14を利用する場合には、図2に示すように、支持板11が収容部5に収容された状態から、図3に示すようにヘッドボード3の幅方向一側から突出する位置に引き出す。
【0023】
支持板11を引き出したならば、テーブル板14の下面に倒伏した状態にある脚部材18を起立方向に約90度回動させた後、同じくテーブル板14の下面に倒伏した状態にある保持部材23を起立方向に回動させる。それによって、保持部材23の先端部に形成された係合部24が係止部材21に係合するから、脚部材18がテーブル板14の下面に対して直角に起立した状態で倒伏不能に保持される。
【0024】
脚部材18を保持したならば、保持部材11に垂直に保持されたテーブル板14を上記脚部材18の下端が床面に付くまで倒伏方向に回動させる。それによって、テーブル板14はベッド本体1の側方でほぼ水平に保持されるから、この上面を小物類の載置面として利用することができる。
【0025】
テーブル板14をベッド本体1の側方から除去したい場合には、このテーブル板14を水平な状態から垂直に回動させる。ついで、保持部材23をほぼ垂直となるまで回動させて先端の係合部24を脚部材18の係止部材21から外す。それによって、脚部材8はテーブル板14の下面に対してほぼ直角に起立した状態から図3に示すようにテーブル板14の下面に対してほぼ平行な状態に倒伏する。
【0026】
脚部材18を倒伏させたならば、テーブル板14を起立させた状態で支持板11を収容部6内に収容する方向にスライドさせる。支持板11及びテーブル板14がヘッドボード3の側方に突出した状態から背面に隠れる位置までスライドさせると、支持板11の他端部11bよりも背の高い一端部11aの端面が上部横部材8に当たり、支持板11のスライドが阻止される。
【0027】
それによって、支持板11及びテーブル板14はヘッドボード3の背面側の収容部5に格納することができるばかりか、これら支持板11とテーブル板14がベッド装置の前面側から見えない状態になるため、外観的にも体裁がよい。
【0028】
すなわち、このような構成によれば、テーブル板14をヘッドボード3の側方に水平に保持して使用することができ、不要時にはヘッドボード3の背面側に格納することができる。しかも、使用時や不使用時には支持板11をヘッドボードの背面の収容部5に出し入れするとともに、テーブル板14を回動させるだけの操作でよいから、簡単な操作で使用したり、除去することができ、便利である。
【0029】
しかも、ヘッドボード3の背面側の収容部5に収容するとき、テーブル板14は起立状態で収容できる。そのため、テーブル板14をヘッドボード3の背面側に収容する時の収容部5の奥行き寸法を支持板11の厚さ寸法よりもわずかに大きくするだけでよい。つまり、収容部5の奥行き寸法を小さくできるから、ベッド装置を設置するために、従来よりも大きなスペースが必要になるということもない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施の形態を示すベッド装置の斜視図。
【図2】テーブル板がヘッドボードの背面の収容部に格納された状態を示すヘッドボードの背面の斜視図。
【図3】テーブル板をヘッドボードの側方に引き出した状態を前面側から見たヘッドボードの幅方向一端部の斜視図。
【図4】ヘッドボードの幅方向一端部に引き出されたテーブル板を水平に倒伏させて保持した状態を前面側から見たヘッドボードの幅方向一端部の斜視図。
【図5】テーブル板を水平に倒伏させて保持した状態を背面側から見たヘッドボードの斜視図。
【符号の説明】
【0031】
1…ベッド本体、3…ヘッドボード、5…収容部、11…支持板、14…テーブル板、18…脚部材、21…係止部材、23…保持部材、24…係合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボードを有するベッド本体と、
上記ヘッドボードの背面の幅方向一端部に少なくとも上面及び幅方向の端面が開口して形成された収容部と、
上記収容部に上記ヘッドボードの幅方向一端から出し入れ可能に設けられた支持板と、
この支持板の上部に回動可能に連結され支持板が上記収容部に収容されたときには垂直に起立した状態で保持されるテーブル板と、
このテーブル板に回動可能に設けられ上記支持板を上記収容部から上記ヘッドボードの側方に引き出したときに上記テーブル板を水平に倒伏した状態で保持する脚部材と
を具備したことを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
上記脚部材はU字状であって、その開放端側には係止部材が幅方向に架設され、上記テーブル板の下面には先端に係合部を有する保持部材が基端を回動可能に連結して設けられていて、
上記保持部材の係合部を上記係止部材に係合させることで、上記脚部材は上記テーブル板を水平に保持した状態で倒伏不能に保持されることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−75491(P2007−75491A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−270121(P2005−270121)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000010032)フランスベッド株式会社 (95)