説明

ベッド

【課題】ベッドフレームの長さまでの収納物の収納が可能で、ベッドフレームの意匠性が損なわれることなく、既存のベッドへの展開が可能な収納かごを備えたベッドを提供する。
【解決手段】ベッドは、ヘッドボード、フットボード、サイドボード23を連結固定して構成されるベッドフレームと、サイドボード23に設けた受桟24に載置される床板10と、床板10と受桟24とで挟持され、ベッドフレームと床板10とで形成される収納空間11に配置される収納かご30と、から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドフレームと床板とで形成される収納空間に収納物を収納するベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、ベッドフレームの幅方向の一側面が開口し内部を収容部とした箱状体を有しこの箱状体の上面にマットレスが載置されるベッド本体と、収容部の内面に幅方向に沿って設けられた第1のガイド部材と、幅方向両側に第1のガイド部材に移動可能に係合する第2のガイド部材を有し、箱状体に出し入れ可能に設けられた搬送体と、この搬送体の前端に設けられ搬送体を箱状体に収容したときにその一側面の開口を閉塞する前板と、搬送体に載置されこの搬送体とともに箱状体から引き出される収納ケースとを具備し、ベッド本体を構成する箱状体に収容された収納ケースを円滑に引き出すことができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−185809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1のベッドでは、ベッドフレームの強度を確保する必要から仕切り板を設け、収納ケースはベッドフレームの長さ方向に分割して構成される。そのためベッドフレームの長さ方向の収納スペースは限られ、収納物の長さが制約を受ける問題がある。またベッドフレームの一側面の前板は分割されるため意匠性が損なわれる問題がある。また、箱状体を設けるためにはあらかじめベッド本体に収納ケースを引き出すための構成が必要であり、収納ケースを引き出すための構成を備えていない既存のベッドへの展開は困難である。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、ベッドフレームの長さまでの収納物の収納が可能で、ベッドフレームの意匠性が損なわれることなく、既存のベッドへの展開ができ、収納かごを備えたベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の課題解決手段は、ヘッドボードと、フットボード、サイドボードを連結固定して構成されるベッドフレームと、前記サイドボードに設けた受桟に載置される床板と、前記床板と前記受桟とで挟持され、前記ベッドフレームと前記床板とで形成される収納空間に配置される収納体と、から構成される。
【0007】
この場合、前記収納体は、前記床板と前記受桟とに挟持される枠体と、前記枠体に設けられ収納物を載置する底体と、から構成されることが好ましい。
【0008】
また、前記枠体は、前記ベッドフレームの幅方向に伸縮可能な構成であることが好ましい。
【0009】
また、前記枠体は、前記ベッドフレームの高さ方向に伸縮可能な構成であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のベッドでは、ベッドフレームと床板とで形成される収納空間に床板と受桟とで挟持される収納体を設けることで、ベッドフレームに収納体を収納するための構造、形状、加工が必要なく、最大ベッドフレームの長さまでの収納物を収納することが可能である。また、収納体は、ベッドフレームと床板とで形成される収納空間に設けられるため、ベッドフレームの意匠性が損なわれることがない。また、収納体は、収納空間に床板と受桟とで挟持される構造のため、既存のベッドへの展開が可能である。
【0011】
また、収納体は、床板と受桟とに挟持される枠体に底体が設けられる構造のため、底体は、最大ベッドフレームの長さまでの収納物を載置することができる。
【0012】
また、枠体は、ベッドフレームの幅方向に伸縮可能な構成のため、ベッドフレームの幅の異なるベッドごとに枠体を専用設計することなく、ベッドフレームの幅の異なるベッドへの展開が可能である。
【0013】
また、枠体は、ベッドフレームの高さ方向に伸縮可能な構成であるため、収納物の高さに応じて収納体の高さを変更可能で、最大床板と床面までの高さの収納物を収納体に収納できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のベッドの平面図である。
【図2】本発明のベッドのA−A断面図である。
【図3】引出しボックスを備えるベッドに収納かごを設置した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明のベッド1の平面図である。内部の構成を説明するため、床板10を取り外した状態である。ベッド1は、床板10と、ベッドフレーム20と、床板10とベッドフレーム20とで形成される収納空間11に配置される収納かご30(収納体)と、から構成される。ベッドフレーム20は、ヘッドボード21と、フットボード22、左右のサイドボード23を連結固定した構成である。左右のサイドボード23の内側の側面には、受桟24が設けられ、床板10は受桟24に載置される。
【0017】
収納かご30は、枠体31と、枠体31に設けられ図示しない収納物を載置する底網32(底体)と、から構成される。枠体31の底網32が設けられる箇所には、ベッドフレーム20の幅方向の長さを伸縮可能に調整する幅調整穴34と、ベッドフレーム20の幅方向の長さを所定位置に固定する幅固定ボルト35とが設けられる。底網32は、鋼線をネット状に構成したものである。底網32は、収納物を載置できる構成であればよく、例えば布テープ、ゴムひも、木製すのこでもよい。
【0018】
図2は、本発明のベッド1のA−A断面図である。枠体31の両端のフランジ部33は、床板10と受桟24とで挟持される構成である。枠体31には、ベッドフレームの高さ方向の長さを伸縮可能に調整する高さ調整穴36と、ベッドフレームの高さ方向の長さを所定位置に固定する高さ固定ボルト37とが設けられる。
【0019】
本発明の収納かご30をベッドフレーム20に取り付ける手順について説明する。まず、床板10を取り外した状態で、枠体31の幅方向の長さをフランジ部33が受桟24に載置されるように幅調整穴34に幅固定ボルト35を貫通して調整する。次に、収納物が床板10と底網32との間の高さに収まるように、枠体31の高さ調整穴36に高さ固定ボルト37を貫通して調整する。収納かご30の幅方向、高さ方向の調整が終わったら、枠体31のフランジ部33を受桟24に載置し、隣り合う枠体31に底網32を設ける。底網32が設けられたら収納物を底網に載置して床板10を受桟24に載置する。
【0020】
本発明のベッド1では、ベッドフレーム20と床板10とで形成される収納空間11に床板10と受桟24とで挟持される収納かご30を設けることで、ベッドフレーム20に収納かご30を収納するための構造、形状、加工が必要なく、収納かご30は、最大ベッドフレームの長さ(ヘッドボード21からフットボード22までの長さ)までの収納物を収納することができる。また、収納かご30は、ベッドフレーム20と床板10とで形成される収納空間11に設けられるため、ベッドフレーム20の意匠性が損なわれることがない。また、収納かご30は、収納空間11に床板10と受桟24とで挟持される構造であるため、既存のベッドへの展開が可能である。
【0021】
また、収納かご30は、床板10と受桟24とに挟持される枠体31に底網32が設けられる構造のため、底網32は、最大ベッドフレーム20の長さ(ヘッドボード21からフットボード22までの長さ)までの収納物を載置することができる。
【0022】
また、枠体31は、ベッドフレーム20の幅方向に伸縮可能な構成のため、ベッドフレーム20の幅の異なるベッドごとに枠体31を専用設計する必要がなく、ベッドフレーム20の幅の異なるベッドへの展開が可能である。
【0023】
また、枠体31は、ベッドフレーム20の高さ方向に伸縮可能な構成であるため、収納物の高さに応じて収納かご30の高さを変更可能で、最大床板10と床面までの高さの収納物を収納かご30に収納できる。
【0024】
図3は、引出しボックス40を備えるベッド1aに収納かご30を設置した状態を示す断面図である。図2のベッド1との違いは引出しボックス40を備えることであり、その他の構成については同一である。
【0025】
本発明の収納かご30をベッド1aのベッドフレーム20aに取り付ける手順について説明する。床板10aを取り外した状態で、枠体31の幅方向の長さをフランジ部33が受桟24aに載置されるように幅調整穴34に幅固定ボルト35を貫通して調整する。次に、収納物が床板10aと底網32aとの間の高さに収まるように、枠体31の高さを調整穴36に高さ固定ボルト37を貫通して調整する。収納かご30の幅方向、高さ方向の調整が終わったら、枠体31のフランジ部33を受桟24aに載置して、隣り合う枠体31に底網32aを設ける。底網32aが設けられたら収納物を底網32aに載置して床板10aを受桟24aに載置する。
【0026】
ベッド1aでは、枠体31のベッドフレーム20aの幅方向の長さは、ベッド1のほぼ半分であるが、枠体31の幅方向の長さを幅調整穴34と、幅固定ボルト35とにより調整することで、ベッドフレーム20aの幅方向の長さが異なる底網32aのみ変更することで対応できる。
【符号の説明】
【0027】
1 ベッド
10 床板
11 収納空間
20 ベッドフレーム
21 ヘッドボード
22 フットボード
23 サイドボード
24 受桟
30 収納かご(収納体)
31 枠体
32 底網(底体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボードと、フットボード、サイドボードを連結固定して構成されるベッドフレームと、
前記サイドボードに設けた受桟に載置される床板と、
前記床板と前記受桟とで挟持され、前記ベッドフレームと前記床板とで形成される収納空間に配置される収納体と、
を備えるベッド。
【請求項2】
前記収納体は、前記床板と前記受桟とに挟持される枠体と、前記枠体に設けられ収納物を載置する底体と、から構成されることを特徴とする請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
前記枠体は、前記ベッドフレームの幅方向に伸縮可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のベッド。
【請求項4】
前記枠体は、前記ベッドフレームの高さ方向に伸縮可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−152(P2012−152A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135380(P2010−135380)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)