説明

ベニジピン塩酸塩ナノ粒子とその調製方法

本発明は、超音波技術による、ベニジピン塩酸塩((±)−(R*)−1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸塩[(R*)−1−ベンジル−3−ピペリジンアルコールエステル])のナノ粒子を調製する方法とその調製方法とに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の分野、特に、ベニジピン塩酸塩((±)−(R*)−1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸塩[(R*)−1−ベンジル−3−ピペリジンアルコールエステル])とその調製方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断薬は、安全で効果的であって、今日、臨床的に広く使用されている。とりわけ、ベニジピン塩酸塩は三つのチャンネルに対するユニークな抑制作用と、細胞膜に対する高い親和性、血管選択性を有し、腎臓保護作用を有する。従って、それは高血圧、腎実質性高血圧、アンギーナ等の治療に有用な、理想的で安全かつ効果的な薬剤である。
【0003】
ベニジピン塩酸塩は非常に溶解性が低いので、溶媒中において迅速に溶解するには、ベニジピン塩酸塩はしばしばナノ粒子に粉砕される。特許文献1は、ベニジピン塩酸塩を1.0〜50.0μmの粒子へ砕く方法を提供した。この物理的粉砕方法は、大きな粒子の結晶を所望の小さな結晶へと粉砕することによって行われる。この方法は多量のエネルギーと時間を消費し、結晶粒子サイズのばらつきが大きくなる。
【0004】
本発明者は、超音波結晶技術によって所望サイズのベニジピン塩酸塩ナノ粒子を得ることができるという驚くべき発見をした。特許文献1の方法と異なり、本発明による方法では、小サイズから大サイズの結晶が得られる。溶媒が溶液中において急速かつ確実に結晶化することから、本発明の方法における粒子サイズの分布範囲は比較的狭い。全体として、本発明は、時間とエネルギーの節約を可能にし、調製が容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許公開第1794993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、超音波技術によってベニジピン塩酸塩のナノ粒子を調製する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来式の溶液の結晶化は、通常、温度を下げ静置することによって行われるが、これはゆっくりとした長時間かかる手続きである。しかしながら、本発明の超音波法は、まず、温度、溶媒極性を変化させることによって、又は、低溶解度溶媒(inferior solvent)等を添加することによって、ベニジピン塩酸塩の飽和又は過飽和溶液を形成し、次に、超音波を適用することによって適当なサイズのナノ粒子を得るものである。溶液の超音波結晶化は迅速に、かつ、平衡状態で行われる。結晶化溶液、結晶化態様、結晶成長速度、分子間の結合態様、の違いによって必然的に、分子結晶形状とサイズが異なるものとなる。
【0008】
本発明においてベニジピン塩酸塩ナノ粒子を調製する場合、ベニジピン塩酸塩を良好な(good)溶媒中で溶解させ、その後、温度、溶媒極性を変化させることによって、又は、低溶解度溶媒(inferior solvent)等を添加することによって、ベニジピン塩酸塩の飽和又は過飽和溶液を形成し、その後に、超音波を当てて溶液の結晶化を促進する。その後に、フィルタリング(真空でのフィルタリング)、洗浄、又は乾燥などの従来の作業によって高度に精製されたベニジピン塩酸塩ナノ粒子を得ることができる。
【0009】
ベニジピン塩酸塩ナノ粒子の溶解および/又は形成に使用される高溶解度又は低溶解度溶媒としては、典型的には、低炭素数ケトン、低炭素数アルコール、低炭素数エーテル、低炭素数エステル、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、無水酢酸、その他の一般的に使用される小分子溶媒がある。好適な溶媒は、アセトン、エタノール、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、水、の単体、又は、上述の溶媒の二種類以上の混合物、である。エタノールとアセトニトリルとが好適な単体溶媒であり、エタノール−アセトン、DMF−水、アセトニトリル−水、アセトニトリル−アセトン、エタノール−水、エタノール−アセトン−水が好適な混合溶媒である。それらの中で、エタノールとアセトンとの比率は0〜100%:100〜0%である。DMFと水との比率は、0〜100%:100〜0%である。DMFとアセトンとの比率は、0〜100%:100〜0%である。アセトニトリルと水との比率は100〜0%:0〜100%である。アセトニトリルとアセトンとの比率は100〜0%:0〜100%である。エタノールと水との比率は100〜0%:0〜100%である。エタノールとアセトンと水との比率は1〜5:1〜5:0.1〜500である。
【0010】
超音波結晶化の周波数は、20kHz〜500kHz、好ましくは、20kHz〜100kHzである。超音波の出力は、1mW〜5000W、好ましくは、1W〜500Wである。強度は0.1mW/cm〜500W/cm、好ましくは、0.1W/cm〜50W/cmであり、超音波時間は1分間〜24時間、好ましくは、3分間〜120分間である。超音波結晶化温度は、−78℃〜100℃、好ましくは、−5℃〜30℃である。ベニジピン塩酸塩ナノ粒子の大きさは、20nm〜2000nm、であり、その中央値は300nm〜1500nmである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】434.3nmの平均粒径を有する結晶ナノ粒子を示す図である。
【図2】447.2nmの平均粒径を有する結晶ナノ粒子を示す図である。
【図3】677.8nmの平均粒径を有する結晶ナノ粒子を示す図である。
【図4】710.8nmの平均粒径を有する結晶ナノ粒子を示す図である。
【図5】1159.0nmの平均粒径を有する結晶ナノ粒子を示す図である。
【図6】1220.0nmの平均粒径を有する結晶ナノ粒子を示す図である。
【図7】1492.0nmの平均粒径を有する結晶ナノ粒子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
具体的な作業は以下の通りである。
【0013】
原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍の低炭素数アルコールを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、結晶化を補助するために温度を下げて超音波処理を行う。
【0014】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍の低炭素数アルコールを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、0.01〜100倍の水を加え、結晶化を補助するために温度を下げて超音波処理を行う。
【0015】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍の低炭素数アルコールを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、1/100倍の水を加え、結晶化のため水を滴下しながら超音波処理を行う。
【0016】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍の低炭素数アルコールを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、0.01〜100倍のアセトンを加え、結晶化を補助するために温度を下げて超音波処理を行う。
【0017】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍の低炭素数アルコールを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、超音波処理行いながら1/10倍のアセトンを加え、結晶の析出が始まった時に、アセトンの添加を停止し、その後、更なる超音波処理を行う(60分間未満)。
【0018】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜15倍のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、0.1〜100倍の水を加え、結晶化を補助するために温度を下げて超音波処理を行う。
【0019】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜15倍のDMFを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、1/100倍の水を加え、結晶化のために水を滴下しながら超音波処理を行う。
【0020】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜15倍のDMFを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、0.1〜100倍のアセトンを加え、結晶化を補助するために温度を下げて超音波処理を行う。
【0021】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜15倍のDMSOを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、0.1〜100倍の水を加え、結晶化を補助するために温度を下げて超音波処理を行う。
【0022】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜15倍のDMFを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、超音波処理行いながら0.1〜100倍のアセトンを加え、結晶の析出が開始した時に、アセトンの添加を停止し、その後、更なる超音波処理を行う(60分間未満)。
【0023】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍のアセトニトリルを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、結晶化を補助するために温度を下げて超音波処理を行う。
【0024】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍のアセトニトリルを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、0.1〜100倍の水を加え、結晶化のために水を滴下しながら超音波処理を行う。
【0025】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍のアセトニトリルを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、1/100倍の水を加え、結晶化のために水を滴下しながら超音波処理を行う。
【0026】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍のアセトニトリルを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、0.1〜100倍のアセトンを加え、結晶化を補助するために温度を下げて超音波処理を行う。
【0027】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍のアセトニトリルを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、超音波処理を行いながら0.1倍のアセトンを添加し、結晶の析出が開始した時に、アセトンの添加を停止し、その後、更なる超音波処理を行う(60分間未満)。
【0028】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍のエタノールを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、0.1〜100倍のアセトンを添加し、超音波処理し、結晶が出現し始めた時に、0.1〜1000倍の水を添加し、その後、1〜60分間、更なる超音波処理を行う。
【0029】
或いは、原料としての適当な量のベニジピン塩酸塩の初晶に対して、0.1〜40倍のアセトニトリルを添加し、溶解のために還流させながら加熱し、その後、0.1〜100倍のアセトンを添加し、ゆっくりと0.1〜1000倍の水を添加し、その後、1〜60分間超音波処理を行う。
【0030】
以下、本発明について下記の実験例とともにより詳細に記載する。
【0031】
〔例1〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLの無水エタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、その後、氷浴によって冷却し、結晶化を補助するために150Wで10分間の超音波処理を行い、その後、真空中でフィルタリングすることによって淡黄色の結晶としての生成物を得た。この結晶体のサイズを図1に示す。
【0032】
〔例2〕
原料としての10.1gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのメタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、その後、氷浴によって冷却し、結晶化を補助するために150Wで10分間の超音波処理を行い、その後、真空中でフィルタリングすることによって淡黄色の結晶としての生成物を得た。
【0033】
〔例3〕
原料としての10.2gのベニジピン塩酸塩の初晶を12mLの無水エタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに12mlの水を添加した。その反応混合物を氷浴によって冷却し150Wで超音波処理し、結晶が出現した時に、2分間更に超音波処理を行った。
【0034】
〔例4〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのメタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、その後、20mlの水を添加した。その反応混合物を氷浴によって冷却し150Wで超音波処理し、結晶が出現した時に、70分間連続で超音波処理を行った。
【0035】
〔例5〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を12mLの無水エタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに3mlの水を添加した。その反応混合物を150Wで超音波処理し、これに、結晶化が完了するまで水を滴下によって添加した。
【0036】
〔例6〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのメタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに3mlの水を添加した。その反応混合物を150Wで超音波処理し、これに、結晶化が完了するまで水を滴下によって添加した。
【0037】
〔例7〕
原料としての10.3gのベニジピン塩酸塩の初晶を11mLの無水エタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに11mlのアセトンを添加した。その反応混合物を氷浴によって冷却し、結晶化を補助するために200Wで超音波処理した。
【0038】
〔例8〕
原料としての10.1gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのメタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに10mlのアセトンを添加した。その反応混合物を氷浴によって冷却し、結晶化を補助するために200Wで超音波処理した。
【0039】
〔例9〕
原料としての10.1gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLの無水エタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに3mlのアセトンを添加した。その反応混合物を200Wで超音波処理し、これに、結晶が出現し始めるまでアセトンを滴下によって添加し、更に、3分間、超音波処理を行った。
【0040】
〔例10〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのメタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに3mlのアセトンを添加した。その反応混合物を200Wで超音波処理し、これに、結晶が出現し始めるまでアセトンを滴下によって添加し、更に、3分間、超音波処理を行った。
【0041】
〔例11〕
原料としての10.1gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのDMFに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに10mlの水を添加した。その反応混合物を、結晶化を補助するために200Wで超音波処理した。
【0042】
〔例12〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのDMFに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに5mlの水を添加した。その反応混合物を150Wで超音波処理し、これに、結晶化が完了するまで水を滴下によって添加した。
【0043】
〔例13〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのDMFに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに10mlのアセトンを添加した。その反応混合物を氷浴によって冷却し、結晶化を補助するために200Wで超音波処理した。
【0044】
〔例14〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのDMFに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに3mlのアセトンを添加した。その反応混合物を200Wで超音波処理し、これに、結晶が出現し始めるまでアセトンを滴下によって添加し、更に、4分間、超音波処理を行った。
【0045】
〔例15〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのアセトニトリルに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、氷浴によって冷却し、結晶化を補助するために150Wで超音波処理した。
【0046】
〔例16〕
原料としての10.1gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのアセトニトリルに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに10mlの水を添加した。その反応混合を氷浴によって冷却し、結晶化を補助するために150Wで超音波処理した。
【0047】
〔例17〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのアセトニトリルに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに3mlの水を添加した。その反応混合を150Wで超音波処理し、これに、結晶化が完了するまで水を滴下によって添加した。
【0048】
〔例18〕
原料としての10.1gのベニジピン塩酸塩の初晶を11mLのアセトニトリルに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに10mlのアセトンを添加した。その反応混合を氷浴によって冷却し、結晶化を補助するために200Wで超音波処理した。
【0049】
〔例19〕
原料としての10.1gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのアセトニトリルに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに3mlのアセトンを添加した。その反応混合物を200Wで超音波処理し、これに、結晶が出現し始めるまでアセトンを滴下によって添加し、更に、3分間、超音波処理を行った。
【0050】
〔例20〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのエタノールに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに20mlのアセトンを添加した。その反応混合物を200Wで超音波処理し、少量の結晶が出現し始めた時に、20ml以上の水を添加し、大量の結晶が出現し始め、その後、更に、3分間、超音波処理を行った。
【0051】
〔例21〕
原料としての10gのベニジピン塩酸塩の初晶を10mLのDMSOに添加した。この反応混合物を溶解のために還流しながら加熱し、これに30mlの水を添加した。この反応混合物を、結晶化を補助するために200Wで超音波処理した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波技術によってベニジピン塩酸塩のナノ粒子を調製する方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、まず、温度、溶媒極性を変化させることによって、又は、低溶解度溶媒(inferior solvent)を添加することによって、ベニジピン塩酸塩の飽和又は過飽和溶液を形成し、次に、超音波処理によって適当なサイズのナノ粒子を得る。
【請求項3】
請求項1又は2の方法であって、超音波処理によってベニジピン塩酸塩を調製する前記温度は、−78℃〜100℃、好ましくは、−5℃〜30℃である。
【請求項4】
請求項1又は2の方法であって、超音波処理によってベニジピン塩酸塩を調製する前記溶媒は、低炭素数ケトン、低炭素数アルコール、低炭素数エーテル、低炭素数酸、低炭素数エステル、ジクロロメタン、クロロホルム、無水酢酸、その他の一般的に使用される小分子溶媒、好適には、アセトン、エタノール、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメチルエーテル、ジクロロメタン、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、水、の単体、又は、上述の溶媒の二種類以上の混合物、である。
【請求項5】
請求項1又は2の方法であって、前記超音波の周波数は、20kHz〜500kHz、好ましくは、20kHz〜100kHzである。
【請求項6】
請求項1又は2の方法であって、前記超音波の出力は、1mW〜5000W、好ましくは、1W〜3000Wである。
【請求項7】
請求項1又は2の方法であって、前記超音波の強度は、0.1mW/cm〜500W/cm、好ましくは、0.1W/cm〜50W/cmである。
【請求項8】
請求項1又は2の方法であって、前記超音波の期間は、1分間〜24時間、好ましくは、3分間〜160分間である。
【請求項9】
請求項3から9のいずれかの方法によって調製されたベニジピン塩酸塩。
【請求項10】
請求項9のベニジピン塩酸塩であって、ナノ粒子形態である。
【請求項11】
請求項10のベニジピン塩酸塩であって、前記ナノ粒子の粒径は、20nm〜2000nm、であり、その中央値は300nm〜1500nmである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−520520(P2013−520520A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−510496(P2013−510496)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【国際出願番号】PCT/CN2011/080294
【国際公開番号】WO2012/142816
【国際公開日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【出願人】(512130888)ヘフェイ ベイニ メディカル テクノロジー カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】