説明

ベルトカーブコンベヤ

【課題】ロックハンドル操作でベルト内側のガイドホイールを順次90度回動することによりベルト外しを容易にしたベルトカーブコンベヤを提供する。
【解決手段】ベルト外周部にベルト端を挟み付ける多数のガイドホイールユニット50を配置し、ベルトの外周部表裏にガイドホイール52、52に当接する半円状の縁部38、38を形成させる。ガイドホイールは、その軸部内に嵌装したスペーサゴム又はゴムブシュ53により周面方向に弾力的に付勢されおり、向かい合うガイドホイールの周面をベルト外周近くの表裏に形成された縁部38に当接させてベルトに張りを持たせる。また、各ホルダ中央の軸部48に錠部60を内臓し、その錠穴61を軸部の外面に形成させておき、各錠部60にロックハンドルの鍵部63を順次挿入して90度回すことにより、第3、第4のガイドホイールのすべてをベルトの内面から離してベルトを取外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物の搬送方向を変更するために使用されるベルトカーブコンベヤに関し、特に、コンベヤに備えられる扇形ベルトを本体に対して容易に着脱できるようにしたベルトカーブコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、搬送物を搬送するベルトコンベヤにおいて搬送方向を変更する場合には、ベルトカーブコンベヤが使用されている。一般のベルトカーブコンベヤは、ベルトのその張力による内側への引き込まれや偏りを防止するため、扇形ベルトの外周部に縁部を形成してその山部を挟み付ける多数のガイドローラが個々に独立してベルトの外周部にあるガイド桟に設置されていて、扇形ベルト外側に張力を保持している。そのためベルト交換が容易には行なえなかった。このベルトカーブコンベヤは、必要によりベルトを交換するが、特に、食品や薬品等の物品を搬送するときには、コンベヤライン全体を清浄に保つためにベルトは定期的に取り外して洗浄することが行われている。このため、2個のガイドローラをワンセットとして、上下2段に取付け、ベルト端部の肉厚部(突起)を支持してベルト偏りを防止し、ベルト交換を容易にしたものが知られている。すなわち、操作レバーの上部にカムがあり、操作レバーを回動させて、上部カムを第1カム面から第2カム面に代えてフレーム面に接触させることで、付勢されたバネにより、両面にそれぞれ1個ずつガイドローラを固定し、無制限状態で拡がるよう付勢されたアームがガイド部材から押し出され、前方に突出してアームが拡がり、ベルト端部の肉厚部(突起)よりガイドローラが外れ、ベルトの交換ができるようにしている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】日本特開2002−114343号(第4頁左欄33行〜第5頁右欄31行、図1、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、まず一般のベルトカーブコンベヤについては、そのガイドローラは、その各々がそのガイドローラ内周面にベアリングを介して嵌合するボルトで固定ホルダに固定されている。ベルト脱着時は、固定ホルダの一部を外し、ガイドローラを嵌合ボルトと共に取り外す必要があった。そのため、固定ホルダの一部を外し、ガイドローラを嵌合ボルトと共に取外し取付けには工具が必要であり、これらホルダの一部、ローラ、ボルトと部品に分解されることから、分解洗浄後に扇形ベルトを再度装着する際に、多くの時間と労力が必要になる。また、上記特開公報は、ガイドローラを操作レバーでベルト端部の肉厚部の支持をリリースでき、基本的にはベルトを扇形の内径側に引き抜くことができる。しかし、上アームと下アームの拡がり方向の付勢力は、長時間ガイド部材の中に収まっていたことで弱まり、操作レバーによって前方突出させてもあまり拡がらず、ベルトを扇形の内径側に引き抜く際にベルトが下に撓むことでベルト端部の肉厚部(突起)が下ガイドローラに引っかかり、結局ガイドローラを分解取り外す場合が発生する。よって、ガイドローラを嵌合ボルトと共に取外し取付けるには工具が必要であり、これらの部品に分解されることから、分解洗浄後に扇形ベルトを再度装着する際に、多くの時間と労力が必要になる。
本発明は、ロックハンドル操作でベルト内側のガイドホイールを順次90度回転することによりベルト外しを容易にしたベルトカーブコンベヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1は、ドライブ側と従動側のテーパーエンドプーリ間に掛け渡した扇形ベルトの外周部近くに、該ベルト端を挟み付ける多数のガイドホイールユニットを配置したベルトカーブコンベヤであって、前記ベルトの外周近くの表裏面に、前記ガイドホイールに当接する断面ほぼ半円状の輪郭縁部(profile)が形成され、
前記各ガイドホイールユニットは、往き側ベルト(carrier belt)及び帰り側ベルト(return belt)の外面縁部に当接する第1、第4のガイドホイールと、往き側ベルト及び帰り側ベルトの内面縁部に当接する第2、第3のガイドホイールとからなり;前記第1、第4のガイドホイールはベース外周部に固着したホルダ部材の上下に支持され、第2、第3のガイドホイールは前記ホルダ部材の内側中央に回動自在に装着されたブラケットの上下辺に支持され、かつ各ガイドホイールは転がり軸受(rolling bearing )のインナーレ−ス内に、各ホイールを半径方向、即ち周面方向に付勢するためのスペーサゴム又はゴムブシュ(bush)を嵌装し、該スペーサゴム又はゴムブシュ内に支持用ボルトを挿通して前記ホルダ部材またはブラケットの上下辺に固着されており;しかも、前記ブラケット回動軸の同軸上に、前記ホルダ部材内側中央に回転式錠部を内蔵させると共に、その外側面に取外し型ロックハンドルの先端鍵部を係合させる錠穴を形成させ、前記ロックハンドルの鍵部を前記錠部に挿入し、錠を押し回し90度回動して前記ブラケットを同方向に回動することにより第2、第3のガイドホイールを前記ベルトの内面から離してベルト取外しを可能としたことを特徴とする。
請求項2は、前記ホイール支持用ブラケットの回転軸の同軸上にある、溝に嵌って固定され、かつ前記ロックハンドルの鍵部によって押し回される嵌合子との間に隙間を持たせることで、ブラケットが運転位置に固定されていても、ベルト進行方向に5度程度の角度でブラケットごと傾くことで、ブラケットに支持されるガイドホイールがベルトの動きに追随できる構造を持つことを特徴とする。
請求項3は、ホルダ部材が、軽金属の押出し形材で作成されていることを特徴とし、請求項4は、前記エンドプーリはスエージング加工したテーパローラを使用したことを特徴とする。請求項5は、前記ドライブ側エンドプーリ下に帰り側ベルトを押さえるホイール又はローラを設けたことを特徴とする。
【0006】
従来のベルトカーブコンベヤは、ベルトの外面縁部に板ばねで支持されたガイドホイールを配置し、ベルトの内側の引き込まれや偏りの動きに合わせて内側ホルダを微妙に傾くようにすることでわずかな寸法のベルト変位を許して、ベルトへの急激な張りを抑えて脱輪を防いでいた。しかし、走行中の帰り側ベルトの裏側にはタルミあり、この状態でベルトを正転から逆転に駆動方向を変えると板ばねで支持されたガイドホイールからベルトが外れる。すなわち、タルミによって緩んだベルトを急に逆方向に引っ張ると、ベルトのタルミによりガイドホイールに上下方向のバウンドが発生し、板ばねの追随遅れや板ばねのねじれにより、ガイドホイール間の隙間がベルトの輪郭縁部の上下寸法よりも大きくなることで、ベルトがホルダから外れることがある。そこで、本発明では板ばねを用いずに、転がり軸受形のガイドホイールのインナーレ−ス内にスペーサゴム又はゴムブシュを嵌めて支持用ボルトを挿通することによりベルトを正から逆に、または逆から正への切替運転時にもベルト外れ(脱輪)を起こすことがないようにした。また、ホイール支持用ブラケットの回転軸の同軸上に、中空のスリーブを固着し、そのスリーブに、軸方向には前後移動可能なようにスプリングを介して挿入し、軸の回転方向にはスリーブの溝に嵌る形の嵌合子を備え、錠の外面側に鍵が入る溝が十字状に形成されその溝に沿って嵌合子が前後できる錠において、鍵によって押し回される嵌合子を持った錠の溝と嵌合子との間に隙間を持たせることで、ブラケットが運転位置に固定されていても、ベルト進行方向に5度程度の角度でブラケットごと傾くことで、ブラケットに支持されるガイドホイールがベルトの動きに追随でき、ベルトを正から逆に、または逆から正への切替運転時にもベルト外れ(脱輪)を起こすことがないようにした。
また、従来、大形のテーパエンドプーリは、大小2個のバルジ加工テーパ筒を突合せ溶接して所定長さのテーパプーリを製作していたため高価なものとなっていた。このようにバルジ加工品を突合せ溶接しているためテーパ精度が劣り、これがベルト走行時の騒音発生原因となっていた。そこで、本発明では、エンドプーリを、相対向する複数組のダイスに半径方向の往復動を与え、管材や棒材を外周から圧縮し軸方向に絞り出すスエージング(swaging)加工法で製作したものを使用する。このようなエンドプーリは 広幅サイズのベルトかけでも精度が高く、運転中には低振動、低騒音が保持され、バルジ加工品より低コストで得られる。また、ドライブエンドローラの下にホイール又はローラを設けて帰り側ベルトを下から抑えることで、正逆どちらに駆動方向を切り替えても、ドライブプーリの駆動力をロス無くベルトに伝えることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のベルトカーブコンベヤは、ベルトプロファイル部の抑えとして、キャリア側ベルトの上面に接する第1のガイドローラとリターン側のベルト下面に接する第4のガイドローラは一対とされ、ベース外周部に固着したホルダ部材の上下に支持され、各ガイドホイールは転がり軸受けのインナーレース内にゴムを嵌挿しそのゴムに支持用ボルトを挿通せて固定し、かつ、キャリア側ベルト下面に接する第2のガイドローラとリターン側のべルト上面に接する第3のガイドローラは一対とされ、ホルダ部材の中央内側に回動自在に装着されたブラケットの上下辺に支持され、各ガイドホイールは転がり軸受けのインナーレース内にゴムを挿通しそのゴムに支持用ボルトを挿通せて固定することにより、一定の抑え力で支持してベルトの破損を防止でき、また、取外し型ロックハンドルの操作でガイドホイールのベルトプロフィル部の押さえを解除するワンタッチベルト交換機構によって、ベルト交換時間を大幅に短縮することが可能となり、メンテナンス及び組付け性の向上できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、キャリア側のベルト上面に接する第1のガイドローラとリターン側のベルト下面に接する第4のガイドローラを一対としてホルダ部材に支持され、さらにキャリア側ベルト下面に接する第2のガイドローラとリターン側のベルト上面に接する第3のガイドローラを一対として前記ホルダ部材の内側中央に回動自在に装着されたブラケットの上下辺に支持され、かつ各ガイドホイールは転がり軸受(rolling bearing )のインナーレ−ス内にスペーサゴム又はゴムブシュ(bush)を嵌装し、該スペーサゴム又はゴムブシュ内に支持用ボルトを挿通して前記ホルダ部材またはブラケットの上下辺に固着されている。ベルト交換時にはこの一対のガイドローラ(第2、第3のガイドローラ)を90°回転させることにより、ベルト端部の肉厚部より離れてベルトの交換ができるようにしている。
【0009】
従来、ベルトカーブコンベヤのトラブル要因として、ベルトプロファイル(周縁部、外周部)の破損及び剥離が大部分をしめていた。本発明ではベルトプロフィル部の押さえとして使用されるガイドホイールは、ホルダ部材の内側中央に回動自在に装着されたブラケットの上下辺に支持させる。各ガイドホイールは転がり軸受(rolling bearing )のインナーレ−ス内にスペーサゴム又はゴムブシュ(bush)を嵌装し、該スペーサゴム又はゴムブシュ内に支持用ボルトを挿通して前記ホルダ部材またはブラケットの上下辺に固着させて一定の抑え力で支持してベルトの破損を防止する。また、プロフィル近くのベルト側に突起を設けると共に、フレーム側から前記突起に近接するスカートを垂れ下げてタグ(荷札)の巻き込みを防いで信頼性を保持させる。
【0010】
一般に、ベルト交換時には全ガイドホイール、チェーン、モータ、内側フレームを外さなければならず、そのボルトなどのゆるめ外し・締結には大型のベルトカーブコンベヤでは例えば作業員3名で約2時間を要していて、メンテナンス性が悪い。また、締結組み立て時にガイドホイールとベルトプロファイルとの当たりを均等になるようにホイールの取付を調整するには経験に頼る部分が大きく、1箇所でもガイドホイールの当たりが強いとベルトプロフィルの破損、剥離を起こすなど、信頼性に乏しく、組付け性も悪い。
これに対し、本発明では、1つの取外し型ロックハンドルをガイドホルダの軸部に内蔵させた錠に差し込み、ホルダを例えば右方向に90°回動したのち、一旦引抜いて隣接するガイドホルダの錠に差し込んでホルダを同方向に90°回動したのち引抜く。これを繰り返して全ホルダを回動することによりベルト抑えを解除することでベルト交換時間を大幅に短縮することが可能となる。すなわち、ガイドホイールの上記解除機構により、簡単に大きなクリアランスを確保したベルトリリースができ、駆動ローラ等頭尾部ローラのテークアップ機構でのベルトゆるめ機能と合わせてベルト交換時間30分程度とし、これによりメンテナンス性が向上する。ガイドホルダを90°回動するときにはねじ部材を緩めて回動したのち締め付けるのではなく、取外し型ロックハンドルを錠に差し込み回動するだけなので操作が簡便であり、また、ベルトを外して洗浄した後のベルトかけ復旧時も取外し型ロックハンドルを差し込んで反対方向に回動させることにより、ベルト外し前と同じセット状態が再現できて組付性の向上をはかることができる。なお、エンドプーリの駆動部にチェーンレスタイプモータであるホローシャフトモータを採用することで低騒音運転が実現できる。
【0011】
本発明は、キャリア側のベルト上面に接する第1のガイドローラとリターン側のベルト下面に接する第4のガイドローラは一対とされ、ベース外周部に固着したホルダ部材の上下に支持され、各ガイドホイールは転がり軸受けのインナーレース内にゴムを嵌挿しそのゴムに支持用ボルトを挿通せて固定し、かつ、キャリア側ベルト下面に接する第2のガイドローラとリターン側のベルト上面に接する第3のガイドローラは一対とされ、ホルダ部材の中央内側に回動自在に装着されたブラケットの上下辺に支持され、各ガイドホイールは転がり軸受けのインナーレース内にゴムを嵌挿しそのゴムに支持用ボルトを挿通せて固定し、さらにキャリアベルトとリターンベルトの間で回動可能に配置する。ベルト交換時にはこの一対のガイドローラ(第2、第3のガイドローラ)を中心軸に対し90°回転させることにより、ベルト端部の肉厚部より離れてベルトの交換ができるようする。
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1は本発明ベルトカーブコンベヤの平面図、図2は図1の部分的拡大平面図、図3は図2のA―A線における拡大断面図、図4は図3のB−B線より矢印方向に見た正面図である。
カーブベルトコンベヤ1は、両端のエンドプーリ3,4間に扇形ベルト10を掛け渡し、ベルト外周縁に設けた多数のガイドホイールユニット50によって、カーブベルト外周縁近くの表裏に形成された断面半円状の肉厚縁部38(図6)を支持してカーブベルトの扇形内径方向への移動を阻止するように外側に張りを持たせた状態で走行する。コンベヤの主体部は、スエージング加工で製作したエンドプーリ3,4近くのクロスメンバ5、5と扇形部の平面中央のクロスアングル6に設けた脚ユニット7で支持されており、ベース11におけるカーブベルトの扇形外形と内径部にはサイドプレート8、9を有している。ドライブ側エンドプーリ3の大径軸端側におけるクロスメンバ5の端にボルト19を用いてトルクアーム18を固着し、このトルクアーム18にモータ(ホローシャフトモータ)16と減速機17とからなるドライブユニット15を組付けている。上記のように、エンドプーリをスエージング加工したものを使用しているため、広幅サイズのベルトかけでも精度高く、低振動、低騒音、低コストである。また、ドライブプーリ3の下に押さえローラ3aを設けてベルト裏側にタルミを吸収する。
なお、図中符号12は往き側ベルト裏面支持用の床板(図1、6)、12aはサポート、13は外カバー、13aはスカート、14はガイドレール、21はプーリシャフト、22は細径側プーリブラケット(図5)、22aは大径側プーリブラケット、23、24は軸受け部材,25、26は球面軸受、27はエンドキャップである。また、図4中、22bはアジャストネジ、22cはアジャスト受けである。
【0013】
図3、図6に示すように、ベルト10の外周部(ベルトプロファイル20)の表裏にガイドホイールユニット50のガイドホイールに当接する半円状の肉厚縁部38、38が形成されている。この縁部38、38は、ベルト縁端を包み込む連続辺38a(図6)の端に形成されている。ベルトの突起は普通ベルト周縁から所定距離はなれた位置に断面角形や台形状であるが、蛇行するとガイドホイールで挟持している断面角形や台形状の突起の隆起隅部が切れてしまう。本発明では、縁部に丸みをもたせて食い込みを防ぎ切れないようにする。また、ベルトと外周カバー(外カバーのスカート13a)とは3〜5mmの隙間があるが、荷札がこの隙間に入って巻込み停止、破損しないように、縁部38から所定距離離れた位置のベルト表面に突起39(図6)を設けて隙間を埋めるタグ(荷札)巻込み防止手段とする。
【0014】
各ガイドホイールユニット50は、往き側ベルト及び帰り側ベルトの外面縁部に当接する第1、第4のガイドホイール52a、52dと、往き側ベルト及び帰り側ベルトの内面に当接する第2、第3のガイドホイール52b、52cとからなっている(図6)。第1、第4のガイドホイール52a、52dはベース外周部に固着したホルダ40の上下の水平辺41、42に固着されている。
前記各ガイドホイールユニット50は、往き側ベルト(carrier belt)及び帰り側ベルト(return belt)10の外面縁部に当接する第1、第4のガイドホイール52a、52dと、往き側ベルト及び帰り側ベルトの内面縁部に当接する第2、第3のガイドホイール52b、52cとからなり、前記第1、第4のガイドホイール52a、52dはベース外周部に固着した押出し形材製のホルダ部材40の上下に支持され、第2、第3のガイドホイール52b、52cは前記ホルダ部材40の内側中央に回動自在に装着された普通鋼板(例えばSS41)を変形C型に折り曲げたブラケット45に支持されている。すなわち、各ガイドホイールは転がり軸受(rolling bearing )と同様な形状で、そのインナーレ−ス内にスペーサゴム又はゴムブシュ53を嵌装し、該スペーサゴム又はゴムブシュ53内に支持用ボルト54を挿通して前記ホルダ部材40の上下に対向して形成させた傾斜面43,44及びブラケット45の上下から対向して延びる傾斜辺55,56にそれぞれ固着されている。
各ホイール52a、52d及び52b、52cは、ホルダ部材40の上下に形成させた傾斜面43,44とブラケット45の上下から延びる傾斜辺55,56に立てた各ボルト54にそれぞれ支持され、且つベルト面と45°傾斜して取付けられで対向するホイールの周面によってベルト表裏面のプロファイル(縁部)38、38を押し付けている。すなわち、各ホイールは支持ボルト54の外周に嵌装したスペーサゴム又はゴムブシュ53の弾力により、各ホイールは常時、半径方向、すなわちその周面が図6中の矢印に示す方向に付勢されているため、プロファイル(縁部)38、38を押し付けて扇形ベルトの外周方向の張りを保持する。また、ホイールは平らな周面でプロファイルを押し付け、ホイール周面のエッジがベルトにかからないので、ベルトを損傷するおそれはない。
図6に示すホイール支持用ブラケット45の回転軸の同軸上に、中空のスリーブを固着し、そのスリーブに、軸方向には前後移動可能なようにスプリングを介して挿入し、軸の回転方向にはスリーブの溝に嵌る形の嵌合子を備え、錠の外面側に鍵が入る溝が十字状に形成されその溝に沿って嵌合子が前後できる構造を有しており、この錠の溝と錠の溝に嵌って固定されるロックハンドル62の鍵部63によって押し回される嵌合子(図示省略)との間に隙間を持たせることで、ブラケット45が運転位置に固定されていても、ベルト進行方向に5度程度の角度でブラケットごと傾くことで、ブラケットに支持されるガイドホイールがベルトの動きに追随できる構造を持っている。ベルト交換時には、前述のように、回動軸48の外側端面に取外し型ロックハンドル62の先端鍵部63を錠穴61に挿入したうえ90度回動(図7)することにより、図8の鎖線に示すように第2、第3のガイドホイール52b、52cをベルトの内面から離してベルトの交換ができるようにしている。
【0015】
図5は図3のC−C線より矢印方向に見た正面図であって、サイドプレート9にエンドプーリの細径側プーリブラケット22をボルトで固定し、スライド28を介して軸受け部材24を支持する。軸受け部材24の一方に角孔29を設けてテークアップユニット30におけるスクリューバー31のヘッド33を嵌め込む。角孔29は前方に開く切欠き34を有している。スクリューバー31はサイドプレート9に設けたブラケット32に挿入され、切欠き34側のナット35と、ブラケット32の両面に接するナット36、37を螺合し、これらのナットの締め付けで、最適なベルト張力をうるように軸受け部材24を設定する。
【0016】
取外し型ロックハンドル装置は、日本特開平9−67960号、同平9−100657号公報に開示されているように、前面に鍵孔を設けたケースと、前面周縁部に受動突起、後面に施錠軸部を突設したロータと、ロータの後部に配置したカバープレートと、ロータガイドと、ケース内に設けた軸受リングと、カバープレートを前進付勢するバネとからなる錠部と、ハンドル先端の直径方向に操作部である鍵を設けたロックハンドルとで構成されているが、本発明で使用するものは錠穴61の周囲90°間隔の4箇所に切り欠きをもつ十字形鍵穴(図7)とし、これに対応してロックハンドル62の先端には4箇所に突部を有してハンドルの90°回動を確実なものとしている。図8のように、ロックハンドルの操作によりブラケット45を90°回動して第2、第3のガイドホイール52b、52cをベルト内面から離したのち、上記エンドプーリの細径側プーリブラケット22の取付けボルトを緩めて軸受け部材24を外側にスライドさせることによりベルト取外しを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明ベルトカーブコンベヤの平面図である。
【図2】図1の部分的拡大平面図である。
【図3】図2のA―A線における拡大断面図である。
【図4】図3のB―B線より矢印方向に見た正面図である。
【図5】図3のC−C線より矢印方向に見た正面図である。
【図6】図2のD−D線に沿って一層拡大して示した断面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】図6のE−E線より矢印方向に見た正面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 カーブベルトコンベヤ 2 直線コンベヤ 3,4 エンドプーリ
5 クロスメンバ 6 クロスアングル 7 脚ユニット
8、9 サイドプレート 10 ベルト 11 ベース
12 床板 12a サポート 13 外カバー
13a スカート 14 ガイドレール 15 ドライブユニット
16 モータ(ホローシャフトモータ) 17 減速機
18 トルクアーム 19 ボルト 20 ベルトプロファイル
21 プーリシャフト 22 細径側プーリブラケット
22a 大径側プーリブラケット 22b アジャストネジ
22c アジャスト受け 23、24 軸受け部材
25、26 球面軸受 27 エンドキャップ
28 スライド 29 角孔 30 テークアップユニット
31 スクリューバー 32 スクリューバー挿通用ブラケット
33 ヘッド 34 切欠き 35、36、37 ナット
38 半円状縁部 38a 連続辺 39 突起
40 ホルダ 41、42 水平辺
45 ブラケット 48 軸部
50 ガイドホイールユニット 52a〜52d ガイドホイール
53 ゴムブッシュ 54 ボルト
55、56 上下辺 60 錠部
61 鍵穴 62 ロックハンドル
63 鍵部 70 ベルト走行方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブ側と従動側のテーパーエンドプーリ間に掛け渡した扇形ベルトの外周部近くに、該ベルト端を挟み付ける多数のガイドホイールユニットを配置したベルトカーブコンベヤであって、
前記ベルトの外周近くの表裏面に、前記ガイドホイールに当接する断面ほぼ半円状の輪郭縁部が形成され、
前記各ガイドホイールユニットは、往き側ベルト及び帰り側ベルトの外面縁部に当接する第1、第4のガイドホイールと、往き側ベルト及び帰り側ベルトの内面縁部に当接する第2、第3のガイドホイールとからなり、
前記第1、第4のガイドホイールはベース外周部に固着したホルダ部材の上下に支持され、第2、第3のガイドホイールは前記ホルダ部材の内側中央に回動自在に装着されたブラケットの上下辺に支持され、かつ各ガイドホイールは転がり軸受のインナーレ−ス内にスペーサゴム又はゴムブシュを嵌装し、該スペーサゴム又はゴムブシュ内に支持用ボルトを挿通して前記ホルダ部材またはブラケットの上下辺に固着されており、
しかも、前記ブラケット回動軸の同軸上に、前記ホルダ部材内側中央に回転式錠部を内蔵させると共に、その外側面に取外し型ロックハンドルの先端鍵部を係合させる錠穴を形成させ、前記ロックハンドルの鍵部を前記錠部に挿入し、錠を押し回し90度回動して前記ブラケットを同方向に回動することにより第2、第3のガイドホイールを前記ベルトの内面から離してベルト取外しを可能としたことを特徴とするベルトカーブコンベヤ。
【請求項2】
前記ブラケットの回転軸の同軸上にある、溝に嵌って固定され、かつ前記ロックハンドルの鍵部によって押し回される嵌合子との間に隙間を持たせることで、ブラケットが運転位置に固定されていても、ベルト進行方向に5度程度の角度でブラケットごと傾くことで、ブラケットに支持されるガイドホイールがベルトの動きに追随できる構造を持ったことを特徴とする請求項1記載のベルトカーブコンベヤ。
【請求項3】
前記ホルダ部材は、軽金属の押出し形材で作成されている請求項1に記載のベルトカーブコンベヤ。
【請求項4】
前記エンドプーリはスエージング加工したテーパローラを使用した請求項1に記載のベルトカーブコンベヤ。
【請求項5】
前記ドライブ側エンドプーリ下に帰り側ベルトを押さえるホイール又はローラを設けた請求項1に記載のベルトカーブコンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−213487(P2006−213487A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29664(P2005−29664)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】