説明

ベルトコンベア、および破砕設備

【課題】横桟や仕切板の損傷を確実に防止できるベルトコンベア、および破砕設備を提供する。
【解決手段】水平コンベア部と、高さ方向に延設されている立上りコンベア部とを有する第一ベルトコンベア3において、水平コンベア部、および立上りコンベア部のベルト本体11の両側部に立設され、このベルト本体11の延在方向に沿って延びる一対の仕切板13a,13bと、ベルト本体11の延在方向に所定の間隔をあけて立設され、このベルト本体11の幅方向に沿って延びると共に、両端が前記一対の仕切板13a,13bに接合されている複数の横桟14とを備え、各横桟14に、立設方向に向けスリット15を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、リサイクル利用される廃棄物を移送するためのベルトコンベア、およびこれを用いた廃棄物の破砕設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の工場や設備において、試料の移送手段としてベルトコンベアが多く使われている。ここで、例えば、試料が砂やコンクリートガラ等の粉状物である場合、この粉状物が飛散し、作業環境を悪化させる虞がある。このため、ベルトコンベアにより移送される粉状物の飛散を防止し、作業環境の悪化を防止するためのさまざまな技術が開示されている。
【0003】
例えば、ベルトコンベアの排出側(ベルト転向部)の下方に粉状物を収集する中空フードと、中空フードの内部に装備され粉状物に衝撃を与える邪魔板と、中空フードの側部に設けられ、粉状物が邪魔板に衝突することにより生じる粉塵を吸引する集塵機とを備えた防塵型ベルトコンベアがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1によれば、ベルトコンベアのリターン時に落下する粉状物のうち、飛散の虞がある微細な粉塵を集塵機によって吸引するので、作業環境の悪化を防止できる。
【0004】
また、バケットコンベアから落下する粉状物をフレックスコンベアにより受け取って上方へ搬送する搬送装置において、バケットコンベアとフレックスコンベアとの間の乗継部に、多孔の案内板を複数配設したものがある(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2によれば、バケットコンベアとフレックスコンベアとの間に乗継部を設けることにより、これらバケットコンベアとフレックスコンベアとの間に、移送途中の粉状物が落下してしまうのを防止できる。また、乗継部に多孔の案内板を複数配設することにより、粉状物の落下軌跡を細かく制御して粉状物の飛散を防止しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−331356号公報
【特許文献2】特開平8−258967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えば、フレックスコンベアを用いて電子基板等の有価物を含有したリサイクル原料を移送する場合、このリサイクル原料によってフレックスコンベアが損傷してしまう虞がある。
より具体的に、図7〜図9に基づいて説明する。
図7は、従来のフレックスコンベア101の一部拡大斜視図、図8は、フレックスコンベア101の敷設状態の一例を示す概略側面図、図9は、図8のB矢視図である。
【0007】
図7〜図9に示すように、フレックスコンベア101は、リサイクル原料が投棄される搬入部102と、搬入部102よりも高い位置に設定され、リサイクル原料を排出する排出部103とを有している。そして、搬入部102の高さ位置で水平方向に沿って設けられた水平コンベア部104と、水平コンベア104部の下流端から搬出部103の高さに至るまで斜設された傾斜コンベア部105とが無端状のベルト本体106により一連に形成されている。
【0008】
ベルト本体106の両側部には、このベルト本体106の延在方向に沿って延びる一対の波状の仕切板107a,107bが立設されている。また、ベルト本体106には、一対の仕切板107a,107b間に、ベルト本体106の幅方向に沿って延びる複数の横桟108がベルト本体106の延在方向に所定の間隔をあけて立設されている。各横桟108におけるベルト本体106の幅方向両端は、それぞれ仕切板107a,107bに接合されている。
【0009】
ここで、例えば、リサイクル原料が隣接する横桟108間の距離よりも長い電子基板W101である場合、水平コンベア部104と傾斜コンベア部105との接続部分である屈曲部109近傍で電子基板W101により横桟108が押圧される場合がある。
すなわち、屈曲部109を跨る任意の2つの横桟108,108間の距離L102は、水平コンベア104上に位置するときの任意の2つの横桟108,108間の距離L101よりも短くなる。このため、屈曲部109近傍に電子基板W101が存在するとき、この電子基板W101によって、横桟108が押圧される場合がある。このため、横桟108にかかる押圧力が大きいと、横桟108と仕切板107a,107bとの接合部が変形し、破断してしまう虞がある。
【0010】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、破砕物の飛散を防止するという点では優れているが、破砕物と比較して大型な廃棄物(試料)を移送する場合の対策が何ら開示されていない。このため、フレックスコンベア等を用いて大型の廃棄物を移送する場合、フレックスコンベアの敷設状態によっては横桟や仕切板が損傷してしまう虞があるという課題がある。
【0011】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、横桟や仕切板の損傷を確実に防止できるベルトコンベア、および破砕設備を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、水平コンベア部と、高さ方向に延設されている立上りコンベア部とを有するベルトコンベアにおいて、前記水平コンベア部、および前記立上りコンベア部のベルト本体の両側部に立設され、このベルト本体の延在方向に沿って延びる一対の仕切板と、前記ベルト本体の延在方向に所定の間隔をあけて立設され、このベルト本体の幅方向に沿って延びると共に、両端が前記一対の仕切板に接合されている複数の横桟とを備え、各横桟に、立設方向に向けスリットを形成したことを特徴とする。
【0013】
このように構成することで、水平コンベアと立上りコンベアとの接合部分近傍で試料によって横桟が押圧されたとき、横桟のスリットが形成されている側部が湾曲変形する。この湾曲変形によって、横桟にかかる試料の押圧力が緩和されるので、横桟と仕切板との接合部に負荷がかかるのを防止できる。このため、この接合部の破断を防止でき、横桟や仕切板の損傷を確実に防止できる。
【0014】
請求項2に記載した発明は、前記スリットを各横桟に少なくとも1つ形成し、各スリットの深さは、少なくとも各横桟の先端から立設方向中央よりも基端側に至る深さに設定されていることを特徴とする。
【0015】
このように構成することで、少ないスリット数で効果的に横桟にかかる試料の押圧力を緩和することが可能になる。このため、ベルトコンベアの試料移送能力の低下を抑制しつつ、確実に横桟や仕切板の損傷を防止することが可能になる。
【0016】
請求項3に記載した発明は、前記ベルト本体を支持するプーリのうち、少なくとも試料排出側端に配置されたプーリには、クラウン加工が施されていることを特徴とする。
【0017】
ここで、横桟にスリットを形成する場合、このスリットに試料が挟まり込んでしまう虞がある。しかしながら、ベルトコンベアの試料搬出側端に配置されている回転ローラにクラウン加工(回転ローラの軸方向中央が膨出するように樽状に加工)を施すことによって、この回転ローラ上に位置する横桟に、ベルト本体の幅方向外側に向かう力が作用する。
このため、回転ローラ上に位置する横桟がベルト本体の幅方向外側に向かって広がり、スリット幅が大きくなる。すると、スリットへの試料の挟み込み状態が解除され、ベルトコンベア上から確実に試料が排出される。よって、横桟や仕切板の損傷を確実に防止しつつ、試料の移送を確実に行うことができるベルトコンベアを提供することが可能になる。
【0018】
請求項4に記載した破砕設備は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のベルトコンベアと、前記ベルトコンベアが搬送する試料を破砕する破砕機とを備えたことを特徴とする。
【0019】
このように構成することで、ベルトコンベアの横桟や仕切板の損傷を確実に防止でき、メンテナンスの容易な破砕設備を提供することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、水平コンベアと立上りコンベアとの接合部分近傍で試料によって横桟が押圧されたとき、横桟のスリットが形成されている側部が湾曲変形する。この湾曲変形によって、横桟にかかる試料の押圧力が緩和されるので、横桟と仕切板との接合部に負荷がかかるのを防止できる。このため、この接合部の破断を防止でき、横桟や仕切板の損傷を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態における破砕設備の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるベルト本体の一部拡大斜視図である。
【図3】本図1のA矢視図である。
【図4】本発明の実施形態における横桟の作用説明図である
【図5】本発明の実施形態における横桟の作用説明図である
【図6】本発明の他の実施形態における横桟の概略構成図である。
【図7】従来のフレックスコンベアの一部拡大斜視図である。
【図8】従来のフレックスコンベアの敷設状態の一例を示す概略側面図である。
【図9】図8のB矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(破砕設備)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、破砕設備1の概略構成図である。
同図に示すように、破砕設備1は、試料であるリサイクル原料を破砕する破砕機2と、破砕機2により破砕されたリサイクル原料を移送する第一ベルトコンベア3、および第二ベルトコンベア4と、リサイクル原料の破砕物を貯留する貯留槽5とを有している。
破砕機2は、ロータ式の一軸破砕機とされており、外周面に超硬合金からなる切刃(不図示)が設けられた回転ローラ6を備えている。
【0023】
(第一ベルトコンベア)
第一ベルトコンベア3は所謂フレックスコンベアから成るものであって、破砕機2から排出された破砕物が搬入される搬入部7と、貯留槽5の受け入れ口の高さに対応するように、搬入部7よりも高い位置に配置された排出部8とを有している。そして、搬入部7の高さ位置で水平方向に沿って設けられた水平コンベア部9と、水平コンベア部9の下流端から搬出部8の高さに至るまで斜設された傾斜コンベア部10とが無端状のベルト本体11により一連に形成されている。
【0024】
各コンベア9,10は、プーリ12a,12b,12cに支持されている。そして、第一ベルトコンベア3の上流側である搬入部7側に配置されているプーリ12aと、下流側である排出部8側に配置されているプーリ12cとの間をベルト本体11が循環移動するようになっている。
また、水平コンベア部9、および傾斜コンベア部10は、ベルト本体11により一連に形成されているので、水平コンベア部9と傾斜コンベア部10との接続部分(プーリ12bに対応する部分)には、ベルト本体11が屈曲した状態となる屈曲部17が形成される。
【0025】
各プーリ12a,12b,12cのうち、第一ベルトコンベア3の両端に位置するプーリ(エンドプーリ)12a,12cは、ベルト本体11の蛇行防止のためにクラウン加工が施されている。すなわち、プーリ12a,12cの外表面には、軸方向中央に向かうに従って膨出するように膨出部18が形成されている(図5参照)。
【0026】
図2は、ベルト本体11の一部拡大斜視図である。
同図に示すように、ベルト本体11はゴム製であって、ベルト本体11の両側部には、このベルト本体11の延在方向に沿って延びる一対のゴム製の仕切板13a,13bが立設されている。この仕切板13a,13bは、ベルト本体11上に載置される破砕物がベルト本体11から脱落するのを防止するためのものである。また、仕切板13a,13bは波状に形成されており、各プーリ12a,12b,12c上に位置するとき、仕切板13a,13bに局部的な応力がかかり損傷するのを防止するようになっている。
【0027】
すなわち、例えば、仕切板13a,13bがプーリ12a,12cに位置するとき、ベルト本体11がプーリ12a,12bの外周面に沿って湾曲変形する。これに伴って各仕切板13a,13bの基端側の周長よりも先端側の周長が長くなる。このとき、各仕切板13a,13bが波状に形成されている分、この先端がベルト本体11の延在方向に沿って広がるように変形する。このため、仕切板13a,13bの先端側に局部的な応力がかかるのを防止できる。
【0028】
また、ベルト本体11には、一対の仕切板13a,13b間に、ベルト本体11の幅方向に沿って延びる複数のゴム製の横桟14がベルト本体11に対して所定角度傾斜した状態で立設されている。そして、複数の横桟14は、それぞれベルト本体11の延在方向に所定の間隔をあけて配置されている。
また、横桟14の高さH1は,仕切板13a,13bの高さH2よりも低く設定されている。さらに、各横桟14の延在方向両側端14a,14aは、それぞれ一対の仕切板13a,13bに接合されている。
【0029】
ここで、各横桟14には、それぞれ延在方向の略中央に横桟14の立設方向に沿うスリット15が1つ形成されている。スリット15は、横桟14の立設方向先端14bから付根部14cのやや手前に至る間に形成されている。
より具体的には、例えば、横桟14の立設方向の長さが約10cm、幅が約40cmに設定されているとき、スリット15の幅は約3cm程度、スリット15の深さは4cm〜6cm程度に設定されている。しかしながら、スリット15の幅はこれに限られるものではなく、約1cm〜数cmまで設定することが可能である。
これにより、横桟14は、スリット15を中心にして2つの横桟片16a,16bを振り分け配置した状態になる。各横桟片16a,16bのスリット15側端は何ら拘束されていない状態になるので、各横桟片16a,16bが側端14a(仕切板13a,13bとの接続部)、および付根部14cを基点として湾曲変形可能となる。
【0030】
(作用)
次に、図1、図3〜図5に基づいて、第一ベルトコンベア3の作用について説明する。
図3は、図1のA矢視図である。図4、図5は、横桟14の作用説明図である。
図1、図3に示すように、破砕機2により破砕されたリサイクル原料の破砕物は、第一ベルトコンベア3の搬入部7に投入される。第一ベルトコンベア3を駆動させると、ベルト本体11が上流側のプーリ12aと下流側のプーリ12cとの間を循環する。すると、水平コンベア部9、傾斜コンベア部10の順に破砕物が移送され、第一ベルトコンベア3の排出部8から排出されて第二ベルトコンベア4へと移送される。第二ベルトコンベア4に移送された破砕物は、その後貯留槽5へと移送される。
【0031】
ここで、破砕機2により破砕されたリサイクル原料の破砕物の中には、その長さL1が隣接する複数の横桟14に跨る長さのものがある(以下、このような破砕物を大型廃棄物Wbという)。
大型廃棄物Wbが第一ベルトコンベア3により移送され、屈曲部17を跨る位置にあるときの大型廃棄物Wbの長手方向両端に対応する位置に存在する横桟14,14間の距離をL2(図1参照)とし、大型化廃棄物Wbが水平コンベア部9上にのみ位置しているときの大型廃棄物Wbの長手方向両端に対応する位置に存在する横桟14,14間の距離をL3としたとき、距離L2、および距離L3は、
L2<L3・・・(1)
を満たす。このため、大型化廃棄物Wbが屈曲部17を跨るとき、大型廃棄物Wbによって横桟14が押圧されてしまう。
【0032】
このような場合、図4に示すように、横桟14を構成している各横桟片16a,16bは、側端14a、および付根部14cを基点として、押圧力が作用する方向に向かって(図4における矢印Y1参照)湾曲変形する。このため、横桟14にかかる押圧力が緩和され、横桟14の側端14aと仕切板13a,13bとの接合部に局部的な応力がかかるのが防止される。
【0033】
また、横桟14にスリット15が形成されているので、このスリット15にリサイクル原料の破砕物が挟み込まれる場合がある。このような場合、水平コンベア部9、および傾斜コンベア部10上にあっては、リサイクル原料の破砕物がスリット15に挟み込まれたままの状態で移送される。
ここで、図5に示すように、ベルト本体11を支持するプーリ12a,12cには、ベルト本体11の蛇行防止のためにクラウン加工が施されている。このため、プーリ12a,12cに位置するベルト本体11は、各プーリ12a,12cの膨出部18に沿うように湾曲変形する。
【0034】
すると、横桟14を構成している各横桟片16a,16bには、それぞれスリット15とは反対側に向かって(図5における矢印Y2参照)力が作用する。このため、各横桟片16a,16bがベルト本体11の幅方向外側に向かって変位し、スリット15の幅が大きくなる。これにより、スリット15への破砕物の挟み込み状態が解除される。
ここで、下流側のプーリ12cに位置するベルト本体11は、この後リターン側へと移動することになる。このため、スリット15に挟み込まれていた破砕物は、そのまま第二ベルトコンベア4へと投棄される。よって、破砕物がスリット15に挟み込まれた状態のままリターン側へと移動することが防止される。
【0035】
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、横桟14に、この横桟14の立設方向に沿うスリット15を形成し、横桟14を一対の横桟片16a,16bにより構成するので、横桟14にかかる大型廃棄物Wbの押圧力が緩和され、横桟14の側端14aと仕切板13a,13bとの接合部に局部的な応力がかかるのを防止できる。このため、横桟14と仕切板13a,13bとの接合部の破断を防止でき、横桟14や仕切板13a,13bの損傷を確実に防止できる。
【0036】
また、横桟14の延在方向略中央にスリット15が1つ形成されているだけなので、横桟14の剛性の低下を抑制できる。このため、第一ベルトコンベア3の試料移送能力の低下を抑制しつつ、確実に横桟14や仕切板13a,13bの損傷を防止することが可能になる。
【0037】
さらに、ベルト本体11を支持するプーリ12a,12cにクラウン加工が施されているので、横桟14のスリット15に破砕物が挟まり込んだ場合であっても確実に破砕物を排出することができる。このため、横桟14や仕切板13a,13bの損傷を確実に防止しつつ、破砕物の移送を確実に行うことができる。
【0038】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、第一ベルトコンベア3の両端に位置するプーリ(エンドプーリ)12a,12cに、ベルト本体11の蛇行防止のためのクラウン加工が施されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくとも下流側(排出部8)に位置するプーリ12cにクラウン加工が施されていればよい。この場合、上流側に位置するプーリ12aに、別途蛇行防止機能を設けてもよい。
下流側のプーリ12cにクラウン加工が施されていれば第一ベルトコンベア3のリターン側に破砕物が移送されるのを防止できる。
【0039】
また、上述の実施形態では、横桟14にスリット15を形成し、このスリット15を中心にして2つの横桟片16a,16bが振り分け配置された状態になっている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、図6に示すように、2つの横桟片16a,16bを厚さ方向にラップさせるように形成してもよい。このように構成することで、スリット15に破砕物が嵌まり込むのを防止することが可能になる。
【0040】
さらに、上述の実施形態では、横桟14にスリット15を1つ形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、横桟14の剛性を著しく低下させない程度にスリット15を複数形成してもよい。
そして、スリット15を横桟14の立設方向先端14bから付根部14cのやや手前に至る間に形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、スリット15を少なくとも横桟14の立設方向先端14bから高さ方向略中央よりも付根部14c側に至る間に形成すればよい。このように構成することで、大型廃棄物Wbによって押圧されたとき、横桟14の各横桟片16a,16bを十分湾曲変形させることができる。
【0041】
また、上述の実施形態では、第一ベルトコンベア3が水平コンベア部9と、水平コンベア部9の下流側から搬出部8の高さに至るまで斜設された傾斜コンベア部10とを有し、無端状のベルト本体11により一連に形成されている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、第一ベルトコンベア3は、傾斜コンベア部10に代わって垂直方向に沿うように立設された垂直コンベアと、水平コンベア部9とをベルト本体11により一連に形成されていてもよい。この場合であっても横桟14にスリット15を形成することにより、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 破砕設備
2 破砕機
3 第一ベルトコンベア(ベルトコンベア)
8 排出部
9 水平コンベア部
10 傾斜コンベア部(立上りコンベア)
11 ベルト本体
12a,12b,12c プーリ
13a,13b 仕切板
14 横桟
14a 側端
14b 先端
14c 付根部(基端)
15 スリット
16a,16b 横桟片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平コンベア部と、高さ方向に延設されている立上りコンベア部とを有するベルトコンベアにおいて、
前記水平コンベア部、および前記立上りコンベア部のベルト本体の両側部に立設され、このベルト本体の延在方向に沿って延びる一対の仕切板と、
前記ベルト本体の延在方向に所定の間隔をあけて立設され、このベルト本体の幅方向に沿って延びると共に、両端が前記一対の仕切板に接合されている複数の横桟とを備え、
各横桟に、立設方向に向けスリットを形成したことを特徴とするベルトコンベア。
【請求項2】
前記スリットを各横桟に少なくとも1つ形成し、
各スリットの深さは、少なくとも各横桟の先端から立設方向中央よりも基端側に至る深さに設定されていることを特徴とする請求項1に記載のベルトコンベア。
【請求項3】
前記ベルト本体を支持するプーリのうち、少なくとも試料排出側端に配置されたプーリには、クラウン加工が施されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のベルトコンベア。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のベルトコンベアと、
前記ベルトコンベアが搬送する試料を破砕する破砕機とを備えたことを特徴とする破砕設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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