説明

ベルトコンベア

【課題】
【解決手段】本発明は、少なくとも一方のリターンシャフト(30)に巻回され、上部走行と下部走行を形成するコンベアベルト(20)と、コンベアベルト(20)を稼働させる駆動装置とを備え、駆動装置はリターンシャフト(30)とは分離して取り付けられ、上部走行と下部走行間のたわみ領域において、コンベアベルト(20)を駆動することを特徴とするベルトコンベアを提供する。前記駆動装置は、コンベアベルト(20)の辺縁部に配置される歯付きベルト(40)又はV状ベルト、及び回転駆動可能な歯付きホイール(60)又はV状ディスクを有する。歯付きベルト(40)又はV状ベルトは、解除可能にコンベアベルト(20)と結合又は結合できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベルトコンベア、ベルトコンベアを取り付ける方法、及びベルトコンベアの駆動装置の使用に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
ベルトコンベア又はロープベルトコンベアにおいて、弾性及び/又はベンディング性のあるコンベアベルトは、通常リターンシャフト又はリターンプーリに巻回されたコンベアベルトによって連続的に駆動される。ここで、荷重が負荷されたコンベアベルトの上部走行が一方に走行する一方、下部走行が下側で反対方向に走行するように、少なくとも一方のリターンプーリがモーターにより駆動される。コンベアベルトは磨耗にさらされるため、ある一定の期間が経過した時、又はある一定の稼働時間が経過した時、交換する必要がある。しかし、コンベアベルトの交換は困難であると共に時間がかかる作業である。というのは、特に無端ベルトの場合、ベルトコンベアにおける多数の箇所を取り外す必要があり、その後再び取り付ける必要があるからである。
【0003】
このように、本発明の目的は、コンベアベルトを簡単に低価格で、しかも短時間で交換できるベルトコンベアを提供することである。
【0004】
この目的は、独立請求項に記載するベルトコンベア、その方法、及びその使用によって解決される。本発明の好ましい実施形態は従属請求項に定義される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によると、ベルトコンベアは、少なくとも一方のリターンシャフトに巻回され、上部走行と下部走行を形成するコンベアベルトと、コンベアベルトを稼働させる駆動装置とを備え、駆動装置はリターンシャフトとは分離して配置及び/又は搭載又は固定されて、上部走行と下部走行間のたわみ領域において、コンベアベルト(20)を駆動する。換言すれば、駆動装置はフレーム又は取り付けフレームに、リターンシャフトと全く分離して搭載されるのが好ましい。コンベアベルトの上下方向上部を上部走行と言い、品物や商品がこれに載置され、ベルトが搬送方向に走行することにより搬送される。一方、下部後方、搬送方向と反対方向に走行するベルトの部分を下部走行と言う。駆動装置は、少なくとも一方のリターンシャフトの領域に配置されるのが好ましい。
【0006】
コンベアベルトの交換時に駆動装置の取り付け/取り外しを必要としない。というのは、駆動装置はリターンシャフトと分離して配置されるからである。新しいコンベアベルトを設置するため、リターンシャフトを取り外すだけで充分である。コンベアベルトの交換作業時に、駆動装置をコンベアベルトのフレーム内に取り付けたままでもよい。このように、コンベアベルトを簡単に取り外すことができ、従って、コンベアベルトの交換を低価格で行うことができる。例えば、駆動装置はギア又はV状ベルトプーリを備え、コンベアベルト上に配置された歯付きベルト又はV状ベルトと係合する。そして、このギア又はV状ベルトプーリをモーターにより機械的に駆動することにより、つまり、歯付きベルト又はV状ベルトとの係合を介してコンベアベルトを駆動することが好ましい。
【0007】
ACモーター又は三相ACモーターなどの電気モーターをモーターとして使用するのが好ましい。しかしながら、DCモーター、油圧モーター、空気モーター、内燃エンジンなど他のモーターも用途に応じて使用できる。
【0008】
駆動装置は、コンベアベルトの縁部に配置された歯付きベルト又はV状ベルトを備えることが好ましく、更に、電気モーターに連結された回転駆動可能なギア又はV状ベルトプーリを備えることが好ましい。又、ギア又はV状ベルトプーリの軸は、リターンシャフトの長軸上にあることが好ましい。
【0009】
又、少なくとも一方のリターンシャフトが、ギア又はV状べルトプーリとは別に取り外せることが好ましい。リターンシャフトの一方をベルトコンベアの端部にそれぞれ配置して、2本のリターンシャフトを配置することが好ましい。
【0010】
好ましい一実施形態によると、リターンシャフトは多数のローラーを有し、これらはそれぞれ隣り合わせに配置され、又それぞれ独立して回転することが可能である。
【0011】
特に曲線状のベルトの場合、コンベアベルトの幅方向のスピード差は、それぞれ隣り合わせに配置され、又それぞれ独立して回転可能な多数のローラーを有するリターンシャフトによって相殺される。換言すれば、曲線状のベルトの場合、半径方向外部は、半径方向内部より高いサイクルのスピードを有するため、リターンシャフトを廻ってこれらの部分を異なるスピードで走行、案内しなければならない。このスピード差は、それぞれ隣り合わせに配置され、それぞれ独立して回転可能なローラーによって緩やかに実現される。
【0012】
又は、リターンシャフトを一体的に、又は円錐状に形成して、コンベアベルトのスピード差を相殺してもよい。
【0013】
リターンシャフトは、ベルトコンベアのフレーム内に垂下するように配置及び/又は取り付けることもできる。リターンシャフトは、コンベアベルトを引っ張るように、ベルトコンベアの長手方向にずらすことが好ましく、及び/又は固定することが好ましい。
【0014】
コンベアベルトの交換時にリターンシャフトの取り外し/取り付けを簡単に又迅速に行うことができる。というのは、リターンシャフトは単にベルトコンベアのフレーム内に垂下するように取り付けられているからである。更に、リターンシャフトをコンベアベルトの長手方向にずらすことによってコンベアベルトを引っ張ることができる。このように、コンベアベルトを引っ張るための引張装置を別に設ける必要がない。よって、最小限の部品でコンベアベルトを提供することができる。
【0015】
又、バイアス空気ばねによってリターンシャフトの垂下を引っ張ることができる。コンベアベルトが充分に弛緩した状態にある場合、すなわちリターンシャフトが引張方向に対して内方に変位又は反対方向に変位する場合、空気ばねを所定位置に固定又は調節するように構成することが好ましい。空気ばねを調節することにより、リターンシャフトは、コンベアベルトを交換するため、その軸受から容易に取り外すことができる。取り付け後のコンベアベルトの張力を初期化するため、手動により単に空気ばねの調節を緩めるだけでよい。
【0016】
少なくとも一方のリターンシャフトが曲線状ベルトの少なくとも一端に配置できる又は配置されることが好ましい。換言すれば、コンベアベルトは、曲線状のベルトとして形成され、リターンシャフトはコンベアベルトを下方に方向転換し、上部進行走行ベルトと下部リターン走行ベルト間の結合を果たす。
【0017】
本発明の更なる態様によると、ベルトコンベアは少なくとも一方のリターンシャフトに巻回されるコンベアベルトと、コンベアベルトを稼働させる駆動装置とを備え、上記一以上の態様によると、コンベアベルトは歯付きベルト又はV状ベルトを有し、これらは駆動装置と係合すると共に、コンベアベルトと解除可能に結合又は結合できることが好ましい。
【0018】
コンベアベルトを駆動するための歯付きベルト又はV状ベルトが解除可能にコンベアベルトと結合又は結合できるため、歯付きベルト又はV状ベルト又はコンベアベルトは、別々に交換することができる。このように、消耗状態により、コンベアベルトを交換することなく歯付きベルト又はV状ベルトを交換することができると共に歯付きベルト又はV状ベルトを交換することなくコンベアベルトを交換できるので、消耗した部品の交換に掛かる費用の削減を図ることができる。
【0019】
歯付きベルト又はV状ベルトは、コンベアベルトと結合又は結合できる横方向の伸長部を有することが好ましい。
【0020】
更に、横方向の伸長部は複数のタブを有し、これらは複数の凹部によりそれぞれ分離されると共に、複数のリベットによりコンベアベルトと結合又は結合できる。
【0021】
凹部によりそれぞれ分離されたタブにより、歯付きベルト又はV状ベルトからコンベアベルトへ応力が伝達されると同時に、歯付きベルト又はV状ベルトのコンベアベルトに対する横方向又は角状移動を所定範囲内で可能にするという効果を発揮する。これにより、構成上の誤差又は許容誤差が相殺され、比較的高い許容誤差の場合でも、ベルトコンベアの円滑な操作が可能となる。更に、ベルトコンベアの製造及びメンテナンスにおける比較的高い許容誤差により、製造コストの削減を図ることができる。又、高い許容誤差でほんの少量のスクラップしか排出されないため、製造部品の生産量を増加させることができる。
【0022】
更に、コンベアベルトの長手方向における張力の撓みを最小限にするため、横方向伸長部のタブ間のリターンポイントにおける凹部又は谷部にコンベアベルトを位置づけることができる。
【0023】
結局、ベルトコンベアを取り付ける際、高度な調整や位置づけの許容誤差にこだわる必要がなく、よって、取り付け時間及び取り付け費用を最小限に抑えることができる。
【0024】
コンベアベルトは歯付きベルト又はV状ベルトにリベットにより結合されているため、歯付きベルト又はV状ベルトをコンベアベルトから簡単に取り外すことができると共に他のコンベアベルトに簡単に結合することができる。更に、又は、ネジ、つぎ板、スタッド等、他の締付け要素も使用できる。
【0025】
又、歯付きベルト又はV状ベルトは、その内部に配置され、歯付きベルト又はV状ベルトの移動方向に対して縦方向に配置される少なくとも第一のテンション軸受部材層を有する。
【0026】
歯付きベルト又はV状ベルトは、歯付きベルト又はV状ベルトの長手方向又は移動方向に配置される第一のテンション軸受部材層、好ましくは一対の第一のテンション軸受部材層を有するため、この歯付きベルト又はV状ベルトにより、高い駆動力を伝達することができる。更に、走行費用が高い場合、歯付きベルト又はV状ベルトの延伸をかなり防ぐことができる。このように、たとえ作業時間が長くても、歯付きベルト又はV状ベルトの歯の間隔又は距離の変化による不都合が起きることもなく、歯付きベルト又はV状ベルトの下部走行の撓みによる不都合が起きることもない。
【0027】
特に、曲線状のベルトコンベアの場合、歯付きベルト又はV状ベルトの代わりにチェーンベルトを使用することにより起きる可能性がある駆動装置の詰まり、つまりベルトの延伸に起因して起こる駆動装置の詰まりを防ぐことができる。
【0028】
更に、歯付きベルト又はV状ベルトは、歯付きベルト又はV状ベルトの移動方向に対して30°〜50°の角度で配置される少なくとも第二のテンション軸受部材層を有する。
【0029】
歯付きベルト又はV状ベルトは、歯付きベルト又はV状ベルトの移動方向に対して30°〜50°の角度で配置される少なくとも第二のテンション軸受部材層を有するため、タブを過剰に変形せずに、大きな応力をコンベアベルト、歯付きベルト又はV状ベルトに伝達することができる。更に、第二のテンション軸受部材層を、角度をつけて配置しているため、ギア又はV状ベルトプーリにおける撓みが起きている際に、歯付きベルト又はV状ベルトの曲げ変形挙動を最適化することができる。換言すると、比較的硬い第二のテンション軸受部材層は、歯付きベルト又はV状ベルトの曲げ変形挙動に影響を及ぼさない。又はほんの少ししか影響を及ぼさない。というのは、第二のテンション軸受部材層は歯付きベルト又はV状ベルトの移動方向に対して所定の角度で配置されているからである。更に、第二のテンション軸受部材層の角度位置は一連の応力位置に一致し、これにより、歯付きベルト又はV状ベルトからコンベアベルトへ駆動力を伝達することができる。ここで、第二のテンション軸受部材層は、歯付きベルト又はV状ベルトの伸長部に対して所定の角度で、歯付きベルト又はV状ベルトの全長に亘って配置される。
【0030】
第二のテンション軸受部材層は、横方向伸長部及び/又はタブ方向へ伸びている。
【0031】
更に、第一及び/又は第二のテンション軸受部材層の少なくとも一方のテンション荷重軸受部材は、織糸の反りを有し横糸からなる少なくとも一層を有する。第一のテンション軸受部材層が普通撚り又はラング撚りロープを有することが最も好ましく、第二のテンション軸受部材層が、織糸の反りを有し横糸からなる少なくとも一層を有することが好ましい。
【0032】
歯付きベルト又はV状ベルトはポリウレタンからなり、やはりポリウレタンからなるタブ及び/又は伸長部に溶接及び/又は接着される。しかしながら、製造工程において溶接/接着工程を省くため、歯付きベルト又はV状ベルトを横方向伸長部又はタブと一体に形成してもよい。
【0033】
コンベアベルトは無端ベルトであることが好ましい。これにより、ベルト端部を結合する取り付け工程を省き、作業中ベルトの結合部の弛緩を防ぐことが可能である。
【0034】
更なる実施形態によると、このようなベルトコンベアはコンベアベルト上に又は横方向伸長部上に締付け面を有し、この締付け面はフレーム側締付け部材と接触するように形成され、この締付け部材は締付け面に対し、コンベアベルトの長手方向横向きに締付け力を加える。ほんの少量の締付け力をコンベアベルト面方向に加えることにより、締付け部材と反対側のコンベアベルトに配置されアイドリングローラーにより形成される一以上の橋台の方向に締付け要素が押圧されるようにしてもよい。曲線状のベルトにおいては、曲線半径が収まりコンベアベルトに垂直である半径平面内に締付け力が存在するように、締付け力成分が半径方向外側に向かってもよい。
【0035】
このようなコンベアベルトに関して、歯付きベルト又はV状ベルト上、及び/又は歯付きベルトに加えて形成された締付け要素上に前記締付け面を備えてもよい。歯付きベルト又はV状ベルトに加えて形成された締付け要素は、コンベアベルト上又は伸長部上に別に形成され又は固定されるマルチパートデザインの個別要素として、歯付きベルト又はV状ベルトと一体に形成されてもよい。
【0036】
更に、上記構成のベルトコンベアにおいて、歯付きベルト、V状ベルト及び/又は締付け要素を、連続コンベアベルトの内側に配置してもよい。連続コンベアベルトの内側とは、リターンシャフトの側を意味する。上記記載のように、部品はコンベアベルト上に、すなわち、コンベアベルトそのものに、又はコンベアベルトの横方向伸長部に、直接的に又は間接的に配置してもよい。特に、締付け要素の配置に関して、締付け要素は連続コンベアベルトの内側のみに、つまり、中性繊維に対してベルトの押圧側に配置されるのが好ましい。従って、締付け要素がコンベアベルトの外側に配置されることがないため、コンベアベルトがリターンシャフトを通過する際、締付け要素に張力は加わらない。
【0037】
コンベアベルトは無端ベルトとして設計されるため、それは単にリターンシャフト上に載置することによって取り付けることができる。すなわち、コンベアベルトの両端接合を省くことができる。更に、このような無端ベルトは円滑に走行することができ、結合点が弛緩することはない。
【0038】
本発明の更なる態様によると、ベルトコンベアの取り付け方法であって、
駆動装置をベルトコンベアのフレーム又は土台に取り付ける工程と、
少なくとも一方のリターンシャフトを、ベルトループ内に、すなわち、無端ベルトの内部に、又は両端を互いに結合されたコンベアベルトの内部に誘導する工程と、
少なくとも一方のリターンシャフトをベルトコンベアのフレーム又は土台内に垂下する工程と、を含むベルトコンベアの取り付け方法を提供する。
【0039】
この取り付け方法において、駆動装置の取り付けはコンベアベルトの取り付けとは別に行われるため、コンベアベルトの交換時に、駆動装置を取り外す必要はない。これにより、コンベアベルトの交換を迅速に、コストを削減して行うことができる。
【0040】
更に、コンベアベルトの取り付けとは別に駆動装置を取り付けたり取り外したりすることができるため、駆動装置を取り除く際でも、コンベアベルト及びリターンシャフトを取り付けたままにしておくことができる。これによっても、コスト削減と作業時間の短縮を図ることができる。
【0041】
更に、本発明の一態様によると、上記構成の、ベルトコンベアを駆動するための回転駆動可能なギア又はV状ベルトプーリを有する駆動装置が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら、更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明に係るベルトコンベアの斜視図であり、コンベアベルトを取り外した曲線状のベルトコンベアを示す。
【図2】図2は、コンベアベルトを取り付けた図1の発明に係るベルトコンベアの詳細な図である。
【図3】図3は、歯付きベルト及び締付け要素を備えたコンベアベルトの更なる実施形態に係るベルトコンベアの断面図である。
【0044】
図1に示す曲線状ベルトコンベアは、長手方向に1対のビーム又はダブルTビームにより形成されるフレーム10を有する。コンベアベルト(図示せず)をリターンさせるためのリターンシャフト30がダブルTビーム12の端部にそれぞれ配置されている。
【0045】
リターンシャフト30はフレーム10内に垂下され、フレーム10内には、2本のリターンシャフト30のうちの少なくとも一方のリターンシャフトが、コンベアベルトの取り付け後、コンベアベルトを締めつけることができるように、図示しないコンベアベルトの長手方向又は移動方向に移動可能となっている。更に、リターンシャフト30は、それぞれ独立に回転可能な多数のローラー32を有する。コンベアベルトは内側に低いサイクル速度を有するため、すなわち外側より小さい曲率半径を有する側の方が、外側又は大きい曲率半径を有する側より低いサイクル速度を有するため、これに対応するように、内側に配置されるローラー32は外側に配置されるローラー32より低いサイクル速度を有する必要がある。
【0046】
更に、図1に示さない歯付きベルトを駆動するためギア60を備える電気モーター70がフレーム10に取り付けられる。ギア60は電気モーター70の出力シャフト上に直接配置されることが好ましい。ギア60を備える電気モーター70からなるユニットは、リターンシャフト30とは独立してフレーム10に取り付けたり取り外したりすることができる。一方、リターンシャフト30は、電気モーター70及びギア60からなる駆動ユニットから独立して取り付けたり取り外したりすることができる。
【0047】
ギア60を備える駆動装置は、ギア60の軸又は回転軸が、リターンシャフト30の軸又は回転軸上にほぼ存在するように位置づけ又は位置づけできることが好ましい。
【0048】
更に、ベルトコンベアは、歯付きベルト(図示せず)を誘導するための多数のアイドリングローラー80を有する。これらアイドリングローラ80の高さは歯付きベルトの厚さに合わせて構成される。又は、歯付きベルトの取り付けを容易にすると共に歯付きベルトの厚さに応じてその高さを調節できるように、アイドリングローラー80を上下方向に移動可能なように配置してもよい。更に、締付けローラー81として形成される多数の締付け部材がフレーム側に配置され、図示する実施形態によると、これらは、アイドリングローラー80に対して図示しないコンベアベルトの反対側に配置される。
【0049】
図2は、図1のベルトコンベアの詳細な図であり、図2に示すコンベアベルト20と歯付きベルト40を示す。
【0050】
歯付きベルト40は、その待歯46を係合するようにギア60上に載置される。このように、ギア60の歯と待歯46とが係合しているため、歯付きベルト40はギア60を駆動することにより駆動される。よって、歯付きベルト40は、フレーム10のダブルTビーム12に沿って移動する。歯付きベルト40のこの移動は、タブ48(伸長部)とリベット50を介してコンベアベルト20に伝達され、よってコンベアベルト20も一対のダブルTビーム12に沿って移動する。
【0051】
歯付きベルトを広範囲に長くしたり、広範囲に取り付けることなく高い駆動力を伝達できるように、歯付きベルト40は、少なくとも一つのテンション軸受部材42、好ましくは一対のテンション軸受部材42を備える。2つ以上のテンション軸受部材42を配置する場合は、ギア60の周囲に円滑に屈曲するようにそれぞれ隣接して配置されることが好ましい。これら第一のテンション軸受部材42は、普通撚り又はラング撚りロープとして形成されることが好ましい。一方、歯付きベルト40はポリウレタンからなることが好ましい。
【0052】
多数の第二のテンション軸受部材が伸長部又はタブ48に配置され、これらが第二のテンション軸受部材層43を形成して、歯付きベルト40からコンベアベルト20へ駆動力を伝達することが好ましい。第二のテンション軸受部材層43の第二のテンション軸受部材は、織糸の反りを有し横糸からなる少なくとも一層を有し、歯付きベルトの移動方向に対して所定の角度で、好ましくは30〜50度の角度で、最も好ましくは40〜45度の角度で、配置されることが好ましい。
【0053】
角度傾斜して配置される第二のテンション軸受部材43の方向は、歯付きベルト40からコンベアベルト20への移動力を誘導する一連の応力に略一致する。又、更なる第二のテンション軸受部材は第二のテンション軸受部材と垂直に応力誘導方向に配置されることが好ましい。換言すると、歯付きベルトの移動方向に対して30〜50度の角度で、すなわち応力誘導方向に略一致して第二のテンション軸受部材43が配置される。すなわち、前記第二のテンション軸受部材に対して90度変位して更なる第二のテンション軸受部材43が配置される。よって、ベルトコンベアの移動方向が逆転すると、後者の更なる第二のテンション軸受部材43が、歯付きベルト40からコンベアベルト20への応力誘導方向に略一致するという効果が発揮される。
【0054】
簡単に言うと、多数の第二のテンション軸受部材43がベルトコンベアの一方の移動方向と反対の移動方向の両方向の応力誘導方向にそれぞれ配置されるように、第二のテンション軸受部材層43が配置されると言うことができる。
【0055】
歯付きベルト40のタブ又は伸長部48はコンベアベルト20にリベット50により結合されることが好ましい。このように、歯付きベルト40とコンベアベルト20の間の簡単でコストが掛からない結合が提供される。コンベアベルト20又は歯付きベルト40を交換する場合は、この結合を解除することができる共に容易に再結合することができる。又は、ネジ止め、つぎ板、接着、加硫等、他の結合方法によりこの結合を果たすこともできる。
【0056】
本発明は特にベルトコンベア20を有するベルトコンベアとコンベアベルト20を移動させるための駆動装置に関するものであり、コンベアベルト20は少なくとも一方のリターンシャフト30に巻回され、駆動装置はリターンシャフト30とは別に配置されるのが好ましい。駆動装置は、コンベアベルト20の辺縁部に配置され又は配置できる歯付きベルト40と、回転駆動可能なギア60を備えるのが好ましい。歯付きベルト40は、解除可能にコンベアベルト20と結合又は結合できることが好ましい。
【0057】
品物は、図に示す曲線状のベルトコンベアと任意の角度をなして搬送できる。曲線状ガイド等の締付け手段(図示せず)は、歯付きベルトの半径方向内側側面に作用し、歯付きベルトを曲線の周囲に案内するのが好ましい。
【0058】
しかしながら、本発明は図示するように曲線状のベルトコンベアに限らず、直線状ベルトコンベアにも応用される。更に、曲線状ベルトコンベアの場合は、ギア60及び歯付きベルト40を備える駆動装置も、コンベアベルト20の内側又は両側に配置することができる。更に、電気モーター70の代わりに、油圧モーター、サーボモーター、内燃エンジン等、他の装置もベルトコンベアを駆動するために使用できる。フレーム10はダブルTビーム12の構成をなす必要がなく、単一Tビーム、Lビーム、ロッド、又はチューブ等他のいかなる種類のフレームも、フレームを形成するために使用できる。ベルトコンベアは、フレーム10に解除容易に結合されるガイド板90を任意に備えることもできる。ギアの周囲に載置される歯付きベルトは、実施形態に係る駆動部として使用されるが、対応するV状ベルトプーリを備えるV状ベルトも使用できる。
【0059】
図3は、歯付きベルト40と締付け要素47を備えて載置されたコンベアベルト20の更なる実施形態を示すベルトコンベアの断面図である。本実施形態によると、締付け要素47と歯付きベルト40は、連続コンベアベルト20の内側に、すなわち図3に示さないリターンシャフトの側に配置される。
【0060】
本実施形態によると、歯付きベルトに加えて、締付け要素47は待歯46により形成され、この締付け要素47は、待歯46と締付け要素47との間に延在する間隙により、コンベアベルト20に固定された伸長部の方向に歯付きベルトから分離される。本実施形態によると、歯付きベルトと締付け要素47がこの間隙によって完全に分離されるわけではなく、2つの要素が本ケースにおいては一体に形成され、又、一体に構成された部分のみがコンベアベルト20の伸長部に固定される。更に、第一のテンション軸受部材42も本実施形態に示す。
【0061】
歯付きベルト又は歯付きベルトの代わりにV状ベルトを、締付け要素47から完全に分離して、つまり、マルチパートデザインで提供することも考えられる。この場合、待歯はコンベアベルトの外側に配列してもよい。外側配列のこの待歯により、歯付きベルト40の引張応力は低く抑えられると思われる。しかしながら、締付け面45を充分広く提供するに足る所定の統一された構造的高さを有する締付け要素47が少なくともコンベアベルト20の内側に配置されているのは好都合である。というのは、この内側配置の場合、締付け要素47はコンベアベルトの連続中性繊維内、すなわち、コンベアベルトの繊維内に存在し、ベルトがリターンシャフトを廻って通過する際、引張応力や圧縮応力の荷重がかからないからである。品物が通過するため充分な幅を利用できるように、締付け要素47も歯付きベルト40もコンベアベルトの外側に配置しない。
【0062】
本発明の更なる実施形態(図示せず)によると、部品の幅方向の延伸を減らすように、締付け面45も歯付きベルト40の側面として形成することができる。
【0063】
図3に示すように、図示の実施形態に係る締付け面45は、フレーム側締付け部材と接触している。フレーム側締付け部材は締付けローラー81として形成され、本実施形態によると、この締付けローラーはアイドリングローラー80と同様に又は同一に構成される。締付けローラー81はわずかに傾斜して、半径方向外側に又は斜め上方に、締付け力を締付け要素47の締付け面45に加える。このように、締付け要素47は、半径方向外側にコンベアベルト20を引っ張ることができる。更に、歯付きベルト40とアイドリングローラー80の間に配置される歯付きベルト40又は第二のテンション軸受部材層43の裏側がアイドリングローラー80に押圧されて、アイドリングローラー80と締付けローラー81の間を安定して導かれる。アイドリングローラー80はコンベアベルト面に対し略垂直である。このように、アイドリングローラー80にかかる摩擦力には関係なく、締付け力のみが単独にアイドリングローラー81を介して加えられる。アイドリングローラー80が垂直姿勢であるため、コンベアベルトの幅を最適に使用することができる。
【0064】
図3において、締付けローラー81の下に、下部リターン走行ベルトを同様に引張導く作用をする任意の第二の締付けローラー81が提供されている。
【符号の説明】
【0065】
10 フレーム
12 ダブルTのプロフィール
20 コンベアベルト
30 リターンシャフト
32 ローラー
40 歯付きベルト
42 第一のテンション軸受部材
43 第二のテンション軸受部材層
45 締付け面
46 待歯
47 締付け要素
48 タブ
49 凹部
50 リベット
60 ギア
70 電気モーター
80 アイドリングローラー
81 締付けローラー
90 ガイド板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方のリターンシャフト(30)に巻回され、上部走行と下部走行を形成するコンベアベルト(20)と、コンベアベルト(20)を稼働させる駆動装置とを備え、駆動装置はリターンシャフト(30)とは分離して取り付けられ、上部走行と下部走行間のたわみ領域において、コンベアベルト(20)を駆動することを特徴とするベルトコンベア。
【請求項2】
請求項1に記載のベルトコンベアであって、前記駆動装置は、コンベアベルト(20)の辺縁部に配置される歯付きベルト(40)と係合又は係合できると共に電気モーター(70)に連結される回転駆動可能なギア(60)又はV状ベルトプーリを有することを特徴とするベルトコンベア。
【請求項3】
リターンシャフト(30)がギア(60)又はV状ベルトプーリとは別に取り外すことができる請求項1又は2に記載のベルトコンベア。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のベルトコンベアであって、前記リターンシャフト(30)は多数のローラー(32)を有し、これらはそれぞれ隣り合わせに配置され、又それぞれ独立して回転できること、又は円錐形のリターンシャフトとして形成することを特徴とするベルトコンベア。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のベルトコンベアであって、少なくとも一方のリターンシャフト(30)は、ベルトコンベアのフレーム(10)内に垂下するように配置することができると共に、コンベアベルト(20)を引っ張るように、ベルトコンベア(20)の長手方向にずらすことができる、及び/又は固定することができることを特徴とするベルトコンベア。
【請求項6】
少なくとも一方のリターンシャフト(30)が曲線状ベルトの少なくとも一端に配置できる又は配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のベルトコンベア。
【請求項7】
少なくとも一方のリターンシャフト(30)に巻回されるコンベアベルト(20)と、コンベアベルト(20)を稼働させる駆動装置とを備え、上記請求項1〜6に記載のように、コンベアベルトは歯付きベルト(40)又はV状ベルトを有し、これらは駆動装置と係合すると共にコンベアベルト(20)と解除可能に結合又は結合できることを特徴とするベルトコンベア。
【請求項8】
歯付きベルト(40)又はV状ベルトは、コンベアベルト(20)と結合又は結合できる横方向の伸長部を有することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のベルトコンベア。
【請求項9】
横方向の伸長部は複数のタブ(48)を有し、これらは複数の凹部(49)によりそれぞれ分離されると共に、複数のリベット(50)によりコンベアベルト(20)と結合又は結合できることを特徴とする請求項8に記載のベルトコンベア。
【請求項10】
請求項2〜9のいずれかに記載のベルトコンベアであって、歯付きベルト(40)又はV状ベルトは、その内部に配置され、歯付きベルト(40)の移動方向に対して縦方向に配置される少なくとも第一のテンション軸受部材層を有することを特徴とするベルトコンベア。
【請求項11】
請求項2〜10のいずれかに記載のベルトコンベアであって、前記歯付きベルト(40)又はV状ベルトは、前記歯付きベルト(40)又はV状ベルトの移動方向に対して30°〜50°の角度で配置される少なくとも第二のテンション軸受部材層(43)を有すると共に、この第二のテンション軸受部材層(43)は上記横方向伸長部及び/又はタブ(48)に向かって延伸することを特徴とするベルトコンベア。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のベルトコンベアであって、第一のテンション軸受部材層(42)が普通撚り又はラング撚りロープを有し、第二のテンション軸受部材層(43)が、織糸の反りを有し横糸からなる少なくとも一層を有することを特徴とするベルトコンベア。
【請求項13】
コンベアベルト(20)は無端ベルトであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のベルトコンベア。
【請求項14】
請求項7〜13のいずれかに記載のベルトコンベアであって、前記コンベアベルト(20)上に又は前記横方向伸長部上に締付け面を有し、この締付け面はフレーム側締付け部材と接触するように形成され、この締付け部材は前記締付け面に対し、前記コンベアベルト(20)の長手方向横向きに締付け力を加えることを特徴とするベルトコンベア。
【請求項15】
歯付きベルト(40)又はV状ベルト上、及び/又は歯付きベルト(40)に加えて形成された締付け要素上に、前記締付け面を備えることを特徴とする請求項14に記載のベルトコンベア。
【請求項16】
上記歯付きベルト(40)、V状ベルト、及び/又は締付け要素を、連続コンベアベルトの内側に配置することを特徴とする請求項14又は15に記載のベルトコンベア。
【請求項17】
ベルトコンベアの取り付け方法であって、
駆動装置をベルトコンベアのフレーム(10)に取り付ける工程と、
少なくとも一方のリターンシャフト(30)をベルトループ内に誘導する工程と、
少なくとも一方のリターンシャフト(30)をフレーム(10)内に垂下する工程と、
を含むベルトコンベアの取り付け方法。
【請求項18】
回転駆動可能なギア(60)又は請求項1〜16のいずれかに記載のベルトコンベアを駆動するためのV状ベルトプーリを備えた駆動装置の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−520726(P2011−520726A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509898(P2011−509898)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003641
【国際公開番号】WO2009/141157
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(506301427)インターロール・ホールディング・アーゲー (13)