説明

ベルトコンベヤ用キャリヤスタンド

【課題】ベルトコンベヤ用キャリヤスタンドの座材に対し起立するサイドスタンド及びインスタンドを組立・分解方式にする。
【解決手段】コンベヤフレーム1の両側上面に締付金具2を介し両端を取り付ける並列二本一組の座材3の両端部間に起立状に配置する金属板の倒立U字状曲げ加工のサイドスタンド8と、上記座材の中央部分に起立状に配置する金属板の倒立V字状曲げ加工の対のインスタンド9とからなり、上記座材の起立面と上記サイドスタンド及びインスタンドの下端で上記並列座材配置側との対向面に嵌め込みによる係合関係により離脱を防止し、かつ起立姿勢を維持するような一方に孔や穴の係合部10と、他方に突起の係合部11を設け、また、上記サイドスタンドの上端及びインスタンドの上端から下方に向けサイドローラ4及びセンターローラ5の回転支軸の外端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝13の落とし込み係合の切欠き14を設けた構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ベルトコンベヤ用のキャリヤスタンドで、分解、組立式キャリヤスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤのベルトを支承するローラの受架キャリヤスタンドは、コンベヤフレームの両側上面に両端を取り付けた点在的配置の各水平なバー材と、このバー材の両端に設けた起立するサイドスタンドと、上記バー材の中央部に対向させて設けたインスタンドとからなり、サイドスタンド及びインスタンドの上端面から下方に向け設けてあるU字状の軸受け切欠きにサイドローラ及びセンターローラの回転支軸の両端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝を嵌め込みにより係合させながら軸承する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
また、キャリヤスタンドを傾倒させてローラを交換することができるようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平7−32487号公報
【特許文献2】特許第2672075号公報
【特許文献3】特開平11−189319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1及び2のバー材から起立する各インスタンド及びサイドスタンドは、バー材の上面に対しインスタンド及びサイドスタンドの下端を溶接により固着している。
【0006】
このような構成によると、溶接ビードの不揃いや歪みにより不良品の発生原因になり、またスパッタ付着除去作業が必要になる以外に、稼働中にベルトに突き刺さった鉄片や棒材がスタンドに接触するなどの影響によりスタンドが曲がると、影響を受けたスタンドのみを取りかえることができないため、全体のキャリヤスタンドの取り替えが必要になる。
【0007】
このため、大幅なコストアップになる問題が発生した。
勿論、部分腐蝕した箇所の交換ができない不都合もある。
【0008】
特に、出荷前の荷姿は、バー材に対し各スタンドを溶接により固着してあるので、嵩張ると共に、格納に広い場所を必要とする問題もあった。
【0009】
また、インスタンド及びサイドスタンドで軸承した三本のローラは、平面で直列状にならぶ。
【0010】
すると、サイドローラとセンターローラとの対向端面間に間隙ができ、この間隙にベルトが食い込むトラブルが発生する問題もあった。
【0011】
さらに、特許文献3のキャリヤスタンドの傾倒方式によると、キャリヤスタンドを構成する横棒の一端一側縁とフレーム取付板とが蝶番構造を介し取り付けられる。
【0012】
すると、キャリヤスタンドの起伏(傾倒)は、蝶番構造の配置側、すなわちコンベヤの図示低所側にのみで、ストッパの配置側のみに限定される。
【0013】
このため、ローラの交換にともなう作業者の交換作業位置がストッパ側で待機しなければならない制約を受ける問題があった。
【0014】
この問題は、ストッパ配置反対側で待機すると、ストッパの反対方向にキャリヤスタンドを傾倒させることができないためにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、キャリヤスタンドを分解、組立方式にし、また軸承したサイドローラとセンターローラとの配列を平面上で千鳥状にした方式や、ベルトの走行方向及び走行方向の反対方向にキャリヤスタンドを傾倒させる方式を採用して、上述の問題を解消する。
【0016】
即ち、請求項1の発明は、コンベヤフレームの両側上面に締付金具を介し両端を取り付ける並列二本一組の座材と、この座材の両端部間に起立状に配置する金属板の倒立U字状曲げ加工のサイドスタンドと、上記座材の中央部分に起立状に配置する金属板の倒立V字状曲げ加工の対のインスタンドとからなり、上記座材の起立面と上記サイドスタンド及びインスタンドの下端で上記並列座材配置側との対向面に嵌め込みによる係合関係により離脱を防止し、かつ起立姿勢を維持するような一方に孔や穴の係合部と、他方に突起の係合部を設け、また、上記サイドスタンドの上端及びインスタンドの上端から下方に向けサイドローラ及びセンターローラの回転支軸の外端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝の落とし込み係合の切欠きを設けたベルトコンベヤ用キャリヤスタンドである。
【0017】
請求項2の発明は、前記請求項1に記載のコンベヤ用キャリヤスタンドにおいて、前記座材の片方からもう片方に挿入された支軸をサイドスタンドの下端に貫通して上記サイドスタンドを外側方向に回動自在にし、この支軸に締付手段を設けた構成を採用したものである。
【0018】
請求項3の発明は、前記請求項1に記載のコンベヤ用キャリヤスタンドにおいて、前記インスタンドの切欠きに、両端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝を落とし込み係合して補助軸を横架し、この補助軸の両端部からベルトの側縁に沿う方向に突出する水平な不回転のアームを設け、この両アームの突出方向端上縁から下方に向けて設けてある切欠きにセンターローラの回転支軸の両端切欠き溝を落とし込み係合した構成を採用したものである。
【0019】
請求項4の発明は、前記請求項1に記載のコンベヤ用キャリヤスタンドにおいて、前記インスタンドの切欠きに、両端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝を落とし込み係合して補助軸を横架し、この補助軸の両端に不回転状に設けてある支持部材にアームの末端を回動自在に取り付け、この両アームの先端に上縁から下方に向け設けてある切欠きにセンターローラの回転支軸の両端切欠き溝を落とし込み係合し、上記支持部材に上記センターローラとベルトとの接触をはかる起立姿勢の上記アーム倒れ方向への回動を阻止するストッパ装置を設けた構成を採用したものである。
【0020】
請求項5の発明は、前記請求項1に記載のコンベヤ用キャリヤスタンドにおいて、前記サイドスタンドの上端サイドローラの回転支軸の上側に上記回転支軸の浮き上がり防止手段を抜き差し自在に設けた構成を採用したものである。
【0021】
請求項6の発明は、座材と、この座材の両端部から起立するサイドスタンドと、上記座材の中央部から対向状に起立する対のインスタンドと、このインスタンド及びサイドスタンドの上端から下方に向けて設けた切欠きと、上記サイドスタンドとインスタンドの切欠き及び両インスタンドの切欠きに回転支軸の両端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝を落とし込み係合して軸承したサイドローラ及びセンターローラとで構成したキャリヤスタンドに於いて、コンベヤフレームの両側上面に脚座を設けて、この脚座に上記キャリヤスタンドの座材の両端を水平な支軸を介し前記キャリヤスタンドベルト走行方向に起伏自在に取り付け、上記支軸の付近に上記キャリヤスタンドの起立姿勢維持と、起立姿勢維持の解除が可能な制御手段を設けたベルトコンベヤ用キャリヤスタンドである。
【発明の効果】
【0022】
この発明のベルトコンベヤ用のキャリヤスタンドによれば、コンベヤフレームの両側上面に取り付ける並列二本一組の座材の係合部に配置するサイドスタンド及びインスタンドの係合部とを嵌め込みにより係合関係にすると共に、係合関係によってサイドスタンド及びインスタンドの安定した起立姿勢を維持しながらサイドローラ及びセンターローラを架設するようにしてあるので、手間のかかる溶接作業や溶接による溶接ビードの不揃いや歪みの発生による不都合及び付着スパッタの除去作業が不要になると共に、不都合の発生したスタンドのみの交換が極めて容易になるので、溶接による固着方式と異なり全部のスタンドの撤去が解消でき、特に組立・分解方式を採用したため、パーツの状態で納入でき、かつ嵩低くなるため広い在庫保管場所を必要としないと共に、輸送費などの大幅な低減をはかることができる。
【0023】
また、座材に対しサイドスタンドを締付手段を緩めて倒すことができるようにしてあるので、サイドローラの交換作業が極めてスムーズにでき、架設作業が容易になる。
【0024】
さらに、インスタンドに補助軸を横架して、この補助軸の両アーム間にセンターローラを架設することで、サイドローラ及びセンターローラの配置を平面上で千鳥状にすることができる。
【0025】
このため、平面上でサイドローラ及びセンターローラが直線に配置されるために発生したローラ端間にベルトが食い込み状となる原因をなくすることができ、その結果、ローラ端によるベルトの磨耗などによるベルトの耐久性が著しく低下するなどの問題をなくすることができると共に、アームの間隔を大きくすることで、サイドローラの端とセンターローラの端をオーバーラップさせる架設もできる。
【0026】
また、ストッパ装置によるアームの水平姿勢の停止を解除してアームを倒すことができるので、アーム間に架設してあるセンターローラの交換作業が極めて容易に行うこともできる。
【0027】
さらに、サイドスタンドの上端にサイドローラの回転支軸の浮き上がり防止手段を設けてあるので、例えばベルトの蛇行などによるサイドローラの回転支軸の外端の浮き上がりを止めて、切欠きと切欠き溝との安定した係合関係を維持することができる。
【0028】
さらに、組み立てた各ローラの架設ずみサイドスタンド及びインスタンドと共に座材を、起伏阻止手段による倒れ阻止を解除して倒すことができるようにしてあるので、サイドローラ及びセンターローラの架設や交換作業が極めてスムーズになる。
【0029】
特にこの発明のキャリヤスタンドをベルトコンベヤ装置に用いることで、ローラの交換作業の迅速化と共に、ベルトの保護、延命にすぐれた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、第1の実施形態を示すサイドスタンドの部分の分解斜視図である。
【図2】図2は、同インスタンドの部分の分解斜視図である。
【図3】図3は、組み立てた状態を示す正面図である。
【図4】図4は、同上の縦断拡大側面図である。
【図5】図5は、第2の実施形態の正面図である。
【図6】図6は、同上の要部を示す縦断側面図である。
【図7】図7は、サイドスタンドを傾倒させた正面図である。
【図8】図8は、第3の実施形態を示す分解正面図である。
【図9】図9は、センターローラをセットした平面図である。
【図10】図10は、センターローラの他の例を示す平面図である。
【図11】図11は、同上の正面図である。
【図12】図12は、サイドローラ及びセンターローラを直列状に並べた正面図である。
【図13】図13は、第4の実施形態を示す平面図である。
【図14】図14は、同上の要部を示す一部切欠拡大平面図である。
【図15】図15は、同縦断側面図である。
【図16】図16は、傾倒した状態を示す縦断側面図である。
【図17】図17は、第5の実施形態を示す側面図である。
【図18】図18は、同縦断側面図である。
【図19】図19は、同横断平面図である。
【図20】図20は、第6の実施形態を示す正面図である。
【図21】図21は、同上の要部を示す一部切欠拡大正面図である。
【図22】図22は、同縦断側面図である。
【図23】図23は、同上の傾倒状態を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次にこの発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0032】
この発明の第1の実施形態では、図1から図4に示すように、コンベヤフレーム1の両側上面に締付金具2を介し二本一組の並列する座材3,3の両端を取り付ける。
【0033】
上記並列する座材3,3は、架設する左右一対のサイドローラ4及びセンターローラ5の配置位置(前後に所定の間隔を存して並べる)に点在的に設け、座材3,3には、図示の場合アングル材を寸断して用い、コンベヤフレーム1の両側上面にアングルの水平壁を載置して、コンベヤフレーム1の透孔6と座材3の水平壁に設けてある透孔7とに締付金具2のボルトを挿通したのち、締付金具2のボルトに締付金具2のナットをねじ込んで取り付けている。
【0034】
その際、透孔7を左右方向に長い長孔として、取り付けに際し若干移動させることができるようにする。
【0035】
8は金属板の倒立U字状の曲げ加工により形成し左右一対のサイドスタンドである。
9は金属板の倒立V字状の曲げ加工により形成した左右一対のインスタンドである。
【0036】
また、座材3,3の両端部のサイドスタンド8を配置する位置と、座材3,3のインスタンド9を配置する位置には、座材3の垂直面とサイドスタンド8及びインスタンド9のベルトAの長手方向両側下端面(対向面)に嵌め込みによる係合関係により離脱を防止し、かつ起立姿勢を維持するような一方に孔や穴の係合部10と、他方に突起の係合部11とが設けてある。
【0037】
上記の係合部10は、縦方向の長孔にしてあり、この長孔の係合部10にサイドスタンド8及びインスタンド9の両側下部にコ字状の切欠き12を打ち抜いて落とすことで、切欠き12の下側に板厚の突起の係合部11を形成した。
【0038】
勿論、孔や穴の係合部10は、図示の打ち抜いた孔に限定されず、プレス成形の穴であってもよい。
【0039】
さらに、周知のように、サイドスタンド8及びインスタンド9の上端には、サイドローラ4及びセンターローラ5の回転支軸13の両端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝14の落とし込み係合の切欠き15が(サイドスタンド8の場合は、上面から内側面に、インスタンド9の場合は、上面から内側面と外側面との両面に)設けてある。
【0040】
上記のように構成すると、コンベヤフレーム1の内側上面に並列二本一組の座材3,3
の両端を締付金具2を介して取り付ける。
【0041】
その際、一方の座材3の両端を締付金具2の締め付けにより固定し、他方の座材3の両端の締付金具2は緩めておき、座材3のスベリ移動が可能な状態にしておく。
【0042】
次いで、締付金具2による締付固定側の座材3のそれぞれの係合部10に、サイドスタンド8及びインスタンド9の片側の各係合部11を嵌め込んで係合したのち、上記固定側座材3の方向に締付金具2の緩い締付側座材3をスライドさせながら、スライドさせた座材3のそれぞれの係合部10にサイドスタンド8及びインスタンド9の残る片側の各係合部11を嵌め込み係合させる。
【0043】
次いで、上記の係合関係を維持しつつ緩めてある締付金具2の締め付けにより座材3の両端を固定する。
【0044】
すると、座材3,3に対しサイドスタンド8及びインスタンド9を立設させることができる。
【0045】
その後に、対向するサイドスタンド8とインスタンド9の切欠き15に、また対向するインスタンド9の切欠き15にサイドローラ4及びセンターローラ5の回転支軸13の切欠き溝14を落とし込み係合させて、サイドローラ4及びセンターローラ5を軸承する。
【0046】
すると、座材3に対しサイドスタンド8やインスタンド9を溶接により固定することなく、組立方式により取り付けることができる。
【0047】
この発明の第2の実施形態によれば、図1,図5,6に示すように、第1の実施形態と同様のコンベヤフレーム1の両側上面に並列座材3,3の両端を締付金具2を介し固定し、並列座材3,3の係合部10にサイドスタンド8及びインスタンド9の両側係合部11を係合関係にしてサイドスタンド8及びインスタンド9を起立させた状況下において、一方の座材3の透孔21からサイドスタンド8の下端の透孔22をもへてもう一方の座材3の透孔21に支軸23を挿入して、支軸23を支点としてサイドスタンド8を起伏回動可能にする。
【0048】
そして、支軸23に抜け止めを目的とする締付手段24を設けておく。
上記の支軸23は、一端に頭部25を設けて抜け止めとし、締付手段24は、支軸23の他端ネジ部と、このネジ部にはねじ込むナットとで構成したが、その他の構成により目的を達成するようにしてもよい。
【0049】
なお、サイドスタンド8の下端の透孔22は、サイドスタンド8の下端両側間に嵌め込んで溶接により固定した板状体26に設けた。
【0050】
上記のように構成すると、サイドローラ4の不良(回転の不都合や腐食などにともない)により交換を必要とする場合、締付手段24の締め付けを緩めて、両座材3,3の引き寄せを解除しながら、両座材3,3の係合部10からサイドスタンド8の係合部11を脱出させて両係合部10,11の係合関係を解除することができるので、図7に示すように外側側方にサイドスタンド8を支軸23を支点として倒す(図7の鎖線位置から実線位置に)ことができる。
【0051】
このとき、サイドスタンド8の倒す前に、サイドローラ4の外側端を図7鎖線状態から実線状態の位置迄引き上げて、切欠き15から切欠き溝14を脱出させておく。
すると、サイドローラ4及びセンターローラ5の交換作業が極めて容易になる。
【0052】
なお、サイドスタンド8を倒した際、図7に示すように座材3の垂直壁上端と切欠き12の上位端とが衝突するようにしておくことで、一定の角度から倒れ止めのストッパの役目をする。
【0053】
この発明の第3の実施形態では、図8から図11に示すように、補助軸32の両端にその軸線に対して互いに平行に切り落として切欠き溝31を設け、この補助軸32の両端部から不回転状態でベルトAの側縁に平行して突出する対のアーム33を設け、この両アーム33の先端に上縁から下方に向けセンターローラ5の回転支軸13の切欠き溝14を係合状態に嵌め込む切欠き34を設ける。
【0054】
上記のように構成すると、第1の実施形態のベルトコンベヤ用のキャリヤスタンドのインスタンド9,9の切欠き15に補助軸32の両端の切欠き溝31を落とし込み係合して、補助軸32を架設する。
【0055】
次いで、両アーム33の切欠き34にセンターローラ5’の回転支軸13の切欠き溝14を落とし込み係合させてセンターローラ5’を軸承する。
【0056】
すると、サイドローラ4とセンターローラ5’との平面上での配列が図10に示すように千鳥状になる。
【0057】
このため、従来のようにサイドローラとセンターローラとが平面上に直列状に並ぶために発生したサイドローラとセンターローラとの対向端の間隙によりセンターローラとサイドローラとの端縁間に図12に示すようにベルトがふくらみ状に食い込んで発生した問題をなくすることができる。
【0058】
なお、アーム33,33を図10,11に示すように、途中から先端迄の間の対向間隔を大きくしておくと、軸長の長いセンターローラ5’を架設することができる。
【0059】
上記補助軸32に対する両アーム33の不回転状態に設ける手段としては、図示の場合(図10参照)、溶接により固着させてある。
【0060】
なお、インスタンド9,9に第1の実施形態のセンターローラ5が存在する場合、センターローラ5を撤去すればよい。
【0061】
この発明の第4の実施形態では、図13から図15に示すように両端に第3の実施形態と同様の切欠き溝31を有する補助軸41の両端部に並列二本一組のアーム42の末端を回動自在に取り付ける。
【0062】
上記アーム42に回動自在な取り付けとしては、アーム42の末端の透孔43に補助軸41を貫通させる。
【0063】
なお、アーム42を図示の二本並列させて設ける以外に、末端が平面コ字状に連結された或いは並列二本のアーム42の末端部同士を平面H字状に連結された(いずれも図示省略)ものであってもよい。
【0064】
また、両アーム42の先端上縁から下方にセンターローラ5の回転支軸13の突出端に第1の実施形態と同様に設けてある切欠き溝14の落とし込み係合する第3の実施形態と同様の切欠き44が設けてある。
【0065】
なお、図示のように、両アーム42の途中から先端迄の対向間隔を末端側の対向間隔を
大きくすることで、軸長の長いセンターローラ5’を架設することができる。
勿論、限定されない。
【0066】
さらに、補助軸41の端部に溶接などにより補助軸41に対し不回転の支持部材45を設けると共に、この支持部材45には、架設したセンターローラ5とベルトAとの接触をはかる起立姿勢のアーム42の倒れ方向の回動を阻止するストッパ装置Bが設けてある。
【0067】
上記のストッパ装置Bとしては、例えば図示の場合、支持部材45に支持させた筒状体46と、この筒状体46に嵌入したピン47と、このピン47に突出力を付与するバネ48と、このピン47の末端に取り付けたピン47の引き戻し操作部材49と、アーム42の末端にベルトAとセンターローラ5’との接触をはかるように起立方向に回動させた際ピン47が貫通するように設けた孔50とで構成したが、限定されずその他の構成により目的を達成することもできる。
【0068】
上記のように構成すると、アーム42の倒方向の傾倒をストッパ装置Bにより阻止して、センターローラ5’によりベルトAを支承する。
【0069】
何らかの影響によりセンターローラ5’の交換を必要とする場合、ストッパ装置Bによるアーム42の傾倒阻止を解除して図16に示すようにアーム42を傾倒させる。
【0070】
すると、ベルトAの下面からセンターローラ5’が大きく遊離して、センターローラ5’の交換作業がスムーズに行うことができる。
【0071】
この発明の第5の実施形態では、図17から図19に示すように、第1,2,3及び4の実施形態のサイドスタンド8の上端回転支軸13の上側には、抜き差し自在で回転支軸13の浮き上がり防止手段Cが設けてある。
【0072】
上記浮き上がり防止手段Cは、図示の場合サイドスタンド8の反転屈曲部の内側で、サイドスタンド8の上端と回転支軸13の上側空隙一端から他端に挿入したボルト61と、このボルト61の先端からねじ込むナット62とで構成してある。
【0073】
なお、ボルト61の外側に図示のように例えば軟質合成樹脂製のチューブ63を嵌装しておくと、金属製の回転支軸13とボルト61との接触による不都合をなくすることができる。
【0074】
上記のように構成することで、切欠き15から回転支軸13の脱出を浮き上がり防止手段Cにより阻止する。
【0075】
この発明の第6の実施形態では、図20から図22に示すように、座材3と、この座材3の両端部から起立するサイドスタンド8,8と、座材3の中央部から起立する対のインスタンド9,9と、このサイドスタンド8の上端から下方に、インスタンド9の上端から両側面下方に向け設けた切欠き15と、サイドローラ4及びセンターローラ5の回転支軸13の両端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けた切欠き溝14とからなり、切欠き15に切欠き溝14を落とし込み係合してサイドローラ4及びセンターローラ5を軸承してベルトコンベヤ用のキャリヤスタンドEを形成する。
【0076】
上記座材3に対するサイドスタンド8及びインスタンド9の起立は、第1の実施形態の組立・分解方式を採用したが、限定されない。
【0077】
そして、組立方式の構成及び組み立ては、第1の実施形態と同様につき詳細な説明を省略する。
【0078】
なお、組み立て後に、並列座材3,3の離反を阻止して、係合部10,11の係合関係維持のため、一方の座材3から他方の座材3に少なくとも二本の(座材3の両端部に)ボルト71を貫通させて、ボルト71にナット72をねじ込んでおく。
【0079】
また、コンベヤフレーム1の両側上面のキャリヤスタンドE配置位置に脚座73を設ける。
【0080】
上記の脚座73は、L形板を用いて、コンベヤフレーム1上に脚座73の水平板を重ねたのち、ボルトとナットからなる締付具74を介し固定する。
【0081】
この脚座73に水平の支軸75を介し座材3の両端を回動自在に取り付けてベルトAの長手前後方向にキャリヤスタンドEが起伏できるようにしてある。
【0082】
上記の支軸75は、脚座73の垂直板から座材3,3の両端間に介在して、溶接などで座材3に側縁を固定した板状体76に貫通させて、支軸75のボルトにナットをねじ込んである。
【0083】
さらに、支軸75の付近には、キャリヤスタンドEの起立した姿勢維持と、起立姿勢維持の解除ができる制御手段Fが設けてある。
【0084】
上記の制御手段Fは、図示の場合、支軸75の前後で座材3の取り付け締付具74,74のボルトの嵌入平面U字状の欠除部81を有するスペーサ82を座材3の下面と脚座73の水平板との間に押し込んで、締付具74を締め付けるようにしたが、限定されず、目的を達成する他の構成を採用することもある。
【0085】
上記のように構成すると、制御手段Fにより(介在するスペーサ82を介在して)キャリヤスタンドEの起立姿勢を維持することで、ベルトAとサイドローラ4及びセンターローラ5の接触ができ、制御手段Fによる解除(スペーサ82を撤去することによる)をはかると、ベルトAの長手方向に(図23に示すように)キャリヤスタンドEを倒すことができる。
【0086】
このため、サイドローラ4やセンターローラ5の交換作業が極めて容易になると共に、キャリヤスタンドEをベルトAの走行方向や走行方向の反対側にも傾倒することができるため、ローラの交換作業が容易になる。
【符号の説明】
【0087】
A ベルト
B ストッパ装置
C 浮き上がり防止手段
E キャリヤスタンド
F 制御手段
1 フレーム
2 締付金具
3 座材
4 サイドローラ
5,5’ センターローラ
6 透孔
7 透孔
8 サイドスタンド
9 インスタンド
10 係合部
11 係合部
12 切欠き
13 回転支軸
14 切欠き溝
15 切欠き
21 透孔
22 透孔
23 支軸
24 締付手段
25 頭部
26 板状体
31 切欠き溝
32 補助軸
33 アーム
34 切欠き
41 補助軸
42 アーム
43 透孔
44 切欠き
45 支持部材
46 筒状体
47 ピン
48 バネ
49 操作部材
50 孔
61 ボルト
62 ナット
63 チューブ
71 ボルト
72 ナット
73 脚座
74 締付具
75 支軸
76 板状体
81 切欠き
82 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤフレームの両側上面に締付金具を介し両端を取り付ける並列二本一組の座材と、この座材の両端部間に起立状に配置する金属板の倒立U字状曲げ加工のサイドスタンドと、上記座材の中央部分に起立状に配置する金属板の倒立V字状曲げ加工の対のインスタンドとからなり、上記座材の起立面と上記サイドスタンド及びインスタンドの下端で上記並列座材配置側との対向面に嵌め込みによる係合関係により離脱を防止し、かつ起立姿勢を維持するような一方に孔や穴の係合部と、他方に突起の係合部を設け、また、上記サイドスタンドの上端及びインスタンドの上端から下方に向けサイドローラ及びセンターローラの回転支軸の外端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝の落とし込み係合の切欠きを設けたことを特徴とするベルトコンベヤ用キャリヤスタンド。
【請求項2】
前記座材の片方からもう片方に挿入された支軸をサイドスタンドの下端に貫通して上記サイドスタンドを回動自在にし、この支軸に締付手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ用キャリヤスタンド。
【請求項3】
前記インスタンドの切欠きに、両端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝を落とし込み係合して補助軸を横架し、この補助軸の両端部からベルトの側縁に沿う方向に突出する水平な不回転のアームを設け、この両アームの突出方向端上縁から下方に向けて設けてある切欠きにセンターローラの回転支軸の両端切欠き溝を落とし込み係合したことを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ用キャリヤスタンド。
【請求項4】
前記インスタンドの切欠きに、両端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝を落とし込み係合して補助軸を横架し、この補助軸の両端に不回転状に設けてある支持部材にアームの末端を回動自在に取り付け、この両アームの先端に上縁から下方に向け設けてある切欠きにセンターローラの回転支軸の両端切欠き溝を落とし込み係合し、上記支持部材に上記センターローラとベルトとの接触をはかる起立姿勢の上記アーム倒れ方向への回動を阻止するストッパ装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載のベルトコンベヤ用キャリヤスタンド。
【請求項5】
前記サイドスタンドの上端サイドローラの回転支軸の上側に上記回転支軸の浮き上がり防止手段を抜き差し自在に設けたことを特徴とする請求項1に記載のベルトコンベヤ用キャリヤスタンド。
【請求項6】
座材と、この座材の両端部から起立するサイドスタンドと、上記座材の中央部から対向状に起立する対のインスタンドと、このインスタンド及びサイドスタンドの上端から下方に向けて設けた切欠きと、上記サイドスタンドとインスタンドの切欠き及び両インスタンドの切欠きに回転支軸の両端にその軸線に対して互いに平行に切り落として設けてある切欠き溝を落とし込み係合して軸承したサイドローラ及びセンターローラとで構成したキャリヤスタンドに於いて、コンベヤフレームの両側上面に脚座を設けて、この脚座に上記キャリヤスタンドの座材の両端を水平な支軸を介し前記キャリヤスタンドベルト走行方向に起伏自在に取り付け、上記支軸の付近に上記キャリヤスタンドの起立姿勢維持と、起立姿勢維持の解除が可能な制御手段を設けたことを特徴とするベルトコンベヤ用キャリヤスタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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