説明

ベルトユニットおよび画像形成装置

【課題】ガイドリブが駆動ローラに長時間乗り上がることを防止できるベルトユニットを提供する。
【解決手段】2次転写ベルトユニット40は、2次転写ベルト410、駆動ローラ420および一対のガイドリブ430を備える。駆動ローラ420は、2次転写ベルト410の内周面側に配置され、2次転写ベルト410を駆動する。一対のガイドリブ430は、2次転写ベルトにおける内周面の幅方向両端部に配置され、駆動ローラ420の両端面に接触して2次転写ベルト410の蛇行を防止する。また、駆動ローラ420は、長手方向両端部に所定幅の低摩擦領域440を設け、低摩擦領域440に隣接する領域450の摩擦係数よりも低摩擦領域の摩擦係数のほうが小さく構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端ベルトの蛇行防止性を向上させたベルトユニットおよびこのベルトユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばOA(Office Automation)機器等に使用される無端ベルトを駆動する駆動ローラとして、ローラ本体と、ローラ本体の表面に巻装された弾性ゴムとから構成されるものが知られていた。
【0003】
しかし、近年の複写機やレーザビームプリンタ(LBP)等の高速化またはカラー化が進展したため、上記のような駆動ローラによる無端ベルトの搬送速度のばらつきや無端ベルト表面の凹凸により、文字ずれ、画像の伸びおよび色ずれ等が生じる問題があった。したがって、駆動ローラの寸法精度およびベルト駆動精度が非常に重要になってきた。
【0004】
そこで、上記問題を解決するために、OA機器用駆動ローラとして、ローラ本体にスポンジタイプの弾性ゴムを巻装したものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−152063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、無端ベルトに設けられたガイドリブが駆動ローラに長時間乗り上がりやすい。それは、特許文献1で採用されている駆動ローラは、外周面全体にスポンジタイプの弾性ゴムが巻装されており、この弾性ゴムは、全体が高摩擦係数の材料で構成されているからである。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、ガイドリブが駆動ローラに長時間乗り上がることを防止できるベルトユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のベルトユニットは、無端ベルト、駆動ローラおよび一対のガイドリブを備える。
【0009】
駆動ローラは、無端ベルトの内周面側に配置され、無端ベルトを駆動する。一対のガイドリブは、無端ベルトにおける内周面の幅方向両端部に配置され、駆動ローラの両端面に接触して無端ベルトの蛇行を防止する。また、駆動ローラは、長手方向両端部に所定幅の低摩擦領域を設け、低摩擦領域に隣接する領域の摩擦係数よりも低摩擦領域の摩擦係数のほうが小さく構成される。
【0010】
この構成では、ガイドリブが駆動ローラに乗り上がったとしても、ガイドリブと低摩擦領域との間に生じる摩擦力が小さいため、ガイドリブが駆動ローラ端面に向かってすべることで、ガイドリブが駆動ローラの端面に接触する位置に戻る。したがって、ガイドリブが駆動ローラに長時間乗り上がることを防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明におけるベルトユニットは、ガイドリブが駆動ローラに長時間乗り上がることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る2次転写ベルトユニットを備える画像形成装置の構成を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す側面断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す側面図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る2次転写ベルトユニットにおける駆動ローラの構成を示す側面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す側面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す側面断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す側面図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す側面図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す側面図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係る2次転写ベルトユニットの構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係るベルトユニットを、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
最初に、本発明の第1実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1実施形態に係る2次転写ベルトユニット40を備える画像形成装置10の構成を示す正面図である。
【0016】
画像形成装置10は、モノクロ画像形成モードまたはフルカラー画像形成モードのいずれかの画像形成モードで動作し、画像データに基づいて用紙に単色または多色の画像を形成する。用紙として、普通紙、厚紙、印画紙、OHPフィルム等のシート状の記録媒体が挙げられる。
【0017】
画像形成装置10は、複数の画像形成部20A,20B,20C,20D、1次転写ユニット30、2次転写ベルトユニット40、定着ユニット51、用紙搬送路52、給紙カセット53、手差しトレイ54、排紙トレイ55、および制御部60を備えている。制御部60は、画像形成装置10の各部を統括的に制御している。
【0018】
画像形成装置10は、ブラック、ならびに、カラー画像を色分解して得られる減法混色の3原色であるシアン、マゼンタ、およびイエローの4色の各色相に対応した画像データを用いて、電子写真方式の画像形成処理を行う。画像形成部20A〜20Dでは、各色相のトナー像(現像剤像)が形成される。画像形成部20A〜20Dは、1次転写ユニット30に沿って水平方向に一列に配置されている。
【0019】
以下では、主として画像形成部20Aについて説明する。画像形成部20B〜20Dは、画像形成部20Aと実質的に同様に構成されている。ブラックの画像形成部20Aは、感光体ドラム21A、帯電装置22A、露光装置23A、現像装置24A、およびクリーニングユニット25Aを備え、電子写真方式の画像形成プロセスを経て、ブラックのトナー像を形成する。
【0020】
感光体ドラム21A、および画像形成部20B〜20Dにそれぞれ備えられる感光体ドラム21B,21C,21Dは、図示しない駆動モータから駆動力を伝達されることで一方向に回転する。感光体ドラム21Aはモノクロ用像担持体であり、感光体ドラム21B〜21Dはカラー用像担持体である。
【0021】
帯電装置22Aは、感光体ドラム21Aの周面に対向するように配置され、感光体ドラム21Aの周面を所定の電位に帯電させる。
【0022】
露光装置23Aは、ブラック用の画像データによって変調されたレーザビームを感光体ドラム21Aの周面に照射する。これによって、感光体ドラム21Aの周面に、ブラック用の画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0023】
現像装置24Aは、ブラックのトナー(現像剤)を収容している。現像装置24Aは、感光体ドラム21Aの周面にトナーを供給することで、静電潜像をトナー像に現像する。
【0024】
なお、画像形成部20B〜20Dのそれぞれの現像装置24B〜24Dには、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色のトナーが収容されており、画像形成部20B〜20Dのそれぞれの感光体ドラム21B〜21Dには、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色相のトナー像が形成される。
【0025】
1次転写ユニット30は、1次転写ベルト31、1次転写駆動ローラ32、1次転写従動ローラ33、1次転写ローラ34A〜34D、および1次転写ベルト用クリーニングユニット35を有している。
【0026】
1次転写ベルト31は、無端ベルト状であり、1次転写駆動ローラ32と1次転写従動ローラ33とに張架され、所定方向へ周回移動する。1次転写ベルト31の外周面は、画像形成部20A〜20Dのそれぞれの感光体ドラム21A〜21Dに対向している。
【0027】
1次転写ローラ34A〜34Dは、1次転写ベルト31を挟んで感光体ドラム21A〜21Dにそれぞれ対向するように配置されている。1次転写ベルト31の外周面と感光体ドラム21A〜21Dとが対向する領域が、1次転写領域である。
【0028】
1次転写ローラ34A〜34Dには、トナーの帯電極性(例えば、マイナス)と逆極性(例えば、プラス)の1次転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム21A〜21Dの周面に形成された各色相のトナー像は1次転写ベルト31の外周面に順次重ねて1次転写され、1次転写ベルト31の外周面にフルカラーのトナー像が形成される。
【0029】
但し、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの色相の一部のみの画像データが入力された場合には、4個の感光体ドラム21A〜21Dのうち、入力された画像データの色相に対応する一部のみにおいて静電潜像およびトナー像が形成される。例えば、モノクロ画像形成モードでは、ブラックの色相に対応した感光体ドラム21Aのみにおいて静電潜像およびトナー像が形成され、1次転写ベルト31の外周面にはブラックのトナー像のみが転写される。
【0030】
クリーニングユニット25Aは、現像および1次転写後における感光体ドラム21Aの周面に残留したトナーを、回収する。
【0031】
2次転写ベルトユニット40は、1次転写ベルト31を挟んで1次転写駆動ローラ32に接離自在に構成されている。1次転写ベルト31と2次転写ベルトユニット40とが圧接する領域が2次転写領域である。
【0032】
感光体ドラム21A〜21Dは、2次転写領域に近い方から、ブラック用の感光体ドラム21A、シアン用の感光体ドラム21B、マゼンタ用の感光体ドラム21C、イエロー用の感光体ドラム21Dの順に配置されている。1次転写ベルト31の外周面に担持されたトナー像は、1次転写ベルト31の移動によって、2次転写領域へ搬送される。
【0033】
給紙カセット53は、用紙を収容している。手差しトレイ54には、不定形の用紙または厚紙が載置される。用紙搬送路52は、給紙カセット53または手差しトレイ54から給紙された用紙を、2次転写領域および定着ユニット51を経由して排紙トレイ55へ導くように構成されている。
【0034】
用紙搬送方向において2次転写領域の上流側近傍には、レジストローラ56が配置されている。給紙カセット53または手差しトレイ54から用紙搬送路52に給紙された用紙は、停止した状態のレジストローラ56に突き当てられることで方向を補正され、所定のタイミングで回転を開始するレジストローラ56によって2次転写領域へ供給される。用紙が2次転写領域へ供給されることで、用紙と1次転写ベルト31とが密着する。
【0035】
2次転写領域に所定の2次転写電界が形成されることによって、1次転写ベルト31に担持されたトナー像が用紙に2次転写される。
【0036】
1次転写ベルト31に担持されたトナーのうち、用紙へ転写されずに1次転写ベルト31上に残留したトナーは、1次転写ベルト用クリーニングユニット35によって回収される。これによって、次工程での混色が防止される。
【0037】
定着ユニット51は、加熱ローラ511および加圧ローラ512を有している。加熱ローラ511と加圧ローラ512とは、互いに圧接している。定着ユニット51は、加熱ローラ511と加圧ローラ512とのニップ部で用紙を挟み付けつつ搬送することで用紙を加熱および加圧し、これによって、トナー像を用紙に堅牢に定着させる。トナー像が定着した用紙は、排紙ローラ対57によって排紙トレイ55上へ排出される。
【0038】
図2は、本発明の第1実施形態に係る2次転写ベルトユニット40の構成を示す正面図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る2次転写ベルトユニット40の構成を示す側面図である。
【0039】
2次転写ベルトユニット40は、2次転写ベルト410、駆動ローラ420、一対のガイドリブ430および2次転写ローラ460を備える。
【0040】
2次転写ベルト410は、駆動ローラ420および2次転写ローラ460に張架され、1次転写ベルト31との間にニップ部を形成する無端ベルトである。駆動ローラ420は、2次転写ベルト410における内周面側に配置され、2次転写ベルト410を駆動する。一対のガイドリブ430は、2次転写ベルト410における内周面の幅方向両端部に配置され、駆動ローラ420の両端面に接触して2次転写ベルト410の蛇行を防止する。
【0041】
2次転写ローラ460は、2次転写ベルト410と当接する1次転写ベルト31であって表面にトナー像が形成される1次転写ベルト31に対向して配置される。また、2次転写ローラ460は、1次転写ベルト31上に形成されたトナー像を、2次転写ベルト410と1次転写ベルト31とが当接する位置に到達したシート上に転写する。
【0042】
駆動ローラ420は、長手方向両端部に所定幅の低摩擦領域440を設け、低摩擦領域440に隣接する領域450の摩擦係数よりも低摩擦領域440の摩擦係数のほうが小さく構成される。
【0043】
その一例として、図3に示すように、低摩擦領域440として駆動ローラ420の素地面を露出させ、領域450には、駆動ローラ420の素地面にローレット加工を施している。この構成により、領域450の摩擦係数よりも低摩擦領域440の摩擦係数のほうが小さく構成される。
【0044】
この構成では、ガイドリブ430が駆動ローラ420に乗り上がったとしても、ガイドリブ430と低摩擦領域440との間に生じる摩擦力が小さいため、ガイドリブ430が駆動ローラ420の端面に向かってすべることで、ガイドリブ430が駆動ローラ420の端面に接触する位置に戻る。したがって、ガイドリブ430が駆動ローラ420に長時間乗り上がることを防止できる。
【0045】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態以降の各実施形態においては、第1実施形態と重複する説明は適宜省略する。
【0046】
図4は、本発明の第2実施形態に係る2次転写ベルトユニット40の構成を示す側面図である。図5は、本発明の第2実施形態に係る2次転写ベルトユニット40の構成を示す側面断面図である。
【0047】
2次転写ベルトユニット40は、弾性ゴム470をさらに備える。弾性ゴム470は、駆動ローラ420の低摩擦領域440以外の外周面(領域450)に巻装される。また、弾性ゴム470は、低摩擦領域440よりも摩擦係数が大きく構成される。
【0048】
このように、駆動ローラ420に弾性ゴム470が巻装されることによって、破線部42に示すように、駆動ローラ420と弾性ゴム470との間に段差が生じる。
【0049】
この構成では、円筒状の駆動ローラ420に弾性ゴム470を巻装すればよいだけなので、容易に2次転写ベルトユニット40を製造可能である。
【0050】
また、この構成では、2次転写ベルト410と駆動ローラ420との間に生じる摩擦力よりも2次転写ベルト410と弾性ゴム470との間に生じる摩擦力のほうが大きいため、2次転写ベルト410の保持力が増大するので、2次転写ベルト410の駆動精度の向上を図ることができる。
【0051】
さらに、この構成では、ガイドリブ430が駆動ローラ420に乗り上がったとしても、ガイドリブ430と低摩擦領域440との間に生じる摩擦力が小さいため、ガイドリブ430が駆動ローラ420の端面に向かってすべることで、ガイドリブ430が駆動ローラ420の端面に接触する位置に戻る。したがって、ガイドリブ430が駆動ローラ420に長時間乗り上がることを防止できる。
【0052】
また、この構成では、ガイドリブ430が駆動ローラ420に乗りあがったとしても、ガイドリブ430は駆動ローラ420の端面に向かってすべるので、ガイドリブ430と弾性ゴム470とが接触しにくいため、弾性ゴム470が削れることを防止できる。
【0053】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0054】
図6は、本発明の第3実施形態に係る2次転写ベルトユニット40の構成を示す側面図である。
【0055】
2次転写ベルトユニット40は、弾性ゴム471をさらに備える。弾性ゴム471は、駆動ローラ420の外周面全体に巻装される。また、弾性ゴム471は、駆動ローラ420の低摩擦領域440に対応する第1領域480が鏡面加工され、それ以外の第2領域490が第1領域480よりも摩擦係数が大きく構成される。
【0056】
このように、駆動ローラ420の全体に弾性ゴム470が巻装されることによって、駆動ローラ420全体において段差が生じない。
【0057】
この構成では、円筒状の駆動ローラ420に弾性ゴム470を巻装すればよいだけなので、容易に2次転写ベルトユニット40を製造できる。
【0058】
また、この構成では、2次転写ベルト410と駆動ローラ420との間に生じる摩擦力よりも2次転写ベルト410と弾性ゴム470との間に生じる摩擦力のほうが大きいため、2次転写ベルト410の保持力が増大するので、2次転写ベルト410の駆動精度の向上を図ることができる。
【0059】
さらに、この構成では、ガイドリブ430が駆動ローラ420に乗り上がったとしても、ガイドリブ430と低摩擦領域440との間に生じる摩擦力が小さいため、ガイドリブ430が駆動ローラ420の端面に向かってすべることで、ガイドリブ430が駆動ローラ420の端面に接触する位置に戻る。したがって、ガイドリブ430が駆動ローラ420に長時間乗り上がることを防止できる。
【0060】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0061】
図7は、本発明の第4実施形態に係る2次転写ベルトユニット40における駆動ローラ420の構成を示す側面図である。図8は、本発明の第4実施形態に係る2次転写ベルトユニット40の構成を示す側面図である。図9は、本発明の第4実施形態に係る2次転写ベルトユニット40の構成を示す側面断面図である。
【0062】
駆動ローラ420は、低摩擦領域440以外の外周面(領域450)に弾性ゴム470と同体積の凹部が形成されている。弾性ゴム470は、駆動ローラ420の凹部に巻装されている。駆動ローラ420の低摩擦領域440の外径と弾性ゴム470が巻装された状態における弾性ゴム470領域の外径とは、同一となるように構成される。
【0063】
このように、駆動ローラ420に弾性ゴム470が巻装されることによって、破線部43に示すように、駆動ローラ420と弾性ゴム470との間には段差が生じない。
【0064】
この構成では、駆動ローラ420の凹部に弾性ゴム470が巻装されるため、弾性ゴム470が凹部において位置決めされるので、駆動ローラ420と弾性ゴム470との密着性が向上する。
【0065】
また、この構成では、2次転写ベルト410と駆動ローラ420との間に生じる摩擦力よりも2次転写ベルト410と弾性ゴム470との間に生じる摩擦力のほうが大きいため、2次転写ベルト410の保持力が増大するので、2次転写ベルト410の駆動精度の向上を図ることができる。
【0066】
さらに、この構成では、ガイドリブ430が駆動ローラ420に乗り上がったとしても、ガイドリブ430と低摩擦領域440との間に生じる摩擦力が小さいため、ガイドリブ430が駆動ローラ420の端面に向かってすべることで、ガイドリブ430が駆動ローラ420の端面に接触する位置に戻る。したがって、ガイドリブ430が駆動ローラ420に長時間乗り上がることを防止できる。
【0067】
また、この構成では、ガイドリブ430が駆動ローラ420に乗りあがったとしても、ガイドリブ430は駆動ローラ420の端面に向かってすべるので、ガイドリブ430と弾性ゴム470とが接触しにくいため、弾性ゴム470が削れることを防止できる。
【0068】
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0069】
図10〜図13は、本発明の第5実施形態に係る2次転写ベルトユニット40の構成を示す側面図である。
【0070】
このように、駆動ローラ420の長手方向両端部以外にも低摩擦領域440を設けて、低摩擦領域440に隣接する領域450を、低摩擦領域440よりも摩擦係数を大きくすることができる。
【0071】
この構成では、ガイドリブ430が駆動ローラ420に乗り上がったとしても、ガイドリブ430と低摩擦領域440との間に生じる摩擦力が小さいため、ガイドリブ430が駆動ローラ420の端面に向かってすべることで、ガイドリブ430が駆動ローラ420の端面に接触する位置に戻る。したがって、ガイドリブ430が駆動ローラ420に長時間乗り上がることを防止できる。
【0072】
なお、本発明の第1実施形態から第5実施形態において示したように、低摩擦領域440の幅は、ガイドリブ430の幅の半分以上に設定されていると好ましい。この構成により、2次転写ベルト410が蛇行した場合の復元性が安定する。
【0073】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0074】
31−1次転写ベルト
40−2次転写ベルトユニット
51−定着ユニット
410−2次転写ベルト
420−駆動ローラ
430−ガイドリブ
440−低摩擦領域
450−隣接領域
460−2次転写ローラ
470−弾性ゴム
471−弾性ゴム
480−第1領域
490−第2領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端ベルトと、
前記無端ベルトの内周面側に配置され、前記無端ベルトを駆動する駆動ローラと、
前記無端ベルトにおける内周面の幅方向両端部に配置され、前記駆動ローラの両端面に接触して前記無端ベルトの蛇行を防止する一対のガイドリブと、
を備え、
前記駆動ローラは、長手方向両端部に所定幅の低摩擦領域を設け、前記低摩擦領域に隣接する領域の摩擦係数よりも前記低摩擦領域の摩擦係数のほうが小さく構成される
ベルトユニット。
【請求項2】
前記駆動ローラの前記低摩擦領域以外の外周面に巻装される弾性ゴム
をさらに備え、
前記弾性ゴムは、前記低摩擦領域よりも摩擦係数が大きく構成される
請求項1に記載のベルトユニット。
【請求項3】
前記駆動ローラの外周面全体に巻装される弾性ゴム
をさらに備え、
前記弾性ゴムは、前記低摩擦領域に対応する第1領域が鏡面加工され、それ以外の第2領域が前記第1領域よりも摩擦係数が大きく構成される
請求項1に記載のベルトユニット。
【請求項4】
前記駆動ローラは、前記低摩擦領域以外の外周面に前記弾性ゴムと同体積の凹部が形成され、
前記弾性ゴムは、前記駆動ローラの前記凹部に巻装され、
前記駆動ローラの前記低摩擦領域の外径と前記弾性ゴムが巻装された状態における前記弾性ゴム領域の外径とは、同一となるように構成される
請求項2に記載のベルトユニット。
【請求項5】
前記無端ベルトと当接する1次転写ベルトであって表面にトナー像が形成される1次転写ベルトに対向して配置される2次転写ローラ
をさらに備え、
前記2次転写ローラは、前記1次転写ベルト上に形成されたトナー像を、前記無端ベルトと前記1次転写ベルトとが当接する位置に到達したシート上に転写する
請求項1〜4のいずれか1項に記載のベルトユニット。
【請求項6】
請求項5に記載のベルトユニットと、
前記ベルトユニットよりも下流側に配置され、前記ベルトユニットによってシート上に転写されたトナー像をシート上に定着する定着ユニットと、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−109063(P2013−109063A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252453(P2011−252453)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】