ベルトユニット及び画像形成装置
【課題】 確実に無端ベルトのベルト幅方向の寄りを規制することができるベルトユニットを提供する。
【解決手段】 中間転写ベルト10eと、駆動ローラ10fと、対向ローラ10g、テンションローラ10hと、駆動ローラ10fの端部に設けられたコロ41と、コロ41に駆動力を伝達するアイドラギヤ43と、を備え、中間転写ベルト10eのベルト幅方向Zと直交するベルト幅方向Zの寸法Q1は、コロ41が設けられた駆動ローラ10fのベルト幅方向Zの寸法、及び、コロ41のベルト幅方向Zの寸法を総和した総和寸法Q2よりも短く設定され、コロ41の周速は、コロ41が端部に設けられた駆動ローラ10fの周速よりも遅く設定される中間転写ユニット10を構成した。
【解決手段】 中間転写ベルト10eと、駆動ローラ10fと、対向ローラ10g、テンションローラ10hと、駆動ローラ10fの端部に設けられたコロ41と、コロ41に駆動力を伝達するアイドラギヤ43と、を備え、中間転写ベルト10eのベルト幅方向Zと直交するベルト幅方向Zの寸法Q1は、コロ41が設けられた駆動ローラ10fのベルト幅方向Zの寸法、及び、コロ41のベルト幅方向Zの寸法を総和した総和寸法Q2よりも短く設定され、コロ41の周速は、コロ41が端部に設けられた駆動ローラ10fの周速よりも遅く設定される中間転写ユニット10を構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のローラに張架される無端ベルトを有するベルトユニット、及び、このベルトユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの電子写真方式、或いは静電記録方式を利用した画像形成装置の中には、像担持体上のトナー像を転写材に転写するための無端ベルトを採用した画像形成装置がある。無端ベルトとしては、像担持体から転写されるトナー像を担持する中間転写体(中間転写ベルト)や、像担持体からのトナー像を転写される転写材を担持して搬送する転写材搬送体(転写材搬送ベルト)等がある。
【0003】
このような無端ベルトを備える画像形成装置では、ベルト駆動時に発生するベルトの寄り(片寄り)を規制する必要がある。ここで言う、ベルトの寄りとは、ベルト搬送方向と直交する幅方向への移動のことである。このベルトの寄りを規制する為に、特許文献1に記載されるようなベルトユニットが開示されている。
【0004】
特許文献1に記載のベルトユニットは、無端ベルトの内周面にリブを備え、そのリブの内側面と当接可能な張架ローラである突き当てローラを備えている。こうした構成により、無端ベルトがベルトの搬送方向と直交する方向に寄ると、無端ベルト内周面に備えられたリブの内側面が、突き当てローラ端面に突き当たることで、無端ベルトのベルト搬送方向と直交する方向への寄りを規制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−20975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、無端ベルトの内周面にリブ等のガイド部材が設けられて無端ベルトの寄りを規制する構成には、以下のような課題があった。
【0007】
まず一つ目は、無端ベルトにかかる繰り返し応力によって、無端ベルトの寿命が短くなる課題である。リブが突き当てローラに突き当たった状態では、リブと無端ベルトの接合面に大きな応力が働く。無端ベルトが回転すると、リブと突き当てローラの接する場所が変化する。この時、応力の変化が繰り返して起こる。このような応力の繰り返し変化によって、無端ベルトに負荷が発生する。大きな負荷が発生すると、リブと無端ベルトの接合面付近において、無端ベルトの破れが生じるのである。その為、無端ベルトのリブが張られた裏側の面に、補強部材を貼り付ける必要があった。
【0008】
二つ目は、コストの面での課題である。一般に、突起状のガイド部材やリブは、主にウレタン系の材料で作成されているが、それらのコストが高い。そして、ベルトの蛇行量を小さくするために、部品の精度を高めることもある。そのほか、高価な特殊工具や高度な貼り付け技術が必要になるため、貼り付け工程の加工費もかさむ。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑み、確実に無端ベルトのベルト幅方向の寄りを規制することができるベルトユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のベルトユニットは、回転可能な無端ベルトと、前記無端ベルトを駆動する駆動ローラと、前記無端ベルトを張架する張架ローラと、前記駆動ローラ及び前記張架ローラの少なくともいずれかの端部に設けられて回転可能な回転体と、前記回転体に駆動力を伝達する駆動伝達手段と、を備え、前記無端ベルトのベルト搬送方向と直交するベルト幅方向の寸法は、前記回転体が設けられた前記駆動ローラ及び前記張架ローラの少なくともいずれかのベルト幅方向の寸法、及び、前記回転体のベルト幅方向の寸法を総和した総和寸法よりも短く設定され、前記回転体の周速は、前記回転体が端部に設けられた前記駆動ローラ及び前記張架ローラのいずれかの周速よりも遅く設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、確実に無端ベルトのベルト幅方向の寄りを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1に係る中間転写ユニットを備える画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】中間転写ユニットの構成を張架ローラの軸と直交する方向に断面を取った断面図等である。
【図3】駆動ローラ、コロ、対向ローラ、駆動ギヤ、及び、アイドラギヤの構成を示す拡大斜視図である。
【図4】設計位置における中間転写ユニットの裏面図等である。
【図5】中間転写ベルトが寄った時の中間転写ユニットの構成を示す断面図等である。
【図6】中間転写ベルトがコロ部に寄る様子を示す中間転写ユニットの裏面図である。
【図7】実施例2に係る画像形成装置が備える中間転写ユニットの構成を示す断面図等である。
【図8】駆動ローラ、対向ローラ、及び、駆動ギヤ軸の構成を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1に係る中間転写ベルトユニット(以下、「中間転写ユニット10」という)を備える画像形成装置100の構成を示す断面図である。ここでは、画像形成装置100は、電子写真画像形成プロセスを利用した両面印刷機能を有するカラーレーザビームプリンタである。図1に示されるように、画像形成装置100は装置本体100Aを有し、装置本体100Aの内部には感光体ドラム1a〜1dを有して画像を形成する画像形成手段であるプロセスカートリッジ(カートリッジ3a〜3d)が着脱可能な構成で、設けられている。画像形成装置100は、装置本体100Aの下部に、オプション給送装置(以下、給送オプション部)90を有する構成となっている。
【0015】
カートリッジ3a〜3dは、同一構造であるが、各々には異なる色のトナーが収容されている。カートリッジ3a、3b、3c、3dの各々はイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(c)、ブラック(Bk)トナー像を形成する。カートリッジ3a〜3dは同一構造であるので、カートリッジ3aを代表として構造を説明する。カートリッジ3aは、像担持体である感光体ドラム1a、各色のトナー像を現像するための現像ユニット4a、クリーナユニット5aを有する。 現像ユニット4aは、現像ローラ6a、現像剤塗布ローラ7a、トナー容器を有している。更に、クリーナユニット5aは、 感光体ドラム1a、帯電ローラ2a、ドラム用のクリーニングブレード8a、廃トナー容器を有している。
【0016】
カートリッジ3a〜3dの下方には、スキャナユニット9が配置される。このスキャナユニット9は、画像信号に基づく露光を感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対して行う。感光体ドラム1a、1b、1c、1dは、帯電ローラ2a、2b、2c、2dによって所定の負極性の電位に帯電された後、スキャナユニット9によってそれぞれ静電像(静電潜像)が形成される。この静電像は現像ユニット4a、4b、4c、4dによって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれY、M、C、Bkのトナー像が形成される。
【0017】
カートリッジ3a〜3dの上方には、ベルトユニットである中間転写ユニット10が配置される。中間転写ユニット10は、感光体ドラム1の表面から転写されるトナー像を記録材であるシートSに転写するユニットである。また、この中間転写ユニット10は、詳しくは後述するが、中間転写ベルト10eがベルト搬送方向B(図2(a)参照)と直交するベルト幅方向Z(図2(b)参照)に寄った場合に、中間転写ベルト10eの寄りが補正されるようになっている。
【0018】
中間転写ユニット10は、回転可能な無端ベルトである中間転写ベルト10eを有する。中間転写ベルト10eの内側には、中間転写ベルト10eを駆動する駆動ローラ10fと、中間転写ベルト10eを張架する張架ローラである対向ローラ10g、テンションローラ10hと、が配置されている。なお、駆動ローラ10fも中間転写ベルト10eを懸架しているといえる。
【0019】
中間転写ベルト10eには、テンションローラ10hによって図1中の矢印で示すテンションTがかけられている。また、感光体ドラム1a、1b、1c、1dの各々に対向する位置には、中間転写ベルト10eの内側に1次転写ローラ10a、10b、10c、10dが配設されている。1次転写ローラ10a〜10dは、不図示の電圧印加手段により転写電圧が印加される1次転写部材である
【0020】
感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像は、順次、中間転写ベルト10e上に1次転写される。このときに、各感光体ドラム1a〜1dは時計周りに回転する。また、中間転写ベルト10eは反時計周りに回転する。中間転写ベルト10eの表面には、回転方向の上流側の感光体ドラム1a〜1dから順に、トナー像が転写される。感光体ドラム1a〜1dから中間転写ベルト10eへのトナー像の転写は、1次転写ローラ10a〜10dに正極性の電圧を印加することによりなされる。このように中間転写ベルト10e上に4色のトナー像が重なった状態で形成されたトナー像は、2次転写部13へ移動する。
【0021】
一方、トナー像が転写された後に、感光体ドラム1a〜1dの表面に残ったトナーは、クリーニングブレード8a〜8dによって除去される。また、シートSへの2次転写後に中間転写ベルト10e上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置11によって除去される。除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
【0022】
画像形成装置100は、3つのシート給送装置(シート給送部)を有する。1つ目は、装置本体100Aの内部に配置される本体シート給送部20である。2つ目は、装置本体100Aの側面に配置されるマルチシート給送部30である。3つ目は、装置本体100Aの下方に増設されたオプション給送装置90である。
【0023】
1つ目の本体シート給送部20は、シートSを収納する給送カセット21の内部からシートSを給送する給送ローラ22と、分離手段である分離ローラ23と、を有する。給送カセット21に収納されたシートSは、給送ローラ22に圧接され、分離ローラ23によって1枚ずつ分離され搬送される。そして、分離されたシートSは、搬送路24を経てレジストローラ対14へ搬送される。
【0024】
2次転写部13は、中間転写ベルト10eに形成されたトナー像をシートSに転写する。2次転写部13は、正極性の電圧が印加される2次転写ローラ12を備える。正極性の電圧を2次転写部13に印加することにより、レジストローラ対14によって搬送されたシートSに、中間転写ベルト10e上の4色のトナー像が2次転写される。
【0025】
2次転写部13の上方には、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとを有する定着装置15が設けられている。トナー像が転写されたシートSは、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとのニップに搬送され、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとによって加熱および加圧され、シートSの表面には、転写されていたトナー像が定着される。
【0026】
図2(a)は、中間転写ユニット10の構成を張架ローラの軸と直交する方向に断面を取った断面図である。図2(b)は、図2(a)において中間転写ベルト10eの断面を切って矢印Lの方向から見た側断面図である。まず、図2(a)を用いて、中間転写ユニット10の概要を説明する。
【0027】
中間転写ベルト10eの基層は、ポリイミド(PI)やポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など、引張強度が高い樹脂系素材で作られる。成形や強度、変形のしやすさなどの要件から、基層は厚さ50μmから100μmの間で作られることが多い。
【0028】
また、トナーを転写する効率を高めるため、基層の外周面全体にわたって、ゴム層などの異なる層を張り合わせた多層構造の中間転写ベルト10eも存在する。本発明に係る中間転写ベルト10eは、これらいずれの組成でも構わない。
【0029】
図2(b)に示されるように、駆動ローラ10f及び対向ローラ10gは、それぞれ長手方向の両端部を側板44a、44bによって回転可能に支持されている。
【0030】
駆動ローラ10fは、側板44a、44bに支持されているローラである。駆動ローラ10fには、装置本体100A(図1参照)の不図示の駆動手段から駆動力が伝達されている。そして、駆動ローラ10fは、図2(a)中の矢印A方向に回転をし、中間転写ベルト10eをベルト搬送方向Bに搬送する。駆動ローラ10fの表面は、中間転写ベルト10eを滑り無く搬送する為に、摩擦係数の高いゴム層で形成されている。
【0031】
対向ローラ10gも、側板44a、44bに支持されているローラである。対向ローラ10gは、2次転写ローラ12(図1参照)とローラ対を形成し、シートSを挟持しつつ搬送しながらトナー像をシートSに転写する。対向ローラ10gは、中間転写ベルト10eの搬送によって図2(a)中の矢印C方向に従動しつつ回転する。
【0032】
テンションローラ10hは、側板44a、44bに図2(a)中の矢印D方向に回転可能に支持されているだけではなく、図2(a)中の矢印E方向にスライド動作可能に支持されているローラである。テンションローラ10hは、付勢部材であるテンションバネ40によって、図2(a)中の矢印Tの方向に所定のテンションで付勢されている。テンションローラ10hが、この付勢力を中間転写ベルト10eに付与することによって、中間転写ベルト10eは所定の張力で張架される。
【0033】
図3は、駆動ローラ10f、コロ41、対向ローラ10g、駆動ギヤ42、及び、アイドラギヤ43の構成を示す拡大斜視図である。中間転写ユニット10は、回転体であるコロ41と、駆動伝達手段の一部である駆動ギヤ42と、駆動伝達手段の一部であるアイドラギヤ43と、を有している。
【0034】
回転体であるコロ41は、駆動ローラ10fの端部に設けられて回転可能なものである。このコロ41は、駆動ローラ10fの両方の端部(両端部)にて駆動ローラ10fの丸軸10f−aに支持されている。コロ41には孔が形成されており、丸軸10f−aが挿通されており、コロ41は、丸軸10f−aとは独立に回転可能となっている。コロ41は、外周面が中間転写ベルト10eの内周面と当接するコロ部41aと、駆動伝達されるギヤ部41bと、を有している。また、ギヤ部41bと噛み合わされるようにして、アイドラギヤ43が設けられている。アイドラギヤ43は、コロ41に駆動力を伝達する。したがって、コロ41は、駆動ローラ10fの回転動作とは同期せず、アイドラギヤ43から伝達される駆動力によって回転する。
【0035】
駆動ギヤ42は、対向ローラ10gの両端に備えられ、対向ローラ10gのDカットされた軸部10g−aに結合されている。駆動ギヤ42は、対向ローラ10gの回転動作に同期して、対向ローラ10gと同一回転数で回転する。
【0036】
アイドラギヤ43は、中間転写ベルト10eのフレームの両端に備えられたボス10iに図2(a)中の矢印M方向に回転可能に支持されている。アイドラギヤ43は、駆動ギヤ42から伝達された駆動力を下流のコロ41に伝達する。このように、アイドラギヤ43は、対向ローラ10gの回転力を、これとは別のローラである駆動ローラ10fの端部のコロ41に伝達する構成となっている。
【0037】
そして、コロ41のコロ部41aの外周面の周速は、コロ41を端部に配置されたローラである駆動ローラ10fの外周面の周速よりも遅くなるように設定される。ここでさらに、コロ41のコロ部41aの外周面の周速を、駆動ローラ10fの外周面の周速よりも遅くするメカニズムについて詳細に説明する。
【0038】
駆動ローラ10fの直径と対向ローラ10gの直径と、コロ41のコロ部41aの直径は同一直径になっている。また、対向ローラ10gは駆動ローラ10fが搬送する中間転写ベルト10eによって従動しつつ回転する為、駆動ローラ10fの回転数と対向ローラ10gの回転数は同じになる。一方、駆動ローラ10fの両端に備えられたコロ41のギヤ部41bの歯数は、対向ローラ10gの両端に備えられた駆動ギヤ42の歯数よりも多い。従って、両者のギヤ比より、コロ41は、駆動ローラ10f、対向ローラ10gよりも回転数が遅くなる。三者の直径が同一直径に設定されているので、コロ41のコロ部41aの外周面の周速が駆動ローラ10fの周速よりも遅くなる。
【0039】
各々の直径、回転数、ギヤの歯数等を適切に設定することで、容易にローラの周速よりも端部に備えた回転体の周速を遅くすることができる。中間転写ベルト10eを搬送し、その搬送速度を決める駆動ローラ10fの両端にコロ41を備える構成が、他の張架ローラの両端に備えるよりも、速度差の設定が明確になる。駆動ローラ10fが中間転写ベルト10eの搬送速度を支配するため、3つのローラの中で駆動ローラ10fが中間転写ベルト10eの寄りを規制する方が効果的であるからと考えられる。
【0040】
引き続き、図2(b)を用いて、中間転写ベルト10eに関連する構成を説明する。図2(b)において、中間転写ベルト10eのベルト幅は、駆動ローラ10fのローラ幅と同じになっている。すなわち、中間転写ベルト10eの両端部と、駆動ローラ10fのローラ部の両端部、及び、駆動ローラ10fに備えられたコロ41のコロ部41aの内側の端部とが同一面に揃えられている。ここでは、中間転写ベルト10eの両端部と、駆動ローラ10fのローラ部の両端部、及び、駆動ローラ10fに備えられたコロ41のコロ部41aの内側端部とが同一面に揃えられた場合で説明をするが、それらが同一面にそろっている必要はない。
【0041】
すなわち、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、駆動ローラ10fの寸法(ローラ幅)よりも短く設定されても構わない。または、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、駆動ローラ10fの寸法(ローラ幅)よりも長く設定され、中間転写ベルト10eの一部がコロ部41aを覆っていても構わない。いずれにせよ、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法Q1は、コロ41が設けられた駆動ローラ10fのベルト幅方向Zの寸法、及び、コロ41のベルト幅方向Zの寸法を総和した総和寸法Q2よりも短く設定される。
【0042】
ここからは、図4(a)、図4(b)を用いて、中間転写ベルト10eの搬送時に中間転写ベルト10eに寄りが発生するメカニズムを説明する。図4(a)は、設計位置における中間転写ユニット10の裏面図である。最初に、図4(a)を用いて、中間転写ユニット10が設計位置にある時の中間転写ベルト10eの搬送速度について説明をする。図4(a)において、中間転写ベルト10eは矢印F、G方向に搬送されている。中間転写ユニット10が設計位置にある時、駆動ローラ10fが搬送する中間転写ベルト10eの搬送速度(矢印F、矢印G)の左右差はない。しかし、中間転写ベルト10eは、設計位置の状態を維持することができない。すなわち、中間転写ベルト10eの寄りが発生するのである。
【0043】
図4(a)に示されるように、中間転写ベルト10eが駆動ローラ10fに対してまっすぐ、すなわち駆動ローラ10fの軸線に対して垂直に巻き付けば、中間転写ベルト10eの位置は、駆動ローラ10fに巻き付く入口側と送り出される出口側とで変わらない。従って、中間転写ベルト10eは同じ位置を駆動搬送され続ける為にベルトの寄りは発生しない。
【0044】
しかしながら、機構を構成する部品の様々な寸法ばらつきを完全に無くすことは不可能である。ばらつきを完全に無くすことが不可能である為に、中間転写ベルト10eは、駆動ローラ10fに対して、必ず所定の角度(以下、進入角と称する)を有して巻き付いて行く。そして、中間転写ベルト10eは、進入角にのっとった方向に寄る。
【0045】
図4(b)は、中間転写ベルト10eが、駆動ローラ10fに巻き付く様子を拡大表示した駆動ローラ端部の概略構成を示す拡大裏面図である。図4(b)に示されるように、中間転写ベルト10eは、矢印J方向に搬送されて、駆動ローラ10fに巻き付いていく。なお、図4(b)では、矢印H方向に中間転写ベルト10eが寄るようにアライメントがずれた場合として説明を行う。中間転写ベルト10eの端部ライン10e−1上のある一点Xは、中間転写ベルト10eが駆動ローラ10fに巻き付くにつれて、点Xの位置から点X´の位置に移動する。また、別のある一点Yは、中間転写ベルト10eが駆動ローラ10fに巻き付くにつれて、点Yの位置から点Y´の位置に移動する。
【0046】
そうすると、中間転写ベルト10eの端部ライン10e−1は、中間転写ベルト10eが駆動ローラ10fに巻き付くにつれて、点X´と点Y´を結んだ10e−2の位置に移動する。この移動が連続的に行われることによって、中間転写ベルト10eは、アライメントのズレによって作られた進入角にのっとって図4(b)中の矢印H方向に寄って行く。これが、中間転写ベルト10eのベルト寄りメカニズムである。
【0047】
ここからは、図5(a)、図5(b)を用いて、中間転写ベルト10eに寄りが生じると中間転写ベルト10eを搬送する搬送速度に左右差ができるメカニズムについて説明をする。図5(a)は、中間転写ベルト10eが寄った時の中間転写ユニット10の構成を示す側断面図である。図5(b)は、中間転写ベルト10eが寄った時の中間転写ユニット10の構成を示す裏面図である。ここの説明では、中間転写ベルト10eが図5(a)、図5(b)中の矢印H方向に寄る場合として説明を行う。
【0048】
図5(a)、図5(b)のように、中間転写ベルト10eが矢印H方向(ベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Z)によると、中間転写ベルト10eの右側が、右側のコロ部41aに乗り上げる。こうして、中間転写ベルト10eにおける寄る方向側の部位がコロ部41aに対向する状態に移行していく。コロ41の周速が駆動ローラ10fの周速よりも遅く設定されているので、コロ部41aの乗り上げた中間転写ベルト10eの部位の搬送力にはブレーキがかかる。すると、中間転写ベルト10eの搬送速度に左右差が生じる。図5(a)、図5(b)中の右側の中間転写ベルト10eの搬送速度(矢印G)の方が、図5(a)、図5(b)中の左側の中間転写ベルト10eの搬送速度(矢印F)よりも遅くなる。
【0049】
ここからは、図6を用いて、中間転写ベルト10eに寄りが発生すると、アライメントのズレによって作られた進入角と相反する方向に中間転写ベルト10eを寄らせる進入角を作り、中間転写ベルト10eの寄りを規制するメカニズムについて説明をする。図6は、中間転写ベルト10eがコロ部41aに寄る様子を示す中間転写ユニット10の裏面図である。
【0050】
中間転写ベルト10eが矢印H方向に寄ると、前述したように図6中の左側の中間転写ベルト10eの方が図6中の右側の中間転写ベルト10eよりも速く進むことになる。そうすると、中間転写ベルト10eが、図6中の矢印I方向に回転するような現象が起きる。そうすると、図6に図示した進入角が発生する。この進入角は、アライメントのズレによるこれまでの寄り方向である、矢印Hとは逆向きに中間転写ベルト10eを寄らせる効果がある。
【0051】
中間転写ベルト10eが図6中のH方向に寄れば寄るほど、図6中の右側のコロ部41aに乗り上げている部位の中間転写ベルト10eの搬送速度と、図6中の左側のコロ部41aに乗り上げていない部位の中間転写ベルト10eの搬送速度の左右差が大きくなる。そして、中間転写ベルト10eの1回転周期の差は大きくなる。そして、図6の進入角の発生量は大きくなるのである。つまり、図6中の矢印I方向に回転させようとする作用が強く働き、中間転写ベルト10eの図6中の矢印H方向への寄りを規制する力が強くなるのである。このように、中間転写ベルト10eがコロ41を覆う幅が増え、中間転写ベルト10eにおけるコロ41に乗り上げた部位の周速が減速される。これにより、ベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寄りが解消されるのである。
【0052】
なお、中間転写ベルト10eの左右の搬送速度差、及び1回転周期差は、所定の進入角を発生させた後に左右差はなくなっていく。言うまでもないが、左右差があり続けると、中間転写ベルト10eに激しいねじれが生じて破断してしまう。アライメントによる中間転写ベルト10eが矢印H方向に寄ろうとする力と、中間転写ベルト10eの1回転周期の差によって生じる進入角が生み出す寄り力とのバランスが取れたところで中間転写ベルト10eの寄りは止まる。
【0053】
図6は、そのバランスが取れたところを示す図ではなく、中間転写ベルト10eの寄りによって、アライメントによる寄り方向と相反する方向に、中間転写ベルト10eを寄らせる力(進入角)が発生することを説明する説明図である。以上が、駆動ローラ10fの両端部に、駆動ローラ10fの周速よりも周速が遅いコロ41を備えた構成が、中間転写ベルト10eの寄りを規制できるメカニズムである。
【実施例2】
【0054】
図7(a)は、実施例2に係る画像形成装置が備える中間転写ベルトユニット(以下、「中間転写ユニット210」という)の構成を示す断面図である。図7(b)は、図7(a)において中間転写ベルト10eの断面を切って矢印Lの方向から見た側断面図である。図8は、駆動ローラ10f、対向ローラ10g、及び、駆動ギヤ軸45などの構成を示す斜視図である。実施例2の中間転写ユニット210の構成のうち実施例1の中間転写ユニット10と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例2の中間転写ユニット210が実施例1の中間転写ユニット10と異なる点は、以下の点である。
【0055】
本発明の実施例1と実施例2との大きな差異は、コロ41への駆動伝達方法である。実施例1では、駆動ローラ10fの両端に備えられたコロ41は、対向ローラ10gの回転運動から駆動力を伝達されていた。一方、実施例2では、駆動ローラ10fの両端に備えられたコロ41は、装置本体100Aに備えられた駆動手段から駆動を伝達される。ここでいう駆動手段は、装置本体100Aの内部に設けられる機器を駆動する駆動手段であればよく、画像形成手段、シート給送手段、定着手段の駆動手段等の駆動力を伝達可能なものであれば良い。
【0056】
図8に示されるように、回転体であるコロ41は、外周面が中間転写ベルト10eの内周面と当接するコロ部41aと、駆動伝達されるギヤ部41bと、を有している。コロ41は、駆動ローラ10fの両端に備えられ、駆動ローラ10fの丸軸10f−aに軸支されている。コロ41は、駆動ローラ10fの回転動作とは同期しない。
【0057】
駆動ギヤ軸45の両方の端部45aは、側板44a、44bによって回転可能に支持されている(図7(b)参照)。駆動ギヤ軸45とその端部45aはDカット形状で形成されている。その端部45aには駆動伝達手段の一部である駆動ギヤ50及び入力カップリングギヤ47が結合されている。また、側板44a、44bの内側に駆動ギヤ50が配置され、側板44a、44bの外側に入力カップリングギヤ47が配置される構成となっている(図7(b)参照)。駆動ギヤ50及び入力カップリングギヤ47は、駆動ギヤ軸45の回転動作に同期して、駆動ギヤ軸45と同一回転数で駆動回転する。
【0058】
48は出力カップリングギヤで、49は出力カップリングギヤ軸である。そして、出力カップリングギヤ48と、出力カップリングギヤ軸49は、図1で示した装置本体100Aの不図示の駆動伝達手段の一部である。出力カップリングギヤ48と、入力カップリングギヤ47は、図7(b)、図8に図示するように駆動連結可能に構成されていて、装置本体100Aからの駆動力を中間転写ユニット10に伝達をする役割を担っている。出力カップリングギヤ48と出力カップリングギヤ軸49は、Dカット形状で結合され、出力カップリングギヤ48と出力カップリングギヤ軸49は同期して同一回転数で回転する。
【0059】
出力カップリングギヤ48と出力カップリングギヤ軸49は、不図示の開閉カバーの動作に連動して、図7(b)、図8中の矢印K方向にスライド移動可能に構成されている。開閉カバーが開状態にあり、ユーザが装置本体100Aにアクセス可能な状態の時には、出力カップリングギヤ48と出力カップリングギヤ軸49は図7(b)、図8中の右側の不図示の退避位置へ移動する。そして、入力カップリングギヤ47と、出力カップリングギヤ48の駆動連結が解除される。
【0060】
一方、開閉カバーが閉状態にあり、画像形成可能な状態の時には、図7(b)、図8に図示するように、入力カップリングギヤ47と出力カップリングギヤ48が結合する位置に移動し、駆動連結される。
【0061】
出力カップリングギヤ48から駆動力が伝達された入力カップリングギヤ47は図8中の矢印L方向に回転する。すなわち、駆動ギヤ軸45、及び、駆動ギヤ50も同様に矢印L方向に回転する。
【0062】
駆動ギヤ50とコロ41のギヤ部41bは噛み合いの関係になっており、ギヤ部41bは駆動ギヤ50の回転によって回転する。ギヤ部41bが駆動ギヤ50から駆動力を伝達されることによって、コロ41が回転する。
【0063】
コロ41の回転数が駆動ローラ10fの回転数よりも遅く回転するように設計されている。また、コロ部41aの直径と、駆動ローラ10fの直径は同一直径に設計されている。従って、コロ部41aの外周面の周速の方が、駆動ローラ10fの外周面の周速よりも遅くなる。各々の直径、回転数、ギヤの歯数、などを適切に設定することで、容易にローラの周速よりも端部に備えた回転体の周速を遅くすることができる。例えば、駆動ギヤ50の速度がコロ41の速度よりも遅い場合には、駆動ギヤ50の歯数の方をギヤ部41bよりも多くしたり、駆動ギヤ50の速度がコロ41の速度よりも速い場合には、駆動ギヤ50の歯数の方をギヤ部41bよりも少なくしたりする。
【0064】
以下に示すメカニズムは実施例1で説明した内容と同じである。すなわち、中間転写ベルト10eの搬送時に、中間転写ベルト10eに寄りが生じて、中間転写ベルト10eを搬送する搬送速度に左右差ができるメカニズムは同じである。中間転写ベルト10eのベルト寄りのメカニズム、中間転写ベルト10eが、アライメントによって作られた進入角と相反する方向にベルトを寄らせる進入角を作り、ベルトの寄りを規制するメカニズムは同じである。以上が、駆動ローラ10fの両端部に、駆動ローラ10fの周速よりも周速が遅いコロ41を備えた構成が、中間転写ベルト10eの寄りを規制できるメカニズムである。
【0065】
前述した実施例1及び2の構成によれば、駆動ローラ10fの端部には、駆動回転するコロ41が設けられる。製品が許容する中間転写ベルト10eの寄り力に応じて、駆動ローラ10fの周速よりもコロ41の周速が遅く設定される。この結果、低コスト、省スペース、複雑な製造工程を必要とせずに、中間転写ベルト10eの幅方向の寄りを規制することができる。
【0066】
これに加えて、突起状のガイド部材やリブのコストを削減できるほか、突起状のガイド部材やリブの貼り付け工程を省略でき製造効率を高め、製造コストを下げることができる。また、コロ41と、コロ41に駆動を伝達する手段以外に特別な機構を必要としないので、従来構成と比較してコストやスペースを削減することができる。
【0067】
なお、これにより、以下の従来の課題は解消する。その課題の一つは、無端ベルトの内周面に突起状のガイド部材やリブを用いて、ベルトの寄りを規制する場合、無端ベルトにストレスが生じるため、無端ベルトの寿命が短くなるというものである。また、その課題の一つは、突起状のガイド部材やリブは、主にウレタン系の材料で作成されている為、それらのコストが高く、それらを無端ベルトの内周面に貼り付けるには、高価な特殊工具や高度な貼り付け技術が必要となるというものである。さらに、その課題の一つは、突起状のガイド部材やリブを使わない寄り規制方法は、突起状のガイド部材やリブを用いた規制方法に対して、優れている点が少なく、製品に投入することが難しいというものである。
【0068】
なお、実施例1及び2では、コロ41は、駆動ローラ10fの端部に設けられる構成であったが、この構成に限定されない。すなわち、コロ41は、駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hの少なくともいずれかの端部に設けられれば良い。駆動伝達手段は、コロ41がない駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hのいずれかの回転力を、これとは別の駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hのいずれかの端部のコロ41に伝達する構成であっても良い。
【0069】
また、実施例では、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、駆動ローラ10fの寸法(ローラ幅)よりも短く設定されても構わないと前述した。ここで、駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hのいずれかの端部にコロ41が設けられる場合を想定する。この場合、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、コロ41がある駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hの少なくともいずれか単独の寸法(ローラ幅)よりも短く設定されても構わない。
【0070】
また、実施例では、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、駆動ローラ10fの寸法(ローラ幅)よりも長く設定され、中間転写ベルト10eの一部がコロ部41aを覆っていても構わないと前述した。ここで、駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hのいずれかの端部にコロ41が設けられる場合を想定する。この場合、中間転写ベルト10eのベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、コロ41がある駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hの少なくともいずれか単独の寸法(ローラ幅)よりも長く設定されても構わない。そして、中間転写ベルト10eの一部がコロ部41aを覆っていても構わない。
【符号の説明】
【0071】
10 中間転写ユニット(ベルトユニット)
10e 中間転写ベルト(無端ベルト)
10f 駆動ローラ
10g 対向ローラ(張架ローラ)
10h テンションローラ(張架ローラ)
41 コロ(回転体)
43 アイドラギヤ(駆動伝達手段の一部)
50 駆動ギヤ(駆動伝達手段の一部)
S シート(記録材)
X ベルト搬送方向
Z ベルト幅方向
Q1 中間転写ベルトのベルト幅方向の寸法
Q2 総和寸法
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のローラに張架される無端ベルトを有するベルトユニット、及び、このベルトユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの電子写真方式、或いは静電記録方式を利用した画像形成装置の中には、像担持体上のトナー像を転写材に転写するための無端ベルトを採用した画像形成装置がある。無端ベルトとしては、像担持体から転写されるトナー像を担持する中間転写体(中間転写ベルト)や、像担持体からのトナー像を転写される転写材を担持して搬送する転写材搬送体(転写材搬送ベルト)等がある。
【0003】
このような無端ベルトを備える画像形成装置では、ベルト駆動時に発生するベルトの寄り(片寄り)を規制する必要がある。ここで言う、ベルトの寄りとは、ベルト搬送方向と直交する幅方向への移動のことである。このベルトの寄りを規制する為に、特許文献1に記載されるようなベルトユニットが開示されている。
【0004】
特許文献1に記載のベルトユニットは、無端ベルトの内周面にリブを備え、そのリブの内側面と当接可能な張架ローラである突き当てローラを備えている。こうした構成により、無端ベルトがベルトの搬送方向と直交する方向に寄ると、無端ベルト内周面に備えられたリブの内側面が、突き当てローラ端面に突き当たることで、無端ベルトのベルト搬送方向と直交する方向への寄りを規制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−20975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、無端ベルトの内周面にリブ等のガイド部材が設けられて無端ベルトの寄りを規制する構成には、以下のような課題があった。
【0007】
まず一つ目は、無端ベルトにかかる繰り返し応力によって、無端ベルトの寿命が短くなる課題である。リブが突き当てローラに突き当たった状態では、リブと無端ベルトの接合面に大きな応力が働く。無端ベルトが回転すると、リブと突き当てローラの接する場所が変化する。この時、応力の変化が繰り返して起こる。このような応力の繰り返し変化によって、無端ベルトに負荷が発生する。大きな負荷が発生すると、リブと無端ベルトの接合面付近において、無端ベルトの破れが生じるのである。その為、無端ベルトのリブが張られた裏側の面に、補強部材を貼り付ける必要があった。
【0008】
二つ目は、コストの面での課題である。一般に、突起状のガイド部材やリブは、主にウレタン系の材料で作成されているが、それらのコストが高い。そして、ベルトの蛇行量を小さくするために、部品の精度を高めることもある。そのほか、高価な特殊工具や高度な貼り付け技術が必要になるため、貼り付け工程の加工費もかさむ。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑み、確実に無端ベルトのベルト幅方向の寄りを規制することができるベルトユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のベルトユニットは、回転可能な無端ベルトと、前記無端ベルトを駆動する駆動ローラと、前記無端ベルトを張架する張架ローラと、前記駆動ローラ及び前記張架ローラの少なくともいずれかの端部に設けられて回転可能な回転体と、前記回転体に駆動力を伝達する駆動伝達手段と、を備え、前記無端ベルトのベルト搬送方向と直交するベルト幅方向の寸法は、前記回転体が設けられた前記駆動ローラ及び前記張架ローラの少なくともいずれかのベルト幅方向の寸法、及び、前記回転体のベルト幅方向の寸法を総和した総和寸法よりも短く設定され、前記回転体の周速は、前記回転体が端部に設けられた前記駆動ローラ及び前記張架ローラのいずれかの周速よりも遅く設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、確実に無端ベルトのベルト幅方向の寄りを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1に係る中間転写ユニットを備える画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】中間転写ユニットの構成を張架ローラの軸と直交する方向に断面を取った断面図等である。
【図3】駆動ローラ、コロ、対向ローラ、駆動ギヤ、及び、アイドラギヤの構成を示す拡大斜視図である。
【図4】設計位置における中間転写ユニットの裏面図等である。
【図5】中間転写ベルトが寄った時の中間転写ユニットの構成を示す断面図等である。
【図6】中間転写ベルトがコロ部に寄る様子を示す中間転写ユニットの裏面図である。
【図7】実施例2に係る画像形成装置が備える中間転写ユニットの構成を示す断面図等である。
【図8】駆動ローラ、対向ローラ、及び、駆動ギヤ軸の構成を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1に係る中間転写ベルトユニット(以下、「中間転写ユニット10」という)を備える画像形成装置100の構成を示す断面図である。ここでは、画像形成装置100は、電子写真画像形成プロセスを利用した両面印刷機能を有するカラーレーザビームプリンタである。図1に示されるように、画像形成装置100は装置本体100Aを有し、装置本体100Aの内部には感光体ドラム1a〜1dを有して画像を形成する画像形成手段であるプロセスカートリッジ(カートリッジ3a〜3d)が着脱可能な構成で、設けられている。画像形成装置100は、装置本体100Aの下部に、オプション給送装置(以下、給送オプション部)90を有する構成となっている。
【0015】
カートリッジ3a〜3dは、同一構造であるが、各々には異なる色のトナーが収容されている。カートリッジ3a、3b、3c、3dの各々はイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(c)、ブラック(Bk)トナー像を形成する。カートリッジ3a〜3dは同一構造であるので、カートリッジ3aを代表として構造を説明する。カートリッジ3aは、像担持体である感光体ドラム1a、各色のトナー像を現像するための現像ユニット4a、クリーナユニット5aを有する。 現像ユニット4aは、現像ローラ6a、現像剤塗布ローラ7a、トナー容器を有している。更に、クリーナユニット5aは、 感光体ドラム1a、帯電ローラ2a、ドラム用のクリーニングブレード8a、廃トナー容器を有している。
【0016】
カートリッジ3a〜3dの下方には、スキャナユニット9が配置される。このスキャナユニット9は、画像信号に基づく露光を感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対して行う。感光体ドラム1a、1b、1c、1dは、帯電ローラ2a、2b、2c、2dによって所定の負極性の電位に帯電された後、スキャナユニット9によってそれぞれ静電像(静電潜像)が形成される。この静電像は現像ユニット4a、4b、4c、4dによって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれY、M、C、Bkのトナー像が形成される。
【0017】
カートリッジ3a〜3dの上方には、ベルトユニットである中間転写ユニット10が配置される。中間転写ユニット10は、感光体ドラム1の表面から転写されるトナー像を記録材であるシートSに転写するユニットである。また、この中間転写ユニット10は、詳しくは後述するが、中間転写ベルト10eがベルト搬送方向B(図2(a)参照)と直交するベルト幅方向Z(図2(b)参照)に寄った場合に、中間転写ベルト10eの寄りが補正されるようになっている。
【0018】
中間転写ユニット10は、回転可能な無端ベルトである中間転写ベルト10eを有する。中間転写ベルト10eの内側には、中間転写ベルト10eを駆動する駆動ローラ10fと、中間転写ベルト10eを張架する張架ローラである対向ローラ10g、テンションローラ10hと、が配置されている。なお、駆動ローラ10fも中間転写ベルト10eを懸架しているといえる。
【0019】
中間転写ベルト10eには、テンションローラ10hによって図1中の矢印で示すテンションTがかけられている。また、感光体ドラム1a、1b、1c、1dの各々に対向する位置には、中間転写ベルト10eの内側に1次転写ローラ10a、10b、10c、10dが配設されている。1次転写ローラ10a〜10dは、不図示の電圧印加手段により転写電圧が印加される1次転写部材である
【0020】
感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像は、順次、中間転写ベルト10e上に1次転写される。このときに、各感光体ドラム1a〜1dは時計周りに回転する。また、中間転写ベルト10eは反時計周りに回転する。中間転写ベルト10eの表面には、回転方向の上流側の感光体ドラム1a〜1dから順に、トナー像が転写される。感光体ドラム1a〜1dから中間転写ベルト10eへのトナー像の転写は、1次転写ローラ10a〜10dに正極性の電圧を印加することによりなされる。このように中間転写ベルト10e上に4色のトナー像が重なった状態で形成されたトナー像は、2次転写部13へ移動する。
【0021】
一方、トナー像が転写された後に、感光体ドラム1a〜1dの表面に残ったトナーは、クリーニングブレード8a〜8dによって除去される。また、シートSへの2次転写後に中間転写ベルト10e上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置11によって除去される。除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
【0022】
画像形成装置100は、3つのシート給送装置(シート給送部)を有する。1つ目は、装置本体100Aの内部に配置される本体シート給送部20である。2つ目は、装置本体100Aの側面に配置されるマルチシート給送部30である。3つ目は、装置本体100Aの下方に増設されたオプション給送装置90である。
【0023】
1つ目の本体シート給送部20は、シートSを収納する給送カセット21の内部からシートSを給送する給送ローラ22と、分離手段である分離ローラ23と、を有する。給送カセット21に収納されたシートSは、給送ローラ22に圧接され、分離ローラ23によって1枚ずつ分離され搬送される。そして、分離されたシートSは、搬送路24を経てレジストローラ対14へ搬送される。
【0024】
2次転写部13は、中間転写ベルト10eに形成されたトナー像をシートSに転写する。2次転写部13は、正極性の電圧が印加される2次転写ローラ12を備える。正極性の電圧を2次転写部13に印加することにより、レジストローラ対14によって搬送されたシートSに、中間転写ベルト10e上の4色のトナー像が2次転写される。
【0025】
2次転写部13の上方には、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとを有する定着装置15が設けられている。トナー像が転写されたシートSは、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとのニップに搬送され、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとによって加熱および加圧され、シートSの表面には、転写されていたトナー像が定着される。
【0026】
図2(a)は、中間転写ユニット10の構成を張架ローラの軸と直交する方向に断面を取った断面図である。図2(b)は、図2(a)において中間転写ベルト10eの断面を切って矢印Lの方向から見た側断面図である。まず、図2(a)を用いて、中間転写ユニット10の概要を説明する。
【0027】
中間転写ベルト10eの基層は、ポリイミド(PI)やポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など、引張強度が高い樹脂系素材で作られる。成形や強度、変形のしやすさなどの要件から、基層は厚さ50μmから100μmの間で作られることが多い。
【0028】
また、トナーを転写する効率を高めるため、基層の外周面全体にわたって、ゴム層などの異なる層を張り合わせた多層構造の中間転写ベルト10eも存在する。本発明に係る中間転写ベルト10eは、これらいずれの組成でも構わない。
【0029】
図2(b)に示されるように、駆動ローラ10f及び対向ローラ10gは、それぞれ長手方向の両端部を側板44a、44bによって回転可能に支持されている。
【0030】
駆動ローラ10fは、側板44a、44bに支持されているローラである。駆動ローラ10fには、装置本体100A(図1参照)の不図示の駆動手段から駆動力が伝達されている。そして、駆動ローラ10fは、図2(a)中の矢印A方向に回転をし、中間転写ベルト10eをベルト搬送方向Bに搬送する。駆動ローラ10fの表面は、中間転写ベルト10eを滑り無く搬送する為に、摩擦係数の高いゴム層で形成されている。
【0031】
対向ローラ10gも、側板44a、44bに支持されているローラである。対向ローラ10gは、2次転写ローラ12(図1参照)とローラ対を形成し、シートSを挟持しつつ搬送しながらトナー像をシートSに転写する。対向ローラ10gは、中間転写ベルト10eの搬送によって図2(a)中の矢印C方向に従動しつつ回転する。
【0032】
テンションローラ10hは、側板44a、44bに図2(a)中の矢印D方向に回転可能に支持されているだけではなく、図2(a)中の矢印E方向にスライド動作可能に支持されているローラである。テンションローラ10hは、付勢部材であるテンションバネ40によって、図2(a)中の矢印Tの方向に所定のテンションで付勢されている。テンションローラ10hが、この付勢力を中間転写ベルト10eに付与することによって、中間転写ベルト10eは所定の張力で張架される。
【0033】
図3は、駆動ローラ10f、コロ41、対向ローラ10g、駆動ギヤ42、及び、アイドラギヤ43の構成を示す拡大斜視図である。中間転写ユニット10は、回転体であるコロ41と、駆動伝達手段の一部である駆動ギヤ42と、駆動伝達手段の一部であるアイドラギヤ43と、を有している。
【0034】
回転体であるコロ41は、駆動ローラ10fの端部に設けられて回転可能なものである。このコロ41は、駆動ローラ10fの両方の端部(両端部)にて駆動ローラ10fの丸軸10f−aに支持されている。コロ41には孔が形成されており、丸軸10f−aが挿通されており、コロ41は、丸軸10f−aとは独立に回転可能となっている。コロ41は、外周面が中間転写ベルト10eの内周面と当接するコロ部41aと、駆動伝達されるギヤ部41bと、を有している。また、ギヤ部41bと噛み合わされるようにして、アイドラギヤ43が設けられている。アイドラギヤ43は、コロ41に駆動力を伝達する。したがって、コロ41は、駆動ローラ10fの回転動作とは同期せず、アイドラギヤ43から伝達される駆動力によって回転する。
【0035】
駆動ギヤ42は、対向ローラ10gの両端に備えられ、対向ローラ10gのDカットされた軸部10g−aに結合されている。駆動ギヤ42は、対向ローラ10gの回転動作に同期して、対向ローラ10gと同一回転数で回転する。
【0036】
アイドラギヤ43は、中間転写ベルト10eのフレームの両端に備えられたボス10iに図2(a)中の矢印M方向に回転可能に支持されている。アイドラギヤ43は、駆動ギヤ42から伝達された駆動力を下流のコロ41に伝達する。このように、アイドラギヤ43は、対向ローラ10gの回転力を、これとは別のローラである駆動ローラ10fの端部のコロ41に伝達する構成となっている。
【0037】
そして、コロ41のコロ部41aの外周面の周速は、コロ41を端部に配置されたローラである駆動ローラ10fの外周面の周速よりも遅くなるように設定される。ここでさらに、コロ41のコロ部41aの外周面の周速を、駆動ローラ10fの外周面の周速よりも遅くするメカニズムについて詳細に説明する。
【0038】
駆動ローラ10fの直径と対向ローラ10gの直径と、コロ41のコロ部41aの直径は同一直径になっている。また、対向ローラ10gは駆動ローラ10fが搬送する中間転写ベルト10eによって従動しつつ回転する為、駆動ローラ10fの回転数と対向ローラ10gの回転数は同じになる。一方、駆動ローラ10fの両端に備えられたコロ41のギヤ部41bの歯数は、対向ローラ10gの両端に備えられた駆動ギヤ42の歯数よりも多い。従って、両者のギヤ比より、コロ41は、駆動ローラ10f、対向ローラ10gよりも回転数が遅くなる。三者の直径が同一直径に設定されているので、コロ41のコロ部41aの外周面の周速が駆動ローラ10fの周速よりも遅くなる。
【0039】
各々の直径、回転数、ギヤの歯数等を適切に設定することで、容易にローラの周速よりも端部に備えた回転体の周速を遅くすることができる。中間転写ベルト10eを搬送し、その搬送速度を決める駆動ローラ10fの両端にコロ41を備える構成が、他の張架ローラの両端に備えるよりも、速度差の設定が明確になる。駆動ローラ10fが中間転写ベルト10eの搬送速度を支配するため、3つのローラの中で駆動ローラ10fが中間転写ベルト10eの寄りを規制する方が効果的であるからと考えられる。
【0040】
引き続き、図2(b)を用いて、中間転写ベルト10eに関連する構成を説明する。図2(b)において、中間転写ベルト10eのベルト幅は、駆動ローラ10fのローラ幅と同じになっている。すなわち、中間転写ベルト10eの両端部と、駆動ローラ10fのローラ部の両端部、及び、駆動ローラ10fに備えられたコロ41のコロ部41aの内側の端部とが同一面に揃えられている。ここでは、中間転写ベルト10eの両端部と、駆動ローラ10fのローラ部の両端部、及び、駆動ローラ10fに備えられたコロ41のコロ部41aの内側端部とが同一面に揃えられた場合で説明をするが、それらが同一面にそろっている必要はない。
【0041】
すなわち、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、駆動ローラ10fの寸法(ローラ幅)よりも短く設定されても構わない。または、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、駆動ローラ10fの寸法(ローラ幅)よりも長く設定され、中間転写ベルト10eの一部がコロ部41aを覆っていても構わない。いずれにせよ、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法Q1は、コロ41が設けられた駆動ローラ10fのベルト幅方向Zの寸法、及び、コロ41のベルト幅方向Zの寸法を総和した総和寸法Q2よりも短く設定される。
【0042】
ここからは、図4(a)、図4(b)を用いて、中間転写ベルト10eの搬送時に中間転写ベルト10eに寄りが発生するメカニズムを説明する。図4(a)は、設計位置における中間転写ユニット10の裏面図である。最初に、図4(a)を用いて、中間転写ユニット10が設計位置にある時の中間転写ベルト10eの搬送速度について説明をする。図4(a)において、中間転写ベルト10eは矢印F、G方向に搬送されている。中間転写ユニット10が設計位置にある時、駆動ローラ10fが搬送する中間転写ベルト10eの搬送速度(矢印F、矢印G)の左右差はない。しかし、中間転写ベルト10eは、設計位置の状態を維持することができない。すなわち、中間転写ベルト10eの寄りが発生するのである。
【0043】
図4(a)に示されるように、中間転写ベルト10eが駆動ローラ10fに対してまっすぐ、すなわち駆動ローラ10fの軸線に対して垂直に巻き付けば、中間転写ベルト10eの位置は、駆動ローラ10fに巻き付く入口側と送り出される出口側とで変わらない。従って、中間転写ベルト10eは同じ位置を駆動搬送され続ける為にベルトの寄りは発生しない。
【0044】
しかしながら、機構を構成する部品の様々な寸法ばらつきを完全に無くすことは不可能である。ばらつきを完全に無くすことが不可能である為に、中間転写ベルト10eは、駆動ローラ10fに対して、必ず所定の角度(以下、進入角と称する)を有して巻き付いて行く。そして、中間転写ベルト10eは、進入角にのっとった方向に寄る。
【0045】
図4(b)は、中間転写ベルト10eが、駆動ローラ10fに巻き付く様子を拡大表示した駆動ローラ端部の概略構成を示す拡大裏面図である。図4(b)に示されるように、中間転写ベルト10eは、矢印J方向に搬送されて、駆動ローラ10fに巻き付いていく。なお、図4(b)では、矢印H方向に中間転写ベルト10eが寄るようにアライメントがずれた場合として説明を行う。中間転写ベルト10eの端部ライン10e−1上のある一点Xは、中間転写ベルト10eが駆動ローラ10fに巻き付くにつれて、点Xの位置から点X´の位置に移動する。また、別のある一点Yは、中間転写ベルト10eが駆動ローラ10fに巻き付くにつれて、点Yの位置から点Y´の位置に移動する。
【0046】
そうすると、中間転写ベルト10eの端部ライン10e−1は、中間転写ベルト10eが駆動ローラ10fに巻き付くにつれて、点X´と点Y´を結んだ10e−2の位置に移動する。この移動が連続的に行われることによって、中間転写ベルト10eは、アライメントのズレによって作られた進入角にのっとって図4(b)中の矢印H方向に寄って行く。これが、中間転写ベルト10eのベルト寄りメカニズムである。
【0047】
ここからは、図5(a)、図5(b)を用いて、中間転写ベルト10eに寄りが生じると中間転写ベルト10eを搬送する搬送速度に左右差ができるメカニズムについて説明をする。図5(a)は、中間転写ベルト10eが寄った時の中間転写ユニット10の構成を示す側断面図である。図5(b)は、中間転写ベルト10eが寄った時の中間転写ユニット10の構成を示す裏面図である。ここの説明では、中間転写ベルト10eが図5(a)、図5(b)中の矢印H方向に寄る場合として説明を行う。
【0048】
図5(a)、図5(b)のように、中間転写ベルト10eが矢印H方向(ベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Z)によると、中間転写ベルト10eの右側が、右側のコロ部41aに乗り上げる。こうして、中間転写ベルト10eにおける寄る方向側の部位がコロ部41aに対向する状態に移行していく。コロ41の周速が駆動ローラ10fの周速よりも遅く設定されているので、コロ部41aの乗り上げた中間転写ベルト10eの部位の搬送力にはブレーキがかかる。すると、中間転写ベルト10eの搬送速度に左右差が生じる。図5(a)、図5(b)中の右側の中間転写ベルト10eの搬送速度(矢印G)の方が、図5(a)、図5(b)中の左側の中間転写ベルト10eの搬送速度(矢印F)よりも遅くなる。
【0049】
ここからは、図6を用いて、中間転写ベルト10eに寄りが発生すると、アライメントのズレによって作られた進入角と相反する方向に中間転写ベルト10eを寄らせる進入角を作り、中間転写ベルト10eの寄りを規制するメカニズムについて説明をする。図6は、中間転写ベルト10eがコロ部41aに寄る様子を示す中間転写ユニット10の裏面図である。
【0050】
中間転写ベルト10eが矢印H方向に寄ると、前述したように図6中の左側の中間転写ベルト10eの方が図6中の右側の中間転写ベルト10eよりも速く進むことになる。そうすると、中間転写ベルト10eが、図6中の矢印I方向に回転するような現象が起きる。そうすると、図6に図示した進入角が発生する。この進入角は、アライメントのズレによるこれまでの寄り方向である、矢印Hとは逆向きに中間転写ベルト10eを寄らせる効果がある。
【0051】
中間転写ベルト10eが図6中のH方向に寄れば寄るほど、図6中の右側のコロ部41aに乗り上げている部位の中間転写ベルト10eの搬送速度と、図6中の左側のコロ部41aに乗り上げていない部位の中間転写ベルト10eの搬送速度の左右差が大きくなる。そして、中間転写ベルト10eの1回転周期の差は大きくなる。そして、図6の進入角の発生量は大きくなるのである。つまり、図6中の矢印I方向に回転させようとする作用が強く働き、中間転写ベルト10eの図6中の矢印H方向への寄りを規制する力が強くなるのである。このように、中間転写ベルト10eがコロ41を覆う幅が増え、中間転写ベルト10eにおけるコロ41に乗り上げた部位の周速が減速される。これにより、ベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寄りが解消されるのである。
【0052】
なお、中間転写ベルト10eの左右の搬送速度差、及び1回転周期差は、所定の進入角を発生させた後に左右差はなくなっていく。言うまでもないが、左右差があり続けると、中間転写ベルト10eに激しいねじれが生じて破断してしまう。アライメントによる中間転写ベルト10eが矢印H方向に寄ろうとする力と、中間転写ベルト10eの1回転周期の差によって生じる進入角が生み出す寄り力とのバランスが取れたところで中間転写ベルト10eの寄りは止まる。
【0053】
図6は、そのバランスが取れたところを示す図ではなく、中間転写ベルト10eの寄りによって、アライメントによる寄り方向と相反する方向に、中間転写ベルト10eを寄らせる力(進入角)が発生することを説明する説明図である。以上が、駆動ローラ10fの両端部に、駆動ローラ10fの周速よりも周速が遅いコロ41を備えた構成が、中間転写ベルト10eの寄りを規制できるメカニズムである。
【実施例2】
【0054】
図7(a)は、実施例2に係る画像形成装置が備える中間転写ベルトユニット(以下、「中間転写ユニット210」という)の構成を示す断面図である。図7(b)は、図7(a)において中間転写ベルト10eの断面を切って矢印Lの方向から見た側断面図である。図8は、駆動ローラ10f、対向ローラ10g、及び、駆動ギヤ軸45などの構成を示す斜視図である。実施例2の中間転写ユニット210の構成のうち実施例1の中間転写ユニット10と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例2の中間転写ユニット210が実施例1の中間転写ユニット10と異なる点は、以下の点である。
【0055】
本発明の実施例1と実施例2との大きな差異は、コロ41への駆動伝達方法である。実施例1では、駆動ローラ10fの両端に備えられたコロ41は、対向ローラ10gの回転運動から駆動力を伝達されていた。一方、実施例2では、駆動ローラ10fの両端に備えられたコロ41は、装置本体100Aに備えられた駆動手段から駆動を伝達される。ここでいう駆動手段は、装置本体100Aの内部に設けられる機器を駆動する駆動手段であればよく、画像形成手段、シート給送手段、定着手段の駆動手段等の駆動力を伝達可能なものであれば良い。
【0056】
図8に示されるように、回転体であるコロ41は、外周面が中間転写ベルト10eの内周面と当接するコロ部41aと、駆動伝達されるギヤ部41bと、を有している。コロ41は、駆動ローラ10fの両端に備えられ、駆動ローラ10fの丸軸10f−aに軸支されている。コロ41は、駆動ローラ10fの回転動作とは同期しない。
【0057】
駆動ギヤ軸45の両方の端部45aは、側板44a、44bによって回転可能に支持されている(図7(b)参照)。駆動ギヤ軸45とその端部45aはDカット形状で形成されている。その端部45aには駆動伝達手段の一部である駆動ギヤ50及び入力カップリングギヤ47が結合されている。また、側板44a、44bの内側に駆動ギヤ50が配置され、側板44a、44bの外側に入力カップリングギヤ47が配置される構成となっている(図7(b)参照)。駆動ギヤ50及び入力カップリングギヤ47は、駆動ギヤ軸45の回転動作に同期して、駆動ギヤ軸45と同一回転数で駆動回転する。
【0058】
48は出力カップリングギヤで、49は出力カップリングギヤ軸である。そして、出力カップリングギヤ48と、出力カップリングギヤ軸49は、図1で示した装置本体100Aの不図示の駆動伝達手段の一部である。出力カップリングギヤ48と、入力カップリングギヤ47は、図7(b)、図8に図示するように駆動連結可能に構成されていて、装置本体100Aからの駆動力を中間転写ユニット10に伝達をする役割を担っている。出力カップリングギヤ48と出力カップリングギヤ軸49は、Dカット形状で結合され、出力カップリングギヤ48と出力カップリングギヤ軸49は同期して同一回転数で回転する。
【0059】
出力カップリングギヤ48と出力カップリングギヤ軸49は、不図示の開閉カバーの動作に連動して、図7(b)、図8中の矢印K方向にスライド移動可能に構成されている。開閉カバーが開状態にあり、ユーザが装置本体100Aにアクセス可能な状態の時には、出力カップリングギヤ48と出力カップリングギヤ軸49は図7(b)、図8中の右側の不図示の退避位置へ移動する。そして、入力カップリングギヤ47と、出力カップリングギヤ48の駆動連結が解除される。
【0060】
一方、開閉カバーが閉状態にあり、画像形成可能な状態の時には、図7(b)、図8に図示するように、入力カップリングギヤ47と出力カップリングギヤ48が結合する位置に移動し、駆動連結される。
【0061】
出力カップリングギヤ48から駆動力が伝達された入力カップリングギヤ47は図8中の矢印L方向に回転する。すなわち、駆動ギヤ軸45、及び、駆動ギヤ50も同様に矢印L方向に回転する。
【0062】
駆動ギヤ50とコロ41のギヤ部41bは噛み合いの関係になっており、ギヤ部41bは駆動ギヤ50の回転によって回転する。ギヤ部41bが駆動ギヤ50から駆動力を伝達されることによって、コロ41が回転する。
【0063】
コロ41の回転数が駆動ローラ10fの回転数よりも遅く回転するように設計されている。また、コロ部41aの直径と、駆動ローラ10fの直径は同一直径に設計されている。従って、コロ部41aの外周面の周速の方が、駆動ローラ10fの外周面の周速よりも遅くなる。各々の直径、回転数、ギヤの歯数、などを適切に設定することで、容易にローラの周速よりも端部に備えた回転体の周速を遅くすることができる。例えば、駆動ギヤ50の速度がコロ41の速度よりも遅い場合には、駆動ギヤ50の歯数の方をギヤ部41bよりも多くしたり、駆動ギヤ50の速度がコロ41の速度よりも速い場合には、駆動ギヤ50の歯数の方をギヤ部41bよりも少なくしたりする。
【0064】
以下に示すメカニズムは実施例1で説明した内容と同じである。すなわち、中間転写ベルト10eの搬送時に、中間転写ベルト10eに寄りが生じて、中間転写ベルト10eを搬送する搬送速度に左右差ができるメカニズムは同じである。中間転写ベルト10eのベルト寄りのメカニズム、中間転写ベルト10eが、アライメントによって作られた進入角と相反する方向にベルトを寄らせる進入角を作り、ベルトの寄りを規制するメカニズムは同じである。以上が、駆動ローラ10fの両端部に、駆動ローラ10fの周速よりも周速が遅いコロ41を備えた構成が、中間転写ベルト10eの寄りを規制できるメカニズムである。
【0065】
前述した実施例1及び2の構成によれば、駆動ローラ10fの端部には、駆動回転するコロ41が設けられる。製品が許容する中間転写ベルト10eの寄り力に応じて、駆動ローラ10fの周速よりもコロ41の周速が遅く設定される。この結果、低コスト、省スペース、複雑な製造工程を必要とせずに、中間転写ベルト10eの幅方向の寄りを規制することができる。
【0066】
これに加えて、突起状のガイド部材やリブのコストを削減できるほか、突起状のガイド部材やリブの貼り付け工程を省略でき製造効率を高め、製造コストを下げることができる。また、コロ41と、コロ41に駆動を伝達する手段以外に特別な機構を必要としないので、従来構成と比較してコストやスペースを削減することができる。
【0067】
なお、これにより、以下の従来の課題は解消する。その課題の一つは、無端ベルトの内周面に突起状のガイド部材やリブを用いて、ベルトの寄りを規制する場合、無端ベルトにストレスが生じるため、無端ベルトの寿命が短くなるというものである。また、その課題の一つは、突起状のガイド部材やリブは、主にウレタン系の材料で作成されている為、それらのコストが高く、それらを無端ベルトの内周面に貼り付けるには、高価な特殊工具や高度な貼り付け技術が必要となるというものである。さらに、その課題の一つは、突起状のガイド部材やリブを使わない寄り規制方法は、突起状のガイド部材やリブを用いた規制方法に対して、優れている点が少なく、製品に投入することが難しいというものである。
【0068】
なお、実施例1及び2では、コロ41は、駆動ローラ10fの端部に設けられる構成であったが、この構成に限定されない。すなわち、コロ41は、駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hの少なくともいずれかの端部に設けられれば良い。駆動伝達手段は、コロ41がない駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hのいずれかの回転力を、これとは別の駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hのいずれかの端部のコロ41に伝達する構成であっても良い。
【0069】
また、実施例では、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、駆動ローラ10fの寸法(ローラ幅)よりも短く設定されても構わないと前述した。ここで、駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hのいずれかの端部にコロ41が設けられる場合を想定する。この場合、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、コロ41がある駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hの少なくともいずれか単独の寸法(ローラ幅)よりも短く設定されても構わない。
【0070】
また、実施例では、中間転写ベルト10eのベルト搬送方向Bと直交するベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、駆動ローラ10fの寸法(ローラ幅)よりも長く設定され、中間転写ベルト10eの一部がコロ部41aを覆っていても構わないと前述した。ここで、駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hのいずれかの端部にコロ41が設けられる場合を想定する。この場合、中間転写ベルト10eのベルト幅方向Zの寸法(ベルト幅)は、コロ41がある駆動ローラ10f、対向ローラ10g、テンションローラ10hの少なくともいずれか単独の寸法(ローラ幅)よりも長く設定されても構わない。そして、中間転写ベルト10eの一部がコロ部41aを覆っていても構わない。
【符号の説明】
【0071】
10 中間転写ユニット(ベルトユニット)
10e 中間転写ベルト(無端ベルト)
10f 駆動ローラ
10g 対向ローラ(張架ローラ)
10h テンションローラ(張架ローラ)
41 コロ(回転体)
43 アイドラギヤ(駆動伝達手段の一部)
50 駆動ギヤ(駆動伝達手段の一部)
S シート(記録材)
X ベルト搬送方向
Z ベルト幅方向
Q1 中間転写ベルトのベルト幅方向の寸法
Q2 総和寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な無端ベルトと、
前記無端ベルトを駆動する駆動ローラと、
前記無端ベルトを張架する張架ローラと、
前記駆動ローラ及び前記張架ローラの少なくともいずれかの端部に設けられて回転可能な回転体と、
前記回転体に駆動力を伝達する駆動伝達手段と、を備え、
前記無端ベルトのベルト搬送方向と直交するベルト幅方向の寸法は、前記回転体が設けられた前記駆動ローラ及び前記張架ローラの少なくともいずれかのベルト幅方向の寸法、及び、前記回転体のベルト幅方向の寸法を総和した総和寸法よりも短く設定され、
前記回転体の周速は、前記回転体が端部に設けられた前記駆動ローラ及び前記張架ローラのいずれかの周速よりも遅く設定されることを特徴とするベルトユニット。
【請求項2】
前記無端ベルトがベルト幅方向に寄ると、前記無端ベルトにおける寄る方向側の部位が前記回転体に対向する状態に移行していき、前記無端ベルトが前記回転体を覆う幅が増え、前記無端ベルトにおける前記回転体に乗り上げた部位の周速が減速されることを特徴とする請求項1に記載のベルトユニット。
【請求項3】
前記駆動伝達手段は、前記駆動ローラ及び前記張架ローラのいずれかに設けられた前記回転体に対して、前記回転体が設けられていない前記駆動ローラ及び前記張架ローラのいずれかの駆動力を伝達することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベルトユニット。
【請求項4】
前記駆動ローラ及び前記張架ローラの少なくともいずれかとは、前記駆動ローラであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のベルトユニット。
【請求項5】
画像を形成する画像形成手段と、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のベルトユニットと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
回転可能な無端ベルトと、
前記無端ベルトを駆動する駆動ローラと、
前記無端ベルトを張架する張架ローラと、
前記駆動ローラ及び前記張架ローラの少なくともいずれかの端部に設けられて回転可能な回転体と、
前記回転体に駆動力を伝達する駆動伝達手段と、を備え、
前記無端ベルトのベルト搬送方向と直交するベルト幅方向の寸法は、前記回転体が設けられた前記駆動ローラ及び前記張架ローラの少なくともいずれかのベルト幅方向の寸法、及び、前記回転体のベルト幅方向の寸法を総和した総和寸法よりも短く設定され、
前記回転体の周速は、前記回転体が端部に設けられた前記駆動ローラ及び前記張架ローラのいずれかの周速よりも遅く設定されることを特徴とするベルトユニット。
【請求項2】
前記無端ベルトがベルト幅方向に寄ると、前記無端ベルトにおける寄る方向側の部位が前記回転体に対向する状態に移行していき、前記無端ベルトが前記回転体を覆う幅が増え、前記無端ベルトにおける前記回転体に乗り上げた部位の周速が減速されることを特徴とする請求項1に記載のベルトユニット。
【請求項3】
前記駆動伝達手段は、前記駆動ローラ及び前記張架ローラのいずれかに設けられた前記回転体に対して、前記回転体が設けられていない前記駆動ローラ及び前記張架ローラのいずれかの駆動力を伝達することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベルトユニット。
【請求項4】
前記駆動ローラ及び前記張架ローラの少なくともいずれかとは、前記駆動ローラであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のベルトユニット。
【請求項5】
画像を形成する画像形成手段と、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のベルトユニットと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2013−37043(P2013−37043A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170647(P2011−170647)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]