説明

ベルト搬送装置及び画像形成装置

【課題】 ベルトが長手方向の一端側に寄った場合に第1の張架部材の回転軸に対して第2の張架部材の回転軸を傾けることでベルトの寄りを補正する構成において、第2の張架部材の長手方向の移動を規制しつつ、ベルトの寄りを解消することが難しかった。
【解決手段】 ベルトの回転方向と直交する長手方向の一端に寄った場合に第1の張架部材の回転軸に対して第2の張架部材の回転軸を傾けることでベルトの寄りを補正する寄り補正部を備える構成において、第2の張架部材は、ベルトの内周面に接触して支持する筒状のベルト当接体と、ベルト当接体の内周面側に設けられた回転軸と、回転軸に嵌合されベルト当接体の内周面を支持する当接体支持部と、を備え、当接体支持部の前記ベルト内周面と当接する領域は回転軸に対して傾いていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端状のベルトを複数の張架部材によって張架しつつ回転移動させるベルト搬送装置に関し、特に電子写真方式を利用したプリンタ、複写機等の画像形成装置に用いられるベルト搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を利用したプリンタや複写機等の画像形成装置の中には、無端状のベルトを複数の張架部材(例えば、ローラ)によって張架しつつ回転移動させるベルト搬送装置を用いたものがある。このようなベルト搬送装置においては、ベルトを回転移動させた際にベルトが長手方向(張架ローラの軸方向)に片寄りしてしまう問題がある。
【0003】
この問題を解決する技術として、張架ローラの傾きを補正することによってベルトの片寄りを解消する構成が従来から知られている。
【0004】
特許文献1には、少なくとも一つの張架ローラを軸線方向略中央部の内側に配設させた自動調心軸受を介して軸に支持させる構成が開示されている。特許文献1の構成では、ベルトが寄ったときに張架ローラの軸線方向中央に対して左右でのモーメントが崩れ、それによって張架ローラを傾けることでベルトの寄りを解消する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−203540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように張架ローラの内側に自動調心軸受を設け張架ローラを傾動させる構成においては、傾動時に張架ローラ内面と自動調心軸受との摩擦によって、張架ローラがローラ軸方向(長手方向)へ移動してしまう問題が発生する。ベルトの内周面を支持する(接触する)張架ローラがローラ軸方向へ移動してしまうと調心効果が低減する可能性があり、張架ローラのローラ軸方向の移動を規制する必要がある。
【0007】
そこで本発明では、ベルトが長手方向の一端側に寄った場合に第1の張架部材の回転軸に対して第2の張架部材の回転軸を傾けることでベルトの寄りを補正する構成において、第2の張架部材の長手方向の移動を規制しつつ、ベルトの寄りを解消するベルト搬送装置を提供することを目的とする。さらに、上記ベルト搬送装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するために、本願発明は以下の構成を備える。回転可能な無端状のベルトと、前記ベルトを張架する第1の張架部材と、前記ベルトを張架する第2の張架部材と、前記ベルトが前記ベルトの回転方向と直交する長手方向の一端に寄った場合に前記第1の張架部材の回転軸に対して前記第2の張架部材の回転軸を傾けることで前記ベルトの寄りを補正する寄り補正部と、を備えるベルト搬送装置において、前記第2の張架部材は、前記ベルトの内周面に接触して支持する筒状のベルト当接体と、前記ベルト当接体の内周面側に設けられた回転軸と、前記回転軸に嵌合され前記ベルト当接体の内周面を支持する当接体支持部と、を備え、前記当接体支持部の前記ベルト内周面と当接する領域は前記回転軸に対して傾いていることを特徴とするベルト搬送装置。
【0009】
さらに、他の本願発明は以下の構成を備える。トナー像を担持する像担持体と、回転可能な無端状のベルトと前記ベルトを張架する第1の張架部材と前記ベルトを張架する第2の張架部材と前記ベルトが前記ベルトの回転方向と直交する長手方向の一端に寄った場合に前記第1の張架部材の回転軸に対して前記第2の張架部材の回転軸を傾けることで前記ベルトの寄りを補正する寄り補正部と、を備えるベルト搬送装置と、を有し、前記像担持体上のトナー像を前記ベルト又は前記ベルトが搬送する転写材に転写する画像形成装置において、前記第2の張架部材は、前記ベルトの内周面に接触して支持する筒状のベルト当接体と、前記ベルト当接体の内周面側に設けられた回転軸と、前記回転軸に嵌合され前記ベルト当接体の内周面を支持する当接体支持部と、を備え、前記当接体支持部の前記ベルト内周面と当接する領域は前記回転軸に対して傾いていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ベルトが長手方向の一端に寄った場合に第1の張架部材の回転軸に対して第2の張架部材の回転軸を傾けることでベルトの寄りを補正する構成において、第2の張架部材の長手方向の移動を規制しつつ、ベルトの寄りを解消するベルト搬送装置を提供することが可能になる。さらに、上記ベルト搬送装置を備える画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例に係る画像形成装置を説明する断面図
【図2】本発明の一実施例に係るベルト搬送装置の斜視図
【図3】本発明の一実施例に係るベルトの斜視図
【図4】本発明の一実施例に係るベルトの断面図
【図5】本発明の一実施例に係るテンションローラの斜視図
【図6】(a)本発明の一実施例に係るテンションローラの断面図、(b)本発明の一実施例に係るテンションローラの中央領域の拡大断面図
【図7】本発明の一実施例に係るテンションローラの長手方向からの断面図
【図8】(a)図2の断面線50で切断した全面図の長手方向中央部を拡大した図、(b)図6(b)の断面線51で切断した断面図
【図9】本発明のベルト当接部の作用を説明する図
【図10】本発明の一実施例に係る軸受傾斜角度を説明する断面図
【図11】本発明の一実施例に係る寄り補正部を説明する概略図
【図12】本発明の一実施例に係る寄り補正部を説明する概略斜視図
【図13】本発明の一実施例に係るベルト1を省略したベルト搬送装置を説明する図
【図14】本発明の一実施例に係るベルト1を省略したベルト搬送装置を説明する斜視図
【図15】本発明の一実施例に係るカム部がストッパ部に当接したときの状態を説明する図
【図16】本発明の一実施例に係るベルト当接部の傾きを説明する図
【図17】本発明の実施例2に係るテンションローラと突き当て面を説明する斜視図
【図18】本発明の実施例2の突き当て面を説明する図
【図19】本発明の実施例2に係るベルト搬送装置の斜視図
【図20】本発明の実施例3に係るテンションローラと突き当て面を説明する斜視図
【図21】本発明の実施例3の突き当て面を説明する図
【図22】本発明の実施例3に係るベルト搬送装置の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例1)
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
先ず、図1〜図12を用いて実施例1に係るベルト搬送装置を中間転写ユニットとして備えた画像形成装置の構成について説明する。
【0014】
図1は本発明に係るベルト搬送装置を中間転写ユニットとして備えた画像形成装置100の構成を示す。画像形成装置100は、電子写真方式のカラーレーザービームプリンタの一例を示す。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、電子写真方式を用いた画像形成装置に広く適用可能なものである。画像形成装置100は、該画像形成装置100に通信可能に接続された図示しないパーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてきた画像信号に従って、電子写真方式により、記録シート、OHPシート等の転写材20にカラー画像を形成することができる。
【0015】
画像形成装置100内には、複数の画像形成手段として、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像を形成する複数の画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Kが略水平方向に直線状に配置されている。そして、各画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Kに対向するようにベルト搬送装置となる中間転写ユニット120が配置されている。中間転写ユニット120は、像担持ベルトとしての中間転写ベルトからなる回転可能な無端状のベルト1を、各画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Kと対向して回転移動可能に構成されている。
【0016】
ベルト1の移動に伴って、その上に各画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Kにて形成したトナー画像を順次転写する。その後、転写材20に一括して転写することによって、転写材20に所望の色数のトナー画像が転写されたカラー画像を形成することができる。各画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Kは、それぞれ形成するトナー画像の色が異なることを除けば、同一の構成、作用を有するものである。このため、以下、特に区別を要しない場合は、各画像形成ユニット110Y,110M,110C,110Kのいずれかに属する要素であることを示すためにY、M、C、Kの添え字は省略して単に画像形成ユニット110で代表させて説明する。関連する各画像形成手段についても同様とする。
【0017】
画像形成ユニット110では、周知の電子写真画像形成プロセスによってトナー画像を形成する。つまり、画像形成ユニット110には、静電潜像が形成される像担持体として円筒型の電子写真感光体からなる感光ドラム111が図1の矢印方向に回転可能に設けられている。画像形成動作においては、まず回転する感光ドラム111の表面を、帯電手段となる帯電ローラ112によって一様に帯電させる。
【0018】
次いで、コンピュータから送られてきた信号に従って、露光手段としてのレーザスキャナ130からレーザが発光し、帯電した感光ドラム111上を走査露光することによって該感光ドラム111上に静電潜像が形成される。感光ドラム111上(像担持体上)に形成された静電潜像には現像手段となる現像装置113が現像剤としてトナーを供給し、トナー画像として現像して可視像化する。
【0019】
感光ドラム111上に形成されたトナー画像は、一次転写手段となる一次転写ローラ121の作用によってベルト1上に静電的に転写される。一次転写ローラ121は、一次転写ニップ部T1においてベルト搬送装置となる中間転写ユニット120に設けられたベルト1を挟んで感光ドラム111とは反対側に配置される。
【0020】
上記のような画像形成プロセスによって、ベルト1の移動とタイミングをとって各画像形成ユニット110の感光ドラム111上に形成されたトナー画像は、順次、ベルト1上に重ね合わせて転写される。
【0021】
一方、転写材収容部140からピックアップローラ141等によって送り出された転写材20が、レジストローラ142においてタイミングをとって、二次転写手段となる二次転写ローラ143とベルト1とが当接する二次転写ニップ部T2へと搬送されてくる。ベルト1上に転写されたトナー画像は二次転写ニップ部T2において二次転写ローラ143の作用によって転写材20に静電的に転写される。
【0022】
次いで、転写材20はベルト1から分離されて定着ユニット150へと搬送され、ここで、転写材20上のトナー画像は加圧、加熱され、該転写材20上に強固に定着される。その後、転写材20は排出ローラ160によって搬送され、排出トレイ170上に排出される。
【0023】
画像形成装置100では、各画像形成ユニット110の感光ドラム111、帯電ローラ112、現像装置113は枠体によって一体的にカートリッジ化されて画像形成装置100に対して着脱可能なプロセスカートリッジとして構成されている。また、中間転写ユニット120も画像形成装置100に対して着脱自在とされている。
【0024】
次に、ベルト搬送装置となる中間転写ユニット120におけるベルト搬送部200の構成について説明する。ここで、ベルト搬送部200は、中間転写ユニット120の一部を示している。
【0025】
まず、図2を参照してベルト搬送部200のベルトの全体構成について説明する。図2はベルト搬送部200の外観を示す斜視図である。ベルト搬送部200には、回転可能な無端状のベルト1と、該ベルト1を張架して回転可能に支持するための複数の張架部材として、ベルト1を駆動するための第1の張架部材となる駆動ローラ2が設けられる。更に、ベルト1に従動回転する従動ローラ3及び第2の張架部材となるテンションローラ4が設けられる。即ち、3つの張架部材によりベルト1が回転可能に張架されている。
【0026】
駆動ローラ2、従動ローラ3は、それぞれ長手方向両端部を軸受5a,5b,6a,6bによって、それぞれ回転可能に支持されている。ここで、長手方向とはベルト1の回転方向と直交する方向である。そして、装置フレームに固定される側板7a,7bが、2つのローラを支持する軸受5a,5b,6a,6bをそれぞれ保持する。駆動ローラ2は、画像形成装置100に設けられた図示しないモータ等の駆動源から駆動が伝達されて回転する。これにより、ベルト1は図2の矢印B方向に回転移動する。従動ローラ3は、駆動ローラ2によってベルト1を移動させることで従動回転する。また、従動ローラ3は駆動ローラ2と略平行に支持される。
【0027】
第2の張架部材であるテンションローラ4は、図2の矢印T方向に移動可能に保持されており、T方向に付勢されることでベルト1をベルト内周面側から外周面側に付勢している。具体的に説明すると、テンションローラ4の両端部には、テンションローラ4の回転軸8を軸支する軸受9a,9bが設けられている。軸受9a,9bは、側板7a,7bにそれぞれ設けられた細長形状の軸受保持穴10a,10bに沿って滑動可能に保持されている。軸受9a,9bは、付勢手段として弾性部材となるバネ11a,11bによって付勢されており、これによってベルト1に張力を与えている。駆動ローラ2によってベルト1を移動させることでテンションローラ4はベルト1に従動回転する。
【0028】
ベルト搬送部200は、ベルト1の寄りを補正する寄り補正部としてのベルト調心機構を備える。本実施例のベルト調心機構は、ベルト1が該ベルト1の回転方向と直交する方向に寄った場合に、駆動ローラ2の回転中心となる回転軸2aと、テンションローラ4の回転軸8の成す角度を変更するものである。
【0029】
図3はベルト1の構成を示す斜視図、図4はベルト1の長手方向の断面図である。図3及び図4に示すように、ベルト1の内周面側で長手方向端部には凸部となるリブ12a,12bが離間間隔Laを有して取り付けられている。リブ12a,12bはベルト1の内周面に略垂直方向に起立し、ベルト1の全周に亘って連続的に設けられている。
【0030】
次に、図5〜図10を参照して、テンションローラ4の構成について説明する。
図5はテンションローラ4の斜視図、図6(a)は、テンションローラ4の長手方向断面図である。図6(b)は、図6(a)の長手方向の中央部分を拡大図である。
【0031】
図6に示すように、テンションローラ4は中空の筒状のスリーブ13と、スリーブ13内に挿通された回転軸8(テンションローラ軸8)を有して構成されている。テンションローラ軸8の長手方向両端側は、軸受9a、9bで保持されている。ベルト1はスリーブ13の外周面に巻き付けられており、スリーブ13はベルト内周面に接触してベルト内周面を支持するベルト当接体として機能する。スリーブ13の両端には、スリーブ13と一体的に回転するようにスリーブ13に固定されたフランジ部材15(15a、15b)が設けられている。フランジ部材15は、スリーブ13がテンションローラ軸8に対して傾くことができるように、内径がテンションローラ軸8よりも大きくなっている。
【0032】
テンションローラ軸8の長手方向略中央部に、当接体支持部が設けられている。テンションローラ軸8に嵌合されスリーブ13の内周面を支持する当接体支持部は、回転軸がテンションローラ軸8の軸方向に対して所定の角度傾けられた傾斜軸受内輪14aと、スリーブ接触部14を備える。この時、傾斜軸受内輪14aはテンションローラ軸8に対して回転できないように平行ピン(不図示)で回転止めがなされており、軸方向の移動、Eリング(不図示)で規制されている。なお、テンションローラ軸8と傾斜軸受内輪14aを一体で形成し、テンションローラ軸8に直接傾斜部を設けることで、スリーブ接触部14が傾くようにしても良い。
【0033】
そして長手方向略中央部においてスリーブ接触部14がスリーブ13と当接することによってスリーブ13を支持する。スリーブ接触部14は、テンションローラ軸8の両端にある軸受9a、9bを介してバネ11a、11bによる付勢力を受け、スリーブ13を内周面側から外周面側に支持している。即ち、スリーブ13の内面は、長手方向において、スリーブ接触部14によって1ヶ所で支持されている。図7は、図6(b)の断面線51で切断した図1の断面線51で切断した断面図である。図7に示すように、テンション方向は接触部W(当接体支持部のベルト内周面と当接する領域)で接触している。なお、スリーブ接触部14はスリーブ13の内径よりも小さい外径になっているため、スリーブ13はスリーブ接触部14に対して傾くことが可能である。
【0034】
図8は、本発明に適用可能な他の傾斜軸受内輪14aを説明する図である。図8(a)は、図2の断面線50で切断した全面図の長手方向中央部を拡大した図である。図8(b)は、図6(b)の断面線51で切断した断面図である。図8(a)、(b)に示すように、スリーブ接触部14の外形は、円柱形状でなくとも、例えば当接部が球体の球R面の一部のような形状でも良い。その際は、スリーブ接触部14の外形がスリーブ13の内径と同径の球体の一部をしており、スリーブ13と嵌合させても良い。
【0035】
次に、スリーブ接触部14の回転軸をテンションローラ軸8の回転軸に対して傾けることで、スリーブ13が一方向へ片寄せされる動作について説明する。
【0036】
図9は、図2の矢印50方向からテンションローラ4を見て、スリーブ13とフランジ部材15を透視し、スリーブ内面とスリーブ接触部14の接触部W(斜線部)にかかる摩擦力について説明するために、簡易的に示した図である(コロ16は不図示)。駆動ローラ2を駆動させることによってベルト1が回転移動を始め、それに伴ってスリーブ13は回転軸Xbを軸心に従動回転を始める。この際、スリーブ接触部14もスリーブ13との摩擦によって従動回転をするが、軸心が傾いているため、回転軸Xcを軸心として回転する。
【0037】
ここで、スリーブ接触部14が回転した際、接触部Wの領域においてスリーブ接触部14はスリーブ13に対して摩擦力Yを矢印の方向へ与える。スリーブ13は回転している間常にスリーブ接触部14から軸方向分力Yaの力を受けることとなり、N方向へ移動させる。そして、スリーブ13の移動先に軸受9aに設けられた突き当て面Zを設けることで、スリーブ13の外側にあるフランジ部材15aが軸受9aに設けられた突き当て面Zに当接することで軸方向の位置決めがなされる。
【0038】
本発明では、スリーブ13の傾く方向、傾き量によらず、スリーブ13を一方向へ寄せる構成にしているので、本実施例において、スリーブ13を図10のN方向へ片寄せしようとした際には、以下の条件式を満たす構成をとる。
【0039】
【数1】

【0040】
ただし、
【0041】
【数2】

【0042】
【数3】

【0043】
【数4】

【0044】
【数5】

【0045】
となる。
【0046】
なお、記号については、図10の水平軸O、テンションローラ軸の軸心Xa、スリーブ13の回転軸Xb、スリーブ接触部14の回転軸Xcとしている。さらに水平軸Oとテンションローラ軸の軸心Xaのなす角度θ、XaとXbのなす角度θ、XaとXcのなす角度θ、スリーブ13が最大傾ける角度θb max、両側のフランジ端面の間隔L、フランジ内径(外側部)D、(フランジ端面部における)軸径dとする。ここでは、回転方向に対してθ、θ矢印方向を正とする。
【0047】
また、上記式は本実施例の構成において、スリーブ13が寄る方向をN方向へ指定した条件式となっているが、M方向へ片寄せする場合は、以下の式を満たす構成とすれば良い。
【0048】
【数6】

【0049】
ただし、
【0050】
【数7】

【0051】
【数8】

【0052】
【数9】

【0053】
【数10】

【0054】
となる。
【0055】
さらに、本実施例では、テンションローラ軸8に対して、軸受4を傾斜させたが、軸受4が同軸で嵌合したテンションローラ軸8をスリーブ13に対して傾斜させても良く、その際のスリーブ13をN方向へ片寄せする条件は、以下のようになる。
【0056】
【数11】

【0057】
ただし、
【0058】
【数12】

【0059】
【数13】

【0060】
となる。
【0061】
また、上記式は軸受4が同軸で嵌合したテンションローラ軸8をスリーブ13に対して傾斜させた構成において、スリーブ13が寄る方向をN方向へ指定した条件となっているが、M方向へ片寄せする場合は、以下の式を満たす構成とすれば良い。
【0062】
【数14】

【0063】
ただし、
【0064】
【数15】

【0065】
【数16】

【0066】
となる。
【0067】
本実施例1は、テンションローラ4が備えるテンションローラ軸8に傾斜した傾斜軸受内輪14aと、スリーブ内周面に接触するスリーブ接触部14によって、スリーブ13を所定の方向に片寄せることが可能である。
【0068】
次に、本実施例の寄り補正部の構成と働きについて説明する。本実施例の寄り補正部は、ベルトの寄りを解消する方向にスリーブ13の軸の向きを自動的に変更する構成であり、自動調芯部とする。
【0069】
フランジ部材15には、フランジ部材15に対して回転自在にコロ16(16a、16b)が嵌合される。即ち、コロ16はスリーブ13とフランジ部材15に対して同軸で自由に回転できる。図11は、テンションローラ4の両端部の拡大図、図12はテンションローラ4の一方の端部の斜視図である。
【0070】
図11、図12に示すように、コロ16aは、フランジ部材15に嵌合された状態でスリーブ13の外径と略同一の外径であるベルト当接部16cを備える。さらに、コロ16は、ベルト当接部16cに対してリブ12の高さよりも大きい段差ができるように、外径がベルト当接部16cよりも小さいリブ離間部16dを備える。さらに、ベルト当接部16cとリブ離間部16dを繋ぐ斜面からなるリブ当接部16eを有する。尚、リブ当接部16eはコロ16aの軸方向と垂直な面で構成しても良い。図11のようにリブ離間部16dにはベルト1およびリブ12は接触しない。また、ベルト1が図の左右方向に移動すると、リブ12の側面がリブ当接部16eに接触する。なお、本実施例においては、リブ当接部16eの角度は軸方向に対して80度の角度に設定されている。コロ16bも、コロ16aと同様に、ベルト当接部16c、リブ離間部16d、リブ当接部16eを備える。また、ベルト1に設けられたリブ12の間隔Laは、両側のコロ16のリブ当接部16eのリブ12が当接する位置の幅Lbよりも大きく設定されており、どちらか一方のリブ12のみがコロ16a,bのリブ当接部16eに当接するようになっている。
【0071】
コロ16のベルト離間部16dのさらに外側にはカム部16fが設けられており、カム部16fはベルト長手方向の外側に位置している。
【0072】
図13はベルト搬送部200においてベルト1を省略した図である。側板7a、7bにはそれぞれカム部16fが当接するストッパ部17(17a、17b)が設けられ、カム部16Dの先端がストッパ部17に当たるとコロ16の回転が規制される。このとき、コロ16はフランジ部材15およびスリーブ13に対して自由に回転できるため、コロ16の回転が停止しても、コロ16を保持しているフランジ部材15およびスリーブ13はベルトに従動して回転し続けることができる。
【0073】
次に、図14〜図16を参照して、本実施例の寄り補正部の作用について説明する。
【0074】
図14はベルト搬送部200においてベルト1を省略した図である。ベルト1が駆動ローラ2によって駆動されて矢印Bf方向に回転移動している状態を前提として説明する。前述のような構成により、ベルト1がM方向またはN方向に移動すると、ベルト1に設けられたリブ12がコロ16に接触して、コロ16に回転力が加えられる。リブ12はリブ当接部16eの外側に設けられているため、ベルト1が図の右方向(矢印M方向)に移動した場合は図の左側のコロ16aに、ベルト1が図の左方向(矢印N方向)に移動した場合は図の右側のコロ16bに回転力が加わる。
【0075】
図15は、コロ16のカム部16fがストッパ部17に当接したときの状態を説明する図である。図15のように、コロ16はリブ12から受ける回転力によって矢印E方向に回転しようとするが、カム部16fがストッパ部17に当たることによって回転できなくなり、その反作用として図の破線の位置から実線の位置に押し上げられる。コロ16が押し上げられることによって、コロ16と同軸に嵌合しているフランジ部材15およびフランジ部材15に固定されたスリーブ13の端部も持ち上げられることになる。
【0076】
図16は、図2の断面線50でこのときのテンションローラ4を切断したときの状態を示す断面図である。図16の左側のコロ16aが図15のように作用した場合、スリーブ接触部14を支点として矢印F方向に回転して図の破線の位置から実線の位置に傾く。
【0077】
ここで、ベルト1が矢印M方向に寄った場合について説明する。この場合、図の左側のリブ12aがコロ16aに接触し、リブ12aとコロ16aのリブ当接部16eとの摩擦力によってコロ16aに回転力が加わる。しかしながら、コロ16aはカム部16fがストッパ部17aに当接して回転できず、前述のようにフランジ部材15aおよびスリーブ13の端部が矢印G方向(上方)に移動され、スリーブ13はスリーブ接触部14を支点に傾く。このときスリーブ13の反対側の図の右側の端部は矢印H方向(下方)に移動するが、コロ16bはリブ12bとは接触しておらず回転力が加わっていないため、スリーブ13が矢印H方向に移動する妨げにはならない。
【0078】
このようにスリーブ13が駆動ローラ2および従動ローラ3に対して傾くと、ベルト1は矢印M方向への寄り傾向が減退し、反対に矢印N方向に寄り始めるため、リブ12aはコロ16aのリブ当接部16eから離間する。
【0079】
この作用によって、当初ベルト1が図中矢印M方向に寄った場合は、リブ12aとコロ16aとの接触が無くなるまで寄り傾向を打ち消す方向に駆動ローラ2の軸に対するスリーブ13の軸の向きが調整される。
【0080】
同様に、ベルト1が矢印N方向(上記とは逆方向)に寄った場合は、反対側のコロ16bにリブ12bの側面が接触し、同様の作用によってスリーブ13が上記とは逆向きに傾くことによって、ベルト1が矢印M方向に移動するようになる。
【0081】
このように、ベルト1が片寄ることによってベルトに取り付けられたリブ12がコロ16と接触してコロ16に回転力が加えられ、その力でコロ16によって直接スリーブ13及びテンションローラ回転軸8を傾けることができる。即ち、ベルト1の片寄り力を直接テンションローラ4を傾ける力に変換することができ、その結果、テンションローラ4を駆動ローラ2および従動ローラ3に対して傾かせることができる。
【0082】
寄り補正部によって、テンションローラ4を傾ける際に、テンションローラのベルト内周面に接触するスリーブ13が長手方向に移動すると、テンションローラに接触するベルト1の内周面に摩擦力が働き、寄り補正部の補正力を低減してしまう。しかしながら、本実施例は、当接体支持部によって、テンションローラ4のスリーブ13を長手方向一方向に片寄せしているので、寄り補正部によってテンションローラ4が傾いても確実に寄りを補正する力をベルト内周面に伝達することが可能である。
【0083】
なお、本実施例ではベルト搬送部200は3本のローラを使用したものであるとして説明したが、本発明においては少なくとも駆動ローラ2およびテンションローラ4の2本のローラがあれば良い。また3本以上のローラの場合においても少なくとも1つのローラに本実施例のテンションローラ4の機構を設けることで、ベルト1の調心作用を作動させることが可能である。
【0084】
以上、本実施例によれば、ベルトが長手方向の一端側に寄った場合に第1の張架部材の回転軸に対して第2の張架部材の回転軸を傾けることでベルトの寄りを補正する構成において、第2の張架部材の長手方向の移動を規制しつつ、ベルトの寄りを解消するベルト搬送装置を提供することが可能になる。さらに、上記ベルト搬送装置を備える画像形成装置を提供することが可能になる。
【0085】
(実施例2)
次に、本発明の他の実施例について図17から図19を参照して説明する。本実施例において、本発明が適用される画像形成装置、画像形成装置が備えるベルト搬送部の基本構成は、実施例1のものと同じであるので、実施例1のものと同一もしくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0086】
図17は、本実施例に係るテンションローラ4の一方を拡大した図であり(ただし、ベルト1、リブ12a、コロ16aは省略してある)、実施例1の突き当て面Zの一部に突き当て面凸部Zaを設けている。図18は、切断面60で切断した際に矢印61方向から見た概略図である。
【0087】
図17から図18の説明は、図13におけるテンションローラ4の左端部に、フランジ部材15に当接する突き当て面Zと突き当て凸部Zaを設けた説明図である。本実施例においても、テンションローラ4の軸受部の構成を実施例1と同様にテンションローラ軸8に対して、スリーブ接触部14の回転軸を傾けているため、スリーブ13は矢印Nの方向へ片寄せされる。スリーブ13が矢印Nの方向へ移動すると、フランジ部材15aもN方向に移動する。フランジ部材15aの端面15cが突き当て面凸部Zaに当接したところで軸方向の移動は止まり、両者が当接しながら矢印Vの方向へ回転することになる。
【0088】
この時のフランジ部材15aと突き当て面凸部Zaにかかる力の関係について図18を用いて説明する。フランジ部材15aは、突き当て面凸部Zaの22の領域でフランジ部材端面15cと摺動しながら矢印Vの方向へ回転している。両者の当接面22の領域において、フランジ部材端面15cは突き当て面凸部ZaにUの方向へ摩擦力を与えており、逆に、フランジ部材端面15cは突き当て面凸部ZaからUNの方向へ前記摩擦力の反力を受けていることとなる。その結果、フランジ部材15aはスリーブ13と共に矢印Pの方向へ傾動する。なお、T方向には大きな力でテンションがかけられているため、ここで発生する摩擦力ではT方向に動く量は無視できる。その結果、図19に示すように、スリーブ13の左側端部が下方(矢印P方向)に、右側端部が上方(矢印R方向)に移動するように傾けられる。よって、矢印Bf方向に回転移動するベルト1は矢印M方向(一端側方向)に片寄る。
【0089】
ベルト1が矢印M方向に寄ると、実施例1で説明したように、リブ12aがコロ16aに接触してコロ16aに回転力が加わることによってスリーブ13の左側端部を上方(矢印Q方向)に移動させようとする力が発生する。フランジ部材端面15cによる摩擦力を、コロ16aによるスリーブ13を持ち上げる力よりも十分に小さく設定することによって、コロ16aによってスリーブ13は左側端部が上方(矢印Q方向)、右側端部が下方(矢印S方向)に移動するように傾く。これによって、ベルト1はこれまでとは逆に矢印N方向(他端側方向)に移動し始める。
【0090】
ベルト1が矢印N方向に移動すると、リブ12aがコロ16aと離間し、コロ16aにかかっていた回転力がなくなるため、コロ16aがスリーブ13の左側端部を持ち上げる力が働かなくなる。そのため、フランジ部材端面15cの摩擦力によってスリーブ13は再度左側端部が下方(矢印P方向)、右側端部が上方(矢印R方向)に移動するように傾き、ベルト1は再度矢印M方向に移動し始める。
【0091】
このように、ベルト1は矢印M方向に移動したときはコロ16aの作用で矢印N方向に移動するように、矢印N方向に移動したときはフランジ部材端面15cの摩擦力の傾動作用で矢印M方向に移動するようにスリーブ13の傾きが補正される。これを繰り返すことでベルト1が一方に寄り続けることを防止することができる。
【0092】
したがって、反対側のリブ12bやコロ16bは必要なく、テンションローラ4の片側のみに本発明の調心機構を設けることでベルト1の片寄りを防止することが可能であるため、構成の更なる簡略化、コストの削減が可能である。尚、説明では、テンションローラ4の左端部に突き当て面Zと突き当て凸部Zaを設けた構成を説明したが、テンションローラ4の右端部側に設けてもよい。
【0093】
(実施例3)
次に、本発明の他の実施例について図20から図22を参照して説明する。本実施例において、本発明が適用される画像形成装置、画像形成装置が備えるベルト搬送部の基本構成は、実施例1のものと同じであるので、実施例1のものと同一もしくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0094】
図20は、本発明の第3の実施例に係るテンションローラ4の一方を拡大した図である。(ただし、ベルト1、リブ12a、コロ16aは省略してある)。実施例1の突き当て面Zの一部を、軸受9aとは異なった摩擦係数の部材で突き当て面Zbを設けており、突き当て面ZとZbは略同一平面状にある。この際、突き当て面Zbの摩擦係数は、突き当て面Zの他の箇所の摩擦係数に比べて十分大きくなるよう材質を選定する。なお、突き当て面Zと突き当て面Zbで材質を変えて摩擦係数を変えずとも、Zb部の表面粗さを変更して、Z部より十分大きな摩擦係数となるようにしても良い。
【0095】
図21は、切断面60で切断した際に61方向から見た図であり、スリーブ13の傾動機構に係る力の関係図である。ここでは、この傾動機構を図13の左側部に設けた場合について説明する。本実施例においても、テンションローラ4の軸受部の構成を実施例1と同様にテンションローラ軸8に対して、スリーブ接触部14の回転軸を傾けているため、スリーブ13は矢印Nの方向へ片寄せされる。スリーブ13が矢印Nの方向へ移動すると、フランジ部材15aの端面15cが突き当て面Z、Zbに当接したところで軸方向の移動は止まり、両者が当接しながら矢印Vの方向へ回転することになる。
【0096】
この時のフランジ部材15aと突き当て面Z、Zbにかかる力の関係を図22を用いて説明する。フランジ部材15aは、突き当て面Zと23の領域で、Zbと22の領域で、フランジ部材端面15cと摺動しながら矢印Vの方向へ回転している。フランジ部材端面15cは、当接面23の領域において突き当て面ZにU23の方向へ摩擦力を与えており、当接面22の領域において突き当て面ZbにはU22の方向へ摩擦力を与えている。逆に、フランジ部材端面15cは、当接面23の領域において突き当て面ZからU23Nの方向へ前記摩擦力の反力を受けており、当接面22の領域において突き当て面ZからU22Nの方向へ前記摩擦力の反力を受けていることとなる。しかし、この時突き当て面Zの摩擦係数は、突き当て面Zbの摩擦係数に比べて十分小さく設定されているので、当接面23にかかる摩擦力は十分小さく無視できる。その結果、フランジ部材15aには前記摩擦力の反力のみがU22N方向にかかると考えられる。そのため、フランジ部材15aはスリーブ13と共に矢印Pの方向へ傾動する。
【0097】
なお、T方向には大きな力でテンションがかけられているため、ここで発生する摩擦力ではT方向に動く量は無視できる。その結果、図22に示すように、スリーブ13の左側端部が下方(矢印P方向)に、右側端部が上方(矢印R方向)に移動するように傾けられているため、実施例2と同様の効果を得ることができる。
【0098】
即ち、ベルト1は矢印M方向に移動したときはコロ16aの作用で矢印N方向に移動するように、矢印N方向に移動したときはフランジ部材端面15cの摩擦力の傾動作用で矢印M方向に移動するようにスリーブ13の傾きが補正される。これを繰り返すことでベルト1が一方に寄り続けることを防止することができる。
【0099】
したがって、反対側のリブ12bやコロ16bは必要なく、テンションローラ4の片側のみに本発明の調心機構を設けることでベルト1の片寄りを防止することが可能であるため、構成の更なる簡略化、コストの削減が可能である。尚、説明では、テンションローラ4の左端部に突き当て面Zと突き当て凸部Zaを設けた構成を説明したが、テンションローラ4の右端部側に設けてもよい。
【0100】
以上の実施例のベルト搬送装置は、中間転写ベルトユニット200として説明したが、その他の構成であっても良い。具体的には、搬送される転写材に感光ドラムから直接トナー像を転写する方式の画像形成装置に使用される転写材搬送ベルトユニットや、二次転写ニップ部に転写材を搬送する搬送ベルトユニット等にも、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 ベルト
4 テンションローラ
8 テンションローラ軸
12a、12b リブ
13 スリーブ
14a 傾斜軸受内輪
15 フランジ部材
15c フランジ部材端面
16a、16b コロ
17a、17b ストッパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な無端状のベルトと、前記ベルトを張架する第1の張架部材と、前記ベルトを張架する第2の張架部材と、前記ベルトが前記ベルトの回転方向と直交する長手方向の一端に寄った場合に前記第1の張架部材の回転軸に対して前記第2の張架部材の回転軸を傾けることで前記ベルトの寄りを補正する寄り補正部と、を備えるベルト搬送装置において、
前記第2の張架部材は、前記ベルトの内周面に接触して支持する筒状のベルト当接体と、前記ベルト当接体の内周面側に設けられた回転軸と、前記回転軸に嵌合され前記ベルト当接体の内周面を支持する当接体支持部と、を備え、前記当接体支持部の前記ベルト内周面と当接する領域は前記回転軸に対して傾いていることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項2】
前記ベルトは前記ベルトの内周面にリブを備え、前記寄り補正部は前記ベルトが前記長手方向の一端に寄った際に前記リブと当接するリブ当接部とリブ当接部に接続されたカム部とを備えることを特徴とする請求項1に記載のベルト搬送装置。
【請求項3】
前記寄り補正部は、前記ベルトが前記長手方向の一端側に寄った際に前記ベルトの他端側の内周面に設けられた前記リブと前記リブ当接部が当接し、前記ベルトの寄り力によって前記リブ当接部と前記カム部を回転させることで、前記第1の張架部材の回転軸に対して前記第2の張架部材の回転軸を傾けることを特徴とする請求項2に記載のベルト搬送装置。
【請求項4】
前記当接体支持部によって前記ベルトに働く力によって前記ベルトは前記長手方向の一端側へ移動し、前記ベルトの移動によって前記リブと前記リブ当接部が当接し前記第1の張架部材の回転軸に対して前記第2の張架部材の回転軸を傾けることで、前記ベルトを前記長手方向の他端側へ移動させることを特徴とする請求項2に記載のベルト搬送装置。
【請求項5】
前記第2の張架部材は前記ベルト当接体の前記長手方向における端部の内周面を支持するフランジを備え、前記長手方向における前記フランジの端面を突き当て面に当接させることで前記ベルト当接体の前記長手方向における位置を規制することを特徴とする請求項4に記載のベルト搬送装置。
【請求項6】
前記突き当て面の一部は凸部であり、前記凸部に前記フランジの端面が当接することを特徴とする請求項5に記載のベルト搬送装置。
【請求項7】
前記突き当て面の前記フランジと当接する箇所の少なくとも一部の摩擦係数が、前記当接する他の箇所の摩擦係数よりも高いことを特徴とする請求項5に記載のベルト搬送装置。
【請求項8】
前記当接体支持部は、前記ベルトの前記長手方向の中央に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のベルト搬送装置。
【請求項9】
トナー像を担持する像担持体と、回転可能な無端状のベルトと前記ベルトを張架する第1の張架部材と前記ベルトを張架する第2の張架部材と前記ベルトが前記ベルトの回転方向と直交する長手方向の一端に寄った場合に前記第1の張架部材の回転軸に対して前記第2の張架部材の回転軸を傾けることで前記ベルトの寄りを補正する寄り補正部と、を備えるベルト搬送装置と、を有し、前記像担持体上のトナー像を前記ベルト又は前記ベルトが搬送する転写材に転写する画像形成装置において、
前記第2の張架部材は、前記ベルトの内周面に接触して支持する筒状のベルト当接体と、前記ベルト当接体の内周面側に設けられた回転軸と、前記回転軸に嵌合され前記ベルト当接体の内周面を支持する当接体支持部と、を備え、前記当接体支持部の前記ベルト内周面と当接する領域は前記回転軸に対して傾いていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記ベルトは前記ベルトの内周面にリブを備え、前記寄り補正部は前記ベルトが前記長手方向の一端に寄った際に前記リブと当接するリブ当接部とリブ当接部に接続されたカム部とを備えることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記寄り補正部は、前記ベルトが前記長手方向の一端側に寄った際に前記ベルトの他端側の内周面に設けられた前記リブと前記リブ当接部が当接し、前記ベルトの寄り力によって前記リブ当接部と前記カム部を回転させることで、前記第1の張架部材の回転軸に対して前記第2の張架部材の回転軸を傾けることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記当接体支持部によって前記ベルトに働く力によって前記ベルトは前記長手方向の一端側へ移動し、前記ベルトの移動によって前記リブと前記リブ当接部が当接し前記第1の張架部材の回転軸に対して前記第2の張架部材の回転軸を傾けることで、前記ベルトを前記長手方向の他端側へ移動させることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第2の張架部材は前記ベルト当接体の前記長手方向における端部の内周面を支持するフランジを備え、前記長手方向における前記フランジの端面を突き当て面に当接させることで前記ベルト当接体の前記長手方向における位置を規制することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記突き当て面の一部は凸部であり、前記凸部に前記フランジの端面が当接することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記突き当て面の前記フランジと当接する箇所の少なくとも一部の摩擦係数が、前記当接する他の箇所の摩擦係数よりも高いことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−114082(P2013−114082A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260886(P2011−260886)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】