説明

ベルト装置および画像形成装置

【課題】コスト上昇を招くことなく簡易な構成によりベルトの耐久性および異常画像の発生防止がそれぞれ可能な構成を備えたベルト装置を提供する。
【解決手段】複数のローラに掛け渡されたベルト15を備えたベルト装置において、前記ベルト15が掛け回されるローラ20の軸方向端部に前記ベルトの端面を突き当てることが可能な突き当て部材26を備え、前記突き当て部材26と前記ベルト15との接触位置近傍には、前記ベルト15の厚さ方向で該ベルト表面から押圧して該ベルトに発生するうねりを抑止する押さえ部材50Aが設けられていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、ベルトの寄り規制構造に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プリンタや複写機あるいはファクシミリ装置や印刷機等の画像形成装置においては、潜像担持体や画像転写体としてあるいは記録シートなどの記録媒体の搬送部材として無端ベルトを用いる場合がある。
ベルトは、複数のローラに掛け回され、その一つにより駆動されて所定方向に移動する構成が一般的に知られている。
【0003】
ローラに掛け回され、ローラとの摩擦接触によって移動するベルトは、ローラの軸方向での摩擦関係や軸線の傾きなどにより蛇行することがある。この場合の蛇行は、ローラの軸方向に平行するベルトの幅方向のいずれかに偏倚しながら移動することを意味する。
【0004】
画像形成装置には、単一色だけでなく複数色の画像を重畳してフルカラー画像を形成する場合もあり、ベルトがこれら各色の画像を転写するために用いられる場合には、ベルトの蛇行によりベルト上での画像に対する転写位置が変化してしまうと色ずれなどの異常画像が発生する。
【0005】
従来、ベルトの蛇行を防止する構成として、ベルト裏面におけるローラの端面に近接する位置にブロック体などを一体化し、このブロック体がローラ端面と衝突することでベルトの幅方向の位置変化を規制する構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【0006】
一方、ブロック体を用いた場合に、ベルトの押圧を行うことでベルトがローラ外周面に乗り上げるのを防止する構成も提案されている(例えば、特許文献2,3,4)
ベルトの蛇行を防止する構成として、上述したブロック体を設ける代わりに、ローラの軸方向端面にフランジなどを設け、フランジによりベルトの蛇行を防止するようにした構成も提案されている(例えば、特許文献5,6)。
【0007】
【特許文献1】特許第3523503号
【特許文献2】特開平05−204199号公報
【特許文献3】特開2004−226746号公報
【特許文献4】特開平11−161055号公報
【特許文献5】特許第3223771号
【特許文献6】特開平05−134486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献に開示されている構成において、ベルトの蛇行をローラの軸方向端面に設けたフランジを用いて抑制する構成では、ベルト裏面に設けられているブロック体とローラ端面との衝突時の衝撃が生じないなどの利点がある反面、次のような問題がある。
ベルトの端面をフランジに突き当てる構成においては、ベルトが掛け回されているローラ間での位置公差ずれやローラの軸線傾きなどによりローラ軸方向でベルトに生じる張力偏差が発生することがあると、ベルトの幅方向での寄り力が過剰に発生する。また、寄り力の過剰な発生は、ローラの摩擦係数が軸方向で異なっているような場合にも起こる。
【0009】
ベルトが幅方向で過剰な寄り力を発生すると、フランジに突き当たった際にベルトに座屈が発生し、この状態が長期間継続するとベルトの耐久性が損ねられてしまう。そこで、ベルトの耐久性を考慮して高剛性を有したベルトを用いることも可能であるが、コストの上昇を招くという新たな問題が生じる。
【0010】
本発明の目的は、上記従来のベルト装置における問題に鑑み、コスト上昇を招くことなく簡易な構成によりベルトの耐久性および異常画像の発生防止がそれぞれ可能な構成を備えたベルト装置および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため、本発明は次の構成よりなる。
(1)複数のローラに掛け渡されたベルトを備えたベルト装置において、
前記ローラの軸方向端部に前記ベルトの端面を突き当てることが可能な突き当て部材を備え、
前記突き当て部材と前記ベルトとの接触位置近傍には、前記ベルトの厚さ方向で該ベルト表面から押圧して該ベルトに発生するうねりを抑止する押さえ部材が設けられていることを特徴とするベルト装置。
【0012】
(2)前記押さえ部材が前記ベルトの幅方向における画像形成領域外に配置されていることを特徴とする(1)に記載のベルト装置。
【0013】
(3)前記押さえ部材は、前記ベルトが周面に掛け回されているローラの回転方向においてベルトが前記周面に接触し始める側に相当する上流側に配置されていることを特徴とする(1)または(2)に記載のベルト装置。
【0014】
(4)前記押さえ部材によるベルトの押さえ位置が、前記ローラに装備されている突き当て部材に接触している前記ベルト端面近傍であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のベルト装置。
【0015】
(5)前記押さえ部材が前記ベルトに接触可能な摺動部材であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のベルト装置。
【0016】
(6)前記押さえ部材における少なくとも前記ベルトとの接触面にはフェルトが用いられることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載のベルト装置。
【0017】
(7)前記押さえ部材が、前記ベルトに接触しながら該ベルトの移動に連動する回転部材であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のベルト装置。
【0018】
(8)前記押さえ部材が、前記ローラおよびベルトとは別に設けられている不動部により支持されていることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれかに記載のベルト装置。
【0019】
(9)前記押さえ部材が、前記ベルトに対して接離可能に設けられていることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載のベルト装置。
【0020】
(10)前記押さえ部材が、前記ローラの支持が可能な不動部と一体に設置されて前記ベルトの厚さ方向で前記ベルト表面から押圧可能であることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載のベルト装置。
【0021】
(11)前記押さえ部材が、前記ベルトの厚さ方向で該ベルトの表面に向け加圧付勢されていることを特徴とする(1)乃至(10)のいずれかに記載のベルト装置。
【0022】
(12)前記押さえ部材が、前記ベルトの幅方向で変位可能であることを特徴とする(1)乃至(11)のいずれかに記載のベルト装置。
【0023】
(13)前記押さえ部材が、前記ローラに掛け回されているベルトの周回位置で該ベルトを弾性的に接触していることを特徴とする(1)乃至(12)のいずれかに記載のベルト装置。
【0024】
(14)前記押さえ部材が、前記ベルトとの接触面を基準として、前記ローラの回転方向下流側に位置する面を係止される構成であることを特徴とする(1)乃至(6)または(8)乃至(13)のいずれかに記載のベルト装置。
【0025】
(15)前記押さえ部材が、前記突き当て部材を挟んで前記ベルト端面側と該突き当て部材の外側に位置する部材との間に跨って設けられていることを特徴とする(1)乃至(14)のいずれかに記載のベルト装置。
【0026】
(16)前記押さえ部材は、前記ベルトが掛け回されているローラと前記突き当て部材とが連動する場合に前記突き当て部材を挟んで前記ベルト端面と反対側に相当する突き当て部材の外側に位置する部材に一部が支持されて前記ベルトの表面に接触していることを特徴とする(15)に記載のベルト装置。
【0027】
(17)前記押さえ部材は、前記ベルトが掛け回されているローラに対して前記突き当て部材が固定されている場合に前記突き当て部材に一部が支持されて前記ベルトの表面に接触していることを特徴とする(15)に記載のベルト装置。
【0028】
(18)前記ローラの近傍には前記ベルト上に形成されるトナーマークを検知するトナーマーク検知センサ取り付け部が設けられ、該トナーマーク検知センサ取り付け部に前記押さえ部材が支持されていることを特徴とする(1)乃至(17)のいずれかに記載のベルト装置。
【0029】
(19)前記トナーマーク検知センサ取り付け部は、前記ベルトの幅方向に沿って変位可能であることを特徴とする(18)に記載のベルト装置。
【0030】
(20)(1)乃至(19)のいずれかに記載のベルト装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【0031】
(21)前記ローラ近傍にトナーマーク検知センサ取り付け部を有し、該トナーマーク検知センサ取り付け部には、前記ベルト端面近傍をその表面側から押圧する押さえ部材が設けられていることを特徴とする(20)に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、突き当て部材によるベルト端面の偏倚規制を行う構成を用いた場合に、ベルト端面が突き当て部材に突き当たった際に発生する座屈が押さえ部材により抑止される。これにより、座屈変形した場合のベルトの耐久性の悪化や画像同士の位置ずれなどを確実に防止することができる。特に、押さえ部材は、突き当て部材に突き当たるベルト端面近傍の表面を積極的に押さえる構成であるので、ベルトとローラ表面との間に隙間ができる現象である浮き上がりを押さえる場合と違ってベルトでのうねりそのものの発生、換言すれば、ベルトの変形を未然に防止して座屈変形が発生するのを確実に防止することができる。
【0033】
しかも、ベルトの座屈防止のための構成としては押さえ部材を設けるだけの簡単な構成で済むので、ベルトの高剛性化によるコスト上昇などを招くことなくベルトの耐久性を向上させると共に色ずれなどの異常画像の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面により本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明によるベルト装置を用いる画像形成装置を示す模式図であり、同図に示す画像形成装置は、ベルトを転写体として用いることでそのベルトに対して複数色の画像を重畳してフルカラー画像を形成する構成を備えている。
【0035】
図1において符号1は、潜像担持体に相当する、φ24に設定された円筒形の感光体ドラムを示しており、感光体ドラム1は、周速120mm/sで回転している。
感光体ドラム1の表面には帯電手段であるローラ形状の帯電器2が圧接されており、感光体1の回転により従動回転できるようになっている。
帯電器2は、図示しない高圧電源によりDCあるいはDCにACが重畳されたバイアスが印加されることで感光体ドラム1が一様に表面電位−500Vに帯電されている。
【0036】
感光体ドラム1は、帯電後、潜像形成手段である露光手段3により画像情報が露光され、静電潜像が形成される。
この露光工程はレーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナやLEDなどでおこなわれる。
【0037】
図1において符号4は、現像手段である1成分接触現像器であり、図示しない高圧電源から供給される所定の現像バイアスによって、感光体ドラム1の静電潜像をトナー像として顕像化する。本実施例において現像器4には一成分トナーが初期180g収納される。なお、現像器に関しては、二成分現像器や非接触現像器であってもよい。
【0038】
図1において符号10は、感光体ドラム1、帯電器2および現像器4が一体化されたプロセスユニットを示している。
プロセスユニット10は並列に4個配設され、フルカラー画像形成時はブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順で可視像が各プロセスユニット10において形成されると、各色の可視像が、感光体ドラム1に当接している中間転写ベルト15に順次重ね転写されることでフルカラー画像が形成される。
【0039】
中間転写ベルト15は、駆動兼2次転写対向ローラ21(後述)、金属製のクリーニング対向ローラ16、1次転写ローラ5(後述)、テンションローラ20(後述)に掛け回されて張架されており、図示しない駆動モータにより駆動ローラ21を介して回転駆動されるようになっている。なおベルト張力を付与するために、テンションローラ20には、軸方向両側に図示しないが、バネなどの弾性体が配置されており、この弾性体により中間転写ベルト15を展張する方向に弾性力を付与している。
テンションローラ20はφ19、幅231mmのアルミニウム製パイプ形状であり、両端部には図2および図3に示すように、ローラ外径よりも大径となる、φ22の突き当て部材に相当するフランジ26が圧入されている。フランジ26は、中間転写ベルト15の幅方向端面が突き当たることで中間転写ベルト15の蛇行を規制する規制部材として機能するようになっている。なお中間転写ベルト15の搬送方向は図2の矢印の向きである。
【0040】
駆動ローラ21は、ポリウレタンゴム(肉厚0.3〜1mm)、薄層コーティングローラ(肉厚0.03〜0.1mm)等が使用可能であるが、本実施例としては温度による径変化が小さいウレタンコーティングローラ(肉厚0.05、φ19)が使用されている。
【0041】
1次転写部材5として、導電ブレードや導電スポンジローラ、金属ローラ等が使用可能であるが、本実施例ではφ8の金属ローラを用い、感光体1に対して中間転写ベルト15の移動方向に8mm、垂直上方向に1mmオフセット配置させてある。
中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム1に対向する1次転写ローラ5には、図示しない単独の高圧電源により所定の転写バイアス+500〜+1000Vを共通に印加させることで中間転写ベルト15を介して転写電界を形成し、感光体ドラム1上のトナー画像を中間転写ベルト15に静電転写するようになっている。
【0042】
図1に示す画像形成装置には、中間転写ベルト15に形成されるトナーマークを検知してトナー濃度や各色転写位置測定などを実行するためのトナーマーク検知センサ17が設けられている。トナーマーク検知センサ17は、テンションローラ20近傍に配置されているトナーマーク検知センサ取り付け部17Aに設けられている正反射型あるいは拡散型の光学センサで構成され、検知結果に応じて画像濃度や色合わせ(位置合わせ)をのフィードバック制御に用いられる。
【0043】
図1において符号32は中間転写ベルトクリーニングユニットであり、クリーニングブレード31により中間転写ベルト15上の転写残トナーを掻き取ることでクリーニングを行う機能を有している。
クリーニングブレード材質としては、厚さ1.5〜3mm、ゴム硬度65〜80°のウレタンゴムを使用し、中間転写ベルト15に対してカウンタ当接させている。掻き取られた転写残トナーは図示しないトナー搬送経路を通り中間転写体用廃トナー収納部33に収納される。
【0044】
中間転写ベルト15のクリーニングニップ部に該当する部分、あるいはクリーニングブレード31のエッジ部、の少なくとも一方は、組み付け時に潤滑剤、トナー、ステアリン酸亜鉛等の塗布剤が塗布されており、クリーニングニップ部におけるブレード捲れ上がりを防止するとともに、クリーニングニップ部にダム層を形成しクリーニング性能を高めている。
【0045】
なお、中間転写ベルト15を張架している各ローラは、図示しない中間転写ベルトユニット側板によって中間転写ベルト15の両側より支持されている。
中間転写ベルト15に用いる材質としては、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、TPE(熱可塑性エラストマー)等にカーボンブラック等の導電性材料を分散させ樹脂フィルム状のエンドレスベルトとしたものが用いられるが、本実施例では引張弾性率1000〜2000MPaのTPEにカーボンブラックを添加した単層構造の構成で厚さ90〜160μm、幅230mmのベルトが用いられる。
【0046】
また中間転写ベルト15の抵抗としては、23℃50%RHの環境にて体積抵抗率10〜1011Ω・cm、表面抵抗率10〜1011Ω/□(共に三菱化学社製HirestaUP MCP−HT450にて測定、印加電圧500V、印加時間10秒)の範囲であることが望ましい。
【0047】
中間転写ベルト15の体積抵抗率および表面抵抗率が上述した範囲を超えると、中間転写ベルト15が帯電するため、作像順の下流へ行くほど、設定電圧値を高く設定するなどの処置が必要となるため1次転写部へ単独の供給電源を使用する事が困難となる。これは転写工程、転写材剥離工程などで発生する放電によって中間転写ベルト15表面の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるためであり、対策には中間転写ベルト15の除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。従って、本発明における中間転写ベルト15の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内とした。
【0048】
図1において符号25は2次転写ローラである。
2次転写ローラ25はφ6のSUS等の金属芯金上に、導電性材料によって10〜1010Ωの抵抗値に調整されたウレタン等の弾性体を被覆することでφ19、幅222mmに構成されている。その材料としては、イオン導電性ローラ(ウレタン+カーボン分散、NBR、ヒドリン)や電子導電タイプのローラ(EPDM)等が用いられるが、本実施例ではφ19、アスカーC硬度35〜50°のウレタンローラを用いた。ここで、2次転写ローラ25の抵抗値が上記範囲を超えると電流が流れ難くなるため、必要な転写性を得る為にはより高電圧を印加しなければならなくなり、電源コストの増大を招く。また、高電圧を印加する必要生じるため転写部ニップ前後の空隙にて放電が起こり、ハーフトーン画像上に放電による白ポチ抜けが発生する。これは低温低湿環境(例えば10℃15%RH)で顕著である。逆に、2次転写ローラ25の抵抗値が上記範囲を下回ると同一画像上に存在する複数色画像部(例えば3色重ね像)と単色画像部との転写性が両立できなくなる。これは、2次転写ローラ25の抵抗値が低い為、比較的低電圧で単色画像部を転写するのに十分な電流が流れるが、複数色画像部を転写するには単色画像部に最適な電圧よりも高い電圧値が必要となるため、複数色画像部を転写できる電圧に設定すると単色画像では転写電流過剰となり転写効率の低減を招くからである。
【0049】
なお、2次転写ローラ25の抵抗値測定は、導電性の金属製板にローラ25を設置し、芯金両端部にそれぞれ片側4.9Nの荷重を掛けた状態にて、芯金と前記金属製板との間に1kVの電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。
【0050】
給紙カセットなどの収容部に積載されているシートなどの転写材22は給紙搬送ローラ23、レジストローラ対24によって、中間転写ベルト15表面のトナー画像先端部が2次転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙され、図示しない高圧電源により所定の転写バイアスを印加することで中間転写ベルト15上のトナー画像が転写材22に転移する。本実施例における画像形成装置では、給紙経路として縦型パスをとっている。転写材22は2次転写対向ローラ21の曲率によって中間転写ベルト15から分離され、転写材22に転写されたトナー画像は定着手段40によって定着された後、排紙される。
【0051】
さらに、本実施例では転写材22の種類によって定着時のプロセス速度を変更するようにした。具体的には坪量100g/m紙以上の転写材を用いる場合にはプロセス速度を半速となるようにし、定着ローラ対によって構成される定着ニップを転写材が通常プロセス速度の2倍の時間を掛けて通過することで、トナー画像の定着性を確保できるようにした。
【0052】
以上のような構成を備えた画像形成装置においては、中間転写ベルト15が、テンションローラ20に設けられているフランジ部26により幅方向端面を突き当てることで蛇行を抑止されるようになっているが、本実施例では、前述した理由により端面を突き当てた場合に発生する中間転写ベルト15の座屈変形を抑止する構成が設けられている。
【0053】
以下、この構成について説明する。
図4は、中間転写ベルト15の座屈変形防止構造の原理を説明する模式図である。同図においてテンションローラ20に装備されているフランジ26と中間転写ベルト15との接触位置近傍には、中間転写ベルト15の厚さ方向で中間転写ベルト15の表面(この場合の表面とは、感光体1と対向する表面をいう)側からこれを押圧して中間転写ベルト15に発生するうねりを抑止する押さえ部材50Aがホルダ51を介して設けられている。
押さえ部材50Aは、テンションローラ20の軸方向に平行する中間転写ベルト20の幅方向で画像形成領域外に位置し、特に、突き当て部材に相当するフランジ26に当接する中間転写ベルト15の端面近傍が押さえられる位置となるように配置されている。
押さえ部材50Aは、中間転写ベルト20の表面を押圧する際に、中間転写ベルト20の移動に抵抗とならないように摺動可能な部材であり、このための材質として、摺動性樹脂である摺動POM、摺動ABSや、摺動スポンジ、フェルト材等が用いられている。また、中間転写ベルト20の幅方向における押さえ部材50Aの押圧面での寸法としては、中間転写ベルト15上の画像領域として、A4紙横サイズ210mmおよびレター紙横サイズ216mm以上を確保する必要があるため、押さえ部材50Aの横幅は2〜5mmとしてある。
【0054】
中間転写ベルト15を挟んでテンションローラ20と対峙した状態で中間転写ベルト15を押圧する押さえ部材50Aは、図5に示すように、中間転写ベルト15が周面に掛け回されているテンションローラ20の回転方向において中間転写ベルト15が前記周面に接触し始める側に相当する上流側に配置されている。これにより、中間転写ベルト15に対して張力が発生する牽引側に押さえ部材50Aが位置することとなり、張力という外力が作用した際に座屈変形が発生しやすい展張面側を対象として座屈変形の発生を抑止しやすくしている。
【0055】
図6は、押さえ部材の変形例を示す図であり、同図に示す押さえ部材(便宜上、符号50Bで示す)は、中間転写ベルト15を押圧しながら連動可能なコロで構成されている。押さえ部材50Bは、ホルダ51に回転自在に支持されている回転軸51Aが挿通されて回転できるようになっており、中間転写ベルト15の移動に連動して回転する。本実施例におけるコロで構成した押さえ部材50Bは、材質として、中間転写ベルト15の移動を阻害しない摺動性の高い材質である摺動POM、摺動ABS等が用いられ、中間転写ベルト15に接触する横幅は2〜5mmとされている。
【0056】
図7は、押さえ部材のさらに別の変形例を示す図であり、同図に示す押さえ部材(便宜上、符号50Cで示す)は、ホルダ51’により回転自在に支持されており、ホルダ51’を押圧するバネなどの弾性体52により中間転写ベルト15の表面に向けて加圧されている。押さえ部材50Cは、その材質として、摺動性の高い材質である摺動POM、摺動ABS等を使用し、横幅は2〜5mmが用いられ、弾性体52により中間転写ベルト15に対して1〜10Nで圧接されている。
【0057】
本実施例は以上のような構成であるから、中間転写ベルト15におけるテンションローラ20のフランジ部26に突き当たる端部近傍に中間転写ベルト15をその厚さ方向で表面側から加圧することができる押圧部材を設けることでフランジ部26に突き当たる中間転写ベルト15に座屈変形が発生するのを防止することができる。特に、押さえ部材は、中間転写ベルト15の浮き上がりによる隙間の発生を規制するのではなく、浮き上がりも含めて座屈変形しようとする挙動を抑えることにより中間転写ベルト15の幅方向での蛇行規制時での中間転写ベルト15の応力集中を防いで耐久性が悪化するのを防止することができる。
【0058】
押さえ部材は、中間転写ベルト15に接触して加圧する際に中間転写ベルト15の移動を阻害しないようにベルトの摺動を可能にする構成であるので、単にベルトの浮き上がりを規制する場合のように、押さえ付ける場合と違って中間転写ベルト15の移動が変化するのを防止して画像転写位置の変化を防止し、色ずれなどの異常画像が発生するのを防止することができる。
【0059】
次に、上記実施例における要部の変形例について説明する。
図8は、押さえ部材の設置構造に関する構成を示す図であり、同図に示す構成においては、押さえ部材500がテンションローラ20および中間転写ベルト15とは別に設けられている不動部501により支持されている。
不動部としては、画像形成装置本体の側板が選択され、この側板において中間転写ベルト15の幅方向両側若しくは片側に取り付けられたホルダ部材500Aと一体構造により前述した押さえ部材500が設置されている。
【0060】
本構成における押さえ部材500の構成、つまり、中間転写ベルト15に対する配置位置および配置寸法に関しては、図4〜6に示した実施例と同様である。
【0061】
不動部501に設けられているホルダ部材500Aは、図9に示すように、不動部501に対して着脱させて、換言すれば、中間転写ベルト15に対して押さえ部材500を接離可能に設けることもでき、押さえ部材500の摩耗などにより交換が必要となった際の便宜を図れるようにすることも可能である。これにより、交換対象となる部品のみを取り外すことができるので、新規部品の追加を最小限とすることでコスト上昇を防止することができる。なお、ホルダ部材500Aに関しては、図10に示すように、敢えて押さえ部材500と別部材とすることなく、不動部501から延長されてその先端が中間転写ベルト15の表面を押圧する構造とすることも可能である。これにより、支持部と押さえ部材とを同じ部材により構成することでコスト上昇を避けることができる。
【0062】
図11は、押さえ部材500に対する加圧力を付与するための構成を示しており、同図において符号502は不動部501に一体化されているホルダ部材500Aと押さえ部材500との間に配置されたバネなどの弾性体を示している。この構成においては、押さえ部材500を中間転写ベルト15の厚さ方向に変位させることができ、しかも、弾性体の形状復元力を利用することができるので、テンションローラ20の偏心などによる中間転写ベルト15の表面と押さえ部材500との間の間隙の変化に関係なく常に押さえ部材500を中間転写ベルト15の表面に押し付けることができるので、中間転写ベルト15に発生しようとする座屈変形を抑止することができる。
【0063】
一方、図12は、押さえ部材500に対する付勢力の印加構造の変形例を示しており、同図においては、中間転写ベルト15の厚さ方向と直角な方向、換言すれば、テンションローラ20の軸方向に沿って伸縮可能な弾性体502が押さえ部材500に連結されている。これにより、例えば、テンションローラ20が軸方向変位した場合でも、押さえ部材500が弾性体502の弾性復元力を利用して常にフランジ26の近傍で押圧されるようにすることができる。
テンションローラ20の軸方向変位が発生する場合としては、テンションローラ20が回動部材であり、これに対してフランジ26の外側に位置するテンションローラ20の支持部20Aが不動である場合が相当している。この場合には、テンションローラ20のフランジ26と、これの支持部20Aとの間に僅かながらの隙間を設けて互いに摺擦することがないようになっている。このため、中間転写ベルト15の蛇行による外力がテンションローラ20に作用した場合にはテンションローラ20が軸方向に変位することがある。そこで、テンションローラのフランジ26が軸方向に変位した場合でも弾性他の付勢により押さえ部材500を追随して変位させることにより常に同じ位置、つまり座屈が発生しやすい箇所に押さえ部材500を位置させて中間転写ベルト15の座屈変形の発生を防止するようになっている。
【0064】
図13は、押さえ部材の配置構成に関する変形例を示す図であり、同図において押さえ部材505は、テンションローラ20に掛け回されている中間転写ベルト15の周回位置で弾性体502により中間転写ベルト15の表面を押圧することで弾性的に接触するようになっている。これにより、テンションローラ20が中間転写ベルト15に対する張力を安定して付与するために軸心位置が変更されるような場合でも中間転写ベルト15の位置変化に対応して常囲に座屈変形が発生しやすい箇所を押圧して座屈変形の抑止するようになっている。
【0065】
図14は、図5に示した構成の一部変形例を示す図であり、同図においては、押さえ部材50Aがホルダ部材51のような不動部ではなく、弾性体502を介して弾性的にベルト15への接触が可能な支持構造とされている。これにより、図5に示した構成の場合と同様に、張力という外力によって座屈変形が起こりやすい位置を対象として座屈変形を防止できると共に、テンションローラ20の軸心位置の変化にも追随させて押圧作用を維持することができる。
【0066】
図15は、図14に示した構成を前提として、押さえ部材50Aに用いられる材質を変化された構成を示す図であり、同図においては、不動部501に設けられているホルダ部材500Aと押さえ部材50Aとの間に配置されている弾性体502により弾性的にベルト表面に圧接する押さえ部材50Aの表面、つまり、ベルト表面との接触部(図15中、符号50A1で示す部分)には、中間転写ベルト15の移動を阻害しないように摺動させることが可能な摺動スポンジやフェルトが配置されている。これにより、摺動抵抗の増加を抑えて押さえ部材50A画と右折しているベルト端面での損傷を防止できるようになっている。
【0067】
図16は、図7に示した構成を対象として、押さえ部材50Cをコロにより構成した場合の押さえ部材50Cの支持構造に関する変形例を示す図であり、同図においては、ホルダ(便宜上、図7において用いた符号51’で示す)が弾性体52(同じく符号52で示す)を介して不動部501に懸垂支持されている。この場合には、ホルダ51’が昇降自在に設けられており、弾性体52の付勢により常時押さえ部材50Cを、中間転写ベルト15の表面に向け押圧する方向、図においては下降する方向の習性が付与されている。これにより、図7に示した場合と同様に、中間転写ベルト15の表面に対して摺擦する部分がないので、中間転写ベルト15の劣化を防止することができる。
【0068】
図17は、図14に示した押さえ部材の要部構造の変形例を示す図であり、同図においては、押さえ部材(便宜上、図14において用いた符号50Aで示す)は、中間転写ベルト15が周面に掛け回されているテンションローラ20の回転方向において中間転写ベルト15に接触する位置の下流側の面が垂直に延長されたリブ50A1により係止されている。これにより、中間転写ベルト15の表面に接触している押さえ部材50Aが、中間転写ベルト15の移動に引き摺られてベルトとの接触位置を変化させてしまうのがリブ50A1の係止によって阻止され、押さえ部材50Aによる中間転写ベルト15に対する押圧位置が変化するのを防止して座屈変形が発生しやすい箇所を常に押圧して座屈の発生を防止できるようになっている。
【0069】
一方、図18は、押さえ部材を不動部に設けた場合の作用を説明するための模式図である。同図において、中間転写ベルト15は、テンションローラ20の支持部200を含むユニットTUに収容されて画像形成装置に対して挿脱可能に設けられている。
この構成を対象として、押さえ部材500を不動部に501に設けた場合には、ユニットTUの移動に関係なく押さえ部材500が不動部501に位置しているので、図18(C)に示すように、ユニットTUが引き出される際にプロセスユニット10と干渉することがない。
【0070】
これに対し、ユニットTU側のテンションローラ支持部200に押さえ部材500を設置した場合には、図19(C)に示すように、ユニットTUの移動に連動する関係であるので、画像形成装置内に配置されているプロセスユニット10に干渉してしまう為に、ユニットTUの取り出し不能に陥る。このように、押さえ部材500を中間転写ベルト15およびテンションローラ20そしてこの支持部を備えたユニットTUとは別の不動部に設置することが望ましい。
なお、図19に示した構成において、ユニットTUの挿脱に際してプロセスユニット10との干渉を避ける方法としては、プロセスユニット10を引き出した後、ユニットTUを引き出すなどの順序の設定や、ユニットTUがプロセスユニット10と干渉しない経路、例えば、プロセスユニット10の下方に移動した後引き出される経路などを利用し、装着時には引き出しと逆の順序でプロセスユニット10の下方に位置した状態でプロセスユニット10の開放から正規の位置に向け上昇させて位置決めする手順の設定、あるいはユニットTUの挿脱方向を、紙面に対して直角な方向とするなどの構成とする方法がある。
【0071】
次に、押さえ部材の支持構造に関する変形例について説明する。
図20は、押さえ部材50Aの支持構造として、可動部であるテンションローラ20および中間転写ベルト15とは別の不動部により支持されている構成を示しており、同図においては、突き当て部材に相当するフランジ26を挟んで中間転写ベルト15の端面と対向してフランジ26の外側に位置するテンションローラ用軸受け53に押さえ部材50の一部が取り付けられている。これにより、押さえ部材50Aは、ホルダ51がフランジ26を跨いだ状態でテンションローラ用軸受け53から中間転写ベルト15の表面に到達する形態とされ、ベルト表面を押圧している。
【0072】
図21は、図20の場合と違って、テンションローラ20の回転軸が不動部に相当する側板503により支持されている構成を対象として押さえ部材50Aのホルダ51がフランジ26を跨いで中間転写ベルト15の表面から側板503に一部が取り付けられて支持されている状態を示している。
【0073】
図22は、テンションローラ20が突き当て部材に相当するフランジ26と連動する関係にない場合、換言すれば、フランジ26が固定されている場合を対象とした構成であり、この場合には、押さえ部材50Aがホルダ51の一部をフランジ26に取り付けられている。
【0074】
以上のような構成においては、押さえ部材を押圧が必要とされる箇所、つまり、座屈変形が発生しやすい中間転写ベルト15の端面がフランジ26に突き当たる箇所の近傍で押さえ部材50Aを設置することができるので、テンションローラおよび中間転写ベルトを収容するユニット内のアッセンブリーとして構成することができる。
【0075】
一方、押さえ部材の支持構造としては、前述した不動部の形態に応じて設けることができる、以下、この構成について説明する。
図23は、図1において符号17で示したトナーマーク検知センサの取り付け部の構成を示す図であり、同図においてトナーマーク検知センサ17は、トナーマーク検知センサ取り付け部170の一部で中間転写ベルト15上に形成されるトナーマークTMを光学的に検知できる位置に取り付けられている。
本実施例では、トナーマーク検知センサ取り付け部170に押さえ部材を取り付けるようになっている。
図24は、押さえ部材の取り付け構造の一つを示す図であり、同図において、トナーマーク検知センサ取り付け部170におけるテンションローラ20の軸方向両端近傍には、図示しないがテンションローラ20に設けられているフランジに突き当たるベルト15の端面近くに対応する位置に押さえ部材50Aがホルダ51を介して設けられている。
【0076】
トナーマーク検知センサ取り付け部170は、テンションローラ20の軸方向沿った両端面をバネなどの弾性体501により押圧付勢されており、中間転写ベルト15の表面を押圧する押さえ部材50Aの位置がテンションローラ20の軸方向で変化しない状態を維持されるようになっている。
【0077】
一方、図25は、押さえ部材50Aとトナーマーク検知センサ取り付け部170との設置位置の調整が行える構成を示しており、同図においては、トナーマーク検知センサ取り付け部170における押さえ部材取り付け位置には、テンションローラ20の軸方向に平行する長溝170Aが形成されている。
長溝170Aに対して押さえ部材50Aは、ホルダ51を嵌合されることで一体化されるようになっており、ホルダ51を長溝170A内で移動させることにより中間転写ベルト15における座屈が発生しやすい位置に位置決めすることができる。これにより、加工精度が多少悪い場合でも、装置に取り付けられた押さえ部材50Aとこれにより押圧される中間転写ベルト15との位置関係を適正化して中間転写ベルト15における座屈が発生しやすい位置で座屈の発生を抑止することができる。
【0078】
このような構成は、トナーマーク検知センサ取り付け部170をユニット化した場合にもそのユニットを対象として押さえ部材を設けるようにすることもできる。
【0079】
上記押さえ部材としては、中間転写ベルト15の表面に対して摺動関係を持つ構成とするだけでなく、図4あるいは図6に示した構成と同様に、ベルトの移動を阻害しない構成とすることも勿論可能である。
なお、ベルトとしては、前述した中間転写体だけではなく、感光体などの潜像担持体あるいは転写材搬送用のベルトを対象とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明実施例によるベルト装置を用いた画像形成装置の模式図である。
【図2】本発明実施例によるベルト装置におけるベルトの蛇行規制構造を説明するための図である。
【図3】本発明実施例にベルト装置におけるベルト蛇行規制構造の正面図である。
【図4】本発明実施例によるベルト装置における座屈抑制に係る原理構成を説明するための模式図である。
【図5】図4に示した構成における押さえ部材の配置構成を説明するためのの図である。
【図6】図4に示した押さえ部材の変形例を説明するための図である。
【図7】図6に示した構成に一部変形例を説明するための図である。
【図8】本発明実施例によるベルト装置に用いられる押さえ部材の支持構造の一例を示す図である。
【図9】図8に示した構成の一部変形例を示す図である。
【図10】図8に示した構成の一部の他の変形例を示す図である。
【図11】図10に示した構成の一部変形例を示す図である。
【図12】図11に示した構成の一部変形例を示す図である。
【図13】図8に示した押さえ部材の要部構成の変形例を示す図である。
【図14】図13に示した構成の一部変形例を示す図である。
【図15】図11に示した構成に用いられる押さえ部材の変形例を示す図である。
【図16】図15に示した構成の一部変形例を示す図である。
【図17】図14に示した構成の一部変形例を示す図である。
【図18】図8に示した構成における押さえ部材の作用を説明するための図である。
【図19】図18に示した構成と異なる構成の押さえ部材を用いた場合の作用を説明するための図である。
【図20】図4に示した構成に用いられる押さえ部材の支持構造の一つを示す図である。
【図21】図20に示した構成の一部変形例を示す図である。
【図22】図20に示した構成の一部の他の変形例を示す図である。
【図23】図4に示した構成に用いられる押さえ部材の設置構造の変形例を示す図である。
【図24】図22に示した構成の正面図である。
【図25】図24に示した構成の一部変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
10 プロセスカートリッジ
15 中間転写ベルト
17 トナーマーク検知センサ
20 テンションローラ
26 フランジ
50A、50B、500、505 押さえ部材
50A1 係止部としてのリブ
50C コロ
51,500A ホルダ
170 トナーマーク検知センサ取り付け部
501 不動部
502 弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のローラに掛け渡されたベルトを備えたベルト装置において、
前記ローラの軸方向端部に前記ベルトの端面を突き当てることが可能な突き当て部材を備え、
前記突き当て部材と前記ベルトとの接触位置近傍には、前記ベルトの厚さ方向で該ベルト表面から押圧して該ベルトに発生するうねりを抑止する押さえ部材が設けられていることを特徴とするベルト装置。
【請求項2】
前記押さえ部材が前記ベルトの幅方向における画像形成領域外に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト装置。
【請求項3】
前記押さえ部材は、前記ベルトが周面に掛け回されているローラの回転方向においてベルトが前記周面に接触し始める側に相当する上流側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のベルト装置。
【請求項4】
前記押さえ部材によるベルトの押さえ位置が、前記ローラに装備されている突き当て部材に接触している前記ベルト端面近傍であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項5】
前記押さえ部材が前記ベルトに接触可能な摺動部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項6】
前記押さえ部材における少なくとも前記ベルトとの接触面にはフェルトが用いられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項7】
前記押さえ部材が、前記ベルトに接触しながら該ベルトの移動に連動する回転部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項8】
前記押さえ部材が、前記ローラおよびベルトとは別に設けられている不動部により支持されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項9】
前記押さえ部材が、前記ベルトに対して接離可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項10】
前記押さえ部材が、前記ローラの支持が可能な不動部と一体に設置されて前記ベルトの厚さ方向で前記ベルト表面から押圧可能であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項11】
前記押さえ部材が、前記ベルトの厚さ方向で該ベルトの表面に向け加圧付勢されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項12】
前記押さえ部材が、前記ベルトの幅方向で変位可能であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項13】
前記押さえ部材が、前記ローラに掛け回されているベルトの周回位置で該ベルトを弾性的に接触していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項14】
前記押さえ部材が、前記ベルトとの接触面を基準として、前記ローラの回転方向下流側に位置する面を係止される構成であることを特徴とする請求項1乃至6または8乃至13のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項15】
前記押さえ部材が、前記突き当て部材を挟んで前記ベルト端面側と該突き当て部材の外側に位置する部材との間に跨って設けられていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項16】
前記押さえ部材は、前記ベルトが掛け回されているローラと前記突き当て部材とが連動する場合に前記突き当て部材を挟んで前記ベルト端面と反対側に相当する突き当て部材の外側に位置する部材に一部が支持されて前記ベルトの表面に接触していることを特徴とする請求項15に記載のベルト装置。
【請求項17】
前記押さえ部材は、前記ベルトが掛け回されているローラに対して前記突き当て部材が固定されている場合に前記突き当て部材に一部が支持されて前記ベルトの表面に接触していることを特徴とする請求項15に記載のベルト装置。
【請求項18】
前記ローラの近傍には前記ベルト上に形成されるトナーマークを検知するトナーマーク検知センサ取り付け部が設けられ、該トナーマーク検知センサ取り付け部に前記押さえ部材が支持されていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項19】
前記トナーマーク検知センサ取り付け部は、前記ベルトの幅方向に沿って変位可能であることを特徴とする請求項18に記載のベルト装置。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれかに記載のベルト装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
前記ローラ近傍にトナーマーク検知センサ取り付け部を有し、該トナーマーク検知センサ取り付け部には、前記ベルト端面近傍をその表面側から押圧する押さえ部材が設けられていることを特徴とする請求項20に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−20469(P2009−20469A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−184988(P2007−184988)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】