説明

ベルバスコシドおよびルテオリンを含む組合せまたは植物抽出物、並びに、色素沈着の調節のための美容用または医薬用組成物におけるそれらの使用

本発明は、ベルバスコシドおよびルテオリンを含む組合せ、その組合せを含有する植物抽出物、並びに、色素沈着の調節のための美容用または医薬用組成物におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルバスコシド(verbascoside)およびルテオリンを含む組合せ、その組合せを含有する植物抽出物、並びに、色素沈着の調節のための美容用または医薬用組成物におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
【化1】

ベルバスコシド
コーヒー酸誘導体ベルバスコシドは、フェニルプロパノイドグリコシドのオルト−ジヒドロキシ桂皮酸誘導体である。フェニルプロパノイドグリコシド類は、抗真菌、抗菌、抗ウイルス、鎮痛などの多くの応用において、それらの治療特性について知られている。
【0003】
ベルバスコシドの化学名は、2−(3',4'−ジヒドロキシフェニル)エチル−O−α−L−ラムノピラノシル−(1→3)−β−D−(4−O−カフェオイル)−グルコピラノシドであり、その完全な構造は、1963年にアクテオシド(acteoside)の名称で解明された (Birkofer et al, Z Naturforsch B, 1968, 23(8), 1051-8)。ベルバスコシドは、クサギニン(Kusaginin)とも呼ばれ、その使用は美容分野で既に知られている。
【0004】
抗老化用の美容用組成物におけるベルバスコシドの使用は、WO2004/069218に記載されている。ベルバスコシドは、皮膚細胞によるストレスタンパク質(HSP70)合成を刺激し、皮膚が環境の攻撃性に対して効果的に防御することを可能にする。WO2004/069218は、シソ目(Tubiflorae)、より具体的には、ベルバスクム属(Verbascum)、プラダゴ属(Pladago)、クマツヅラ属(Vervena)、イワダレソウ属(Lippia)またはフラキシムス属(Fraxymus)からのベルバスコシドの抽出を記載している。
【0005】
5th IOC World Congress 1999 on Sport Sciences で掲示されたポスター "The effect of Verbascoside, an extract of Chinese herbal medicine on formation of free radicals in brain and skeletal muscle after exhaustive exercice" (K.M. Chan & J.X. Li) は、ベルバスコシドの抗フリーラジカル効果を提示している。
【0006】
ベルバスコシドは、また、皮膚の白色化のための活性化合物として論じられている(JP2005−082522)。WO01/026670では、ベルバスコシドを含有するオリーブの植物からの抽出物が、抗老化および皮膚の白色化活性について記載されている。
【0007】
ベルバスコシドは、購入でき、ベルバスコシドの抽出方法は、既に記載された。ベルバスコシドは、様々な植物から、例えば、ゴマノハグサ科、コショウ科、シソ科、キツネノマゴ科またはハマウツボ科(Orobranchaceae)、例えばシオガマギク属(CN1291613)、マチコ(Piper aduncum)(JP2000302797)、テンニンソウ属(JP2191292)、オロバンケ・ヘデラ(Orobranche hedera)(FR2302745)から、入手できる。
【0008】
肌の色は、ホルモン的および遺伝的に決定されるが、色素沈着の変化はUV照射に応答して起こる。UV誘導後、皮膚の色は主にメラニン形成により調節される。この複雑な生化学的連鎖反応は、表皮で起こり、樹状メラノサイトによるメラニン色素生成に対応する。メラニンは2つのクラスのポリペプチド:赤黄色のフェオメラニンおよび濃茶色のユーメラニンを含む。メラニン形成は、メラニン量およびメラニン色素のタイプの決定に寄与し、従って皮膚の色に関係する特異的介在物質−チロシナーゼ酵素およびチロシナーゼ関連タンパク質(TRP1、TRP2)など−により影響される(Petit L, Pierard GE, Int J Cosmet Sci, 2003, 25(4), p.169-181)。
【0009】
加えて、皮膚の色に寄与する要因は、メラノサイトから隣接するケラチノサイトへの効率的なメラニンの伝達、および、受容側のケラチノサイトによる伝達されたメラノソームの分布および分解からなる(Boissy RE, Exp Dermatol. 2003;12 Suppl 2:5-12)。メラノサイトの樹状化において、かつ/または、メラニンを含有する細胞小器官(メラノソーム)において役割を果たし、この伝達も、色素沈着の調節に関係する。
【0010】
ルテオリンは、フラボノイド分子であり、その化学名は3',4',5,7−テトラヒドロキシフラボンである。
【化2】

ルテオリン
ルテオリンは、その色素沈着に対する活性について知られている。
【0011】
FR2578422は、生物学的に活性な量のルテリオンによる局所的処置を特許請求している。その組成物は、毒性の問題を伴わず、過剰メラニン沈着した斑点(spot)に活性であると言われている。ルテオリンは、例えば、乾燥させたセイヨウノコギリソウの地上部分から抽出できる。
【0012】
ルテオリンは、また、抗酸化剤であるとも言及されている。DE19962345は、少なくとも50%のルテオリンを含有するラッカセイの種子抽出物を含む、抗酸化特性を有する美容用組成物を記載している。EP1072265は、抗酸化活性のための、他のポリフェノール性化合物との組合せにおけるルテオリンの使用を示している。
【0013】
アルブチンは、チロシナーゼ阻害によるメラニン形成に対するその活性について知られている(Maeda K, Fukuda M, J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996, 276, 765-769; Chakraborty and al, Pigment Cell Res, 1998, 11(4), 206-12)。従って、このヒドロキノンβ−D−グルコピラノシドは、しばしば、酵素、細胞培養またはインビボの実証試験における参照物質として使用される。例えば、白色化特性のスクリーニング試験として現在使用されている酵素的キノコチロシナーゼアッセイでは、アルブチンの抗チロシナーゼのIC50は、約100μg/mlである(Lee KT et al., Int J Cosmet Sci, 1997, 19(6), 291-98; Kang HS et al, Arch Pharm Res, 2004, 27(12),1226-32; Funamyama M et al, Bioscience, Biotechnology and Biochemistry, 1995, 59(1), 143-44)。このヒドロキノン誘導体は、その細胞毒性により美容分野で禁止されているヒドロキノンより安全なので、この化合物は、それ自体、または、植物−例えば、ウワウルシ(Uvea ursi folium)(Petit L, Pierard GE, Int J Cosmet Sci, 2003, 25(4), p.169-181)−に由来して、明色化(lightening)化粧品で使用されている。
【化3】

アルブチン
【0014】
フジウツギ科の植物の科は、9つの属(アンドロヤ属(Androya)、フジウツギ属、エモルヤ属(Emorya)、ゴンホスティグマ属(Gomphostigma)、ニコデミア属(Nicodemia)、ヌキシア属(Nuxia)、ペルタンテラ属(Peltanthera))および約150の種からなる。
【0015】
アデノプルシア・アキシラリス(Adenoplusia axillaris)とも呼ばれるブッドレア・アキシラリス・ウィルド(Buddleja axillaris Willd)は、2ないし5mの高さの、主にマダガスカルおよび東アフリカの二次林で生育する低木である。対生する葉は、単葉、有柄ないし無柄、長さ7−12cm、幅2−4.5cmであり;枝の上側表面は緑色であり、わずかに有毛であり、その下側表面では、やや白く綿毛がある。花は、頂生の密錐花序様(thyrsoid)集散花序であり、白色の花冠を有し、外側に濃い綿毛があり、内部は無毛である。果実は、茶色、果肉質、球形、非裂開性、直径約2.5mmである。種子は、楕円形、長さ約1mmである。マダガスカルでは、この植物は「セバフォツィー(Sevafotsy)」または「マンドレシー(Mandresy)」の現地名を有し、伝統的に健康管理に使用され、例えば、水性浸出液は、頭痛の処置用の飲料として使用され、いくらかの煮た植物と組み合わせた葉および樹皮の水性浸出液を含む混合物は、リウマチおよび関節症に対するパップ剤として使用される。
【0016】
ブッドレア・コリアセア(Buddleja coriacea)抽出物を、白色化組成物における、単独または他の植物抽出物との組合せでの使用について記載している日本の特許がある(JP5225062、JP8012565)。ブッドレノイド(Buddlenoid)と呼ばれる特定のフラボノイド分子が、活性化合物として開示されている(JP5255376)。
【0017】
ブッドレア・オフィシナリス(Buddleja officinalis)も研究された。4種のフラボノイド類(1つはフェニルエチルグルコシドであり、1つはフェニルプロパノイドグリコシドである)が、ブッドレア・オフィシナリスの花から単離された。これらの分子の中で、ルテオリンおよびアクテオシド(=ベルバスコシド)は、抗酸化特性を有すると示された(Piao MS, Kim MR, Lee DDG, Park Y, Hahm KS, Moon YH, Woo ER, Arch Pharm Res, 2003 Jun, 26(6), 453-7)。
【0018】
FR2831444は、ブッドレア・ダビディ(Buddleja davidii)およびアンチリス・ブルネラリア(Anthyllis vulneraria)の水溶性抽出物を含む美容または皮膚科用組成物に言及している。この組成物は、日光暴露後の皮膚修復のための、加湿、沈静化、抗刺激および創傷治癒特性を有すると主張されている。水溶性のブッドレア抽出物組成物が記載され、それは、イリドイド類、フラボノイド類、コーヒー酸エステル類およびトリテルペノイド類を含有する。
【0019】
ベルバスコシドは、フジウツギ科の他の種で、例えばブッドレア・ユナネシス(Buddleja yunanesis)(Liao YH et al, J Nat Prod, 1999, 62(9), 1241-5)またはブッドレア・プルドミイ(Buddleja purdomii)(Gao Y et al, Zhong Yao Cai, 2004, 27(5), 339-41)から、既に単離され、同定された。ブッドレア・コルダタ(Buddleja cordata)(Avila Acevedo JC et al, Fitoterapia, 1999, 66(1), 75-78) およびブッドレア・グロボサ(Buddleja globosa)の葉 (Pardo F et al, J of Ethnopharmacology, 1993, 39(3), 221-2) から単離されたベルバスコシドは、抗菌活性を有すると示されている。さらに、ベルバスコシドは、ブッドレア・スコルディオイデス(Buddleja scordioides)(Avila Acevedo JC et al, Fitoterapia, 2005, 76(3-4), 301-309) から単離できる。
【発明の開示】
【0020】
本発明は、色素沈着の調節のための、ベルバスコシドおよびルテオリンを含む組合せ、および/または、その組合せを含有する植物抽出物に関する。本発明による組合せおよびその組合せを含有する抽出物の使用は、皮膚の色素沈着の調節のための適切かつ安全な方法である。
【0021】
本発明によるベルバスコシドを含有する植物抽出物は、例えば、ベルバスクム属、プラダゴ属、クマツヅラ属、イワダレソウ属またはフラキシムス属;例えばアンドロヤ属、フジウツギ属、エモルヤ属、ゴンホスティグマ属、ニコデミア属、ヌキシア属、ペルタンテラ属を含むフジウツギ科の植物の科;または、例えばバロタ属(Ballota)、ファラダヤ属(Faradaya)を含むシソ科の植物の科を含む、シソ目の植物の科を含むがこれらに限定されない植物の抽出物である。好ましいのは、フジウツギ属であり、より好ましくは、植物抽出物は、ブッドレア・アキシラリスの抽出物である。
【0022】
抽出は、植物の全部分で実施できる。好ましくは、ブッドレア・アキシラリスの葉を抽出する。
【0023】
抽出は、標準的な抽出方法により行うことができる。好ましくは、抽出は、抽出に適用可能な極性溶媒を用いて実施する。葉を、最初に極性溶媒で、場合により数回、抽出する。次いで、得られる溶液を非極性溶媒、例えばヘプタンと混合し、抽出し、蝋、精油、色素および非極性分子の殆どを除去する。相分離後、ベルバスコシドを含有する乾燥抽出物を得るために、残っている極性相の溶媒を除去する。場合により、抽出物を水の添加および凍結乾燥の実施により乾燥させることができる。
【0024】
本発明による抽出物は、通常、乾燥抽出物である。それにも拘わらず、抽出物は溶液としても使用できる。即ち、上記の抽出方法の最終乾燥段階を省略する。
【0025】
抽出に使用する極性溶媒は、好ましくは、アルコールまたは水とアルコールの混合物であり、アルコールは、好ましくはエタノールである。水とアルコールの体積比は、50:50ないし90:10、好ましくは70:30であり得る。
【0026】
好ましいのは、総植物抽出物の重量で、10%より多い、好ましくは15%より多い、最も好ましくは16%ないし25%のベルバスコシド、および、5%まで、より好ましくは2%まで、最も好ましくは1%までの量のルテオリンを含有する乾燥植物抽出物である。植物抽出物は、総植物抽出物の重量で、少なくとも0.01%の量のルテオリンを含有する。最も好ましくは、植物抽出物は、ブッドレア・アキシラリスの抽出物である。
【0027】
驚くべきことに、ベルバスコシドのみの投与と比較して、より良好な皮膚の白色化効果を得るために、少量のルテオリンが必要なだけである。
【0028】
この組合せは、例えば、各薬物の合同的作用が、組み合わせられた効果がそれらの個々の効果の代数的合計よりも大きいようなものである場合、相乗作用的であり得る。従って、低減された量の薬物を投与して、例えば、毒性または他の有害もしくは望まれない作用を低減し、かつ/または、各物質が単独で投与されるときと同じ量を使用して、より大きい効力を達成できる。低減された量の薬物は、例えば単一の薬物が投与される標準的な方法で使用されるものより、少なくてもよい。
【0029】
本発明の組合せは、いつでも、どのような有効な形態でも投与できる。例えば、化合物は、同時に、例えば、単一の組成物または投薬単位(例えば、両方の組成物を含有する丸剤または液剤)として投与できるか、または、それらは、別個の組成物として、しかし同時に投与できる(例えば、一方の薬物は静脈内投与され、他方は経口または筋肉内投与される)。これらの薬物は、異なる時間に連続的に投与されてもよい。長い期間、例えば12時間、24時間にわたり、所望の放出速度を達成するために、物質を従来法で製剤化できる。これは、適する代謝半減期を有する物質および/またはそれらの誘導体を使用することにより、および/または、制御放出製剤を使用することにより、達成できる。
【0030】
ベルバスコシドおよびルテオリンを含む組合せは、それを含有する抽出物から、標準的な単離方法により単離および/または精製できる。標準的な単離方法には、クロマトグラフィー的方法が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
本発明による組合せまたはそれを含有する抽出物は、例えば、経口、非経腸、経腸、静脈内、腹腔内、局所、経皮(例えば、任意の標準的なパッチを使用する)、眼部、鼻腔、局所、非経口、例えばエアロゾル、吸入、皮下、筋肉内、頬側、舌下、直腸、経膣、動脈内およびくも膜下腔内などを含む任意の有効な経路により、任意の形態で投与できる。それらは、単体で、または、活性または非活性な任意の成分と組み合わせて、投与できる。好ましいのは、局所投与である。
【0032】
本発明による組合せまたはそれを含有する抽出物は、既知方法で、美容用、皮膚科用および/または医薬用組成物などの通常の製剤に変換できる。それらは、液体または固体製剤、例えば、非限定的に、通常および腸溶性被覆錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、液剤、懸濁剤、坐剤、シロップ剤、固体および液体エアロゾル剤、乳液、ペースト、クリーム、軟膏、ミルク、ジェル、膏薬、美容液(serums)、フォーム、シャンプー、スティックまたはローションであり得る。
【0033】
好ましいのは、水性液剤、白色または着色クリーム、軟膏、ミルク、ジェル、膏薬、美容液、フォーム、シャンプー、スティック、クリーム、ペーストまたはローションの形態の、皮膚科用または美容用組成物である。
【0034】
本発明による組合せまたはそれを含有する抽出物は、さらに、任意の他の適する添加物または医薬的に許容し得る担体、好ましくは、皮膚科的および/または美容的に許容し得る担体と、組み合わせることができる。そのような添加物には、既に言及された物質のいずれも、および、常套に使用されるもののいずれも、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro and Gennaro, eds, 20th edition, Lippincott Williams & Wilkins, 2000); Theory and Practice of Industrial Pharmacy (Lachman et al., eds., 3rd edition, Lippincott Williams & Wilkins, 1986); Encyclopedia of Pharmaceutical Technology (Swarbrick and Boylan, eds., 2nd edition, Marcel Dekker, 2002) に記載のものが含まれる。これらは、本明細書において、それらが活性薬物と組み合わせられ、治療目的で安全に対象に投与できることを示すために、「医薬的に許容し得る担体」と呼ばれ得る。
【0035】
本発明の組合せまたはそれを含有する抽出物の投与量は、所望の治療活性を提供するために、処置されるべき効果および/または疾患のタイプおよび/または疾患の状態を考慮して選択できる。これらの量は、特定の患者のために日常的に決定でき、ここで、様々なパラメーターを利用して適切な投与量を選択するか(例えば、疾患のタイプ、患者の年齢、疾患の状態、患者の健康状態、体重など)、または、それらの量は、比較的標準的であり得る。
【0036】
投与される有効成分の量は、特定の化合物および用いる投薬単位、投与の様式および時間、処置期間、年齢、性別、処置される患者の全般的状態、処置される症状の性質および程度、薬物代謝および排出の速度、可能な薬物の組合せおよび薬物−薬物相互作用などの考慮事項に応じて、広範囲にわたり得る。
【0037】
好ましいのは、総組成物の重量で少なくとも0.0001%、好ましくは少なくとも0.001%の量のベルバスコシドを含有する組成物である。好ましいのは、また、総組成物の重量で10%まで、好ましくは5%まで、より好ましくは1%までの量のベルバスコシドを含有する組成物である。好ましいのは、また、総組成物の重量で1%まで、より好ましくは0.1%まで、最も好ましくは0.05%までの量のルテオリンを含有する組成物である。好ましいのは、また、総組成物の重量で少なくとも0.00001%から1%までの量のルテオリンを含有する組成物である。
【0038】
本発明による組成物は、本発明による乾燥植物抽出物を、総組成物の重量で0.01%ないし10%、好ましくは0.1%ないし1%の量で含み得る。
【0039】
本発明による組成物は、1日に1回またはそれ以上、好ましくは3回まで、より好ましくは2回まで投与する。好ましいのは、局所投与である。
【0040】
それにも拘わらず、体重、有効成分に対する個体の挙動、製剤のタイプおよび投与を実施する時間または間隔に応じて、特定された量から逸脱することが有利な場合があり得る。例えば、上述の最低量より少なくても十分な場合があり得、一方、特定された上限を超えなければならない場合もある。比較的大量の投与の場合、1日にわたり、これらをいくつかの個別用量に分割することが望ましいことがある。
【0041】
本発明による組合せまたはそれを含有する抽出物は、皮膚科的使用に通常用いられる、少なくとも1種の他の活性物質またはその物質を含有する抽出物と組み合わせることもできる。他の活性物質には、皮膚の白色化、皮膚の明色化、斑点の防止または斑点の処置のための物質、例えば、ヒドロキノン、トレチノイン、局所用ステロイド、アゼライン酸、コウジ酸、アルブチン、ルテオリンおよび甘草抽出物が含まれるがこれらに限定されない。好ましいのは、アルブチンおよびルテオリンである。純粋な物質の代わりに、それを含有する抽出物も使用できる。
【0042】
UV日焼け止めまたはフィルターなどの色素沈着の調節に関連する物質、アルファヒドロキシ酸などの角質溶解剤も、本発明による組合せまたはそれを含有する抽出物と組み合わせることができる。
【0043】
本発明による組合せまたはそれを含有する抽出物は、色素沈着の調節のための美容的および医薬的使用を含む、皮膚科の分野で使用できる。
【0044】
本発明による組合せまたはそれを含有する抽出物は、皮膚の白色化、皮膚の明色化、皮膚の色素沈着斑点(老化に関連する、または光に誘導される斑点)の防止または低減、皮膚の抗色素沈着、皮膚の色調の均一化、および/または、美しい皮膚のために、美容的に使用できる。
【0045】
また、本発明による組合せまたはそれを含有する抽出物は、創傷治癒後の炎症後過剰色素沈着(ざ瘡、湿疹、接触性皮膚炎など)、フォトメラノーシス(photomelanosis)、内分泌異常および妊娠(母斑)、アジソン病、黒色表皮腫(acanthose nigricans)、雀卵斑、肝斑、抗体の二次的作用、抗マラリア(antimalaric)処置、皮膚処置中の癌性細胞の自己保護の防止、進行性色素沈着紫斑、老化による斑点の防止、および、化粧品(例えば香水など)の適用による色素沈着を含むがこれらに限定されない色素沈着障害の処置、予防または調節に使用できる。
【0046】
本発明による組合せまたはそれを含有する抽出物は、色素沈着の調節に関連するチロシナーゼ、メラニン形成、UVに誘導される色素沈着、メラノサイトの樹状突起形成および/またはメラノソームの伝達に影響を与えることにおいて、活性を示す。
【実施例】
【0047】
実施例
実施例1.ブッドレア・アキシラリス抽出物の調製
破砕したブッドレア・アキシラリスの乾燥葉を、エタノールと水の70:30混合物で抽出する。溶液を撹拌し、抽出段階中に加熱する。固体物質を濾過でき、抽出を数回繰り返すことができる。抽出時間は、30分間ないし1時間である。温度は、60℃より低い。次いで、合わせたアルコール性抽出物をヘプタンと混合し、抽出する。相分離後、残っている極性相を真空下で蒸留し、溶媒を除去する。場合により水を添加し、凍結乾燥を可能にし、ベルバスコシドを含有する最終乾燥抽出物を得る。
【0048】
最終乾燥抽出物を、薄層クロマトグラフィーおよびHPLCの標準的な方法により特徴解析する。最終抽出物は、総乾燥抽出物の重量で、ベルバスコシド19%およびルテオリン0.1%の含有量を示す。
【0049】
実施例2.チロシナーゼ阻害活性
実施例1によりもたらされるブッドレア・アキシラリス抽出物の阻害活性を、インビトロで評価する。この方法は、ドパクロム機能による475nmの吸光の増加を測光法で測定することによる、キノコチロシナーゼのドーパ−オキシダーゼ活性の測定に基づく。
【0050】
阻害濃度IC50(対照チロシナーゼのドーパオキシダーゼ活性を50%まで低減する試験生成物の濃度)を算出する。
データを吸光の変化/分で表す(ΔA/Δt)。
【0051】
ブッドレア抽出物を、アッセイバッファー(リン酸バッファー)に直接溶解する。5つの濃度を試験する:0.03mg/ml、0.10mg/ml、0.30mg/ml、1mg/mlおよび3mg/ml。各実験条件を、デュプリケート(duplicate)で行う。実験のパラメーターは:酵素濃度40U/mlおよび4分間の475nmでの吸光測定である。
【0052】
生成物によるチロシナーゼの阻害を表1に示す。阻害のパーセントと試験生成物の濃度(logで表す)の線形関係を考慮して、以下の回帰曲線から阻害用量(IC50)を算出する:%阻害=32.57log(濃度)+67.43(N=5ddl、r=0.976)
試験生成物のIC50は290μg/mlである。
【0053】
表1:
【表1】

【0054】
実施例3.皮膚の色素システムに対するブッドレア・アキシラリス抽出物の効果
色素沈着に対する活性を評価するために、試験化合物の非存在下および存在下で、放射線に曝露される(UVB−刺激される)か、または曝露されないヒト培養メラノサイトの細胞内メラニン含有量の測定をベースとするインビトロの実験を実施する。ブッドレア・アキシラリス抽出物(実施例1による)、ベルバスコシド(>90%純度、Extrasynthese)およびルテオリン(ブッドレア・アキシラリスから単離)を試験する。
【0055】
新生児包皮由来の正常ヒト表皮メラノサイトを、30℃で、抗生物質を添加したMGM「無血清」培地(メラノサイト培養培地(Melanocyte Growth Medium、PromoCell(登録商標))中で培養する。培養物を、37℃で、加湿5%CO大気中で維持する。
【0056】
ヒトメラノサイトの継代培養を、MGM培地中で増殖させ、コンフルエントに達する直前に使用する。細胞を計数し、ウシ血清を含まない培養培地中で所望の濃度に希釈する。培養したメラノサイトを、24−ウェルプレートに60x10細胞/ウェルの密度で入れる。2つのプレートに細胞を播いた:一方は、メラニン含有量の測定用(「メラニン」プレート)であり、他方は細胞密度の測定用(「ニュートラルレッド」プレート)であった。
【0057】
UVBによる処理:
播種の72時間後、培地を除去し、様々な非毒性濃度の試験生成物を含有する新鮮な培地で置き換える。細胞を37℃で、95%空気−5%CO大気中、8日間培養する。この期間中、1(D1)、2(D2)、3(D3)、4(D4)、7(D7)および8(D8)日目に、細胞をUVB照射に曝露する。UVB照射は、312nmにピーク発光のある280ないし320nmの連続的スペクトルを放射する、TL20W/12管の平行バンクで実施する。各放射で40mJ/cmのUVB量を適用した。シャム対照(sham-control)細胞を、UV曝露および処置をせずに、同じ操作に付す。
【0058】
放射前に、細胞単層を予め温めたリン酸緩衝溶液(PBS)で洗浄し、PBS(試験生成物を含まない)の存在下でUVBに曝露する。放射後すぐに、PBSを新鮮な試験培地で置き換える。
【0059】
試験期間の終了時(D9)の処置:
処置後、培養培地を除去する。細胞をPBSpH6.8で洗浄し、NaOH−DMSO溶液の添加によりメラニンを抽出する。メラニン抽出物を80℃で2時間加熱する。冷却後、アリコートを96−ウェルのマイクロプレートに入れる。マイクロプレートリーダー(Dynatech MR 5000)を用いて、光学密度(OD450nm)を450nmで記録する。
【0060】
合成メラニン標準物質(Sigma)を、同じ条件でインキュベートする。この標準曲線は、OD450nmのメラニン単位当量(Melanin Unit Equivalent)/ウェルへの変換を可能にする。
【0061】
対照および処置メラニン抽出物において、405nmの吸光によりメラニン含有量を測定した。結果を、標準曲線から決定したμgメラニン/ウェルで表した:DO(450nm)=f([メラニン])。
【0062】
結果:
先に記載した培養物の処置およびUVB曝露の後、細胞内メラニン含有量を、ヒト正常メラノサイト(ラインM99−1)で測定する。
各試験サンプルの3つの濃度を調べる:1μg/ml、5μg/mlおよび10μg/ml。
細胞数の評価(レッドニュートラル取込法による)は、試験した3つの用量で生成物の毒性がないことを示す。
【0063】
細胞の「色素沈着レベル」(pgメラニン/細胞で表す)を表すために、メラニン含有量(メラニンのμg/ウェル)を、各培養の細胞密度(細胞数/ウェル)により補正する。
【0064】
試験生成物の色素形成活性(PA)を、式:
【数1】

により算出する。
【0065】
表2:
【表2】

【0066】
ほぼ毎日のUVB曝露を受けたメラノサイトを3種の試験生成物と共にインキュベートすると、細胞内メラニン含有量の有意な減少が観察される(表2)。
【0067】
試験した生成物は、UVBで刺激されたメラノサイトにおいて、有意なメラニン形成の阻害効果を有する:メラニン含有量の減少は、照射された対照培養と比較して有意であり(p0.01、スチューデントのt検定)、各生成物について3つの濃度で同等である。
【0068】
実施例4.製剤1(皮膚均一化美容液)
【表3】

【0069】
実施例5.製剤2(抗色素沈着クリーム)
【表4】

【0070】
実施例6.ボランティアに対する評価
この研究の目的は、アジア人のボランティアへのブッドレア・アキシラリス抽出物(実施例5)0.5%を含有する製剤の、UVA照射に誘導される皮膚の色素沈着に対する阻害効果を、参照生成物と対比して示すことである。参照物は、実施例5と同じ補助剤を含むが、有効成分として1%アルブチンを含むクリームである。
【0071】
プロトコール:
表3:
【表5】

【0072】
各生成物について、これは、オープンの、同一個体内調査である;各対象は、自身の対照である。この調査は併行実施群で実施した(生成物毎に1グループ)。
【0073】
試験開始の14日前に始め、研究が続く10日間にわたり(D0からD10まで)、1日2回(朝晩)乳液を適用する。適用は、背中の処置領域に通常の使用条件で実施する。即ち、乳液を、第三者により、その領域を良好に位置取りするためにマスクを使用して、生成物が浸透するまでマッサージすることにより、適用する。処置の割当ておよび生成物を適用する側(右/左)をランダム化した。皮膚の色の測定を、D0、D2、D4およびD10に実施した。照射(1MPD=最小色素形成用量)を、D0、D2およびD4に適用する。
【0074】
IRおよび可視照射を排除するためのフィルターを備えた短アークのキセノンランプでUVA照射を実施する(Arquatiel Idem 2000, スペクトル:320−400nm)。
【0075】
皮膚の色素沈着の変化(生成物適用のある、および無い、UVにより誘導される褐色化強度)の評価を、CR321 Minolta(登録商標)Chromameter(登録商標)を使用する比色定量的測定により行う。Chromameter(登録商標)は、色を、3つのパラメーター:L*:透明度(暗色から明色まで)、a*:緑色ないし赤色のスペクトル、b*:青色ないし黄色のスペクトル、からなる計数的なコードに変換する。a*およびb*はクロミナンスパラメーターであり、L*は、輝度パラメーターである。この装置は、美容および医療分野において皮膚の色を測定するのに一般的に使用される。
【0076】
最も特徴的な色素沈着の比色定量的パラメーターは、黄色(b*)および輝度(L*)である。輝度L*の上昇は、色素沈着強度の減少を反映する。b*の上昇は、皮膚の黄色成分の増加を、従って色素沈着強度の低下を特徴付ける。
【0077】
下式に従い明るさ(L*)およびメラニン形成パラメーター(b*)を統合して対象の皮膚の色素沈着の程度を定義するITA°(インディビジュアル・トポロジック・アングル(Individual Topologic Angle))の計算により、両パラメーターを活用する:
ITA°=(ArcTAN((L*−50)/b*))x180/π
ITAの増加は、色素沈着の強度の低下を特徴付ける。
【0078】
結果:
処置および非処置領域における比色定量的パラメーターL*、b*およびITA°の変化(Δ)を、下式に従い算出した:
Δ=(TZti−TZt0)−(NTZti−NTZt0
式中:
TZ:処置領域で得られる値
NTZ:非処置領域で得られる値
t0:生成物適用前
ti:生成物適用後の各測定時
【0079】
各ボランティアについて得られた任意単位(A.U.)または度(°)の変化、および記述統計を、表に提示する。
表4:UV照射およびブッドレア・アキシラリス抽出物0.5%を含有する生成物の反復投与(T1)後の皮膚色の変化。非処置領域(NT)との比較
【表6】

【0080】
UVA照射による褐色化誘導の後、ブッドレア・アキシラリス抽出物0.5%を含有する乳液により処置した領域は、大多数のボランティアで、非処置領域よりも有意に色素形成が少ない(表4)。ITA°の増加が観察される:非処置領域と比較して、D2およびD4で各々+7°および+2°(p=0.007および0.006)。D10の処置および非処置領域に有意差はない。しかしながら、何人かのボランティアについて、最後の照射の6日後に褐色化が消失し始めることが、この結果を説明し得るであろう。ブッドレア・アキシラリス抽出物0.5%を含有する生成物は、UVAにより誘導される皮膚の色素沈着をD4まで有意に阻害した。
【0081】
表5:UV照射およびアルブチン1%を含有する生成物の反復投与(T2)後の皮膚色の変化。非処置領域(NT)との比較
【表7】

【0082】
2回のUVA照射後(D4)、アルブチン1%を含有する生成物により処置された領域は、大多数のボランティアで、非処置領域よりも有意に色素形成が少ない(8人中7人のボランティアについて、非処置領域と比較して、D4で+4°のITA°の増加、p=0.060、表4)。1回および3回の照射の後(D2およびD10)、阻害効果はあまり重大ではない(8人中4人のボランティアについて、+2°のITA°の増加、各々p=0.220および0.363、表4)。
【0083】
アルブチン1%を含有する生成物は、UVAにより誘導される皮膚の色素沈着を、大部分のボランティアで阻害する傾向がある(D4で有意さの限界での変化)。
【0084】
実施例7.メラノサイトの樹状突起形成に対するエクスビボ活性
この研究は、ブッドレア・アキシラリス抽出物0.5%を含有する乳液(実施例5、P)の抗色素形成活性を、補助剤(E)と対比して評価することを目的とする。
【0085】
腹部形成外科手術(27歳の女性、フォトタイプII/III)由来のバイオプシーを、このエクスビボの実験に使用する。それらを特別な生存移植片用培地BEM(BIO-EC の Explants Medium)中で培養し、それらの特別な処置に従い分配する:
対照 C
非放射対照移植片 C−UV
放射対照移植片 C+UV
非照射移植片、補助剤+ブッドレア・アキシラリス抽出物0.5%で処置 P−UV
非照射移植片、補助剤で処置 E−UV
照射移植片、補助剤+ブッドレア・アキシラリス抽出物0.5%で処置 P+UV
照射移植片、補助剤で処置 E+UV
【0086】
生成物(P、E)2mgを、移植片に局所投与し、小型のスパチュラで広げる。これらの投与を、各被処置移植片につき、0日目(D0)、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7およびD8に実施する。
【0087】
移植片C−UV、P−UVおよびE−UVは照射されない。移植片C+UV、P+UVおよびE+UVは、毎日照射を受ける(UVA:2,25J/cm、UVB0.135J/cm)。照射は、補助剤または補助剤+抽出物0.5%の局所投与の2時間前に実施する。照射中に、それらをBEM(BIO-EC の Explants Medium)に戻した後、移植片の培養培地をHBSSバッファーに変える。
【0088】
D3、D6およびD9に、移植片を組織学的調査のために取る。各回で移植片を3部に切り分ける。1部をホルモールで固定し、他の部分を−80℃で冷凍する。
【0089】
Masson の方法に従い、ホルモールで固定した移植片に、脱水、パラフィン浸透および染色の後、一般的な形態学的調査を実施する。
【0090】
DOPA−オキシダーゼ反応のために、Laidlaw および Blackberg の方法に従い移植片を処理する。この技法は、チロシナーゼに対する生成物の活性をその場で評価することを可能にする。
D0:メラノサイトは、中程度にDOPA−陽性である。
D3:P+UV移植片において、メラノサイトは、わずかにDOPA−陽性であり、明らかに非処置対照より陽性ではない。それらの樹状突起形成はわずかに少ない。E+UV移植片では、メラノサイトは明らかにDOPA−陽性であり、わずかに樹状である。
D6:全ての移植片(C+UV、P+UV、E+UV)は、明らかにDOPA−陽性である。E+UVのメラノサイトは明らかに樹状であるが、P+UV細胞の樹状突起形成はわずかに少ない。
D9:P1+UVでは、メラノサイトはわずかにDOPA−陽性であり、明らかにC+UVより低い。樹状突起形成は、明らかに少ない。P2+UVのメラノサイトは、明らかにDOPA−陽性であり、非常に明らかに樹状である。
【0091】
生成物P1は、DOPA−陽性度の減少を誘導した。この効果は、9日後にもっと観察可能である。本調査によると、メラノサイトの樹状突起形成の減少は、非常に明らかであり、6日後から、そしてUV照射後に観察される。
【0092】
生成物Eは、DOPA陽性度またはメラノサイトの樹状化のいずれにも、いかなる変化も誘導しない。
【0093】
これらの操作条件下で、非処置移植片で観察されるものと比較して、これらの結果は、生成物P1(補助剤+ブッドレア・アキシラリス抽出物0.5%)が、明らかな抗色素形成/明色化活性を有することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルバスコシドおよびルテオリンを含む組合せ物。
【請求項2】
皮膚科的使用に通常用いられる少なくとも1種の他の活性物質またはその物質を含有する抽出物と組み合わせた、請求項1に記載の組合せ物。
【請求項3】
他の活性物質が、皮膚の白色化、皮膚の明色化、斑点の防止または斑点の処置のための物質である、請求項2に記載の組合せ物。
【請求項4】
他の活性物質が、ヒドロキノン、トレチノイン、局所用ステロイド、アゼライン酸、コウジ酸、アルブチンおよび甘草抽出物からなる群から選択される、請求項2に記載の組合せ物。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の組合せ物を含む植物抽出物。
【請求項6】
総植物抽出物の重量で、ベルバスコシドを10%より多い量で、そして、ルテオリンを5%までの量で含有する、請求項5に記載の植物抽出物。
【請求項7】
植物抽出物がブッドレア・アキシラリスの抽出物である、請求項5ないし請求項6のいずれかに記載の植物抽出物。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の組合せまたは植物抽出物を含む、皮膚の白色化のための組成物。
【請求項9】
該組成物が、局所投与用の皮膚科的組成物である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
該組成物が、液状の溶液、軟膏またはクリームである、請求項8ないし請求項9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
総組成物の重量で、ベルバスコシドを0.0001%ないし10%の量で、そして、ルテオリンを0.00001%ないし1%の量で含む、請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
色素沈着の調節用の組成物を製造するための、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の組合せ物または抽出物または組成物の使用。
【請求項13】
チロシナーゼ、メラニン形成、UVに誘導される色素沈着、メラノサイトの樹状突起形成および/またはメラノソームの伝達に影響を与えるための、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
皮膚の白色化、皮膚の明色化、皮膚の色素沈着斑点の防止または低減、老化に関連する、または光に誘導される斑点の防止または低減、皮膚の抗色素沈着、皮膚の色調の均一化、および/または、色白の皮膚のための、請求項12に記載の使用。
【請求項15】
色素沈着障害の処置、予防または調節のための、請求項12に記載の使用。
【請求項16】
創傷治癒後の炎症後過剰色素沈着、フォトメラノーシス、内分泌異常および妊娠(母斑)、アジソン病、黒色表皮腫、雀卵斑、肝斑、抗体の二次的作用、抗マラリア処置、皮膚処置中の癌性細胞の自己保護の防止、進行性色素沈着紫斑および老化による斑点の防止、および、化粧品の適用による色素沈着から選択される色素沈着障害の処置、予防または調節のための、請求項15に記載の使用。

【公表番号】特表2009−529499(P2009−529499A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556687(P2008−556687)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001459
【国際公開番号】WO2007/098873
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(506161290)バイエル・コンシューマー・ケア・アクチェンゲゼルシャフト (7)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Consumer Care AG
【Fターム(参考)】