説明

ベローズ装置及びそれを用いた分注装置

【課題】ベローズの圧縮から伸長までの一連の動作におけるベローズ駆動機構のバックラッシュ等を抑制し、分注精度を向上させることができるベローズ装置及びそれを用いた分注装置を提供する。
【解決手段】ケーシング15と、ケーシング15に対して一端が固定されたベローズ1と、ベローズ1の他端に連結されたナット21と、ナット21に螺合したリードスクリュ20と、ケーシング15に設けられリードスクリュ20を回転駆動させるモータ4と、ベローズ1の内部に設けられリードスクリュ20を包囲するカバー22と、カバー22の先端部とケーシング15のカバー22先端部との対向部に設けられ磁力によって互いに引き合う一対の永久磁石2,3とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベローズの伸縮によって液体や気体を吸引吐出するベローズ装置及びそれを用いた分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を一の容器から他の容器に移すため、一の容器内の液体を分注ノズルチップに吸い込んで他方の容器に吐出する装置が用いられる。この場合、液体の吸引吐出には、一般にシリンジやベローズが使用される。特にベローズは摺動部を持たず、装置のメンテナンス性が良く寿命も長いため、信頼性が要求される検体分注装置等にも利用されている(特許文献1等参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−207898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし一般に、ベローズは圧縮時には伸長力(伸長方向への復元力)を、伸長時には収縮力(圧縮方向への復元力)を蓄える。そのため、自由長(自然放置した状態の長さ)を跨いでベローズを圧縮又は伸長させる場合、ベローズ駆動部に作用するベローズによる付勢方向が自由長を境に変化する。この場合、ベローズ駆動部のスラスト方向のガタ(遊び)によってバックラッシュ等が発生し、分注精度に影響を及ぼす恐れがある。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたもので、ベローズの圧縮から伸長までの一連の動作におけるベローズ駆動機構のバックラッシュ等を抑制し、分注精度を向上させることができるベローズ装置及びそれを用いた分注装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、ケーシングと、前記ケーシングに対して一端が固定されたベローズと、前記ベローズの他端に連結されたベローズ駆動機構と、前記ベローズの圧縮時に前記ベローズの伸長力に抗して前記ベローズに収縮力を付与する、又は前記ベローズの伸長時に前記ベローズの収縮力に抗して前記ベローズに伸長力を付与する付勢手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、ケーシングと、前記ケーシングに対して一端が固定されたベローズと、前記ベローズの他端に連結されたナットと、前記ナットに螺合したリードスクリュと、前記ケーシングに設けられ前記リードスクリュを回転駆動させるモータと、前記ベローズ内部に設けられ前記リードスクリュを包囲するカバーと、前記カバーの先端部と前記ケーシングの前記カバー先端部との対向部に設けられ磁力によって互いに引き合う一対の磁石又は磁石及び磁性体とを備えたことを特徴とする。
【0008】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記ケーシング側に設けた磁石又は磁性体は、前記ベローズの内部空間に連通する空気孔が設けられていることを特徴とする。
【0009】
(4)上記(2)又は(3)において、好ましくは、前記一対の磁石又は磁石及び磁性体は、前記ベローズの最圧縮時でも互いの間に間隙が介在する配置であることを特徴とする。
【0010】
(5)上記目的を達成するために、また本発明は、ケーシングと、前記ケーシングに対して一端が固定されたベローズと、前記ベローズの他端に連結されたナットと、前記ナットに螺合したリードスクリュと、前記ケーシングに設けられ前記リードスクリュを回転駆動させるモータと、前記ベローズ内部に設けられ前記リードスクリュを包囲するカバーと、前記カバーの先端部に設けた磁性体と、前記ベローズの前記カバー先端部との対向部の周囲に設けられ前記磁性体に電磁力を作用させて前記ベローズを圧縮側に付勢する電磁力発生手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
(6)上記(2)〜(5)のいずれかにおいて、好ましくは、前記磁力又は電磁力は、前記ベローズの圧縮時に前記ベローズの伸長力に抗して前記ベローズに収縮力を付与する値に設定されていることを特徴とする。
【0012】
(7)上記目的を達成するために、また本発明は、ケーシングと、前記ケーシングに対して一端が固定されたベローズと、前記ベローズの他端に連結されたベローズ駆動機構と、前記ベローズの圧縮時に前記ベローズの伸長力に抗して前記ベローズに収縮力を付与する、又は前記ベローズの伸長時に前記ベローズの収縮力に抗して前記ベローズに伸長力を付与する付勢手段と、前記ケーシングに取り付けられたノズル基部と、前記ノズル基部に装着されたノズルチップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ベローズの圧縮から伸長までの一連の動作におけるベローズ駆動機構のバックラッシュ等を抑制し、分注精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るベローズ装置の要部構成を抽出して表した概略図である。
【0016】
図1において、ベローズ装置100は、ケーシング15(後の図3参照)と、ケーシング15に対して一端(下端)が固定された蛇腹状のベローズ1と、ベローズ1の他端(上端)に連結されたベローズ駆動機構16と、ベローズ1によるベローズ駆動機構16への付勢方向をベローズ1の伸縮状態によらず一方向に規制する付勢手段17とを備えている。
【0017】
ケーシング15は、筒状の空間(該空間の断面形状は問わない)を内部に有しており、その筒状の内部空間にベローズ1を収容している。ベローズ1は、ベローズ駆動機構16により駆動されケーシング15の筒状の内部空間で伸縮する。
【0018】
ベローズ駆動機構16は、ベローズ1の他端に連結されたナット21と、ナット21に螺合したリードスクリュ20と、ケーシング15に設けられリードスクリュ20を回転駆動させるモータ(ステッピングモータ等)4とで構成されている。ベローズ1の内部に臨むナット21の一端(下端)には、カバー(シールキャップ)22が設けられている。カバー22は有底状の筒状部材で、ベローズ1の内部に設けられリードスクリュ21を包囲しており、リードスクリュ20及びナット21の螺合部のギャップからのベローズ1の内部の空気の漏れを防止する役割を果たしている。このカバー22の材質は、アルミ等の金属、プラスチック等である。カバー22のベローズ1の伸縮方向(この例では上下方向)の寸法は、ベローズ1が最も伸長したときにリードスクリュ20にカバー22の底部、厳密には後述する永久磁石2が干渉せず、なおかつベローズ1が最も縮んだときにカバー22の先端部(下端部)若しくは永久磁石2がケーシング15に干渉しない程度に設定されている。
【0019】
付勢手段17は、カバー22の先端部(下端部)に設けた永久磁石2と、ケーシング15のカバー22先端部との対向部に設けた永久磁石3とからなる。永久磁石2,3が引き合うことにより、カバー22を介してナット21がベローズ1の圧縮側に付勢される構成である。ケーシング15側に設けた永久磁石3は本例ではリング状に形成されており、ベローズ1の内部空間に連通する空気孔14が通されている。永久磁石2はカバー22の下端部(底面)の下面に固定することもできるし、上面に固定することもできる。但し、一対の永久磁石2,3は、ベローズ1が最も圧縮された状態の時でも互いの間に間隙が介在する(当接しない)ものとする。また、永久磁石2,3の互いに引き合う力(磁力)は、ベローズ1の圧縮時(自由長よりも縮んだ状態の時)にベローズ1の伸長力に抗してベローズ1に収縮力を付与する値に設定されている。永久磁石2,3間の吸引力は永久磁石2,3の距離が近付くにつれて強くなり、遠ざかるにつれて弱くなるので、ベローズ1は主に圧縮側に姿勢が変位しているときに永久磁石2,3によって圧縮側に付勢されることとなる。
【0020】
なお、本実施の形態では付勢手段17を永久磁石2,3で構成しているが、ベローズ1の伸長力を磁力で打ち消してベローズ1を圧縮側に付勢することを基本原理としているので、その限りにおいては永久磁石2,3のいずれか一方を磁性体(強磁性体等)に代えた構成とすることもできる。また、永久磁石の代わりに電磁石を利用することもできる。いずれの場合も、ベローズ1の圧縮時にベローズ1の伸長力に抗してベローズ1に収縮力を付与するだけの磁力が確保されているものとする。また、空気孔14は、永久磁石3を通さずに構成することもできるが、装置の小型化のためには吸引対象に通じる(リードスクリュ20の軸線上に配置された)永久磁石3を通す構成が効果的である。
【0021】
上記構成のベローズ装置100において、モータ4によってリードスクリュ20を回転させると、ナット21が上下動しベローズ1が伸縮する。ベローズ1の伸縮によって空気孔14を介してベローズ1内に空気が出入する。これによって空気孔14を介してベローズ1に接続された機構(分注ヘッド等)により液体や気体等の流体が吸引・吐出される。
【0022】
ここで、ベローズ1は、自然放置したときの長さ(自由長)を境に、圧縮側と伸長側に稼動し、密着状態が最短長になる。ベローズ1は、自由長より短いときは伸長しようとし、自由長より長いときは収縮しようとする。自由長付近では伸長から収縮、収縮から伸長に付勢方向が変わるときに、モータ4やリードスクリュ20、ナット21のスラスト方向のガタ(遊び)によって駆動力が一瞬途切れる。この場合、モータが瞬停止したのと同じ状態になり、吸引圧力又は吐出圧力は一瞬低下する。これが吸引吐出量の精度に影響を及ぼす。そのため、一般に高い精度が要求される場合には、自由長より長い領域(伸長領域)のみ、または短い領域(圧縮領域)のみでベローズを伸縮させる方策が採られるが、装置を小型化する場合はベローズの伸縮領域に自由長を含める(圧縮側と伸長側の双方を駆動領域に含める)方が有利である。
【0023】
そこで、本実施の形態では、前述した如く永久磁石2,3を設け、永久磁石2,3間の引力(磁力)によってベローズ1の伸長力を打ち消し、ベローズ1が常に収縮力を持つようにすることで、ベローズ駆動機構16のバックラッシュを抑止することができる。
【0024】
図2は付勢手段17の磁気強度とベローズ1のバネ力(反発力)の関係を表す図である。
【0025】
磁気の引力(収縮力)は磁石−磁石間または磁石−磁性体間の距離の2乗に比例する。一方、ベローズの伸長力は圧縮距離に比例し、自由長では0、それよりも伸長すると伸長距離に比例した収縮力になる。磁気の引力(収縮力)とベローズのバネ力を合成したものが図2に示す合成力である。合成力1は付勢手段17の磁気による引力を好適に設定し、ベローズ1のバネ力を打ち消してベローズ1の伸縮範囲の全領域において引力(収縮力)になるようにした例で、合成力1の最低点が正(Y>0)となっている。それに対し、合成力2は、磁力が弱くベローズ1のバネ力(伸長力)が十分に打ち消されていない場合を例示している。合成力2の例では、最短長近くでY<0の領域が発生じベローズ1に伸長力が生じるため、付勢方向が切り換わる点(バックラッシュが生じる点)がストローク中に2箇所存在する。
【0026】
以上、本実施の形態によれば、ベローズ内部に磁石対を設け、磁石の引力を利用してベローズの圧縮時の反発力を打ち消すことにより、モータ4の駆動トルクに影響を与えることなく、ベローズ駆動機構16のスラスト方向のガタ(遊び)の動作への影響をなくすことができる。本実施の形態のベローズ装置100を分注機構等に応用した場合、ベローズの最短圧縮位置から伸長領域にかけてベローズの伸縮領域を設定できるので、装置の小型化、高精度化が実現できる。
【0027】
なお、磁力を利用する代わりに、バネを用いた機構を付勢手段として用いてベローズ1の伸長力を打消す構成も考えられるが、この場合、自由長より長いところでは付勢手段のバネの収縮力がベローズの収縮力に加わり、モータ4は駆動トルクの大きなものが必要になる。既述のように、磁石の吸引力は永久磁石2,3が離れるにつれて弱まるので、ベローズ1のバネ力との合成力がベローズのバネ力の線(図2)に漸近し、ベローズ1が伸長するにつれてモータ4の駆動力への影響が小さくなる点で有利である。永久磁石2,3は互いの距離が近いほど強く引き合い磁石間距離が0になると吸着するので、既述のようにベローズ1の最圧縮位置において磁石間距離が0にならない配置とする必要がある。また、2つの部材が近付いた場合に吸引力を発揮させるには静電気を用いる構成も考えられるが、充電機能及び放電対策等により扱い難いのが難点である。
【0028】
図3はベローズ装置100を用いた分注装置の要部(分注ヘッド)の構成を表した概略断面図である。
【0029】
図3に示した分注ヘッド200は、XYZ移動機構(不図示)に取り付けられ、血清や尿等の検体の分注動作を行う。この分注ヘッド200は、主に、ケーシング15に取り付けられたノズル基部9と、ノズル基部9に装着されたノズルチップ10と、検体を吸引吐出するためのベローズ装置100と、吸引・吐出時の圧力変化(ケーシング15の空洞13(後述)の内圧)を電気信号に変換する圧力検出器7と、液面検出時に内部空気を振動させるための加振源であるダイアフラム6と、ダイアフラム6を駆動するソレノイド5と、圧力検出器7やモータ4、ソレノイド5との間で電気信号を授受する信号処理回路8とを備えている。
【0030】
ケーシング15は、ベローズ1を収容する空間の他、空気孔14を介してベローズ1の内部の空間に連通した空気通路である空洞12,13を備えている。空洞12,13はノズル基部9とノズルチップ10を介して外部空間に接続しており、例えばノズルチップ10を検体に挿入してベローズ1を伸長させた場合、検体が先端孔からノズルチップ10内に吸い上げられる。その後、例えばノズルチップ10の先端部を指定容器に挿入してベローズ1を圧縮させると、指定容器に検体が吐出される。信号処理回路8は外部信号処理回路(不図示)に接続され、マイクロプロセッサ等によって信号検出・分注処理・異常処理等が行われる。特開2005−207898号公報に開示された方法で検体の液面検出も可能である。
【0031】
図4及び図5は検体を吸引・吐出したときに圧力検出器7で検出される出力信号波形を例示したもので、図4は付勢手段17を設けない場合(本実施の形態に対する比較例)、図5は付勢手段17を設けた場合(本実施の形態)の信号波形を表している。
【0032】
図4に示したように、付勢手段17がないと、吸引時(太線)にはA点、吐出時(細線)にはB点でベローズ駆動機構16にバックラッシュが発生し、これに起因して波形に急落が発生している。これらA点,B点では、検体の吸引・吐出はベローズ1の内部の残圧によってのみ行われ、モータ4の駆動力は一瞬停止した状態になり、分注精度に影響を及び得る。
【0033】
それに対し、本実施の形態の場合、図5に示したように吸引時にも吐出時にも急落点の発生を抑えることができるので、吸引・吐出ともにガタがなく、円滑で高精度な分注が実現できる。
【0034】
図6は本発明の第2の実施の形態に係るベローズ装置の要部構成を抽出して表した概略図である。第1の実施の形態と同要部部分には、図1と同符号を付して説明を省略する。
【0035】
本実施の形態のベローズ装置150が第1の実施の形態のベローズ装置100と相違する点は、磁力を利用した付勢手段17の代わりに電磁力を利用した付勢手段18を用いた点にある。
【0036】
付勢手段18は、カバー22の先端部に設けた磁性体19と、ベローズ1のカバー22先端部との対向部の周囲に巻線したコイル30と、コイル30に電圧をかけ電流を流す電源32と、コイル30への通電を遮断するスイッチ31とを備えている。スイッチ31を接続してコイル30に通電すると、磁性体19に下方への力(電磁力)が作用する構成である。電磁力発生手段たるコイル30・電源32による電磁力は、ベローズ1の圧縮時にベローズ1の伸長力に抗してベローズ1に収縮力を付与するだけの力が必要である。電磁力を用いた場合も、磁力を用いた場合と同じく、ベローズ1が自然長よりも圧縮側にあるときに磁性体19に強く圧縮側への付勢力が働くので、第1の実施の形態と同様の動作を実現し、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0037】
また、スイッチ31によってコイル30への通電・遮断を自在に切り換えられるので、例えばベローズ1の伸長領域(ベローズ収縮領域)においてのみスイッチ31を入れてコイル30に通電し磁性体19を付勢する一方、ベローズ1の収縮領域(ベローズ伸長領域)ではスイッチ31を切って消磁することでモータ4に電磁力による負荷を一切掛けずに済むメリットがある。スイッチ31の入り切りは、ベローズ装置150の動作制御を担う制御装置(不図示)によって、ベローズ装置150の動作に関連付けて制御される構成とすることができる。この制御が不要な場合にはスイッチ31を省略することもできる。
【0038】
本実施の形態のベローズ装置150も、第1の実施の形態のベローズ装置100と同様、図3に示したような分注装置等に適用することができることは言うまでもない。
【0039】
なお、以上においては、本発明のベローズ装置を分注装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明のベローズ装置は、検体分注装置以外の流体を吸引・吐出する装置にも適用可能である。また、ベローズ1が圧縮した際の伸長力を打ち消すように付勢手段17,18を適用した場合を例に挙げて説明したが、ベローズ駆動機構16のバックラッシュを抑止するためには、反対にベローズ1が伸長した際の収縮力を打ち消すように付勢手段17,18を適用することもできる。例えば、ナット21に永久磁石又は磁性体を取り付け(又はナット21を磁性体で構成し)、ケーシング15のナット21との対向部に永久磁石又は磁性体を設けることで実現できる。この場合、ベローズ1の伸縮状態によらず常にナット21にモータ4側への付勢力が加わるので、バックラッシュの発生が抑止される。但し、モータ4の付近で磁力を利用する場合、モータ4に磁力の影響が及ばないように適宜対策することが好ましい。電磁力を利用する場合も、ナット21に磁性体を取り付け(又はナット21自体を磁性体で構成し)、ベローズ1の伸長領域でその磁性体に電磁力が作用するように構成すれば実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るベローズ装置の要部構成を抽出して表した概略図である。
【図2】付勢手段の磁気強度とベローズのバネ力(反発力)の関係を表す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るベローズ装置を用いた分注装置の要部(分注ヘッド)の構成を表した概略断面図である。
【図4】付勢手段を省略した比較例おける検体を吸引・吐出時の圧力信号波形を例示した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における検体を吸引・吐出時の圧力信号波形を例示した図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るベローズ装置の要部構成を抽出して表した概略図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ベローズ
2,3 永久磁石
4 モータ
5 ソレノイド
6 ダイアフラム
7 圧力検出器
8 信号処理回路
9 ノズル基部
10 ノズルチップ
12,13 空洞
14 空気孔
15 ケーシング
16 ベローズ駆動機構
17,18 付勢手段
19 磁性体
20 リードスクリュ
21 ナット
22 カバー
30 コイル
31 スイッチ
32 電源
100 ベローズ装置
150 ベローズ装置
200 分注ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
前記ケーシングに対して一端が固定されたベローズと、
前記ベローズの他端に連結されたベローズ駆動機構と、
前記ベローズの圧縮時に前記ベローズの伸長力に抗して前記ベローズに収縮力を付与する、又は前記ベローズの伸長時に前記ベローズの収縮力に抗して前記ベローズに伸長力を付与する付勢手段と
を備えたことを特徴とするベローズ装置。
【請求項2】
ケーシングと、
前記ケーシングに対して一端が固定されたベローズと、
前記ベローズの他端に連結されたナットと、
前記ナットに螺合したリードスクリュと、
前記ケーシングに設けられ前記リードスクリュを回転駆動させるモータと、
前記ベローズ内部に設けられ前記リードスクリュを包囲するカバーと、
前記カバーの先端部と前記ケーシングの前記カバー先端部との対向部に設けられ磁力によって互いに引き合う一対の磁石又は磁石及び磁性体と
を備えたことを特徴とするベローズ装置。
【請求項3】
請求項2のベローズ装置において、前記ケーシング側に設けた磁石又は磁性体は、前記ベローズの内部空間に連通する空気孔が設けられていることを特徴とするベローズ装置。
【請求項4】
請求項2又は3のベローズ装置において、前記一対の磁石又は磁石及び磁性体は、前記ベローズの最圧縮時でも互いの間に間隙が介在する配置であることを特徴とするベローズ装置。
【請求項5】
ケーシングと、
前記ケーシングに対して一端が固定されたベローズと、
前記ベローズの他端に連結されたナットと、
前記ナットに螺合したリードスクリュと、
前記ケーシングに設けられ前記リードスクリュを回転駆動させるモータと、
前記ベローズ内部に設けられ前記リードスクリュを包囲するカバーと、
前記カバーの先端部に設けた磁性体と、
前記ベローズの前記カバー先端部との対向部の周囲に設けられ前記磁性体に電磁力を作用させて前記ベローズを圧縮側に付勢する電磁力発生手段と
を備えたことを特徴とするベローズ装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれかのベローズ装置において、前記磁力又は電磁力は、前記ベローズの圧縮時に前記ベローズの伸長力に抗して前記ベローズに収縮力を付与する値に設定されていることを特徴とするベローズ装置。
【請求項7】
ケーシングと、
前記ケーシングに対して一端が固定されたベローズと、
前記ベローズの他端に連結されたベローズ駆動機構と、
前記ベローズの圧縮時に前記ベローズの伸長力に抗して前記ベローズに収縮力を付与する、又は前記ベローズの伸長時に前記ベローズの収縮力に抗して前記ベローズに伸長力を付与する付勢手段と、
前記ケーシングに取り付けられたノズル基部と、
前記ノズル基部に装着されたノズルチップと
を備えたことを特徴とする分注装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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