説明

ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)、抽出物

【課題】天然物由来の成分を有効成分とし、したがって安全性に懸念が無く、肌荒れの改善や皮膚の老化防止と健康食品に優れた効果を発揮し、しかもその効果で肌に優しい、植物成分からの新たな化粧料と健康食品材料と医療材料を提供する。
【解決手段】ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)(Sedum dendroideum ssp.praealtum)葉と茎から溶媒抽出した成分が、身体において化粧料、医療材料、健康食品の材料に有効性を示すものであった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料、健康食品に関し、更に詳しく肌荒れの改善や皮膚の老化防止、衛生に優れた効果、安定化に優れた効果を有するベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)(Sedum dendroideum ssp.praealtum)、別名セダン草又は、抽出物を有効成分とする植物性化粧料と健康食品と医療材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、肌荒れの改善や皮膚の老化防止を目的として、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、軟膏等、各種の化粧料が使用されている。かかる化粧料の薬効成分としては、合成品、天然物からの抽出物、それらの誘導体等、多種多様な薬効成分が提案されており、なかでも安全性の面で多くの天然物、例えばアロエ、どくだみ、よもぎからの抽出物が外用医療剤として有効であることが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
植物からの有効成分を薬草は、ゴマ、レンギョウ、これら天然物からの抽出物には、抗アレルギー性予防などの医療材料として、十分なものはなく、また天然物からの薬効成分の効果が不充分であったり、その効果にバラツキがあるという欠点がある(特許文献2参照)。
【0004】
これら天然の植物として、ゴマ、トウガラシ、ドクダミ、バクモンドウなどには、皮膚に関する医療材料として記載されている(特許文献3参照)。
ベンケイソウ科には、例えばアエオニウム属・クラッスラ属・ムラサキベンケイソウ属・リュウキュウベンケイ属・イワレンゲ属・マンネングサ属、セダム属など沢山の種類、属が存在している。とくに 紅景天属植物については多くの薬効があると記載があり、多くの特許文献が存在する(特許文献3〜6参照)。
【0005】
またベンケイソウ科クラックス属には、これを水、メチルアルコール、エチルアルコール等で抽出し、皮膚外科用剤、皮膚防止剤、乳液、クリーム、化粧水、美容液、洗浄料、化粧料等に提案されている(特許文献4参照)。
【0006】
ベンケイソウ科のイワベンケイ属植物では、水、アルコール等で抽出し、外用剤、化粧料、シャンプー、リンス、入浴剤、また飲食品に提案されている(特許文献5参照)。
さらにベンケイソウ科クラックス属でリュウキュウベンケイ植物を水、アルコール等で抽出し、化粧料、石鹸、ボディーシャンプー、皮膚老化防止、飲食物等に使用している(特許文献6参照)。
【0007】
しかし、ベンケイソウ科セダム属のセダンデンドロイビン(セダン草)に関する薬効についての記載はなく、また天然物のベンケイソウ科セダンデンドロイビンの詳細な薬効はほとんど知られていない。
セダム属の多肉植物であるセダン草は、他の属のベンケイソウ科それぞれとは、有効成分又は効能で違い、セダン草には、特異の有効成分と効能を持ち合わせた新しい有効な植物である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−119155号
【特許文献2】特開平11−180885号
【特許文献3】特開平10−45615号
【特許文献4】特開2004−210653号
【特許文献5】特開2002−020301号
【特許文献6】特開2005−029483号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、天然物又は抽出物であって、肌荒れの改善や皮膚の老化防止に対する薬効成分の効果と健康食品に優れた効果に優れ、その効果にバラツキが無い化粧料、健康食品、医療材料を提供する処にある。
【0010】
またベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物の有効成分を含有する水が得られる。
【0011】
とくにベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)から採取する貴重な抽出物で、成分には生活活性物質が含まれている。この成分は万能効能を持ち、病気の治療、新陳代謝の活性、殺菌効果、安定化効果などの作用をもたらす効果が一般に言われている。
【0012】
この成分を化粧料、健康食品、医療材料には応用は進められていなかった。このベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の有効成分を生活用品として有効な化粧料と健康食品と医療材料に取り入れることを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記の課題を解決するべく研究した結果、ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)(Sedum dendroideum ssp.praealtum)抽出物を主要有効成分としては、安全性に、肌荒れの改善や皮膚の老化防止の化粧料の原料として提供できる。主要有効成分としては、身体衛生の医療材料の原料として、さらに健康食品に優れた効果を発揮できる保健材料の原料として提供できる。
【0014】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)を破砕して溶媒で抽出した成分を含有するベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物である。
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の葉と茎を破砕して、アルコール類又は水で20℃〜60℃の温度で抽出して、その留出物を分離して得る。
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)を主要有効成分としては、肌荒れの改善や皮膚の老化防止に有効な化粧料の原料として提供できる。
【0015】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物を主要有効成分としては、身体衛生の医療材料の原料として提供できる。
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)又は、抽出物を主要有効成分としては、健康食品材料の原料として提供できる。
【0006】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)は殺菌作用、抗菌作用を持っている。また、肌荒れの改善や皮膚の老化防止に有効な化粧料の原料として、美容乳液、化粧水、洗顔料、シャンプー、リンス、固形石鹸になる。健康食品材料の原料は、健康ジュース飲料、ゼリー状健康菓子になる。
【0017】
本発明に係る化粧料に供する保湿剤としては、いずれも保湿剤を適用できる。これに例えば、ヒアルロン酸、コラーゲン、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシンが挙げられる。これらを添加することもできる。さらにこのベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物は馬油などの動物性脂肪との相性は良くて、新規の化粧料になる。
【0018】
本発明に係る化粧料には、効果を損なわない範囲内で、化粧料の成分として通常使用される他の成分が適用できる。これには例えば、精製水、温泉水、深層水等の水の他に、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子等が挙げられる。
【0019】
本発明に係る化粧料の種類としては、乳液、クリーム、化粧水、パック、オイル等の基礎化粧料、洗顔料や全身洗浄料、歯磨き粉、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、ヘアスプレー、ヘアトニック、整髪料、育毛・養毛料等の頭髪化粧料、ファンデーション、白粉、口紅、美爪料等のメーキャップ化粧料、腋臭防止剤、ニキビ殺菌練り薬、軟膏等が挙げられる。また形態としては、固型状、ペースト状、ムース状、ジェル状、粉末状、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、多層状等が挙げられる。
【0020】
食品の種類としては、ジュース・ゼリー・ヨーグルト・アイスクリーム・スープ・パン・ケーキ・クッキーなどが挙げられる。
それぞれの食品にセダン草エキス(0,05%〜20%)を加え健康食品とする。
【発明の効果】
【0021】
以上説明した本発明には、天然物であるベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)(Sedum dendroideum ssp.praealtum)を有効成分とし、したがって安全性に懸念が無く、肌荒れの改善や皮膚の老化防止に、あるいは皮膚症状などに優れた効果を発揮し、しかもその効果にバラツキの無い化粧料と医療材料と保健材料を提供できるという効果がある。次の症状に記述の処方によって効果が示される。
【0022】
1)セダン草のエキスを入浴剤として、浴槽に入れて、入浴すると、揮発成分による精神的安定さをもたらし、さらにセダン草の成分による肌を活性化させた。
2)セダン草のエキスを、就寝前に顔に塗り込むことによって、にきび、吹き出物が少なくなった。
3)足が臭いのを防ぐとして、足の指の間にすり込む、靴の中敷に1〜2滴落す。水虫に対して効果的があった。
【0023】
4)火傷した場合に、患部を冷やした後、セダン草のエキスを塗ると、回復が早められた。
5)口臭予防として、水にセダン草のエキスを数滴たらしてうがいや口をすすぐことにより、口の中の雑菌を消滅させて、口臭がなくなった。
【0024】
6)セダン草のエキスを、綿棒などに含ませ、就寝前に患部にすり込むことによって、虫歯、歯槽膿漏、口内炎、歯周病が減少した。
7)アレルギー性鼻炎、花粉症として、マスク等に含ませ吸い込ませると効果がみられた。
【0025】
8)アトピー性皮膚炎の人の皮膚に塗ることによって黄色ブドウ球菌消滅などに効果がある。
9)虫刺されとして、刺されたところに綿棒でするり込むと、痛みがやわらいだ。
10)食品や、ペットフードなどにセダン草のエキスを注入すると、防腐,抗菌作用を示し、食品が長持ちした。また抗菌液体として殺菌スプレーとしても使用することができた。
11)飲料水(ジュースなど)として摂取することによって体内疾患に有効である。
【0026】
その効果は、本発明のベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物がいずれも肌荒れの改善や皮膚の老化防止に所望どおりの効果を発揮するとともに、このベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物が殺菌作用の保健材料に所望通りの効果を発揮するものであった。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の写真
【図2】セダンデンドロイビンの抗菌試験結果の図 A:大腸菌 B:黄色ブドウ球菌 C:一般細菌
【図3】セダンデンドロイビンのSOD様活性試験結果の図
【図4】ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)入りペースト状洗顔料
【図5】ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)入り化粧水
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る実施形態としては、つぎの点が挙げられる。
【実施例1】
【0029】
図1のセダンデンドロイビン(セダン草)300gの茎及び葉の部分を、約3cm程度に切り、3l三角フラスコに入れた。これに90%エタノール水溶液を2500ml添加して密封した後、室温で14日間静置した。
【0030】
上記の溶液を、ろ過をしてろ液を収集し、これを加熱して濃縮した。60℃で12時間蒸発乾固させる濃縮においてはエタノールを完全に取り除き、水を可能な限り蒸発させ、残った残分について重量を測定した。尚、水分が蒸発できない場合は、成分の分解を考慮してその時点で濃縮を停止した。
【0031】
その結果、エキスが完全に乾固できなかったことから、水が残っている状態で濃縮を停止した結果、231.7gの懸濁液を回収した。濃度を確認した結果、抽出物は5.1gであって、2.2%に当たった。
従って、この水溶液(この溶液をセダンデンドロイビン(セダン草)抽出物とした)を用いて、以下の試験の実施例を行った。この溶液は試験に応じて随時希釈及び少量採取後濃縮して使用した。
【実施例2】
【0032】
セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物のチロシナーゼ阻害活性試験を行った。
本抽出物が、シミ及びソバカス等の原因の一つであるチロシナーゼに対して阻害する作用があるか否かを検討した。被験試料として、セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物の0.01%水溶液、0.1%水溶液、0.5%水溶液、1.0%水溶液、含有しない精水溶液(コントロール)の5種類の試料によって試験した。
【0033】
試験方法は、本試験は基質であるドーパー溶液とチロシナーゼを37℃で5分間反応させ、反応生成物であるドーパークロムの吸収波長である475nmで吸光度を測定し、これよりチロシナーゼ活性を測定した。緩衝溶液はリン酸緩衝液(0.2M、pH6.8)を使用した。測定装置は分光光度計UV mini1240((株)島津製作所製)を使用した。
測定の試料は以下の通りである。
L−DOPA溶液(2.17mM) 0.69ml
被験試料 0.75ml
チロシナーゼ溶液(1250unit/ml) 0.06ml
合計1.50ml
チロシナーゼ活性はコントロール(精製水)の測定結果を100%(阻害活性は0%となる)として、これを元に各被験試料のチロシナーゼ阻害活性を算出した。
上記の結果は表1に示す
【表1】

まず、チロシナーゼ阻害活性試験であるが、これは化粧品分野では美白有効試験に位置する。シミやソバカス等メラニン生成の原因として、酵素であるチロシナーゼ活性が大きく関与する。このチロシナーゼの活性が働くことによって、メラニンが生成し、シミ等を作ることから、チロシナーゼを阻害する成分の探索が過去多くなされている。
【0034】
そこで今回セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物にチロシナーゼ阻害活性があるか否かを検討した結果、1.0%水溶液において71%の阻害活性が認められた。
これはセダンデンドロイビン(セダン草)抽出物であることを考慮すると、阻害活性を持つ成分が比較的多く存在すると考えられる。現在一般的なものと同等以上の成分はいくつかあるものの、粗抽出物で、これと同等以上の効果を持つものを探索するのは困難である。セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物液で、71%の阻害活性を持つということから、美白に対して有用であると考えられる。
【実施例3】
【0035】
セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物に水分保持能があるかを検討するために、当該抽出物の水分保持試験を行った。
被験試料として、セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物の1.0%水溶液、5.0%水溶液、比較のために1%ヒアルロン酸ナトリウム0.5%水溶液、含有しない精水溶液(コントロール)の4種類の試料によって試験した。
【0036】
試験方法は、ろ紙(No.2 55mm 東洋濾紙(株)製)を用意し、片面をガムテープにてコーティングした(水分の蒸発を1方向に統一するため)。次に、被験試料滴下前として、ろ紙の重量を精密に測定した後、前記の4検体の被験試料を0.2ml滴下した。この時滴下した重量を直後として正確に測定した。その後、所定の時間に全重量を測定して、ろ紙に残存した水分の重量を算出し、直後の水分量を100%として水分保持能を評価した。本試験は1検体に対して3回実施し、その平均値を用いて評価した。
【0037】
尚、本試験実施時は室温及び湿度を一定(25℃ 51〜53%)にして、無風環境下にて実施した。使用機器としては精密電子天秤GR−200((株)エー・アンド・ディー製)を使用した。結果を表2に示す。
【表2】

【0038】
水分保持試験については、1.0%水溶液及び5.0%水溶液において顕著な結果は認められなかった。このことからセダンデンドロイビン(セダン草)抽出物は、水分保持能は高い方ではないと推測される。今回はろ紙を用いた試験を実施したが、これはヒト皮膚を用いる前の安全性を考慮した試験であると同時に、ヒト皮膚の相関性が高いことから、安全性を確認していない抽出物等には好都合の試験である。
【0039】
結果としては、セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物には水分保持力はないにしても、濃度を1.0%から5.0%に増加させることによって水分保持能の上昇が認められることから、セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物中には、保湿の有効成分が多少なりとも含まれている可能性が高く、既存の保湿成分と混合することによって、相乗効果が得られる可能性は否定できない。
【実施例4】
【0040】
抗菌試験は、セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物の大腸菌、黄色ブドウ球菌及び一般細菌に対する影響を検討した。
被験試料として、セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物の1.0%水溶液、5.0%水溶液、比較のために生理食塩水溶液(コントロール)の3種類の試料によって試験した。対象菌として、大腸菌、黄色ブドウ球菌、一般細菌の3種類の菌体を使用した。
【0041】
試験方法として、まず各種菌について前培養を行い、これを用いて菌液を作製した。被験試料を菌液添加後に最終濃度1及び5%になるようにしたものを対象菌の数だけ準備し、各菌液が最終濃度104〜106CFU/mlになるように被験試料へ添加した。その後、37℃で振とう培養を開始し、所定の時間に菌数を測定した。
【0042】
尚、所定の時間作用させた時の菌数の測定については、生理食塩水を使って10倍希釈列にて希釈した菌液を、SCD寒天培地を用いて混釈法で植菌し、37℃で培養した後、コロニーを計測して菌数を測定した。結果を図2に示す。
【0043】
抗菌試験においては、大腸菌、黄色ブドウ球菌及び一般細菌の3菌に対する影響を検討した。その結果、大腸菌並びに黄色ブドウ球菌については24時間後には1.0%と5.0%水溶液で菌は認められなかったことから、大腸菌や黄色ブドウ球菌に対しては極めて有効であると考えられた。また24時間後に認められなかったことを考えると、更に短い時間での死滅が推測され、殺菌としての効果が得られる可能性が示唆された。
【0044】
一方、一般細菌では1.0%水溶液で24時間後の死滅は認められなかったものの、48時間後で減少していた。また5.0%水溶液では24時間後で極わすかに菌の生存が確認されたが、48時間後には菌が認められなかったことを考慮すると、セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物は一般細菌に対しては顕著な効果はないものの、継続使用によっては十分抗菌効果を持つものであると考えられ、既存の抗菌効果を持つ成分や素材と組み合わせることによって、それらの効果を助長する働きがあるのではと考えられた。
【実施例5】
【0045】
セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物のSOD様活性試験を行った。
被験試料は、セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物の0.01%水溶液、0.1%水溶液、0.5%水溶液、1.0%水溶液、含有しない精水溶液(コントロール)の5種類の試料によって試験した。
【0046】
試験方法は、使用キットとしてスーパーオキサイドディスムターゼキット「SODテストワコー」和光純薬工業(株)製を使用して、使用機器として分光光度計UV mini1240((株)島津製作所製)を使用して行った。本試験は測定キットを使用したため、その説明書に従って試験を実施した。
【0047】
即ち、各種試薬を調整して、被験試料、発色試液及び酵素液を添加した後、37℃で20分間反応させた。次に反応停止液を添加して560nmの波長にて吸光度を測定し、これによりSOD様活性値を算出した(コントロールは説明書に従って精製水を用いた)。尚、被験試料は精製水で所定の濃度に調整したものを試験に供した。結果は図3に示す。
【0048】
SOD様活性測定結果については、比較的良好な結果を得た。ヒトは酸素を必要として生きているが、この酸素が体内で活性酸素という形に変わり、体内の各器官への損傷、酸化物質の生産、ひいては老化の促進につながっていくことはよく知られている。またストレスや疲労についても酸化が関与してくる。体内には抗酸化物質が存在しており、その代表的なものがスーパーオキサイドディスムターゼ、即ちSODである。このSODの体内での抗酸化作用によって、酸化物質が抑えられることとなるが、加齢と共にSODも減少することから、SODのような働きをする成分、いわゆるSOD様活性成分を補う必要がある。
【0049】
このようなことから、現代ではSOD様活性成分の探索や開発が望まれる。ここではセダンデンドロイビン(セダン草)抽出物1.0%水溶液においては52.0%と比較的高い活性を示した。文献で示されている参考値よりも顕著に高く、これらはセダンデンドロイビン(セダン草)抽出物0.01%水溶液のSOD様活性とほぼ同等である。
【0050】
セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物は、SOD様活性が高いことから、化粧品や健康食品分野でも極めて有用であると考えられる。
【実施例6】
【0051】
アトピー性皮膚炎の人に有効な塗るクリームを調製された。
アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、黄色ブドウ球菌の付着によるアレルギーの原因もあると言う事から、ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抗菌作用、SOD作用の効果があるので、10人のアトピー性皮膚炎の方々にベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出液1.0%の塗るクリームを1週間塗ってもらった。
【0052】
その結果次の点が明らかになった。
1、全員、発症予感、皮膚のピリッとする違和感、又はかゆみを感じた直後の塗布は発症しなかった。
2、全員、発症1日後は腫れを伴っていたが、塗布を開始した。6時間間隔で塗布をおこなった。腫れを増幅することなく、かゆみを抑えた。
3、かゆみと腫れが緩和され、肌も乾燥し始めた。
4、個人差もあり1週間で完治はしていないが、かゆみが消え腫れも収まってきた。今後も続けていくことによって、次第に完治した。
その効果は、本発明のベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物はいずれも肌荒れの改善や皮膚の老化防止に所望どおりの効果を発揮するものであった。
【実施例7】
【0053】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物を1%の水溶液をジュースなどにして、10人のアレルギーを持っている方に一週間飲食してもらった。
2人の方は、余り変化が無かった。
8人の方は、徐々に、かゆみが緩和され、くしゃみや鼻水も出なくなった。
今後も飲み続ける事によって改善されると思われる。
【実施例8】
【0054】
ガラス瓶か耐熱カップに精製水を入れて、苛性ソーダを少しずつ加えてよく混ぜ、オイルと苛性ソーダ水の温度をそれぞれ揃え、オイルやコラーゲン、セダン草エキスを入れて、2,3カ月風通しが良い所で寝かし固形石鹸を作った。
セダン草の抽出物には、黄色ブドウ菌を抹殺する殺菌効果・チロシナーゼの阻害効果(美白効果)・SOD様活性が高い以上の事から顔又は身体用の石鹸とした。
【0055】
洗顔にするには、潤いが必要となる為コラーゲンを入れて、合成の石鹸素地を入れず、セダン草エキス1%洗顔料を、10人の人に20日間使ってもらった。泡が立たなくても、洗った後は潤いとすっきり汚れが取れたとのことであった。
依頼者3人の方は、肌に張りを感じた。7人に方は、肌に張りを感じシミが薄くなり、いぼも小さくなり、しわが減ってきた。アトピーの方は、石鹸で洗っている間は、かゆみが無かった。
【実施例9】
【0056】
使いやすくするためには「キサンタンガム」(商標名)を使う「キサンタンガム」でジェル水をつくり、それに石けんのもとを溶かし、できあがった液体石けんの素地を密閉ボトル容器などで1日ほど保温することで、アルカリ度が自然に下がり、肌に使用できる状態に変化していき、オイルなどを加えシャンプーとした。市販のシャンプーを使って痒くなる方5人に使ってもらった。
【0057】
植物性石鹸素地を多少いれ泡立つようにしてシャンプーを作った。あまり、泡は立たないが全員、使用後は頭皮が痒くならない。またフケが段々減ってきた。1人は特に変化は無いが、使用後がさわやかであった。
【実施例10】
【0058】
精製水とグリセリンにセダン草エキスを20%入れて化粧水を作った。洗顔後に、付ける化粧水を10人の方に使ってもらった。
9人の方は肌の張りが出て、シミ・しわが薄くなり痒みが消えた。1人の方は、余り変化は無いが、痒みは消えた。
【実施例11】
【0059】
体の中からも肌荒れや老化防止に効果を出す為に、ゼラチンと水を混ぜて熱を加え溶かした液体にセダン草エキスを10%入れ、健康ゼリーを調製した。
セダン草のゼリーは、アロエのように苦味が無く食べやすいと感想を述べ、多くの方が肌荒れが無くなり張りが出てきた。便秘も解消されたと言われた。
【実施例12】
【0060】
重層とクエン酸とセダン草エキス10%などをよく混ぜ合わせ、そこへ湿り気が出る程度に水を入れ固め、入浴剤にした。
入浴時にお風呂に入れて1週間使用したが、肌荒れが緩和し、揮発成分が精神を安定させた。
【実施例13】
【0061】
セダン草エキスを水で薄めたものを、ニキビ・吹き出物がある方に付けてもらった。
ニキビや吹き出物が少なくなり、肌の調子も良くなった。
【実施例14】
【0062】
セダン草エキスを水で薄め足が臭い5人に毎日外出から帰って来た時に、付けてもらった。3人の人は、匂いが多少はしなくなり、臭い匂いは減ってきた。2人の方は、あまり変化しなかった。また水虫になっている3人の方に付けてもらった。2人は、痒みがなくなり始めた。1人は、あまり変化なかった。
【実施例15】
【0063】
セダン草エキスを水で薄めて食品にスプレーして掛ける事で防腐剤として使用した。ドッグフード5g程度を2個のガラスの器に入れて、室温20℃で湿度70%にして保持した。
Aは、1週間毎日1回セダン草エキスをスプレーする。Bはそのままにして置く。
Aは、1週間カビが生えなかった。Bは、4日目に少しカビが生え始め1週間で60%はカビが生えた。
【符号の説明】
【0064】
1.容器の蓋
2.セダン草エキス入り洗顔料
3.セダン草エキス入り洗顔料入り容器
4.セダン草エキス入り化粧水入り容器
5.指押しポンプ式容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)(Sedum dendroideum ssp.praealtum)を破砕して、溶媒で抽出した成分を含有することを特徴とするベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物。
【請求項2】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の葉と茎を破砕して、アルコール類又は水で20℃〜60℃の温度で抽出して、その留出物を分別して得ることを特徴とする請求項1記載のベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物。
【請求項3】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)を主要有効成分としては、肌荒れの改善や皮膚の老化防止に有効な化粧料の原料に提供できることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物。
【請求項4】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物を主要有効成分としては、身体衛生の医療材料の原料に提供できることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)成分の抽出物。
【請求項5】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物を主要有効成分としては、健康食品材料の原料に提供できることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物
【請求項6】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)を主要有効成分は、肌荒れの改善や皮膚の老化防止に有効な化粧料の原料として、美容乳液、化粧水、洗顔料、シャンプー、リンス、固形石鹸になることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3のいずれかに記載のベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物。
【請求項7】
ベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)抽出物を主要有効成分として、健康食品材料の原料は、健康ジュース飲料、ゼリー状健康菓子になることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項5に記載のベンケイソウ科セダンデンドロイビン(セダン草)の抽出物

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−190258(P2011−190258A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44459(P2011−44459)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(310003728)有限会社 宮崎木材店 (3)
【Fターム(参考)】