説明

ベンジルアミン誘導体の製造法

【課題】 ベンジルアミン誘導体の有利な合成法を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(15)で表される化合物に化合物(20)を反応せしめることを特徴とする一般式(21)で表されるベンジルアミン誘導体の製造方法。
【化1】


[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、アラルキル基、低級アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬等として有用なベンジルアミン誘導体の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般式(21)で表されるベンジルアミンは、優れたタキキニン拮抗作用、特にサブスタンスP拮抗作用、ニューロキニンA及びBに対する拮抗作用を有し、過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)、疼痛、不安、閉塞性気管支疾患、頭痛、嘔吐等の疾患の治療に有用であることが記載されている(特許文献1参照)。
【0003】
【化1】

【0004】
[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【0005】
特許文献1において、当該化合物(21)は、下記のような極めて多くの工程を経て製造されている。
【0006】
【化2】

【0007】
【化3】

【0008】
(式の番号及び式中の記号は特許文献1による)
【0009】
そこで、上記ベンジルアミン誘導体(21)又はその塩の工業的に有利な製造方法が求められていた。
【特許文献1】国際公開WO2005/012248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、上記ベンジルアミン誘導体(21)の工業的に有利な製造方法を見出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
斯かる実情に鑑み、本発明者は、鋭意研究を行った結果、一般式(8)のエチレンジアミン誘導体を経由し、これを直接アシル化し、次いでスピロ[イソキノリン-1,4‘-ピペリジン]-3(4H)-オンを反応させれば、極めて少ない工程で工業的に有利に上記ベンジルアミン誘導体(21)又はその塩が製造できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記一般式(8)で表されるエチレンジアミン化合物に酸ハライド(10)を反応せしめて、誘導体(11)とし、該化合物(11)に化合物(12)を反応せしめて誘導体(13)とし、該化合物(13)をアセトニトリル溶媒中、ルテニウム触媒の存在下、酸化し、誘導体(14)と(15)の混合物を得、得られた混合物を更に酸化し、誘導体(15)とし、該化合物(15)に化合物(20)を反応せしめることを特徴とする一般式(21)で表されるベンジルアミン誘導体又はその塩の製造方法を提供するものである。
【0012】
【化4】

【0013】
[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示し、X3はハロゲン原子を示す。]
【0014】
また本発明は、 次の一般式(8)で表される化合物、一般式(11)で表される化合物、一般式(13)で表される化合物、一般式(14)で表される化合物、一般式(15)で表される化合物、一般式(18)で表される化合物及び一般式(21)で表される化合物の酒石酸塩を提供するものである。
【0015】
【化5】

【0016】
[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、医薬として有用な上記ベンジルアミン誘導体(21)又はその塩が工業的に有利に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
エチレンジアミン誘導体(8)
エチレンジアミン誘導体(8)は本発明方法の出発物質であり、例えば次の反応式に従って製造することができる。
【0019】
【化6】

【0020】
[式中、R1及びR2は、前記と同じものを示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示し、X4及びX5はハロゲン原子を示す。]
即ち、下記一般式(A)で表されるアセチルアリール化合物にハロゲンを反応せしめ、ハロアセチルアリール誘導体(1)とし、該化合物(1)にグリニヤール試薬を反応せしめ、次いで、アルキルアミン(NH22)を反応せしめて誘導体(4)とし、該化合物(4)にトリアリールホスフィン、ハロゲン及び第三級アミンを反応せしめ、下記一般式(5)で表されるアジリジン誘導体(5)とし、次いで、該アジリジン化合物(5)にアルキルアミン(NH21)を反応せしめ誘導体(6)を得、該化合物(6)を光学分割、再結晶を行えば光学活性なエチレンジアミン誘導体(8)が得られる。
詳細には、次の製造方法により、エチレンジアミン誘導体(8)を製造することができる。
【0021】
誘導体(1)の製造
誘導体(1)は、公知の化合物(A)(アセチルアリール化合物)にハロゲンX4分子を反応せしめることにより製造することができる。
【0022】
【化7】

【0023】
[式中、X1、X2及びX4は、前記と同じものを示す。]
式(A)中、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示し、ここで、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子が好ましい。
ここで用いるハロゲンX4分子としては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、臭素が好ましい。ハロゲンX4分子は、化合物(A)1モルに対し、0.9〜1.5モル使用することが好ましく、 特に1.0〜1.1モル使用することが好ましい。ここで、用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン等が挙げられる。また、この反応の反応温度は、0〜100℃が好ましく、特に20〜50℃が好ましい。
得られた反応液は、常法により、精製、結晶化することができる。
【0024】
誘導体(4)の製造
誘導体(4)は、上記化合物(1)にグリニヤール試薬を反応せしめ、次いで、アルキルアミン(NH22)を反応させることにより得られる。
この反応は、次のように進行する。
【0025】
【化8】

【0026】
[式中、R2、X1、X2、X4及びX5は前記と同じものを示す。]
グリニヤール試薬のX5で示されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素又は臭素原子が好ましい。グリニヤール試薬は、化合物(1)に対して等モル用いることが好ましい。
ここで、用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等が挙げられる。また、この反応の反応温度は、−110〜−10℃が好ましく、特に−80〜−40℃が好ましい。
本反応では、化合物(2)から誘導体(3)へと進行する。反応液中では、化合物(2)及び(3)の混合物となっていることも考えられるが、反応系を変えることなく、そのまま次の反応に用いても支障がない。
【0027】
次に、アルキルアミン(NH22)を反応せしめる。
ここで用いるアルキルアミンのR2は、アルキル基であるが、炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。アルキルアミンの使用量は、化合物(2)と(3)の混合物1モルに対し、1.0〜3.0モルが好ましく、特に2.0〜2.5モルが好ましい。
ここで、用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、水及びこれらから選ばれる混合液等が挙げられる。また、この反応の反応温度は、室温〜80℃が好ましく、特に30〜60℃が好ましい。
【0028】
誘導体(5)の製造
誘導体(5)は、化合物(4)にトリアリールホスフィン、ハロゲン及び第三級アミンを反応せしめることにより得られる。
【0029】
【化9】

【0030】
[式中、R2、X1及びX2は前記と同じものを示す。]
ここで用いるハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、臭素が好ましい。トリアリールホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。第三級アミンとしては、トリアルキルアミン、特にトリエチルアミンが好ましい。トリアリールホスフィン及びハロゲンは、それぞれ化合物(4)に対して、1.0〜3.0モル用いることが好ましく、特に、1.3〜2.0モル用いることが好ましい。また、第三級アミンは、化合物(4)に対して、2.0〜6.0モル用いることが好ましく、特に、3.0〜4.0モル用いることが好ましい。
反応は、まずトリアリールホスフィンにハロゲンを添加し、トリアリールホスフィン−ハロゲン付加物を調製し、その後、化合物(4)と第三級アミンを加え、30〜60℃で行うことが好ましい。
ここで用いる溶媒としては、酢酸エチル、アセトニトリル又はこれらの混合物等が挙げられ、特にアセトニトリルが好ましい。
【0031】
誘導体(6)の製造
誘導体(6)は、アジリジン化合物(5)にアルキルアミン(NH21)を反応せしめることにより得られる。
【0032】
【化10】

【0033】
[式中、R1、R2、X1及びX2は前記と同じものを示す。]
ここで用いるアルキルアミンのR1は、アルキル基であるが、炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。アルキルアミンの使用量は、化合物(5)1モルに対し、3.0〜20.0モルが好ましく、特に5.0〜7.0モルが好ましい。
本反応は、非水系で酸の存在下行うことが好ましい。ここで用いる酸としては、スルホン酸系のものが好ましく、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸等が挙げられる。
ここで、用いる溶媒としては、N―メチルピロリドン、DMF、DMA、DMSO等が挙げられる。また、この反応の反応温度は、50〜200℃が好ましく、特に100〜120℃が好ましい。
本反応は、アジリジン環を開環する反応であるが、アジリジン環の窒素に結合する基は、従来は、電子吸引性基が最適と考えられていたが(J.Org.Chem.68,5160, 2003)、本反応によれば、メチル基等のアルキル基、ベンジル基等のアラルキル基等の電子供与性基が窒素原子に結合するものであっても開環させることができる。
【0034】
化合物(6)の光学分割及び塩の製造
上記の如くして得られたラセミ体化合物(6)を、イソプロピルアルコール等の溶媒に溶解し、(+)−ジトルオイル酒石酸を添加し、析出した結晶を濾取することにより、光学活性体化合物(6)の(+)−ジトルオイル酒石酸塩・1型結晶(7)とすることができる。
更に、得られた結晶を、45〜55℃に加熱した酢酸エチルに加え、攪拌後、冷却濾取し、乾燥すれば、光学活性体化合物(6)の(+)−ジトルオイル酒石酸塩・2型結晶(7)が得られ、精製することができる。化合物(8)は、化合物(7)と同じであるが、塩に限定されるものではない。
【0035】
誘導体(11)の製造
エチレンジアミン化合物(8)に、酸ハライド(10)を反応せしめることにより誘導体(11)を製造することができる。
【0036】
【化11】

【0037】
[式中、R1、R2、R3、X1及びX2は前記と同じものを示す。]
上記エチレンジアミン化合物(8)は、トルエン溶液として反応に用いることが好ましい。該トルエン溶液は、エチレンジアミン化合物(7)を炭酸カリウム水溶液にトルエンを加えたものに加え、トルエン層を採れば、得ることができる。
酸ハライド(10)のハロゲン原子としては、塩素、臭素が挙げられるが、塩素が好ましい。
酸ハライド(10)は、一般式(9)で表される酸(R3COOH)に塩化チオニル等のハロゲン化剤を反応させて得られる。ここで、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示すが、このアルキル基の炭素数は1〜4が好ましい。
このようにして得られた酸ハライド含む反応液をエチレンジアミン化合物(8)のトルエン溶液にアルカリ水溶液と混合攪拌下に10℃以下で滴下し、誘導体(11)を得ることができる。
酸ハライド(10)の使用量は、エチレンジアミン化合物(8)1モルに対し、1.0〜2.0モルが好ましく、特に1.3〜1.5モルが好ましい。
【0038】
誘導体(13)の製造
誘導体(13)は、化合物(11)に化合物(12)を反応せしめることにより得られる。
【0039】
【化12】

【0040】
[式中、R1、R2、R3、R4、X1及びX2は前記と同じものを示す。]
化合物(12)において、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示すが、アリール基が好ましく、特にフェニル基が好ましい。化合物(12)の使用量は、化合物(11)1モルに対し、1.0〜3.0モルが好ましく、特に1.3〜1.5モルが好ましい。
本反応は、第三級アミンの存在下、行うことが好ましい。第三級アミンとしては、トリアルキルアミン、特にトリエチルアミンが好ましい。
第三級アミンの使用量は、化合物(12)1モルに対し、1.0〜2.0モルが好ましく、特に 1.3〜1.5モルが好ましい。
ここで、用いる溶媒としては、トルエン、アセトニトリル等が挙げられる。また、この反応の反応温度は、室温〜80℃が好ましく、特に50〜70℃が好ましい。
【0041】
誘導体(14)及び誘導体(15)の製造
誘導体(14)及び誘導体(15)は、化合物(13)をアセトニトリル溶媒中、ルテニウム触媒の存在下、酸化し得られる。
【0042】
【化13】

【0043】
[式中、R1、R2、R3、R4、X1及びX2は前記と同じものを示す。]
ここで、酸化剤としては、過ヨウ素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、オキソン(登録商標)が好ましいものとして挙げられる。ルテニウム触媒としては、RuCl3、RuO2 が好ましい。酸化剤の使用量は、化合物(11)1モルに対し、1.0〜3.0モルが好ましく、特に1.5〜2.0モルが好ましい。また、ルテニウム触媒の使用量は、化合物(11)に対し、1.0〜7.0%モルが好ましく、特に3.0〜4.0%モルが好ましい。
また、この反応の反応温度は、−20〜30℃が好ましく、特に−10〜5℃が好ましい。
【0044】
誘導体(15)の製造
上記の如くして得られた化合物(14)と(15)の混合物を更に酸化し、混合物中の化合物(14)を誘導体(15)とする。
【0045】
【化14】

【0046】
[式中、R1、R2、R3、R4、X1及びX2は前記と同じものを示す。]
ここで用いる酸化剤としては、過ヨウ素酸ナトリウムが好ましいものとして挙げられる。酸化剤の使用量は、該混合物1モルに対し、1.0〜3.0モルが好ましく、特に1.5〜2.0モルが好ましい。
ここで、用いる溶媒としては、アセトニトリル、メタノール、THF、水またはそれらの混合物が挙げられる。また、この反応の反応温度は、0〜50℃が好ましく、特に10〜30℃が好ましい。
【0047】
誘導体(21)の製造
誘導体(21)は、化合物(15)に化合物(20)を反応せしめることで製造される。
【0048】
【化15】

【0049】
[式中、R1、R2、R3、R4、X1及びX2は前記と同じものを示す。]
化合物(20)は、化合物(15)1モルに対して、1.0〜3.0モル使用することが好ましく、特に1.0〜1.2モル使用することが好ましい。本反応は、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド及び酢酸の存在下行うことが好ましい。
また、ここで、用いる溶媒としては、酢酸エチル、THF等が挙げられる。また、この反応の反応温度は、−10〜30℃が好ましく、特に−5〜15℃が好ましい。
【0050】
本反応で用いられる化合物(20)は、例えば、次の反応式に従って製造することができる。
【0051】
【化16】

【0052】
すなわち、1-ベンジルピペリジン-4-オン(16)と2-フェニルアセタミド(17)の溶液とを塩酸存在下反応させ、化合物(18)を得、該化合物(18)にポリリン酸を反応せしめ、化合物(19)とし、該化合物(19)に触媒下、水素を反応せしめれば、化合物(20)を得ることができる。
より詳細には、次の様にして、化合物(20)を得ることができる。
【0053】
1)化合物(16)+化合物(17)→化合物(18)
【0054】
【化17】

【0055】
1-ベンジルピペリジン-4-オン(16)と2-フェニルアセタミド(17)の量比は、等モルが好ましい。溶媒としては、トルエンとN-メチルピロリドンの混合液が好ましい。化合物(16)と(17)の混合溶液に濃塩酸を滴下し、その後、生成する水を分離しながら昇温し、途中トルエンを適宜追加しながら110〜120℃にて4〜8時間攪拌する。反応液を室温に冷却し、イソプロパノールを加え析出晶をろ取、乾燥すれば化合物 (18)を得ることができる。このように化合物(18)は、反応液をそのまま次の反応に用いるのではなく、単離することで化合物(20)の収率を上げることができる。
【0056】
2)化合物(18)→化合物(19)
【0057】
【化18】

【0058】
70〜100℃に加熱したポリリン酸に化合物 (18)をゆっくり加え、100〜140℃で8〜15時間加熱する。ポリリン酸の使用量は、化合物 (18)1モルに対して8.0〜15.0倍モルが好ましい。
【0059】
3)化合物(19)→化合物(20)
【0060】
【化19】

【0061】
オートクレーブ中、化合物 (19)をイソプロパノール等の溶媒に懸濁させ、触媒、好ましくは6%パラジウムカーボン触媒を加え水素圧0.5Mpa下、80〜100℃にて加熱攪拌することにより、化合物(20)を得ることができる。
【0062】
誘導体(21)の塩
誘導体(21)を酢酸エチル等の溶媒に溶解したものを、ヒベンズ酸をエタノールに溶解した溶液に滴下し、攪拌後ろ取し乾燥すれば誘導体(21)のヒベンズ酸塩が得られる。
該ヒベンズ酸塩を酢酸エチル等の溶媒に溶解し攪拌下、アルカリを用いて誘導体(21)とし、減圧にて溶媒を留去後、得られた残査のエタノール溶液とL−酒石酸のエタノール溶液を混合し、析出結晶をろ取、乾燥すれば、誘導体(21)の1/2 L-酒石酸塩が安定な結晶として得られる。
【実施例】
【0063】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0064】
参考例
下記反応式に従い、誘導体(7')を製造した。
【0065】
【化20】

【0066】
[化合物(1')の製造]
1-(3,4-ジクロロフェニル)-エタノン(A')100kgをメタノール200kgに溶解し、臭素85kgを滴下、その後25〜50℃で4時間攪拌した。減圧下、反応液を濃縮し、残査に酢酸エチルと硫酸ナトリウム水を加え抽出、有機層を水洗後、再び減圧下有機層を濃縮し得られた残査にヘキサンを加え結晶化させた。結晶を濾取、乾燥し2-ブロモ-1-(3,4-ジクロロフェニル)エタノン(1')105.6kg(74.5%)を得た。
【0067】
化合物(1')
1H NMR (400MHz CDCl3):δ 4.38 (s,2H),7.59(d, J=8.5Hz,1H),7.81(dd, J=2.0,8.5Hz,1H),8.07(d, J=2.0Hz,1H)
【0068】
[化合物(2')、(3')の製造]
2-ブロモ-1-(3,4-ジクロロフェニル)エタノン(1')65.0kgをTHF180kgに溶解し、アリルマグネシウムブロマイドTHF溶液(化合物(1')の等倍モル量)を−40℃以下で滴下し、そのまま3時間攪拌した。反応液に水と濃塩酸を加え15分攪拌後静置し、有機層をとり(1-ブロモ-2-(3,4-ジクロロフェニル)ペント-4-エン-2-オール(2')と2-アリル-2-(3,4-ジクロロフェニル)オキシラン(3')の混合物を得、そのまま次の工程に用いた。
【0069】
化合物(2')
1H NMR (400MHz, CDCl3):δ 2,59 (s,1H),2.69 (d, J=7.0Hz, 2H),3.71(s, 2H),5.10〜5.17(m, 2H), 5.53〜5.64(m, 1H), 7.23 (dd, J=2.5, 8.5Hz, 1H), 7.44(d, J=8.5Hz,1H), 7.55(d, J=2.5Hz, 1H)
【0070】
化合物(3')
1H NMR (400MHz, CDCl3):δ 2.59 (dd, J=7.0, 15.0 Hz, 1H),2.71 (d, J=5.5 Hz, 1H), 2.87 (ddt, J=6.5, 15.0, 1.0 Hz, 1H), 3.01 (d, J=5.5 Hz, 1H), 5.09〜5.17(m, 2H), 5.68〜5.80(m, 1H), 7.21 (dd, J=2.0, 8.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J=8.5 Hz,1H), 7.46 (d, J=2.0 Hz, 1H)
【0071】
[化合物(4')の製造]
実施例2で得られた有機層(1-ブロモ-2-(3,4-ジクロロフェニル)ペント-4-エン-2-オール(2)と2-アリル-2-(3,4-ジクロロフェニル)オキシラン(3')の混合物にメタノール77.0kgと40%モノメチルアミン水溶液を190kgを加え約50℃で2時間加熱攪拌した。減圧にて濃縮後、反応液にトルエン100kgを加え、濃塩酸にて約pH1とし結晶を析出させ、濾取乾燥し、2-(3,4-ジクロロフェニル)-1-(メチルアミノ)ペント-4-エン-2-オール 塩酸塩(4')を69.2kg(96.1%)得た。
【0072】
化合物(4')
1H NMR (400MHz, DMSO-d6):δ 2.47(t, J=4.5 Hz, 3H),2.62 (d, J=7.0Hz, 2H),3.21〜3.30 (m, 1H), 3.33〜3.45 (m, 1H), 4.94〜5.02 (m, 2H), 5.53〜5.65 (m, 1H), 6.32 (s, 1H), 7.46 (dd, J=2.0, 8.5Hz, 1H), 7.64 (d, J=8.5Hz,1H), 7.71 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.19 (brs, 1H), 8.68 (brs, 1H)
【0073】
[化合物(5')の製造]
トリフェニルホスフィン132kgとアセトニトリル200kgを混合し、攪拌しながら室温以下にて臭素81kgを滴下、約50℃にて15分攪拌した。反応液を減圧下にて濃縮した後、酢酸エチルを300kg加えトリフェニルホシフィンジブロマイド−酢酸エチル溶液とした後、2-(3,4-ジクロロフェニル)-1-(メチルアミノ)ペント-4-エン-2-オール 塩酸塩(4')を100kgとトリエチルアミン154kgを加え35〜50℃で1時間加熱攪拌した。室温にて反応液に水を加え15分攪拌後静置し有機層を取り、水層を酢酸エチルで抽出し有機層と合わせた後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を減圧にて濃縮し、残査にヘキサンを加え析出する固形物を濾別した。ヘキサン溶液を濃縮し2-アリル-2-(3,4-ジクロロフェニル)-1-メチルアジリジン(5')71.2kg(純度92.3%、収率87.3%)を油状物として得た。なお、これをそのまま次の工程に用いた。
【0074】
化合物(5')
1H NMR (400MHz, CDCl3):δ 1.49 (s, 0.35H), 1.60 (s, 0.65H), 1.95 (s, 0.35H), 2.05 (s, 1.95H), 2.06 (s, 0.65H), 2.17 (dd, J=7.0, 14.0 Hz, 0.65H), 2.53 (dd, J=6.5, 16.0 Hz, 0.35H), 2.62 (s, 1.05H), 2.73 (dd, J=7.0, 14.0 Hz, 0.65H), 2.84 (dd, J=6.5, 16.0 Hz, 0.35H), 4.92〜5.05 (m, 2H), 5.59〜5.74 (m, 1H), 7.16 (dd, J=2.0, 8.5 Hz, 0.65H), 7.20 (dd, J=2.0, 8.5 Hz, 0.35H), 7.34 (d, J=8.5 Hz, 0.35H), 7.39 (d, J=2.0 Hz, 0.65H), 7.42 (d, J=8.5 Hz, 0.65H), 7.46 (d, J=2.0 Hz, 0.35H)
【0075】
[化合物(6')の製造]
N-メチルピロリドン280kgにメタンスルホン酸140kgと40%モノメチルアミン−メタノール溶液230kgを加え、攪拌下先に得られた粗アジリジン化合物(5')を加え、100〜115℃で加熱攪拌した。冷却後、反応液にトルエンと水を加え25%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とした後抽出した。有機層を取り飽和食塩水で洗浄後、有機層を減圧にて濃縮し、2-(3,4-ジクロロフェニル)-N1,N2-ジメチルペント-4-エン-1,2-ジアミン(ラセミ体)(6')として残査を得た。
【0076】
化合物(6')
1H NMR (400MHz, CDCl3):δ 1.38 (brs, 2H),2.19 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 2.45 〜2.62 (m, 2H), 2,72 (d, J=12.0 Hz, 1H), 2.81 (d, J=12.0 Hz, 1H), 7.26 (dd, J=2.0, 8.5 Hz, 1H), 7.41 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.53 (d, J=2.0Hz, 1H)
【0077】
光学分割
得られた残査にイソプロパノール840kgを加え、約45℃で(+)−ジトルオイル酒石酸115kgを加え1時間攪拌し析出した結晶をろ取し、(s)-2-(3,4-ジクロロフェニル)-N1,N2-ジメチルペント-4-エン-1,2-ジアミン(+)−ジトルオイル酒石酸塩・1型結晶156.2kg(純度93.4%)を得た。
【0078】
1型結晶
1H NMR (400MHz, DMSO-d6):δ 2.02 (s, 3H), 2.35 (s, 6H), 2.43〜2.56 (m, 5H), 3.19 (d, J=13.0 Hz, 1H), 3.33 (d, J=13.0 Hz, 1H), 4.94〜5.01 (m, 2H), 5.36〜5.48 (m, 1H), 5.60 (s, 2H), 7.28 (d, J=2.0 Hz, 4H), 7.35 (dd, J=2.0, 8.5 Hz, 1H), 7.61〜7.65 (m, 2H), 7.80 (d, J=8.0Hz, 4H)
【0079】
得られた結晶を45〜55℃に加熱した酢酸エチル550kgに加え、50〜55℃にて2時間攪拌し、室温に冷却した後ろ取、乾燥し、(s)-2-(3,4-ジクロロフェニル)-N1,N2-ジメチルペント-4-エン-1,2-ジアミン(+)−ジトルオイル酒石酸塩2型結晶(7')53.1kg(34.1%)を得た。
2型結晶
【0080】
1H NMR (400MHz, DMSO-d6):δ 2.02 (s, 3H), 2.35 (s, 6H), 2.43〜2.56 (m, 5H), 3.19 (d, J=13.0 Hz, 1H), 3.33 (d, J=13.0 Hz, 1H), 4.94〜5.01 (m, 2H), 5.36〜5.48 (m, 1H), 5.60 (s, 2H), 7.28 (d, J=8.0 Hz, 4H), 7.35 (dd, J=2.0, 8.5 Hz, 1H), 7.61〜7.65 (m, 2H), 7.80 (d, J=8.0Hz, 4H)
【0081】
実施例
以下、次の反応式に従って化合物(21')の塩を製造した。
【0082】
【化21】

【0083】
化合物(11')の製造
10%炭酸カリウム水溶液100kgを攪拌しながらトルエン200L、次いで(s)-2-(3,4-ジクロロフェニル)-N1,N2-ジメチルペント-4-エン-1,2-ジアミン(+)−ジトルオイル酒石酸塩2型結晶(7')160kgを室温にて加え溶解させ、トルエン層を取り、(s)-2-(3,4-ジクロロフェニル)-N1,N2-ジメチルペント-4-エン-1,2-ジアミン(+)−ジトルオイル(8')トルエン溶液とした。12.5%水酸化ナトリウム水溶液116kgを加え攪拌しながら、トルエン73Lに塩化チオニル18.8kg、DMF1.15kgを加え3,3,3-トリフルオロプロピオン酸(9')22.3kgを40℃以下にて滴下、その後65℃で7時間加熱し3,3,3-トリフルオロプロピオン酸クロライド(10')とした反応液を、(s)-2-(3,4-ジクロロフェニル)-N1,N2-ジメチルペント-4-エン-1,2-ジアミン(+)−ジトルオイル(8')トルエン溶液に10℃以下で滴下し、その後15分攪拌した。有機層を取り水洗後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を除去後、減圧にて濃縮して(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-2-(メチルアミノ)ペント-4-エンイル)-3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド(11)46.5kg(100%)を油状物として得た。
【0084】
化合物(11')
1H NMR (400MHz, CDCl3):δ 2.21 (s, 2.55H), 2.26 (s, 0.45H), 2.56 (s, 2.55H), 2.61〜2.69 (m, 2H), 2.72 (s, 0.45H), 2.74〜3.17 (m, 2H), 3.22 (d, J=14.0 Hz, 0.15H), 3.49 (d, J=14.0 Hz, 0.85H), 3.64 (d, J=14.0 Hz, 0.15H), 3.76 (d, J=14.0 Hz, 0.85H), 5.18〜5.33 (m, 2H), 5.78〜5.90 (m, 1H), 7.20〜7.24 (m, 0.15H), 7.34 (dd, J=2.0, 8.5 Hz, 0.85H), 7.42 (d, J=8.5 Hz, 0.85H), 7.45〜7.50 (m, 0.3H), 7.63 (d, J=2.0 Hz, 0.85H)
【0085】
化合物(13')の製造
(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-2-(メチルアミノ)ペント-4-エンイル)-3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド(11')46.5kgをトルエン120Lに溶解し、トリエチルアミン17.6kgとベンゾイルクロライド(12')22.2kgを60℃で加え、そのまま7時間攪拌した。反応液にメタノールを加えて反応を停止させ、反応液を1N塩酸水溶液にて洗浄後、さらに水で洗浄した。飽和食塩水で洗浄後、有機層を減圧にて濃縮し(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ペント-4-エン-2-イル)-N-メチルベンズアミド(13')58.8kg(99.5%)を油状物として得た。
【0086】
化合物(13')
1H NMR (400MHz, CDCl3):δ 2.77〜2.84 (m, 1H), 2.92 (s, 2.76H), 2.97 (s, 0.24H), 3.03 (s, 3H), 3.10〜3.31 (m, 3H), 4.18 (d, J=13.5 Hz, 0.08H), 4.25 (d, J=13.5 Hz, 0.92H), 4.59〜4.68 (m, 1H), 5.03〜5.12 (m, 1.84H), 5.21〜5.30 (m, 0.16H), 5.53〜5.63 (m, 0.08H), 5.75〜5.88 (m, 0.92H), 7.19 (dd, J=2.5, 8.5 Hz, 1H), 7.37〜7.44 (m, 7H)
【0087】
化合物(14')及び(15')の製造
(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ペント-4-エン-2-イル)-N-メチルベンズアミド(13')58.8kgをアセトニトリル200Lに溶解したものと、過ヨウ素酸ナトリウム45.2kgを水520Lで水溶液としたものにアセトニトリル730Lを加えたものとを混合し、RuCl3水和物983gをアセトニトリル165Lで溶解した溶液に5℃以下で滴下した。その後、1時間攪拌した後イソプロパノール120Lを加え15分攪拌し、反応液にトルエン526Lを加えて抽出、有機層を取った。有機層を5%食塩水で洗浄後、1%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、更に10%食塩水で洗浄した後、有機層を減圧にて濃縮しN-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロキシ-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ペンタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド(14')と(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-オキソ-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ブタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド(15')の混合物が酸化体純度*86.5%油状物残査として得られた。得られた残査を精製することなくそのまま次の反応に用いた。
【0088】
*酸化体純度:HMPAによるエキソオレフィンのルテニウム酸化により生成するカルボン酸体+ケトアルコール体+ジオール体(14')+アルデヒド体(15') のピーク面積合計中のジオール体(14')+アルデヒド体(15')のピーク面積合計の百分率)
化合物(14')
1H NMR (400MHz, CDCl3):δ 1.99 (d, J=14.5 Hz, 0.5H), 2.11 (dd, J=10.5, 14.5 Hz, 0.5H), 2.16〜2.22 (m, 0.5H), 2.30〜2.42 (m, 2H), 2.82 (d, J=14.5 Hz, 0.5H), 3.00〜3.43 (m, 8.5H), 3.45〜3.53 (m, 0.5H), 3.63〜3.71 (m, 0.5H), 3.76〜3.87 (m, 0.5H), 4.40〜5.08 (m, 2H), 5.26 (d, J=3.0Hz, 0.5H), 7.22〜7.30 (m, 1H), 7.36〜7.52 (m, 7H)
【0089】
化合物(15')
1H NMR (400MHz CDCl3):δ 2.73 (s, 3H), 3.07 (s, 3H), 3.15〜3.33 (m, 3H), 3.68 (d, J=17.0 Hz, 1H), 4.02 (d, J=13.5 Hz, 1H), 4.99 (d, J=13.5 Hz, 1H), 7.24〜7.28 (m, 1H), 7.37〜7.49 (m, 7H), 9.76 (t, J=1.5 Hz, 1H)
【0090】
化合物(15')の製造
先に得られたN-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロキシ-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ペンタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド(14')と(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-オキソ-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ブタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド(15')の混合物残査をアセトニトリル200Lに溶解し、攪拌下室温にて過よう素酸ナトリウム51.6kgを水400Lに溶解した水溶液を室温にて分割添加した。添加終了後、トルエン340Lを加え反応液を抽出、有機層を水洗後、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。再び水洗後、有機層を減圧にて濃縮して(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-オキソ-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ブタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド(15')を酸化体純度84.4%の油状物残査として得た。得られた残査を精製することなくそのまま次の反応に用いた。
【0091】
化合物(15')
1H NMR (400MHz CDCl3):δ 2.73 (s, 3H), 3.07 (s, 3H), 3.15〜3.33 (m, 3H), 3.68 (d, J=17.0 Hz, 1H), 4.02 (d, J=13.5 Hz, 1H), 4.99 (d, J=13.5 Hz, 1H), 7.24〜7.28 (m, 1H), 7.37〜7.49 (m, 7H), 9.76 (t, J=1.5 Hz, 1H)
【0092】
化合物(21')の製造
先に得られた(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-オキソ-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ブタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド(15')残査を酢酸エチル200Lに溶解したものを、2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-3(4H)-オン26.1kg、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド27kg、酢酸10,9kgをTHF140Lに溶解した溶液に10℃以下で滴下し、そのまま3時間攪拌した。10%食塩水130Lと混合し1時間攪拌後、有機層を取り1%酢酸飽和食塩水260kgにて洗浄後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、5%食塩水にて洗浄した。得られた有機層を減圧にて濃縮して(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H−スピロ[イソキノリン-1,4‘-ピペリジン]-1’-イル)-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ブタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド(21')を油状物83.2kg(100%)を得た。
【0093】
化合物(21')
1H NMR (400MHz CDCl3):δ 1.69〜1.80 (m, 2H), 2.06〜2.34 (m, 6H), 2.42〜2.54 (m, 1H), 2.60〜2.71 (m, 1H), 2.77 (d, J=11.0 Hz, 1H), 2.87 (d, J=11.0 Hz, 1H), 3.02 (s, 3H), 3.14 (s, 3H), 3.18〜3.39 (m, 2H), 3.62 (s, 2H), 4.45〜4.60 (m, 2H), 6.31 (brs, 1H), 7.12〜7.16 (m, 1H), 7.20〜7.35 (m, 4H), 7.37〜7.48 (m, 7H)
【0094】
化合物(21')の塩
先に得られた(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4‘-ピペリジン]-1’-イル)-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ブタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド(21')を酢酸エチル280Lに溶解したものを、ヒベンズ酸30kgをエタノールに溶解した溶液に50℃以下で滴下し、1時間攪拌後ろ取し乾燥して(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4‘-ピペリジン]-1’-イル)-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ブタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド・ヒベンズ酸塩を66.7kg((s)-2-(3,4-ジクロロフェニル)-N1,N2-ジメチルペント-4-エン-1,2-ジアミン(+)−ジトルオイル酒石酸塩2型結晶(7')より59.4%)で得た。
【0095】
ヒベンズ酸塩
1H NMR (400MHz DMSO-d6):δ 1.61〜1.68 (m, 2H), 1.93〜2.02 (m, 2H), 2.13〜2.15 (m, 1H), 2.24〜2.34 (m, 2H), 2.52〜2.76 (m, 5H), 2.94 (s,3H), 3.08 (s, 3H), 3.54 (s, 2H), 3.70 (q, J=11.0 Hz, 2H), 4.29〜4.45 (m, 2H), 6.79 (q, J=9.0 Hz, 2H), 7.16〜7.36 (m, 5H), 7.43〜7.66 (m, 11H), 7.71 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.95 (dd, J=1.0, 7.5 Hz, 1H)
【0096】
(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4‘-ピペリジン]-1’-イル)-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ブタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド・ヒベンズ酸塩66.2kgを酢酸エチル200Lに溶解し攪拌下、炭酸カリウム29.5kgを水溶液として滴下した。15分攪拌後有機層を取り、減圧にて溶媒を留去した。得られた(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4‘-ピペリジン]-1’-イル)-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ブタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド残査のエタノールの溶液とL−酒石酸5.3kgのエタノール溶液を混合し、1時間攪拌した。析出結晶をろ取、乾燥後(S)-N-(2-(3,4-ジクロロフェニル)-4-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4‘-ピペリジン]-1’-イル)-1-(3,3,3-トリフルオロ-N-メチルプロパンアミド)ブタン-2-イル)-N-メチルベンズアミド・1/2 L-酒石酸塩45.8kg(84%)を得た。
【0097】
1/2 L-酒石酸塩
1H NMR (400MHz DMSO-d6):δ 1.68〜1.71 (m, 2H), 1.98〜2.03 (m, 2H), 2.24〜2.37 (m, 3H), 2.52〜2.78 (m, 3H), 2.81〜2.84 (m, 2H), 2.92 (s, 3H), 3.09 (s, 3H), 3.55 (s, 2H), 3.71 (q, J=11.0 Hz, 2H), 4.12 (s, 1H), 4.28〜4.46 (m, 2H), 7.17〜7.29 (m, 3H), 7.31〜7.38 (m, 1H), 7.45〜7.49 (m, 6H), 7.56 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.72 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.88 (s, 1H)
【0098】
化合物(20)の製造
化合物(21')の原料の1つである化合物(20)は、以下の反応式に従って製造した。
【0099】
【化22】

【0100】
化合物(18)の製造
トルエン250kgとN-メチルピロリドン30kgの混合液に1-ベンジルピペリジン-4-オン(16)と2-フェニルアセタミド(17)を加え、55℃に加熱し濃塩酸21kgを滴下した。その後、生成する水を分離しながら昇温し、途中トルエンを適宜追加しながら110〜120℃にて5時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、イソプロパノール25kgを加え析出晶をろ取、乾燥し、N-(1-ベンジル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-2-フェニルアセタミド(18)を51.9kg(収率81.9%)を得た。
【0101】
化合物(18)
1H NMR (400MHz CDCl3):δ2.17〜2.18 (m, 2H), 2.57 (t, J=6.0 Hz, 2H), 3.02 (dd, J=3.0, 6.0 Hz,2H), 3.55 (s, 2H), 3.58 (s, 2H), 6.05 (t, J=3.0 Hz, 1H), 6.30 (brs, 1H), 7.22〜7.37 (m, 10H)
【0102】
化合物(19)の製造
85℃に加熱したポリリン酸230kgにN-(1-ベンジル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-2-フェニルアセタミド(18)32.2kgをゆっくり加え、105〜120℃で10時間加熱した。90℃以下にて水500Lを加え、50%水酸化カリウムで中和し析出晶をろ過し粗結晶を得た。得られた粗結晶を酢酸エチルと炭酸ナトリウム水溶液で抽出し、得られた有機層を水洗した。有機層を減圧下濃縮し、イソプロパノールを加え析出晶をろ取し、乾燥して1‘-ベンジル-2H-スピロ[イソキノリン-1,4’-ピペリジン]-3-(4H)-オン(19)19.6kg(収率68.2%)を得た。
【0103】
化合物(19)
1H NMR (400MHz CDCl3):δ1.63〜1.80 (m, 2H), 2.21〜2.33 (m, 4H), 2.91〜2.94 (m, 2H), 3.59 (s, 2H), 3.64 (s, 2H), 6.36 (brs, 1H), 7.15 (dd, J=1.0, 7.0 Hz, 1H), 7.24〜7.40 (m, 8H)
【0104】
化合物(20)の製造
オートクレーブ中、1‘-ベンジル-2H-スピロ[イソキノリン-1,4’-ピペリジン]-3-(4H)-オン(19)53.5kgをイソプロパノール550kgに懸濁させ、6%パラジウムカーボン触媒5.0kgを加え水素圧0.5Mpa下80〜100℃にて加熱攪拌した。熱時触媒をろ去し、得られたろ液を減圧下濃縮、途中結晶が析出した時点で濃縮を止め、冷却した。析出晶をろ取、乾燥して2H-スピロ[イソキノリン-1,4‘-ピペリジン]-3(4H)-オン(20)32.8kg(収率87.6%)を得た。
【0105】
化合物(20)
1H NMR (400MHz CDCl3):δ1.77〜1.81 (m, 2H), 2.08〜2.16(m、2H), 2.95〜3.01 (m, 2H), 3.08〜3.12 (m, 2H), 3.65 (s, 2H), 6.37 (brs, 1H), 7.16〜7.17 (m, 1H), 7.25〜7.32 (m, 2H), 7.37〜7.40 (m, 1H)
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明によれば、タキキニン拮抗作用(特に、サブスタンスP拮抗作用、ニューロキニンA及びBに対する拮抗作用)を有するベンジルアミン誘導体を有利に製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(15)で表される化合物に化合物(20)を反応せしめることを特徴とする一般式(21)で表されるベンジルアミン誘導体又はその塩の製造方法。
【化1】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項2】
下記一般式(14)及び(15)で表される化合物の混合物を酸化し、誘導体(15)とし、次いで該化合物(15)に化合物(20)を反応せしめることを特徴とする一般式(21)で表されるベンジルアミン誘導体又はその塩の製造方法。
【化2】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項3】
下記一般式(13)で表される化合物をアセトニトリル溶媒中、ルテニウム触媒の存在下、酸化し、誘導体(14)と(15)の混合物を得、得られた混合物を更に酸化し、誘導体(15)とし、該化合物(15)に化合物(20)を反応せしめることを特徴とする一般式(21)で表されるベンジルアミン誘導体又はその塩の製造方法。
【化3】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項4】
下記一般式(11)で表される化合物に化合物(12)を反応せしめて誘導体(13)とし、該化合物(13)をアセトニトリル溶媒中、ルテニウム触媒の存在下、酸化し、誘導体(14)と(15)の混合物を得、得られた混合物を更に酸化し、誘導体(15)とし、該化合物(15)に化合物(20)を反応せしめることを特徴とする一般式(21)で表されるベンジルアミン誘導体又はその塩の製造方法。
【化4】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項5】
下記一般式(8)で表されるエチレンジアミン誘導体に酸ハライド(10)を反応せしめて、誘導体(11)とし、該化合物(11)に化合物(12)を反応せしめて誘導体(13)とし、該化合物(13)をアセトニトリル溶媒中、ルテニウム触媒の存在下、酸化し、誘導体(14)と(15)の混合物を得、得られた混合物を更に酸化し、誘導体(15)とし、該化合物(15)に化合物(20)を反応せしめることを特徴とする一般式(21)で表されるベンジルアミン誘導体又はその塩の製造方法。
【化5】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示し、X3は、ハロゲン原子を示す。]
【請求項6】
下記一般式(14)及び(15)で表される化合物の混合物を酸化することを特徴とする一般式(15)で表されるベンジルアミン誘導体の製造方法。
【化6】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項7】
下記一般式(13)で表される化合物をアセトニトリル溶媒中、ルテニウム触媒の存在下、酸化することを特徴とする、一般式(14)及び(15)で表されるベンジルアミン誘導体の製造方法。
【化7】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項8】
下記一般式(11)で表される化合物に化合物(12)を反応せしめることを特徴とする一般式(13)で表されるベンジルアミン誘導体の製造方法。
【化8】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項9】
下記一般式(8)で表されるエチレンジアミン誘導体に酸ハライド(10)を反応せしめることを特徴とする一般式(11)で表されるベンジルアミン誘導体の製造方法。
【化9】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示し、X3は、ハロゲン原子を示す。]
【請求項10】
次の一般式(8)で表されるエチレンジアミン化合物。
【化10】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示しX1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項11】
次の一般式(11)で表されるベンジルアミン化合物。
【化11】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項12】
次の一般式(13)で表されるベンジルアミン化合物。
【化12】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項13】
次の一般式(14)で表されるベンジルアミン化合物。
【化13】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項14】
次の一般式(15)で表されるベンジルアミン化合物。
【化14】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項15】
次の一般式(21)で表されるベンジルアミン化合物のヒベンズ酸塩又は光学活性な酒石酸塩。
【化15】

[式中、R1及びR2は、アルキル基を示し、R3は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示し、R4は、炭素数7〜16のアラルキル基、低級アルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又はフェニル基もしくは低級アルキル基が置換していてもよいアミノ基を示し、X1及びX2は、水素原子又はハロゲン原子を示す。]
【請求項16】
下記化合物(19)に触媒下、水素を反応せしめることを特徴とする化合物(20)の製造方法。
【化16】

【請求項17】
下記化合物(18)にポリリン酸を反応せしめ、化合物(19)とし、該化合物(19)に触媒下、水素を反応せしめることを特徴とする化合物(20)の製造方法。
【化17】

【請求項18】
下記1-ベンジルピペリジン-4-オン(16)と2-フェニルアセタミド(17)の溶液に塩酸存在下、化合物(18)を得、該化合物(18)にポリリン酸を反応せしめ、化合物(19)とし、該化合物(19)に触媒下、水素を反応せしめることを特徴とする化合物(20)の製造方法。
【化18】

【請求項19】
下記化合物(18)にポリリン酸を反応せしめることを特徴とする化合物(19)の製造方法。
【化19】

【請求項20】
下記1-ベンジルピペリジン-4-オン(16)と2-フェニルアセタミド(17)の溶液とを塩酸の存在下反応させることを特徴とする化合物(18)の製造方法。
【化20】

【請求項21】
下記式で表される化合物(18)。
【化21】


【公開番号】特開2008−273840(P2008−273840A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205323(P2005−205323)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000108339)ゼリア新薬工業株式会社 (30)
【Fターム(参考)】