説明

ベンジルオキシ−エチルアミン誘導体の防腐剤としての使用、防腐方法および組成物

本発明は、式(I):


(式中、R1およびR2は、H、メチル、エチル、フェニルまたはベンジルを表す)の化合物、またはその塩の、特に化粧用、皮膚科学的または医薬用組成物における、防腐剤としての使用に関する。
本発明はまた、前記式(I)の化合物を組成物に配合することからなる化粧用、皮膚科学的または医薬用組成物を防腐するための方法;ならびにそうして得られる組成物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンジルオキシ-エチルアミンファミリーの化合物の、特に化粧用、皮膚科学的または医薬用組成物における、防腐剤としての使用、ならびに前記組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化学的防腐剤を化粧用または皮膚科学的組成物に導入することは、一般的な慣行であり、これらの防腐剤はこれら組成物において、急速に組成物を使用に不適切にすることになる微生物の成長を阻止することを意図している。組成物内部で成長することができる微生物、ならびに使用者が組成物を取り扱う間、特に化粧瓶から製品を指で取る際に持ち込んでしまう可能性のある微生物から組成物を保護することは特に必要である。
従来使用されている防腐剤の効果は、不定であり、それを用いた製剤は、処方上の問題、例えば不適合性を、または特にエマルションの不安定化などさえも引き起こす可能性がある。さらに、防腐剤は、特に敏感肌に対して、望ましくない副作用(刺激、アレルギー)を引き起こす可能性がある。したがって、一般的に使用される化学的防腐剤は、特にパラベンおよびホルムアルデヒド放出性化合物であるが、これらの防腐剤も、比較的高濃度で存在すると、特に敏感肌に対して刺激を引き起こすという欠点がある。他の既知の防腐剤は、有機ヒドロキシ酸であるが、これらも、皮膚に対する落屑作用をもつため、同様に刺激を引き起こすことがあり、この作用は必ずしも忍容性が良いわけではない。
さらに、環境保護意識の高い消費者は、環境的に有害ではない防腐剤を益々求めるようになっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「Bioorganic & Med. Chem. Lett.」2006年、16(7)、1965〜1968頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、その活性が先行技術の化合物と少なくとも等しい有効性であるが、先行技術の化合物の欠点を有さない防腐剤、特に抗微生物剤に対するニーズが依然として存在している。
本発明の1つの目的は、特に、広範な抗微生物スペクトルを有し、先行技術の欠点を有しない新規の防腐剤を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の主題の1つは、少なくとも1つの下記に定義の式(I)の化合物、またはその塩を防腐剤として使用することからなる。表現「防腐剤」は、組成物を汚染物質から保護するために、一般的に組成物に添加される物質を意味するものと理解される。有利には、本発明の式(I)の化合物は、抗微生物剤および/または抗細菌剤および/または抗真菌剤として使用される。
【0006】
本発明のもう1つの主題は、前記組成物に少なくとも1つの下記に定義の式(I)の化合物またはその塩を配合することからなることを特徴とする、化粧用、皮膚科学的または医薬用組成物を防腐するための方法である。
【0007】
本発明のもう1つの主題は、生理的に許容できる媒体中に、少なくとも1つの式(I)の化合物またはその塩を含む化粧用、皮膚科学的または医薬用組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
出願人は、驚くべきことに、かつ予想外に、式(I)のベンジルオキシ-エチルアミンファミリーの化合物が、細菌、酵母または糸状菌のいずれに対しても、良好な抗微生物特性を有していることを見出した。
したがって、これら化合物は、広範なスペクトルを有しているため、特に化粧用組成物において、抗微生物剤、特に抗細菌剤として、および/または抗真菌剤、すなわち抗酵母および/または抗糸状菌剤として使用できる。したがって、これら式(I)の化合物は、有利には、特に防腐剤として、化粧用および/または皮膚科学的組成物に使用できる。
出願人の知る限りでは、本発明の式(I)のベンジルオキシ-エチルアミンは、化粧用処方において提案されたことはなく、ましてや防腐剤として提案されたこともない。
【0009】
本発明の式(I)の化合物には、明確に定義され、かつ特徴付けられた化学構造を有するため、その製造が容易に再現できるという利点があり、これら化合物の工業的実用もまた比較的容易に達成しうる。
さらに、これら化合物は、化粧品に一般的に使用される媒体、特に水性媒体に対して良好な溶解性または相容性がある。
【0010】
したがって、本発明の化合物は、下記の式(I):
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子またはメチル、エチル、フェニルもしくはベンジル基を表す);
およびこれらの塩に相当する。
好ましくは、R1はHを表す。
好ましくは、R2はHまたはベンジルを表す。
【0013】
式(I)の化合物の有機または無機塩もまた、本発明の一部である。したがって、塩にされた化合物は、式(I'):
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、R1およびR2は、式(I)に定義の通りであり、X-は、有機および/または無機の、化粧品として許容できるアニオン、またはアニオンの混合物である)
に相当する。
【0016】
特に、X-は、ハロゲン化物、特に塩化物、臭化物、フッ化物またはヨウ化物;水酸化物;リン酸塩;硫酸塩;硫酸水素塩;メチル硫酸塩またはエチル硫酸塩などの、アルキルが直鎖状または分枝状C1〜C6アルキルであるアルキル硫酸塩;炭酸塩および炭酸水素塩;ギ酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩およびシュウ酸塩などのカルボン酸の塩;メチルスルホン酸塩などの、アルキルが直鎖状または分枝状C1〜C6アルキルであるアルキルスルホン酸塩;4-トリルスルホン酸塩などの、アリール、好ましくはフェニルが、1種若しくはそれ以上のC1〜C4アルキル基で任意選択で置換されているアリールスルホン酸塩;メシル酸塩などのアルキルスルホン酸塩;およびこれらの混合物から選択されるアニオン、またはアニオンの混合物を表してよい。
【0017】
本発明の式(I)の化合物として、特に:
【0018】
【化3】

【0019】
を挙げることができる。
【0020】
当然ながら、式(I)の化合物の混合物を使用してよい。
好ましくは、組成物は、式(I)の防腐剤以外のいかなる防腐剤も含まない。特に、組成物はパラベンを含まない。
【0021】
式(I)の化合物の幾つかは市販されており、特にCAS 10578-75-3に該当する化合物がMaybridgeにより、またはCAS 38336-04-8に該当する化合物がChembridgeにより市販されている。
これらの化合物は、当業者によって、例えば下記の工程に従って、容易に合成できる:
【0022】
A/ R1=R2=Hである化合物は、エタノールアミンからオキサゾリン中間体の形成を介して3ステップで調製することができる。ベンジルアルコールによるオキサゾリンの開環により、N-アセチル化化合物が形成される。酢酸基の脱保護は、従来の条件下で、特にH3PO4を加えて、還流下または塩基性条件下で行うことができる。
【0023】
【化4】

【0024】
B/ R1=HかつR2=フェニルである化合物は、文献、特に「Bioorganic & Med. Chem. Lett.」2006年、16(7)、1965〜1968頁に記載の合成法に従って、当概出発物質であるアルデヒドの還元的アミノ化によって調製することができる。
【0025】
【化5】

【0026】
本発明の式(I)のベンジルオキシ-エチルアミンファミリーの化合物は、化粧用、皮膚科学的または医薬用組成物中に、所望の効果を得るのに十分な量で存在してよく、組成物の全重量の、特に0.1から5重量%、好ましくは0.25から3重量%、より特に0.5から2重量%に相当してよい。
本発明の式(I)の化合物を含む組成物は、生理的に許容できる媒体、すなわち顔または身体の皮膚、唇、毛髪、睫毛、眉毛および爪などのケラチン物質との適合性のある媒体を含む。
組成物は局所適用に適したあらゆるガレニック製剤形態、特に水性、水性-アルコール性、有機または油性溶液の形態;ローションまたはセラムタイプの、溶媒または脂肪物質へのサスペンジョンまたはディスパージョン;ベシクルディスパージョンの形態;クリームまたはミルクなどのW/O、O/Wまたは多層エマルションの形態;軟膏、ジェル、固形スティック、ペースト状または固形の無水製品、フォーム、特にエアゾールフォーム、またはスプレーの形態であってよい。
化合物がその中で使用されてよい生理的に許容できる媒体、およびその構成成分、それらの量、組成物のガレニック製剤形態およびその調製方法は、所望のタイプの組成物の機能に応じて、当業者が、その一般的知識に基づき選択することができる。
【0027】
特に、組成物は想定される用途の分野で一般的に使用されるいかなる脂肪物質を含んでもよい。特に、シリコーンオイル、ガムおよびワックスなどのシリコーン脂肪物質、ならびに植物、鉱物、動物および/または合成由来の油、ペーストおよびワックスなどの非シリコーン脂肪物質を挙げることができる。油は揮発性であっても不揮発性であってもよい。
炭化水素、特にイソパラフィン;総計で8から60個の炭素原子を含む合成のエステルおよびエーテル;C8〜C32脂肪アルコールおよびC8〜C32脂肪酸を挙げることができる。
組成物は、水性媒体、エタノールまたはイソプロパノールなどのC2〜C6モノアルコールを含む水性-アルコール性媒体、C2〜C6アルコール、特にエタノールおよびイソプロパノール、プロピレングリコールなどのグリコール、ならびにケトンなどの標準的有機溶媒を含む有機媒体もまた含んでよい。
【0028】
組成物は、乳化剤、界面活性剤、親水性または親油性の増粘剤またはゲル化剤、活性成分、特に化粧用活性成分、抗酸化剤、香料、フィラー、顔料、UV-遮蔽剤、におい吸収剤、染料、保湿剤(グリセリン)、ビタミン類、必須脂肪酸、ポリマー、特に脂溶性ポリマー、乳白剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤、コンディショナーおよび噴射剤などの、検討される分野において一般的であるアジュバントを含んでよい。言うまでもなく、当業者であれば、本発明の組成物の有利な特性が、想定される添加により悪影響を受けることがない、または実質上は受けることがないように、これらのアジュバント、および/またはその量を選択するよう注意を払うであろう。
【0029】
本発明の組成物が少なくとも1つの水相(例えば水溶液、水性エマルション)を含むとき、本発明の組成物のpHは、好ましくは4から9までの間、好ましくは4から7の間、有利には5から6まで、特にpH5.5であってよい。
【0030】
本発明の組成物は特に、下記の形態であってよい:
- ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウ、コンシーラースティック、カバースティック、アイライナー、マスカラ、リップスティック、ネイルエナメルもしくはネイルケア製品などの、顔、身体の皮膚もしくは唇のメイクアップのための製品;
- 日焼け防止用組成物もしくは人工的タンニング用組成物;
- アフターシェーブジェルもしくはローション;
- 脱毛クリーム;
- デオドラント、シャワージェルもしくはシャンプーなどの身体衛生用組成物;
- 医薬用組成物;
- 石けんもしくはクレンジングバーなどの固形組成物;
- 加圧噴射剤をもまた含むエアゾール組成物;
- ヘアセッティングローション、ヘアスタイリングクリームもしくはジェル、染料組成物(特に酸化染料組成物)、毛髪修復ローション、パーマネントウェーブ組成物、抜け毛防止用ローションもしくはジェル;または
- 口腔用途の組成物、例えば歯磨き剤。
【0031】
本発明を、下記の典型的実施形態において、より詳細に例証する。
【実施例】
【0032】
(実施例1)本発明の組成物の水中での抗微生物活性の測定
式(I)の組成物の抗微生物の有効性を、前記組成物を水に加えた後に、チャレンジテスト、すなわち人工汚染法を用いて評価した。
【0033】
【表1】

【0034】
プロトコール
チャレンジテストの方法は、コレクションからの微生物菌株(細菌、酵母および糸状菌)による試料の人工的汚染と、接種から7日後の生存微生物数の評価とからなる。
式(I)の化合物の有効性を実証するために、約106CFU(コロニー形成単位)/gの水溶液の接種後に、「X」量の前記化合物を含む水溶液の抗微生物活性を(化合物を含まない)同一の溶液のみのもの(対照)と比較した。
【0035】
微生物の培養
5種類の微生物の純粋培養物を使用する。
【0036】
【表2】

【0037】
グラム陰性細菌(大腸菌および緑膿菌)、グラム陽性細菌(エンテロコッカスフェーカリス)、酵母(カンジダアルビカンス)および糸状菌(黒麹菌)の株を、細菌および酵母については接種前日に、糸状菌については接種5日前に、それぞれ継代培養培地に接種する。
【0038】
接種の日に:
-細菌および酵母については、分光光度計で544nmにおける透過光の35%から45%の光学密度を有するサスペンジョンを得るように、トリプトン塩希釈物へのサスペンジョンをそれぞれ調製する;
- 糸状菌に関しては、寒天を6から7mlの回収溶液で洗浄することにより胞子を回収し、サスペンジョンを無菌のチューブまたはフラスコに回収する。
【0039】
微生物のサスペンジョンをホモジナイズした後、0.2mlの接種原(サスペンジョンは非希釈で使用する: 1×108から3×108CFU/ml)を各ピルボトルに入れ、スパチュラを用いて、微生物サスペンジョンを20gの製品(=式(I)の化合物を指示された濃度で含む水溶液)中で完全にホモジナイズする。
【0040】
製品中に存在する微生物の濃度は、ホモジナイズ後で、製品1グラム当たり106の微生物濃度、すなわち1ml当たり108個の微生物を含む接種原の1%を接種することに相当する。
暗所、22℃±2℃で微生物と生成物とを接触時間7日間接触させた後に、10倍希釈をし、製品中に残存する生存微生物数をカウントする。
【0041】
結果
【0042】
【表3】

【0043】
本研究は、本発明の式(I)の化合物が、その抗細菌活性および抗真菌活性により非常に広範な抗微生物スペクトルを有することを示している。これら化合物は、特に試験をした水性溶液中において有効な防腐剤である。
【0044】
(実施例2)
下記(重量%)を含むローションを調製する:
- 化合物A 1%
- グリセロール 2%
- エチルアルコール 20%
- オキシエチレン化(26OE)オキシプロピレン化(26OP)ブタノール、
オキシエチレン化(40OE)水添ヒマシ油の水中混合物 1%
- 脱塩水 全量で100%
【0045】
(実施例3)
下記(重量%)を含むフェイシャルジェルを調製する:
- 化合物A 1%
- ポリアクリル酸グリセリル(Norgel) 30%
- ポリアクリルアミド/C13〜14イソパラフィン/ラウレス-7(Sepigel 305) 2%
- シリコーン油 10%
- 水 全量で100%
【0046】
(実施例4)
下記(重量%)を含むトリーティングジェルを調製する:
- 化合物B 1%
- キサンタンガム 1%
- グリセロール 2%
- エタノール 20%
- オキシエチレン化(26OE)オキシプロピレン化(26OP)ブチルアルコール、
オキシエチレン化(40OE)水添ヒマシ油の水中混合物 1%
- 香料 適量
- 脱塩水 全量で100%
【0047】
(実施例5)
下記(重量%)を含むフォーミングクレンジングクリームを調製する:
- エチレングリコールモノステアレート 2%
- 化合物B 0.5%
- マグネシウムアルミニウムシリケート水和物 1.7%
- ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.8%
- ココイルイセチオン酸ナトリウムとヤシ油脂肪酸との混合物
(AkzoのElfan AT 84 G) 15%
- ステアリン酸 1.25%
- ラウロイルサルコシンナトリウムの30%水溶液 10%
- 香料 適量
- 脱塩水 全量で100%
【0048】
(実施例6)
下記(重量%)を含むケアクリームを調製する:
- トリステアリン酸ソルビタン 1%
- 化合物A 1.5%
- 架橋カルボキシビニルホモポリマー 0.4%
- キサンタンガム 0.5%
- ジメタクリル酸エチレングリコール/メタクリル酸ラウリルコポリマー 1%
- シクロペンタジメチルシロキサン 6%
- グリセロール 3%
- 乳化剤 4%
- 香料 適量
- 脱塩水 全量で100%
【0049】
(実施例7)
下記(重量%)を含むカバースティックを調製する:
- ワックス(カルナウバロウおよびオゾケライト) 14%
- シアバターの液体画分 4%
- 酸化チタンおよび酸化亜鉛 22%
- 酸化鉄 4%
- 化合物A 1%
- ポリジメチルシロキサン/含水シリカ 0.1%
- セチルアルコール 1.4%
- イソパラフィン 全量で100%
【0050】
(実施例8)
下記(重量%)を含むティンテッドクリームを調製する:
- 水添レシチン 2.4%
- アンズ核油 6%
- ジメタクリル酸エチレングリコール/メタクリル酸ラウリルコポリマー 1%
- オキシエチレン化(5OE)ダイズステロール 1.6%
- 化合物B 1%
- 酸化鉄 0.9%
- 酸化チタン 5%
- ポリアクリルアミド/C13〜C14イソパラフィン/ラウレス-7(Sepigel 305) 4%
- シクロペンタジメチルシロキサン 6%
- グリセロール 6%
- プロピレングリコール 6%
- 香料 適量
- 脱塩水 全量で100%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの式(I):
【化1】

(式中、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子またはメチル、エチル、フェニルもしくはベンジル基を表す)
の化合物、またはその塩の防腐剤としての使用。
【請求項2】
化粧用、皮膚科学的または医薬用組成物の防腐剤としての請求項1に記載の使用。
【請求項3】
抗微生物剤および/または抗細菌剤および/または抗真菌剤としての請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
R1がHを表す、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
R2がHまたはベンジルを表す、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
式(I)の化合物が塩にされており、かつ、式(I'):
【化2】

(式中、R1およびR2は、式(I)に定義の通りであり、X-は、有機および/または無機の、化粧品として許容できるアニオン、またはアニオンの混合物である)
に相当する、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
式(I)の化合物が、
【化3】

から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
式(I)の化合物および/またはその塩が、単独でまたは混合物として、化粧用、皮膚科学的または医薬用組成物中に、組成物の全重量の、0.1から5重量%、好ましくは0.25から3重量%、より特に0.5から2重量%の量で存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
組成物が下記の形態:
- ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウ、コンシーラースティック、カバースティック、アイライナー、マスカラ、リップスティック、ネイルエナメルまたはネイルケア製品などの、顔、身体の皮膚または唇のメイクアップのための製品;
- 日焼け防止用組成物または人工的タンニング用組成物;
- アフターシェーブジェルまたはローション;
- 脱毛クリーム;
- デオドラント、シャワージェルもしくはシャンプーなどの身体衛生用組成物;
- 医薬用組成物;
- 石けんもしくはクレンジングバーなどの固形組成物;
- 加圧噴射剤をもまた含むエアゾール組成物;
- ヘアセッティングローション、ヘアスタイリングクリームもしくはジェル、染料組成物、特に酸化染料組成物、毛髪修復ローション、パーマネントウェーブ組成物、抜け毛防止用ローションもしくはジェル;または
- 口腔用途の組成物、例えば歯磨き剤
である、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に規定する、少なくとも1つの式(I)の化合物またはその塩を前記組成物に配合することを本質とすることを特徴とする、化粧用、皮膚科学的または医薬用組成物を防腐するための方法。
【請求項11】
生理的に許容できる媒体中に、少なくとも1つの式(I):
【化4】

(式中、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子またはメチル、エチル、フェニルもしくはベンジル基を表す)
の化合物、またはその塩を含み、
式(I)の化合物および/またはその塩は、単独でまたは混合物として、組成物の全重量の、0.1から5重量%の量で存在する、化粧用、皮膚科学的または医薬用組成物。
【請求項12】
式(I)の化合物が塩にされており、かつ、式(I'):
【化5】

(式中、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子またはメチル、エチル、フェニルもしくはベンジル基を表し;かつ、X-は、有機および/または無機の、化粧品として許容できるアニオン、またはアニオンの混合物である)
に相当する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
式(I)または(I')の化合物が、
【化6】

から選択される、請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
式(I)の化合物および/またはその塩が、単独でまたは混合物として、組成物の全重量の、0.25から3重量%、より特に0.5から2重量%の量で存在する、請求項11から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記生理的に許容できる媒体が、シリコーンオイル、ガムおよびワックスなどのシリコーン脂肪物質;植物、鉱物、動物および/または合成由来の油、ペーストおよびワックスなどの非シリコーン脂肪物質;水性媒体;C2〜C6モノアルコールを含む水性-アルコール性媒体; C2〜C6アルコール、プロピレングリコールなどのグリコール;ケトン;乳化剤、界面活性剤、親水性または親油性の増粘剤またはゲル化剤、活性剤、特に化粧用活性剤、抗酸化剤、香料、フィラー、顔料、UV-遮蔽剤、におい吸収剤、染料、保湿剤、ビタミン、必須脂肪酸、ポリマー、特に脂溶性ポリマー、乳白剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤、コンディショナーおよび噴射剤、
から選択される少なくとも1つの成分を含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
- ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウ、コンシーラースティック、カバースティック、アイライナー、マスカラ、リップスティック、ネイルエナメルもしくはネイルケア製品などの、顔、身体の皮膚もしくは唇のメイクアップのための製品;
- 日焼け防止用組成物もしくは人工的タンニング用組成物;
- アフターシェーブジェルもしくはローション;
- 脱毛クリーム;
- デオドラント、シャワージェルもしくはシャンプーなどの身体衛生用組成物;
- 医薬用組成物;
- 石けんもしくはクレンジングバーなどの固形組成物;
- 加圧噴射剤をもまた含むエアゾール組成物;
- ヘアセッティングローション、ヘアスタイリングクリームもしくはジェル、染料組成物、特に酸化染料組成物、毛髪修復ローション、パーマネントウェーブ組成物、抜け毛防止用ローションもしくはジェル;または
- 口腔用途の組成物、例えば歯磨き剤、
の形態である、請求項11から15のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2013−513590(P2013−513590A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542595(P2012−542595)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052520
【国際公開番号】WO2011/070264
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】