説明

ベンジル化アミノプロピル化エチレンジアミンおよびその使用

【課題】本発明はベンジル化アミノプロピル化アルキレンジアミン化合物を含むエポキシ硬化剤組成物を提供する。
【解決手段】アミン‐エポキシ組成物ならびにこれらアミン‐エポキシ組成物から生成された物品もまた開示される。これらの硬化剤組成物はエポキシ樹脂硬化、硬化促進、及び/又は架橋するために使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の他所参照
この出願は2007年2月7日申請された出願番号第11/672298号の一部継続であり、その開示はここに参照により取入れられる。
【0002】
本発明は一般にベンジル化アミノプロピル化アルキレンジアミン化合物、そのような化合物から誘導される硬化剤ならびにアミン‐エポキシ組成物、及びそのような化合物及び/又は組成物から製造される物品に関する。
【0003】
アミン系硬化剤で硬化、硬化促進、及び/又は架橋されるエポキシ樹脂の使用はよく知られている。これらのアミン−エポキシ物質は塗膜、接着剤、及び複合物から固結床向け配合物のような大抵土木工学適用と言われるコンクリート、セメント質もしくはセラミック基材向け建設用製品の範囲に及ぶ用途で広く使用される。
【0004】
エポキシ樹脂がとても純粋非芳香族アミンで硬化されるときにこれらのアミンとエポキシ樹脂の混和性は良好であるとは限らず、熟時間は明澄混合物が入手できる前に必要であることはあるかもしれない。
【0005】
透明塗層に関しては熟時間は高光沢度ならびに透明度の塗膜を達するために適用されるものである。熟成時間または温置時間または誘導時間はエポキシ樹脂とアミンを混合および生成物を標板基材上に塗る間の時間として規定される。また配合が透明になる必要時間としても定義されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの課題を克服するためにアミンはモノグリシジルエーテル特にフェニルグリシジルエーテルまたはo‐クレシルグリシジルエーテルを付加された。これらの反応は蒸気圧を低下し、樹脂に対してアミン混和性を改良するのにきわめて有利であり、残念ながらこの結合は生成物適用を妨げることがある全く高水準に粘度を増加させる傾向がある。この種類の結合はまた遊離アミン移転を要するかもしれない。類似結合は遊離アミンすべてを取り除くだけ遠隔に実施されるとすれば粘度は随分高すぎるであろう、しかも多少の場合には生成物は固体までもなるだろう。この類別の結合はまた分子について使用される各分子アミンは反応座を移動することになるので限定され、系架橋密度を特に4未満だけの反応座を有するアミンで減少することができる。
【0007】
アミン‐エポキシ塗料工業で採用される多くのアミン系硬化剤及びアミン‐エポキシ組成物がある;しかしながらこれらの認められた製品のいずれも全く入用を扱わないかもしくは上述の注記課題を解決しない。しかるべく本発明が向けられるものはこのためである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は硬化剤組成物および該組成物を製造する方法を開示する。これらの硬化剤組成物はエポキシ樹脂を硬化、硬化促進、および/または架橋するために使用可能である。本発明は少なくとも3つの活性アミン水素原子と少なくとも1つのベンジル基を有し、1つの実施形態でベンズアルデヒド化合物とアミノプロピル化アルキレンジアミン(APADA)の還元アミノ化反応生成物を含む少なくとも一のベンジル化アミノプロピル化アルキレンジアミンを含む硬化剤組成物を含む。別実施形態で少なくとも一のベンジル化APADAはベンジルハロゲン化物とAPADAの反応生成物を含む。さらに別実施形態で少なくとも一のベンジル化APADAは少なくとも1つのベンジル化アミノプロピル化エチレンジアミンを含む。
【0009】
別側面では本発明は
(i) 少なくとも一のベンジル化APADA、例えばベンズアルデヒド化合物のAPADAを加えた還元アミノ化反応生成物、ベンジル化APADAは少なくとも3つの活性アミン水素と少なくとも1つのベンジル基を含み;および
(ii) 3つまたはそれ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能アミン、の接触生成物を含む硬化剤組成物を提供する。
【0010】
一般に本発明の硬化剤組成物はおよそ30〜およそ500の100%固体基準アミン水素当量を有する。
【0011】
本発明はさらに別側面でアミン‐エポキシ組成物を提供する。例えば、本発明に従ってアミン‐エポキシ組成物は反応生成物:
A) 少なくとも一のベンジル化APADA、例えばベンズアルデヒド化合物とAPADAの還元アミノ化反応生成物を含む硬化剤組成物、ベンジル化APADAは少なくとも1つのベンジル基と少なくとも3つの活性アミン水素を有し;及び
B) 少なくとも一の多官能エポキシ樹脂を含むエポキシ組成物からなる
を含む。
【0012】
本発明に従って別側面としてアミン‐エポキシ組成物は反応生成物:
A) 硬化剤組成物:
(i) 少なくとも一のベンジル化APADA、例えばベンズアルデヒド化合物とAPADAの還元アミノ化反応生成物、ただし、ベンジル化APADAは少なくとも1つのベンジル基と少なくとも3つの活性アミン水素を有する;および
(ii) 3つまたはそれ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能アミン、の接触生成物を含む;及び
B) 少なくとも一の多官能エポキシ樹脂を含むエポキシ組成物、からなる
を含む。
【0013】
各上述側面の特定実施形態でベンジル化APADAはベンジル化アミノプロピル化エチレンジアミン(APEDA)である。各上述側面の別の特定実施形態でベンジル化APADAはベンジル化N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンである。各上述側面のさらに別の特定実施形態でベンジル化APADAはベンジル化N-3-アミノプロピルエチレンジアミン;ベンジル化N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン;およびベンジル化N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンを含むベンジレートAPEDA混合物である。
【0014】
各々の側面及び発明の実施形態で硬化剤組成物は1つ、または2つ、または3つ、または4つのアミノプロピル基、もしくはそれらの任意の組合せを有するポリアミン分子を含むベンジル化APADA成分を含む。各々の側面及び発明の実施形態でそのようなベンジル化APADA成分は少なくとも2つのアミノプロピル基を有するベンジル化APADAを含むことが可能であり、すなわち2つ以上のアミノプロピル基を有し、格別にはそれらのベンジル化APADA は2つのアミノプロピル基を有する。
【0015】
ここで開示されるアミン‐エポキシ組成物から生産される製品はこれらに限定されないが接着剤、塗料、下塗剤、目止剤、硬化性配合物、建設用製品、床仕上用製品、及び複合製品を含む。さらにまたそのような塗料、下塗剤、目止剤、または硬化性配合物は金属またはセメント質基材に適用されることができる。
【0016】
アミノプロピル化エチレンジアミン(APEDA)はベンジル化されるときに、特にN-3-アミノプロピルエチレンジアミン(Am3);N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4);およびN, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am5)の混合物がベンジル化されるときに生ずる生成物はエポキシ樹脂、特にビスフェノールAまたはビスフェノールFに加えてポリエポキシノボラック樹脂を基剤とした最も常用エポキシ樹脂とすぐれた適合性を有する。硬化剤とエポキシ樹脂の配合は大抵高光沢ならびに透明度の接触生成物を得る「熟成時間」を少しも要しない。また発煙あるいは燻煙は減少または排除されることが可能である。さらに還元ベンジル化に続く反応生成物はベンジル化を遊離アミンが最終生成物に存在しない時点まで許容する低粘度を有する。遊離アミンの分離は水及び二酸化炭素の存在において第一アミン反応によりひき起こされる皮膜カルバミン化を減じることを助ける。発煙または燻煙減少及び/又は不在;改良されたエポキシ樹脂適合性;低カルバメート傾向;削減誘導時間必要性及び最終生成物での低水準遊離、未反応アミンは、改良取扱適性を生ずる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義
以下の定義及び略語は当該分野の熟練者に本発明の詳細な説明の理解を援助するために規定される。
ADA−アルキレンジアミン、これらに限定されないがEDAおよびPDAを含む。
AHEW‐アミン水素当量
Am3 -- N-3-アミノプロピルエチレンジアミン
Am4 -- N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン
Am5 -- N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン
Am3-Am5‐Am3、Am4およびAm5の混合物
APADA‐アミノプロピル化アルキレンジアミン、これらに限定されないがAPEDAおよびAPPDAを含む。
APEDA‐アミノプロピル化エチレンジアミン
APPDA‐アミノプロピル化プロピレンジアミン
D230‐Huntsman Corpからのポリ(アルキレンオキシド)
DETA‐ジエチレントリアミン,AHEW=21
DGEBA‐ビスフェノール‐Aのジグリシジルエーテル, EEW 182-192
DERTM 331‐液体DGEBA
EDA‐エチレンジアミン
EEW‐エポキシ当量
Epikote(登録商標)828(Epon 828)‐EEWほぼ184〜192の液体エポキシ樹脂
IPDA‐イソホロンジアミン,AHEW=43
PDA‐プロピレンジアミン
PEHA‐ペンタエチレンヘキサミン
PHR‐重量部/樹脂100重量部
TEPA‐テトラエチレンペンタミン
TETA‐トリエチレンテトラアミン,AHEW=25
【0018】
アミン硬化剤ならびにエポキシ‐アミン組成物
本発明は硬化剤組成物およびこれらの硬化剤組成物製造法を開示する。本発明に従って硬化剤組成物はエポキシ樹脂を反応硬化、硬化、及び/又は架橋するために使用されることができる。
【0019】
前記の硬化剤組成物はAPADAとベンズアルデヒド化合物の還元アミノ化生成物のような少なくとも一のベンジル化APADAを含むベンジル化APADA成分を含む。好ましい実施形態はベンジル化APEDAを含む。ベンジル化度は還元アミノ化反応でベンズアルデヒド化合物とAPADAの反応性アミン水素の当量比に依存する。かくして発明の一側面で硬化剤組成物は1つ、または2つ、または3つ、または4つもしくはそれ以上のベンジル基、もしくはそれらの任意組合せを有するポリアミン分子を含むベンジル化APADA成分を含む。別側面でそのようなベンジル化APADA成分は本発明について少なくとも2つのベンジル基を有する、すなわち二以上のベンジル基を有する少なくとも20 wt%ベンジル化APADAを含む。発明のほかの側面でベンジル化APADA配合剤は少なくとも2つのベンジル基を有する20〜100 wt%、格別には30〜95 wt%しかも好ましくは40〜90 wt%のベンジル化APADAを含む。通例この硬化剤組成物は約30〜約500の100%固体基準アミン水素当量(AHEW)を有する。異なる側面で硬化剤組成物は約60〜約400、もしくは約80〜約300の100%固形体基準AHEWを有する。さらにまた硬化剤組成物は約50〜約100の100%固形体基準AHEWを有することができる。これらの側面で好ましい実施形態はベンジル化APEDA組成物を含む。
【0020】
別側面で本発明は
(i) 少なくとも一のベンジル化APADA、例えばベンズアルデヒド化合物とAPADAの還元アミノ化生成物を含むベンジル化APADA成分、ベンジル化APADAは少なくとも1つのベンジル基と少なくとも3つの活性アミン水素を有し;および
(ii) 3つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能アミンからなる反応生成物を含む。
また発明のこの側面の別実施形態では硬化剤組成物は1つ、または2つ、または3つ、または4つもしくはそれ以上のベンジル基、もしくはそれらの任意組合せを有するポリアミン分子を含むベンジル化APADA成分を含む。一側面でそのようなベンジル化APADA成分は本発明について少なくとも2つのベンジル基、すなわち二以上のベンジル基を有する少なくとも20 wt%ベンジル化APADAを含む。別側面でベンジル化APADA成分は少なくとも2つのベンジル基を有する20〜100 wt%、格別には30〜95 wt%、好ましくは40〜90 wt%のベンジル化APADAを含む。硬化剤組成物は本発明のこの側面で約30〜約500の100%固体基準AHEWを有することができる。さらにまたそのような硬化剤組成物は約55〜約450の、約60〜約400の、約70〜約350の、約80〜約300の、または約90〜約250の範囲に100%固体基準AHEWを有することができる。異なる側面で硬化剤組成物は約100〜約200の100%固体基準AHEWを有する。これらの側面で好ましい実施形態はベンジル化APEDA組成物を含む。
【0021】
多官能アミンはベンジル化APADAと異なればAHEWは化学構造に基づいて算定可能であるかまたは混合物の場合は大抵アミン供給業者により規定される。ベンジル化APADA化合物のAHEW、AHEWBは以下の式を用いて、APADAがベンズアルデヒドをxモルと例えば、APADA化合物を1モルの還元アミノ化生成物、PAPA(APADA化合物とベンズアルデヒドは下記により細部にわたって議論される。)であると仮定して測定される:
【0022】
【数1】

【0023】
ただし:
MWPAPAはAPADAの平均分子量であり;
MWAld/Ketはベンズアルデヒドの分子量であって;
fはAPADAの平均アミン水素官能数であり;及び
MWAPAPAはベンジル化APADAの平均分子量であり、次のとおり計算可能である:
【0024】
【数2】

【0025】
発明の各上述側面で硬化剤組成物は1つ、または2つ、または3つ、または4つもしくはそれ以上のアルキル基を有するポリアミン分子もしくはそれらの任意組合せを含むベンジル化APADA成分を含む。そのようなベンジル化APADA成分は本発明について2つ以上のベンジル基を有する少なくとも20 wt%のベンジル化APADAを含み、むしろ20〜100 wt%、格別には30〜95 wt%しかも望ましくは40〜90 wt%のAPADA は2つ以上のベンジル基を有する。
【0026】
追加としてここで記述される硬化剤組成物は溶液型であることができる。選択的に本発明の別側面でこれらの組成物はさらに例えば、有機溶剤、または有機もしくは無機酸のような少なくとも一稀釈剤を含むことができる。適当有機溶媒はアミン配合化学の分野で熟練者によく知られている。本発明で使用に適した例示的有機溶剤はこれらに限定されないがベンジルアルコール、ブタノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等、またはそれらの組合せを含む。有機および無機酸の非限定例は酢酸、スルファミド酸、乳酸、サリチル酸、セバシン酸、硼酸、燐酸等、またはそれらの組合せである。そのような酸は硬化剤組成物の硬化速度を増進することができる。
【0027】
本発明の硬化剤組成物はベンズアルデヒド化合物とAPADA化合物の異なった反応体比で生じることができる。
【0028】
本発明に従って硬化剤組成物を製造する方法が提供される。この方法はベンジル化APADA組成物を硬化剤として使用するかアルキル化アミンまたは無アルキル化アミンのようなほかのアミン硬化剤、触媒、促進剤、非反応性稀釈剤、溶剤で処方するいずれか、および最終硬化剤組成物の必要特性を達するために必要な他添加物を含む。
【0029】
ここで記述される硬化剤組成物は単一相均一性を生成物の貯蔵と目的用途の次使用に要求されうる長時間維持することができる。追加としてこれらの組成物は実質的に溶剤がないとすれば実質的に少しもVOCsを有することはなく、それは当該分野の熟練者により認められるものであるように環境、健康及び安全結果に有益であることができる。
【0030】
硬化剤組成物はまた、さらに例えばフェニルグリシジルエーテル、o-クレシルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、n-ブチルグリシジルエーテル、及び他の類似グリシジルエーテルまたはエステルのような単官能エポキシ基変性されることができる。さらにまたここで開示される硬化剤組成物はほかの商業利用性硬化剤を混ぜられることができる。そのような商業利用性硬化剤はこれらに限定されないが溶液系、無溶剤または水性硬化剤を含み、硬化速度、乾燥速度、硬度発現、透明度、及び光沢度のような比特性を目標にする配合で用いられることができる。
【0031】
本発明はまた上述されるようなアミン‐エポキシ組成物を含む製品を包含する。そのような物品はこれらに限定されないが塗料、下塗剤、目止剤、硬化性配合物、建築用製品、床仕上用製品、複合製品、ラミネート、注封材料、グラウト、充填剤、セメント性グラウト、または自己均展床材を含むことができる。追加配合剤または添加剤は本発明の組成物と共に使用され、製品を生成することができる。さらにまたそのような塗料、下塗剤、目止剤、硬化性配合物もしくはグラウトは金属またはセメント質基材に適用可能である。
【0032】
エポキシ組成物に硬化剤組成物または硬化促進剤のものに対して選択される相対量は例えば、最終用途品、希望特性、及び最終用途品を生産するために使用される二次加工方法ならびに条件に依存して変わることができる。たとえば、相当アミン‐エポキシ組成物を使用する塗布用途で硬化剤組成量に関してより多くのエポキシ樹脂を均質混合することは増進乾燥時間を有するが増加硬度ならびに光沢で測定される改良様相を加えた塗被を生ずることができる。本発明のアミン‐エポキシ組成物は包括的におよそ1.5:1〜およそ0.7:1で変化するエポキシ組成エポキシ基と硬化剤組成アミン水素の化学量論比を有することができる。例えばそのようなアミン‐エポキシ組成物はおよそ1.5:1、およそ1.4:1、およそ1.3:1、およそ1.2:1、およそ1.1:1、およそ1:1、およそ0.9:1、およそ0.8:1、またはおよそ0.7:1の理論比を有することができる。別側面で理論比はおよそ1.3:1〜0.7:1で変動する。さらに別側面で理論比はおよそ1.2:1〜およそ0.8:1で変動する。もっと別側面で理論比はおよそ1.1:1〜およそ0.9:1で変動する。
【0033】
術語「接触生成物」はここで成分が任意順、任意手法、及び任意時間合わせて接触される組成物を記述するために使用される。例えば構成成分は配合または混合により接触されることができる。さらに任意成分の触圧はここで記述される組成物または配合物のどの他成分の存在または不在においても発生することができる。まださらに接触生成物の二以上の構成成分は反応して組成物を構成する他成分を形成することが可能である。追加物質または成分を組み合わせることは当該分野の技術を有するものに知られた任意方法により実行されることができる。
【0034】
ベンジル化アミノプロピル化アルキレンジアミン
本発明で使用されるAPADA化合物を生成するのに有用であるアルキレンジアミン化合物はこれらに限定されないがEDA、PDA、ブチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミン化合物を含む。アミノプロピル化エチレンジアミン(APEDAs)及びアミノプロピレートプロピレンジアミン(APPDAs)はこれらに限定されないがN-3-アミノプロピルエチレンジアミン(Am3);N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4);N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン;N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am5);N, N, N', N'-テトラキス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン;N-3-アミノプロピル-1,3-ジアミノプロパン;N. N'-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン;N, N-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン;N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン;N, N, N, N'-テトラキス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン;アミノプロピル化高級アルキレンジアミンを含む。APADA化合物の混合物は本発明で使用可能である。
【0035】
APADA化合物はエチレンジアミンまたは1,3-ジアミノプロパンのようなアルキレンジアミンとアクリロニトリルのMichael反応により調製され、当該分野の熟練者によく知られているように金属触媒上の水素化が続けられる。例えば2008年5月15日発行米国特許出願公開第2008-0114094号明細書の実施例1を参照し、その開示は参考により組み入れられる。この実施例1は6 wt%Am3、80 wt%Am4、11 wt%Am5、2 wt%N, N, N', N'-テトラキス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン及び1 wt%他成分を含むAm3〜Am5混合物の合成を与える。
【0036】
ベンジル化反応に用いるAPEDA成分はN, N'-ビス(3-アミノ-プロピル)エチレンジアミン(Am4)を含む。別実施形態でAPEDA成分はN-3-アミノプロピルエチレンジアミン(Am3)を0〜20 pbw(重量部)、N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4)を60〜95 pbw(重量部)、N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am5)を0〜20 pbw(重量部)含むAm3〜Am5混合物を含む。Am3〜Am5混合物はまたN, N, N', N'-テトラキス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンを0〜10重量部含むことも可能である。この実施形態のある一つの側面で混合物は70〜90重量部のN, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4)を含むことが可能である。
【0037】
本発明のなお別実施形態でベンジル化反応に用いるAPEDA成分は1〜15重量部N-3-アミノプロピルエチレンジアミン(Am3)、60〜95重量部N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4)及び2〜25重量部N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am5)を含むAm3〜Am5混合物を含む。さらに後の実施形態でベンジル化反応に用いるAPEDA成分は2〜8重量部N-3-アミノプロピルエチレンジアミン(Am3)、65〜90重量部N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4)、及び5〜15重量部N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am5)を含むAm3〜Am5混合物を含む。発明のこれらの実施形態の別側面でAPEDA成分は70〜90重量部N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4)を含むことが可能である。これらの実施形態の別側面で混合物はさらに75〜85重量部のN, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4)を含むことが可能である。
【0038】
APEDAを含むそのような混合物はN-3-アミノプロピルエチレンジアミン(Am3)よりもっと揮発性である低分子量反応副生成物の選択除去のほかは蒸留もしくは他分離操作を実施する必要がなくAPADAを製造することについて上述される反応順序により調製されることができる。少量のほかの水素化生成物は混合物に存在するかもしれないことは当該分野の熟練者により認められるものである。
【0039】
還元アミノ化反応で有用ベンズアルデヒド化合物は未置換ベンズアルデヒド及び置換ベンズアルデヒドを含む。置換ベンズアルデヒドはこれらに限定されないが化学式PhCHOの化合物を含み、芳香環Phが一以上のハロゲン原子、C1〜C4アルキル、メトキシ、エトキシ、アミノ、ヒドロキシルまたはシアノ基で置換される。一側面でベンズアルデヒド化合物は好ましくはベンズアルデヒドであり、別側面でバニリンである。
【0040】
本発明の一側面で少なくとも一のベンジル化APADAはベンズアルデヒド化合物とAPADA、格別にはAPEDAの還元アミノ化生成物を含む。
【0041】
ここで開示される硬化剤組成物ならびに同様組成物の製造方法に従ってベンズアルデヒド化合物と少なくとも一のAPADA化合物のモル反応体比はおよそ0.8:1〜およそ3.0:1の範囲にある。別側面でモル反応体比はおよそ0.9:1、およそ1:1、およそ1.1:1、およそ1.2:1、およそ1.3:1、およそ1.4:1、およそ1.5:1、およそ1.6:1、およそ1.7:1、およそ1.8:1、およそ1.9:1、またはおよそ2.0:1である。なお別側面でモル反応体比はおよそ0.9:1〜およそ1.8:1、もしくはおよそ1:1〜1.6:1の範囲にある。さらに後の側面でベンズアルデヒド化合物と少なくとも一のAPADA化合物のモル反応体比はおよそ1.2:1〜およそ1.5:1の範囲にある。なお別側面で生成物は二超過の反応性アミン水素を保持し、適当なエポキシ樹脂架橋を許容するだろう。ベンズアルデヒド化合物と少なくとも一のAPADA化合物の1:1未満のモル反応体比でもジベンジル化APADAが小量にではあるが生じた。しかしながら十分量のジベンジル化APADAを与えるために1:1〜2.2:1のベンズアルデヒド化合物と少なくとも一のAPADA化合物のモル反応体比は使用されるだろう。
【0042】
本発明のベンジル化APADAは少なくとも一のAPADA化合物とベンズアルデヒド化合物の還元アミノ化により調製されることができる。ベンズアルデヒドの還元アミノ化手順は当該分野の技術を有するものによく知られている。一般にこれらの手順はベンズアルデヒドにアミンを縮合し、次に中間体シッフ塩基を還元することを含む。還元は代表的には金属触媒の存在において水素富雰囲気で大気圧を越える圧力で実施される。ベンジル化APADA合成の非限定例は本発明に従ってあとに続く実施例2〜実施例3に例証される。
【0043】
本発明の別側面で少なくとも一のベンジル化APADAはハロゲン化ベンジルと少なくとも一のAPADAの反応生成物を含む。ハロゲン化ベンジルは弗化物、塩化物、臭化物または沃化物であることが可能である。ベンジル基は非置換ベンジルまたは置換ベンジル基を含むことが可能である。置換ベンジル基はこれらに限定されないが化学式PhCH2-の基を含み、芳香環Phを一以上のハロゲン原子、C1〜C4アルキル、メトキシ、エトキシ、アミノ、ヒドロキシルまたはシアノ基で置換される。一面でベンジル基は好ましくはベンジルであり、別面でバニリルである。
【0044】
本発明のベンジル化APADAはまた少なくとも一のAPADA化合物とハロゲン化ベンジルの反応により調製されることもできる。本発明で使用可能であるベンジル化APADA合成の非限定例は刊行物IN166475に説明される。刊行物IN166475によれば塩化ベンジル(3.627 L、31.78モル)は小部分で無水アルコール中で無水エチレンジアミン(11.160 L、167.77モル)の冷溶液に加えられた。ベンジル化ポリアルキレンポリアミンのこの例示的合成は大過剰モルのエチレンジアミンを使用する。大過剰モルの一反応体は必要とされないが当発明の実際に用いられることが可能である。通例少なくとも一のベンジルハロゲン化物化合物と少なくとも一のAPADA化合物のモル反応体比はおよそ0.8:1〜およそ2:1の範囲内である。別側面でモル反応体比はおよそ0.9:1、およそ1:1、およそ1.1:1、およそ1.2:1、およそ1.3:1、およそ1.4:1、およそ1.5:1、およそ1.6:1、およそ1.7:1、およそ1.8:1、またはおよそ1.9:1である。しかもなお別側面で少なくとも一のベンジルハロゲン化物と少なくとも一のAPADA化合物のモル反応体比はおよそ1.2:1〜およそ1.5:1の範囲にある。追加として当発明の分野で普通の専門技術を有する者は他のAPADAとベンジルハロゲン化物は各自にこの通常反応図式に同条件の下で置換され、追加ベンジル化APADA化合物を生成することができる。
【0045】
この発明の別側面で少なくとも一のベンジル化APADA化合物は化学式
【0046】
【化1】

【0047】
を有する、
ただし、RAは置換または非置換ベンジル基であり;RB、RC、RD、RF、及びRGは独立してRAまたは水素原子であり;ベンジル化APADAは少なくとも3つのアミン水素原子を有するとの条件で、XはC2〜C6アルキレン基である。別側面でRA及びRCは望ましくはベンジルまたはバニリル、格別にはベンジルである。両方のこれら側面の望まれる実施形態でXはエチレンである。
【0048】
本発明のなお別側面でベンジル化APADA化合物は上記化学式を有するものであり、ただし、RAはベンジルまたはバニリルであり;RB、RC、RD、RF、及びRGは水素原子である。さらに後の側面でRA及びRCはベンジルまたはバニリル、格別にはベンジルであり、RB、RD、RF、及びRGは水素原子である。これらの側面の望まれる実施形態でXはエチレンである。
【0049】
ベンジル基が水素原子を置換できるAPADA化合物の多くの可能位置を仮定すれば、少なくとも一のAPADA化合物及びベンズアルデヒド化合物の反応からまたはベンジルハロゲン化物との反応から生ずる生成物は必ず多くの異種混合物であり、RB、RC、RD、RF、及びRG基のあるものは水素であり、他のものはベンジル基である。どの及びどれだけの数の「R」基が水素からベンジル基に転換されるかは反応条件、触媒選択、反応体比、反応体の選択(特定ハロゲン化物化合物またはベンズアルデヒド化合物)、などであるものの中で多くの要因による。例えば、ベンズアルデヒド化合物を反応体として約1:1〜約2:1間のベンズアルデヒドとAPADA化合物のモル反応体比で使用して反応生成物の主成分であり、RAはベンジルであり、RCはベンジルまたは水素原子であり、及び、RB、RD、RF、ならびにRGは水素原子であるところである。ベンズアルデヒド化合物を反応体として約1.6:1〜約2.1:1のベンズアルデヒドとAPADA化合物のモル反応体比で使用して反応生成物の主成分であり、RA及びRCはベンジルであり、RB、RD、RF、ならびにRGはベンジルまたは水素原子であるところである。
【0050】
多官能アミン
本発明の硬化剤組成物は少なくとも一の多官能アミンを含むことができる。多官能アミンはここで使用されるときはアミン官能基を有し、三(3)以上の活性アミン水素を含有する化合物を記述する。
【0051】
本発明の範囲内にある多官能アミンの非限定例はこれらに限定されないが脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、ポリ(アルキレンオキシド)ジアミンもしくはトリアミン、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのマンニッヒ(Mannich)塩基誘導体、二量体脂肪酸あるいは二量体脂肪酸及び脂肪酸混合物を加えた脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのポリアミド誘導体、脂肪酸を加えた脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのアミドアミン誘導体、ビスフェノールAもしくはビスフェノールFのグリシジルエーテルまたはエポキシノボラック樹脂を加えた脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのアミン付加物誘導体など、またはそれらの任意組合せを含む。
【0052】
2種以上の多官能アミンは本発明の組成物で使用可能である。例えば、少なくとも一の多官能アミンは脂肪族アミンならびに脂環式アミンのマンニッヒ塩基誘導体を含むことができる。また少なくとも一の多官能アミンは1つの脂肪族アミンおよび1つの異なる脂肪族アミンを含むことができる。
【0053】
例示的脂肪族アミンはポリエチレンアミン(EDA、DETA、TETA、TEPA、PEHA等)、ポリプロピレンアミン、アミノプロピル化エチレンジアミン(Am3、Am4、Am5等)、アミノプロピレートプロピレンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、3,3,5-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、3,5,5-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミンその他同種類のもの、またはそれらの組合せを含む。この発明の一側面で少なくとも一の多官能アミンはEDA、DETA、TETA、TEPA、TEPA、PEHA、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラアミン、Am3、Am4、Am5、N-3-アミノプロピル-1,3-ジアミノプロパン、N, N'-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン、N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン、またはそれらの任意組合せである。追加としてHuntsman CorporationからJeffamine商標のもとで工業利用性ポリ(アルキレンオキシド)ジアミン及びトリアミンは本発明に有用である。実例となる例はこれらに限定されないがJeffamine D-230、Jeffamine D-400、Jeffamine D-2000、Jeffamine D-4000、Jeffamine T-403、Jeffamine EDR-148、Jeffamine EDR-192、Jeffamine C-346、Jeffamine ED-600、Jeffamine ED-900、Jeffamine ED-2001等、またはそれらの組合せを含む。
【0054】
脂環式および芳香族アミンはこれらに限定されないが1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、水素添加o-トルエンジアミン、水素添加m-トルエンジアミン、メタキシレンジアミン、水素添加メタキシレンジアミン(工業用に1,3-BACと言われる)、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、メチレン架橋ポリ(シクロヘキシル‐芳香族)アミンの混合物等、またはそれらの組合せを含む。メチレン架橋ポリ(シクロヘキシル‐芳香族)アミンの混合物はMBPCAAかMPCAいずれかとして縮約され、米国特許第5280091号に記載され、ここで引用によりそのままで組み入れられる。本発明の一側面で少なくとも一の多官能アミンはメチレン架橋ポリ(シクロヘキシル‐芳香族)アミン混合物(MPCA)である。
【0055】
マンニッヒ塩基誘導体は上述される脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンとフェノールもしくは置換フェノールならびにホルムアルデヒドの反応により作られることができる。本発明で功利性を有するマンニッヒ塩基を作成するために使用される例示的置換フェノールはカシューナット油から得られるカルダノールである。選択的にマンニッヒ塩基は多官能アミンとマンニッヒ塩基を含有する第三アミン、例えばトリス-ジメチルアミノメチルフェノール(Air Products and Chemicals, IncからAncamine(登録商標) K54として工業的利用性)またはビス-ジメチルアミノメチルフェノールの交換反応により調製されることができる。ポリアミド誘導体は二量体脂肪酸、または二量体脂肪酸ならびに脂肪酸混合物を加えた脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンの反応により調製されることができる。アミドアミン誘導体は脂肪酸を加えた脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンの反応により調製されることができる。アミン付加生成物は脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミンとエポキシ樹脂、例として、ビスフェノール‐Aのジグリシジルエーテル、ビスフェノール‐Fのジグリシジルエーテル、またはエポキシノボラック樹脂の反応により調製されることができる。脂肪族、脂環式、及び芳香族アミンはまた単官能エポキシ樹脂、例えばフェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ほかのアルキルグリシジルエーテル等を結合されることもできる。
【0056】
多官能エポキシ樹脂
本発明のアミン‐エポキシ組成物は硬化剤組成と少なくとも一の多官能エポキシ樹脂を含むエポキシ組成の反応生成物を含む。多官能エポキシ樹脂はここで使用されるときは分子について2つ以上の1,2-エポキシ基を含有する化合物を記述する。この種類のエポキシド化合物は当該分野の技術を有するものによく知られ、メイ(C. A. May)編、エポキシ樹脂化学と技術(Epoxy Resins Chemistry and Technology)、1988年、Marcel Dekkerでタナカ著(Y. Tanaka)、「エポキシ化合物の合成と特徴」(“Synthesis and Characteristics of Epoxides”)に記載され、ここで参照により組み入れられる。
【0057】
本発明で用いるのに適した一つの等級のエポキシ樹脂は二価フェノールのグリシジルエーテルを含む多価フェノールのグリシジルエーテルを含む。実例となる例はこれらに限定されないがレソルシノールのグリシジルエーテル、ヒドロキノン、ビス-(4-ヒドロキシ-3,5-ジフルオロフェニル)-メタン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン(商業的にビスフェノールAとして知られる)、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン(商業的にビスフェノールFとして知られ、2-ヒドロキシフェニル異性体の変化量を含むことが可能である)、等、またはそれらの任意組合せを含む。追加として次の構造の増進二価フェノールはまた本発明で有用である:
【0058】
【化2】

【0059】
式中、mは整数であり、Rは前に列挙されるそれら二価フェノールのような二価フェノールの二価炭化水素基である。この化学式による物質は二価フェノールとエピクロロヒドリンの混合物を重合することにより、または二価フェノールのジグリシジルエーテルと二価フェノールの混合物を進展することにより調製されることができる。どれでも与えられる分子でmの値が整数である間、一定に物質は必ずしも全数ではないmの平均値を特性とされることができる混合物である。0〜およそ7間のmの平均値を有する高分子物質は本発明の一側面で使用可能である。
【0060】
別側面でノボラック樹脂のグリシジルエーテルであるエポキシノボラック樹脂は多官能エポキシ樹脂として本発明に従って使用可能である。さらに別側面で少なくとも一の多官能エポキシ樹脂はビスフェノール‐Aのジグリシジルエーテル(DGEBA)、進展または高分子量変法DGEBA、ビスフェノール‐Fのグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、またはそれらの任意組合せである。DGEBAの高分子量変型または誘導体は過剰DGEBAがビスフェノール‐Aと反応されてエポキシ末端基とする生成物を生じる進展法により調製される。エポキシ当量(EEW)はそのような生成物についておよそ450〜3000またはそれ以上に変化する。これらの生成物は室温で固体であるので大抵固体エポキシ樹脂と称される。
【0061】
DGEBAまたは増進DGEBAは低原価と一般高性能特性の組合せのために大抵塗被処方で使用される。約174〜約250の範囲、もっと一般的には約185〜約195の範囲に及ぶEEWを有する商用品種のDGEBAは容易入手性である。これら低分子量でエポキシ樹脂は液体であり、大抵液状エポキシ樹脂と称される。殆どの品種の液状エポキシ樹脂は、純DGEBAが174のEEWを有するのでわずか重合体であることは当該分野の熟練者によりわかる。また進展法により通常調製される250〜450間のEEWの樹脂は室温で固体ならびに液体混合物であるから半固体エポキシ樹脂と称される。一般に固体基準でおよそ160〜およそ750のEEWを有する多官能樹脂は本発明に有用である。別側面で多官能エポキシ樹脂はおよそ170〜およそ250の範囲にEEWを有する。
【0062】
最終用途適用に依存して本発明組成物の粘度をエポキシ成分を変性することにより低下することは有益でありうる。例えば、粘度は配合物または組成物で顔料レベル増を許容し、ところが一方で適用容易性を容認するか、高分子量エポキシ樹脂の使用を許容するために低下されることができる。これ故に少なくとも一の多官能エポキシ樹脂を含むエポキシ成分についてさらに単官能エポキシ化合物を含むことは本発明の範囲内である。単分子エポキシ化合物の例はこれらに限定されないがスチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及び、フェノール、クレゾール、t-ブチルフェノール、他アルキルフェノール、ブタノール、2-エチルヘキサノール、C4〜C14アルコールのグリシジルエーテルなど、あるいはそれらの組合せを含む。多官能エポキシ樹脂はまた水、有機溶剤、もしくはそれらの混合物である稀釈剤をもって溶液またはエマルションで存在することができる。
【0063】
種々の添加剤
本発明の組成物は異なった製品を生成するために使用可能である。物品の製造中または最終用途適用の要求性能に応じて、異なった添加剤は配合物及び組成物で用いられることができ、特定性質をこしらえる。これらの添加剤はこれに限定されないが溶剤(水を含む)、促進剤、可塑剤、充填剤、ガラスまたは炭素繊維のような繊維、顔料、顔料分散剤、流動性改良剤、チキソトロープ、流れまたは均展助剤、界面活性剤、発泡防止剤、殺生剤、またはそれらの任意組合せを含む。当該分野で知られるほかの混合物または物質は組成物または配合物で含まれることができ、本発明の範囲内であると理解される。
【0064】
製品
本発明はまたここで開示される組成物を含む製造品に向けられる。例えば、製品は硬化剤組成とエポキシ組成の反応生成物を含むアミン‐エポキシ組成物を含むことができる。硬化剤組成物は3つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能アミンとベンジル化APADAの接触生成物を含むことができる。エポキシ組成は少なくとも一の多官能エポキシ樹脂を含むことができる。所望により異なった添加物は希望特性に応じて二次加工品を生産するために使用される組成物または配合物に存在することができる。これらの添加物はこれに限定されないが溶媒(水を含む)、促進剤、可塑剤、充填剤、ガラスまたは炭素繊維のような繊維、顔料、顔料分散剤、流動性改良剤、チキソトロープ、流/均展助剤、界面活性剤、発泡防止剤、殺生剤、またはそれらの任意組合せを含むことができる。
【0065】
製品は本発明に従ってこれらに限定されないが塗料、接着剤、建築用生産物、床仕上生産物、または複合生産物を含む。これらのアミン‐エポキシ組成物に基づく塗料は無溶剤であるか個別用途に必要とされる水または有機溶剤のような稀釈剤を含有するかできる。塗料は塗装ならびに下塗剤用途に用いるために異なった類別及び水準の顔料を含有することができる。アミン‐エポキシ塗膜組成物は金属支持体へ適用される保護塗膜に用いるために40〜400 μm(マイクロメートル)、好ましくは80〜300 μm、より好ましくは100〜250 μmの範囲に及ぶ厚さを有する層を含む。さらに床仕上生産物または建築用生産物に用いるために塗膜組成物は製品類型及び必要最終性質に依存して50〜10000 μmの範囲に及ぶ厚さを有する層を含む。限定力学抵抗及び耐薬品性を与える塗膜生成物は50〜500 μm、好ましくは100〜300 μmの範囲に及ぶ厚さを有する層を含む;それに対して例えば、高力学抵抗及び耐薬品性を与える自己均展床材は1000〜10000 μm、好ましくは1500〜5000 μmの範囲に及ぶ厚さを有する層を含む。
【0066】
多数の支持体は当該分野の通常技術を有するものに知られるように適当前処理でこの発明の塗膜適用に適している。そのような支持体はこれらに限定されないがコンクリートならびに鋼とアルミニウムのような異種金属および合金を含む。本発明の塗料は船、橋、工業工場設備ならびに付帯設備、床材を含む大型金属対象またはセメント質支持体の塗装または塗被に適性である。
【0067】
この発明の塗料は吹付、はけ、転子、塗装手袋等を含む任意数の技法により塗被されることができる。本発明の大変高度固形分または100%固体塗膜を塗被するために複成分吹付塗布装置が使用可能であり、アミン及びエポキシ組成物は吹付け器に導く系列で、吹付け器それ自体で、または二成分を吹付け器を出るときに混ぜ合わせることにより混合される。この技法の使用は一般的にはアミン反応性と固形分の両方が増加するにつれて減少する配合物の可使時間に関する制限を軽減できる。熱複成分装置は成分粘度を低下するために用いられることができ、これによって適用容易性を改良する。
【0068】
建築用及び床材適用はコンクリートまたは建設工業で一般使用される他材料と組み合わせて本発明のアミン‐エポキシ組成物を含む組成を含む。本発明組成物の適用はこれらに限定されないが下塗剤、急浸透下塗剤、塗料、硬化性配合物、及び/又は、ここで参考により組み入れられるASTM C309-97で参照されるような新調また年数を経たコンクリートの目止剤としての使用を含む。下塗剤または目止剤として本発明のアミン‐エポキシ組成物は接着を塗膜適用より前に接着を改良するために表面に適用可能である。コンクリートまたはセメント質適用に関係するので塗料は保護または加飾層もしくは塗層をもたらす表面施工に使用される薬剤である。割れ投入及び割れ充填物はまたここで開示される組成物から調製されることもできる。本発明のアミン‐エポキシ組成物はコンクリート調合物のようなセメント性物質と混合されることができ、重合体または改質セメント、タイル面グラウト等を形成する。ここで開示されるアミン‐エポキシ組成物を含む複合物または物品の非限定例はラケット、スキー、バイク車枠、飛行機翼、ガラス繊維補強複合材、及び他成形品を含む。
【0069】
発明の特別使用でこれらの硬化剤組成物はエポキシ線条巻槽、風車羽根、宇宙航空用接着剤、工業用接着剤のような注入複合材を製造する適用性、および他関連適用を有するものである。複合材は異なる物質からなる素材であり、樹脂技術の場合に複合材は樹脂が結果的に生じる製品一般性質を改良する充填剤または繊維のような補強物質の添加により補強される樹脂含浸系をいう。これらの物質は一緒に作用するが相互溶性ではない。この場合に結合成分はエポキシ樹脂とエポキシ硬化剤を含む。多くの形式の複合材、例えばプリペグ、積層品、線条巻、編組、引抜成形、湿式堆積や注入複合材がある。樹脂注入、または樹脂トランスファーは樹脂が複合型に導入される方法であり、強化材は以前に型内に配置され、樹脂導入より前に閉じられる。減圧補助されるようなこの方法についての変法がある。
【0070】
複合材を製造するアミン‐エポキシ組成物でベンジル化APADAの使用の利点は長可使時間、しかもTETA同様の未変性脂肪族ポリアミンに対して改良相溶性である。TETA同様の未変性脂肪族ポリアミンの短可使時間は線条巻及び注入用にやっと加工性にする。TETA同様硬化剤は加工が完了する前に硬化開始し、破壊点になる不良浸潤及び乾燥斑点につながる。TETAは長可使時間は必要とされないハンドレイアップ複合材に使用されるが通例樹脂注入には使用されない。線条巻(管)にTETAを使用することは有意EH&S事柄の大変手作業である(TETAとエポキシ樹脂は混合され、次に作業員は液体を巻管に流すために混合物カップを計量分配器からとり、手動で巻ガラス繊維上に注いで手袋をした手を管に沿って動かす)。長可使時間では工程は浴槽を自動化されてもよい。
【0071】
接着剤の優位は再び長可使時間であり、この場合にそれで、接着数珠を全部分にわたって配置するのに長時間かかるときに大型航空機ならびに風車羽根の主要関心である部材が相接着される前に皮層がない。ベンジル基による低白化は低皮覆に一助となる。低粘度は高充填剤量を許容する。始めに部材に加えられた接着剤が最後の接着剤が部材に施与される前に硬化開始するかまたは白化し始めるとすれば、二個品が押し合わされるときに始押縁で弱結合があることになる。
【0072】
熱硬化後に発明のベンジル化硬化剤は機械的強度とエポキシ樹脂相溶性について複合材に使用されるイソホロンジアミン(IPDA)同様のアミンに比較できるほど良好な物理的性質を示す(下記表を参照する)。しかしながらこれらのベンジル化APADA硬化剤はIPDAよりも低Tgであり、それで完全硬化するために硬化時間/温度を示量ほどに要さず、それで加工は低費用であるだろう。多くのアミン硬化エポキシ処方と同様にIPDA‐Epon 828は完全に硬化しなければ脆いことは知られ、配合者が室温硬化塗料に高水準の可塑剤(ベンジルアルコール)をIPDAと共に使用し、IPDAは複合材適用で完全に硬化されることを要する理由の一つである。
【実施例】
【0073】
実施例1
アミノプロピル化エチレンジアミン(APEDA)の合成
アミノプロピル化エチレンジアミン(APEDA)の合成は二段階法である。第1段階はエチレンジアミン(EDA)のシアノエチル化を含み、第2段階はAPEDAへのシアノエチル化EDAの水素化である。
【0074】
段階1.EDA(1803 g)は2 ガロン(7.56 L)反応器に249.4 gの水と共に装入された。反応器は50 psig(4.4 atm)窒素を充填され、30秒間撹拌され、減圧された。この操作は3×繰返され、空気すべてを反応器から除去する。最終窒素パージ後に反応器は窒素雰囲気で充填され、3184 gのアクリリロニトリルは高圧液体ポンプを使用して4時間に及んで70℃で加えられた。添加が完結した後に反応器温度は反応が完了してジシアノエチル化EDAを与えるために70℃で追加30分間維持された。
【0075】
段階2:2ガロン(7.56 L)Parr(パール)圧力反応器は785 gのイソプロパノールと78 gのRaney Cobalt #2724スポンジ金属触媒を装入された。反応器は密封され、圧力は空気除去するために窒素で3×、そして窒素除去するために水素で3×循環された。容器は次に120℃に加熱され、800 psig(55.4 atm)に水素で加圧された。段階1から合計4200 gのジシアノエチル化EDAは次いで反応器に4 hrで120℃で高圧液体ポンプを使用して加えられた。反応器内容物は次に追加90分間保持され、水素化を完了した。この90分後水素化時間の後に反応器は減圧され、生成物は40℃に冷やされ、濾過された。この生成物はさらに回転蒸発器で100〜120℃及び30〜10 mm Hgで処理され、イソプロパノール、軽質成分、及び少しの残留水分も除去した。回収生成物Am3〜Am5は2.3 wt%モノアミノプロピル化EDA(Am3);86.6 wt%ジアミノプロピルEDA(Am4);及び5.5 wt%トリアミノプロピル化EDA(Am5)を含有した。表1はまた回収生成物の粘度、AHEW、アミン価及び可使時間/ゲル化時間を示す。可使時間/ゲル化時間はアミン硬化剤組成物を含み、Epon 828樹脂、標準ビスフェノール‐A系エポキシ樹脂(DGEBA、EEW=190)と理論混合される150 g質量について行なわれ、Techneゲル化時間計で25℃で実測された。
【0076】
【表1】

【0077】
実施例2
1.2:1モル比のベンジル化APEDA(Am3〜Am5)混合物の合成
1 L Parr圧力反応器は実施例1から435.8 gのAPEDAと6.5 gの5%パラジウム/炭素触媒を装入された。反応器は密封され、圧力は3×各々に空気除去するために窒素でそして窒素除去するために水素で循環された。容器は次に減圧され、水素雰囲気下に維持された。合計344.8 gのベンズアルデヒドは次に反応器に高圧計量型ポンプを使用して完了に10〜20分かかる速度で加えられた。温度は80℃で安定にされ、水素圧は水素で120 psig(9.2 atm)に増加された。これらの条件は75分間、温度が次に120℃に圧力を800 psi(55.4 atm)に増加されれば追加90分間維持された。
【0078】
反応器は減圧され、生成物は40℃に冷やされ、濾過された。この生成物はさらに回転蒸留器で100〜120℃及び30〜10 mm Hgで処理され、軽質成分及び少しの残留水分も除去した。
【0079】
回収生成物は53.4 wt%のモノベンジル化APEDA、41 wt%のジベンジル化APEDA及びほとんど検出できないトリベンジル化APEDAを含有した。
【0080】
実施例3
2.0:1モル比のベンジル化APEDA混合物の合成
実施例2の手順は実施例1の352.2 gのAPEDA混合物と5.3 gの5%パラジウム/炭素触媒および424.5 gのベンズアルデヒドを用いてベンズアルデヒド添加後であるほかは続けられた。温度は80℃で安定にされ、水素圧は120 psig(9.2 atm)に水素で増加され、これらの条件に180分間維持された。
【0081】
回収生成物は9.7%のモノベンジル化APEDA及び85.2%のジベンジル化APEDAおよびほとんど検出できないトリベンジル化APEDAを含有した。表2のゲル化時間は実施例1に述べられる手順に従って測定された。
【0082】
【表2】

【0083】
実施例4〜実施例6
ベンジル化APEDA‐エポキシ組成物から調製される塗料
表3は実施例4〜実施例6で使用されるアミン‐エポキシ組成物を要約する。例えば、実施例4の組成物は100 gのEpikote 828エポキシ樹脂と15.3 gの実施例1の硬化剤組成物であった。表1に示されるように実施例1は還元水素化が続くEDAとアクリロニトリルの反応生成物を含む硬化剤組成物であった。実施例4〜実施例6に示される硬化剤ならびに各自量は表3及び表4どおりに使用された。
【0084】
硬化剤の粘度を表1及び表2から比較してベンズアルデヒドでのベンジル化はアミノプロピル化アミンの粘度を増加したことがわかる。(実施例1〜実施例3を参照する)。可使時間に関してベンジル化は可使時間を倍加した。
【0085】
表3はベンジル化は樹脂架橋度に20%ほどで増加する好影響を有したことを示す。予期されるようにTgは分子が大になり、より少なく反応座を含有すると低くなった。柔軟効果が遭遇された。
【0086】
アミン‐エポキシ組成物の乾燥時間は表4に要約される。乾燥時間は23℃及び65%相対湿度(RH)でBeck-Koller記録計器を使用して材料試験法ASTM D5895、3相に従って決定された。手順はガラス規定寸法板にアミン‐エポキシ組成物をほぼ6ミル未乾燥塗膜厚さで塗被することを含む。長または短乾燥時間いずれかを有する被膜組成物の選択は最終用途適用の要求条件に依存する。表3の結果は発明の実施例5及び実施例6の被膜は使用ベンジル化度に応じて異なった乾燥時間を有することを示した。
【0087】
表4はまた個々に23℃及び50%RHで1日、3日、及び7日後のPersoz硬度試験結果を記載する。被膜はガラス板に約8ミルの未乾燥被膜厚さで塗布され、標準試験法ISO 1522に従って試験された。表4に示されるようにベンジル化された発明の実施例5及び実施例6の配合物は原アミノプロピル化アミンより高度Persozを有した。
【0088】
さらに発明の実施例5及び実施例6の被膜はアミノプロピル化前例よりもっと速硬度発現を表わした。
【0089】
表4は個々に23℃及び50%RHで1日、3日、及び7日後の20°光沢度試験結果を記載する。示される結果は10測定値の平均である。被膜はガラス規定寸法板に約8ミルの未乾燥塗膜厚さで塗布され、試験法ASTM D523に従って試験された。光沢度はGardner光沢計を使用して20°の角度で測定された。測定は黒色板紙地に配置されるガラス板でなされた。表4に示されるように発明の実施例5及び実施例6の各配合物は高光沢値を有し、これは硬化剤と樹脂の良混和性のためである。
【0090】
【表3】

【0091】
【表4】

【0092】
実施例7
この実施例はこの発明によるベンジル化アミン硬化剤のエポキシ接着剤についての使用を評価した。2Kエポキシ接着系は工業規格アミン硬化剤TETAと本発明のジベンジル化Am3〜Am5硬化剤を用いて処方された。
【0093】
TETAと実施例3の第一ベンジル化APEDA混合物の可使時間/ゲル化時間は表5に下記示される。可使時間/ゲル化時間は標準ビスフェノール‐A系エポキシ樹脂(DGEBA、EEW=190)と理論混合されるアミン硬化剤組成物を含む150 g質量について行なわれ、Techneゲル化時間計で25℃において測定された。
【0094】
【表5】

【0095】
2K接着剤として可使時間をTETA系接着剤に対して改良することは誘引的である一方で、長可使時間は相接着されることを要する大型複合材構造の多数点に接着数珠を付けるために十分常用時間を許容するので物理的性質を維持する。長期接着剤開放時間の要所は開放時間中に最小硬化を保証する長可使時間であり、しかしまたかなり接着層を弱めうる皮覆を防止する最小かぶりである。これは初適用接着玉縁の接着が最終適用接着玉縁の接着より弱く、部材に欠点を発生する大型部材で顕著である。
【0096】
異なったアミン硬化剤は標準ビスフェノール‐A系エポキシ樹脂(DGEBA、EEW=190)と理論混合され、冷間ロール掛け鋼板に2ミル厚さで塗被された。規定寸法板は室温で硬化され、2日及び7日で評価された。Elcometerかぶり試験装具一式は一式使用説明書によって使用し、pH界面が測定された。かぶり抵抗等級は以下の表6に示される。
【0097】
【表6】

【0098】
ベンジル化はこれらアミン及び結果的に生ずる接着剤白化をめざましく改良し、標準脂肪族アミンに対し及びある標準脂環式アミンにまでも性能優位を提供する。中性界面pH (7)は表面白化と認められないときであっても少しも解離アミンが表面にないことを支援する。
【0099】
実施例8
この実施例は本発明によるベンジル化アミン硬化剤の線条巻複合材適用についての使用を評価する。
【0100】
さらに長可使時間は相応注入、繊条巻及び繊維湿潤解決の鍵である。加えて複合材は交替する鋼構造よりも大量に水分吸収すると示された。この水分が分離されるとすれば二構造部材間の接着層方向に破損をもたらすか複合構造自体の結着性に影響することができる。低吸水で硬化され、同時に可使時間及び物理的性質を維持する樹脂系は性能改良ならびに有利になるだろう。吸水試験は次の実験原案に基づいて行なわれた。
【0101】
被膜はアルミニウム金型に、1/8インチ(3.18 mm)厚さに作製された。試験材料の硬化計画案は54℃で35分であり、121℃で2時間だけ続けられた。被膜は次に1”×3”(2.54×7.62 cm)の寸法に切断された。初期重量、Shore(ショアー)D硬度及びTg開始温度が計られた。試料は66℃のDI水に沈められ、時間に関して重量変化、Shore D硬度変化及びTg開始温度変化を評価された。
【0102】
巻繊複合材で標準処方はIPDAとD230の配合である。D230は第一には可使時間を改良し、費用調節するために存在する。線条巻でいくらかのポリ(アルケンオキシド)ポリアミン(D230、T403等)は単独硬化剤として使用されるか再び費用及び可使時間理由のためにほかのアミンと配合される。これらのポリアミンは吸水するという不利があり、TETA同様標準脂肪族アミンもそうである。これは低ガラス転移温度と上述された結着関心につながる。ベンジル化アミンはこの吸水問題を扱い、下記に表7で示され、ところが一方で可使時間増を示し、物理的性質を維持するものである。
【0103】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの活性アミン水素原子と少なくとも1つのベンジル基を有する少なくとも一のベンジル化アミノプロピル化アルキレンジアミンを含む硬化剤組成物。
【請求項2】
3つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能アミンをさらに含む、請求項1に記載の硬化剤組成物。
【請求項3】
該少なくとも一のベンジル化アミノプロピル化アルキレンジアミンは少なくとも一のアミノプロピル化アルキレンジアミンとベンズアルデヒド化合物の還元アミノ化生成物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
該少なくとも一のアミノプロピル化アルキレンジアミン化合物はN-3-アミノプロピルエチレンジアミン(Am3);N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4);N, N-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン;N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am5);N, N, N', N'-テトラキス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン;N-3-アミノプロピル-1,3-ジアミノプロパン;N, N'-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン;N,N-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン;N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン;N, N, N', N'-テトラキス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパンまたはそれらの任意組合せである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
該少なくとも一のアミノプロピル化アルキレンジアミン化合物はN-3-アミノプロピルエチレンジアミン(Am3);N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4);N, N-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン;N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am5)またはそれらの任意組合せである、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
ベンズアルデヒド化合物と少なくとも一のアミノプロピル化アルキレンジアミン化合物のモル反応体比はおよそ0.8:1〜およそ2:1の範囲である、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
ベンズアルデヒド化合物と少なくとも一のアミノプロピル化アルキレンジアミン化合物のモル反応体比はおよそ1.2:1〜およそ1.5:1である、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
該少なくとも一のベンジル化アミノプロピル化アルキレンジアミンは化学式:
【化1】

(ただし、RAは置換または未置換ベンジル基であり;RB、RC、RD、RE、RF、ならびにRGは独立してRAまたは水素原子であり;該ベンジル化アミノプロピル化アルキレンジアミンは少なくとも3つの活性アミン水素原子を有するとの条件でXはC2〜C6アルキレン基である。)
を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
RA及びRCはベンジルまたはバニリルであり;及び、RB、RD、RE、RF、ならびにRGは水素原子である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
Xはエチレンである、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
該少なくとも一のベンジル化アミノプロピル化アルキレンジアミンはベンジルハロゲン化物化合物と少なくとも一のポリアルキレンポリアミンの反応生成物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
該硬化剤組成物は100%固体基準で約50〜約500のアミン水素当量(AHEW)を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
該硬化剤組成物は100%固体基準で約100〜約200のAHEWを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
該少なくとも一の多官能アミンは脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、ポリ(アルキレンオキシド)ジアミンまたはトリアミン、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのマンニッヒ塩基誘導体、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンの二量体脂肪酸あるいは二量体脂肪酸ならびに脂肪酸混合物を加えたポリアミド誘導体、脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンの脂肪酸を加えたアミドアミン誘導体、ビスフェノールAもしくはビスフェノールFまたはエポキシノボラック樹脂を加えた脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンのアミン付加誘導体、またはそれらの任意組合せである、請求項2に記載の組成物。
【請求項15】
該少なくとも一の多官能アミンはエチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラアミン(TETA)、テトラエチレンペンタアミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラアミン、N-3-アミノプロピルエチレンジアミン(Am3)、N, N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am4)、N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(Am5);N-3-アミノプロピル-1,3-ジアミノプロパン、N, N'-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン、N, N, N'-トリス(3-アミノプロピル)-1,3-ジアミノプロパン、またはそれらの任意組合せである、請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
A) 請求項1の硬化剤組成物;および
B) 少なくとも一の多官能エポキシ樹脂を含むエポキシ組成物
の反応生成物を含む、アミン‐エポキシ組成物。
【請求項17】
該硬化剤組成物は請求項1の硬化剤組成物と3つ以上の活性水素原子を有する少なくとも一の多官能アミンの接触生成物を含む、請求項16に記載のアミン‐エポキシ組成物。
【請求項18】
該エポキシ組成物のエポキシ基と該硬化剤組成物のアミン水素の理論比は約1.3:1〜約0.7:1の範囲である、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
請求項16の組成物を含む製品。
【請求項20】
該製品は接着剤、塗料、下塗剤、目止剤、硬化性配合物、建設用製品、床仕上用製品、または複合製品である、請求項19に記載の製品。
【請求項21】
該製品は金属またはセメント質基材に適用される塗料、下塗剤、目止剤、または硬化性配合物である、請求項20に記載の製品。

【公開番号】特開2010−37562(P2010−37562A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180562(P2009−180562)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】