説明

ベンズアミド誘導体又はその塩

カプサイシン受容体VR1活性化抑制作用を有し、炎症性疼痛、神経因性疼痛を始めとする各種疼痛、片頭痛、群発頭痛、過活動膀胱を始めとする膀胱疾患等の治療剤として有用な化合物の提供。 ベンゼン環がアミド結合を介してD環(単環若しくは2環系炭化水素環、又は単環若しくは2環系ヘテロ芳香環)と結合し、また当該ベンゼン環が直接E環(単環若しくは2環系炭化水素環、又は単環若しくは2環系ヘテロ芳香環)と結合し、更に当該ベンゼン環がL(低級アルキレン)を介してA(アミノ部分、単環若しくは2環系ヘテロ環)と結合することを特徴とするベンズアミド誘導体又はその塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、医薬、特にカプサイシン受容体VR1(Vanilloid Receptor 1)活性化抑制剤として有用な、新規なベンズアミド誘導体又はその塩、及びその医薬に関する。
【背景技術】
唐辛子の主成分であるカプサイシンは刺激物質であり、一次求心性感覚神経(主としてC線維)に存在するカプサイシン受容体VR1を活性化することにより痛みを惹起する。VR1はクローニングされ[Nature 389:816−824(1997)]、Ca2+透過性の高い非選択的陽イオンチャネルであることが明らかとなった。VR1はカプサイシンのみならず、熱刺激や酸(プロトン)刺激によっても活性化される。また、ATPやブラジキニンのような炎症関連物質が代謝型受容体に作用し、ホスホリパーゼC(PLC)活性化・プロテインキナーゼC(PKC)活性化を介して、VR1活性を制御していることも明らかとなった。さらに、VR1欠損マウスではカプサイシンによる痛み反応が消失しているだけでなく、炎症時の痛覚過敏が減弱していることが知られている[Nature 405:183−187(2000)]。これらのことからVR1は様々な病態時の痛みに関与していると考えられている。
カプサイシンはVR1を活性化することにより痛みを惹起するが、持続的な活性化により求心性神経を脱感作し、以後の活性化を抑制することで、逆に鎮痛作用を示すことが知られている。実際、帯状疱疹後神経痛や糖尿病性神経障害痛のような神経因性疼痛や、リウマチ性関節痛などの炎症性疼痛治療に、カプサイシンクリームが用いられている。また、脊髄損傷患者等で認められる膀胱機能障害が、カプサイシンや類縁物質であるレジニフェラトキシン(RTX)の膀胱内注入によって軽減するのは、鎮痛作用と同様に求心性神経の脱感作に基づくものと考えられている。
VR1作動薬による脱感作のみならず、VR1拮抗薬もまた鎮痛作用を示す。古くから知られているVR1拮抗薬のカプサゼピンは、動物モデルにおいて神経因性疼痛や炎症性疼痛に有効性を示すことが知られている[J.Pharmacol.Exp.Ther.304:56−62(2003)]。VR1の内因性リガンドは明らかではないが、候補物質が複数報告されており、拮抗薬はこれらの物質に拮抗することによりVR1活性化を抑制し、鎮痛作用を示すものと考えられる。このようにVR1の活性化を抑制することは、鎮痛のみならず、VR1の活性化に関連する症状や病気の予防、または治療に結びつくことが期待されている。
従って、VR1活性化抑制作用を有する化合物は、神経因性疼痛や炎症性疼痛を始めとする各種疼痛、片頭痛や群発頭痛などの頭痛、掻痒、過活動膀胱や間質性膀胱炎などの膀胱疾患に有用であると考えられている。
近年、VR1活性化抑制作用を有する化合物の研究が進められている。例えば、国際公開第02/08221号パンフレット(特許文献1)には、下記一般式で示されるピペラジン誘導体等が、カプサイシン受容体レセプターのリガンドとして、慢性及び急性疼痛、乾癬、尿失禁等の治療に用いられ得ることが記載されている。

(式中、G、Q、T及びWは、同一又は異なって、N、CH又はCRを、Aは存在しないか、O又はS等を、R及びRは独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ、アミノ、シアノ等を、Rはシアノ、ヒドロキシ、アミノ等を、Rはハロゲン原子、シアノ、ニトロ等を表す。なお、式中の記号の詳細は特許文献1参照。)
また、国際公開第03/014064号パンフレット(特許文献2)には、下記一般式で示されるアミン誘導体が、VR1のアンタゴニストとして、尿失禁、過活動膀胱、慢性疼痛、神経因性疼痛、術後疼痛等の治療に用いられ得ることが記載されている。

(式中、QはCH又はNを、Yは置換ナフタレンを、Rは水素原子又はメチルを、Rは水素原子又はメチルを、Xは置換ベンゼン、置換ナフタレン等を表す。なお、式中の記号の詳細は公報参照。)
また、国際公開第03/068749号パンフレット(特許文献3)には、下記一般式で示されるアミド誘導体等が、VR1のアンタゴニストとして、各種疼痛等の治療及び予防に用いられ得ることが記載されている。

(式中、X及びYは上記表の組合せを、Pはフェニル又はヘテロアリール等を、R及びRはハロゲン、アルキル、アルコキシ又はNR等を、RはRで置換されていてもよいアルキル、アルコキシ又はフェニル等を、q、r及びsは各々0〜3を、R及びRは水素原子、アルキル又はR及びRが一緒になって窒素原子を含んで形成するヘテロ環を表す。なお、式中の記号の詳細は公報参照。)
当該出願には、P及びRの組合せがビフェニルである化合物が開示されているが、当該ビフェニル環に更なる置換基Rを有する化合物については、それらの置換基はいずれも低級アルキル基、ハロゲン、或いは置換アルコキシ基等の低分子量のものである。
一方、ビフェニルカルボキサミドのアミド窒素原子上にキノリン或いはテトラヒドロキノリン等の含窒素ヘテロ環を有する化合物が報告されている。例えば、国際公開第01/21577号パンフレット(特許文献4)及び国際公開第03/035624号パンフレット(特許文献5)には、各々MCH受容体拮抗に基づく抗肥満作用を有するテトラヒドロキノリン誘導体及びキノリン誘導体が記載されている。また、国際公開第98/41508号パンフレット(特許文献6)及び国際公開第97/48683号パンフレット(特許文献7)には、各々抗痙攣作用を有するテトラヒドロイソキノリン誘導体が記載されている。しかし、いずれの化合物も、ビフェニル環上に置換基を持たないか、或いは低分子量の置換基であるものに限定されており、更に、VR1受容体の活性化抑制作用については開示も示唆もない。
上述の通り、カプサイシン受容体VR1活性化抑制剤は炎症性疼痛、神経因性疼痛を始めとする各種疼痛、片頭痛、群発頭痛、過活動膀胱を始めとする膀胱疾患等の治療剤として期待できる。上記の公知化合物とは化学構造が異なり、更に優れた効果を有する、カプサイシン受容体VR1活性化抑制剤の創製が切望されている。
【発明の開示】
本発明者等は、カプサイシン受容体VR1受容体活性化抑制作用を有する化合物につき鋭意検討を行った結果、ベンゼン環がアミド結合を介してD環(単環若しくは2環系炭化水素環、又は単環若しくは2環系ヘテロ芳香環)と結合し、そして当該ベンゼン環が直接E環(単環若しくは2環系炭化水素環、又は単環若しくは2環系ヘテロ芳香環)と結合し、更に当該ベンゼン環がL(低級アルキレン)を介してA(アミノ部分、単環若しくは2環系ヘテロ環)と結合することを特徴とする、下記一般式(I)で示される化合物が、優れたVR1受容体活性化抑制作用を有することを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、下記一般式(I)で示される化合物及びその塩、並びにこれらを有効成分として含む医薬に関する。
なお、本発明にはDで表される環基としてキノリン、テトラヒドロイソキノリン等の含窒素2環系ヘテロ環であるものが含まれるが、当該化合物はベンゼン環がL(低級アルキレン)を介してA(アミノ部分、単環若しくは2環系ヘテロ環)と結合する点において、特許文献3に記載された具体的開示化合物とは化学的構造を異にするものである。
〔1〕下記一般式(I)で示されるベンズアミド誘導体又はその塩。

(上記式中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。

L:低級アルキレン、
D環、及びE環:同一又は異なって、単環若しくは2環系炭化水素環、又はN、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数5〜12の単環若しくは2環系ヘテロ芳香環、
G環:N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環、
〜R:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、−OH、−SH、−O−低級アルキル、−O−低級アルキル−NH−低級アルキル、−O−低級アルキル−N(低級アルキル)、=O、−NH、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−S−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−CN、−COOH、−C(=O)−O−低級アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−NH−低級アルキル、−C(=O)−N(低級アルキル)、−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−SO−低級アルキル、−SO−NH、−SO−NH−低級アルキル、−C(=O)−低級アルキル、−NO又は含窒素飽和ヘテロ環、
10:水素原子、又は低級アルキル、
11〜R15:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、−OH、−O−低級アルキル、−S−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−SO−低級アルキル、=O、−C(=O)H、−C(=O)−低級アルキル、−COOH、−CN、−NH、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−C(=O)−NH、−C(=O)−NH−低級アルキル、−C(=O)−N(低級アルキル)、−C(=O)−アリール、−C(=O)−NH−アリール、−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−C(=O)−アリール、−NH−SO−低級アルキル、−N(低級アルキル)−SO−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−SO−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−SO−アリール、−C(=O)−O−低級アルキル、−低級アルキレン−OH、−低級アルキレン−C(=O)−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−C(=O)−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−C(=O)−NH、−低級アルキレン−C(=O)−OH、−低級アルキレン−O−低級アルキル、−低級アルキレン−S−低級アルキル、−低級アルキレン−O−C(=O)−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−アリール、シクロアルキル、アリール、−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−O−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−低級アルキレン−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−C(=O)−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−低級アルキレン−N(低級アルキル)−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、又は−C(=O)−NH−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、
ここに、前記単環若しくは2環系ヘテロ環はそれぞれハロゲン原子、低級アルキル、−O−低級アルキル又は−OHで置換されていてもよい。以下同様。)
〔2〕前記式(I)中のD、E、R〜R及びR11〜R15で表される記号が以下の意味を有する前記〔1〕に記載の化合物。
D環、及びE環:同一又は異なって、ベンゼン環、ナフタレン環、又はN、S、及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数5〜12の単環若しくは2環系ヘテロ芳香環、
〜R:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、−OH、−SH、−O−低級アルキル、−O−低級アルキル−NH−低級アルキル、−O−低級アルキル−N(低級アルキル)、=O、−NH、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−S−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−CN、−COOH、−C(=O)−NH、−C(=O)−NH−低級アルキル、−C(=O)−N(低級アルキル)、又は−NH−C(=O)−低級アルキル、
11〜R15:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、−OH、−O−低級アルキル、−S−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−SO−低級アルキル、=O、−C(=O)H、−C(=O)−低級アルキル、−COOH、−CN、−NH、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−C(=O)−NH、−C(=O)−NH−低級アルキル、−C(=O)−N(低級アルキル)、−C(=O)−アリール、−C(=O)−NH−アリール、−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−C(=O)−低級アリール、−NH−SO−低級アルキル、−N(低級アルキル)−SO−低級アルキル、−C(=O)−O−低級アルキル、−低級アルキレン−O−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−アリール、シクロアルキル、アリール、N、S、及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環、−低級アルキレン−(N、S、及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−C(=O)−(N、S、及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−低級アルキレン−N(低級アルキル)−(N、S、及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、又は−C(=O)−NH−(N、S、及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)。
本発明の好ましい態様としては下記〔3〕記載の化合物、より好ましい態様としては下記〔4〕〜〔9〕記載の化合物、特に好ましい態様としては下記〔10〕記載の化合物である。
〔3〕前記式(I)中のEで表される環がベンゼン又はチオフェン環、より好ましくはベンゼン環である前記〔1〕に記載の化合物。
〔4〕前記式(I)中のAで表される基が下記式である前記〔3〕に記載の化合物。

〔4a〕より好ましくは、前記式(I)中のGで表される環が含窒素飽和ヘテロ環、より好ましくはテトラヒドロピリジン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、アゼパン及び1,4−オキサゼパンから選択される環であって、環窒素原子がLと結合する前記〔4〕に記載の化合物。
〔4b〕より好ましくは、前記式(I)中のGで表される環がモルホリン、ピペリジン及びピロリジンから選択される環であって、環窒素原子がLと結合する前記〔4〕に記載の化合物。
〔4c〕より好ましくは、前記式(I)中のDで表される環示ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、インドリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン、ジヒドロキノリン及びジヒドロイソキノリンから選択される環である前記〔4〕に記載の化合物。
〔4d〕より好ましくは、前記式(I)中のDで表される環とそれに結合するR〜Rで表される基が一緒になって下記式、

(上記式中の記号は、以下の意味を有する。
6a及びR6b:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル、
7a、R8a、R7b及びR8b:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル。)
から選択される基である前記〔4〕記載の化合物、更に好ましくは前記〔4a〕に記載の化合物、より更に好ましくは前記〔4b〕記載の化合物。
又は、前記式(I)中のDで表される環とそれに結合するR〜Rで表される基が一緒になって下記式、

(上記式中の記号は、以下の意味を有する。
6c及びR6d:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル、
7c、R8c、R7d及びR8d:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル。)
から選択される基である前記〔4〕記載の化合物、更に好ましくは前記〔4a〕に記載の化合物、より更に好ましくは前記〔4b〕記載の化合物。
〔4e〕前記式(I)中のR13〜R15で表される基の内、少なくとも一つが、ハロゲン原子、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、−OH、−O−低級アルキル、−NH、−N(低級アルキル)、−C(=O)−NH、−C(=O)−N(低級アルキル)、−NH−C(=O)−低級アルキル、−C(=O)−O−低級アルキル、−低級アルキレン−O−低級アルキル、アリール、−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−低級アルキレン−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)であり、他が水素原子である前記〔4〕に記載の化合物。より好ましくは、R13〜R15で表される記号の一つが、低級アルキル、−O−低級アルキル、−N−(低級アルキル)、−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)又は−低級アルキレン−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)であり、他が水素原子である前記〔4〕に記載の化合物。
〔5〕前記式(I)中のAで表される基が下記式である前記〔3〕に記載の化合物。

(上記式中の記号は、以下の意味を有する。
11a及びR12a:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、−O−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−C(=O)H、−C(=O)−低級アルキル、−CN、−NH、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−C(=O)−NH、−C(=O)−NH−低級アルキル、−C(=O)−N(低級アルキル)、−C(=O)−アリール、−C(=O)−NH−アリール、−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−C(=O)−アリール、−NH−SO−低級アルキル、−N(低級アルキル)−SO−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−SO−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−SO−アリール、−C(=O)−O−低級アルキル、−低級アルキレン−OH、−低級アルキレン−C(=O)−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−C(=O)−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−C(=O)−NH、−低級アルキレン−C(=O)−OH、−低級アルキレン−O−低級アルキル、−低級アルキレン−S−低級アルキル、−低級アルキレン−O−C(=O)−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−アリール、シクロアルキル、アリール、−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−O−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−低級アルキレン−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−C(=O)−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−低級アルキレン−N(低級アルキル)−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、又は−C(=O)−NH−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、
ここに、前記単環若しくは2環系ヘテロ環はそれぞれハロゲン原子、低級アルキル、−O−低級アルキル又は−OHで置換されていてもよい。)
〔5a〕より好ましくは、R11aが低級アルキルであり、R12aが−低級アルキレン−O−低級アルキル、−低級アルキレ−S−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−OH、−低級アルキレン−C(=O)−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−C(=O)−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−アリール、シクロアルキル、アリール、−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)及び−低級アルキレン−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)から選択される基である前記〔5〕に記載の化合物。
〔5b〕より好ましくは、前記式(I)中のDで表される環がベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、インドリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン、ジヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリンから選択される環である前記〔5〕に記載の化合物。
〔5c〕より好ましくは、前記式(I)中のDで表される環とそれに結合するR〜Rで表される基が一緒になって下記式、

(上記式中の記号は、以下の意味を有する。
6a及びR6b:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル、
7a、R8a、R7b及びR8b:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル。)
から選択される基である前記〔5〕に記載の化合物、更に好ましくは前記〔5a〕に記載の化合物。
又は、前記式(I)中のDで表される環とそれに結合するR〜Rで表される基が一緒になって下記式、

(上記式中の記号は、以下の意味を有する。
6c及びR6d:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル、
7c、R8c、R7d及びR8d:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル。)
から選択される基である前記〔5〕に記載の化合物、更に好ましくは前記〔5b〕に記載の化合物。
〔6〕前記式(I)中のR〜Rが、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルキル、−N(低級アルキル)又は−O−低級アルキルである前記〔1〕に記載の化合物。
〔7〕前記式(I)中のR〜Rが、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、−OH、−O−低級アルキル、=O、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−CN、−C(=O)−NH、−NH−SO−低級アルキル、−SO−NH、−C(=O)−低級アルキル、−NO又は含窒素飽和ヘテロ環、より好ましくは、水素原子、ハロゲン、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルキル、−OH、=O、−N(低級アルキル)又は−SO−NHである前記〔1〕に記載の化合物。更に好ましくは、R〜Rが同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキルであり、Rが=Oである前記〔1〕に記載の化合物。
〔8〕前記式(I)中のR10が水素原子である前記〔1〕に妃載の化合物。
〔9〕前記式(I)中のLで表される基がメチレン又はエチレン、より好ましくはメチレンである前記〔1〕に記載の化合物。
〔10〕前記式(I)で示されるベンズアミド誘導体が、N−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル−2−{[シクロヘキシル(イソプロピル)アミノ]メチル}ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド、2−{[エチル(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミノ]メチル}−N−(2−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−7−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(3−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−7−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(2,4−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド、2−{[エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ]メチル}−N−(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)−3−(ピペリジン−1−イルメチル)−4−(2−チエニル)ベンズアミド、2−{[エチル(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)アミノ]メチル}−N−(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド、2−{[イソブチル(2−ピペリジン−1−イルエチル)アミノ]メチル}−N−(2−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N,N−ジエチル−4−[(4−{[(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)アミノ]カルボニル}ビフェニル−2−イル)メチル]モルホリン−3−カルボキサミド、及び2−[(4−メチル−1,3’−ビピペリジン−1’−イル)メチル]−N−(2−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)ビフェニル−4−カルボキサミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である前記〔1〕に記載の化合物及びその塩。
また、本発明は、前記式(I)で示されるベンズアミド誘導体又はその塩と、製薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物に関する。好ましくは、VR1活性化抑制剤である前記医薬組成物であり、より好ましくは疼痛の予防又は治療剤である前記医薬組成物である。
また、別の態様としては、疼痛の予防又は治療剤製造のための〔1〕〜〔10〕記載の一般式(I)で示されるベンズアミド誘導体又はその塩の使用であり、〔1〕〜〔10〕記載の一般式(I)で示されるベンズアミド誘導体又はその塩の有効量を、哺乳動物に投与することからなる疼痛の予防又は治療法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中、「VR1活性化抑制剤」とは、VR1受容体と結合する化合物であって、内在性リガンドに拮抗することによりVR1活性化を抑制する化合物(VR1拮抗剤)、並びにVR1受容体の持続的な活性化により、当該受容体が存在する神経を脱感作し、以後の活性化を抑制する化合物(VR1作動剤)の総称である。「VRI活性化抑制剤」として好ましくは、VR1拮抗剤である。
本明細書中の一般式の定義において「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1〜6の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って「低級アルキル」としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキルであり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、1,2−ジメチルプロピルが特に好ましい。「低級アルキレン」としては、好ましくはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等の直鎖状のアルキレン、及びメチルメチレン等の分枝状のアルキレンである。メチレン、エチレンが特に好ましい。
「ハロゲン原子」はフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素原子が挙げられる。特にフッ素原子、塩素原子が好ましい。「ハロゲン置換低級アルキル」は、上述した低級アルキルに、同一又は異なった1〜3個のハロゲン原子が置換されたものを意味する。特にトリフルオロメチルが好ましい。
「単環若しくは2環系炭化水素環」としては、ベンゼン、ナフタレン、環員数3〜8のシクロアルキル環、環員数4〜8のシクロアルケニル環、及びシクロアルキル環若しくはシクロアルケニルとベンゼンが縮合した飽和炭化水素環縮合アリール環が挙げられる。好ましくはベンゼン、ナフタレン、インダン及びテトラヒドロナフタレンである。
「アリール」としては、好ましくは炭素数が6〜14個のアリールであり、更に好ましくはフェニル及びナフチルである。
「シクロアルキル」としては、好ましくは架橋を有していてもよい炭素数3〜10個のシクロアルキル基であり、更に好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びアダマンチル基である。
「含窒素飽和ヘテロ環」としては、1つのN原子を含み、更にN、S及びOからなるヘテロ原子を1つ含んでいてもよい5〜8員飽和若しくは一部不飽和の単環ヘテロ環であり、好ましくは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、アゼパン、ジアゼパン、モルホリン、チオモルホリン及びテトラヒドロピリジン環である。
「N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数5〜12の単環若しくは2環系ヘテロ芳香環」としては、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を1〜4個含有する5〜6員単環ヘテロ芳香環、並びにこれらがベンゼン環若しくは5〜6員単環ヘテロ芳香環と縮合した2環系ヘテロアリール基であり、これらの環は部分的に飽和されていてもよい。また、環原子にN原子若しくはS原子を含む場合は、オキシド又はジオキシドを形成してもよい。ここに5〜6員単環ヘテロ芳香環としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、イソキサゾール、チアジアゾール、トリアゾール及びテトラゾール環が好ましく、2環系ヘテロ環としてはベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、インドール、インダゾール、イミダゾピリジン、ベンゾチオフェン、ベンゾチオフェン−1,1−ジオキシド、ベンゾフラン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロ−1,3−ベンゾキサゾール、ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール、1,3−ベンゾジオキソール、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾキサジン、テトラヒドロベンゾキサゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロナフトピリジン、テトラヒドロキノキサリン、クロマン、ジヒドロベンゾジオキシン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン、ジヒドロベンゾチアゾール、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン、イソクロマン、インドリン及びプテリジン環が好ましい。更に好ましくは、ピリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾキサゾール、キノリン、イソキノリン、ジヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、インドリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ベンゾチオフェン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン及びジヒドロ−1,3−ベンゾキサゾール環である。
「N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環」としては、上述した単環若しくは2環系ヘテロ芳香環に加えて、4〜8員飽和若しくは一部不飽和の単環ヘテロ環、及びこれらがシクロアルキル環、シクロアルケニル環又は飽和若しくは一部不飽和の単環ヘテロ環と縮合した2環系ヘテロ環である。好ましくは、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、キヌクリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン1,1−ジオキシド、アゼパン、アゾカン、1,4−オキサゼパン、アゼチジン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、イミダゾリン等の飽和若しくは一部不飽和の単環ヘテロ環、及びデカヒドロキノリン、デカヒドロイソキノリン等の飽和若しくは一部不飽和の2環系ヘテロ環である。より好ましくは、含窒素飽和ヘテロ環、更に好ましくは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン及びモルホリン環である。
本明細書において、置換基を下記式におけるR7aまたはR8aのように記載する場合、当該置換基は左右いずれの環の炭素原子に結合していてもよいことを示す。

また、本発明の化合物には、置換基の種類によっては幾何異性体、互変異性体、及び光学異性体などが存在する場合があるが、本発明はこれら異性体の混合物や単離されたものを包含する。
本発明化合物は、酸付加塩を形成する場合がある。また塩基との塩を形成する場合もある。かかる塩としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、マイレン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
更に本発明には、本発明化合物の水和物、製薬学的に許容可能な各種溶媒和物や結晶多形の化合物等も含まれる。
また、本発明化合物には、生体内において代謝されて前記一般式(I)で示される化合物又はその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグも含むものである。本発明化合物のプロドラッグを形成する基としては、Prog.Med.5:2157−2161(1985)に記載されている基や、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163〜198頁に記載されている基が挙げられる。
(製造法)
以下に本発明化合物の代表的な製造法を説明する。
なお、以下の製造方法において、官能基の種類によっては、当該官能基を原料ないし中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。しかるのち、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等を挙げることができ、それらの保護基としては例えば、Protective Groups in Organic Synthesis 第3版(T.W.Green及びP.G.M.Wuts著、JOHN WILLY & SONS,INC.発行)に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。保護基の導入及び脱保護は当該参考書記載の方法を適時適用できる。
(第一製法)

第一製法は、化合物(II)と化合物(III)を用いてカルボン酸とアミンの縮合反応により化合物(I)を合成する反応である。
本反応は化合物(II)とアミン誘導体(III)とを等量或いは一方を過剰量用いて、縮合剤の存在下、常法に従って行えばよい。縮合剤としては、例えばN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HBTU)、カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)又はジエチルホスホリルシアニド等を好適に用いることができる。これら縮合剤は、カルボン酸に対して等量、或いは過剰量用いて行われる。溶媒としては、反応に関与しない溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エーテル、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、酢酸エチル、ベンゼン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドやこれらの混合溶媒などを用いることができるが、適用方法に応じて適宜選択するのが好ましい。また、適用方法によっては、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン若しくは4−ジメチルアミノピリジン等の塩基の存在下で、又はこれら塩基を溶媒として反応させることにより、反応が円滑に進行する場合がある。通常、前記反応は冷却〜室温下にて行うが、アシル化反応の種類によっては加温下で実施するほうが好ましい場合がある。
また、化合物(I)は、カルボン酸を活性誘導体に導いた後にアミンと縮合させる方法によっても製造できる。この場合、化合物(II)とアミン誘導体(III)とを等量或いは一方を過剰量用いて反応を行う。カルボン酸の活性誘導体としては、p−ニトロフェノール等のフェノール系化合物、又は1−ヒドロキシスクシンイミド、若しくは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等のN−ヒドロキシアミン系の化合物と反応させて得られる活性エステル、炭酸モノアルキルエステル、有機酸と反応させて得られる混合酸無水物、塩化ジフェニルホスホリル及びN−メチルモルホリンとを反応させて得られるリン酸系混合酸無水物、エステルをヒドラジン及び亜硝酸アルキルと逐次反応させて得られる酸アジド、酸クロライド若しくは酸ブロマイド等の酸ハロゲン化物、並びに対称型酸無水物等が挙げられる。カルボン酸の活性誘導体を合成する際の活性化試薬は化合物(II)に対して等量又は、過剰量用いて実施される。この場合の反応条件も縮合剤を用いる場合と同様である。
また、ここに記載の反応以外でも、アミド結合を形成する反応であれば、いずれの反応も用いることが可能である。
(第二製法)

(式中、Xは−Cl、−Br、−I、メタンスルホニルオキシ、又はトルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を意味する。以下同様。)
第二製法は、化合物(IV)とアミン化合物A−Hを用いて、求核置換反応により化合物(I)を合成する反応である。
本反応は、化合物(IV)とA−Hとを等量或いは一方を過剰量用いて、塩基(好ましくは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、カリウム−tert−ブトキシド、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、水素化ナトリウム)を加え、溶媒として第一製法に記載の溶媒を用い、氷冷下から加温下にて実施される。
本発明化合物(I)が種々の側鎖や官能基を有する場合、これらの化合物は本発明化合物又はその製造中間体を原料として、当業者にとって自明である反応、又はこれらの変法を用いることにより、容易に合成することができる。かかる例としては、第一製法により得た化合物(I)のR〜Rのいずれかを変換、又は新たに導入する変換が挙げられ、例えば以下に示す反応が適用できる。
式(I)中、R〜Rのいずれかの置換基が−SO−NH、又はCO−NHである化合物は、各々対応するR〜Rが−SOH、又はCOHである化合物を用いて製造できる。この反応は、第一製法と同様の条件下、R〜Rの−SOH、又はCOHとアンモニアを縮合させることにより行われる。
また、式(I)中、D環が飽和環であり、R〜Rのいずれかの置換基が−OHである化合物は、本置換基がカルボニル基である化合物を用いて、還元反応の常法を適用することにより製造することができる。例えば、Tetrahedron,35,567−607(1979)に記載の方法を参考に実施することが可能である。
また、式(I)中、D環若しくはE環がヘテロ環であり、環内のヘテロ原子がオキシドへと酸素化されているものは、酸化反応の常法を用いて当該ヘテロ原子を酸素化することにより合成できる。この反応は、J.Hetrocycl.Chem.19,237−240,(1982)、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,1949−1955,(1984)に記載されている方法を参考に実施することができる。
(原料化合物の製法)
以下、第一製法及び第二製法に記載した原料化合物の代表的な製造法を説明する。
(1)原料化合物(II)
第一工程〜十一工程は、第一製法における原料化合物(II)を製造する工程を示したものである。

(式中、U及びQは、いずれか一方が−Br、−Cl、−I又は−O−SO−CFであり、他方が−B(OH)又は−B(O−低級アルキル)を意味する。Pは、メチル基、エチル基、ベンジル基又はtert−ブチル基等のカルボキシルの保護基、Xは−Cl、−Br又は−Iを意味する。以下同様。)
まず、第一工程は化合物(V)及び化合物(VI)を用いて、クロスカップリング反応により、化合物(VII)を製造する工程である。この反応は、Synth.Commun.,11,513−519(1981)、Synlett 2000,No.6,829−831、及びChem.lett.,1989,1405−1408を参考に実施することができる。
第二工程は、化合物(VII)をハロゲン化剤で処理することにより(VIII)を製造する工程である。この反応は、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、臭素、塩化スルフリル又は臭化銅などをハロゲン化剤として用い、四塩化炭素、クロロホルム、ベンゼンなどの溶媒中、必要に応じて過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、tert−ブチルヒドロペルオキシド或いはテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムなどを加えるか、又は光を照射し、常温から加熱還流下実施される。

第三工程は、化合物(VIII)の保護基Pを除去するとともに、X基の加水分解を行うことにより、化合物(IXa)を製造する工程である。本反応は、ハロゲン化物の塩基性加水分解の常法に従えばよいが、塩基による加水分解では脱保護されない保護基の場合には、化合物(VIII)のX基の加水分解を行った後に、カルボン酸の保護基に応じて、塩酸、トリフルオロ酢酸等の酸による加水分解、又は接触水素添加等の還元等により脱保護反応を行えばよい。反応条件等は前出の「Protective Groups in Organic Synthesis」に記載の手法を用いればよい。
第四工程は、化合物(VIII)に対して酸化反応を行い、化合物(X)を製造する工程である。この反応は、N−メチルモルホリン−N−オキシド、トリメチルアミン−N−オキシド、J.Am.Chem.Soc.,71,1767−1769,(1949)に記載の2−ニトロプロパンのナトリウム塩、又は硝酸銀などの酸化剤を用い、アセトニトリル又はエタノールなどの溶媒中、氷冷下から加熱還流下で実施される。
第五工程は、化合物(X)から化合物(XI)を製造する工程である。この反応は反応剤として(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド、又は(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムブロミドなどを用い、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、水素化ナトリウム、カリウム−tert−ブトキシシドなどの塩基の存在下、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル又はシクロペンチルメチルエーテルなどの溶媒中、−78℃から加温下で実施される。
第六工程は、化合物(XI)とA−Hを還元的アミノ化反応により縮合させ化合物(XIIa)を製造する工程である。この反応では、還元剤としてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素ナトリウムなどを用い、必要に応じて有機酸(好ましくは、酢酸、ギ酸又はp−トルエンスルホン酸)、金属塩(好ましくはテトライソプロポキシチタン)などのルイス酸を加える。溶媒としてジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素又はテトラヒドロフランなどを用い、氷冷下から加温下で実施される。
第七工程及び第八工程は、各々化合物(X)及び(XI)のホルミル基を還元し、化合物(XIIIa)及び(XIIIb)を製造する工程である。本反応は、Tetrahedron,35,567−607(1979)に記載の方法を参考に実施することが可能である。
第九工程は、化合物(XIIIb)の水酸基をハロゲン化又は、スルホン酸エステルへと変換することにより、化合物(XIVa)を製造する工程である。ハロゲン化は酸ハロゲン化物(好ましくは塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン或いは三臭化リンなど)を用いるか、又は、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素、或いはトリフェニルホスフィンと四臭化炭素などを用いることができる。スルホン酸エステルへの変換は、塩基(好ましくは、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム)存在下、メタンスルホニルクロリド或いはp−トルエンスルホニルクロリドで処理することにより実施される。溶媒としてジクロロエタン、メチレンクロリド、クロロホルム、ジオキサン又はヘキサンなどを用い、氷冷から加熱還流することにより実施される。また、得られた塩化物、臭化物、スルホン酸エステルに対してヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどを作用させることにより、ヨウ化物を得ることもできる。この場合の溶媒としてアセトン、2−ブタノン、エタノールなどが用いられる。
化合物(XIIIa)に対しても第九工程と同様の反応条件を適用することにより、化合物(XIIIa)の水酸基をハロゲン化又は、スルホン酸エステルへ変換することができる。

第十工程は、化合物(XIV)とA−Hを反応させ、化合物(XII)を製造する工程である。この反応は、第二製法と同様の条件で行えばよい。
第十一工程は、化合物(XII)の保護基Pを除去し、化合物(II)を製造する工程である。脱保護の反応は、カルボン酸の保護基に応じて、前出の「Protective Groups in Organic Synthesis」に記載の手法を使用するのが好ましい。
(2)原料化合物(IV)

第十二〜第十五工程は、第二製法における原料化合物(IV)の製造工程を示したものである。
まず、化合物(IV)は、第十二工程及び第十五工程を逐次行うことで製造することができる。本反応は、化合物(IX)と化合物(III)を第一製法と同様の方法で縮合した後、得られる化合物(XV)の水酸基を第九工程と同様にハロゲン化、又はスルホン酸エステルへと変換することにより実施することができる。
また、式(IV)においてXがXに限定された化合物、すなわち化合物(IVa)は、第十三工程及び第十四工程を経て製造することも可能である。すなわち、化合物(IX)を第九工程記載のハロゲン化反応の条件で処理することにより、水酸基のハロゲン化とカルボキシル基の酸ハロゲン化物への変換を同時に行い、得られた酸ハロゲン化物(XVI)を、別途用意したアミン誘導体(III)と反応させることによりアミド結合を形成すれば良い。溶媒としてジクロロエタン、メチレンクロリドなどを用い、塩基(ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム又は炭酸水素ナトリウムなど)の存在下、冷却から室温下にて行うが、アシル化反応の種類によっては、加温下で実施する。
また、化合物(IV)は、化合物(XIV)の保護基Pを除去し得られるカルボン酸と、アミン化合物(III)を第一製法と同様の条件で縮合することにより合成することも可能である。
この様にして製造された本発明化合物は、遊離のまま或いはその塩として、当該分野における慣用の化学操作、例えば、抽出、沈澱、分画クロマトグラフィー、分別結晶化、再結晶等により単離、精製することができる。また、当該化合物の塩は、遊離の本発明化合物を通常の造塩反応に付すことにより製造できる。
また、本発明化合物が不斉炭素を有する場合には光学異性体が存在する。これらの光学異性体は、光学活性な酸若しくは塩基とのジアステレオマー塩に導いた後、分別結晶化する手法、カラムクロマトグラフィー等の常法により光学分割する手法、或いは光学活性な原料化合物を用いて合成する手法により製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
以下実施例を挙げ、本発明化合物の製造方法を具体的に説明する。なお、原料化合物の製造方法を参考例として示す。
参考例1
炭酸ナトリウム55.9gとフェニルボロン酸38.6gを水150mlに懸濁させ、これに400mlのトルエンに溶解させた4−ブロモ−3−メチル安息香酸エチル51.4gを加えた後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム4.0gを加え2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、セライトを用いて濾過を行い、ろ液に水を加えトルエンにて有機層を抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、無色油状のエチル2−メチルビフェニル−4−カルボキシラート50.4gを得た。
参考例2
2−メチルビフェニル−4−カルボキシラート10gを四塩化炭素130mlに溶解させ、90℃に加熱し、NBS1.0gと2,2’−アゾビスイソブチロニトリル136mgを加えた。反応液を加熱還流させた後、NBS6.78gを加え1時間半加熱還流させた。反応液を室温まで冷却した後、析出物を濾過により除き、ろ液に水を加え四塩化炭素にて有機層を抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し白色固体のエチル2−(ブロモエチル)ビフェニル−4−カルボキシラート13.6gを得た。
参考例3
エチル2−(ブロモエチル)ビフェニル−4−カルボキシラート13.6gをDMF50mlに溶解させ、これに氷冷下、DMF50ml、ピペリジン6.2mlと炭酸カリウム9.2gの懸濁液を加え、室温にて3時間攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水)により精製し、薄い黄色油状のエチル2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキシラート12.6gを得た。
参考例4〜16
参考例3と同様にして後記表に示す参考例4〜16の化合物を得た。
参考例17
エチル2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキシラート11gをエタノール150mlに溶解させ、氷冷下、1Mの水酸化ナトリウム水溶液51mlを加え、室温にて10時間攪拌した。氷冷下、反応液に1Mの塩酸水溶液51mlを加えた後、溶媒を留去し、2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボン酸と1.5当量の塩化ナトリウムの混合物である薄い桃色固体12.6gを得た。
参考例18〜40
参考例17と同様にして後記表に示す参考例18〜30の化合物を得た。
参考例3と同様にして後記表に示す参考例31〜35の化合物を得た。
参考例17と同様にして後記表に示す参考例36〜40の化合物を得た。
参考例41
エチル2−(ブロモメチル)ビフェニル−4−カルボキシラート9.3gをアセトニトリル100mlに溶解させ、室温にてN−メチルモルホリン−N−オキサイド7.0gを加え4時間攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、白色固体のエチル2−ホルミルビフェニル−4−カルボキシラート4.94gを得た。
参考例42
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド17.1gをテトラヒドロフラン150mlの懸濁液を−78℃に冷却し、この懸濁液に1.59Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液を滴下し、30分攪拌した。さらに反応液を−40℃に昇温し10分間攪拌した後、再び−78℃に冷却しテトラヒドロフラン20mlに溶解させたエチル2−ホルミルビフェニル−4−カルボキシラート4.2gを20分かけて滴下した。反応液を−50℃から12時間かけて10℃まで昇温し、室温にて4時間攪拌した。反応溶液を留去し、残渣に酢酸エチルと水を加え有機層を分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒を留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、無色の油状物質1.66gを得た。この物質を1,2−ジクロロエタン50mlに溶解させ、室温にてギ酸25mlを加え51時間攪拌した。反応液に水と酢酸エチルを加え、分液操作し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、白色固体のエチル2−(2−オキソエチル)ビフェニル−4−カルボキシラート1.06gを得た。
参考例43
エチル2−(2−オキソエチル)ビフェニル−4−カルボキシラート1.06gを1,2−ジクロロエタン20mlに溶解させ、室温にてピペリジン3.95mlと酢酸589μl、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム1.09gを加え3時間攪拌した。反応液に水とクロロホルムを加え、分液操作により得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水)により精製し、油状のエチル2−(ピペリジン−1−イルエチル)ビフェニル−4−カルボキシラート1.3gを得た。
参考例44
エチル2−(ピペリジン−1−イルエチル)ビフェニル−4−カルボキシラートを原料として用い、参考例17と同様にして後記表に示す参考例44の化合物を得た。
参考例45〜56
参考例1と同様にして後記表に示す参考例45の化合物を得た。
参考例2と同様にして後記表に示す参考例46の化合物を得た。
参考例3と同様にして後記表に示す参考例47〜50の化合物を得た。
参考例17と同様にして後記表に示す参考例51〜56の化合物を得た。
参考例57
2−(ヒドロキシメチル)ビフェニル−4−カルボン酸14.71gを1,2−ジクロロエタン160mlに加え、これにDMF0.5mlと塩化チオニル11.75mlを加えた。反応液を加熱還流下1時間攪拌した後、室温にて塩化チオニル8mlを加え、加熱還流下3時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応溶媒を減圧下留去し、残渣に1,2−ジクロロエタン200mlを加え、氷冷下、1,3−ベンゾチアゾール−5−アミン8.07gとピリジン17.4mlを加え、室温にて攪拌した。反応溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、黄色泡状のN−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル−2−(クロロメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド11.23gを得た。
参考例58
6−ニトロインドリン2.5gをメチレンクロリド50mlに溶解させ、これにトリエチルアミン6.37mlを加えた。氷冷下、メタンスルホニルクロリド3.51gを滴下し、反応液を室温にて3時間攪拌した後、氷水を加え1時間攪拌した。反応溶媒を減圧下留去し、残渣に1M塩酸水溶液を加え析出物をろ取し、茶色固体の1−メチルスルホニル−6−ニトロインドリン3.52g得た。
参考例59
6−ニトロ−2H−ベンゾチアジン−3(4H)−オン500mgをDMF11.5mlに溶解させ、これに純度55%の水素化ナトリウム114mgを氷冷下加え、室温にて30分間攪拌した。反応液にヨウ化メチル444μlを加え室温にて2時間攪拌した。この反応液に、氷冷下メタノール2mlを加え室温にて10分間攪拌した後に水を加え、酢酸エチルにて有機層を抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)により精製し、4−メチル−6−ニトロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−3(4H)−オン308mgを得た。
参考例60、61
参考例59と同様にして後記表に示す参考例60、61の化合物を得た。
参考例62
2−クロロ−5−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール160mgをテトラヒドロフラン7.4mlに溶解させ、これに室温にて1Mジメチルアミンテトラヒドロフラン溶液1.86mlを加え16.5時間攪拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルにて有機層を抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、黄色固体のN,N−ジメチル−5−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン173mgを得た。
参考例63
2,3−ジクロロピリジン2.0gを2Mのジメチルアミンテトラヒドロフラン溶液13.5mlに溶解させ封管条件下、100℃にて6時間攪拌した。室温まで冷却した後、飽和重曹水を反応液に加え酢酸エチルにて抽出操作を行った。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥処理、濾過を行い、ろ液を減圧下濃縮し黄色油状物質693mgを得た。次いで、得られた油状物質693mgを氷冷下、濃硫酸5mlに溶解し、発煙硝酸1.2gと濃硫酸0.7mlの混合液をゆっくり加えた。氷冷下30分攪拌した後、反応液を冷水へ加え、次いで炭酸ナトリウムを塩基性になるまで加えた。酢酸エチルを加え有機層を抽出、硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、黄色固体の3−クロロ−N−メチル−5−ニトロピリジン−2−イルアミン347mgを得た。
参考例64
1−メチル−6−ニトロ−1H−インドール1.4gをtert−ブチルアルコール20mlに溶解させ、N−ブロモコハク酸イミド3.5gを4回に分割して加え、室温にて4時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルにて有機層を抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、黄色固体の3,3−ジブロモ−1−メチル−6−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン2.44gを得た。
参考例65
1−メチルスルホニル−6−ニトロインドリン2.00gとエタノール100ml、テトラヒドロフラン100mlの混合溶媒にアルゴン雰囲気下10%パラジウム炭素300mgを加え、水素雰囲気下、室温にて3時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、ろ液の有機溶媒を減圧下留去し、残渣にメタノールと酢酸エチル、テトラヒドロフランの混合液200mlを加えた。アルゴン雰囲気下、10%パラジウム炭素1gを加え、水素雰囲気下、室温にて3時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、ろ液の有機溶媒を減圧下除去し、薄い黄色固体の1−メチルスルホニル−6−アミノインドリン1.66gを得た。
参考例66〜71
参考例65と同様にして後記表に示す参考例66〜71の化合物を得た。
参考例72
エチル4−ホルミル−3−ニトロベンゾアート3.2gをトルエン70mlに溶解させ、メチルトリフェニルホスホラニリデンアセタート5.75gを加え還流下6時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)にて精製し、白色固体のエチル4−[(1E)−3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル]−3−ニトロベンゾアート3.63gを得た。
参考例73
エチル4−[(1E)−3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル]−3−ニトロベンゾアート1.8gとエタノール32ml、テトラヒドロフラン32mlの混合物にアルゴン雰囲気下、10%パラジウム炭素640mgを加え、水素雰囲気下、室温にて2時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、ろ液の有機溶媒を減圧下除去し、残渣にメタノール50mlと濃塩酸2摘を加え、60℃にて30分間攪拌した。室温まで冷却後、反応液を減圧下留去し、残渣に水とクロロホルムを加え分析操作をおこなった。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、白色固体のエチル 2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラート1.16gを得た。
参考例74
1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボン酸200mgをトルエン10mlに懸濁させ、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)268mg、tert−ブチルアルコール722mg、トリエチルアミン0.135mlを加え、加熱還流下14時間攪拌した。放冷後、反応溶液を減圧下濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルにて有機層を抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣に4M塩酸酢酸エチル溶液5mlを加え、室温にて7時間攪拌した後、反応液を減圧下濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて有機層を抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水)により精製し、白色固体の7−アミノ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン80mgを得た。
参考例75
3−クロロ−N−メチル−5−ニトロピリジン−2−イルアミン329mg、鉄粉489mg、酢酸9mlの懸濁液を60℃にて2時間攪拌した。室温に冷却した後、エタノールを加え反応液をセライトにて濾過した。ろ液を減圧下濃縮し、酢酸エチル、飽和重曹水を加え、分液操作にて得られた有機層に1Mの水酸化ナトリウム水溶液を加え分液操作を行い、得られた有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過を行い、得られたろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)により精製し、茶色油状物質の3−クロロ−2−メチルアミノ−5−アミノピリジン193mgを得た。
参考例76〜124
参考例1と同様にして後記表に示す参考例76の化合物を得た。
参考例2と同様にして後記表に示す参考例77の化合物を得た。
参考例3と同様にして後記表に示す参考例78〜80の化合物を得た。
参考例17と同様にして後記表に示す参考例81〜83の化合物を得た。
参考例1と同様にして後記表に示す参考例84〜89の化合物を得た。
参考例2と同様にして後記表に示す参考例90〜95の化合物を得た。
参考例3と同様にして後記表に示す参考例96〜124の化合物を得た。
参考例125
2,4−ジニトロベンズアルデヒドをジオキサンと水に溶解させ、室温にてアクリル酸メチルとトリエチレンジアミンを加え攪拌し、メチル2−[(2,4−ジニトロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]アクリラートを得た。
参考例126〜162
参考例17と同様にして後記表に示す参考例126〜162の化合物を得た。
参考例163
N−(8−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドを水酸化ナトリウムで加水分解し、6−アミノ−8−クロロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−3(4H)−オンを得た。
参考例164〜166
参考例41と同様にして後記表に示す参考例164の化合物を得た。
参考例42と同様にして後記表に示す参考例165の化合物を得た。
参考例43と同様にして後記表に示す参考例166の化合物を得た。
参考例167
エチル2−[(エチルアミノ)メチル]ビフェニル−4−カルボキシラートとテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オンに酢酸存在下、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを作用させ、エチル2−{[エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ]メチル}ビフェニル−4−カルボキシラートを得た。
参考例168〜189
参考例167と同様の試薬を用いて後記表に示す参考例168〜170の化合物を得た。
参考例57と同様にして後記表に示す参考例171の化合物を得た。
参考例58と同様にして後記表に示す参考例172の化合物を得た。
参考例59と同様にして後記表に示す参考例173〜175の化合物を得た。
参考例59と同様にN−アルキル化を行った後、参考例17と同様にエステル基の加水分解を行って後記表に示す参考例176〜177の化合物を得た。
参考例63と同様にして後記表に示す参考例178〜179の化合物を得た。
参考例180
メチル2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチナートを封かんにてジメチルアミンを作用させ、メチル2−クロロ−6−(ジメチルアミノ)−5−フルオロニコチナートを得た後、水素雰囲気、パラジウム炭素存在下、反応を行いメチル6−(ジメチルアミノ)−5−フルオロニコチナートを得た。
参考例181〜182
参考例65と同様にして後記表に示す参考例181〜182の化合物を得た。
参考例183
エチル(2S)−2−(2,4−ジニトロフェノキシ)プロパノアートを水素雰囲気下、エタノール中、パラジウム炭素による還元反応を行い、(2S)−6−アミノ−2−メチル−2H−1,4−ベンゾキサジン−3(4H)−オンを得た。
参考例184〜186
参考例183と同様にして後記表に示す参考例184の化合物を得た。
参考例72と同様にして後記表に示す参考例185〜186の化合物を得た。
参考例187
[2,4−ジニトロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]マロン酸ジベンジルエステルのエタノール溶液にパラジウム炭素を加え、水素雰囲気下、反応を行い6−アミノ−4−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンを得た。
参考例188
参考例188と同様にして後記表に示す参考例189の化合物を得た。
参考例189
メチル3−アミノ−4−(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ベンゾアートを1,4−ジオキサン中、塩酸を作用させメチル3−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−7−カルボキシラートを得た。
参考例190
メチル4−[(1E)−3−エトキシ−2−メチル−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル]−3−ニトロベンゾアートとパラジウム炭素をエタノールに加え、水素雰囲気下、攪拌し、メチル3−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボキシラートを得た。
参考例191〜198
参考例74と同様にして後記表に示す参考例191〜198の化合物を得た。
参考例199
メチル2−[(2,4−ジニトロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]アクリラートをエタノール中、パラジウム炭素存在下、水素雰囲気下にて反応を行い、7−アミノ−3−メチルキノリン−2(1H)−オンを得た。
参考例200
4−(t−ブトキシカルボニル)モルホリン−2−カルボン酸とジエチルアミンをDMFに溶解させ、これに1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを室温にて加え攪拌しt−ブチル2−[(ジエチルアミノ)カルボニル]モルホリン−4−カルボキシラートをえた。
参考例201〜203
参考例201同様にして後記表に示す参考例201〜203の化合物を得た。
参考例204
N−(3−アミノフェニル)アセタミドに塩基存在下、けい皮酸クロリドを作用させた後、得られたN−[3−(アセチルアミノ)フェニル]−3−フェニルアクリルアミドを塩化アルミにて処理し、N(2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−7−イル)アセタミドを得た。
参考例205
N−(3−アミノフェニル)アセタミドをトリエチルアミン存在下、2−ニトロフェニルスルホニルクロリドを作用させ、得られた化合物をヨードメタン、炭酸カリウムにて処理し、次いで、チオグリコール酸を作用させ、N−[3−(メチルアミノ)フェニル]アセタミドを得た。
参考例206
参考例204と同様にして後記表に示す参考例206の化合物を得た。
参考例207
N−(2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−7−イル)アセタミドの1.2M塩酸エタノール溶液を加熱還流し、7−アミノキノリン−2(1H)−オンを得た。
参考例207と同様にして後記表に示す参考例208の化合物を得た。
参考例209
2−クロロ−1,5−ジニトロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンにマロン酸ジベンジルエステルを水素化ナトリウム存在下作用させ、[2,4−ジニトロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]マロン酸ジベンジルエステルを得た。
参考例210
参考例209と同様にして後記表に示す参考例210の化合物を得た。
参考例211
クロロフォルムにエチル5,6−ジクロロニコチナートと(2,4−ジメトキシベンジル)アミン 塩酸塩、トリエチルアミンを加え、室温にて攪拌しエチル5−クロロ−6−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]ニコチナートを得た。
参考例212
5−クロロ−6−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]ニコチナートをエタノール中、水酸化ナトリウムを作用させ、5−クロロ−6−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]ニコチン酸を得た。この化合物にトルエン、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、tert−ブチルアルコール、トリエチルアミンを加え、加熱還流下攪拌し、得られた化合物をトルフルオロ酢酸にて処理し、3−クロロピリジン−2,5−ジアミンを得た。
参考例213
1−メチル−5−ニトロ−1H−インドール−2,3−ジオンに(ジエチルアミノ)サルファトリフルオリドを作用させ、3,3−ジフルオロ−1−メチル−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンを得た。
参考例214
3,3−ジフルオロ−1−メチル−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンに水素気流下ラネーニッケル触媒を用いて水素添加反応を行い、5−アミノ−3,3−ジフルオロ−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンを得た
参考例215
5−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2(1H)−オンに塩化チオニルを作用させた後、得られた2−クロロ−5−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジンをジメチルアミンで処理することにより、N,N−ジメチル−5−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンを得た。
参考例216
炭酸カリウム存在下、1−フルオロ−2,4−ジニトロベンゼンとエチル(2S)−(−)−2−ヒドロキシプロパノアートを作用させエチル(2S)−2−(2,4−ジニトロフェニル)プロピオナートを得た。
参考例217
参考例217と同様にして後記表に示す参考例218の化合物を得た。
参考例218
6−アミノ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンとクロロホルム−テトラヒドロフランの混合溶液にトリフルオロ酢酸無水物を加え2,2,2−トリフルオロ−N−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)アセトアミドを得た。
参考例219
2,2,2−トリフルオロ−N−(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)アセトアミドをDMF中、N−クロロスクシンイミドにて処理しN−(8−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−6−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドを得た。
参考例220〜221
参考例219と同様にして後記表に示す参考例220〜221の化合物を得た。
参考例222
エチル3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゾアートに塩基存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を作用させ、エチル3−クロロ−5−メチル−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}ベンゾアートを得た。
参考例223
エチル2−({エチル[(2−ニトロフェニル)スルフォニル]アミノ}メチル)ビフェニル−4−カルボキシラートに塩基存在下、チオグリコール酸を作用させ、エチル2−[(エチルアミノ)メチル]ビフェニル−4−カルボキシラートを得た。
参考例224
1−クロロ−2−メチルプロパン−2−オールにエチルアミンを作用させ、1−(エチルアミノ)−2−メチルプロパン−2−オールを得た。
参考例225
t−ブチル2−[(ジエチルアミノ)カルボニル]モルホリン−4−カルボキシラートを酢酸エチル中、4M塩酸酢酸エチル溶液で処理し、N,N−ジエチルモルホリン−2−カルボキサミド塩酸塩を得た。
参考例226〜229
参考例225と同様にして後記表に示される参考例226〜229の化合物を得た。
参考例230
(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジンにジオキサン中、ジ−t−ブチルカルボニルを作用させ、4−ブトキシカルボニル−2,6−ジメチルピペラジンを得た後、ジクロロエタン中、トリエチルアミン存在下、塩化アセチルを作用させ、1−アセチル−4−ブトキシカルボニル−2,6−ジメチルピペラジンを得た。次いで、この化合物を塩酸にて処理し、(2R,6S)−1−アセチル−2,6−ジメチルピペラジン得た。
参考例231
(2−ピペリジン−1−イルエチル)アミンにトリエチルアミン存在下、2−メチルプロパノイルクロリドを作用させ、2−メチル−N−(2−ピペリジン1−イルエチル)プロパンアミドを得た。
参考例232
参考例231と同様にして後記表に示される参考例232の化合物を得た。
参考例233
(2R,6S)−1−アセチル−2,6−ジメチルピペラジンを水素化リチウムアルミニウムにて還元し、(2R,6S)−1−エチル−2,6−ジメチルピペラジンを得た。
参考例234
3−(イソブチルアミノ)プロピル−2−メチルプロパノアートを水素化リチウムアルミニウムにて還元し、N−(3−ヒドロキシプロピル)−2−メチルプロパンアミドを得た。
参考例235
参考例234と同様にして後記表に示される参考例235の化合物を得た。
【実施例1】
2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボン酸と1.5当量の塩化ナトリウムの混合物500mgを1,2−ジクロロエタン20mlに懸濁させ、これに1,2−ジクロロエタン2mlに溶解させた3−メトキシアニリン174mgを加え、氷冷下、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート694mg、N−メチルモルホリン211μlを加え、室温にて30時間攪拌した。反応液に水を加えクロロホルムにて有機層を抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水)により精製し、N−(3−メトキシフェニル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミドを得た。これを酢酸エチル3mlに溶解させ、4Mの塩酸酢酸エチル溶液1mlを加え、溶媒を留去しエタノールにて結晶化させ、白色粉末のN−(3−メトキシフェニル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド塩酸塩103mgを得た。
【実施例2】
3−アミノフェノール227mgと3−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボン酸(2.08mmol)と塩化ナトリウムの混合物をDMF7mlに懸濁させ、これに1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド599mgを室温にて加え10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと1Mの塩酸水溶液を加え、分液操作により得られた水層部分に炭酸水素ナトリウムを水層が塩基性になるまで加え、この水層に酢酸エチルを加え分液操作を行った。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、得られた白色固体をエタノールに溶解させ、4Mの塩酸酢酸エチル溶液を加え溶媒を留去した。得られた残渣にエタノールと水を加え結晶化を行い、白色粉末のN−(3−ヒドロキシフェニル)−3−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド塩酸塩436mgを得た。
【実施例3〜9】
実施例2と同様にして後記表に示される実施例3〜5の化合物を得た。
実施例1と同様にして後記表に示される実施例6〜9の化合物を得た。
【実施例10】
2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボン酸と1.5当量の塩化ナトリウムの混合物500mgとDMF1滴を氷冷下チオニルクロリド30mlに加え、室温にて2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣にトルエンを加えて減圧下濃縮した。残渣を減圧下乾燥したのち、メチレンクロリド20mlを加えた。この反応混合物に、氷冷下3,4,5−トリクロロアニリン277mg及びトリエチルアミン0.59mlを加え、室温で3時間、40℃で一夜攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水)により精製し、N−(3,4,5−トリクロロフェニル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミドを得た。このものをクロロホルムに溶解し、4M塩酸ジオキサン溶液1mlを加え、溶媒を留去した。得られた油状物をエーテルより結晶化させ、白色粉末のN−(3,4,5−トリクロロフェニル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド塩酸塩450mgを得た。
【実施例11〜99】
実施例10と同様にして後記表に示される実施例11の化合物を得た。
実施例1と同様にして後記表に示される実施例12〜43の化合物を得た。
実施例10と同様にして後記表に示される実施例44〜99の化合物を得た。
【実施例100】
N−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル−2−(クロロメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド250mgとピペリジン−4−カルボキサミド169mgをクロロホルム10mlに加え室温にて3日間攪拌した。反応溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)にて精製し、黄色泡状物質を得た。これにエタノール2ml、4Mの塩酸酢酸エチル1mlを加え溶媒を減圧下留去した。残渣を結晶化(エタノール:水:酢酸エチル)させ白色粉末の1−({4−[(1,3−ベンゾチアゾール−5−イルアミノ)カルボニル]ビフェニル−2−イル}メチル)ピペリジン−4−カルボキサミド塩酸塩205mgを得た。
【実施例101〜111】
実施例100と同様にして後記表に示される実施例101〜111の化合物を得た。
【実施例112】
N−(4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−6−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド230mgをN,N−ジメチルアセトアミド5mlに溶解させ、氷冷下m−クロロ過安息香酸252mgを加え、室温にて24時間攪拌した。反応液に水5mlと亜硫酸水素ナトリウム1016mgを2回に分割して加え、室温にて2時間攪拌した。反応系に水を加え、酢酸エチルで有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水)により精製し、黄色油状物質を得た。これを酢酸エチル5mlに溶解させ、4M塩酸酢酸エチル溶液1mlを加え、溶媒を留去し、得られた固体をエタノールにて再結晶し、白色粉末のN−(4−メチル−1,1−ジオキソ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−6−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド塩酸塩61mgを得た。
【実施例113】
実施例10と同様にして後記表に示される実施例113の化合物を得た。
【実施例114】
N−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1−インデン−5−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド250mgをメタノール15mlに懸濁させ、室温にて水素化ホウ素ナトリウム40mgを加えた。反応液を室温で1時間攪拌した後、水5mlを加えた。反応液を減圧留去し、得られた残渣をクロロホルムと水の混合液に溶解した後、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、溶液を減圧留去した。得られた残渣をエタノール10mlに溶解させ、4M塩酸酢酸エチル溶液0.5mlを加え、溶媒を留去した。得られた残渣をエタノールにて結晶化することにより白色粉末のN−(3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−1−インデン−5−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド塩酸塩113mgを得た。
【実施例115〜181】
実施例1と同様にして後記表に示される実施例115〜121の化合物を得た。
実施例2と同様にして後記表に示される実施例122、123の化合物を得た。
実施例10と同様にして後記表に示される実施例124〜181の化合物を得た。
【実施例182】
(4−{[(2−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)アミノ]カルボニル}ビフェニル−2−イル)メチル メタンスルホナート 500mg、N−メチルヘキサン−1−アミン 123mg、炭酸カリウム 177mg、ヨウ化カリウム 212mgをDMF20mLに溶解させ、70℃にて3時間攪拌した。反応液を分析操作した後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アンモニア水)により精製し、無色透明の飴状物質を得た。これにエタノール、4Mの塩酸酢酸エチル0.4mlを加え溶媒を減圧下留去した。残渣を洗浄し(2−プロパノール:エタノール)白色固体の2−{[ヘキシル(メチル)アミノ]メチル}−N−(2−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド塩酸塩 233mgを得た。
【実施例183〜196】
実施例182と同様にして後記表に示される実施例183〜196の化合物を得た。
【実施例197】
N−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル−2−(クロロメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド19mgの1,4−ジオキサン0.7ml溶液に、4−(4−クロロフェニル)ピロリジン−3−メチルカルボキシラート12mgのN−メチル−2−ピロリジノン0.1ml溶液を加え、さらに炭酸カリウム14mgとヨウ化カリウム12mgを加えた後、室温下1日攪拌した。反応液を濾過して得られた濾液に酢酸エチル0.4mlを加え、水0.1mlを保持した珪藻土カラムを通して抽出し、酢酸エチル0.4mlで溶出した。溶出液の溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をHPLC(カラム:シンメトリー(Symmetry;登録商標)C18 5μm 19mmx100mm、溶媒:MeOH/0.1%HCOOH−HO=10/90(0min)−10/90(1min)−100/0(9min)−100/0(12min)、流速:30mL/min)にて分取精製を行い、メチル−(3R,4S)−1−({4−[(1,4−ベンゾチアゾロ−5−イルアミノ)カルボニル]ビフェニル2−イル}メチル)−4−(4−クロロフェニル)ピロリジン−3−カルボキシラート0.4mgを得た。
【実施例198〜232】
実施例197と同様にして後記表に示される実施例198〜232の化合物を得た。
前記参考例化合物及び実施例化合物の構造式と物理化学的性状を後記表1〜38に示す。また、後記表39及び40に記載した化合物は、前記参考例、実施例又は製造法に記載の方法とほぼ同様にして、或いはそれらの方法に当業者に自明の若干の変法を適用することにより、容易に製造することができる。なお、表中の記号は以下の意味を有する。
Rf:参考例番号、Ex:実施例番号、No:化合物番号、Structure:構造式、salt:塩(2HCl:2塩酸塩、記載のないものは遊離体を示す)、Me:メチル基、Et:エチル基、Ac:アセチル基、iPr:イソプロピル基、nPr:ノルマルプロピル基、tBu:t−ブチル基、Boc:t−ブトキシカルボニル基、Ph:フェニル基、Ts:p−トルエンスルホニル基、Ms:メタンスルホニル基、DATA:物性データ、NMR:核磁気共鳴スペクトル(TMS内部標準:H NMR:400MHz若しくは300MHz,特に記載しない場合の測定溶媒:DMSO−d)、FP:FAB−MS(M+H)、H:下記HPLC条件でのHPLC上の保持時間[分]、
条件
カラム:ワコーシル−II(Wakosil−II)5C18 AR 2mmx30mm、溶媒:MeOH/5mMトリフルオロ酢酸−HO=10/90(0min)−100/0(4.0min)−100/0(4.5min)、流速:1.2mL/min
【産業上の利用可能性】
本発明化合物は、優れたカプサイシン受容体VR1活性化抑制作用を有することから、医薬、特に、神経因性疼痛や炎症性疼痛を始めとする各種疼痛、片頭痛や群発頭痛などの頭痛、掻痒、過活動膀胱や間質性膀胱炎などの膀胱疾患の治療剤として有用である。
本発明化合物の優れたカプサイシン受容体VR1活性化抑制作用は、以下に示す試験方法により確認された。
(試験例1)
[VR1安定発現細胞を用いた受容体結合試験]
1)ヒトVR1安定発現細胞の構築
ヒトVR1をコードする全長cDNAは以下の方法で取得した。初めに、ヒト脳mRNAを逆転写酵素を用いて逆転写させ、first strand cDNAを合成した。次に、このfirst strand cDNAを鋳型とし、Taq DNAポリメラーゼを用いて、ホットスタート(Hot Start)法によるPCRを行なった。前記PCRは、センスプライマーとして公知のヒトVR1 cDNA配列(Genbank AJ277028.1)の第424番〜第443番の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを、アンチセンスプライマーとして第3082番〜第3100番の塩基配列の相補鎖配列からなるオリゴヌクレオチドを用い、最初に98℃(1分間)で熱変性を行なった後、98℃(15秒間)/63℃(30秒間)/72℃(3分間)からなるサイクルを35回繰り返した。
増幅されたDNA断片は、pCR−XL−TOPOベクター(TOPO XL PCR Cloning Kit;インビトロジェン社、米国)を用いてクローニングを行なった。得られたプラスミドDNAを制限酵素EcoRIで消化して、ヒトVR1−cDNAのみを単離した後、pcDNA3.1(+)プラスミド(インビトロジェン社、米国)に組み込んだ。なお、以上の遺伝子工学的操作については、公知の方法(Sambrook,J.et al,Molecular Cloning−A Laboratory Manual″,Cold Spring Harabor Laboratory Press,NY,2001)、および各試薬に添付の指示書に従った。
次に、得られたpcDNA3.1−VR1をHEK293細胞又はCHO−K1細胞に導入した。
VR1/HEK293細胞を10%FBS、100μg/mlストレプトマイシン、100U/mlペニシリン及び400μg/ml G418を含むDMEM培地(インビトロジェン社、米国)を用いて、VR1/CHO細胞を10%FBS、100μg/mlストレプトマイシン、100U/mlペニシリン及び400μg/ml G418を含むHumF12培地(インビトロジェン社、米国)を用いてそれぞれ選択し、受容体安定発現細胞株を作製した。受容体安定発現細胞はそれぞれ上記培地中で継代した。
2)膜標品の作製
上記VR1/HEK293細胞をシャーレで大量に培養した後培地を除去し、氷冷PBSを加えて掻き取った。1000rpm、4℃で10分間遠心し、得られた沈渣にホモジナイズ用緩衝液(25mM Tris−HCl、220mMショ糖、pH7.4)を加えてホモジナイズした後、2,200rpm、4℃で10分間遠心した。得られた上清を30,000xg、4℃で20分間遠心し、得られた沈渣に25mM Tris−HCl、pH7.4を加え、30,000xg、4℃で20分間遠心する操作を2回繰り返した。得られた沈渣を25mM Tris−HCl、pH7.4に懸濁し、蛋白濃度をプロテインアッセイ染色液(バイオ・ラッド社、米国)を用いて決定した。作成した膜標品は−80℃にて保存した。
3)受容体結合試験
[Neurosci.57:747−757(1993)]の方法を改変して実施した。アッセイ用緩衝液(25mM Tris−HCl、0.025%BSA、pH7.4)147μl、試験化合物3μl、[H]RTX 50μl(約50,000dpm;パーキンエルマーライフサイエンス社、米国)、前述膜標品100μl(蛋白量約25μg)を混合し、37℃で60分間インキュベートした後、氷上で10分間インキュベートした。氷冷したαacid protein(AGP;シグマ社)を200μg/50μl加え、さらに5分間インキュベートした。インキュベーションの終了は、反応液をGF/Bフィルター(パーキンエルマーライフサイエンス社、米国)を用いて急速濾過することにより行った。氷冷した25mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で7回洗浄した後、フィルターの放射活性を液体シンチレーションカウンター(2500TR;パッカード社、米国)にて測定した。特異結合は[3H]RTXとVR1受容体安定発現細胞膜画分との全結合量のうち、1μM RTXによって置換された部分をVR1受容体に由来する特異的結合とみなした。試験化合物の評価は以下のようにして行った。すなわち、化合物添加時の結合減少量を、RTX添加時の結合減少量を100%とした時の相対値として求めた。次いで、IC50値をロジスティック(Logistic)回帰法により算出した。
例えば、実施例1、7、21、33、60、71、78、85、87、110、117、122、123、129、130、143、163、170、181及び195の化合物は1μM以下のIC50値を示した。本試験により、本発明化合物がVR1受容体親和性を有することが確認された。
(試験例2)
[VR1安定発現細胞を用いた45Ca取り込み試験]
VR1/CHO細胞をウェル当たり30,000細胞の密度で96穴白色培養プレート中に播種した。上記培地中で24時間培養後、培地をアッセイ用緩衝液(PBS、0.1mM CaCl、1mM MgCl、10mM HEPES、10mMグルコース、0.025%BSA、pH7.4)25μlに置換し、37℃で10分間インキュベートした。約4kBqの45Ca、最終濃度が300nMになるよう調整したカプサイシン(シグマ社、米国)及び試験化合物の混合液25μlをウェルに添加し、37℃で10分間インキュベートした。混合液を洗浄用緩衝液(PBS、0.1mM CaCl、1mM MgCl)で3回洗浄し、0.1N NaOH 17μl及び100μlの液体シンチレーター(マイクロシンチーPS;パーキンエルマーライフサイエンス社、米国)を添加し、放射活性をマイクロプレート用シンチレーションカウンター(トップカウント;パーキンエルマーライフサイエンス社、米国)で測定した。カプサイシンにより生じるVR1受容体特異的45Ca取り込みは、300nMカプサイシン刺激時の細胞内全45Ca取り込み量のうち、アンタゴニストである10μMカプサゼピン(シグマ社、米国)によって減少した量とした。試験化合物の評価は以下のようにして行った。すなわち、化合物添加時の取り込み減少量を、カプサゼピン添加時の特異的取り込み減少量を100%とした時の相対値として求めた。次いで、IC50値をロジスティック(Logistic)回帰法により算出した。
その結果、本発明化合物はVR1を介した45Ca取り込みに対して強い抑制作用を示した。
(試験例3)
[カプサイシンテスト]
[Neuropharmacol.31:1279−1285(1992)]に従い実施した。マウス(ddY、雄性、4−5週齡)の足裏にカプサイシン1.6μgを投与すると肢舐め行動を誘引する。投与後5分間の肢舐め行動発現時間を計測することにより、疼痛行動抑制作用を評価した。試験化合物はカプサイシン投与の30分前に腹腔内投与、若しくは45分前に経口投与した。試験化合物の評価は、溶媒投与群における肢舐め行動発現時間を100%とした際の、試験化合物投与群の各阻害率を求めることにより行った。
その結果、本発明化合物は、腹腔内投与においても経口投与においても、強い疼痛行動抑制作用を示した。代表的な実施例化合物につき、経口投与群(30mg/kg)の阻害率を下記表41に示す。

一方、前記特許文献3記載のexample115の化合物は、本試験において100mg/kgの投与量においても有為な抑制作用を示さなかった。
試験例1乃至3の結果、本発明化合物VR1受容体活性化抑制に基づく、顕著な疼痛抑制作用を示したことから、有効な抗鎮痛薬となり得ることが期待される。
一般式(I)で示される本発明化合物やその製薬学的に許容される塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、通常用いられている製剤用の担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、液剤、注射剤、坐剤、軟膏、貼付剤等に調製され、経口的又は非経口的に投与される。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、安定化剤、可溶化剤、又は溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により胃溶性若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等であって、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エチルアルコールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、溶解補助剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えば注射剤用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エチルアルコールのようなアルコール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。
このような組成物は、更に等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、可溶化剤又は溶解補助剤のような添加剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらは又無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
本発明化合物のヒトに対する臨床投与量は適用される患者の症状、体重、年齢や性別等を考慮して適宜決定されるが、通常成人1日当たり経口で0.1〜500mg、非経口で0.01〜100mgであり、これを1回或いは数回に分けて投与する。投与量は種々の条件で変動するので、上記投与量範囲より少ない量で十分な場合もある。









































【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で示されるベンズアミド誘導体又はその塩。

(上記式中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。

L:低級アルキレン、
D環、及びE環:同一又は異なって、単環若しくは2環系炭化水素環、又はN、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数5〜12の単環若しくは2環系ヘテロ芳香環、
G環:N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環、
〜R:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、−OH、−SH、−O−低級アルキル、−O−低級アルキル−NH−低級アルキル、−O−低級アルキル−N(低級アルキル)、=O、−NH、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−S−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−CN、−COOH、−C(=O)−O−低級アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−NH−低級アルキル、−C(=O)−N(低級アルキル)、−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−SO−低級アルキル、−SO−NH、−SO−NH−低級アルキル、−C(=O)−低級アルキル、−NO又は含窒素飽和ヘテロ環、
10:水素原子、又は低級アルキル、
11〜R15:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、−OH、−O−低級アルキル、−S−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−SO−低級アルキル、=O、−C(=O)H、−C(=O)−低級アルキル、−COOH、−CN、−NH、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−C(=O)−NH、−C(=O)−NH−低級アルキル、−C(=O)−N(低級アルキル)、−C(=O)−アリール、−C(=O)−NH−アリール、−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−C(=O)−アリール、−NH−SO−低級アルキル、−N(低級アルキル)−SO−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−SO−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−SO−アリール、−C(=O)−O−低級アルキル、−低級アルキレン−OH、−低級アルキレン−C(=O)−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−C(=O)−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−C(=O)−NH、−低級アルキレン−C(=O)−OH、−低級アルキレン−O−低級アルキル、−低級アルキレン−S−低級アルキル、−低級アルキレン−O−C(=O)−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−アリール、シクロアルキル、アリール、−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−O−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−低級アルキレン−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−C(=O)−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−低級アルキレン−N(低級アルキル)−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、又は−C(=O)−NH−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、
ここに、前記単環若しくは2環系ヘテロ環はそれぞれハロゲン原子、低級アルキル、−O−低級アルキル又は−OHで置換されていてもよい。)
【請求項2】
前記式(I)中のEで表される環がベンゼン又はチオフェン環である請求の範囲第1項記載の化合物。
【請求項3】
前記式(I)中のAで表される基が下記式である請求の範囲第2項記載の化合物。

(上記式中、G環及びR13〜R15は前記式(I)と同様の意味を有する。)
【請求項4】
前記式(I)中のGで表される環が含窒素飽和ヘテロ環であって、環窒素原子がLと結合する請求の範囲第3項記載の化合物。
【請求項5】
前記式(I)中のGで表される環がモルホリン、ピペリジン及びピロリジンから選択される環であって、当該環基の環窒素原子がLと結合する請求の範囲第3項記載の化合物。
【請求項6】
前記式(I)中のDで表される環がベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、インドリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン、ジヒドロキノリン及びジヒドロイソキノリンから選択される環である請求の範囲第3項記載の化合物。
【請求項7】
前記式(I)中のDで表される環とそれに結合するR〜Rで表される基が、一緒になって下記式から選択される基である請求の範囲第3項記載の化合物。

(上記式中の記号は、以下の意味を有する。
6a及びR6b:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル、
7a、R8a、R7b及びR8b:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル。)
【請求項8】
前記式(I)中のDで表される環とそれに結合するR〜Rで表される基が、一緒になって下記式から選択される基である請求の範囲第3項記載の化合物。

(上記式中の記号は、以下の意味を有する。
6c及びR6d:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル、
7c、R8c、R7d及びR8d:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル。)
【請求項9】
前記式(I)中のAで表される基が下記式である請求の範囲第2項記載の化合物。

(上記式中の記号は、以下の意味を有する。
11a及びR12a:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、−O−低級アルキル、−SO−低級アルキル、−C(=O)H、−C(=O)−低級アルキル、−CN、−NH、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−C(=O)−NH、−C(=O)−NH−低級アルキル、−C(=O)−N(低級アルキル)、−C(=O)−アリール、−C(=O)−NH−アリール、−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−C(=O)−アリール、−NH−SO−低級アルキル、−N(低級アルキル)−SO−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−SO−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−SO−アリール、−C(=O)−O−低級アルキル、−低級アルキレン−OH、−低級アルキレン−C(=O)−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−C(=O)−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−C(=O)−NH、−低級アルキレン−C(=O)−OH、−低級アルキレン−O−低級アルキル、−低級アルキレン−S−低級アルキル、−低級アルキレン−O−C(=O)−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−アリール、シクロアルキル、アリール、−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−O−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−低級アルキレン−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−C(=O)−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、−低級アルキレン−N(低級アルキル)−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、又は−C(=O)−NH−(N、S及びOからなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ原子を1〜4個含有する環員数4〜12の単環若しくは2環系ヘテロ環)、
ここに、前記単環若しくは2環系ヘテロ環はそれぞれハロゲン原子、低級アルキル、−O−低級アルキル又は−OHで置換されていてもよい。)
【請求項10】
11aが低級アルキルであり、R12aが−低級アルキレン−O−低級アルキル、−低級アルキレン−S−低級アルキル、−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−OH、−低級アルキレン−C(=O)−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−C(=O)−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−アリール、シクロアルキル、アリール、−(単環若しくは2環系ヘテロ環)及び−低級アルキレン−(単環若しくは2環系ヘテロ環)から選択される基である請求の範囲第9項記載の化合物。
【請求項11】
前記式(I)中のDで表される環がベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、インドリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン、ジヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリンから選択される環である請求の範囲第9項記載の化合物。
【請求項12】
前記式(I)中のDで表される環とそれに結合するR〜Rで表される基が、一緒になって下記式から選択される基である請求の範囲第9項記載の化合物。

(上記式中の記号は、以下の意味を有する。
6a及びR6b:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル、
7a、R8a、R7b及びR8b:同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル。)
【請求項13】
前記式(I)中のDで表される環とそれに結合するR〜Rで表される基が、一緒になって下記式から選択される基である請求の範囲第9項記載の化合物。

(上記式中の記号は、以下の意味を有する。
6c及びR6d:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル、
7c、R8c、R7d及びR8d:水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル又はハロゲン置換低級アルキル。)
【請求項14】
前記式(I)で示されるベンズアミド誘導体が、N−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル−2−{[シクロヘキシル(イソプロピル)アミノ]メチル}ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド、2−{[エチル(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミノ]メチル}−N−(2−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−7−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(3−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−7−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(2,4−ジメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ビフェニル−4−カルボキサミド、2−{[エチル(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ]メチル}−N−(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N−(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)−3−(ピペリジン−1−イルメチル)−4−(2−チエニル)ベンズアミド、2−{[エチル(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)アミノ]メチル}−N−(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド、2−{[イソブチル(2−ピペリジン−1−イルエチル)アミノ]メチル}−N−(2−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド、N,N−ジエチル−4−[(4−{[(1−メチル−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)アミノ]カルボニル}ビフェニル−2−イル)メチル]モルホリン−3−カルボキサミド、及び2−[(4−メチル−1,3−ビピペリジン−1’−イル)メチル]−N−(2−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)ビフェニル−4−カルボキサミドからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求の範囲第1項記載の化合物及びその塩。
【請求項15】
請求の範囲第1項記載の一般式(I)で示されるベンズアミド誘導体又はその塩と、製薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物。
【請求項16】
VR1活性化抑制剤である請求の範囲第15項記載の組成物。
【請求項17】
疼痛の予防又は治療剤である請求の範囲第15項記載の組成物。
【請求項18】
疼痛の予防又は治療剤製造のための請求の範囲第1項記載の一般式(I)で示されるベンズアミド誘導体又はその塩の使用。
【請求項19】
請求の範囲第1項記載の一般式(I)で示されるベンズアミド誘導体又はその塩の有効量を、哺乳動物に投与することからなる疼痛の予防又は治療法。

【国際公開番号】WO2004/110986
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【発行日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506991(P2005−506991)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008479
【国際出願日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【Fターム(参考)】