説明

ベンゾイミダゾリルピリジルエーテルの製剤

式(I):
【化1】


で示される化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物;および、親水性溶媒、親油性溶媒、乳化剤、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される成分を含む製剤を提供し;いくつかの態様において、該製剤は液体である。他の態様において、製剤は固体である。このような製剤の製造法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、一般的にベンゾイミダゾリルピリジルエーテル化合物の製剤に関する。さらに具体的には、本明細書の記載は、{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリジン−4−イルオキシ]−1Hベンゾイミダゾール−2−イル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)アミン、それらの互変異性体、それらの薬学的に許容される塩、それらの互変異性体の薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む投与製剤、ならびにこのような製剤を製造するおよび使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
癌の発症におけるキナーゼの関与は既知である。例えば、腫瘍形成と関連することが既知であるキナーゼは、Rafセリン/スレオニンキナーゼおよび受容体チロシンキナーゼ(RTK)を含む。両方の型のキナーゼが最後に転写因子をリン酸化するシグナル形質導入経路の一部である。該経路内で、Rafキナーゼは、多数の細胞機能、例えば、増殖、分化、生存、発癌性形質転換およびアポトーシスに影響して調節するRas/マイトージェン−活性タンパク質キナーゼ(NIAPK)シグナル伝達モジュールの一部である。
【0003】
いくつかのRafキナーゼ阻害剤は、インビトロおよび/またはインビボアッセイで腫瘍細胞増殖を阻害する効果を示すと記載されている(例えば、米国特許第6,391,636、6,358,932、6,037,136、5,717,100、6,458,813、6,204,467および6,268,391号、参照)。他の特許および特許出願は、白血病を処置するための(例えば、米国特許第6,268,391および6,204,467、ならびに公開された米国特許出願第20020137774;20020082192;20010016194;および20010006975号、参照)、または、乳癌を処置するための(例えば、米国特許第6,358,932;5,717,100;6,458,813;6,268,391;および6,204,467、ならびに公開された米国特許出願第20010014679号、参照)、Rafキナーゼ阻害剤の使用を提供している。早期臨床試験において、B−Rafも阻害するRaf−1キナーゼの阻害剤は、癌治療の治療剤として有望であることが示されている(Crump, Current Pharmaceutical Design 8:2243-2248 (2002); Sebastien et al., Current Pharmaceutical Design 8: 2249-2253 (2002))。
【0004】
受容体チロシンキナーゼ(RTK)、例えば、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)は、発生の細胞増殖および分化、リモデリング、ならびに成体組織の再生を調節する膜貫通ポリペプチドである。Mustonen, T. et al., J. Cell Biology 129:895-898 (1995); van der Geer, P. et al., Ann Rev. Cell Biol. 10:251-337 (1994)。VEGFおよびVEGFサブファミリーメンバーは、血管透過性および内皮細胞移動および増殖を誘導し、ならびに血管形成および脈管形成を誘導することができる。Ferrara, N. et al., Endocrinol. Rev. 18:4-25 (1997); Connolly, D. et al., J. Biol. Chem. 264:20017-20024 (1989); Connolly, D. et al., J. Clin. Invest. 84:1470-1478 (1989); Leung, D. et al., Science 246:1306-1309 (1989); Plouet, J. et al., EMBO J 8:38013806 (1989)。
【0005】
血管形成は、組織で新規血管を形成することによる進行であり、癌細胞の増殖に重要である。癌において、一群の癌細胞が特定のサイズ、直径約1から2mmに達すると、拡散が癌細胞へ十分な酸素および栄養分を供給することが十分でないため、癌細胞はより大きく腫瘍を発達させるために血液供給を発達させなければならない。したがって、血管形成と関連するキナーゼの阻害による血管形成の阻害は、癌細胞の増殖を停止することが期待される。
【0006】
腫瘍の増殖を阻害し、癌を処置し、細胞周期停止を調節し、および/またはキナーゼ、例えば、Ras、Raf、変異型B−Raf、VEGFR2(K−DR、Flk−1)、FGFR2/3、c−Kit、PDGFRP、CSF−1Rを阻害する、血管形成を阻害する化合物の1つのクラスは、ベンゾイミダゾリルピリジルエーテルとして既知である化合物のクラスである。様々なベンゾイミダゾリルピリジルエーテル化合物の合成および使用方法は、WO2003/082272およびWO2005/032458および米国仮特許出願、2005年8月30日に出願された60/712,539号;2005年10月27日に出願された60/731,591;2006年2月17日に出願された60/774,684;および2005年8月30日に出願された60/713,108(これらの文献の内容を出典明示により全ての目的のために本明細書に包含させる)に記載されている。ベンゾイミダゾリルピリジルエーテルにより示された優れた生物活性にもかかわらず、生理学的pHで化合物の水難溶性のため、このクラスの化合物の製剤化への困難性が維持されている。
【発明の概要】
【0007】
要約
1つの局面において、ベンゾイミダゾリルピリジルエーテルの製剤および薬剤ならびにこのような製剤および薬剤の製造および使用方法を提供する。製剤は、特に、カプセルおよび錠剤形態の{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル−ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)アミンの固体および液体製剤を含む。製剤を経口的にまたは当分野で既知の他の方法により投与してもよい。記載されている製剤は、製剤化されていない化合物と比較して、ベンゾイミダゾリルピリジルエーテル化合物の改良された水性溶解性および改良されたインビボ暴露/薬物動力学を提供する。
【0008】
1つの局面において、本発明は、式I
【化1】

で示される化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物、および、親水性溶媒、親油性溶媒、乳化剤、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される成分を含む製剤を提供する。例えば、該成分は親水性溶媒および親油性溶媒の混合物、または親水性溶媒、親油性溶媒および乳化剤の混合物であってよい。
【0009】
いくつかの態様において、該製剤は、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物、親水性溶媒、親油性溶媒および乳化剤を含む。
【0010】
いくつかの態様において、該製剤は液体製剤である。他の態様において、該製剤は固体製剤である。
【0011】
さらなる局面において、本明細書に記載されている製剤はカプセルまたは錠剤内に含まれていてもよい。他の態様において、カプセルまたは錠剤内に含まれている、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物の全量は、包括的に約1mgから約400mgの範囲である。いくつかの態様において、該カプセルまたは錠剤はポリマーまたはゼラチンで被覆されているか、または、ゼラチンシース内に包まれている。該カプセルは硬シェルカプセルであってよく、さらにバンドシール付き頭部(head section)および体部(body section)を有してもよい。
【0012】
さらなる局面において、方法は、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物を、親水性溶媒、親油性溶媒、乳化剤、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される成分と混合および/またはミックスし、製剤を形成することを含む製剤の製造法を提供する。該方法はさらに該化合物、塩、または混合物および該成分を抗酸化剤、保存剤、甘味剤、香味剤、着色剤、または任意のそれらの2種以上の混合物と混合し、製剤を形成することを含んでもよい。いくつかの態様において、該化合物、塩、または混合物および該成分は、例えば、メタノール、エタノール、またはそれらの混合物から選択される製剤助剤を使用して混合される。
【0013】
いくつかの態様において、1種以上のカプセルまたは錠剤を含む貯蔵容器、本明細書に記載されている製剤を含む1種以上のカプセルまたは錠剤を含む医薬包装容器も提供する。
【0014】
本発明製剤は、処置を必要とする対象の癌の処置および/または血管形成の阻害における医薬製剤または薬剤として有用である。したがって、さらなる局面において、該製剤を対象に投与することを含む、対象の癌を処置および/または血管形成を阻害するための方法を提供する。癌の処置方法に関するいくつかの態様において、該製剤を対象の血漿中でCmaxの約0.1から約10μg/mLの式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物を提供するために十分な量で投与する。癌の処置方法の他の態様において、該製剤を対象の血漿中でAUCの約0.01から約10mg*分/mLの式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物を提供するために十分な量で投与する。このような処置方法において、該製剤を1日または1週間に1回、2回、3回、4回またはそれ以上投与する。癌の処置方法の他の態様において、処置される癌は、膀胱、乳房、脳、癌腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸、胃、消化管、神経膠腫、リンパ腫、黒色腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、神経内分泌、非小細胞肺、小細胞肺、脾臓、前立腺、腎臓細胞、小細胞急性骨髄性白血病、肉腫、および/または甲状腺癌である。
【0015】
ベンゾイミダゾリルピリジルエーテル化合物の製剤を提供する。このような製剤をMAPK経路の重要なキナーゼ酵素であるRAFキナーゼを阻害するために使用してもよい。該製剤は、例えば、癌を有する患者の処置および/またはRAFキナーゼの阻害剤の要求に有用である。
【0016】
下記略語および定義を本明細書中で使用する:
【0017】
“吸収担体”は、吸収および/または液体製剤を吸収するために使用される、通常、固体の物質を意味する。
【0018】
“API”は、活性医薬成分の略語である。本明細書で使用される、特記されない限り、APIは、化合物:{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチル−フェニル)アミンを意味する。
【0019】
“AUC”は、時間に対する血液血漿中の化合物の濃度のグラフにおける曲線下面積の略語である。
【0020】
“BCS”は、水性溶解性および腸透過性に基いて薬剤を分類する科学的概念である生物薬剤学分類システムの略語である。例えば、Guidance for Industry: Waiver of In Vivo Bioavailability and Bioequivalence Studies for Immediate-Release Solid Oral Dosage Forms Based on a Biopharmaceutics Classification System, U.S. Department of Health and Human Services Food and Drug Administration Center for Drug Evaluation and Research (CDER), August 2000;およびAmidon, G. L., H. Lennernas, V. P. Shah, and J. R. Crison, Pharmaceutical Research, 12:413-420 (1995)、参照。
【0021】
“セルロース”は、医薬製剤で使用するための既知のセルロース、限定はしないが、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、第2208、2906、2910番)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、微結晶セルロース、およびそれらの混合物の様々な形態を含む。本発明の製剤で使用するための微結晶セルロースの適当な形態は、限定はしないが、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corporation, American Viscose Division, Avicel Sales, Marcus Hook, Pa.から入手できる)として購入できる物質、およびそれらの混合物を含む。
【0022】
“Cmax”は、化合物が投与された対象の血漿、組織または血液中の化合物の最高濃度を意味する略語である。Cmaxは、一般的に化合物の対象への投与後数分から数時間内で起こり、そして、化合物の内因性物理化学的および生物学的特性に依存する。
【0023】
クロスカルメロースナトリウムは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムである。
【0024】
“クロスポビドン”は、一般的に1,000,000以上と実験的に決定された平均分子量を有する、1−ビニル−2ピロリジノンの不水溶性架橋ホモポリマーである。
【0025】
“シクロデキストリン”は、少なくとも6個のD−(+)−グルコピラノース単位を含む、環状オリゴ糖ファミリーを意味する。
【0026】
本明細書で使用される“乳化剤”は、エマルジョンの形成を促進する物質を意味する。
【0027】
本明細書で使用される“エマルジョン”は、他の液体中での非混和液の分散を意味する。“マイクロエマルジョン”は、親油性液体、親水性液体、および1種以上の界面活性剤の透明な等方性の液体混合物を意味する。
【0028】
“EtOAc”は、酢酸エチルの略語である。
【0029】
“EtOH”は、エタノールの略語である。
【0030】
本明細書で使用される“脂肪酸”は、任意の大グループの一塩基酸、とりわけ動物および植物脂肪および油で見いだされたものを意味する。いくつかの態様において、該脂肪酸は、カルボン酸が炭素鎖の1つの末端にある6から22個の炭素を有する直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケニル基である。
【0031】
本明細書で使用される“グリセリド”は、1種以上の酸とグリセロールで形成されるエステルを意味する。いくつかの態様において、該酸は脂肪酸である。中鎖グリセリドは、6から12個の炭素原子、または、いくつかの態様において、6から10個の炭素原子を含む中鎖脂肪酸のグリセロールエステルである。中鎖脂肪酸は、カプロン酸(C6);カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)およびラウリン酸(C12)を含む。長鎖グリセリドは、12から22個の炭素原子、または、いくつかの態様において、12から18個の炭素原子を含む長鎖脂肪酸のグリセロールエステルである。
【0032】
“HDPE”は、高密度ポリエチレンの略語である。
【0033】
“HGC”は、硬ゼラチンカプセルの略語である。
【0034】
“HPLC”は、高速液体クロマトグラフィーの略語である。
【0035】
“HPMC”は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの略語である。
【0036】
本明細書で使用される“親水性”は、水に容易に溶解するか、または水を溶解する物質を意味する。“親水性溶媒”は、溶質を溶解させるか、または分散させ、そして、また、それ自体水に溶解するか、または水を溶解する溶媒である。
【0037】
“LAH”は、水素化リチウムアルミニウムの略語である。
【0038】
本明細書で使用される“脂質”は、水に不溶性であるが、非極性有機溶媒に溶解でき、そして油性に接触する、限定はしないが、脂質、油、ロウ、ステロールおよびトリグリセリドを含む、全ての有機化合物のグループを意味する。
【0039】
本明細書で使用される“親油性”は、脂質に容易に溶解するか、または脂質を溶解する物質を意味する。“親油性溶媒”は、溶質を溶解させるか、または分散させ、そして、また、それ自体脂質に溶解するか、または脂質を溶解する溶媒である。
【0040】
“LCMS”は、液体クロマトグラフィー質量分析の略語である。
【0041】
“MeOH”は、メタノールの略語である。
【0042】
“MPEG”は、一般式CHO[CHCHO]Hを有するポリエーテルであり、そして幅広い平均分子量を有する、メトキシポリエチレングリコールの略語である。特に記載のない限り本明細書で使用されるとき、MPEGは約100から約20,000g/mol以上の平均分子量を有してもよい。
【0043】
“MTBE”は、メチル−tert−ブチルエーテルの略語である。
【0044】
“NMM”は、核磁気共鳴の略語である。
【0045】
“PEG”は、一般式HO[CHCHO]Hを有するポリエチレンオキシドのポリエーテルポリマーであり、そして幅広い平均分子量を有する、ポリエチレングリコールの略語である。いくつかの態様において、PEGは約100g/molから約1,000g/molの平均分子量を有する。いくつかの態様において、PEGは約1,000g/mol以上の平均分子量を有する。他の態様において、PEGは約1,000g/molから約20,000g/molの平均分子量を有する。
【0046】
本明細書で使用される“リン脂質”は、主に脂肪酸、リン酸基、および単一の有機分子、例えば、グリセロールから成るリン含有脂質を意味する。リン脂質は、また、ホスファチジドを意味してもよい。
【0047】
“PEO”は、ポリオキシエチレンの略語である。特に記載のない限り本明細書で使用されるとき、ポリオキシエチレンは20,000g/mol以上の平均分子量を有するエチレングリコールのポリエーテルポリマーである。いくつかの態様において、PEOの平均分子量は20,000g/mol以上300,000g/molまでである。PEOは他のポリマーを有するコポリマーの形態で使用してもよい。
【0048】
本明細書で使用される、ポビドンは、幅広い平均分子量を有する1−ビニル−2−ピロリジノンのポリマーである。いくつかの態様において、ポビドンは約2,500g/molから約300,000g/mol以上の平均分子量を有する。
【0049】
“RH”は、相対湿度の略語である。
【0050】
“rt”は、室温の略語である。
【0051】
“SEDDS”は、自己乳化薬物送達システムの略語である。
【0052】
“SMEDDS”は、自己マイクロエマルジョン化薬物送達システムの略語である。
【0053】
本明細書で使用される“ソルビタン”は、脱水ソルビトールを意味する。
【0054】
“デンプン”は、アミラーゼおよびアミロペクチンからなる複合糖質を意味する。“プレゼラチン化デンプン”は、水の存在下で全てのまたは一部の顆粒を破壊するように化学的におよび/または機械的に処理され、次に乾燥されたデンプンである。プレゼラチン化デンプンのいくつかの型はそれらを圧縮可能および流動可能な性質となるように修飾されていてもよい。
【0055】
本明細書で使用される“糖脂肪酸”は、脂肪酸と糖部分が結合していることを意味する。
【0056】
“TBACl”は、tert−ブチル塩化アンモニウムの略語である。
【0057】
“TFAA”は、トリフルオロ酢酸の略語である。
【0058】
“TIFF”は、テトラヒドロフランの略語である。
【0059】
“TLC”は、薄相クロマトグラフィーの略語である。
【0060】
“薬学的に許容される塩”は、無機塩基、有機塩基、無機酸、有機酸、または塩基性もしくは酸性アミノ酸との塩を含む。無機酸の塩は、例えば、アルカリ金属、例えば、ナトリウムまたはカリウム;アルカリ土類金属、例えば、カルシウムおよびマグネシウムまたはアルミニウム;およびアンモニアを含む。有機塩基の塩は、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンを含む。無機酸の塩は、例えば、塩酸、ヒドロホウ酸、硝酸、硫酸およびリン酸を含む。有機酸の塩は、例えば、ギ酸、酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸を含む。塩基性アミノ酸の塩は、例えば、アルギニン、リシンおよびオルニチンを含む。酸性アミノ酸は、例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸を含む。
【0061】
本明細書で使用される“対象”は、本明細書に記載されている製剤および方法の有利な効果を経験できるすべての動物を意味する。したがって、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物は、本明細書で提供される癌の処置法にしたがって化合物の有利な効果を経験できるすべての動物に投与してもよい。好ましくは、該動物は哺乳動物、特にヒトであるが、それに限定する意図はない。他の適当な動物の例は、限定はしないが、ラット、マウス、サル、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどを含む。
【0062】
本明細書で使用される“処置”は、障害または疾患と関連する症状の緩和、または、さらなる進行の停止もしくは遅延またはこれらの症状の悪化、または、疾患または障害の予防または阻止を意味する。例えば、癌の内容において、治療の成功は、腫瘍の増殖速度の減少、腫瘍の増殖の停止、腫瘍のサイズの減少、癌の部分的なまたは完全な緩解、または、生存率もしくは臨床的有用性の増加により評価されるような、症状の緩和、または、疾患の進行の停止もしくは遅延を含んでもよい。
【0063】
本明細書で使用される“溶媒和物”は、溶媒と結晶形態の化合物の結合を意味する。該溶媒結合は、一般的に、化合物の合成、結晶化および/または再結晶の溶媒の使用のためである。
【0064】
本明細書で使用される“水和物”は、結晶形態の水と化合物の結合を意味する。該水結合は、一般的に、化合物の合成、結晶化および/または再結晶の水の使用のためであり、また、化合物の吸湿性の結果であってもよい。
【0065】
本明細書で使用される記載されている数値と関連する“約”は、記載されている数値の±10%内の値を意味する。
【0066】
特記されない限り、本明細書で使用される“単数形”は、“1つ以上”を意味する。
【0067】
下記カテゴリー、例えば、親水性溶媒、親油性溶媒、乳化剤、吸収担体、ポリマー担体、さらなる成分、または被覆剤で特定されるいくつかの物質は、他のカテゴリーの一部として記載されていないが、1つ以上のこれらのカテゴリーに分類されてもよいことは、当業者により容易に理解できる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースは、いくつかの態様において、ポリマー担体であり、そして/または、他の態様において、カプセルまたは錠剤に対する被覆として使用してもよい。さらなる例として、商標名GELUCIRE44/24の下に販売されている化合物は、乳化剤および親油性溶媒の両方であってよい。1つのカテゴリーだけでなく複数のカテゴリーに属する他のこのような物質は、当業者により容易に特定できる。
【0068】
一般的には、ベンゾイミダゾリルピリジルエーテル化合物の製剤を提供する。さらに具体的には、本明細書の本発明は、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む製剤、およびこのような製剤の製造および使用のための方法に関する。本明細書中で使用されるとき、式Iは、構造:
【化2】

を有する化合物である、{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)アミンを意味する。
【0069】
式Iの化合物は、また、溶媒和物および/または水和物の形態で存在でき、すべてのこのような溶媒和物および水和物は式Iの化合物および構造により包含されることが当業者に理解できる。
【0070】
また、本発明の有機化合物が互変異性体の現象を示してもよいと理解すべきである。明細書内の記載されている化学構造が、一度に1つの可能な互変異性体形態のみを示しているとき、式Iの化合物は記載されている構造のすべての互変異性体形態を包含すると理解すべきである。例えば、式Iの化合物の1つの可能な互変異性体を、互変異性体Ia:
【化3】

として示す。
【0071】
当業者は、式Iの化合物およびそれらの互変異性体が、また、溶媒和物および/または水和物形態で存在してもよく、また、式Iの化合物および/または構造により包含されると認識および理解できる。同様に、式Iの化合物の薬学的に許容される塩も、対応する式Iの化合物の薬学的に許容される塩の溶媒和物および/または水和物を包含する。
【0072】
いくつかの態様において、製剤は、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物、および、親水性溶媒、親油性溶媒、乳化剤、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される成分を含む製剤を記載している。いくつかの態様において、該成分は親水性溶媒および親油性溶媒の混合物を含む。他の態様において、該成分は親水性溶媒、親油性溶媒および乳化剤の混合物を含む。
【0073】
液体製剤
1つの局面において、本明細書に記載されている製剤は液体製剤である。いくつかのこのような態様において、本記載の親水性溶媒は、限定はしないが、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エタノール、グリセリン、グリコフロール、MPEG、N−メチル−2−ピロリドン、PEG、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される。いくつかの態様において、PEGは約100g/molから約1,000g/molの平均分子量を有する。いくつかの態様において、MPEGは約100g/molから約1,000g/molの平均分子量を有する。
【0074】
いくつかの態様において、親水性溶媒は、エタノール、PEG、または任意のそれらの2種以上の混合物である。いくつかのこのような態様において、エタノールは、製剤の総重量に基づいて約15%までの濃度で存在する。他のこのような態様において、PEGは、製剤の総重量に基づいて約90%までの濃度で存在する。
【0075】
記載されている製剤の使用のために適当な親油性溶媒は、限定はしないが、脂肪酸、例えば、限定はしないが、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸ステアリン酸およびステアリン酸;中鎖グリセリド、例えば、限定はしないが、グリセリルモノ−、ジ−もしくはトリ−カプリル酸およびカプリン酸エステル、また、中鎖モノ−、ジ−、およびトリグリセリドとして既知であり、商標名、例えば、MIGLYOL(登録商標)812、LABRAFAC CC(登録商標)およびCAPMUL(登録商標)MCMの下に販売されているもの;長鎖グリセリド(C12−C18脂肪酸の)、例えば、限定はしないが、コーン油、綿実油、ベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリン、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、サフラワー油、ゴマ油およびダイズ油;脂肪酸のエチルエステル、例えば、リノール酸エチルおよびオレイン酸エチル;DL−α−トコフェロール;プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えば、限定はしないが、プロピレングリコールモノ−もしくはジ−ラウレート;ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、限定はしないが、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ソルビタンモノパルミテート、モノステアリン酸ソルビタンおよびトリオレイン酸ソルビタン;様々なグリセリルエーテルおよび脂肪酸から形成されるポリグリセリン脂肪酸エステルを含む。いくつかの態様において、親油性溶媒はオレイン酸である。いくつかの態様において、親油性溶媒で製造された製剤は液体製剤であるにもかかわらず、親油性溶媒は室温で固体または半固体である。エステル化で使用されるポリグリセロールの例は、ジグリセロール、テトラグリセロール、ヘキサグリセロール、デカグリセロール、デカグリセロールなどを含む。ポリグリセロールと反応させる脂肪酸の例は、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸などを含む。ポリグリセリン脂肪酸エステルの例は、PLUROL OLEIQUE CC 497(オレイン酸ポリグリセリル; Gattefosse Co.)、PLUROL STEARIQUE(ポリパルミチン酸ステアリン酸グリセリン; Gattefosse Co.)、DGMO−C(ジモノオレイン酸グリセリル; Nikkol Co.)、TETRAGLYN 1−0(テトラモノオレイン酸グリセリル; Nikkol Co.)、HEXAGLYN 1−0(ヘキサモノオレイン酸グリセリル; Nikkol Co.)、ヘキサGLYN 5−0(ヘキサグリセリルペンタオレエート; Nikkol Co.)、DECAGLYN 5−0(デカグリセリルペンタオレエート; Nikkol Co.)、DECAGLYN 10−0(デカグリセリルデカオレエート; Nikkol Co.)などを含む。
【0076】
記載されている製剤で使用するために適当な乳化剤は、限定はしないが、糖脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、限定はしないが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80;限定はしないが、ステアリン酸ポリオキシル40およびオレイン酸ポリオキシル40を含むポリオキシエチレンモノ−およびジ−脂肪酸エステル;商標名、例えば、LABRASOL(登録商標)、GELUCIRE(登録商標) 44/14、GELUCIRE(登録商標) 50/13、LABRAFIL(登録商標) M 1944 CSおよびLABRAPIL(登録商標) M2125 CSの下に販売されている、C−C22脂肪酸のポリオキシエチレンモノ−およびジ−エステルおよびC−C22脂肪酸のグリセリルモノ−、ジ−およびトリ−エステルの混合物;商標名、例えば、CREMOPHOR(登録商標)ELP、CREMOPHOR(登録商標)RH40およびCREMOPHOR(登録商標)RH60、各々の下に販売されている、ポリオキシエチレンヒマシ油化合物、例えば、限定はしないが、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40水素化ヒマシ油およびポリオキシル60水素化ヒマシ油;限定はしないが、ポリオキシル20セトステアリルエーテルおよびポリオキシル10オレイルエーテルを含むポリオキシエチレンアルキルエーテル;商標名、VITAMIN E TPGS(登録商標)の下に販売されているものでもよいDL−α−トコフェリルポリエチレングリコールコハク酸;グリセリルモノ−、ジ−およびトリ−エステル;C−C22脂肪酸のグリセリルモノ−、ジ−、およびトリ−エステル;スクロースモノ−、ジ−およびトリ−エステル;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。
【0077】
本明細書に記載されている液体製剤は、また、薬学的に許容される添加物、例えば、抗酸化剤、着色剤、香味剤、保存剤、甘味剤、または任意のそれらの2種以上の混合物を含んでもよい。記載されている製剤で使用するために適当な抗酸化剤は、限定はしないが、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸の塩、没食子酸プロピル、メタ重亜硫酸ナトリウム、ビタミンE、ビタミンEのエステル、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。記載されている製剤で使用するために適当な防腐剤は、限定はしないが、ブチルパラベン、ソルビン酸カルシウム、エチルパラベン、メチルパラベン、モノチオグリセロール、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。記載されている製剤で使用するために適当な甘味剤は、限定はしないが、アスパルテーム、グリチルリチン塩、グリチルリチン酸モノアンモニウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、糖、スクラロース、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。記載されている製剤で使用するために適当な香味剤は、限定はしないが、クエン酸、メントール、ペパーミント油、クエン酸ナトリウム、バニリン、エチルバニリン、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。記載されている製剤で使用するために適当な着色剤は、限定はしないが、FD&C blue #1、FD&C blue #2、FD&C green #3、FD&C red #3、FD&C red #4、FD&C yellow #5、FD&C yellow #6、D&C blue #4、D&C green #5、D&C green #6、D&C orange #4、D&C orange #5、酸化鉄、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。
【0078】
本発明の液体製剤中の活性医薬成分の量は意図される適用で変化し、そして、それは、本明細書の記載に基づく任意の特定の適用に対する適当な量を決定することは当業者には容易である。本明細書に記載されている液体製剤のいくつかの態様において、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物は、製剤の総重量に基づいて約0.1wt%から約40wt%の量で存在する。他のこのような態様において、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物は、製剤の総重量に基づいて約0.2wt%から約20wt%の量で存在する。さら他の態様において、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物は、製剤の総重量に基づいて約0.5wt%から約10wt%の量で存在する。
【0079】
いくつかの態様において、親水性溶媒は製剤の総重量に基づいて約90wt%までで存在する。他の態様において、乳化剤は製剤の総重量に基づいて約5wt%から約50wt%で存在する。さら他の態様において、親油性溶媒は製剤の総重量に基づいて約50wt%までで存在する。
【0080】
液体製剤はカプセル内に包含されていてもよい。いくつかの態様において、カプセルは硬シェルカプセル、硬ゼラチンカプセル、軟ゼラチンカプセル、天然プルランカプセルまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースシェルカプセルである。いくつかの態様において、カプセル中の式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物の全量は、約1mgから約400mgの範囲である。いくつかの態様において、カプセルはポリマーまたはゼラチンで被覆されているか、または、ゼラチンシース内に包含されている。カプセルは硬シェルカプセルであってよく、さらにバンドシール付き頭部および体部を有してもよい。
【0081】
本明細書に記載されている製剤は安定である。実施例の部の表5は液体製剤の典型的な安定性データを記載している。したがって、いくつかの態様において、記載されている製剤のAPIの分解生成物の量は、50℃および75%相対湿度で3か月製剤の保存後、一般的に製剤の総重量に基づいて10重量%未満である。他の態様において、分解生成物の量は、50℃および75%相対湿度状態で3か月製剤の保存後、製剤の総重量に基づいて8%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満またはさらに1重量%未満である。
【0082】
固体製剤
さらなる局面において、本明細書に記載されている製剤は固体製剤である。いくつかのこのような態様において、親水性溶媒は、限定はしないが、PEG、MPEG、PEO、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。いくつかの態様において、親水性溶媒は室温で固体である。このような室温で固体親水性溶媒は、あるいは、親水性ロウを意味してもよい。いくつかの態様において、PEGは約1,000g/mol以上の平均分子量を有する。いくつかのこのような態様において、PEGは約1,000g/molから約20,000g/molの平均分子量を有する。他のこのような態様において、PEGは約3,000g/molから約20,000g/molの平均分子量を有する。いくつかの態様において、MPEGは約1,000g/mol以上の平均分子量を有する。いくつかのこのような態様において、MPEGは約1,000g/molから約20,000g/molの平均分子量を有する。他のこのような態様において、MPEGは約3,000g/molから約20,000g/molの平均分子量を有する。いくつかの態様において、PEOは約20,000g/mol以上の平均分子量を有する。他の態様において、PEOは約20,000g/molから約300,000g/molの平均分子量を有する。
【0083】
記載されている製剤で使用するために適当な親油性溶媒は、室温で液体、半固体または固体であってよく、限定はしないが、脂肪酸、例えば、限定はしないが、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸ステアリン酸およびステアリン酸;中鎖グリセリド、例えば、限定はしないが、グリセリルモノ−、ジ−もしくはトリ−カプリル酸およびカプリン酸エステル、また、中鎖モノ−、ジ−、およびトリグリセリドとして既知であり、商標名、例えば、MIGLYOL(登録商標)812、LABRAFAC CC(登録商標)およびCAPMUL(登録商標)MCMの下に販売されているもの;長鎖グリセリド(C12−C18脂肪酸の)、例えば、限定はしないが、コーン油、綿実油、ベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリン、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、サフラワー油、ゴマ油およびダイズ油;脂肪酸のエチルエステル、例えば、リノール酸エチルおよびオレイン酸エチル;DL−α−トコフェロール;プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えば、限定はしないが、プロピレングリコールモノ−もしくはジ−ラウレート;ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、限定はしないが、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタンおよびトリオレイン酸ソルビタン;様々なグリセリルエーテルおよび脂肪酸から形成されるポリグリセリン脂肪酸エステルを含んでもよい。エステル化で使用されるポリグリセロールの例は、ジグリセロール、テトラグリセロール、ヘキサグリセロール、デカグリセロール、デカグリセロールなどを含む。ポリグリセロールと反応させる脂肪酸の例は、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸などを含む。ポリグリセリン脂肪酸エステルの例は、PLUROL OLEIQUE CC 497(オレイン酸ポリグリセリル; Gattefosse Co.)、PLUROL STEARIQUE(ポリパルミチン酸ステアリン酸グリセリン; Gattefosse Co.)、DGMO−C(ジモノオレイン酸グリセリル; Nikkol Co.)、TETRAGLYN 1−0(テトラモノオレイン酸グリセリル; Nikkol Co.)、HEXAGLYN 1−0(ヘキサモノオレイン酸グリセリル; Nikkol Co.)、ヘキサGLYN 5−0(ヘキサグリセリルペンタオレエート; Nikkol Co.)、DECAGLYN 5−0(デカグリセリルペンタオレエート; Nikkol Co.)、DECAGLYN 10−0(デカグリセリルデカオレエート; Nikkol Co.)などを含む。いくつかの態様において、親油性溶媒はオレイン酸である。
【0084】
記載されている製剤で使用するために適当な乳化剤は、限定はしないが、糖脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、限定はしないが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80;限定はしないが、ステアリン酸ポリオキシル40およびオレイン酸ポリオキシル40を含むポリオキシエチレンモノ−およびジ−脂肪酸エステル;商標名、例えば、LABRASOL(登録商標)、GELUCIRE(登録商標) 44/14、GELUCIRE(登録商標) 50/13、LABRAFIL(登録商標) M 1944 CSおよびLABRAFIL(登録商標) M2125 CSの下に販売されている、C−C22脂肪酸のポリオキシエチレンモノ−およびジ−エステルおよびC−C22脂肪酸のグリセリルモノ−、ジ−およびトリ−エステルの混合物;商標名、例えば、CREMOPHOR(登録商標)ELP、CREMOPHOR(登録商標)RH40およびCREMOPHOR(登録商標)RH60、各々の下に販売されている、ポリオキシエチレンヒマシ油化合物、例えば、限定はしないが、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40水素化ヒマシ油およびポリオキシル60水素化ヒマシ油;限定はしないが、ポリオキシル20セトステアリルエーテルおよびポリオキシル10オレイルエーテルを含むポリオキシエチレンアルキルエーテル;商標名、VITAMIN E TPGS(登録商標)の下に販売されているものでもよいDL−α−トコフェリルポリエチレングリコールコハク酸;グリセリルモノ−、ジ−およびトリ−エステル;スクロースモノ−、ジ−およびトリ−エステル;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;または任意のそれらの2種以上の混合物を含んでもよい。
【0085】
いくつかの態様において、親水性溶媒は製剤の総重量に基づいて約90wt%までで存在する。他の態様において、乳化剤は製剤の総重量に基づいて約5wt%から約50wt%で存在する。さらに他の態様において、親油性溶媒は製剤の総重量に基づいて約50wt%までで存在する。いくつかの態様において、PEGは製剤の総重量に基づいて約90wt%までで存在する。
【0086】
他の態様において、固体製剤は、さらにポリマー担体を含む。本発明のポリマー担体は、薬物を送達するための媒体として使用するための適当なポリマーである。したがって、例えば、ポリマー担体は、薬物の対象への送達を容易にできる、吸収担体、崩壊剤、結合剤または希釈剤であってよい。記載されている製剤で使用するために適当なポリマー担体は、限定はしないが、酢酸フタル酸セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ポリアニオン性−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−7−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、微結晶セルロース、メタクリル酸コポリマー、ポリメタクリレートポリマー、ポリ(メタクリル酸−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−アクリル酸エチル)、アンモニオメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル−メチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)、ポリ(アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル)、約20,000から約200,000g/molの平均分子量を有するポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジン/酢酸ビニル、約2,500から約300,000g/molの平均分子量を有するポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、プレゼラチン化デンプン、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。
【0087】
他の態様において、固体製剤は、さらにリン脂質担体、例えば、限定はしないが、ジホスファチジルグリセロール、糖脂質、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。
【0088】
いくつかの態様において、固体製剤は、さらに吸収担体を含む。記載されている製剤で使用するために適当な吸収担体は、限定はしないが、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ベントナイト、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、ラクトース、マンニトール、微結晶セルロース、二酸化ケイ素、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン、スクロース、タルク、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。
【0089】
上記これらの成分および物質に加えて、本明細書に記載されている固体製剤は、さらなる成分を含んでもよい。このようなさらなる成分は、限定はしないが、架橋ポビドン;架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース;架橋β−シクロデキストリンポリマー;架橋デキストラン;クロスカルメロース;架橋カルボマー;酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ポリビニルピロリドン;アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸誘導体のホモポリマー、アクリル酸およびアクリル酸誘導体のコポリマーから選択されるアクリル酸樹脂;または任意のそれらの2種以上の混合物から選択してよい。本明細書で使用される、アクリル酸誘導体は、ポリマー化されていてもよいアクリル酸結合を含むこれらの化合物であり、限定はしないが、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド、アクリル酸エチルなど、または任意のそれらの2種以上の混合物を含むことができる。
【0090】
本明細書に記載されている固体製剤は、また、薬学的に許容される添加物、例えば、抗酸化剤、着色剤、香味剤、保存剤、甘味剤、または任意のそれらの2種以上の混合物を含んでもよい。記載されている製剤で使用するために適当な抗酸化剤は、限定はしないが、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸の塩、没食子酸プロピル、メタ重亜硫酸ナトリウム、ビタミンE、ビタミンEのエステル、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。記載されている製剤で使用するために適当な防腐剤は、限定はしないが、ブチルパラベン、ソルビン酸カルシウム、エチルパラベン、メチルパラベン、モノチオグリセロール、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。記載されている製剤で使用するために適当な甘味剤は、限定はしないが、アスパルテーム、グリチルリチン塩、グリチルリチン酸モノアンモニウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、糖、スクラロース、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。記載されている製剤で使用するために適当な香味剤は、限定はしないが、クエン酸、メントール、ペパーミント油、クエン酸ナトリウム、バニリン、エチルバニリン、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。記載されている製剤で使用するために適当な着色剤は、限定はしないが、FD&C blue #1、FD&C blue #2、FD&C green #3、FD&C red #3、FD&C red #4、FD&C yellow #5、FD&C yellow #6、D&C blue #4、D&C green #5、D&C green #6、D&C orange #4、D&C orange #5、酸化鉄、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む。
【0091】
本明細書に記載されている固体製剤中の活性医薬成分の量は意図される適用で変化し、そして、それは、本明細書の記載に基づく任意の特定の適用に対する適当な量を決定することは当業者には容易である。本明細書に記載されている固体製剤のいくつかの態様において、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物は、製剤の総重量に基づいて約0.1wt%から約40wt%の量で存在する。他のこのような態様において、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物は、製剤の総重量に基づいて約0.2wt%から約20wt%の量で存在する。さらに他の態様において、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物は、製剤の総重量に基づいて約0.5wt%から約10wt%の量で存在する。
【0092】
いくつかの態様において、本明細書に記載されている製剤は、固体溶液または分散体である。いくつかのこのような態様において、製剤はカプセルまたは錠剤内に包含される。いくつかの態様において、カプセルは、硬シェルカプセル、硬ゼラチンカプセル、軟ゼラチンカプセル、天然プルランカプセルまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースシェルカプセルである。いくつかの態様において、カプセルまたは錠剤内の、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物の全量は、約1mgから約400mgの範囲である。いくつかの態様において、カプセルまたは錠剤はポリマーまたはゼラチンで被覆されるか、またはゼラチンシース内に包含される。カプセルは硬シェルカプセルであってよく、さらにバンドシール付き頭部および体部を有してもよい。カプセルまたは錠剤はゼラチンシース内に包含されていてよく、ゼラチンシースは、さらに薬学的に許容される着色剤、甘味剤、乳白剤、または任意のそれらの2種以上の混合物を包含してよい。所望により、カプセルまたは錠剤は甘味剤、セルロースポリマー、ポリメタクリレートポリマー、ポリ酢酸フタル酸ビニル(polyvinyl acetate phthalate)、ゼラチン、または任意の2種以上の混合物で被覆されていてもよい。セルロースポリマーをカプセルまたは錠剤を被覆するために使用する態様において、セルロースポリマーは、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択してもよい。ポリメタクリレートポリマーをカプセルまたは錠剤を被覆するために使用する態様において、ポリメタクリレートポリマーは、メタクリル酸コポリマー、ポリ(メタクリル酸−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−アクリル酸エチル)、アンモニオメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸エチルメタクリル酸メチル−メチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)、ポリ(アクリル酸エチルメタクリル酸メチル)、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択してもよい。
【0093】
方法
さらなる局面において、本明細書に記載されている製剤の製造法を提供する。したがって、いくつかの態様において、方法は、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物を、親水性溶媒、親油性溶媒、乳化剤、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される成分と混合し、製剤を形成することを含む。他の態様において、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物は、さらに抗酸化剤、着色剤、香味剤、保存剤、甘味剤、または任意のそれらの2種以上の混合物と混合する。適当な親水性溶媒、親油性溶媒、乳化剤、抗酸化剤、防腐剤、甘味剤、香味剤および着色剤は上記のとおりである。いくつかの態様において、親水性溶媒は製剤の総重量に基づいて約90wt%までで存在してよい。いくつかの態様において、親油性溶媒は製剤の総重量に基づいて約50wt%までで存在する。他の態様において、乳化剤は製剤の総重量に基づいて約10wt%から約50wt%で存在する。いくつかの態様において、抗酸化剤は製剤の総重量に基づいて約1wt%までで存在する。他の態様において、甘味剤は製剤の総重量に基づいて約2wt%までで存在する。他の態様において、香味剤は製剤の総重量に基づいて約2wt%までで存在する。
【0094】
いくつかの態様において、製剤の製造法は液体製剤を製造する。このような液体製剤は上記されている。方法のいくつかのこのような態様において、親水性溶媒は、製剤の総重量に基づいて約90wt%までのPEG、または任意の2種以上の混合物を含む。方法の他のこのような態様において、親水性溶媒は製剤の総重量に基づいて約15wt%までのエタノールを含む。いくつかの態様において、方法は、さらに製剤を有する少なくとも1個のカプセルを形成することを含む。このようなカプセルにおいて、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、またはそれらの2種以上の混合物の全量は、約1mgから約400mgの範囲である。いくつかのこのような方法において、カプセルが形成されるとき、カプセルは、限定はしないが、上記のカプセルであってよい。いくつかの態様において、カプセルはカプセルをバンドシールすることによりバンドシール付きであってよい。
【0095】
カプセルのシールは当業者に既知の多数の方法により達成できる。いくつかの態様において、シール方法は、キャップ部内側の縁部分に水性アルコールを噴霧して硬シェルカプセルに粘着性ゲルを形成し、キャップ部分をボディ部の上部分に被せて、カプセルを形成し、カプセルを約35℃から約55℃の高温に暴露し、そして粘着性ゲルを固着させることを含む。他の態様において、カプセルはバンドシールされている。
【0096】
いくつかの態様において、上記方法は固体製剤を製造する。このような固体製剤は上記されている。方法のいくつかの態様において、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物を製剤助剤と混合する。このような態様において、製剤助剤は、メタノール、エタノール、またはそれらの混合物から選択される。いくつかの態様において、製剤助剤は、噴霧乾燥により除去し、そして/または製剤を薬学的に許容される担体上に噴霧被覆し、固相分散体を形成し、そして/または固体分散体を磨砕し、粒状物を形成する。いくつかの態様において、このような方法により形成される粒状物は250μm未満のサイズを有する。いくつかの態様において、粒状物を篩過し(すなわち、ふるいを通す)、粒状物を有するカプセルの充填のための一様なサイズ分布を提供する。錠剤をカプセルの代わりに製造する態様において、粒状物を担体、抗酸化剤、着色剤、乳白剤、および/または任意のそれらの2種以上の混合物と混合し、第2の混合物を形成し、これを次に錠剤に圧縮する。
【0097】
いくつかの態様において、該方法は式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物と親水性溶媒、親油性溶媒、乳化剤、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される成分を混合して製剤を形成し、そして製剤を溶解させ溶解製剤を形成することを含む。1つの態様において、次に該溶解製剤をカプセルに充填する。適当なカプセルはワンおよびツーピースのカプセル両方を含む。さらなる態様において、該溶解製剤を球形化して球形化製剤を形成し、カプセルに充填するか、または錠剤形態に圧縮する。本明細書で使用される、球形化は粒状物の形状を球形に変化することを意味するために使用する。当業者は機械的方法を含む、球形に形作られた粒状物を製造するための多数の方法を理解している。さらにさらなる態様において、該溶解製剤は錠剤に形成される。さらにさらなる態様において、該溶解製剤を冷却して冷却製剤を形成し、冷却製剤を粉砕し、篩過し、賦形剤と混合し、および/または錠剤に圧縮することにより製造する。他の態様において、該溶解製剤を噴霧乾燥または噴霧凝結してもよい。記載されている方法により形成された錠剤は、いくつかの態様において、一対のカウンター回転、チルド成形ロール(chilled molding rolls)を有するカレンダー成形を使用して形成される。したがって、固体製剤の製造法は、限定はしないが、上記および下記実施例の熱溶解法、および上記および下記実施例の溶媒溶解/蒸発法を含む。
【0098】
包装
医薬包装は該産業に遍在しており、ほとんどは記載されている製剤に適当である。本発明製剤の医薬包装および/または容器は、本明細書に記載されている製剤の1つ以上のカプセル、錠剤、カシェ剤またはトローチ剤に対する貯蔵容器を含む。貯蔵容器のこのような態様は、例えば、高密度ポリエチレンを含む、多くの薬学的に適合性のあるポリマー、ガラスおよび金属の何らかからなるものを含む。記載されている医薬包装は本明細書に記載されている製剤の少なくとも1個のカプセル、錠剤、カシェ剤またはトローチ剤を有するブリスター包装を含む。さらに、このような貯蔵容器はコットンまたはレーヨンコイルおよび/または熱誘導シールを含んでもよい。適当な包装は当業者に広く既知であり、本記載の広範な局面の限定はしない。
【0099】
処置法
さらなる局面において、対象の癌を処置する、血管形成を阻害する、および/またはRAFキナーゼを阻害するための方法を提供する。いくつかの態様において、該方法は癌の処置を必要とする対象に本明細書に記載されている製剤を投与することを含む。いくつかの態様において、該方法は血管形成阻害を必要とする対象に本明細書に記載されている製剤を投与することを含む。他の態様において、該方法はRAFキナーゼ阻害を必要とする対象に本明細書に記載されている製剤を投与することを含む。該製剤は、一般的に対象の血漿中で式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物のCMax約0.1から約10μg/mLおよび/またはAUCO約0.01から約10mg*分/mLを提供するように十分な量で投与する。下記表2および6は、指示された投与速度で空腹イヌ科動物におけるいくつかの異なる製剤のAPIの実験的データを示す。しかしながら、典型的な投与速度を制御試験で使用したが、対象へのAPIの投与用量は対象の体重キログラムあたり約1.0から約50mgの範囲である。
【0100】
対象の式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物での処置レジメンおよび処置法を提供する。いくつかの態様において、対象の癌を処置する、および/または血管形成を阻害する方法は、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物の製剤を1日に1回、2回、3回、4回またはそれ以上投与することを含む。いくつかの態様において、このような製剤の投与は、7、14、21または28日間毎日このような製剤の投与、次に7または14日間該製剤の投与なしの処置サイクルを含む。他の態様において、該処置サイクルは、7日間毎日該製剤の投与、次に7日間該化合物の投与なしを含む。いくつかの態様において、該処置サイクルを1回以上繰り返す。
【0101】
上記の式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物は、対象の様々な癌の処置のために使用してもよい。いくつかの態様において、処置される癌は、限定はしないが、膀胱、乳房、脳、癌腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸、胃、消化管、神経膠腫、リンパ腫、黒色腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性疾患、神経内分泌、非小細胞肺、小細胞肺、脾臓、前立腺、腎臓細胞、小細胞急性骨髄性白血病、肉腫、および/または甲状腺癌から選択される。
【0102】
本発明のすべての製剤、方法または包装において、カプセルが提供されるとき、錠剤をまた提供してもよく、そして錠剤が提供されるとき、カプセルをまた提供してもよい。錠剤および/またはカプセルが提供されるとき、カシェ剤および/またはトローチ剤をまた提供してもよいと考慮する。
【0103】
当業者は、容易に、記載されている全ての範囲が、また、必ず、全ての目的のために全ての部分的な範囲についても記載されているものであり、そして、全てのこのような部分的な範囲が、また、本発明の一部および一組を形成することを理解できる。全ての記載されている範囲は、十分に記載されていて実施可能であり、少なくとも同等の1/2、1/3、1/4、1/5、1/10などに分割されている同じ範囲で容易に理解できる。非限定的な例として、本明細書に記載されているそれぞれの範囲を容易に1/3以下、1/3および1/3以上などに崩壊させることができる。
【0104】
本明細書に記載されている全ての刊行物、特許出願、特許および他の文献は、それぞれ個々の刊行物、特許出願、特許または他の文献が具体的におよび個々に出典明示によりその内容を包含させることを指示されているように、出典明示により本明細書に包含させる。本明細書に出典明示により包含される定義が、本明細書の定義に矛盾する範囲であるときは除外する。
【0105】
このように一般に記載されている本態様を、説明の目的のために提供され本発明を限定することを意図しない下記実施例を参照することにより、さらに容易に理解できる。
【実施例】
【0106】
実施例
化合物名は、Advanced Chemistry Development, Inc., から利用できるACD Nameバージョン5.07ソフトウェア(November 14、2001)、ChemInnovation Software, Inc., から利用できるChemInnovation NamExpert+NomenclatorTMブランドソフトウェアおよびCambridgeSoft Corporation(Cambridge、MA)から利用できるChernOffice(登録商標)Ultraソフトウェアパッケージバージョン7.0で利用できるAutoNornバージョン2.2を使用して提供した。いくつかの化合物および出発物質は標準IUPAC名を使用して名付けた。
【0107】
様々な出発物質は市販品から得ることができるか、当業者に既知の方法により製造できる。
【0108】
実施例1:{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)アミン(式I)の合成
工程1
【化4】

500mL三口フラスコに自動撹拌棒を装着し、KCO(4.15g、30mmol)で満たした。容器を密閉し、真空にし、火力乾燥した。該器具を室温に冷却し、アルゴンでパージした。反応フラスコに4−アミノ−3−ニトロフェノール 1a(3.08g、20mmol)、tert−ブチル4−クロロピリジン−2−カルボキシレート 1b(5.2g、24mmol)および乾燥DMSO(30mL)を加えた。得られた混合物を激しく撹拌し、100℃に〜14時間加熱した。反応物を氷冷リン酸バッファー(pH=7)に注ぎ、反応フラスコをMTBEおよび水で濯いだ。合わせた二相混合物をセライト(>2cmパッド)を介して濾過した。層を分割し、分離し、水性相をMTBE(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(5×100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。粗残渣をSiOに吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(4:1、2:1、1:1 ヘキサン/EtOAc)により精製し、4.92g(14.9mmol、74%収率)の1cを黄褐色の固体として得た。
【化5】

【0109】
工程2
【化6】

CHCl(85mL)中の1c(5.62g、17mmol)の溶液に0℃でTFAA(2.4mL、3.6g、17mmol)を加えた。次に冷却浴を除去し、反応物を室温に2時間維持した。反応物を0℃に冷却し、TBACl(2.5g、8.5mmol)、MeSO(3.2mL、4.3g、34mmol)、および10%のNaOH(34mL)を加えた。得られた混合物を激しく4時間室温で撹拌した。反応物を水で希釈し、得られた層を分割し、分離した。水性相をCHCl(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を塩水(2×100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。粗残渣をシリカゲルに吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(4:1、2:1、1:1、1:2 ヘキサン/EtOAc)により精製し、4.5g(13.0mmol、76%)の1dを黄色−橙色の固体として得た。
【化7】

【0110】
工程3
【化8】

でパージした火力乾燥500mL三口丸底フラスコをLAH(3.0g、75mmol)および乾燥THF(240mL)で満たした。得られた懸濁液を0℃に冷却し、内部反応温度を5℃以下で維持しながら1d(20.7g、60mmol)をゆっくり加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次に室温で一晩撹拌した。NaBH(2.27g、60mmol)を加え、反応混合物をさらに1時間室温で撹拌した。反応が完全に完了後、反応混合物を連続して水(3mL)、15%のNaOH(3mL)および水(9mL)の滴下で処理した。得られた混合物をセライトを介して濾過し、残った固体をEtOAcおよびMeOHで洗浄した。合わせた有機部分を蒸発させ、得られた粗残渣をSiOに吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(97:3 CHCl/MeOH)により精製し、7.63g(27.7mmol、46%)の赤色−橙色の固体を1eとして得た。
【化9】

【0111】
工程4
【化10】

100mL丸底フラスコを1e(1.38g、5.0mmol)、MnO(6.52g、75mmol)およびCHCl(20mL)で満たした。得られた懸濁液を室温で2日撹拌した。反応混合物をセライトを介して濾過し、残った固体を連続してCHClおよびEtOHで洗浄した。合わせた有機部分を蒸発させ、シリカゲルに吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(98:2 CHCl/MeOH)により精製し、790mg(2.89mmol、58%)の橙色の固体を1fとして得た。
【化11】

【0112】
工程5
【化12】

ケトン1g(Lancaster、25.75mL、136.5mmol)をHO(60mL)中の酢酸ナトリウム(NaOAc)(22.4g、273mmol)の溶液に加え、残った溶液を100℃に10分加熱した。室温に冷却後、1hの溶液をNHOH(150mL)およびMeOH(450mL)中の1f(25g、91mmol)の懸濁液に加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。TLC(95:5CHCl/MeOH)は1fの完全な消費を示した。粗生成物を水性スラリーに濃縮し、飽和NaCOおよびCHClで分割した。水性相をCHClで3回抽出し、合わせた有機相を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮し、31.6gの1i(83mmol)を橙色の固体(91%収率)として得た。さらなる精製は必要なかった。
【0113】
工程6
【化13】

MeOH(220mL)およびEtOAc(200mL)中でスラリーの1i(45.76g、120mmol)にNを20分間散布し、次にMeOH(60mL)中の10%Pd/C(12.77g、120mmol)の懸濁液で満たした。反応物をHでパージし、H雰囲気下で2日間維持した。反応物をセライトパッドを介して濾過し、回収した固体を連続してMeOHおよびEtOAcで洗浄した。合わせた有機濾液を蒸発させ、得られた固体をCHClと共沸し、一晩真空下で乾燥させ、40.17g(115mmol)の1jを黄褐色の粉末(96%収率)を得た。LCMS m/z336.1(NM)、t=1.81分。
【0114】
工程7
【化14】

4−(トリフルオロメチル)フェニルイソチオシアネート(23.37g、115mmol)をMeOH(460mL)中の1j(40.17g、115mmol)の撹拌溶液に室温で加えた。反応物を室温で16時間維持した。反応が完了したと判断した後、MeOH(50mL)中のFeCl(20.52g、126.5mmol)の溶液を反応物に加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。粗反応混合物をEtOAc(750mL)および水(750mL)を含む3L分液漏斗に加えた。層を分離し、水性相をEtOAcで抽出した(水性相を貯めた)。有機層を合わせ、飽和水性NaCO溶液、水および塩水で洗浄し、次に乾燥させ(MgSO)、濃縮した。貯めた水性相を飽和水性NaCO溶液の添加により塩基性(pH=10)にし、得られたスラリーをEtOAc(500mL)を含む3L分液漏斗に加えた。混合物を激しく撹拌し、得られたエマルジョンを濾紙を介して濾過し、次に層を分離し、水性相をEtOAc(2×500mL)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、次に乾燥させ(MgSO)、あらかじめ抽出した物質に加え、濃縮した。合わせた生成物をCHCl(500mL)でトリチュレートし、SiOに吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。該物質をCHClで最後に粉砕し、純粋な白色の固体として式Iの化合物を製造した。
【化15】

【0115】
実施例2:APIの溶解性
{1−メチル−5−[2−(5−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリジン−4−イルオキシ]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−(4−トリフルオロメチル−フェニル)アミンは実質的に水に不溶性である。様々なpHでの該化合物の水性溶解性を下記表1に記載している。
表1:異なるpH値でのAPIの溶解性
【表1】

【0116】
様々な非水性溶媒を、式1の形成において使用するためにそれらの適合性を評価するために評価した。試験の結果に基づいて、下記適当な溶媒、PEG400、オレイン酸、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリソルベート20、ポリソルベート80、モノラウリン酸ソルビタンおよびモノオレイン酸ソルビタンを、式1を形成するために選択した。
【0117】
実施例3:APIの経口溶液製剤
イヌ科動物モデルをAPIのインビボ暴露を試験するために使用し、様々な製剤アプローチをイヌ科動物暴露を増加する試みで調査された。これらの製剤アプローチは、微粒化、固体分散、共溶媒溶液を含む液体および半固体製剤、結晶化抑制剤としてポリマーを含む共溶媒溶液、ミセル形成製剤、SEDDSおよびSMDDSを含んでいた。
【0118】
微粒化粉末製剤は最初に200mL丸底フラスコ中でAPI(1.0g)をアセトン(20mL)に溶解することにより製造される。次にフラスコ内部の撹拌プレートに撹拌棒を固定し、溶液を高速設定で撹拌する。連続的な撹拌をしながら、5mLの水を10秒ごとにフラスコに全100mLの水まで加える。得られた薬剤懸濁液をさらに20分撹拌する。次に懸濁液を媒体フリットガラスろ過漏斗を使用して真空濾過する。固体物質を一晩40℃で真空下(30in.Hg)で乾燥させる。次に固体物質を乳鉢に置き、乳棒で粉末にする。次に粉末サンプルを結晶度および粒子サイズを証明するため偏光顕微鏡法で検査する。平均粒子サイズが3−5ミクロンの範囲であることを証明されたとき、50mgの粉末をそれぞれの多くのHGCに充填した。
【0119】
固体分散製剤は最初に20mLねじぶた付ガラスバイアル中でAPIおよびポビドン(40kD分子量)を1:9および1:19比でメタノールに混合し溶解することにより製造する。約2mLのMeOHが完全に1.5gの1:19 薬物:ポビドン混合物を溶解するために必要である。約1mLのMeOHが完全に0.5gの1:9 薬物:ポビドン混合物を溶解するために必要である。得られた粘着性溶液を撹拌プレート上に置く。撹拌しながら、粘着性溶液を部分的に窒素ガス気流で蒸発させる。次に極度の粘着性溶液を40℃の真空オーブンに移す。真空オーブン中の真空度をバブリングの最初の兆候が現れるまで上げる。次にバイアルを真空オーブン中に一晩置き、溶媒を完全に蒸発させる。得られた乾燥塊をスパチュラを使用してバイアル中に充填する。0.5グラムの1:9混合物および1.0gの1:19混合物をそれぞれの多くのHGCに充填した。
【0120】
共溶媒製剤は超音波によって補助しながら、50mgのAPIを950mgの溶媒または溶媒混合物に60度で溶解することにより製造する。1グラムのそれぞれの製剤をHGCに充填する。さらに、親水性ポリマー、HPMCおよびポビドンを薬物の起こりうる結晶化の阻害剤としてAPIの共溶媒溶液に加える。HPMC(120cps)を59%のPEG400および39%のプロピレングリコール共溶媒製剤中で2%w/wで使用する。HPMCを徐々に加えるが、完全にこれらの製剤に溶解せず懸濁液となり、これをHGCに充填する。10kDおよび40kD分子量のポビドンをPEG400に10、20、30および40%w/wで溶解し、製剤をHGCに充填する。ポビドンを、また、LABRASOLRおよびPEG400またはポリソルベート(TWEENO)およびPEG400のいずれかの混合物に加えた。
【0121】
ミセル製剤はAPIを可溶性にする溶媒系に溶媒させる1種以上の界面活性剤を含む。すべてのビヒクルは個々の成分を指示された比率で計量することにより製造する。APIを950mgのビヒクルあたり50mgで加える。試験のいくつかの界面活性剤は室温で固体である。したがって、ときどき薬物を混合物への溶解を達成するために、それらを超音波処理しながらビヒクル−薬物混合物を加熱する必要がある。半固体製剤の加熱(60度までの温度)は、また、ときどきHGCをこれらの製剤で充填するために必要である。1グラムのそれぞれの製剤をそれぞれのHGCに充填する。
【0122】
SEDDSおよびSMEDDS製剤は1種以上の界面活性剤、極性/親水性成分および油/脂肪親和性成分(例えば、脂肪酸および/または脂肪酸エステル)を含む。油の存在にもかかわらず、該製剤は等方性、すなわち、透過性の単相系である。ビヒクルは個々の賦形剤を指示された比率で計量することにより製造する。APIを950mgのビヒクルあたり50mgで加える。薬物溶解を補助するため、薬物−ビヒクル混合物を加熱(60度までの温度)しながら超音波処理する。1グラムのそれぞれの製剤をそれぞれのHGCに充填した。
【0123】
表2は、体重kgあたり5mgのAPIの投与量レベルで空腹イヌ科動物の様々な医薬製剤に対するCmax(ng/mL)およびAUCo→∞(ng・分/mL)データを示す。
表2:様々な製剤型のCmaxおよびAUCo→∞
【表2】

CREMOPHOR(登録商標)EL:ポリオキシル35ヒマシ油
【0124】
微粒化API粉末(3−5μm)の小さい粒子サイズにもかかわらず、該物質は非常に乏しいインビボ薬物動態パラメータを生じた。これらの結果は水性媒体へのAPIの低溶解性および遅い溶解速度の両方と一致する。pH7での水性溶解性は1μg/mL以下である。APIは微粒化固体投与量形態で生物学的利用不可能であるため、液体製剤がバイオアベイラビリティを改善する1つの代替法を示す。
【0125】
不水溶性化合物の典型的な液体製剤は、非水性共溶媒系(例えば、60:40 PEG400:プロピレングリコール)または親水性ポリマー(例えば、59:39:2 PEG400:プロピレングリコール:HPMC)を有する非水性共溶媒系を有する製剤を含む。HPMCを有する後記製剤は、ポリマーを有さない前記製剤よりも乏しい薬物動態パラメータを生じた。共溶媒としてのプロピレングリコールのPEG400溶液またはミセル製剤への添加は両方とも、バイオアベイラビリティおよび投与量−暴露比例に関して100%PEG400製剤よりも好結果を示した。
【0126】
SEDDSおよびSMEDDSアプローチを使用する予備的インビボ試験は、SEDDSおよびSMEDDS製剤がイヌ科動物モデルのCmaxおよびAUCに関して有意に高いAPI暴露を生じることができることを示した。プロトタイプSEDDSおよびSMEEDS製剤で得られたインビボ結果は見込みがあるため、さらなる改良工程はこのアプローチで実施した。
【0127】
表3は、表4に記載されている経口溶液製剤で使用される物質を、使用される販売者および略語と共に記載している。表4のそれぞれの製剤1−33において、親油性成分および乳化剤を40mLガラスバイアルに計って入れ、徹底的に混合する。製剤中に存在するとき、抗酸化剤、甘味剤および香味剤を乳化剤−親油性成分溶液に加え、超音波および振動の補助を使用して溶解する。このプラセボ製剤を使用してAPI溶液製剤を製造する。50mg/g(すなわち、5%w/w)の混合物を1.1gのAPIを20.9gのそれぞれのプラセボ製剤に溶解することにより製造する。この混合物を水浴中で断続的超音波で約45℃に加熱し、透明な溶液が得られるまで振動する。同時に、5mg/g(すなわち、0.5%w/w)の溶液を0.1gのAPIを19.9gのそれぞれのプラセボ製剤に溶解させることにより製造する。溶液を透明な20mLガラスバイアルに充填し、50℃/75%RHで2から3か月、物理的および化学的安定性評価に付す。製剤の安定性は表5に要約している。
表3:様々な販売者から入手できる物質のリスト
【表3】

表4:マイクロエマルジョン製剤
【表4】

【表5】

註:すべての製剤はPEG400で100%w/wまで補った。
すべての成分は%w/wに基づいていた。
1:10%エタノールを含む
2:3.74%のAPI濃度
3:4.67%のAPI濃度
4:サッカリンナトリウムを含む
【0128】
表5:表4に存在する製剤に対する安定性情報
【表6】

註:“−”により示されるときすべての時点でサンプルをアッセイしなかった
製剤1−29の安定性を50℃/75%RHで評価した。
製剤30−33の安定性を40℃/75%RHで評価した。
1:10%エタノールを含む
2:3.74%のAPI濃度
3:4.67%のAPI濃度
【0129】
溶液製剤30を経口的に、1日に1回、1、3、6および10mg/kg/日のAPIの用量で28日間、雄および雌ビーグル犬に投与した。血漿薬物動態パラメータを表6に要約している。
表6:血漿薬物動態パラメータ
【表7】

平均±SD;N/A=適用できない
1/2の調和平均
略語:Cmax、最大血漿濃度;
tmax、最大濃度到達時間;
AUC(0→24)、24時間の投与間隔内の血漿濃度−時間曲線下面積;
AUC(0→∞)、時間0から時間無限の血漿濃度−時間曲線下面積;
i/2、血漿半減期
【0130】
実施例4:APIの硬シェルカプセル製剤
APIを含む硬シェル(ゼラチンおよびHPMC)カプセルを、0.7mLのAPI溶液製剤をPROFILL(登録商標)システム(TORPACO、Fairfield、NJ)を下記プロトコール1に記載のとおりに使用してサイズ00、透明、2−ピースの硬ゼラチンカプセル(HGC)およびサイズ00、透明、2−ピースのHPMCカプセルの製剤1および2(28mgのAPIに相当)にカプセル化することにより製造した。溶液−充填、硬シェルカプセルを:最初に水/エタノール(1:1)溶液の霧状物をカプセル頭部のくぼみ内部に(加湿)噴霧し、粘着ゲルを形成し;頭部をカプセル体部上にしっかりと置き;形成されたカプセルを35−55℃に10−15分(加熱)暴露し;そして、最後に、粘着ゲル密閉し形成することにより密閉させた。実際の製造においては、密閉カプセルを漏出の予防、異物混入防止、および/または種類および用量同定のためにさらにバンドシールを付けてもよい;しかしながら、これらの実施例で製造されたカプセルはバンドシールしなかった。これらのプロトタイプAPI、28mgのカプセル製剤は物理的および化学的安定性評価のために製造した。
【0131】
プロトコール1:
A.表4の製剤1−33および表7の34−57に示されるようにAPTを選択された非水性ビヒクルに溶解する
B.透明溶液に混合する
C.濾過し、脱気する
D.サイズ00HGCまたはHPMCカプセルに製剤する
E.カプセルを水性アルコール溶液の補助剤で密閉する
F.カプセルを密閉する
【0132】
API28mgの硬シェルカプセル製剤の物理学的および化学的安定性を環境条件下、40±2℃/75±5%RH(促進された安定性条件)で評価した。APIカプセルの物理的安定性を充填製剤から外観のすべての変化およびAPIの再結晶に対して評価する。化学的安定性を適当なHPLC分析法を使用して親APIおよびその崩壊生成物に対してアッセイすることにより評価した。溶解試験をUSP溶解装置を使用してカプセルで実施する。
【0133】
限定はしないが、ツーピース硬ゼラチンカプセル(HOC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルおよび天然プルランカプセル(NPCAPS(D)を含む、いくつかの異なる型のツーピース硬カプセルを使用した。使用されるカプセルは所望により乳白剤、例えば、二酸化チタンおよび着色剤を含んでもよい。市販のHGC充填機も使用する(QUALICAPS F-40-LIQFIL SUPER40、QUALICAPS F-80-LIQFIL SUPER80、QUALICAPS F-120-LIQFIL SUPER120、QUALICAPS F-150-LIQFIL SUPER150およびCAPSUGEL CFS 1000 Capsule Filling and Sealing Machineのような機械を含む)。市販のHGC密閉機を使用する(QUALICAPS S40 HICAPSEALおよびQUALICAPS S-100 HICAPSEAL機械を含む)。
【0134】
表7で提供される下記製剤は、工場で硬シェルカプセルへカプセル化するために製造され得るAPI製剤の組成物のさらなる説明の目的のためであり、いかなる場合にも本明細書の記載の範囲を限定すると取ってはならない。
表7:液体製剤
【表8】

註:提供される全ての量は%w/wである。
【0135】
実施例5:APIの軟シェルカプセル製剤
APIを含む充填製剤を、APIを溶媒ビヒクルに50から200mg/gの範囲の濃度で溶解することにより製造した。脱イオン水を製剤重量の4%、8%、10%、12%および16%(例えば、4%および16%の水付加実験のために、それぞれ4mgおよび16mgの水を100mg製剤に加えた)を穏やかに混合しながらそれぞれの製剤に導入した。ゼラチンシェルからカプセル化充填製剤への水分移行およびその逆を再現するために、軟ゼラチンカプセル製造および後の平衡化処理のそれぞれの間で、これらの量の水を製剤に加えた。これらの製剤の物理的安定性を−20℃、5℃および環境温度で評価した。この評価において、溶液をAPIの結晶形成の存在のための一般的な間隔で視覚的におよび顕微鏡的に観察した。これらの製剤の化学的安定性を環境条件下、40±2℃/75±5%RH(促進された安定性条件)で評価した。
【0136】
何らかのAPI結晶化が生じないことにより示された異なる保存条件下で安定性を示した溶液充填製剤を、さらに軟ゼラチンシェル−充填薬液適合性試験のために選択した。それぞれのビヒクルに対する物理的に安定なAPI濃度は8%までの水を含む製剤に基づいており、実際ではカプセル化充填製剤中の平衡水含有量であった。
【0137】
API軟ゼラチンエアー充填カプセルを0.5mLAPI溶液製剤31および35をエアー充填物にカプセル化することにより製造する。次にエアー充填物を溶解ゼラチンを使用して密閉する。これらのプロトタイプAPIエアー充填カプセル製剤を物理的および化学的安定性評価のために製造する。
【0138】
API軟ゼラチンエアー充填カプセルの物理的および化学的安定性を環境条件下、40±2℃/75±5%RH(促進された安定性条件)で評価する。APIカプセルの物理的安定性を充填製剤から外観のすべての変化およびAPIの再結晶に対して評価する。化学的安定性を適当なHPLC分析法を使用して親APIおよびその崩壊生成物に対してアッセイすることにより評価する。溶解試験をUSP溶解装置を使用してカプセルで実施する。
【0139】
軟ゼラチンカプセルを、ゼラチンシース製剤の溶解塊を貯蔵庫から2つの冷ドラムに送達して半溶解状態の2つのシースゼラチンを形成する、慣用のロータリー押し抜き機工程を使用して製造してもよい。次にこれらのリボン状物をローラーの周りに送達し、対立した押し抜き機穴を含む1組のローラー押し抜き機の収束角で共に持ってくる。
【0140】
カプセル化充填製剤をウェッジ型成分に送達し、次々にゼラチンリボンにより覆われた押し抜き機穴に注入する。シート内部押し抜き機穴に装着されているあらかじめ決定された量の充填製剤と共にゼラチンリボン状物を連続的に伝達させる。次にシートを共に圧縮し、シートの対立した刃が共に動き、装着された充填製剤の周囲に連続的なゼラチンシースを形成するように、それぞれの押し抜き機周囲を分離する。これらの形成された軟ゼラチンカプセルを回収し、さらに制御乾燥条件下で乾燥させる。次に乾燥軟ゼラチンカプセルを適当に分類し、検査し、精製し、印刷し、包装する。
【0141】
当業者に既知の様々なシース製剤を本発明の充填製剤を包含するために使用してもよい。適当なシース製剤は、ゼラチン、可塑剤、水、乳白剤、着色剤、香味料、および保湿剤を含んでもよい。ゼラチンは、通常、約50から約300の範囲のブルーム強度(すなわち、112gの標準6.667%w/vゼラチンゲルに10℃で12.5mm直径プランジャー4mmで圧縮するために必要とされるグラムの力)を有し、AまたはB型ゼラチンまたはそれらの混合物であってよい。石灰化骨、酸骨、ウシ、ブタ、サカナゼラチン、または任意のそれらの2種以上の混合物を使用してもよい。可塑剤は、好ましくは、グリセリン、ソルビトール、ソルビトールスペシャル(ソルビトールおよびソルビタンの混合物)、マルチトール、または任意のそれらの2種以上の混合物である。
【0142】
二酸化チタンは一般的にゼラチンシース製剤中で使用される乳白剤である。香味料は非還元糖、例えば、キシリトール、マルチトールまたはLycasin RTMを含む。いくつかの適当な保湿剤の例は、セルロース、セルロース化合物、デンプン、デンプン化合物、植物ガム、非吸湿性、モノ−、ジ−およびオリゴ糖、および二酸化ケイ素を含む。様々なFD&CおよびD&C着色剤をカプセルに所望の色を与えるために使用してもよい。
【0143】
実施例6:APIの固体投与製剤
上記SEDDSおよびSMEDDS製剤は、所望のAPI用量をより少ない嚥下を容易にする少量サイズカプセルを生じる。しかしながら、より多量のAPIを送達するために大容量のSEDDSおよびSMEDDS製剤を包含するために必要なサイズのカプセルは、とりわけ小児および高齢者患者により嚥下されるには非常に大きいかもしれない。消費者に受け入れられるために、医薬投与量形態は容易に嚥下されるサイズの形態にすべきである。圧縮固体投与量形態(すなわち、錠剤および/または圧縮粉末)は、より多量でさえ小サイズ投与量形態を提供できる。したがって、本明細書の1つの目的は、胃腸管でAPIの溶解速度を改良し、したがって、これらの圧縮固体投与量形態からそのバイオアベイラビリティを改良することである。
【0144】
主な固体投与製剤はホットメルト(Hot Melt)方法または溶媒溶解/蒸発方法のいずれかを使用して製造する。
【0145】
ホットメルト方法。ホットメルト方法において、一次製剤成分をブレンダーで混合し、粉末混合を形成し、溶解させ、溶解塊を徹底的に混合し、均一薬剤溶液または薬剤分散を得る。あるいは、粉末混合の混合および溶解操作は、また、ホットメルト押出機、好ましくは単軸または二軸−スクリュー押し出し機で約40から約160℃の温度範囲で実施してもよい。次に溶解塊を直接ツー−ピースカプセルに充填するか、または最初に球形化し、次にツー−ピース硬カプセルに充填する。溶解塊は、また、一組の二重反転チルド成形ロールからなるカレンダー成形を使用して所望の型錠剤に形成することができる。あるいは、溶解塊を冷却し、さらに粉砕を介して処理し、篩過し、他の賦形剤と混合し、錠剤投与製剤に圧縮する。
【0146】
製剤58
ポビドンおよびAPIを70±10℃で高剪断力ミキサーを使用する徹底的に混合しながらPEG8000およびステアリン酸ポリオキシル150の溶解担体に溶解する。得られた溶液をVMA10高剪断力造粒機(L.B. Bohle, Inc.から入手できる)のボウルに移し、70±10℃を維持する。あるいは、該溶液を直接、VMA10のボウルで70±10℃で製造してもよい。溶液を撹拌器で混合しながら、クロスポビドンをゆっくりボウルに加える。クロスポビドンの添加が完了したら、ボウルの含有物を徹底的に混合して均一分散を得る。次に撹拌器で連続的に、および、チョッパーで断続的に混合しながら、該分散物をゆっくり室温に冷却する。次に一次製剤の形成された粒状物を分類し、篩過する。次に篩過粒状物(334mg;50mgのAPIに相当)をPROFILLO系(TORPACO, Fairfield, N7から入手できる)を使用してサイズ0ツーピース硬ゼラチンカプセルに充填する。あるいは、篩過粒状物をクロスポビドン、微結晶セルロースおよび二酸化ケイ素とV−ブレンダーで混合する。物質を400mgの平均重量の錠剤(50mgのAPIに相当)に圧縮する。錠剤およびカプセルを最後にHDPEボトルまたはブリスターパックにパッケージする。
一次製剤
【表9】

錠剤製剤
【表10】

【0147】
製剤59
この製剤は製剤58に使用された方法と類似の方法で製造した。
一次製剤
【表11】

錠剤製剤
【表12】

【0148】
製剤60
APIを高剪断力ミキサーを使用して徹底的に混合しながらMPEG5000(MPEG5000;Dow Chemical Co.)およびコハク酸DL−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000(ビタミンE TPGSTTM;Eastman Chemical Co.)の溶解担体に60±10℃で溶解した。得られた溶液を60±10℃を維持しながらVMAIO高剪断力造粒機(L.B. Bohle Inc.)のボウルに移す。あるいは、該溶液を直接、VMA10のボウルで60±10℃で製造してもよい。該溶液を撹拌器で混合しながら、クロスポビドンをボウルにゆっくり加える。クロスポビドンの添加が完了したら、ボウルの含有物を徹底的に混合して均一分散を得る。次に撹拌器で連続的に、および、チョッパーで断続的に混合しながら、該分散物をゆっくり室温に冷却する。次に一次製剤(この時点では固体分散体となっている)の形成された粒状物を分類し、篩過する。篩過粒状物をクロスポビドンおよびタルクとV−ブレンダーで混合する。物質を600mgの平均充填重量の錠剤(50mgのAPIに相当)に圧縮する。次に錠剤をHDPEボトルまたはブリスターパックにパッケージする。
一次製剤
【表13】

錠剤製剤
【表14】

【0149】
製剤61
APIをプロペラ・ブレードを使用して徹底的に混合しながらPEG1000およびGELUCIRE(登録商標)44/14の溶解担体に70±10℃で溶解した。得られた溶液を50±10℃に冷却し、次に熱溶解溶液の250mg部分を手動で容積式ピペットを使用してサイズ2硬ゼラチンカプセル(HGC)に充填する。充填硬シェルカプセルを:最初に水/エタノール(1:1)溶液の霧状物をカプセル頭部のくぼみ内部に(加湿)噴霧し、粘着ゲルを形成し;頭部をカプセル体部上にしっかりと置き;形成されたカプセルを35−55℃に10−15分(加熱)暴露し;そして、最後に、粘着ゲル密閉し形成することにより密閉させた。したがって、それぞれのカプセルは50mgのAPIおよび200mgの担体を含む。カプセルをHDPEボトルにパッケージする。
一次製剤
【表15】

錠剤製剤
【表16】

【0150】
溶媒溶解/蒸発方法を使用する固体溶液および分散。溶媒溶解/蒸発方法において、一次製剤成分を混合し、共通の溶媒に溶解する。真空下での慣用のトレイ乾燥またはスプレー乾燥のいずれかを使用して、溶媒を混合物から除去する。そうして得られた固体塊を挽き、篩過し、ツー−ピース硬カプセルに充填する。あるいは、これらの製剤をさらに粉砕し、篩過し、および/または他の賦形剤と混合し、そして錠剤投与製剤へ圧縮することを介して処理してもよい。
【0151】
製剤62
ポビドンおよびAPIを透明溶液が得られるまで混合しながら、70±10℃で丸底フラスコで製剤助剤、例えば、MeOH(100mgのAPI毎に2mLのMeOH)に溶解する。次にPEG5000を加え、混合物を激しく混合する。次に該溶液を含有するフラスコをロータリーエバポレーターに接続し、MeOHを真空下で70±10℃で除去する。混合物からMeOHの除去後、次にフラスコを冷水浴に置き、真空をさらに2時間維持する。得られた固体をトレイ上にフラスコから移し、真空下で室温でさらに6時間乾燥させ、全ての残ったMeOHを除去する。次に該分散体を挽き、250ミクロン未満サイズの粒状物をさらなる試験のために篩過により回収する。
【0152】
該篩過粒状物(400mg;100mgのAPIに相当)をサイズ0ツーピース硬ゼラチンカプセルに充填する。あるいは、該篩過粒状物をクロスポビドン、微結晶セルロース(MCC)および二酸化ケイ素とミニブレンダーで混合する。次に該物質を550mg平均重量(100mgのAPIに相当)の錠剤に圧縮する。該錠剤およびカプセルをHDPEボトルまたはブリスターパックにパッケージする。
一次製剤
【表17】

製剤助剤は処理後、完全に除去する
錠剤製剤
【表18】

【0153】
全ての多くの適当な器具を混合、押出、分粒、カプセル化、密閉、充填、圧縮および他の医薬製剤を製造する処理を補助するために利用できる。ツーピース硬カプセルの様々な型は、限定はしないが、ツーピースHGC、HPMCカプセルおよび天然プルランカプセルを含む。全てのこのようなカプセルシェルは、乳白剤、例えば、タルクおよび二酸化チタン、ならびに着色剤を含んでもよい。本明細書に記載されているものは実験処理で使用された非常に多くの器具であるが、産業規模で存在する多数の異なる生産、モデルおよび製造のときに、いかなる場合も限定する意図はない。例えば、混合装置は、PK V−ブレンダー、コーンタンブラーブレンダー、Glatt Air Techniques and Niro Phanma Systemから入手できる流動層造粒機、遊星ミキサーおよびリボンブレンダーを含んでもよい。ホットメルト押出装置は、American Leistritz Extruder Corporationから入手できる、ZSE18HP;ZSE27HP;ZSE40HP;Micro18;およびMicro27共ロータリングおよびカウンターロータリング二軸スクリュー押し出し機;Brabender Measurement & Control Systemsの単軸19/20DN、および二軸DSE25&DSE35共ロータリング&カウンターロータリング二軸スクリュー押し出し機;およびCaleva Process Solutions Ltdから入手できるCaleva Extruders Models20、40および100を含んでもよい。分類装置は、Quadroから入手できるComil Sizers;Fitzpatrickから入手できるHammermill sizers;多くの販売者のOscillator sizersを含んでもよい。溶解塊を充填するための硬カプセル充填機、例えば、QUALICAPS F−40−L1QFILsuper40、QUALICAPS F−80LIQFILsuper80、QUALICAPS F−120−LIQFELsuper120、QUALICAPS F−150LIQFILsuper150、およびCapsugel CFS 1000 Capsule Filling and Sealing Machine。硬カプセル密閉機、例えば、QUALICAPS S−40 HICAPSEALおよびQUALICAPS S−100 HICAPSEAL。固体粉末を充填するための硬カプセル充填機はMG2のMG、BoschのGKFおよびIAAのZanasiを含む。錠剤圧縮装置はManesty、FetteおよびCourtoyから入手できる。錠剤被覆装置は、Niro Pharma Systems、例えば、SIROCCO(登録商標);MULTI−PROCESSOR(登録商標);MP−MICRO(登録商標);STREA−1(登録商標);およびMP−1 MULTI−PROCESSOR(登録商標)ならびにGlatt、例えば、それらの流動層造粒器/乾燥機/塗装機から入手できる。
【0154】
錠剤投与製剤のさらなる修飾。錠剤投与量形態は、また、外観、正確さ、および/または味覚を改良するために被覆されていてもよい。いくつかの場合において、錠剤は糖、セルロースポリマーおよび/またはポリメタクリレートポリマーで被覆されている。市販されている被覆物質のいくつかの例は、商標名OPADRY(登録商標)、SURELEASE(登録商標)、AQUACOAT(登録商標)およびEUDRAGIT(登録商標)下で販売されているものである。被覆物質は、さらに薬学的に許容される着色剤および/または限定はしないが、乳白剤、例えば、二酸化チタンまたはタルクを含む薬学的に許容される乳白剤を含んでもよい。あるいは、錠剤製剤は、ゼラチンで被覆されているか、またはゼラチンシース内にカプセル化されていてもよい。ゼラチンシース物質は、さらに薬学的に許容される着色剤および/または薬学的に許容される乳白剤を含んでもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

で示される化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物;および、
親水性溶媒、親油性溶媒、乳化剤、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される成分を含む製剤。
【請求項2】
成分が親水性溶媒および親油性溶媒の混合物である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
成分が親水性溶媒、親油性溶媒および乳化剤の混合物である、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
製剤が液体製剤である、請求項1、2または3に記載の製剤。
【請求項5】
親水性溶媒が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エタノール、グリセリン、グリコフロール、メトキシポリエチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、ポリエチレングリコール、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項4に記載の製剤。
【請求項6】
親油性溶媒が、脂肪酸、中鎖グリセリド、長鎖グリセリド、脂肪酸のエチルエステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリルモノ−、ジ−もしくはトリ−カプリル酸エステル;グリセリルモノ−、ジ−もしくはトリ−カプリン酸エステル;または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項4に記載の製剤。
【請求項7】
乳化剤が、糖脂肪酸エステル;スクロースモノ−、ジ−もしくはトリ−脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンヒマシ油化合物;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンモノ−もしくはジ−脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;グリセリルモノ−、ジ−もしくはトリ−脂肪酸エステル;C−C22脂肪酸のポリオキシエチレンモノ−もしくはジ−エステルの混合物;C−C22脂肪酸のグリセリルモノ−、ジ−もしくはトリ−エステル、または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項4に記載の製剤。
【請求項8】
親油性溶媒が、コーン油、綿実油、DL−α−トコフェロール、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、ベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリン、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、オリーブ油、パルミチン酸ステアリン酸、ピーナッツ油、ペパーミント油、オレイン酸ポリグリセリル、モノラウリン酸プロピレングリコール、ジラウリン酸プロピレングリコール、サフラワー油、ゴマ油、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ダイズ油、ステアリン酸、テトラモノオレイン酸グリセリル、または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項4に記載の製剤。
【請求項9】
乳化剤が、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40水素化ヒマシ油、ポリオキシル60水素化ヒマシ油、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、オレイン酸ポリオキシル40、ポリオキシル20セトステアリルエーテル、ポリオキシル10オレイルエーテル、コハク酸DL−α−トコフェリルポリエチレングリコール、または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項4に記載の製剤。
【請求項10】
さらに、抗酸化剤、着色剤、シクロデキストリン、香味剤、保存剤、甘味剤、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む、請求項4に記載の製剤。
【請求項11】
ポリエチレングリコールが約100g/molから約1,000g/molの平均分子量を有し、そして、メトキシポリエチレングリコールが約100g/molから約1,000g/molの平均分子量を有する、請求項5に記載の製剤。
【請求項12】
式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物が、製剤の総重量に基づいて約0.1wt%から約40wt%の量である、請求項4に記載の製剤。
【請求項13】
式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物が、製剤の総重量に基づいて約0.2wt%から約20wt%の量である、請求項12に記載の製剤。
【請求項14】
式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物が、製剤の総重量に基づいて約0.5wt%から約10wt%の量である、請求項13に記載の製剤。
【請求項15】
親水性溶媒が製剤の総重量に基づいて約90wt%までで存在する、請求項4に記載の製剤。
【請求項16】
乳化剤が、存在するとき、製剤の総重量に基づいて約5wt%から約50wt%で存在する、請求項4に記載の製剤。
【請求項17】
親油性溶媒が製剤の総重量に基づいて約50wt%までで存在する、請求項4に記載の製剤。
【請求項18】
製剤がカプセル内に包含されている、請求項4に記載の製剤。
【請求項19】
カプセル内の式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物の全量が約1mgから約400mgの範囲である、請求項18に記載の製剤。
【請求項20】
製剤が式Iの化合物の薬学的に許容される塩を含む、請求項4に記載の製剤。
【請求項21】
親水性溶媒が、エタノール、ポリエチレングリコール、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む、請求項4に記載の製剤。
【請求項22】
エタノールが製剤の総重量に基づいて約15wt%までで存在する、請求項21に記載の製剤。
【請求項23】
ポリエチレングリコールが製剤の総重量に基づいて約90wt%までで存在する、請求項21に記載の製剤。
【請求項24】
製剤が固体製剤である、請求項1、2または3の製剤。
【請求項25】
親水性溶媒が、メトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項24に記載の製剤。
【請求項26】
親油性溶媒が、脂肪酸、中鎖グリセリド、長鎖グリセリド、脂肪酸のエチルエステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリルモノ−、ジ−もしくはトリ−カプリル酸エステル;グリセリルモノ−、ジ−もしくはトリ−カプリン酸エステル;または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項24に記載の製剤。
【請求項27】
乳化剤が、糖脂肪酸エステル;スクロースモノ−、ジ−もしくはトリ−脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンヒマシ油化合物;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンモノ−もしくはジ−脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;グリセリルモノ−、ジ−もしくはトリ−脂肪酸エステル;C−C22脂肪酸のポリオキシエチレンモノ−もしくはジ−エステルの混合物;C−C22脂肪酸のグリセリルモノ−、ジ−もしくはトリ−エステル、または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項24に記載の製剤。
【請求項28】
親油性溶媒が、コーン油、綿実油、DL−α−トコフェロール、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、ベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリン、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、オリーブ油、パルミチン酸ステアリン酸、ピーナッツ油、ペパーミント油、オレイン酸ポリグリセリル、モノラウリン酸プロピレングリコール、ジラウリン酸プロピレングリコール、サフラワー油、ゴマ油、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ダイズ油、ステアリン酸、テトラモノオレイン酸グリセリル、または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項24に記載の製剤。
【請求項29】
乳化剤が、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40水素化ヒマシ油、ポリオキシル60水素化ヒマシ油、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、オレイン酸ポリオキシル40、ポリオキシル20セトステアリルエーテル、ポリオキシル10オレイルエーテル、コハク酸DL−α−トコフェリルポリエチレングリコール、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項24に記載の製剤。
【請求項30】
さらに、ポリマー担体、リン脂質担体、吸収担体、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む、請求項24に記載の製剤。
【請求項31】
ポリマー担体が、酢酸フタル酸セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ポリアニオン性−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−7−(3−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、微結晶セルロース、メタクリル酸コポリマー、ポリメタクリレートポリマー、ポリ(メタクリル酸−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−アクリル酸エチル)、アンモニオメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸エチル−メチルメタクリレート−メチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド)、ポリ(アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル)、約20,000から約200,000g/molの平均分子量を有するポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジン/酢酸ビニル、約2,500から約300,000g/molの平均分子量を有するポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、プレゼラチン化デンプン、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される、請求項30に記載の製剤。
【請求項32】
リン脂質担体が、ジホスファチジルグリセロール、糖脂質、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される、請求項30に記載の製剤。
【請求項33】
吸収担体が、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ベントナイト、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、ラクトース、マンニトール、微結晶セルロース、二酸化ケイ素、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン、スクロース、タルク、または任意のそれらの2種以上の混合物である、請求項30に記載の製剤。
【請求項34】
ポリエチレングリコールが約1000g/mol以上の平均分子量を有し、そして、メトキシポリエチレングリコールが約1000g/mol以上の平均分子量を有する、請求項25に記載の製剤。
【請求項35】
ポリエチレングリコールが約1000g/molから約20,000g/molの平均分子量を有し、そして、メトキシポリエチレングリコールが約1000g/molから約20,000g/molの平均分子量を有する、請求項34に記載の製剤。
【請求項36】
ポリエチレングリコールが製剤の総重量に基づいて約90wt%までで存在する、請求項25に記載の製剤。
【請求項37】
さらに、抗酸化剤、着色剤、シクロデキストリン、香味剤、保存剤、甘味剤、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む、請求項24に記載の製剤。
【請求項38】
式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物が、製剤の総重量に基づいて約0.1wt%から約40wt%の量である、請求項24に記載の製剤。
【請求項39】
式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物が、製剤の総重量に基づいて約0.2wt%から約20wt%の量である、請求項38に記載の製剤。
【請求項40】
式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物が、製剤の総重量に基づいて約0.5wt%から約10wt%の量である、請求項39に記載の製剤。
【請求項41】
親水性溶媒が製剤の総重量に基づいて約90wt%までで存在する、請求項24に記載の製剤。
【請求項42】
乳化剤が、存在するとき、製剤の総重量に基づいて約5wt%から約50wt%で存在する、請求項24に記載の製剤。
【請求項43】
親油性溶媒が製剤の総重量に基づいて約50wt%までで存在する、請求項24に記載の製剤。
【請求項44】
製剤がカプセルまたは錠剤内に包含されている、請求項24に記載の製剤。
【請求項45】
カプセルまたは錠剤内の式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物の全量が約1mgから約400mgの範囲である、請求項44に記載の製剤。
【請求項46】
製剤が式Iの化合物の薬学的に許容される塩を含む、請求項24に記載の製剤。
【請求項47】
(a)式I:
【化2】

で示される化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物を、親水性溶媒、親油性溶媒、乳化剤、または任意のそれらの2種以上の混合物から選択される成分と共に混合し、製剤を形成することを含む方法。
【請求項48】
親水性溶媒が製剤の総重量に基づいて約90wt%までで存在する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
乳化剤が製剤の総重量に基づいて約10wt%から約50wt%で存在する、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
親油性溶媒が製剤の総重量に基づいて約50wt%までで存在する、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物および成分を、抗酸化剤、着色剤、香味剤、保存剤、甘味剤、または任意のそれらの2種以上の混合物と混合することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
製剤が液体製剤である、請求項47、48、49、50または5lに記載の方法。
【請求項53】
親水性溶媒が製剤の総重量に基づいて約90wt%まででポリエチレングリコール、または任意のそれらの2種以上の混合物を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
親水性溶媒が製剤の総重量に基づいて約15wt%まででエタノールを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
さらに(b)製剤を有する少なくとも1個のカプセルを形成することを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
カプセル内の式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物の全量が約1mgから約400mgである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
(なし)
【請求項58】
カプセルがゼラチンカプセルまたは硬シェルカプセルである、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
製剤が固体製剤である、請求項47、48、49、50または51に記載の方法。
【請求項60】
式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物および成分を製剤助剤と混合する、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
製剤助剤がメタノール、エタノール、またはそれらの混合物である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
混合後、製剤助剤を除去することを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
さらに製剤を有する少なくとも1個のカプセルまたは錠剤を形成することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
カプセルまたは錠剤内の式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、または任意のそれらの2種以上の混合物の全量が約1mgから約400mgである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
さらに
(b)製剤を溶解して溶解製剤を形成し;そして、
(c)溶解製剤から錠剤を形成することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
錠剤を一組のカウンターロータリング、チルド成形ロールを含むカレンダー成形を使用して形成させる、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
さらに(d)溶解製剤から粒状物を形成することを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
(d)溶解製剤をスプレー乾燥またはスプレー凍結することを含む、請求項67に記載の方法。

【公表番号】特表2009−544617(P2009−544617A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520854(P2009−520854)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/016469
【国際公開番号】WO2008/011154
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】