説明

ベンゾオキサジノンの合成

本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)逆転写酵素阻害剤として有用な、式(III)の(S)-6-クロロ-4-シクロプロピルエチニル-4-トリフルオロメチル-1、4-ジヒドロ-2H-3、1-ベンズオキサジン-2-オンの新規な合成方法を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2004年9月2日提出のU.S. 仮出願番号60/606,702に基づく優先権を主張し、その全ての開示内容をここに引用する。
【0002】
本発明はヒト免疫不全ウイルス(HIV)逆転写酵素阻害剤として有用な(S)-6-クロロ-4-シクロプロピルエチニル-4-トリフルオロメチル-1,4-ジヒドロ-2H-3,1-ベンズオキサジン-2-オンの新規な合成方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
逆転写はレトロウイルス複製の特徴である。ウイルス複製には、ウイルスRNAゲノムの逆転写によりウイルス配列のDNA複製を合成するために、ウイルスがコードした逆転写酵素が必要である。従って、ウイルスがコードする逆転写酵素の阻害はウイルス複製を中断するため、逆転写酵素はレトロウイルス感染の化学療法にとって臨床的に意義のあるターゲットである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヒト免疫システムを進行性に破壊し、結果としてAIDSを発症するレトロウイルスである、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の治療に、多くの化合物が効果的である。HIV逆転写酵素阻害による有効な治療には、アジドチジンのようなヌクレオシド系阻害剤、および非ヌクレオシド系阻害剤の両方が知られている。ベンゾオキサジノンはHIV逆転写酵素の有用な非ヌクレオシド系阻害剤である。式(III)の(S)-6-クロロ-4-シクロプロピルエチニル-4-トリフルオロメチル-1,4-ジヒドロ-2H-3,1-ベンズオキサジン-2-オン:
【化1】

は、また、エファビレンズとして知られており、効果の高い逆転写酵素阻害剤であるだけでなく、HIV逆転写酵素抵抗性に対しても有効である。逆転写酵素阻害剤として化合物(III)は重要であるため、その製造の経済的で効率的な合成方法の開発が必要である。
【0005】
化合物(III)製造の最終工程は、化合物(I)からの環化反応である。
【化2】

これには、商業的にはホスゲンを使用して、エファビレンズを製造する。ホスゲンは毒性の高い有毒ガスであり、ホスゲンを使用すること無く該化合物を製造することは有利である。U.S.特許5,922,864に、クロロギ酸アルキルおよびクロロギ酸アリ−ルを含む環化反応による化合物(III)の調製方法が記載されている。しかしながら、クロロギ酸アルキルを使用する方法はカルバメート中間体の単離を伴う。
【0006】
環化工程において、毒性の低い成分を使用し、および他の中間体の分離をすることない環化方法は有利である。
【0007】
上記参考文献に、HIV逆転写酵素の阻害剤として有用なベンゾオキサジノンの合成のための本発明の方法を記載したものはない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の概要
本発明は、HIV逆転写酵素阻害剤として有用なベンゾオキサジノン化合物の、新規な調製方法に関する。該方法はベンゾオキサジノンコアを形成する新規な環化手段を提供する。本発明の該方法は高い収率を提供し、キログラム規模で実施でき、安定な中間体を生成する。
【0009】
本発明は、式(III)の化合物の調製方法を提要する。:
【化3】

前記方法には、以下の工程が含まれる。:
(1) 式(I)の化合物:
【化4】

またはその塩;
(式(I)の化合物は、MSA(メタンスルホン酸)塩Iaとして存在する)
を、第一溶媒中、第1塩基の存在下、常圧下で、温度約20-56℃または温度約50-56℃で、クロロギ酸C1-6アルキルと反応させ、式(II):
【化5】

(式中、RがC1-6アルキルである)
の化合物を得る。;
(2) 有機層を分離し、濃縮して、溶液中に式(II)の化合物を得る。;
(3) 溶液中の化合物の式(II)を約47-52℃で第2塩基と反応させ、式IIIの化合物を得る。
【0010】
本発明の詳細な説明
【0011】
第一の態様では、本発明は式(III)の化合物の新規な調製方法を提供する。:
【化6】

前記方法には、以下の工程が含まれる。:
(1) 式(I)の化合物:
【化7】

(I)

またはその塩を、第一溶媒中、第1塩基の存在下、常圧下で、温度約20-56℃(別法として、50-56℃)でクロロギ酸C1-6アルキルと反応させ、式(II):
【化8】

(式中、RはC1-6アルキルである)
の化合物を得る;
(2)有機層を分離し、濃縮し、溶液中に式(II)の化合物を得る。;
(3)溶液中の式(II)の化合物を約47-52℃で第2塩基と反応させ、式IIIの化合物を得る。
【0012】
別の態様では、本発明は、
クロロギ酸アルキルがクロロギ酸メチルまたはクロロギ酸エチルであり; および、
Rがメチルまたはエチルである、
式(III)の化合物の新規な調製方法を提供する。
【0013】
別の態様では、本発明は、
第1塩基がリン酸一水素アルカリ、炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、アルカリアルコキシド(アルコキシドは-OR、RはC1-5アルキル)、アルカリ-HMDS、または水酸化アルカリであり、アルカリがNa、K、またはLiであり; および
第一溶媒がテトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソプロピル、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、トルエン、キシレン、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールである、式(III)の化合物の新規な調製方法を提供する。
【0014】
別の態様では、本発明は、
第1塩基がK2HPO4、第2塩基がNaOHであり、; および
第一溶媒が酢酸エチルである、式(III)の化合物の新規な調製方法を提供する。
【0015】
別の態様では、本発明は、
該溶媒が酢酸エチルであり; および
工程3がさらに、
(III)の酢酸エチル溶液として、式(III)の化合物を得る、;
式(III)の化合物を含む溶液を水で洗浄し、該酢酸エチル溶液にヘプタンを加え、HCl水溶液、水、KHCO3水溶液、および水で洗浄し; 該溶媒を溶媒転換し、ヘプタン-EtOAcから式(III)の化合物を結晶化させる工程を含む、
式(III)の化合物の新規な調製方法を提供する。
【0016】
別の態様では、本発明は、式(III)の化合物を結晶化して、フォーム1の式(III)の化合物を得る、式(III)の化合物の新規な調製方法を提供する。
【0017】
別の態様では、本発明は、
工程3がさらに、
水を加え、該酢酸エチル層を分離し、該酢酸エチル層を濃縮し、ヘプタンを加え、該溶液を濃縮し、式(III)の化合物を結晶化させる工程を含む、
式(III)の化合物新規な調製方法を提供する。
【0018】
本発明は、他の特定の態様においても、その思想や本質的特性の範囲を離れることなく、具現化される。本発明はまた、本明細書に記載する本発明の態様および/または実施例の全ての組み合わせを含む。本発明のありとあらゆる態様を他のいずれかの態様と組み合わせて、本発明の更なる態様は説明されると理解される。また、態様のいずれかの要素を、他の態様のいずれかまたはありとあらゆる要素と組み合わせて、更なる態様を説明する。
【0019】
本明細書に記載する該反応は、有機合成の技術分野における当業者が迅速に選択する適当な溶媒中で行われ、前記適当な溶媒は一般的に、反応実施温度、すなわち、溶媒の凍結温度から溶媒の沸点の範囲で、出発物質(反応物質)、中間体、または、生成物に実質的に非反応性の溶媒である。所定の反応は、一の溶媒または複数の溶媒の混合液中で行う。個々の反応工程によって、個々の反応工程に適した溶媒を選択する。
【0020】
本明細書で使用する”アルキル”は1から12の炭素原子を有する、分岐および直鎖の両脂肪族飽和炭化水素基を含むこと意図する。本明細書で使用する”アルコキシ”は酸素橋を介して付加した表示の炭素原子の数を有するアルキル基を含むことを意図する。
【0021】
本明細書に記載する化合物は不斉中心を有する。本発明には、全てのキラル、ジアステレオマー、およびラセミ体が含まれる。本発明の所定の化合物には、不斉炭素原子が含まれ、光学活性またはラセミ体に分離されると考えられる。光学活性出発物質からのラセミ体の転換または合成のような、光学活性体を調製する方法は、当該技術分野においてよく知られている。特定の立体化学または異性体が特に指示されていない場合は、構造の全てのキラル、ジアステレオマー、ラセミ体、および全ての幾何異性体を意味する。
【0022】
本明細書で使用される、”溶媒転換”は、ある主要な溶媒を別の溶媒に変更することである。これはしばしば、濃縮または蒸発させて、当初の該主要な溶媒を含む溶媒の量を減らし、第2の溶媒を加えて行われる。
【0023】
本発明の方法は、制限されないが例としてスキーム1を参照することで、より理解されうる。
【化9】

【0024】
本発明の目的は、HIV逆転写酵素阻害剤として有用なベンゾオキサジノンのキログラム規模での改良合成方法の提供である。
【0025】
EtOAc(酢酸エチル)中の式(Ia)の化合物を、リン酸水素カリウムaq(水溶液) (2.70-2.75eq)の存在下、55℃で3-6時間、クロロギ酸エチル(1.15-1.20eq)と反応させ、反応後にカルバミン酸エチル(II、R=Et)溶液を得た。環化反応のため、後者の溶液を50℃で50%水酸化ナトリウム(0.5eq)で処理した。4-8時間後、HPLC分析により、エファビレンズへの変換は>99%であった。一連の洗浄をし、2-5% EtOAcを含有するヘプタンへの溶媒転換した後、結晶化により、収率78-85%のフォーム1のエファビレンズを得た。フォーム1のエファビレンズはまた、プロピレングリコール/水 結晶化方法によっても単離できた。
【0026】
式(III)の化合物である、エファビレンズの多形フォーム(フォーム1、2、3、4、および5)は、米国特許第6,673,372号に記載されており、それを本明細書に引用する。
【0027】
上記工程のクロロギ酸メチルをクロロギ酸エチルに代えることで、収率が89-92%に上がったが、製造現場でのクロロギ酸メチルの保管はOSHAによるプロセス安全管理(PSM)および、EPAによるリスク管理プロセス(RMP)を必要とする。また、R= Pr、iPr、n-Bu、iBu、t-Bu、アリル、2-メトキシエチル、トリクロロエチルおよびBnである他のクロロギ酸アルキルについても、エファビレンズ合成に対する評価をした。
【0028】
カルバミン酸(II)はリン酸一水素アルカリ(望ましくは K2HPO4)、炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、アルカリt-ブトキシド、アルカリアルコキシド(アルコキシドは-O-Rで、RがC1-5アルキル)、アルカリ-HMDS(ヘキサメチルジシラジド)、または水酸化アルカリ、およびそのアルカリがNa、K、またはLiであるような塩基を使用して調製される。
【0029】
カルバミン酸(II)の調製に使用される他の溶媒は、例えば、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルTHF(MeTHF)、酢酸n-ブチル、酢酸イソプロピル、トルエン、キシレン、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールである。
【0030】
Li/K/NaHMDS、Li/K/Na-OR(R= C1-5アルキル)およびBuLiのような無水塩基でも同様に良好に、カルバミン酸(II)溶液はエファビレンズ(III)に変換される。
【0031】
ヘプタン中2-5% EtOAcからの結晶化は、他のフォーム(フォーム2、3、4および5)を含まずにフォーム1のエファビレンズを直接に得る、厳格な方法であることを明らかになった。該反応工程中、フォーム1に代えて、異なるフォーム(2、3、4および5)をシーディングしても、フォーム1を単独に得た。多形フォーム1は医薬製品の組成物に利用されるので、望ましい。これまでの商業的工程では全て、フォーム4からフォーム1に変換するための熱工程(85-95℃)が必要であった。
【実施例】
【0032】
実験方法
【0033】
方法1:
第2塩基としてNaOH水溶液を使用したエファビレンズ(化合物III)の調製
【0034】
機械的攪拌機、熱電対、付加ロートを装着した25Lガラス反応器に、25℃で、化合物Ia(1kg、2.31mol)、EtOAc(5L)およびK2HPO4水溶液(水5L中、1.084kg K2HPO4から調製した)を順番に加えた。クロロギ酸エチル(0.261L、2.65mol)を25℃で5分間かけて加え、生じた二相性の混合液を50℃に加熱した。攪拌3-6時間後、IIの形成の完了はHPLCで確認した。該反応混合液を室温に冷却し、水層を有機相から分離した。後者の相を水で洗浄し、共沸蒸留し、濃カルバミン酸エチル溶液(II、R = Et)(10L)を得た。
【0035】
50%水酸化ナトリウム(0.092kg、1.15mol)を、濃カルバミン酸エチル溶液(II、R = Et、10L)に加え、50℃で4-8時間攪拌して環化反応させた。反応混合液を室温に冷却した後、有機相を水(5L)で洗浄した。濃エファビレンズ溶液を0-5℃で同量のヘプタン(10L)で希釈し、9M HCl(5L)で洗浄し、続いて室温で水(5L)、10% KHCO3水溶液(5L)および水(5L)で順に洗浄した。濃エファビレンズ溶液を真空下でヘプタンと共蒸留し、所望のEtOAc(2.5-5.0%; 13-15L/Kg)を得た。それを65℃に加熱し、澄明溶液が得られ、45-50℃に冷却し、フォーム1のエファビレンズ(5g)をシードし、45-50℃に維持して、1-2時間のうちに不透明のスラリーを得た。該結晶スラリーを2-4時間かけて20-25℃に、2時間かけて-8から-12℃に冷却した。-8から-12℃で2時間維持した後、該スラリーをろ過した。該固体を冷却したヘプタン(-8から-12℃、4-6L)で洗浄し、<50℃、真空下で乾燥して、フォーム1としてエファビレンズを収率78-85%、0.56-0.62kgを得た。
【0036】
方法2:
第2塩基として固体NaOHを使用したエファビレンズの調製
【0037】
化合物Ia(50.0g、115mmol、1.00当量)を酢酸エチル(3-5mL/g)中でスラリーにした。リン酸水素二カリウム水溶液(55.2 g、317mmol、5mL/g 水中、2.75当量)を新たに調製し、該スラリーに加え、続いてECF(クロロギ酸エチル)(13.6 mL、143 mmol、1.15-1.20当量、(効力補正))を加える。該二相性の反応混合液を55℃に加温し、2時間で反応が完了した。該相を分け、水での洗浄(5mL/g)の後、カルバミン酸溶液中の水分%を共沸蒸留で減らした。酢酸エチル中カルバミン酸溶液(5-10mL/g)を50℃で固体NaOH(2.32 g、57.6 mmol、0.500当量)を使用して環化して、0.46 AP II(R=Et)が得られ、4時間後に、化合物Iのレベルは0.49 APとなった。該バッチを水(5mL/g)で二回洗浄し、〜2-3 mL/gに蒸留し、ヘプタンを加えて、溶媒転換し、3% 酢酸エチルとした。均一な溶液とするため60-65℃で加熱した後、該バッチを47℃に冷却し、フォーム1の化合物IIIをシードした。生じたスラリーを45℃で2.5時間維持し、2時間かけて25℃に冷却した。該バッチを1時間かけて-10℃に冷却し、2時間維持した。該スラリーをろ過し、冷却したヘプタン(2x2 mL/g)で洗浄した。濡れた固体を50℃で乾燥し、化合物III(32.8 g、収率90.1 M%)を得た。
【0038】
方法3:
(I)からのエファビレンズの調製(環化に無水塩基を使用する)
【0039】
化合物(II)溶液の上記環化反応の50%水酸化ナトリウムに代えて、無水塩基(LiOtBu、NaOtBu、KOtBu、LiHMDS、KHMDS、NaHMDS、BuLiのような) 1.1 eqを加え、50-70℃で4-6時間内にエファビレンズに100%変換した。反応混合液を1.0N AcOHでpHを中性にしてクエンチし、水で洗浄した。生じた濃エファビレンズ溶液をヘプタン/2.5-5% EtOAc(13L/Kg)に転換し、上述のように結晶化させ、収率86-89%でフォーム1のエファビレンズを得た。
【0040】
方法4:
シードした他のフォームの存在下での、EtOAc/ヘプタンからのフォーム1のエファビレンズ単離。
【0041】
エファビレンズ溶液15ml/g(ヘプタン中、2.23% 酢酸エチル)を65℃でカニューレを通して4反応フラスコに移し、75mlのアリコートにした。該溶液に、フォーム2(59 ℃、28 ℃)、フォーム3(53 ℃、25℃)、及びフォーム4(50℃、25℃)フォーム5(45℃、25℃)のエファビレンズをそれぞれ約50℃および約25℃(正確な温度は括弧内)でシードした。全シード量は25mgであった。該スラリーを5℃に冷却し、ろ過し、冷却したヘプタンで洗浄し、50℃で乾燥した。試料の取り出しは各フォームで、32℃、室温、-5℃、および無水固体で行った。フォーム2、フォーム3、およびフォーム4をシードしたものは、いずれの温度での試料も、PXRD(XRPD)により、フォーム1のみであった。XRPDについては米国特許第6,673,372号を参照。
【0042】
本発明は具体的な態様について説明するが、これら態様の詳細は限定と解釈とするものではない。あらゆる均等、変更および修正は、本発明の思想および範囲から離れることなくなくなされ、このような均等な態様は本発明の一部と解される。本発明は他の特定の形態においても、その思想および本質的特性を離れることなく具現化され、従って、本発明の範囲を更に示すため、請求項の記載を参照すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III)の化合物の合成方法であって、:
【化1】

(1) 式(I)の化合物:
【化2】

またはその塩を、第一溶媒中、第1塩基の存在下、常圧下で、温度約20-56℃で、クロロギ酸C1-6アルキルと反応させて、式(II):
【化3】

(式中、RがC1-6アルキルである)
の化合物を得る、
(2) 有機層を分離し、濃縮し、溶液中、式(II)の化合物を得る、
(3) 溶液中の式(II)の化合物を約47-52℃で第2塩基と反応させ、式IIIの化合物を得る、
工程を含む合成方法。
【請求項2】
クロロギ酸アルキルがクロロギ酸メチルまたはクロロギ酸エチルであり、Rがメチルまたはエチルである、請求項1に記載の式(III)の化合物の合成方法
【請求項3】
第1塩基がリン酸一水素アルカリ、炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、アルカリアルコキシド、アルカリ-HMDS、または水酸化アルカリであり、アルカリがNa、K、またはLiであり、第一溶媒がTHF、MeTHF、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソプロピル、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、トルエン、キシレン、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールである、請求項2に記載の式(III)の化合物の合成方法。
【請求項4】
第1塩基がK2HPO4であり、第2塩基がNaOHであり、第一溶媒が酢酸エチルである、請求項1に記載の式(III)の化合物の合成方法。
【請求項5】
工程(3)がさらに、
式(III)の化合物を(III)の酢酸エチル溶液として得る;
式(III)の化合物を含む該溶液を水で洗浄し、該酢酸エチル溶液にヘプタンを加え、HCl水溶液、水、KHCO3水溶液、および水で洗浄する; 溶媒を蒸留し、式(III)の化合物をヘプタン-EtOAcから結晶化する、
工程を含む、請求項2に記載の式(III)の化合物の合成方法。
【請求項6】
式(III)の化合物を結晶化して、フォーム1の式(III)の化合物を得る、請求項5に記載の式(III)の化合物の合成方法。
【請求項7】
工程3がさらに、水を加え、酢酸エチル層を分離し、該酢酸エチルを濃縮し、ヘプタンを加え、該溶液を濃縮し、式(III)の化合物を結晶化させる工程を含む、請求項2に記載の式(III)の化合物の合成方法。
【請求項8】
式(III)の化合物を結晶化して、フォーム1の式(III)の化合物を得る、請求項7に記載の式(III)の化合物の合成方法。

【公表番号】特表2008−511682(P2008−511682A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530448(P2007−530448)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/031541
【国際公開番号】WO2006/029079
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】