説明

ベンゾフルオレノン誘導体及びその製造方法

【課題】 ハロゲン原子やケトン基のような官能基を有する、有機EL材料、液晶材料等の電子材料や医農薬化合物の原料や中間体として有用な化合物であるベンゾフルオレノン誘導体を効率よく得る。
【解決手段】 特定構造を有するフェニルナフタレン誘導体を酸触媒存在下に反応させ、閉環させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゾフルオレノン誘導体及びその製造方法に関するものである。ベンゾフルオレノン誘導体は、電子材料及び医農薬中間体として非常に有用である。
【背景技術】
【0002】
これまでに、ベンゾフルオレノン誘導体としていくつかの化合物が知られている。例えば、5−ブロモベンゾ[c]フルオレノン(例えば、非特許文献1参照)が、また、ベンゾ[c]フルオレノン(例えば、特許文献1参照)が記載されている。しかし、特許文献1に記載のベンゾ[c]フルオレノンは、ベンズアントロンとの混合物と記載されており、単一化合物として単離するのが困難であった。
【0003】
さらに、分子内ヘテロディールスアルダー反応を経由するトリメチルシリル基が置換したベンゾ[a]フルオレノン及びベンゾ[b]フルオレノン化合物が記載されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】WO2005/056633号パンフレット(実施例86)
【非特許文献1】J.Chem.Research(S),1977,149
【非特許文献2】J.Org.Chem.,2004,69,3842−3848
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電子材料及び医農薬中間体として有用な新規なベンゾフルオレノン誘導体及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明化合物は、下記一般式(1)又は(2)で表されるベンゾフルオレノン誘導体である。
【0007】
【化1】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコシキ基、ハロゲン原子、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基又はアミノ基を表す)
以下、本発明に関し詳細に説明する。
【0008】
一般式(1)又は(2)で表されるベンゾフルオレノン誘導体において、Xはハロゲン原子を表し、具体的には、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子を表す。
【0009】
Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコシキ基、ハロゲン原子、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基又はアミノ基を表す。
【0010】
以下、具体的に炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、トリクロロメチル基、トリフロロメチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
【0011】
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基等を挙げることができる。
【0012】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子を挙げることができる。
【0013】
炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フルオレニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、2−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、2−ネオペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−(2’−エチルブチル)フェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−(2’−エチルヘキシル)フェニル基、4−tert−オクチルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−シクロペンチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−(4’−メチルシクロヘキシル)フェニル基、4−(4’−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、4−エチル−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、4,6−ジ−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、5−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル基、9−メチル−2−フルオレニル基、9−エチル−2−フルオレニル基、9−n−ヘキシル−2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、9,9−ジエチル−2−フルオレニル基、9,9−ジ−n−プロピル−2−フルオレニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、3−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、2−sec−ブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−イソペンチルオキシフェニル基、2−イソペンチルオキシフェニル基、4−ネオペンチルオキシフェニル基、2−ネオペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、2−(2’−エチルブチル)オキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、4−n−ブトキシ−1−ナフチル基、5−エトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、6−エトキシ−2−ナフチル基、6−n−ブトキシ−2−ナフチル基、6−n−ヘキシルオキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、7−n−ブトキシ−2−ナフチル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、2−メチル−5−メトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、3−エチル−5−メトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,5−ジエトキシフェニル基、3,5−ジ−n−ブトキシフェニル基、2−メトキシ−4−エトキシフェニル基、2−メトキシ−6−エトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、2−フェニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(3’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−n−ブトキシフェニル)フェニル基、2−(2’−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4’−クロロフェニル)フェニル基、3−メチル−4−フェニルフェニル基、3−メトキシ−4−フェニルフェニル基、9−フェニル−2−フルオレニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ブロモフェニル基、4−クロロ−1−ナフチル基、4−クロロ−2−ナフチル基、6−ブロモ−2−ナフチル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,4−ジクロロ−1−ナフチル基、1,6−ジクロロ−2−ナフチル基、2−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−フルオロ−5−メチルフェニル基、3−フルオロ−2−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−メチル−4−フルオロフェニル基、2−メチル−5−フルオロフェニル基、3−メチル−4−フルオロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−5−メチルフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、2−メチル−3−クロロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、3−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4,6−ジメチルフェニル基、2−メトキシ−4−フルオロフェニル基、2−フルオロ−4−メトキシフェニル基、2−フルオロ−4−エトキシフェニル基、2−フルオロ−6−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−エトキシフェニル基、3−クロロ−4−メトキシフェニル基、2−メトキシ−5−クロロフェニル基、3−メトキシ−6−クロロフェニル基、5−クロロ−2,4−ジメトキシフェニル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
炭素数4〜12のヘテロアリール基としては、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子のうち少なくとも一つのヘテロ原子を含有する芳香環基であり、例えば、4−キノリル基、4−ピリジル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基、3−フリル基、2−フリル基、3−チエニル基、2−チエニル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基などの複素環基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
アミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、m−トリルアミノ基、p−トリルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基等のモノ置換アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(m−トリル)アミノ基、ジ(p−トリル)アミノ基、N−(m−トリル)フェニルアミノ基、N−(p−トリル)フェニルアミノ基、N−(1−ナフチル)フェニルアミノ基、N−(2−ナフチル)フェニルアミノ基、N−(4−ビフェニル)フェニルアミノ基、ジ(4−ビフェニル)アミノ基、ジ(2−ナフチル)アミノ基、ビス(アセトオキシメチル)アミノ基、ビス(アセトオキシエチル)アミノ基、ビス(アセトオキシプロピル)アミノ基、ビス(アセトオキシブチル)アミノ基、ジベンジルアミノ基等のジ置換アミノ基を例示することができるが、上記置換基に具体的に限定されるものではない。
【0016】
上記一般式(1)又は(2)で表されるベンゾフルオレノン誘導体は、下記一般式(3)又は(4)で表されるフェニルナフタレン誘導体を酸触媒存在下に反応させ、閉環させることにより合成可能である。
【0017】
【化2】

(式中、R,Rは各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコシキ基、ハロゲン原子、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基又はアミノ基を表す)
酸触媒としては、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素・エーテル錯体、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三塩化チタン、四塩化チタン、塩化亜鉛、各種ゼオライト等のルイス酸、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、ポリ燐酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のブレンステッド酸を挙げることができる。
【0018】
酸触媒の量としては、フェニルナフタレン誘導体に対し、重量比で0.01〜100重量%である、好ましくは0.5〜50重量%である。
【0019】
反応温度としては特に制限はないが、効率よくベンゾフルオレノン誘導体を得るためには、50〜200℃が好ましい。
【0020】
反応時に用いる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に制限はない。なお、特に溶媒を用いなくても構わない。
【0021】
上記一般式(3)又は(4)のフェニルナフタレン誘導体は、例えば、下記一般式で表される反応式に従い、公知の方法(鈴木−宮浦カップリング反応、Chem.Rev.,1995,95,2457−2483)を用いて合成可能である。
【0022】
【化3】

本発明のベンゾフルオレノン誘導体は、ハロゲン原子、ケトン基のような官能基を有することから、さらに有用な化合物、例えば、有機EL材料、液晶材料等の電子材料や医農薬化合物に変換可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明による上記一般式(1)又は(2)で表されるベンゾフルオレノン誘導体は、新規化合物であり、幅広く電子材料及び医農薬中間体として利用できる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、実施例で得られた化合物の同定は、H−NMR測定、13C−NMR測定及びFDMS測定により行った。
【0025】
H−NMR測定、13C−NMR測定及びFDMS測定は、各々バリアン社製 Gemini200、日立製作所製 M−80Bを使用して実施した。
【0026】
合成例1 (2−(4−クロロフェニル)−1−ナフトエ酸メチルエステルの合成)
2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸メチルエステル 4.97g(24.8mmol)、ピリジン19.5g(246.5mmol)、トルエン50mlを300mlナス型フラスコに仕込み、氷冷下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物7.68gとトルエン20mlの混合溶液を滴下した。同温度で30分攪拌した後、引続き一晩室温で攪拌した。水30mlを滴下し、反応を終了した。分液後、有機層は10%塩酸水溶液で中和し、その後、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、有機層を濃縮することで、2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−1−ナフトエ酸メチルエステルを淡褐色油状物として7.53g得た(収率=91%)。得られた2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−1−ナフトエ酸メチルエステルは、そのまま精製せずに次の反応に用いた。
【0027】
次に、300mlナス型フラスコに、2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−1−ナフトエ酸メチルエステル 7.53g(22.5mmol)、4−クロロ−フェニルボロン酸 3.85g(23.4mmol)、テトラハイドロフラン45ml、20重量%の炭酸ナトリウム水溶液35.8gを仕込み、窒素気流下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.13g(0.11mmol)を加えた後、15時間加熱還流した。常法処理の後、得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル混合溶液で再結晶することにより、2−(4−クロロフェニル)−1−ナフトエ酸メチルエステルを無色板状晶として2.79g得た(収率=42%,融点=102−104℃)。化合物の同定は、H−NMR測定、13C−NMR測定、FDMS測定により行った。
【0028】
H−NMR(CDCl) ; 7.87−7.96(m,3H), 7.40−7.57(m,7H), 3.73(s,3H)
13C−NMR(CDCl) ; 169.78, 139.36, 136.72, 133.85, 132.44, 130.13, 129.87, 128.68, 128.19, 127.66, 127.09, 126.60, 125.13, 52.43
FDMS:296
実施例1 (9−クロロベンゾ[a]フルオレン−11−オンの合成)
100mlナス型フラスコに、合成例1で得られた2−(4−クロロフェニル)−1−ナフトエ酸メチルエステル 1.0g(3.38mmol)、ポリ燐酸25.0gを仕込み、130℃で21時間加熱攪拌した。反応液を冷却した後、トルエン80mlと水50mlを加えて分液した。得られた有機層は、中性になるまで水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、有機層を濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルで再結晶することにより、赤褐色針状結晶として0.639g得た(収率=72%,融点=188−190℃)。図1にH−NMRチャートを示す。
【0029】
H−NMR(CDCl) ; 8.85(d,1H,J=8.2Hz), 7.93(d,1H,J=8.4Hz), 7.73(d,1H,J=8.6Hz), 7.32−7.59(m,6H)
13C−NMR(CDCl) ; 117.88, 120.81, 124.12, 124.18, 126.56, 126.65, 128.50, 129.60, 130.00, 133.41, 134.28, 135.11, 135.99, 136.17, 141.85, 145.29, 193.56
FDMS:264
実施例2 (9−クロロベンゾ[c]フルオレン−7−オンの合成)
2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸メチルエステルを1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル 5.0gに代えて、合成例1に準じて、1−(4−クロロフェニル)−2−ナフトエ酸メチルエステルを合成した。
【0030】
次に、2−(4−クロロフェニル)−1−ナフトエ酸メチルエステルを上記の方法により合成したクルードの1−(4−クロロフェニル)−2−ナフトエ酸メチルエステル 1.0gに代えて、実施例1に準じて合成したところ、9−クロロベンゾ[c]フルオレン−7−オンを0.51g得た(収率=57%)。化合物の同定は、FDMS(m/e=264)により行った。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施例1で得られた9−クロロベンゾ[a]フルオレン−11−オンのH−NMRチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)又は(2)で表されるベンゾフルオレノン誘導体。
【化1】

(式中、Xはハロゲン原子を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコシキ基、ハロゲン原子、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基又はアミノ基を表す)
【請求項2】
下記一般式(3)又は(4)で表されるフェニルナフタレン誘導体を酸触媒存在下に反応させ、閉環させることを特徴とする請求項1に記載のベンゾフルオレノン誘導体の製造方法。
【化2】

(式中、R,Rは各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコシキ基、ハロゲン原子、炭素数6〜12のアリール基、炭素数4〜12のヘテロアリール基又はアミノ基を表す)

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−114114(P2009−114114A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288136(P2007−288136)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】