説明

ベンダムスチン遊離塩基の新規の形態

アモルファスベンダムスチン遊離塩基、6つの無水結晶形態、4つの水和物形態、および5つの溶媒和物形態を含む、ベンダムスチン遊離塩基の新規の多形形態が記載されており、これらの調製および使用方法も記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンダムスチン遊離塩基含有組成物、ベンダムスチン遊離塩基を含む医薬組成物、これらを再現性よく製造する方法、およびこれらを用いた患者の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
活性医薬品成分(API)は、様々な異なる形態(例えば、化学誘導体、溶媒和物、水和物、共結晶、または塩)で調製することができる。またAPIはアモルファスであってもよいし、異なる結晶多形を有していてもよいし、あるいは異なる溶媒和または水和状態で存在してもよい。APIの形態を変化させることによって、その物理特性を変えることが可能である。例えば、結晶多形は通常、異なる溶解度を有し、熱力学的により安定な多形は、熱力学的により不安定な多形よりも溶解性が低い。また多形は、貯蔵寿命、生物学的利用能、モルホロジー、蒸気圧、密度、色、および圧縮率などの特性も異なり得る。従って、APIの結晶状態の変化は、その物理特性および薬理学的特性を調節する多数の方法のうちの1つである。
【0003】
ベンダムスチン、4−{5−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−1−メチル−2−ベンゾイミダゾリル}酪酸:
【化1】

は1963年にドイツ民主共和国(GDR)で最初に合成され、1971年〜1992年にそこで塩酸塩として商品名Cytostasan(登録商標)で入手可能であった。その時以来、独国において商品名Ribomustin(登録商標)で市販されている。Ribomustin(登録商標)は、アモルファス非結晶性粉末である。注射用のベンダムスチン塩酸塩は、米国において、商品名Treanda(登録商標)で入手可能である。
【0004】
ベンダムスチンは、慢性リンパ性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、および乳癌などの疾患の治療において治療的有用性を有することが示されているアルキル化剤である。これは、ベンダムスチン塩酸塩の凍結乾燥ケークとして供給される。治療の直前に、凍結乾燥ケークは、薬学的に許容可能な希釈剤、好ましくは注射用塩化ナトリウム中に溶解される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、注射可能な組成物は、対イオンが引き起こし得るあらゆる副作用を最小限にするために、塩形態よりも遊離塩基形態として供給されるのが望ましい。しかしながら、前述のベンダムスチン遊離塩基の形態は不安定であり、商業的な調製、流通、および投与のために適切ではなかった。結果として、ベンダムスチン遊離塩基の安定な形態が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ベンダムスチン遊離塩基の15個の新規の結晶性多形形態が本明細書に記載されている。記載されるベンダムスチン遊離塩基の多形形態のうちの1つまたは複数を含む医薬組成物、ならびにアモルファスベンダムスチン遊離塩基をさらに含む医薬組成物も記載されている。記載される形態の使用方法と、例えば白血病、リンパ腫、骨髄腫、および乳癌などの治療のための組成物も記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ベンダムスチン遊離塩基形態1のX線粉末回折図(X−Ray Powder Diffractogram)(XRPD)スペクトルである。
【図1A】形態1についての示差走査熱量測定/熱重量分析(DSC/TGA)のオーバーレイデータである。
【図2】ベンダムスチン遊離塩基形態2のXRPDスペクトルである。
【図3】ベンダムスチン遊離塩基形態2についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図4】ベンダムスチン遊離塩基形態3のXRPDスペクトルである。
【図5】ベンダムスチン遊離塩基形態3についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図6】ベンダムスチン遊離塩基形態4のXRPDスペクトルである。
【図7】ベンダムスチン遊離塩基形態5のXRPDスペクトルである。
【図8】ベンダムスチン遊離塩基形態5についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図9】ベンダムスチン遊離塩基形態6のXRPDスペクトルである。
【図10】ベンダムスチン遊離塩基形態6についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図11】ベンダムスチン遊離塩基形態7のXRPDスペクトルである。
【図12】ベンダムスチン遊離塩基形態7についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図13】ベンダムスチン遊離塩基形態8のXRPDスペクトルである。
【図14】ベンダムスチン遊離塩基形態8についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図15】ベンダムスチン遊離塩基形態9のXRPDスペクトルである。
【図16】ベンダムスチン遊離塩基形態9についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図17】ベンダムスチン遊離塩基形態10のXRPDスペクトルである。
【図18】ベンダムスチン遊離塩基形態10についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図19】ベンダムスチン遊離塩基形態11のXRPDスペクトルである。
【図20】ベンダムスチン遊離塩基形態11についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図21】ベンダムスチン遊離塩基形態12のXRPDスペクトルである。
【図22】ベンダムスチン遊離塩基形態12についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図23】ベンダムスチン遊離塩基形態13のXRPDスペクトルである。
【図24】ベンダムスチン遊離塩基形態13についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図25】ベンダムスチン遊離塩基形態14のXRPDスペクトルである。
【図26】ベンダムスチン遊離塩基形態14についてのDSC/TGAデータのオーバーレイである。
【図27】ベンダムスチン遊離塩基形態15のXRPDスペクトルである。
【図28】ベンダムスチン遊離塩基形態15のTGAデータであり、サンプルサイズは1.4590mgであり、周囲温度から200℃まで10℃/分で実行される。
【図29】ベンダムスチン遊離塩基形態15のHNMRである。
【図30】形態3の可変温度XRPDである。
【図31】アモルファスベンダムスチン遊離塩基のXPPDスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ベンダムスチン遊離塩基の安定な形態が今では発見された。本明細書には、ベンダムスチン遊離塩基の4つの水和物形態(形態3、形態5、形態13、形態14)および4つの溶媒和物形態(形態8、形態9、形態11、形態12、形態15)と共に、無水ベンダムスチン遊離塩基の6つの多形形態(形態1、形態2、形態4、形態6、形態7、形態10)が記載されている。アモルファスベンダムスチン遊離塩基も本発明の範囲内にある。
【0009】
好ましい実施形態は、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、またはこれらの混合物であるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態である。これらの多形は、X線粉末回折によって同定し、それぞれの多形形態の特徴である1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれより多い反射ピークによって特徴付けることができる。また15個の結晶多形(形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15)は、図1〜29に示されるこれらのX線粉末回折図(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)サーモグラム、熱重量分析(TGA)サーモグラム、および/または重量蒸気吸着(Gravimetric Vapor Sorption)(GVS)トレースを参照することによって同定することもできる。各多形または多形の混合物の製造方法は、本明細書に記載される技術を用いて実施することができる。
【0010】
本発明の別の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、またはこれらの混合物を含む医薬組成物である。本発明の他の実施形態は、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、または形態15のうちの1つまたは複数を、アモルファス(すなわち、非結晶性)ベンダムスチンと共に含む医薬組成物である。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基の形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、またはこれらの混合物と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤またはキャリアとを含む医薬組成物である。本発明の他の実施形態は、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、または形態15のうちの1つまたは複数およびアモルファス(すなわち、非結晶性)ベンダムスチンと、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤またはキャリアとを含む医薬組成物である。
【0012】
熱分析(DSC、TGA/MS)およびX線回折などの技術は、異なる結晶形態のキャラクタリゼーションおよび定量化の両方のために十分に確立されている。全ての異なる結晶形態を適切に特徴付けるために補足的な分析技術を使用すべきであることは、一般的に認められている。溶媒、結晶化方法および温度の効果を調査し、ベンダムスチン遊離塩基の多形および溶媒和物を同定および特徴付けするために、一連の結晶化実験を実施した。
【0013】
形態1のベンダムスチン遊離塩基は、2−ブタノン、アセトニトリル、シクロヘキサン、酢酸エチル、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸n−ブチル、プロピオニトリル、またはテトラヒドロピラン中で形態2のベンダムスチン遊離塩基をスラリー化し、サンプルを加熱し、サンプルを徐冷し、固体を単離することによって調製することができる。あるいは、形態1のベンダムスチン遊離塩基は、1−ブタノール、1,4−ジオキサン、1−プロパノール、アセトン、クロロホルム、シクロヘキサン、エタノール、メチルイソブチルケトン、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸n−ブチル、プロピオニトリル、テトラヒドロピラン、またはトルエン中で形態2のベンダムスチン遊離塩基をスラリー化することによって調製することができる。サンプルを50℃および5℃における交互の4時間周期で48時間スラリー化し、固体を単離した。結晶形態1のX線回折パターン特徴は、表1および図1に示される。
【0014】
【表1】

【0015】
形態2のベンダムスチン遊離塩基は、ベンダムスチン塩酸塩から調製することができる。ベンダムスチン塩酸塩の水溶液をNaOH(水中に1M)で処理することにより、形態2のベンダムスチン遊離塩基が沈殿し、沈殿物をろ過して、形態2を単離することができる。結晶形態2のX線回折パターン特徴は、表2および図2に示される
【0016】
【表2】

【0017】
形態3のベンダムスチン遊離塩基は、ベンダムスチンエチルエステルの塩基介在の加水分解によって得ることができる。結晶形態3のX線回折パターン特徴は、表3および図4に示される。
【0018】
【表3】

【0019】
形態4のベンダムスチン遊離塩基は、形態3のベンダムスチン遊離塩基を0%の相対湿度にさらすことによって得ることができる。結晶形態4のX線回折パターン特徴は、表4および図6に示される。
【0020】
【表4】

【0021】
形態5のベンダムスチン遊離塩基は、形態3のベンダムスチン遊離塩基を約85%の相対湿度に約1日間さらすことによって得ることができる。結晶形態5のX線回折パターン特徴は、表5および図7に示される。
【0022】
【表5】

【0023】
形態6のベンダムスチン遊離塩基は、1−ブタノールまたは1−プロパノール中で形態3のベンダムスチン遊離塩基をスラリー化し、サンプルを加熱し、サンプルを徐冷し、次に固体を単離することによって調製することができる。あるいは、形態6のベンダムスチン遊離塩基は、1−ブタノール中で形態3のベンダムスチン遊離塩基をスラリー化し、サンプルを50℃および5℃における交互の4時間周期にさらし、固体を単離することによって調製することができる。結晶形態6のX線回折パターン特徴は、表6および図9に示される。
【0024】
【表6】

【0025】
形態7のベンダムスチン遊離塩基は、N,Nジメチルホルムアミドまたは酢酸イソプロピル中で形態3のベンダムスチン遊離塩基をスラリー化することによって調製することができる。サンプルを加熱し、徐冷し、固体を単離した。あるいは、形態7のベンダムスチン遊離塩基は、N,Nジメチルホルムアミド中で形態3のベンダムスチン遊離塩基をスラリー化し、サンプルを50℃および5℃における交互の4時間周期にさらし、固体を単離することによって調製することができる。結晶形態7のX線回折パターン特徴は、表7および図11に示される。
【0026】
【表7】

【0027】
形態8のベンダムスチン遊離塩基は、エタノール中で形態3のベンダムスチン遊離塩基をスラリー化し、サンプルを50℃および5℃における交互の4時間周期にさらし、固体を単離することによって調製することができる。結晶形態8のX線回折パターン特徴は、表8および図13に示される。
【0028】
【表8】

【0029】
形態9のベンダムスチン遊離塩基は、3−ペンタノン中の形態2のベンダムスチン遊離塩基を加熱し、サンプルを徐冷し、固体を単離することによって調製することができる。結晶形態9のX線回折パターン特徴は、表9および図15に示される。
【0030】
【表9】

【0031】
形態10のベンダムスチン遊離塩基は、トルエン中の形態2のベンダムスチン遊離塩基を加熱し、サンプルを徐冷し、固体を単離することによって調製することができる。結晶形態10のX線回折パターン特徴は、表10および図17に示される。
【0032】
【表10】

【0033】
形態11のベンダムスチン遊離塩基は、1−ブタノール、1,4−ジオキサン、または酢酸イソプロピル中の形態3のベンダムスチン遊離塩基を周囲温度で約48時間スラリー化し、固体を単離することによって調製することができる。結晶形態11のX線回折パターン特徴は、表11および図19に示される。
【0034】
【表11】

【0035】
形態12のベンダムスチン遊離塩基は、N,Nジメチルホルムアミド中で形態3のベンダムスチン遊離塩基を周囲温度で約48時間スラリー化し、固体を単離することによって調製することができる。結晶形態12のX線回折パターン特徴は、表12および図21に示される。
【0036】
【表12】

【0037】
形態13は、メチルtert−ブチルエーテルまたは3−ペンタノン中の形態3のベンダムスチン遊離塩基を加熱し、サンプルを徐冷し、固体を単離することによって調製することができる。結晶形態13のX線回折パターン特徴は、表13および図23に示される。
【0038】
【表13】

【0039】
形態14のベンダムスチン遊離塩基は、アセトロニトリル(acetronitrile)中の形態3のベンダムスチン遊離塩基を周囲温度で約48時間スラリー化し、固体を単離することによって調製することができる。結晶形態14のX線回折パターン特徴は、表14および図25に示される。
【0040】
【表14】

【0041】
形態15のベンダムスチン遊離塩基は、テトラヒドロフラン中で形態1のベンダムスチン遊離塩基を再結晶させ、固体を単離することによって調製することができる。結晶形態15のX線回折パターン特徴は、表15および図27に示される。
【0042】
【表15】

【0043】
アモルファス非結晶性ベンダムスチン遊離塩基を含む医薬組成物も本発明の範囲内である。ベンダムスチン遊離塩基は、主にベンダムスチン遊離塩基のアモルファス形態からなる組成物として、あるいはアモルファスベンダムスチン遊離塩基と、結晶性ベンダムスチン遊離塩基形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、またはこれらの混合物などの少なくとも1つの結晶形態とを含む組成物として提供され得る。
【0044】
好ましい実施形態では、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、または形態15のうちの少なくとも1つ、および場合によりアモルファスベンダムスチン遊離塩基と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。薬学的に許容可能な賦形剤は当該技術分野において知られており、例えば、米国特許出願第11/267,010号明細書に記載されるものが含まれる。これらの医薬組成物は、注射剤(液体溶液または懸濁液のいずれかとして)、および固体形態(例えば、カプセル、錠剤、ロゼンジ、トローチ、粉末、懸濁液など)として調製され得る。
【0045】
好ましい実施形態では、医薬組成物は、昇華、好ましくはフリーズドライまたは凍結乾燥された組成物である。他の実施形態では、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、またはこれらの混合物を含有するベンダムスチン遊離塩基のこのような昇華、好ましくはフリーズドライまたは凍結乾燥された調製物の調製方法が提供される。凍結乾燥は、化合物への水の添加と、その後、得られた懸濁液または溶液の凍結と、化合物からの水の昇華とを伴う。好ましい実施形態では、少なくとも1つの有機溶媒が懸濁液/溶液に添加される。他の好ましい実施形態では、懸濁液/溶液はさらに凍結乾燥賦形剤を含む。本発明のベンダムスチン遊離塩基の凍結乾燥調製物は、さらに、アモルファスベンダムスチン遊離塩を含んでいてもよい。
【0046】
典型的な凍結乾燥手順では、水、薬学的に許容可能な凍結乾燥賦形剤、有機溶媒、およびベンダムスチン遊離塩基は、好ましくは滅菌条件下で混ぜ合わせられ、溶液を形成する。好ましくは、溶液は、ろ過によって調製および滅菌される。次に、この溶液は、標準の滅菌凍結乾燥装置を用いて凍結乾燥される。
【0047】
本発明の好ましい実施形態はベンダムスチン遊離塩基の凍結乾燥を含むが、他の昇華技術も使用され得ると想定される。例えば、記載されるベンダムスチン遊離塩基の形態のうちの1つまたは複数が溶媒中に溶解、分散または懸濁され、得られた混合物(溶液、分散液または懸濁液である)が凍結され、昇華によって溶媒が除去され得る。
【0048】
凍結乾燥賦形剤は、凍結乾燥過程の間に使用されると、改善された特性(例えば、改善された取扱特性、溶解度特性など)を有する凍結乾燥生成物をもたらす任意の薬学的に許容可能な賦形剤であり得る。凍結乾燥賦形剤は、例えば、増量剤であり得る。適切な増量剤は当該技術分野で知られている。適切な凍結乾燥賦形剤の例としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、グリシン、マンニトール、ラクトース、スクロース、マルトース、グリセリン、デキストロース、デキストラン、トレハロース、ヘタスターチ、またはこれらの混合物が挙げられる。また凍結乾燥賦形剤は、例えば、アスコルビン酸、アセチルシステイン、システイン、亜硫酸水素ナトリウム、ブチル−ヒドロキシルアニソール、ブチル−ヒドロキシトルエン、または酢酸α−トコフェロールなどの薬学的に許容可能な酸化防止剤を含んでもよい。好ましい凍結乾燥賦形剤はマンニトールである。
【0049】
本発明において使用するための溶媒には、ベンダムスチンを感知できるほどに劣化させることなくベンダムスチン遊離塩基との安定な溶液を形成し、凍結乾燥によって除去することができる水および有機溶媒が含まれる。適切な有機溶媒の例としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、またはこれらの混合物が挙げられる。好ましい有機溶媒はtert−ブタノールである。
【0050】
また、例えば慢性リンパ性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、または乳癌などの疾患を本発明の医薬組成物により治療する方法も本発明の範囲内にある。特定の実施形態では、本方法は、治療的に有効な量の本発明の医薬組成物を患者に直接投与することを含む。他の実施形態では、本方法は、投与の前に水または別の溶媒中に組成物を溶解するなどによって、投与の前に本発明の医薬組成物を変更することを含む。これらの実施形態では、本方法は、本発明の医薬組成物から調製される治療的に有効な量の調製物を患者に投与することを含む。好ましくは、調製物は注射可能な調製物である。注射可能な調製物は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、病巣内、頭蓋内に、あるいは点滴によって投与することができる。本発明の組成物および注射可能な調製物を用いる治療に従うその他の状態には、小細胞肺癌、過剰増殖性障害、ならびに関節リウマチ、多発性硬化症、およびループスなどの自己免疫疾患が含まれる。
【0051】
本明細書に記載される注射可能な調製物は、当該技術分野において知られている技術に従って処方された、例えば注射可能な滅菌の水性または油性懸濁液のような、注射可能な滅菌調製物の形態である。通常、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、またはアモルファスベンダムスチン遊離塩基のうちの少なくとも1つを含有する本発明の医薬組成物は、例えば、50mLのバイアルにつき100mgの薬物を含有するバイアルにおいて提供され得る凍結乾燥粉末として処方される。注射可能な調製物は、フリーズドライまたは凍結乾燥組成物を注射用滅菌水により再構成し、次に、例えば、0.9%の塩化ナトリウム、水中5%のデキストロース(D5W)、乳酸リンゲル溶液、または0.45%の塩化ナトリウム/2.5%のデキストロースなどの薬学的に許容可能な静脈注射溶液によりさらに希釈することによって調製することができる。
【0052】
好ましくは、本明細書に記載されるベンダムスチン遊離塩基の医薬組成物は、例えば滅菌水によって、約20分足らずで注射可能な調製物に再構成される。より好ましくは、再構成は、約10分足らずで、最も好ましくは約5分足らずで生じる。
【0053】
典型的な再構成過程は、20mLの注射用滅菌水によって100mgのベンダムスチン遊離塩基を再構成(好ましくは無菌的に)することを含むであろう。これにより、5mg/mLのベンダムスチン濃度を有する透明の無色〜淡黄色の溶液が得られる。凍結乾燥ベンダムスチン遊離塩基が再構成されている場合、ベンダムスチン遊離塩基は、約5分以内に完全に溶解しなければならない。必要用量のために必要な体積(5mg/mLの濃度に基づいて)は、注射用の0.9%の塩化ナトリウム(または他の薬学的に許容可能な静脈注射溶液)の500mLの点滴バッグに、無菌的に回収および移動することができる。好ましくは、再構成された溶液は再構成の30分以内に点滴バッグに移動される。移動の後、点滴バッグの内容物は十分に混合される。静脈点滴による投与は、通常、約30〜約60分の期間にわたって提供される。
【0054】
本発明の医薬組成物は1つまたは複数の抗悪性腫瘍薬と併用して投与され得ることが想定されており、ここで、抗悪性腫瘍薬は、本発明の組成物の投与の前、同時、または後に与えられる。薬学的に許容可能な抗悪性腫瘍薬は当該技術分野において知られている。好ましい抗悪性腫瘍薬は、2006年1月12日に出願された同時係属中の米国特許出願第11/330,868号明細書(参照によってその全体が本明細書に援用される)に開示されるものである。
【0055】
ベンダムスチンの治療的に有効な量は、従来の技術の使用によって、担当診断医により容易に決定することができる。有効な用量は、疾患または障害の型および進行の程度、特定の患者の全般的な健康、ベンダムスチンの生物学的効力、ベンダムスチンの処方、ならびにベンダムスチンの形態の投与経路を含む多数の因子に応じて変わり得る。またベンダムスチンは、より低い投薬量レベルで投与し、所望の効果が得られるまで徐々に増加させることもできる。
【0056】
用語法
「多型」は、本明細書で使用される場合、同一分子に対する異なる結晶配置の存在であると定義される。「溶媒和物」は、本明細書で使用される場合、溶媒分子、例えば、水、エタノール、3−ペンタノン、酢酸エチル、ジクロロメタン、ジエチルエーテルなどを結晶構造内に含有する結晶材料である。「溶媒」という用語は、本明細書で使用される場合、別の物質(通常は、固体)を完全または部分的に溶解させることができる物質(通常は、液体)を意味する。本明細書で記載される実験では、以下の溶媒を用いた。
【0057】
【表16】

【0058】
「結晶性」という用語は、本明細書で使用される場合、分子または外部平面の規則的な反復配置を有することを意味する。「非結晶性」は、本明細書で使用される場合、検出可能な分子または外部平面の規則的な反復配置を有さないアモルファス材料を指す。
【0059】
「結晶性組成物」という用語は、本明細書で使用される場合、X線粉末回折により分析されたときに特徴的なピークパターンを提供する固体化合物または化合物の混合物を指し、これには、多形、溶媒和物、水和物、共結晶、および脱溶媒和された溶媒和物が含まれるが、これらに限定されない。
【0060】
「単離する」という用語は、本明細書で使用される場合、溶媒から化合物を分離して固体、半固体またはシロップを提供することを意味する。これは、通常、遠心分離、ろ過(真空を用いても用いなくても)、正圧下におけるろ過、蒸留、蒸発またはこれらの組み合わせなどの手段によって達成される。単離は、精製(この間に、単離物の化学的純度、キラル純度、または化学的およびキラル純度が増大される)を伴ってもよいし、伴わなくてもよい。精製は、通常、結晶化、蒸留、抽出、酸性、塩基性または中性のアルミナによるろ過、酸性、塩基性または中性の木炭によるろ過、キラル固定相が充填されたカラムにおけるカラムクロマトグラフィ、多孔質紙、プラスチックまたはガラスバリアによるろ過、シリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、再結晶、順相高速液体クロマトグラフィ、逆相高速液体クロマトグラフィ、研和(trituration)などの手段によって行われる。
【0061】
「薬学的に許容可能な賦形剤」という用語は、本明細書で使用される場合、薬学的使用のために許容可能な任意の全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌および抗真菌薬、等張および吸収遅延剤など、例えば、米国食品医薬品局(U.S.Food and Drug Administration)によって安全であると認められる(Generally Regarded as Safe)(GRAS)状態と合致するものを含む。薬剤活性物質のためにこのような媒体および薬剤を使用することは、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,第20版、Gennaro,A.R.編、Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,PA,2000年のように当該技術分野においてよく知られている。従来の媒体または薬剤が活性成分と不適合である場合を除いて、治療組成物におけるその使用が考慮される。補足的な活性成分を組成物中に取り込むこともできる。
【0062】
「溶液」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの溶媒と、溶媒中に少なくとも部分的に溶解した少なくとも1つの化合物とを含有する混合物を指す。
【0063】
「昇華」という用語は、本明細書で使用される場合、中間の液体段階を伴わない固相から気相への転移を指す。
【0064】
「実質的に含まない」という用語は、ベンダムスチンの特定の形態を含有するがこの化合物の他の形態を「実質的に含まない」組成物に関して本明細書で使用される場合、記載される形態が、10%未満、好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満の記載されるベンダムスチンの他の形態と関連することを意味する。
【0065】
「治療的に有効な量」という用語は、本明細書で使用される場合、所与の投与経路に対して確立された薬物動態学的方法および技術に従って測定される場合に、所与の薬物に関連する対象とされる生理学的効果を生じるために必要であると決定された量を指す。適切で特定の治療的に有効な量は、従来の技術の使用によって、当業者としての担当診断医により容易に決定することができる。有効な用量は、疾患または障害の型および進行の程度、特定の患者の全般的な健康状態、選択される化合物の相対的な生物学的効力、適切な賦形剤による活性剤の処方、ならびに投与経路を含む多数の因子に応じて変わるであろう。
【0066】
実験セクション
計測手段
X線粉末回折
PANalytical X Pert Pro
粉末X線回折パターンは、40kVおよび40mAにおけるCuKα放射を用いるX celerator検出器を備えたPANalytical X Pert Pro回折計において記録した。Kα1放射は、高配向結晶(Ge111)入射ビームモノクロメーターを用いて得られる。10mmのビームマスク、ならびに固定(1/4°)発散および散乱防止(1/8°)スリットを入射ビーム側に挿入した。回折ビーム側には0.10mmの固定受光スリットを挿入した。0.0080°のステップサイズおよび96.06秒の計数時間(約0.5°/分の走査速度をもたらす)を用いて、X線粉末パターン走査を約2〜40°2θで収集した。測定のためにサンプルをシリコンゼロバックグラウンド(zero background)(ZBG)プレート上に広げた。PANalytical PW3064 Spinnerにおいてサンプルを4°/分で回転させた。データ収集の前のSi参照基準の測定によって2θおよび強度の値が得られ、これらは、十分に28.44<2θ<28.50の許容差の範囲内であり、150cpsの最小ピーク高さよりも著しく大きかった。
【0067】
Bruker AXS/Siemens D5000
X線粉末回折パターンは、CuKa放射(40kV、40mA)、600nmのゴニオメーター、自動発散および受光スリット、黒鉛二次モノクロメーターおよびシンチレーションカウンターを用いて、Siemens D5000回折計において収集した。機器は、認定されたコランダム基準(NIST 1976)を用いて性能検査される。
【0068】
周囲条件
周囲条件下で実行されるサンプルは、入手した粉末をそのまま用いて、平板検体として調製した。約35mgのサンプルを研磨したゼロバックグラウンド(510)シリコンウェハに切り込まれたキャビティ内に静かに充填し、MYLAR(登録商標)カバーをサンプル上に配置した。分析の間、サンプルをその固有の平面で回転させた。
【0069】
Bruker AXS C2 GADDS
X線粉末回折パターンは、CuKa放射(40kV、40mA)、自動XYZステージ、オートサンプルポジショニングのためのレーザービデオ顕微鏡、およびHiStar 2次元領域検出器を用いて、Bruker AXS C2 GADDS回折計において収集した。X線光学系は、0.3mmのピンホールコリメータに連結された単一のGoebel多層鏡からなる。ビームの発散、すなわち、サンプル上のX線ビームの有効サイズは、約5mmであった。θ−θ連続走査モードを用い、サンプル−検出器間の距離は20cmであり、3.2°〜29.7°の有効2θ範囲が得られた。通常、サンプルはX線ビームに120秒間露光され得る。
【0070】
周囲条件
周囲条件下で実行されるサンプルは、入手した粉末を粉砕せずにそのまま用いて、平板検体として調製した。約1〜2mgのサンプルをガラススライド上で軽く押圧力して、平らな表面を得た。
【0071】
可変温度X線粉末回折(VT−XRPD)
可変温度の研究は、Anton Paar TCU100温度制御装置によるコンピュータ制御の下、Anton Paar TTK450温度チャンバを用いて実施した。通常、カメラを通して窒素を流して測定を行った。2つの測定スキーム(制限および連続)を使用した。制限モードでは、TK450チャンバが要求された温度に到達した後にだけ測定を行った。連続モードでは、サンプルを10℃/分で加熱し、温度が変化するにつれて高速走査を測定した。あらかじめ選択された温度に到達したら、サンプルを35℃/分で冷却した。冷却中の変化をモニターするために、高速走査を再度測定した。25℃において、低速走査を測定した。選択される温度は、DSCの結果に基づいた。回折計の設定については、10mmのビームマスク、0.04ラジアンのSollerスリットおよび固定(1/4°)発散および散乱防止(1/8°)スリットを入射ビーム側に挿入した。0.10mmの固定受光スリット、0.04ラジアンのSollerスリットおよび0.02mmのニッケルフィルタを回折ビーム側に挿入した。0.0080°のステップサイズおよび100.97秒の計数時間(約0.5°/分の走査速度をもたらす)を用いて、低速走査を約3〜30°2θで収集した。0.0167°のステップサイズおよび1.905秒の計数時間(約44°/分の走査速度をもたらす)を用いて、高速走査を約3〜30°2θで収集した。窒素ガスの供給を止めると共に、カメラを周囲条件に戻した。周囲の状態の湿度は、実験室内の湿度(通常、30〜40%)およびカメラ内の温度と共に変化する。温度が上昇するにつれて、相対湿度は降下するであろう。
【0072】
示差走査熱量測定(DSC)
熱曲線は、分析の前にインジウムにより較正されたPyrisソフトウェアバージョン6.0を実行するオートサンプラーを備えたPerkin−Elmer Sapphire DSC装置を用いて獲得した。1〜11mgの固体サンプルを20μLのアルミニウム製オープンサンプルパン内に秤量した。次に、DSCセルを窒素でパージし、温度を0°から275℃まで10℃/分で加熱した。
【0073】
熱重量質量分析−(TGA/MS)
熱曲線は、シュウ酸カルシウム一水和物により較正されたPyrisソフトウェアバージョン6.0を実行するPerkin−Elmer Pyris 1 TGA装置を用いて獲得した。約50mL/分でヘリウムをパージした加熱炉内で25°から300℃まで10℃/分で加熱したときの重量損失パーセントについて、1〜5mgの間のTGAサンプルをモニターした。調査した温度範囲にわたって気体の分解生成物の放出を同時に追跡するために、熱天秤をThermoStar Mass Spectrometer(Asslar,独国)に接続した。気体の分解生成物を質量分析計内に導入するための移送ラインは、放出された気体の凝縮の可能性を回避するために200℃に温度制御された非活性化溶融シリカ製の毛細管であった。このようにして熱重量(TG)、および選択されたイオン種の質量分析のイオン強度曲線が同時に記録され得る。
【0074】
熱重量分析−(TGA)
TGAデータは、16位置のオートサンプラーを備えたTA Instruments Q500 TGAにおいて収集した。認定されたAlumelを用いて、機器を温度較正した。通常、予め風袋を差し引いた白金るつぼ上のピンホール付き密封アルミニウム製DSCパン内に1〜2mgの各サンプルを入れ、10℃/分で周囲温度から200℃まで加熱した。60ml/分の窒素パージをサンプル全体にわたって維持した。機器の制御ソフトウェアは、Thermal Advantage v4.6.6であり、Universal Analysis v4.3Aを用いてデータを分析した。
【0075】
HNMR
1HNMRスペクトルは、オートサンプラーを備え、DRX400コンソールにより制御されるBruker 400MHz機器において収集した。自動化された実験は、標準的なBruker搭載実験を用いてTopspin v 1.3(パッチレベル6)と共に実行されるICON−NMR v4.0.4(build 1)を用いて獲得した。非ルーチン的な分光法については、Topspinのみの使用によりデータを獲得した。他に記載されない限り、サンプルはd−DMSO中で調製した。オフライン分析は、ACD SpecManager v 9.09(build 7703)を用いて実行した。
【0076】
多形のスクリーニング
ベンダムスチン遊離塩基について結晶化の研究を実施し、24種の異なる溶媒中で多型を調査した。許容性(ICHクラス3および2)に基づき、幅広い誘電率、双極子モーメントおよび官能基を与えるように溶媒を選択した。ベンダムスチン遊離塩基の異なる形態を得るために、成熟、徐冷およびスラリー結晶化も用いた。可能な場合には、ベンダムスチン遊離塩基における多型スクリーニングの間に生成した新しい形態について、完全なキャラクタリゼーションを実施した。このキャラクタリゼーションは、X線粉末回折、熱分析、GVS、およびHPLCによる純度で構成した。
【0077】
成熟実験による結晶化
800μLの溶媒(25体積)中の約40mgのベンダムスチン遊離塩基(形態2のベンダムスチン遊離塩基または形態3のベンダムスチン遊離塩基)を24種の様々な溶媒中でスラリー化した。これらの混合物を、50℃および5℃における交互の4時間周期(−0.5℃/分)により48時間スラリー化した。固体材料をろ過により単離し、XRPDおよび熱分析により分析した。材料を40℃で3時間乾燥させた。結果は、以下の表16および表17に示される。
【0078】
【表17】

【0079】
【表18】

【0080】
徐冷による結晶化
800μLの溶媒(25体積)中の約40mgのベンダムスチン遊離塩基(形態2または形態3)を24種の様々な溶媒中でスラリー化した。サンプルを20℃から80℃まで4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に、ゆっくりとした速度(0.25℃/分)で5℃の最終温度まで冷却し、その温度で18時間保持した。各バイアルからの固体材料をろ過により単離し、XRPDおよび熱分析により評価した。材料を40℃で3時間乾燥させた。結果は、以下の表18および表19に示される。
【0081】
【表19】

【0082】
【表20】

【0083】
スラリー実験による結晶化
スラリー(400μL中40mgのベンダムスチン遊離塩基)を25℃で48時間振とうさせた。固体をろ過により単離し、40℃で3時間乾燥させた。単離した固体からのXRPD結果は表20に記録される。
【0084】
【表21】

【0085】
形態1
調製
徐冷実験
800μLの溶媒(20体積)中の約40mgの形態2のベンダムスチン遊離塩基を、2−ブタノン、アセトニトリル、シクロヘキサン、酢酸エチル、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸n−ブチル、プロピオニトリルおよびテトラヒドリピラン(tetrahydrypyran)中でスラリー化した。サンプルを20℃から80℃まで4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に、ゆっくりとした速度(0.25℃/分)で5℃の最終温度まで冷却し、その温度で18時間保持した。固体材料をろ過により単離し、40℃で3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0086】
成熟実験による結晶化
800μLの溶媒(20体積)中の約40mgの形態2のベンダムスチン遊離塩基を、1−ブタノール、1−4ジオキサン、1−プロパノール、アセトン、クロロホルム、シクロヘキサン、エタノール、メチルイソブチルケトン、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸n−ブチル、プロピオニトリル、テトラヒドロピランおよびトルエン中でスラリー化した。これらの混合物を50℃および5℃における交互の4時間周期(−0.5℃/分)で48時間スラリー化した。固体材料をろ過により単離し、40℃で3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0087】
結晶形態1のX線回折パターン特徴は、表1(上記)および図1に示される。
【0088】
熱分析による形態1のキャラクタリゼーション
形態1は、約142.3℃において単一のピークを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は114.3J/gである。TGAにより質量損失は検出されない。TGAにより重量の損失が検出されなかった(図1A)ので、脱溶媒和過程の存在は無視した。
【0089】
形態2
調製
徐冷実験
1.08gのベンダムスチン塩酸塩を100mLの脱イオン水中に溶解した。1モル等量のNaOH(水中1モル濃度)を液滴で添加し、沈殿を生じさせた。次に、ろ過によって固体を迅速に単離し、2回分の脱イオン水および2回分のヘプタンによりフィルタ上で洗浄し、過剰の水を除去した。固体を真空下、周囲温度において18時間乾燥させた。752mgの固体が得られ、XRPDにより分析した。
【0090】
結晶形態2のX線回折パターン特徴は、表2(上記)および図2に示される。
【0091】
熱分析による形態2のキャラクタリゼーション
形態2のベンダムスチン遊離塩基は、約132.8℃において単一のピークを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は89.1J/gである。TGAにより質量損失は検出されない。TGAにより重量の損失が検出されなかった(図3)ので、脱溶媒和過程の存在は無視した。
【0092】
形態3
調製
徐冷実験
ベンダムスチンのエチルエステルの塩基介在の加水分解によって、ベンダムスチン遊離塩基を調製した。加水分解が完了したら、反応混合物を塩酸水により中和した。pH6〜7付近で、固体として沈殿する生成物をろ過により捕集し、水で洗浄した。粗生成物をアセトン(20ml)およびメチルtert−ブチルエーテル(5ml)の混合物により研和した。ろ過の後、固体を60℃で乾燥させた。
【0093】
結晶形態3のX線回折パターン特徴は、表3(上記)および図4に示される。
【0094】
熱分析による形態3のキャラクタリゼーション
形態3は、約29.1および101.8において多数のオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は142.5および76.2J/gである(図23)。TGA実験により、20〜150℃の間で8.8%の平均重量が損失される。1モルのベンダムスチン遊離塩基による2モルの水の取り込みの理論値は9.1%(図5)である。
【0095】
形態4
固体−固体転移による調製
約100mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基を、25℃で30分間0%RHにさらした。結晶形態4のX線回折パターン特徴は、表4(上記)および図6に示される。
【0096】
形態5
固体−固体転移による調製
約100mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基を、25℃で1日間85%RHにさらした。結晶形態5のX線回折パターン特徴は、表5(上記)および図7に示される。
【0097】
熱分析による形態5のキャラクタリゼーション
形態5は、約25.9、82.6および123.0において多数のオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は255.1、20.6および23.4J/gである(図23)。TGA実験により、20〜150℃の間で15.6%の平均重量が損失される。1モルのベンダムスチン遊離塩基による4モルの水の取り込みの理論値は16.7%である(図8)。
【0098】
形態6
調製
徐冷実験
800μLの溶媒(20体積)中の約40mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基を1−ブタノールまたは1−プロパノール中でスラリー化した。サンプルを20℃から80℃まで4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に、ゆっくりとした速度(0.25℃/分)で5℃の最終温度まで冷却し、その温度で18時間保持した。固体材料をろ過により単離し、40℃で3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0099】
成熟実験による結晶化
800μLの溶媒(20体積)中の約40mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基を1−ブタノール中でスラリー化した。混合物を50℃および5℃における交互の4時間周期(−0.5℃/分)で48時間スラリー化した。固体材料をろ過により単離し、40℃で3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0100】
結晶形態6のX線回折パターン特徴は、表6(上記)および図9に示される。
【0101】
熱分析による形態6のキャラクタリゼーション
形態6は、約207.8℃において単一のオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は28.0J/gである。TGAにより質量損失は検出されない。TGAにより重量の損失が検出されなかった(図10)ので、脱溶媒和過程の存在は無視した。
【0102】
形態7
調製
徐冷実験
800μLの溶媒(20体積)中の約40mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基をN,Nジメチルホルムアミドまたは酢酸イソプロピル中でスラリー化した。サンプルを20℃から80℃まで4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に、ゆっくりとした速度(0.25℃/分)で5℃の最終温度まで冷却し、その温度で18時間保持した。固体材料をろ過により単離し、40℃で3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0103】
成熟実験による結晶化
800μLの溶媒(20体積)中の約40mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基をN,Nジメチルホルムアミド中でスラリー化した。これらの混合物を50℃および5℃における交互の4時間周期(−0.5℃/分)で48時間スラリー化した。固体材料をろ過により単離し、40℃で3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0104】
結晶形態7のX線回折パターン特徴は、表7(上記)および図11に示される。
【0105】
熱分析による形態7のキャラクタリゼーション
形態7は、約200.6℃において単一のオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は12.7J/gである。TGAにより質量損失は検出されない。TGAにより重量の損失が検出されなかった(図12)ので、脱溶媒和過程の存在は無視した。
【0106】
形態8
調製
成熟実験による結晶化
約40mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基を800μLのエタノール(20体積)中に添加した。混合物を50℃および5℃における交互の4時間周期(−0.5℃/分)で48時間スラリー化した。固体材料をろ過により単離し、40Cで3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0107】
結晶形態8のX線回折パターン特徴は、表8(上記)および図13に示される。
【0108】
熱分析による形態8のキャラクタリゼーション
形態8は、約77.6℃において単一のオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は94.6J/gである。形態8は、TGA実験において、20〜150℃の間で5.5%の平均重量を損失する。2モルのベンダムスチン遊離塩基による1モルのエタノールの取り込みの理論値は5.4%である(図14)。
【0109】
形態9
調製
徐冷実験
約40mgの形態2のベンダムスチン遊離塩基を800μLの3−ペンタノン(20体積)中に添加した。サンプルを20℃から80℃まで4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に、ゆっくりとした速度(0.25℃/分)で5℃の最終温度まで冷却し、その温度で18間保持した。固体材料をろ過により単離し、40Cで3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0110】
結晶形態9のX線回折パターン特徴は、表9(上記)および図15に示される。
【0111】
熱分析による形態9のキャラクタリゼーション
形態9は、約138.3℃において単一のオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は37.0J/gである。形態9は、TGA実験において、20〜140℃の間で5.5%の平均重量を損失する。4モルのベンダムスチン遊離塩基による1モルの3−ペンタノンの取り込みの理論値は5.7%である(図16)。
【0112】
形態10
調製
徐冷実験
約40mgの形態2のベンダムスチン遊離塩基を800μLのトルエン(20体積)中に添加した。サンプルを20℃から80℃まで4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に、ゆっくりとした速度(0.25℃/分)で5℃の最終温度まで冷却し、その温度で18時間保持した。固体材料をろ過により単離し、40Cで3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0113】
結晶形態10のX線回折パターン特徴は、表10(上記)および図17に示される。
【0114】
熱分析による形態10のキャラクタリゼーション
形態Iは、約109.3および144.9℃において2つのオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は5.6および98.3J/gである(図18)。TGAにより質量損失は検出されない。TGAにより重量の損失が検出されなかったので、脱溶媒和過程の存在は無視した。
【0115】
形態11
調製
スラリー実験による結晶化
400μLの1ブタノールまたは1−4ジオキサンまたは酢酸イソプロピル中の約40mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基を25℃で48時間攪拌した。ろ過により固体を単離し、40℃で3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0116】
結晶形態11のX線回折パターン特徴は、表11(上記)および図19に示される。
【0117】
熱分析による形態11のキャラクタリゼーション
形態11は、約30.5、70.9および112.3℃において多数のオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は49.3、51.0および74.9J/gである(図20)。
【0118】
形態12
調製
スラリー実験による結晶化
約40mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基を400μLのN,N−ジメチルホルムアミド中に添加した。スラリーを25℃で48時間攪拌した。ろ過により固体を単離し、40℃で3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0119】
結晶形態12のX線回折パターン特徴は、表12(上記)および図21に示される。
【0120】
熱分析による形態12のキャラクタリゼーション
形態12は、約56.8、72.0、111.5および206.7において多数のオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は3.3、1.6、1.7および13.2J/gである(図22)。
【0121】
形態13
調製
徐冷実験
800μLの溶媒(20体積)中の約40mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基をメチルtert−ブチルエーテル、3−ペンタノンおよび1−プロパノール中でスラリー化した。サンプルを20℃から80℃まで4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に、ゆっくりとした速度(0.25℃/分)で5℃の最終温度まで冷却し、その温度で18時間保持した。固体材料をろ過により単離し、40Cで3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0122】
結晶形態13のX線回折パターン特徴は、表13(上記)および図23に示される。
【0123】
熱分析による形態13のキャラクタリゼーション
形態13は、約93.4℃において単一のオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は118.2J/gである。TGA実験により、20〜150℃の間で9.4%の平均重量が損失される。1モルのベンダムスチン遊離塩基による2モルの水の取り込みの理論値は9.1%である(図24)。
【0124】
形態14
調製
スラリー実験による結晶化
400μLのアセトニトリル中の約40mgの形態3のベンダムスチン遊離塩基を25℃で48時間振とうさせた。ろ過により固体を単離し、40℃で3時間にわたって乾燥させた。材料をXRPDおよび熱分析により分析した。
【0125】
結晶形態14のX線回折パターン特徴は、表14(上記)および図25に示される。
【0126】
熱分析による形態14のキャラクタリゼーション
形態14は、約25.8、83.2および123.2において多数のオンセットを示し、融解エンタルピー(ΔHFus)は215.4、51.9および30.0J/gである。TGA実験により、20〜150℃の間で11.1%の平均重量が損失される。2モルのベンダムスチン遊離塩基による5モルの水の取り込みの理論値は11.2%である(図26)。
【0127】
形態15
調製
スラリー実験による結晶化
1.25mLのテトラヒドロフラン中の約25mgの形態1のベンダムスチン遊離塩基を50℃で溶解させた。周囲温度まで冷却すると沈殿が生じた。固体を単離し、XRPDにより迅速に分析した。
【0128】
結晶形態15のX線回折パターン特徴は、表15(上記)および図27に示される。
【0129】
熱重量分析による形態15のキャラクタリゼーション
熱重量分析は、ベンダムスチン遊離塩基のTHF溶媒和物と一致する(図28)。
【0130】
NMRによる形態15のキャラクタリゼーション
HNMRスペクトルにより、THF(0.05当量)が存在することが確認された(図29)。
【0131】
アモルファスベンダムスチン遊離塩基
調製
VT−XRPDによる形態3のキャラクタリゼーションの間に、アモルファスベンダムスチン遊離塩基が形成された。形態3について、25℃〜50℃の温度範囲で顕著な固体−固体転移は生じない。50℃〜66℃の温度範囲で、水和物の形態4への脱水が生じる。124℃〜133℃の温度範囲で結晶化度が消失する。図30。133℃の後、サンプルはアモルファス材料に転化する。図31。
【0132】
本発明第1の実施形態は、アモルファスベンダムスチン遊離塩基、ベンダムスチン遊離塩基形態1、ベンダムスチン遊離塩基形態2、ベンダムスチン遊離塩基形態3、ベンダムスチン遊離塩基形態4、ベンダムスチン遊離塩基形態5、ベンダムスチン遊離塩基形態6、ベンダムスチン遊離塩基形態7、ベンダムスチン遊離塩基形態8、ベンダムスチン遊離塩基形態9、ベンダムスチン遊離塩基形態10、ベンダムスチン遊離塩基形態11、ベンダムスチン遊離塩基形態12、ベンダムスチン遊離塩基形態13、ベンダムスチン遊離塩基形態14、ベンダムスチン遊離塩基形態15、またはこれらの混合物からなる群から選択されるベンダムスチン遊離塩基を含む医薬組成物を提供する。
【0133】
第2の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がアモルファスベンダムスチン遊離塩基である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0134】
第3の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態1である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0135】
第4の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態2である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0136】
第5の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態3である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0137】
第6の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態4である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0138】
第7の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態5である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0139】
第8の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態6である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0140】
第9の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態7である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0141】
第10の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態8である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0142】
第11の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態9である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0143】
第12の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態10である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0144】
第13の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態11である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0145】
第14の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態12である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0146】
第15の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態13である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0147】
第16の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態14である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0148】
第17の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態15である、第1の実施形態の医薬組成物を提供する。
【0149】
本発明の第18の実施形態はベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供し、前記ベンダムスチン遊離塩基は、ベンダムスチン遊離塩基形態1、ベンダムスチン遊離塩基形態2、ベンダムスチン遊離塩基形態3、ベンダムスチン遊離塩基形態4、ベンダムスチン遊離塩基形態5、ベンダムスチン遊離塩基形態6、ベンダムスチン遊離塩基形態7、ベンダムスチン遊離塩基形態8、ベンダムスチン遊離塩基形態9、ベンダムスチン遊離塩基形態10、ベンダムスチン遊離塩基形態11、ベンダムスチン遊離塩基形態12、ベンダムスチン遊離塩基形態13、ベンダムスチン遊離塩基形態14、ベンダムスチン遊離塩基形態15、またはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0150】
第19の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態1である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0151】
第20の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態2である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0152】
第21の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態3である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0153】
第22の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態4である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0154】
第23の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態5である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0155】
第24の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態6である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0156】
第25の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態7である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0157】
第26の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態8である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0158】
第27の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態9である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0159】
第28の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態10である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0160】
第29の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態11である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0161】
第30の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態12である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0162】
第31の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態13である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0163】
第32の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態14である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0164】
第33の実施形態は、ベンダムスチン遊離塩基がベンダムスチン遊離塩基形態15である、第18の実施形態の結晶形態を提供する。
【0165】
第34の実施形態は、アモルファスベンダムスチン遊離塩基をさらに含む、第18〜第33の実施形態のいずれかの結晶形態を提供する。
【0166】
本発明の第35の実施形態は、以下の反射:10.34、22.30、24.03、28.43、および29.50±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0167】
第36の実施形態は、以下の反射:16.69、20.53、および22.67±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第35の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0168】
本発明の第37の実施形態は、実質的に図1に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0169】
第38の実施形態は、第35〜第37の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0170】
本発明の第39の実施形態は、以下の反射:10.28、20.59、21.55、21.69、および24.78±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0171】
第40の実施形態は、以下の反射:12.54、13.51、15.40、および22.39±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第39の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0172】
本発明の第41の実施形態は、実質的に図2に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0173】
第42の実施形態は、第38〜第41の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0174】
本発明の第43の実施形態は、以下の反射:9.41、9.46、14.15、23.42、および23.65±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0175】
第44の実施形態は、以下の反射:14.15、18.78、および24.83±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第43の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0176】
本発明の第45の実施形態は、実質的に図4に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0177】
第46の実施形態は、第43〜第45の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0178】
本発明の第47の実施形態は、以下の反射:9.88、15.13、19.92、22.99、24.72、および24.98±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0179】
第48の実施形態は、以下の反射:19.44および20.70±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第47の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0180】
第49の実施形態は、実質的に図6に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0181】
第50の実施形態は、第47〜第49の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0182】
本発明の第51の実施形態は、以下の反射:8.94、13.39、16.04、21.31、および22.38±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0183】
第52の実施形態は、以下の反射:17.90、19.29、および25.37±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第51の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0184】
第53の実施形態は、実質的に図7に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0185】
第54の実施形態は、第51〜第53の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0186】
本発明の第55の実施形態は、以下の反射:8.67、18.15、20.94、22.55、および25.46±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0187】
第56の実施形態は、以下の反射:19.40、22.95、26.21、27.74、および34.62±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第55の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0188】
第57の実施形態は、実質的に図9に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0189】
第58の実施形態は、第55〜第57の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0190】
本発明の第59の実施形態は、以下の反射:8.51、17.97、21.25、28.09、および36.31±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0191】
第60の実施形態は、以下の反射:11.42、14.23、23.29、24.04、および28.09±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第59の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0192】
第61の実施形態は、実質的に図11に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0193】
第62の実施形態は、第59〜第61の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0194】
本発明の第63の実施形態は、以下の反射:9.34、10.45、11.17、15.32、22.48、24.98、および26.40±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0195】
第64の実施形態は、以下の反射:15.72、21.01、21.30、および30.87±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第63の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0196】
第65の実施形態は、実質的に図13に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0197】
第66の実施形態は、第63〜第65の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0198】
第67の実施形態は、以下の反射:4.44、13.34、16.73、19.54、および22.32±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0199】
第68の実施形態は、以下の反射:22.98、23.45、および24.80±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第67の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0200】
第69の実施形態は、実質的に図15に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0201】
第70の実施形態は、第67〜第69の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0202】
本発明の第71の実施形態は、以下の反射:16.82、16.93、17.06、19.68、19.83、22.87、24.24、28.63、および29.72±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0203】
第72の実施形態は、以下の反射:16.13、25.75、および37.71±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第71の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0204】
第73の実施形態は、実質的に図17に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0205】
第74の実施形態は、第71〜第73の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0206】
本発明の第75の実施形態は、以下の反射:8.90、9.28、13.94、22.36、および23.33±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0207】
第76の実施形態は、以下の反射:16.01、19.30、21.29、および25.38±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第75の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0208】
第77の実施形態は、実質的に図19に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0209】
第78の実施形態は、第75〜第77の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0210】
第79の実施形態は、以下の反射:9.31、9.35、13.97、14.03、および23.38±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0211】
第80の実施形態は、以下の反射:4.71、24.75、および26.06±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第79の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0212】
第81の実施形態は、実質的に図21に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0213】
第82の実施形態は、第79〜第81の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0214】
本発明の第83の実施形態は、以下の反射:9.84、14.76、19.67、および24.62±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0215】
本発明の第84の実施形態は、以下の反射:21.35、22.21、23.20、および26.91±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第83の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0216】
第85の実施形態は、実質的に図23に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0217】
第86の実施形態は、第83〜第85の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0218】
本発明の第87の実施形態は、以下の反射:9.14、17.72、19.19、21.13、22.10、23.12、および23.61±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0219】
第88の実施形態は、以下の反射:8.74、15.85、24.59、25.28、および27.16±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第87の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0220】
第89の実施形態は、実質的に図25に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0221】
第90の実施形態は、第87〜第89の実施形態のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0222】
本発明の第91の実施形態は、以下の反射:24.56、19.92、10.26、8.10、および4.09±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0223】
第92の実施形態は、以下の反射:17.96、23.83、26.01、28.39、および29.43±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、第91の実施形態に従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0224】
第93の実施形態は、実質的に図27に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を提供する。
【0225】
第94の実施形態は、請求項91〜93のいずれか1つに従うベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物を提供する。
【0226】
第95の実施形態は、慢性リンパ性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫または乳癌を治療する方法であって、第1〜第93の実施形態のいずれか1つに従う組成物から調製される治療的に有効な量の調製物を、それを必要としている患者に投与することを含む方法を提供する。
【0227】
当業者に認識されるように、上記の教示を考慮して、本発明の多数の修正および変更が可能である。従って、特許請求の範囲内で、本発明は、本明細書に具体的に記載されるものとは別のやり方で実施され得ることが理解され、本発明の範囲は、このような変更をすべて包含することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アモルファスベンダムスチン遊離塩基、ベンダムスチン遊離塩基形態1、ベンダムスチン遊離塩基形態2、ベンダムスチン遊離塩基形態3、ベンダムスチン遊離塩基形態4、ベンダムスチン遊離塩基形態5、ベンダムスチン遊離塩基形態6、ベンダムスチン遊離塩基形態7、ベンダムスチン遊離塩基形態8、ベンダムスチン遊離塩基形態9、ベンダムスチン遊離塩基形態10、ベンダムスチン遊離塩基形態11、ベンダムスチン遊離塩基形態12、ベンダムスチン遊離塩基形態13、ベンダムスチン遊離塩基形態14、ベンダムスチン遊離塩基形態15、またはこれらの混合物からなる群から選択されるベンダムスチン遊離塩基を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、アモルファスベンダムスチン遊離塩基である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態1である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態2である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態3である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態4である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態5である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態6である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態7である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態8である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態9である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態10である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態11である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態12である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態13である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態14である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態15である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項18】
ベンダムスチン遊離塩基形態1、ベンダムスチン遊離塩基形態2、ベンダムスチン遊離塩基形態3、ベンダムスチン遊離塩基形態4、ベンダムスチン遊離塩基形態5、ベンダムスチン遊離塩基形態6、ベンダムスチン遊離塩基形態7、ベンダムスチン遊離塩基形態8、ベンダムスチン遊離塩基形態9、ベンダムスチン遊離塩基形態10、ベンダムスチン遊離塩基形態11、ベンダムスチン遊離塩基形態12、ベンダムスチン遊離塩基形態13、ベンダムスチン遊離塩基形態14、ベンダムスチン遊離塩基形態15、またはこれらの混合物からなる群から選択されるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項19】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態1である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項20】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態2である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項21】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態3である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項22】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態4である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項23】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態5である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項24】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態6である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項25】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態7である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項26】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態8である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項27】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態9である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項28】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態10である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項29】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態11である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項30】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態12である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項31】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態13である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項32】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態14である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項33】
前記ベンダムスチン遊離塩基が、ベンダムスチン遊離塩基形態15である請求項18に記載の結晶形態。
【請求項34】
アモルファスベンダムスチン遊離塩基をさらに含む、請求項18〜33のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項35】
以下の反射:10.34、22.30、24.03、28.43、および29.50±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項36】
以下の反射:16.69、20.53、および22.67±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項35に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項37】
実質的に図1に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項38】
請求項35〜37のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項39】
以下の反射:10.28、20.59、21.55、21.69、および24.78±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項40】
以下の反射:12.54、13.51、15.40、および22.39±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項39に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項41】
実質的に図2に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項42】
請求項38〜41のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項43】
以下の反射:9.41、9.46、14.15、23.42、および23.65±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項44】
以下の反射:14.15、18.78、および24.83±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項43に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項45】
実質的に図4に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項46】
請求項43〜45のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項47】
以下の反射:9.88、15.13、19.92、22.99、24.72、および24.98±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項48】
以下の反射:19.44および20.70±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項47に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項49】
実質的に図6に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項50】
請求項47〜49のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項51】
以下の反射:8.94、13.39、16.04、21.31、および22.38±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項52】
以下の反射:17.90、19.29、および25.37±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項51に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項53】
実質的に図7に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項54】
請求項51〜53のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項55】
以下の反射:8.67、18.15、20.94、22.55、および25.46±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項56】
以下の反射:19.40、22.95、26.21、27.74、および34.62±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項55に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項57】
実質的に図9に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項58】
請求項55〜57のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項59】
以下の反射:8.51、17.97、21.25、28.09、および36.31±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項60】
以下の反射:11.42、14.23、23.29、24.04、および28.09±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項59に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項61】
実質的に図11に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項62】
請求項59〜61のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項63】
以下の反射:9.34、10.45、11.17、15.32、22.48、24.98、および26.40±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項64】
以下の反射:15.72、21.01、21.30、および30.87±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項63に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項65】
実質的に図13に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項66】
請求項63〜65のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項67】
以下の反射:4.44、13.34、16.73、19.54、および22.32±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項68】
以下の反射:22.98、23.45、および24.80±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項67に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項69】
実質的に図15に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項70】
請求項67〜69のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項71】
以下の反射:16.82、16.93、17.06、19.68、19.83、22.87、24.24、28.63、および29.72±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項72】
以下の反射:16.13、25.75、および37.71±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項71に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項73】
実質的に図17に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項74】
請求項71〜73のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項75】
以下の反射:8.90、9.28、13.94、22.36、および23.33±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項76】
以下の反射:16.01、19.30、21.29、および25.38±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項75に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項77】
実質的に図19に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項78】
請求項75〜77のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項79】
以下の反射:9.31、9.35、13.97、14.03、および23.38±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項80】
以下の反射:4.71、24.75、および26.06±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項79に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項81】
実質的に図21に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項82】
請求項79〜81のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項83】
以下の反射:9.84、14.76、19.67、および24.62±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項84】
以下の反射:21.35、22.21、23.20、および26.91±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項83に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項85】
実質的に図23に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項86】
請求項83〜85のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項87】
以下の反射:9.14、17.72、19.19、21.13、22.10、23.12、および23.61±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項88】
以下の反射:8.74、15.85、24.59、25.28、および27.16±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項87に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項89】
実質的に図25に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項90】
請求項87〜89のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項91】
以下の反射:24.56、19.92、10.26、8.10、および4.09±0.2度2θのうちの1つまたは複数を含むX線粉末回折パターンを生じるベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項92】
以下の反射:17.96、23.83、26.01、28.39、および29.43±0.2度2θのうちの1つまたは複数をさらに含むX線粉末回折パターンを生じる、請求項91に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項93】
実質的に図27に描かれるようなX線粉末回折パターンを有するベンダムスチン遊離塩基の結晶形態。
【請求項94】
請求項91〜93のいずれか一項に記載のベンダムスチン遊離塩基の結晶形態を含む医薬組成物。
【請求項95】
慢性リンパ性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫または乳癌を治療する方法であって、請求項1〜94のいずれか一項に記載の組成物から調製される治療的に有効な量の調製物を、それを必要としている患者に投与することを含む方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公表番号】特表2012−515210(P2012−515210A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546322(P2011−546322)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/020992
【国際公開番号】WO2010/083276
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(509021085)セファロン、インク. (24)
【Fターム(参考)】