説明

ベースメイクアップ用化粧料及びその製造方法

【課題】皮膚に塗布された際において、観察角度によるグラデーションの急激な変化が抑制されたベースメイクアップ用化粧料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】塗布層表面を受光面として、該受光面に対して−45°方向から光を入射したときに、正反射方向(45°方向)の反射光の彩度(C*45)及び色相角(∠h*45)と、拡散反射方向(0°方向)の反射光の彩度(C*0)及び色相角(∠h*0)とが、下記式(1)及び下記式(2)で示される関係式を満たし、且つ、化粧料の色相角が40°〜80°の範囲であるベースメイクアップ用化粧料。
式(1): (C*0)−(C*45)≦2.0
式(2): |(∠h*0)−(∠h*45)|≦1.5。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースメイクアップ用化粧料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション等のベースメイクアップ用化粧料には、血行不良や色素の沈着により加齢とともに感じられる肌色のくすみ(明度が低下し黄色の彩度が上昇した状態)をカバーすることと共に、仕上がりの色調が自然であることについても求められている。
【0003】
素肌の質感を損なうことなく、肌色のくすみを改善することに着目したものとして、例えば、青色干渉マイカをファンデーションに配合することで、明度、青みとともに、透明感を向上させる技術が開示されている(特許文献1参照。)。
また、高い紫外線遮蔽能を有し、可視光に対する透明性が高く、良好な使用感を得るために、金属酸化物フレークを用いた複合粉体及びそれを用いた化粧料等も知られている(特許文献2及び3参照。)。
【0004】
しかしながら、従来のベースメイクアップ用化粧料では、皮膚に塗布した際に呈する色調のグラデーションが、観察する角度を変えた場合や顔の凹凸部分において、急激に変化してしまう場合があり、見る者に不自然な印象を与えてしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−139929号公報
【特許文献2】特開平7−315859号公報
【特許文献3】特開平9−71417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の状況に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、皮膚に塗布された際において、観察角度によるグラデーションの急激な変化が抑制されたベースメイクアップ用化粧料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の通りである。
[1] 塗布層表面を受光面として、該受光面に対して−45°方向から光を入射したときに、正反射方向(45°方向)の反射光の彩度(C*45)及び色相角(∠h*45)と、拡散反射方向(0°方向)の反射光の彩度(C*0)及び色相角(∠h*0)とが、下記式(1)及び下記式(2)で示される関係式を満たし、且つ、化粧料の色相角が40°〜80°の範囲であるベースメイクアップ用化粧料。
式(1): (C*0)−(C*45)≦2.0
式(2): |(∠h*0)−(∠h*45)|≦1.5
[2] 前記(C*45)、(∠h*45)、(C*0)及び(∠h*0)が、下記式(1’)及び下記式(2’)で示される関係式を満たす[1]に記載のベースメイクアップ用化粧料。
式(1’): (C*0)−(C*45)≦1.5
式(2’): |(∠h*0)−(∠h*45)|≦1.5
[3] 前記(C*45)、(∠h*45)、(C*0)及び(∠h*0)が、下記式(1a)及び下記式(2a)で示される関係式を満たす[1]又は[2]に記載のベースメイクアップ用化粧料。
式(1a): (C*0)−(C*45)≦1.0
式(2a): |(∠h*0)−(∠h*45)|≦1.0
[4] 前記(C*45)及び前記(C*0)が、下記式(1b)で示される関係式を満たす[1]〜[3]のいずれかに記載のベースメイクアップ用化粧料。
式(1b): −5≦(C*0)−(C*45)≦0
[5] 前記(C*45)及び前記(C*0)が、下記式(1c)で示される関係式を満たす[1]〜[4]のいずれかに記載のベースメイクアップ用化粧料。
式(1c): |(C*0)−(C*45)|≦1.5
[6] 前記受光面に対して、−45°方向から光を入射したときに、正反射方向(45°方向)の反射光の明度(L*45)と、拡散反射方向(0°方向)の反射光の明度(L*0)とが、下記式(3)で示される関係式を満たす[1]〜[5]のいずれかに記載のベースメイクアップ用化粧料。
式(3): (L*45)−(L*0)≧5.0
[7] 少なくとも、色材顔料、パール顔料、及び油剤を含有し、
体質顔料を含有する場合には、前記体質顔料、前記パール顔料、及び前記油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であり、体質顔料を含有しない場合には、前記パール顔料、及び前記油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であり、且つ、
前記パール顔料の含有量が化粧料の全質量に対して7質量%以上である[1]〜[6]のいずれかに記載のベースメイクアップ用化粧料。
[8] 前記パール顔料が、金色パール顔料及び赤色パール顔料の混合物である[7]に記載のベースメイクアップ用化粧料。
[9] 前記体質顔料が、雲母、セリサイト、及びタルクから選ばれた少なくとも1種の体質顔料であり、前記色材顔料が、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び酸化チタンから選ばれた少なくとも1種の色材顔料であり、前記パール顔料が、酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、酸化チタン被覆ガラスフレーク、及び酸化チタン被覆タルクから選ばれた少なくとも1種のパール顔料である[7]又は[8]に記載のベースメイクアップ用化粧料。
[10] パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、又はクリームファンデーションである[1]〜[9]のいずれかに記載のベースメイクアップ用化粧料。
[11] 前記[1]〜[10]のいずれかに記載のベースメイクアップ用化粧料の製造方法であって、少なくとも、色材顔料、パール顔料、及び油剤とを混合することにより、前記式(1)及び前記式(2)で示される関係式を満たし、且つ、化粧料の色相角が40°〜80°の範囲となるように調整する工程を含み、体質顔料を含有する場合には、前記体質顔料、前記パール顔料、及び前記油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であり、体質顔料を含有しない場合には、前記パール顔料、及び前記油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であり、且つ、前記パール顔料の含有量が化粧料の全質量に対して7質量%以上であるベースメイクアップ化粧料の製造方法。
[12] 前記パール顔料が、金色パール顔料及び赤色パール顔料の混合物である[11]に記載のベースメイクアップ用化粧料の製造方法。
[13] 前記体質顔料が、雲母、セリサイト、及びタルクから選ばれた少なくとも1種の体質顔料であり、前記色材顔料が、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び酸化チタンから選ばれた少なくとも1種の色材顔料であり、前記パール顔料が、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆ガラスフレーク、及び酸化チタン被覆タルクから選ばれた少なくとも1種のパール顔料である[11]又は[12]に記載のベースメイクアップ用化粧料の製造方法。
[14] 前記パール顔料の配合量と前記色材顔料の配合量とを調整する[11]〜[13]のいずれかに記載のベースメイクアップ用化粧料の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、皮膚に塗布された際において、観察角度によるグラデーションの急激な変化が抑制されたベースメイクアップ用化粧料及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[ベースメイクアップ用化粧料]
本発明のベースメイクアップ用化粧料(以下、適宜、「化粧料」と称する。)は、塗布層表面を受光面として、該受光面に対して−45°方向から光を入射したときに、正反射方向(45°方向)の反射光の彩度(C*45)及び色相角(∠h*45)と、拡散反射方向(0°方向)の反射光の彩度(C*0)及び色相角(∠h*0)とが、下記式(1)及び下記式(2)で示される関係式を満たし、且つ、化粧料の色相角が40°〜80°の範囲であるベースメイクアップ用化粧料である。
式(1): (C*0)−(C*45)≦2.0
式(2): |(∠h*0)−(∠h*45)|≦1.5
【0010】
本発明における彩度、色相角、及び明度は、1976年CIE(国際照明委員会)で標準化され、JIS Z 8729で規格化されているL*a*b*表色系によるものである。
【0011】
本発明の化粧料において、式(1)及び式(2)で示される関係式は、それぞれ、受光角度を0°から45°に変化させた場合における彩度及び色相角の変化量を規定する。該変化量が、式(1)及び式(2)の範囲内であることにより、本発明の化粧料が皮膚に塗布された際において、観察角度によるグラデーションの急激な変化が抑制される。
【0012】
本明細書において、その表面を受光面とする塗布層の形成、及び、彩度、色相角及び明度の測定値は、本発明の化粧料を用いて以下の如く形成した塗布層、及び、該塗布層表面を受光面として測定した測定値を用いる。
【0013】
−塗布層形成−
市販の樹脂製肌色シート(バイオスキンプレート、ビューラックス(株)製)、肌色標準色(色番:BIO))上に、測定対象となる化粧料を、3cm×5cm四方の面積に4.5mg(0.3g/cm)の塗布量で均一に塗布して、塗布層を形成した測定試料を作製する。
【0014】
−彩度、色相角、明度の測定−
作製した測定試料に対して、変角分光測色システムGCMS−3B((株)村上色彩技術研究所製)を用いて、−45°方向から光を入射し、−70°〜70°まで、5°刻みに、390nm〜730nmの波長領域について10nm刻みに反射率を測定することで測色し、C光源での明度L*、彩度C*、及び色相角∠hを得る。
【0015】
本発明の化粧料においては、前記(C*45)、(∠h*45)、(C*0)及び(∠h*0)が、下記式(1’)及び下記式(2’)で示される関係式を満たすことが好ましい。
式(1’): (C*0)−(C*45)≦1.5
式(2’): |(∠h*0)−(∠h*45)|≦1.5
【0016】
本発明の化粧料においては、前記(C*45)、(∠h*45)、(C*0)及び(∠h*0)が、下記式(1a)及び下記式(2b)で示される関係式を満たすことがより好ましい。
式(1a): (C*0)−(C*45)≦1.0
式(2a): |(∠h*0)−(∠h*45)|≦1.0
【0017】
本発明の化粧料が示す彩度としては、前記(C*45)及び前記(C*0)が、下記式(1b)で示される関係式を満たすことが好ましく、下記式(1c)で示される関係式を満たすことがより好ましい。
式(1b): −5≦(C*0)−(C*45)≦0
式(1c): |(C*0)−(C*45)|≦1.5
【0018】
また、本発明の化粧料としては、前記受光面に対して、−45°方向から光を入射したときに、正反射方向(45°方向)の反射光の明度(L*45)と、拡散反射方向(0°方向)の反射光の明度(L*0)とが、下記式(3)で示される関係式を満たす態様も好ましい。
式(3): (L*45)−(L*0)≧5.0
本発明の化粧料は、上記式(3)に示されるごとく、明度が大きい範囲においても、観察角度によるグラデーションの急激な変化が抑制される。また、上記式(3)で示される関係式を満たす場合には、良好なツヤが発揮される。
【0019】
また、本発明の化粧料は、その全体において、色相角が40°〜80°の範囲であることを要し、50°〜70°の範囲であることがより好ましい。該色相角の範囲が40°〜80°であることで、本発明の化粧料によるグラデーションの急激な変化の抑制効果が最も端的に発揮される。ここで、化粧料全体の色相角の範囲内とは、本発明に係る(∠h*45)及び(∠h*0)として前述のごとく測定した値の両方が40°〜80°の範囲内であることを指す。
【0020】
本発明の化粧料において、前記式(1)及び式(2)で示される関係式を満たし、且つ化粧料の色相角が40°〜80°の範囲とするには、例えば、化粧料が含有する各種の顔料及び添加物の種類及び含有量を調整すればよい。より好適には、例えば、顔料として含有される色材顔料及びパール顔料の種類及び含有量を調整する態様が挙げられる。
【0021】
本発明の化粧料は、パウダーファンデーション、プレストパウダー、ルースパウダー等の粉末状又は粉末を固形化した化粧料である場合には、少なくとも、体質顔料、色材顔料、10質量%以上のパール顔料、及び油剤を含有する。この場合、該体質顔料、パール顔料、及び油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であることを要すし、60°〜80°の範囲であることがより好ましい。
また、本発明の化粧料は、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、化粧下地等の液状又はペースト状の化粧料である場合には、体質顔料は必須成分ではなく、少なくとも、色材顔料、7質量%以上のパール顔料、及び油剤を含有する。この場合、該パール顔料、及び油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であることを要し、60°〜80°の範囲であることがより好ましい。
【0022】
本発明における前記混合物において、色相角を50°〜80°の範囲とするには、例えば、混合物が含有する混合物の調製に用いる各成分の種類及び含有量を調整すればよい。
【0023】
体質顔料、パール顔料、及び油剤を用いた混合物の調製、及び、色相角の測定は、本発明の化粧料に含有される体質顔料、パール顔料、及び油剤を用いて混合物を形成し、得られた混合物を用いて色相角を測定することにより行う。
【0024】
本明細書において、前記混合物の色相角の測定値は、以下に示す混合物の調製、及び色相角の測定方法により得られた測定値である。
【0025】
−混合物の調製−
測定対象とする化粧料に含有される種類及び量にて、パール顔料、油剤、及び体質顔料を含む場合には体質顔料を秤量し、これらの成分をヘンシェルミキサーにて均一になるまで混合して、混合物を調製する。
【0026】
−色相角の測定方法−
一方の面(表面)に市販のアクリル系粘着シート(偏光板貼り合わせ用)を用いて形成された透明な粘着層を有し、他方の面(裏面)を黒インクにより完全に裏面反射がなくなるまで塗り潰したガラス基板(3cm×5cm)を用意する。
上記ガラス板の表面上に、得られた混合物を、塗布量4.5mg(0.3g/cm)秤量し、上記サイズの長方形にくり貫いた透明プラスチックシートからなる枠の内側にラテックス手袋を着用した人差し指を使って均一に塗布する。混合物を塗布した後のガラス板を、分光光度計(UV−2550、(株)島津製作所製)に積分球(ISR−2200)を付属して、拡散反射測定条件にて波長380nm〜780nmまでの分光反射率を1nm刻みで測定し、C光源を仮定したときの反射光の色相角∠hを算出する。
【0027】
本発明の化粧料が、体質顔料と、2種以上のパール顔料とを含有する場合には、体質顔料と2種以上のパール顔料との混合物について測定した上記の色相角が、50°〜80°の範囲であることが好ましい。
【0028】
本発明の化粧料においては、パール顔料の含有量と、前記混合物が示す色相角とを、本発明に係る範囲内とすることで、前記式(1)及び式(2)で示される関係式を満足させることができる。
【0029】
本発明の化粧料が含有しうる体質顔料、色材顔料、パール顔料、及び油剤について、更に説明する。
【0030】
<体質顔料>
本発明の化粧料において「体質顔料」とは、色相の調整に実質的に寄与しない顔料を意味する。本発明の化粧料が、パウダーファンデーション、プレストパウダー、ルースパウダー等の粉末状又は粉末を固形化した化粧料である場合には、該体質顔料は、化粧料の主成分として含有される。
体質顔料の例としては、雲母、合成金雲母、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、無水珪酸、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、等が挙げられる。
体質顔料としては、市販品を用いることもでき、例えば、SERICITE FSE(三信鉱工(株)製)、TALK JA−46R(浅田製粉(株)製)、合成金雲母PDMシリーズ(トピー工業(株)製)等が挙げられる。
【0031】
体質顔料の粒径としては、平均一次粒径が1μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上80μm以下である。
【0032】
なお、本発明における顔料の粒径は、測定対象となる顔料を含む所定の濃度の溶媒分散物を調製して、市販のレーザー光散乱の原理に基づく種々の測定機器(例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定器LMS−30((株)セイシン企業製)等)により測定することができる。
【0033】
本発明の化粧料における体質顔料の含有量としては、ファンデーションの剤型によって異なる最適量を含有することが好ましい。例えば、パウダーファンデーション等の粉末状又は粉末を固形化した化粧料の場合には、その全質量に対し、体質顔料の含有量は、50質量%以上90質量%以下が好ましい。
また、リキッドファンデーション等の液状又はペースト状の化粧料である場合には、必ずしも必須成分として含有する必要はなく、その全質量に対し、体質顔料の含有量は、0以上30質量%以下が好ましい。
【0034】
<色材顔料>
本発明の化粧料において「色材顔料」とは、色相の調整に寄与し、且つパール顔料以外の顔料を意味する。
色材顔料の例としては、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化チタン、弁柄、群青、紺青等の無機顔料、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色401号、等の法定色素、コチニール色素、及びそれらのカルシウムレーキ、アルミニウムレーキ、カルシウムアルミニウムレーキを含む有機色素を含有するもの等が挙げられる。
また、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料が挙げられる。これらの白色顔料は、シミやソバカス等の隠蔽剤、紫外線防止剤としての機能を兼ねてもよい。
これらの顔料の形状や粒径は、例えば、白色顔料では球形で数nm以上数百nm以下、酸化鉄では球状や針状で数nm以上数百nm以下のものが好ましく用いられる。
これらの顔料の添加量は、全体のファンデーションとしての色調が目的のものとなるよう、適宜調整される。
【0035】
<パール顔料>
本発明において「パール顔料」とは、色相の調整に寄与し、且つ真珠光沢を有する顔料を意味する。
パール顔料の例としては、酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、酸化チタン被覆ガラスフレーク、酸化チタン被覆タルク等が挙げられる。また、酸化チタンの被覆層が複数層であったり、酸化シリコン被覆と積層されたもの等も好ましく用いることができる。
パール顔料としては、市販品を用いることもでき、例えば、ロナフレアバランス ゴールド、トランスプリズマーレッド、ティミロン スーパーシルク MP−1005(以上、MERK社製)、フラメンコシリーズ(BASF社製)等が挙げられる。
【0036】
本発明の化粧料に含有されるパール顔料としては、金色パール顔料及び赤色パール顔料の混合物であることが好ましい。
【0037】
パール顔料の粒径としては、平均一次粒径が0.5μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上80μm以下である。
【0038】
本発明におけるパール顔料は、化粧料の全質量に対して7質量%以上であることを要し、10質量%以上であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下が好ましく、13質量%以上50質量%以下がより好ましく、14質量%以上50質量%以下がより好ましく、15質量%以上50質量%以下がより好ましく、18質量%以上40質量%以下が更に好ましい。本発明の化粧料が含有するパール顔料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
【0039】
体質顔料、色材顔料、及びパール顔料の組み合わせは、前記式(1)及び式(2)で示される関係式を満足するように決定される。
これらの顔料の好ましい組み合わせの例としては、例えば、体質顔料が、雲母、セリサイト、及びタルクから選択された少なくとも1種の顔料であり、色材顔料が、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び酸化チタンから選択された少なくとも1種の顔料であり、パール顔料が、酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、酸化チタン被覆ガラスフレーク、及び酸化チタン被覆タルクから選択された少なくとも1種の顔料である組み合わせが挙げられる。
【0040】
<油剤>
油剤としては、例えば、流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン、ミツロウ、カルナウバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級アルコール、脂肪酸、高級脂肪酸、エステル油、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラロウ、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコーン油、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン、ホホバ油、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等の化粧料に汎用される油分が挙げられる。
【0041】
本発明の化粧料には、上記した体質顔料、色材顔料、パール顔料、及び油剤の他に、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料に配合される成分、例えば、界面活性剤、水溶性高分子、前記した各顔料以外の他の粉体、保湿剤、防腐剤、薬剤、紫外線吸収剤、色素、無機塩又は有機酸塩、香料、キレート剤、pH調整剤、水等を配合することができる。
【0042】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤;ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸石鹸で代表されるアニオン性界面活性剤;及びカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の化粧料に汎用される界面活性剤が挙げられる。
【0043】
水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、トラガントガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、デキストリン、デキストリン脂肪酸エステル、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等の化粧料に汎用される水溶性高分子が挙げられる。
【0044】
保湿剤としては、例えば、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の化粧料に汎用される保湿剤が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等の化粧料に汎用される防腐剤が挙げられる。
薬剤としては、例えば、ビタミン類、生薬、消炎剤、殺菌剤等の化粧料に汎用される薬剤が用いられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の化粧料に汎用される紫外線吸収剤が挙げられる。
【0045】
色素としては、例えば、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール色素;カルミン酸、ラッカイン酸、ブラジリン、クロシン等の天然色素等の化粧料に汎用される色素が挙げられる。
【0046】
無機塩又は有機酸塩としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸等のオキシカルボン酸;ギ酸、酢酸、ソルビン酸等のカルボン酸;又はサリチル酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアルミニウム塩が挙げられる。
【0047】
好ましい無機塩又は有機酸塩の具体例としては、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硝酸カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アルミニウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム等が挙げられ、特に硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、サリチル酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウムが好ましい。
【0048】
これらの無機塩又は有機酸塩は、塩の状態で本発明の化粧料中に配合してもよいが、本発明の化粧料の製造時に、対応する酸物質及び塩基物質を、塩を形成するのに必要な化学量論的量加え、製造してもよい。また、水は任意の量で配合することができる。
【0049】
本発明の化粧料の適用形態としては、例えば、パウダーファンデーション、クリームファンデーション、リキッドファンデーション、コンシーラー等のなどのファンデーションや、化粧下地、フェイスパウダー等が好ましい。
【0050】
[ベースメイクアップ化粧料の製造方法]
本発明のベースメイクアップ化粧料の製造方法(以下、適宜、「本発明の製造方法」とも称する。)は、少なくとも、色材顔料、パール顔料、及び油剤とを混合することにより、前記式(1)及び前記式(2)で示される関係式を満たし、且つ、化粧料の色相角が40°〜80°の範囲となるように調整する工程を含み、体質顔料を含有する場合には、体質顔料、パール顔料、及び油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であり、体質顔料を含有しない場合には、パール顔料、及び油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であり、且つ、前記パール顔料の含有量が化粧料の全質量に対して7質量%以上であるベースメイクアップ化粧料の製造方法である。
【0051】
本発明の製造方法において、前記式(1)及び式(2)で示される関係式を満足させ、且つ化粧料の色相角が40°〜80°の範囲となるように調整する方法としては、例えば、化粧料が含有する各種の顔料及び添加物の種類及び配合料を調整する方法が挙げられる。より好適には、例えば、色材顔料及びパール顔料の種類及び配合量を調整する方法が挙げられる。
【0052】
また、前記混合物の色相角を50°〜80°の範囲とする方法としては、例えば、混合物の調製に用いる顔料及び油剤の種類及び含有量を調整すればよい。
【0053】
本発明の製造方法に用いうる体質顔料、色材顔料、パール顔料、油剤、及び任意に使用しうる他の成分の種類及び含有量の詳細は、本発明の化粧料の説明にて記載した内容が同様に適用される。
【0054】
本発明の製造方法における各成分の混合は、化粧料に含有される各成分を、ヘンシェルミキサー等を用いて、混合物が示す色相が均一になるまで行えばよい。
各成分の混合態様としては、体質顔料、色材顔料、パール顔料、油剤、及び任意に使用しうる他の成分の総てを同時に混合する態様であってもよいし、体質顔料、色材顔料、パール顔料、油剤等の成分を混合し、香料、防腐剤、美容成分等の成分を添加して更に混合する態様であってもよい。
更に、化粧料を構成する各成分からなる混合物を、ハンマーミル等を用いて壊砕した後に、プレス機で皿に打型することで、パウダーファンデーションを得ることができる。
また、リキッドファンデーション、クリームファンデーション等の液状又はペースト状の化粧料の場合であれば、混合後の混合物に特に加工することなく各ファンデーションとして得ることができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
【0056】
[実施例1〜11、比較例1〜6]
<パウダーファンデーションの調製>
下記表1に記載のA相、B相の各成分(数値は質量部)を別個に秤量し、ヘンシェルミキサーにて色相が均一になるまで充分に混合して、実施例1〜11、及び比較例1〜6のパウダーファンデーションを調製した。
【0057】
更に、実施例1〜11及び比較例1〜6のA相に用いた体質顔料(セリサイト、タルク)パール顔料、及びB相に用いた2種類の油剤を、実施例1のパウダーファンデーションの調製と同様にして混合して、各実施例及び比較例に対応する混合物を調製した。
一方の面(表面)に市販のアクリル系粘着シート(偏光板貼り合わせ用)を用いて形成された透明な粘着層を有し、他方の面(裏面)を黒インクにより完全に裏面反射がなくまで塗り潰したガラス基板(3cm×5cm)を用意した。
上記ガラス板の表面上に、得られた各混合物を、3cm×5cm四方の面積に4.5mg(0.3mg/cm)の塗布量で均一に塗布したものを、分光光度計(UV−2550、(株)島津製作所製)に積分球(ISR−2200)を付属して、拡散反射測定条件にて波長380nm〜780nmまでの分光反射率を測定し、C光源を仮定したときの反射光の色相角∠hを算出した。
得られた結果を表1に併記する。
【0058】
【表1】

【0059】
<ファンデーション塗布>
市販の樹脂製肌色シート(バイオスキンプレート、ビューラックス(株)製)、肌色標準色(色番:BIO))上に、実施例1〜11及び比較例1〜6の各パウダーファンデーションを、3cm×5cm四方の面積に4.5mg(0.3g/cm)の塗布量で均一に塗布して、評価用の各試料を作製した。
【0060】
<ファンデーション評価>
1.測色
上記により作製した各試料を、変角分光測色システムGCMS−3B(株式会社村上色彩技術研究所製)にて、−45°方向から光を入射し、−70°〜70°まで、5°刻みに、390nm〜730nmの波長領域について10nm刻みに反射率を測定することで測色し、C光源での明度L*、彩度C*、及び色相角∠hを得た。
平均的な色を代表する数値として、45°方向での明度L(L*45°)、彩度C*(C*45°)、及び色相角(∠h45°)を表2示した。
【0061】
更に、正面(0°)方向から観察したときと、斜め(45°)方向から観察したときの彩度C*、色相角∠h、及び明度L*の変化を、それぞれの差分として(L*(0°−45°))、(C*(0°−45°))、(∠h*(0°−45°))で表し、表2に示した。
【0062】
(C*(0°−45°))の値は0に近い程、45°から0°の間での観察角度による彩度の変化が小さいことを示す。(C*(0°−45°))の値が、2.0以下であることは、式(1)で示される関係式が満たされることを意味する。
(∠h(0°−45°))は0に近い程、45°から0°の間での観察角度による色相角の変化が小さいことを示す。(∠h(0°−45°))の絶対値が、1.5以下であることは、式(2)で示される関係式が満たされることを意味する。
また、(L*(45°−0°))の値はツヤの尺度となり、その値が大きい程、ツヤが高くなる傾向を示す。
【0063】
また、(C*(0°−45°))に関しては、値が0付近から若干マイナス方向となる時、理由は不明だが、顔の凹凸によって明度L*が変化した際、見た目のグラデーションの変化が良好になるとの知見を得た。
【0064】
2.官能評価
実施例1〜11及び比較例1〜6のパウダーファンデーションの各々について、パフを用いて同一女性の顔に塗布することで化粧を行い、化粧後の顔を目視にて観察し、官能評価を実施した。評価方法及び評価基準は以下の通りである。
【0065】
−評価方法、評価基準−
天井に照明として、2本の平行な蛍光灯を一組だけ並列に配置した部屋にて、蛍光灯の中心の鉛直方向から10°だけ観察者側からみて奥に、化粧した女性の顔がくるようにした。この女性の顔を、正面方向から観察したときに、顔の明るいところから暗いところまで(頬から輪郭や目の下の窪み、鼻すじから小鼻等)におけるグラデーションの変化を5段階(特に良好、良好、普通、やや悪い、悪い)で評価した。
更に、女性の顔を、正面方向から観察したときの顔のツヤを3段階(低、中、高)で評価した。
結果を下記表2に示す。
【0066】
【表2】

【0067】
表2に示されるように、式(1)及び式(2)の関係式を満足している、実施例1〜11のファンデーションは、顔の明るい所から暗いところまでのグラデーション変化が良好(滑らか)であり、且つツヤが高いものであることがわかる。これらの中でも、式(1’)及び式(2’)で示される関係式を満たしている実施例1〜9のファンデーションは、より良好な結果を示しており、式(1a)及び式(2a)で示される関係式についても満たしている実施例2〜4、8、9のファンデーションは、特に良好な結果を示すものであることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布層表面を受光面として、該受光面に対して−45°方向から光を入射したときに、正反射方向(45°方向)の反射光の彩度(C*45)及び色相角(∠h*45)と、拡散反射方向(0°方向)の反射光の彩度(C*0)及び色相角(∠h*0)とが、下記式(1)及び下記式(2)で示される関係式を満たし、且つ、化粧料の色相角が40°〜80°の範囲であるベースメイクアップ用化粧料。
式(1): (C*0)−(C*45)≦2.0
式(2): |(∠h*0)−(∠h*45)|≦1.5
【請求項2】
前記(C*45)、(∠h*45)、(C*0)及び(∠h*0)が、下記式(1’)及び下記式(2’)で示される関係式を満たす請求項1に記載のベースメイクアップ用化粧料。
式(1’): (C*0)−(C*45)≦1.5
式(2’): |(∠h*0)−(∠h*45)|≦1.5
【請求項3】
前記(C*45)、(∠h*45)、(C*0)及び(∠h*0)が、下記式(1a)及び下記式(2a)で示される関係式を満たす請求項1又は請求項2に記載のベースメイクアップ用化粧料。
式(1a): (C*0)−(C*45)≦1.0
式(2a): |(∠h*0)−(∠h*45)|≦1.0
【請求項4】
前記(C*45)及び前記(C*0)が、下記式(1b)で示される関係式を満たす請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のベースメイクアップ用化粧料。
式(1b): −5≦(C*0)−(C*45)≦0
【請求項5】
前記(C*45)及び前記(C*0)が、下記式(1c)で示される関係式を満たす請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のベースメイクアップ用化粧料。
式(1c): |(C*0)−(C*45)|≦1.5
【請求項6】
前記受光面に対して、−45°方向から光を入射したときに、正反射方向(45°方向)の反射光の明度(L*45)と、拡散反射方向(0°方向)の反射光の明度(L*0)とが、下記式(3)で示される関係式を満たす請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のベースメイクアップ用化粧料。
式(3): (L*45)−(L*0)≧5.0
【請求項7】
少なくとも、色材顔料、パール顔料、及び油剤を含有し、
体質顔料を含有する場合には、前記体質顔料、前記パール顔料、及び前記油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であり、体質顔料を含有しない場合には、前記パール顔料、及び前記油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であり、且つ、
前記パール顔料の含有量が化粧料の全質量に対して7質量%以上である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のベースメイクアップ用化粧料。
【請求項8】
前記パール顔料が、金色パール顔料及び赤色パール顔料の混合物である請求項7に記載のベースメイクアップ用化粧料。
【請求項9】
前記体質顔料が、雲母、セリサイト、及びタルクから選ばれた少なくとも1種の体質顔料であり、前記色材顔料が、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び酸化チタンから選ばれた少なくとも1種の色材顔料であり、前記パール顔料が、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆ガラスフレーク、及び酸化チタン被覆タルクから選ばれた少なくとも1種のパール顔料である請求項7又は請求項8に記載のベースメイクアップ用化粧料。
【請求項10】
パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、又はクリームファンデーションである請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のベースメイクアップ用化粧料。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のベースメイクアップ用化粧料の製造方法であって、
少なくとも、色材顔料、パール顔料、及び油剤とを混合することにより、前記式(1)及び前記式(2)で示される関係式を満たし、且つ、化粧料の色相角が40°〜80°の範囲となるように調整する工程を含み、
体質顔料を含有する場合には、前記体質顔料、前記パール顔料、及び前記油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であり、体質顔料を含有しない場合には、前記パール顔料、及び前記油剤を用いて調製した混合物の色相角が50°〜80°の範囲であり、且つ、
前記パール顔料の含有量が化粧料の全質量に対して7質量%以上であるベースメイクアップ用化粧料の製造方法。
【請求項12】
前記パール顔料が、金色パール顔料及び赤色パール顔料の混合物である請求項11に記載のベースメイクアップ用化粧料の製造方法。
【請求項13】
前記体質顔料が、雲母、セリサイト、及びタルクから選ばれた少なくとも1種の体質顔料であり、前記色材顔料が、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び酸化チタンから選ばれた少なくとも1種の色材顔料であり、前記パール顔料が、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆ガラスフレーク、及び酸化チタン被覆タルクから選ばれた少なくとも1種のパール顔料である請求項11又は請求項12に記載のベースメイクアップ用化粧料の製造方法。
【請求項14】
前記パール顔料の配合量と前記色材顔料の配合量とを調整する請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載のベースメイクアップ用化粧料の製造方法。

【公開番号】特開2011−225511(P2011−225511A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207214(P2010−207214)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】