説明

ベータ−ラクタマーゼ阻害剤・プロドラッグ

RはH又はメチルであり、各Xはメチレンであり、かつYはOであるか、或いはRはHであり、各XはOであり、かつYはメチレンである構造を有する、6-β-ヒドロキシ-メチルペニシラン酸スルホンのプロドラッグ、並びにその溶媒和化合物が開示される。本発明のプロドラッグ又はその溶媒和化合物、任意のベータ-ラクタム抗生物質、及び少なくとも1の医薬として許容される担体を含む医薬組成物が開示される。さらに、有効量のベータラクタム系抗生物質の有効量及び本発明のプロドラッグ又はその溶媒和化合物の有効量を増大する量を投与することにより、哺乳動物においてベータラクタム系抗生物質の有効性を増大する方法が開示される。さらに、本発明の治療有効量の医薬組成物を、治療を必要とする哺乳動物に投与することにより、当該哺乳動物の細菌感染を治療する方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6-β-ヒドロキシメチルペニシラン酸スルホン(別名4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R))、及びその溶媒和化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にペニシリン及びセファロスポリンであるベータ-ラクタム系抗生物質は、哺乳動物、例えばヒトにおける感染、主に細菌感染の治療に広く使用されてきた。特定の微生物は、抗生物質のベータ-ラクタム環を攻撃し、それにより薬剤を無効にする種々のベータ-ラクタマーゼ酵素を産生するため、これらの抗生物質に耐性であると信じられている。
【0003】
米国特許第4,287,181号において、Kelloggは、本発明において使用されるベータ-ラクタマーゼ阻害剤である6β-ヒドロキシメチルペニシラン酸スルホンを含む種々の6-β-ヒドロキシアルキルペニシラン酸が、強力なベータ-ラクタマーゼ阻害剤であるということを開示した。英国特許出願第GB2053220A号、Metzgerら、及び 英国特許出願GB2076812、Schneiderらは同様に、6-β-ヒドロキシメチル-ペニシラン酸スルホンがベータ・ラクタマーゼ阻害剤であることを開示した。しかしながら、ベータ・ラクタマーゼ阻害剤である6-β-ヒドロキシメチル- ペニシラン酸スルホンは、前臨床において、げっ歯類に経口投与された場合に、インビボでかなり不十分にしか吸収されない。
【0004】
Kellogg、Metzgerら、及びSchneiderらはまた、6-β-ヒドロキシメチル-ペニシラン酸スルホンのエステル・プロドラッグを開示し、当該プロドラッグは、前臨床試験の間、インビボで容易に加水分解され、そして当該プロドラッグは、げっ歯類において遊離酸が示した吸収より良好な吸収を示した。
【0005】
しかしながら、これらのエステル・プロドラッグの多くは、低い融点を有する油又は固体としてのみ合成され、その医薬製剤における有用性は、錠剤化、製粉、又は精製に適した融点を有する固体プロドラッグよりもより限定される。
【0006】
さらに、これらのエステル・プロドラッグは、典型的に経口投与される場合にそれほど多くは吸収されなかった。こうして、経口投与されて、ベータ-ラクタマーゼ阻害剤である6-β-ヒドロキシ-メチルペニシラン酸スルホン酸の治療有効量の血漿レベルを得るために必要とされる用量は、吸収されやすいプロドラッグについて必要とされるより高い用量が必要となるであろう。加えて、吸収されにくいプロドラッグの経口投与は、投与を受けた人が経験する下痢の発生率及び重篤度の増加をもたらしうる。なぜなら、不溶性のプロドラッグは、胃腸管で加水分解して、活性薬剤を形成し、そして残ったアモキシリンとともに、通常の微生物フローラの必須要素を選択的に殺しうるからである。さらに、所望のプロドラッグの製造方法が、比較的高価でないことが望ましい。
【0007】
それゆえ、ベータ-ラクタマーゼ阻害剤である6-β-ヒドロキシメチルペニシラン酸スルホンの結晶プロドラッグであって、高い生物学的利用能を有し、そしてより好ましくは、適切な融点を有する結晶である結晶プロドラッグへの必要性が存在する。
【発明の開示】
【0008】
発明の要約
本発明は、以下の構造:
【化1】

[式中、
RはH又はメチルであり、各Xはメチレンであり、かつYはOであるか、或いは
RはHであり、各XはOであり、かつYはメチレンである]
を有する6-β-ヒドロキシメチルペニシラン酸スルホン(別名4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R))、及びその溶媒和化合物に関する。
【0009】
加えて、本発明は、以下の構造:
【化2】

を有するプロドラッグ、及びその溶媒和化合物に関する。
【0010】
本発明はまた、本発明のプロドラッグ、又はその溶媒和化合物、任意のベータ-ラクタム系抗生物質及び医薬として許容される賦形剤を含む医薬組成物にも関する。好ましくは、ベータ-ラクタム系抗生物質はアモキシリンである。医薬組成物中で使用されるプロドラッグが、4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシ-メチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)又はその溶媒和化合物であることが望ましい。当該医薬組成物が、4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラ-ヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)又はその溶媒和化合物、アモキシリン、及び医薬として許容される賦形剤を含むことがより好ましい。
【0011】
本発明はさらに、哺乳動物において、ベータ-ラクタム系抗生物質の治療有効性を増加させる方法であって、当該哺乳動物に、有効量のベータ-ラクタム系抗生物質及び本発明のプロドラッグ又はその溶媒和化合物の有効性を増加させる量を投与することを含む方法に関する。好ましくは、当該ベータ-ラクタム系抗生物質は、アモキシリンである。使用される当該プロドラッグが4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラ-ヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)又はその溶媒和化合物であることがまた好ましい。
【0012】
本発明はさらに、哺乳動物における細菌感染の治療であって、本発明の医薬組成物の治療有効量を、治療を必要とする哺乳動物に投与することによる治療に関する。好ましくは、当該医薬組成物は、さらにベータ-ラクタム系抗生物質を含む。より好ましくは当該ベータラクタム系抗生物質は、アモキシリンである。使用される当該プロドラッグが、4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラ-ヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)又はその溶媒和化合物であることがまた好ましい。当該プロドラッグが、4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラ-ヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)又はその溶媒和化合物であり、そしてベータ-ラクタム系抗生物質がアモキシリンであることがより好ましい。さらに哺乳動物が人であることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
詳細な記載
本発明を記載するために使用される用語は、本明細書中において以下の意味を有する。
「a」という用語は、少なくとも1を意味する。こうして、例えば、「医薬として許容される賦形剤(a pharmaceutically acceptable excipient)」は、少なくとも1の医薬として許容される賦形剤を意味する。
「有効量」という用語は、単独で投与されるか、又は本発明のプロドラッグと併せて投与された際に、哺乳動物において細菌感染の開始を予防し、該細菌感染の症状を軽減し、該細菌感染の進行を停止し、又は該細菌感染を取り除くベータラクタム系抗生物質の量を意味する。
「有効性を増加させる量」という用語は、哺乳動物に投与された場合、後にインビボで加水分解して、本発明のベータラクタマーゼ阻害剤を形成し、共投与されたベータ-ラクタム系抗生物質の治療有効性を増加させるプロドラッグの量を意味する。
【0014】
「哺乳動物」という用語は、哺乳網の分類のメンバーである個々の動物である。当該哺乳網は、例えば、ヒト、サル、チンパンジー、ゴリラ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、イヌ、ネコ、マウス、及びラットを含む。
本発明において、好ましい哺乳動物は、ヒト、男性又は女性である。
【0015】
本明細書中で使用されるとき、「賦形剤」という用語は、当該プロドラッグ又は任意のベータラクタマーゼ抗生物質以外の医薬製剤の成分のいずれかを意味する。
【0016】
「医薬として許容される賦形剤」という用語は、当該賦形剤が、組成物の他の成分と適合しなければならず、そしてその投与を受ける者に対して有害であってはならないということを意味する。本発明の医薬組成物は、周知でありかつ容易に利用できる成分を使用して、当該技術分野に既知の方法により製造される。
【0017】
本発明のプロドラッグは、実施例3に記載される4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、実施例4に記載される4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、実施例5に記載される4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]-ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシ-メチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[(1,3-ジオキサン-5-イルオキシ)カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド,(2S,5R,6R)、及び実施例6に記載される4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシ-メチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,(1S)-1-(ベンゾイルオキシ)エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)を含む。
【0018】
本発明のプロドラッグは、実施例9にさらに記載されるように、吸収後、インビボで容易に加水分解して、6-β-ヒドロキシメチルペニシラン酸スルホン(以後、「6-β-HMPAS」として知られる)を形成し、当該化合物は、ベータ-ラクタマーゼ-産生細菌に対するベータ-ラクタム系抗生物質の有効性を増加させるベータ-ラクタマーゼ阻害剤である。当該ベータ-ラクタマーゼ阻害剤は、一般的に共投与されたベータ-ラクタム系抗生物質のベータ-ラクタマーゼ(+)株に対する抗菌効力を一般的に保持する。
【0019】
本発明のプロドラッグが、インビボで加水分解し、そして遊離酸ベータ-ラクタマーゼ阻害剤である6-β-HMPASを形成するので、これらのプロドラッグは、哺乳動物に投与される場合、ベータ-ラクタマーゼ産生細菌に対する共投与されたベータ-ラクタム系抗生物質の有効性が増加するだろう。
【0020】
本発明のプロドラッグは、特にヒトにおける気道感染、尿路感染、及び軟部組織感染を治療するために、ベータ-ラクタム抗生物質との併用療法において、使用されうる。本発明の組成物はまた、他の動物の感染、例えばウシの乳腺炎などを治療するために使用されてもよい。
【0021】
本発明のプロドラッグ、医薬組成物、及び方法による治療に適した細菌感染は、非限定的に上気道疾患、例えば市中肺炎(CAP)、慢性気管支炎の急性増悪(AECB)、及び急性細菌性副鼻腔炎(ABS)を含み、これらは呼吸器病原体、例えば抗生物質抵抗性の分離株を含むヘモフィラス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)及びモラゼラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)により引き起こされる。
【0022】
さらに、抗生物質を含む本発明の医薬組成物による治療に適する細菌感染は、非限定的に、薬剤耐性S.ニューモニエ(S. pneumoniae)、例えばペニシリン抵抗性S.ニューモニエなどを含むH.インフルエンザ(H. influenzae)又はストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)により引き起こされる小児中耳炎、副鼻腔炎、肺炎、及び成人気管支炎の急性悪化を含む。
【0023】
さらに、抗生物質を含む本発明の医薬組成物による治療に適した細菌感染は、非限定的に、イー・コリ(E. coli)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、エンテロバクター変種(Enterobacter spp.)、及び他の腸内細菌科の他のメンバー全てにより引き起こされる軟部組織感染を含む。
【0024】
抗生物質を含む本発明の医薬組成物による治療に適した感染は、非限定的に、ベータ-ラクタマーゼ産生メチシリン感受性ブドウ球菌及びベータラクタマーゼ産生嫌気性菌により引き起こされる感染を含む。
【0025】
本発明のプロドラッグは、1以上の不斉中心を含むので、該プロドラッグは、光学活性の異なるジアステレオマー形態で存在する。より特異的に、本発明の好ましいプロドラッグは、1-エチル位において不斉中心を含まない。
【0026】
或いは、本発明は、本発明のプロドラッグの1R及び1Sジアステレオマーの両方を含み、そしてまた、これらのジアステレオマーの混合体、例えばラセミ混合体を含む。
【0027】
さらにより好ましくは、本発明のプロドラッグは、実施例3に記載されるように、4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)を含む。
【0028】
本発明のプロドラッグは、多形を示しうる。プロドラッグの多形は、本発明の一部を形成し、そして、異なる条件下で、本発明のプロドラッグの結晶化することにより製造されうる。異なる条件は、例えば、再結晶化のための異なる溶媒又は溶媒混合液の使用;異なる温度での結晶化;結晶化の間においてかなり早い〜かなり遅い種々の冷却モードである。多形は、プロドラッグを熱し又は融解し、徐々に冷却又は急速冷却することにより得られうる。多形の存在は、固体プローブNMR分光法、IR分光法、示差走査熱量測定法、粉末X-線回折、又は他のそうした技術により決定されうる。
【0029】
本発明のプロドラッグは、溶媒和化合物、例えば、水和物、エタノール溶媒和物、n-プロパノール溶媒和物、イソ-プロパノ-ル溶媒和物、1-ブタノール溶媒和物、2-ブタノール溶媒和物、及び他の生理的に許容される溶媒、例えば、ハーモナイゼーション国際会議(ICH)、工業指針、Q3c不純物:残留溶媒(1997)において記載されるクラス3溶媒の溶媒和物の形態で存在してもよい。本発明は、各溶媒和物及びその混合体を含む。
【0030】
プロドラッグでは、投与されるプロドラッグの最少量は、ベータラクタム系抗生物質の共投与の有効性を増大する量である。投与されるプロドラッグの最大量は、単独で又はベータ-ラクタム系抗生物質と組み合わせて、毒物学的に許容される量である。
【0031】
典型的に、少なくとも40kgの成人及び子供にとっての、有効性を増加させる量のプロドラッグは、約200mg〜約1g、又はそれ以上の一日量である。40kg未満の子供ではプロドラッグの有効性を増加させる量は、約7mg/kg/日〜約20mg/kg/日、又はそれ以上の一日量である。しかしながら、これらの値は、ただの例示目的であり、いくつかの場合、これらの制限外の用量を使用する必要がありうる。
【0032】
本発明のプロドラッグの一日量は、1日あたり等量で1〜4回投与されうる。
細菌感染の治療では、本発明のプロドラッグは、ベータ-ラクタム系抗生物質と共投与される。当該プロドラッグ及び当該ベータ-ラクタム系抗生物質は、同時に又は順次に投与されてもよい。さらに、当該プロドラッグ及び抗生物質は、分離された医薬組成物中に含まれるか、又は1の医薬組生物中に含まれてもよい。
【0033】
典型的なベータ-ラクタム系抗生物質であって、本発明のプロドラッグと共投与される抗生物質は、酵素分解及び種々のベータ-ラクタマーゼによる不活性化に感受性であるベータ-ラクタム抗生物質である。そうしたベータ-ラクタマーゼ感受性抗生物質の例は、非限定的にペニシリン類、例えば天然ペニシリン、アモキシリン、及びアンピシリン;セファロスポリン、例えばセファドロキシル、セファゾリン、セファレキシン、セファロチン、セファピリン、セフラジン、セファクロール、セファマンドール、セフォイシド(cefoicid)、セフォラニド、セフプロジル、セフロキシム、セフジニール、セフォペラゾン、セファタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアゾン、及びセフェピム、並びにモノバクタム類、例えばアズトレナムを含む。
【0034】
典型的に、医薬組生物中に含まれるとき、ベータ・ラクタム系抗生物質対プロドラッグの重量比は、約15:1〜1:1である。
【0035】
好ましくは、本発明のプロドラッグは、アモキシリンと共投与される。より好ましくは、アモキシリンは、プロドラッグである4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]-ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)と共投与される。
【0036】
本明細書中で使用される「アモキシリン」という用語は、アモキシリン又はアルカリ塩、それらの水和物、例えば、特に、アモキシリン三水和物又は(結晶化)アモキシリン・ナトリウムを意味するものとする。他に指示がない限り、アモキシリン重量は、等量の対応する遊離酸の重量を指す。さらに実際には、製剤に含まれるアモキシリンの重量は、従来の慣習に従って、アモキシリンの有効性を考慮するようにさらに調節されることが認められるであろう。
【0037】
典型的に、少なくとも40kgの成人及び子供に対するアモキシリンの有効量は、約250mg〜約5gの1日用量である。40kg未満の子供に対しては、アモキシリンの有効量は、約20mg/kg/日〜約150mg/kg/日のレベルの1日用量である。しかしながら、これらの値は、ただ例示であり、そして幾つかの場合、これらの限界外の用量を使用することが必要とされうる。
【0038】
アモキシリンの1日投与量は、即効型、改変、又は遅延(又は持続)放出組成物の形態で、等量で1日あたり1〜4回投与されうる。即効型、改変型、及び遅延(又は持続)放出型のアモキシリンを含む医薬組成物の製剤は、Rookeらに発行された米国特許第4,537, 887号、Conleyらに発行された米国特許第6,051, 255号、Coleらに発行された米国特許第6,218, 380号、Conleyらに発行された米国特許第6,051,255号、Conleyらの米国特許出願番号第09/911,905号、及びConleyらによる国際出願番号PCT/IB01/01899号に記載される。ここでアモキシリンは、本発明の医薬組成物及びその製剤に適している。即効型、改変、及び遅延放出アモキシリン製剤に関する米国特許第4,537,887号、第6,051,255号、第6,218,380号、第6,051,255号、USSN09/911,905号、及び国際出願番号PCT/IB01/01899号の教示は、本明細書中に援用される。
【0039】
これらの組成物では、プロドラッグ及びアモキシリンの正確な量は、治療される微生物に、ある程度に左右されるであろう。
【0040】
当業者により認められることであるが、ベータ-ラクタム化合物の幾つかは、経口又は非経口で投与されるとき有効であり、一方他のベータ-ラクタム化合物は、非経口投与されたときのみ有効である。本発明のプロドラッグが非経口投与されるベータ-ラクタム系抗生物質と混合されるとき、それに適した医薬は非経口投与されるときのみ有効であり、非経口使用に適した組合せ製剤が使用されるであろうう。プロドラッグが、経口又は非経口投与で有効であるベータ-ラクタム系抗生物質と混合されるとき、経口又は非経口投与に適した組合せ製剤が提供されうる。さらに、さらなるベータ-ラクタム系抗生物質を非経口的に投与する一方で、プロドラッグの製剤を経口投与することが可能であり;そして更なるベータ-ラクタム抗生物質を経口投与する一方で、プロドラッグの製剤を非経口投与することも可能である。
【0041】
本発明の医薬組成物は、本発明のプロドラッグ及び医薬として許容される賦形剤を含む。場合により、医薬組成物は、さらにベータ-ラクタム系抗生物質を含む。当該抗生物質がアモキシリンであることが好ましい。プロドラッグが、4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]-ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)であることも好ましい。当該医薬組成物が、4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、アモキシリン、及び医薬として許容される賦形剤を含むことがより好ましい。
【0042】
典型的に、賦形剤は当該技術分野に知られているとおりであり、そして非限定的に、結合剤、フィラー及び増量剤、担体又は溶媒、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、安定剤、緩衝剤、充填剤又は増粘剤、乳化剤、懸濁化剤、香料、甘味剤、及び色素を含む。
【0043】
そうした医薬組成物に適した賦形剤の例は、スターチ、糖、マンニトール、及びケイ素誘導体などのフィラー及び増量剤;カルボキシメチル・セルロース及び他のセルロース誘導体、アルギン酸塩、ゼラチン、及びポリビニル・ピロリドンなどの結合剤;グリセロールなどの湿潤剤、アガー、炭酸カルシウム、及び重炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;パラフィンなどの崩壊遅延剤、四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;セチル・アルコール、モノステアリン酸グリセロールなどの表面活性剤;カオリン及びベントナイトなどの吸着担体及び滑石、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸マグネシウム、及び固体ポリエチレン・グリコールなどの潤滑剤を含む。製剤は、さらに:滑石、ステアリン酸マグネシウム、及びミネラル・オイルなどの潤滑剤;湿潤剤;乳化剤及び懸濁剤;メチルヒドロキシ安息香酸及びプロピルヒドロキシ安息香酸などの保存剤;甘味剤;及び矯味矯臭剤を含み得る。
【0044】
医薬組成物を製造する方法の適切な例は、RemingtonのPharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa.、第18版 (1990)に提供される。
【0045】
本発明の医薬組成物を製造する際に、プロドラッグ、及び任意のベータ-ラクタム抗生物質は通常の賦形剤と混合され、賦形剤により希釈され、カプセル、サチェット、又は他のコンテナの形態でありうる担体中に封入さる。賦形剤が、希釈剤として使用される場合、賦形剤は固体、半固体、又は液体の物質であって、活性成分の溶媒、担体、又は媒体として作用する物質である。
【0046】
医薬組成物は、経口又は非経口、つまり筋肉内、皮下、静脈内、又は腹腔内で投与されうる。担体又は希釈剤は、投与の意図されたモードに基づいて選ばれる。例えば、経口投与モードが考慮される場合、本発明の医薬組成物は、標準医薬慣用に従って、例えばチュアブル錠、カプセル、ロゼンジ、トローチ、粉末、シロップ、エリクシル、水溶液、及び懸濁液などを含む錠剤の形態で使用されうる。キャリアに対する活性成分の比率は、化学性質、溶解度、及び活性成分の安定性、並びに考慮される用量に必然的に左右されるであろう。しかしながら、ベータ-ラクタム系抗生物質及び本発明のプロドラッグを含む医薬組成物は、好ましくは約20%〜95%の活性成分を含むであろう。経口使用の錠剤の場合、通常使用される担体は、例えばラクトース、クエン酸ナトリウム、及びリン酸塩を含む。種々の崩壊剤、例えばスターチ、及び潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及び滑石は、通常錠剤で使用される。カプセル形態の経口投与では、有用な希釈剤、例えば、ラクトース及び高分子量ポリエチレン・グリコールを含む。水溶液又は懸濁液が、経口使用に必要とされる場合、活性成分は、懸濁及び乳濁剤と混合されうる。所望される場合、ある甘味剤及び/又は矯味矯臭剤が使用されうる。非経口投与では、活性成分の滅菌溶液は、通常調製され、そして溶液のpHは、適切に調節されそして緩衝化される。静脈内使用では、溶解物の総濃度は、等張製剤にするために、制御されるべきである。
【0047】
本発明の製剤は、医薬技術の分野に一般的である方法により、経口投与のための固体投与形態、例えば錠剤若しくは粉末、又は懸濁液若しくは溶液への再構成のための顆粒製品に作られうる。
【0048】
適切な成分及びそうした錠剤を作るための適切な方法が、例えば、国際特許出願WO92/19227号、及びWO 95/28927号に開示される。その教示は、錠剤成分及び錠剤の製造方法に関して、本明細書中に援用される。粉末又は顆粒製剤、例えば、小児懸濁製剤は、医薬製剤の製造の分野において、及びそうした懸濁液への再構成のための乾燥製剤の製造において、一般的に慣用技術である技術を使用して製造されうる。例えば、適切な技術は、乾燥粉末成分又は顆粒成分を混合して、適切なコンテナ中に充填する技術である。
【0049】
小児投与では、本発明の製剤は、好ましくは、一般的に慣用的な製剤である甘味のついた矯味矯臭シロップ製剤であって、シロップとして単位投与体積、例えば5ml又は2.5ml中にアモキシリン及びプロドラッグの適切な重量を含む製剤に作られうる(但し、その新規のアモキシリン:プロドラッグ比及び新規の用途を除く)。小児用製剤は、多量の溶液又は懸濁液、例えばシロップ、又はそうした溶液若しくは懸濁液に溶解される顆粒若しくは粉末を、ある量である用量を含む溶液若しくは懸濁液の濃度で含む。適切なそうした製剤は、国際出願番号PCT EP96/01881号(Smithkline Beecham)に記載される。本発明の製剤は、通常、その活性物質であるアモキシリン及びプロドラッグに加えて、経口投与の製剤分野において標準であり、そして一般的な標準的比率で使用され、一般的に標準の粒子サイズ及びグレードなどで使用される賦形剤を含んでもよい。
【0050】
小児用経口懸濁液の場合、これらの賦形剤は、懸濁助剤、(充填を助ける)流動促進剤、希釈剤、増量剤、矯味矯臭剤、甘味剤、及び安定化剤を含んでもよい。
【0051】
使用のための適切な賦形剤は、例えば、ザンタム・ガム(xantham gum)(懸濁助剤)、コロイド性シリカ(流動促進剤)、コハク酸(安定化剤)、アスパルテーム(甘味剤)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(懸濁助剤)、及び二酸化ケイ素(プロドラッグの希釈剤及び増量剤)を含む。矯味矯臭剤は、地方での要求に合わせるために、共通の矯味矯臭剤、例えばバブル・ガム、オレンジ、バナナ、ラズベリー、グレープ、及びゴールデン・シロップ、又はそれらの混合液を含んでもよい。
【0052】
本発明の医薬組成物は、例えば、そうした1日量の投与のために適した量を具体化する固体単位用量形態で提供されうる。例えば、単位用量形態は、再構成のための顆粒又は粉末を含む錠剤又はサチェットであり、1又は2の錠剤又はサチェットは、1日あたり1〜4回摂取されるべきである。或いは、単位用量は、固体又は溶液又は懸濁液のバルク製品であって、例えば、小児投与用のシロップのように、既知のタイプの適切な計測装置を備えて、製剤の適切な単位用量の投与を促進する製品として提供されうる。適切な単位用量は、1〜4回用量に分けられた上記一日量の投与を可能にする用量である。
【0053】
本発明のさらに別の実施態様は、哺乳動物の抗菌治療効果を達成するためのキットであって、
(1) 本発明のプロドラッグ及び、場合によりベータ-ラクタム抗生物質を含む医薬組成物、及び
(2) 医薬組成物の投与のための指示であって、所望の治療効果を達成するための様式の指示
を含む、前記キットである。
【0054】
本発明は、さらに以下の実施例によって記載されるであろう。しかしながら、本発明は、実施例に記載される詳細に限られることを意味しないということを理解すべきである。
【実施例】
【0055】
実施例1
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド,一ナトリウム塩(2S,5R,6R)の製法
【化3】

上に示される4-チア-1-アザビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド,一ナトリウム塩(2S,5R,6R)、(以後、「Na-HMPAS」として知られる)を、以下の4個のステップに従うことにより製造した。
【0056】
ステップ1- ナトリウム6,6-ジブロモペニシラネートスルホンの製法
酢酸エチル(15.8l)を、6,6-ジブロモペニシラン酸スルホン(2500g)に加え、そして50℃に熱した。ナトリウム・エチル・ヘキサノエート(1044g)及び酢酸エチル(5.0l)を攪拌して、溶液を形成し、次に60分間かけて、6,6-ジブロモペニシラン酸スルホン溶液に加えた。反応混合液を室温に冷却して、そして得られた固体を、1時間粒状化した。生成物をろ過により回収し、そして酢酸エチルで洗浄して、2197g(83%)のナトリウム6,6-ジブロモペニシラネート・スルホンを与えた。M.P. 186-187℃ 1HMMR (D2O) δ1.30 (s, 3H), 1.45 (s, 3H), 4.29 (s, 1H), 5.54 (s, 1H).
【0057】
ステップ2- ベンジル6,6-ジブロモペニシラネートスルホン
ジメチルホルムアミド(5.7L)及びナトリウム6,6-ジブロモペニシラネート・スルホン(3820g)を混合し、そして混合液を、数分間、全てのナトリウムが溶解するまで攪拌した。この混合液に、ベンジル・ブロミド(1400g)を1時間かけて加えた。反応混合液を一晩室温で攪拌した。水(4.5l)及び酢酸エチル(15.0l)を加えて、反応を止めた。水相を酢酸エチルで洗浄し(2×600ml)、そして合わせた有機相を連続して飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し(2×1l)、そして塩化ナトリウム水溶液で洗浄した(2×1l)。有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮して3566g(90%)の所望のベンジル6,6-ジブロモペニシラネート・スルホンを、結晶として与えた。
【化4】

【0058】
ステップ3- ベンジル・6-β-ヒドロキシメチル-6-α-ブロモペニシラネート・スルホンの製法
丸底フラスコ中で、パラホルムアルデヒドを窒素置換下で160〜180℃に熱して、過剰量の水に晒した。別の丸底フラスコ中に、テトラヒドロフラン(8.0l)及びベンジル6,6-ジブロモペニシラネート・スルホン(1000g)を混合し、そして全ての固体が溶解するまで攪拌した。溶液を-78℃に冷却し、そして3M メチル・マグネシウム・クロリドを含むTHF(720ml)を、温度を-70℃未満に維持している間に、ゆっくり溶液に加えた。反応混合液を1時間攪拌した。この時点で、最初の丸底フラスコから発生されたホルムアルデヒドガスを、窒素流を使用して、冷却された反応混合液の表面に吹きつけた。冷却された反応フラスコの冷却及び激しい攪拌を維持する間、おおよそ6時間、ホルムアルデヒド・ガスを反応混合液に晒した。TLC(80:20 ヘキサン:酢酸エチル)により、反応の終了が決定されるとき、-78℃で、酢酸(132ml)を含むTHF(400ML)の溶液で反応を止めた。反応混合液を、室温に温め、次に反応混合液を、スーパーセル(Supercel)を通してろ過した。ろ液を油状になるまで濃縮した(〜1000g)。油を次に大きい反応容器に移し、そして酢酸エチル(5.0l)/水(2.5l)を加えた。反応混合液を攪拌し、次に分離した。水相を酢酸エチル(2×500ml)で洗浄した。合わせた有機相を、連続して塩酸(3.0l)、水(3×3l)、そして飽和塩化ナトリウム水溶液(3×3.0l)で連続して洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、スーパーセル(商標)、焼成されたろ過助剤(Celite Corporation, Lompoc, CA)を通してろ過し、冷蔵庫の中で濃縮し、そして貯蔵した。得られた油を、シリカゲル(500gの産物オイルあたり、1kg)を介してクロマトグラフィーを行い、そして9:1 ヘキサン/酢酸エチル(20.0l)で溶出して、不純物を取り除き、次に4:1ヘキサン/酢酸エチル(4.0〜8.0l)で溶出し、そして最終的にベンジル6-β-ヒドロキシメチル-6-α-ブロモペニシラネート・スルホンが取り出されるまで3:2ヘキサン/酢酸エチル(必要なだけ)で溶出した。収量205.5g(23%)。
【化5】

【0059】
ステップ4- 4-チア-1-アザビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド,一ナトリウム,(2S,5R,6R)の製法
水(163mL)、酢酸エチル(2000mL)、ベンジル6-β-ヒドロキシメチル-6-α-ブロモペニシラネート・スルホン(180g)、トリエチルアミン (90.0g)及び5%の炭素担持パラジウム(45g)を混合し、そして50psiで室温で約2時間水素付加をした。反応混合液のTLCは、当該反応が終了していないことを示し、その場合さらなる触媒(15g)を加え、そして混合液1時間水素付加した。ひとたび反応が完了すると、当該反応は、硫酸(112.5g)と水(270ml)の混合液で反応を止められた。反応混合液を、ろ過して触媒を除き、そしてEtOAc(450ml)で洗浄した。水相をEtOAcで洗浄した(3×750ml)。有機相を混合し、そして塩化カルシウムで1未満のKFにまで乾燥した。塩化カルシウムは、次にろ過され、そして酢酸エチルを1/2の体積に減らした。新たな酢酸エチルを次に戻して当該溶液に加え、そして溶液のKFは、ここで0.09%であった。エチルへキサン酸ナトリウム(59g)及びEtOAc(450ml)を混合し、そしてゆっくり有機相に室温で加えた。混合液を次に30〜45分間顆粒形成させた。得られた固体をろ過し、EtOAc(500ml)で洗浄し、そして乾燥して79.0g(66%)のナトリウム6-β-ヒドロキシメチルペニシラネート・スルホン与えた。固体をさらに再結晶化を介して、2-プロパノール/水からさらに精製した。
【化6】

【0060】
他のステップ4- 4-チア-1-アザビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド,一ナトリウム塩,(2S,5R,6R)の製法
ベンジル6-β-ヒドロキシメチル-6-α-ブロモペニシラネートスルホン(1143g)を、大きな反応容器中に入れた。ベンゼン(6.2l)及び水素化トリブチルスズを加え、そして反応混合液を、2〜3時間還流温度で熱した。溶媒=1:1ヘキサン/酢酸エチルのTLCにより、反応をモニターした。
【0061】
反応が完了した際に、混合液を、油になるまで濃縮して、ベンゼンを取り除いた。全ての残存したスズ副産物を取り除くまで、油を室温にてヘキサンで洗浄した。物質を還流するために再加熱し;酢酸エチル(EtOAc)を加えて、物質を一首フラスコに移し、そして濃縮した。物質をヘキサンで洗浄し(3×)、そして生成物層を減圧下で乾燥した。
【0062】
油(549g)の半分を、油を溶液にするために十分な量の塩化メチレンで、シリカゲル(1kg)上にてクロマトグラフィーを行い、7:3ヘキサン/EtOAc〜3:2ヘキサン/EtOAcで溶出した。生成物分画を混合し、そして濃縮した。
【0063】
油(〜540g)をオートクレーブ中に入れた。テトラヒドロフラン(1.9l)、10%炭素担持パラジウム、及び水(300g)を加え、そして反応混合液を50psi、30℃の温度で、約1時間水素付加した。反応が完了した際に、反応混合液をセライトを通してろ過して、触媒を取り除いた。
【0064】
ろ液を濃縮し、そしてEtOAc(3.0L)で希釈した。水相をEtOAc(1.0l)で洗浄した。合わせた有機相を塩化カルシウムで乾燥し、そして半量まで濃縮した。EtOAc(2.5l)を加え、続いてエチル/ヘキサン酸ナトリウム(sadium ethyl hexanoate)(SEH、350g)及びEtOAc(1.05l)の溶液を滴下して加えた。得られた固体をろ過により取り除き、そして吸引オーブン中で乾燥した。
【0065】
得られた溶液に水(6〜800ml)を加え、そして4M硫酸で、pHを0.5〜1.0に調節した。生成物をEtOAcで抽出した(5×1.0l)。合わせた有機相を塩化カルシウムで乾燥し、そしてスパークル・フィルター(sparkle filter)を通してろ過した。ろ液を半量に低減し、そしてSEH(115.3g)及びEtOAc(500ml)の溶液を加えた。混合液を顆粒化させた。得られた固体をろ過し、そしてEtOAcで洗浄して、所望の生成物を与えた。
【0066】
実施例2
炭酸エステルの製法
4-チア-1-アザビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド,一ナトリウム塩(2S,5R,6R)のプロドラッグを製造するために本明細書中で使用される炭酸エステルを以下の様に製造した。
【0067】
炭酸,クロロメチル・テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル・エステルの製法
【化7】

上に示される炭酸,クロロメチル・テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル・エステルを以下の様に製造した。6.93ml(49.5mmol)のクロロ炭酸クロロメチル・エステル(Fluka) を含む75mLのCH2Cl2の攪拌溶液に、5.2g(50mmol)4-ヒドロキシテトラヒドロピラン(Aldrich)を加えた。得られた混合液を、室温に温め、そして一晩攪拌した。300mlの水及び225mlのCH2Cl2を加え、そして次に相を分離した。有機相を分離し、そして塩類溶液で乾燥し、そしてMgSOで乾燥し、ろ過し、そして吸引下で濃縮した。10%酢酸エチル/90%ヘキサンで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより3.7gの透明油が得られた。注:粗製物質(クロマトグラフィーなし)は、当該溶液が過剰量に使用されるときに、次に使用されうる。
【化8】

【0068】
炭酸,1-クロロエチル・テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル・エステル
【化9】

上記炭酸,1-クロロエチル・テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル・エステルを、炭酸,クロロメチル・テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル・エステルの製法と類似で、クロロエトキシカルボニル・クロリド(Aldrich)を代用する方法で製造した。
【化10】

【0069】
炭酸,クロロメチル1,3-ジオキサン-5-イル・エステルの製法
【化11】

上記炭酸,クロロメチル1,3-ジオキサン-5-イル・エステルを、炭酸,クロロメチル・テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル・エステルと類似で、グリセリンフォーマル(glycerinformal)(Fluka)を代用する方法で製造した。クロマトグラフィーの溶出は、25%酢酸エチル/75%ヘキサンであった。所望の生成物は、溶出の第二主要生成物であった。
【化12】

実施例3
プロドラッグ1: 4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
【化13】

上記プロドラッグ1を下記のように製造した。424mg(2.19mmol)の実施例2の炭酸クロロメチル・エステル・テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル・エステルを含む25ml酢酸の攪拌溶液に、1.31g(8.75mmol)のヨウ化ナトリウム(Aldrich)を加えた。得られた混合液を室温で5分間攪拌した。当該溶液に、実施例1の500mg(1.75mmol)の 4-チア-1-アザビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド,一ナトリウム塩,(2S,5R,6R)を加え、そして反応混合液を3日間室温で攪拌した。反応混合液を次に吸引下で濃縮した。25mlの水及び50mlの酢酸エチルを加え、そして有機相を分離し、そして塩類溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、そして吸引下で濃縮した。65%酢酸エチル/35%ヘキサンで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより、375mgの非結晶質の灰白色固体を得て、該固体を次に酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して、結晶物質を産生した。融点=136℃であった。実施例5の経路は、当該化合物を合成するために使用されうる。
【化14】

【0070】
実施例4
プロドラッグ2:4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
【化15】

上記プロドラッグ2を、下記のように製造した。562mg(1.97mmol)の4-チア-1-アザビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド,一ナトリウム塩,(2S,5R,6R)を含む5mlのDMFの攪拌溶液に、410mg(1.97mmol)(+/-)-炭酸・1-クロロエチル・テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル・エステルを加えた。反応混合液を次に室温で13日間攪拌した。或いは、当該反応液を、35℃で3日間攪拌した。
【0071】
20mlの水と80mlの酢酸エチルを加え、そして相を分離した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を水、塩類溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして吸引下で濃縮した。1:1酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより、150mgの白色泡(2個のジアステレオマーの混合体)を与えた。実施例3の経路は、当該化合物を合成するために使用されうる。
【化16】

実施例5
プロドラッグ3: 4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[(1,3-ジオキサン-5-イルオキシ)カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド,(2S,5R,6R)
【化17】

上記プロドラッグ3を下記のように製造した。500mg(1.75 mmol)の4-チア-1-アザビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド,一ナトリウム(2S,5R,6R)、593mg(1.75mmol)の硫酸水素テトラブチルアンモニウム(Aldrich)、147mg(1.75mmol)の炭酸ナトリウム(J.T.Baker)、15mLのジクロロメタン及び1mlの水を混合し、そして室温で30分間攪拌した。反応混合液を次にジクロロメタンで希釈し、そして硫酸ナトリウムを加えた。ろ液を吸引下で濃縮し、そして得られた粗製生成物を次に1.5mlアセトンに溶解した。550mg(2.8mmol)の炭酸,クロロメチル1,3-ジオキサン-5-イル・エステルを加え、そして得られた混合液を一晩室温で攪拌した。
【0072】
一般的に3当量のアルキル化試薬を使用する。反応混合液を次にシリカカラムにロードし、そして1lの30%酢酸エチル/70%ヘキサン、続いて1lの70%酢酸エチル/30%ヘキサンを溶出剤として使用してクロマトグラフィーを行い、300mgの非晶質の白色固体を与えた。酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化は、75mgの結晶物質を与えた。
【化18】

【0073】
実施例6
プロドラッグ4: 4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,1-[(エトキシカルボニル)オキシ]エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
【化19】

当該プロドラッグを、類似プロドラッグ1を製造するために使用される方法に従って製造した。但し、(1-クロロエチル)エチル・カルボネート(Fluka)を、ピバリン酸クロロメチルと置換した。生成物は、粘着性の油であり、2個のジアステレオマーの混合体であった。
【化20】

【0074】
実施例7
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)の類似プドロラッグ合成のための炭酸の製法
【化21】

上記炭酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルを、以下の様に製造した。10g(75.2mmol)のクロロメチル・クロロホルメート(Fluka)を含む100mlジクロロメタンの攪拌溶液(0℃)に、5.8ml(76mmol)イソプロピル・アルコールを加え、11.93g(97.8mmol)のジメチルアミノピリジン(Fluka)を加えた。得られた反応混合液を次に室温に温め、そして一晩攪拌した。反応混合液を次に水で希釈した。次に相を分離した。有機相を塩類溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、そして吸引下で濃縮して、6gの透明油を産生した。油をそのまま次に使用した。1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) : 5.72 (s, 2H), 4.95 (m, 1H, J= 6.2Hz), 1.33 (d, 6H, J=6.2Hz).
注:1.05当量丁度のジメチルアミノピリジンを使用するときに、より良い収量が達成された。
【化22】

【0075】
(+/-)-炭酸1-クロロ-エチル・エステル・イソプロピル・エステルを、クロロエチル・クロロホルメート(Fluka)を代用することにより炭酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルと同様に製造した。
【化23】

【0076】
【化24】

(+/-)-炭酸1-クロロ-エチル・エステル・プロピル・エステルを、プロパノール(Aldrich)を代用することにより、炭酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルと同様に製造した。
【化25】

【0077】
【化26】

(+/-)-炭酸ブチル・エステル1-クロロ-エチル・エステルを、n-ブタノール(Aldrich)を代用することのにより、炭酸クロロメチル・エステルイソプロピル・エステルと同様に製造した。
【化27】

【0078】
【化28】

炭酸クロロメチル・エステルプロピル・エステルを、プロパノ-ル(Aldrich)を代用することにより、炭酸クロロメチル・エステルイソプロピル・エステルと同様に製造した。
【化29】

【0079】
【化30】

炭酸ブチル・エステル・クロロメチル・エステルを、n-ブタノール(Aldrich)を代用することにより、炭酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルと同様に製造した。
【化31】

【0080】
【化32】

(+/-)-5-ブロモ-5H-フラン-2-オンを、Tett. Lett. 22, 34, 1981, 3269-3272と同様に製造した。
【0081】
【化33】

酢酸-1-クロロ-1-メチル・エチル・エステルを、Neuenschwanderら, Helvetica Chimica 1978; 61: 2047-2058における製法と同様に製造した。
【0082】
【化34】

炭酸クロロメチル・エステル・エチル・エステルをエタノールを代用することにより、炭酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルと同様に製造した。
【化35】

【0083】
実施例8
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)の類似プロドラッグの製法
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)のプロドラッグを製造して、本発明のプロドラッグの予期しない改良された生物学的利用能及び物理的性質を示した。これらの類似プロドラッグのうち、類似プロドラッグ1は、米国特許第4,287,181号の実施例25に記載される。類似プロドラッグ2〜25は、新規の化合物であるが、米国特許第4,287,181号に開示される属の範囲内である。
【0084】
類似プロドラッグ1:
【化36】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,(2,2-ジメチル-1-オキソプロポキシ)メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
2.5g(8.77mmol)の4-チア-1-アザビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド,一ナトリウム塩(2S,5R,6R)を含む20mlのDMFの攪拌溶液に、11.4(mmol)のピバリン酸クロロメチル(Aldrich)を加え、そして室温で一晩攪拌した。40mlの水及び100mlの酢酸エチルを加え、そして相を分離した。水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を水、塩類溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、吸引下で濃縮した。1lの20%酢酸エチル/80%ヘキサン、続いて1lの1:1酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーは、油を産生した。ヘキサン(15ml)を油に加え、そしてサンプルを、4日間冷蔵庫に入れ、その時点で固体が沈殿した。次に吸引下で濃縮して、110mgの白色費結晶固体を産生した。
【化37】

【0085】
或いは、ピバロイルオキシメチル6-β-ヒドロキシメチルペニシリネート・スルホンとして知られる当該化合物は、米国特許第4,287,181号の実施例25で記載されるように製造されうる。
【0086】
類似プロドラッグ2:
【化38】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,.6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[(エトキシカルボニル)オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、類似プロドラッグ1を製造するために使用される方法に従って、但し、炭酸クロロメチル・エステル・エチル・エステルをピバリン酸クロロメチルの代わりに使用して製造する。
【化39】

【0087】
類似プロドラッグ3:
【化40】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,1,3-ジヒドロ-3-オキソ-1-イソベンゾフラニル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、プロドラッグ1を製造するために使用する方法に従って、但し3-ブロモフタリド(Aldrich)をピバリン酸クロロメチルの代用として、製造した。
DMFを水で溶解した際に、所望の生成物が、無定形固体として沈殿し、そしてろ過し、そして吸引下で乾燥した。MS(m/z):394(M-)NMRは、ジアステレオマーの混合体を表す。
【化41】

【0088】
類似プロドラッグ4:
【化42】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[(1-メチルエトキシ)カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
18.4(mmol)の炭酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルを含む200mlのアセトンの攪拌溶液に、13.8g(92.1mmol)ヨウ化ナトリウム(Aldrich)を加えた。当該反応混合液を、室温で一晩攪拌した。当該溶液に、3.5g(12.3mmol)の4-チア-1-アザビシクロ[3,2,0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,4,4-ジオキシド,一ナトリウム塩(2S,5R,6R)(米国特許第4,287,181号)を加え、そして当該反応混合液を、一晩室温で攪拌した。反応混合液を次に吸引下で濃縮した。200mlの水及び200mlの酢酸エチルを加え、そして有機相を分離し、塩類溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、そして吸引下で濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー上で、1:1酢酸エチル/ヘキサンで溶出した。最終生成物は、赤みがかった油であった。
【化43】

【0089】
類似プロドラッグ5:
【化44】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,1-[[(1-メチルエトキシ)カルボニル]オキシ]エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、類似プロドラッグ4を製造するために使用する方法に従って、但しカルボン酸1-クロロ-エチル・エステル・イソプロピル・エステルを、カルボン酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルの代用として、製造した。MS(m/z):392(M-).2個のジアステレオマーの混合体である赤みがかった油のNMRは以下:
【化45】

である。
【0090】
類似プロドラッグ6:
【化46】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,1-[(プロポキシカルボニル)オキシ]エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、類似プロドラッグ4を製造するために使用する方法に従って、但しカルボン酸1-クロロ-エチル・エステル・プロピル・エステルをカルボン酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルの代わりに使用して製造した。MS(m/z):392(M-).2個のジアステレオマーの混合体である黄色がかった油のNMRは以下:
【化47】

である。
【0091】
類似プロドラッグ7:
【化48】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,1-[(ブトキシカルボニル)オキシ]エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、類似プロドラッグ4を製造するために使用される方法に従って、但し炭酸ブチルエステル1-クロロ-エチル・エステルを炭酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルの代わりに使用して製造した。MS(m/z):406(M-).2個のジアステレオマーの混合体である黄色がかった油のNMRは以下:
【化49】

である。
【0092】
類似プロドラッグ8:
【化50】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[(プロポキシカルボニル)オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、類似プロドラッグ4を製造するために使用される方法に従って、但し炭酸ブチル・エステル・プロピルエステルを炭酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルの代わりに使用して製造した。
【化51】

【0093】
類似プロドラッグ9:
【化52】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[(ブトキシカルボニル)オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、類似プロドラッグ4を製造するために使用される方法に従って、但し炭酸ブチル・エステル・クロロメチル・エステルを炭酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルの代わりに使用して製造した。最終生成物は、非晶質の白色固体であった。
【化53】

【0094】
類似プロドラッグ10:
【化54】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,2,5-ジヒドロ-5-オキソ-2-フラニル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、類似プロドラッグ4を製造するために使用される方法に従って、但し5-ブロモ-5H-フラン-2-オンを炭酸クロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルの代わりに使用して製造した。MS(m/z):344(M-).NMRは2個のジアステレオマーの混合体である。当該生成物は、非晶質の固体であった。
【化55】

【0095】
類似プロドラッグ11:
【化56】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,(1-オキソブトキシ)メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、類似プロドラッグ4を製造するために使用される方法に従って、但しクロロメチル・ブチレート(Acros Organicsをクロロメチル・エステル・イソプロピル・エステルの代わりに使用して製造した。当該プロドラッグは透明の油であった。
【化57】

【0096】
類似プロドラッグ12:
【化58】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,1,3-ジヒドロ-3-オキソ-1-イソベンゾフラニル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
5%イソプロピル・アルコール/95%塩化メチレンを使用して、275mgの類似プロドラッグ3をシリカゲル上でクロマトグラフィーにより製造して、200mgのジアステレオマーの混合体を産生し、続いて70mgの単一(より極性の)ジアステレオマーを産生した。当該生成物は、非結晶固体であった。MS(m/z):394(M-).NMRは、より極性のジアステレオマーを表す。
【化59】

【0097】
類似プロドラッグ13:
【化60】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,(アセチルオキシ)メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、類似プロドラッグ1を製造するために使用される方法に従って、但し酢酸ブロモメチル(Aldrich)を、ピルビン酸クロロメチルの代わりに使用して製造した。当該最終生成物は、透明の油であった。
【化61】

【0098】
類似プロドラッグ14:
【化62】

4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,1-(アセチルオキシ)-1-メチルエチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)
当該プロドラッグを、類似プロドラッグ1を製造するために使用される方法に従って、但し酢酸-1-クロロ-1-メチル・エチル・エステルをピバリン酸クロロメチルの代わりに使用して製造した。最終生成物は、無定形固体であった。
【化63】

【0099】
実施例9
血漿安定性
種々の哺乳動物由来の血漿中のプロドラッグ1の安定性は、プロドラッグ1が吸収前の加水分解に抵抗するが、吸収後すみやかに加水分解して、6-β-HMPASを形成する能力を見積もるために評価される。
プロドラッグ1、Na-HMPAS、及びクラブラン酸リチウムの血漿安定性を、調製されその後使用前に1回の凍結/融解サイクルにかけられた血漿を使用して、マウス、ラット、イヌ、サル、及びヒト血漿中で測定した。インキュベーションは、96ウェル-ヒート・ブロックにおいて、37℃で5分間前もってインキュベーションされた990μlの血漿からなった。100%メタノール中の10mMストック化合物、10μlを加えて、インキュベーションを開始した。連続して一定量(100μl)を取り出し、そして0、1、2、5、10、20、30、及び60分で、200μlの75/25アセトニトリル/3%過塩素酸に移した。サンプルを遠心し、上清を注入バイアルに移し、そして20μlを、LC/MS・1の四重極質量分析計と繋がったHPLCに注入した。LC/MSシステムを陰イオンモードで実行した。各分析物に対する適切な[M-H]-の選択的イオン・モニタリングを、各時間点での残存化合物を検出及び定量するために使用した。各時間点でのピーク応答は、時間=0で得られるピーク応答の割合として表された。分解割合定数(kd)は、時間=0分〜時間=240分のピークの割合の低下により取得された。明確な一次半減期を、次にln2/kdとして見積もった。これらの測定を、2回の実験を行って完了し、そして平均を以下に示されるように報告した。
【0100】
【表1】

【0101】
試験された全ての種におけるプロドラッグ1の加水分解割合は、吸収の際に有効な酵素的加水分解を示して、6-β-HMPASを産生した。
【0102】
実施例10
吸収(経口インビボ生物学的利用能)
プロドラッグ1は、中性pHで短い溶液半減期しか有さず、そしてエステラーゼの存在下で、当該プロドラッグは数分間のうちに加水分解されるので、ヒトCaco-2細胞系列を使用するインビトロ評価は、プロドラッグ吸収を計測するために不適切であると決定された。代わりに、吸収のインビボモデルは、本発明のプロドラッグの吸収を評価するためにより適切であることが分かった。さらに、ヒトに吸収される割合に対するラットに吸収される割合の相関は、幾つかの市販の試薬において研究されており、そして相関は、かなり良好であることが示されてきている(corr=0.971)(Chiou, W. L. 及びA. Barve, 1998. Linear correlation of the fraction of oral dose absorbed of 64 drugs between humans and rats. Pharm. Res. 15: 1792- 1795.を参照のこと。)。当該相関に基づいて、ラットは、ヒトの吸収を予想するために使用された。ラット及びヒト肝細胞により示唆されるように、6-β-HMAPSが最少の肝抽出を示すということがさらに認められるべきである。こうして、ラットにおける経口生物学的利用能の評価は、ヒトに吸収される割合とよく相関するべきである。
【0103】
経口生物学的利用能の評価は、Na-HMAPS、プロドラッグ1、2、3、及び4、並びに実施例8の14の類似プロドラッグに関して行われ、各評価は、外科的に植え込まれた頸静脈カテーテルを備えた3匹のスプログ-ダーレイ・ラット(200〜225gm)のセットを使用した。経口試験での投与溶媒の選択は、試験される化合物の物理状態に左右された。プロドラッグ1を除く経口投与される全ての化合物は、油又は無定形固体の形態であった。そうして、これらの化合物は、70/20/10の水/クレモフォア(Chremophore)/エタノール溶媒を使用する溶液(PO)投与形態で投与された。
【0104】
結晶であるプロドラッグ1は、上記のような溶液投与形態に剤形された。しかしながら、当該プロドラッグ1投与形態は、溶液の形態にはならず、そして溶媒中においてプロドラッグ1の非均一型懸濁液を形成した。
【0105】
プロドラッグ1の適切な溶液形態を製造することができないため、結晶であるプロドラッグ1は、プロドラッグ1の試料を、不均一の粒子サイズまで微粉砕し、そして次に0.5%メチルセルロース懸濁液として当該試料を懸濁液(PO-S)投与形態で投与された。
【0106】
異なる投与形態の使用は、生物学的利用能の差異を説明しうるが、溶液投与は、典型的には同じ化合物の懸濁液投与に関して、より高い生物学的利用能をもたらすことが予期される。なぜなら、懸濁液の溶解が吸収割合の律速となりうるからである。
【0107】
経口プロドラッグ用量は、10ml/kgの用量体積で、6-β-HMPASの10mg/kgの等しい用量をデリバリーするように製造される。生物学的利用能の見積もり(6-β-HMPAS当量)を達成するために、Na-HMPASは、10mg/kgの用量で静脈内投与された。
【0108】
血液サンプルを、投与後0、15、30分、1、2、3、及び5時間で採取した。当該サンプルを次に、血漿に加工し、そして分析前に-20℃で貯蔵した。サンプルを、以下に記載されるように6-β-HMPASについてアッセイし、そして次に経口及び静脈内投与についての平均濃度対時間プロファイルを測定した。血漿濃度対時間曲線より下の面積(AUC0-tlast)は、時間0から最後の定量可能な時間点まで、線形台形近似を使用して計算した。最終排出割合定数(Kel)を、排除段階の明確な開始〜最後のサンプル点の血漿濃度データーを回帰することにより見積もった。排除半減期は、ln2/Kelとして見積もられた。tlast〜無限の面積(AUCtlast-∞)は、Cesttlast/Kel[式中、Cesttlastは、最後の時間点での見積もられた濃度を表す。ここで当該最後の時間点では、薬剤は回帰分析に基づいて定量される]で見積もられた。曲線の下の総面積は、AUC0〜tlast及びAUCtlast-∞の合計として見積もられた。生物学的利用能(F)は、Auc(0〜∞)po×用量iv/Auc(0〜∞)iv×用量PO.として表された。調べられた平均生物学的利用能は、以下に示されるとおりである。
【0109】
【表2】

【0110】
上で記載されるように、本発明のプロドラッグは、6-β-HMPAS、以前に知られていた類似プロドラッグ1、又は以前の化学種に関して開示されたプロドラッグ(類似プロドラッグ2〜14)が有するより有意に良好な生物学的利用能を有する。
【0111】
当該アッセイでは、関心の分析物は、アセトニトリル沈殿、及びクロロホルムでの処理に続いて、水相中に戻し抽出された。これにより、蒸発及び再構成ステップを有することなく、およそ2倍の濃度係数が提供された。
【0112】
陰イオン運転においてLC/MS/MSの使用を介して、検出を行った。四重極型シングル運転は、分析物の選択的検出に不適切であった。
ロード溶媒(95:5 20mMギ酸アンモニウム/アセトニトリル;溶媒A)のpHは〜5.0であった。
分析カラムは、フェネオメネックス・アクア(Pheneomenex AQUA)C18 4.6×50mmであった。
【0113】
全てのサンプル調製を、96ウェル1.2mlMARSH-チューブ中で完了した。サンプルを以下の様に調製した。血漿サンプル(200μl)を、5μg/mlスルバクタムを内部標準として含有する400μlの95:5アセトニトリル:20mMギ酸アンモニウムに加えた。サンプルを、卓上遠心機で3000rpmで10分間遠心した。上清(400μl)を次に未使用の1.2mlMARSH(商標)チューブに移した。クロロホルム(600μl)をサンプルに加え、サンプルを混合し、そして続いて3000rpmで10分間遠心した。移動された水相を次に上部から取り出し(〜100μl)、そして次に分析した。
【0114】
質量分析条件:
質量分析計: ターボスプレイ(Turbo spray)(エレクトロスプレー)を使用する陰イオンモードで運転されるAPI-3000
イオン化電圧:-3000V
オリフィス電圧:-25eV
衝突エネルギー: 30eV
噴霧及び必要に応じて調節される熱ガス
【0115】
反応モニタリング:
6-β-HMPAS: 262=>218
スルバクタム(IS); 232=>140
アモキシリン: 364=>223
クラブラン酸: 198=>136
実行時間: 3分
RT: 全ての分析物について〜2分
注入体積: 20μl
HPLC条件:
溶媒A: 95:5の20mMギ酸アンモニウム:アセトニトリル
溶媒B: 95:5のアセトニトリル:20mMギ酸アンモニウム
分析フロー: 1ml/分
質量分析計への流入:〜100μl/分
弾道的勾配スケジュール:
0〜0.5分 100%A
0.5〜1分 100%A〜100%B
1〜1.5分 100%B
1.5〜2.0分 100%B〜100%A
LLOQ=6-β-HMPAS及びアモキシリンについて0.1μg/ml、クラブラン酸について0.5μg/ml
ULOQ=50μg/ml(全て)
回帰= 線形 1/x 加重
カラム寿命 〜300-400回の注入
【0116】
実施例11
インビトロ選別
市中呼吸病原体由来のβ-ラクタマーゼに対する生化学的活性:
3種のベータ-ラクタマーゼ阻害剤分子:スルバクタム、クラブラネート、及びタゾバクタムのみが市場に存在している。3種全てが、広範囲の細菌において見つかったA型ペニシリナーゼを阻害する。これらの中で、クラブラネートのみが、市中呼吸器感染の経口治療に適応される。Na-HMPASは、アンピシリンに対して抵抗性であるH.インフルエンザ及びM.カタラリスにおいて通常見つかる無細胞ペニシリナーゼの一群に対して試験された。NaHMPASがH.インフルエンザ由来のROB-1及びTEM-1酵素に対してクラブラネートと同等であるということを、以下の表のデーターは示す。三種のベータ-ラクタマーゼ阻害剤の全ては、M.カタラリスにおいて見つかるBRO-1及びBRO-2ペニシリナーゼに対してかなり強力であり、スルバクタムが最も活性であった(表1)。M.カタラリスの最近の臨床分離株30種由来のβ-ラクタマーゼの幅広い分析により、Na-HMPASが、これらの株の全てから由来するBRO-1及びBRO-2酵素を阻害する点で有効であり、平均IC50が0.19μMであったということが示された。
【0117】
【表3】

【0118】
皮膚感染に関与する病原体を含む他の病原体由来のβ-ラクタマーゼに対する生化学活性:
Na-HMPASは、TEM型基質特異性拡張型ラクタマーゼ(ESBLs)の幅広い種類に対して、その阻害有効性の点でクラブラネートに匹敵した。一方、Na-HMPAS及びクラブラネートは、ESBLsに対しては通常同程度の有効性であった。
【0119】
【表4】

【0120】
一般的に、Na-HMPASは、クラブラン酸リチウムに匹敵することが結論付けられうる。
【0121】
β-ラクタマーゼ産生株H.インフルエンザ及びM.カタラリスへの感受性アッセイ:
6-β-HMPASとアモキシリンの種々の比のインビトロ活性を、β-ラクタマーゼを産生する臨床分離株H.インフルエンザ及びM.カタラリスを使用してアッセイした。NCCLS(臨床研究所規格委員会)は、アモキシリン/クラブラネートの固定2:1の比を使用するオーグメンチンについての感受性決定方法を承認した。46種のH.インフルエンザのβラクタマーゼ(+)株に対して、アモキシリン/クラブラネートとアモキシリン/6-β-HMPAの両方についてのアモキシリンMIC50及びMIC90値(つまり、試験された分離株の50%又は90%の成長を抑制するために必要とされる最少阻害濃度)は、それぞれ1及び2μg/mlであった。一方、2:1のアモキシリン/スルバクタムについてのMIC50及びMIC90値は、4及び8μg/mlであった。但し、当該数値は、混合体におけるアモキシリン濃度を指す。
【0122】
48種のM.カタラリスの分離株に対して、アモキシリン/クラブラネートについてのMIC50及びMIC90値は、0.125及び0.25μg/ml以下であり、そしてアモキシリン/6-β-HMPASについてはそれぞれ0.5及び1.0μg/mlであった。こうして、M.カタラリスにおいて見つかったBro1/2酵素に対してスルバクタムが一貫してより有効であることから、細胞全体で得られたMICsは、常に無細胞ベータ-ラクタマーゼに対する阻害効力とよく相関するわけではない。
【0123】
非βラクタマーゼ産生株であるストレプトコッカス・ニューモニエについての感受性アッセイ:
ペニシリン感受性、中程度のペニシリン感受性、及びペニシリン抵抗性と分類されたS.ニューモニエの臨床分離株に対する当該組合せのインビトロ活性を、アモキシリンのみで観察された活性と比較した。これらの株の幾つかは、MICsが4〜8μg/mlの範囲内であるペニシリン及びアモキシリンに対する高レベルの抵抗性を示した。PBPに基づく抵抗性を有する病原体について予期されるように、S.ニューモニエの分離株についての結果は、阻害剤の存在が、アモキシリンMICsに関して影響を与えなかったということを確認した。
【0124】
21種のペニシリン抵抗性株(ペニシリンMICが1〜8μg/ml)についてのアモキシリンMIC50及びMIC90は、アモキシリン単独について、並びに2:1、7:1、及び14:1の比のアモキシリン/阻害剤で試験された全てのベータ-ラクタマーゼ阻害剤の組合せについて、2及び4μg/mlであった。最終的に、全ての組合せは、21種の中程度のペニシリン感受性のS.ニューモニエ及び12種のペニシリン感受性の分離株の群に対して試験された。ここでも、両群のMICの値の全ては、当該組合せにおけるアモキシリン成分量を表した。中程度のペニシリン感受性の群についてのアモキシリンのMICは、0.03〜1μg/mlの範囲であり、そして感受性群についてのMICは、0.0156〜0.06μg/ml以下であった。
【0125】
アッセイ方法:
アッセイは、NCCLS文書M7-A4、1997年12月、及びM100-S12、2002年、Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically- Approved Standardにおいて記載された方法に従って行われた。
【0126】
凍結ストックの調製
H.インフルエンザは、チョコレート・アガー・プレート上で成長させた。コロニーをヘモフィラス試験培地(HTM, Remel Diagnostics) 中に懸濁した。当該培地は、1NのNaOHでpH7.4に調節され、そしてフィルター滅菌されていた。当該培地を、50%グリセロールと混合して、20%グリセロールの終濃度にした。ストレプトコッカス・ニューモニエ及びモラゼラカタラリスの成長した菌株をヤギ血液アガー・プレートから掻きとって、そしてMueller Hintonブロス+5%溶解ヤギ血液中に置いた。凍結のために、50%グリセロールは、終濃度20%になるように加えられた。全ては-70℃で凍結される。
【0127】
薬剤プレートの製法:96ウェル・マイクロタイター・プレートを、薬剤希釈のために使用した。全ての薬剤は、4×のワーキング・ストック溶液を作るために十分な量に計られた。薬剤を、DMSO中に可溶化するか、又は他の適切な溶媒中に可溶化し、試験培地に溶解し、そして当該溶液100μlを、各々が元々100μlの体積の培地を含む10個の薬剤ウェル[カラム1からカラム10]、並びに接種菌液を含まない1の薬剤ウェル[カラム11]をとおして2倍に連続希釈した。カラム12は、薬剤を含まない接種菌液コントロール・ウェルである。各ウェルにおける最終体積は100μlである。
【0128】
H.インフルエンザに対する薬剤プレートは、1N・NaOHでpHを7.4に調節され、フィルター滅菌されたHTM中に連続的に希釈される。他の2種を、Mueller Hintonブロス+5%溶解ウマ血液中に希釈した。コントロール化合物は、各アッセイで実行される。薬剤プレートは、-70℃で凍結され、そして使用する日に融解された。
【0129】
接種菌の成長:
H.インフルエンザは、5%CO2インキュベーター内で、1%ヘモグロビン及び1%GCHIを含むMueller Hintonアガープレート[チョコレート・アガー・プレート]上で、37℃で一晩成長させた。S. ニューモニエ及びM.カタラリスは、5%ヤギ血液を含むMuller Hintonアガー上で、同じ条件下で成長した。
【0130】
接種材料の調整:
一晩成長した菌を、アガープレートから取り、そして適切な試験培地中に懸濁した。全ての懸濁液は、H.インフルエンザ用のヘモフィラス試験培地(HTM)ブロス、又はカチオン添加Muller Hintonブロス+5%溶解ウマ血液(S.ニューモニエ及びM.カタラリス用)を使用してアッセイの日に分光分析により、0.5McFarland標準懸濁液(約1〜2×108CFU/ml)に対応する濁度の標準ODに調節した。当該懸濁液は、0.14のOD625を有した。ウェルにおいて2〜7×105cfu/mlの最終接種菌を得るために、以下の希釈をMcfarlandストックから作った:
全てのH.インフルエンザ株は、HTM中に1/100希釈した。
全てのS.ニューモニエ及びM.カタラリスを、5%溶解ウマ血液を含むカチオン添加Mueller Hiltonブロス中に1:100希釈した。
【0131】
プレートの接種:
100μlの希釈接種菌を、滅菌試験プレート中の各100μlの希釈薬剤に加えた。当該試験の全体積は、1ウェルあたり200μlである。マイクロタイターウェルに適切に希釈された株(上記参照のこと)は、2〜7×105CFU/mlの最終接種菌を有するであろう。これらの細胞接種は、ゼロ時間で、ウェルの生存カウントを行うことにより、ランダムプレート上で確認される。これは、ウェルから10μlを取り、そして10mlの滅菌生理食塩水(1:1000希釈)中に希釈することにより容易に行われる。ボルテックスした後に、100μlの希釈懸濁液を血液アガープレート又はH.インフルエンザの場合ではチョコレートアガープレート上に撒いた。インキュベーションの後に、50コロニーが存在すると、5×105CFU/mlの接種菌密度を指す。マイクロタイター・トレーに接種するために使用されるカルチャーは、単一のコロニーを得るためストリーキングされ、そして典型的なコロニーの形態について観測される。
【0132】
マイクロタイタープレートのインキュベーション:
プラスチック製の蓋をプレート上に置いた後に、マイクロタイタープレートを、ウェルからの蒸発を防止する制御された湿度インキュテーター内のプラスチックボックス中でインキュベーションした。プレートを、4個まで積み重ねた。全てのマイクロタイター・プレートは、好気的に35℃で24時間インキュベーションした。
全てのプレートをインキュベーションし、そして24時間後に読み取り、そしてNCCLS型株H.インフルエンザATCC49766及びS.ニューモニエATCC49619に対するコントロール薬剤が、発表されている範囲内であるときのみ、結果を記録した。
【0133】
実施例12
インビボ効力
3個の感染モデルにおけるアモキシリン、プロドラッグ1、アモキシリン/プロドラッグ1の組合せ、及びアモキシリン/クラブラネート(オーグメンチン(商標))のインビボ抗菌効果。
これらの選択された分離株についてのデーターにより、6-β-HMPASは、呼吸器病原体H.インフルエンザ及びM.カタラリス由来のβ-ラクタマーゼについてのクラブラネートと一般的に匹敵するということが示された。
【0134】
スナネズミ中耳炎モデル:
当該モデルにおいて、モンゴリアン・スナネズミを、S.ニューモニエ又はH.インフルエンザで感染させた。メスのモンゴリアン・スナネズミ(50〜60g)を、log5〜6CFUのH.インフルエンザ又はS.ニューモニエで、左の鼓室胞において感染させた。感染後18時間で、0.5%メチルセルロース溶媒500Mμl中の用量をデリバリーするアモキシリンとプロドラッグ1の組合せ(7:1)で、用量依存的治療計画 (1日3回2日間) を開始した。ED50を、感染後4日目において細菌排除データーから計算した。
【0135】
7:1の組合せのアモキシリン/プロドラッグ1及びオウグメンチンは、S.ニューモニエ(両方についてED50は0.86mg/kg)及びH.インフルエンザの非B型β-ラクタマーゼ+株(ED50は、それぞれ11.3及び9.0mg/kg)の両方を除去する点において同等に有効であった。14:1の比のアモキシリン/プロドラッグ1は、両方の生物に対して有効であり、S.ニューモニエに対して3.4mg/kgのED50を有し、そしてH.インフルエンザに対して、8.8mg/kgのED50を有した。単一薬剤としてのアモキシリンは、これらの病原体に対して失敗に終わった。
【0136】
マウス全身感染モデル
当該モデルでは、メスCF-1又はDBA/2マウス(18〜20g)を、10%ムチン又は3%ビール酵母を含むブロス中にそれぞれ懸濁され、そして500μlでデリバリーされるlog2〜6CFUのS.ニューモニエ、S.アウレウス、又はM.カタラリスで腹腔内感染させた。感染後1時間において、用量を0.5%メチルセルロース溶媒の200μlの体積においてデリバリーするアモキシリン/プロドラッグ1(7:1)の組合せで、用量反応治療計画を開始した(1日二回、1日)。ED50を感染後4日の生存データーから計算した。
【0137】
アモキシリン/プロドラッグ1の組合せは、これらの菌株の全てが原因となる死から、マウスを守る点で有効であった。一般的に、アモキシリン/プロドラッグ1の組合せの活性は、オーグメンチンの活性に匹敵する。7:1組合せは、一般的に14:1組合せより有効である。
【0138】
マウス肺炎モデル:
当該モデルにおいて、メスCF-1(18〜20g)を鼻腔内で、40μlの体積にデリバリーされたS.ニューモニエのlog5〜6CFUで感染させ、そして感染後18時間において、200μlの体積の0.5%メチルセルロース溶媒の用量でデリバリーするアモキシリン/プロドラッグ1(7:1)の組合せで、用量応答治療計画(1日2回、2日間)を開始した。ED50を感染後10日における生存データーから計算した。
【0139】
アモキシリン/プロドラッグ1及びオーグメンチンは、当該ペニシリン-抵抗性に対して同等に有効であった(PD50はそれぞれ20.4及び25.1mg/kgであった)。肺炎のペニシリン抵抗性株は、β-ラクタマーゼを有さないので、アモキシリンの活性は、6-β-HMPAS又はクラブラネートの存在により改善されない(又は拮抗作用されない)。ペニシリン感受性株に比べて、ペニシリン抵抗性株に関して記録される高いPD50は、高いMICと一致する。
【0140】
要約すると、アモキシリン/プロドラッグ1(7:1及び14;1)の組合せのインビボ経口活性は、スナネズミ中耳炎モデル及び腹膜炎及び肺炎のマウスモデルにおいて、オーグメンチンと直接の様式で比較される。アモキシリン/プロドラッグ1の組合せは、これらのモデルにおける呼吸器病原体(M.カタラリス及びS.ニューモニエ)及び皮膚及び軟部組織病原体(S.アウレウス)に対するオーグメンチンの活性に匹敵するインビボ活性を示した。アモキシリン/プロドラッグ1のインビボ実効は、2:1の比でMICアッセイにおいてアッセイされる時、当該組合せのインビトロ活性と一致した。
【0141】
【表5】

【0142】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造:
【化1】

[式中、
(a) RはH又はメチルであり、各Xはメチレンであり、かつYはOであるか;或いは
(b) RはHであり、各XはOであり、そしてYはメチレンである]
を有するプロドラッグ、及びその溶媒和化合物。
【請求項2】
以下の群:
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、及び
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[(1,3-ジオキサン-5-イルオキシ)カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド,(2S,5R,6R)から選ばれる請求項1に記載のプロドラッグ。
【請求項3】
以下の構造:
【化2】

を有するプロドラッグ、及びその溶媒和化合物。
【請求項4】
(a) 以下の構造:
【化3】

[式中、
(i) RはH又はメチルであり、各Xはメチレンであり、かつYはOであるか;或いは
(ii)RはHであり、各XはOであり、かつYはメチレンである]
を有するプロドラッグ;及び
(b) 医薬として許容される賦形剤
を含む医薬組成物。
【請求項5】
前記プロドラッグが、以下の:
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、及び
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[(1,3-ジオキサン-5-イルオキシ)カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド,(2S,5R,6R)
からなる群から選ばれる、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
(a) 以下の構造:
【化4】

を有するプロドラッグ、又はその溶媒和化合物;及び
(b) 医薬として許容される賦形剤
を含む、医薬組成物。
【請求項7】
前記組成物が、さらにベータ-ラクタム系抗生物質を含む、請求項4-6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記ベータ-ラクタム系抗生物質がアモキシリンである、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
哺乳動物においてベータ-ラクタム系抗生物質の治療有効性を増加させる方法であって、当該哺乳動物に、ベータ-ラクタム系抗生物質の有効量と、以下の構造:
【化5】

[式中、
(i) RはH又はメチルであり、各Xはメチレンであり、かつYはOであるか;或いは
(ii) RはHであり、各XはOであり、かつYはメチレンである]
を有する有効性を増加させる量のプロドラッグ、又はその溶媒和化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項10】
哺乳動物に、有効量のベータ-ラクタム抗生物質及び、以下の構造:
【化6】

[式中、
(i) RはH又はメチルであり、各Xはメチレンであり、かつYはOであるか;或いは
(ii) RはHであり、各XはOであり、かつYはメチレンである]
を有する有効性を増加させる量のプロドラッグまたはその溶媒和化合物を投与することによる、哺乳動物における細菌感染の治療方法。
【請求項11】
前記プロドラッグが、以下の:
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、及び
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[(1,3-ジオキサン-5-イルオキシ)カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド,(2S,5R,6R)
からなる群から選ばれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ベータ・ラクタム抗生物質がアモキシリンである、請求項10、11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記哺乳動物がヒトである、請求項10、11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
哺乳動物における細菌感染の治療方法であって、当該哺乳動物に、以下の:
(a) 以下の構造:
【化7】

[式中、
(i) RはH又はメチルであり、各Xはメチレンであり、かつYはOであるか;又は
(ii) RはHであり、各XはOであり、かつYはメチレンである]
を有するプロドラッグ又はその溶媒和化合物;並びに
(b) ベータ・ラクタム抗生物質
を含む医薬組成物の治療有効量を投与することによる、前記方法。
【請求項15】
前記プロドラッグが、以下の:
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ]カルボニル]-オキシ]エチル・エステル,4,4-ジオキシド(2S,5R,6R)、及び
4-チア-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸,6-(ヒドロキシメチル)-3,3-ジメチル-7-オキソ-,[[(1,3-ジオキサン-5-イルオキシ)カルボニル]オキシ]メチル・エステル,4,4-ジオキシド,(2S,5R,6R)
からなる群から選ばれる、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2006−526612(P2006−526612A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508430(P2006−508430)
【出願日】平成16年5月24日(2004.5.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001824
【国際公開番号】WO2004/108733
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】