説明

ベータセクレターゼインヒビター

本発明は、構造式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。変数の定義は本明細書に記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年2月24日に出願された米国仮出願第61/307,625号、発明の名称「ベータセクレターゼインヒビター」の利益を主張する。上記出願の教示の全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の背景
β−アミロイド沈着及び神経原線維変化は、アルツハイマー病(AD)に関連する2つの主な病的特徴である。臨床的には、ADは、記憶力、認知力、論理的思考力、判断力及び適応力の欠損を特徴とする。疾患の進行につれ、運動、知覚及び言語の能力もまた影響を受け、複数の認知機能の広範囲な損傷に至る。このような認知欠損は、徐々に起こるが、典型的には、深刻な損傷へと進行し、そして、最終的には、4〜12年で死に至る。
【0003】
β−アミロイド沈着は、主にAβペプチドの凝集体であり、言い換えれば、アミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解の産物である。更に具体的には、Aβペプチドは、β−アミロイド生成経路の一環としての、1つ以上のγ−セクレターゼによるC末端における、そしてβ−セクレターゼ酵素(BACE)、別称アスパルチルプロテアーゼによるN末端における、APPの開裂の結果である。
【0004】
BACE活性は、APPからのAβペプチドの生成と直接相関しており、BACEを阻害すると、Aβペプチドの産生が阻害されることが、研究によりますます明らかになっている。
【0005】
アミロイド生成性斑(Amyloidogenic plaques)及び血管分布性アミロイド血管症(vascular amyloid angiopathy)は、また、患者の脳を、21トリソミー(ダウン症候群)、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血(HCHWA−D)及び他の神経変性障害で特徴づける。神経原線維変化は、認知症を引き起こすような障害を含む他の神経変性障害においても起こる。
【0006】
最近、アミロイド−β(Aβ)は、緑内障におけるRGCのアポトーシスの発生に関与していることが報告されており、その証拠として、実験的緑内障のRGCにおける、カスパーゼ−3の介在する異常なアミロイド前駆体タンパク質処理、Aβの発現の増大及び緑内障患者における、硝子体のAβレベルの減少(網膜のAβ沈着と一致する)が示されている。
【0007】
本発明は、BACEインヒビターであり、患者におけるβ−アミロイド沈着又はβ−アミロイドレベルの上昇を特徴とする疾患又は障害の治療、予防及び改善における治療薬として有用な化合物を提供する。
【0008】
発明の概要
本発明の一つの実施態様は、構造式(I):
【化1】


で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【化2】


は、二重結合又は単結合である。
Wは、
【化3】


が、二重結合であるとき、Cであり、又はWは、
【化4】


が、単結合であるとき、N又はCRである。
環Bは、5員若しくは6員の炭素環又はO、N若しくはSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員の複素環であり、ここで、環Bで表される複素環は、Rで表される1つ以上の基で場合により置換されているが、但し、環Bは、隣接する環酸素原子、隣接する環硫黄原子及び環硫黄原子に隣接する環酸素原子を含まない。
Xは、−O−又は−C(R)−である。
各Rは、−H、−CN、−NO、ハロゲン、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(O)、−S(O)NR1213、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−C(=S)OR、−OC(=S)R、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−NR11C(=S)R、−NR11(C=O)OR、−O(C=O)NR1213、−NR11(C=S)OR、−O(C=S)NR1213、−NR11(C=O)NR1213、−NR11(C=S)NR1213、−C(=O)R、−C(=S)R、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル及び(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルから独立に選択され、そして、ここで、Rで表される各(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシは、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されているか、又は2つのRが、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRで場合により置換されている(C−C)シクロアルキルを形成する。
は、−H、−OH、−(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル又はヘテロアリール(C−C)アルキルであり、ここで各アルキル、アリール及びヘテロアリールは、ハロゲン、−CN、−OH、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びハロ(C−C)アルコキシから独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されている。
各Rは、
a)−H、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(O)、−S(O)NR1213、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−C(=S)OR、−OC(=S)R、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−NR11C(=S)R、−NR11(C=O)OR、−O(C=O)NR1213、−NR11(C=S)OR、−O(C=S)NR1213、−NR11(C=O)NR1213、−NR11(C=S)NR1213、−C(=O)R、−C(=S)R;並びに
b)(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルケニル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル及びヘテロアリール(C−C)アルキニル(ここで各(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルケニル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル及びヘテロアリール(C−C)アルキニルは、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(O)、−S(O)NR1213、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−C(=S)OR、−OC(=S)R、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−NR11C(=S)R、−NR11(C=O)OR、−O(C=O)NR1213、−NR11(C=S)OR、−O(C=S)NR1213、−NR11(C=O)NR1213、−NR11(C=S)NR1213、−C(=O)R、−C(=S)R、(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルキル、−(C−C)アルキレン−NR11−SO−(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、シアノ(C−C)アルキル、−(C−C)アルキレン−NR11−C(=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されており、ここで、Rで表される基の上の置換基中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルから独立に選択される1〜3個の置換基で各々場合により置換されている)
から独立に選択される。
及びRは、それぞれ独立して、−H、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルである。
は、−H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル及びハロゲン、−CN、−NO、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルで場合により置換されているフェニルからなる群より選択される。
は、−H又は(C−C)アルキルである。
は、−H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルである。
及びRは、それらが結合している炭素と一緒になって、環A(これは、ハロゲン、−CN、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(=O)、−C(=O)OR、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−C(=O)R、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール(C−C)アルキルからなる群より独立に選択される1〜4個の置換基で場合により置換されている、3〜9員のシクロアルキルであり、ここで環A上のその(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール(C−C)アルキル置換基の各々は、(C−C)アルキル、ハロゲン、−CN、−OH、−NR11SO(C−C)アルキル、−NR11C(=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されており、そしてここで環Aは、(C−C)アルキル、ハロゲン、−CN、−OH、−NR11SO(C−C)アルキル、−NR11C(=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されているフェニル基に場合により縮合している)を形成する。
11は、−H又は(C−C)アルキルである。
12は、−H又は(C−C)アルキルである。
13は、−H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルである。
iは、0、1又は2である。
pは、1、2、3又は4である。
【0009】
本発明のもう一つの実施態様は、薬学的に許容される担体又は希釈剤及び構造式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
【0010】
本発明のもう一つの実施態様は、かかる処置を必要とする対象者におけるBACE活性を阻害する方法である。本方法は、有効量の、構造式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を、対象者に投与することを含む。
【0011】
本発明のもう一つの実施態様は、対象者におけるBACE介在障害を処置する方法である。本方法は、有効量の、構造式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を、対象者に投与することを含む。
【0012】
本発明のもう一つの実施態様は、対象者におけるBACE活性を阻害するための薬剤の製造のための、構造式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用である。
【0013】
本発明のもう一つの実施態様は、対象者におけるBACE介在障害の処置のための薬剤の製造のための、構造式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用である。
【0014】
本発明のもう一つの実施態様は、対象者におけるBACE活性を阻害するための、構造式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用である。
【0015】
本発明のもう一つの実施態様は、対象者におけるBACE介在障害の処置のための、構造式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用である。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、構造式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。構造式(I)及び本明細書における他の構造式における変数の意味及び代替的意味を以下の段落に記す。
【0017】
は、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは、Rは、−H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−CN、−NRであり、ここで各(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシは、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されているか、又は2つのRが、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRで場合により置換されている(C−C)シクロアルキルを形成する。もう一つの選択肢において、各Rは、存在する場合、−H、−F、−CN、−Me、−Et、−OMe、−CF及び−NHからなる群より独立に選択されるか、又は2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル環を形成する。
【0018】
は、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは、Rは、−H又は(C−C)アルキルである。もう一つの選択肢において、Rは、−Hである。
【0019】
は、構造式(I)に関する上記のとおりである。一つの選択肢において、各Rは、−H、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−C(=O)NR1213、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、フェニル(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピリダジニル、ピリダジノン、ピリジノン、チオフェニル、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ピロリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群より独立に選択され、ここで、その(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、フェニル(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロヘキセニル、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、ピリダジニル、ピリダジノン、ピリジノン、チオフェニル、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ピロリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの各々は、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、−NR及び−SOからなる群より独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されている。
【0020】
あるいは、Rは、−Br、−Cl、−CN、−OR、(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、フェニル又はピリジニルであり、ここで、その(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、フェニル及びピリジニルの各々は、−F、−Cl、−Br、−CN、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びハロ(C−C)アルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されている。
【0021】
もう一つの代替的実施態様において、各Rは、−Br、−Cl、−CN、シクロプロピルエチル、シクロプロピルエチニル、シクロプロピルメトキシ、5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、2−ピリジル、3−クロロ−5−フルオロフェニル、3−シアノフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル及びメトキシからなる群より独立に選択される。
【0022】
及びRは、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは、R及びRは、共に−Hである。
【0023】
は、構造式(I)に関する上記のとおりである。もう一つの実施態様において、Rは、−H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル及び、ハロゲン、−CN、−NO、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルで場合により置換されているフェニルからなる群から選択される。あるいは、Rは、−H、−Me、−CF及びシクロプロピルメチルからなる群から選択される。
【0024】
及びRは、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは、R及びRは、共に−Hである。
【0025】
及びR及び環Aは、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは、環Aは、下記構造式:
【化5】


[式中、R19及びR20は、−H、ハロゲン、−CN、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(=O)、−C(=O)OR、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−C(=O)R、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール(C−C)アルキルからそれぞれ独立に選択され、ここで、R19及びR20で表されるその(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール(C−C)アルキル基の各々は、ハロゲン、−CN、−OH、−NR11SO(C−C)アルキル、−NR11C(=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されている]で表される。もう一つの選択肢において、R19及びR20は、−H、ハロゲン、−CN、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(=O)、−C(=O)OR、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−C(=O)R及び(C−C)アルキルから、それぞれ独立に選択され、ここで、そのR19及びR20で表される(C−C)アルキル基は、ハロゲン、−CN、−OH、−NR11SO(C−C)アルキル、−NR11C(=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されている。あるいは、R20は、−Hであり、R19は、−OH、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシである。
【0026】
もう一つの選択肢において、環Aは、
【化6】


で表され、R19は、−H、−OH、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシである。
11は、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは、R11は、−H又は(C−C)アルキルである。もう一つの選択肢において、R11は、−Hである。
【0027】
12及びR13は、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは、R12及びR13は、共に−Hである。
【0028】
15は、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは、R15は、−H又は(C−C)アルキルである。もう一つの選択肢において、R15は、−Hである。
【0029】
一つの実施態様において、Xは、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは、Xは、−O−又は−CH−である。もう一つの選択肢において、Xは、−O−である。さらにもう一つの代替的実施態様において、Xは、−CH−である。
【0030】
一つの実施態様において、iは、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは、iは、0である。もう一つの代替的実施態様において、iは、2である。
【0031】
一つの実施態様において、pは、構造式(I)に関する上記のとおりである。もう一つの実施態様において、pは、2である。あるいは、pは、1である。
【0032】
環Bは、単環式の炭素環又は単環式の複素環であり、ここで、その炭素環又は複素環は、1つ以上のRで場合により置換されているが、但し、環Bは、隣接する環酸素原子、隣接する環硫黄原子及び環硫黄原子に隣接する環酸素原子を含まない。もう一つの実施態様において、環Bは、N、O及びSからなる群より独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員の複素環であり、ここでその複素環は、1つ以上のRで場合により置換されているが、但し、環Bは、隣接する環酸素原子、隣接する環硫黄原子及び環硫黄原子に隣接する環酸素原子を含まない。あるいは、環Bは、1つ以上のRで場合により置換されているフェニル環である。
【0033】
Wは、
【化7】


が二重結合であるとき、Cであり、又はWは、
【化8】


が単結合であるとき、N又はCRである。
【0034】
第1の実施態様において、本発明の化合物は、以下より選択される構造式:
【化9】


[式中、
aは、1、2、3又は4であり;
bは、1、2又は3であり;
cは、1〜8の整数であり;
dは、1〜6の整数であり;
eは、1、2、3又は4であり;そして
fは、1又は2である]で表されるか、又はその薬学的に許容される塩である。
【0035】
残りの変数は、構造式(I)に関する上記のとおりである。あるいは構造式(II)〜(VIII)に関し、Xは、−CH−である。もう一つの選択肢において、構造式(II)〜(VIII)に関し、Xは、−O−である。
【0036】
第2の実施態様において、本発明の化合物は、以下より選択される構造式:
【化10】




[式中、変数は、第1の実施態様における構造式(II)〜(VIII)に関する上記のとおりである]で表されるか、又はその薬学的に許容される塩である。
【0037】
第3の実施態様において、本発明の化合物は、構造式(I)、(II)〜(VIII)、(IIa)〜(VIIIa)及び(IIb)〜(VIIIb)から選択される構造式で表され、ここで、環A(すなわち、それらが結合している炭素原子と一緒になったR及びR)は、構造式(B):
【化11】


[式中、R19及びR20は、−H、ハロゲン、−CN、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(=O)、−C(=O)OR、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−C(=O)R、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール(C−C)アルキルから、それぞれ独立に選択され、ここで、R19及びR20で表されるその(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール(C−C)アルキル基の各々は、ハロゲン、−CN、−OH、−NR11SO(C−C)アルキル、−NR11C(=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されている]で表される。残りの変数は、第1又は第2の実施態様における上記のとおりである。あるいは、R20は、−Hであり、そしてR19は、−OH、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシであり;そして、残りの変数は、第1又は第2の実施態様における上記のとおりである。
【0038】
第4の実施態様において、本発明の化合物は、以下より選択される構造式:
【化12】




[式中、
は、−H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−CN、−NRであり、ここで、各(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシは、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されているか、又は2つのRが、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRで場合により置換されている(C−C)シクロアルキルを形成し;
19は、−OH、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシであり;
aは、1であり;
bは、1であり;
cは、1であり;
dは、1又は2であり;
eは、1であり;そして
fは、1であり;そして
残りの変数は、第1の実施態様における構造式(II)〜(VIII)に関する上記のとおりである]で表されるか、又はその薬学的に許容される塩である。
【0039】
第5の実施態様において、本発明の化合物は、構造式(I)、(II)〜(VIII)、(IIa)〜(VIIIa)、(IIb)〜(VIIIb)、(IIc)〜(VIIIc)及び(IId)〜(VIIId)から選択される構造式で表され、
は、−H又は(C−C)アルキルであり;
各Rは、−H、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−C(=O)NR1213、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、フェニル(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピリダジニル、ピリダジノン、ピリジノン、チオフェニル、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ピロリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群より独立に選択され、その(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、フェニル(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロヘキセニル、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、ピリダジニル、ピリダジノン、ピリジノン、チオフェニル、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ピロリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの各々は、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、−NR及び−SOからなる群より独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されている。各Rは、−Br、−Cl、−CN、−OR、(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、フェニル及びピリジニルから独立に選択され、ここでその(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、フェニル及びピリジニルの各々は、−F、−Cl、−Br、−CN、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びハロ(C−C)アルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されており;
各Rは、存在する場合、−H、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRからなる群より独立に選択されるか、又は2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルから独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されている(C−C)シクロアルキルを形成し;そして
残りの変数は、第1、第2、第3又は第4の実施態様における上記のとおりである。
【0040】
第6の実施態様において、本発明の化合物は、構造式(I)、(II)〜(VIII)、(IIa)〜(VIIIa)、(IIb)〜(VIIIb)、(IIc)〜(VIIIc)及び(IId)〜(VIIId)から選択される構造式で表され、
は、−H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、及びハロゲン、−CN、−NO、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルで場合により置換されているフェニルからなる群から選択され;
は、−H又は(C−C)アルキルであり;
は、−H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルであり;
11は、−H又は(C−C)アルキルであり;
12は、−H又は(C−C)アルキルであり;そして、
13は、−H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルであり;そして
残りの変数は、第1、第2、第3、第4又は第5の実施態様における上記のとおりである。
【0041】
第7の実施態様において、本発明の化合物は、構造式(I)、(II)〜(VIII)、(IIa)〜(VIIIa)、(IIb)〜(VIIIb)、(IIc)〜(VIIIc)及び(IId)〜(VIIId)から選択される構造式で表され、
は、−Hであり;
各Rは、−Br、−Cl、−CN、シクロプロピルエチル、シクロプロピルエチニル、シクロプロピルメトキシ、5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、2−ピリジル、3−クロロ−5−フルオロフェニル、3−シアノフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル及びメトキシからなる群より独立に選択され;そして、
各Rは、存在する場合、−H、−F、−CN、−Me、−Et、−OMe、−CF及び−NHからなる群より独立に選択されるか、又は2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成し;そして
残りの変数は、第1、第2、第3、第4、第5又は第6の実施態様における上記のとおりである。
【0042】
第8の実施態様において、本発明の化合物は、構造式(I)、(II)〜(VIII)、(IIa)〜(VIIIa)、(IIb)〜(VIIIb)、(IIc)〜(VIIIc)及び(IId)〜(VIIId)から選択される構造式で表され、
は、−Me、−CF及びシクロプロピルメチルからなる群から選択され;そして
、R、R11、R12及びR13は、すべて−Hであり;そして
残りの変数は、第1、第2、第3、第4、第5、第6又は第7の実施態様における上記のとおりである。
【0043】
本発明のもう一つの実施態様は、実施例1〜37に記載の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、又は薬学的に許容される塩に関する。
【0044】
一般的定義:
本明細書において具体的に定義されていない用語は、その開示及び文脈に照らして、当業者がそれらに与えるであろう意味を有すると理解されるべきである。しかし、本明細書において、反する規定のない限り、次の用語は、指定される意味を有し、さらに次の定めが加えられる。
【0045】
以下に定義する基、ラジカル又は部分において、炭素原子の数は、しばしばその基に先立って指定され、例えば、(C−C)アルキルは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基又はラジカルを意味する。一般に、2つ以上の下位基を含む基に関して、最後に名付けられた下位基が、そのラジカルの結合点であり、例えば、置換基「アリール(C−C)アルキル」は、(C−C)アルキル基に結合しているアリール基であり、前者は、中心に、又はその置換基が結合している基に結合していることを意味する。
【0046】
本発明の化合物が、化学名の形式と式とで示されている場合、齟齬が生じた場合は、式が優先するものとする。
【0047】
1つの化合物において、変数(例:アリール、ヘテロシクリル、R、R等)が1回以上出現する場合、その定義は、出現ごとに他の出現とは独立している。
【0048】
「アルキル」は、指定された数の炭素原子を有する、飽和脂肪族分岐鎖又は直鎖の一価の炭化水素ラジカルを意味する。例えば、「(C−C)アルキル」は、直鎖又は分岐鎖の配置において、1〜6個の炭素原子を有するラジカルを意味する。「(C−C)アルキル」は、メチル(−CH)、エチル(−CHCH)、プロピル(−CHCHCH及び−CH(CH)CH)、ブチル(−CHCHCHCH、−CH(CH)CHCH、CHCH(CH)CH及び−C(CHCH,)、ペンチル(−CHCHCHCHCH、−CH(CH)CHCHCH、−CHCH(CH)CHCH、−CHCHCH(CH)CH、−C(CHCHCH、−CHC(CHCH、−CH(CH)CH(CH)CH及び−CH(CHCH)CHCH)、並びにヘキシル(−CH(CHCH、−CH(CH)CHCHCHCH、−CHCH(CH)CHCHCH、−CHCHCH(CH)CHCH、−CHCHCHCH(CH)CH、−C(CHCHCHCH、−CHC(CHCHCH、−CHCHC(CHCH、−CH(CH)CH(CH)CHCH、−CHCH(CH)CH(CH)CH、−CH(CH)CHCH(CH)CH、−CHCH(CHCH)CHCH及び−CHCH(CH(CH)CH)を包含する。
【0049】
「アルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を含有し、そして指定された数の炭素原子を有する、分岐鎖又は直鎖の一価の炭化水素ラジカルを意味する。アルケニルは、一価又は多価の不飽和であってよく、そしてE又はZ配置で存在していてよい。例えば、「(C−C)アルケニル」は、直鎖又は分岐鎖配列において、2〜6個の炭素原子を有するラジカルを意味する。
【0050】
「アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合を含有し、そして指定された数の炭素原子を有する、分岐鎖又は直鎖の一価の炭化水素ラジカルを意味する。例えば、「(C−C)アルキニル」は、直鎖又は分岐鎖配列において、2〜6個の炭素原子を有するラジカルを意味する。
【0051】
「アルコキシ」は、酸素連結原子を介して結合したアルキルラジカルを意味する。「(C−C)−アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシを包含する。
【0052】
「アリール」、「アリール基」、「アリール環」、「芳香族」、「芳香族基」及び「芳香族環」は、互換可能に使用され、芳香族単環式又は多環式の炭化水素環系を意味する。「アリール」は、フェニル、ナフタレニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル及びアントラセニルを包含するが、これらに限定されない。
【0053】
用語「炭素環式(carbocyclyl)」は、単独で使用された場合も、他のラジカルとの組み合わせで使用された場合も、1個〜4個の環を含有する炭素のみからなる、単環式又は多環式の環の環構造を意味する。用語「炭素環」は、完全に飽和であり芳香族である環系及び部分的に飽和である環系を指し、そして、縮合された、スピロ系及び架橋系を包含する。
【0054】
「シクロアルケン」は、指定された数の炭素原子を有する、不飽和であり非芳香族である脂肪族環式炭化水素ラジカルである。これは、単環式、二環式、三環式、縮合、架橋又はスピロであり得る。したがって、単環式の(C−C)シクロアルケンは、環に配列された、3〜8個の炭素原子を有するラジカルを意味する。(C−C)シクロアルケンは、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン及びシクロオクテンを包含する。
【0055】
「シクロアルキル」は、指定された数の炭素原子を有する、飽和脂肪族環式炭化水素ラジカルを意味する。これは、単環式、二環式、多環式(例:三環式)、縮合、架橋又はスピロであり得る。例えば、単環式の(C−C)シクロアルキルは、単環式の環に配列された、3〜8個の炭素原子を有するラジカルを意味する。(C−C)シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクタンを包含するが、これらに限定されない。
【0056】
単環式の環系は、単一の環を有する。これらは、指定された数の環原子を有する飽和、部分飽和若しくは不飽和の炭素環又は複素環を包含する。
【0057】
二環式環系は、少なくとも1個の共通の環原子を有する2つの環を有する。二環式環系は、縮合、架橋及びスピロ環系を包含する。2つの環は、共に脂肪族(例:シクロアルキル若しくはシクロヘテロアルキル)、共に芳香族(例:アリール若しくはヘテロアリール)又はそれらの組み合わせであり得る。二環式環系は、場合により、その環構造内に1〜3個のヘテロ原子を含有し得て、そして、各ヘテロ原子は、O、N及びSからなる群より独立に選択される。
【0058】
縮合二環式環系は、2個の隣接する環原子を共有する2つの環を有する。2つの環は、共に脂肪族(例:シクロアルキル若しくはシクロヘテロアルキル)、共に芳香族(例:アリール若しくはヘテロアリール)、又はそれらの組み合わせであり得る。例えば、第一の環は、単環式のシクロアルキル又は単環式のシクロヘテロアルキルであり得て、そして第二の環は、シクロアルキル、部分不飽和炭素環、アリール、ヘテロアリール又は単環式のシクロヘテロアルキルであり得る。例えば、第二の環は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルのような(C−C)シクロアルキルであり得る。あるいは、第二の環は、アリール環、例えば、フェニルであり得る。
【0059】
スピロ二環式環系は、環原子を1個のみ共有する、2つの環を有する。環は、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル又はそれらの部分飽和の対応物である。スピロ二環式環系の例は、スピロ[2.2]ペンタン、スピロ[2.3]ヘキサン、スピロ[3.3]ヘプタン、スピロ[2.4]ヘプタン、スピロ[3.4]オクタン、スピロ[2.5]オクタン、アザスピロ[4.4]ノナン、7−アザスピロ[4.4]ノナン、アザスピロ[4.5]デカン、8−アザスピロ[4.5]デカン、アザスピロ[5.5]ウンデカン、3−アザスピロ[5.5]ウンデカン及び3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカンを包含するがこれらに限定されない。
【0060】
架橋環系は、3個以上の隣接する環原子を共有する2つの環を有する。2つの環は、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル又はそれらの部分飽和の対応物である。
【0061】
多環式の環系は、2つ以上の環(例:三環式の環系となる3つの環)を有し、そして、隣接する環は、少なくとも1個の環原子を共有する。多環式の環系は、縮合、架橋及びスピロ環系を包含する。縮合多環式の環系は、2つの隣接する環原子を共有する少なくとも2つの環を有する。スピロ多環式の環系は、環原子を1個のみ共有する少なくとも2つの環を有する。架橋多環式の環系は、3個以上の隣接する環原子を共有する少なくとも2つの環を有する。
【0062】
「複素環」は、N、O又はSから独立に選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する、飽和、不飽和若しくは芳香族の単環式又は多環式の環系を意味する。複素環は、ヘテロアリール環又はヘテロシクロアルキルであり得る。
【0063】
「ヘテロシクロアルキル」は、環の中に指定された数の炭素原子を有する飽和4〜12員の環ラジカルを意味する。ヘテロシクロアルキルは、1〜4個のヘテロ原子(同一又は異なってよく、N、O又はSから選択される)を含有する。ヘテロシクロアルキル環は、場合により1つ以上の二重結合を含有し、そして1つ以上の芳香族環又は芳香族複素環に場合により縮合されている。これは、単環式、二環式、三環式、縮合、架橋又はスピロであり得る。例えば、(C−C)ヘテロシクロアルキルは、3〜9個の環原子を含有する飽和環ラジカルを意味する。
【0064】
代表的な「ヘテロシクロアルキル」は、非限定的に、次の代表的な構造(それぞれ、適切な原子価が維持される限り任意の原子と共有結合により結合し得るため、ラジカルとして示されていない)を包含する:
【0065】
単環式
【化13】



【0066】
架橋二環式
【化14】

【0067】
縮合二環式
【化15】

【0068】
ヘテロシクロアルキル中の環窒素原子は、置換され得るが、但し、それは、その隣接する環原子のそれぞれに単結合で結合する。特に断りのない限り、代表的な置換基は、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又は(C−C)アルキルカルボニルを包含し、その各々は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル又はアルキル(好ましくは(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又は(C−C)アルキルカルボニルで場合により置換されており、その各々が、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル又はアルキルで場合により置換されている)。環硫黄原子は、場合により、モノ又はジ酸素化(すなわち、−S(O)又は−S(O))され得る。
【0069】
ハロアルキル及びハロシクロアルキルは、モノ、ポリ及びペルハロアルキル基を包含し、ここで、ハロゲンは、フッ素、塩素及び臭素から独立に選択される。例えば、ハロ(C−C)アルキルは、−CF、−CHCHF、−CHCHF、−CHCF及び−CHCFCHFを包含するが、これらに限定されない。
【0070】
「ヘテロアリール」は、「ヘテロアリール基」、「ヘテロアリール環」、「複素芳香族」、「芳香族複素基」及び「芳香族複素環」と互換可能に使用される。「ヘテロアリール」は、一価の芳香族複素単環式又は多環式の環ラジカルを意味する。単環式のヘテロアリール環は、N、O及びSから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する、5員及び6員の芳香族複素環式環である。二環式ヘテロアリール環は、N、O及びSから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する、ビシクロ[4.4.0]及びビシクロ[4,3.0]縮合環系を包含する。
【0071】
例えば、「ヘテロアリール」は、非限定的に、次の代表的な構造(それぞれ、適切な原子価が維持される限り任意の原子と共有結合により結合し得るため、ラジカルとして示されていない)を包含する:
【0072】
単環式
【化16】

【0073】
二環式
【化17】

【0074】
「ハロ(C−C)アルコキシ」は、酸素連結原子を介して結合した(C−C)アルキル基を意味し、ここで(C−C)アルキルは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から独立に選択される1つ以上のハロゲンで置換されている。例えば、ハロ(C−C)アルコキシは、−OCF、−OCHCF、−OCHFCHF及び−OCHCFCHFを包含するが、これらに限定されない。
【0075】
「ヘテロ」は、1つの環系において、少なくとも1員の炭素原子を、N、S及びOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子で置き換えることを指す。ヘテロ環は、1、2、3又は4員の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられている可能性がある。
【0076】
本明細書において「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
【0077】
置換される場合、特に断りのない限り、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、炭素環、複素環、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールの適切な置換基は、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキルカルボニル、(C−C)アルコキシカルボニル、フェニル、チエニル、フラニル及びピリジルを包含する。フェニル、チエニル、フラニル及びピリジルは、場合によりさらに、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、シアノ、ニトロ、(C−C)アルキルカルボニル及び(C−C)アルコキシカルボニルで置換される。
【0078】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で存在し得る。医薬での使用に関して、本発明の化合物の塩は、非毒性の「薬学的に許容される塩」を指す。本明細書において、句「薬学的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、炎症、アレルギー反応又は他の問題若しくは困難な事態をもたらすことなく、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適切であり、かつ合理的なリスク/ベネフィット比に見合うそうした化合物、物質、組成物及び/又は剤形を指す。
【0079】
本明細書で使用する「薬学的に許容される塩」は、開示された化合物の誘導体を指し、ここで、親化合物は、その酸性又は塩基性の塩を作ることによって改変される。薬学的に許容される塩の形態は、薬学的に許容される酸性/アニオン性又は塩基性/カチオン性の塩を包含する。薬学的に許容される塩の例は、アミン類のような塩基性残基の無機又は有機酸塩;カルボン酸のような酸性の残基のアルカリ又は有機の塩等を包含するがこれらに限定されない。
【0080】
例えば、このような塩は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、ベジル酸(bezylate)、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム塩、カンシル酸塩(camsylate)、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩(edisylate)、エタンジスルホン酸塩、エストル酸塩(estolate)、エシル酸塩(esylate)、フマル酸塩、グリセプト酸塩(glyceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシン酸塩(hexylresorcinate)、ヒドラバミン塩(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩(hydroxymaleate)、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩(isethionate)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩(mucate)、ナプシル酸塩(napsylate)、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、スルファミド塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(teoclate)、トシル酸塩、トリエスヨウ化物(triethiodide)、アンモニウム塩、ベンザチン塩(benzathine)、クロロプロカイン塩、コリン塩(colline)、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン塩及びプロカイン塩を包含する。さらに薬学的に許容される塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の金属から、カチオンで形成することができる(Pharmaceutical salts, Birge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19も参照ください)。
【0081】
本発明の薬学的に許容される塩は、塩基性又は酸性の部分を含有する親化合物から、従来の化学的方法により合成することができる。一般に、このような塩は、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を、水中で、あるいはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール若しくはアセトニトリル又はそれらの混合物のような有機希釈剤中で、十分な量の適切な塩基又は酸と反応させて調製することができる。
【0082】
上述のもの以外の酸の塩で、例えば、本発明の化合物を精製又は分離するために有用なもの(例:トリフルオロ酢酸塩)もまた、本発明の一部を成す。
【0083】
特記しない限り、明細書全体及び添付の特許請求の範囲を通して、与えられた化学式又は名称は、互変異性体並びにすべての立体、光学及び幾何異性体(例:鏡像異性体、ジアステレオマー、E/Z異性体等)並びにそれらのラセミ体、さらに別個の鏡像異性体の異なる比率の混合物、ジアステレオマーの混合物、あるいはかかる異性体及び鏡像異性体が存在する場合は、任意の前述の形態の混合物、そして、それらの薬学的に許容される塩を含む塩及び遊離の化合物の溶媒和物又は化合物の塩の溶媒和物を含む、それらの溶媒和物(例えば、水和物)を包含するものとする。
【0084】
本発明の化合物は、個々の異性体として、異性体特異的な合成又は異性体混合物からの分離により調製し得る。従来の分離技術は、光学的に活性な酸を用いて異性体対の各異性体の遊離塩基の塩を形成すること(続いて分別晶出及び遊離塩基の再生を行う)、光学的に活性なアミンを用いて異性体対の各異性体の酸形態の塩を形成すること(続いて分別晶出及び遊離塩基の再生)、光学的に純粋な酸、アミン又はアルコールを用いて異性体対の異性体各々のエステル又はアミドを形成すること(続いてクロマトグラフ分離及びキラル補助基の除去を行う)、あるいは、様々な周知のクロマトグラフ法を用いて、出発原料又は最終生成物のいずれかの異性体混合物を分離すること、を含む。
【0085】
開示された化合物の立体化学に命名するか又はそれを構造で示す場合、その命名されたか又は示された立体異性体は、他の立体異性体に比し、少なくとも60%、70%、80%、90%、99%又は99.9重量%純粋である。単一の鏡像異性体に命名するか又はそれを構造で示す場合、その示されたか又は命名された鏡像異性体は、少なくとも60%、70%、80%、90%、99%又は99.9重量%光学的に純粋である。光学純度重量パーセントは、鏡像異性体の重量/(鏡像異性体の重量+その光学異性体の重量)の比である。
【0086】
本発明の開示された化合物は、対象者におけるβ−アミロイド沈着又はβ−アミロイドレベルの上昇を特徴とする障害又は疾患を治療、予防又は緩和するためのBACEインヒビターである。本発明はまた、処置を必要とする患者における、過剰なBACE活性と関係又は関連する障害を処置するための方法であって、有効量の開示された化合物又はその薬学的に許容される塩を該患者に投与することを含む方法を提供する。本発明はまた、それを必要とする対象者における、BACE活性を阻害するための方法であって、有効量の少なくとも1種の開示された化合物又はその薬学的に許容される塩を対象者に投与すること、及び/又は有効量の少なくとも1種の開示された化合物又はその薬学的に許容される塩とその受容体とを接触させることを含む方法を提供する。本発明はまた、それを必要とする対象者におけるβ−アミロイド沈着を改善する方法であって、有効量の少なくとも1種の開示された化合物又はその薬学的に許容される塩を該対象者に投与することを含む方法を提供する。
【0087】
このように、開示されたBACEインヒビターは、神経変性障害、認知低下、認知機能障害、認知症を特徴とする障害、及びβ−アミロイド沈着又は神経原線維変化の発生を特徴とする疾患の処置に使用することができる。
【0088】
開示されたBACEインヒビターで処置し得る代表的な疾患又は障害は、アルツハイマー病、21トリソミー(ダウン症候群)、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血(HCHWA−D)、老年性認知症、脳アミロイド血管症、変性認知症、血管性及び変性の原因が混在する認知症、パーキンソン病関連認知症、進行性核上麻痺関連認知症及び皮質基底核変性関連認知症、びまん性レヴィ小体病型のアルツハイマー病及び緑内障を包含する。
【0089】
したがって、本発明は、薬剤としての開示された化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0090】
さらなる実施態様において、本発明は、上述の疾患及び病状の治療又は予防のための方法に関し、その方法は、有効量の開示された化合物又はその薬学的に許容される塩の投与を含む。
【0091】
本発明は、BACE介在障害の処置又は改善のための、それを必要とする対象者における治療法であって、有効量の開示された化合物又はその薬学的に許容される塩又はその組成物を、それを必要とする対象者に投与することを含む方法を包含する。
【0092】
投与方法は、有効量(すなわち、有効量)の本発明の化合物又は組成物を、治療過程における異なるタイミングで又は同時に、複合形態で投与することを包含する。本発明の方法は、公知の治療的処置のレジメンをすべて包含する。
【0093】
本明細書において、用語「対象者」及び「患者」は、互換可能に使用され得て、処置を必要とするヒトを意味する。
【0094】
本明細書で使用する用語「処置すること」又は「処置」は、所望の薬理学的な及び/又は生理学的効果を得ることを指す。その効果は、予防又は治療上のものであり得て、次に示す結果の1つ以上を部分的に又は実質的に達成することを包含する:疾患、障害又は症侯群の広がりを部分的に又は完全に縮小すること;障害に関連する臨床症状又は臨床指標を緩和又は改善すること;疾患、障害又は症侯群の進行の可能性を遅延、阻害又は低下させること;あるいは、疾患、障害又は症侯群の発現又は発症の可能性を、部分的に又は完全に遅延、阻害又は低減させること。
【0095】
「有効量」は、対象者において所望の生物学的反応を生じさせる活性化合物剤の量を意味する。かかる反応は、処置している疾患又は障害の症状の緩和を包含する。かかる治療方法における本発明の化合物の有効量は、約0.01mg/kg/日〜約1000mg/kg/日又は約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日である。
【0096】
「薬学的に許容される担体」は、本発明の組成物の配合に使用するための十分な純度及び品質を有し、かつ、動物又はヒトに適切に投与された場合、有害な反応を起こさない化合物及び組成物を意味する。
【0097】
一つの実施態様において、本発明は、本明細書に記載の疾患又は障害を処置又は緩和するための併用療法を包含する。本併用療法は、構造式(A)、(I)又は(I’)で表される少なくとも1種の化合物と、以下の群、例えば、gamma−セクレターゼインヒビター;アミロイド凝集インヒビター(例:ELND−005);直接又は間接的に作用する神経保護及び/又は疾患緩和物質;抗酸化剤(例:ビタミンE又はギンコリド);抗炎症性物質(例:Coxインヒビター、Abeta低減特性を追加的に又はそれのみを有するNSAID);HMG−CoAレダクターゼインヒビター(スタチン);アセチルコリンエステラーゼインヒビター(例:ドネペジル、リバスチグミン、タクリン、ガランタミン、メマンチン;タクリン);NMDA受容体アンタゴニスト(例:メマンチン);AMPA受容体アゴニスト;AMPA受容体陽性モジュレーター、AMPkine、モノアミン受容体再取り込みインヒビター、神経伝達物質の濃度又は放出を調整する物質;成長ホルモンの分泌を誘発する物質(例:イブタモレンメシラート及びカプロモレリン);CB−1受容体アンタゴニスト又は逆アゴニスト;抗生物質(例:ミノサイクリン又はリファンピシン);PDE2、PDE4、PDE5、PDE9、PDE10インヒビター、GABAA受容体逆アゴニスト、GABAA受容体アンタゴニスト、ニコチン受容体アゴニスト若しくは部分アゴニスト又は陽性モジュレーター、alpha4beta2ニコチン受容体アゴニスト若しくは部分アゴニスト又は陽性モジュレーター、alpha7ニコチン受容体アゴニスト若しくは部分アゴニスト又は陽性モジュレーター;ヒスタミンH3アンタゴニスト、5HT−4アゴニスト又は部分アゴニスト、5HT−6アンタゴニスト、alpha2−アドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムアンタゴニスト、ムスカリン受容体M1アゴニスト若しくは部分アゴニスト又は陽性モジュレーター、ムスカリン受容体M2アンタゴニスト、ムスカリン受容体M4アンタゴニスト、代謝型グルタミン酸受容体5陽性モジュレーター、抗鬱薬、例えば、シタロプラム、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン及びトラゾドン;不安緩解剤、例えば、ロラゼパム及びオキサゼパム;抗精神病薬(antiphychotic)、例えば、アリピプラゾール、クロザピン、ハロペリドール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン及びジプラシドン、並びに本発明に係る化合物の効力及び/又は安全性が増大し、かつ/又は望まない副作用が軽減するように受容体又は酵素を調節する他の物質、から選択されるもう1つの化合物との組み合わせを投与することを含む。本発明に係る化合物は、上述の疾患及び病状の処置のために免疫治療法(例:Abeta若しくはその一部を用いた能動免疫法又はヒト化抗Abeta抗体若しくはナノ体(nanobodies)を用いた受動免疫法)と組み合わせて使用してもよい。
【0098】
併用療法は、本発明の化合物と前記他の薬剤との併用投与、本化合物及び他の薬剤の連続投与、本化合物及び他の薬剤を含有する組成物の投与、又は本化合物及び他の薬剤を含有する別個の組成物の同時投与を包含する。
【0099】
式の化合物を投与するための適切な製剤(preparation)は、当業者に明らかであろうが、例えば、錠剤、ピル、カプセル、坐薬、ドロップ、トローチ、液剤、シロップ、エリキシル、小袋(sachet)、注射剤、吸入剤(inhalative)および粉薬等を包含する。薬学的に活性な化合物の含有量は、組成物全体の%に対し、0.005〜10重量%の範囲とすべきである。
【0100】
本発明の組成物を含有する剤形は、治療効果を与えるのに必要な有効量の有効成分を含有する。本組成物は、約5,000mg〜約0.5mg(好ましくは、約1,000mg〜約0.5mg)の本発明の化合物又はその塩の形態を含有することもでき、そして選択された投与形式に適切な任意の形態とすることもできる。
【0101】
適切な錠剤は、例えば、式Iに係る1つ以上の化合物を、公知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤、担体、崩壊剤、補助剤、界面活性剤、結合剤及び/又は潤滑剤と混合することによって得ることもできる。錠剤は、幾つかの層からなっていてもよい。
【0102】
調製方法
以下に記載する式Iの合成中間体及び最終生成物が、所望の反応を妨げ得る、潜在的に反応性の官能基、例えば、アミノ、ヒドロキシ、チオール及びカルボン酸基を含有する場合、中間体の保護形態を用いることが有利である場合がある。保護基の選択、導入及びその後の除去のための方法は、当業者に周知である(T.W. Greene and P. G. M. Wuts "Protective Groups in Organic Synthesis" John Wiley & Sons, Inc., New York 1999)。かかる保護基の操作は、以下の検討において想定されているものであり、通常明示的に説明されない。一般に、反応スキームにおける試薬は、等モル量で用いられる;但し、場合によっては、1つの試薬を過剰量用いて反応を完了に至らせることが望ましいこともある。これは、とりわけ、その過剰な試薬を、蒸発又は抽出により容易に除去することができる場合である。反応混合物中のHClを中和するのに用いる塩基は、一般に、極めて少量〜実質的に過剰な量(1.05〜5当量)である。
【0103】
【表1】





【0104】
本発明の化合物は、容易に入手可能な試薬及び出発原料を用いる従来の方法を使って調製することができる。この発明の化合物の調製に用いる試薬は、市販により得るか、又は前記文献記載の標準的な手順により調製し得る。本発明の代表的な化合物は、以下の合成スキームを用いて調製することができる。
【0105】
実証
実施例I−1.中間体Aの合成−方法1
【化18】

【0106】
工程1. 1,5−ジブロモ−3−メトキシペンタンの合成
【化19】


DCM(10mL)中の3−メトキシペンタン−1,5−ジオール(1g、7.46mmol)の溶液に、PPh(5.77g、22.05mmol)及びCBr(4.87g、14.7mmol)を0℃で加えた。混合物を、0℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、残留物を得て、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、1,5−ジブロモ−3−メトキシペンタン(1.2g、62%)を得た。1H-NMR (CDCl3): 2.0 (m, 4H), 3.3 (m, 3H), 3.37 (m, 4H), 3.5 (m, 1H), 3.7 (m, 4H)。
【0107】
工程2. 6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オンの合成
【化20】


THF(16mL)中の6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(1.037g、4.94mmol)及び1,5−ジブロモ−3−メトキシペンタン(1.2g、4.94mmol)の混合物を、室温でNaH(237.12mg、60%、9.88mmol)に加えた。混合物を、3時間還流した。混合物を、水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を、乾燥させ、濃縮して、残留物を得て、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(60mg、4%)を得た。
【0108】
実施例I−2:中間体Aの合成−方法2
【化21】

【0109】
工程1. 3,3’−(6−ブロモ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2,2−ジイル)ジプロパン酸ジメチルの合成
下、トリトンB(水酸化ベンジル(トリ−メチル)−アンモニウム、MeOH中40%、2.48mL)を、トルエン(200mL)中の6−ブロモ−インダン−1−オン(26.1g、0.124mol)の溶液に加え、そして混合物を、50℃で10分間撹拌した。アクリル酸メチルエステル(31mL、0.286mol)を50℃で加え、そして混合物を50℃で一晩撹拌した。室温に冷ました後、混合物を水(150mL)に注ぎ、DCM(100mL×4)で抽出した。合わせた有機相を、NaSOで乾燥させ、蒸発させ、シリカゲル(PE/EA=10:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物2(39g、83%)を黄色の油状物として得た。1H NMR (G000044883 692-154-1A CDCl3 400MHz): δ 7.75-7.8 1(s, 1H), 7.55-7.58 (d, 1H), 7.22-7.28 (d, 1H), 3.51-3.55 (s, 3H), 2.85-2.99 (s, 2H), 2.10-2.25 (m, 4H), 1.80-1.95 (m, 4H)。
【0110】
工程2. 6’−ブロモ−4−ヒドロキシ−1’−オキソ−1’,3’−ジヒドロスピロ[シクロヘキサ[3]エン−1,2’−インデン]−3−カルボン酸メチルの合成
トルエン(400mL)中の化合物2(34g、88.7mmol)の溶液を、Na(2.24g、97.6mmol)及び乾燥トルエン(100mL)を含有するフラスコに、還流下120℃で滴下した。反応混合物を120℃で28時間加熱し、室温に冷まし、HO(370mL)と4N HCl溶液(37mL)との混合物に注いで、白色の懸濁液を得た。この混合物をAcOEt(100mL×4)で抽出し、蒸発させ、シリカゲル(PE/EA=10:1)上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物3(22.11g、71%)を白色の固体として得た。1H NMR:(CDCl3 400MHZ): δ 12.1 (s, 1H), 7.82-7.85 (s, 1H), 7.61-7.65 (d, 1H), 7.22-7.25 (d, 1H), 3.60-3.65 (s, 3H), 2.91-2.85 (d, 2H), 2.35-2.50 (m, 3H), 2.10-2.15 (d, 1H), 1.90-2.01 (m, 1H), 1.50-1.52 (m,1H)。
【0111】
工程3. 6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオンの合成
MeOH(221mL)中の化合物3(22.1g、63.0mmol)の懸濁液に、HO(331mL)中のNaOH(10.20g、0.255mol)の溶液を室温で加えた。反応混合物を60℃で一晩加熱した。溶媒を、真空内で除去し、DCM(250mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して、化合物4(15.33g、83%)を白色の固体として得て、これを次の工程で精製することなく直接用いた。1H NMR:(CDCl3 400MHz): δ 7.84 (s, 1H), 7.65-7.60 (d, 1H), 7.31-7.35 (d, 1H), 3.09 (s, 2H), 2.61-2.65 (m, 2H), 2.80-2.90 (m, 2H), 2.10-2.15 (m, 2H), 1.75-1.84 (m, 2H)。
【0112】
6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオンの合成の他の方法
【化22】


無水THF(200mL)中の化合物1(20g、95mmol)及びアクリル酸メチル(18g、201mmol)の溶液に、t−BuOK(16g、114mmol)を少しずつ室温で加えた。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。水(400mL)及びKOH(5.32g、95mmol)を加えた。得られた混合物を、一晩加熱還流した。3N HCl(150mL)を加え、CHCl(500mL×2)で抽出した。有機層をNaHCO(150mL)、ブライン(150mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して、化合物Aを灰色の固体(23g、収率83%)として得て、これを次の工程で精製することなく用いた。
1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 7.84 (s, 1H), 7.60-7.71 (d, 1H), 7.25-7.36 (d, 1H), 3.11 (s, 2H), 2.60-2.71 (m, 2H), 2.35-2.46 (m, 2H), 2.10-2.23 (m, 2H), 1.75-1.87 (m, 2H)
【0113】
6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオンの合成の他の方法
【化23】

【0114】
工程1. 6−ブロモ−2−メチレン−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン
乾燥トルエン(10mL)中の6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(0.3g、1.36mmol)、パラホルムアルデヒド(0.4g、13.6mmol)、フェニルボロン酸(0.2g、1.64mmol)及びトリフルオロ酢酸(0.1mL、0.15g、1.36mmol)の溶液を、5時間還流した。出発原料が完全に消費されたところで、粗混合物を室温に冷まし、飽和NaCO溶液で中和し、酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル−酢酸エチル、95:5)により精製して、化合物6−ブロモ−2−メチレン−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(89mg、30%)を白色の固体として得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 3.71 (s, 2H), 5.68 (s, 1H), 6.39 (s, 1H), 7.38-7.40 (d, 1H), 7.70-7.72 (d, 1H), 7.99 (s, 1H)。
【化24】

【0115】
工程2. 6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオンの調製
火炎乾燥させた20mLのバイアルに、6−ブロモ−2−メチレン−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(98mg、0.441mmol)を入れ、それをジクロロメタン(4.5mL)中に溶解した。この溶液に、2−トリメチルシリルオキシ−1,3−ブタジエン(98μL、0.565mmol)を加え、溶液を−78℃まで冷却した。5分間撹拌した後、BF・OEt(27mL、0.219mmol)を徐々に加えた。BF・OEtの添加5分後、TLCは、ジエノフィルが消費されたことを示した。反応物をMeOH(300μL)でクエンチし、−78℃で5分間撹拌し、次に室温に温めた。室温になったら、2M HCl(7mL)を加えた。相を分離し、水相をジクロロメタンで2回(5mL/回)逆抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧濃縮した。粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO、12g SiOカートリッジ、酢酸エチル/ヘキサンを溶離剤とする)により精製した。対応する画分を合わせ、減圧濃縮して、6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン(62mg、0.212mmol、収率48%)を得た。1H NMR =(CDCl3, 400 MHz)δ7.68 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.51 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 2.94 (s, 2H), 2.48 (dt, J = 15.2, 5.6 Hz, 2H), 2.22 (ddd, J = 15.2, 10.8, 5.6 Hz, 2H), 1.98 (ddd, J = 13.6, 11.2, 5.2 Hz, 2H), 1.65 (m, 2H) ppm。
【0116】
工程4. (trans−6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オンの合成
【化25】


20mLのバイアルに、6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン(102mg、0.349mmol)を加え、それをTHF(3.49mL)に溶解した。この溶液を−78℃に冷却し、5分間その温度で撹拌した。次に、NaBH(7mg、0.184mmol)を−78℃で加えた。10分後、さらにNaBH(7mg、0.184mmol)を加えた。5分後、LC/MSは、約70%の変換を示した。最後に、NaBH(10mg、0.263mmol)の最後の分を加えた。5分後、TLCは、ジケトンが完全に消費されたことを示した。過剰なNaBHを、アセトン(300μL)で直ちにクエンチした。−78℃で15分間撹拌した後、反応物を室温に温め、酢酸エチル(7mL)及び水(7mL)を加えた。相を分離し、水相を酢酸エチルで2回(5mL/回)逆抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧濃縮した。粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO,12g SiOカートリッジ、酢酸エチル/ヘキサンを溶離剤とする)により精製した。スキームに示した異性体に対応する画分を合わせ、減圧濃縮して、trans−6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(71mg、0.241mmol、収率69%)を無色の油状物として得た。M+H = 294.9, 296.9;1H NMR = (CDCl3, 400 MHz) δ7.84 (bs, 1H), 7.67 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.73 (m, 1H), 2.96 (s, 2H), 2.04(m, 2H), 1.94 (s, 1H), 1.77 (m, 2H), 1.47-1.40 (m, 4H) ppm。
【0117】
工程5. 中間体Aの合成:trans−6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン
【化26】


4mLバイアルに、6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(5mg、0.017mmol)を入れ、そしてアセトニトリル(150μL)を加えた。この溶液に、酸化銀(27mg、0.117mmol)、粉砕したてのドライエライト(約100mgの白色の微粉末)及びヨウ化メチル(48μL、0.769mmol)を、この特定の順序で加えた。バイアルに蓋をして、反応物を室温で一晩(約14時間)撹拌した。翌朝、LC/MSは、アルコールが完全に消費されたことを示した。反応物を、セライトパッドを通して濾過し、そしてパッドを酢酸エチル(4mL)で洗浄した。濾液を減圧濃縮して、所望の生成物3mgを得た。その構造は、LC/MS同様、H NMRでも確認された。
【0118】
実施例1:化合物1の合成
【化27】

【0119】
工程1: 6’−ブロモ−4−メトキシ−1’,3’−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’−アミン(1b)の合成
MeOH(5mL)中の化合物A(0.51g、1.73mmol)の溶液に、NHOAc(1.33g、17.3mmol)及びNaBHCN(0.13g、2.1mmol)を室温で加えた。添加後、混合物を、マイクロ波中、110℃で90分間撹拌した。TLCは、反応が完了したことを示した。反応混合物を真空内で濃縮して、残留物を得て、これを酢酸エチル(25mL)に溶解し、2N HCl(10mL)で洗浄し、2N NaOH水溶液(12mL)を加え、酢酸エチル(25mL×2)で抽出して、化合物1a(0.28g、52%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3 400 MHz): δ 7.35 (s, 1H), 7.21-7.27 (m, 1H), 6.96-6.98 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 3.83 (s, 1H), 3.29 (s, 3H), 3.04-3.11 (m, 1H), 2.81-2.85 (m, 1H), 2.44-2.48 (m, 1H), 1.86-1.98 (m, 2H), 1.53-1.56 (m, 2H), 1.23-1.32 (m, 2H), 1.16-1.21 (m, 2H)。
【0120】
工程2: 6’−ブロモ−1’−イソチオシアナト−4−メトキシ−1’,3’−ジヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン](1b)の合成
塩化メチレン(10mL)及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)中の化合物1a(0.28g、0.9mmol)の混合物を、氷浴で冷却し、チオホスゲン(0.12g、1.0mmol)で処理し、30分間激しく撹拌(TLCは、反応が完了したことを示した)し、塩化メチレン(30mL)で希釈した。相を分離した。有機相をブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固して、化合物1b(0.25g、79%)を白色の油状物として得て、これを精製することなく次の工程で直接使用した。
【0121】
工程3: (E)−N−(5’−ブロモ−5,6,8,9−テトラヒドロスピロ[ベンゾ[7]アヌレン−7,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(1c)の合成
THF(5mL)中のカリウム t−ブトキシド(84.5mg、0.78mmol)の混合物を、−78℃で、THF(5mL)中の化合物1b(0.25g、0.71mmol)及び二硫化炭素(81mg、1.065mmol)の溶液に、2分間かけて徐々に加えた。添加後、反応混合物を、−78℃で0.5時間撹拌し、次に徐々に室温に温め、そして1時間撹拌した。反応混合物を、塩化メチレン(20mL)と水(20mL)とに分配した。相を分離した。有機相をブライン(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固して、化合物1c(0.25g、82%)を白色の固体として得て、これを精製することなく次の工程で直接使用した。
【0122】
工程4: (E)−N−(5’−ブロモ−5,6,8,9−テトラヒドロスピロ[ベンゾ[7]アヌレン−7,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(1d)の合成
エタノール(10mL)中の化合物1c(140mg、0.33mmol)、化合物1A(146mg、0.98mmol)及びトリエチルアミン(217mg、2.15mmol)の混合物を、氷浴温度で2時間撹拌し、室温に温め、室温で24時間撹拌し、70℃で2時間加熱した。室温に冷ました後、溶液を減圧濃縮した。残留物を、EtOAcと水とに分配し、有機相を1N HCl水溶液及びブライン(10mL)で順次洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、化合物1d(80mg、56%)を白色の固体として得て、これを分取TLC(ヘキサン:EtOAc=5:1)により精製した。
【0123】
工程5: (E)−N−(5’−ブロモ−5,6,8,9−テトラヒドロスピロ[ベンゾ[7]アヌレン−7,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(1e)の合成
メタノール(10mL)及び水酸化アンモニウム濃縮水溶液(2mL)中の化合物1d(80mg、0.18mmol)及びt−ブチルヒドロペルオキシド(水中の65%溶液508mg、3.6mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(8mL)で処理し、減圧濃縮して、メタノールの大部分を除去した。得られた水溶液混合物を、塩化メチレン(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固した。この残留物をpre−TLCにより精製して、化合物1e(40mg、52%)を白色の固体として得た。
【0124】
工程6: 化合物1の合成
化合物1e(20mg、0.048mmol)を、窒素雰囲気下で、1,4−ジオキサン(2mL)中の化合物1B(16.6mg、0.096mmol)、CsCO(2M、0.072mL)及びPd(PPhCl(5mg)で順次処理した。混合物を、15分間加熱還流した。TLCは、反応が完了したことを示した。反応混合物を、真空内で濃縮して、残留物を得て、これをpre−TLC及びpre−HPLCにより精製して、化合物1(1.9mg、収率8.6%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.40-7.43 (dd, J = 1.2, 4.0Hz, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.25-7.27 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.17-7.21 (m, 2H), 7.03-7.05 (m, 1H), 3.63-3.82 (m, 4H), 3.38 (s, 3H), 2.90-3.07 (m, 3H), 1.83-1.93 (m, 3H), 1.53-1.59 (m, 1H), 1.15-1.30 (m, 4H)。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーで1.015分、MS(ESI)m/z 469[M+H]
【0125】
実施例2.化合物2の合成
【化28】


実施例1からの中間体1e(10mg、0.048mmol)から出発して、化合物1eを、3−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸と、実施例1の工程6に記載したように反応させた。粗生成物を、分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLCにより精製して、化合物2(1.6mg、6.7%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.47-7.49 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.35-7.42 (m, 3H), 7.26-7.27 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.12-7.18 (m, 2H), 3.65-3.82 (m, 4H), 3.25 (s, 3H), 2.90-3.07 (m, 3H), 1.85-1.95 (m, 3H), 1.52-1.59 (m, 1H), 1.20-1.32 (m, 4H)。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーで1.035分、MS(ESI)m/z 501 [M+H]
【0126】
実施例3:化合物3の合成
【化29】


これを、実施例1、工程4に記載したように合成した。O−(2−アミノエチル)ヒドロキシルアミンの代わりに1,3−プロピレンジアミンを用いて、それを実施例1のようにさらに合成して、最終化合物を得るためにpre−TLC(CHCl:MeOH=5:1)及びpre−HPLCにより精製して、化合物3(97.3mg)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.102分、MS(ESI)m/z 467.2 [M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.45-7.48 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.31-7.33 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.22-7.26 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.07-7.11 (d, J=8.4 Hz, 1H), 3.55-3.58 (m, 2H), 3.27 (s, 3H), 3.19-3.23 (m, 1H), 3.00-3.09 (m, 4H), 1.91-2.00 (m, 3H), 1.74-1.76 (m, 2H), 1.58-1.59 (m, 1H), 1.24-1.35 (m, 4H)。
【0127】
実施例4.化合物4の合成
【化30】


実施例3からの中間体3b(50mg、0.12mmol)を、EtN(5mL)及びEtNH(1mL)に溶解し、得られた混合物を、脱ガスし、そして、Nで3回パージした。PdCl(PPh(5mg)及びCuI(4mg)を窒素下で加え、そして、系を再度脱ガスした。エチニルシクロプロパン(0.5mL、過剰量)をシリンジで加えた。系をもう一度脱ガスした。反応物を50〜60℃で12時間加熱した。LCMSは、反応が完了したことを示した;溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、CHCl(10mL)と水(10mL)とに分配した。水層を、CHCl(2×10mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(2×10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮乾固した。この残留物を、分取TLC(CHCl:MeOH=5:1)及びpre−HPLCにより精製して、化合物4(3.5mg、7%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.041分、MS(ESI)403.2[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.19-7.24 (q, 2H), 7.00 (s, 1H), 3.61-3.66 (m, 2H), 3.35 (s, 3H), 3.23-3.28 (m, 2H), 3.14-3.15 (m, 1H), 2.97-3.02 (m, 2H), 1.96-2.04 (m, 3H), 1.80-1.83 (m, 2H), 1.57-1.58 (m, 1H), 1.19-1.45 (m, 5H), 0.84-0.88 (m, 2H), 0.68-0.71 (m, 2H)。
【0128】
実施例5.化合物5の合成
【化31】

【0129】
これを実施例2に記載した方法により合成した。トリフルロメトキシフェニルボロン酸の代わりに3−ピリジルボロン酸を用いた。粗生成物を分取TLC(CHCl:MeOH=5:1)及び分取HPLCにより精製して、生成物の化合物5(3.2mg、8%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.178分、MS(ESI)m/z 416.2[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.76 (s, 1H), 8.49-8.51 (d, J=4.8 Hz, 1H), 8.06-8.09 (dd, J=8.0 Hz, 1H), 7.57-7.59 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.49-7.53 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.42-7.44 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 3.63-3.68 (m, 2H), 3.38 (s, 3H), 3.05-3.29 (m, 5H), 1.99-2.07 (m, 3H), 1.81-1.85 (m, 2H), 1.63-1.66 (t, J=12.0 Hz, 1H), 1.30-1.43 (m, 4H)。
【0130】
実施例6:化合物6の合成
【化32】


実施例1、工程4に記載したように、O−(2−アミノエチル)ヒドロキシルアミンの代わりに3,3−ジフルオロ−1,3プロピレンジアミンを用いて、それを実施例1のようにさらに合成して、生成物(0.35g)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.188分、MS(ESI)m/z 503.2[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.42-7.44 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.27-7.29 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.18-7.21 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.04-7.07 (d, J=10.8 Hz, 1H), 3.79-3.86 (m, 2H), 3.29-3.57 (m, 2H), 3.25 (s, 3H), 2.93-3.07 (m, 3H), 1.87-1.94 (m, 3H), 1.50-1.54 (t, J=15.2 Hz, 1H), 1.17-1.34 (m, 4H)。
【0131】
実施例7.化合物7の合成
【化33】


実施例1、工程4に記載したように、O−(2−アミノエチル)ヒドロキシルアミンの代わりに2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジアミンを用いて、それをさらに合成して、実施例5を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.156分、MS(ESI)m/z 495.2[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHZ): δ 7.45-7.47 (d, J=7.6 HZ, 1H), 7.33-7.38 (t, J=10.0 HZ, 2H), 7.16-7.24 (m, 2H), 7.05-7.07 (d, J=8.4 HZ, 1H), 3.26 (s, 3H), 3.07-3.15 (m, 3H), 2.95-3.04 (m, 4H), 1.84-1.94 (m, 2H), 1.74-1.79 (m, 1H), 1.54-1.60 (t, J=11.6 HZ, 1H), 1.14-1.33 (m, 4H), 0.94 (s, 6H)。
【0132】
実施例8.化合物8の合成
【化34】

【0133】
工程1: 2−エチルマロノニトリルの合成
丸底フラスコに、化合物8a(15g、227mmmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(2.9g、9mmol)及びヨウ化エチル(17.7g、113mmol)を加えた。反応混合物を、20℃で30分間撹拌し、次に0℃に冷却した。KCO(15.6g、113mmol)を混合物に徐々に加えた。反応混合物を、次に20℃に温め、そして、30分間撹拌し続けた。混合物を、水(300mL)とCHCl(400mL)とに分配した。有機画分を回収し、MgSOで乾燥させ、減圧濃縮し、そして、残留物を、ヘキサン中の10% EtOAcで溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物8b(5.9g、28%)を黄色の油状物として得た。
1HNMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 4.72-4.77 (m, 1H), 1.94-1.98 (m, 2H), 1.04-1.09 (m, 3H)。
【0134】
工程2 2−エチルプロパン−1,3−ジイルジカルバミン酸tert−ブチルの合成
丸底フラスコに、化合物8b(5.0g、53mmol)、(Boc)O(35g、160mmol)、ラネーニッケル(5g)及びCHOH(80mL)を入れた。反応混合物を、H雰囲気(1気圧)下、室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、そして濾液を真空下で濃縮した。残留物を、カラム(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製して、化合物8c(3.4g、22%)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次の工程で直接用いた。
【0135】
工程3: ビスTFA塩としての2−エチルプロパン−1,3−ジアミンの合成
丸底に、CHClとTFAとの混合物(10mL、CHCl:TFA=4:1)中の化合物8c(0.5g、1.65mmol)を溶解した。反応混合物を、20℃で30分間撹拌した。反応溶媒を、真空下で除去して、粗化合物8d(0.34g、粗生成物)を黄色の油状物として得て、これをさらに精製することなく次の工程で直接用いた。
1HNMR (CD3OD, 300 MHz) δ 3.00-3.06 (m, 3H), 2.04 (m, 1H), 1.54-1.58 (m, 2H), 1.00-1.04 (m, 3H)
【0136】
これをさらに実施例1に記載のように合成した。実施例1、工程4に記載したように、O−(2−アミノエチル)ヒドロキシルアミンの代わりに2−エチルプロパン−1,3−ジアミンを用い、それをさらに合成して、化合物8(89mg)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.198分、MS(ESI)m/z 495.2 [M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.53-7.55 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.41-7.43 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.34-7.36 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.25-7.27 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.04-7.08 (d, J=8.0 Hz, 1H), 3.86-3.92 (m, 0.7H), 3.37-3.44 (m, 0.3H), 3.26-3.92 (s, 2H), 3.01-3.09 (m, 5H), 2.56 (s, 2H), 1.90-2.02 (m, 3H), 1.61-1.68 (m, 1H), 1.17-1.40 (m, 7H), 0.89-0.93 (t, J=7.2 Hz, 3H)。
【0137】
実施例9.化合物9の合成
【化35】

【0138】
工程1: 化合物9bの調製手順
NH/MeOH(飽和、50mL)の溶液に、化合物9a(5g、25.5mmol)を−78℃で加え、この温度で2時間撹拌した。次に、反応混合物を、徐々に室温に温まるにまかせて、そして一晩撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮乾固して、化合物9b(3.3g、94%)を白色の固体として得た。
1H NMR (DMSO-d6400 MHz): δ 8.24 (br, 2H), 8.09 (br, 2H)。
【0139】
工程2: 化合物9cの調製手順
BH−THF(THF中1M、101.5mL、101.5mmol)の溶液に、化合物9b(2.8g、20.3mmol)を、氷浴下で約0℃に冷却して、徐々に加えた。得られた混合物を、この温度で、反応混合物が透明になるまで撹拌した。次に溶液を、一晩還流加熱した。混合物を氷浴下で冷却し、そして、MeOH(100mL)を滴下した。得られた溶液を、濃縮乾固し、そして、MeOHをさらに30mL加えた。溶媒を再度除去した。このプロセスを3回繰り返した。次に、残留物に、HCl/MeOH(4N、30mL)の溶液を徐々に加えると、大量の白色の固体が沈殿した。固体を濾過により収集し、EtOH(5mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、化合物9c(1.59g、43%)を白色のHCl塩として得た。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 8.83 (br, 6H), 3.61 (t, J=31.2 Hz, 4H)。
【0140】
工程3: 化合物9eの調製手順
化合物9d(3.6g、11.6mmol)を、EtN(50mL)及びEtNH(10mL)に溶解し、得られた混合物を脱ガスし、Nで3回パージした。Pd(PPhCl(400mg)及びCuI(120mg)を、窒素雰囲気下で加え、そして系を再度脱ガスした。エチニルシクロプロパン(6mL、過剰量)をシリンジで加えた。系をさらにもう一度脱ガスした。反応物を、50〜60℃で12時間加熱した。LCMSは、反応が完了したことを示した;溶媒を減圧下で除去した。残留物を、CHCl(100mL)と水(100mL)とに分配した。水層を、CHCl(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を、ブライン(2×100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固した。この残留物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=50:1〜5:1)により精製して、化合物9e(3.45mg、100%)を白色の固体として得た。
【0141】
化合物9eを、実施例1に記載のように、工程1〜5からさらに合成して、化合物9を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.120分、MS(ESI)m/z 439.2[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.22-7.29 (q, J=8.4 Hz, 2H), 7.11 (s, 1H), 3.96-4.05 (m, 2H), 3.62-3.76 (m, 2H), 3.36 (s, 3H), 3.19-3.25 (m, 1H), 3.06 (s, 2H), 1.96-2.06 (m, 3H), 1.39-1.53 (m, 6H), 0.85-0.90 (m, 1H), 0.68-0.72 (m, 2H)。
【0142】
粗生成物を分取TLC(CHCl:MeOH=5:1)及び分取HPLCにより精製して、生成物の化合物9(1.5mg、8%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.876分、MS(ESI)m/z 452.2[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.76 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.06-8.08 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.59-7.61 (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.50-7.53 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.43-7.45 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.36 (s, 1H), 3.92-4.00 (m, 2H), 3.50-3.70 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.07-3.27 (m, 3H), 1.96-2.07 (m, 3H), 1.62-1.65 (t, 1H), 1.29-1.48 (m, 4H)。
【0143】
実施例10:化合物10の合成
【化36】


これを実施例9に記載の手順により合成した。実施例9からの中間体9hから出発して、それを、1,1−ビス(アミノメチル)シクロプロパンを用いて、実施例6に記載のようにさらに合成した。
【0144】
粗生成物を分取HPLC(酸)により精製して、生成物の化合物10(0.6mg、1%)を白色の固体(トリフルロ酢酸塩)として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.948分、MS(ESI)m/z 428.3[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.24 (m, 2H), 7.13 (s, 1H), 3.9 (s, 3H), 3.57-3.38 (m, 3H), 3.03 (m, 3H), 2.0-1.7 (m, 2H), 1.48-1.19 (m, 8H), 0.7-0.6 (m, 13H)。
【0145】
実施例11:化合物11の合成
【化37】


これを、実施例3において中間体3bに関して記載した手順により合成した。中間体1から出発して、それを、1,1−ビス(アミノメチル)シクロプロパンを用いて、実施例7に記載のようにさらに合成した。
【0146】
粗生成物を、分取TLC(CHCl:MeOH=5:1)及び分取HPLC(塩基性)により精製して、化合物11(15mg、31%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.028分、MS(ESI)m/z 443.1,445.1[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.42-7.45 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.23-7.29 (d, J=8.0 Hz, 1H), 3.63-3.66 (d, J=11.6 Hz, 1H), 3.39 (s, 3H), 3.10-3.19 (m, 1H), 2.98-3.03 (m, 3H), 1.96-2.07 (m, 3H), 1.55-1.62 (m, 1H), 1.25-1.45 (m, 6H), 0.53-0.72 (m, 4H)。
【0147】
実施例12:化合物12の合成
【化38】

【0148】
化合物2の調製手順
無水THF(50mL)中の化合物1(5.0g、19mol)の溶液に、tert−ブチルスルファニルアミド(4.6g、38mol)及びTi(OEt)(22g、76.9mol)を加えた。溶液を、N雰囲気下で、48時間加熱還流した。水(10mL)を加えて反応物をクエンチし、そして混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、真空下で蒸発させて、粗生成物を得た。粗生成物を、シリカゲル上のクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1)により精製して、化合物2(3.0g、43%)を黄色の固体として得た。
【0149】
化合物3の調製手順
無水THF(3mL)中の化合物2(200mg、0.55mmol)の混合物に、n−BuLi(0.44mL、1.10mmol)を、N雰囲気下、−78℃で滴下した。10分間撹拌した後、無水THF(2mL)中の3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ピリジン(246mg、1.10mmol)の溶液を加えた。溶液を−78℃で30分間撹拌し、そして次に室温に温めた。NHCl(2mL)飽和溶液を加えて反応物をクエンチし、次にEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、真空下で蒸発させて、粗生成物を得た。粗生成物を、分取TLC(EtOAc)により精製して、化合物3(70mg、25%)を白色の固体として得た。
【0150】
化合物4の調製手順
飽和HCl:MeOH(5mL)中の化合物3(50mg、0.137mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌した。反応溶液を、真空下、室温で蒸発させた。残留物を、MeOHに溶解し、NH・HOを加えて、pH=8〜9に調節し、次に蒸発させた。残留物をCHCl(5mL)で洗浄し、そして固体を濾別した。濾液を蒸発させて、化合物4(20mg、36%)を白色の固体として得た。
【0151】
化合物5の調製手順
MeOH(10mL)中の化合物4(20mg、0.057mmol)の溶液に、PtO(5mg)(混合物に、HCl/MeOHを数滴加えた)を加えた。混合物を、H雰囲気(30Psi)下、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、NH・HOでpH=8に調節し、真空下で蒸発させた。残留物を、EtOAc(10mL)に溶解し、固体を濾別した。濾液を蒸発させて、粗化合物5(20mg、粗生成物)を得た。粗生成物を、次の工程でさらに精製することなく用いた。
【0152】
化合物12の調製手順
エタノール(3mL)中の化合物5(20mg、0.049mmol)の溶液に、BrCN(10mg)を加えた。溶液を、マイクロ波反応器中、80℃で30分間加熱した。次に、溶媒を真空下で蒸発させて、残留物を、分取HPLCにより精製して、化合物12(1.1mg、5%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.494分、MS(ESI)m/z 438[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.21 (m, 1H), 6.94 (m, 1H), 6.64 (s, 1H), 4.29 (d, J=7.6 Hz, 1H), 3.80 (m, 3H), 3.38 (s, 3H), 3.01-3.11 (m, 2H), 2.62-2.76 (m, 2H), 2.00-2.19 (m, 4H), 1.65-1.74 (m, 4H), 1.33-1.49 (m, 5H)。
【0153】
実施例13.化合物13の合成
【化39】

【0154】
化合物2の調製手順
THF(4mL)中の化合物1(200mg、0.67mmol)の溶液に、Ti(OEt)(2mL、6.7mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、tert−ブチルスルフィンアミド(300mg、2.68mmol)を加えた。反応混合物を、還流下で一晩撹拌した。次に混合物を、HO(10mL)とEtOAc(20mL)とに分配した。混合物を濾過し、濾液をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固した。残留物を、クロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して、化合物3(250mg、87%)を黄色の固体として得た。
【0155】
化合物13の調製手順
i−PrMgCl−LiCl(4.83mL、6.28mmol)の溶液に、THF(2mL)中の化合物2A(1.44g、6.28mmol)を、−20℃で一度に加え、混合物を−20℃で20分間撹拌した。次に、上記混合物に、THF(1mL)中の化合物2(250mg、0.628mmol)の溶液を、−20℃で徐々に、続いて、CuCN−LiCl溶液(0.002mL、THF中の1M)を加え、混合物を同じ温度で3時間撹拌した。飽和NHCl水溶液(3mL)を加えることにより、反応物をクエンチした。水層をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、残留物を得て、これを分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLC(塩基性)により精製して、化合物13(2.0mg、11%)を得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.087分、MS(ESI)m/z 411/413[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.16 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.65-7.76 (m, 2H), 7.04-7.53 (m, 3H), 7.03 (s, 1H), 3.21 (s, 3H), 3.08 (m, 1H),1.92-2.05 (m, 2H), 1.69-1.74 (m, 1H), 1.40-1.52 (m, 3H), 1.27-1.32 (m, 2H), 0.90-1.05 (m, 2H)
【0156】
実施例14.化合物14の合成
【化40】


トルエン(2mL)中の化合物1A(0.2mL、過剰量)及び化合物1(20mg、0.046mol)を含有する溶液を、窒素流をその反応混合物に5分間泡立て通すことにより脱酸素化した。次に、PdCl(PPh(5mg)を加えた。反応バイアルを密閉してCEMマイクロ波反応器に入れ、そして150℃で35分間照射した。室温に冷ました後、混合物を、EtOAc(20mL)とCsF水溶液(4M、20mL)とに分配し、そして、水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮した。残留物を、分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLC(塩基性)により精製して、化合物14(3.3mg、18%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.076分、MS(ESI)m/z 397[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.04 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.64 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.57 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.21-7.30 (m, 3H), 6.67 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 2.97 (m, 1H), 1.82-1.93 (m, 2H), 1.60-1.63 (m, 1H), 1.19-1.37 (m, 5H), 0.92-0.93 (m, 1H), 0.70-0.74 (m, 2H), 0.54-0.56 (m, 2H)
【0157】
実施例15:化合物15の合成
【化41】


10mLのフラスコ中のPd(PPhCl(5mg)を、N下で、化合物1(40mg、0.078mmol)、1,4−ジオキサン(3mL)、化合物1A(17mg、0.118mmol)及びCsCO(2N、0.52mL)で順次処理した。混合物を、CEMマイクロ波反応器中、N下で、120℃未満で15分間加熱した。反応混合物を真空内で濃縮して、残留物を得て、これをシリカゲル上の分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLC(緩衝液として0.1% TFA)により精製して、化合物15(1.0mg、5%)を白色の固体として得た。
LC−MS(698−146−1A):t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.005分、MS(ESI)m/z 434[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.17 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.89 (m, 1H), 7.82 (m, 1H), 7.68 (m, 5H), 7.40 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.18 (s, 1H), 3.41 (m, 2H), 3.39 (s, 3H), 3.15 (m, 1H), 2.07 (m, 1H), 1.96 (m, 1H), 1.78 (m, 1H), 1.51 (m, 3H), 1.34 (m, 2H), 1.05 (m, 1H)。
【0158】
実施例16:化合物16の合成
【化42】


これを実施例15に記載した方法により合成した。粗生成物を分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLCにより精製して、化合物16(5.0mg、13%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.034分、MS(ESI)m/z 478[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.97 (s, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.17-7.18 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.65-7.79 (m, 4H), 7.40 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.32 (s, 1H) 3.23-3.33 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 3.00-3.11 (m, 1H), 1.86-1.98 (m, 2H), 1.59-1.62 (m, 1H), 1.30-1.40 (m, 3H), 1.15-1.29 (m, 1H),0.92-1.01 (m, 1H)。
19F -NMR (CD3OD 400 MHz): δ -63.96。
【0159】
実施例17.化合物17、18及び19の合成
【化43】

【0160】
化合物2の調製手順
THF(120mL)中の化合物1A(5.31g、37.5mmol)の溶液に、MeLi(12.5mL、37.5mmol)を、窒素雰囲気下で0℃で加え、そして得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。−78℃に冷却した後、THF(200mL)中の化合物1(4g、31.2mmol)の溶液を徐々に滴下した。暗色の溶液を、−78℃で40分間撹拌し、そしてTHF(50mL)中のI(9.56g、37.5mmol)の溶液を、上記の溶液に加えた。−78℃で2時間撹拌した後、混合物を、室温に温まるにまかせて、そして一晩撹拌した。次に混合物を、飽和NHCl水溶液(10mL)を加えることによりクエンチした。水層を、EtOAc(3×200mL)で抽出し、そして合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)及びHPLCにより精製して、化合物2(1.5g、19%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.43 (s, 1H), 7.87-7.94 (m, 2H)。
【0161】
化合物5の調製手順
THF(2mL)中の化合物2(500mg、0.198mmol)の溶液に、n−BuLi(0.08mL、0.198mmol)を−78℃で加え、そして混合物を−78℃で30分間撹拌した。次に上記の混合物に、THF(1mL)中の化合物4(81mg、0.198mmol)の溶液を−78℃で徐々に加え、そして混合物を−78℃でさらに2時間撹拌した。反応混合物を、室温に温まるにまかせて、そして一晩撹拌した。次に混合物を、飽和NHCl水溶液(3mL)を加えることによりクエンチした。水層を、EtOAc(3×20mL)で抽出し、そして合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して、残留物を得て、これを分取TLC(CHCl:MeOH=15:1)及びHPLCにより精製して、化合物5(14mg、16%)を黄色の固体として得た。
【0162】
化合物6の調製手順
THF(1mL)中の化合物5(14mg、0.032mmol)の溶液に、DMAP(6mg、0.048mmol)、(Boc)O(11mg、0.048mmol)及びEtN(6.4mg、0.064mmol)を室温で加え、そして得られた混合物を一晩撹拌した。溶媒を真空内で除去して、粗化合物を得て、これを分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により精製して、化合物6(9mg、52%)を白色の固体として得た。
【0163】
化合物7の調製手順
オーブンで乾燥させた、コンデンサー付きの三つ首丸底フラスコに、窒素雰囲気下で、化合物6(24mg、0.046mmol)、EtN(2.5mL)及びEtNH(0.5mL)を入れた。この溶液に、CuI(0.44mg、0.0023mmol)及びPdCl(PPh(2mg、0.0023mmol)を加えた。系をもう一度脱ガスし、次にシクロプロピルアセチレン(0.5mL、過剰量)を加え、そして混合物を60℃(油浴)で一晩撹拌した。溶媒を、真空内で蒸発させて、残留物を、酢酸エチル(20mL)と水(10mL)とに分配した。水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させて、減圧下で濃縮乾固した。粗生成物を、分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により精製して、化合物7(7mg、30%)を白色の固体として得た。
【0164】
化合物17の調製手順
ジオキサン(2mL)中の化合物7(7mg、0.0134mmol)の溶液を、CEMマイクロ波反応器の中に入れ、120℃で15分間照射した。溶媒を真空内で蒸発させて除去し、粗化合物を得て、これをHPLC(塩基性)により精製して、化合物17(4.4mg、52%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.158分、MS(ESI)m/z 422[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.87 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.73 (dd, J=0.8, 7.6 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.25 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.13 (dd, J=1.6, 8.0 Hz, 1H), 6.50 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.23-3.33 (m, 2H), 2.88-3.00 (m, 1H), 1.79-1.95 (m, 2H), 1.51-1.62 (m, 1H), 1.32-1.48 (m, 1H), 1.10-1.38 (m, 4H), 0.75-0.88 (m, 1H), 0.65-0.75 (m, 2H), 0.50-0.55 (m, 2H)
【0165】
化合物17のキラル分離:化合物18及び19の調製
【化44】


化合物17(50mg、0.12mmol)を、分取SFCにより再精製して、化合物19(18.30mg、37%)及び化合物18(6.70mg、13%)を得た。
化合物19のスペクトル:
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.930分、m/z 422[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.32 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.03 (d, J=7.2 Hz, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.40 (dd, J=1.2, 6.8 Hz, 2H), 6.88 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.25-3.28 (s, 2H), 3.10 (m, 1H), 1.95-2.07 (m, 2H), 1.74-1.76 (m, 1H), 1.33-1.49 (m, 5H), 1.05-1.06 (m, 1H), 0.81-0.86 (m, 2H), 0.66-0.67 (m, 2H)。
SFC:t=15分間のクロマトグラフィーにおいて7.67分、ee=98%。
化合物18のスペクトル:
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.930分、m/z 422[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.32 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.03 (d, J=7.2 Hz, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.40 (dd, J=1.2 Hz, 6.8, 2H), 6.88 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.25-3.28 (s, 2H), 3.10 (m, 1H), 1.95-2.07 (m, 2H), 1.74-1.76 (m, 1H), 1.33-1.49 (m, 5H), 1.05-1.06 (m, 1H), 0.81-0.86 (m, 2H), 0.66-0.67 (m, 2H)。
SFC:t=15分間のクロマトグラフィーにおいて8.29分、ee=90%。
【0166】
実施例18:化合物20の合成
【化45】


これを実施例15に記載した方法により合成した。溶液を真空内で濃縮し、そして残留物を、分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLCにより精製して、化合物20(1.6mg、4%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.994分、MS(ESI)m/z 486[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.34 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.05 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.72 (d, J=9.6 Hz, 1H), 7.63 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.4 2(s, 1H), 7.26-7.29 (m, 1H), 7.17 (d, J=8.4 Hz, 1H), 3.23-3.33 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 3.00-3.11 (m, 1H), 1.86-1.98 (m, 2H), 1.59-1.62 (m, 1H), 1.30-1.40 (m, 3H), 1.15-1.29 (m, 1H), 0.92-1.01 (m, 1H)。
【0167】
実施例19:化合物21の合成
【化46】

【0168】
工程1. 2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−(トリメチルシリルオキシ)アセトニトリルの合成
CHCN(35mL)中の5−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド(3.4160g、16.8mmol)及びDMAP(0.0256g、0.21mmol、0.012当量)の溶液に、TMSCN(1.8885g、19.0mmol、1.13当量)を、窒素下、室温で、シリンジを介して滴下した。3.75時間後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をさらに精製することなく次の工程で直接用いた。
【0169】
工程2. 4−(5−ブロモ−2−フルオロベンゾイル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノンの合成
THF(10mL)中の、上記のとおりに得た2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−(トリメチルシリルオキシ)アセトニトリル(16.8mmol)の溶液に、LiHMDS(THF中1.0M、18mL、18mmol、1.07当量)を、窒素下、−78℃でシリンジを介して加えた。1.25時間後、THF(20mL)中の1,4−シクロヘキサンジオンモノ−エチレンケタール(2.6310g、16.8mmol、1.0当量)の溶液を、カニューレを介して滴下した。得られた混合物を、16時間かけて徐々に10℃に温めた。混合物を、次に飽和NHCl(10mL)及びHO(10mL)でクエンチし、酢酸エチルで2回抽出し、そしてNaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させた後、残留物を、MeOH(120mL)及び2N HCl(40mL)で処理した。得られた溶液を、室温で24時間激しく撹拌し、そして溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、CHClで2回抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させた後、残留物を、ヘキサン/酢酸エチルで溶離するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、4−(5−ブロモ−2−フルオロベンゾイル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン2.9319g(2工程で55%)を得た。LC−MS t=3分間のクロマトグラフィーにおいて1.39分、m/z 315,317(MH);1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.62-7.57 (m, 1H), 7.50-7.47 (m, 1H), 7.08-7.03 (m, 1H), 3.41 (s, 1H), 2.83-2.74 (m, 2H), 2.42-2.36 (m, 2H), 2.31-2.23 (m, 2H), 2.14-2.09 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 209.51, 204.88 (d, J=2.30 Hz), 157.68 (d, J=248.44 Hz), 135.66 (d, J=8.44 Hz), 131.55 (d, J=3.83 Hz), 127.54 (d, J=19.17 Hz), 118.07 (d, J=24.53 Hz), 117.19 (d, J=3.84 Hz), 78.07, 36.37, 33.89, 33.87; 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -112.90。
【0170】
工程3. 5−ブロモ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3,4’−ジオン
THF(30mL)中の4−(5−ブロモ−2−フルオロベンゾイル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン(1.0055g、3.19mmol、1.0当量)の溶液に、95% t−BuOK(0.3440g、2.91mmol、0.9当量)を少しずつ加えた。得られた混合物を、100℃で1時間加熱した。反応混合物を、次に氷浴で冷却し、そしてHOでクエンチし、酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、残留物を、シリカゲル上のヘキサン/酢酸エチルで溶離するクロマトグラフィーにより精製して、5−ブロモ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3,4’−ジオン 0.3889g(41%)を、白色の固体として得た。LC−MS t=3分間のクロマトグラフィーにおいて1.58分、m/z 295、297(MH);1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.82-7.81 (m, 1H), 7.76-7.73 (m, 1H), 7.10-7.07 (m, 1H), 2.81-2.72 (m, 2H), 2.60-2.55 (m, 2H), 2.29-2.21 (m, 2H), 2.08-2.03 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 208.25, 200.80, 169.71, 140.99, 127.47, 121.58, 115.55, 114.81, 88.10, 36.68, 31.86。
【0171】
工程4. cis−5−ブロモ−4’−ヒドロキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オン及びtrans−5−ブロモ−4’−ヒドロキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オンの合成
THF(15mL)中の5−ブロモ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3,4’−ジオン(0.2281g、0.77mmol)の溶液に、NaBH(0.0266g、0.70mmol)を、−78℃で少しずつ加えた。15分後、さらにNaBH(0.0138g、0.36mmol)を−78℃で加えた。25分後、反応混合物を、アセトンでクエンチし、室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、残留物を、シリカゲル上のヘキサン/酢酸エチルで溶離するクロマトグラフィーにより精製して、trans−5−ブロモ−4’−ヒドロキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オン 0.0108g(5%)及びcis−5−ブロモ−4’−ヒドロキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オン 0.1424g(62%)を得た。
【0172】
trans−5−ブロモ−4’−ヒドロキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オンに関して、LC−MS t=3分間のクロマトグラフィーにおいて1.56分、m/z 297,299(MH)、279,281;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.78-7.77 (m, 1H), 7.70-7.66 (m, 1H), 7.02-6.99 (m, 1H), 4.18-4.17 (m, 1H), 2.23-2.14 (m, 2H), 2.03-1.87 (m, 4H), 1.53-1.49 (m, 2H)。
【0173】
cis−5−ブロモ−4’−ヒドロキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オンに関して、LC−MS t=3分間のクロマトグラフィーにおいて1.47分、m/z 297,299(MH);1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.77-7.76 (m, 1H), 7.70-7.67 (m, 1H), 7.05-7.02 (m, 1H), 3.83-3.78 (m, 1H), 2.08-2.03 (m, 2H), 1.88-1.72 (m, 6H); 13C NMR(100 MHz, CDCl3) δ 202.30, 169.84, 140.60, 127.21, 121.81, 115.54, 114.20, 89.12, 68.73, 30.67, 30.37。
【0174】
工程5. cis−5−ブロモ−4’−メトキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オンの合成
CHCN(5mL)中のcis−5−ブロモ−4’−ヒドロキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オン(0.1424g、0.48mmol)、AgO(0.3800g、1.64mmol)、MeI(0.85mL、13.6mmol)及びドライエライト(登録商標)(0.78g)の混合物を、室温で66時間、激しく撹拌した。反応混合物を濾過した。溶媒を蒸発させた後、残留物を、シリカゲル上のヘキサン/酢酸エチルで溶離するクロマトグラフィーにより精製して、cis−5−ブロモ−4’−メトキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オン 0.1232g(83%)を得て、そしてcis−5−ブロモ−4’−ヒドロキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オン 0.0220g(15%)を回収した。
【0175】
cis−5−ブロモ−4’−メトキシ−3H−スピロ[ベンゾフラン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オンに関して、LC−MS t=3分間のクロマトグラフィーにおいて1.86分、m/z 311,313(MH);1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.68-7.67 (m, 1H), 7.63-7.60 (m, 1H), 6.97 (d, J=8.8 Hz, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.29-3.22 (m, 1H), 2.08-2.04 (m, 2H), 1.77-1.57 (m, 6H); 13C NMR(100 MHz, CDCl3) δ 202.15, 169.74, 140.44, 127.07, 121.77, 115.48, 114.04, 89.32, 55.70, 30.09, 26.95。
【0176】
工程6: 中間体2の合成
THF(10mL)中の化合物1(500mg、1.613mmol)、Ti(OEt)(4.58g、16.13mmol)及び化合物1A(780mg、6.45mmol)の溶液を、一晩還流加熱した。次に混合物を、HO(10mL)とEtOAc(30mL)とに分配した。混合物を濾過し、濾液をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物を、分取TLC(石油:酢酸エチル、5:1)により精製して、化合物2(300mg、45%)を黄色の固体として得た。
【0177】
工程7: 中間体3の合成
THF(2mL)中の化合物2A(183mg、0.8mmol)の溶液に、n−BuLi(0.35mL、0.878mmol)を−78℃で徐々に加えた。−78℃で30分間撹拌した後、THF(1mL)中の化合物4(300mg、0.726mmol)の溶液を、−78℃で徐々に滴下した。混合物を−78℃で2時間撹拌し、次に室温に温まるにまかせ、そして、一晩撹拌した。混合物を飽和NHCl水溶液(2mL)でクエンチした。水層を、EtOAc(3×20mL)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン(15mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、残留物を得て、これを分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及び分取HPLCにより精製して、化合物3(60mg、20%)を黄色の固体として得た。
【0178】
工程8: 化合物21の合成
トルエン(2mL)中の化合物3(30mg、0.073mol)及び化合物3A(0.2mL、過剰量)を含有する溶液を、窒素流をその反応混合物に5分間泡立て通すことにより脱酸素化した。次に、PdCl(PPh(5mg)を加えた。反応バイアルを密閉してCEMマイクロ波反応器に入れ、そして130℃で35分間照射した。室温に冷ました後、混合物を、EtOAc(20mL)とCsF水溶液(4M、10mL)とに分配し、そして水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空内で濃縮した。残留物を、分取TLC(CHCl:MeOH、10:1)及びHPLCにより精製して、化合物21(2.0mg、8%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.950分、MS(ESI)m/z 399[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.19 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.75-7.83 (m, 2H), 7.51 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.38 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.00 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.00-3.11 (m, 1H), 1.95-2.07 (m, 4H), 1.53-1.66 (m, 3H), 1.26-1.37 (m, 2H), 0.81-0.83 (m, 2H), 0.63-0.65 (m, 2H)。
【0179】
実施例20:化合物22の合成
【化47】


DMF(1.5mL)中の化合物3(20mg、0.049mmol)、CuCl(9.7mg、0.097mmol))の混合物をCEMマイクロ波反応器に入れ、そして170℃で40分間照射した。室温に冷ました後、混合物を、HO(10mL)とEtOAc(20mL)とに分配した。水層を、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固した。残留物を、分取HPLC(酸性)により精製して、化合物22(5.3mg、30%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.864分、MS(ESI)m/z 369[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.18 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.85 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.77 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.52 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.39 (dd, J=2.0, 8.4 Hz, 1H), 7.08 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.91 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.18 (m, 1H), 2.18-2.23 (m, 1H), 1.96-2.10 (m, 3H), 1.55-1.70 (m, 3H), 1.25-1.26 (m, 1H)。
【0180】
実施例21:化合物23の合成
【化48】

【0181】
化合物2の調製手順
THF(3mL)中の化合物1A(135mg、0.533mmol)の溶液に、n−BuLi(0.234mL、0.586mmol)を−78℃で徐々に加えた。反応混合物を、−78℃で30分間撹拌し、THF(2mL)中の化合物1(200mg、0.484mmol)の溶液を上記混合物に徐々に滴下した。−78℃で2時間撹拌した後、混合物を室温に温まるにまかせて、そして一晩撹拌した。次に混合物を、飽和NHCl水溶液(2mL)でクエンチした。水層を、EtOAc(3×20mL)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、そして真空内で濃縮して、残留物を得て、これを分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)により精製して、化合物2(42mg、20%)を黄色の固体として得た。
【0182】
化合物23の調製の一般手順
DMF(2mL)中の化合物2(42mg、0.096mmol)及びCuCl(19mg、0.192mmol)の混合物を、CEMマイクロ波反応器に入れ、そして170℃で40分間照射した。室温に冷ました後、混合物を、HO(10mL)とEtOAc(20mL)とに分配した。水層をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮乾固した。残留物を分取HPLC(酸性)により精製して、化合物23(3.2mg、9%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.920分、MS(ESI)m/z 390[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.26 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.04 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.33 (m, 1H), 7.01 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.94 (s, 1H), 3.21 (s, 3H), 3.08 (m, 1H), 2.00-2.12 (m, 1H), 1.89-1.99 (m, 3H), 1.47-1.61 (m, 3H), 1.15-1.22 (m, 2H)。
【0183】
実施例22.化合物24の合成
【化49】


この化合物を、実施例19、工程7に記載した方法により合成した。粗生成物を、分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLCにより精製して、化合物24(183mg、収率21%)を黄色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.020分、MS(ESI)m/z 441/443[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.08 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.54 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.42 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.23 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.75 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.23-3.33 (m, 2H), 3.00-3.11 (m, 1H), 1.96-2.05 (m, 2H), 1.70-1.71 (m, 1H), 1.45-1.53 (m, 3H), 1.31 (m, 1H); 1.05-1.06(m, 1H)。
【0184】
実施例23:化合物25の合成
【化50】

【0185】
化合物2の調製の一般手順
THF(7.5mL)中の化合物1(150mg、0.34mmol)の溶液に、DMAP(63mg、0.51mmol)、(Boc)O(112mg、0.51mmol)及びEtN(69mg、0.68mmol)を室温で加え、そして得られた混合物を一晩撹拌した。溶媒を、真空内で除去して、粗化合物を得て、これを分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により精製して、化合物2(60mg、33%)を白色の固体として得た。
【0186】
化合物3の調製の一般手順
オーブンで乾燥させた、コンデンサー付きの三つ首丸底フラスコに、N雰囲気下で、化合物2(60mg、0.11mmol)、EtN(3.6mL)及びEtNH(0.7mL)を入れた。この溶液に、CuI(1mg、0.0055mmol)及びPdCl(PPh(4mg、0.0055mmol)を加えた。系をもう一度脱ガスし、次にシクロプロピルアセチレン(0.6mL、過剰量)を加え、そして混合物を60℃(油浴)で一晩撹拌した。溶媒を、真空内で蒸発させて、残留物を、酢酸エチル(2×70mL)と水(20mL)とに分配した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮乾固した。粗生成物を、分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により精製して、化合物3(23mg、39%)を白色の固体として得た。
【0187】
化合物25の調製の一般手順
ジオキサン(5mL)中の化合物3(23mg、0.0218mmol)の溶液を、CEMマイクロ波反応器に入れ、そして120℃で15分間照射した。溶媒を真空内で蒸発させて除去し、粗化合物を得て、これを、HPLC(塩基性)により精製して、化合物25(2.4mg、16%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.0564分、MS(ESI)m/z 427.1[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.050 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.394 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.334 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.218 (d, J=2.4 Hz, 1H), 6.802 (s, 1H), 6.733 (s, 1H), 3.863 (s, 3H), 3.334 (s, 3H), 3.289 (m, 3H), 2.031 (m, 2H), 1.721 (m, 1H), 1.315-1.530 (m, 5H), 1.073 (m, 1H), 0.857 (m, 2H), 0.689 (m, 2H)。
【0188】
実施例24:化合物26の合成
【化51】

【0189】
工程1.中間体2の合成
NMP(4mL)中の化合物1(1.5g、2.79mmol)、CuCN(0.55g、6.11mmol))の混合物を、130℃で4時間加熱した。次に混合物を、室温に冷まし、HO(20mL)とEtOAc(30mL)とに分配した。水層を、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固した。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して、化合物2(0.8g、67%)を黄色の固体として得た。
【0190】
工程2.中間体化合物3の合成
濃HCl(2.7mL)中のSnCl(3.34g、14.8mmol)の溶液に、95%エタノール(1.3mL)中の化合物2(0.8g、3.7mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を、室温で2時間撹拌した。TLCは、反応が完了したことを示し、混合物を、50%NaOH水溶液(10mL)で処理して、黄色の固体を得た。得られた混合物を濾過し、フィルターケークを、CHCl(200mL)に溶解した。混合物を濾過し、濾液をNaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して、化合物3(0.4g、58%)を黄色の固体として得た。
【0191】
工程3.中間体4の合成
濃HCl(1mL)中の化合物3(0.4g、2.15mmol)の溶液に、HO(8mL)中のNaNO(0.222g、3.22mmol)の溶液を、温度を−5℃〜0℃に保ちながら、徐々に加えた。添加後、反応混合物を、0℃で30分間撹拌した。次に、HO(7mL)中のKI(3.57g、21.5mmol)の溶液を徐々に加え、さらに3時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾液を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して、残留物を得て、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して、化合物4(0.6g、94%)を黄色の固体として得た。
【0192】
工程4.化合物26の調製
これを実施例25に記載した方法により合成した。粗生成物を、分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLCにより精製して、化合物26(2.5mg、4%)を黄色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.949分、MS(ESI)m/z 479/481[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.39 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.04 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.56-7.59 (m, 2H), 7.46 (d, J=8..0 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 3.23-3.33 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 3.00-3.11 (m, 1H), 1.86-1.98 (m, 2H), 1.59-1.62 (m, 1H), 1.30-1.40 (m, 3H), 1.15-1.29 (m, 1H), 0.92-1.01 (m, 1H)。
19F -NMR (706-182-1J CD3OD 400 MHz): δ -64.176。
【0193】
実施例25:化合物27の合成
【化52】


これを実施例14に記載した方法により合成した。粗生成物を、分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びRP−HPLC(酸性)により精製して、化合物27(9.2mg)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.058分、MS(ESI)m/z 465[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.37 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.01 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.43 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.40 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.25-3.28 (s, 2H), 3.10 (m, 1H), 1.95-2.07 (m, 2H), 1.74-1.76 (m, 1H), 1.36-1.45 (m, 5H), 1.05-1.06 (m, 1H), 0.81-0.86 (m, 2H), 0.66-0.68 (m, 2H)。
19F -NMR (CD3OD 400 MHz): δ-64.198。
【0194】
実施例26.化合物28の合成
【化53】

【0195】
工程1.中間体2の合成
CHCl(10mL)中の化合物1(500mg、1.37mmol)の溶液に、TFA(0.8mL)を室温で加え、一晩撹拌し、次に氷水(20g)を加えた。水層を、CHCl(3×20mL)で抽出し、そして合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して、残留物を得て、これを分取TLC(石油:酢酸エチル=5:1)により精製して、化合物2(300mg、88%)を黄色の油状物として得た。
【0196】
工程2.中間体3の合成
DMF(6mL)中の化合物2(200mg、0.82mmol)及びKCO(227mg、1.64mmol)の溶液に、化合物2A(165mg、1.224mmol)を室温で加え、そして一晩撹拌した。溶媒に水(20mL)を加えた。水層を、EtOAc(3×20mL)で抽出し、そして合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、残留物を得て、これを分取TLC(石油:酢酸エチル=5:1)により精製して、化合物3(210mg、86%)を黄色の油状物として得た。
【0197】
工程4. 中間体4の合成
THF(5mL)中の化合物3(210mg、0.7mmol)、Ti(OEt)(1.99g、7mmol)及び化合物3A(339mg、2.8mmol)の溶液を、一晩還流加熱した。次に混合物を、HO(10mL)とEtOAc(20mL)とに分配した。混合物を濾過し、濾液をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮乾固した。残留物を、分取TLC(石油:酢酸エチル=5:1)により精製して、化合物4(220mg、78%)を黄色の固体として得た。
【0198】
化合物28の調製手順
THF(2mL)中の化合物4A(213mg、0.93mmol)の溶液に、n−BuLi(0.372mL、0.93mmol)を−78℃で徐々に加え、そして混合物を、−78℃で30分間反応させた。次に上記の混合物に、THF(1mL)中の化合物4(75mg、0.186mmol)の溶液を、−78℃で徐々に加え、そして混合物を、−78℃で2時間反応させ、次に徐々に室温に温め、一晩反応させた。次に混合物を、飽和NHCl水溶液(2mL)でクエンチした。水層を、EtOAc(3×20mL)で抽出し、そして合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮して、残留物を得て、これを分取TLC(CHCl:MeOH、10:1)及びHPLCにより精製して、化合物28(1.7mg、2%)を黄色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.132分、MS(ESI)m/z 403[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.10 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.70 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.64 (t, J=7.2 Hz, 1H), 7.30-7.34 (m, 2H), 6.91 (d, J=2.4 Hz, 1H), 6.34 (s, 1H), 3.61-3.70 (m, 2H), 3.23-3.33 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 3.00-3.11 (m, 1H), 1.89-2.00 (m, 2H), 1.71-1.74 (m, 1H), 1.40-1.45 (m, 3H), 0.97-1.30 (m, 3H), 0.51-0.54 (m, 2H), 0.24-0.25 (m, 2H)。
【0199】
実施例27:化合物29の合成
【化54】


これを実施例20に記載のように合成した。粗生成物を、分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLCにより精製して、化合物29(25mg、収率4%)を黄色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.959分、MS(ESI)m/z 412、414[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.81 (d, J=5.2 Hz, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.05 (d, J=4.8 Hz, 1H), 7.50 (d, J=5.6 Hz, 1H), 7.36 (d, J=5.6 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 3.23-3.33 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 3.00-3.11 (m, 1H), 1.86-1.98 (m, 2H), 1.59-1.62 (m, 1H), 1.30-1.40 (m, 3H), 1.15-1.29 (m, 1H), 0.92-1.01 (m, 1H)。
【0200】
実施例28.化合物30の合成
【化55】


これを実施例14に関して記載した方法により合成した。粗生成物を、分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLCにより精製して、化合物30(3.0mg、58%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.932分、MS(ESI)m/z 398[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.92 (d, J=5.2 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.15 (d, J=5.2 Hz, 1H), 7.45 (dd, J=8.0, 22.0 Hz, 2H), 6.88 (s, 1H), 3.23-3.33 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 3.00-3.11 (m, 1H), 1.86-1.98 (m, 2H), 1.59-1.62 (m, 1H), 1.30-1.40 (m, 3H), 1.15-1.29 (m, 1H), 0.92-1.01 (m, 1H)。
【0201】
実施例29:化合物31の合成
【化56】


EtOH(5mL)中の化合物30(11mg、0.028mmol)の溶液に、Pd/C(2mg)を加え、混合物を、H雰囲気下(1気圧)、室温で1時間撹拌した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、濾液を真空内で濃縮して、残留物を得て、これを分取HPLCにより精製して、化合物31(2.5mg、22%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.144分、MS(ESI)m/z 402[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.94 (d, J=5.2 Hz, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.19 (d, J=4.8 Hz, 1H), 7.46 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.31 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.79 (s, 1H) 3.38 (s, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.13 (m, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.08 (m, 2H), 1.83 (m, 1H), 1.56 (m, 6H), 1.39 (m, 1H), 0.67 (m, 1H), 0.38 (m, 2H), 0.00 (m, 2H)。
【0202】
実施例30:化合物32の合成
【化57】


これを実施例19、工程7に記載した方法により合成した。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.979分、MS(ESI)m/z 429/431[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.48-7.50 (m, 1H), 7.39-7.41 (m, 1H), 7.31-7.33 (m, 1H), 7.22 (t, J=9.6 Hz, 1H), 7.04 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 3..30 (s, 3H), 3.12-3.17 (m, 2H), 3.03-3.05 (m, 1H), 1.89-1.97 (m, 2H), 1.55-1.68 (m, 2H), 1.25-1.42 (m, 3H), 0.98-1.01 (m, 1H)。
【0203】
実施例31:化合物33の合成
【化58】


これを実施例14に記載した方法により合成した。粗生成物を、分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及び分取HPLC(酸性)により精製して、化合物33(5.1mg、19%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.929分、MS(ESI)m/z 415[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.74-7.80 (m, 1H), 7.34-7.43 (m, 3H), 7.16 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.90 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.25-3.28 (s, 2H), 3.10 (m, 1H), 1.95-2.07 (m, 2H), 1.74-1.76 (m, 1H), 1.33-1.49 (m, 5H), 1.05-1.06 (m, 1H), 0.81-0.86 (m, 2H), 0.66-0.67 (m, 2H)。
19F -NMR (CD3OD 400 MHz):δ -116.633。
【0204】
実施例32:化合物34の合成
【化59】


EtOH(5mL)中の化合物33(13mg、0.03mmol)の溶液に、Pd/C(2mg)を加え、混合物をH(30気圧)下、室温で1時間撹拌した。次に混合物を濾過し、濾液を真空内で濃縮して、残留物を得て、これを分取HPLCにより精製して、化合物34(1.0mg、8%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.81 (m, 1H), 7.44 (m, 2H), 7.27 (dd, J=7.6, 13.6 Hz, 2H), 6.82 (s, 1H) 3.67 (m, 1H), 3.16 (s, 3H), 3.13 (m, 2H), 2.70 (m, 2H), 2.03 (m, 2H), 1.81 (m, 1H), 1.48 (m, 5H), 1.36 (m, 2H), 0.66 (m, 1H), 0.38 (m, 2H), 0.00 (m, 2H)。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて1.213分、MS(ESI)m/z 419[M+H]
【0205】
実施例33:化合物35の合成
【化60】


これを実施例19、工程7に記載した方法により合成した。粗生成物を、シリカゲル上の分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及びHPLC(緩衝液として0.1% TFA)により精製して、化合物35(8.0mg、7%)を白色の固体として得た。
LC−MS(736−022−1Y):t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.830分、MS(ESI)m/z 436[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.42 (s, 1H), 7.96 (dd, J=1.2, 8.0 Hz, 1H), 7.47 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.34 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J=9.2 Hz, 1H), 3.30 (m, 3H), 3.20 (m, 2H), 3.01 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.86 (m, 1H), 1.64 (m, 1H), 1.38 (m, 2H), 1.18 (m, 2H), 0.93 (m, 1H)。
【0206】
実施例34:化合物36の合成
【化61】


これを実施例14に記載した方法により合成した。粗生成物をシリカゲル上の分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及び分取HPLC(緩衝液として0.1% TFA)により精製して、化合物36(7.3mg、9%)を白色の固体として得た。
LC−MS(736−056−1B):t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.998分、MS(ESI)m/z 422[M+H]
1H NMR (CD3OD 400 MHz): δ 8.52 (s, 1H), 8.04 (dd, J=1.6, 8.0 Hz, 1H), 7.53 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.42 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.37 (dd, J=1.2, 8.0 Hz, 1H), 6.89 (s, 1H), 3.36 (m, 3H), 3.32 (m, 2H), 3.10 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.74 (m, 1H), 1.31-1.50 (m, 5H), 1.05 (m, 1H), 1.01 (m, 2H), 0.85 (m, 2H)。
【0207】
実施例35.化合物37の合成
【化62】

【0208】
工程1.化合物2の合成
化合物1(0.8g、4.68mmol)及びNH/EtOH(10mL)の混合物を、60℃で6日間撹拌した。次に混合物を真空内で濃縮して、残留物を得て、これをクロマトグラフィー(石油:酢酸エチル=1:1)により精製して、化合物2(0.44g、77%)を白色の固体として得た。
【0209】
工程2.化合物3の合成
THF(10mL)中の化合物2(340mg、2.79mmol)、TFAA(0.99mL)及びEtN(2.35mL)の混合物を、室温で3時間撹拌した。次に混合物を真空内で濃縮して、残留物を得た。混合物をHO(20mL)とEtOAc(30mL)とに分配した。水層を、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して、粗生成物を得て、これを分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、化合物3(160g、55%)を黄色の固体として得た。
【0210】
工程3.化合物37の合成
THF(2mL)中の化合物3(100mg、0.89mmol)の溶液に、n−BuLi(0.392mL、0.98mmol)を−78℃で徐々に滴下した。−78℃で30分間撹拌した後、THF(1mL)中の化合物4(333mg、0.81mmol)の溶液を、−78℃で徐々に加えた。添加後、混合物を−78℃でさらに2時間撹拌し、次に室温に温まるにまかせ、そして、一晩撹拌した。混合物を、飽和NHCl水溶液(3mL)でクエンチした。水層を、EtOAc(3×10mL)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮して、残留物を得て、これを分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及び分取HPLCにより精製して、化合物37(4.9mg、7%)を黄色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.951分、MS(ESI)m/z 432/434[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.56 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.39 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.23-3.33 (m, 2H), 3.00-3.11 (m, 1H), 2.88 (s, 3H), 2.03-2.05 (m, 2H), 1.81 (m, 1H), 1.58 (m, 1H), 1.38-1.43 (m, 4H)。
【0211】
実施例36:化合物38の合成
【化63】


これを実施例14に記載した方法により合成した。粗生成物を分取TLC(CHCl:MeOH=10:1)及び分取HPLCにより精製して、化合物38(3.3mg、18%)を白色の固体として得た。
LC−MS t=2分間のクロマトグラフィーにおいて0.916分、MS(ESI)m/z 418[M+H]
1H-NMR (CD3OD 400 MHz): δ 7.37(m, 2H), 6.82 (s, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.23-3.33 (m, 2H), 3.00-3.11 (m, 1H), 2.88 (s, 3H), 2.03-2.05 (m, 2H), 1.81 (m, 1H), 1.58 (m, 1H), 1.38-1.43 (m, 5H), 0.84-0.88 (m, 2H), 0.67-0.70 (m, 2H)。
【0212】
実施例37.BACE酵素アッセイ
化合物の阻害活性を、市販の基質HiLyte Fluor(商標)488−Glu−Val−Asn−Leu−Asp−Ala−Glu−Phe−Lys−(QXL(商標)520)−OH(AnaSpec, San Jose, CA)及びバキュロウイルス発現系(Mallender et al.,Characterization of recombinant, soluble beta-secretase from an insect cell expression system., Mol Pharmacol 59:619-26, 2001)を用いて昆虫細胞 D. melanogaster S2(キイロショウジョウバエ)に発現した切断型ヒトベータセクレターゼ(C末端His−タグ付残基1−458)を使用して、BACE活性の蛍光クエンチアッセイによりアッセイした。96穴の乳白色のOptiplates aque Optiplates(PerkinElmer, Waltham, MA)中、50mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH4.5、0.4μM FRET基質、2.4nM酵素、5%DMSO及び0.05% Brij−35を含有する総容量200μlのインキュベーション混合物において、アッセイを室温で実施した。試験化合物を、DMSO中で連続的に希釈し、基質とプレインキュベートした。酵素を加えて反応を開始させ、反応が進行したら、480nmの励起波長及び520nmの放射波長で蛍光を測定した。5〜10分毎に10個の測定値を取り、全96穴における反応速度を導き出すために、蛍光強度を対時間で回帰分析した。これらの速度を、5% DMSOを含有する阻害されなかった対照及び酵素の非存在下でインキュベーションを行い完全に阻害された対照を使って、阻害率を算出するために用いた。IC50値は、XLFitソフトウェア(IDBS, Guildford, UK)を使って、インヒビター濃度に対する阻害率を4つのパラメーターロジスティックモデルに当てはめて計算した。
【0213】
実施例38.BACEアッセイ
試験する各化合物について、酵素源として、myc−hisタグに融合され、かつHEK293/BACEect.細胞からOptiMEM(商標)(Invitrogen)中に分泌されたBACE(aa 1−454)の外部ドメインを用いて、蛍光クエンチングアッセイ(FRET)でBACE活性をモニターした。APP−Swedish変異体由来の基質ペプチドは、N末端にCy3−フルオロフォア及びC末端にCy5Q−クエンチャー(Cy3−SEVNLDAEFK−Cy5Q−NH2;Amersham)を有する。基質をDMSO中に1mg/mlで溶解した。
【0214】
384穴プレート内の総アッセイ容量50μl中、BACEの外部ドメインを含有する5μlのOptiMEM(24時間かけて回収し、遠心分離により細胞残屑を除去した上清)、所望濃度の試験化合物及び1%DMSOを含有する25μlの水、1μMの基質ペプチド、20mMのNaOAc、pH4.4及び0.04% Triton-X100の存在下で、アッセイを実施した。全般に、化合物希釈溶液25μlをプレートに投与し、続いて0.2% Triton X-100を含有する水中で1:2に希釈したOptiMEM(商標)を含有するBACE10μlをさらに添加した。NaOAc緩衝液中に基質15μlを添加することにより、反応を開始させた。反応物を、蛍光光度計中30℃でインキュベートし、そして基質の開裂を、ex:530nm、em:590nmで60分間のカイネティックとして記録した。各プレートには、インヒビター又は酵素を含まない空の穴を含めた。
【0215】
全384穴における反応速度を導き出すために、蛍光強度を対時間で回帰分析した。これらの速度を、1% DMSOを含有する阻害されなかった対照及び酵素の非存在下でインキュベーションを行い完全に阻害された対照を使って阻害率を算出するために用いた。IC50値は、GraphPadPrismのような標準ソフトウェアを使って、インヒビター濃度に対する阻害率を当てはめて計算した。
【0216】
このアッセイプロトコールを使って、化合物の希釈溶液を、Tecan Freedom EV0(アッセイ形式A)を使って又はマルチチャンネルピペット(アッセイ形式B)を使って手動で分注した。
【0217】
実施例39.本発明の化合物のBACE活性
本発明の化合物のBACEインヒビター活性を、実施例38又は実施例39に記載したプロトコールに従って試験し、それを以下に示した:
【表2】














IC50値は、実施例37に記載したプロトコールに従い測定した。
IC50値は、実施例38に記載したプロトコールに従い測定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式:
【化64】


[式中、
【化65】


は、二重結合又は単結合であり、
Wは、
【化66】


が、二重結合であるとき、Cであり、又はWは、
【化67】


が、単結合であるとき、N又はCRであり;
環Bは、5員若しくは6員の炭素環又はO、N若しくはSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員の複素環であり、ここで、環Bで表される複素環は、Rで表される1つ以上の基で場合により置換されているが、但し、環Bは、隣接する環酸素原子、隣接する環硫黄原子及び環硫黄原子に隣接する環酸素原子を含まず;
Xは、−O−又は−C(R)−であり;
各Rは、−H、−CN、−NO、ハロゲン、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(O)、−S(O)NR1213、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−C(=S)OR、−OC(=S)R、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−NR11C(=S)R、−NR11(C=O)OR、−O(C=O)NR1213、−NR11(C=S)OR、−O(C=S)NR1213、−NR11(C=O)NR1213、−NR11(C=S)NR1213、−C(=O)R、−C(=S)R、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル及び(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルから独立に選択され、そして、ここで、Rで表される各(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシは、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されているか、又は2つのRが、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRで場合により置換されている(C−C)シクロアルキルを形成し;
は、−H、−OH、−(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキル又はヘテロアリール(C−C)アルキルであり、ここで各アルキル、アリール及びヘテロアリールは、ハロゲン、−CN、−OH、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びハロ(C−C)アルコキシから独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されており;
各Rは、
a)−H、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(O)、−S(O)NR1213、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−C(=S)OR、−OC(=S)R、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−NR11C(=S)R、−NR11(C=O)OR、−O(C=O)NR1213、−NR11(C=S)OR、−O(C=S)NR1213、−NR11(C=O)NR1213、−NR11(C=S)NR1213、−C(=O)R、−C(=S)R;並びに
b)(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルケニル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル及びヘテロアリール(C−C)アルキニル
(ここで各(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルケニル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、アリール(C−C)アルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C−C)アルキル及びヘテロアリール(C−C)アルキニルは、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(O)、−S(O)NR1213、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−C(=S)OR、−OC(=S)R、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−NR11C(=S)R、−NR11(C=O)OR、−O(C=O)NR1213、−NR11(C=S)OR、−O(C=S)NR1213、−NR11(C=O)NR1213、−NR11(C=S)NR1213、−C(=O)R、−C(=S)R、(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、(C−C)アルケニル、ハロ(C−C)アルキル、−(C−C)アルキレン−NR11−SO−(C−C)アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、シアノ(C−C)アルキル、−(C−C)アルキレン−NR11−C(=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されており、
ここで、Rで表される基の上の置換基中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルから独立に選択される1〜3個の置換基で各々場合により置換されている)
から独立に選択され;
及びRは、それぞれ独立して、−H、ハロゲン、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルであり;
は、−H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル及び、ハロゲン、−CN、−NO、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルで場合により置換されているフェニルからなる群より選択され;
は、−H又は(C−C)アルキルであり;
は、−H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルであり;
及びRは、それらが結合している炭素と一緒になって、環A
(これは、ハロゲン、−CN、−OR、−NR、−S(O)、−NR11S(=O)、−C(=O)OR、−C(=O)NR1213、−NR11C(=O)R、−C(=S)NR1213、−C(=O)R、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール(C−C)アルキルからなる群より独立に選択される1〜4個の置換基で場合により置換されている、3〜9員のシクロアルキルであり、
ここで環A上のその(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、アリール、アリール(C−C)アルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリール(C−C)アルキル置換基の各々は、(C−C)アルキル、ハロゲン、−CN、−OH、−NR11SO(C−C)アルキル、−NR11C(=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されており、そして
ここで環Aは、(C−C)アルキル、ハロゲン、−CN、−OH、−NR11SO(C−C)アルキル、−NR11C(=O)−(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されているフェニル基に場合により縮合している)
を形成し;
11は、−H又は(C−C)アルキルであり;
12は、−H又は(C−C)アルキルであり;そして
13は、−H、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルであり、
iは、0、1又は2であり;そして
pは、1、2、3又は4である]で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
環Bが、N、O及びSからなる群より独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員の複素環であり、そしてその複素環が1つ以上のRで場合により置換されている、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
環Bが、1つ以上のRで場合により置換されているフェニル環である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
化合物が、下記構造式:
【化68】






で表されるか、又はその薬学的に許容される塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
化合物が、下記構造式:
【化69】






[式中、
は、−H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−CN、−NRであり、ここで各(C−C)アルキル及び(C−C)アルコキシは、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRからなる群より独立に選択される1〜5個の置換基で場合により置換されているか、又は2つのRが、それらが結合している環炭素原子と一緒になって、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRで場合により置換されている(C−C)シクロアルキルを形成し;
19は、−H、−OH、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシであり;
aは、1であり;
bは、1であり;
cは、1であり;
dは、1又は2であり;
eは、1であり;そして
fは、1である]で表されるか、又はその薬学的に許容される塩である、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
が、−H又は(C−C)アルキルであり;
各Rが、−H、ハロゲン、−CN、−NO、−OR、−C(=O)NR1213、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、フェニル(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、チアゾリル、ピリダジニル、ピリダジノン、ピリジノン、チオフェニル、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ピロリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群より独立に選択され、その(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、フェニル(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、フェニル、ピリジニル、チアゾリル、ピリダジニル、ピリダジノン、ピリジノン、チオフェニル、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ピロリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの各々は、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、ハロ(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、−NR及び−SOからなる群より独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されており;そして
各Rが、存在する場合、−H、ハロゲン、−CN、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及び−NRからなる群より独立に選択されるか、又は2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってC−Cシクロアルキルを形成する、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
各Rが、−Br、−Cl、−CN、−OR、(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、フェニル及びピリジニルから独立に選択され、ここでその(C−C)アルキル、(C−C)アルキニル、フェニル及びピリジニルの各々が、−F、−Cl、−Br、−CN、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びハロ(C−C)アルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されている、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
が、−Hであり;
各Rが、−Br、−Cl、−CN、シクロプロピルエチル、シクロプロピルエチニル、シクロプロピルメトキシ、5−トリフルオロメチル−2−ピリジル、2−ピリジル、3−クロロ−5−フルオロフェニル、3−シアノフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル及びメトキシからなる群より独立に選択され;そして、
各Rが、存在する場合、−H、−F、−CN、−Me、−Et、−OMe、−CF及び−NHからなる群より独立に選択されるか、又は2つのRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロピル環を形成する、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
が、−H、−Me、−CF及びシクロプロピルメチルからなる群から選択され;そして、R、R、R11、R12及びR13が、すべて−Hである、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
薬学的に許容される担体又は希釈剤及び請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項11】
有効量の、請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を対象者に投与することを含む、かかる処置を必要とする対象者におけるBACE活性を阻害する方法。
【請求項12】
有効量の、請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を対象者に投与することを含む、対象者におけるBACE介在障害の処置方法。
【請求項13】
障害が、アルツハイマー病、認知機能障害、ダウン症候群、HCHWA−D、認知低下、老年性認知症、脳アミロイド血管症、変性認知症、他の神経変性障害及び緑内障からなる群より選択される請求項12記載の方法。
【請求項14】
障害がアルツハイマー病である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
障害が緑内障である、請求項13記載の方法。

【公表番号】特表2013−520513(P2013−520513A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555109(P2012−555109)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2011/025912
【国際公開番号】WO2011/106414
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(509235556)ヴァイティー ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (25)
【Fターム(参考)】