説明

ベータ受容体刺激薬及び抗コリン薬を含む吸入用医薬

本発明は、βアゴニスト及び抗コリン薬をベースとした新規医薬組成物、それらの製造方法及び呼吸器疾患の治療におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、β2アゴニスト及び抗コリン薬の塩をベースとした新規医薬組成物、それらの製造方法及び呼吸器疾患の治療におけるそれらの使用に関する。
【0002】
発明の詳細な説明
本発明は、β2アゴニスト及び抗コリン薬1の塩をベースとした新規医薬組成物、それらの製造方法及び呼吸器疾患の治療におけるそれらの使用に関する。
本発明の範囲内において、使用される抗コリン薬は以下の式1の塩である;
【化1】

(式中、X-は1個の負電荷を有するアニオン、好ましくは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp-トルエンスルホネートからなる群より選ばれるアニオンを示し、ラセミ体、エンナンチオマー、及びそれらの水和物の形態にあってもよい。)
【0003】
好ましくは、式中、X-が1個の負電荷を有するアニオンを示し、フッ化物、塩化物、臭化物、4-トルエンスルホネート及びメタンスルホネートから選択され、好ましくは臭化物であり、所望によりラセミ体、エナンチオマー、及びそれらの水和物の形態にある、式1の塩が使用される。
最も好ましくは、式中、X-が1個の負電荷を有するアニオンを示し、塩化物、臭化物及びメタンスルホネートから選ばれ、好ましくは臭化物であり、所望によりラセミ体、エナンチオマー及びそれらの水和物の形態にある、式1の塩が使用される。
【0004】
本発明により特に好ましいものは、式中、X-が臭化物を示す式1の塩である。
本発明により特に興味深いものは、式1-エンのエナンチオマーである;
【化2】

(式中、X-は、前記の意味を有していてもよい。)
【0005】
驚くべきことに、式1の抗コリン薬を一つ以上のベータ作用薬2と使用すると、炎症性及び/又は閉塞性の気道疾患の治療において、予期しなかった有益な治療効果を観察することができる。
この効果は、2種の活性物質が単一の活性物質処方物において同時に投与される場合、またそれらが別々の処方物において順次投与される場合のどちらにも観察され得る。本発明では2種の活性物質を単一処方物において同時に投与する方が好ましい。
前記医薬組成物において、活性物質を、単一製剤に組み合わせるか、あるいは2種の別々の処方物に包含させてもよい。本発明では、活性物質1及び2を単一製剤に含む医薬組成物が好ましい。
【0006】
本発明によると、本発明の組成物において好ましいβ2アゴニスト2は、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール(broxaterol)、カルブテロール(carbuterol)、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール(ibuterol)、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモール(salmefamol)、ソテレノート(soterenot)、スルホンテロール(sulphonterol)、ティアラミド(tiaramide)、テルブタリン、トルブテロール(tolubuterol)、CHF-1035、HOKU-81、KUL-1248、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、4-ヒドロキシ-7-[2-{[2-{[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]-アミノ}エチル]-2(3H)-ベンゾチアゾロン、1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-(4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール、5-ヒドロキシ-8-(1-ヒドロキシ-2-イソプロピルアミノブチル)-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-(4H)-オン、1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-2-tert.-ブチルアミノ)エタノール及び1-(4-エトキシカルボニルアミノ-3-シアノ-5-フルオロフェニル)-2-(tert.ブチルアミノ)エタノールからなる群より選ばれ、所望により、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態にあり、また、所望により、薬理学的に許容され得る酸付加塩及びそれらの水和物である。
【0007】
本発明により、より好ましいβ2アゴニスト2は、バンブテロール、ビトルテロール、カルブテロール(carbuterol)、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール(ibuterol)、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、サルメテロール、スルホンテロール(sulphonterol)、テルブタリン、トルブテロール(tolubuterol)、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、4-ヒドロキシ-7-[2-{[2-{[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]-アミノ}エチル]-2(3H)-ベンゾチアゾロン、1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール 、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール 、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール 、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール 、5-ヒドロキシ-8-(1-ヒドロキシ-2-イソプロピルアミノブチル)-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-(4H)-オン、1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-2-tert.-ブチルアミノ)エタノール及び1-(4-エトキシカルボニルアミノ-3-シアノ-5-フルオロフェニル)-2-(tert.-ブチルアミノ)エタノールからなる群より選ばれ、所望によりラセミ体、エンアンチオマー、ジアステレオマーの形態にあり、また、所望により、薬理学的に許容され得る酸付加塩及びそれらの水和物である。
【0008】
より好ましくは、本発明の組成物として使用されるベータ受容体刺激薬(betamimetics)2は、フェノテロール、ホルモテロール、サルメテロール、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノールから選ばれ、所望によりラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態にあり、また、所望により薬理学的に許容され得るそれらの酸付加塩、及びそれらの水和物である。上記ベータ受容体刺激薬のうち、化合物ホルモテロール、サルメテロール、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、及び5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オンが特に好ましく、所望によりラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態にあり、また、所望により、薬理学的に許容され得るそれらの酸付加塩、及びそれらの水和物である。上記ベータ受容体刺激薬のうち、化合物ホルモテロール及びサルメテロールが特に好ましく、所望によりラセミ体、エナンチオマー及びジアステレオマーの形態にあり、また、所望により薬理学的に許容され得るそれらの酸付加塩、及びそれらの水和物である。
【0009】
本発明によるベータ受容体刺激薬2の薬理学的に許容され得る酸付加塩の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸、4-フェニル桂皮酸、5-(2.4-ジフルオロフェニル)サリチル酸又はマレイン酸の塩から選ばれる医薬として許容され得る塩が挙げられる。所望により、上記酸の混合物を、塩2を製造するために使用してもよい。
【0010】
本発明により、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、4-フェニル桂皮酸塩、5-(2.4-ジフルオロフェニル)サリチル酸塩、マレイン酸塩及びキシナホ酸塩から選ばれるベータ受容体刺激薬2の塩が好ましい。特に好ましくは、塩酸塩、硫酸塩、4-フェニル桂皮酸塩、5-(2.4-ジフルオロフェニル)サリチル酸塩及びキシナホ酸塩から選ばれるサルメテロールの場合における2の塩であり、そのうち4-フェニル桂皮酸塩、5-(2.4-ジフルオロフェニル)サリチル酸塩及び具体的にはキシナホ酸塩が特に重要である。特に好ましくは、塩酸塩、硫酸塩及びフマル酸塩から選ばれるホルモテロールの場合における2の塩であり、そのうち塩酸塩及びフマル酸塩が特に好ましい。本発明により一層重要なものはフマル酸ホルモテロールである。
【0011】
サルメテロール、ホルモテロール、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、及び5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オンが、本発明によるベータ受容体刺激薬2として好ましく使用される。本発明により特に重要なものは、サルメテロール及びホルモテロールの塩である。また、用語ベータ受容体刺激薬2への言及は、関連するエナンチオマー又はそれらの混合物への言及を含むものとする。
【0012】
本発明による医薬組成物において、化合物2は、それらのラセミ体、エナンチオマー又はそれらの混合物の形態において存在してもよい。ラセミ体からのエナンチマーの分離は、当技術分野に公知の方法(例えば、キラル相におけるクロマトグラフィ等)を使用して行ってもよい。化合物2がそれらのエナンチオマーの形態で使用される場合、C-OH基でのR配置におけるエナンチオマーを使用することが特に好ましい。
例として、本発明による最も好ましい化合物2、サルメテロール及びホルモテロールの塩への言及は、また、R-サルメテロール、S-サルメテロール、R,R-ホルモテロール、S,S-ホルモテロール、R,S-ホルモテロール、S,R-ホルモテロール及びそれらの混合物の関連するエナンチマー塩を含み、R-サルメテロール及びR,R-ホルモテロールのエナンチオマー塩が特に重要である。また、化合物2は、水和物又はそれらの溶媒和化合物の形態において本発明により存在してもよい。
【0013】
本発明が塩の形態にないベータ受容体刺激薬に言及する場合、これは化合物2'として示される。例えば、塩の形態にない本発明による好ましいベータ受容体刺激薬2'としては、ホルモテロール、サルメテロールの遊離塩基が挙げられ、本発明による特に好ましい化合物2は、キシナホ酸サルメテロール又はフマル酸ホルモテロールである。
本発明の範囲内において、ベータ受容体刺激薬2を、交感神経作用薬又はβ-2-アゴニスト(β2-アゴニスト)と可能な限り称してもよい。これら全ての用語は、本発明の目的に関して交換可能とみなされるべきである。
【0014】
一つの態様において、本発明は、治療上有効量の1及び2に加えて、医薬的に許容され得る担体を含む前記医薬組成物に関する。他の態様において、本発明は、治療上有効量の1及び2の他に、医薬的に許容され得る担体を含まない前記医薬組成物に関する。また、本発明は、炎症性又は閉塞性の気道疾患の治療用ベータ受容体刺激薬2を含有する医薬組成物を製造するための、治療上有効量の塩1の使用に関する。好ましくは、本発明は、喘息又はCOPDの治療用の医薬組成物を製造するための前記使用に関する。
本発明の範囲において、化合物1及び2を同時に、又は順次投与してもよいが、本発明では、化合物1及び2を同時投与することが好ましい。
さらに、本発明は、治療有効量の塩1及びベータ受容体刺激薬2の、炎症性又は閉塞性呼吸器疾患、具体的には、喘息又はCOPDの治療のための使用に関する。
【0015】
本発明の活性物質の組み合わせにおいて用いることができる活性物質1及び2の比率は変更可能である。活性物質1及び2は、それらの溶媒和物又は水和物の形で存在してもよい。化合物1及び2の選択により、様々な塩の形態の分子量の違いに基づき、本発明の範囲内で使用してもよい質量比は異なる。本発明の医薬組成物は、一般的に、1及び2'を1:5〜500:1、好ましくは1:10〜400:1の質量比で含んでいてもよい。
以下に明記した質量比は、化合物1の臭化物及びベータ受容体刺激薬の遊離塩基2'サルメテロール及びホルモテロールをベースとしており、それらは本発明において特に好ましい。
【0016】
本発明の医薬組成物は、1及び2'を、ホルモテロールの場合、例えば質量比1:10〜300:1、好ましくは1:5〜200:1、好ましくは1:3〜150:1、より好ましくは1:2〜100:1で含んでいてもよい。例えば、本発明の範囲を制限するものではないが、本発明による1及び2の好ましい組み合わせは、臭化物1及びホルモテロール2'を、以下の質量比で含んでいてもよい;1:5、1:4、1:3, 1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1、41:1、42:1、43:1、44:1、45:1、46:1、47:1、48:1、49:1、50:1、51:1、52:1、53:1、54:1、55:1、56:1、57:1、58:1、59:1、60:1、61:1、62:1、63:1、64:1、65:1、66:1、67:1、68:1、69:1、70:1、71:1、72:1、73:1、74:1、75:1、76:1、77:1、78:1、79:1、80:1、81:1、82:1、83:1、84:1、85:1、86:1、87:1、88:1、89:1、90:1、91:1、92:1、93:1、94:1、95:1、96:1、97:1、98:1、99:1、100:1。
1及び2の組み合わせを含む本発明による医薬組成物は、臭化物1及びホルモテロール2'が、単回投与当たり、5〜5000μg、好ましくは10〜2000μg、より好ましくは15〜1000μg、さらに好ましくは20〜800μgの量において一緒に存在するように、一般的に投与される。
【0017】
例えば、本発明による1及び2の組み合わせは、単回投与当たりの全投与量が約10μg、15μg、20μg、25μg、30μg、35μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、260μg、265μg、270μg、275μg、280μg、285μg、290μg、295μg、300μg、305μg、310μg、315μg、320μg、325μg、330μg、335μg、340μg、345μg、350μg、355μg、360μg、365μg、370μg、375μg、380μg、385μg、390μg、395μg、400μg、405μg、410μg、415μg、420μg、425μg、430μg、435μg、440μg、445μg、450μg、455μg、460μg、465μg、470μg、475μg、480μg、485μg、490μg、495μg、500μg、505μg、510μg、515μg、520μg、525μg、530μg、535μg、540μg、545μg、550μg、555μg、560μg、565μg、570μg、575μg、580μg、585μg、590μg、595μg、600μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg、705μg、710μg、715μg、720μg、725μg、730μg、735μg、740μg、745μg、750μg、755μg、760μg、765μg、770μg、775μg、780μg、785μg、790μg、795μg、800μg、805μg、810μg、815μg、820μg、825μg、830μg、835μg、840μg、845μg、850μg、855μg、860μg、865μg、870μg、875μg、880μg、885μg、890μg、895μg、900μg、905μg、910μg、915μg、920μg、925μg、930μg、935μg、940μg、945μg、950μg、955μg、960μg、965μg、970μg、975μg、980μg、985μg、990μg、995μg、1000μg、1005μg、1010μg、1015μg、1020μg、1025μg、1030μg、1035μg、1040μg、1045μg、1050μg、1055μg、1060μg、1065μg、1070μg、1075μg、1080μg、1085μg、1090μg、1095μg、1100μg等であるように一般式1の臭化物及びホルモテロール2'の量を含む。上記単回投与量当たりの推奨量は、実際に述べた数値に限定されるとみなされるべきではないことは当業者には明白である。当業者に明らかなように、約±2.5μg、具体的には小数点の範囲の変動が含まれる。これらの投与量の範囲において、活性物質1及び2'は、上記所定の質量比において存在してもよい。
【0018】
例えば、それらに本発明の範囲を制限することなく、臭化物が塩1として使用され、2がフマル酸ホルモテロールを示す組み合わせを1及び2の好ましい組み合わせとして使用し、本発明による医薬組成物は、各単回投与当たりに、例えば、以下の量を含んでいてもよい:1を20μgと2を2.9μg、1を20μgと2を5.7μg、1をを20μgと2を11.5μg、1を20μgと2を17.2μg、1を20μgと2を22.9μg、1を20μgと2を28.5μg、1を40μgと2を2.9μg、1を40μgと2を5.7μg、1を40μgと2を11.5μg、1を40μgと2を17.2μg、1を40μgと2を22.9μg、1を40μgと2を28.5μg、1を60μgと2を2.9μg、1を60μgと2を5.7μg、1を60μgと2を11.5μg、1を60μgと2を17.2μg、1を60μgと2を22.9μg、1を60μgと2を28.5μg、1を100μgと2を2.9μg、1を100μgと2を5.7μg、1を100μgと2を11.5μg、1を100μgと2を17.2μg、1を100μgと2を22.9μg、1を100μgと2を28.5μg、1を200μgと2を2.9μg、1を200μgと2を5.7μg、1を200μgと2を11.5μg、1を200μgと2を17.2μg、1を200μgと2を22.9μg、1を200μgと2を28.5μg、1を300μgと2を2.9μg、1を300μgと2を5.7μg、1を300μgと2を11.5μg、1を300μgと2を17.2μg、1を300μgと2を22.9μg、1を300μgと2を28.5μg、1を400μgと2を2.9μg、1を400μgと2を5.7μg、1を400μgと2を11.5μg、1を400μgと2を17.2μg、1を400μgと2を22.9μg、1を400μgと2を28.5μg、1を500μgと2を2.9μg、1を500μgと2を5.7μg、1を500μgと2を11.5μg、1を500μgと2を17.2μg、1を500μgと2を22.9μg、1を500μgと2を28.5μg、1を600μgと2を2.9μg、1を600μgと2を5.7μg、1を600μgと2を11.5μg、1を600μgと2を17.2μg、1を600μgと2を22.9μg、1を600μgと2を28.5μg、1を700μgと2を2.9μg、1を700μgと2を5.7μg、1を700μgと2を11.5μg、1を700μgと2を17.2μg、1を700μgと2を22.9μg、1を700μgと2を28.5μg、1を800μgと2を2.9μg、1を800μgと2を5.7μg、1を800μgと2を11.5μg、1を800μgと2を17.2μg、1を800μgと2を22.9μg、1を800μgと2を28.5μg、1を900μgと2を2.9μg、1を900μgと2を5.7μg、1を900μgと2を11.5μg、1を900μgと2を17.2μg、1を900μgと2を22.9μg、1を900μgと2を28.5μg、1を1000μgと2を2.9μg、1を1000μgと2を5.7μg、1を1000μgと2を11.5μg、1を1000μgと2を17.2μg、1を1000μgと2を22.9μg、1を1000μgと2を28.5μg。
【0019】
例えば、本発明の活性物質の組み合わせは、臭化物1及び2'を、サルメテロールの場合、質量比約1:30〜400:1、好ましくは1:25〜200:1、好ましくは1:20〜100:1、より好ましくは1:15〜50:1において含んでいてもよい。
例えば、本発明の範囲はそれらに限定されないが、本発明による1及び2の好ましい組み合わせは、一般式1の臭化物及びサルメテロール2'を以下の質量比において含んでいてもよい:1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1。
【0020】
1及び2の組み合わせを含む本発明による医薬組成物は、一般的に、一般式1の臭化物及びサルメテロール2'が、単回投与当たり、5〜5000μg、好ましくは10〜2000μg、より好ましくは15〜1000μg、さらにより好ましくは20〜800μgの投与量において一緒に存在するように投与される。
【0021】
例えば、本発明による1及び2の組み合わせは、単回投与当たり全投与量が約15μg、20μg、25μg、30μg、35μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、260μg、265μg、270μg、275μg、280μg、285μg、290μg、295μg、300μg、305μg、310μg、315μg、320μg、325μg、330μg、335μg、340μg、345μg、350μg、355μg、360μg、365μg、370μg、375μg、380μg、385μg、390μg、395μg、400μg、405μg、410μg、415μg、420μg、425μg、430μg、435μg、440μg、445μg、450μg、455μg、460μg、465μg、470μg、475μg、480μg、485μg、490μg、495μg、500μg、505μg、510μg、515μg、520μg、525μg、530μg、535μg、540μg、545μg、550μg、555μg、560μg、565μg、570μg、575μg、580μg、585μg、590μg、595μg、600μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg、705μg、710μg、715μg、720μg、725μg、730μg、735μg、740μg、745μg、750μg、755μg、760μg、765μg、770μg、775μg、780μg、785μg、790μg、795μg、800μg、805μg、810μg、815μg、820μg、825μg、830μg、835μg、840μg、845μg、850μg、855μg、860μg、865μg、870μg、875μg、880μg、885μg、890μg、895μg、900μg、905μg、910μg、915μg、920μg、925μg、930μg、935μg、940μg、945μg、950μg、955μg、960μg、965μg、970μg、975μg、980μg、985μg、990μg、995μg、1000μg、1005μg、1010μg、1015μg、1020μg、1025μg、1030μg、1035μg、1040μg、1045μg、1050μg、1055μg、1060μg、1065μg、1070μg、1075μg、1080μg、1085μg、1090μg、1095μg、1100μg、1105μg、1110μg、1115μg、1120μg、1125μg、1130μg、1135μg、1140μg、1145μg、1150μg、1155μg、1160μg、1165μg、1170μg、1175μg、1180μg、1185μg、1190μg、1195μg、1200μg、1205μg、1210μg、1215μg、1220μg、1225μg、1230μg、1235μg、1240μg、1245μg、1250μg、1255μg、1260μg、1265μg、1270μg、1275μg、1280μg、1285μg、1290μg、1295μg、1300μg、1305μg、1310μg、1315μg、1320μg、1325μg、1330μg、1335μg、1340μg、1345μg、1350μg、1355μg、1360μg、1365μg、1370μg、1375μg、1380μg、1385μg、1390μg、1395μg、1400μg等であるように、一般式1の臭化物及びサルメテロール2'の量を含む。上記単回投与当たりの推奨量は、実際に述べた数値に限定されるとみなされるべきでないことは、当業者には明白である。当業者に明らかなように、約±2.5μg、具体的には小数点の範囲の変動が含まれる。これらの投与量範囲において、活性物質1及び2'は、上記所定の質量比において存在してもよい。
【0022】
例えば、それらに本発明の範囲を限定することなしに、臭化物を塩1として使用し、また2がキシナホ酸サルメテロールを示す組み合わせを、1及び2の好ましい組み合わせとして使用し、本発明による医薬組成物は、単回投与当たり、例えば以下の量を含んでいてもよい:1を20μgと2を18.2μg、1を20μgと2を36.3μg、1を20μgと2を72.6μg、1を20μgと2を108.9μg、1を20μgと2を145.2μμg、1を20μgと2を290.4μg、1を40μgと2を18.2μg、1を40μgと2を36.3μg、1を40μgと2を72.6μg、1を40μgと2を108.9μg、1を40μgと2を145.2μg、1を40μgと2を290.4μg、1を60μgと2を18.2μg、1を60μgと2を36.3μg、1を60μgと2を72.6μg、1を60μgと2を108.9μg、1を60μgと2を145.2μg、1を60μgと2を290.4μg、1を100μgと2を18.2μg、1を100μgと2を36.3μg、1を100μgと2を72.6μg、1を100μgと2を108.9μg、1を100μgと2を145.2μg、1を100μgと2を290.4μg、1を200μgと2を18.2μg、1を200μgと2を36.3μg、1を200μgと2を72.6μg、1を200μgと2を108.9μg、1を200μgと2を145.2μg、1を200μgと2を290.4μg、1を300μgと2を18.2μg、1を300μgと2を36.3μg、1を300μgと2を72.6μg、1を300μgと2を108.9μg、1を300μgと2を145.2μg、1を300μgと2を290.4μg、1を400μgと2を18.2μg、1を400μgと2を36.3μg、1を400μgと2を72.6μg、1を400μgと2を108.9μg、1を400μgと2を145.2μg、1を400μgと2を290.4μg、1を500μgと2を18.2μg、1を500μgと2を36.3μg、1を500μgと2を72.6μg、1を500μgと2を108.9μg、1を500μgと2を145.2μg、1を500μgと2を290.4μg、1を600μgと2を18.2μg、1を600μgと2を36.3μg、1を600μgと2を72.6μg、1を600μgと2を108.9μg、1を600μgと2を145.2μg、1を600μgと2を290.4μg、1を700μgと2を18.2μg、1を700μgと2を36.3μg、1を700μgと2を72.6μg、1を700μgと2を108.9μg、1を700μgと2を145.2μg、1を700μgと2を290.4μg、1を800μgと2を18.2μg、1を800μgと2を36.3μg、1を800μgと2を72.6μg、1を800μgと2を108.9μg、1を800μgと2を145.2μg、1を800μgと2を290.4μg、1を900μgと2を18.2μg、1を900μgと2を36.3μg、1を900μgと2を72.6μg、1を900μgと2を108.9μg、1を900μgと2を145.2μg、1を900μgと2を290.4μg、1を1000μgと2を18.2μg、1を1000μgと2を36.3μg、1を1000μgと2を72.6μg、1を1000μgと2を108.9μg、1を1000μgと2を145.2μg、1を1000μgと2を290.4μg。
【0023】
本発明の組み合わせに適用できる可能な量の上記例は、単回適用当たりの量の参考として理解されるべきである。しかし、これらの例は、本発明の組み合わせにおける複数回投与の可能性を排除すると理解されるべきではない。医療の必要性に応じて、患者は、また、複数回の吸入適用を受けてもよい。例として、患者は、本発明の組成物を、例えば、2回又は3回(例えば、パウダー吸入器、MDI等で、2又は3パフ)各治療日の朝に受けてもよい。上記量の例が、単に、単回適用当たり(即ち、パフ当たり)の投与量例として理解される場合、本発明の組成物の複数回適用は、上記例の複数倍量となる。本発明の組成物の適用は、例えば、1日1回であるか、又は抗コリン剤の作用期間により1日2回、又は、2又は3日に1回であってもよい。
【0024】
さらに、上記量の例は、単に計量される量の例として理解されるべきであることを強調する。言い換えれば、上記量の例は、実際に肺に到達する本発明の組成物の有効量として理解されるべきではない。肺に送達される量が、投与活性物質の計量される量よりも一般的に低いことは、当業者には明らかである。
【0025】
本発明の1及び2の活性物質の組み合わせは、吸入投与が好ましい。そのためには、成分1及び2は吸入に適した形態で利用されなければならない。本発明による吸入用製剤としては、吸入用パウダー、噴射剤含有定量エアロゾル又は噴射剤を含有しない吸入液が挙げられる。活性物質1及び2の組み合わせを含有する本発明の吸入用パウダーは、活性物質のみから構成されていてもよいし、又は活性物質と生理学的に許容され得る賦形剤との混合物から構成されていてもよい。本発明の範囲内において「担体」という用語は、所望により、「賦形剤」という用語の代わりに使用されてもよい。また、本発明の範囲において、噴射剤を含有しない吸入液という用語は、濃縮物又は使用できる状態の滅菌吸入液が挙げられる。本発明による製剤は、活性物質1及び2の組み合わせを、1つの処方中に一緒に、又は2つの別々の処方物に含有してもよい。本発明の範囲において使用してもよいこれらの処方物については、明細書の次の部分でより詳細に説明する。
【0026】
A)本発明による活性物質1及び2の組み合わせを含む吸入用パウダー:
本発明による吸入用パウダーは、1及び2を、それらのみで又は生理学的に許容され得る好適な賦形剤との混合物において含んでいてもよい。活性物質1及び2が生理学的に許容され得る賦形剤との混合物において存在する場合、以下の生理学的に許容され得る賦形剤を使用して本発明によるこれらの吸入用パウダーを製造してもよい:単糖類(例えば、グルコース又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース、トレハロース)、オリゴ糖類および多糖類(例えば、デキストラン)、多価アルコール類(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、シクロデキストリン類(例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、χ-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)、又はこれら賦形剤の相互の混合物。好ましくは、単糖類又は二糖類が使用され、ラクトース、トレハロース又はグルコースの使用が好ましく、限定はされないが、それらの水和物の形態が特に好ましい。
【0027】
本発明による吸入用パウダーの範囲において、賦形剤の最大平均粒度は、250μm以下、好ましくは10〜150μm、最も好ましくは15〜80μmである。上記の賦形剤に平均粒度1〜9μmのより微細な賦形剤画分を添加することが好適と考えられる場合もあろう。これらのより微細な賦形剤は、また、前記の可能な賦形剤の群から選択される。最終的には、本発明による吸入用パウダーを製造するために、好ましくは平均粒度0.5〜10μm、より好ましくは1〜6μmの微粉化した活性物質1及び2を、賦形剤混合物に添加する。粉砕及び微粉化すること、及び最終的に成分を一緒に混合することによる本発明の吸入用パウダーの製造方法は、従来技術より公知である。本発明による吸入用パウダーを、1及び2の両方を含む単一のパウダー混合物の形態、又は、1又は2のみを含む別々の吸入用パウダーの形態のいずれかに製造及び投与してもよい。
【0028】
本発明による吸入用パウダーを、従来技術から公知の吸入器を用いて投与してもよい。1及び2に加えて、一つ以上の生理学的に許容され得る賦形剤を含む本発明による吸入用パウダーを、例えば、US4570630Aに記載されているような計量チャンバーを使用して供給源から単回投与量を送達する吸入器により、又は、DE3625685Aに記載されるような他の手段により投与してもよい。1及び2を、所望により生理学的に許容され得る賦形剤と一緒に含有する本発明による吸入用パウダーを、例えば「タービュヘラー(Turbuhaler)(登録商標)」という名称で公知の吸入器を用いて、又は例えばEP237507Aに開示されているような吸入器を用いて投与してもよい。好ましくは、1及び2に加えて生理学的に許容され得る賦形剤を含む本発明による吸入用パウダーを、例えばWO94/28958に記載の吸入器に使用されるカプセル内に充填する(所謂インヘレット(inhalettes)を形成する)。
【0029】
図1に、インヘレットにおいて本発明の医薬組成物を使用するための特に好ましい吸入器を示す。
カプセルから粉末状の医薬組成物を吸入するためのこの吸入器(「ハンディヘラー」)は、2個の窓2を含むハウジング1と、空気導入口を有し、スクリーンハウジング4を介して固定されたスクリーン5を備えたデッキ3と、デッキ3に連結し、2本の尖ったピン7を備えスプリング8に対して可動する押しボタン9を有する吸入チャンバー6と、スピンドル10を介してハウジング1、デッキ3及びカバー11と連結し、跳ね上げ式で開閉可能なマウスピース12と、流動抵抗を調整するための空気穴13とによって特徴づけられる。
本発明による吸入用パウダーが、上記好ましい使用のためにカプセル(インヘラー)に充填される場合、各カプセルに充填される量は、カプセル当たり1〜30mgであると考えられる。本発明により、これらのカプセルは、各単回投与当たり上記1及び2又は2'の投与量を一緒に又は別々に含む。
【0030】
B)活性物質1及び2の組み合わせを含む噴射剤ガス駆動型吸入エアロゾル:
本発明による噴射剤ガスを含有する吸入エアロゾルは、噴射剤ガス中に溶解されるか、又は分散された形態で、物質1及び2を含んでいてもよい。1及び2は、別々の処方物又は単一製剤中に存在していてもよく、そこで1及び2は、両方が溶解又は分散されているか、或いは一方の成分が溶解され他方が分散されているかのいずれかである。本発明による吸入エアロゾルの製造に使用してもよい噴射剤ガスについては従来技術から公知である。n-プロパン、n-ブタン又はイソブタン等の炭化水素、及び、ハロ炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体等から、好適な噴射剤ガスが選択される。上記噴射剤ガスは単独で、又はそれらの混合物として使用されてもよい。特に好ましい噴射剤ガスは、TG11、TG12、TG134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)、TG227(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)及びこれらの混合物から選択されるハロゲン化アルカン誘導体であり、TG134a、TG227及びそれらの混合物の噴射剤ガスが好ましい。
【0031】
また、本発明による噴射剤駆動型吸入エアロゾルは、補助溶剤、安定化剤、界面活性剤、抗酸化剤、滑沢剤及びpH調節剤等の他の成分を含んでいてもよい。これらすべての成分は、当技術分野において公知である。
本発明による噴射剤ガス含有吸入エアロゾルの含有量は、活性物質1及び/又は2が5質量%以下であってもよい。例えば、本発明によるエアロゾルは、例えば、活性物質1及び/又は2を、0.002〜5質量%、0.01〜3質量%、0.015〜2質量%、0.1〜2質量%、0.5〜2質量%又は0.5〜1質量%含む。
活性物質1及び/又は2が分散状態で存在する場合は、活性物質粒子の平均粒度は、10μm以下、好ましくは0.1〜6μm、より好ましくは1〜5μmである。
【0032】
前記の本発明による噴射剤駆動型吸入エアロゾルを、当技術分野において公知の吸入器(定量噴霧吸入器(MDI))を用いて投与してもよい。
従って、他の態様において、本発明は、前記噴射剤駆動型エアロゾルの形態において、これらエアロゾルを投与するのに適した1種以上の吸入器と組み合わせた医薬組成物に関する。更に、本発明は、本発明による前記噴射剤ガス含有エアロゾルを含むことを特徴とする吸入器に関する。また、本発明は、好適な吸入器に使用可能であり、また、本発明による上記噴射剤ガス含有吸入エアロゾルの1種を含有する、好適なバルブが設けられたカートリッジに関する。好適なカートリッジ、及び本発明による噴射剤ガスを含有する吸入用エアロゾルをこれらのカートリッジに充填する方法は、従来技術から公知である。
【0033】
C)本発明による活性物質1及び2の組み合わせを含有する噴射剤を含有しない吸入液又は懸濁液:
本発明による噴射剤を含有しない吸入液は、例えば水性又はアルコール性溶媒、好ましくはエタノール性溶媒、所望により、水性溶媒と混合したエタノール性溶媒を含有する。水性/エタノール性溶媒混合物が使用される場合、水に対するエタノールの相対的割合は、限定されるわけではないが、エタノールの最大値は70容量%以下、より好ましくは60容量%以下である。容量の残りは水で構成される。1及び2を、別々に又は一緒に含有する溶液又は懸濁液を、好適な酸を用いて、pH2〜7、好ましくは2〜5に調整する。pHは無機又は有機の酸から選択される酸を用いて調整してもよい。特に好適な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に好適な有機酸の例としては、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸等が挙げられる。好ましい無機酸は塩酸及び硫酸である。また、活性物質の1つと酸付加塩をすでに形成した酸を使用することも可能である。有機酸の中では、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい。所望であれば、特に、酸性化特性に加えて、例えば香料、抗酸化剤又は錯化剤のような他の特性を有する酸、例えばクエン酸又はアスコルビン酸等の場合において、上記の酸の混合物を使用してもよい。本発明によると、塩酸を用いてpH値を調整することが特に好ましい。
【0034】
本発明により、エデト酸(EDTA)又はそれらの公知の塩の1つであるエデト酸ナトリウムを安定化剤又は錯化剤として添加することは、本発明の処方物においては不要である。他の態様は、この化合物又はこれらの複数の化合物を含んでいてもよい。好ましい態様において、エデト酸ナトリウムをベースとした含有量は、100mg/100ml未満、好ましくは50mg/100ml未満、より好ましくは20mg/100ml未満である。一般的に、エデト酸ナトリウムの含有量が0〜10mg/100mlの範囲である吸入液が好ましい。
【0035】
補助溶剤及び/又は他の賦形剤を、本発明による噴射剤を含有しない吸入液に添加してもよい。好ましい補助溶剤は、ヒドロキシル基又は他の極性基を含むもの、例えばアルコール類、具体的にはイソプロピルアルコール、グリコール類、具体的にはプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール類及びポリオキシエチレン脂肪酸エステル類である。本明細書において賦形剤及び添加剤という用語は、活性物質ではないが、薬理学的に好適な溶媒中で1種以上の活性物質と配合され得、活性物質処方物の定性的特性を改善することができる、薬理学的に許容され得るいずれかの物質を示す。好ましくは、これらの物質は薬理的作用を持たないか、或いは、所望の療法との関連において容易に認識できるような薬理作用は持たないか、又は少なくとも望ましくない薬理作用を有していない。賦形剤及び添加剤としては、例えば、界面活性剤、例えば、大豆レシチン、オレイン酸、ソルビタンエステル類、例えばポリソルベート、ポリビニルピロリドン、他の安定化剤、錯化剤、最終的な医薬処方物の品質保持期間を保証又は延長する抗酸化剤及び/又は保存剤、矯味矯臭剤、ビタミン類及び/又は当技術分野に公知の他の添加剤が挙げられる。また、添加剤としては、薬理学的に許容され得る塩、例えば等張剤としての塩化ナトリウムが挙げられる。
好ましい賦形剤としては、抗酸化剤、例えばpHの調整に使用されていないことを条件としてアスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール類及び人体で生じる類似のビタミン類及びプロビタミン類が挙げられる。
【0036】
保存剤を使用して、病原体による汚染から処方物を保護することができる。好適な保存剤は、当技術分野に公知のもの、具体的には当技術分野において公知の濃度の塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム又は安息香酸又は安息香酸塩、例えば安息香酸ナトリウムである。上記保存剤の存在は、濃度にして、好ましくは50mg/100ml以下、より好ましくは5〜20mg/100mlである。
好ましい処方物は、溶剤としての水及び活性物質12との組み合わせの他に、塩化ベンザルコニウム及びエデト酸ナトリウムのみを含む。他の好ましい態様において、エデト酸ナトリウムは存在していない。
【0037】
本発明の噴射剤を含有しない吸入液は、特に、治療投与量の少量の液体処方物を数秒間以内で噴霧化して治療用の吸入に適したエアロゾルを生成することができるタイプの吸入器を用いて投与される。本発明の範囲内において、好ましい吸入器は、活性物質溶液100μL未満、好ましくは50μL未満、より好ましくは20〜30μLを、エアロゾルの吸入可能な部分が治療上の有効量に相当するような方法において、好ましくは1回のスプレー操作で噴霧化して、平均粒度20μm未満、好ましくは10μm未満のエアロゾルを生成させることのできるものである。
【0038】
定量の吸入用液状医薬組成物の噴射剤非含有送達に関するこの種の装置については、例えば国際公開公報WO91/14468及びWO97/12687(特に図6a及び図6b参照)に記載されている。これらに記載されているネブライザー(装置)は、「Respimat(登録商標)」という名称で知られている。このネブライザー(「Respimat(登録商標)」)を効果的に利用して、活性物質1及び2の組み合わせを含む本発明による吸入用エアロゾルを生成することができる。長さ9〜15cm及び幅2〜4cm未満のその円筒型及び扱いやすい大きさのために、この装置は、患者により全ての場合に持ち運びすることができる。そのネブライザーは、小さなノズルから高圧で所定量の医薬処方物をスプレーし、吸入用エアロゾルを産生する。
【0039】
好ましいアトマイザーは、上部ハウジング部分、ポンプハウジング、ノズル、ロッキング装置、スプリングハウジング、スプリング及び貯蔵容器から本質的になり、以下のものにより特徴付けられる:
- 上部ハウジング部分に固定され、ノズル又はノズル配列を備えたノズル本体を一端に含む、ポンプハウジング、
- バルブ本体付きの中空プランジャー(hollow plunger)
- 中空プランジャーが固定され、上部ハウジング部分に位置するパワーテイクオフフランジ(power takeoff flange)、
- 上部ハウジング部分に位置するロッキング装置、
- 回転性ベアリングにより上部ハウジング部分に回転可能に取り付けられた、ここに包含されるスプリングを有するスプリングハウジング、
- 軸方法においてスプリングハウジングに固定された下部ハウジング部分。
バルブ本体付きの中空プランジャーは、WO97/12687に開示された装置に相当する。それは、ポンプハウジングのシリンダーに部分的に突出し、また、シリンダー内に軸方法に可動性である。特に図1〜4、具体的には図3及び関連する記載箇所を参照されたい。バルブ本体付き中空プランジャーは、スプリングが作動する瞬間でのその高圧限度で、定量の活性物質溶液である液体に対して5〜60Mpa(約50〜600バール)、好ましくは10〜60Mpa(約100〜600バール)の圧力を及ぼす。1スプレー当たり、容量10〜50マイクロリットルが好ましく、容量10〜20マイクロリットルが特に好ましく、容量15マイクロリットルが最も好ましい。
【0040】
バルブ本体は、バルブ本体に面した中空プランジャーの末端に好ましく取り付けられる。
ノズル本体中のノズルは、好ましくマイクロ構造化されており、即ち、マイクロ工学により製造される。マイクロ構造化されたノズル本体は、WO94/07607に例として開示されており、参考文献は、本明細書、特に図1及び関連する記載内容に含まれるものとする。
ノズル本体は、緊密に結合された二つのガラス及び/又はシリコンシートからなり、その少なくとも一つは、ノズル出口末端にノズル入口末端を連結する一つ以上のマイクロ構造チャネルを有する。ノズル出口末端には、少なくとも一つの円形又は非円形の深さ2〜10ミクロン、幅5〜15ミクロン、好ましくは深さ4.5〜6.5ミクロンであって、長さ7〜9ミクロンの開口部がある。複数のノズル開口部、好ましくは二つの場合、ノズル本体中のノズルのスプレー方向は、互いに平行に広がってもよいか、又はノズル開口部の方向に互いに関連して傾斜していてもよい。出口末端に少なくとも二つのノズル開口部を有するノズル本体において、スプレー方向は、互いに20〜160°、好ましくは60〜150°、最も好ましくは80〜100°の角度であってもよい。ノズル開口部は、10〜200ミクロン、より好ましくは10〜100ミクロン、最も好ましくは30〜70ミクロンの間隔で配置される。50ミクロンの間隔が最も好ましい。従って、スプレー方向は、ノズル開口部付近に向かうと考えられる。
【0041】
液体医薬製剤は、600バール以下、好ましくは200〜300バールのエントリー圧でノズル本体を打ち、ノズル開口部を通って吸入用エアロゾルに噴霧化される。エアロゾルの好ましい粒度又は飛沫サイズは、20ミクロン以下、好ましくは3〜10ミクロンである。
ロッキング装置は、機械エネルギーの蓄積として、スプリング、好ましくは円柱状らせん状圧縮スプリングを含む。そのスプリングは、パワーテイクオフフランジ上で作動部材として作用し、その動きは、ロッキング部材の位置により決定される。そのパワーテイクオフフランジの運動は、上部及び下部ストップにより正確に制限される。スプリングは、パワー増速機、例えばらせん状スラストギアを介して、上部ハウジング部が下部ハウジング部中のスプリングハウジングに反対に回転する場合、製造された外部トルクにより、好ましくバイアスされる。この場合、上部ハウジング部及びパワーテイクオフフランジは、単一又は複数のV字形ギアを有する。
【0042】
ロッキング表面と連動するロッキング部材は、パワーテイクオフフランジ周りの環に配列される。例えば、それは、プラスチック又は金属の環からなり、本質的に半径方向に弾性的に変形可能である。環は、アトマイザーの軸に直角に平面に配置されている。スプリングのバイアス後、ロッキング部材のロッキング表面は、パワーテイクオフフランジの通路に移動し、ゆるみからスプリングを防ぐ。ロッキング部材は、ボタンにより作動される。作動ボタンは、ロッキング部材に連結又は結合される。ロッキング装置を作動させるために、作動ボタンを、環状平面に平行に、好ましくはアトマイザーに移動し;これにより、変形可能な環を環状平面に変形させる。ロッキング装置の構造の詳細は、WO97/20590に示されている。
【0043】
下部ハウジング部を、スプリングハウジング上に軸周りに押し、土台、スピンドルのドライブ及び液体用貯蔵容器をカバーする。アトマイザーを作動させる場合、上部ハウジング部を下部ハウジング部に関して回転させ、下部ハウジング部はそれでスプリングハウジングをとる。スプリングは、それにより圧縮され、らせん状スラストギアによりバイアスされ、ロッキング装置は自動的にかみ合う。回転角は、整数部分、好ましくは360度、例えば180度である。一方、スプリングがバイアスされている場合、上部ハウジング部内のパワーテイクオフ部分は、所定の区域に沿って移動し、中空プランジャーは、ポンプハウジングにおいてシリンダー内部で引かれ、その結果、液体の一部は、貯蔵容器の外であって、ノズルの前部の高圧チャンバーに吸われる。
【0044】
所望により、噴霧化されるべき液体を含む多くの交換可能な貯蔵容器は、次々にアトマイザーに押し出され、連続して使用されてもよい。貯蔵容器は、本発明による水性エアロゾル製剤を含む。噴霧方法は、作動ボタンをやさしく押すことにより開始される。結果として、ロッキング装置は、パワーテイクオフ部材用通路を開く。バイアスされたスプリングは、ポンプハウジングのシリンダーにプランジャーを押す。液体は、噴霧化形態においてアトマイザーのノズルを離れる。
構造物のさらなる詳細は、国際公開公報WO97/12683及びWO97/20590に開示されており、それらは参考文献としてここに含まれるものとする。アトマイザー(ネブライザー)の成分は、その目的に適した材料から作られる。アトマイザーのハウジング、及び、その作動が可能ならば他の部分は、好ましくは、例えば射出成形により、プラスチックから作られる。医薬目的に、生理学的に安全な材料が使用される。
【0045】
WO97/12687の図6a/bは、本発明による水性エアロゾル製剤を吸入するために都合よく使用可能なネブライザー(「Respimat(登録商標)」)を示している。WO97/12687の図6aは、バイアスされたスプリングを有するアトマイザーによる縦断面図を示し、一方、WO97/12687の図6bは、緩んだスプリングを有するアトマイザーによる縦断面図を示している。
上部ハウジング部(51)は、ポンプハウジング(52)を含み、その末端にアトマイザーノズル用ホルダー(53)が取り付けられている。ホルダー内にノズル本体(54)及びフィルター(55)がある。ロッキング装置のパワーテイクオフフランジ(56)に固定された中空プランジャー(57)は、ポンプハウジングのシリンダーに部分的に突出している。その末端において、中空プランジャーは、バルブ本体(58)を運ぶ。中空プランジャーは、シール(59)により密封される。上部ハウジング部内部に止め(60)があり、その上において、スプリングが緩む場合にパワーテイクオフフランジが隣接する。パワーテイクオフフランジが止め(61)にあり、そこでスプリングがバイアスされてパワーテイクオフフランジが隣接する。スプリングのバイアス後、ロッキング部材(62)は、止め(61)と上部ハウジング部内のサポート(63)の間で動く。作動ボタン(64)はロッキング部材に連結されている。上部ハウジング部はマウスピース(65)が末端であり、保護カバー(66)により密封され、その上に置くことができる。
【0046】
圧縮スプリング(68)を有するスプリングハウジング(67)は、スナップインラグ(snapin lugs)(69)及び回転ベアリングにより、上部ハウジング部に回転性に取り付けられている。下部ハウジング部(70)は、スプリングハウジング上に押される。内部スプリングハウジングは、噴霧される液体(72)用の交換可能貯蔵容器(71)である。貯蔵容器は、ストッパー(73)により密封され、それにより中空プランジャーは、貯蔵容器に突出し、液体(活性物質溶液の供給物)中、その末端で浸漬される。機械的カウンター用スピンドル(74)は、スプリングハウジングのカバー内で取り付けられる。スピンドル面の末端で、上部ハウジング部は、ドライブピニオン(75)である。スライダー(76)は、スピンドル上に位置する。
【0047】
上記ネブライザーは、本発明によるエアロゾル製剤を噴霧するのに好適であり、吸入に適したエアロゾルを製造する。本発明による処方物が上記方法(「Respimat(登録商標)」)を使用して噴霧されるならば、送達される量は、インヘラーの全ての動作(スプレー動作)の少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%において、この量の25%以下、好ましくは20%以下の所定の許容量に相当する。好ましくは、処方物の5〜30mg、最も好ましくは処方物の5〜20mgが、各動作の所定量として送達される。
しかし、本発明による処方物は、上記のもの以外のインヘラー、例えばジェットストリームインヘラー又は他の固定ネブライザーにより噴霧されてもよい。
従って、更なる態様において、本発明は、上記のような噴射剤を含有しない吸入液又は懸濁液の形態における医薬処方物を、これらの処方物の投与に適した装置、好ましくは「Respimat(登録商標)」と組み合わせた前記処方物に関する。好ましくは、本発明は、「Respimat(登録商標)」という名称で公知の装置との組み合わせにおける、本発明による活性物質1及び2の組み合わせにより特徴づけられる噴射剤を含有しない吸入液又は懸濁液に関する。さらに、本発明は、前記吸入用装置、好ましくは「Respimat(登録商標)」であって、前記のような本発明による噴射剤を含有しない吸入液又は懸濁液を含むことを特徴とする前記装置に関する。
【0048】
本発明によると、単一製剤に活性物質1及び2を含有する吸入液が好ましい。「単一製剤」という用語は、例えばWO00/23037に開示されているように、2種の成分1及び2を2つのチャンバーのカートリッジに含む製剤を含む。この公報はそのすべてを本願明細書に引用する。
本発明による噴射剤を含有しない吸入液又は懸濁液は、濃縮物又は使用可能な状態の滅菌吸入液又は懸濁液、ならびに「Respimat(登録商標)」用に設計された上記溶液及び懸濁液の形態をとってもよい。使用できる状態の処方物は、濃縮物から、例えば等張性生理食塩水の添加により製造してもよい。使用できる状態の滅菌処方物は、ベンチュリの原理又は他の原理により超音波又は圧縮空気を用いて吸入用エアロゾルを生成する、エネルギー作動性の自立型又は持運び可能なネブライザーを使用して投与することができる。
【0049】
従って、別の態様において、本発明は、濃縮物又は使用可能な状態の滅菌処方物の形態をとる前述のような噴射剤を含有しない吸入液又は懸濁液の形態において、これらの溶液を投与するのに好適な装置との組合される医薬組成物であって、装置が、ベンチュリの原理又は他の方法により超音波又は圧縮空気を用いて吸入用エアロゾルを生成する、エネルギー作動性の自立型又は持運び可能なネブライザーであることを特徴とする、前記医薬組成物に関する。
以下の実施例は本発明をより詳細に説明することを意図するものでり、本発明の範囲を以下の例示的な態様に限定するものではない。
【0050】
処方例
当技術分野において公知の方法と同様にして得られてもよい下記の処方例は、本発明をより十分に説明するためのものであり、本発明の範囲をこれらの例に限定するものではない。以下の例において、一般式1(即ち、一般式1-エン)の臭化物の好ましいエナンチオマーの鏡像異性体的に純粋な形態が、活性物質として使用される。
吸入用パウダー
1)
【表1】

【0051】
2)
【表2】

【0052】
3)
【表3】

【0053】
4)
【表4】

【0054】
B)噴霧剤含有吸入用エアロゾル:
1)懸濁エアロゾル:
【表5】

【0055】
2)懸濁エアロゾル:
【表6】


【0056】
3)懸濁エアロゾル:
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】インヘレットにおいて本発明の医薬組成物を使用するための特に好ましい吸入器を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の以下の式1の塩と;
【化1】

(式中、X-は1個の負電荷を有するアニオン、好ましくは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp-トルエンスルホネートからなる群より選ばれるアニオンを示し、式1の塩はラセミ体、エンナンチオマー、及びそれらの水和物の形態にあってもよい。)
一つ以上のベータ受容体刺激薬(2)とを含むことを特徴とする医薬組成物であって、該ベータ受容体刺激薬(2)がエナンチオマー、エナンチオマーの混合物又はそれらのラセミ体の形態にあってもよく、溶媒和物又は水和物の形態にあってもよく、医薬的に許容できる賦形剤と一緒であってもよい前記医薬組成物。
【請求項2】
活性物質1及び2が、単一処方物に一緒に、又は別々の処方物に存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
ベータ受容体刺激薬2が、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモール、ソテレノート、スルホンテロール、ティアラミド、テルブタリン、トルブテロール、CHF-1035、HOKU-81、KUL-1248、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、4-ヒドロキシ-7-[2-{[2-{[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]-アミノ}エチル]-2(3H)-ベンゾチアゾロン、1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-(4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール、5-ヒドロキシ-8-(1-ヒドロキシ-2-イソプロピルアミノブチル)-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-(4H)-オン、1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-2-tert.-ブチルアミノ)エタノール及び1-(4-エトキシカルボニルアミノ-3-シアノ-5-フルオロフェニル)-2-(tert.ブチルアミノ)エタノールからなる群より選ばれ、所望により、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態にあり、また、所望により、薬理学的に許容され得る酸付加塩及びそれらの水和物である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
化合物2が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸、4-フェニル桂皮酸、5-(2.4-ジフルオロフェニル)サリチル酸又はマレイン酸の塩又はそれらの混合物の形態において存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
化合物2が、バンブテロール、ビトルテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、サルメテロール、スルホンテロール、テルブタリン、トルブテロール、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン、4-ヒドロキシ-7-[2-{[2-{[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]-アミノ}エチル]-2(3H)-ベンゾチアゾロン 、1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール 、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール 、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール 、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール 、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール 、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール 、5-ヒドロキシ-8-(1-ヒドロキシ-2-イソプロピルアミノブチル)-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-(4H)-オン、1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-2-tert.-ブチルアミノ)エタノール及び1-(4-エトキシカルボニルアミノ-3-シアノ-5-フルオロフェニル)-2-(tert.-ブチルアミノ)エタノールからなる群より選ばれ、所望によりラセミ体、エンアンチオマー、ジアステレオマーの形態にあり、また、所望により、薬理学的に許容され得る酸付加塩及びそれらの水和物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
化合物2が、フェノテロール、ホルモテロール、サルメテロール、3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド、 5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン 、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール 、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール 、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール 、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール 、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンズオキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノールから選ばれ、所望によりラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーの形態にあり、また、所望により薬理学的に許容され得るそれらの酸付加塩、及びそれらの水和物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
1の化合物が式1-エンのエナンチオマーの形態において存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【化2】

【請求項8】
12'の質量比が、約1:5〜500:1、好ましくは1:10〜400:1である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
吸入に好適な製剤の形態にある、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
吸入用パウダー、噴射剤含有定量エアロゾル又は噴射剤を含有しない吸入液から選ばれる製剤である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類、多価アルコール類、塩類から選ばれる好適な生理学的に許容され得る賦形剤又はこれら賦形剤の相互の混合物との混合物において、1及び2を含む吸入用パウダーである、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
賦形剤の最大平均粒度が、250μm以下、好ましくは10〜150μmである、請求項11に記載の吸入用パウダー。
【請求項13】
成分として活性物質1及び2のみを含む吸入用パウダーである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
溶解又は分散された形態で1及び2を含む、噴射剤含有吸入用エアロゾルである、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項15】
噴射剤ガスとして、炭化水素、例えば、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタン又はハロ炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンの塩素化及び/又はフッ素化誘導体を含む、請求項14に記載の噴射剤含有吸入用エアロゾル。
【請求項16】
噴射剤ガスが、TG11、TG12、TG134a、TG227又はそれらの混合物、好ましくはTG134a、TG227又はそれらの混合物である、請求項15に記載の噴射剤含有吸入用エアロゾル。
【請求項17】
活性物質1及び/又は2を5質量%まで含有してもよい、請求項14〜16のいずれか1項に記載の噴射剤含有吸入用エアロゾル。
【請求項18】
水、エタノール、又は水及びエタノールの混合物を溶媒として含む噴射剤を含有しない吸入液である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項19】
他の補助溶剤及び/又は他の賦形剤を含有してもよい請求項18に記載の吸入液。
【請求項20】
ヒドロキシル基又は他の極性基を含む成分、例えばアルコール類、特にイソプロピルアルコール、グリコール類、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール類及びポリオキシエチレン脂肪酸エステル類を、補助溶剤として含む、請求項19に記載の吸入液。
【請求項21】
賦形剤として、界面活性剤、安定化剤、錯化剤、抗酸化剤及び/又は保存剤、矯味矯臭剤、薬理学的に許容され得る塩及び/又はビタミンを含む、請求項19又は20に記載の吸入液。
【請求項22】
錯化剤として、エデト酸又はエデト酸の塩、好ましくはエデト酸ナトリウムを含む、請求項21に記載の吸入液。
【請求項23】
炎症性又は閉塞性呼吸器疾患、具体的には、喘息又はCOPDの治療用医薬を製造するための、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2007−500151(P2007−500151A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521461(P2006−521461)
【出願日】平成16年7月17日(2004.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008030
【国際公開番号】WO2005/014044
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】