説明

ペットの排泄物洩れ防止具

【課題】ペットの身体全体がそのペットシーツから逸脱せず、肛門や陰茎部等の排泄部位
が確実にペットシーツ上に位置するように、トイレの範囲をペットに認識させる。
【解決手段】吸湿性を有する敷物の上又は該敷物を囲繞するように設けられる囲いを備えており、該囲いの高さは、ペットが跨げる高さに設定されていることを特徴とするため、ペットはストレスを感じることなく囲い3内がトイレの範囲であることを認識でき、囲い3にて4方が囲われたペットシーツ2上に糞尿を排泄する。その時、ペットは、身体が完全に囲い3に中にあるため、肛門や陰茎部等の排泄部位も必ずペットシーツ2上に位置することとなり、ペットシーツ2の外縁部や外部に糞尿を排泄して床を汚してしまうことはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットの、トイレにおける排泄物の洩れを防止するためのペットの排泄物洩れ防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、室内で犬や猫等のペットを飼育する家庭が増えているが、ペットの糞尿排泄行為に対する躾は、居住空間を衛生的に保持する上で重要な問題である。そこで、ペットの飼主は、ペットに対して室内の特定の場所をトイレと認識させるように躾を行っており、そのトイレには排泄された糞尿が周辺の床に洩れないようにペットシーツ等が置かれている。
【0003】
しかし、ペットは、糞尿排泄行為の際にペットシーツを掻いたりしてペットシーツをずらしたり、トイレのエリアを誤認識することにより排泄された糞尿が周辺の床に洩れてしまうということがよくある。
【0004】
そこで、従来、ペットが糞尿を排泄する際に掻いたりしてペットシーツがずれることによって、排泄された糞尿が床に洩れないようなペットの排泄物洩れ防止具として、固定具付のペットシーツや一段高くなった台、或いは高価で大掛かりな占有面積の大きい檻や柵等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−250373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来のペットの排泄物洩れ防止具では、ペットが糞尿排泄行為の際に掻いたりすることによる動きによってペットシーツがずれることを防止するだけで、ペット自身が、頭部や前脚部等の身体の一部でもペットシーツ上にあれば、肛門や陰茎部等の排泄部位もペットシーツ上にあると認識してしまうといった習性には対応していない。従って、ペットは、たとえ前記した肛門や陰茎部等の排泄部位がペットシーツ上に位置していなくても、糞尿を排泄し、相変わらず周辺の床を汚してしまうといった問題があった。
【0006】
また、ペットシーツを、ずれないように床に固定しようとすれば、固定具で床に傷をつけてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記した問題を解決すべくなされたものであり、ペットの身体全体がそのペットシーツから逸脱せず、肛門や陰茎部等の排泄部位が確実にペットシーツ上に位置するように、トイレの範囲をペットに認識させるペットの排泄物洩れ防止具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、吸湿性を有する敷物の上又は該敷物を囲繞するように設けられる囲いを備えており、該囲いの高さは、ペットが跨げる高さに設定されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記囲いは、可燃性の帯状部材から成り、該帯状部材を折曲し、該帯状部材の両端部を接続することにより組立て可能に構成されていてもよい。さらに、前記囲いの内面と外面のうちの少なくとも一方の面には、防水処理加工が施されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ペットは、敷物上又は該敷物を囲繞するように設けられる囲いによって身体全体が囲われ、肛門や陰茎部等の排泄部位を確実に敷物上に位置させることができるため、敷物の外縁部や外部に糞尿を排泄してしまうことはないという効果を得ることができる。
【0011】
また、囲いは、可燃性の帯状部材で形成されている場合には、糞尿で汚染しても可燃ゴミとして手軽に廃棄することができるため、交換も簡単で、汚染物を長期にわたって保管しておく必要もなく衛生的である。さらに、囲いは、帯状部材を折曲させて組み立てることができ、収納性、運搬性もよく、あらゆるサイズの敷物に対応することができるという効果を得ることができる。
【0012】
さらにまた、囲いの内面と外面のうちの少なくとも一方の面に、防水処理加工が施されている場合には、囲いに尿が飛散しても尿を吸収することがないため、早期劣化もなく耐久性にも優れているという効果を得ることができる。
【0013】
また、囲いは、敷物の上又は該敷物を囲繞するように据え置き、床に固定しないため、床を傷つけないという効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態に係るペットの排泄物洩れ防止具について説明する。ここで、図1は本発明の実施の形態に係るペットの排泄物洩れ防止具を組み立てた状態を示す斜視図、図2は本発明の実施の形態に係るペットの排泄物洩れ防止具を示す展開図、図3は本発明の実施の形態に係るペットの排泄物洩れ防止具を組み立てている状態を示す斜視図である。
【0015】
本実施の形態に係るペットの排泄物洩れ防止具1は、図1に示されているように、吸湿性を有するペットシーツ2上に載置された矩形柵状の囲い3から構成されている。
【0016】
この囲い3は、図2に示すように、ダンボール等の紙製の帯状部材4から成り、帯状部材4を折曲し、帯状部材4の両端部を接続することにより組立て可能となっている。帯状部材4は、例えば、厚さが5mmで、短辺方向に5cm間隔で複数の折り目5が平行に形成されており、帯状部材4の外面は表装され、内面にはビニールコーティング等による防水加工が施されている。また、囲い3の高さとなる帯状部材4の短辺方向の長さは、犬や猫等のペットが跨げる高さに設定されている。ここで、ペットが跨げる高さとは、ペットが跳躍行為等をすることなく、通常の歩行をしたまま通過できる高さのことを言う。この高さは、好ましくは、ペットの脚長の1/5〜1/3程度の高さであり、使用するペットの種類や大きさに応じて、3〜20cmの範囲に設定されるのがよい。そして、例えば、ダックスフンド等の小型犬のように脚長が15cm程度のペットの場合には、3cm〜5cmの間に設定するのが望ましい。
【0017】
また、帯状部材4の両端部にはそれぞれ接続部6,7が形成されており、いずれか一方の接続部6には、表面側又は裏面側に粘着テープ8が貼着されている。
【0018】
このような構成を備えた帯状部材4から囲い3を組み立てるには、図3に示すように、帯状部材4を4箇所の折り目5において矩形状に折曲し、接続部6,7同士を粘着テープ8により粘着する。
【0019】
そして、この囲い3をペットシーツ2の上に載置することで、飼主は、ペットに対して、囲い3の存在を意識させ、排泄時には必ずその囲い3を跨ぎ、全身が囲い3内に入って初めて排泄可能であることを、ストレスを感じさせることなく、容易に認識させることができる。その結果、このように囲い3内を排泄可能エリアであると認識できているペットは、排泄時にその囲い3を跨ぎ、囲い3内に全身を入れ、ペットシーツ2上に糞尿を排泄するようになる。
【0020】
この時、ペットシーツ2は囲い3によって4方を囲われているため、ペットは、身体全体がそのペットシーツ2から逸脱することはなく、肛門や陰茎部等の排泄部位を確実にペットシーツ2上に位置させることができる。したがって、ペットシーツ2の外縁部や外部に糞尿を排泄し、周辺の床等を汚してしまったりすることはない。
【0021】
また、囲い3の形状が矩形状とシンプルで、ペットが糞尿排泄時に複雑な姿勢を取ることもないため、ペットは確実にペットシーツ2上に糞尿を排泄でき、囲い3を汚してしまったりすることもない。さらに、囲い3の大きさは、折曲する折り目5の位置を変えることにより、段階的に容易に変えることができ、あらゆるサイズのペットシーツに対応することができる。
【0022】
さらに、囲い3は、ダンボール等の紙によって形成されているため、ペットがいたずらに噛んだりしても身体に害を及ぼすことはない。また、囲い3は、軽量で床に固定することなく据え置くだけであるため、ペットが衝突しても受傷することもなく安全である。さらに、持ち運び等による移動も容易で、室内のいずれの場所にも手軽に配置できると共に、使用しない場合は折畳んで室内の片隅等に収納しておくことも可能である。さらに、囲い3が糞尿等の付着によって汚れた場合には、安価な材質で、可燃ゴミとして廃棄することもできるため、廃棄する等の交換も簡単であり、汚染物を長期にわたって保管しておく必要もない。したがって、再利用するために洗浄する手間や、洗浄時或いは洗浄不良による衛生上の問題もない。
【0023】
なお、上記した実施の形態においては、本発明をペットシーツに載置した場合について説明したが、これは単なる例示に過ぎず、ペットシーツを囲繞するように設けることもでき、また、ペットシーツ以外のマットや新聞紙等の吸湿性を有する敷物に適用することも可能である。
【0024】
さらに、囲い3の厚みは5mmに限定されるものではなく、また、囲い3の材質は撥水性の高い上質紙を素材としたダンボールや、ダンボール以外の厚紙等の可燃性部材製、或いはプラスティック等の不燃性部材製であってもよい。
【0025】
さらに、帯状部材4の接続方法は、粘着テープによる貼着に限定されるものではなく、一方の端部にスリットを設けそのスリットに他の一方の端部を挿入したり、端部同士を突き合わせてテープで接続させる等の方法でもよい。さらにまた、折り目5の間隔や折り目の数も、ペットシーツのサイズによって段階的に設定でき、折り目5の間隔も5cmに限定されるものではない。また、囲い3の防水加工もビニールコーティングに限定されるものではなく、ビニールコーティング以外の撥水性の皮膜をコーティングしてもよい。
【0026】
さらに、囲いの上端部を曲線等に加工することも可能である。また、囲い3には、美観を持たせ室内との調和に配慮するため、赤、青、白、黒、木目等の彩色や、無地、水玉等の模様や、犬の顔、肉球、花、アニメ等のキャラクタープリント模様を施したり、矩形、円、楕円、菱形、等のくり貫き模様を施すことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係るペットの排泄物洩れ防止具を組み立てた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るペットの排泄物洩れ防止具を示す展開図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るペットの排泄物洩れ防止具を組み立てている状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
1 ペットの排泄物漏れ防止具
2 ペットシーツ
3 囲い
4 可燃性の帯状部材
5 折り目
6、7 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸湿性を有する敷物の上又は該敷物を囲繞するように設けられる囲いを備えており、該囲いの高さは、ペットが跨げる高さに設定されていることを特徴とするペットの排泄物洩れ防止具。
【請求項2】
前記囲いは、可燃性の帯状部材から成り、該帯状部材を折曲し、該帯状部材の両端部を接続することにより組立て可能に構成されている請求項1に記載のペットの排泄物洩れ防止具。
【請求項3】
前記囲いの内面と外面のうちの少なくとも一方の面には、防水処理加工が施されている請求項1又は2に記載のペットの排泄物洩れ防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−228820(P2007−228820A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51545(P2006−51545)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(505416429)
【出願人】(505416430)